JP2004157455A - 染料含有硬化性組成物、カラーフィルタ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置や固体撮像素子等に用いられるカラーフィルタ、エレクトロルミネッセンス用カラーフィルタ、印刷用インキ、インクジェット用インキ、及び塗料等の作製に好適な染料含有硬化性組成物、並びに該染料含有硬化性組成物を用いたカラーフィルタ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示素子や固体撮像素子等に用いられるカラーフィルタを作製する方法としては、染色法、印刷法、電着法、または顔料分散法が知られている。
【0003】
前記染色法は、ゼラチン、グリュー、カゼイン等の天然樹脂あるいはアミン変性ポリビニルアルコール等の合成樹脂からなる染着基材を酸性染料等の染料で染色してカラーフィルタを作製する方法である。染色法においては、着色材として染料を用いるため、耐光性や耐熱性、耐湿性等に問題があるほか、大サイズとするときには染色および固着特性を均一にコントロールすることが難しいことから色ムラが発生し易く、また、染色に際しては防染層を必要とし、工程が煩雑となる等の問題点を有する。
【0004】
前記電着法は、予め透明電極を所定のパターンで形成しておき、溶媒中に溶解又は分散した顔料を含む樹脂をイオン化させ電圧を印加して着色画像をパターン状に形成することによってカラーフィルタを作製する方法である。電着法においては、表示用の透明電極以外にカラーフィルタ形成用の透明電極の製膜とエッチング工程を含むフォトリソ工程が必要である。その際、電気的なショートが起こると線欠陥になり歩留まりの低下を来す。また、原理上ストライプ配列以外、例えばモザイク配列には適用が困難であり、更には透明電極の管理が難しい等の問題点がある。
【0005】
前記印刷法は、熱硬化樹脂または紫外線硬化樹脂に顔料を分散したインクを用い、オフセット印刷等の印刷によってカラーフィルタを作製する簡便な方法であるが、使用できるインキが高粘度であるためフィルタリングが難しく、ゴミ、異物およびインキバインダのゲル化した部分による欠陥が発生し易いことや、印刷精度に伴なう位置精度、線幅精度、および平面平滑性に問題がある。
【0006】
前記顔料分散法は、顔料を種々の感光性組成物に分散させた着色感放射線性組成物を用いてフォトリソ法によってカラーフィルタを作製する方法である。この方法は、顔料を使用しているために光や熱等に安定であると共に、フォトリソ法によってパターニングするため、位置精度も充分確保でき、大画面、高精細カラーディスプレイ用カラーフィルタの作製に好適な方法である。
【0007】
顔料分散法によりカラーフィルタを作製するには、基板上に感放射線性組成物をスピンコーターやロールコーター等により塗布し、乾燥させて塗膜を形成し、該塗膜をパターン露光し、現像することによって、着色された画素を得、この操作を色相分だけ繰り返すことでカラーフィルタを得ることができる。
【0008】
前記顔料分散法としては、アルカリ可溶性樹脂に光重合性モノマーと光重合開始剤を併用したネガ型の感光性組成物が開示されているものがある(例えば、特許文献1〜5参照)。しかしながら、近年、固体撮像素子用のカラーフィルタにおいては、更なる高精細化が望まれており、従来の顔料分散法では顔料がサイズを持った粒子状態で存在するため本質的に解像度が向上せず、また顔料の粗大粒子による色ムラが発生する等の問題があり、固体撮像素子のように微細パターンが要求される用途には適さなかった。
【0009】
上記解像度化を達成するため、従来から着色材として染料を用いる技術が検討され、染料を用いた感光性着色組成物として、ナフトキノンジアジド化合物等を感光材とするポジ型(例えば、特許文献6〜8参照)、および光重合開始剤(架橋剤を併用)を感光材とするネガ型(例えば、特許文献9〜11参照)の2種が提案されている。しかし、これら感光性着色組成物においては、溶剤溶解性の点で課題があり、しかも染料の耐熱性、耐光性が低いといった問題もあった。
【0010】
上記に鑑み、耐熱性、耐光性に優れる染料としては、フタロシアニン系化合物が挙げられる。しかし、溶剤溶解性が乏しく実用上問題があり、この溶剤溶解性を良くしようとすると、耐熱性、耐光性が低下するとの問題を招く。したがって、溶剤溶解性と耐熱性および耐光性とを共に具える染料が用いられ、耐熱性、耐光性の良好な染料含有硬化性組成物やカラーフィルタ等は、未だ提供されるに至っていないのが現状である。
【0011】
一方、フタロシアニン系色素の溶解性を向上する観点から、嵩高いアルキル基またはアルコキシ基を導入した中心金属がCu、Co、Znのフタロシアニンの例が報告されている(例えば、非特許文献1参照)。しかしながら、確かにハロゲン化炭化水素への溶解性の向上はみられるものの、他の溶剤への溶解性は不十分であった。
【0012】
【特許文献1】
特開平1−102469号公報
【特許文献2】
特開平2−181704号公報
【特許文献3】
特開平4−76062号公報
【特許文献4】
特開平6−184482号公報
【特許文献5】
特開平7−140654号公報
【特許文献6】
特開平2−127602号公報
【特許文献7】
特開平6−35182号公報
【特許文献8】
特開平9−189807号公報
【特許文献9】特開平6−75375号公報
【特許文献10】
特開平8−211599号公報
【特許文献11】
特開平8−220753号公報
【非特許文献1】
カナディアン・ジャーナル・オブ・ケミストリー(63巻、p.623〜631、1985年)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記に鑑み成されたものであり、下記目的を達成することを課題とする。すなわち、
本発明は、溶剤溶解性に優れたフタロシアニン化合物を含み、耐熱性、耐光性が良好で安定な染料含有硬化性組成物を提供することを目的とする。特にシアン色用として好適である。また、
本発明は、前記染料含有硬化性組成物を用いて構成され、鮮鋭で色相が良好であると共に、耐熱性、耐光性に特に優れたカラーフィルタ、並びに矩形状の良好なパターンで高解像度に構成され、耐熱性、耐光性を具えたカラーフィルタを作製し得るカラーフィルタの製造方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者による鋭意検討の結果、特定のフタロシアニン化合物が溶剤溶解性に優れており、(特にシアン色用の)硬化性組成物の耐熱性、耐光性の向上に好適であることを見出し、本発明に至った。
【0015】
前記課題を解決するための具体的手段は以下の通りである。
<1> (A)アルカリ可溶性樹脂、(B)染料、および(C)感光性化合物を少なくとも含む染料含有硬化性組成物において、前記染料が下記一般式(I)で表されるフタロシアニン化合物であることを特徴とする染料含有硬化性組成物である。
【0016】
【化3】
【0017】
前記一般式(I)中、Mは金属原子、金属酸化物、金属塩化物、または水素原子を表し、Pcはフタロシアニン骨格を表し、Yはフッ素置換アルコキシ基を表す。lは1〜8の整数を表す。
【0018】
<2> 前記フタロシアニン化合物において、前記Yが下記基(II)を表し、前記Mがコバルト原子を表し、かつlが4を表す前記<1>に記載の染料含有硬化性組成物である。
【0019】
【化4】
【0020】
前記式(II)中、Xは水素原子、フッ素原子を表す。mは1〜6の整数を表し、nは1〜8の整数を表す。
【0021】
<3> 前記フタロシアニン化合物が、Yの置換位置がPcで表されるフタロシアニン骨格のα位であり、かつ前記mが1または2を表し、前記nが3〜5の整数を表すα−テトラ(フルオロアルコキシ)置換フタロシアニン化合物である前記<2>に記載の染料含有硬化性組成物である。
<4> 前記(C)感光性化合物がナフトキノンジアジド化合物である前記<1>〜<3>のいずれかに記載の染料含有硬化性組成物である。この染料含有硬化性組成物はポジ型である。
<5> (E)架橋剤を更に含む前記<4>に記載の染料含有硬化性組成物である。
【0022】
<6> 前記(C)感光性化合物が光重合開始剤であり、更に(E)架橋剤を含む前記<1>〜<3>のいずれかに記載の染料含有硬化性組成物である。この染料含有硬化性組成物はネガ型である。
<7> 前記<1>〜<6>のいずれかに記載の染料含有硬化性組成物を用いてなることを特徴とするカラーフィルタである。
<8> 前記<1>〜<6>のいずれかに記載の染料含有硬化性組成物を支持体上に塗布後、マスクを通して露光し、現像してパターンを形成する工程を有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法である。
【0023】
上記のように、一般にフタロシアニン系染料の溶解性は非常に悪く、従来染料を含む感光性着色組成物の塗布法によるカラーフィルタの作製は困難であり、また、感光性着色組成物として溶液での保存性は溶解性が十分でないことによる経時での染料の析出が生じ実用性に乏しいものであった。本発明においては、染料の溶剤溶解性を良くすることで染料含有硬化性組成物からの染料の析出や、塗布した膜からの染料の析出低減が図られ、安定な硬化性組成物が得られる。また、耐熱性と耐光性を向上させることで高性能なカラーフィルタを得ることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の染料含有硬化性組成物、並びに該染料含有硬化性組成物を用いて構成されるカラーフィルタ及びその製造方法について詳述する。
【0025】
《染料含有硬化性組成物》
本発明の染料含有硬化性組成物は、(A)アルカリ可溶性樹脂、(B)染料および(C)感光性化合物を少なくとも含んでなり、一般には溶剤を含んでなり、前記染料として以下に示す一般式(I)で表されるフタロシアニン化合物を含有する。本発明の染料含有硬化性組成物は、前記(C)として、ナフトキノンジアジド化合物を含有するときにはポジ型に構成でき、光重合開始剤を含有するときにはネガ型に構成できる。ポジ型に構成する場合、更に(E)架橋剤を含有することができる。また必要に応じ、他の成分を含んでいてもよい。
【0026】
まず、本発明における特徴部の一つをなす染料について詳述する。
−(B)染料−
本発明においては、着色成分として、下記一般式(I)で表されるフタロシアニン化合物(染料)を含有する。
【0027】
【化5】
【0028】
前記一般式(I)中、Pcはフタロシアニン骨格を表す。Pcで表されるフタロシアニン骨格は下記式(III)で表されるものである。
【化6】
【0029】
Yは、前記式(III)において、フタロシアニン核のα位(式(III)中の、1又は4、5又は8、9又は12、13又は16)、またはβ位(式(III)中の、2又は3、6又は7、10又は11、14又は15)のいずれかに結合(置換)しているものとするが、分子会合を防ぐ効果が大きく膜中での吸光係数を高め得る点および溶解性が良い点から、β位よりもα位の方が好ましい。
【0030】
Yで表される基のフタロシアニン核における置換位置を示すのに、「α」、「β」という表示を用いてきたが、これらを以下のように定義する。すなわち、
フタロシアニン骨格は、テトラアザポルフィリン骨格の外側に4つのベンゼン環が縮合した形をしているが、各ベンゼン環部分に4ヶ所ずつ置換基が入り得る場所がある。このうち、テトラアザポルフィリン骨格に近い位置2ヶ所をα位と称し、遠い位置2ヶ所をβ位と称するものとする。例えば、3位が置換されたフタロニトリル化合物を環化すると、α位に置換基のあるフタロシアニン化合物ができるが、それは下記のような4種の異性体の混合物となっている。以下の操作ではそれらの異性体混合物を一括して取り扱っているが、必要に応じて、それぞれを分離して用いることも可能である。
【0031】
【化7】
【0032】
前記一般式(I)中、Mは金属原子、金属酸化物、金属塩化物、または水素原子を表す。Mの具体的例としては、Pb、Cu、Co、Ni、Mn、Zn、Fe、Pd、Mg等の金属、VO等の金属酸化物、AlCl等の金属塩化物、あるいはH2(2原子の水素)等が挙げられる。中でも、溶解性、耐熱性、耐光性の観点から、Pb、Cu、Co、Ni、Mn、Zn、Pd、またはVOが好ましい。
【0033】
前記一般式(I)中、Yはフッ素置換アルコキシ基を表す。また、lは1〜8の整数を表し、Yの数lはフタロシアニン核当たりの数を示す。
【0034】
前記Yとしては、直鎖若しくは分岐のアルコキシ基にフッ素が一個以上置換されたものが好ましく、この中から適宜選択することができる。特に、原料入手の容易さから、下記式(II)で表される基が望ましい。なお、式(II)で表される基の置換位置も既述の通り式(II)中の1〜16のいずれかであり、上記α位となる位置が好ましい。
【0035】
【化8】
前記式(II)中、Xは水素原子、フッ素原子を表す。mは1〜6の整数を表し、nは1〜8の整数を表す。
【0036】
上記のように、前記一般式(I)で表される化合物の中でも、Yが前記式(II)で表される基(フッ素置換アルコキシ基)であり、Mがコバルト原子(Co)であり、かつYの数lが4である態様がより好ましい。
【0037】
前記一般式(I)で表される、フッ素置換アルコキシ基(フルオロアルコキシ基)を置換基として有するフタロシアニン化合物は、単なるアルコキシ基を置換基として有するものに比し、フルオロアルコキシ基の低凝集エネルギーのために溶剤への溶解性に優れている。また、このフタロシアニン化合物を構成するフタロシアニン骨格の中心にCo(コバルト原子)を配位したことにより、他の金属を配位させたものに比して溶剤への溶解性、溶剤に溶解した状態での安定性の両面で優れた性能を示す。さらに、フルオロアルコキシ基をフタロシアニン骨格のα位にテトラ置換せしめることによって、β位にテトラ置換せしめたものに比し、さらに溶剤への溶解性を高めることができる。
【0038】
また更に、溶解性の点で、前記一般式(I)で表されるフタロシアニン化合物のうち、Yの置換位置がフタロシアニン骨格のα位であると共に、特にmが1または2であって、かつnが3〜5のいずれかであるα−テトラ(フルオロアルコキシ)置換フタロシアニン化合物が好ましい。
【0039】
前記式(II)で表されるように、フタロシアニン骨格の16個の置換位置のうち、Yが置換されていない残りの置換位置には水素原子が結合されているが、このうちの一部または全部が他の置換基、例えば、アルキル基、アルコキシ基、または塩素等のハロゲン原子などで置換されていてもよい。
【0040】
前記一般式(I)で表されるフタロシアニン化合物は、下記反応式で表される方法により好適に製造することができる。
【0041】
【化9】
【0042】
一般式(I)で表されるフタロシアニン化合物は、3−ニトロフタロニトリルまたは4−ニトロフタロニトリルとフルオロアルコール類とを、DMF、DMSO、N−メチルピロリドン、スルホラン等の非プロトン性極性溶媒中、炭酸カリウムの存在下で反応させて、3−(フルオロアルコキシ)フタロニトリルまたは4−(フルオロアルコキシ)フタロニトリルを合成する。得られた含フッ素フタロニトリルを、金属塩あるいは単体金属と共に公知の方法によりフタロシアニン化することによって得ることができる。
【0043】
以下、前記一般式(I)で表されるフタロシアニン化合物の具体例(例示化合物(1)〜(20))を示す。ただし、本発明においてはこれらに限定されるものではない。
(1)α−テトラ−(2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルオキシ)−コバルトフタロシアニン
(2)α−テトラ−(2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルオキシ)−バナジルフタロシアニン
(3)α−テトラ−(2,2,3,3,−テトラフルオロプロポキシ)−コバルトフタロシアニン
(4)α−テトラ−(2,2,3,3,−テトラフルオロプロポキシ)−バナジルフタロシアニン
【0044】
(5)α−テトラ−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−コバルトフタロシアニン
(6)α−テトラ−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−バナジルフタロシアニン
(7)α−テトラ−(2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルオキシ)−銅フタロシアニン
(8)α−テトラ−(2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルオキシ)−亜鉛フタロシアニン
(9)α−テトラ−(2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルオキシ)−パラジウムフタロシアニン
(10)α−テトラ−(2,2,3,3,−テトラフルオロプロポキシ)−フタロシアニン
【0045】
(11)β−テトラ−(2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルオキシ)−コバルトフタロシアニン
(12)β−テトラ−(2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルオキシ)−バナジルフタロシアニン
(13)β−テトラ−(2,2,3,3,−テトラフルオロプロポキシ)−コバルトフタロシアニン
(14)β−テトラ−(2,2,3,3,−テトラフルオロプロポキシ)−バナジルフタロシアニン
(15)β−テトラ−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−コバルトフタロシアニン
【0046】
(16)β−テトラ−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−バナジルフタロシアニン
(17)β−テトラ−(2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルオキシ)−銅フタロシアニン
(18)β−テトラ−(2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルオキシ)−亜鉛フタロシアニン
(19)β−テトラ−(2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルオキシ)−パラジウムフタロシアニン
(20)β−テトラ−(2,2,3,3,−テトラフルオロプロポキシ)−フタロシアニン
【0047】
上記の具体例の各フタロシアニン化合物は、特公平7−37582号公報に記載の方法、並びに従来公知の方法により合成することができる。以下にその一例を示す。
【0048】
〔合成例〕:α−テトラ−(2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルオキシコバルトフタロシアニンの合成
(1) 3−(2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルオキシ)フタロニトリル(例示化合物(1)の中間体)を以下のように合成する。
冷却管、温度計、窒素導入管、撹拌機を取り付けた500ml反応フラスコに、3−ニトロフタロニトリル43.3g、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンタノール69.6g、およびDMSO200mlを仕込み、この混合物中に撹拌下で炭酸カリウム58.7gを投入後、窒素気流下で70℃まで昇温し、この温度下で2時間撹拌した。この間、窒素は反応系内に常に流し続けた。放冷後、反応混合物に水1000mlを滴下して生成物を結晶として析出させた。これを濾集、水洗し、60℃で12時間乾燥して、目的の中間体85.9g(収率96.5%)を得た。この中間体のGC/MS分析を行なった結果、分子イオンピークM+=358を確認した。
【0049】
(2) 中間体から例示化合物(1)を合成する。
冷却管、温度計、撹拌機を取り付けた100ml反応フラスコに、上記(1)より得た中間体(フタロニトリル誘導体)10.8g、無水塩化コバルト1.95g、尿素5.4g、モリブデン酸アンモニウム0.25g、およびジエチレングリコールジメチルエーテル30mlを仕込み、反応系内を窒素置換後150℃まで昇温し、この温度下で12時間撹拌した。放冷後、反応混合物をろ過剤を通してろ過し、不溶物をイソプロパノール120mlで洗浄した。ろ洗液より溶剤を減圧下で留去して得られたタール状色素をメタノール150mlに溶解して、この溶液に撹拌下で水100mlを滴下し、色素を結晶化させた。これを濾集し、メタノール/水(2/1;容量比)で洗浄した後、100℃で12時間乾燥して粗製色素8.4g(粗収率74.9%)を得た。
【0050】
上記のようにして得られた粗製色素をトルエン/酢酸エチル(4/1;容量比)150ml中に溶解させ、ここに活性白土20gを加えて室温下で1時間撹拌した。この混合物をろ過し、不溶物をトルエン/酢酸エチル(4/1;容量比)で洗浄後、ろ洗液より溶媒を留去して、精製色素8.05g(収率72.0%)を得た。
得られた色素について、LC/MS分析を行なった結果、分子イオンピークM+=1491を確認した。THF中で紫外可視吸収スペクトルを測定した結果、λmax=673nm(ε=151000)であった。
【0051】
本発明の染料含有硬化性組成物においては、染料として前記一般式(I)で表されるフタロシアニン化合物を単独で、または複数併用することができる。また更に、前記一般式(I)で表されるフタロシアニン化合物と共に、従来公知の染料を併用することもできる。
【0052】
前記従来公知の染料としては、有機溶剤可溶性の染料から、必要とされる分光吸収に応じ適宜染料を選択することができる。染料種としては、酸性染料、塩基性染料、分散染料および酸性染料の塩基性化合物との反応物、塩基性染料の酸化合物との反応物で有機溶剤に可溶性としたものが挙げられる。更には、油溶性染料として、C.I.Solvent Dyeとして記載された染料から好適に選択することができる。
【0053】
これら染料としては、カラーフィルタとして望ましいスペクトルを有し、かつ前記溶剤若しくは前記アルカリ可溶性樹脂を含む溶液に必要な濃度溶解し、経時による析出、凝集などを起こさないことが必要である。これら染料としては、カラーインデックスに記載されたC.I.Solvent Colour等から適宜選定できる。油溶性染料、酸性染料、分散染料、反応性染料、直接染料等からも溶剤溶解性とスペクトルが適合した染料を選定可能である。染料の有機溶剤可溶性は、溶剤に重量百分率で1%以上溶解するものを意味する。
【0054】
前記一般式(I)で表される染料(および必要に応じ従来公知の染料)の染料含有硬化性組成物における含有量としては、該組成物の全固形分(質量)に対して、1〜80質量%が好ましく、3〜50質量%がより好ましく、5〜30質量%が特に好ましい。分光特性を満足できれば、染料比が少なければ少ないほど感度や現像性の観点からは好ましい。
【0055】
次に、含有成分(A)及び(C)〜(E)並びに他の成分について詳述する。
−(A)アルカリ可溶性樹脂−
前記アルカリ可溶性樹脂としては、線状有機高分子重合体で、有機溶剤に可溶で、弱アルカリ水溶液で現像できるものが好ましい。このような線状有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸を有するポリマー、例えば特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号の各公報に記載されているような、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等が挙げられ、また同様に側鎖にカルボン酸を有する酸性セルロース誘導体が有用である。
【0056】
上記のほか、水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたもの等や、ポリヒドロキシスチレン系樹脂、ポリシロキサン系樹脂、ポリ(2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート)、ポリビニールピロリドンやポリエチレンオキサイド、ポリビニールアルコール、等も有用である。
また、親水性を有するモノマーを共重合してもよく、この例としては、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、2級又は3級のアルキルアクリルアミド、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、モルホリン(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、ビニルイミダゾール、ビニルトリアゾール、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、分岐又は直鎖のプロピル(メタ)アクリレート、分岐又は直鎖のブチル(メタ)アクリレート、フェノキシヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、等が挙げられる。
【0057】
その他、前記親水性を有するモノマーとして、テトラヒドロフルフリル基、燐酸、燐酸エステル、4級アンモニウム塩、エチレンオキシ鎖、プロピレンオキシ鎖、スルホン酸及びその塩、モルホリノエチル基等を含んでなるモノマー等も有用である。
【0058】
また、架橋効率を向上させるために、重合性基を側鎖に有してもよく、アリル基、(メタ)アクリル基、アリルオキシアルキル基等を側鎖に含有するポリマー等も有用である。また、硬化皮膜の強度を上げるためにアルコール可溶性ナイロンや2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとエピクロルヒドリンのポリエーテル等も有用である。
【0059】
これら各種アルカリ可溶性樹脂の中でも、耐熱性の観点からは、ポリヒドロキシスチレン系樹脂、ポリシロキサン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、アクリル/アクリルアミド共重合体樹脂が好ましく、現像性制御の観点からは、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、アクリル/アクリルアミド共重合体樹脂が好ましい。
【0060】
前記アクリル系樹脂としては、ベンジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、アリル(メタ)アクリレート等から選ばれるモノマーからなる共重合体が好ましい。
【0061】
また、アルカリ可溶性フェノール樹脂も有用である。すなわち、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂として、ポリヒドロキシスチレン系樹脂が挙げられる。具体的には、p−ヒドロキシスチレン樹脂、m−ヒドロキシスチレン樹脂、o−ヒドロキシスチレン樹脂、およびこれらの共重合体、ヒドロキシスチレンとスチレンとの共重合体、ヒドロキシスチレンとアセトキシスチレンとの共重合体、ヒドロキシスチレンと前記(メタ)アクリル系モノマーとの共重合体などが挙げられる。
【0062】
また、ノボラック樹脂またはビニル重合体なども挙げられる。
前記ノボラック樹脂としては、例えば、フェノール類とアルデヒド類とを酸触媒の存在下に縮合させて得られるものが挙げられる。フェノール類としては、例えば、フェノール、クレゾール、エチルフェノール、プロピルフェノール、ブチルフェノール、キシレノール、フェニルフェノール、カテコール、レゾルシノール、ピロガロール、ナフトール、ビスフェノールA等が挙げられる。これらフェノール類は、単独であるいは二種以上を組合せて用いることができる。アルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド等が挙げられる。
ノボラック樹脂の具体例としては、メタクレゾール、パラクレゾール若しくはこれらの混合物とホルマリンとの縮合生成物が挙げられる。
【0063】
前記アルカリ可溶性樹脂としては、数平均分子量Mn(GPC法で測定されたポリスチレン換算値)が1000〜2×105の重合体が好ましく、2000 〜1×105の重合体がより好ましく、4000 〜5×104の重合体が特に好ましい。
【0064】
また、前記アルカリ可溶性樹脂の分子量分布(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)としては、1.6〜1.05であることが好ましく、現像後の画像のプロファイルの矩形性を維持できる点で、1.4〜1.1であることが更に好ましい。上記範囲の分子量分布を得るためには、公知の重合方法(例えば、リビングアニオン重合法、リビングカチオン重合法、リビングラジカル重合法)を適用して直接分子量分布の狭い樹脂を合成することが好ましいが、その他にも溶剤分別法(樹脂を良溶剤に溶解した後、貧溶剤に混合して高分子量成分のみ析出させて分子量分布の狭い樹脂を得る方法)や、カラムクロマトグラフィを用いた分子量分画、超臨界流体を用いた分画などの方法を適用することができる。
【0065】
前記アルカリ可溶性樹脂の染料含有硬化性組成物における含有量としては、該組成物の全固形分(質量)に対して、10〜90質量%が好ましく、20〜80質量%がより好ましく、30〜70質量%が特に好ましい。
【0066】
−(C)感光性化合物−
本発明に係る感光性化合物としては、染料含有硬化性組成物をポジ型に構成する場合にはナフトキノンジアジド化合物が好適であり、ネガ型に構成する場合には光重合性組成物が好適である。
【0067】
〈ナフトキノンジアジド化合物〉
ポジ型の染料含有硬化性組成物を得るには、g線およびi線感応性の半導体用フォトレジストとして用いられるナフトキノンジアジド化合物が好適である。このナフトキノンジアジド化合物としては、例えば、o−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、o−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸アミド、o−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、o−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸アミド、等が挙げられる。これらのエステル又はアミドは、例えば、特開平2−84650号公報および特開平3−49437号公報に一般式(I)として記載されているフェノール化合物等を用いて公知の方法により製造することができる。
【0068】
フェノール化合物としては、1つの分子中に少なくとも2つ、好ましくは3つ以上のフェノール性水酸基を有していることが、露光前の充分なアルカリ現像液耐性と、露光後の高い現像性を付与し得る点で好適に選択される。また、分子中の全ての水酸基をナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化せず、一部の水酸基を残すことが感度、溶剤への溶解性向上の点で好ましい。
【0069】
上記のアルカリ可溶性樹脂、ナフトキノンジアジドは、通常溶剤中に該溶剤質量に対して2〜35質量%程度の割合で溶解させる。
【0070】
〈光重合性化合物〉
ネガ型の染料含有硬化性組成物に構成する場合には、光重合性化合物が必須成分となり、上記のナフトキノンジアジド化合物を含有するポジ型に更に含有した場合には、パターン形成後において該パターンの硬化度をより促進させることができる。
【0071】
前記光重合開始剤は、露光により架橋剤の架橋反応や重合反応を開始できるものであれば特に限定されないが、特性、開始効率、吸収波長、入手性、コスト、安全性等の観点で選ばれることが好ましい。例えば、ハロメチルオキサジアゾール化合物及びハロメチル−s−トリアジン化合物から選択される少なくとも一つの活性ハロゲン化合物、3−アリール置換クマリン化合物、ロフィン2量体、ベンゾフェノン化合物、アセトフェノン化合物及びその誘導体、シクロペンタジエン−ベンゼン−鉄錯体及びその塩、オキシム系化合物、等が挙げられる。
【0072】
ハロメチルオキサジアゾール化合物である活性ハロゲン化合物としては、特公昭57−6096号公報に記載の2−ハロメチル−5−ビニル−1,3,4−オキサジアゾール化合物等や、2−トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(p−シアノスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(p−メトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、等が挙げられる。
【0073】
ハロメチル−s−トリアジン系化合物である活性ハロゲン化合物としては、特公昭59−1281号公報に記載のビニル−ハロメチル−s−トリアジン化合物、特開昭53−133428号公報に記載の2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス−ハロメチル−s−トリアジン化合物及び4−(p−アミノフェニル)−2,6−ジ−ハロメチル−s−トリアジン化合物、等が挙げられる。
【0074】
具体的な例として、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−p−メトキシスチリル−s−トリアジン、2,6−ビス(トリクロロメチル)−4−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,6−ビス(トリクロロメチル)−4−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(1−p−ジメチルアミノフェニル−1,3−ブタジエニル)−s−トリアジン、2−トリクロロメチル−4−アミノ−6−p−メトキシスチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4−エトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4−ブトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−〔4−(2−メトキシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、
【0075】
2−〔4−(2−エトキシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−〔4−(2−ブトキシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(2−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(6−メトキシ−5−メチル−ナフト−2−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(6−メトキシ−ナフト−2−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(5−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4,7−ジメトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(6−エトキシ−ナフト−2−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4,5−ジメトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、
【0076】
4−〔p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−メチル−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−メチル−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔p−N,N−ジ(フェニル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(p−N−クロロエチルカルボニルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、
【0077】
4−〔p−N−(p−メトキシフェニル)カルボニルアミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−ブロモ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−クロロ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−フロロ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−ブロモ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−クロロ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、
【0078】
4−〔o−フロロ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−ブロモ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−クロロ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−フロロ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−ブロモ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−クロロ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、
【0079】
4−〔m−フロロ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−ブロモ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−クロロ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−フロロ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−ブロモ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−クロロ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、
【0080】
4−(o−フロロ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−ブロモ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−クロロ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−フロロ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−ブロモ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−クロロ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−フロロ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン等が挙げられる。
【0081】
その他、緑化学社製のTAZシリーズ(例えば、TAZ−104、TAZ−107、TAZ−109、TAZ−110、TAZ−113、TAZ−123、TAZ−140、TAZ−204)、PANCHIM社製のTシリーズ(例えば、T−OMS、T−BMP、T−R、T−B)、チバガイギー社製のイルガキュアシリーズ(例えば、イルガキュア149、イルガキュア184、イルガキュア261、イルガキュア500、イルガキュア651、イルガキュア819、イルガキュア1000)、ダロキュアシリーズ(例えばダロキュア1173)、4,4′−ビス(ジエチルアミノ)−ベンゾフェノン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−オクタンジオン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−4−モルホリノブチロフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、
【0082】
2−(o−クロルフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(p−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(p−メチルメルカプトフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、ベンゾインイソプロピルエーテル、等も有用に用いられる。
【0083】
これら光重合開始剤には、増感剤や光安定剤を併用することができる。
その具体例として、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、9−フルオレノン、2−クロロ−9−フルオレノン、2−メチル−9−フルオレノン、9−アントロン、2−ブロモ−9−アントロン、2−エチル−9−アントロン、9,10−アントラキノン、2−エチル−9,10−アントラキノン、2−t−ブチル−9,10−アントラキノン、2,6−ジクロロ−9,10−アントラキノン、キサントン、2−メチルキサントン、2−メトキシキサントン、2−エトキシキサントン、チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、アクリドン、10−ブチル−2−クロロアクリドン、ベンジル、ジベンジルアセトン、p−(ジメチルアミノ)フェニルスチリルケトン、p−(ジメチルアミノ)フェニル−p−メチルスチリルケトン、ベンゾフェノン、p−(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(又はミヒラーケトン)、p−(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ベンゾアントロン等や、特公昭51−48516号公報に記載のベンゾチアゾール系化合物等や、チヌビン1130、同400等が挙げられる。
【0084】
本発明の染料含有硬化性組成物には、上記の光重合開始剤のほか、他の公知の開始剤を含有することができる。具体的には、米国特許第2,367,660号明細書に開示されているビシナールポリケトルアルドニル化合物、米国特許第2,367,661号及び第2,367,670号明細書に開示されているα−カルボニル化合物、米国特許第2,448,828号明細書に開示されているアシロインエーテル、米国特許第2,722,512号明細書に開示されているα−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3,046,127号及び第2,951,758号明細書に開示されている多核キノン化合物、米国特許第3,549,367号明細書に開示されているトリアリルイミダゾールダイマー/p−アミノフェニルケトンの組合せ、特公昭51−48516号公報に開示されているベンゾチアゾール系化合物/トリハロメチール−s−トリアジン系化合物、等を挙げることができる。
【0085】
光重合開始剤(及び公知の開始剤)の総含有量としては、前記重合性のモノマーの固形分(質量)に対して、0.01〜50質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましく、1〜20質量%が特に好ましい。該総含有量が、0.01質量%より少ないと重合が進み難くなることがあり、50質量%を超えると、重合率は大きくなるが分子量が低くなり膜強度が弱くなることがある。
【0086】
−(D)溶剤−
本発明の染料含有硬化性組成物を調製する際に一般に溶剤を含有する。溶剤は、各成分の溶解性や染料含有硬化性組成物の塗布性を満足すれば基本的に特に限定されないが、特に染料、アルカリ可溶性樹脂の溶解性、塗布性、安全性を考慮して選ばれることが好ましい。
【0087】
前記溶剤としては、エステル類、例えば、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アルキルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、等;
【0088】
3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチル等の3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類、例えば、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、等;2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル等の2−オキシプロピオン酸アルキルエステル類、例えば、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、等;ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル、等;
【0089】
エーテル類、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、等;
【0090】
ケトン類、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、等;芳香族炭化水素類、例えば、トルエン、キシレン、等が好ましい。
【0091】
これらのうち、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメテルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等がより好ましい。
【0092】
これらの溶剤は、染料およびアルカリ可溶性樹脂の溶解性、塗布面状の改良などの観点から、2種以上を混合してもよく、特に、前記3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、およびプロピレングリコールメチルエーテルアセテートから選択される2種以上で構成される混合溶液が好適に用いられる。
【0093】
−(E)架橋剤−
架橋剤は、光若しくは放射線の照射により光重合開始剤から発生した酸若しくはラジカルにより活性化され、前記アルカリ可溶性樹脂と反応して架橋を生じたり、架橋剤自身が相互に結合若しくは重合によって架橋を生じさせることで、露光部分のアルカリ現像液への溶解性を低下させて画像を得る目的で用いられる。また、必要に応じて、画像形成後に加熱してパターンを十分硬化させる目的でも架橋剤が有用である。
【0094】
したがって、本発明に係る架橋剤としては、架橋、重合反応により膜硬化を行えるものであれば特に限定はなく、例えば、(a)エポキシ樹脂、(b)メチロール基、アルコキシメチル基、及びアシロキシメチル基から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換された、メラミン化合物、グアナミン化合物、グリコールウリル化合物又はウレア化合物、(c)メチロール基、アルコキシメチル基、及びアシロキシメチル基から選ばれる少なくとも一つの置換基で置換された、フェノール化合物、ナフトール化合物又はヒドロキシアントラセン化合物、(d)重合性モノマー化合物、が挙げられる。
【0095】
前記(a)エポキシ樹脂としては、エポキシ基を有し、かつ架橋性を有するものであればいずれであってもよく、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル、へキサンジオールジグリシジルエーテル、ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル、フタル酸ジグリシジルエステル、N,N−ジグリシジルアニリン等の2価のグリシジル基含有低分子化合物、同様に、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリメチロールフェノールトリグリシジルエーテル、TrisP−PAトリグリシジルエーテル等に代表される3価のグリシジル基含有低分子化合物、同様に、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、テトラメチロールビスフェノールAテトラグリシジルエーテル等に代表される4価のグリシジル基含有低分子化合物、同様に、ジペンタエリスリトールペンタグリシジルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサグリシジルエーテル等の多価グリシジル基含有低分子化合物、ポリグリシジル(メタ)アクリレート、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物等に代表されるグリシジル基含有高分子化合物、等が挙げられる。
【0096】
前記架橋剤(b)に含まれるメチロール基、アルコキシメチル基、アシロキシメチル基が置換している数としては、メラミン化合物の場合2〜6、グリコールウリル化合物、グアナミン化合物、ウレア化合物の場合は2〜4であるが、好ましくはメラミン化合物の場合5〜6、グリコールウリル化合物、グアナミン化合物、ウレア化合物の場合は3〜4である。
以下、前記(b)のメラミン化合物、グアナミン化合物、グリコールウリル化合物及びウレア化合物を総じて、(b)に係る(メチロール基、アルコキシメチル基又はアシロキシメチル基含有)化合物という。
【0097】
前記(b)に係るメチロール基含有化合物は、アルコキシメチル基含有化合物をアルコール中で塩酸、硫酸、硝酸、メタンスルホン酸等の酸触媒存在下、加熱することにより得られる。前記(b)に係るアシロキシメチル基含有化合物は、メチロール基含有化合物を塩基性触媒存在下、アシルクロリドと混合攪拌することにより得られる。
【0098】
以下、前記置換基を有する(b)に係る化合物の具体例を挙げる。
前記メラミン化合物として、例えば、ヘキサメチロールメラミン、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサメチロールメラミンのメチロール基の1〜5個がメトキシメチル化した化合物又はその混合物、ヘキサメトキシエチルメラミン、ヘキサアシロキシメチルメラミン、ヘキサメチロールメラミンのメチロール基の1〜5個がアシロキシメチル化した化合物又はその混合物、などが挙げられる。
【0099】
前記グアナミン化合物として、例えば、テトラメチロールグアナミン、テトラメトキシメチルグアナミン、テトラメチロールグアナミンの1〜3個のメチロール基をメトキシメチル化した化合物又はその混合物、テトラメトキシエチルグアナミン、テトラアシロキシメチルグアナミン、テトラメチロールグアナミンの1〜3個のメチロール基をアシロキシメチル化した化合物又はその混合物などが挙げられる。
【0100】
前記グリコールウリル化合物としては、例えば、テトラメチロールグリコールウリル、テトラメトキシメチルグリコールウリル、テトラメチロールグリコールウリルのメチロール基の1〜3個をメトキシメチル化した化合物又はその混合物、テトラメチロールグリコールウリルのメチロール基の1〜3個をアシロキシメチル化した化合物又はその混合物、などが挙げられる。
【0101】
前記ウレア化合物として、例えば、テトラメチロールウレア、テトラメトキシメチルウレア、テトラメチロールウレアの1〜3個のメチロール基をメトキシメチル化した化合物又はその混合物、テトラメトキシエチルウレア、などが挙げられる。
これら(b)に係る化合物は、単独で使用してもよく、組合わせて使用してもよい。
【0102】
前記(c)の架橋剤、即ち、メチロール基、アルコキシメチル基、及びアシロキシメチル基から選ばれる少なくとも一つの基で置換された、フェノール化合物、ナフトール化合物又はヒドロキシアントラセン化合物は、前記架橋剤(b)の場合と同様、熱架橋により上塗りフォトレジストとのインターミキシングを抑制すると共に、膜強度を更に高めるものである。以下、これら化合物を総じて、(c)に係る(メチロール基、アルコキシメチル基又はアシロキシメチル基含有)化合物ということがある。
【0103】
前記架橋剤(c)に含まれるメチロール基、アシロキシメチル基又はアルコキシメチル基の数としては、一分子当り最低2個必要であり、熱架橋性及び保存安定性の観点から、骨格となるフェノール化合物の2位,4位が全て置換されている化合物が好ましい。また、骨格となるナフトール化合物、ヒドロキシアントラセン化合物も、OH基のオルト位、パラ位が全て置換されている化合物が好ましい。また、フェノール化合物の3位又は5位は、未置換であっても置換基を有していてもよく、ナフトール化合物においても、OH基のオルト位以外は、未置換であっても置換基を有していてもよい。
【0104】
前記(c)に係るメチロール基含有化合物は、フェノール性OH基の2位又は4位が水素原子であるフェノール性OH基含有化合物を原料に用い、これを水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド等の、塩基性触媒の存在下でホルマリンと反応させることにより得られる。前記(c)に係るアルコキシメチル基含有化合物は、(c)に係るメチロール基含有化合物をアルコール中で塩酸、硫酸、硝酸、メタンスルホン酸等の酸触媒の存在下で加熱することにより得られる。前記(c)に係るアシロキシメチル基含有化合物は、(c)に係るメチロール基含有化合物を塩基性触媒の存在下アシルクロリドと反応させることにより得られる。
【0105】
架橋剤(c)における骨格化合物としては、フェノール性OH基のオルト位又はパラ位が未置換の、フェノール化合物、ナフトール、ヒドロキシアントラセン化合物等が挙げられ、例えば、フェノール、クレゾールの各異性体、2,3−キシレノ−ル、2,5−キシレノ−ル、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、ビスフェノールAなどのビスフェノール類、4,4’−ビスヒドロキシビフェニル、TrisP−PA(本州化学工業(株)製)、ナフトール、ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシアントラセン、等が使用される。
【0106】
前記架橋剤(c)の具体例としては、フェノール化合物として、例えば、トリメチロールフェノール、トリ(メトキシメチル)フェノール、トリメチロールフェノールの1〜2個のメチロール基をメトキシメチル化した化合物、トリメチロール−3−クレゾール、トリ(メトキシメチル)−3−クレゾール、トリメチロール−3−クレゾールの1〜2個のメチロール基をメトキシメチル化した化合物、2,6−ジメチロール−4−クレゾール等のジメチロールクレゾール、テトラメチロールビスフェノールA、テトラメトキシメチルビスフェノールA、テトラメチロールビスフェノールAの1〜3個のメチロール基をメトキシメチル化した化合物、テトラメチロール−4,4’−ビスヒドロキシビフェニル、テトラメトキシメチル−4,4’−ビスヒドロキシビフェニル、TrisP−PAのヘキサメチロール体、TrisP−PAのヘキサメトキシメチル体、TrisP−PAのヘキサメチロール体の1〜5個のメチロール基をメトキシメチル化した化合物、ビスヒドロキシメチルナフタレンジオール、等が挙げられる。
【0107】
また、ヒドロキシアントラセン化合物として、例えば、1,6−ジヒドロキシメチル−2,7−ジヒドロキシアントラセン等が挙げられ、アシロキシメチル基含有化合物として、例えば、上記メチロール基含有化合物のメチロール基を、一部又は全部アシロキシメチル化した化合物等が挙げられる。
【0108】
これらの化合物の中で好ましいものとしては、トリメチロールフェノール、ビスヒドロキシメチル−p−クレゾール、テトラメチロールビスフェノールA、TrisP−PA(本州化学工業(株)製)のヘキサメチロール体又はそれらのメチロール基がアルコキシメチル基及びメチロール基とアルコキシメチル基の両方で置換されたフェノール化合物が挙げられる。
これら(c)に係る化合物は、単独で使用してもよく、組合わせて使用してもよい。
【0109】
次に、前記(d)重合性モノマー化合物について説明する。重合性モノマー化合物としては、少なくとも1個の付加重合可能なエチレン基を有する、常圧下で100℃以上の沸点を持つエチレン性不飽和基を持つ化合物が好ましい。
その例としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、等の単官能のアクリレートやメタアクリレート、
【0110】
ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート、グリセリンやトリメチロールエタン等の多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後(メタ)アクリレート化したもの、
【0111】
特公昭48−41708号、特公昭50−6034号、特開昭51−37193号各公報に記載されているようなウレタンアクリレート類、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号各公報に記載のポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタアクリレート、等を挙げることができる。更に、日本接着協会誌Vol.20、No.7、300〜308頁に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものが挙げられる。
【0112】
前記架橋剤(a)〜(d)の染料含有硬化性組成物における総含有量としては、素材により異なるが、該組成物の固形分に対して、1〜70質量%が好ましく、5〜50質量%がより好ましく、7〜30質量%が特に好ましい。
【0113】
−(F)その他−
〈熱重合防止剤〉
本発明の染料含有硬化性組成物には、以上のほか、更に熱重合防止剤を加えておくことが好ましい。例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−メルカプトベンゾイミダゾール等が有用である。
【0114】
〈各種添加物〉
本発明の染料含有硬化性組成物には、必要に応じて、各種添加物、例えば充填剤、上記以外の高分子化合物、界面活性剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤等を配合することができる。また必要に応じ、染料の褪色防止剤も添加することもできる。
【0115】
前記各種添加物の具体例としては、ガラス、アルミナ等の充填剤;ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリフロロアルキルアクリレート等の結着樹脂以外の高分子化合物;ノニオン系、カチオン系、アニオン系等の界面活性剤;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等の密着促進剤;2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチルフェノール等の酸化防止剤;2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノン等の紫外線吸収剤;及びポリアクリル酸ナトリウム等の凝集防止剤を挙げることができる。
【0116】
また、非画像部のアルカリ溶解性を促進し、本発明の染料含有硬化性組成物の現像性の更なる向上を図る場合には、該組成物に有機カルボン酸、好ましくは分子量1000以下の低分子量有機カルボン酸の添加を行うことができる。
具体的には、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバル酸、カプロン酸、ジエチル酢酸、エナント酸、カプリル酸等の脂肪族モノカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、ジメチルマロン酸、メチルコハク酸、テトラメチルコハク酸、シトラコン酸等の脂肪族ジカルボン酸;トリカルバリル酸、アコニット酸、カンホロン酸等の脂肪族トリカルボン酸;安息香酸、トルイル酸、クミン酸、ヘメリト酸、メシチレン酸等の芳香族モノカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリト酸、トリメシン酸、メロファン酸、ピロメリト酸等の芳香族ポリカルボン酸;フェニル酢酸、ヒドロアトロパ酸、ヒドロケイ皮酸、マンデル酸、フェニルコハク酸、アトロパ酸、ケイ皮酸、ケイ皮酸メチル、ケイ皮酸ベンジル、シンナミリデン酢酸、クマル酸、ウンベル酸等のその他のカルボン酸が挙げられる。
【0117】
《カラーフィルタ及びその製造方法》
次に、本発明のカラーフィルタについて、その製造方法を通じて詳述する。
本発明のカラーフィルタの製造方法においては、既述の本発明の染料含有硬化性組成物が用いられる。本発明の染料含有硬化性組成物がネガ型に構成されている場合、ネガ型染料含有硬化性組成物を支持体上に回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の塗布方法により塗布して感放射線性組成物層を形成し、該層を所定のマスクパターンを介して露光し、現像液で現像することによって、ネガ型の着色パターンを形成する(画像形成工程)。また、必要により、形成された着色パターンを加熱及び/又は露光により硬化する硬化工程を含んでいてもよい。
【0118】
本発明の染料含有硬化性組成物がポジ型に構成されている場合、ポジ型染料含有硬化性組成物を支持体上に回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の塗布方法により塗布して感放射線性組成物層を形成し、該層を所定のマスクパターンを介して露光し、現像液で現像することによって、ポジ型の着色パターンを形成した後(画像形成工程)、形成された着色パターンを加熱して硬化する(ポストベーク)。
【0119】
カラーフィルタの作製においては、ネガ型の場合は、前記画像形成工程(及び必要により硬化工程)を所望の色相数だけ繰り返すことにより、ポジ型の場合は、前記画像形成工程及びポストベークを所望の色相数だけ繰り返すことにより、所望の色相よりなるカラーフィルタを作製することができる。
この際に使用される光若しくは放射線としては、特にg線、h線、i線等の紫外線が好ましく用いられる。
【0120】
前記基板としては、例えば、液晶表示素子等に用いられるソーダガラス、パイレックス(R)ガラス、石英ガラス及びこれらに透明導電膜を付着させたものや、撮像素子等に用いられる光電変換素子基板、例えばシリコン基板等や、相補性金属酸化膜半導体(CMOS)等が挙げられる。これらの基板は、各画素を隔離するブラックストライプが形成されている場合もある。
また、これらの基板上には、必要により、上部の層との密着改良、物質の拡散防止あるいは基板表面の平坦化のために下塗り層を設けてもよい。
【0121】
前記現像液としては、本発明の染料含有硬化性組成物の未硬化部を溶解する一方、硬化部は溶解しない組成よりなるものであればいかなるものも用いることができる。具体的には、種々の有機溶剤の組合わせやアルカリ性の水溶液を用いることができる。前記有機溶剤としては、本発明の染料含有硬化性組成物を調製する際に使用される前述の溶剤が挙げられる。
【0122】
前記アルカリ性の水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム,硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−〔5.4.0〕−7−ウンデセン等のアルカリ性化合物を、濃度が0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜1質量%となるように溶解してなるアルカリ性水溶液が好適である。尚、このようなアルカリ性水溶液からなる現像液を使用した場合は、一般に、現像後水で洗浄する。
【0123】
本発明のカラーフィルタは、特に100万画素を超えるような高解像度のCCD素子やCMOS、エレクトロルミネッセンス用等に好適である。本発明のカラーフィルタは、例えば、CCDを構成する各画素の受光部と集光するためのマイクロレンズとの間に配置されるカラーフィルタとして用いることができる。
【0124】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
【0125】
(実施例1)
1)レジスト溶液の調製
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート … 5.20部
(PGMEA)
・エチルラクテート(EL) …50.6部
・アルカリ可溶性樹脂 …30.5部
(メタクリル酸ベンジル/メタクリル酸/メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル共重合体(=60:20:20[モル比])の41%EL溶液
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート …12.2部
・重合禁止剤(p−メトキシフェノール) … 0.006部
・フッ素系界面活性剤 … 0.80部
・光重合開始剤TAZ−107(緑化学社製) … 0.68部
を混合して溶解し、レジスト溶液を調製した。
【0126】
2)下塗り層付ガラス基板の作成
ガラス基板(コーニング1737)を1%NaOH水で超音波洗浄した後、水洗、脱水ベーク(200℃/30分)を行なった。次いで、前記1)で得たレジスト溶液を、洗浄後のガラス基板上に膜厚2μmになるようにスピンコーターを用いて塗布し、220℃で1時間加熱乾燥し、硬化膜(下塗り層)を形成した。
【0127】
3)染料レジスト溶液(ネガ型)の調製
前記1)で得られたレジスト溶液9.4gと、本発明に係る染料であるα−テトラ−(2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルオキシ)−コバルトフタロシアニン〔一般式(I)で表される化合物〕0.65gとを混合し溶解して、染料レジスト溶液(本発明の染料含有硬化性組成物(ネガ型)の溶液)を得た。
【0128】
4)染料含有硬化性組成物の露光・現像(画像形成工程)
前記3)で得られた染料レジスト溶液を、前記2)で得られた下塗り層付ガラス基板の下塗り層の上に膜厚が1.0μmになるようにスピンコーターを用いて塗布し、110℃で60秒間プリベークした。
【0129】
次いで、露光装置を使用して、塗布膜に365nmの波長で20μmマスクを通して500mJ/cm2の露光量で照射した。照射後、CD−2000(富士フイルムアーチ(株)製)現像液を使用して、25℃で40秒間現像した。その後、流水で30秒間リンスした後、スプレー乾燥して、シアン色のパターン画像を得た。画像形成は、光学顕微鏡及びSEM写真観察により通常の方法で確認した。形成されたパターン画像は矩形なプロファイルを示した。
【0130】
5)評価
−保存安定性−
上記のように調製した染料レジスト溶液を、室温で1ケ月保存した後の異物の析出度合いを下記基準にしたがって目視により評価した。
〔基準〕
◎:異物の析出は全く認められなかった。
○:異物の析出はほとんど認められなかった。
△:僅かに析出が認められた。
×:析出が顕著に認められた。
【0131】
−耐熱性−
染料レジスト溶液が塗布されたガラス基板を、該基板面において接するようにホットプレート上に載置し200℃で1時間加熱した後、色度計(MCPD−1000、大塚電子(株)製)を用いて、載置する前後でのパターン画像における色度変化、すなわちΔEab値を測定した。得られたΔEab値を耐熱性を程度を示す指標とし、下記基準に基づいて評価した。なお、ΔEab値の小さい方が耐熱性に優れることを示す。
〔基準〕
○:ΔEab値が5以下であった。
△:ΔEab値が5〜10であった。
×:ΔEab値が10以上であった。
【0132】
−耐光性−
染料レジスト溶液が塗布されたガラス基板に対して、キセノンランプを10万luxで20時間照射(200万lux・h相当)した後、照射前後でのパターン画像における色度変化、すなわちΔEab値を測定した。得られたΔEab値を耐熱性を程度を示す指標とし、下記基準に基づいて評価した。なお、ΔEab値の小さい方が耐熱性に優れることを示す。
〔基準〕
○:ΔEab値が3以下であった。
△:ΔEab値が3〜10であった。
×:ΔEab値が10以上であった。
【0133】
(実施例2〜14)
実施例1において、3)染料レジスト溶液の調製に用いた染料を下記表1に記載の染料に各々に代えたこと以外、実施例1と同様にして、パターン画像を形成すると共に、評価を行なった。評価結果は下記表1に示す。
【0134】
(比較例1〜6)
実施例1において、3)染料レジスト溶液の調製に用いた染料を下記表1に記載の染料に各々に代えたこと以外、実施例1と同様にして、パターン画像を形成すると共に、評価を行なった。評価結果は下記表1に示す。
【0135】
【表1】
【0136】
上記表1に示すように、染料に一般式(I)で表されるフタロシアニン化合物を含有した本発明の染料含有硬化性組成物は、保存安定性が良好であり、しかも形成されたパターン画像は矩形のプロファイルを示し、耐熱性、耐光性にも優れていた。また、染料のフタロシアニン骨格にフッ素置換アルコキシ基が置換され、その置換位置をα位とした実施例1〜11では、置換位置をβ位とした実施例12〜14よりも保存安定性、耐熱性、耐光性の全てにおいて良好であった。
一方、比較例1〜6のように、染料のフタロシアニン骨格のα位が置換されている場合であっても該置換基がアルコキシ基である比較例では、保存安定性、耐熱性、耐光性の全てを満足することはできなかった。
【0137】
(実施例15)
を混合、溶解して、溶液状のポジ型の染料含有硬化性組成物を得た。
【0138】
−樹脂P−1の合成−
ベンジルメタクリレート123.35g、メタクリル酸17.21g、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル13.01g、および2−メトキシプロパノール600gを三口フラスコに仕込み、攪拌装置と還流冷却管、温度計を取り付け、窒素気流下70℃にて重合開始剤V−65(和光純薬工業(株)製)を触媒量添加して8時間攪拌した。得られた樹脂溶液を、20Lのイオン交換水に激しく攪拌しながら滴下し、白色粉体を得た。得られた白色粉体を40℃で24時間真空乾燥して、145gの樹脂P−1を得た。この樹脂P−1の組成比を13C−NMRで測定したところ、ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル=7/2/1(モル比)であった。また、樹脂P−1の分子量をGPCにて測定したところ、重量平均分子量Mw=25,000 数平均分子量Mn=10,000であり、その分子量分布Mw/Mnは2.5であった。
【0139】
−ナフトキノンジアジド化合物N−1の合成−
Trisp−PA(本州化学(株)製)42.45g、o−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリド61.80g、およびアセトン300mlを三口フラスコに仕込み、室温下でトリエチルアミン24.44gを1時間かけて滴下した。滴下終了後さらに2時間攪拌した後、得られた反応液を大量の水に攪拌しながら注いだ。沈殿したナフトキノンジアジドスルホン酸エステルを吸引ろ過により集め、40℃で24時間真空乾燥して、ナフトキノンジアジド化合物N−1を得た。
【0140】
2)染料含有硬化性組成物の露光・現像等および評価
実施例1と同様にして、塗布、プリベーク、照射、現像およびリンス、乾燥を行なってシアン色のパターン画像を得、その後パターン画像を180℃で5分間加熱した。形成されたパターン画像は矩形なプロファイルを示した。また、実施例1と同様にして、染料含有硬化性組成物の保存安定性、並びにパターン画像の耐熱性および耐光性の評価を行なったところ、下記表2に示すようにいずれも優れていることが判った。
【0141】
【表2】
【0142】
(実施例16〜29)
実施例1〜14で用いたガラス基板を、シリコンウエハー基板に代えたこと以外、実施例1〜14と同様の操作を行なって各々パターン画像を形成した。次いで、i線縮小投影露光装置を用いて2μmの正方形パターンに500mj/cm2の露光量で照射し、照射後、60%CD−2000(富士フイルムアーチ(株)製)現像液を使用して26℃で60秒間現像した。その後、流水で20秒間リンスした後、スプレー乾燥した。これにより、正方形の断面が矩形のCCD用カラーフィルタとして好適なパターンが得られた。
【0143】
【発明の効果】
本発明によれば、溶剤溶解性に優れたフタロシアニン化合物を含み、耐熱性、耐光性が良好で安定な染料含有硬化性組成物を提供することができる。特にシアン色用として好適である。また、
本発明によれば、前記染料含有硬化性組成物を用いて構成され、鮮鋭で色相が良好であると共に、耐熱性、耐光性に特に優れたカラーフィルタ、並びに矩形状の良好なパターンで高解像度に構成され、耐熱性、耐光性を具えたカラーフィルタを作製し得るカラーフィルタの製造方法を提供することができる。
Claims (8)
- 前記フタロシアニン化合物が、Yの置換位置がPcで表されるフタロシアニン骨格のα位であり、かつ前記mが1または2を表し、前記nが3〜5の整数を表すα−テトラ(フルオロアルコキシ)置換フタロシアニン化合物である請求項2に記載の染料含有硬化性組成物。
- 前記(C)感光性化合物がナフトキノンジアジド化合物である請求項1〜3のいずれか1項に記載の染料含有硬化性組成物。
- (E)架橋剤を更に含む請求項4に記載の染料含有硬化性組成物。
- 前記(C)感光性化合物が光重合開始剤であり、更に(E)架橋剤を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の染料含有硬化性組成物。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の染料含有硬化性組成物を用いてなることを特徴とするカラーフィルタ。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の染料含有硬化性組成物を支持体上に塗布後、マスクを通して露光し、現像してパターンを形成する工程を有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
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