JP2001342374A - カラーフィルター用ハロゲン化銅フタロシアニン顔料組成物およびカラーフィルター - Google Patents

カラーフィルター用ハロゲン化銅フタロシアニン顔料組成物およびカラーフィルター

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JP2001342374A
JP2001342374A JP2000360915A JP2000360915A JP2001342374A JP 2001342374 A JP2001342374 A JP 2001342374A JP 2000360915 A JP2000360915 A JP 2000360915A JP 2000360915 A JP2000360915 A JP 2000360915A JP 2001342374 A JP2001342374 A JP 2001342374A
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copper phthalocyanine
color filter
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halogenated copper
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Ichiro Kawase
一郎 河瀬
Naoko Muramatsu
尚子 村松
Kikuyo Yamamoto
紀久代 山本
Toshio Takei
俊夫 武井
Seiji Funakura
省二 船倉
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 黄味を帯びた明度の高い緑色を発色するカラ
ーフィルターを得る。 【解決手段】 1分子中に臭素原子を14個以上有する
ハロゲン化銅フタロシアニン(A)を35〜95mol
%含有することを特徴とするカラーフィルター用ハロゲ
ン化銅フタロシアニン顔料組成物およびこれを用いたカ
ラーフィルター。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶表示装置のカラ
ーフィルターに用いるハロゲン化銅フタロシアニン顔料
組成物およびこれを用いたカラーフィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置に用いられるカラーフィル
ターは、ガラス等の透明基板上に赤色、緑色、青色の3
色のパターンが形成されたものであり、緑色の着色パタ
ーンを形成するためには、一般にハロゲン化銅フタロシ
アニン顔料が使用されている。銅フタロシアニンは、銅
原子のまわりに4個のイソインドールを持つ環状化合物
であり、1分子中に4個の芳香環を有する。そして、こ
の芳香環はそれぞれ4個の水素原子を有していて、これ
ら合計16個の水素原子は臭素、塩素等のハロゲン原子
によって置換可能である。
【0003】緑色パターンに使用される顔料としては、
通常、この16個の水素原子のうちの一部またはすべて
が、臭素、塩素等のハロゲン原子によって置換されたハ
ロゲン化銅フタロシアニン顔料を含む緑色顔料組成物が
使用されている。このハロゲン化銅フタロシアニン顔料
組成物は、様々な比率で水素原子が臭素原子および/ま
たは塩素原子で置換されたハロゲン化銅フタロシアニン
の混合物である。
【0004】カラーフィルターの緑色パターンには、通
常、黄味が強く明度の高い緑色顔料が要求される。従
来、黄味が強く明るい緑色を発色させるためには、1分
子中のハロゲン原子数を高くすることが好ましいとされ
てきた。さらにハロゲン原子のうち臭素原子の割合が高
いほど、より黄味を帯びた緑色を発色させることができ
る。したがって、カラーフィルターの緑色パターンに
は、水素原子が高い割合で臭素原子に置換された高臭素
比のハロゲン化銅フタロシアニンを、多く含有するハロ
ゲン化銅フタロシアニン顔料組成物が使用されてきた。
【0005】また、特開平10―160928号公報で
は、緑色顔料のみや緑色顔料と黄色顔料の混色での色相
等を改良する目的で、C.I.Pigment GRE
EN36等の緑色顔料に、C.I.Pigment Y
ELLOW 150、同185等の黄色顔料を添加し黄
味を強くする方法も記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに高臭素比のハロゲン化銅フタロシアニン含有量を高
く制御しても、ハロゲン化銅フタロシアニン顔料組成物
の色味が安定せず、発色が赤味がかったり、明度が低く
なってしまう場合があった。また、黄色顔料を添加し、
黄味を強くする方法もあるが、添加量が増えると明度が
低下するという問題がある。すなわち、ハロゲン化銅フ
タロシアニン顔料組成物においては、高臭素比のハロゲ
ン化銅フタロシアニン含有量を高く制御するだけでは、
黄味が強く明るい緑色を発色する顔料組成物を安定に製
造することは困難であった。本発明は前記事情に鑑みて
なされたもので、黄味が強く明度の高い緑色を発色する
カラーフィルター用顔料組成物を安定に提供することを
課題とする。さらには調色するにしても、より少ない黄
色顔料の併用で済み、明度の低下も小さいカラーフィル
ター用顔料組成物を安定に提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討した結果、ハロゲン化銅フタロ
シアニン顔料組成物中における、1分子中に臭素原子を
14個以上有するハロゲン化銅フタロシアニンの含有量
をさらに調整することによって、黄味が強く明度の高い
緑色を発色する顔料組成物が得られることを見出し、本
発明に到達した。すなわち、本発明は上記課題を解決す
るために、次の発明を提供するものである。 1. 分子中に臭素原子を14個以上有するハロゲン化
銅フタロシアニン(A)を35〜95mol%含有する
ことを特徴とするカラーフィルター用ハロゲン化銅フタ
ロシアニン顔料組成物。 2. ハロゲン化銅フタロシアニン顔料組成物を用いた
カラーフィルターであって、380〜780nmにおけ
る分光透過スペクトルの透過率が最大となる波長(Tma
x)が510〜540nmであり、前記波長(Tmax)に
おける透過率が80%以上で、かつ、波長610〜70
0nmにおける前記分光透過スペクトルの透過率が20
%以下であることを特徴とするカラーフィルター。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のカラーフィルター用ハロゲン化銅フタロシアニ
ン顔料組成物(以下、顔料組成物ともいう。)は、1分
子中に臭素原子を14個以上有するハロゲン化銅フタロ
シアニン(A)を35〜95mol%、好ましくは38
〜85mol%含有する。
【0009】銅フタロシアニンは1分子中に16個の水
素原子を有しているため、これらの水素原子を、臭素原
子と、例えば塩素原子とで置換すると、臭素原子数が0
〜16個、塩素原子数が0〜16個、水素原子数が0〜
16個の範囲で、理論上では合計136種類の置換体を
製造できる。ここで、1分子中に臭素原子を14個以上
有するハロゲン化銅フタロシアニン(A)とは、1分子
中に臭素原子以外のハロゲン原子や水素原子を0〜2個
有するものである。
【0010】本発明の顔料組成物において、臭素原子を
14個以上有するハロゲン化銅フタロシアニン(A)の
含有量が35mol%未満では、顔料組成物の黄味が不
十分となる。95mol%を超えると明度が低下する。
【0011】さらに好ましくは、1分子中に臭素原子を
14個以上有するハロゲン化銅フタロシアニン(A)中
には、1分子中に臭素原子を15個以上有するハロゲン
化銅フタロシアニン(B)が、50mol%以上含まれ
ることが好ましい。特に好ましくは50〜80mol%
である。このような顔料組成物は、黄味を帯びた明度の
高い緑色を発色し、カラーフィルターの緑色パターンへ
の使用に最適なものとなる。
【0012】さらに、1分子中に臭素原子を15個以上
有するハロゲン化銅フタロシアニン(B)中には、1分
子中に臭素原子を16個有するハロゲン化銅フタロシア
ニン(C)が20〜60%含まれることが更に好まし
い。中でも40〜60mol%、特に好ましくは40〜
55mol%である。このような顔料組成物は、更に黄
味を帯びた明度の高い緑色を発色し、カラーフィルター
の緑色パターンへの使用により最適なものとなる。
【0013】また本発明の顔料組成物は、1分子中に水
素原子を1〜4個有するハロゲン化銅フタロシアニン
(D)を60mol%以下含有することが好ましい。さ
らに好ましくは50mol%以下、より好ましくは30
mol%以下である。特に好ましくは1〜30mol%
である。60mol%を超えると、顔料組成物の緑色の
発色が悪くなる場合がある。
【0014】さらには、1分子中に水素原子を1〜4個
有するハロゲン化銅フタロシアニン(D)中には、1分
子中に水素原子を1〜2個有するハロゲン化銅フタロシ
アニンが多く含まれる方が、より明度の高い緑色を発色
するようになる。水素原子を1〜4個有するハロゲン化
銅フタロシアニン(D)中における、水素原子を1〜2
個有するハロゲン化銅フタロシアニンの含有量は、好ま
しくは50mol%以上、さらに好ましくは80mol
%以上である。ここで、1分子中に水素原子を1〜4個
有するハロゲン化銅フタロシアニン(D)とは、言い換
えれば、1分子中にハロゲン原子を12〜15個有する
ハロゲン化銅フタロシアニンである。
【0015】このような顔料組成物は、特開昭50−1
30816号公報等に開示されている公知の製造方法で
製造できる。例えば、芳香環の水素原子の一部または全
部が臭素の他、塩素等のハロゲン原子で置換されたフタ
ル酸やフタロジニトリルを適宜出発原料として使用し
て、顔料組成物を合成する方法が挙げられる。この場
合、必要に応じてモリブデン酸アンモニウム等の触媒を
用いてもよい。
【0016】他の方法としては、塩化アルミニウム、塩
化ナトリウム、臭化ナトリウム等の混合物からなる10
〜170℃程度の溶融物中で、銅フタロシアニンを塩素
ガスで塩素化する方法が挙げられる。この方法において
は、溶融塩中の塩化物と臭化物の比率を調節したり、塩
素ガスの導入量や反応時間を変化させたりすることによ
って、顔料組成物中における種々のハロゲン化銅フタロ
シアニンの比率を任意にコントロールすることができ
る。
【0017】すなわち、反応条件を適宜変化させること
によって、顔料組成物中における、1分子中に臭素原子
を14個以上有するハロゲン化銅フタロシアニン(A)
の含有量や1分子中に臭素原子を15個以上有するハロ
ゲン化銅フタロシアニン(B)の含有量や、1分子中に
臭素原子を16個以上有するハロゲン化銅フタロシアニ
ン(C)の含有量、そして、1分子中に水素原子を1〜
4個有するハロゲン化銅フタロシアニン(D)の含有量
を調整することができる。
【0018】反応終了後、得られた混合物を塩酸等の酸
性水溶液中に投入すると、生成した顔料組成物が沈殿す
る。その後、濾過、洗浄、乾燥等の後処理を行って、顔
料組成物を得る。
【0019】そしてこの顔料組成物を、必要に応じてア
トライター、ボールミル、振動ミル、振動ボールミル等
の粉砕機内で乾式摩砕し、ついで、ソルベントソルトミ
リング法やソルベントボイリング法等で顔料化すること
によって、分散性や着色力に優れ、かつ、黄味を帯びた
明度の高い緑色を発色する顔料組成物が得られる。顔料
化方法には特に制限はなく、顔料組成物を分散媒に分散
させると同時に顔料化を行ってもよいが、多量の有機溶
剤中で顔料組成物を加熱攪拌するソルベント処理より
も、容易に結晶成長を抑制でき、かつ比表面積の大きい
顔料粒子が得られる点で、ソルベントソルトミリング処
理を採用するのが好ましい。
【0020】このソルベントソルトミリングとは、合成
直後の顔料組成物である粗顔料と、無機塩と、有機溶剤
とを混練摩砕することを意味する。具体的には、粗顔料
と、無機塩と、それを溶解しない有機溶剤とを混練機に
仕込み、その中で混練摩砕を行う。この際の混練機とし
ては、例えばニーダーやミックスマーラー等が使用でき
る。
【0021】上記無機塩としては、水溶性無機塩が好適
に使用でき、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫
酸ナトリウム等の無機塩を用いることが好ましい。ま
た、平均粒子径0.5〜50μmの無機塩を用いること
がより好ましい。この様な無機塩は、通常の無機塩を微
粉砕することにより容易に得られる。
【0022】本発明の顔料組成物の好ましい形態であ
る、一次粒子の平均粒子径が0.01〜0.06μmの
顔料組成物を得るに当たっては、ソルベントソルトミリ
ングにおける粗顔料使用量に対する無機塩使用量を高く
するのが好ましい。即ち当該無機塩の使用量は、粗顔料
1重量部に対して5〜20重量部とするのが好ましく、
7〜15重量部とするのがより好ましい。なお、本発明
における一次粒子の平均粒子径とは、透過型電子顕微鏡
JEM−2010(日本電子株式会社製)で視野内の粒
子を撮影し、二次元画像上の、凝集体を構成する顔料一
次粒子の50個につき、その長い方の径(長径)を各々
求め、それを平均した値である。この際、試料である顔
料組成物は、これを溶媒に超音波分散させてから顕微鏡
で撮影する。また、透過型電子顕微鏡の代わりに走査型
電子顕微鏡を使用してもよい。
【0023】有機溶剤としては、結晶成長を抑制し得る
有機溶剤を使用することが好ましく、このような有機溶
媒としては水溶性有機溶剤が好適に使用でき、例えばジ
エチレングリコール、グリセリン、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、液体ポリエチレングルコー
ル、液体ポリプロピレングリコール、2−(メトキシメ
トキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、2ー
(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオ
キシ)エタノール、ジエチレングリコールモノメチルエ
ーテル、ジエチレングルコールモノエチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレン
グリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−
2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピ
レングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリ
コールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコール等
を用いることができる。当該水溶性有機溶剤の使用量
は、特に限定されるものではないが、粗顔料1重量部に
対して0.01〜5重量部が好ましい。
【0024】本発明の顔料組成物を製造する方法におい
ては、粗顔料のみをソルベントソルトミリングしても良
いが、顔料組成物とフタロシアニン誘導体とを併用して
ソルベントソルトミリングすることもできる。また、フ
タロシアニン誘導体は、粗顔料の合成時や顔料化の後に
加えてもよいが、ソルベントソルトミリングなどの顔料
化工程の前に加えることがより好ましい。フタロシアニ
ン誘導体を加えることによってカラーフィルター用レジ
ストインキの粘度特性の向上と分散安定性の向上が達成
できる。
【0025】このようなフタロシアニン誘導体として
は、公知慣用のものがいずれも使用出来るが、下記一般
式(I)または(II)のフタロシアニン顔料誘導体が
好ましい。
【0026】P−(Y)n ・・・(I)
【0027】P−(A−Z)n ・・・(II)
【0028】(式中、Pは中心金属を有さないまたは中
心金属を有する無置換またはハロゲン化フタロシアニン
環のn個の水素を除いた残基を表す。Yは第1〜3級ア
ミノ基、カルボン酸基、スルホン酸基またはそれと塩基
或いは金属との塩を表す。Aは二価の連結基を、Zは第
1〜2級アミノ基の窒素原子上の水素の少なくとも1つ
を除いた残基、又は窒素を含む複素環の窒素原子上の水
素の少なくとも1つを除いた残基を表す。そしてmは1
〜4を、nは1〜4を表す。)
【0029】前記中心金属としては、例えば銅、コバル
ト、マンガン、アルミニウム等の二〜三価金属が挙げら
れ、前記第1〜2級アミノ基としては、例えばモノメチ
ルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等が
挙げられる。また、前記カルボン酸基やスルホン酸基と
塩を形成する塩基や金属としては、例えばアンモニア
や、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミ
ンの様な有機塩基、カリウム、ナトリウム、カルシウ
ム、ストロンチウム、アルミニウムの様な金属が挙げら
れ、Aの二価の連結基としては、例えば炭素数1〜3の
アルキレン基、−CO2−、−SO2−,−SO2NH
(CH2m−等の二価の連結基が挙げられる。そして、
Zとしては、例えばフタルイミド基、モノアルキルアミ
ノ基、ジアルキルアミノ基等が挙げられる。
【0030】加えるフタロシアニン誘導体は、通常、粗
顔料1重量部当たり0.01〜0.3重量部である。フ
タロシアニン誘導体を用いる場合には、粗顔料とフタロ
シアニン誘導体との合計量を粗顔料の使用量と見なし
て、無機塩の使用量等は、前記した範囲から選択する。
【0031】ソルベントソルトミリング時の温度は、3
0〜150℃が好ましく、80〜100℃がより好まし
い。ソルベントソルトミリングの時間は、5時間から2
0時間が好ましく、8〜18時間がより好ましい。
【0032】こうして、一次粒子の平均粒子径が0.0
1〜0.06μmのハロゲン化銅フタロシアニン顔料組
成物、無機塩、有機溶剤を主成分として含む混合物が得
られるが、この混合物から有機溶剤と無機塩を除去し、
必要に応じてハロゲン化銅フタロシアニン顔料を主体と
する固形物を洗浄、濾過、乾燥、粉砕等をすることによ
り、ハロゲン化銅フタロシアニン顔料組成物粉体を得る
ことが出来る。洗浄としては、水洗、湯洗のいずれも採
用できる。洗浄回数は、1〜5回の範囲で繰り返すこと
も出来る。水溶性無機塩及び水溶性有機溶剤を用いた前
記混合物の場合は、水洗することで容易に有機溶剤と無
機塩を除去することが出来る。
【0033】上記した濾別、洗浄後の乾燥としては、例
えば、乾燥機に設置した加熱源による80〜120℃の
加熱等により、顔料の脱水及び/又は脱溶剤をする回分
式あるいは連続式の乾燥等が挙げられ、乾燥機としては
一般に箱型乾燥機、バンド乾燥機、スプレードライアー
等がある。また、乾燥後の粉砕は、比表面積を大きくし
たり一次粒子の平均粒子径を小さくするための操作では
なく、例えば箱型乾燥機、バンド乾燥機を用いた乾燥の
場合のように顔料がランプ状等のとなった際に顔料を解
して粉末化するために行うものであり、例えば、乳鉢、
ハンマーミル、ディスクミル、ピンミル、ジェットミル
等による粉砕等が挙げられる。
【0034】こうして、一次粒子の平均粒子径が0.0
1〜0.06μmのハロゲン化銅フタロシアニン顔料組
成物が得られる。このハロゲン化銅フタロシアニン顔料
組成物は、公知慣用の用途にいずれも使用できるが、特
に一次粒子の平均粒子径が0.01〜0.06μmの顔
料組成物は、着色すべき合成樹脂等への分散性がより良
好となる。また、カラーフィルターに使用する場合にお
いては、カラーフィルター用レジストインキを硬化する
際に多用される365nmにおける遮光性は低下し、レ
ジストの光硬化感度の低下がなく、現像時の膜へりやパ
ターン流れも起こり難くなるので好ましい。
【0035】尚、本発明の顔料組成物は、従来の顔料に
比べて一次粒子の凝集力が弱く、より解れやすい性質を
持つ。電子顕微鏡写真により、従来の顔料では観察でき
ない、凝集体を構成する個々の顔料一次粒子を観察する
ことができる。
【0036】本発明のハロゲン化銅フタロシアニン顔料
組成物の一次粒子は、更に縦横のアスペクト比が1〜3
であると、各用途分野において粘度特性が向上し、流動
性がより高くなる。アスペクト比を求めるには、まず、
一次粒子の平均粒子径を求める場合と同様に、透過型電
子顕微鏡または走査型電子顕微鏡で視野内の顔料粒子を
撮影する。そして、二次元画像上の、凝集体を構成する
顔料一次粒子の50個につき長い方の径(長径)と、短
い方の径(短径)の平均値を求め、これらの値を用いて
算出する。
【0037】カラーフィルターを製造する場合は、特に
一次粒子の平均粒子径が0.01〜0.06μmである
顔料組成物が好ましい。顔料組成物の一次粒子の平均粒
子径が上記範囲であると、顔料凝集も比較的弱く、カラ
ーフィルター用レジストインキへの顔料分散が容易であ
り、近年要求されている鮮明度と明度とのいずれもが高
いカラーフィルターがより簡便に得られる。
【0038】また、1分子中に臭素原子を14個以上有
するハロゲン化銅フタロシアニン(A)を35〜95m
ol%含有するカラーフィルター用ハロゲン化銅フタロ
シアニン顔料組成物を用いると、特段に黄色顔料を調色
のために併用することなく、380〜780nmの全域
における光透過率の低下も最小限に防止できる。その結
果、380〜780nmにおける分光透過スペクトルの
透過率が最大となる波長(Tmax)が510〜540n
mで、前記Tmaxにおける透過率が80%以上、かつ、
波長610〜700nmにおける前記分光透過スペクト
ルの透過率が20%以下であるカラーフィルターを、よ
り簡便にかつより安価に得ることができる。
【0039】本発明における分光透過スペクトルとは、
日本工業規格JIS Z 8722(色の測定方法−反
射及び透過物体色)の第一種分光測光器に準じて求めら
れるもので、ガラス基板等の上に前記所定乾燥膜厚に製
膜した顔料組成物を含む樹脂被膜について所定波長領域
の光を走査照射して、各波長における各透過率値をプロ
ットしたものである。カラーフィルターとしての透過率
は、例えば樹脂のみで同一乾燥膜厚となした被膜につい
て同様に求めた分光透過スペクトルで補正すること(ベ
ースライン補正等)によって、より精度良く求めること
が出来る。
【0040】本発明のカラーフィルターは、上記した特
性を有するものであるが、より好適なのは、380〜7
80nmにおける分光透過スペクトルの透過率が最大と
なる波長(Tmax)が520〜540nmであり、前記
Tmaxにおける透過率が80〜99%、かつ、波長61
0〜700nmにおける前記分光透過スペクトルの透過
率が3〜20%のものである。
【0041】なお、本発明においては、緑色カラーフィ
ルター用として、黄味つけのために各種黄色顔料を併用
することが好ましい。即ち前記ハロゲン化銅フタロシア
ニン顔料組成物に、黄色顔料を併用し、これに含ませる
ことで、波長400〜500nmにおける同分光透過ス
ペクトルの透過率を低下させることが可能であり、例え
ば前記波長域における透過率を50%以下となすことが
出来る。
【0042】ここで併用できる黄色顔料としては、例え
ばC.I.Pigment YELLOW 83、同1
10、同138、同139、同150、同180、同1
85等の黄色有機顔料が挙げられる。本発明における緑
色顔料組成物と黄色顔料との併用割合は、前記組成物1
00重量部当たり、黄色顔料が10〜100重量部であ
る。また、本発明の顔料組成物を用いれば、黄色顔料を
調色のために併用するにしてもより少量の併用で良いの
で、従来の緑色カラーフィルターと同じ色のカラーフィ
ルターを得る場合には、併用すべき同一黄色顔料を30
重量%以上、最大50重量%程度削減することが出来
る。さらに、本発明の顔料組成物を用いれば、黄色顔料
を併用する場合でも少量なので、調色のために2種以上
の異なる色の顔料を混色する従来の場合に比べて、濁り
の少ない、色純度に優れ、かつ明るいカラーフィルター
とすることが出来る。例えば、従来のC.I.Pigm
ent GREEN 36の様な緑色顔料に、上記した
黄色顔料を併用した混合顔料を用いた場合に比べて、本
発明のハロゲン化銅フタロシアニン顔料組成物を黄色顔
料と併用していた場合のほうが、液晶ディスプレイとし
た時の明るさの低下がより小さくなるし、緑色領域の光
透過量もより大きくなる。
【0043】本発明のハロゲン化銅フタロシアニン顔料
組成物は、公知の方法でカラーフィルターの緑色パター
ンの形成に用いることが出来る。カラーフィルターの製
造方法としては、例えば、この顔料組成物を感光性樹脂
からなる分散媒に分散させた後、スピンコート法、ロー
ルコート法、インクジェット法等でガラス等の透明基板
上に塗布し、ついでこの塗布膜に対して、フォトマスク
を介して紫外線によるパターン露光を行った後、未露光
部分を溶剤等で洗浄して緑色パターンを得る、フォトリ
ソグラフィーと呼ばれる方法が挙げられる。
【0044】その他、電着法、転写法、ミセル電解法、
PVED(Photovoltaic Electro
deposition)法の方法で緑色パターンを形成
して、カラーフィルターを製造してもよい。なお、赤色
パターンおよび青色パターンも公知の顔料を使用して、
同様の方法で形成できる。
【0045】カラーフィルター用レジストインキを調製
するには、顔料組成物と、感光性樹脂と、光重合開始剤
と、前記樹脂を溶解する有機溶剤とを必須成分として混
合する。その製造方法としては、顔料組成物と有機溶剤
と必要に応じて分散剤を用いて顔料分散液を調製してか
ら、そこに感光性樹脂等を加えてレジストインキとする
方法が一般的である。
【0046】必要に応じて用いる分散剤としては、例え
ば、ビックケミー社のディスパービック130、ディス
パービック161、ディスパービック162、ディスパ
ービック163、ディスパービック170、エフカ社の
エフカ46、エフカ47等が挙げられる。また、レベン
リグ剤、カップリング剤、カチオン系の界面活性剤など
も併せて使用可能である。
【0047】有機溶剤としては、トルエンやキシレン、
メトキシベンゼン等の芳香族系溶剤、酢酸エチルや酢酸
ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセ
テート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセ
テート等の酢酸エステル系溶剤、エトキシエチルプロピ
オネート等のプロピオネート系溶剤、メタノール、エタ
ノール等のアルコール系溶剤、ブチルセロソルブ、プロ
ピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリ
コールエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチル
エーテル等のエーテル系溶剤、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系
溶剤、ヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤、N,N−ジ
メチルホルムアミド、γ−ブチロラクタム、N−メチル
−2−ピロリドン、アニリン、ピリジン等の窒素化合物
系溶剤、γ−ブチロラクトン等のラクトン系溶剤、カル
バミン酸メチルとカルバミン酸エチルの48:52の混
合物のようなカルバミン酸エステル、水等がある。有機
溶剤としては、特にプロピオネート系、アルコール系、
エーテル系、ケトン系、窒素化合物系、ラクトン系、水
等の極性溶媒で水可溶のものが適している。
【0048】顔料組成物100重量部当たり、300〜
1000重量部の有機溶剤と、必要に応じて0〜100
重量部の分散剤及び/又は0〜20重量部の顔料誘導体
とを、均一となる様に攪拌分散して顔料分散液を得るこ
とができる。次いでこの顔料分散液に、顔料組成物1重
量部当たり、3〜20重量部の感光性樹脂、感光性樹脂
1重量部当たり0.05〜3重量部の光重合開始剤と、
必要に応じてさらに有機溶剤を添加し、均一となる様に
攪拌分散してレジストインキを得ることができる。
【0049】この際に使用可能な感光性樹脂としては、
例えばウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド酸
系樹脂、ポリイミド系樹脂、スチレンマレイン酸系樹
脂、スチレン無水マレイン酸系樹脂等の熱可塑性樹脂
や、例えば1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、
エチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリ
コールジアクリレート、トリエチレングリコールジアク
リレート、ビス(アクリロキシエトキシ)ビスフェノー
ルA、3−メチルペンタンジオールジアクリレート等の
ような2官能モノマー、トリメチルロールプロパトント
リアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレー
ト、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアネート、
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタ
エリスリトールペンタアクリレート等のような多官能モ
ノマー等の光重合性モノマーが挙げられる。
【0050】光重合開始剤としては、例えばアセトフェ
ノン、ベンゾフェノン、ベンジルジメチルケタノール、
ベンゾイルパーオキサイド、2−クロロチオキサント
ン、1,3−ビス(4’−アジドベンザル)−2−プロ
パン、1,3−ビス(4’−アジドベンザル)−2−プ
ロパン−2’−スルホン酸、4,4’−ジアジドスチル
ベン−2,2’−ジスルホン酸等がある。
【0051】こうして調製されたカラーフィルター用レ
ジストインキは、フォトマスクを介して紫外線によるパ
ターン露光を行った後、未露光部分を有機溶剤やアルカ
リ水等で洗浄することによりカラーフィルターとなすこ
とができる。
【0052】このような顔料組成物は、1分子中に臭素
原子を14個以上有するハロゲン化銅フタロシアニン
(A)を35〜95mol%含有するので、黄味を帯び
た明度の高い緑色を発色する。また、このように1分子
中に臭素原子を14個以上有するハロゲン化銅フタロシ
アニン(A)を35〜95mol%含有させることによ
って、発色が赤味がかったり、明度が低くなってしまう
場合がなく、黄味が強く明るい緑色を発色する顔料組成
物を安定生産できる。
【0053】そして、1分子中に臭素原子を14個以上
有するハロゲン化銅フタロシアニン(A)中に、1分子
中に臭素原子を15個以上有するハロゲン化銅フタロシ
アニン(B)が50mol%以上含まれると、顔料組成
物は一層黄味を帯びた緑色を発色する。また、1分子中
に水素原子を1〜4個有するハロゲン化銅フタロシアニ
ン(D)を60mol%以下含有させることによって、
赤味を帯びず、より明るい緑色の顔料組成物となる。
【0054】加えて、一次粒子の平均粒子径が0.01
〜0.06μmである上記ハロゲン化銅フタロシアニン
顔料組成物とすることで、顔料凝集も比較的弱く、カラ
ーフィルター用レジストインキへの顔料分散が容易であ
り、近年要求されている鮮明度と明度とのいずれもが高
いカラーフィルターがより簡便に得られる。
【0055】このような顔料組成物は、カラーフィルタ
ーの緑色パターンの形成に最適である。本発明のハロゲ
ン化銅フタロシアニン顔料組成物は、黄味の緑色を有す
る顔料組成物であり、詳述したカラーフィルター用以外
にも、塗料、プラスチック、印刷インク、ゴム、レザ
ー、捺染、電子トナー、ジェットインキ、熱転写インキ
などの着色に適する。
【0056】
【実施例】次に本発明を実施例を示して具体的に説明す
る。 [製造例]無水フタル酸、尿素、塩化銅を原料として、
銅フタロシアニンを製造した。ついでこの銅フタロシア
ニンを、塩化アルミニウムと塩化ナトリウムと臭化ナト
リウムからなる溶融塩中に加え、この混合物中に塩素ガ
スや臭素を導入して銅フタロシアニンをハロゲン化し
て、ハロゲン化銅フタロシアニン顔料組成物を得た。
【0057】なお、この際のハロゲン化の条件を適宜変
化させて、5種類のハロゲン化銅フタロシアニン粗顔料
組成物を得た後、ハロゲン化銅フタロシアニン粗顔料組
成物1部、粉砕した塩化ナトリウム7部、ジエチレング
リコール1部を双腕型ニーダーに仕込み、90℃で7時
間混練した。混練後80℃水溶液100重量部に取り出
し、1時間攪拌後、濾過、湯洗、乾燥、粉砕し5種類の
ハロゲン化銅フタロシアニン顔料組成物(顔料組成物
〜)を得た。
【0058】[実施例1〜4]上記の製造例で得られた
顔料組成物〜を緑色顔料として用い、フォトリソグ
ラフィーでカラーフィルター〜を製造した。カラー
フィルターの製造方法としては、顔料(a)10重量
部、C.I.Pigment Yellow 150
3重量部、N,N’−ジメチルホルムアミド2.5重量
部、ディスパービック161(ビックケミー社製)6.
78重量部、ユーカーエステルEEP(ユニオン・カー
バイド社製)80.80重量部を0.5mmφセプルビ
ーズを加え、ペイントコンディショナー(東洋精機株式
会社製)で1時間分散し、顔料分散液を得た。この顔料
分散液75.00重量部とポリエステルアクリレート樹
脂(アロニックスM7100、東亜合成化学工業株式会
社製)5.50重量部、ジぺンタエリスレートヘキサア
クリレート(KAYARAD DPHA、日本化薬株式
会社製)5.00重量部、ベンゾフェノン(KAYAC
URE BP−100、日本化薬株式会社製)1.00
重量部、ユーカーエステルEFP13.5重量部を分散
攪拌機で攪拌し、カラーレジストを得た。カラーレジス
トは1mm厚ガラスに乾燥膜厚1μmとなるように塗布
した。次いでフォトマスクを介して紫外線によるパター
ン露光を行った後、未露光部分を有機溶剤で洗浄するこ
とによりカラーフィルターとした。
【0059】また、顔料組成物〜を質量分析して、
顔料組成物〜を構成するハロゲン化銅フタロシアニ
ンの組成比を求めた。一次粒子の平均粒子径について
は、透過型電子顕微鏡JEM−2010(日本電子株式
会社製)で測定した結果から求めた。これらの顔料組成
物〜から製造したカラーフィルター〜の緑色パ
ターンの色味および明るさを目視評価した。また、JI
S Z 8722に規定する第一種分光測光器(分光光
度計)を用いて380〜780nmにおける分光透過ス
ペクトルの透過率が最大となる波長(Tmax)、前記Tm
axにおける透過率、波長610〜700nmにおける最
大透過率、波長400〜500nmにおける最大透過率
を測定した。その結果を表1に示す。
【0060】[比較例1]上記の製造例で得られた顔料
組成物を緑色顔料として用いた以外は実施例1と同様
にしてカラーフィルターを製造した。また、実施例1
と同様にして顔料組成物の組成比、一次粒子の平均粒
子径、顔料組成物から製造したカラーフィルターの
緑色パターンの色味および明度を目視評価した。また、
分光光度計を用いてTmax、前記Tmaxにおける透過率、
波長610〜700nmにおける最大透過率、波長40
0〜500nmにおける最大透過率を測定した。その結
果を表1に示す。
【0061】
【表1】
【0062】A…顔料組成物中における、1分子中に臭
素原子を14個以上有するハロゲン化銅フタロシアニン
の含有量、 B…上記A中の、1分子中に臭素原子を15個以上有す
るハロゲン化銅フタロシアニンの含有量、 C…上記B中の、1分子中に臭素原子を16個以上有す
るハロゲン化銅フタロシアニンの含有量、 D…顔料組成物中における、1分子中に水素原子を1〜
4個以上有するハロゲン化銅フタロシアニンの含有量、 E…上記D中における、1分子中に水素原子を1〜2個
以上有するハロゲン化銅フタロシアニンの含有量。
【0063】表1中、略号は以下の内容を示す。 色味 ○…黄味帯びた緑色 △…やや赤味を帯びた緑色 ×…赤みを帯びた緑色 明度 ○…非常に明るい △…やや暗い ×…暗い
【0064】表1から明らかなように、1分子中に臭素
原子を14個以上有するハロゲン化銅フタロシアニン
(A)を35〜95mol%含有する顔料組成物〜
を使用したカラーフィルター〜の緑色パターンは、
黄味を帯びた明るいものであった。一方、1分子中に臭
素原子を14個以上有するハロゲン化銅フタロシアニン
(A)の含有量が35mol%未満の比較例1の顔料組
成物から製造したカラーフィルターは、赤味を帯び
たやや暗いものであった。
【0065】また、実施例の顔料組成物は、いずれも、
組成物を構成する銅フタロシアニン骨格を有する化合物
の総量を基準にすると、統計的には、1分子に換算する
と平均14以上16未満の臭素元素を含む銅フタロシア
ニンからなっており、緑色カラーフィルターの製造に際
だって優れた特性を示した。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように本発明の顔料組成物
によれば、黄味を帯びた明度の高い緑色を発色する。し
たがって、本発明の顔料組成物は、カラーフィルターの
緑色パターンの形成に最適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 船倉 省二 千葉県成田市美郷台3丁目4−1−302 Fターム(参考) 2H025 AB13 AC01 AD01 CC11 2H048 BA45 BA47 BA48 BA62 CA04 CA14

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1分子中に臭素原子を14個以上有する
    ハロゲン化銅フタロシアニン(A)を35〜95mol
    %含有することを特徴とするカラーフィルター用ハロゲ
    ン化銅フタロシアニン顔料組成物。
  2. 【請求項2】 1分子中に臭素原子を14個以上有する
    ハロゲン化銅フタロシアニン(A)中には、1分子中に
    臭素原子を15個以上有するハロゲン化銅フタロシアニ
    ン(B)が50mol%以上含まれることを特徴とする
    請求項1に記載のカラーフィルター用ハロゲン化銅フタ
    ロシアニン顔料組成物。
  3. 【請求項3】 1分子中に水素原子を1〜4個有するハ
    ロゲン化銅フタロシアニン(D)を60mol%以下含
    有することを特徴とする請求項1または2に記載のカラ
    ーフィルター用ハロゲン化銅フタロシアニン顔料組成
    物。
  4. 【請求項4】 一次粒子の平均粒子径が0.01〜0.
    06μmである請求項1ないし3のいずれかに記載のカ
    ラーフィルター用ハロゲン化銅フタロシアニン顔料組成
    物。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載のカ
    ラーフィルター用ハロゲン化銅フタロシアニン顔料組成
    物を用いたカラーフィルター。
  6. 【請求項6】 ハロゲン化銅フタロシアニン顔料組成物
    を用いたカラーフィルターであって、380〜780n
    mにおける分光透過スペクトルの透過率が最大となる波
    長(Tmax)が510〜540nmであり、前記波長
    (Tmax)における透過率が80%以上で、かつ、波長
    610〜700nmにおける前記分光透過スペクトルの
    透過率が20%以下であることを特徴とするカラーフィ
    ルター。
  7. 【請求項7】 前記ハロゲン化銅フタロシアニン顔料組
    成物には黄色有機顔料が含まれ、波長400〜500n
    mにおける分光透過スペクトルの透過率が50%以下で
    あることを特徴とする請求項6記載のカラーフィルタ
    ー。
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