JP6818162B2 - 樹脂粒子及びトナーの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂粒子及びトナーの製造方法に関する。
近年、電子写真システムの発展に伴い、複写機やレーザープリンター等の電子写真装置の需要は急速に増加しており、それらの性能に対する要求も高度化している。
フルカラー電子写真用には従来、電子写真感光体等の潜像坦持体に色画像情報に基づく潜像を形成し、該潜像を対応する色のトナーにより現像し、次いで該トナー像を転写材上に転写するといった画像形成工程を繰り返した後、転写材上のトナー像を加熱定着して多色画像を得る方法や装置が知られている。
これらのプロセスを問題なく通過するためには、トナーはまず安定した帯電量を保持することが必要であり、次に紙への定着性が良好であることが必要とされる。また、装置は定着部に加熱体を有するため、装置内で温度が上昇することから、トナーは、装置内でブロッキングしないことが要求される。
更に、電子写真装置の小型化、高速化、高画質化の促進とともに、定着工程における消費エネルギーを低減するという省エネルギーの観点から、トナーの低温定着性の向上が強く求められている。
また、最近では用いられる転写材として、表面凹凸の大きい再生紙や、表面が平滑なコート紙など多くの種類の紙が用いられる。これらの転写材の表面性に対応するために、ソフトローラーやベルトローラーなどのニップ幅の広い定着器が好ましく用いられている。しかし、ニップ幅を広くすると、トナーと定着ローラーとの接触面積が増え、定着ローラーに溶融トナーが付着する、いわゆる高温オフセット現象が発生するため、耐オフセット性が要求されるのが前提である。
上記に加えて、多色画像(フルカラー)は写真画像などの再現等から白黒画像(モノクロ)に比べて高い光沢が必要とされ、得られる画像のトナー層が平滑になるようにする必要がある。
したがって、トナーは、高い光沢を有しながら耐オフセット性を維持しつつ、低温定着性を発現できる必要があり、広いワーキングレンジで高光沢なトナー画像を形成できることが要求されるようになってきている。
トナーバインダーは、上述のようなトナー特性に大きな影響を与えるものであり、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂等が知られているが、最近では、保存性と定着性のバランスを取りやすいことから、ポリエステル樹脂が特に注目されている。
定着温度幅を拡大させる方法として、高分子化用樹脂とポリエステル樹脂の混合物とイソシアネートとの反応生成物を用いたトナーが提案されている(特許文献1)。
しかしながら、この方法は高温でのオフセット現象はある程度防止できても、同時に定着下限温度も上昇するため低温定着が困難となり、また、イソシアネートから誘導されるウレア基やウレタン基の高凝集性により、樹脂の粉砕性が著しく悪くなる問題がある。更に、樹脂の均一性が損なわれ耐熱保存性も悪化し、未だ高速化、省エネルギー化の要求には充分に答えられていない。
一方において、静電荷像現像に使用されるトナーの製造方法には、大別して粉砕法と重合法とがある。
粉砕法では、トナーバインダー中に、着色剤、帯電制御剤、離型剤などを溶融混合して均一に分散させ、得られた組成物を粉砕、分級することによりトナーを製造している。粉砕法によれば、ある程度優れた特性を有するトナーを製造することができるが、トナー用材料の選択に制限がある。例えば、溶融混合により得られる組成物は、経済的に使用可能な装置により粉砕し、分級できるものでなければならない。このことから、溶融混合した組成物は、充分に脆くせざるを得ない。このため、実際にトナーバインダーを粉砕して粒子にする際に、広範囲の粒径分布が形成され易く、良好な解像度と階調性のある画像を得ようとすると、微粉と粗粉を分級により除去しなければならず、トナー収率が非常に低くなるという欠点がある。また、粉砕法では、着色剤や帯電制御剤などを熱可塑性樹脂中に均一に分散することが困難であり、不均一になる問題がある。不均一であると、トナーの流動性、帯電安定性、画像品質などに悪影響を及ぼす。
これらの粉砕法における問題点を克服するために、重合法によるトナーの製造方法が提案され、実施されている。静電荷像現像用のトナーを重合法によって製造する技術は公知であり、例えば乳化重合凝集法(特許文献2)や溶解懸濁法(特許文献3)によってトナー粒子を得ることが行われている。
特許文献2では、乳化重合凝集法により得られるトナーが提案されている。しかしながら、この方法はスチレン−アクリル樹脂を使用しているためトナーの低温定着性が不充分であり、未だ高画質化、高速化、省エネルギー化の要求には充分に答えられていない。またポリエステル樹脂を使用した場合、低温定着性は改良されるものの、樹脂の溶解性や分散性の観点から高分子量タイプのポリエステル樹脂の使用に制限があり、定着温度幅を拡大させることが難しい。
一方で、特許文献3では、溶解懸濁法により得られるトナーが提案されている。この方法は、ポリエステル樹脂、伸張剤、着色剤、離型剤等を、分散安定剤を含む水相中に撹拌しながら加えて油滴を形成させ、その後、昇温して重合反応を行わせることにより、トナー粒子を得る方法である。この溶解懸濁法によれば、ポリエステル樹脂を使用しながらトナー粒子の小粒径化や樹脂の均一化ができることで低温定着性、耐ホットオフセット性の両立も可能であるものの、伸張剤から誘導されるウレア基やウレタン基の(1)高凝集性によって光沢性を低下させる、(2)正帯電性によって帯電制御性を低下させるという問題がある。
以上、述べたように、低温定着性、光沢性、耐ホットオフセット性、帯電性及び粒度分布に優れ、耐熱保存性及び帯電安定性のすべてを満足する優れたトナーは、これまでなかった。
特開平4−211272号公報 特許第2537503号公報 特開2010−152002号公報
本発明は、低温定着性、光沢性、耐ホットオフセット性、帯電性及び粒度分布に優れ、耐熱保存性、帯電安定性及びクリニーング性のすべてを満足する樹脂粒子及びトナーの製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するべく検討を行った結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、アルコール成分(y)と不飽和カルボン酸成分(z)とを含有する成分を重縮合して得られたガラス転移温度(Tg)が−20〜57℃のポリエステル樹脂(a)を含有する樹脂微粒子を得た後、樹脂微粒子を凝集させ、融合させる樹脂粒子の製造方法であって、樹脂微粒子を得た後、ポリエステル樹脂(a)中の不飽和カルボン酸成分(z)由来の炭素−炭素二重結合同士を架橋反応させて変性樹脂にする工程を含む樹脂粒子の製造方法及び上記樹脂粒子の製造方法で得られた樹脂粒子を含んでなるトナーの製造方法である。
本発明により、低温定着性、光沢性、耐ホットオフセット性、帯電性及び粒度分布に優れ、耐熱保存性、帯電安定性及びクリーニング性のすべてを満足する樹脂粒子及びトナー製造方法を提供することが可能になる。
本発明の樹脂粒子の製造方法は、アルコール成分(y)と不飽和カルボン酸成分(z)とを含有する成分を重縮合して得られたガラス転移温度(Tg)が−20〜57℃のポリエステル樹脂(a)を含有する樹脂微粒子を得た後、樹脂微粒子を凝集させ、融合させる樹脂粒子の製造方法であって、樹脂微粒子を得た後、ポリエステル樹脂(a)中の不飽和カルボン酸成分(z)由来の炭素−炭素二重結合同士を架橋反応させて変性樹脂にする工程を含むことを特徴とする。
以下に、本発明の樹脂粒子の製造方法を順次、説明する。
本発明の製造方法により得られる樹脂粒子は、アルコール成分(y)と不飽和カルボン酸成分(z)とを含有する成分を重縮合して得られたポリエステル樹脂(a)が架橋した変性樹脂を必須成分として含む。
ポリエステル樹脂(a)が架橋した変性樹脂とは、実質的に分子内に炭素−炭素二重結合を有するポリエステル樹脂(a)を重縮合で得た後に、ポリエステル樹脂(a)中の不飽和カルボン酸成分(z)に起因する炭素−炭素二重結合同士で架橋反応が起って化学結合した非線形ポリエステル変性樹脂(A)のことである。
樹脂粒子が非線形ポリエステル変性樹脂(A)を含有することにより、該樹脂粒子及びこれを含んでなるトナーの耐ホットオフセット性、耐折り曲げ性、ドキュメントオフセット性及び画像強度が良好になる。
また、樹脂粒子中に含有される樹脂は1種類でもよいし、2種類以上の樹脂の混合物でもよく、例えばポリエステル樹脂(a)が架橋した変性樹脂と、後述するポリエステル樹脂(b){ポリエステル樹脂(a)を除くポリエステル樹脂であり、アルコール成分(y)と飽和カルボン酸成分(x)とを含有する成分を重縮合して得られたポリエステル樹脂}との組み合わせでもよい。
また、ポリエステル樹脂(a)、ポリエステル樹脂(b)はそれぞれ1種類を用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
また、本発明におけるポリエステル樹脂(a)は1種類以上のアルコール成分(y)と1種類以上の不飽和カルボン酸成分(z)とを含有する成分を重縮合して得られ、不飽和カルボン酸成分(z)に起因する炭素−炭素二重結合を分子内に有する。
さらに、ポリエステル樹脂(a)は、アルコール成分(y)と不飽和カルボン酸成分(z)以外に、1種類以上の飽和カルボン酸成分(x)を構成原料として併用して重縮合して得られるポリエステル樹脂であってもよい。
アルコール成分(y)としては、モノオール(y1)、ジオール(y2)及び3価以上の価数のポリオール(y3)等が挙げられる。
モノオール(y1)としては、炭素数1〜30のアルカノール(メタノール、エタノール、イソプロパノール、ドデシルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール及びベヘニルアルコール等)等が挙げられる。
これらモノオールのうち好ましいものは炭素数8〜24のアルカノールであり、より好ましくはドデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、およびこれらの2以上の併用である。
ジオール(y2)としては、炭素数2〜36のアルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール及び1,12−ドデカンジオール等)、炭素数4〜36のアルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びポリテトラメチレンエーテルグリコール等)、炭素数6〜36の脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール及び水素添加ビスフェノールA等)、上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド((ポリ)オキシアルキレン)付加物(好ましくは平均付加モル数1〜30)、芳香族ジオール[単環2価フェノール(例えばハイドロキノン等)及びビスフェノール類等]及び上記芳香族ジオールのアルキレンオキサイド付加物(好ましくは平均付加モル数2〜30)等が挙げられる。
これらのうち、低温定着性と耐熱保存性の観点から、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物が好ましい。アルキレンオキサイドにおいて、アルキレン基の炭素数は好ましくは2〜4(エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等)である。
ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物は、一般的に、ビスフェノール類にアルキレンオキサイド(以下、「アルキレンオキサイド」をAOと略記することがある。)を付加して得られる。ビスフェノール類としては、下記一般式(1)で示されるものが挙げられる。
HO−Ar−P−Ar−OH (1)
[式中、Pは炭素数1〜3のアルキレン基、−SO−、−O−、−S−、又は直接結合を表し、Arは、水素原子がハロゲン原子又は炭素数1〜30のアルキル基で置換されていてもよいフェニレン基を表す。]
ビスフェノール類としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールB、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、トリクロロビスフェノールA、テトラクロロビスフェノールA、ジブロモビスフェノールF、2−メチルビスフェノールA、2,6−ジメチルビスフェノールA及び2,2’−ジエチルビスフェノールF等が挙げられ、これらは2種以上を併用することもできる。
これらビスフェノール類に付加するアルキレンオキサイドとしては、炭素数が2〜4のアルキレンオキサイドが好ましく、例えば、エチレンオキサイド(以下、「エチレンオキサイド」をEOと略記することがある。)、プロピレンオキサイド(「1,2−プロピレンオキサイド」を意味し、以下、POと略記することがある。)、1,3−プロピレンオキサイド、1,2−、2,3−、1,3−又はiso−ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン及びこれらの2種以上の併用が挙げられる。
耐熱保存性及び低温定着性の観点から、ビスフェノール類のAO付加物を構成するAOは、好ましくはEO及びPOである。AOの平均付加モル数は、好ましくは2〜30モル、より好ましくは2〜10モルである。
ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物のうち、トナーの定着性の観点から好ましいものは、ビスフェノールAのEO付加物及びビスフェノールAのPO付加物(平均付加モル数は好ましくは2〜4、より好ましくは2〜3)である。
3価以上の価数のポリオール(y3)としては、炭素数3〜36の3価以上の価数の脂肪族多価アルコール(y31)、糖類及びその誘導体(y32)、脂肪族多価アルコールのAO付加物(平均付加モル数は好ましくは1〜30)(y33)、トリスフェノール類(トリスフェノールPA等)のAO付加物(平均付加モル数は好ましくは2〜30)(y34)、ノボラック樹脂(フェノールノボラック及びクレゾールノボラック等が含まれ、平均重合度としては好ましくは3〜60)のAO付加物(平均付加モル数は好ましくは2〜30)(y35)等が挙げられる。
炭素数3〜36の3価以上の価数の脂肪族多価アルコール(y31)としては、アルカンポリオール及びその分子内又は分子間脱水物が挙げられ、より具体的にはグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、ポリグリセリン及びジペンタエリスリトール等が挙げられる。
糖類及びその誘導体(y32)としては、具体的にはショ糖及びメチルグルコシド等が挙げられる。脂肪族多価アルコールのAO付加物(y33)としては、上記の炭素数3〜36の3価以上の価数の脂肪族多価アルコール(y31)のAO付加物(平均付加モル数は好ましくは1〜30)が挙げられる。
アルコール成分(y)として2価のジオール(y2)と3価以上の価数のポリオール(y3)を併用することは、耐熱保存性と耐ホットオフセット性観点から好ましい。
これらのアルコール成分(y)のうち、低温定着性と耐ホットオフセット性の両立の観点から好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコール;ビスフェノール類のAO付加物(平均付加モル数は好ましくは2〜30);炭素数3〜36の3価以上の脂肪族多価アルコール;及びノボラック樹脂(フェノールノボラック及びクレゾールノボラック等が含まれ、平均重合度としては好ましくは3〜60)のAO付加物(平均付加モル数は好ましくは2〜30)である。
耐熱保存性の観点からさらに好ましいものは、炭素数2〜10のアルキレングリコール、ビスフェノール類のAO付加物(平均付加モル数は好ましくは2〜5)、炭素数3〜15の3〜4価の脂肪族多価アルコール及びノボラック樹脂(フェノールノボラック及びクレゾールノボラック等が含まれ、平均重合度としては好ましくは3〜60)のAO付加物(平均付加モル数は好ましくは2〜30)である。
さらに好ましくは、炭素数2〜6のアルキレングリコール;炭素数3〜10の3価の脂肪族多価アルコール;及びビスフェノールAのAO付加物(平均付加モル数は好ましくは2〜5)であり、特に好ましくは、エチレングリコール、プロピレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、トリメチロールプロパン及びビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物(平均付加モル数2〜3)である。
不飽和カルボン酸(z)は重合性の炭素−炭素二重結合を有する。
本発明において、不飽和カルボン酸成分(z)であるか、飽和カルボン酸成分(x)であるかの判断に、芳香環の結合は考慮しない。芳香環部分以外が不飽和カルボン酸である化合物は、不飽和カルボン酸成分(z)と判断し、芳香環部分以外が飽和カルボン酸である化合物は、飽和カルボン酸成分(x)と判断する。
不飽和カルボン酸成分(z)としては、不飽和モノカルボン酸(z1)、不飽和ジカルボン酸(z2)、不飽和ポリカルボン酸(z3)及びこれらの酸の無水物や低級アルキルエステル等が挙げられる。不飽和カルボン酸成分(z)は1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
不飽和モノカルボン酸(z1)としては、炭素数2〜30の不飽和モノカルボン酸等が挙げられ、具体的にはアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、3−ブテン酸、アンゲリカ酸、チグリン酸、4−ペンテン酸、2−エチル−2−ブテン酸、10−ウンデセン酸、2,4−ヘキサジエン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、サピエン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、エイコセン酸、エルカ酸及びネルボン酸等が挙げられる。
不飽和ジカルボン酸(z2)としては、炭素数4〜50のアルケンジカルボン酸が挙げられ、具体的にはドデセニルコハク酸、ペンタデセニルコハク酸等のアルケニルコハク酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸及びグルタコン酸等が挙げられる。
不飽和ポリカルボン酸(z3)としては、3価以上の不飽和ポリカルボン酸が挙げられ、例えば、炭素数6〜50の3価以上のアルケンポリカルボン酸(具体的には、アコニット酸、3−ブテン−1,2,3−トリカルボン酸及び4−ペンテン−1,2,4−トリカルボン酸等のアルケントリカルボン酸、1−ペンテン−1,1,4,4−テトラカルボン酸、4−ペンテン−1,2,3,4−テトラカルボン酸及び3−ヘキセン−1,1,6,6−テトラカルボン酸等のアルケンテトラカルボン酸等)が挙げられる。不飽和ポリカルボン酸(z3)は、好ましくは3価又は4価の不飽和ポリカルボン酸である。
これらの不飽和カルボン酸成分(z)のうち、低温定着性と耐ホットオフセット性の両立の観点から好ましいものは、アクリル酸、メタクリル酸、アルケニルコハク酸、マレイン酸及びフマル酸及びこれらの2以上の併用である。
さらに好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸及びこれらの2以上の併用である。また、これらの酸の無水物や低級アルキルエステルも、同様に好ましい。
ポリエステル樹脂(a)を構成するカルボン酸成分として、不飽和カルボン酸成分(z)は必須であるが、飽和カルボン酸成分(x)を構成原料として併用してもよい。また、飽和カルボン酸成分(x)は1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
このような飽和カルボン酸成分(x)としては、脂肪族カルボン酸と芳香族カルボン酸が挙げられる。
脂肪族カルボン酸としては、炭素数2〜50の脂肪族モノカルボン酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸及びベヘン酸等)、炭素数2〜50の脂肪族ジカルボン酸(シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、レパルギン酸、セバシン酸及びドデカン二酸等)、炭素数6〜36の脂肪族トリカルボン酸(ヘキサントリカルボン酸等)等が挙げられる。
芳香族カルボン酸としては、炭素数7〜37の芳香族モノカルボン酸(安息香酸、トルイル酸、4−エチル安息香酸及び4−プロピル安息香酸等)、炭素数8〜36の芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸及びナフタレンジカルボン酸等)、炭素数9〜20の3価以上の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸及びピロメリット酸等)が挙げられる。
飽和カルボン酸成分(x)として、これらのカルボン酸の無水物、低級アルキル(炭素数1〜4)エステル(メチルエステル、エチルエステル及びイソプロピルエステル等)を用いてもよいし、該無水物又は低級アルキルエステルと、上記カルボン酸とを併用してもよい。
これらの飽和カルボン酸成分(x)のうち、低温定着性と耐ホットオフセット性の両立の観点から好ましいものは、炭素数2〜50の脂肪族ジカルボン酸、炭素数7〜37の芳香族モノカルボン酸、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸及び炭素数9〜20の3価以上の芳香族ポリカルボン酸である。
耐熱保存性、帯電性及び帯電安定性の観点からより好ましくは、安息香酸、アジピン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸及びこれらの2以上の併用である。
さらに好ましくは、アジピン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸及びこれらの2以上の併用である。これらの酸の無水物や低級アルキルエステルも、同様に好ましい。
本発明におけるポリエステル樹脂(a)は、特に限定はしないが高温下での弾性を向上させる観点から非線形ポリエステル樹脂であることが好ましい。
また、本発明におけるポリエステル樹脂(a)の製造方法は特に限定はしないが、前述のようにアルコール成分(y)と不飽和カルボン酸成分(z)とを含有する成分を重縮合することにより得られる。さらにポリエステル樹脂(a)が非線形ポリエステル樹脂である場合は、例えば不飽和カルボン酸成分(z)に加えて、アルコール成分(y)として3価以上のポリオールを用いる場合や、飽和カルボン酸成分(x)として3価以上のカルボン酸またはこの酸無水物もしくは低級アルキルエステルを用いる場合などが挙げられる。また、不飽和カルボン酸成分(z)として、3価以上の不飽和ポリカルボン酸(z3)を用いることによっても、非線形ポリエステル樹脂であるポリエステル樹脂(a)を得ることができる。非線形であることにより、樹脂粒子及びトナーの耐熱保存性と耐ホットオフセット性が向上する。
本発明において、ポリエステル樹脂(a)等は、公知のポリエステル樹脂と同様にして製造することができる。
例えば、アルコール成分(y)と不飽和カルボン酸成分(z)とを含有する成分を、不活性ガス(窒素ガス等)雰囲気中で、反応温度が好ましくは150〜280℃、より好ましくは160〜250℃、さらに好ましくは170〜235℃で反応させることにより行うことができる。また反応時間は、重縮合反応を確実に行う観点から、好ましくは30分以上、より好ましくは2〜40時間である。
このとき必要に応じてエステル化触媒を使用することができる。エステル化触媒の例には、スズ含有触媒(例えばジブチルスズオキシド等)、三酸化アンチモン、チタン含有触媒[例えばチタンアルコキシド、シュウ酸チタン酸カリウム、テレフタル酸チタン、テレフタル酸チタンアルコキシド、特開2006−243715号公報に記載の触媒〔チタニウムジイソプロポキシビス(トリエタノールアミネート)、チタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)、チタニウムモノヒドロキシトリス(トリエタノールアミネート)、チタニルビス(トリエタノールアミネート)及びそれらの分子内重縮合物等〕、及び特開2007−11307号公報に記載の触媒(チタントリブトキシテレフタレート、チタントリイソプロポキシテレフタレート、及びチタンジイソプロポキシジテレフタレート等)等]、ジルコニウム含有触媒(例えば酢酸ジルコニル等)、及び酢酸亜鉛等が挙げられる。これらの中で好ましくはチタン含有触媒である。反応末期の反応速度を向上させるために減圧することも有効である。
また、ポリエステル重合安定性を得る目的で、安定剤を添加してもよい。安定剤としては、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン及びヒンダードフェノール化合物等が挙げられる。
アルコール成分(y)と、不飽和カルボン酸成分(z)及び飽和カルボン酸成分(x)の合計との仕込み比率は、水酸基とカルボキシル基の当量比[OH]/[COOH]として、好ましくは2/1〜1/2、より好ましくは1.5/1〜1/1.3、さらに好ましくは1.4/1〜1/1.2である。上記水酸基は、アルコール成分(y)由来の水酸基であり、カルボキシル基は、不飽和カルボン酸成分(z)及び飽和カルボン酸成分(x)由来のカルボキシル基の合計である。
ポリエステル樹脂(a)の製造に使用される不飽和カルボン酸成分(z)は、不飽和カルボン酸成分(z)と飽和カルボン酸成分(x)との合計モル数を基準として、3〜50モル%が好ましく、4〜40モル%であることがより好ましく、5〜35モル%がさらに好ましい。
ポリエステル樹脂(a)のガラス転移温度(Tg)は、−20〜57℃である。Tgが57℃以下であると低温定着性が良好になり、−20℃以上であると耐熱保存性が良好になる。Tgは、好ましくは−18〜50℃、より好ましくは−15〜45℃であり、さらに好ましくは−10〜40℃である。
なお、ガラス転移温度(Tg及びTg)は、ASTM D3418−82に規定の方法(DSC法)で測定することができる。ガラス転移温度(Tg及びTg)は、例えばTA Instruments(株)製、DSC Q20を用いて測定することができる。ガラス転移温度の測定条件を記載する。
<測定条件>
(1)30℃から20℃/分で150℃まで昇温
(2)150℃で10分間保持
(3)20℃/分で−35℃まで冷却
(4)−35℃で10分間保持
(5)20℃/分で150℃まで昇温
(6)(5)の過程にて測定される示差走査熱量曲線を解析する。
ポリエステル樹脂(a)のピークトップ分子量は、耐ホットオフセット性、低温定着性及び光沢性の両立の点から、2,000〜20,000であることが好ましく、より好ましくは3,000〜18,000であり、さらに好ましくは3,500〜16,000であり、特に好ましくはピークトップ分子量が4,000〜11,900である。本発明において、樹脂のピークトップ分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)におけるピークトップ分子量である。
ここでピークトップ分子量(以下、Mpと略称することがある。)とは、試料の有する分子量分布を、標準ポリスチレン試料により作製された検量線の対数値とカウント数との関係から算出し、得られた分子量分布のチャート中のピーク最大値から求められた分子量である。チャート中のピークは1つとは限らないので、複数のピークがある場合はピーク値の中で最大値を示すピークから求める。なお、GPC測定の測定条件は、以下のとおりである。
本発明において、ポリエステル樹脂等の樹脂のピークトップ分子量、数平均分子量(以下、Mnと略称することがある。)、重量平均分子量(以下、Mwと略称することがある。)は、GPCを用いて以下の条件で測定することができる。本発明において、ピークトップ分子量、重量平均分子量及び数平均分子量は、THF可溶分のピークトップ分子量、重量平均分子量及び数平均分子量である。
装置(一例) : HLC−8120〔東ソー(株)製〕
カラム(一例): TSK GEL GMH6 2本 〔東ソー(株)製〕
測定温度 : 40℃
試料溶液 : 0.25重量%のTHF溶液
溶液注入量 : 100μL
検出装置 : 屈折率検出器
基準物質 : 東ソー(株)製 標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量 500 1,050 2,800 5,970 9,100 18,100 37,900 96,400 190,000 355,000 1,090,000 2,890,000)
分子量の測定は、0.25重量%になるようにポリエステル樹脂等をTHFに溶解し、不溶解分をグラスフィルターでろ別したものを試料溶液とする。
ポリエステル樹脂(a)の酸価は、帯電性安定性の観点から好ましくは0〜30mgKOH/g、より好ましくは0〜25mgKOH/g、さらに好ましくは0〜10mgKOH/gである。
ポリエステル樹脂(a)等の酸価は、JIS K0070(1992年版)に規定の方法で測定することができる。
ポリエステル樹脂(a)が架橋した変性樹脂とは、実質的に分子内に炭素−炭素二重結合を有するポリエステル樹脂(a)を重縮合で得た後に、例えば、ラジカル反応開始剤(c)から発生するラジカルを利用して、ポリエステル樹脂(a)中の不飽和カルボン酸成分(z)に起因する炭素−炭素二重結合同士で架橋反応が起って化学結合した変性樹脂のことである。
本発明でポリエステル樹脂(a)の架橋反応のために用いるラジカル反応開始剤(c)としては、特に制限されず、無機過酸化物(c1)、有機過酸化物(c2)及びアゾ化合物(c3)等が挙げられる。ラジカル反応開始剤(c)は1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
無機過酸化物(c1)としては、特に限定されないが、例えば過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム及び過硫酸ナトリウム等が挙げられる。
有機過酸化物(c2)としては、特に制限されないが、ベンゾイルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、t−ブチルクミルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、α、α−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)へキサン、ジ−t−へキシルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシへキシン−3、アセチルパーオキシド、イソブチリルパーオキシド、オクタニノルパーオキシド、デカノリルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、3,3,5−トリメチルヘキサノイルパーオキシド、m−トルイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、クミルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート及びt−ブチルパーオキシアセテート等が挙げられる。
アゾ化合物及びジアゾ化合物(c3)としては、特に制限されないが、例えば、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル及びアゾビスイソブチロニトリル等が挙げられる。
ラジカル反応開始剤(c)の使用量は、特に制限されないが、ポリエステル樹脂(a)を変性樹脂にする際のポリエステル樹脂(a)を構成する不飽和カルボン酸成分(z)の重量100重量部に対して、0.1〜50重量部が好ましい。
ポリエステル樹脂(a)を構成する不飽和カルボン酸成分(z)の重量100重量部に対して、ラジカル反応開始剤の使用量が、0.1重量部以上の場合に架橋反応が進行し易くなる傾向にあり、50重量部以下の場合に、臭気が良好となる傾向にある。ラジカル反応開始剤(c)の使用量は、ポリエステル樹脂(a)を構成する不飽和カルボン酸成分(z)100重量部に対して、30重量部以下であることがより好ましく、20重量部以下であることがさらに好ましく、10重量部以下であることが特に好ましい。
本発明の製造方法により得られる樹脂粒子中のテトラヒドロフラン不溶解分とテトラヒドロフラン溶解分(可溶分)との重量比(THF不溶解分/THF溶解分)は、耐ホットオフセット性、低温定着性、光沢性両立の点から、5/95〜60/40であることが好ましく、より好ましくは5/95〜50/50であり、さらに好ましくは7/93〜50/50であり、特に好ましくは、9/91〜40/60である。
ここで樹脂粒子中にはポリエステル樹脂(a)が架橋した変性樹脂の他に、必要により任意成分{後述するポリエステル樹脂(b)、着色剤、離型剤、荷電制御剤及び流動化剤等}を含んでいてもよく、樹脂粒子中に任意成分を含んでいる場合は、THF不溶解分及び/又はTHF溶解分にもこれらの任意成分が含まれる。
本発明の製造方法により得られる樹脂粒子中のTHF不溶解分とTHF溶解分の重量比は、以下の方法で求めたものである。
試料0.5gに50mLのTHFを加え、3時間撹拌還流させる。冷却後、グラスフィルターにて不溶解分をろ別し、グラスフィルター上の樹脂分を80℃で3時間減圧乾燥する。グラスフィルター上の乾燥した樹脂分の重量をTHF不溶解分の重量とし、試料の重量からTHF不溶解分の重量を引いた重量をTHF溶解分の重量とし、THF不溶解分とTHF溶解分の重量比を算出する。
本発明の製造方法により得られる樹脂粒子は、飽和カルボン酸成分(x)とアルコール成分(y)とを含有する成分を重縮合して得られたポリエステル樹脂(b)を含有することが好ましい。
本発明の製造方法により得られる樹脂粒子がポリエステル樹脂(b)を含有すると、低温定着性が向上する。
本発明におけるポリエステル樹脂(b)は、ポリエステル樹脂(a)を除く(ポリエステル樹脂(a)以外の)ポリエステル樹脂である。ポリエステル樹脂(b)は、カルボン酸成分として上記不飽和カルボン酸成分(z)を用いていないものであり、1種類以上のアルコール成分(y)と、1種類以上の飽和カルボン酸成分(x)とを含有する成分を重縮合して得られるもの等が挙げられる。
また、ポリエステル樹脂(b)としては非晶性ポリエステル樹脂(b1)と結晶性ポリエステル樹脂(C)が挙げられる。
本発明において、結晶性ポリエステル樹脂(C)は、結晶性を示し、吸熱ピークトップを示す温度Tp(℃)の範囲が40〜100℃であるものを意味する。
本発明に使用する非晶性ポリエステル樹脂(b1)は、結晶性ポリエステル樹脂(C)以外のポリエステル樹脂(b)のことである。一態様において、ポリエステル樹脂(b)は、アルコール成分(y)と飽和カルボン酸成分(x)とを含有する成分を重縮合して得られた非晶性ポリエステル樹脂(b1)を含有するポリエステル樹脂であることが好ましい。
なお、本発明における「結晶性」とは後述の示差走査熱量計(DSC)測定の第2回目の昇温過程において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを有する樹脂をいう。
本発明において、吸熱ピークトップを示す温度TpをDSCにより測定する際は、例えばTA Instruments(株)製、DSC Q20を用いることができる。また、昇温・冷却条件としては、10℃/分の条件で180℃まで昇温する(第1回目の昇温過程)。次いで、180℃で10分間放置後、10℃/分の条件で0℃まで冷却する(第1回目の冷却過程)。次いで、0℃で10分間放置した後、10℃/分の条件で180℃まで昇温する(第2回目の昇温過程)。
非晶性ポリエステル樹脂(b1)のアルコール成分(y)としては、ポリエステル樹脂(a)のアルコール成分(y)と同様のものが挙げられる。
これらのアルコール成分(y)のうち、低温定着性と耐熱保存性の両立の観点から好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコール及びビスフェノール類のAO付加物(平均付加モル数は好ましくは2〜30)である。
耐熱保存性の観点からより好ましいものは、炭素数2〜10のアルキレングリコール及びビスフェノール類のAO付加物(平均付加モル数は好ましくは2〜5)である。
さらに好ましくは、炭素数2〜6のアルキレングリコール及びビスフェノールAのAO付加物(平均付加モル数は好ましくは2〜5)であり、特に好ましくは、プロピレングリコール及びビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物(平均付加モル数2〜3)である。
また、低温定着性と耐熱保存性両立の観点から、アルコール成分(y)がアルコール成分の合計モル数を基準として芳香族ジオールを80モル%以上含有することが好ましく、より好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは95%以上である。
非晶性ポリエステル樹脂(b1)のカルボン酸成分(x)としては、ポリエステル樹脂(a)の飽和カルボン酸成分(x)と同様のものが挙げられる。
これらの飽和カルボン酸成分(x)のうち、低温定着性と耐熱保存性の両立の観点から好ましいものは、炭素数2〜50の脂肪族カルボン酸、炭素数7〜37の芳香族モノカルボン酸、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸及び炭素数9〜20の3価以上の芳香族ポリカルボン酸である。
耐熱保存性、帯電性及び帯電安定性の観点からより好ましくは、安息香酸、アジピン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸及びこれらの2以上の併用である。
さらに好ましくは、テレフタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸及びこれらの2以上の併用である。これらの酸の無水物や低級アルキルエステルも、同様に好ましい。
また、低温定着性と耐熱保存性両立の観点から、飽和カルボン酸成分(x)が飽和カルボン酸成分の合計モル数を基準として芳香族ジカルボン酸を80モル%以上含有することが好ましく、より好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは95モル%以上である。
結晶性ポリエステル樹脂(C)のアルコール成分(y)としては、ポリエステル樹脂(a)のアルコール成分(y)と同様のものが挙げられる。
これらのアルコール成分(y)のうち、低温定着性と耐熱保存性両立の観点から好ましいものは、炭素数2〜36のアルキレングリコールである。より好ましくは、炭素数2〜12のアルキレングリコールである。さらに好ましくは、炭素数2〜9のアルキレングリコールであり、特に好ましくは、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールである。
結晶性ポリエステル樹脂(C)のカルボン酸成分(x)としては、ポリエステル樹脂(a)の飽和カルボン酸成分(x)と同様のものが挙げられる。
これらの飽和カルボン酸成分(x)のうち、低温定着性と耐熱保存性の両立の観点から好ましいものは、炭素数2〜50の脂肪族ジカルボン酸である。より好ましくは、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸及びドデカン二酸である。さらに好ましくは、セバシン酸及びドデカン二酸である。
また、ポリエステル樹脂(b)は線形であっても非線形であってもよいが、低温定着性及び耐熱保存性の観点から線形が好ましい。
また、ポリエステル樹脂(b)としては、THF不溶解分を実質的に含まないものが好ましい。THF不溶解分を含まなければ微量の架橋点を有していても構わないし、分子末端を飽和ポリカルボン酸(3価以上のものでもよい)の無水物の無水トリメリット酸、無水フタル酸及び無水マレイン酸等で変性したものであってもよい。
樹脂粒子中のポリエステル樹脂(a)由来の構造部分とポリエステル樹脂(b)との重量比(a)/(b)は、低温定着性、耐ホットオフセット性及び耐熱保存性の両立の点から、5/95〜50/50が好ましく、より好ましくは7/93〜45/60であり、さらに好ましくは、9/90〜40/60である。ポリエステル樹脂(a)由来の構造部分とは、ポリエステル樹脂(a)が架橋した変性樹脂及びポリエステル樹脂(a)である。樹脂粒子の製造においては、上記重量比(a)/(b)が上記範囲となるように、ポリエステル樹脂(a)を得るために用いる各成分及びポリエステル樹脂(b)の使用量を設定することが好ましい。
樹脂粒子中の非晶性ポリエステル樹脂(b1)と結晶性ポリエステル樹脂(C)との重量比(b1)/(C)は、低温定着性、耐ホットオフセット性及び耐熱保存性の両立の点から、100/0〜50/50が好ましく、より好ましくは95/5〜70/30であり、さらに好ましくは、90/10〜80/20である。
また、樹脂粒子がポリエステル樹脂(b)を含有するものである場合、ポリエステル樹脂(b)の存在下でポリエステル樹脂(a)中の不飽和カルボン酸成分(z)由来の炭素−炭素二重結合同士を架橋反応しポリエステル樹脂(a)が架橋した変性樹脂を得るのが低温定着性、耐ホットオフセット性、耐熱保存性の両立の点から好ましい方法である。
ポリエステル樹脂(b)のTHF可溶分のMnは、トナーの耐熱保存性と低温定着性との両立の観点から、1,000〜15,000が好ましく、より好ましくは1,200〜10,000、さらに好ましくは1,500〜5,000である。
ポリエステル樹脂(b)のTHF可溶分のピークトップ分子量は、トナーの耐ホットオフセット性と耐熱保存性と低温定着性との両立の観点から、2,000〜30,000が好ましく、より好ましくは2,500〜20,000、さらに好ましくは3,000〜10,000である。
結晶性ポリエステル樹脂(C)の吸熱ピークトップを示す温度Tpは、最終的に得られるトナーの耐熱保存性の観点から、50〜90℃が好ましく、より好ましくは55〜85℃、さらに好ましくは60〜80℃である。
結晶性ポリエステル樹脂(C)のフローテスターによる軟化点〔Tm〕は、低温定着性及び耐ホットオフセット性の観点から、30〜170℃が好ましく、より好ましくは40〜130℃、さらに好ましくは50〜100℃である。
結晶性ポリエステル樹脂(C)の軟化点〔Tm〕は以下の条件で測定される。
<軟化点〔Tm〕の測定方法>
降下式フローテスター[例えば、(株)島津製作所製、CFT−500D]を用いて、1gの測定試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出して、「プランジャー降下量(流れ値)」と「温度」とのグラフを描き、プランジャーの降下量の最大値の1/2に対応する温度をグラフから読み取り、この値(測定試料の半分が流出したときの温度)を軟化点〔Tm〕とする。
本発明の製造方法により得られる樹脂粒子は−20℃〜80℃の温度範囲に示差走査熱量測定(DSC)によるチャートでガラス転移温度(Tg)を示す変曲点を少なくとも1個有することが耐熱保存性と低温定着性の点から好ましく、上記温度範囲は、より好ましくは30℃〜70℃、さらに好ましくは40℃〜65℃である。樹脂粒子は、ガラス転移温度(Tg)を示す変曲点を2個以上有してもよく、そのうちの1個がこの温度範囲であればよい。なお、ガラス転移温度(Tg)は、上記のようにASTM D3418−82に規定の方法(DSC法)により決定することができる。ガラス転移温度(Tg)の測定条件は上記の通りである。
本発明で製造される樹脂粒子には、ポリエステル樹脂以外に、必要により着色剤、離型剤、荷電制御剤及び流動化剤等からなる群より選ばれる1種以上の公知の添加剤を使用してもよい。
着色剤としては、トナー用着色剤として使用されている染料及び顔料等のすべてを使用することができる。具体的には、カーボンブラック、鉄黒、スーダンブラックSM、ファーストイエローG、ベンジジンイエロー、ピグメントイエロー、インドファーストオレンジ、イルガシンレッド、パラニトロアニリンレッド、トルイジンレッド、カーミンFB、ピグメントオレンジR、レーキレッド2G、ローダミンFB、ローダミンBレーキ、メチルバイオレットBレーキ、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、ブリリアントグリーン、フタロシアニングリーン、オイルイエローGG、カヤセットYG、オラゾールブラウンB及びオイルピンクOP等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。また、必要により磁性粉(鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性金属の粉末若しくはマグネタイト、ヘマタイト及びフェライト等の化合物)を着色剤としての機能を兼ねて含有させることができる。
着色剤の含有量はトナーの画像濃度及び低温定着性の観点から、本発明の製造方法により得られる樹脂粒子重量に基づき、好ましくは1〜40重量%、より好ましくは3〜10重量%である。なお、磁性粉を用いる場合は、磁性粉の含有量は、樹脂粒子重量に基づき、好ましくは20〜70重量%、より好ましくは40〜60重量%である。
離型剤としては、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレンポリエチレン共重合体、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の脂肪族炭化水素系ワックス及びそれらの酸化物、カルナバワックス、モンタンワックス、サゾールワックス及びそれらの脱酸ワックス、脂肪酸エステルワックス等のエステルワックス、脂肪酸アミド類、脂肪酸類、高級アルコール類並びに脂肪酸金属塩等が挙げられる。
ポリオレフィンワックスとしては、オレフィン(例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ヘキセン、1−ドデセン、1−オクタデセン及びこれらの2以上の混合物等)の(共)重合体[(共)重合により得られるものおよび熱減成型ポリオレフィンを含む]、オレフィンの(共)重合体の酸素及び/又はオゾンによる酸化物、オレフィンの(共)重合体のマレイン酸変性物[例えばマレイン酸及びその誘導体(無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノブチル及びマレイン酸ジメチル等)変性物]、オレフィンと不飽和カルボン酸[(メタ)アクリル酸、イタコン酸及び無水マレイン酸等]及び/又は不飽和カルボン酸アルキルエステル[(メタ)アクリル酸アルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステル及びマレイン酸アルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステル等]等との共重合体、並びにサゾールワックス等が挙げられる。
上記の中では低温定着性や耐ホットオフセット性の観点から、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス、カルナバワックス及びエステルワックスが好ましい。
離型剤としては、低温定着性及び耐ホットオフセット性の観点から、フローテスターによる軟化点〔Tm〕が50〜170℃のものが好ましく、軟化点〔Tm〕は、より好ましくは50〜140℃、さらに好ましくは50〜120℃である。軟化点〔Tm〕は結晶性ポリエステル樹脂(C)と同様の条件で測定することができる。
離型剤の含有量は、低温定着性及び耐ホットオフセット性の観点から、本発明の製造方法により得られる樹脂粒子の重量に基づき、好ましくは1〜20重量%、より好ましくは2〜10重量%である。
荷電制御剤としては、ニグロシン染料、3級アミンを側鎖として含有するトリフェニルメタン染料、4級アンモニウム塩、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体、4級アンモニウム塩基含有ポリマー、含金属アゾ染料、銅フタロシアニン染料、サリチル酸金属塩、ベンジル酸のホウ素錯体、スルホン酸基含有ポリマー、含フッ素ポリマー及びハロゲン置換芳香環含有ポリマー等が挙げられる。
流動化剤としては、コロイダルシリカ、アルミナ粉末、酸化チタン粉末、炭酸カルシウム粉末、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム及び炭酸バリウム等が挙げられる。
荷電制御剤は樹脂粒子の重量に基づき、0〜20重量%であってよく、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.5〜5重量%である。
流動化剤は樹脂粒子の重量に基づき、0〜10重量%であってよく、好ましくは0〜5重量%、より好ましくは0.1〜4重量%である。
また、着色剤、離型剤、荷電制御剤、流動化剤等の添加剤の合計量は樹脂粒子の重量に基づき、3〜70重量%であってよく、好ましくは4〜58重量%、より好ましくは5〜50重量%である。樹脂粒子に含まれる添加剤の合計量が上記の範囲であることで、耐ホットオフセット性、帯電性、トナーの流動性、耐熱保存性及び帯電安定性が良好なものを容易に得ることができる。
本発明の樹脂粒子の製造方法は、アルコール成分(y)と不飽和カルボン酸成分(z)とを含有する成分を重縮合して得られたガラス転移温度(Tg)が−20〜57℃のポリエステル樹脂(a)を含有する樹脂微粒子を得た後、樹脂微粒子を凝集させ、融合させる樹脂粒子の製造方法であって、樹脂微粒子を得た後、ポリエステル樹脂(a)中の不飽和カルボン酸成分(z)由来の炭素−炭素二重結合同士を架橋反応させて変性樹脂にする工程を含む樹脂粒子の製造方法である。ポリエステル樹脂(a)中の不飽和カルボン酸成分(z)由来の炭素−炭素二重結合同士を架橋反応させて変性樹脂にする工程は、樹脂微粒子を得た後、最終的に本発明の樹脂粒子を得るまでのいずれかの段階で実施すればよい。ポリエステル樹脂(a)中の不飽和カルボン酸成分(z)由来の炭素−炭素二重結合同士を架橋反応させて変性樹脂にする工程は、例えば、樹脂微粒子を凝集させる前に行ってもよく、樹脂微粒子を凝集させる際に行ってもよく、凝集した樹脂微粒子を融合させる際に行ってもよい。
本発明の製造方法としては、得られる樹脂粒子及びトナーの粒径制御、粒度分布制御、形状制御、低温定着性、耐ホットオフセット性、耐熱保存性の観点から、以下の工程(1)〜(4)を含むことが好ましい。
工程(1):ポリエステル樹脂(a)を含有する樹脂微粒子(X1)を含む分散液を得る工程
工程(2):分散液中の樹脂微粒子(X1)又はポリエステル樹脂(a)中の不飽和カルボン酸成分(z)由来の炭素−炭素二重結合同士を架橋反応させてなる変性樹脂を含有する樹脂微粒子(X2)を凝集させて樹脂微粒子(X1)の凝集体(Y1)又は樹脂微粒子(X2)の凝集体(Y2)を形成させる工程
工程(3):凝集体(Y1)又は(Y2)を融合させて凝集体(Y1)を融合させた樹脂粒子(Z1)又は凝集体(Y2)を融合させた樹脂粒子(Z2)を得る工程
工程(4):前記工程(1)終了後任意の段階で実施可能であり、前記工程(2)又は(3)と同時に実施してもよい工程であって、樹脂微粒子(X1)中、凝集体(Y1)中又は樹脂粒子(Z1)中のポリエステル樹脂(a)中の不飽和カルボン酸成分(z)由来の炭素−炭素二重結合同士を架橋反応させる工程
さらに好ましくは、下記工程(1)、(2−1)及び(3−1)を含む製造方法と、下記工程(1)、(2−2)及び(3−2)を含む製造方法である。なお、工程(2−1)及び(2−2)は、上記工程(2)の好ましい具体例であり、工程(3−1)及び(3−2)は、上記工程(3)の好ましい具体例である。
工程(1):ポリエステル樹脂(a)を含有する樹脂微粒子(X1)の分散液(D1)を得る工程
工程(2−1):分散液(D1)中の樹脂微粒子(X1)を凝集させて凝集体(Y1)を形成させる工程
工程(2−2):分散液(D1)のポリエステル樹脂(a)中の不飽和カルボン酸成分(z)由来の炭素−炭素二重結合同士を架橋反応させて変性樹脂として、変性樹脂を含有する樹脂微粒子(X2)の分散液(D2)を得た後、樹脂微粒子(X2)を凝集させて凝集体(Y2)を形成させる工程
工程(3−1):凝集体(Y1)を融合させると同時にポリエステル樹脂(a)中の不飽和カルボン酸成分(z)由来の炭素−炭素二重結合同士を架橋反応させて変性樹脂にして、変性樹脂を含む樹脂粒子を得る工程
工程(3−2):凝集体(Y2)を融合させて樹脂粒子を得る工程
ここで、樹脂粒子中には添加剤(例えば、着色剤及び/又は離型剤)を含んでいてもよい。樹脂粒子中に添加剤(着色剤及び離型剤等)を含有させる方法として好ましくは、あらかじめ添加剤分散液(着色剤分散液及び離型剤分散液等)を作製し、分散液(D1)又は分散液(D2)と添加剤分散液とを混合し、分散液(W1)又は(W2)とし、上記工程において分散液(D1)及び(D2)に代えて分散液(W1)及び(W2)をそれぞれ用いることである。分散液(W1)及び(W2)を用いると、樹脂粒子中に添加剤(着色剤及び離型剤等)を均一に分散させることができることから低温定着性、光沢性、耐ホットオフセット性、帯電性、トナーの流動性、耐熱保存性及び帯電安定性の点で好ましい。
以下に工程(1)及び(2)について説明する。
分散液(D1)、(D2)、(W1)及び(W2)を構成する分散媒としては、水性溶媒が挙げられる。
水性溶媒としては、水を必須構成成分とする液体であれば制限なく使用でき、後述する、水、有機溶剤の水溶液、界面活性剤(s)の水溶液、水溶性ポリマー(t)の水溶液及びこれらの2以上の混合物等が用いることができる。また、水性溶媒への樹脂の分散性を良くするため、有機溶剤を樹脂の溶解に使用してもよい。
有機溶剤としては、例えば、芳香族炭化水素溶剤、脂肪族又は脂環式炭化水素溶剤、ハロゲン溶剤、エステル又はエステルエーテル溶剤、エーテル溶剤、ケトン溶剤、アルコール溶剤、アミド溶剤、スルホキシド溶剤、複素環式化合物溶剤及びこれらの2種以上の混合溶剤等が挙げられる。
有機溶剤の具体例としては、芳香族炭化水素溶剤(トルエン、キシレン、エチルベンゼン及びテトラリン等);脂肪族又は脂環式炭化水素溶剤(n−ヘキサン、n−ヘプタン、ミネラルスピリット及びシクロヘキサン等);塩化メチル、臭化メチル、ヨウ化メチル、メチレンジクロライド、四塩化炭素、トリクロロエチレン及びパークロロエチレン等のハロゲン溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、メトキシブチルアセテート、メチルセロソルブアセテート及びエチルセロソルブアセテート等のエステル又はエステルエーテル溶剤;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ及びプロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジ−n−ブチルケトン及びシクロヘキサノン等のケトン溶剤;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、2−エチルヘキシルアルコール及びベンジルアルコール等のアルコール溶剤;ジメチルホルムアミド及びジメチルアセトアミド等のアミド溶剤;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド溶剤、N−メチルピロリドン等の複素環式化合物溶剤、並びにこれらの2種以上の混合溶剤等が挙げられる。上記の有機溶剤の中でも沸点が100℃未満の揮発性のものが好ましい。好ましい有機溶剤としては、酢酸エチル、アセトン及びメチルエチルケトン等が挙げられる。
アルコール成分(y)と不飽和カルボン酸成分(z)とを含有する成分を重縮合して得られたポリエステル樹脂(a)100重量部に対する有機溶剤の使用量は、好ましくは0〜300重量部、より好ましくは0〜100重量部、さらに好ましくは25〜70重量部である。有機溶剤を使用した場合は、工程(1)又は工程(2)後、常圧または減圧下にて加温し除去することが好ましい。
水性溶媒への樹脂の分散性を良くするため、ポリエステル樹脂のカルボキシル基を中和するために中和剤を使用してもよい。中和剤としては、アンモニア、トリエチルアミン等の有機化合物、水酸化ナトリウム等の無機化合物が挙げられる。
中和剤の使用量は、ポリエステル樹脂のカルボキシル基に対して、分散性の観点から、好ましくは1〜150モル%、より好ましくは5〜100モル%である。
ポリエステル樹脂(a)を水性溶媒に分散させる際、乳化剤又は分散剤として、公知の界面活性剤(s)及び無機分散剤を用いることができる。界面活性剤(s)及び無機分散剤を用いた方が樹脂微粒子の体積平均粒径が小さくなり易い点で好ましい。
界面活性剤(s)としては、特に限定されず、アニオン界面活性剤(s−1)、カチオン界面活性剤(s−2)、両性界面活性剤(s−3)及び非イオン界面活性剤(s−4)等が挙げられる。界面活性剤(s)は2種以上の界面活性剤を併用したものであってもよい。
アニオン界面活性剤(s−1)としては、カルボン酸又はその塩、硫酸エステル塩、カルボキシメチル化物の塩、スルホン酸塩及びリン酸エステル塩等が挙げられる。
カチオン界面活性剤(s−2)としては、4級アンモニウム塩型界面活性剤及びアミン塩型界面活性剤等が挙げられる。
両性界面活性剤(s−3)としては、カルボン酸塩型両性界面活性剤、硫酸エステル塩型両性界面活性剤、スルホン酸塩型両性界面活性剤及びリン酸エステル塩型両性界面活性剤等が挙げられる。
非イオン界面活性剤(s−4)としては、AO付加型非イオン界面活性剤及び多価アルコ−ル型非イオン界面活性剤等が挙げられる。
これらの界面活性剤(s)の具体例としては、特開2002−284881号公報に記載のもの等が挙げられる。
水性溶媒としての水100重量部に対する界面活性剤(s)の使用量は、好ましくは0〜300重量部、より好ましくは0.001〜10重量部、さらに好ましくは0.01〜5重量部である。
無機分散剤としては、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、ヒドロキシアパタイト等のリン酸多価金属塩、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩、メタ硅酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の無機塩、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の無機化合物が挙げられる。
水性溶媒としての水100重量部に対する無機分散剤の使用量は、好ましくは0〜300重量部、より好ましくは0.001〜10重量部である。
ポリエステル樹脂(a)を水性溶媒に分散させる際、乳化剤又は分散剤として、公知の水溶性ポリマー(t)を用いることができる。水溶性ポリマー(t)を用いた方が樹脂微粒子の体積平均粒径が小さくなり、粒度分布(体積平均粒径/個数平均粒径)小さくなり易い点で好ましい。
水溶性ポリマー(t)としては、セルロース化合物(例えばメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びそれらのケン化物等)、ゼラチン、デンプン、デキストリン、アラビアゴム、キチン、キトサン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリエチレンイミン、ポリアクリルアミド、アクリル酸(塩)含有ポリマー(ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸カリウム、ポリアクリル酸アンモニウム、ポリアクリル酸の水酸化ナトリウム部分中和物及びアクリル酸ナトリウム−アクリル酸エステル共重合体等)、スチレン−無水マレイン酸共重合体の水酸化ナトリウム(部分)中和物、水溶性ポリウレタン(ポリエチレングリコール、及びポリカプロラクトンジオール等とポリイソシアネートの反応生成物等)等が挙げられる。
水性溶媒としての水100重量部に対する水溶性ポリマー(t)の使用量は、好ましくは0〜5重量部である。
樹脂微粒子の体積基準のメジアン径は樹脂粒子の体積粒径及び粒度分布制御の観点から、好ましくは0.050〜1μm、より好ましくは0.07〜0.5μm、さらに好ましくは0.09〜0.3μmである。
樹脂微粒子の体積基準のメジアン径は、動的光散乱式粒子径分布測定装置「SZ−100」(株式会社堀場製作所製)を用いて測定することができる。
分散液100重量部中の樹脂微粒子の量は樹脂粒子の体積粒径及び粒度分布制御の観点から、好ましくは1〜70重量部(分散液中の樹脂微粒子の固形分濃度1〜70重量%)、より好ましくは5〜65重量部、さらに好ましくは10〜60重量部である。
本発明の製造方法により得られる分散液中の樹脂粒子又は樹脂微粒子等の固形分濃度及び揮発分は、以下の方法で求めたものである。
樹脂粒子又は樹脂微粒子等の沈澱が起こらないよう注意しながら、乾燥前の試料約2.00gをはかりとり、120℃で1時間の条件で乾燥する。乾燥後の試料を取り出し重量を小数点第2位まで測定し、(乾燥後の試料の重量/乾燥前の試料の重量)×100から固形分濃度(重量%)を算出し、{(乾燥前の試料の重量−乾燥後の試料の重量)/乾燥前の試料の重量}×100から揮発分(重量%)を算出する。
工程(1)のポリエステル樹脂(a)を含有する樹脂微粒子(X1)の分散液(D1)を得る方法は特に限定されないが、以下の〔1〕〜〔7〕が挙げられる。
〔1〕ポリエステル樹脂(a)及び必要によりラジカル反応開始剤(c)を含む成分を、必要であれば適当な分散剤存在下で水性溶媒中に分散させ、分散液(D1)を製造する方法。
〔2〕ポリエステル樹脂(a)及び必要によりラジカル反応開始剤(c)を含む成分の有機溶剤溶液を、必要であれば適当な分散剤存在下で水性溶媒中に分散させ、分散液(D1)を製造する方法。
〔3〕ポリエステル樹脂(a)及び必要によりラジカル反応開始剤(c)を含む成分の有機溶剤溶液を、必要であれば適当な分散剤存在下で水性溶媒中に分散させた後、有機溶剤を除去して分散液(D1)を製造する方法。
〔4〕ポリエステル樹脂(a)の前駆体及び必要によりラジカル反応開始剤(c)を含む成分の有機溶剤溶液を、必要であれば適当な分散剤存在下で水性溶媒中に分散させ、その後に(a)の前駆体からポリエステル樹脂(a)を生成させて、分散液(D1)を製造する方法。
〔5〕ポリエステル樹脂(a)を、機械回転式又はジェット式等の微粉砕機を用いて粉砕し、次いで分級した後、必要によりラジカル反応開始剤(c)を含む成分及び適当な分散剤存在下で水性溶媒中に分散させ、分散液(D1)を製造する方法。
〔6〕ポリエステル樹脂(a)を有機溶剤に溶解した樹脂溶液を、霧状に噴霧することにより粒子を得た後、必要によりラジカル反応開始剤(c)を含む成分及び適当な分散剤存在下で水性溶媒中に分散させ、分散液(D1)を製造する方法。
〔7〕ポリエステル樹脂(a)を有機溶剤に溶解した樹脂溶液に貧溶剤を添加するか、又はあらかじめ有機溶剤に加熱溶解した樹脂溶液を冷却することにより粒子を析出させ、次いで有機溶剤を除去した後、必要によりラジカル反応開始剤(c)を含む成分及び適当な分散剤存在下で水性溶媒中に分散させ、分散液(D1)を製造する方法。
上記〔1〕〜〔7〕の方法のうち、樹脂微粒子(X1)の製造しやすさの観点から、好ましくは〔3〕の方法である。
また、上記〔1〕〜〔7〕の方法において、「ポリエステル樹脂(a)及び必要によりラジカル反応開始剤(c)を含む成分」中には、必要によりポリエステル樹脂(b)を含んでもよい。低温定着性、耐ホットオフセット性、耐熱保存性の両立の観点から、ポリエステル樹脂(b)を含むことが好ましい。
また、ポリエステル樹脂(a)を含有する樹脂微粒子(X1)の分散液(D1)と添加剤分散液(着色剤分散液及び離型剤分散液等)とを混合して分散液(W1)として、以下において分散液(D1)に代えて分散液(W1)を用いてもよい。
なお、添加剤分散液(着色剤分散液及び離型剤分散液等)は、公知の方法により、着色剤等の添加剤を水性溶媒中に分散させることにより得られ、必要により分散剤を使用してもよい。
工程(2−2)において、ポリエステル樹脂(a)中の不飽和カルボン酸成分(z)由来の炭素−炭素二重結合同士を架橋反応させて変性樹脂として、変性樹脂を含有する樹脂微粒子(X2)の分散液(D2)を得る方法は特に限定されないが、例えば、以下の〔8〕が挙げられる。
〔8〕分散液(D1)に、必要によりラジカル反応開始剤(c)を含有させ、必要により5〜200℃に温調して、樹脂微粒子(X2)の分散液(D2)を製造する方法。
上記〔8〕において、分散液(D1)に代えて分散液(W1)を用いてもよい。
また、得られた分散液(D2)と、結晶性ポリエステル樹脂(C)分散液及び/又は添加剤分散液とを混合して分散液(W2)として、以下において分散液(D2)に代えて分散液(W2)を用いてもよい。
なお、結晶性ポリエステル樹脂(C)分散液は、公知の方法により、結晶性ポリエステル樹脂(C)を水性溶媒中に分散させることにより得られ、必要により分散剤を使用してもよい。
分散液(W2)を得る方法として、具体的には、下記〔9〕の方法が好ましく挙げられる。
〔9〕ポリエステル樹脂(a)及び非晶性ポリエステル樹脂(b1)及びラジカル反応開始剤(c)を含有する有機溶剤溶液を、必要であれば適当な分散剤存在下で水性溶媒中に分散させて樹脂微粒子(X1)の分散液(abD1)を得た後、必要であれば5〜200℃に温調して非晶性ポリエステル樹脂(b1)中でポリエステル樹脂(a)中の不飽和カルボン酸成分(z)由来の炭素−炭素二重結合同士を架橋反応させて変性樹脂とし、有機溶剤を除去して樹脂微粒子(X2)の分散液(abD2)を得て、水性溶媒中に結晶性ポリエステル樹脂(C)が分散されてなる結晶性ポリエステル樹脂(C)分散液、水性溶媒中に添加剤が分散されてなる添加剤分散液(例えば、水性溶媒中に着色剤が分散されてなる着色剤分散液、及び水性溶媒中に離型剤が分散されてなる離型剤分散液等)を混合して分散液(W2)を製造する方法。
前記の〔1〕〜〔9〕の方法における分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。分散体中の微粒子の粒径を0.05〜1μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、一般的に1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、一般的に0.1〜5分である。温調温度は、使用するラジカル反応開始剤(c)およびポリエステル樹脂(a)の分子量によって選択される。温度は5〜200℃が好ましく、より好ましくは20〜100℃である。
分散装置は、例えばホモジナイザー(IKA社製)、ポリトロン(キネマティカ社製)、TKオートホモミキサー[特殊機化工業(株)製]等のバッチ式乳化機、エバラマイルダー[(株)荏原製作所製]、TKフィルミックス、TKパイプラインホモミキサー[特殊機化工業(株)製]、コロイドミル[神鋼パンテック(株)製]、ウルトラビスコミル(アイメックス(株)製)、スラッシャー、トリゴナル湿式微粉砕機[日本コークス工業(株)製]、キャピトロン(ユーロテック社製)、ファインフローミル[太平洋機工(株)製]等の連続式乳化機、マイクロフルイダイザー[みずほ工業(株)製]、ナノマイザー(ナノマイザー社製)、APVガウリン(ガウリン社製)等の高圧乳化機、膜乳化機[冷化工業(株)製]等の膜乳化機、バイブロミキサー[冷化工業(株)製]等の振動式乳化機、超音波ホモジナイザー(ブランソン社製)等の超音波乳化機等が挙げられる。これらのうち粒径の均一性の観点から好ましいのは、APVガウリン、ホモジナイザー、TKオートホモミキサー、エバラマイルダー、TKフィルミックス及びTKパイプラインホモミキサーである。
以下に工程(2)における「樹脂微粒子(X1)の凝集体(Y1)又は樹脂微粒子(X2)の凝集体(Y2)を形成させる工程」について説明する。
工程(2)において、分散液{(D1)、(D2)、(W1)又は(W2)}中の樹脂微粒子(X1)又は(X2)を凝集させて凝集体(Y1)又は(Y2)を得る方法は特に限定されないが、分散液に、凝集剤を添加する方法が挙げられる。
凝集剤としては、酸(塩酸、硫酸、硝酸、酢酸及びシュウ酸等)、無機酸の金属塩(塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸アンモニウム、硝酸アルミニウム、硝酸銀、硫酸銅及び炭酸ナトリウム等)、脂肪酸の金属塩(酢酸ナトリウム、蟻酸カリウム及びシュウ酸ナトリウム等)、芳香族脂肪酸の金属塩(安息香酸ナトリウム、フタル酸ナトリウム及びサリチル酸カリウム等)、フェノール類の金属塩(ナトリウムフェノレート等)、アミン塩(アミノ酸の金属塩、トリエタノールアミン塩酸塩及びアニリン塩酸塩等)等が挙げられる。
これらのうち好ましいのは、無機酸の金属塩及び脂肪酸の金属塩であり、より好ましいのは無機酸の金属塩である。
上記工程(2)における上記分散液の温度は、樹脂粒子の体積平均粒径及び粒度分布制御の観点から、好ましくは5〜100℃、より好ましくは20〜100℃である。
また、工程(2)における凝集体を形成させる工程において、分散液のpHは樹脂粒子の体積平均粒径及び粒度分布制御の観点から、好ましくは2〜10、より好ましくは3〜6である。
凝集剤の添加量は、樹脂粒子の体積平均粒径及び粒度分布制御の観点から、樹脂微粒子100重量部に対して好ましくは1〜20重量部であり、より好ましくは1〜15重量部である。
以下に工程(3)について説明する。
工程(3)において、融合させる際の温度は、得られる樹脂粒子及びトナーの形状制御性の観点から、5〜200℃が好ましく、さらに好ましくは30〜100℃である。工程(3)において、凝集体を融合させる際の液のpHは、好ましくは3〜10、より好ましくは5〜10である。
以下に工程(3−2)について説明する。
工程(3−2)において、凝集体(Y2)を融合させて樹脂粒子を得る工程における温度は、好ましくは30〜100℃、より好ましくは40〜100℃である。
以下に工程(3−1)について説明する。
工程(3−1)は凝集体(Y1)を融合させると同時にポリエステル樹脂(a)中の不飽和カルボン酸成分(z)由来の炭素−炭素二重結合同士を架橋反応させて変性樹脂にして、変性樹脂を含む樹脂粒子を得る工程である。融合と架橋反応とを同時に実施する場合は、あらかじめラジカル反応開始剤(c)を樹脂微粒子(X1)に含有させるか、又は凝集体(Y1)を製造する工程(2)において、樹脂微粒子(X1)とラジカル反応開始剤(c)とを共存させ、樹脂微粒子(X1)及びラジカル反応開始剤(c)を含む凝集体(Y1)として、凝集体(Y1)を凝集体(Y1)中のポリエステル樹脂(a)中の不飽和カルボン酸成分(z)由来の炭素−炭素二重結合同士を架橋反応させながら融合させるのが好ましい。温度は、使用するラジカル反応開始剤(c)およびポリエステル樹脂(a)の分子量によって選択される。工程(3−1)において、温度は、5〜200℃が好ましく、より好ましくは20〜100℃である。反応時間は、0.1〜48時間が好ましく、より好ましくは1〜24時間である。
本発明の樹脂粒子の製造方法は、さらに樹脂粒子の分散体から水性溶媒を除去する工程を有していることが帯電性、帯電安定性、耐熱保存性の点から好ましい。
分散体から水性溶媒を除去する方法としては、以下の〔10〕〜〔12〕及びこれらの2以上の組合せの方法等が適用できる。
〔10〕分散体を減圧下又は常圧下で乾燥する方法。
〔11〕分散体を遠心分離器、スパクラフィルター及び/又はフィルタープレスなどにより固液分離し、必要に応じて水等を加え固液分離を繰り返した後、得られた固体を乾燥する方法。
〔12〕分散体を凍結させて乾燥させる方法(いわゆる凍結乾燥)。
上記〔10〕及び〔11〕の方法において、乾燥機として、流動層式乾燥機、減圧乾燥機及び循風乾燥機等公知の設備を用いて乾燥を行うことができる。また、必要に応じ、風力分級器又はふるい等を用いて分級し、所定の粒度分布とすることもできる。
樹脂粒子100重量部に対する残存する水性溶媒量は帯電性、帯電安定性、トナーの流動性及び耐熱保存性の観点から、好ましくは0〜2重量部、より好ましくは0〜1重量部、さらに好ましくは0〜0.1重量部、特に好ましくは0〜0.01重量部である。
本発明の製造方法により得られる樹脂粒子の粒径は、現像性と解像度の観点から、体積平均粒径が好ましくは2〜20μm、より好ましくは3〜15μm、さらに好ましくは4〜8μmである。個数平均粒径が好ましくは2〜20μm、より好ましくは3〜15μm、さらに好ましくは4〜8μmである。粒度分布(体積平均粒径/個数平均粒径)は好ましくは1.0〜2.0、より好ましくは1.0〜1.8、さらに好ましくは1.0〜1.5である。形状は球状であるほうが流動性の観点から好ましい。また、融合状態を制御し適度な凹凸があるほうがクリーニング性の観点から好ましい。樹脂粒子の体積平均粒径、個数平均粒径は「マルチサイザーIV」(ベックマン・コールター(株)製)等で測定することができる。
上記の本発明の樹脂粒子の製造方法で得られた樹脂粒子を含んでなるトナーの製造方法も、本発明の1つである。
本発明の製造方法により得られるトナーは、本発明の製造方法により得られる樹脂粒子を含有する。
本発明の製造方法により得られるトナーは、樹脂粒子以外に、樹脂粒子にあらかじめ含有している場合を除き、必要により、着色剤、離型剤、荷電制御剤及び流動化剤等から選ばれる1種以上の公知の添加剤を含有してもよい。これらを含有することで、耐ホットオフセット性、帯電性、トナーの流動性、耐熱保存性、帯電安定性、画像強度、耐折り曲げ性及びドキュメントオフセット性が良好なものを容易に得ることができる。
着色剤としては、樹脂粒子の場合と同様のものが挙げられ、好ましいものも同様である。
着色剤の含有量はトナーの画像濃度及び低温定着性の観点から、本発明の製造方法により得られるトナー重量に基づき、好ましくは1〜40重量%、より好ましくは3〜10重量%である。なお、磁性粉を用いる場合は、磁性粉の含有量は、トナー重量に基づき、好ましくは20〜70重量%、より好ましくは40〜60重量%である。
離型剤としては、樹脂粒子の場合と同様のものが挙げられる。上記の中では低温定着性や耐ホットオフセット性の観点から、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス、カルナバワックス及びエステルワックスが好ましい。
離型剤としては、低温定着性及び耐ホットオフセット性の観点から、フローテスターによる軟化点〔Tm〕が50〜170℃のものが好ましく、軟化点〔Tm〕はより好ましくは50〜140℃、さらに好ましくは50〜120℃である。
離型剤の含有量は、低温定着性及び耐ホットオフセット性の観点から、本発明の製造方法により得られるトナー重量に基づき、好ましくは1〜20重量%、より好ましくは2〜10重量%である。
荷電制御剤としては、樹脂粒子の場合と同様のものが挙げられる。荷電制御剤は、トナーの内部に分散していてもよく、トナー表面を被覆していてもよく、トナー内部に分散しかつトナー表面を被覆していてもよい。
荷電制御剤の含有量はトナー重量に基づき、0〜20重量%であってよく、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.5〜5重量%である。
流動化剤としては、樹脂粒子の場合と同様のものが挙げられる。流動化剤の含有量はトナー重量に基づき、0〜10重量%であってよく、好ましくは0〜5重量%、より好ましくは0.1〜4重量%である。
本発明の製造方法により得られるトナーは、必要に応じて鉄粉、ガラスビーズ、ニッケル粉、フェライト、マグネタイト、および樹脂(アクリル樹脂、シリコーン樹脂等)により表面をコーティングしたフェライト等のキャリア粒子と混合されて電気的潜像の現像剤として用いられる。トナーとキャリア粒子との重量比は、好ましくは1/99〜100/0である。また、キャリア粒子の代わりに帯電ブレード等の部材と摩擦し、電気的潜像を形成することもできる。
本発明のトナーの製造方法は、樹脂粒子の製造方法で得られた樹脂粒子を含んでなるトナーの製造方法である。上記製造方法で得られる樹脂粒子をそのままトナーとして用いてもよく、上記の添加剤を公知の方法で添加してもよい。上記の本発明の樹脂粒子の製造方法は、トナーの製造方法として使用することができる。
本発明の製造方法により得られるトナーは、複写機、プリンター等により支持体(紙、ポリエステルフィルム等)に定着して記録材料とされる。支持体に定着する方法としては、公知の熱ロール定着方法、フラッシュ定着方法等が適用できる。
本発明の製造方法により得られるトナーは電子写真法、静電記録法や静電印刷法等において、静電荷像又は磁気潜像の現像に好ましく用いることができる。更に好ましくは、フルカラー用の静電荷像又は磁気潜像の現像に用いることができる。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に定めない限り部は重量部を示す。
酸価は、JIS K0070(1992年版)に規定の方法で測定した。
ガラス転移温度は、示差走査熱量計(TA Instruments(株)製、DSC Q20)を用いて、ASTM D3418−82に規定の方法(DSC法)で測定した。
<ガラス転移温度の測定条件>
(1)30℃から20℃/分で150℃まで昇温
(2)150℃で10分間保持
(3)20℃/分で−35℃まで冷却
(4)−35℃で10分間保持
(5)20℃/分で150℃まで昇温
(6)(5)の過程にて測定される示差走査熱量曲線を解析しガラス転移温度を求めた。
ピークトップ分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて以下の条件で測定した。試料溶液は、0.25重量%になるように試料(樹脂)をTHFに溶解し、不溶解分をグラスフィルターでろ別して調製した。
装置:HLC−8120〔東ソー(株)製〕
カラム:TSK GEL GMH6 2本 〔東ソー(株)製〕
測定温度:40℃
試料溶液:試料のTHF溶液
溶液注入量:100μL
検出装置:屈折率検出器
基準物質:東ソー(株)製 標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量 500 1,050 2,800 5,970 9,100 18,100 37,900 96,400 190,000 355,000 1,090,000 2,890,000)
樹脂微粒子の体積基準のメジアン径は、動的光散乱式粒子径分布測定装置「SZ−100」(株式会社堀場製作所製)を用いて測定した。分散液の固形分濃度は、上記の方法で測定した。
樹脂粒子の体積平均粒径は、コールターカウンターマルチサイザーIV(ベックマン・コールター(株)製)で測定した。
<製造例1>[ポリエステル樹脂(a−1)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・PO3モル付加物(三洋化成工業(株)製、「ハイマーBP−3P」)772部(100モル%)、テレフタル酸236部(78.4モル%)、フマル酸37部(17.5モル%)、無水トリメリット酸14部(4.0モル%)、縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)2.5部、重合禁止剤としてtert−ブチルカテコール1部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら4時間反応させた。さらに、0.5〜2.5kPaの減圧下に10時間反応させ、酸価が5mgKOH/gになった時点で取り出し、ポリエステル樹脂(a−1)を得た。
ポリエステル樹脂(a−1)の酸価は5mgKOH/g、ガラス転移温度(Tg)は55℃、ピークトップ分子量は12,300だった。
<製造例2>[ポリエステル樹脂(a−2)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・PO3モル付加物(三洋化成工業(株)製、「ハイマーBP−3P」)755部(100モル%)、アジピン酸165部(75.0モル%)、フマル酸44部(25.0モル%)、縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)2.5部、重合禁止剤としてtert−ブチルカテコール1部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら4時間反応させた。さらに、0.5〜2.5kPaの減圧下に10時間反応させ、酸価が6mgKOH/gになった時点で取り出し、ポリエステル樹脂(a−2)を得た。
ポリエステル樹脂(a−2)の酸価は6mgKOH/g、ガラス転移温度(Tg)は25℃、ピークトップ分子量は12,000だった。
<製造例3>[ポリエステル樹脂(a−3)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物(三洋化成工業(株)製、「ハイマーBP−2P」)72部(10.0モル%)、ビスフェノールA・PO3モル付加物(三洋化成工業(株)製、「ハイマーBP−3P」)720部(90.0モル%)、テレフタル酸218部(78.5モル%)、フマル酸34部(17.5モル%)、無水トリメリット酸13部(4.0モル%)、縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)2.5部、重合禁止剤としてtert−ブチルカテコール1部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら4時間反応させた。さらに、0.5〜2.5kPaの減圧下に10時間反応させ、酸価が7mgKOH/gになった時点で取り出し、ポリエステル樹脂(a−3)を得た。
ポリエステル樹脂(a−3)の酸価は7mgKOH/g、ガラス転移温度(Tg)は55℃、ピークトップ分子量は8,000だった。
<製造例4>[ポリエステル樹脂(a−4)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・PO5モル付加物(三洋化成工業(株)製、「ハイマーBP−5P」)995部(100モル%)、テレフタル酸118部(39.2モル%)、イソフタル酸118部(39.2モル%)、フマル酸37部(17.5モル%)、無水トリメリット酸14部(4.0モル%)、縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)2.5部、重合禁止剤としてtert−ブチルカテコール1部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら4時間反応させた。さらに、0.5〜2.5kPaの減圧下に10時間反応させ、酸価が5mgKOH/gになった時点で取り出し、ポリエステル樹脂(a−4)を得た。
ポリエステル樹脂(a−4)の酸価は5mgKOH/g、ガラス転移温度(Tg)は−20℃、ピークトップ分子量は12,500だった。
<製造例5>[ポリエステル樹脂(a−5)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・PO3モル付加物(三洋化成工業(株)製、「ハイマーBP−3P」)771部(100モル%)、テレフタル酸244部(78.4モル%)、無水マレイン酸32部(17.5モル%)、無水トリメリット酸14部(4.0モル%)、縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)2.5部、重合禁止剤としてtert−ブチルカテコール1部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら4時間反応させた。さらに、0.5〜2.5kPaの減圧下に10時間反応させ、酸価が6mgKOH/gになった時点で取り出し、ポリエステル樹脂(a−5)を得た。
ポリエステル樹脂(a−5)の酸価は6mgKOH/g、ガラス転移温度(Tg)は57℃、ピークトップ分子量は20,000だった。
<製造例6>[ポリエステル樹脂(a−6)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・PO3モル付加物(三洋化成工業(株)製、「ハイマーBP−3P」)812部(100モル%)、テレフタル酸201部(78.4モル%)、フマル酸32部(17.5モル%)、無水トリメリット酸12部(4.0モル%)、縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)2.5部、重合禁止剤としてtert−ブチルカテコール1部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら4時間反応させた。さらに、0.5〜2.5kPaの減圧下に10時間反応させ、酸価が5mgKOH/gになった時点で取り出し、ポリエステル樹脂(a−6)を得た。
ポリエステル樹脂(a−6)の酸価は5mgKOH/g、ガラス転移温度(Tg)は50℃、ピークトップ分子量は4,800だった。
<製造例7>[ポリエステル樹脂(a−7)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・PO3モル付加物(三洋化成工業(株)製、「ハイマーBP−3P」)708部(80モル%)、1,2−プロピレングリコール34部(20モル%)、テレフタル酸274部(78.4モル%)、フマル酸43部(17.5モル%)、無水トリメリット酸16部(4.0モル%)、縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)2.5部、重合禁止剤としてtert−ブチルカテコール1部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら4時間反応させた。さらに、0.5〜2.5kPaの減圧下に10時間反応させ、酸価が5mgKOH/gになった時点で取り出し、ポリエステル樹脂(a−7)を得た。
ポリエステル樹脂(a−7)の酸価は5mgKOH/g、ガラス転移温度(Tg)は55℃、ピークトップ分子量は12,100だった。
<製造例8>[ポリエステル樹脂(a−8)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物(三洋化成工業(株)製、「ハイマーBP−2P」)284部(40モル%)、ビスフェノールA・PO3モル付加物(三洋化成工業(株)製、「ハイマーBP−3P」)486部(60モル%)、テレフタル酸201部(62.7モル%)、アジピン酸44部(15.7モル%)、フマル酸39部(17.6モル%)、無水トリメリット酸15部(4.0モル%)、縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)2.5部、重合禁止剤としてtert−ブチルカテコール1部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら4時間反応させた。さらに、0.5〜2.5kPaの減圧下に10時間反応させ、酸価が6mgKOH/gになった時点で取り出し、ポリエステル樹脂(a−8)を得た。
ポリエステル樹脂(a−8)の酸価は6mgKOH/g、ガラス転移温度(Tg)は56℃、ピークトップ分子量は12,400だった。
表1にポリエステル樹脂(a−1)〜(a−8)のTg、酸価、ピークトップ分子量を記載した。
Figure 0006818162
<製造例9>[非晶性ポリエステル樹脂(b1−1)の合成]
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物(三洋化成工業(株)製、「ハイマーBP−2P」)281部(43.1モル%)、ビスフェノールA・PO3モル付加物(三洋化成工業(株)製、「ハイマーBP−3P」)471部(64.7モル%)、テレフタル酸31部(10モル%)、イソフタル酸279部(90モル%)、縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)2.5部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら4時間反応させた。さらに、0.5〜2.5kPaの減圧下に4時間反応させ、酸価が10mgKOH/gになった時点で取り出し、非晶性ポリエステル樹脂(b1−1)を得た。
非晶性ポリエステル樹脂(b1−1)の酸価は10mgKOH/g、ガラス転移温度(Tg)は57℃、ピークトップ分子量は6200だった。
<製造例10>[非晶性ポリエステル樹脂(b1−2)の合成]
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物(三洋化成工業(株)製、「ハイマーBP−2P」)308部(37.3モル%)、ビスフェノールA・PO3モル付加物(三洋化成工業(株)製、「ハイマーBP−3P」)421部(45.6モル%)、1,2−プロピレングリコール31部(17.0モル%)、テレフタル酸30部(10モル%)、イソフタル酸273部(90モル%)、縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)2.5部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら4時間反応させた。さらに、0.5〜2.5kPaの減圧下に4時間反応させ、酸価が10mgKOH/gになった時点で取り出し、非晶性ポリエステル樹脂(b1−2)を得た。
非晶性ポリエステル樹脂(b1−2)の酸価は10mgKOH/g、Tgは56℃、ピークトップ分子量は6100だった。
<製造例11>[非晶性ポリエステル樹脂(b1−3)の合成]
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物(三洋化成工業(株)製、「ハイマーBP−2P」)574部(75.0モル%)、ビスフェノールA・PO3モル付加物(三洋化成工業(株)製、「ハイマーBP−3P」)214部(25.0モル%)、テレフタル酸31部(11.2モル%)、イソフタル酸190部(69.1モル%)、アジピン酸48部(19.7モル%)、縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)2.5部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら4時間反応させた。さらに、0.5〜2.5kPaの減圧下に4時間反応させ、酸価が10mgKOH/gになった時点で取り出し、非晶性ポリエステル樹脂(b1−3)を得た。
非晶性ポリエステル樹脂(b1−3)の酸価は10mgKOH/g、Tgは57℃、ピークトップ分子量は6500だった。
<製造例12>[結晶性ポリエステル樹脂(C−1)の合成]
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ドデカン二酸614部(100.0モル%)と1,9−ノナンジオール482部(113.0モル%)及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、170℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成する水を留去しながら4時間反応させ、さらに0.5〜2.5kPaの減圧下に反応させ、酸価が0.5mgKOH/g以下になった時点で取り出し、結晶性ポリエステル樹脂(C−1)を得た。結晶性ポリエステル樹脂(C−1)の軟化点は78℃、吸熱ピークトップを示す温度は72℃であった。
軟化点は、降下式フローテスター[(株)島津製作所製、CFT−500D]を用いて、上記の軟化点〔Tm〕の測定方法で測定した。結晶性ポリエステル樹脂(C−1)の吸熱ピークトップを示す温度は、TA Instruments(株)製、DSC Q20を用いて測定した。昇温・冷却条件としては、10℃/分の条件で180℃まで昇温し(第1回目の昇温過程)、次いで、180℃で10分間放置後、10℃/分の条件で0℃まで冷却した(第1回目の冷却過程)。次いで、0℃で10分間放置した後、10℃/分の条件で180℃まで昇温した(第2回目の昇温過程)。
<製造例13>[樹脂微粒子(X2−1)の分散液(abD2−1)の製造]
撹拌装置、加熱冷却装置、冷却管および温度計を備えた反応容器に非晶性ポリエステル樹脂(b1−1)15.5部、ポリエステル樹脂(a−1)5.2部、メチルエチルケトン15.1部及びイソプロピルアルコール1.7部を仕込み、撹拌、均一化を行い有機溶剤溶液を得て、25℃に温調した。これに中和剤として10.0重量%アンモニア水を0.87重量部、ラジカル反応開始剤(c)として2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.4部を添加し、5分間撹拌した。その後、25℃の水61.7部を1時間かけて滴下して転相乳化させ樹脂微粒子(X1−1)の分散液(abD1−1)を得た後、80℃まで徐々に昇温しながら、1時間架橋反応させた。その後40℃において30kPaの減圧下でメチルエチルケトンとイソプロピルアルコールを留去した。これによりポリエステル樹脂(a−1)中の不飽和カルボン酸成分(z)由来の炭素−炭素二重結合同士を架橋反応させてなる変性樹脂と非晶性ポリエステル樹脂(b1−1)とを含む樹脂微粒子(X2−1)の分散液(abD2−1)を得た。樹脂微粒子(X2−1)の体積基準のメジアン径は0.15μm、分散液(abD2−1)の固形分濃度は20重量%であった。
<製造例14>[樹脂微粒子(X2−2)の分散液(abD2−2)の製造]
製造例13において、ポリエステル樹脂(a−1)5.2部をポリエステル樹脂(a−2)5.2部に置き換えた以外は製造例13と同様にして、ポリエステル樹脂(a−2)中の不飽和カルボン酸成分(z)由来の炭素−炭素二重結合同士を架橋反応させてなる変性樹脂と非晶性ポリエステル樹脂(b1−1)とを含む樹脂微粒子(X2−2)の分散液(abD2−2)を得た。樹脂微粒子(X2−2)の体積基準のメジアン径は0.15μm、分散液(abD2−2)の固形分濃度は20重量%であった。
<製造例15>[樹脂微粒子(X2−3)の分散液(abD2−3)の製造]
撹拌装置、加熱冷却装置、冷却管および温度計を備えた反応容器に非晶性ポリエステル樹脂(b1−1)15.5部、ポリエステル樹脂(a−3)5.2部、メチルエチルケトン15.1部及びイソプロピルアルコール1.7部を仕込み、撹拌、均一化を行い有機溶剤溶液を得て、25℃に温調した。これに中和剤として10.0重量%アンモニア水を0.87部、ラジカル反応開始剤として2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.4部を添加し、5分間撹拌した。その後、25℃の水61.7部を1時間かけて滴下して転相乳化させ樹脂微粒子(X1−3)の分散液(abD1−3)を得た後、40℃において30kPaの減圧下でメチルエチルケトンとイソプロピルアルコールを留去した。その後、80℃まで徐々に昇温しながら、1時間架橋反応させることで、ポリエステル樹脂(a−3)中の不飽和カルボン酸成分(z)由来の炭素−炭素二重結合同士を架橋反応させてなる変性樹脂と非晶性ポリエステル樹脂(b1−1)とを含む樹脂微粒子(X2−3)の分散液(abD2−3)を得た。樹脂微粒子(X2−3)の体積基準のメジアン径は0.15μm、分散液(abD2−3)の固形分濃度は20重量%であった。
<製造例16>[樹脂微粒子(X2−4)の分散液(abD2−4)の製造]
製造例15において、ポリエステル樹脂(a−3)5.2部及び非晶性ポリエステル樹脂(b1−1)15.5部をポリエステル樹脂(a−1)2.1部及び非晶性ポリエステル樹脂(b1−1)18.6部に置き換えた以外は製造例15と同様にして、ポリエステル樹脂(a−1)中の不飽和カルボン酸成分(z)由来の炭素−炭素二重結合同士を架橋反応させてなる変性樹脂と非晶性ポリエステル樹脂(b1−1)とを含む樹脂微粒子(X2−4)の分散液(abD2−4)を得た。樹脂微粒子(X2−4)の体積基準のメジアン径は0.15μm、分散液(abD2−4)の固形分濃度は20重量%であった。
<製造例17>[樹脂微粒子(X1−5)の分散液(abD1−5)の製造]
撹拌装置、加熱冷却装置、冷却管および温度計を備えた反応容器に非晶性ポリエステル樹脂(b1−1)12.4部、ポリエステル樹脂(a−1)8.3部、メチルエチルケトン15.1部及びイソプロピルアルコール1.7部を仕込み、撹拌、均一化を行い有機溶剤溶液を得て、25℃に温調した。これに中和剤として10.0重量%アンモニア水を0.87部、ラジカル反応開始剤として2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.4部を添加し、5分間撹拌した。その後、25℃の水61.7部を1時間かけて滴下して転相乳化させた。その後40℃において30kPaの減圧下でメチルエチルケトンとイソプロピルアルコールを留去した。これによりポリエステル樹脂(a−1)と非晶性ポリエステル樹脂(b1−1)とを含む樹脂微粒子(X1−5)の分散液(abD1−5)を得た。樹脂微粒子(X1−5)の体積基準のメジアン径は0.15μm、分散液(abD1−5)の固形分濃度は20重量%であった。
<製造例18>[樹脂微粒子(X1−6)の分散液(abD1−6)]
製造例17において、ポリエステル樹脂(a−1)8.3部及び非晶性ポリエステル樹脂(b1−1)12.4部を(a−1)5.2部及び(b1−1)15.5部に置き換えた以外は製造例17と同様にして、ポリエステル樹脂(a−1)と非晶性ポリエステル樹脂(b1−1)を含む樹脂微粒子(X1−6)の分散液(abD1−6)を得た。樹脂微粒子(X1−2)の体積基準のメジアン径は0.15μm、分散液(abD1−6)の固形分濃度は20重量%であった。
<製造例19>[樹脂微粒子(X2−7)の分散液(abD2−7)]
製造例13において、ポリエステル樹脂(a−1)5.2部及び非晶性ポリエステル樹脂(b1−1)15.5部を(a−1)1.5部及び(b1−1)19.2部に置き換えた以外は製造例13と同様にして、ポリエステル樹脂(a−1)中の不飽和カルボン酸成分(z)由来の炭素−炭素二重結合同士を架橋反応させてなる変性樹脂と非晶性ポリエステル樹脂(b1−1)とを含む樹脂微粒子(X2−7)の分散液(abD2−7)を得た。樹脂微粒子(X2−7)の体積基準のメジアン径は0.15μm、分散液(abD2−7)の固形分濃度は20重量%であった。
<製造例20>[樹脂微粒子(X2−8)の分散液(abD2−8)]
製造例19において、ポリエステル樹脂(a−1)1.5部及び非晶性ポリエステル樹脂(b1−1)19.2部を(a−1)10.4部及び(b1−1)10.3部に置き換えた以外は製造例19と同様にして、ポリエステル樹脂(a−1)中の不飽和カルボン酸成分(z)由来の炭素−炭素二重結合同士を架橋反応させてなる変性樹脂と非晶性ポリエステル樹脂(b1−1)とを含む樹脂微粒子(X2−8)の分散液(abD2−8)を得た。樹脂微粒子(X2−8)の体積基準のメジアン径は0.15μm、分散液(abD2−8)の固形分濃度は20重量%であった。
<製造例21>[樹脂微粒子(X2−9)の分散液(abD2−9)]
製造例13において、ポリエステル樹脂(a−1)5.2部をポリエステル樹脂(a−4)5.2部に置き換えた以外は製造例13と同様にして、ポリエステル樹脂(a−4)中の不飽和カルボン酸成分(z)由来の炭素−炭素二重結合同士を架橋反応させてなる変性樹脂と非晶性ポリエステル樹脂(b1−1)とを含む樹脂微粒子(X2−9)の分散液(abD2−9)を得た。樹脂微粒子(X2−9)の体積基準のメジアン径は0.15μm、分散液(abD2−9)の固形分濃度は20重量%であった。
<製造例22>[樹脂微粒子(X2−10)の分散液(abD2−10)]
製造例13において、ポリエステル樹脂(a−1)5.2部をポリエステル樹脂(a−5)5.2部に置き換えた以外は製造例13と同様にして、ポリエステル樹脂(a−5)中の不飽和カルボン酸成分(z)由来の炭素−炭素二重結合同士を架橋反応させてなる変性樹脂と非晶性ポリエステル樹脂(b1−1)とを含む樹脂微粒子(X2−10)の分散液(abD2−10)を得た。樹脂微粒子(X2−10)の体積基準のメジアン径は0.15μm、分散液(abD2−10)の固形分濃度は20重量%であった。
<製造例23>[樹脂微粒子(X2−11)の分散液(abD2−11)]
製造例13において、ポリエステル樹脂(a−1)5.2部をポリエステル樹脂(a−6)5.2部に置き換えた以外は製造例13と同様にして、ポリエステル樹脂(a−6)中の不飽和カルボン酸成分(z)由来の炭素−炭素二重結合同士を架橋反応させてなる変性樹脂と非晶性ポリエステル樹脂(b1−1)とを含む樹脂微粒子(X2−11)の分散液(abD2−11)を得た。樹脂微粒子(X2−11)の体積基準のメジアン径は0.15μm、分散液(abD2−11)の固形分濃度は20重量%であった。
<製造例24>[樹脂微粒子(X2−12)の分散液(abD2−12)]
製造例13において、ポリエステル樹脂(a−1)5.2部をポリエステル樹脂(a−7)5.2部に置き換えた以外は製造例13と同様にして、ポリエステル樹脂(a−7)中の不飽和カルボン酸成分(z)由来の炭素−炭素二重結合同士を架橋反応させてなる変性樹脂と非晶性ポリエステル樹脂(b1−1)とを含む樹脂微粒子(X2−12)の分散液(abD2−12)を得た。樹脂微粒子(X2−12)の体積基準のメジアン径は0.15μm、分散液(abD2−12)の固形分濃度は20重量%であった。
<製造例25>[樹脂微粒子(X2−13)の分散液(abD2−13)]
製造例13において、ポリエステル樹脂(a−1)5.2部をポリエステル樹脂(a−8)5.2部に置き換えた以外は製造例13と同様にして、ポリエステル樹脂(a−8)中の不飽和カルボン酸成分(z)由来の炭素−炭素二重結合同士を架橋反応させてなる変性樹脂と非晶性ポリエステル樹脂(b1−1)とを含む樹脂微粒子(X2−13)の分散液(abD2−13)を得た。樹脂微粒子(X2−13)の体積基準のメジアン径は0.15μm、分散液(abD2−13)の固形分濃度は20重量%であった。
<製造例26>[樹脂微粒子(X2−14)の分散液(abD2−14)]
製造例13において、非晶性ポリエステル樹脂(b1−1)15.5部を非晶性ポリエステル樹脂(b1−2)15.5部に置き換えた以外は製造例13と同様にして、ポリエステル樹脂(a−1)中の不飽和カルボン酸成分(z)由来の炭素−炭素二重結合同士を架橋反応させてなる変性樹脂と非晶性ポリエステル樹脂(b1−2)とを含む樹脂微粒子(X2−14)の分散液(abD2−14)を得た。樹脂微粒子(X2−14)の体積基準のメジアン径は0.15μm、分散液(abD2−14)の固形分濃度は20重量%であった。
<製造例27>[樹脂微粒子(X2−15)の分散液(abD2−15)]
製造例13において、非晶性ポリエステル樹脂(b1−1)15.5部を非晶性ポリエステル樹脂(b1−3)15.5部に置き換えた以外は製造例13と同様にして、ポリエステル樹脂(a−1)中の不飽和カルボン酸成分(z)由来の炭素−炭素二重結合同士を架橋反応させてなる変性樹脂と非晶性ポリエステル樹脂(b1−3)とを含む樹脂微粒子(X2−15)の分散液(abD2−15)を得た。樹脂微粒子(X2−15)の体積基準のメジアン径は0.15μm、分散液(abD2−15)の固形分濃度は20重量%であった。
<製造例28>[非晶性ポリエステル樹脂(b1−1)の分散液の製造]
製造例17において、ポリエステル樹脂(a−1)8.3部及び非晶性ポリエステル樹脂(b1−1)12.4部を非晶性ポリエステル樹脂(b1−1)20.7部に置き換えた以外は製造例17と同様にして、樹脂微粒子の体積基準のメジアン径が0.15μm、固形分濃度が20重量%である非晶性ポリエステル樹脂(b1−1)の分散液(bD−1)を得た。
<製造例29>[結晶性ポリエステル樹脂(C−1)の分散液の製造]
撹拌装置、加熱冷却装置、冷却管および温度計を備えた反応容器に、結晶性ポリエステル樹脂(C−1)15部およびイオン交換水20部を仕込み、撹拌下90℃に昇温し、同温度で30分間撹拌後、1時間かけて10℃まで冷却して結晶性ポリエステル樹脂を微粒子状に晶析させ、更にウルトラビスコミル(アイメックス製)で湿式粉砕し、結晶性ポリエステル樹脂(C−1)の分散液(CD−1)を得た。結晶性ポリエステル樹脂(C−1)の体積基準のメジアン径は0.10μm、分散液(CD−1)の固形分濃度は50重量%であった。
<製造例30>[着色剤分散液の製造]
撹拌装置、加熱冷却装置、冷却管および温度計を備えた反応容器に、カーボンブラック「MA100」[三菱化学(株)製]10部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5部、イオン交換水40部を投入し、回転数300rpmで撹拌下30℃に昇温し、同温度で30分間撹拌後、更にウルトラビスコミルで湿式粉砕し、黒色着色剤分散液を得た。得られた黒色着色剤分散液の着色剤微粒子の体積基準のメジアン径は0.05μm、分散液の固形分濃度は20重量%であった。
<製造例31>[離型剤分散液の製造]
撹拌装置、加熱冷却装置、冷却管および温度計を備えた反応容器に、パラフィンワックス「HNP−9」[融解熱最大ピーク温度:73℃、日本精蝋(株)製]10部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5部、イオン交換水15部を投入し、回転数300rpmで撹拌下78℃に昇温し、同温度で30分間撹拌後、1時間かけて30℃まで冷却してパラフィンワックスを微粒子状に晶析させ、更にウルトラビスコミルで湿式粉砕し、離型剤分散液を得た。得られた離型剤分散液の離型剤微粒子の体積基準のメジアン径は0.25μm、分散液の固形分濃度は50重量%であった。
<実施例1>[トナー(T−1)の作製]
撹拌装置、加熱冷却装置、冷却管、温度計および窒素導入管の付いた反応容器にポリエステル樹脂(a−1)中の不飽和カルボン酸成分(z)由来の炭素−炭素二重結合同士を架橋反応させてなる変性樹脂と非晶性ポリエステル樹脂(b1−1)を含む樹脂微粒子(X2−1)の分散液(abD2−1)、結晶性樹脂(C−1)の分散液、着色剤分散液、および離型剤分散液を固形分が表2の部数となるように仕込み、イオン交換水300部を仕込み、液温を30℃に調整した後、撹拌しながら濃度25重量%の水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを10に調整して分散液(W2−1)を得た。
次いで、ポリエステル樹脂(a−1)中の不飽和カルボン酸成分(z)由来の炭素−炭素二重結合同士を架橋反応させてなる変性樹脂と非晶性ポリエステル樹脂(b1−1)とを含む樹脂微粒子(X2−1)、結晶性樹脂(C−1)、着色剤、および離型剤の凝集を行うため、回転数300rpmで撹拌しながら凝集剤として濃度10重量%の塩化マグネシウム水溶液を加えていき、適宜にサンプリングを行い体積平均粒径5μmになったことを確認した後、系の温度を60℃に調整し、続いて0.3M硝酸水溶液を添加することにより、pHを4.5に調節し、30分後に4.0に調節した。撹拌を3時間保持することにより融着(融合)および球状化を行った。
その後、30℃まで冷却して着色剤を含有する樹脂粒子の水性分散液を得た。次いで樹脂粒子を濾過と水による洗浄を3回繰り返したあと、濾別し、40℃の送風循環式乾燥機で18時間乾燥を行い、揮発分を0.5重量%以下とした樹脂粒子(Z−1)を得た。得られた樹脂粒子(Z−1)99重量部とコロイダルシリカ(アエロジルR−972)(日本アエロジル(株)製)1重量部とを均一混合して、体積平均粒径5μmの本発明のトナー(T−1)を得た。
Figure 0006818162
<実施例2〜4>[トナー(T−2)〜(T−4)の作製]
実施例1において、分散液(abD2−1)を分散液(abD2−2)〜(abD2−4)に各々置き換えた以外は実施例1と同様にして、分散液(W2−2)〜(W2−4)、樹脂粒子(Z−2)〜(Z−4)を得た後、体積平均粒径5μmの本発明のトナー(T−2)〜(T−4)を得た。
<実施例5>[トナー(T−5)の作製]
撹拌装置、加熱冷却装置、冷却管、温度計および窒素導入管の付いた反応容器にポリエステル樹脂(a−1)と非晶性ポリエステル樹脂(b1−1)を含む樹脂微粒子(X1−5)の分散液(abD1−5)、結晶性樹脂(C−1)の分散液、着色剤分散液、および離型剤分散液を固形分が表2の部数となるように仕込み、イオン交換水300部を仕込み、液温を30℃に調整した後、回転数300rpmで撹拌しながら濃度25重量%の水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを10に調整し分散液(W1−1)を得た。
次いで、ポリエステル樹脂(a−1)と非晶性ポリエステル樹脂(b1−1)を含む樹脂微粒子(X1−5)、結晶性樹脂(C−1)、着色剤、および離型剤の凝集を行うため、回転数300rpmで撹拌しながら濃度10重量%の塩化マグネシウム水溶液を加えていき、適宜にサンプリングを行い体積平均粒径5μmになったことを確認した後、系の温度を60℃に調整し、続いて0.3M硝酸水溶液を添加することにより、pHを4.5に調節し、30分後に4.0に調節した。その後、撹拌下80℃まで徐々に昇温しながら3時間保持することによりポリエステル樹脂(a−1)中の不飽和カルボン酸成分(z)由来の炭素−炭素二重結合同士の架橋反応と、凝集体の融着(融合)及び球状化とを同時に行った。
その後、30℃まで冷却して着色剤を含む樹脂粒子の水性分散液を得た。次いで濾過と水による洗浄を3回繰り返したあと、濾別し、40℃の送風循環式乾燥機で18時間乾燥を行い、揮発分を0.5重量%以下とした。得られた樹脂粒子(Z−5)99重量部とコロイダルシリカ(アエロジルR−972)(日本アエロジル(株)製)1重量部とを均一混合して、体積平均粒径5μmの本発明のトナー(T−5)を得た。
<実施例6>[トナー(T−6)の作製]
実施例5において、ポリエステル樹脂(a−1)と非晶性ポリエステル樹脂(b1−1)を含む樹脂微粒子(X1−5)の分散液(abD1−5)を分散液(abD1−6)に置き換え、結晶性樹脂(C−1)の分散液を添加しなかった以外は実施例5と同様にして分散液(W1−2)、樹脂粒子(Z−6)を得た後、体積平均粒径5μmの本発明のトナー(T−6)を得た。
<実施例7〜15>[トナー(T−7)〜(T−15)の作製]
実施例1において、分散液(abD2−1)を分散液(abD2−7)〜(abD2−15)に各々置き換えた以外は実施例1と同様にして、分散液(W2−7)〜(W2−15)、樹脂粒子(Z−7)〜(Z−15)を得た後、体積平均粒径5μmの本発明のトナー(T−7)〜(T−15)を得た。
<比較例1>[トナー(T’−1)の作製]
実施例5において、ポリエステル樹脂(a−1)と非晶性ポリエステル樹脂(b1−1)を含む樹脂微粒子(X1−5)の分散液(abD1−5)をポリエステル樹脂(b1−1)の分散液(bD−1)に置き換え、結晶性樹脂(C−1)の分散液を添加しなかった以外は実施例5と同様にして分散液(W1’−1)、樹脂粒子(Z’−1)を得た後、体積平均粒径5μmのトナー(T’−1)を得た。
<比較例2>[トナー(T’−2)の製造]
製造例1で得たポリエステル樹脂(a−1)25部と製造例9で得た非晶性ポリエステル樹脂(b1−1)75部を二軸混練器(株式会社栗本鐵工所製、S5KRCニーダー)に10kg/毎時で供給し、同時にラジカル反応開始剤(c)として2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)へキサン(c−2)1.0部を0.10kg/時で供給して160℃で15分間混練押出して架橋反応を行った。得られたものを冷却し、トナーバインダーを得た。
さらにトナーバインダー100部に対して、顔料のカーボンブラックMA−100[三菱化学(株)製]7部、離型剤のパラフィンワックス7部を加え、ヘンシェルミキサ[日本コークス工業(株)製 FM10B]を用いて予備混合した後、二軸混練機[(株)池貝製 PCM−30]で混練した。
ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製 MDS−I]で分級し、体積平均粒径が5μm、粒度分布が1.8の樹脂粒子(Z’−2)を得た。得られた樹脂粒子(Z’−2)99部に流動化剤のコロイダルシリカ(アエロジルR972:日本アエロジル(株)製)1部をサンプルミルにて混合して、トナー(T’−2)を得た。
実施例及び比較例のトナーについて、ポリエステル樹脂(a)、ポリエステル樹脂(b)、ラジカル反応開始剤(c)、着色剤及び離型剤の配合組成を表2に示す。表2には、樹脂粒子のTHF不溶解分(%)、ガラス転移温度(Tg)も示した。THF不溶解分(%)は、上記に記載の方法で求めた。(a)/(b)の重量比は、樹脂粒子中のポリエステル樹脂(a)由来の構造部分とポリエステル樹脂(b)との重量比であり、(b1)/(C)の重量比は、非晶性ポリエステル樹脂(b1)と結晶性ポリエステル樹脂(C)との重量比である。
つぎに実施例と比較例のトナーを評価し、その結果を表3に示した。
Figure 0006818162
[評価方法]
以下に、得られたトナーの低温定着性、光沢性、耐ホットオフセット性、流動性、耐熱保存性、帯電性、帯電安定性、粒度分布、耐折り曲げ性、ドキュメントオフセット性、画像強度、クリーニング性の測定方法と評価方法を、判定基準を含めて説明する。
<低温定着性>
トナーを紙面上に0.85mg/cmとなるよう均一に載せた。このとき粉体を紙面に載せる方法は、熱定着機を外したプリンターを用いた。
この紙を加圧ローラーに定着速度(加熱ローラ周速)213mm/秒、定着圧力(加圧ローラ圧)10kg/cmの条件で通したときのコールドオフセットの発生温度(MFT)を測定した。
コールドオフセットの発生温度が低いほど、低温定着性に優れることを意味する。
<光沢性>
低温定着性と同様に定着評価を行った。画像の下に白色の厚紙を敷き、光沢度計(株式会社堀場製作所製、「IG−330」)を用いて、入射角度60度にて、印字画像の光沢度(%)を測定した。光沢度が高いほど、光沢性に優れることを意味する。
<耐ホットオフセット性(ホットオフセット発生温度)>
低温定着性と同様に定着評価し、定着画像へのホットオフセットの有無を目視評価した。加圧ローラー通過後、ホットオフセットが発生した温度を耐ホットオフセット性(℃)とした。この評価条件では、温度が高いほどオフセットが発生しにくいことを意味し、180℃以上であると実際の使用態様でオフセットの発生を抑制できる。
<流動性>
ホソカワミクロン(株)製パウダーテスターでトナーのかさ密度(g/100mL)を測定し、流動性を下記の判定基準で判定した。
[判定基準]
○:かさ密度が33g/100mL以上
△:かさ密度が25g/100mL以上33g/100mL未満
×:かさ密度が25g/100mL未満
<耐熱保存性>
トナー1gを密閉容器に入れ、温度50℃、湿度50%の雰囲気で24時間静置し、ブロッキングの程度を目視で判断し、下記判定基準で耐熱保存性を評価した。
[判定基準]
○:ブロッキングが全く発生していない。
△:一部にブロッキングが発生している。
×:全体にブロッキングが発生している。
<帯電性>(帯電量)
(1)トナー0.5gとフェライトキャリア(パウダーテック社製、F−150)10gとを50mLのガラス瓶に入れ、これを23℃、相対湿度50%で8時間以上調湿した。
(2)ターブラーシェーカーミキサーにて90rpm×2分間摩擦撹拌し、撹拌後の混合粉体0.2gを目開き20μmステンレス金網がセットされたブローオフ粉体帯電量測定装置に装填し、ブロー圧10KPa、吸引圧5KPaの条件で、残存フェライトキャリアの帯電量を測定し、定法により樹脂粒子の帯電量(μC/g)を算出した。なお、トナー用としてはマイナス帯電量が高いほど帯電特性が優れている。
測定にはブローオフ帯電量測定装置[東芝ケミカル(株)製]を用いた。
[判定基準]
○:帯電量−15μC/g未満
△:帯電量−15μC/g以上−5μC/g未満
×:帯電量−5μC/g以上
<帯電安定性>
(1)トナー0.5gとフェライトキャリア(パウダーテック社製、F−150)20gとを50mLのガラス瓶に入れ、これを23℃、相対湿度50%で8時間以上調湿した。
(2)ターブラーシェーカーミキサーにて50rpm×20分間と60分間摩擦撹拌し、それぞれの時間での帯電量を測定した。
測定にはブローオフ帯電量測定装置[東芝ケミカル(株)製]を用いた。
「摩擦時間60分の帯電量/摩擦時間10分の帯電量」を計算し、これを帯電安定性の指標とした。
[判定基準]
○:0.7以上
△:0.6以上0.7未満
×:0.6未満
<粒度分布>
比較例2において、二軸混練機で混練、冷却した粗粉砕物(8.6メッシュパス〜30メッシュオンのもの)を、超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]により下記の条件で微粉砕した。
粉砕圧:0.5MPa
粉砕時間:15分
アジャスターリング:15mm
ルーバーの大きさ:中
これを分級せずに、体積平均粒径(μm)、個数平均粒径(μm)、粒度分布(体積平均粒径/個数平均粒径)をコールターカウンター「マルチサイザーIV」(ベックマン・コールター(株)製)により測定し、下記の判定基準で粒度分布を評価した。
なお、粉砕工程を実施しない実施例1〜15、比較例1は、樹脂粒子の分散液を測定した。
[判定基準]
○:体積平均粒径5.5μm未満かつ粒度分布1.0以上1.8未満
△:体積平均粒径5.5μm以上6.0μm未満かつ粒度分布1.0以上1.8未満
×:体積平均粒径6.0μm以上又は粒度分布1.8以上
<耐折り曲げ性>
低温定着性の評価で定着した画像を画像面が内側になるように紙を折り曲げ、30gの加重で2往復擦った。
紙を広げて、画像上の折り曲げたあとの白すじの有無を目視で判定した。
[判定基準]
○:白すじなし
△:わずかに白すじあり
×:白すじあり
<ドキュメントオフセット性>
低温定着性の評価で得られた画像が定着されたA4の紙2枚を、定着面同士で重ね合わせ、420gの加重(0.68g/cm)をかけ、60℃で60分間静置した。
重ね合わせた紙同士を引き離したときの状態について、下記の判定基準でドキュメントオフセット性を評価した。
[判定基準]
○:抵抗なし
△:パリパリと音がするが、紙面から画像は剥がれない
×:紙面から画像が剥がれる
<画像強度>
低温定着性の評価で定着した画像を、JIS K5600に準じて、斜め45度に固定した鉛筆の真上から10gの荷重をかけ引っ掻き試験を行い、傷のつかない鉛筆硬度から画像強度を評価した。鉛筆硬度が高いほど画像強度に優れることを意味する。
[判定基準]
○: H以上
△: B〜F
×: 2B以下
<クリーニング性>
市販複写機[AR5030;シャープ(株)製]を用いて清掃工程を通過した感光体上の転写残トナーを目視で観察し、下記の判定基準でクリーニング性を評価した。
[判定基準]
○: トナーのすり抜けがなかった
△: トナーのすり抜けが少し観察された
×: トナーのすり抜けがあった
[評価結果]
表3の評価結果から明らかなように、本発明の製造方法で得られたトナーはいずれもすべての性能評価において優れた結果が得られた。一方、ポリエステル樹脂(a)を含まない比較例1のトナーや含んだとしても粉砕法で製造した比較例2のトナーは、いくつかの性能項目で不良であり満足のいくものではなかった。
本発明の製造方法により得られる樹脂粒子及びトナーは、低温定着性、光沢性、耐ホットオフセット性、帯電性及び粒度分布に優れ、耐熱保存性、帯電安定性及びクリーニング性に優れ、電子写真、静電記録及び静電印刷等に用いるトナーとして好適に使用できる。さらに、塗料用添加剤、接着剤用添加剤及び電子ペーパー用粒子などの用途として好適である。

Claims (6)

  1. アルコール成分(y)と不飽和カルボン酸成分(z)とを含有する成分を重縮合して得られたガラス転移温度(Tg)が−20〜57℃のポリエステル樹脂(a)と、ポリエステル樹脂(a)を除く、ポリエステル樹脂(b)とを含有する樹脂微粒子を含む分散液を得た後、樹脂微粒子を凝集させ、融合させる樹脂粒子の製造方法であって、ポリエステル樹脂(a)及びポリエステル樹脂(b)を含む有機溶剤溶液を、水性溶媒中に分散させて、ポリエステル樹脂(a)及びポリエステル樹脂(b)を含有する樹脂微粒子を含む分散液を得た後、ポリエステル樹脂(b)の存在下でポリエステル樹脂(a)中の不飽和カルボン酸成分(z)由来の炭素−炭素二重結合同士を架橋反応させて変性樹脂にする工程を含み、ポリエステル樹脂(b)はアルコール成分(y)と飽和カルボン酸成分(x)とを含有する成分を重縮合して得られたポリエステル樹脂である、樹脂粒子の製造方法。
  2. 樹脂粒子中のテトラヒドロフラン不溶解分とテトラヒドロフラン溶解分との重量比が5/95〜50/50である請求項1に記載の樹脂粒子の製造方法。
  3. ポリエステル樹脂(a)のピークトップ分子量が2,000〜20,000である請求項1又は2に記載の樹脂粒子の製造方法。
  4. ポリエステル樹脂(b)がアルコール成分(y)と飽和カルボン酸成分(x)とを含有する成分を重縮合して得られた非晶性ポリエステル樹脂(b1)を含有するポリエステル樹脂であって、アルコール成分(y)が芳香族ジオールを80モル%以上含有し、飽和カルボン酸成分(x)が芳香族ジカルボン酸を80モル%以上含有する請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂粒子の製造方法。
  5. 樹脂粒子中のポリエステル樹脂(a)由来の構造部分とポリエステル樹脂(b)との重量比が5/95〜50/50である請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂粒子の製造方法。
  6. 請求項1〜いずれかに記載の樹脂粒子の製造方法で得られた樹脂粒子を含んでなるトナーの製造方法。
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