JP5470882B2 - ペリミジン系スクアリリウム化合物、画像形成材料及び画像形成方法 - Google Patents

ペリミジン系スクアリリウム化合物、画像形成材料及び画像形成方法 Download PDF

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本発明は、ペリミジン系スクアリリウム化合物、画像形成材料及び画像形成方法に関する。
電子写真用トナー、インクジェットプリンター用インクなどの画像形成材料を記録媒体上に定着させる方法として、光照射等により、記録媒体上の画像形成材料を選択的に加熱する非接触定着法がある。
非接触定着法として、特許文献1には、ワックス、結着樹脂、及びレーザーの波長領域に吸収を持つ物質を含有するトナーを用いて、レーザー定着を行う方法が開示されている。
レーザーの波長領域に吸収を持つ物質としては、例えば、CIR−108x(日本カートリット社製、商品名)、NIR−AM1(ナガセケムテックス社製、商品名)等の近赤外吸収色材が知られている。
特開2007−248819号公報
画像形成材料に含まれる近赤外吸収色材には、少量の近赤外吸収色材で光を効率的に吸収し、十分な定着効果を得る観点から、760nm以上900nm以下における吸光度が高いことが要求される。その一方で、画像形成材料の色味を保つ観点からは、400nm以上750nm以下の可視光波長領域における吸光度が低いことが要求される。
そこで本発明は、400nm以上750nm以下の可視光波長領域における吸光度が低く、かつ、760nm以上900nm以下における吸光度が高い化合物、この化合物を含有する画像形成材料、及び、この画像形成材料を用いた画像形成方法を提供することを目的とする。
即ち、請求項1に係る発明は、下記式(I)で示されるペリミジン系スクアリリウム化合物(以下、「式(I)で示される化合物」と称することがある。)である。
Figure 0005470882
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のペリミジン系スクアリリウム化合物、熱可塑性樹脂及び顔料を含有する、画像形成材料である。
請求項3に係る発明は、前記熱可塑性樹脂のガラス転移点が、50℃以上150℃以下である、請求項2に記載の画像形成材料である。
請求項4に係る発明は、請求項2又は3に記載の画像形成材料に、波長760nm以上900nm以下の光を照射することで、前記画像形成材料を記録媒体に定着させる工程を含む、画像形成方法である。
請求項1に記載の発明によれば、式(I)で示される化合物以外のスクアリリウム化合物や従来の近赤外吸収色材と比較して400nm以上750nm以下の可視光波長領域における吸光度が低く、かつ、760nm以上900nm以下における吸光度が高い、近赤外吸収色材として有用なペリミジン系スクアリリウム化合物が得られる。
請求項2に記載の発明によれば、式(I)で示される化合物以外のスクアリリウム化合物や、従来の近赤外吸収色材と比較して、400nm以上750nm以下の可視光波長領域における吸光度が低く、かつ、760nm以上900nm以下における吸光度が高い近赤外吸収色材(式(I)で示される化合物)を含む画像形成材料が提供され、少量の近赤外吸収色材で照射光を効率的に吸収し、優れた定着効果を得ることと、画像形成材料の色味を保つことが両立される。
請求項3に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、少ない光照射エネルギーで有効に画像形成材料を定着させることが可能である。
請求項4に記載の発明によれば、式(I)で示される化合物以外のスクアリリウム化合物や、従来の近赤外吸収色材を用いた場合と比較して、近赤外吸収色材の使用量を低減しつつ十分な定着効果を得ることが可能で、形成された画像の色味に優れる、760nm以上900nm以下の光による画像形成方法が実現可能となる。
式(I)で示される化合物の可視近赤外吸収スペクトルである。 式(I)で示される化合物、式(II)で示される化合物及びバナジルナフタロシアニン色素を用いて得られたラテックスパッチの反射スペクトルである。
以下、本発明のペリミジン系スクアリリウム化合物、画像形成材料及び画像形成方法の実施形態について詳細に説明する。
<ペリミジン系スクアリリウム化合物>
本実施形態に係るペリミジン系スクアリリウム化合物は、下記式(I)で示される。
Figure 0005470882
式(I)で示される化合物は、波長760nm以上900nm以下の光を効率的に吸収し熱を発する。そのため、本実施形態に係るペリミジン系スクアリリウム化合物は近赤外吸収色材として有用である。
式(I)で示される化合物は、例えば以下の反応スキームに従って合成される。
Figure 0005470882
より具体的には、触媒の存在下で、1,8−ジアミノナフタレンと、ジシクロプロピルケトンとを、溶媒中で共沸還流の条件で反応させることにより、ペリミジン中間体(a)が得られる((A−1)工程)。(A−1)工程に使用する触媒としては、p−トルエンスルホン酸一水和物、ベンゼンスルホン酸一水和物、4−クロロベンゼンスルホン酸水和物、ピリジン−3−スルホン酸、エタンスルホン酸、硫酸、硝酸、酢酸などが挙げられる。また、(A−1)工程に使用する溶媒としては、アルコール、芳香族炭化水素などが挙げられる。ペリミジン中間体(a)は高速カラムクロマトグラフィーまたは再結晶により精製することができる。
次に、ペリミジン中間体(a)と、3,4−ジヒドロキシシクロブタ−3−エン−1,2−ジオン(「スクアリン酸」又は「四角酸」とも呼ばれる。)とを、溶媒中で共沸還流の条件で反応させることにより、式(I)で示される化合物が得られる((A−2)工程)。(A−2)工程は、窒素ガス雰囲気で行うことが好ましい。
(A−2)工程に使用する溶媒としては、1−プロパノール、1−ブタノール、1−ペンタノール等のアルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレン、モノクロロベンゼン等の芳香族炭化水素、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタン、ジクロロプロパン等のハロゲン化炭化水素、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類を用いてもよい。アルコール類は単独で使用してもよいが、芳香族炭化水素、エーテル類、ハロゲン化炭化水素またはアミド類などの溶媒は、アルコール類と混合して使用することが好ましい。好ましい溶媒としては、具体的には、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、1−プロパノールとベンゼンの混合溶媒、1−プロパノールとトルエンの混合溶媒、1−プロパノールとN,N−ジメチルホルムアミドの混合溶媒、2−プロパノールとベンゼンの混合溶媒、2−プロパノールとトルエンの混合溶媒、2−プロパノールとN,N−ジメチルホルムアミドの混合溶媒、1−ブタノールとベンゼンの混合溶媒、1−ブタノールとトルエンの混合溶媒、1−ブタノールとN,N−ジメチルホルムアミドの混合溶媒、2−ブタノールとベンゼンの混合溶媒、2−ブタノールとトルエンの混合溶媒、2−ブタノールとN,N−ジメチルホルムアミドの混合溶媒が挙げられる。混合溶媒を使う場合、アルコール類の濃度は、1容量%以上とすることが好ましく、5容量%以上75容量%以下とすることが特に好ましい。
また、(A−2)工程において、3,4−ジヒドロキシシクロブタ−3−エン−1,2−ジオンに対するペリミジン中間体(a)のモル比(ペリミジン中間体(a)のモル数/3,4−ジヒドロキシシクロブタ−3−エン−1,2−ジオンのモル数)は、1以上4以下であることが好ましく、1.5以上3以下であることがより好ましい。当該モル比が1未満の場合には式(I)で示される化合物の収率が低下する傾向にあり、また、4を超えるとペリミジン中間体(a)の利用効率が悪くなって式(I)で示される化合物の分離・精製が困難となる傾向にある。
また、(A−2)工程においては、脱水剤を用いると反応時間が短縮し、また、式(I)で示される化合物の収率が向上する傾向にある。脱水剤としては、ペリミジン中間体(a)及び3,4−ジヒドロキシシクロブタ−3−エン−1,2−ジオンと反応しないものであれば特に制限されないが、オルト蟻酸トリメチル、オルト蟻酸トリエチル、オルト蟻酸トリプロピル、オルト蟻酸トリブチルなどのオルト蟻酸エステル、モレキュラーシーブ等が好適である。
(A−2)工程における反応温度は使用する溶媒の種類によって異なるが、反応液の温度は、60℃以上であることが好ましく、75℃以上であることが特に好ましい。例えば、1−ブタノールとトルエンの混合溶媒を用いる場合は、反応液の温度が75℃以上105℃以下であることが好ましい。
また、(A−2)工程における反応時間は、溶媒の種類又は反応液の温度によって異なるが、例えば1−ブタノールとトルエンの混合溶媒を用いて反応液の温度を90℃以上105℃以下として反応させる場合、反応時間は2時間以上4時間以下であることが好ましい。
(A−2)工程で生成した式(I)で示される化合物は、溶媒洗浄、高速カラムクロマトグラフィーまたは再結晶により精製される。
式(I)で示される化合物の粒子は、例えば(A−2)工程後の精製物をテトラヒドロフランに溶かして、その溶液を、注射器等を用いて、氷冷した蒸留水に攪拌しながら注入して沈殿物を生成させ、その沈殿物を吸引濾過により濾取し、蒸留水で洗浄した後、真空乾燥することによって得られる。このとき、溶液中における式(I)で示される化合物の濃度、溶液の注入速度、蒸留水の量又は温度、攪拌速度等を調整することにより、得られる沈殿物の粒子径が所望の範囲内とされる。式(I)で示される化合物の粒子のメジアン径d50は、300nm以下であることが好ましく、200nm以下であることがより好ましい。メジアン径d50が300nmを超えると粒子表面からの散乱光が多くなり、画像形成材料の色味が悪化する傾向にある。
<画像形成材料>
本実施形態に係る画像形成材料は、上記式(I)で示される化合物、熱可塑性樹脂及び顔料を含有する。
本実施形態に係る画像形成材料において、式(I)で示される化合物は、波長760nm以上900nm以下の光を効率的に吸収し熱を発する。上記熱可塑性樹脂は、結着樹脂であり、熱により溶融し記録媒体上に画像形成材料を定着させる。上記顔料は、記録媒体上に所望の画像を形成するために必要な色味等を画像形成材料に付与する。
本実施形態に係る画像形成材料は、式(I)で示される化合物の含有量が、画像形成材料の全質量を基準として、0.05質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上5質量%以下がより好ましい。
式(I)で示される化合物は、400nm以上750nm以下の可視光波長領域における吸光度が低く、かつ、760nm以上900nm以下における吸光度が高いものである。したがって式(I)で示される化合物を含有する、本実施形態に係る画像形成材料は、少量の近赤外吸収色材(式(I)で示される化合物)で光を効率的に吸収し、十分な定着効果を得ることと、画像形成材料の色味を保つことを両立することが可能である。
上記画像形成材料は、熱可塑性樹脂を含有する。使用される熱可塑性樹脂としては、天然由来の高分子からなる熱可塑性樹脂や、合成高分子からなる熱可塑性樹脂を、特に制限なく使用することができ、例えば、エポキシ樹脂、スチレン−アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリブタジエン樹脂等を単独で又は2種以上混合して用いてもよい。これらの熱可塑性樹脂のうち、ペリミジン系スクアリリウム化合物の分散性と、熱定着効率の観点から、スチレン−アクリル樹脂又はポリエステル樹脂が好適に使用される。
上記熱可塑性樹脂としては、重量平均分子量が1000以上100000以下の熱可塑性樹脂が好ましく、5000以上50000以下の熱可塑性樹脂がより好ましい。重量平均分子量が1000未満であると、重量平均分子量が上記範囲内である場合と比較して、オフセットや融着などの問題が起こる傾向があり、100000を超えると、重量平均分子量が上記範囲内である場合と比較して、定着に必要な熱量が増加し、光で定着できなくなる傾向がある。また、ガラス転移点が50℃以上150℃以下の熱可塑性樹脂が好ましく、55℃以上70℃以下の熱可塑性樹脂がより好ましい。ガラス転移点が上記の範囲であれば、ガラス転移点が上記範囲外である場合と比較して、適切な熱量で熱可塑性樹脂が溶融し、画像形成材料を定着させることができる。熱可塑性樹脂を用いることで、上記画像形成材料は、ペリミジン系スクアリリウム化合物の使用量を低減した場合でも、少ない光照射エネルギーで十分な定着効果を得ることが可能な画像形成材料となる。また、ペリミジン系スクアリリウム化合物の使用量を低減させることで、色味に一層優れる画像形成材料となる。
上記顔料としては、所望の画像を形成させるために必要な色味を画像形成材料に付与することが可能であれば、特に制限なく、種々の顔料を使用してもよい。
本実施形態に係る画像形成材料は、一般的なトナーの製法により、製造される。トナーの製法としては、例えば、必要な材料を含んだ熱可塑性樹脂を溶融混練し、粉砕する方法(混練粉砕法)、必要な材料を含む重合可能なモノマーを溶液中で重合し、直接トナーを得る方法、必要な材料を含むモノマーを溶液中で重合し、凝集することでトナーを得る方法、モノマーを重合した後、必要な材料と共に凝集する方法、熱可塑性樹脂を微粒子溶液中に分散し、必要な材料と共に凝集する方法、等が挙げられる。
本実施形態に係る画像形成材料が電子写真用トナーである場合、必要に応じて帯電制御剤、オフセット防止剤等を更に含有してもよい。帯電制御剤としては正帯電用のものと負帯電用のものがあり、正帯電用には、第4級アンモニウム系化合物がある。また、負帯電用には、アルキルサリチル酸の金属錯体、極性基を含有したレジンタイプの帯電制御剤等が挙げられる。オフセット防止剤としては、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン等が用いられる。
また、本実施形態に係る画像形成材料が電子写真用トナーである場合、流動性、粉体保存性の向上、摩擦帯電制御、転写性能、クリーニング性能向上等のために、無機粉粒子あるいは有機粒子を外添剤としてトナー表面に添加してもよい。無機粉粒子としては、公知のもの、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウム、酸化セリウム等を挙げることができる。また目的に応じて無機粉粒子に公知の表面処理を施してもよい。また、有機粒子としては、フッ化ビニリデン、メチルメタクリレート、スチレン−メチルメタクリレート等を構成成分とする乳化重合体、あるいはソープフリー重合体等を挙げることができる。
本実施形態に係る画像形成材料がインクジェットプリンター用インクである場合、本実施形態に係る画像形成材料は、水を含有する水性インクとしての態様をとってもよい。また、本実施形態に係る画像形成材料は、インクの乾燥防止及び浸透性を向上させるために、水溶性の有機溶剤を更に含有してもよい。水としては、イオン交換水、限外濾過水、純水等が挙げられる。また、有機溶媒としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類、N−アルキルピロリドン類、酢酸エチル、酢酸アミル等のエステル類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等の低級アルコール類、メタノール、ブタノール、フェノールのエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイド付加物等のグリコールエーテル類等が挙げられる。使用される有機溶媒は1種類でも2種類以上でもよい。有機溶媒は、吸湿性、保湿性、式(I)で示される化合物の溶解度、浸透性、インクの粘度、氷点等を考慮して選択される。インクジェットプリンター用インク中の有機溶媒の含有率は1質量%以上60質量%以下であることが好ましい。
また、本実施形態に係る画像形成材料がインクジェットプリンター用インクである場合、インクジェットプリンターのシステムに要求される諸条件を満たすために、本実施形態に係る画像形成材料は、インクの成分として従来知られている添加物を含有してもよい。添加物としては、pH調製剤、比抵抗調製剤、酸化防止剤、防腐剤、防カビ剤、金属封鎖剤等が挙げられる。pH調整剤としては、アルコールアミン類、アンモニウム塩類、金属水酸化物等が挙げられる。また、比抵抗調製剤としては、有機塩類、無機塩類が挙げられる。金属封鎖剤としては、キレート剤等が挙げられる。
また、本発明の画像形成材料がインクジェットプリンター用インクである場合、ノズル部の閉塞やインク吐出方向の変化等が生じない程度に、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、スチレン−アクリル酸樹脂、スチレン−マレイン酸樹脂等の水溶性樹脂を含有してもよい。
本実施形態に係る画像形成材料が活版印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷又はシルク印刷用のインクである場合、当該画像形成材料はポリマーや有機溶剤を含有する油性インクの態様をとってもよい。ポリマーとしては、一般的には、蛋白質、ゴム、セルロース類、シエラック、コパル、でん粉、ロジン等の天然樹脂;ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ノボラック型フェノール樹脂等の熱可塑性樹脂;レゾール型フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ、不飽和ポリエステル等の熱硬化性樹脂等が挙げられる。
また、有機溶媒としては、上記インクジェットプリンター用インクの説明において例示された有機溶媒が挙げられる。
また、本実施形態に係る画像形成材料が活版印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷又はシルク印刷用のインクである場合、当該画像形成材料は印刷皮膜の柔軟性や強度を向上させるための可塑剤、粘度調整、乾燥性向上のための溶剤、乾燥剤、粘度調整剤、分散剤、各種反応剤等の添加剤を更に含有してもよい。
本実施形態に係る画像定着方法は、上記画像形成材料に、波長760nm以上900nm以下の光を照射することで、画像形成材料を記録媒体に定着させる工程を含む。
光の光源としては、半導体レーザー、固体レーザー、液体レーザー、ガスレーザー等が挙げられる。なお、現在最も広く用いられているものはGaAsの半導体レーザーであり、これは808nmの波長の光を発射する。
上記記録媒体としては、紙、カードや光記録媒体等のプラスチック媒体、布、金属板等が挙げられる。記憶媒体の材質や特性は、定着時の熱に耐え得る範囲で、選択することができる。
上記記録媒体に画像形成材料を塗布する方法としては、電子写真方式、インクジェット方式、活版印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、シルク印刷等が挙げられる。これらのうち、効果的に加熱するため、画像形成材料以外の媒体(水等)が含まれないことが好ましく、そのような方法としては電子写真方式が挙げられる。
本実施形態に係る画像定着方法としては、例えば、記録媒体に画像形成材料を塗布し、記録媒体の画像形成材料が塗布された面に、出力1J/cmのレーザー光を3ミリ秒照射することで画像定着を行ってもよい。
以下、本実施形態を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本実施形態は下記実施例により限定されるものではない。
[実施例1]
−式(I)で示される化合物の合成−
1,8−ジアミノナフタレン7.91g(98%,50.0mmol)、ジシクロプロピルケトン5.80g(98%,50.0mmol)、p−トルエンスルホン酸一水和物300mg(1.58mmol)及びトルエン38mlの混合液を窒素ガスの雰囲気中にて攪拌しながら加熱し、4時間還流させた。反応中に生じた水を共沸蒸留により除去した。薄層クロマトグラフィー(TLC)による分析で、反応の完了を確認した。
冷却後、この反応液に3,4−ジヒドロキシシクロブタ−3−エン−1,2−ジオン2.40g(21.0mmol)、n−ブタノール25mlを加えた。この混合液を窒素ガスの雰囲気中にて攪拌しながら加熱し、6時間脱水還流させた。反応中に生じた水は共沸蒸留により除去した。反応終了後、トルエンを窒素雰囲気中にて留去してから、反応混合物を室温(21℃以上24℃以下)まで冷却した。得られた反応混合物を攪拌しながら、100mlのヘキサンを加えた。得られた黒青色沈殿物を吸引濾過し、ヘキサンで洗浄し、乾燥後黒茶色固体を得た。この固体を2−プロパノール、アセトン、アセトン/ヘキサンから再結晶し、黒茶色の固体6.29g(収率51.8%)を得た。
得られた黒茶色の固体を、赤外吸収スペクトル(KBr錠剤法)、H−NMR、13C−NMR、可視近赤外吸収スペクトル等の方法により同定した。同定データを以下に示す。可視近赤外吸収スペクトルを図1に示す。同定の結果、前述の黒茶色固体が式(I)で示される分子構造を有することを確認できた。
赤外吸収スペクトル(KBr錠剤法):
νmax=3467、3435(NH),3086、3008(=C−H),2926(CH),2349,1620、1603、1570、1543、1520(C=C ring),1452、1419、1363(CH),1309、1227、1213、1200(C−N),1163、1136(C−O),1103,1068,1026,995,935,903,841,818,781,752,717cm−1
H−NMRスペクトル(DMSO−d):
δ=10.23、10.08(m,2H,NH);7.82、7.80(d,J=9.02Hz,2H,Harom);7.32、7.30(m,2H,Harom);7.28、7.12(m,2H,NH);6.76、6.74、6.72(m,4H,Harom);6.57、6.55(d,J=7.81Hz,2H,Harom);1.29(m,4H,CH);0.62、0.61(d,J=5.12Hz,8H,4×CH);0.49、0.47(d,J=8.29Hz,8H,4×CH
13C−NMRスペクトル(DMSO−d):
δ= 127.73、117.27、114.39、68.85、21.03
可視近赤外吸収スペクトル(図1):
λmax=812nm(テトラヒドロフラン溶液中)
εmax=1.54×10−1cm−1(テトラヒドロフラン溶液中)
[実施例2]
−微粒子化処理および評価−
式(I)で示される化合物の微粒子化処理および評価を下記のように行った。
(微粒子化)
式(I)で示される化合物50mg、エタノール0.5mL及び直径1mmのジルコニアビーズ10gを遊星ボールミル用容器に入れ、600rpmの回転速度で1時間ミリング処理を行った。遊星ボールミル用容器に水を加え、50nmフィルターでろ過して、ボールミルと微粒子化された式(I)で示される化合物を回収した。このようにして微粒子化された式(I)で示される化合物の粒径は、メジアン径d50が140nmであった。
(スラリー作製)
式(I)で示される化合物粒子6.6mgを0.67質量%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液5493mgと共に超音波分散(超音波出力:4乃至5W、1/4インチホーン使用、照射時間50分)してスラリーを得た。スラリー中の試料濃度は、0.12質量%であった。
(スラリー塗布紙の作製と評価)
上述のようにして得られたスラリー56μl、33.1質量%ラテックス(ポリスチレンアクリル酸n−ブチル)液20μl及び蒸留水5gの混合液をウルトラタラックスで分散化処理して、混合スラリーとした。混合スラリー中に凝集剤として10質量%ポリ塩化アルミニウム水溶液(PAC)を24μl加え、擬似トナー分散液とした。これを220nmフィルター(紙)でろ過、空気乾燥及び熱圧着(120℃)して、トナー載り量=4.5g/m、単位面積当たりの顔料量=0.045g/m(1質量%に相当)の評価用ラテックスパッチを作製した。
この塗布紙をサンプルとして、日立製作所製の分光光度計U−4100で反射スペクトルを測定した。ラテックスパッチの反射スペクトルを図2に示す。また、820nmにおける初期反射率を表1に示す。820nmにおける反射率は、小さいほど赤外線吸収量が多いということになる。
820nmにおける初期反射率に基づき、下記基準に従って赤外吸収性を評価した。評価結果を表1に示す。
<基準>
◎:820nmの初期反射率≦10%
○:10%<820nmの初期反射率≦35%
×:820nmの初期反射率>35%
L*a*b*色空間で用いられている明度L*、a*、b*の値を用いることで、紙との色差ΔEに基づいて不可視性を定量化することができる。ΔEとは、CIE1976L*a*b*表色系において色差と呼ばれるものである。色差は、反射分光濃度計(エックスライト株式会社製、x−rite939)を用いた測定で得られるL、a、bから以下の式で算出される。
Figure 0005470882
ここで、L、a、bは画像形成前における記録媒体表面(紙)のL値、a値、およびb値である。L、a、bは本実施形態の画像形成材料を用いた定着画像を記録媒体表面(紙)に形成した時の画像部におけるL値、a値、およびb値である。色差の値は、小さい程視認されにくいことを意味する。
得られた色差(ΔE)を表1に示す。
また、色差の値に基づき、下記基準に従って不可視性を評価した。評価結果を表1に示す。
<基準>
○:0≦ΔE≦16
×:ΔE>16
[比較例1]
下記式(II)で示されるペリミジン系スクアリリウム化合物(以下、式(II)で示される化合物と称することがある。)について、以下の方法により微粒子化処理を行った。
Figure 0005470882
(再沈法)
式(II)で示される化合物40mgをTHF30mlに溶解し、得られた溶液をマイクロシリンジを用いて氷冷した蒸留水2000mlに一気に注入し、再沈を行った。数分後、混合液を室温(21℃以上24℃以下)に戻して沈殿物を50nmフィルターで濾過し、蒸留水で洗浄、真空乾燥し、微粒子化した式(II)で示される化合物を回収した。このように微粒子化した式(II)で示される化合物の粒径は、メジアン径d50が190nmであった。
微粒子化した式(II)で示される化合物を用いて、実施例2と同様にして評価した。得られた結果を表1及び図2に示す。
[比較例2]
バナジルナフタロシアニン色素(以下、「VONPc」という。)について、実施例2と同様に評価を行った。得られた結果を表1及び図2に示す。
Figure 0005470882
上記実施例及び比較例の結果から、式(I)で示される化合物の微粒子を用いた本実施例は、比較例1に比べ、不可視性を維持したまま、赤外吸収性を大幅に向上できた。すなわち、本実施例の画像形成材料は、色素微粒子の不可視性を維持したまま、赤外発色性を大幅に向上していることがわかる。

Claims (4)

  1. 下記式(I)で示されるペリミジン系スクアリリウム化合物。
    Figure 0005470882
  2. 請求項1に記載のペリミジン系スクアリリウム化合物、熱可塑性樹脂及び顔料を含有する、画像形成材料。
  3. 前記熱可塑性樹脂のガラス転移点が、50℃以上150℃以下である、請求項2に記載の画像形成材料。
  4. 請求項2又は請求項3に記載の画像形成材料に、波長760nm以上900nm以下の光を照射することで、前記画像形成材料を記録媒体に定着させる工程を含む、画像形成方法。
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