JP2008308605A - カラーフィルター用青色顔料組成物の製造方法、及びカラーフィルター - Google Patents

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Abstract

【課題】表示画面がよりハッキリ見える高コントラストで、表示画面がより明るい高輝度の液晶表示装置が得られる耐熱性に優れた青色画素部を有するカラーフィルターの製造方法、及びその製造方法により得られるカラーフィルター用青色顔料組成物を青色画素部に用いてなるカラーフィルターの提供。
【解決手段】ε型フタロシアニン顔料、及び顔料混合物中の含有量が4〜15質量%のフタロイミドメチル基で置換されたフタロシアニン誘導体を含む顔料混合物を、水溶性無機塩及び有機溶媒の存在下に、80〜120℃で混練し、該混練物を水又は酸類で洗浄することによりカラーフィルター顔料組成物を製造方する。得られた青色顔料組成物をカラーフィルターに用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は、液晶表示装置のカラーフィルターの青色画素部の作製に好適な青色顔料組成物の製造方法、及びその製造方法により得られるカラーフィルター用青色顔料組成物を青色画素部に用いてなるカラーフィルターに関する。
液晶表示装置のカラーフィルターは、赤色画素部、緑色画素部及び青色画素部を有する。これらの各画素部は、いずれも有機顔料が分散した合成樹脂の薄膜が基板上に設けられた構造であり、有機顔料としては、赤、緑及び青の各色の有機顔料が用いられている。
これら画素部のうち、青色画素部を形成するための青色有機顔料としては、一般に、ε型銅フタロシアニン顔料(C.I.ピグメントブルー15:6)が用いられており、必要に応じて調色のために、これに紫色有機顔料のジオキサジンバイオレット顔料(C.I.ピグメントバイオレット23)が少量併用されている。
カラーフィルターを作製する際の有機顔料は、従来の汎用用途とは全く異なる特性、具体的には、液晶表示装置の表示画面がより明るくなる様にする(高輝度化)、或いは、同じく表示画面がよりハッキリ見える様にする(高コントラスト化)等が要求され、さらに、カラーフィルター作製後の工程で、透明電極の膜付けや、ポリイミドの配向膜付けで200℃以上にカラーフィルターがさらされるため、耐熱性に優れて且つこれらの特性を満足するカラーフィルター用顔料の検討がなされている。
一方、本発明に類似のフタロシアニン顔料については、例えば以下の文献に記載がある。
特許文献1には、塩酸で抽出される銅が1000ppm以下である顔料を採用したことを特徴とするカラーフィルター用カラーペーストであって、顔料が銅フタロシアニン骨格を有する顔料であるカラーフィルター用カラーペースト、及びその製造方法が記載されているが、結晶形が一種類のピグメントグリーンでは多少の効果があっても、結晶多形を有するε型銅フタロシアニン顔料(C.I.ピグメントブルー15:6)では、近年要求される耐熱性としては不十分であった。
特許文献2には、遊離銅の含有率が2000ppm以下の銅フタロシアニン顔料と少なくとも結着樹脂と含有することを特徴とするトナー粒子であって、銅フタロシアニン顔料を1〜10重量%含有することを特徴とする請求項1記載のトナー粒子、及び該トナー粒子と少なくとも1種の外添剤とを含有することを特徴とする電子写真用負帯電性シアントナーについての記載があるが、安定結晶のβ型銅フタロシアニン顔料(C.I.ピグメントブルー15:3)であり、β型に比べては不安定型であるε型銅フタロシアニン顔料(C.I.ピグメントブルー15:6)では、近年要求される耐熱性としては不十分であった。
特許文献3には、顔料中に含まれる遊離銅の含有量が200ppm以下であることを特徴とする安定型銅フタロシアニン顔料、該遊離銅含有量に精製された不安定型銅フタロシアニンを安定型結晶形に結晶転移をさせたフタロシアニン顔料である安定型銅フタロシアニン顔料について記載がある。また、その製造方法として、銅フタロシアニン顔料クルードを濃硫酸に完全に溶解し、この硫酸溶液を水または氷水に加えて、あるいは氷上に加えて銅フタロシアニンの結晶を析出させ、これをろ過、水洗して該顔料中に含まれる遊離銅の含有量を200ppm以下とし、次いで結晶転移処理を行って安定型結晶形を有する顔料に変換することを特徴とする安定型銅フタロシアニン顔料の製造方法の記載がある。
該顔料組成物は、インキ、塗料、顔料捺染剤、繊維用、プラスチック用、画像記録用、又は画像表示用顔料着色組成物としての用途があるが、原料として、不安定型銅フタロシアニンであるα型を用いているため、得られた顔料組成物にα型が、微量に残留しており、ε型銅フタロシアニン顔料(C.I.ピグメントブルー15:6)では、近年要求される耐熱性としては不十分であった。
特許文献4には、顔料中の全遊離銅の含有量が200ppm以下であることを特徴とするハロゲン化銅フタロシアニン顔料、該ハロゲン化銅フタロシアニン顔料が精製されたハロゲン化銅フタロシアニンを顔料化することにより得られたものであるハロゲン化銅フタロシアニン顔料について記載がある。また、その製造方法として、ハロゲン化銅フタロシアニン顔料クルードを、その可溶性溶剤に溶解し、この溶液からハロゲン化銅フタロシアニンの結晶を析出させ、これを濾過、水洗して該顔料中の全遊離銅の含有量を200ppm以下とすることを特徴とするハロゲン化銅フタロシアニン顔料の製造方法の記載がある。該顔料組成物は、インキ、塗料、顔料捺染剤、繊維用、プラスチック用、画像記録用および画像表示用顔料着色組成物としての用途があるが、結晶形が一種類のハロゲン化銅フタロシアニン顔料では多少の効果があっても、結晶多形を有するε型銅フタロシアニン顔料(C.I.ピグメントブルー15:6)では、近年要求される耐熱性としては不十分であった。
しかしながら、本発明のごとく、特定の割合でフタロシアニン誘導体を含み、特定のε化率以上であって、優れた特性を有するカラーフィルター用ε型フタロシアニン青色顔料組成物の製造方法についてはこれまで知られていなかった。
特開2001−166124号公報 特開平11−7161号公報 特開2004−189852号公報 特開2004−331922号公報
本発明は、表示画面がよりハッキリ見える高コントラストで、表示画面がより明るい高輝度の液晶表示装置が得られる耐熱性に優れた青色画素部を有するカラーフィルター顔料組成物及びその製造方法、及びその製造方法により得られるカラーフィルター用青色顔料組成物を青色画素部に用いてなるカラーフィルターに関する。
本発明者らは、カラーフィルターに好ましく用いることのできる顔料組成物の製造方法について鋭意検討を行ったところ、ε型フタロシアニンをある特定の割合でフタロシアニン誘導体と特定の温度で混練することで得られるε型銅フタロシアニン顔料を水または酸洗浄することにより、特定のε化率であるε型銅フタロシアニン顔料組成物を用いることにより、カラーフィルター用として優れた特性を有する青色顔料組成物を提供できる製造方法を見出し、その製造方法により得られる青色顔料を用いたカラーフィルターを提供することにより本発明を完成させた。
即ち、本発明は、
カラーフィルター用顔料組成物の製造において、
(I)(A)ε型フタロシアニン顔料、及び
(B)顔料混合物中の含有率が4〜15質量%の一般式(1)
Figure 2008308605
(但し、式中Xは金属原子または金属酸化物を表し、Yはフタルイミドメチル基を表わす。また、n、n、n、nは、置換基Yの数を表し、各々独立に少なくともひとつは0でない0から4の整数であって、n+n+n+n=1〜4である。)
で表されるフタロシアニン誘導体
を含む顔料混合物を、水溶性無機塩及び有機溶媒の存在下に80〜120℃で混練する工程
(II)前記(I)で得られた顔料混合物の混練物を、水または酸類で洗浄する工程
を含むフィルター用顔料組成物の製造方法を提供することにより、上記課題を解決した。
本発明によれば、耐熱性に優れ、表示画面がよりハッキリ見える高コントラストで、表示画面がより明るい高輝度の液晶表示装置が得られる青色画素部を有するカラーフィルターに好ましく用いることのできるカラーフィルター用顔料組成物の製造方法を提供でき、その製造方法により得られるカラーフィルター用青色顔料組成物を青色画素部に用いてなるカラーフィルターを提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明では、(A)ε型フタロシアニン顔料、
(B)一般式(1)
Figure 2008308605
(但し、式中Xは金属原子または金属酸化物を表し、Yはフタルイミドメチル基を表わす。また、n、n、n、nは、置換基Yの数を表し、各々独立に少なくともひとつは0でない0から4の整数であって、n+n+n+n=1〜4である。)
で表されるフタロシアニン誘導体を含有する、ε化率が高いことを特徴とするカラーフィルター用青色顔料組成物の製造方法、その製造方法により得られる青色顔料組成物を配合してなるカラーフィルター用分散体、及び該顔料分散体を青色画素部に用いてなるカラーフィルターを提供する。
本発明に用いられるε型フタロシアニン顔料は、通常公知のε型フタロシアニン顔料を用いることができる。フタロシアニン顔料には、α型、β型、γ型、ε型、δ型、π型、ρ型、X型、R型等の結晶多形が存在することが知られているが、カラーフィルター用顔料としては、耐熱性に優れ、色調の好ましいε型である銅フタロシアニン顔料が好適である。ε型である割合は高い方が、耐熱性に優れ、色調の好ましいカラーフィルター用顔料組成物を提供することができ、結晶多形に占めるε型である割合は、好ましくは85%以上を挙げることができる。本発明に用いられるε型フタロシアニン顔料としては、ε型銅フタロシアニン、ε型亜鉛フタロシアニン、ε型コバルトフタロシアニン、ε型ニッケルフタロシアニン、及びε型鉄フタロシアニンからなる群から選ばれる1種以上のε型フタロシアニンを挙げることができ、用いられるε型フタロシアニン顔料は1種類でも2種類以上を混合してもよい。好ましいε型フタロシアニン顔料としては、色調の面からε型銅フタロシアニンを挙げることができる。
本発明の一般式(1)で表されるフタロシアニン誘導体の含有量は、通常、(A)ε型フタロシアニン顔料、(B)一般式(1)で表されるフタロシアニン誘導体を含むカラーフィルター用顔料混合物当たり、4〜15質量%、好ましくは5〜10質量%である。3質量%未満では十分な耐熱性が期待できず、15質量%を超えると青色色相への影響が大きくなり好ましくない。
式中のXで表される金属原子または金属酸化物としては、例えば銅、亜鉛、コバルト、ニッケル、鉄、酸化チタン、酸化バナジウムなどが挙げられ、これらのなかでは、銅が好ましい。当該フタロシアニンは、通常公知の方法で製造できる。
また、フタロシアニン誘導体としては、フタロシアニン環が少なくとも1個以上のフタルイミドメチル基で置換されたフタロシアニン誘導体を挙げることができる。フタルイミドメチル基で置換されたフタロシアニン誘導体は、米国特許第695523号公報に記載されているように、フタロシアニンとホルムアルデヒド源ならびにフタルイミドとを脱水条件下、例えば硫酸及び/または発煙硫酸媒質を使用して、反応することによって得られ、置換基数1〜4個の混合物として得られ、置換するフタルイミドメチル基の平均置換基は、少なくとも1.0個以上であれば特に限定なく用いることができるが、好ましくは1.0乃至は2.0個である。置換される位置に、特に限定はない。また、金属原子としては、例えば銅、亜鉛、コバルト、ニッケル、鉄などが挙げられ、これらのなかでは、銅が好ましい。ここで、平均置換基数とは、フタロシアニン誘導体のフタロシアニン環に置換されたフタルイミドメチル基の数の平均値をいい、その測定は、赤外吸収スペクトル法によって行う。
平均置換基数の測定法を簡単に説明すると、フタルイミドメチル基で置換されたフタロシアニン誘導体をKBrと混合し、加圧して赤外線吸収スペクトル用試料を作製し、これの赤外線吸収スペクトルを測定し、フタルイミドメチル基の特性吸収である、1770
cm-1、1720cm-1または1390cm-1の吸収のピーク高さと、フタロシアニンの特性吸収である1390cm-1の吸収のピーク高さの比率から平均置換基数を算出することによっておこなう。また、フタルイミドメチル基で置換されたフタロシアニン誘導体を直接質量分析や高速液体クロマトグラフィにかけて、1置換体から4置換体を定量分析し、それを平均して平均置換基数を算出することもできる。
また、フタルイミドメチル基のベンゼン核は、無置換あるいはハロゲン基、ニトロ基、アミノ基、カルボキシル基、又はスルホン酸基等の置換体が挙げられるが、このなかでも無置換体が好ましい。
本発明の顔料組成物は、ε型フタロシアニン、及び一般式(1)表されるフタロシアニン誘導体を無機塩と有機溶剤とを混練(ソルベントソルトミリング)することで得ることができる。混練に用いる装置としては、ニーダー、ミックスマーラー、特開2007−100008号公報に記載のプラネタリー型ミキサーである井上製作所株式会社製のトリミックス(商標名)や、特開2006−306996号公報に記載の連続式一軸混練機である浅田鉄工株式会社製のミラクルKCK等を用いることができる。
このソルベントソルトミリングとは、粗顔料と無機塩と有機溶剤とを混練摩砕することを意味する。具体的には、粗顔料と、無機塩と、それを溶解しない有機溶剤とを混練機に仕込み、その中で混練摩砕を行う。
無機塩としては、水溶性無機塩が好適に使用でき、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等の無機塩を用いることが好ましい。また、平均粒子径0.5〜50μmの無機塩を用いることがより好ましい。この様な無機塩は、通常の無機塩を微粉砕することにより容易に得られる。
また、当該無機塩の使用量は、フタロシアニン1重量部に対して8〜20重量部とするのが好ましく、10〜15重量部とするのがより好ましい。
有機溶剤としては、結晶成長を抑制し得る有機溶剤としての水溶性有機溶剤が好適に使用でき、例えばジエチレングリコール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングルコール、液体ポリプロピレングリコール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングルコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコール等を用いることができるが、エチレングリコール又はジエチレングリコールが好ましい。
当該水溶性有機溶剤の使用量は、特に限定されるものではないが、粗顔料1重量部に対して0.01〜5重量部が好ましい。
混練温度は、80〜120℃の間で行うことが好ましい。80度未満の温度で混練を行っても、120℃を超える温度で混練を行ってもε型銅フタロシアニンのε化率(銅フタロシアニンに含まれるε型結晶化率)は低く、耐熱性、コントラスト等が低下し、カラーフィルター用顔料として好ましくない。
本発明のカラーフィルター用顔料は遊離銅を含んでもよい。含まれる遊離銅は、銅フタロシアニンを合成する際の残存する遊離銅である場合や、合成後の銅フタロシアニンの分解によって生成したものである場合がある。
また、遊離銅は酸類で洗浄を行うことができる。使用される酸類は、例えば、塩酸、硫酸を挙げることができ、塩酸や硫酸の濃度は、0.5%〜4%が好ましい。また、洗浄時の温度は、50〜90℃が好ましい。また、水を用いて洗浄してもよい。
好ましい遊離銅の含有率は、顔料組成物中に900質量ppm以下である場合が挙げられ、これ以上の含有率の場合には、得られるカラーフィルターの耐熱性が低下するので好ましくない。
本発明におけるカラーフィルター用顔料組成物は、液媒体中への分散性、分散安定性が高く、後記する青色顔料分散液の粘度は低く、かつ微細な粒子に分散していることからニュートン流動性も高いまま安定し、カラーフィルター青色画素部を製造した場合に、均質な塗膜を形成して輝度、コントラストおよび光透過率のいずれもが高いカラーフィルターを得ることができる。ここで、本発明におけるカラーフィルター用顔料組成物は、ε型フタロシアニン顔料、前記一般式(1)で表されるフタロシアニン誘導体を含むことを特徴とするが、必要に応じて、ジオキサジン系顔料(C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレット37、C.I.ピグメントブルー80等)等調色用顔料や、無金属または金属フタロシアニンのスルホン酸誘導体、無金属または金属フタロシアニンのN−(ジアルキルアミノ)メチル誘導体、無金属または金属フタロシアニンのN−(ジアルキルアミノアルキル)スルホン酸アミド誘導体、ジオキサジンバイオレットのスルホン酸誘導体、インダンスレンブルーのスルホン酸誘導体フタロシアニンスルホン酸等の有機顔料誘導体等やビックケミー社のディスパービック130、ディスパービック161、ディスパービック162、ディスパービック163、ディスパービック170、ディスパービック171、ディスパービック174、ディスパービック180、ディスパービック182、ディスパービック183、ディスパービック184、ディスパービック185、ディスパービック2000、ディスパービック2001、ディスパービック2020、ディスパービック2050、ディスパービック2070、ディスパービック2096、ディスパービック2150、エフカ社のエフカ46、エフカ47、エフカ452、エフカLP4008、エフカ4009、エフカLP4010、エフカLP4050、LP4055、エフカ400、エフカ401、エフカ402、エフカ403、エフカ450、エフカ451、エフカ453、エフカ4540、エフカ4550、エフカLP4560、エフカ120、エフカ150、エフカ1501、エフカ1502、エフカ1503、ルーブリゾール社のソルスパース3000、ソルスパース9000、ソルスパース13240、ソルスパース13650、ソルスパース13940、ソルスパース17000、18000、ソルスパース20000、ソルスパース21000、ソルスパース20000、ソルスパース24000、ソルスパース26000、ソルスパース27000、ソルスパース28000、ソルスパース32000、ソルスパース36000、ソルスパース37000、ソルスパース38000、ソルスパース41000、ソルスパース42000、ソルスパース43000、ソルスパース46000、ソルスパース54000、ソルスパース71000、味の素株式会社のアジスパーPB711、アジスパーPB821、アジスパーPB822、アジスパーPB814、アジスパーPN411、アジスパーPA111等の分散剤や、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、アルキッド系樹脂、ウッドロジン、ガムロジン、トール油ロジン等の天然ロジン、重合ロジン、不均化ロジン、水添ロジン、酸化ロジン、マレイン化ロジン等の変性ロジン、ロジンアミン、ライムロジン、ロジンアルキレンオキシド付加物、ロジンアルキド付加物、ロジン変性フェノール等のロジン誘導体等の樹脂を含んでも、好適にカラーフィルター青色画素部として用いることができる。これら有機顔料誘導体や、分散剤や、樹脂の添加は、フロッキュレーションの低減、顔料の分散安定性の向上、分散体の粘度特性を向上にも寄与する。
本発明の顔料組成物は、従来公知の方法でカラーフィルター青色画素部の形成に使用することができる。
本発明にかかる組成物の分散方法で代表的な方法としては、フォトリソグラフィー法であり、これは、後記する光硬化性組成物を、カラーフィルター用の透明基板のブラックマトリックスを設けた側の面に塗布、加熱乾燥(プリベーク)した後、フォトマスクを介して紫外線を照射することでパターン露光を行って、画素部に対応する箇所の光硬化性化合物を硬化させた後、未露光部分を現像液で現像し、非画素部を除去して画素部を透明基板に固着させる方法である。この方法では、光硬化性組成物の硬化着色皮膜からなる画素部が透明基板上に形成される。
赤色、緑色、青色の色ごとに、後記する光硬化性組成物を調製して、前記した操作を繰り返すことにより、所定の位置に赤色、緑色、青色の着色画素部を有するカラーフィルターを製造することができる。本発明の顔料組成物からは、青色画素部を形成することができる。尚、赤色画素部および緑色画素部を形成するための光硬化性組成物を調製するには、公知慣用の赤色顔料と緑色顔料を使用することができる。
赤色画素部を形成するための顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド177、同209、同254等が、緑色画素部を形成するための顔料としては、例えば、C.I.ピグメントグリーン7、同10、同36、同47等が挙げられる。これら赤色画素部と緑色画素部の形成には、黄色顔料を併用することもできる。その後、必要に応じて、未反応の光硬化性化合物を熱硬化させるために、カラーフィルター全体を加熱処理(ポストベーク)することもできる。
後記する光硬化性組成物をガラス等の透明基板上に塗布する方法としては、例えば、スピンコート法、ロールコート法、インクジェット法等が挙げられる。
透明基板に塗布した光硬化性組成物の塗膜の乾燥条件は、各成分の種類、配合割合等によっても異なるが、通常、50〜150℃で、1〜15分間程度である。また、光硬化性組成物の光硬化に用いる光としては、200〜500nmの波長範囲の紫外線、あるいは可視光を使用するのが好ましい。この波長範囲の光を発する各種光源が使用できる。
現像方法としては、例えば、液盛り法、ディッピング法、スプレー法等が挙げられる。光硬化性組成物の露光、現像の後に、必要な色の画素部が形成された透明基板は水洗いし乾燥させる。こうして得られたカラーフィルターは、ホットプレート、オーブン等の加熱装置により、90〜280℃で、所定時間加熱処理(ポストベーク)することによって、着色塗膜中の揮発性成分を除去すると同時に、光硬化性組成物の硬化着色皮膜中に残存する未反応の光硬化性化合物が熱硬化し、カラーフィルターが完成する。
カラーフィルターの青色画素部を形成するための光硬化性組成物は、本発明の顔料組成物と、分散剤と、光硬化性化合物と、有機溶剤とを必須成分とし、必要に応じて熱可塑性樹脂を用いて、これらを混合することで調製することができる。青色画素部を形成する着色樹脂皮膜に、カラーフィルターの実生産で行われるベーキング等に耐え得る強靱性等が要求される場合には、前記光硬化性組成物を調製するに当たって、光硬化性化合物だけでなく、この熱可塑性樹脂を併用することが不可欠である。熱可塑性樹脂を併用する場合には、有機溶剤としては、それを溶解するものを使用するのが好ましい。
前記光硬化性組成物の製造方法としては、本発明の顔料組成物と、有機溶剤と分散剤とを必須成分として使用し、これらを混合し均一となる様に攪拌分散を行って、まずカラーフィルターの青色画素部を形成するための顔料分散液を調製してから、そこに、光硬化性化合物と、必要に応じて熱可塑性樹脂や光重合開始剤等を加えて前記光硬化性組成物とする方法が一般的である。
ここで分散剤、有機溶剤は、前記のものが使用可能である。
光硬化性組成物の調製に使用する熱可塑性樹脂としては、例えば、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、スチレンマレイン酸系樹脂、スチレン無水マレイン酸系樹脂等が挙げられる。
光硬化性化合物としては、例えば、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ビス(アクリロキシエトキシ)ビスフェノールA、3−メチルペンタンジオールジアクリレート等のような2官能モノマー、トリメチルロールプロパトントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアネート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等の比較的分子量の小さな多官能モノマー、ポリエステルアクリレート、ポリウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート等の様な比較的分子量の大きな多官能モノマーが挙げられる。
光重合開始剤としては、例えばアセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンジルジメチルケタノール、ベンゾイルパーオキサイド、2−クロロチオキサントン、1,3−ビス(4’−アジドベンザル)−2−プロパン、1,3−ビス(4’−アジドベンザル)−2−プロパン−2’−スルホン酸、4,4’−ジアジドスチルベン−2,2’−ジスルホン酸等が挙げられる。市販の光重合開始剤としては、たとえば、チバスペシャルティーケミカルズ社製「イルガキュア(商標名)−184」、「イルガキュア(商標名)−369」、「ダロキュア(商標名)−1173」、BASF社製「ルシリン−TPO」、日本化薬社製「カヤキュアー(商標名)DETX」、「カヤキュアー(商標名)OA」、ストーファー社製「バイキュアー10」、「バイキュアー55」、アクゾー社製「トリゴナールPI」、サンド社製「サンドレー1000」、アップジョン社製「デープ」、黒金化成社製「ビイミダゾール」などがある。
また上記光重合開始剤に公知慣用の光増感剤を併用することもできる。光増感剤としては、たとえば、アミン類、尿素類、硫黄原子を有する化合物、燐原子を有する化合物、塩素原子を有する化合物またはニトリル類もしくはその他の窒素原子を有する化合物等が挙げられる。これらは、単独で用いることも、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
光重合開始剤の配合率は、特に限定されるものではないが、質量基準で、光重合性あるいは光硬化性官能基を有する化合物に対して0.1〜30%の範囲が好ましい。0.1%未満では、光硬化時の感光度が低下する傾向にあり、30%を超えると、顔料分散レジストの塗膜を乾燥させたときに、光重合開始剤の結晶が析出して塗膜物性の劣化を引き起こすことがある。
前記した様な各材料を使用して、質量基準で、本発明の方法で製造された顔料組成物100部当たり、300〜1000部の有機溶剤と、1〜100部の分散剤とを、均一となる様に攪拌分散して前記顔料分散液を得ることができる。次いでこの顔料分散液に、本発明の顔料組成物1部当たり、熱可塑性樹脂と光硬化性化合物の合計が3〜20部、光硬化性化合物1部当たり0.05〜3部の光重合開始剤と、必要に応じてさらに有機溶剤を添加し、均一となる様に攪拌分散してカラーフィルター青色画素部を形成するための光硬化性組成物を得ることができる。
現像液としては、公知慣用の有機溶剤やアルカリ水溶液を使用することができる。特に前記光硬化性組成物に、熱可塑性樹脂または光硬化性化合物が含まれており、これらの少なくとも一方が酸価を有し、アルカリ可溶性を呈する場合には、アルカリ水溶液での洗浄がカラーフィルター青色画素部の形成に効果的である。
顔料分散法のうち、フォトリソグラフィー法によるカラーフィルター青色画素部の製造方法について詳記したが、本発明の方法で製造された顔料組成物を使用して調製されたカラーフィター青色画素部は、その他の電着法、転写法、ミセル電解法、PVED(PhotovoltaicElectrodeposition)法、インクジェット法、反転印刷法、熱硬化法等の方法で青色画素部を形成して、カラーフィルターを製造してもよい。
カラーフィルターは、赤色顔料、緑色顔料、ならびに本発明の方法で製造された顔料組成物を使用して得た各色の光硬化性組成物を使用し、平行な一対の透明電極間に液晶材料を封入し、透明電極を不連続な微細区間に分割すると共に、この透明電極上のブラックマトリクスにより格子状に区分けされた微細区間のそれぞれに、赤、緑および青のいずれか1色から選ばれたカラーフィルター着色画素部を交互にパターン状に設ける方法、あるいは基板上にカラーフィルター着色画素部を形成した後、透明電極を設ける様にすることで得ることができる。
本発明の方法で製造されたカラーフィルター青色画素部用顔料分散体は、鮮明性と明度に優れたより赤味の色相を有する青色顔料分散体であり、カラーフィルター用途の他、塗料、プラスチック(樹脂成型品)、印刷インク、ゴム、レザー、捺染、静電荷像現像用トナー、インクジェット記録用インキ、熱転写インキ等の着色にも適用することができる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、もとより本発明はこれら実施例の範囲に限定されるものではない。尚、特に断りのない限り、「部」、「%」及び「ppm」はいずれも質量基準である。
また、比較例、実施例における下記項目については、以下のように測定を行った。
1)遊離銅測定方法:
1.顔料1.00gを天秤で精秤し、トールビーカー(100mL)中に入れる。
2.硫酸10mLを加え、ガラス棒で充分攪拌後、時計皿をかぶせ80〜90℃のウオーターバス中で30分間加熱し、溶解させる。
3.溶解後、トールビーカーを振とうしながら、5mol/L熱硫酸10mLを徐々に滴下し、1〜2分間静置する。
4.更に5mol/L熱硫酸20mLと熱イオン交換水50mLを加え、完全に顔料化させる。
5.これをグラスフィルターにてアスピレーターを用いて減圧濾過し、次に熱イオン交換水150mLで水洗する。
6.濾液を1Lメスフラスコを用いてイオン交換水で1Lに希釈する。
7.希釈液に含有される銅分はICP発光分析装置又は原子吸光光度計を用いて測定する。
8.計算式:遊離銅(%)=銅分(ppm)/試料採取量(mg)×100
2)ε化率
顔料を粉末X線回折測定装置で測定し、ε化率=(1−6.8°/7.6°相対強度比)×100で算出した。
3)(ΔY)
輝度(Y値)は、オリンパス製顕微鏡MX−50と大塚電子製分光光度計MCPD−3000顕微分光測光装置CIE発色系色度におけるC光源におけるY値を測定した。
ΔY=耐熱試験後フィルターの輝度(Y値)−耐熱試験前フィルターの輝度(Y値)ΔYが小さい程、耐熱性が良好と評価した。
4)(ΔE)オリンパス製顕微鏡MX−50と大塚電子製分光光度計MCPD−300
顕微分光測光装置CIE発色系色度におけるC光源で測色し、耐熱前のフィルターの測色値と耐熱後のフィルターの測色値からΔE(色差)を求めた。ΔEが小さい程、耐熱性が良好と評価した。
5)(Δコントラスト)
当該カラーフィルター青色画素部を2枚の偏光板の間に設置し、一方には光源を、更にその反対側にはCCDカメラを設置して輝度の測定を行った。偏光軸が平行になる時と垂直になる時との輝度(透過光強度)の比より算出した。
Δコントラスト=耐熱試験後フィルターのコントラスト−耐熱試験前フィルターのコントラスト
Δコントラストが小さい程、耐熱性が良好と評価した。
(実施例1)
平均置換基数1.4の銅フタロシアニンフタルイミドメチル誘導体を5%含む、遊離銅1500質量ppmでε化率90%のε型銅フタロシアニン0.95部、粉砕した塩化ナトリウム10部、ジエチレングリコール1部、平均置換基数1.4の銅フタロシアニンフタルイミドメチル誘導体0.05部を双腕型ニーダーに仕込み、80℃〜90℃で10時間混練した。混練後80℃の2%塩酸100重量部に取り出し、次に、湯洗後のウェットケーキを80℃の0.5%塩酸100重量部に取り出し、1時間攪拌後、濾過、湯洗、乾燥、粉砕し、ε型銅フタロシアニン顔料の青色顔料組成物を得た。同組成物の、遊離銅は300質量ppmであり、銅フタロシアニンフタルイミドメチル誘導体含有量は10%で、ε化率は88%であった。
この青色顔料組成物10部をポリビンに入れ、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート49部、アジスパー(商標名)PB814(味の素株式会社社製)7.5部を0.5mmφセプルビーズを加え、ペイントコンディショナー(東洋精機株式会社製)で2時間分散し、顔料分散液を得た。この顔料分散液75.00部とポリエステルアクリレート樹脂(アロニックス(商標名)M7100、東亜合成化学工業株式会社製)5.50部、ジぺンタエリスレートヘキサアクリレート(KAYARAD(商標名)DPHA、日本化薬株式会社製)5.00部、ベンゾフェノン(KAYACURE(商標名)BP−100、日本化薬株式会社製)1.00部、ユーカーエステルEFP13.5部を分散攪拌機で攪拌し、孔径1.0μmのフィルターで濾過し、カラーレジストを得た。このカラーレジストは50mm×50mm、1mmの厚ガラスに乾燥膜厚が2μmとなるようにスピンコーターを用いて塗布し、その後90℃で20分間予備乾燥して塗膜を形成させた。次いで、フォトマスクを介して紫外線によるパターン露光を行った後、未露光部分を0.5%の炭酸ナトリウム水溶液中で洗浄することによりカラーフィルターとした。
(実施例2)
実施例1の混練後80℃の2%塩酸100重量部に取り出し、次に、湯洗後のウェットケーキを80℃の0.5%塩酸100重量部に取り出すのに代え、80℃の2%塩酸100重量部に取り出すのみとし、後は実施例1と同様に処理し、1時間攪拌後、濾過、湯洗、乾燥、粉砕し、ε型銅フタロシアニン顔料の青色顔料組成物を得た。同顔料組成物の、遊離銅は390質量ppmで、同顔料のε化率は88%であった。
この青色顔料組成物を用いて、実施例1と同様にして、カラーフィルターとした。
(実施例3)
実施例1の混練後80℃の2%塩酸100重量部に取り出し、次に、湯洗後のウェットケーキを80℃の0.5%塩酸100重量部に取り出すのに代え、80℃の0.8%塩酸に取り出すのみとし、後は実施例1と同様に処理し、1時間攪拌後、濾過、湯洗、乾燥、粉砕し、ε型銅フタロシアニン顔料の青色顔料組成物を得た。同顔料組成物の、遊離銅は688質量ppmで、同顔料のε化率は88%であった。
この青色顔料組成物を用いて、実施例1と同様にして、カラーフィルターとした。
(実施例4)
実施例1の混練後80℃の2%塩酸100重量部に取り出し、次に、湯洗後のウェットケーキを80℃の0.5%塩酸100重量部に取り出すのに代え、80℃の0.5%塩酸に取り出し、後は実施例1と同様に処理し、1時間攪拌後、濾過、湯洗、乾燥、粉砕し、ε型銅フタロシアニン顔料の青色顔料組成物を得た。同顔料組成物の、遊離銅は900質量ppmで、同顔料のε化率は88%であった。
この青色顔料組成物を用いて、実施例1と同様にして、カラーフィルターとした。
(実施例5)
混練温度を90〜100℃に変えた以外は、実施例1と同様にして、カラーフィルターを得た。
(実施例6)
混練温度を110〜120℃に変えた以外は、実施例1と同様にして、カラーフィルターを得た。
(実施例7)
平均置換基数1.4の銅フタロシアニンフタルイミドメチル誘導体を3%用いる以外は、実施例1と同様にして、カラーフィルターを得た。
(実施例8)
平均置換基数1.4の銅フタロシアニンフタルイミドメチル誘導体を15%用いる以外は、実施例1と同様にして、カラーフィルターを得た。
(比較例1)
実施例1の混練後80℃の2%塩酸100重量部に取り出すのに代え、80℃の湯100部に取り出し、後は実施例1と同様に処理し、1時間攪拌後、濾過、湯洗、乾燥、粉砕し、ε型銅フタロシアニン顔料の青色顔料組成物を得た。同顔料組成物の、遊離銅は1500質量ppmで、同顔料のε化率は88%であった。
この青色顔料組成物を用いて、実施例1と同様にして、カラーフィルターとした。
(比較例2)
実施例1の混練後80℃の2%塩酸100重量部に取り出すのに代え、80℃の0.1%塩酸に取り出し、後は実施例1と同様に処理し、1時間攪拌後、濾過、湯洗、乾燥、粉砕し、ε型銅フタロシアニン顔料の青色顔料組成物を得た。同顔料組成物の、遊離銅は1222質量ppmで、同顔料のε化率は88%であった。
この青色顔料組成物を用いて、実施例1と同様にして、カラーフィルターとした。
(比較例3)
実施例1のニーダーでの混練温度を50〜60℃に下げ、混練後80℃の2%塩酸100重量部に取り出し、1時間攪拌後、濾過、湯洗を行い、次に、湯洗後のウェットケーキを80℃の0.5%塩酸100重量部に取り出し、1時間攪拌後、濾過、湯洗を行った以外は実施例1と同様の処理をして、ε型銅フタロシアニン顔料の青色顔料組成物を得た。同顔料組成物の、遊離銅は300質量ppmで、同顔料のε化率は82%であった。
この青色顔料組成物を用いて、実施例1と同様にして、カラーフィルターとした。
(比較例4)
実施例1の平均置換基数1.4の銅フタロシアニンフタルイミドメチル誘導体を5%含む、遊離銅1500質量ppmでε化率90%のε型銅フタロシアニンに代えて、銅フタロシアニンフタルイミドメチル誘導体を2%含む、遊離銅1500質量ppmでε化率86%のε型銅フタロシアニンとして、さらに、ニーダー混練時に銅フタロシアニンフタルイミドメチル誘導体0.05部を添加しなかった以外は、実施例1と同様の処理をして、ε型銅フタロシアニン顔料の青色顔料組成物を得た。同顔料組成物の、遊離銅は390質量ppmで、同顔料のε化率は80%であった。
この青色顔料組成物を用いて、実施例1と同様にして、カラーフィルターとした。
(比較例5)
実施例1のニーダーでの混練温度を160〜170℃に上げた以外は、実施例1と同様の処理をして、ε型銅フタロシアニン顔料の青色顔料組成物を得た。同顔料組成物の、遊離銅は390質量ppmで、同顔料のε化率は75%であった。
この青色顔料組成物を用いて、実施例1と同様にして、カラーフィルターとした。
(比較例6)
遊離銅200ppmのα型銅フタロシアニン1部と、平均置換基数1.4の銅フタロシアニンフタルイミドメチル誘導体を0.03部、ε化率90%のε型銅フタロシアニン顔料0.1部、粉砕した塩化ナトリウム10部、ジエチレングリコール1部を双腕型ニーダーに仕込み、100℃〜110℃で20時間混練した。混練後80℃の0.5%塩酸100重量部に取り出し、1時間攪拌後、濾過、湯洗、乾燥、粉砕し、ε型銅フタロシアニン顔料の青色顔料組成物を得た。同組成物の、遊離銅は200質量ppmであり、ε化率は80%であった。
この青色顔料組成物を用いて、実施例1と同様にして、カラーフィルターとした。
表1に上記実施例、表2に上記比較例の結果を示した。
Figure 2008308605
Figure 2008308605

実施例より、本発明により得られるカラーフィルター用青色顔料組成物を配合してなる分散体を用いたカラーフィルターは、比較例に比べて、ΔY値、ΔE値、Δコントラスト値が小さく、耐熱性に優れ、いずれもカラーフィルターとして優れた特性を有することが明らかである。

Claims (10)

  1. カラーフィルター用顔料組成物の製造において、
    (I)(A)ε型フタロシアニン顔料、及び
    (B)顔料混合物中の含有率が4〜15質量%の一般式(1)
    Figure 2008308605
    (但し、式中Xは金属原子または金属酸化物を表し、Yはフタルイミドメチル基を表わす。また、n、n、n、nは、置換基Yの数を表し、各々独立に少なくともひとつは0でない0から4の整数であって、n+n+n+n=1〜4である。)
    で表されるフタロシアニン誘導体、
    を含む顔料混合物を、水溶性無機塩及び有機溶媒の存在下に80〜120℃で混練する工程
    (II)前記(I)で得られた顔料混合物の混練物を、水または酸類で洗浄する工程
    を含むカラーフィルター用顔料組成物の製造方法。
  2. 前記ε型フタロシアニンが、ε型銅フタロシアニン、ε型亜鉛フタロシアニン、ε型コバルトフタロシアニン、ε型ニッケルフタロシアニン及びε型鉄フタロシアニンからなる群から選ばれる1種以上のε型フタロシアニンである請求項1記載のカラーフィルター用顔料組成物の製造方法。
  3. 前記一般式(1)のXが、銅、亜鉛、コバルト、ニッケル、鉄、酸化チタンまたは酸化バナジウムである請求項1または2に記載のカラーフィルター用顔料組成物の製造方法。
  4. 前記一般式(1)中において、n+n+n+n=1〜2である請求項1乃至3の何れかに記載のカラーフィルター用顔料組成物の製造方法。
  5. 前記水溶性無機塩が、塩化ナトリウムまたは硫酸ナトリウムである請求項1乃至4の何れかに記載のカラーフィルター用顔料組成物の製造方法。
  6. 前記有機溶媒が、多価アルコールである請求項1乃至5のいずれかに記載のカラーフィルター用顔料組成物の製造方法。
  7. 前記多価アルコールが、エチレングリコールまたはジエチレングリコールである請求項6に記載のカラーフィルター用顔料組成物の製造方法。
  8. 前記酸類が、塩酸または硫酸である請求項1乃至7のいずれかに記載のカラーフィルター用顔料組成物の製造方法。
  9. 請求項1乃至8の何れかに記載の製造方法により得られるカラーフィルター用顔料組成物を配合してなるカラーフィルター用顔料分散体。
  10. 請求項9に記載のカラーフィルター用顔料分散体を青色画素部に用いてなるカラーフィルター。
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