JP2007304372A - カラーフィルタ用青色着色組成物およびカラーフィルタ - Google Patents

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Abstract

【課題】従来のニーダーで製造されたものに比較してより微細なε型フタロシアニン顔料粒子を用い、カラーフィルタに要求される高コントラスト比を満たすカラーフィルタ用青色着色組成物、および従来よりも高コントラスト比を有するカラーフィルタの提供。
【解決手段】透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物からなる顔料担体と顔料とを含有するカラーフィルタ用着色組成物において、前記顔料が、α型フタロシアニンと、ε型フタロシアニンと、水溶性無機塩と、水溶性有機溶剤とを含有する混練混合物を、複数のブレードが遊星運動するプラネタリー型ミキサーにて混練したε型フタロシアニン顔料であるカラーフィルタ用青色着色組成物、および該カラーフィルタ用青色着色組成物を用いて形成されたフィルタセグメントを具備するカラーフィルタ。
【選択図】図1

Description

本発明は、カラー液晶表示装置および固体撮像素子に用いられるカラーフィルタを構成するフィルタセグメントの形成に用いられるカラーフィルタ用青色着色組成物、ならびに該カラーフィルタ用青色着色組成物を用いて得られるカラーフィルタに関する。
液晶表示装置は、2枚の偏光板に挟まれた液晶層が、1枚目の偏光板を通過した光の偏光度合いを制御して、2枚目の偏光板を通過する光量をコントロールすることにより表示を行う、ツイストネマチック(TN)型液晶を用いるタイプが主流となっており、この2枚の偏光板の間にカラーフィルタを設けることによりカラー表示を可能にしている。現在、カラーフィルタの製造方法としては、耐光性、耐熱性に優れる顔料を着色剤とする顔料分散法と呼ばれる方法が主流となっているが、一般に有機顔料を分散したカラーフィルタは、顔料粒子による光の散乱等により、液晶が制御した偏光度合いを乱してしまうという問題がある。すなわち、光を遮断しなければならないとき(OFF状態)に光が漏れたり、光を透過しなければならないとき(ON状態)に透過光が減衰するという現象があり、ON状態とOFF状態のディスプレー上の輝度の比をコントラスト比と呼んでいる。
一般に、微細な顔料粒子をワニスのような顔料担体に分散させ、安定な分散体を得ることは難しく、分散体は往々にして経時で顔料粒子の凝集などにより高粘度化し、チキソトロピック性を示すようになる。このような分散体の粘度上昇、流動性不良は、製造作業上の問題や製品価値に種々の問題を引き起こす。例えば、カラーフィルタのフィルタセグメントの形成は、一般にモノマーおよび樹脂を含む担体に顔料が分散されている着色組成物をガラス等の透明基板上に塗布することで行われているが、高粘度、流動性不良の着色組成物を用いると塗布性不良、レベリング不良などにより、膜厚の均一な塗膜を得ることができず好ましくない。また、顔料粒子が凝集した分散体を用いて形成されたカラーフィルタは、コントラスト比を著しく低下させるため、顔料には、凝集することなく安定な微細粒子であり、かつ取り扱いが容易な性状であることが望まれている。
一方、青色フィルタセグメントの形成に用いられる着色組成物には、一般に耐性、色調に優れたフタロシアニン顔料が用いられることが多い。このフタロシアニン顔料には、銅、亜鉛、ニッケル、コバルト、アルミニウム等の種々の中心金属を持つものが知られている。中でも、銅フタロシアニンは最も鮮明であり、広く用いられているが、メタルフリーフタロシアニン、亜鉛フタロシアニン、コバルトフタロシアニン等の異種金属フタロシアニンも実用化されている。
また、フタロシアニン顔料は、α型、β型、δ型、ε型等の異なる結晶型を持ち、中でもε型フタロシアニン顔料は、α型フタロシアニン顔料より更に赤味の色調を有し、鮮明で着色力も高い上、結晶転移に対してもより安定という優れた性質を持っており、カラーフィルタ用顔料として優れている。
合成により得られるフタロシアニンは、通常、β型の結晶型を持ち、粗製フタロシアニンと呼ばれる10〜200μm程度の粗大で針状化した粒子で、カラーフィルタ用顔料としてはその価値は非常に低い。そのため、カラーフィルタ用のε型フタロシアニン顔料を得るには、結晶型をε型へと転移させると共に、色彩上利用価値の高い0.01〜0.5μm程度の粒子まで微細化する、顔料化と呼ばれる処理が必要となる。
ε型フタロシアニン顔料の製造方法としては、ソルベント処理によるものとして、特許文献1に開示されるように、ボールミルで長時間乾式摩砕した後、溶剤処理する方法や、特許文献2に開示されるようにα型フタロシアニンを含むε型フタロシアニンセミクルードを有機溶剤中で加熱処理する方法がある。
一方、ソルベントソルトミリング処理によるものとしては、特許文献3に開示されるように、ε型フタロシアニンクルードをニーダーで摩砕助剤、粘結剤とともに混錬する方法や、α型フタロシアニンとε型フタロシアニンの混合物を顔料誘導体の存在下で、ニーダー等で同様に混練する方法がある。この他、α型フタロシアニンを含むε型フタロシアニンセミクルードを、ソルベントソルトミリング法で微細ε型フタロシアニンとする技術が、特許文献4に開示されている。
また、乾式粉砕によるものとして、特許文献5に開示されるように、乾式粉砕による磨砕と有機溶剤との接触による結晶成長を均衡させて、製造する方法がある。
この中で、バッチ式ニーダーを用いたソルベントソルトミリング法が工業的に最も有利で、最も多く用いられている。
特開昭48−101419号公報 特開平4−252273号公報 特開昭57−149358号公報 特開2002−121420号公報 特開2004−244563号公報
ソルベントソルトミリング法は工業的に有利であるものの、従来よく用いられているニーダーでは、ε型フタロシアニン顔料の微細化に対して多大なエネルギーを使用し、また、カラーフィルタに求められる高コントラスト比を実現させるためには、より微細な顔料粒子が求められるが、前述の方法でこれを得るのは困難であった。
本発明はかかる状況に鑑みなされたものであって、従来のニーダーで製造されたものに比較してより微細なε型フタロシアニン顔料粒子を用い、カラーフィルタに要求される高コントラスト比を満たすカラーフィルタ用青色着色組成物、および従来よりも高コントラスト比を有するカラーフィルタの提供を目的とする。
本発明のカラーフィルタ用青色着色組成物は、透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物からなる顔料担体と顔料とを含有するカラーフィルタ用着色組成物において、前記顔料が、α型フタロシアニンと、ε型フタロシアニンと、水溶性無機塩と、水溶性有機溶剤とを含有する混練混合物を、複数のブレードが遊星運動するプラネタリー型ミキサーにて混練したε型フタロシアニン顔料であることを特徴とする。
また、本発明のカラーフィルタは、前記カラーフィルタ用青色着色組成物を用いて形成されたフィルタセグメントを具備することを特徴とする。
本発明のカラーフィルタ用青色着色組成物は、α型フタロシアニンと、ε型フタロシアニンと、水溶性無機塩と、水溶性有機溶剤とを含有する混練混合物を、複数のブレードが遊星運動するプラネタリー型ミキサーにて混練することで、α型からε型のフタロシアニン顔料へと結晶転移し、微細化と共に整粒されたε型フタロシアニン顔料を含む。そのため、本発明のカラーフィルタ用青色着色組成物を用いることにより、従来よりも高いコントラスト比を有するカラーフィルタを形成することができる。
本発明のカラーフィルタ用青色着色組成物は、透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物からなる顔料担体と顔料とを含有しており、前記顔料が、α型フタロシアニンと、ε型フタロシアニンと、水溶性無機塩と、水溶性有機溶剤とを含有する混練混合物を、複数のブレードが遊星運動するプラネタリー型ミキサーにて混練してなるε型フタロシアニン顔料であることが最大の特徴である。
本発明で使用するプラネタリー型ミキサーを図1に基づいて説明する。プラネタリー型ミキサー本体(1)は、モータ等の駆動源(図示略)により適宜の伝達機構を介して遊星運動する複数本の駆動軸(2)(図面内での例は2本)を有し、該駆動軸(2)にはタンク(3)内に挿入されるようそれぞれブレード(4)が取り付けられている。タンク内に処理材料を投入し、ブレードを降下させて図1に示すような状態にセットし、タンク内で複数本のブレードを遊星運動させると、ブレードとタンクの内壁、底壁間および複数本のブレード間でそれぞれ剪断力を処理材料に与える。
本発明のプラネタリー型ミキサーの具体例としては、例えば、プラネタリーミキサー、スパイラルミキサー、トリミックス(井上製作所製)がある。中でも、遊星運動するブレード数が3であるトリミックスは、大きな剪断力を与えることが可能であり、α型フタロシアニンをε型フタロシアニンへと結晶転移させると共に微細化することができることから、本発明の目的を達成するために好ましい。
次に、このような混練機によって混練分散処理が施される混練組成物について詳細に説明する。
混練組成物に用いられるα型フタロシアニンとε型フタロシアニンは、中心金属を有する金属フタロシアニンまたはメタルフリーのフタロシアニンであり、公知の方法で製造することができる。銅、亜鉛、ニッケル、またはコバルトを中心金属とするフタロシアニン、もしくはメタルフリーのフタロシアニンを用いると、とくに高鮮明で、色材としての利用価値の高い、銅、亜鉛、ニッケル、またはコバルトを中心金属とするε型金属フタロシアニン顔料、もしくはメタルフリーのε型フタロシアニン顔料が得られる。
α型フタロシアニンは、例えば、粗製フタロシアニンをアシッドペースティングすることにより製造することができ、ε型フタロシアニンはα型フタロシアニンをソルベントソルトミリングすることにより製造することができる。また、ε型フタロシアニンクルードを粉砕媒体の存在下で乾式摩砕することによりα型フタロシアニンとε型フタロシアニンの混合物を製造することができる。
α型フタロシアニンとε型フタロシアニンは、α型フタロシアニンとε型フタロシアニンの合計100重量部に対して、ε型フタロシアニンが2〜40重量部となる比率で混練組成物中に含有されることが好ましく、5〜30重量部となる比率で含有されることがより好ましい。前記ε型フタロシアニンの含有量が2重量部未満の場合には、α型フタロシアニンのε型フタロシアニンへの結晶転移の速度が遅くなり、30重量部を超える場合には、粗製フタロシアニンからのトータルの生産効率が低下し、ともに工業的に不利となる。
また、混練組成物に用いられる水溶性無機塩は特に限定されないが、例えば、食塩(塩化ナトリウム)、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、塩化亜鉛、塩化カルシウムまたはこれらの混合物等を挙げることができる。
混練組成物中の水溶性無機塩の量は、特に限定されるものではないが、少なすぎるとε型フタロシアニン顔料への結晶転移や微細化及び整粒が進み難く、多すぎると顔料の処理量が少なくなるため、生産性が低下して工業的には不利となる。このため、α型フタロシアニンとε型フタロシアニンの合計100重量部に対し、水溶性無機塩が100〜2000重量部の範囲が好ましく、目的とする粒度に応じて選択できる。
また、混練組成物に用いられる水溶性有機溶剤は、α型フタロシアニンとε型フタロシアニンと水溶性無機塩とが均一な固まりとなるように加えるもので、水と自由に混和するもの、または自由に混ざらないが工業的に水洗により除去できる溶解度をもつものであり、顔料粒子が成長するものであれば特に限定されないが、混練時に温度が上昇し、溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から高沸点溶剤が好ましい。
混練組成物中の水溶性有機溶剤の量は、特に限定されるものではないが、少なすぎると混練組成物が硬くなり過ぎて安定運転し難く、多すぎると混練組成物が軟らかくなり過ぎて微細化や整粒のレベルが低下する。このため、α型フタロシアニンとε型フタロシアニンの合計100重量部に対し、水溶性有機溶剤が30〜500重量部の範囲が好ましく、水溶性無機塩の量と混練組成物の硬さに応じて選択できる。
水溶性有機溶剤としては、例えば、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液体ポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、低分子量ポリプロピレングリコール、アニリン、ピリジン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、イソブタノール、n−ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、プロピレンゴリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、アセトン、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン等を挙げることができる。有機溶剤は、必要に応じて2種類以上を混合して使用してもよい。
混練組成物には、生成させたε型フタロシアニン顔料の結晶を安定化させ、β型結晶やα型結晶への転移を防ぐと共に、顔料粒子の成長を抑制し、効率的に微細なε型フタロシアニン顔料を製造するために、顔料誘導体、アントラキノン誘導体、アクリドン誘導体またはトリアジン誘導体から選ばれる少なくとも一種の誘導体を含有させることが好ましい。前記各誘導体は、有機顔料、アントラキノン、アクリドンまたはトリアジンに、塩基性置換基、酸性置換基、またはフタルイミドメチル基を導入した化合物である。フタルイミドメチル基は、置換基を有していても良い。なかでも、顔料誘導体、とくにフタロシアニンを母体骨格とするフタロシアニン顔料誘導体は、フタロシアニン顔料の結晶成長を抑制する効果が特に高いため好ましい。
顔料誘導体は、下記一般式(1)で示される化合物である。
A−B 式(1)
A:有機顔料残基
B:塩基性置換基、酸性置換基またはフタルイミドメチル基
式(1)中、Aの有機顔料残基を構成する有機顔料としては、ジケトピロロピロール系顔料、アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料、銅フタロシアニン、ハロゲン化銅フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、アミノアントラキノン、ジアミノジアントラキノン、アントラピリミジン、フラバントロン、アントアントロン、インダントロン、ピラントロン、ビオラントロン等のアントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、チオインジゴ系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、スレン系顔料、金属錯体系顔料等が挙げられる。
式(1)中、Bの塩基性置換基としては、下記式(2)、式(3)、式(4)、および式(5)で示される置換基が挙げられ、酸性置換基としては、式(6)、式(7)、および式(8)で示される置換基が挙げられる。
上記式(2)〜(5)において、
Xは、−SO2−、−CO−、−CH2NHCOCH2−、−CH2−または直接結合を表す。
nは、1〜10の整数を表す。
1、R2は、それぞれ独立に、置換されていてもよい炭素数1〜36のアルキル基、置換されていてもよい炭素数2〜36のアルケニル基、置換されていてもよいフェニル基、またはR1とR2とで一体となって更なる窒素、酸素または硫黄原子を含む置換されていてもよい複素環を表す。
3は、置換されていてもよい炭素数1〜36のアルキル基、置換されていてもよい炭素数2〜36のアルケニル基または置換されていてもよいフェニル基を表す。
4、R5、R6、R7は、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよい炭素数1〜36のアルキル基、置換されていてもよい炭素数2〜36のアルケニル基または置換されていてもよいフェニル基を表す。
Yは、−NR8−Z−NR9−または直接結合を表す。
8、R9は、それぞれ独立に水素原子、置換されていてもよい炭素数1〜36のアルキル基、置換されていてもよい炭素数2〜36のアルケニル基または置換されていてもよいフェニル基を表す。
Zは、置換されていてもよい炭素数1〜36のアルキレン基、置換されていてもよい炭素数2〜36のアルケニレン基、または置換されていてもよいフェニレン基を表す。
Pは、式(9)で示される置換基または式(10)で示される置換基を表す。
Qは、水酸基、アルコキシル基、式(9)で示される置換基または式(10)で示される置換基を表す。式(9)および式(10)において、R1〜R7およびnは、上に定義した通りのものである。
上記式(6)〜(8)において、
Mは、水素原子、カルシウム原子、バリウム原子、ストロンチウム原子、マンガン原子またはアルミニウム原子を表す。
iは、Mの価数を表す。
10、R11、R12、R13は、それぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよい炭素数1〜36のアルキル基、置換されていてもよい炭素数2〜36のアルケニル基、置換されていてもよいフェニル基またはポリオキシアルキレン基を表す。
式(2)〜式(5)および式(9)、式(10)で示される置換基を形成するために使用されるアミン成分としては、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、N,N−エチルイソプロピルアミン、N,N−エチルプロピルアミン、N,N−メチルブチルアミン、N,N−メチルイソブチルアミン、N,N−ブチルエチルアミン、N,N−tert−ブチルエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジプロピルアミン、N,N−sec−ブチルプロピルアミン、ジブチルアミン、ジーsec−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、N,N−イソブチル−sec−ブチルアミン、ジアミルアミン、ジイソアミルアミン、ジヘキシルアミン、ジ(2−エチルへキシル)アミン、ジオクチルアミン、N,N−メチルオクタデシルアミン、ジデシルアミン、ジアリルアミン、N,N−エチル−1,2−ジメチルプロピルアミン、N,N−メチルヘキシルアミン、ジオレイルアミン、ジステアリルアミン、N,N−ジメチルアミノメチルアミン、N,N−ジメチルアミノエチルアミン、N,N−ジメチルアミノアミルアミン、N,N−ジメチルアミノブチルアミン、N,N−ジエチルアミノエチルアミン、N,N−ジエチルアミノプロピルアミン、N,N−ジエチルアミノヘキシルアミン、N,N−ジエチルアミノブチルアミン、N,N−ジエチルアミノペンチルアミン、N,N−ジプロピルアミノブチルアミン、N,N−ジブチルアミノプロピルアミン、N,N−ジブチルアミノエチルアミン、N,N−ジブチルアミノブチルアミン、N,N−ジイソブチルアミノペンチルアミン、N,N−メチルーラウリルアミノプロピルアミン、N,N−エチルーヘキシルアミノエチルアミン、N,N−ジステアリルアミノエチルアミン、N,N−ジオレイルアミノエチルアミン、N,N−ジステアリルアミノブチルアミン、ピペリジン、2−ピペコリン、3−ピペコリン、4−ピペコリン、2,4−ルペチジン、2,6−ルペチジン、3,5−ルペチジン、3−ピペリジンメタノール、ピペコリン酸、イソニペコチン酸、イソニコペチン酸メチル、イソニコペチン酸エチル、2−ピペリジンエタノール、ピロリジン、3−ヒドロキシピロリジン、N−アミノエチルピペリジン、N−アミノエチル−4−ピペコリン、N−アミノエチルモルホリン、N−アミノプロピルピペリジン、N−アミノプロピル−2−ピペコリン、N−アミノプロピル−4−ピペコリン、N−アミノプロピルモルホリン、N−メチルピペラジン、N−ブチルピペラジン、N−メチルホモピペラジン、1−シクロペンチルピペラジン、1−アミノ−4−メチルピペラジン、1−シクロペンチルピペラジン等が挙げられる。
式(8)のスルホン酸アミン塩を形成するために使用されるアミン成分は、1級、2級、3級、4級のいずれのアミンでもよい。例えば、1級アミンとしては、側鎖を有していてもよいへキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ヘプタデシルアミン、オクタデシルアミン、ノナデシルアミン、エオコシルアミン等の飽和アミン、およびそれぞれの炭素数に対応する不飽和アミンが挙げられる。
2級アミンとしては、ジオレイルアミン、ジステアリルアミン等が挙げられる。
3級アミンとしては、ジメチルオクチルアミン、ジメチルデシルアミン、ジメチルラウリルアミン、ジメチルステアリルアミン、ジラウリルモノメチルアミン、トリオクチルアミン等が挙げられる。
4級アミンとしては、ジメチルジドデシルアンモニウムクロリド、ジメチルジオレイルアンモニウムクロリド、ジメチルジデシルアンモニウムクロリド、ジメチルジオクチルアンモニウムクロリド、トリメチルステアリルアンモニウムクロリド、ジメチルジステアリルアンモニウムクロリド、トリメチルデシルアンモニウムクロリド、トリメチルヘキサデシルアンモニウムクロリド、トリメチルオクタデシルアンモニウムクロリド、ジメチルドデシルテトラデシルアンモニウムクロリド、ジメチルヘキサデシルオクタデシルアンモニウムクロリド等が挙げられる。
また、式(8)におけるR10、R11、R12、R13のいずれかがポリオキシアルキレン基を表す場合、その例としてはポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基等が挙げられる。
顔料誘導体の具体例を、化合物番号を付して以下に示すが、これらに限定されるわけではない。
混錬組成物中の誘導体の配合量は、α型フタロシアニンとε型フタロシアニンの合計100重量部に対して、好ましくは1〜20重量部、更に好ましくは5〜15重量部である。なお、誘導体は分散剤としての効果も有するため、顔料担体への分散性も良いものを選択するのが好ましいが、結晶成長防止効果の高い誘導体と、誘導体以外の分散助剤としては、樹脂、樹脂型顔料分散剤、界面活性剤等が挙げられ、これらの分散助剤は混錬機での混錬時だけでなく、顔料担体への顔料分散時に用いることもできる。
上記分散助剤としての樹脂は、水難溶性で、水溶性有機溶剤に部分的に溶解するものが好ましく、カラーフィルタ用青色着色組成物を構成する顔料担体として用いることのできる樹脂を混練混合物中に添加することで、フタロシアニン顔料の凝集を防止し、容易にその後の顔料担体に分散できるようになる。
混練混合物中の樹脂の使用量としては特に制限はないが、α型フタロシアニンとε型フタロシアニンの合計100重量部に対し、0.01〜100重量部、より好ましくは0.5〜50重量部である。樹脂の量が0.01重量部未満の場合、分散性に対する効果が小さくなり、100重量部を超える場合には、添加した分の分散効果が得られない。
上記樹脂型顔料分散剤は、顔料に吸着する性質を有する顔料親和性部位と、顔料担体と相溶性のある部位とを有し、顔料に吸着して顔料の顔料担体への分散を安定化する働きをするものである。樹脂型顔料分散剤として具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレートなどのポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩などが用いられる。また、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加物等が用いられる。これらは、単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
上記界面活性剤としては、例えばラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、ステアリン酸ナトリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミンなどのアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどのノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物などのカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤が挙げられる。これらは、単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
本発明における混練機の運転条件については特に制限はないが、α型フタロシアニンとε型フタロシアニンの磨砕と、α型フタロシアニンのε型フタロシアニンへの結晶転移、及び、水溶性有機溶剤との接触による粒子成長を、いずれも効果的に進行させるため、混練温度は、0〜150℃、特には40〜130℃が好ましい。温度を上げることにより、顔料粒子の結晶転移及び成長速度を促進させることが可能となる。処理量や得られるε型フタロシアニン顔料の品質のコントロールは、混練組成物の配合比、混練温度、機械的エネルギー投入量、回転数、原料の供給量、主軸動力負荷等を調整することにより可能となる。150℃より高温では、β型フタロシアニンへ結晶転移することと、粒子成長が大となることから、品質上好ましくない。
必要に応じて、混練機を時間と共に2段階以上に温度を調整し、初期段階を高温で、後段階を低温で混錬して、より効率的に結晶転移と微細化及び整粒を行うことも可能である。また当該混練機にて混練させる前後に他種の混練機で予備混練もしくは追加混練を実施してその都度温度を変えて処理し、より効果的に結晶転移と微細化及び整粒を行っても良い。
混練組成物は初期に全量投入する必要はなく、混練組成物の硬さの状況もしくは混練開始後に混練組成物の微細化および整粒度に応じて水溶性有機溶剤および水溶性無機塩を適宜投入しても良い。
混練後の混練組成物は、常法により処理される。すなわち、混練組成物を水または鉱酸水溶液で処理し、濾過、水洗により水溶性無機塩および水溶性有機溶剤を除去し、ε型フタロシアニン顔料を単離する。ε型フタロシアニン顔料は、このまま湿潤状態で使用することも、乾燥・粉砕により粉末状態で使用することも可能である。必要に応じて、樹脂、樹脂型顔料分散剤、界面活性剤、その他の添加剤を混練後に加えてもよい。
次に、このようにして得られたε型フタロシアニン顔料と、透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物からなる顔料担体を含有するカラーフィルタ用青色着色組成物について説明する。
本発明におけるカラーフィルタ用青色着色組成物を構成する顔料担体は、透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物からなる。透明樹脂は、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂である。透明樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、および活性エネルギー線硬化性樹脂が挙げられるが、特に活性エネルギー線硬化性樹脂が好ましい。また、その前駆体としては、活性エネルギー線照射により硬化して透明樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーが挙げられ、これらを単独で、または2種以上混合して用いることができる。
顔料担体は、カラーフィルタ用青色着色組成物中の顔料100重量部に対して、30〜700重量部、好ましくは60〜450重量部の量で用いることができる。また、透明樹脂とその前駆体との混合物を顔料担体として用いる場合には、透明樹脂は、青色着色組成物中の顔料100重量部に対して、20〜400重量部、好ましくは50〜250重量部の量で用いることができる。また、透明樹脂の前駆体は、青色着色組成物中の顔料100重量部に対して、10〜300重量部、好ましくは10〜200重量部の量で用いることができる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ブチラール樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン、ポリブタジエン、ポリイミド樹脂等が挙げられる。また、熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
活性エネルギー線硬化性樹脂としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等の反応性の置換基を有する高分子に、イソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基等の反応性の置換基を有する(メタ)アクリル化合物やケイヒ酸を反応させて、(メタ)アクリロイル基、スチリル基等の光架橋性基を該高分子に導入した樹脂が用いられる。また、スチレン−無水マレイン酸共重合物やα−オレフィン−無水マレイン酸共重合物等の酸無水物を含む高分子をヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル化合物によりハーフエステル化したものも用いられる。
透明樹脂の前駆体であるモノマーおよびオリゴマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、1, 6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられる。これらは、単独でまたは2種類以上混合して用いることができる。
本発明のカラーフィルタ用青色着色組成物には、色相を調整するために、例えばC.I. Pigment Blue 15、15:1、15:2、15:3、15:4、16、22、60、64、81等のε型フタロシアニン顔料以外の青色顔料を含有させることができる。また、青色着色組成物には、さらに、C.I. Pigment Violet 1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、50等の紫色顔料を含有させることもできる。
また、本発明のカラーフィルタ用青色着色組成物には、顔料を充分に顔料担体中に分散させ、ガラス等の透明基板上に乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布してフィルタセグメントを形成することを容易にするために、溶剤を含有させることができる。溶剤としては、例えばシクロヘキサノン、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチルベンゼン、エチレングリコールジエチルエーテル、キシレン、エチルセロソルブ、メチル−n−アミルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルトルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルケトン、石油系溶剤等が挙げられ、これらを単独でもしくは混合して用いることができる。
溶剤は、カラーフィルタ用青色着色組成物中の顔料100重量部に対して、800〜4000重量部、好ましくは1000〜2500重量部の量で用いることができる。
本発明のカラーフィルタ用青色着色組成物には、該青色着色組成物を紫外線照射により硬化するときには、光重合開始剤等が添加される。
光重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン等のアセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系光重合開始剤、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサンソン、2−クロルチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン等のチオキサンソン系光重合開始剤、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系光重合開始剤、ボレート系光重合開始剤、カルバゾール系光重合開始剤、イミダゾール系光重合開始剤等が用いられる。光重合開始剤は、カラーフィルタ用青色着色組成物中の顔料100重量部に対して、5〜200重量部、好ましくは10〜150重量部の量で用いることができる。
これらの光重合開始剤は、単独であるいは2種以上混合して用いるが、増感剤として、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等の化合物を併用することもできる。増感剤は、カラーフィルタ用青色着色組成物中の光重合開始剤100重量部に対して、0.1〜60重量部の量で用いることができる。
また、本発明のカラーフィルタ用青色着色組成物には、青色着色組成物の経時粘度を安定化させるために、貯蔵安定剤を含有させることができる。貯蔵安定剤としては、例えばベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、t−ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。貯蔵安定剤は、カラーフィルタ用青色着色組成物中の顔料100重量部に対して、0.1〜10重量部の量で用いることができる。
カラーフィルタ用青色着色組成物は、グラビアオフセット用印刷インキ、水無しオフセット印刷インキ、シルクスクリーン印刷用インキ、溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジスト材として調製することができる。溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジスト材は、一般的には熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂または活性エネルギー線硬化性樹脂と、モノマーと、光重合開始剤と、溶剤とを含有する組成物中に顔料を分散させたものである。本発明のカラーフィルタ用青色着色組成物は、顔料担体中に、三本ロールミル、二本ロールミル、サンドミル、ニーダー、アトライター等の各種分散手段を用いて顔料を微細に分散して製造することができる。光重合開始剤は、青色着色組成物を調製する段階で加えてもよく、調製した青色着色組成物に後から加えてもよい。
また、本発明のカラーフィルタ用青色着色組成物は、数種類の顔料を別々に顔料担体に分散したものを混合して製造することもできる。
顔料を顔料担体中に分散する際には、適宜、上記の顔料誘導体、アントラキノン誘導体、アクリドン誘導体、トリアジン誘導体から選ばれる少なくとも一種の誘導体、樹脂型顔料分散剤、界面活性剤などの分散助剤を用いることができる。分散助剤は、顔料の分散に優れ、分散後の顔料の再凝集を防止する効果が大きいので、分散助剤を用いて顔料を顔料担体中に分散してなる着色組成物を用いた場合には、透明性に優れたカラーフィルタが得られる。分散助剤は、着色組成物中の顔料100重量部に対して、0.1〜40重量部、好ましくは0.1〜30重量部の量で用いることができる。
なかでも、顔料誘導体、アントラキノン誘導体、アクリドン誘導体、トリアジン誘導体から選ばれる少なくとも一種の誘導体は、微細有機顔料の凝集を防ぎ、有機顔料が微細に分散した状態を維持する働きに優れ、これらの誘導体を含有する着色組成物を用いることにより、高コントラスト比で色純度の高いカラーフィルタを製造することができるため、分散助剤として好ましい。
本発明のカラーフィルタ用青色着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。
次に、本発明のカラーフィルタについて説明する。
本発明のカラーフィルタは、本発明のカラーフィルタ用青色着色組成物を用いて形成されたフィルタセグメントを具備するカラーフィルタである。カラーフィルタには、少なくとも1つの赤色フィルタセグメント、少なくとも1つの緑色フィルタセグメント、および少なくとも1つの青色フィルタセグメントを具備する加法混色型、および少なくとも1つのマゼンタ色フィルタセグメント、少なくとも1つのシアン色フィルタセグメント、および少なくとも1つのイエロー色フィルタセグメントを具備する減法混色型のものがある。前記青色フィルタセグメントおよびシアン色フィルタセグメントが、本発明のカラーフィルタ用青色着色組成物を用いて形成される。
本発明のカラーフィルタは、印刷法またはフォトリソグラフィー法により、本発明の青色着色組成物および上記各色の着色組成物を用いて透明基板上に各色のフィルタセグメントを形成することにより製造することができる。
赤色フィルタセグメントを形成するための赤色着色組成物は、C.I. Pigment Red 7、9、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、97、122、123、146、149、168、177、178、180、184、185、187、192、200、202、208、210、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、246、254、255、264、272等の赤色顔料と、前記顔料担体と、必要に応じて溶剤、光重合開始剤、各種添加剤等を含有する組成物である。赤色着色組成物には、後に例示する黄色顔料や、C.I. Pigment orange 36、43、51、55、59、61等のオレンジ顔料を併用することができる。
緑色フィルタセグメントを形成するための緑色着色組成物は、例えばC.I. Pigment Green 7、10、36、37等の緑色顔料と、前記顔料担体と、必要に応じて溶剤、光重合開始剤、各種添加剤等を含有する組成物である。緑色着色組成物には、黄色顔料を併用することができる。
イエロー色フィルタセグメントを形成するためのイエロー色着色組成物は、C.I. Pigment Yellow 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、20、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、86、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、125、126、127、128、129、137、138、139、147、148、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、199等の黄色顔料と、前記顔料担体と、必要に応じて溶剤、光重合開始剤、各種添加剤等を含有する組成物である。
マゼンタ色フィルタセグメントを形成するためのマゼンタ色着色組成物は、C.I. Pigment Violet 1、19等の紫色顔料および/または4、146、177、169、81等の赤色顔料と、前記顔料担体と、必要に応じて溶剤、光重合開始剤、各種添加剤等を含有する組成物である。マゼンタ色組成物には、黄色顔料を併用することができる。
透明基板としては、ガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂板が用いられる。
印刷法による各色フィルタセグメントの形成は、上記各種の印刷インキとして調製した着色組成物の印刷と乾燥を繰り返すだけでパターン化ができるため、カラーフィルタの製造法としては、低コストで量産性に優れている。さらに、印刷技術の発展により高い寸法精度および平滑度を有する微細パターンの印刷を行うことができる。印刷を行うためには、印刷の板上にて、あるいはブランケット上にてインキが乾燥、固化しないような組成とすることが好ましい。また、印刷機上でのインキの流動性の制御も重要であり、分散剤や体質顔料によるインキ粘度の調整を行うこともできる。
フォトリソグラフィー法により各色フィルタセグメントを形成する場合は、上記溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジストとして調製した着色組成物を、透明基板上に、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により、乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布する。必要により乾燥された膜には、この膜と接触あるいは非接触状態で設けられた所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を行う。その後、溶剤またはアルカリ現像液に浸漬するかもしくはスプレーなどにより現像液を噴霧して未硬化部を除去して所望のパターンを形成したのち、同様の操作を他色について繰り返してカラーフィルタを製造することができる。さらに、着色レジストの重合を促進するため、必要に応じて加熱を施すこともできる。フォトリソグラフィー法によれば、上記印刷法より精度の高いカラーフィルタが製造できる。
現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。
なお、紫外線露光感度を上げるために、上記着色レジストを塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ水溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
本発明のカラーフィルタは、上記方法の他に電着法、転写法などにより製造することができるが、本発明の着色組成物は、いずれの方法にも用いることができる。なお、電着法は、透明基板上に形成した透明導電膜を利用して、コロイド粒子の電気泳動により各色フィルタセグメントを透明導電膜の上に電着形成することでカラーフィルタを製造する方法である。また、転写法は剥離性の転写ベースシートの表面に、あらかじめカラーフィルタ層を形成しておき、このカラーフィルタ層を所望の透明基板に転写させる方法である。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、実施例および比較例中、「部」とは「重量部」を意味する。
実施例に先立ち、顔料の結晶型の測定方法、平均一次粒子径、アスペクト比、比表面積、コントラスト比の測定方法、実施例および比較例に用いたアクリル樹脂溶液の調整、およびε型フタロシアニン顔料の製造について説明する。樹脂の分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量である。
結晶型の測定は、X線回折測定(CuKα1線)により行った。
顔料の平均一次粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)写真から一次粒子の大きさを直接計測する一般的な方法で測定した。具体的には、個々の顔料の一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、平均をその顔料粒子の粒径とした。次に、100個以上の顔料粒子について、それぞれの粒子の体積(重量)を、求めた粒径の直方体と近似して求め、体積平均粒径を平均一次粒子径とした。 なお、電子顕微鏡は透過型(TEM)または走査型(SEM)のいずれを用いても同じ結果が得られる。
顔料のアスペクト比は、電子顕微鏡から個々の顔料の一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、下記式で算出した。このアスペクト比が1に近いほど粒子の結晶状態が正方形に近づき好ましい。
(アスペクト比)=(長軸径)/(短軸径)
顔料粒子の比表面積は、窒素吸着によるBET法で求めた。なお、測定には自動蒸気吸着量測定装置(日本ベル社製「BELSORP18」)を用いた。
塗膜のコントラスト比は、図2に示す測定装置を用いて、下記の方法で測定した。液晶ディスプレー用バックライトユニット(7)から出た光は、偏光板(6)を通過して偏光され、ガラス基板(5)上に塗布された着色組成物の乾燥塗膜(4)を通過し、偏光板(3)に到達する。偏光板(6)と偏光板(3)の偏光面が平行であれば、光は偏光板(3)を透過するが、偏光面が直行している場合には光は偏光板(3)により遮断される。しかし、偏光板(6)によって偏光された光が着色組成物の乾燥塗膜(4)を通過するときに、顔料粒子による散乱等が起こり、偏光面の一部にずれを生じると、偏光板が平行のときは偏光板(3)を透過する光量が減り、偏向板が直行のときは偏光板(3)を一部光が透過する。この透過光を偏光板上の輝度として測定し、偏光板が平行のときの輝度と、直行のときの輝度との比(コントラスト比)を算出した。
(コントラスト比)=(平行のときの輝度)/(直行のときの輝度)
従って、着色組成物の乾燥塗膜(4)の顔料により散乱が起こると、平行のときの輝度が低下し、かつ直行のときの輝度が増加するため、コントラスト比が低くなる。
なお、輝度計(1)としては色彩輝度計(トプコン社製「BM−5A」)、偏光板としては偏光板(日東電工社製「NPF−G1220DUN」)を用いた。なお、測定に際しては、不要光を遮断するために、測定部分に1cm角の孔を開けた黒色のマスク(2)を当てた。
(アクリル樹脂溶液の調製)
反応容器にシクロヘキサノン450部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら80℃に加熱して、同温度で、メタクリル酸20.0部、メチルメタクリレート10.0部、n−ブチルメタクリレート55.0部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート15.0部、および2,2’−アゾビスイソブチロニトリル4.0部の混合物を1時間かけて滴下して重合反応を行った。滴下終了後、さらに80℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル1.0部をシクロヘキサノン50部に溶解させたものを添加し、さらに80℃で1時間反応を続けて、アクリル樹脂の溶液を得た。アクリル樹脂の重量平均分子量は、約40000であった。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにシクロヘキサノンを添加してアクリル樹脂溶液を調製した。
(ε型フタロシアニン顔料1の製造)
α型銅フタロシアニンとε型銅フタロシアニンの混合物(フタロシアニンの合計重量を基準とするα型銅フタロシアニンの含有量60重量%)600部、塩化ナトリウム6000部、ジエチレングリコール1080部を、15000容量部のプラネタリー(井上製作所)に投入し、混合物を磨砕してε型銅フタロシアニン顔料を製造した。運転条件としては、公転36rpm、自転108rpmで磨砕温度は110℃で稠密な塊状(ドウ)に保持しながら14時間混練した。ここで得られた混練組成物を70℃の1%硫酸水溶液30000部に取り出し、1時間保温攪拌後、濾過、水洗、乾燥した。得られた顔料は、X線回折測定(CuKα1線)によりブラッグ角2θ(許容範囲±0.2度)=9.2度に最も強いピークを有するε型銅フタロシアニン顔料であった。得られたε型銅フタロシアニン顔料の比表面積は90m2/gであり、平均一次粒子径は38nmで顔料粒子はすべて微細化しており、粗大粒子は認められなかった。また、得られたε型銅フタロシアニン顔料のアスペスト比は1.74であった。
(比較ε型フタロシアニン顔料1の製造)
α型銅フタロシアニンとε型銅フタロシアニンの混合物(フタロシアニンの合計重量を基準とするα型銅フタロシアニンの含有量60重量%)770部、塩化ナトリウム7700部、ジエチレングリコール1400部を15000容量部の双腕型ニーダーに仕込み、110℃で稠密な塊状(ドウ)に保持しながら14時間混練した。磨砕後70℃の1%硫酸水溶液30000部に取り出し、1時間保温攪拌後、濾過、水洗、乾燥し顔料を得た。得られた顔料は、X線回折測定(CuKα1線)によりブラッグ角2θ(許容範囲±0.2度)=9.2度に最も強いピークを有するε型銅フタロシアニン顔料であった。得られたε型銅フタロシアニン顔料の比表面積は75m2/gであり、TEM写真で観察したところ、顔料粒子はすべて微細化しており粗大粒子は認められなかったが、平均一次粒子径は50nmであり、また、アスペスト比は1.83であった。
(ε型フタロシアニン顔料2の製造)
α型銅フタロシアニン420部、ε型銅フタロシアニン180部、塩化ナトリウム6000部、ジエチレングリコール1080部を、15000容量部のトリミックス(井上製作所)に投入し、混合物を磨砕してε型銅フタロシアニン顔料を製造した。運転条件としては、公転36rpm、自転108rpmで磨砕温度は110℃で稠密な塊状(ドウ)に保持しながら16時間混練した。ここで得られた混練組成物を70℃の1%硫酸水溶液30000部に取り出し、1時間保温攪拌後、濾過、水洗、乾燥した。得られた顔料は、X線回折測定(CuKα1線)によりブラッグ角2θ(許容範囲±0.2度)=9.2度に最も強いピークを有するε型銅フタロシアニン顔料であった。得られたε型銅フタロシアニン顔料の比表面積は91m2/gであり、平均一次粒子径は36nmで顔料粒子はすべて微細化しており、粗大粒子は認められなかった。また、得られたε型銅フタロシアニン顔料のアスペスト比は1.74であった。
(比較ε型フタロシアニン顔料2の製造)
α型銅フタロシアニン540部、ε型銅フタロシアニン230部、塩化ナトリウム7700部、ジエチレングリコール1400部を15000容量部の双腕型ニーダーに仕込み、110℃で稠密な塊状(ドウ)に保持しながら16時間混練した。磨砕後70℃の1%硫酸水溶液30000部に取り出し、1時間保温攪拌後、濾過、水洗、乾燥し顔料を得た。得られた顔料は、X線回折測定(CuKα1線)によりブラッグ角2θ(許容範囲±0.2度)=9.2度に最も強いピークを有するε型銅フタロシアニン顔料であった。得られたε型銅フタロシアニン顔料の比表面積は78m2/gであり、TEM写真で観察したところ、顔料粒子はすべて微細化しており粗大粒子は認められなかったが、平均一次粒子径は47nmであり、また、アスペスト比は1.81であった。
(ε型フタロシアニン顔料3の製造)
α型銅フタロシアニン450部、ε型銅フタロシアニン102部、フタルイミドメチル基を有する銅フタロシアニン(化合物3)48部、塩化ナトリウム4800部、ジエチレングリコール800部を、15000容量部のトリミックス(井上製作所)に投入し、混合物を磨砕してε型銅フタロシアニン顔料を製造した。運転条件としては、公転36rpm、自転108rpmで磨砕温度は120℃で稠密な塊状(ドウ)に保持しながら10時間混練した。ここで得られた混練組成物を70℃の1%硫酸水溶液30000部に取り出し、1時間保温攪拌後、濾過、水洗、乾燥した。得られた顔料は、X線回折測定(CuKα1線)によりブラッグ角2θ(許容範囲±0.2度)=9.2度に最も強いピークを有するε型銅フタロシアニン顔料であった。得られたε型銅フタロシアニン顔料の比表面積は110m2/gであり、平均一次粒子径は24nmで顔料粒子はすべて微細化しており、粗大粒子は認められなかった。また、得られたε型銅フタロシアニン顔料のアスペスト比は1.61であった。
(比較ε型フタロシアニン顔料3の製造)
α型銅フタロシアニン450部、ε型銅フタロシアニン102部、フタルイミドメチル基を有する銅フタロシアニン(化合物3)48部、塩化ナトリウム4800部、ジエチレングリコール800部を15000容量部の双腕型ニーダーに仕込み、120℃で稠密な塊状(ドウ)に保持しながら10時間混練した。磨砕後70℃の1%硫酸水溶液30000部に取り出し、1時間保温攪拌後、濾過、水洗、乾燥し顔料を得た。得られた顔料は、X線回折測定(CuKα1線)によりブラッグ角2θ(許容範囲±0.2度)=9.2度に最も強いピークを有するε型銅フタロシアニン顔料であった。得られたε型銅フタロシアニン顔料の比表面積は91m2/gであり、TEM写真で観察したところ、顔料粒子はすべて微細化しており粗大粒子は認められなかったが、平均一次粒子径は40nmであり、また、アスペスト比は1.78であった。
(ε型フタロシアニン顔料4の製造)
α型銅フタロシアニン450部、ε型銅フタロシアニン102部、塩基性基を有する銅フタロシアニン(化合物2)48部、塩化ナトリウム4800部、ジエチレングリコール800部を、15000容量部のトリミックス(井上製作所)に投入し、混合物を磨砕してε型銅フタロシアニン顔料を製造した。運転条件としては、公転36rpm、自転108rpmで磨砕温度は120℃で稠密な塊状(ドウ)に保持しながら10時間混練した。ここで得られた混練組成物を70℃の1%硫酸水溶液30000部に取り出し、1時間保温攪拌後、濾過、水洗、乾燥した。得られた顔料は、X線回折測定(CuKα1線)によりブラッグ角2θ(許容範囲±0.2度)=9.2度に最も強いピークを有するε型銅フタロシアニン顔料であった。得られたε型銅フタロシアニン顔料の比表面積は109m2/gであり、平均一次粒子径は25nmで顔料粒子はすべて微細化しており、粗大粒子は認められなかった。また、得られたε型銅フタロシアニン顔料のアスペスト比は1.64であった。
(比較ε型フタロシアニン顔料4の製造)
α型銅フタロシアニン450部、ε型銅フタロシアニン102部、塩基性基を有する銅フタロシアニン(化合物2)48部、塩化ナトリウム4800部、ジエチレングリコール800部を15000容量部の双腕型ニーダーに仕込み、120℃で稠密な塊状(ドウ)に保持しながら10時間混練した。磨砕後70℃の1%硫酸水溶液30000部に取り出し、1時間保温攪拌後、濾過、水洗、乾燥し顔料を得た。得られた顔料は、X線回折測定(CuKα1線)によりブラッグ角2θ(許容範囲±0.2度)=9.2度に最も強いピークを有するε型銅フタロシアニン顔料であった。得られたε型銅フタロシアニン顔料の比表面積は90m2/gであり、TEM写真で観察したところ、顔料粒子はすべて微細化しており粗大粒子は認められなかったが、平均一次粒子径は41nmであり、また、アスペスト比は1.78であった。
[実施例1]
得られたε型フタロシアニン顔料1を含む下記組成の混合物を均一に撹拌した後、直径1mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で5時間分散した後、5μmのフィルタで濾過し、青色顔料分散体を作製した。
ε型フタロシアニン顔料1 10.0部
塩基性基を有する銅フタロシアニン(化合物1) 1.0部
リン酸エステル系顔料分散剤(ビックケミー社製「BYK111」) 1.0部
アクリル樹脂溶液 40.0部
シクロヘキサノン 48.0部
さらに、得られた青色顔料分散体を含む下記組成の混合物を均一になるように撹拌混合した後、1μmのフィルタで濾過して、アルカリ現像型青色レジスト材を作製した。
青色顔料分散体 45.0部
アクリル樹脂溶液 15.0部
トリメチロールプロパントリアクリレート 9.0部
(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)
光重合開始剤 2.0部
(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製「イルガキュアー907」)
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) 0.2部
シクロヘキサノン 28.8部
[実施例2〜4,比較例1〜4]
ε型フタロシアニン顔料1をそれぞれ表1に示すε型フタロシアニン顔料に変えた以外は、実施例1と同様にしてアルカリ現像型青色レジスト材を作製した。
実施例および比較例で得られたアルカリ現像型青色レジスト材を、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて500rpm、1000rpm、1500rpmの回転数で塗布し、検量線を作成するために、膜厚が異なる3種の塗布基板を得た。塗布基板を、70℃で20分乾燥後、超高圧水銀ランプを用いて積算光量150mJで紫外線露光を行い、230℃で1時間加熱、放冷後、輝度計としては色彩輝度計(トプコン社製「BM−5A」)、偏光板としては偏光板(日東電工社製「NPF−G1220DUN」)を用いてコントラスト比を測定した。ついで、塗膜のC光源での色度(Y,x,y)を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP100」)を用いて測定した。レジスト材塗布基板について、3組のコントラスト比および色度の測定結果から、y=0.14におけるコントラスト比を近似法により求めた。その結果を表1に示す。また、実施例および比較例で用いたε型フタロシアニン顔料の比表面積、平均一次粒子径、アスペクト比の測定結果を表1に示す。
実施例1〜4で得られたレジスト材は、連続混練機を用いることでα型からε型のフタロシアニン顔料へと結晶転移し、微細化と共に整粒されたε型フタロシアニン顔料を含むため、これらのレジスト材を用いて作製された塗布基板は、比較例1〜4で得られたレジスト材を用いて作製された塗布基板と比べ、高いコントラスト比を示した。
本発明で使用する混練機の一例を示す、正面図である。 塗膜のコントラスト比を測定する装置の概念図である。
符号の説明
(図1)
1 プラネタリー型ミキサー本体
2 駆動軸
3 タンク
4 ブレード
(図2)
1 輝度計
2 マスク
3 偏光板
4 着色組成物乾燥塗膜
5 ガラス基板
6 偏光板
7 バックライトユニット

Claims (5)

  1. 透明樹脂、その前駆体またはそれらの混合物からなる顔料担体と顔料とを含有するカラーフィルタ用着色組成物において、前記顔料が、α型フタロシアニンと、ε型フタロシアニンと、水溶性無機塩と、水溶性有機溶剤とを含有する混練混合物を、複数のブレードが遊星運動するプラネタリー型ミキサーにて混練してなるε型フタロシアニン顔料であることを特徴とするカラーフィルタ用青色着色組成物。
  2. プラネタリー型ミキサーの遊星運動するブレード数が3であることを特徴とする請求項1記載のカラーフィルタ用青色着色組成物。
  3. 混練混合物が、さらに顔料誘導体、アントラキノン誘導体、アクリドン誘導体またはトリアジン誘導体から選ばれる少なくとも一種の誘導体を含有することを特徴とする請求項1または2に記載のカラーフィルタ用青色着色組成物。
  4. ε型フタロシアニン顔料が、銅、亜鉛、ニッケル、またはコバルトを中心金属とするε型金属フタロシアニン顔料、もしくはメタルフリーのε型フタロシアニン顔料であることを特徴とする請求項1ないし3に記載のカラーフィルタ用青色着色組成物。
  5. 請求項1ないし4いずれか1項に記載のカラーフィルタ用青色着色組成物を用いて形成されたフィルタセグメントを具備することを特徴とするカラーフィルタ。

















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