JP2003128950A - 表面処理微細有機顔料及びその製造方法 - Google Patents

表面処理微細有機顔料及びその製造方法

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JP2003128950A
JP2003128950A JP2001332068A JP2001332068A JP2003128950A JP 2003128950 A JP2003128950 A JP 2003128950A JP 2001332068 A JP2001332068 A JP 2001332068A JP 2001332068 A JP2001332068 A JP 2001332068A JP 2003128950 A JP2003128950 A JP 2003128950A
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Seiji Funakura
省二 船倉
Hiroshi Katsube
浩史 勝部
Masaaki Kishimoto
昌明 岸本
Hiroyuki Tokuda
博之 徳田
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】着色力に優れ、かつ優れた流動性又は耐熱性を
も有する表面処理微細有機顔料を提供する。 【解決手段】皮膜形成性樹脂が微細有機顔料表面に付着
した表面処理微細有機顔料において、前記微細有機顔料
の質量換算100部当たり、2−オキソ−1,3−ジオ
キソラン−4−イル基を有する皮膜形成性樹脂が3〜2
5部であることを特徴とする表面処理微細有機顔料。粗
製有機顔料または有機顔料を皮膜形成性樹脂の存在下で
ソルベントソルトミリングする表面処理微細有機顔料の
製造方法において、前記粗製有機顔料または有機顔料の
質量換算100部当たり、2−オキソ−1,3−ジオキ
ソラン−4−イル基を有する皮膜形成性樹脂を3〜25
部を用いることを特徴とする表面処理微細有機顔料の製
造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面処理微細有機
顔料及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】有機顔料に目的とする使用用途に適した
特性を付与させるための表面処理方法はよく知られてい
る。この表面処理方法としては、例えば有機顔料または
微細有機顔料を表面処理剤の有機溶剤溶液に浸漬して濾
過し乾燥粉砕する方法、微細有機顔料の製造の適切な段
階に表面処理剤を導入する方法等がある。こうして表面
処理されていない(未処理の)微細有機顔料の表面に表
面処理剤を付着させて表面処理有機顔料が製造される。
【0003】この表面処理には、有機顔料や微細有機顔
料の使用用途に応じて、例えばロジン類、金属塩、脂肪
酸エステル、或いはフェノール樹脂、アクリル樹脂、ウ
レタン樹脂の様な各種合成樹脂等が用いられている。
【0004】特開平7−13016号公報には、合成樹
脂に含ませることによって耐熱性や耐溶剤性に優れた着
色樹脂塗膜を形成できる表面処理微細有機顔料として、
エポキシ樹脂や(メタ)アクリル樹脂で表面処理した微
細有機顔料が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、エポキ
シ樹脂は分子中にエポキシ基をそのまま有する化学構造
であるため、表面処理の際の熱履歴等により、このエポ
キシ基が自己反応したり破壊されたりして、予想に反し
て意図した特性を発揮出来ないことがある。これはエポ
キシ基を有する(メタ)アクリル樹脂でも同様である。
また、エポキシ基を有さない(メタ)アクリル樹脂で
は、耐熱性や耐溶剤性に優れた着色樹脂塗膜とはならな
い。更に、これらの樹脂で表面処理した微細有機顔料を
用いた塗料としての流動性、着色力、貯蔵安定性がいず
れも不十分であるという欠点があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者等は上記
実情に鑑みて鋭意検討したところ、微細有機顔料を表面
処理する際の皮膜形成性樹脂として、エポキシ樹脂に代
えて2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル基を
有する皮膜形成性樹脂を用いる様にすることで、上記課
題が解決出来ることを見い出した。
【0007】即ち本発明は、皮膜形成性樹脂が微細有機
顔料表面に付着した表面処理有機顔料において、前記微
細有機顔料の質量換算100部当たり、2−オキソ−
1,3−ジオキソラン−4−イル基を有する皮膜形成性
樹脂が3〜25部であることを特徴とする表面処理微細
有機顔料、及び粗製有機顔料または有機顔料を皮膜形成
性樹脂の存在下でソルベントソルトミリングする前記表
面処理微細有機顔料の製造方法を提供する。
【0008】
【発明の実施形態】本発明の表面処理微細有機顔料は、
微細有機顔料と、2−オキソ−1,3−ジオキソラン−
4−イル基を有する皮膜形成性樹脂とを含んでなり、前
記樹脂で処理されていない(未処理の)微細有機顔料の
表面にこの皮膜形成性樹脂が質量換算で必要量付着した
組成を有する。微細有機顔料の表面積に対し皮膜形成性
樹脂の使用量が相対的に多ければ、有機顔料粒子表面が
皮膜形成性樹脂で被覆された構造となる。
【0009】本発明の表面処理微細有機顔料は、2−オ
キソ−1,3−ジオキソラン−4−イル基を有する皮膜
形成性樹脂を含むことが最大の特徴である。
【0010】本発明において皮膜形成性樹脂とは、基体
に塗布された場合に、乾燥等によりその樹脂を溶解する
溶媒等の不存在下において、連続した樹脂皮膜を形成す
るものを言う。分子量やガラス転移温度を調整すること
で、樹脂に皮膜形成性をもたせることが出来る。樹脂
は、機能として微細有機顔料粒子に皮膜として付着して
いなければならないため、2−オキソ−1,3−ジオキ
ソラン−4−イル基が反応する前であっても後であって
も、微細有機顔料粒子表面で樹脂皮膜を形成する能力を
持っていることが必要である。皮膜形成性樹脂は、例え
ばそれを溶解する溶媒に溶解させた後に、粗製有機顔
料、有機顔料又は微細有機顔料の粒子に接触させて、前
記溶媒を除去することで、容易かつ安定的に前記粒子に
連続した樹脂皮膜を形成し、得られた樹脂皮膜は容易に
は基体である粒子からは剥離しないので、表面処理の効
果が発現する。中でも、微細有機顔料粒子の全表面が皮
膜形成性樹脂で覆われていること(この状態を被覆とい
う)がより好ましい。
【0011】本発明における皮膜形成性樹脂に含まれる
2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル基とは、
下記式で表される官能基である。この官能基は、遊離エ
ポキシ基の開環開始温度では極めて安定である。より高
温での熱履歴が加わった際に初めて、この官能基は、開
環反応を開始する特徴を有する。2−オキソ−1,3−
ジオキソラン−4−イル基と、それと反応しうる後述す
る様な官能基とが共存し、加熱して所定の温度に達した
際、これらの基が反応し硬化が起こる。この硬化は架橋
を伴う。常温では反応が起こらず熱の存在のもと、前記
2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル基と反応
しうる官能基としては、酸無水物基、カルボキシル基、
アミノ基が挙げられる。
【0012】
【化1】
【0013】(但し、式中のR1、R2及びR3は、そ
れぞれ同一であっても異なっていても良い、水素原子ま
たは炭素原子1〜4のアルキル基を表す)。
【0014】本発明における皮膜形成性樹脂としては、
2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル基を有し
かつ皮膜形成性をも有するものがいずれも使用できる
が、例えばエポキシ樹脂のエポキシ基を2−オキソ−
1,3−ジオキソラン−4−イル基に置換した樹脂、2
−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル基を有する
(メタ)アクリル樹脂、同基を有するポリエステル樹
脂、ラクトン変性ポリエステル樹脂、ポリエステルアミ
ド樹脂、アルキド樹脂、ポリエーテル樹脂、変性ポリエ
ーテル樹脂、ポリチオエーテル樹脂、ポリカーボネート
樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリオレフィン樹脂、エポ
キシ変性樹脂、シリコーン樹脂、またはフッ素樹脂など
から選択することができる。
【0015】ここで(メタ)アクリル樹脂とは、メタア
クリル酸、アクリル酸、またはこれらのエステルを必須
成分として重合した樹脂であり、メタアクリル樹脂とア
クリル樹脂の総称である。以下、(メタ)アクリル又は
(メタ)アクリレートと称する場合は、メタアクリルと
アクリルの両方を包含する。
【0016】これらの皮膜形成性樹脂に含まれる2−オ
キソ−1,3−ジオキソラン−4−イル基は、公知慣用
のエポキシ樹脂硬化剤として知られている化合物、例え
ば酸無水物基、カルボキシル基、アミノ基等の官能基を
有する化合物と反応し硬化し得る。また、2−オキソ−
1,3−ジオキソラン−4−イル基と同時に前記官能基
をも有する皮膜形成性樹脂は2−オキソ−1,3−ジオ
キソラン−4−イル基と前記官能基により自身で硬化し
得る。
【0017】しかしながら、2−オキソ−1,3−ジオ
キソラン−4−イル基を有する皮膜形成性樹脂に別途エ
ポキシ樹脂硬化剤を併用する場合、それらを配合する手
間がかかるし、結果として得られる硬化物の吸湿性が高
まったりすることがあるので、前記硬化剤を配合しない
で、皮膜形成性樹脂自身だけで反応が起こる様に組成を
設計するのが好ましい。この観点から、前記皮膜形成性
樹脂としては、2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4
−イル基と、それと反応し得る官能基とを有する(メ
タ)アクリル樹脂が最適である。中でも、表面処理微細
有機顔料の製造方法として後述するソルベントソルトミ
リングを含む場合には、前記皮膜形成性樹脂として、2
−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル基とカルボ
キシル基とを有する(メタ)アクリル樹脂を選択する
と、ソルベントソルトミリング温度と硬化温度により大
きな差違を設けることが出来、樹脂の硬化等が起こりに
くい点で最適である。
【0018】この様な2−オキソ−1,3−ジオキソラ
ン−4−イル基を有する皮膜形成性樹脂は、上記した通
り、それ自体公知のものであり、従来公知のエポキシ樹
脂、エポキシ基を有する従来公知のアクリル樹脂、同ウ
レタン樹脂等に二酸化炭素(炭酸ガス)を付加させるこ
とにより製造することが出来る。
【0019】またエピハロヒドリンと二酸化炭素との付
加物に、ビスフェノールAやノボラック型フェノール樹
脂等のフェノール性水酸基を有する化合物とを脱ハロゲ
ン化水素反応させたり、2−オキソ−1,3−ジオキソ
ラン−4−イル基を有する(メタ)アクリレートを必須
成分として必要に応じて他の重合性単量体と重合させた
り、有機ポリイソシアネートに2−オキソ−1,3−ジ
オキソラン−4−イル基を有するアルコールを(重)付
加反応させたりして製造することも出来る。中でも(メ
タ)アクリル樹脂は、任意の割合で2−オキソ−1,3
−ジオキソラン−4−イル基とカルボキシル基とを分子
構造中に容易に含ませることが出来る点で好ましい。
【0020】本発明において好適に使用される、2−オ
キソ−1,3−ジオキソラン−4−イル基とカルボキシ
ル基とを有する(メタ)アクリル樹脂は、例えば2−オ
キソ−1,3−ジオキソラン−4−イル基を有する(メ
タ)アクリレートと(メタ)アクリル酸とを必須成分と
して、(メタ)アクリル酸エステル或いはその他の芳香
族ビニル単量体等と、重合触媒の存在下に(共)重合さ
せることにより容易に得ることが出来る。
【0021】皮膜形成性樹脂中における2−オキソ−
1,3−ジオキソラン−4−イル基とカルボキシル基と
の割合は、前者基1当量当たり後者基0.2〜5.0当
量となる様にするのが好ましい。この範囲となる様に2
−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル基を有する
(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸との共重合
割合を選定するのが好ましい。
【0022】本発明の表面処理された微細有機顔料とし
ては、微細有機顔料に表面処理が施されたものでも良い
し、有機顔料を表面処理と同時に微細化したものでもよ
いし、粗製有機顔料を表面処理と顔料化と微細化とを同
時にしたものでも良い。
【0023】本発明における有機顔料または微細有機顔
料としては、赤色、橙色、黄色、青色、紫色、緑色等の
各種有機顔料がいずれも使用できるが、好適には、無金
属フタロシアニン顔料、ハロゲン化無金属フタロシアニ
ン顔料の他、中心金属が銅、コバルト、アルミニウム、
ヴァナジウム、亜鉛等の各種結晶型金属フタロシアニン
顔料、これら各種金属フタロシアニンに塩素原子や臭素
原子が付加した構造のポリハロゲン化金属フタロシアニ
ン顔料の様なフタロシアニン系顔料や、その他の縮合多
環系有機顔料が挙げられる。有機顔料は、平均一次粒子
径0.1〜0.01μmの解れた粒子からなる。
【0024】前記縮合多環系有機顔料としては、例えば
ジオキサジン系顔料、スレン系顔料、ペリレン系顔料、
フタロン系顔料、メチン・アゾメチン系顔料、ジケトピ
ロロピロール系顔料等がある。これら有機顔料は1種の
みまたは2種以上を併用することも出来る。後述する本
発明の製造方法では、上記に対応する粗製有機顔料も同
様に使用される。
【0025】尚、本発明における粗製有機顔料、有機顔
料及び微細有機顔料等の平均一次粒子径及び縦横のアス
ペクト比は、それらを溶媒に超音波分散させてから、透
過型電子顕微鏡又は走査型電子顕微鏡により測定するこ
とが出来る。平均一次粒子径は、具体的には、電子顕微
鏡内の視野内の粒子を撮影し、二次元画像上の、凝集体
を構成する顔料一次粒子の50個につき、その長い方の
径(長径)を各々求め、それを平均した値である。表面
処理微細有機顔料は平均一次粒子径が小さいほど、塗料
やインキ等の用途において、より透明性に富んだものと
することが出来る。また縦横のアスペクト比は、短径と
前記長径とから求められる。短径は、具体的には、電子
顕微鏡内の視野内の粒子を撮影し、二次元画像上の、凝
集体を構成する顔料一次粒子の50個につき、その最短
の径(短径)を各々求め、それを平均した値である。以
下、同様である。表面処理微細有機顔料は縦横のアスペ
クト比1〜3であると、塗料やインキ等の用途におい
て、より流動性に富んだものとすることが出来る。表面
処理微細有機顔料の製造方法としてソルベントソルトミ
リングを適用すると縦横のアスペクト比が前記好適な範
囲とすることができ好ましい。
【0026】後述する本発明の製造方法では、必要であ
れば粗製有機顔料または有機顔料にはその誘導体を極少
量併用することも出来る。この様な顔料誘導体として
は、例えばスルホン酸誘導体、スルホン酸塩誘導体、ス
ルホンアミド誘導体、ジアルキルアミノ誘導体、イミド
アルキル誘導体等が挙げられる。
【0027】本発明の表面処理微細有機顔料における微
細有機顔料と皮膜形成性樹脂との割合は質量換算で、微
細有機顔料100部当たり皮膜形成性樹脂3〜25部で
ある。皮膜形成性樹脂がこれより少なければ、微細有機
顔料粒子表面に充分に付着させることが出来ず所望の表
面処理効果が得られ難く、一方、これを越えても表面処
理効果の程度はあまり変わらない。後述する本発明の製
造方法では、上記範囲となる様に粗製有機顔料または有
機顔料と前記皮膜形成性樹脂との割合を調節する。
【0028】本発明における表面処理微細有機顔料を得
るには公知慣用の製造方法がいずれも採用できる。粗製
有機顔料や有機顔料を表面処理剤の有機溶剤溶液に浸漬
して攪拌し濾過し乾燥粉砕する方法や、微細有機顔料の
製造の適切な段階に表面処理剤を導入する方法がある。
例えば、前記皮膜形成性樹脂の水性分散体を有機顔料や
微細有機顔料の水性スラリー中に添加し攪拌し濾過し乾
燥粉砕する方法等がある。
【0029】本発明の表面処理微細有機顔料を得る方法
としては、粗製有機顔料または有機顔料を前記皮膜形成
性樹脂の不存在下でソルベントソルトミリングし洗浄し
て得た水性スラリーと、前記皮膜形成性樹脂の有機溶剤
溶液とを混合攪拌し前記樹脂を微細有機顔料表面で析出
させる方法や、粗製有機顔料または有機顔料を前記皮膜
形成性樹脂の存在下でソルベントソルトミリングする方
法が、一次粒子のより細かい微細有機顔料を得ることが
出来、前記皮膜形成性樹脂を粒子近傍へより均一に付着
させることが出来、流動性を効果的に向上できる点で好
ましい。洗浄、濾過、乾燥等の工程を共通に行った場合
において、スラリー時添加による前者と混練時添加の後
者との対比では、後者は前者に比べて着色力等に優れる
点で特に好ましい。
【0030】尚、ソルベントソルトミリングとは、粗製
有機顔料、有機顔料または微細有機顔料と有機溶剤と水
溶性無機塩とを混練する操作をいう。本発明の最適な製
造方法では、前記皮膜形成性樹脂の存在下にて、この操
作を行う。
【0031】本発明の製造方法は、前出の有機顔料の市
販品や、有機顔料から得た微細有機顔料を用いて実施す
ること出来るが、着色力等の点においてそのままでは顔
料としての適性を有さない粗製有機顔料を用いて、上記
した製造方法を同様に実施することも出来る。
【0032】粗製有機顔料は、一般に有機顔料よりも一
次粒子径が大きい粒子であり、例えば比表面積等は有機
顔料より著しく小さな値をとる。ワイラー法やフタロニ
トリル法で製造されたフタロシアニン等は、通常この様
な粗製有機顔料であり、これをソルベントソルトミリン
グに代表される顔料化処理(仕上げ処理と呼ばれる場合
もある)することにより有機顔料または微細有機顔料と
される。
【0033】より具体的には、例えば粗製有機顔料また
は有機顔料、前記皮膜形成性樹脂および水溶性無機塩の
混合物に少量の有機溶剤を加え混練する。この混練に
は、一般的にはニーダーが使用される。
【0034】水溶性無機塩としては、例えば塩化ナトリ
ウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウウム等が挙げられ
る。
【0035】有機溶剤としては、公知慣用のものが採用
できるが、前記皮膜形成性樹脂の少なくとも一部を溶解
し水溶性であることが好ましい。混練時に蒸発し難く、
安全性の点から沸点が高い有機溶剤が好ましい。この様
な有機溶剤としては、例えば、ジエチレングリコール、
ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、トリエチ
レングリコール、トリエチレングリコールモノアルキル
エーテル、液体ポリエチレングリコール、アルコキシア
ルカノール、ジプロピレングリコール,ジプロピレング
リコールモノアルキルエーテル、低分子量ポリプロピレ
ングリコール等が用いられる。
【0036】ここで、ソルベントソルトミリングを行う
に当たっての、粗製有機顔料または有機顔料と、前記皮
膜形成性樹脂と、水溶性無機塩と、有機溶剤との割合
は、一般的にはいずれも質量換算で、粗製有機顔料また
は有機顔料100部あたり、前記皮膜形成性樹脂(固形
分換算)3〜25部、水溶性無機塩300〜2000
部、有機溶剤1〜500部である。前記皮膜形成性樹脂
を有機溶剤溶液として用いた場合は、その溶液の樹脂濃
度に応じて有機溶剤を加減することが出来る。
【0037】こうして、粗製有機顔料または有機顔料
と、前記皮膜形成性樹脂と、水溶性無機塩と、有機溶剤
との混合物は、極一般的な条件、例えば温度30〜15
0℃で5〜20時間、ソルベントソルトミリングされ
る。2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル基の
開環反応の温度は一般に200〜250℃の範囲にあ
り、通常のソルベントソルトミリング条件では分解も反
応も起こさず、2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4
−イル基は安定に保たれる。前記皮膜形成性樹脂とし
て、2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル基と
カルボキシル基とを有するものを用いた場合も、上記し
た両者の官能基が反応しないソルベントソルトミリング
の条件を選択する。
【0038】このソルベントソルトミリングにより、原
料として用いた粗製有機顔料は凝集が解され、一方、原
料として用いた有機顔料はより微細化され、微細有機顔
料とる。このソルベントソルトミリングで、粒子の微細
化と前記皮膜形成性樹脂による表面処理が同時に行われ
る。
【0039】こうして得られた混練物は、水と混合し攪
拌し懸濁液となし、水と有機溶剤とを濾過等により分離
することにより、表面処理微細有機顔料を含むウエット
ケーキを取り出すことが出来る。ここに含まれる粒子
は、平均一次粒子径0.1〜0.01μmの解れた表面
処理微細有機顔料粒子からなる。このウエットケーキは
洗浄し乾燥することにより、粉体の表面処理微細有機顔
料とすることが出来る。
【0040】洗浄には、水、湯のいずれも使用でき、必
要ならば表面処理に影響を及ぼさない範囲において酸や
アルカリを併用することも出来る。洗浄は、1〜10回
行うことが出来る。特に、金属を含む粗製有機顔料や有
機顔料、或いは酸やアルカリを反応時に使用する粗製有
機顔料や有機顔料を本発明の製造方法に用い、かつ、用
途が静電荷像現像用トナー、インクジェット記録用イン
ク、液晶カラーフィルター等である場合は、遊離イオン
濃度を出来るだけゼロに近づけるのが好ましい場合が多
い。
【0041】乾燥は、加熱乾燥や凍結乾燥等により行う
ことが出来る。勿論、前記懸濁液からスプレードライす
る方法も採用出来る。しかしながら、加熱乾燥の場合に
は、2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル基の
開環反応が起こらない温度、例えば150℃以下で乾燥
を行うことが望ましい。
【0042】尚、濾過、洗浄、乾燥、粉砕等の操作は、
ソルベントソルトミリングを行う本発明の表面処理顔料
の最適な製造方法以外の製造方法でも同様に行うことが
出来る。
【0043】本発明の製造方法で得られた表面処理微細
有機顔料は、ウエットケーキのままでも使用できるし、
乾燥して粉体としても使用することが出来る。ウエット
ケーキの場合は、有機溶剤やバインダー樹脂と共にフラ
ッシングして用いることが出来る。
【0044】こうして得られた表面処理微細有機顔料
は、微細有機顔料の表面に前記皮膜形成性樹脂が薄層と
なって付着した構造をとっている。組成未知の着色剤が
本発明の表面処理微細有機顔料であるかは、例えば、2
−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル基の分解時
に発生する二酸化炭素の生成をガス分析やガスクロマト
グラフィーにより確認する方法、2−オキソ−1,3−
ジオキソラン−4−イル基自体の特異赤外線吸収ピーク
に基づいて確認する方法、前記皮膜形成性樹脂を溶解す
る有機溶剤及び皮膜形成性樹脂がカルボキシル基をも有
している場合は必要に応じてアルカリを併用して、組成
未知の樹脂を加えて樹脂分の抽出を行い、分解前の2−
オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル基の特異赤外
線吸収ピークに基づいて確認する方法で同定できる。2
−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル基の特異赤
外線吸収ピークの強度と含有量について検量線を作成し
ておけば、前記皮膜形成性樹脂の定量を行うことも出来
る。
【0045】尚、赤外線吸収スペクトルによれば、2−
オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル基の特異赤外
線吸収ピークは1760〜1820cm−1に出現し、
一方、エポキシ基及びカルボキシル基の特異赤外吸収ピ
ークは、各々順に1200〜1300cm−1及び17
00〜1740cm−1に出現するため、これら官能基
の存否は容易に判別できる。
【0046】こうして得られた本発明の表面処理微細有
機顔料には、2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−
イル基がそのまま含まれているので、塗料やインキ等の
着色すべき媒体の流動性を損なう心配が少ない。しかし
がら、この表面処理微細有機顔料には、必要に応じて、
2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル基同士、
または2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル基
とそれと反応しうる官能基との反応を促進させる触媒と
併用して各用途分野に使用し、着色後硬化させることが
出来る。勿論、表面処理微細有機顔料中の皮膜形成性樹
脂にこの触媒を含めておき、同様に着色後硬化させるこ
とも出来る。
【0047】本発明の表面処理微細有機顔料は、公知慣
用の用途、例えばインキ、塗料、樹脂成形品等の着色に
使用できる他、静電荷像現像用トナー、インクジェット
記録用インク、液晶カラーフィルター等のハイテク分野
にも使用することが出来る。
【0048】
【実施例】次に本発明を製造例と実施例と比較例により
詳細に説明する。以下、部及び%は質量基準である。
【0049】実施例1 大日本インキ化学工業株式会社製の「ファーストゲン
ブルー EPC」(ε型銅フタロシアニンブルークルー
ド。一次粒子の平均粒子径0.1〜10μm。)1部、
粉砕した塩化ナトリウム10部、ジエチレングリコール
1部、銅フタロシアニンフタルイミドメチル誘導体0.
05部、2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル
基を有する皮膜形成性樹脂溶液A〔メタクリル樹脂
(2,3−カーボネートプロピルメタクリレート/メタ
クリル酸/ベンジルメタクリレート=25/11.5/
63.5、ポリスチレン換算の数平均分子量=510
0、分散度Mw/Mn=2.49)のプロピレングリコ
ールモノメチルエーテルアセテート溶液(樹脂固形分4
0%)〕0.25部を双腕型ニーダーに仕込み、80℃
〜90℃で10時間混練した。この時ソルベントソルト
ミリング時のゲル化は無かった。
【0050】混練後、80℃の1%塩酸水溶液100部
に取り出し、1時間攪拌後、濾過、湯洗、乾燥、粉砕
し、表面処理微細ε型銅フタロシアニン顔料(a)を得
た。顔料(a)の平均粒子径は、透過型電子顕微鏡JE
M−2010(日本電子株式会社製)で測定したとこ
ろ、平均粒子径は0.03μmであった。縦横のアスペ
クト比は2であった。顔料(a)の赤外線吸収スペクト
ルを測定したところ、1810cm−1に2−オキソ−
1,3−ジオキソラン−4−イル基の特異赤外線吸収ピ
ークが判別できた。
【0051】実施例2 大日本インキ化学工業株式会社製の「ファーストゲン
ブルー EPC」(ε型銅フタロシアニンブルークルー
ド。一次粒子の平均粒子径0.1〜10μm。)1部、
粉砕した塩化ナトリウム7部、ジエチレングリコール1
部、銅フタロシアニンフタルイミドメチル誘導体0.0
3部、を双腕型ニーダーに仕込み、120℃〜130℃
で7時間混練した。
【0052】混練後、80℃の1%塩酸水溶液100重
量部に取り出し、1時間攪拌後、濾過、湯洗し、水10
部に分散した80℃の水性スラリーに、2−オキソ−
1,3−ジオキソラン−4−イル基を有する皮膜形成性
樹脂溶液B〔メタクリル樹脂(2,3−カーボネートプ
ロピルメタクリレート/メタクリル酸/ベンジルメタク
リレート/メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル=28
/25/41/6、ポリスチレン換算の数平均分子量=
5300、分散度Mw/Mn=2.36、樹脂のMFT
200℃)の樹脂固形分4%、水酸化ナトリウム4%、
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート6
%、水86%〕2.5部を加え、30分間80℃で攪拌
の後、塩酸でpHを6として、30分間80℃で攪拌の
後、濾過、湯洗し、乾燥、粉砕し、ε型銅フタロシアニ
ン微細表面処理顔料(b)を得た。
【0053】顔料(b)の平均粒子径と縦横のアスペク
ト比を、実施例1と同様に測定したところ、平均粒子径
は0.07μm、縦横のアスペクト比は2であった。顔
料(b)の赤外線吸収スペクトルを測定したところ、1
810cm−1に2−オキソ−1,3−ジオキソラン−
4−イル基の特異赤外線吸収ピークが判別できた。
【0054】比較例1 2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル基を有す
る皮膜形成性樹脂溶液Aを無添加に変更する以外は実施
例1と同様な操作を行い、無処理微細ε型銅フタロシア
ニン顔料(c)を得た。顔料(c)の平均粒子径と縦横
のアスペクト比を測定したところ、平均粒子径は0.0
3μm、縦横のアスペクト比は2であった。
【0055】比較例2 樹脂固形分が同量となる様に、2−オキソ−1,3−ジ
オキソラン−4−イル基を有する皮膜形成性樹脂溶液A
を「エピクロン940−80M」(大日本インキ化学工
業株式会社製エポキシ樹脂溶液、エポキシ樹脂固形分8
0%、メチルエチルケトン20%)0.125部に代え
る以外は実施例1と同様の操作を行い、表面処理微細ε
型銅フタロシアニン顔料(d)を得た。この時ソルベン
トソルトミリング時のゲル化は若干見られた。
【0056】顔料(d)の平均粒子径と縦横のアスペク
ト比を測定したところ、平均粒子径は0.03μm、縦
横のアスペクト比は2であった。
【0057】比較例3 2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル基を有す
る皮膜形成性樹脂溶液Aをジョンクリル61(ジョンソ
ンポリマー株式会社製アクリル樹脂、アクリル樹脂固形
分35%、アンモニア7.5%、エチレングリコール
1.5%、イソプロピルアルコール5.0%、水51
%)0.29部に代える以外は実施例2と同様の操作を
行い、表面処理微細ε型銅フタロシアニン顔料(e)を
得た。
【0058】顔料(e)の平均粒子径と縦横のアスペク
ト比を測定したところ、平均粒子径は0.07μm、縦
横のアスペクト比は2であった。
【0059】(試験例) 《塗料組成物の流動性、着色力、混色安定性及び、貯蔵
安定性の試験方法》 <メラミンアルキド焼付塗料調整> (色エナメルの調製)各実施例及び各比較例で得たいず
れかの顔料(a)〜(e)12.0g、アルキド樹脂
(大日本インキ化学工業株式会社製の「ベッコゾールH
P−300−HHV」)48.0g、キシレン75%及
びn−ブタノール25%から成る混合溶剤28.5g及
びガラスビーズ(3mmφ)150gを容量250mlの
ガラス瓶に入れ、ペイントコンディショナーを用いて2
時間分散させた後、同じアルキッド樹脂88.5g及び
メラミン樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製の「ス
ーパーベッカミン17−502」)60.0gを追加
し、ペイントコンディショナーを用いて更に10分間分
散させて色エナメルを得た。
【0060】(白エナメルの調製)チタン白(石原産業
株式会社社製の「タイペークR−930」)48.0
g、色エナメルの調製に用いたものと同じアルキッド樹
脂40.0g、キシレン75%及びn−ブタノール25
%から成る混合溶剤25.0g、及び色エナメルの調製
に用いたものと同じガラスビーズ150gを容量500
mlのガラス瓶に入れ、ペイントコンディショナーを用
いて1時間分散させた後、同じアルキッド樹脂32.0
g及び色エナメルの調製に用いたものと同じメラミン樹
脂15.0gを追加し、ペイントコンディショナーを用
いて更に10分間分散させて白エナメルを得た。次に、
このようにして得た色エナメル3部及び白エナメル15
部を混合して白希釈エナメルを作製した。
【0061】<塗料用樹脂組成物の流動性の評価>この
ようにして得た色エナメルを、20℃のもとでB型粘度
計で回転数60rpmの条件で測定し、その結果を表1
にまとめて示した。
【0062】<塗料用樹脂組成物の着色力の評価>白希
釈エナメルをそれぞれアート紙上にアプリケータを用い
てウェット膜厚が150μmと成るように塗布し30分
室温で静置した後、130℃で20分間焼き付けて試験
片を得た。
【0063】このようにして得た試験片を分光光度計
(データカラーインターナショナル社製の「SPECT
RAFLASH SF500」)を用いて測色し、比較
例の顔料(c)を用いた白希釈エナメル塗膜を100%
とし、それに対応する実施例の顔料組成物を用いた白希
釈エナメル塗膜の着色力より評価し、その結果を表1に
まとめて示した。 <塗料用樹脂組成物の貯蔵安定性の評価>このようにし
て得たメラミン樹脂を添加する前の色エナメルを密封し
て、50℃2週間恒温槽に貯蔵した後に20℃のもとで
B型粘度計で回転数60rpmの条件で測定し、貯蔵前
の同条件の粘度に対する増粘率で評価し、その結果を表
1にまとめて示した。
【0064】
【表1】表 1
【0065】表1に示した結果から、各実施例で得た表
面処理微細有機顔料は、メラミンアルキド塗料組成物の
着色に適用した場合、対応する比較例の顔料(c)〜
(e)に比べて着色力が高く良好であり、しかも粘度が
低いので流動性が良好であり、貯蔵における増粘率が低
く貯蔵安定性も良好であることが明らかである。ソルベ
ントソルトミリング時に特定皮膜形成性樹脂を存在させ
て表面処理した実施例1は、ソルベントソルトミリング
後のスラリーに特定皮膜形成性樹脂に存在させて表面処
理した実施例2と対比すると、流動性は同等であるが、
着色力と貯蔵安定性の点で優っていることがわかる。
【0066】《ポリオレフィン試験方法》 (試験片の調製)各実施例及び比較例で得たいずれかの
顔料組成物0.05部、ポリプロピレン(三菱化学株式
会社製ノーブレンMA−4)100部、ステアリン酸ア
ルミニウム0.13部、酸化チタン(石原産業株式会社
製、タイペークR−680)0.32部をドライブレン
ドした後、射出成型機(日精樹脂工業株式会社製PS・
E型)を用いて射出成型した。180℃、280℃の温
度を使用し、いずれの場合も滞留時間は10分間で行っ
た。
【0067】<ポリオレフィンの着色力の評価> 評価方法:200℃で成型されたチップを分光光度計
(米国データカラーインターナショナル社製 スペクト
ラフラッシュSF500)で測色し、比較例の顔料を用
いたチップに対する実施例の顔料のチップの着色力を評
価し、その結果を表2にまとめて示した。 <ポリオレフィンの耐熱性の評価>評価方法:上記成型
チップを分光光度計(米国データカラーインターナショ
ナル社製 スペクトラフラッシュSF500)で測色
し、180℃で成型されたチップと280℃で成型した
チップとの色差(△E*)を測定し評価した。その結果
を表2にまとめて示した。
【0068】
【表2】表 2
【0069】表2に示した結果から、各実施例で得た顔
料(a)〜(b)は、ポリオレフィンからなる樹脂成形
品の着色に用いた場合、対応する比較例の顔料(c)〜
(e)に比べて、着色力が高く良好であり、耐熱性も色
差(△E*)が小さく良好であることが明らかである。
【0070】
【発明の効果】本発明の表面処理微細有機顔料は、2−
オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル基を有する皮
膜形成性樹脂の特定量が微細有機顔料に付着しているの
で、これを用いた塗料としての着色力が良好であり、し
かも流動性や貯蔵安定性も良好である。また、これを用
いたプラスチック(樹脂成形品)としての着色力が良好
であり、しかも耐熱性も良好である。また、表面処理の
際の熱履歴により、このエポキシ基が自己反応したり破
壊されることがないという格別顕著な効果を奏する。ま
た、この表面処理微細有機顔料は、それ自身だけを加熱
したり、樹脂等の着色すべき被着色媒体への添加前或い
は添加後の必要な段階にて、必要に応じてエポキシ樹脂
硬化剤等を併用して開環反応を行わせることが出来、耐
熱性や耐溶剤性に優れた着色樹脂塗膜を得ることが出来
る。また本発明の表面処理微細有機顔料の製造方法は、
その他の製造方法に比べて、より少量の前記皮膜形成性
樹脂でも、微細有機顔料の表面に十分に前記皮膜形成性
樹脂を付着させることが出来る、或いは、同一皮膜形成
性樹脂量ではより着色力に優れた表面処理微細有機顔料
が得られるという格別顕著な効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 徳田 博之 千葉県佐倉市鍋山町97−7

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】皮膜形成性樹脂が微細有機顔料表面に付着
    した表面処理微細有機顔料において、前記微細有機顔料
    の質量換算100部当たり、2−オキソ−1,3−ジオ
    キソラン−4−イル基を有する皮膜形成性樹脂が3〜2
    5部であることを特徴とする表面処理微細有機顔料。
  2. 【請求項2】2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−
    イル基を有する皮膜形成性樹脂が、2−オキソ−1,3
    −ジオキソラン−4−イル基とカルボキシル基とを有す
    る皮膜形成性樹脂である請求項1記載の表面処理微細有
    機顔料。
  3. 【請求項3】粗製有機顔料または有機顔料を皮膜形成性
    樹脂の存在下でソルベントソルトミリングする表面処理
    微細有機顔料の製造方法において、前記粗製有機顔料ま
    たは有機顔料の質量換算100部当たり、2−オキソ−
    1,3−ジオキソラン−4−イル基を有する皮膜形成性
    樹脂を3〜25部を用いることを特徴とする表面処理微
    細有機顔料の製造方法。
  4. 【請求項4】2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−
    イル基を有する皮膜形成性樹脂が、2−オキソ−1,3
    −ジオキソラン−4−イル基とカルボキシル基とを有す
    る皮膜形成性樹脂である請求項3記載の製造方法。
  5. 【請求項5】ソルベントソルトミリングを、30〜15
    0℃で行う請求項3又は4記載の製造方法。
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