JP4752590B2 - ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物及びカラーフィルタ - Google Patents

ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物及びカラーフィルタ Download PDF

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本発明は、彩度がより高い広いポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物及びそれを緑色画素部に含有する、色純度が高くより理想的なRGB色再現域を達成出来るカラーフィルタに関する。
ポリハロゲン化金属フタロシアニン顔料としては、ポリハロゲン化銅フタロシアニン顔料を始めとして、それ以外のポリハロゲン化異種金属フタロシアニン顔料が知られている。
中でも、ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料は、ポリハロゲン化アルミニウムフタロシアニンダイマー顔料の様な、それ以外のポリハロゲン化異種金属フタロシアニン顔料に無い特異的な性質を示す。
具体的には、このポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料を液晶表示装置のカラーフィルタの緑色画素部への適用が知られている。このポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料を含有する緑色画素部は、当該顔料の一次粒子の平均粒子径が大きくても、Tmaxが従来のポリハロゲン化銅フタロシアニン顔料を含有する緑色画素部に比べ高波長側にあるため高色純度となり、黄色顔料と混色した場合においても緑色領域の光透過量も多く、高色純度カラーフィルタに好適に使用できる(特許文献1、2または3)。
しかしながら、これら優れたポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料にあっても、650nm以上の波長の光に対して若干の透過率を持つため、冷陰極管が発生する700nm付近の赤色光を透過させ、緑色の色純度が低下するという欠点があった。そのため、この様な従来のポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料を緑色画素部に含有するカラーフィルタを含む液晶表示装置は、輝度も色再現性が不充分であり、更に高水準の輝度とより理想的に近いRGB色再現性を達成することが期待されている。
また特許文献4や5には、被着色物への着色力の向上等の目的で、ベタイン型両性界面活性剤を用いて有機顔料の仕上げ処理を行うことが記載されており、得られたベタイン型両性界面活性剤で被覆された有機顔料組成物は、被着色物への着色力が向上している。
特開2003−161827公報 特開2004−70342公報 特開2004−70343公報 特開平11−302554公報 特開2004−51969公報
しかしながら、上記した従来の技術において、ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料に限ってみれば、彩度等の向上に、既知以外のどの様な技術的手段が有効であるかについては、一切、議論がなされていない。
本発明が解決しようとする第一の課題は、用途を問わず、彩度により優れるポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物を提供することにある。
本発明が解決しようとする第二の課題は、色純度が高くより理想的なRGB色再現域を達成出来る、ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料緑色画素部を含有するカラーフィルタを提供することにある。
本発明者等は、ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料の分光透過スペクトルに着眼し、光線波長725nmにおける光線透過率の値の大小が色相に影響を及ぼすこと、光線波長725nmにおける光線透過率は一定閾値を境に色相への影響度合いが相違することを知見し、これを一定閾値以下となる様に制御することにより、従来のポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料を緑色画素部に含有させたカラーフィルタに比べて、理想により近いRGB色再現域を達成出来ることを見い出した。また、こうして得られたポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料を緑色画素部に含有させたカラーフィルタは、従来のポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料を緑色画素部に含有させたカラーフィルタに比べて色純度および着色力が高く、理想的なRGB色再現域を達成出来ることを見い出した。本発明者等は、これらの知見により本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、質量換算でポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料100部に対してベタイン型両性界面活性剤0.1〜10部を含有してなるカラーフィルタ用ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物を提供する。
また本発明は、前記で得られたカラーフィルタ用ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物を緑色画素部に含有してなるカラーフィルタを提供する。
本発明のポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物は、彩度がより高い着色を行うことが出来るという格別顕著な効果を奏する。
本発明のポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物を含有するカラーフィルタは、従来のポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物を含有するカラーフィルタに比べて、より理想に近いRGB色再現域の液晶表示が可能であるという格別顕著な効果を奏する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明におけるポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物は、透明樹脂に濃度30.3%となる様に分散させた膜厚1μmの乾燥塗膜の、日本工業規格JIS Z 8722に準じて求められる分光透過スペクトルにおいて、可視光領域中の波長725nmでの光線透過率が10%以下であることを特徴とする。
本発明者等は、試行錯誤により、種種のポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物を調製し、上記した特許文献1〜3に記載された公知のポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料と共に、可視光領域の分光透過スペクトルを比較対比したところ、試行錯誤により得た特定のポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物だけが、彩度により優れること、及びこの彩度に優れる原因が、特異的に、特定波長においてより光線透過率が低いことにあるのを見い出した。
ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料は、フタロシアニン分子(構造)1個当たり、塩素原子及び/又は臭素原子の合計が、最大で16個結合した構造の顔料である。分子中に結合した塩素原子及び/又は臭素原子の数が増すと、ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料の色相は青色から緑色となる。ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料が緑色となるためには、分子に結合したハロゲン原子として、臭素原子は8個以上且つ塩素は1個以上有することが好ましく、なかでも臭素原子が12個以上且つ塩素原子は2個以上有することが、一層黄味を帯びた明度の高い緑色を発色する点でより好ましい。塩素原子に比べて臭素原子がより多く含有されていることが、より黄味の緑色を得る上では好ましい。
ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンは、例えば、下記一般式にて表される。
Figure 0004752590
(上記一般式1中、X〜X16は、いずれも独立に塩素原子、臭素原子または水素原子である。)を提供する。
本発明においてポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料とは、一次粒子の平均粒子径が0.01〜0.30μmのポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンをいう。
なお、本発明における一次粒子の平均粒子径とは、透過型電子顕微鏡JEM−2010(日本電子株式会社製)で視野内の粒子を撮影し、二次元画像上の、凝集体を構成するハロゲン化亜鉛フタロシアニン一次粒子の50個につき、その長い方の径(長径)を各々求め、それを平均した値である。この際、試料であるポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンは、これを溶媒に超音波分散させてから顕微鏡で撮影する。また、透過型電子顕微鏡の代わりに走査型電子顕微鏡を使用してもよい。
本発明のポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物は、臭素原子及び/又は塩素原子の置換数が異なる、複数種の、特定のハロゲン原子組成のポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料を特定割合にて含有するものであっても良い。
ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物の平均組成は、マススペクトロスコピーに基づく質量分析と、フラスコ燃焼イオンクロマトグラフによるハロゲン含有量分析から求められ、ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物中の個々の特定ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料の含有モル%も、同様に質量分析の結果を解析することにより、容易に求められる。
本発明のポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物は、前記した光線透過率を満たす様に、既存の前記した光線透過率が満たされていないポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物を調製することにより、従来品のポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料では達成できなかった高彩度が達成出来る。
本発明における光線透過率は、透明樹脂に、ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料が濃度30.3%となる様に分散させた膜厚1μmの乾燥塗膜の、日本工業規格JIS Z 8722に準じて求められる分光透過スペクトルから求められる。光走査は、少なくとも可視光領域において行い、その中の波長725nmでの光線透過率の値を求め、その値が10%内外であるかを判定する。
ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物は、カラーフィルタ用途では、650〜700nmにおける分光透過率が5%以下である領域がより広く、最大透過率(Tmax)がより大きい点で好ましい。
ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物は、ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンから製造することが出来る。このポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンは、例えば、クロルスルホン酸法、ハロゲン化フタロニトリル法、溶融法等の様な公知の製造方法で製造できる。
クロルスルホン酸法としては、亜鉛フタロシアニンを、クロロスルホン酸等の硫黄酸化物系の溶媒に溶解し、これに塩素ガス、臭素を仕込みハロゲン化する方法が挙げられる。この際の反応は、温度20〜120℃かつ3〜20時間の範囲で行われる。
ハロゲン化フタロニトリル法としては、例えば、芳香環の水素原子の一部または全部が臭素の他、塩素等のハロゲン原子で置換されたフタル酸やフタロジニトリルと、亜鉛の金属または金属塩を適宜出発原料として使用して、対応するポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンを合成する方法が挙げられる。この場合、必要に応じてモリブデン酸アンモニウム等の触媒を用いてもよい。この際の反応は、温度100〜300℃かつ7〜35時間の範囲で行われる。
溶融法としては、塩化アルミニウム、臭化アルミニウムの様なハロゲン化アルミニウム、四塩化チタンの様なハロゲン化チタン、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム等の様なアルカリ金属ハロゲン化物またはアルカリ土類金属ハロゲン化物〔以下、アルカリ(土類)金属ハロゲン化物という〕、塩化チオニル等、各種のハロゲン化の際に溶媒となる化合物の一種または二種以上の混合物からなる10〜170℃程度の溶融物中で、亜鉛フタロシアニンをハロゲン化剤にてハロゲン化する方法が挙げられる。
好適なハロゲン化アルミニウムは、塩化アルミニウムである。ハロゲン化アルミニウムを用いる上記方法における、ハロゲン化アルミニウムの添加量は、亜鉛フタロシアニンに対して、通常は、3倍モル以上であり、好ましくは10〜20倍モルである。
ハロゲン化アルミニウムは単独で用いてもよいが、アルカリ(土類)金属ハロゲン化物をハロゲン化アルミニウムに併用すると溶融温度をより下げることができ操作上有利になる。好適なアルカリ(土類)金属ハロゲン化物は、塩化ナトリウムである。加えるアルカリ(土類)金属ハロゲン化物の量は溶融塩を生成する範囲内でハロゲン化アルミニウム10質量部に対してアルカリ(土類)金属ハロゲン化物が5〜15質量部が好ましい。
また、ハロゲン化アルミニウムとして、塩化アルミニウムを用いる場合には、塩化チオニルや四塩化チタンを溶媒として用いることが好ましい。塩化チオニルや四塩化チタンの量は金属フタロシアニン1質量部に対して、1質量部以上、好ましくは2〜10質量部である。ハロゲン化剤としては、塩素ガス、塩化スルフリル、臭素等がある。
ハロゲン化の温度は10〜170℃が好ましいが、30〜140℃がより好ましい。更に、反応速度を速くするため、加圧することも可能である。反応時間は、5〜100時間で好ましくは、30〜45時間である。
前記化合物の二種以上を併用する溶融法は、溶融塩中の塩化物と臭化物とヨウ素化物の比率を調節したり、塩素ガスや臭素やヨウ素の導入量や反応時間を変化させたりすることによって、生成するポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン中における、特定ハロゲン原子組成のポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンの含有比率を任意にコントロールすることができるので好ましい。
本発明における好適な原料たる金属フタロシアニンは、亜鉛フタロシアニンである。反応中の原料の分解が少なく原料からの収率がより優れ、強酸を用いず安価な装置にて反応を行えるので、ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンを得る上では、溶融法が好適である。
本発明では、原料仕込方法、触媒種や使用量、反応温度や反応時間の最適化により、既存のポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンとは異なるハロゲン原子組成のポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンを得ることが出来る。
上記いずれの製造方法にせよ、反応終了後、得られた混合物を水又は塩酸等の酸性水溶液中に投入すると、生成したポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンが沈殿する。ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンとしては、これをそのまま用いても良いが、その後、濾過、水または硫酸水素ナトリウム水、炭酸水素ナトリウム水、水酸化ナトリウム水洗浄、必要に応じてアセトン、トルエン、メチルアルコール、エチルアルコール、ジメチルホルムアミド等の有機溶剤洗浄を行い、乾燥等の後処理を行ってから用いるのが好ましい。
ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンは、必要に応じてアトライター、ボールミル、振動ミル、振動ボールミル等の粉砕機内で乾式摩砕し、ついで、ソルベントソルトミリング法やソルベントボイリング法等で顔料化することによって、顔料化前よりは、分散性や着色力に優れ、かつ、黄味を帯びた明度の高い緑色を発色する顔料が得られる。
ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンの顔料化方法には特に制限はなく、例えば、顔料化前のポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンを分散媒に分散させると同時に顔料化を行ってもよいが、多量の有機溶剤中でハロゲン化金属フタロシアニンを加熱攪拌するソルベント処理よりも、容易に結晶成長を抑制でき、かつ比表面積の大きい顔料粒子が得られる点で、ソルベントソルトミリング処理を採用するのが好ましい。
このソルベントソルトミリングとは、合成直後またはその後に磨砕を行った、顔料化を経ていないポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンである粗顔料と、無機塩と、有機溶剤とを混練摩砕することを意味する。この場合、後者の粗顔料を用いるほうが好ましい。具体的には、粗顔料と、無機塩と、それを溶解しない有機溶剤とを混練機に仕込み、その中で混練摩砕を行う。この際の混練機としては、例えばニーダーやミックスマーラー等が使用できる。
上記無機塩としては、水溶性無機塩が好適に使用でき、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等の無機塩を用いることが好ましい。また、平均粒子径0.5〜50μmの無機塩を用いることがより好ましい。この様な無機塩は、通常の無機塩を微粉砕することにより容易に得られる。
本発明では、一次粒子の平均粒子径が0.01〜0.10μmのポリハロゲン化金属フタロシアニン顔料組成物をカラーフィルタ用途に用いるのが好ましい。本発明における前記した好ましいポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンを得るに当たっては、ソルベントソルトミリングにおける粗顔料使用量に対する無機塩使用量を高くするのが好ましい。即ち当該無機塩の使用量は、粗顔料1質量部に対して5〜20質量部とするのが好ましく、7〜15質量部とするのがより好ましい。
有機溶剤としては、結晶成長を抑制し得る有機溶剤を使用することが好ましく、このような有機溶媒としては水溶性有機溶剤が好適に使用でき、例えばジエチレングリコール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングルコール、液体ポリプロピレングリコール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、2ー(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングルコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコール等を用いることができる。当該水溶性有機溶剤の使用量は、特に限定されるものではないが、粗顔料1質量部に対して0.01〜5質量部が好ましい。
ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物を製造する方法においては、粗顔料のみをソルベントソルトミリングしても良いが、ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンとフタロシアニン誘導体とを併用してソルベントソルトミリングすることもできる。また、フタロシアニン誘導体は、粗顔料の合成時や顔料化の後に加えてもよいが、ソルベントソルトミリングなどの顔料化工程の前に加えることがより好ましい。フタロシアニン誘導体を加えることによってカラーフィルタ用レジストインキの粘度特性の向上と分散安定性の向上が達成出来る。
このようなフタロシアニン誘導体としては、公知慣用のものがいずれも使用出来るが、下記一般式(2)または(3)のフタロシアニン顔料誘導体が好ましい。尚、このフタロシアニン誘導体は、ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンまたはその原料たる亜鉛フタロシアニンに対応するフタロシアニン誘導体であるのが好ましいが、併用する場合にも少量なので、ポリハロゲン化銅フタロシアニン誘導体や、銅フタロシアニン誘導体を用いることも出来る。
Figure 0004752590
Figure 0004752590
(式中、Pは中心金属を有さないまたは中心金属を有する無置換またはハロゲン化フタロシアニン環のn個の水素を除いた残基を表す。Yは第1〜3級アミノ基、カルボン酸基、スルホン酸基またはそれと塩基或いは金属との塩を表す。Aは二価の連結基を、Zは第1〜2級アミノ基の窒素原子上の水素の少なくとも1つを除いた残基、又は窒素を含む複素環の窒素原子上の水素の少なくとも1つを除いた残基を表す。そしてmは1〜4を、nは1〜4を表す。)
前記中心金属としてはZnで、前記第1〜2級アミノ基としては、例えばモノメチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等が挙げられる。また、前記カルボン酸基やスルホン酸基と塩を形成する塩基や金属としては、例えばアンモニアや、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミンの様な有機塩基、カリウム、ナトリウム、カルシウム、ストロンチウム、アルミニウムの様な金属が挙げられ、Aの二価の連結基としては、例えば炭素数1〜3のアルキレン基、−CO2−、−SO2−,−SO2NH(CH2m−等の二価の連結基が挙げられる。そして、Zとしては、例えばフタルイミド基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基等が挙げられる。
粗顔料調製時及び/又はソルベントソルトミリング時に粗顔料に含めることが出来るフタロシアニン誘導体は、通常、粗顔料1質量部当たり0.01〜0.3質量部である。尚、粗顔料調製時及び/又はソルベントソルトミリング時にフタロシアニン誘導体を用いる場合には、粗顔料とフタロシアニン誘導体との合計量を粗顔料の使用量と見なして、無機塩の使用量等は、前記した範囲から選択する。
ソルベントソルトミリング時の温度は、30〜150℃が好ましく、80〜100℃がより好ましい。ソルベントソルトミリングの時間は、5時間から20時間が好ましく、8〜18時間がより好ましい。
こうして、一次粒子の平均粒子径が0.01〜0.10μmのハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物、無機塩、有機溶剤を主成分として含む混合物が得られるが、この混合物から有機溶剤と無機塩を除去し、必要に応じてポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物を主体とする固形物を洗浄、濾過、乾燥、粉砕等をすることにより、ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物の粉体を得ることが出来る。
洗浄としては、水洗、湯洗のいずれも採用できる。洗浄回数は、1〜5回の範囲で繰り返すことも出来る。水溶性無機塩及び水溶性有機溶剤を用いた前記混合物の場合は、水洗することで容易に有機溶剤と無機塩を除去することが出来る。必要であれば、結晶状態を変化させない様に、酸洗浄、アルカリ洗浄、溶剤洗浄を行ってもよい。
上記した濾別、洗浄後の乾燥としては、例えば、乾燥機に設置した加熱源による80〜120℃の加熱等により、顔料の脱水及び/又は脱溶剤をする回分式あるいは連続式の乾燥等が挙げられ、乾燥機としては一般に箱型乾燥機、バンド乾燥機、スプレードライアー等がある。特にスプレードライ乾燥はペースト作成時に易分散であるため好ましい。また、乾燥後の粉砕は、比表面積を大きくしたり一次粒子の平均粒子径を小さくするための操作ではなく、例えば箱型乾燥機、バンド乾燥機を用いた乾燥の場合のように顔料がランプ状等のとなった際に顔料を解して粉末化するために行うものであり、例えば、乳鉢、ハンマーミル、ディスクミル、ピンミル、ジェットミル等による粉砕等が挙げられる。こうして、ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物を主成分として含む乾燥粉末が得られる。
尚、ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物は、従来のハロゲン化銅フタロシアニン顔料に比べて一次粒子の凝集力が弱く、より解れやすい性質を持つ。電子顕微鏡写真により、従来の顔料では観察できない、凝集体を構成する個々の顔料一次粒子を観察することができる。
ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物は、公知慣用の用途にいずれも使用できるが、特に一次粒子の平均粒子径が0.01〜0.10μmであると、顔料凝集も比較的弱く、着色すべき合成樹脂等への分散性がより良好となる。
また、ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物は、カラーフィルタ緑色画素部に使用する場合においては、カラーフィルタ用感光性組成物への顔料分散が容易であり、カラーフィルタ用感光性組成物を硬化する際に多用される365nmにおける遮光性は低下し、レジストの光硬化感度の低下がなく、現像時の膜へりやパターン流れも起こり難くなるので好ましい。近年要求されている鮮明度と明度とのいずれもが高いカラーフィルタ緑色画素部がより簡便に得られる。
ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物の一次粒子は、更に縦横のアスペクト比が1〜3であると、各用途分野において粘度特性が向上し、流動性がより高くなる。アスペクト比を求めるには、まず、一次粒子の平均粒子径を求める場合と同様に、透過型電子顕微鏡または走査型電子顕微鏡で視野内の粒子を撮影する。そして、二次元画像上の、凝集体を構成する一次粒子の50個につき長い方の径(長径)と、短い方の径(短径)の平均値を求め、これらの値を用いて算出する。
本発明のポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物を調製するに当たっては、例えば、前記した様なポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料の製造工程中の任意工程において、波長725nmでの光線透過率を低下させる物質を混合する方法や、既存の波長725nmでの光線透過率が高いポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料と波長725nmでの光線透過率を低下させる物質とを混合する方法がある。
波長725nmでの光線透過率を低下させる物質としては、ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物の使用用途において不都合を生じない物質であることが好ましく、有効成分としては、例えば界面活性剤を挙げることが出来る。
ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物には、例えば、前記した様な粗顔料調製時及び/又はソルベントソルトミリング時及び/又はソルベントソルトミリング後に、界面活性剤を含めることができる。
このとき使用できる界面活性剤としては、例えば両性界面活性剤及び/又は陰イオン性界面活性剤が挙げられる。これら界面活性剤としては、有効成分の出来るだけ多く(望ましくは全量)が前記顔料に吸着しそれを被覆する様な、ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料への吸着性に優れたものが好ましい。特に、カルボキシベタイン型、アミドベタイン型、スルホベタイン型、ヒドロキシスルホベタイン型、アミドスルホベタイン型、ホスホベタイン型等のベタイン型両性界面活性剤は、725nmの光線透過率のみならず、425nmにおける光線透過率を低減させることが出来、カラーフィルタの緑色画素部のパターン形成に用いることでより色純度に優れ、より広いRGB色再現域を達成し得るカラーフィルタが得られるので好適である。
ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物中に含有させることが出来る界面活性剤の量は、特に制限されるものではないが、質量換算で、通常、ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物100部当たり0.1〜10部、好ましくは0.5〜5部、より好ましくは1〜3部とすることが出来る。
界面活性剤を含有させる方法は、特に制限はないが、好ましくは、ソルベントソルトミリング後の同顔料組成物を水中に分散し、前記した範囲の適量の界面活性剤を加え、室温〜140℃の温度で30〜300分間加熱混合することにより行うことが出来る。この方法を採用した場合には、前記したのと同様に、濾過、洗浄、乾燥、粉砕等を行うことで、本発明のポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物を主成分として含む乾燥粉末が得られる。ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物に含有された、有効成分である、界面活性剤の量(いわゆる歩留まり)は、例えば顔料組成物の溶媒抽出による界面活性剤抽出量から、或いは、仕込界面活性剤に対する濾液中の流出量から求めることが出来る。
本発明のポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物を、少なくともカラーフィルタの緑色画素部に含有させることで、本発明のカラーフィルタを得ることが出来る。カラーフィルタ分野においては、従来の印刷インキや塗料の様な汎用用途とは異なり、彩度値の取扱いが大変厳密であり、極僅か彩度値の向上させるのにも困難を伴うが、本発明のポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物をカラーフィルタの調製に用いることにより、色純度が向上しより広いRGB色再現域の液晶表示装置が得られる。
従来のポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料と同様に、本発明のポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物は、カラーフィルタの緑色画素部を得る場合に、特段に黄色顔料を調色のために併用することなく、或いは併用するにしてもより少量で済むため、380〜780nmの全域における光透過率の低下も最小限に防止できる。特に、本発明のポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物は、より黄味かつより高着色力を有するため、同等の色濃度であれば、黄色顔料はより少ない併用量で良いため、さらに透過率を上げることも出来、有利である。
本発明のポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物は、前記した様に、従来のポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料と同様に、380〜780nmにおける分光透過スペクトルの透過率が最大となる波長(Tmax)は、510〜520nmであり、その透過曲線の半値幅が110nm以下と非常にシャープである。(この波長は、後述する様な感光性樹脂による影響を受けない。)。
本発明における分光透過スペクトルとは、日本工業規格JIS Z 8722(色の測定方法−反射及び透過物体色)の第一種分光測光器に準じて求められるもので、ガラス基板等の上に前記所定乾燥膜厚に製膜した顔料組成物を含む樹脂被膜について所定波長領域の光を走査照射して、各波長における各透過率値をプロットしたものである。カラーフィルタとしての透過率は、例えば樹脂のみで同一乾燥膜厚となした被膜について同様に求めた分光透過スペクトルで補正すること(ベースライン補正等)によって、より精度良く求めることが出来る。
本発明の、ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物を緑色画素部に含有するカラーフィルタは、白色光、F10等の光源を用いた場合、光源の緑の輝線を良く透過させることができ、かつポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物の分光透過スペクトルがシャープなため、緑色の色純度、着色力を最大限に発現することができる。
本発明のポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物は、それだけをそのままカラーフィルタの緑色画素部の製造に用いることが出来るが、必要ならば、経済性を考慮して、公知慣用の緑色ハロゲン化銅フタロシアニンまたはその他の緑色ハロゲン化異種金属フタロシアニン顔料の様な緑色ハロゲン化金属フタロシアニン顔料を併用して用いても良い。
本発明におけるポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物:公知慣用の緑色ハロゲン化金属フタロシアニン顔料(質量比)=100:0〜80:20、好ましくは100:0〜90:10として用いることが好ましい。
また、緑色顔料の他に、特性を出現させるため調色用に黄色顔料を使用することがある。ここで併用できる黄色顔料としては、例えばC.I.ピグメント イエロー 83、同110、同138、同139、同150、同180、同185等の黄色有機顔料が挙げられる。本発明のポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物と黄色顔料との併用割合は、前記ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物100質量部当たり、黄色顔料が10〜100質量部である。
また、本発明のポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物を用いれば、黄色顔料を調色のために併用した場合でも、調色のために2種以上の異なる色の顔料を混色する従来の場合に比べて、濁りの少ない、色純度、着色力に優れ、かつ明るいカラーフィルタ緑色画素部とすることが出来る。
例えば、従来のC.I.ピグメント グリーン 7、同36の様な緑色顔料に、上記した黄色顔料を併用した混合顔料を用いた場合に比べて、本発明のポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物に黄色顔料と併用した場合のほうが、色純度、着色力が高いため、明るさの低下がより小さくなり、緑色領域の光透過量もより大きくなる。
本発明のポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物は、公知の方法でカラーフィルタの緑色画素部のパターンの形成に用いることが出来る。典型的には、本発明のポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物と、感光性樹脂とを必須成分して含むカラーフィルタ緑色画素部用感光性組成物を得ることが出来る。
カラーフィルタの製造方法としては、例えば、このポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物を感光性樹脂からなる分散媒に分散させた後、スピンコート法、ロールコート法、インクジェット法等でガラス等の透明基板上に塗布し、ついでこの塗布膜に対して、フォトマスクを介して紫外線によるパターン露光を行った後、未露光部分を溶剤等で洗浄して緑色パターンを得る、フォトリソグラフィーと呼ばれる方法が挙げられる。
その他、電着法、転写法、ミセル電解法、PVED(Photovoltaic Electrodeposition)法の方法で緑色画素部のパターンを形成して、カラーフィルタを製造してもよい。なお、赤色画素部のパターンおよび青色画素部のパターンも公知の顔料を使用して、同様の方法で形成できる。
カラーフィルタ緑色画素部用感光性組成物を調製するには、例えば、本発明のポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物と、感光性樹脂と、光重合開始剤と、前記樹脂を溶解する有機溶剤とを必須成分として混合する。その製造方法としては、ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物と有機溶剤と必要に応じて分散剤を用いて分散液を調製してから、そこに感光性樹脂等を加えて調製する方法が一般的である。
ここでのポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物としては、上記フタロシアニン誘導体を含んでいても含んでいなくても良いポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物と、必要に応じて黄色顔料を用いることが出来る。
必要に応じて用いる分散剤としては、例えばビックケミー社のディスパービック(DisperbyK登録商標)130、ディスパービック161、ディスパービック162、ディスパービック163、ディスパービック170、エフカ社のエフカ46、エフカ47等が挙げられる。また、レベンリグ剤、カップリング剤、カチオン系の界面活性剤なども併せて使用可能である。
有機溶剤としては、例えばトルエンやキシレン、メトキシベンゼン等の芳香族系溶剤、酢酸エチルや酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の酢酸エステル系溶剤、エトキシエチルプロピオネート等のプロピオネート系溶剤、メタノール、エタノール等のアルコール系溶剤、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、ヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクタム、N−メチル−2−ピロリドン、アニリン、ピリジン等の窒素化合物系溶剤、γ−ブチロラクトン等のラクトン系溶剤、カルバミン酸メチルとカルバミン酸エチルの48:52の混合物のようなカルバミン酸エステル、水等がある。有機溶剤としては、特にプロピオネート系、アルコール系、エーテル系、ケトン系、窒素化合物系、ラクトン系、水等の極性溶媒で水可溶のものが適している。
本発明のポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物100質量部当たり、300〜1000質量部の有機溶剤と、必要に応じて0〜100質量部の分散剤及び/又は0〜20質量部のフタロシアニン誘導体とを、均一となる様に攪拌分散して分散液を得ることができる。次いでこの分散液に、ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物1質量部当たり、3〜20質量部の感光性樹脂、感光性樹脂1質量部当たり0.05〜3質量部の光重合開始剤と、必要に応じてさらに有機溶剤を添加し、均一となる様に攪拌分散してカラーフィルタ緑色画素部用感光性組成物を得ることができる。
この際に使用可能な感光性樹脂としては、例えばウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド酸系樹脂、ポリイミド系樹脂、スチレンマレイン酸系樹脂、スチレン無水マレイン酸系樹脂等の熱可塑性樹脂や、例えば1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ビス(アクリロキシエトキシ)ビスフェノールA、3−メチルペンタンジオールジアクリレート等のような2官能モノマー、トリメチルロールプロパトントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアネート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等のような多官能モノマー等の光重合性モノマーが挙げられる。
光重合開始剤としては、例えばアセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンジルジメチルケタノール、ベンゾイルパーオキサイド、2−クロロチオキサントン、1,3−ビス(4'−アジドベンザル)−2−プロパン、1,3−ビス(4'−アジドベンザル)−2−プロパン−2'−スルホン酸、4,4'−ジアジドスチルベン−2,2'−ジスルホン酸等がある。
こうして調製されたカラーフィルタ緑色画素部用感光性組成物は、フォトマスクを介して紫外線によるパターン露光を行った後、未露光部分を有機溶剤やアルカリ水等で洗浄することによりカラーフィルタとなすことができる。
本発明のポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物は、より黄味の緑色で着色力が高く、高色純度でコントラストの高い明るい緑色を発色する。従って、詳述したカラーフィルタ用以外にも、塗料、プラスチック、印刷インク、ゴム、レザー、捺染、電子トナー、ジェットインキ、熱転写インキなどの着色に適する。
次に本発明の実施例を示して具体的に説明する。以下、断りのない限り、%は質量%、部は質量部を意味する。なお、実施例2及び4は参考例である。
[製造例1]
フタロニトリル、アンモニア、塩化亜鉛を原料として亜鉛フタロシアニンを製造した。これの1−クロロナフタレン溶液は、750〜850nmに光の吸収を有していた。
ハロゲン化は、塩化スルフリル45.5部、無水塩化アルミニウム54.5部、塩化ナトリウム7部を40℃で混合し、亜鉛フタロシアニン15部を加える。これに臭素35部を滴下して加え、19.5時間かけて130℃まで昇温し1時間保持する。その後反応混合物を水に取り出し、ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン粗顔料を析出させる。この水性スラリーを濾過し、60℃の湯洗浄、1%硫酸水素ナトリウム水洗浄、60℃の湯洗浄を行い、90℃で乾燥させ、2.7部の精製されたポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン粗顔料Aを得た。
このハロゲン化亜鉛フタロシアニン粗顔料A1部、粉砕した塩化ナトリウム10部、ジエチレングリコール1部を双腕型ニーダーに仕込み、100℃で8時間混練した。混練後80℃の水100部に取り出し、1時間攪拌後、濾過、湯洗、乾燥、粉砕しポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物Aを得た。
得られたポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物は、質量分析とフラスコ燃焼イオンクロマトグラフによるハロゲン含有量分析から、平均組成ZnPcBr9.8Cl3.1H3.1であった。
このポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物A100部を、室温で水2000部に分散した。アンヒトール(AMPHITOL登録商標)24B(カルボキシベタイン系界面活性剤:花王(株)製)を水に分散して作製した、有効成分量5%水溶液40部を前記した顔料水分散液に添加し、70℃で1時間攪拌保持する。この分散液を濾過および60℃の湯洗浄を行い、さらに90℃で乾燥後にラボミキサーで粉砕し、ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物Bを得た。濾液及び洗浄液の分析から、仕込みに用いられた界面活性剤は、実質的にほぼ全量がポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料を被覆していると推定された。
製造例1において使用したアンヒトール24Bの代わりに、ネオペレックス(NEOPELEX登録商標)G−15(ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム系界面活性剤:花王(株)製)を使用し、ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物Cを得た。濾液及び洗浄液の分析から、仕込みに用いられた界面活性剤は、実質的にほぼ全量がポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料を被覆していると推定された。
上記の実施例1で得られたポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物Bを用い、フォトリソグラフィーでカラーフィルタを製造した。
カラーフィルタの製造方法としては、顔料組成物10部、N,N'−ジメチルホルムアミド2.5部、ディスパービック(disperbyK登録商標)161(ビックケミー社製)6.78部、ユーカーエステルEEP(ユニオン・カーバイド社製)80.8部を0.5mmφセプルビーズを加え、ペイントコンディショナー(東洋精機株式会社製)で1時間分散し、顔料分散液を得た。
この顔料分散液75.00部とポリエステルアクリレート樹脂(アロニックス登録商標M7100、東亜合成化学工業株式会社製)5.50部、ジぺンタエリスレートヘキサアクリレート(KAYARAD登録商標 DPHA、日本化薬株式会社製)5.00部、ベンゾフェノン(KAYACURE登録商標 BP−100、日本化薬株式会社製)1.00部、ユーカーエステルEEP13.5部を分散攪拌機で攪拌し、カラーレジストを得た。カラーレジストは1mm厚ガラスに乾燥膜厚1μmとなるように塗布した。
次いでフォトマスクを介して紫外線によるパターン露光を行った後、未露光部分を有機溶剤で洗浄することによりカラーフィルタとした。
カラーフィルタのC光源2°視野におけるXYZ表色系での分光透過スペクトルを、顕微分光光度計(大塚電子製MCPD−3000)を使用し測定した。(このとき色度座標y=0.400となる位置での分光透過スペクトルを測定)。また、彩度として、顕微分光光度計で測定したC*値を示す。
上記の実施例2で得られたポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物Cを用い、実施例1の方法に従いカラーフィルタを作製後、分光透過スペクトルを測定した。
[比較例1]
上記の製造例1で得られたポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料Aを用い、実施例1の方法に従いカラーフィルタを作製後、分光透過スペクトルを測定した。
表1
Figure 0004752590
表1から明らかなように、本発明のポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物から作られたカラーフィルタは、比較例のそれに対し彩度がより優れていることがわかる。
実施例2と比較例1との対比において、彩度0.2ポイント以上の改善はカラーフィルタ分野においては、従来の印刷インキや塗料の様な汎用用途とは異なり、極めて大きな改善度合いに当たる。また実施例1のカラーフィルタは、実施例2のそれに比べて、より彩度に優れており、色純度がより高くなるだけでなく着色力も高い値を示し、最も優れた特性を示している。即ち長波長のみならず短波長での光線透過率も低いため色純度がより高く、より理想的なRGB色再現域を達成出来る液晶表示装置のカラーフィルタ用緑色顔料としてより望ましい特性を有していることは明白である。
以上説明したように本発明のポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物は、より高彩度であり、より色純度の高い色度を有し、さらに非常に高い着色力を示す。したがって、本発明の顔料組成物は、より理想的なRGB色再現域のディスプレー等の大画面用カラーフィルタの緑色画素部のパターン形成に最適である。


Claims (4)

  1. 質量換算でポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料100部に対してベタイン型両性界面活性剤0.1〜10部を含有してなるカラーフィルタ用ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物。
  2. 固形分中におけるポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料の濃度が35.6質量%となる様に、カラーフィルタ用ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物を、透明樹脂に分散させたカラーフィルタ画素部用感光性組成物を塗布した膜厚1μmの乾燥塗膜、日本工業規格JIS Z 8722に準じて求められる分光透過スペクトルにおいて、可視光領域中の波長725nmでの光線透過率が10%以下であることを特徴とする、請求項1記載のカラーフィルタ用ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物。
  3. 可視光領域中の波長725nmでの光線透過率が10%以下であり、かつ、波長425nmでの光線透過率が17%以下である請求項記載のカラーフィルタ用ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項記載のカラーフィルタ用ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物を緑色画素部に含有してなるカラーフィルタ。
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