JP2019101421A - トナーバインダー及びトナー - Google Patents
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Abstract
Description
フルカラー電子写真用には従来、電子写真感光体等の潜像坦持体に色画像情報に基づく潜像を形成し、該潜像を対応する色のトナーにより現像し、次いで該トナー像を転写材上に転写するといった画像形成工程を繰り返した後、転写材上のトナー像を加熱定着して多色画像を得る方法や装置が知られている。
すなわち本発明は、ポリエステル樹脂(A)とビニル樹脂(B)とを含有するトナーバインダーであって、ビニル樹脂(B)の重量平均分子量が4,000〜40,000であり、ビニル樹脂(B)の溶解度パラメータが10.6〜12.6(cal/cm3)1/2であり、ビニル樹脂(B)中のポリエチレン単位(C11)及びポリプロピレン単位(C12)の合計の重量割合が、ビニル樹脂(B)の重量を基準として0〜9重量%であり、前記ポリエチレン単位(C11)は70〜210の重合度を有するポリエチレン単位であり、前記ポリプロピレン単位(C12)は70〜210の重合度を有するポリプロピレン単位であり、トナーバインダー中のビニル樹脂(B)の個数平均分散粒子径が0.02〜2μmであるトナーバインダー;並びに該トナーバインダー及び着色剤を含有するトナーである。
以下に、本発明のトナーバインダーについて順次、説明する。
アルコール成分(x)としては、ジオール(x1)及び/又は3価以上のポリオール(x2)が挙げられる。
カルボン酸成分(y)としては、ジカルボン酸(y1)及び/又は3価以上のポリカルボン酸(y2)が挙げられる。また、必要によりモノカルボン酸(y3)を使用してもよい。
また、ジカルボン酸(y1)としては、これらのカルボン酸の無水物、低級アルキル(炭素数1〜4)エステル(メチルエステル、エチルエステル及びイソプロピルエステル等)を用いてもよいし、これらのカルボン酸と併用してもよい。
また、3価以上のポリカルボン酸(y2)としては、これらのカルボン酸の無水物、低級アルキル(炭素数1〜4)エステル(メチルエステル、エチルエステル及びイソプロピルエステル等)を用いてもよいし、これらをカルボン酸と併用してもよい。
これらのうち保存安定性の観点から好ましいものは安息香酸である。
エステル化触媒の例には、スズ含有触媒(例えばジブチルスズオキシド等)、三酸化アンチモン、チタン含有触媒[例えばチタンアルコキシド、シュウ酸チタン酸カリウム、テレフタル酸チタン、テレフタル酸チタンアルコキシド、特開2006−243715号公報に記載の触媒{チタニウムジイソプロポキシビス(トリエタノールアミネート)、チタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)、チタニウムモノヒドロキシトリス(トリエタノールアミネート)、チタニルビス(トリエタノールアミネート)及びそれらの分子内重縮合物等}、及び特開2007−11307号公報に記載の触媒(チタントリブトキシテレフタレート、チタントリイソプロポキシテレフタレート及びチタンジイソプロポキシジテレフタレート等)等]、ジルコニウム含有触媒(例えば酢酸ジルコニル等)並びに酢酸亜鉛等が挙げられる。これらの中で、好ましくはチタン含有触媒である。反応末期の反応速度を向上させるために減圧することも有効である。
また、ポリエステル樹脂(A)は低温定着性と耐ホットオフセット性とを両立させる観点から、線形ポリエステル樹脂(A1)と非線形ポリエステル樹脂(A2)とからなるのが好ましい。線形ポリエステル樹脂(A1)と非線形ポリエステル樹脂(A2)との重量比((A1)/(A2))は、低温定着性と耐ホットオフセット性とを両立させる観点から、好ましくは10/90〜90/10、より好ましくは15/85〜85/15、さらに好ましくは20/80〜80/20、特に好ましくは30/70〜70/30である。
非線形ポリエステル樹脂(A2)は、前記のジカルボン酸(y1)及びジオール(x1)と共に、前記の3価以上のポリカルボン酸(y2)及び/又は3価以上のポリオール(x2)を反応させて得られる。非線形ポリエステル樹脂(A2)を得る場合の3価以上のポリカルボン酸(y2)と3価以上のポリオール(x2)との合計モル比率[{(y2)+(x2)}/{(x)+(y)}]は、全アルコール成分(x)とカルボン酸成分(y)のモル数の合計に対して、低温定着性及び耐ホットオフセット性の観点から、好ましくは0.1〜40モル%、より好ましくは1〜30モル%、さらに好ましくは2〜25モル%、特に好ましくは3〜20モル%である。
なお、本発明においてガラス転移点は、例えば示差走査熱量計を用いて、ASTM D3418−82に規定の方法(DSC法)で測定することができる。
なお、ポリエステル樹脂(A)、ビニル樹脂(B)及び後記の結晶性樹脂(E)の重量平均分子量(以下、Mwと略称することがある)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下においてGPCと略記する)を用いて以下の条件で測定することができる。
装置(一例) : HLC−8120[東ソー(株)製]
カラム(一例): TSK GEL GMH6 2本 [東ソー(株)製]
測定温度 : 40℃
試料溶液 : 0.25重量%のTHF溶液
溶液注入量 : 100μL
検出装置 : 屈折率検出器
基準物質 : 東ソー(株)製 標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量 500 1,050 2,800 5,970 9,100 18,100 37,900 96,400 190,000 355,000 1,090,000 2,890,000)
測定は、0.25重量%になるように試料をテトラヒドロフラン(以下においてTHFと略記する)に溶解し、不溶解分をグラスフィルターでろ別したものを試料溶液とする。
なお、本発明において、酸価は、JIS K0070(1992年版)に規定の方法で測定した値である。
なお、本発明において、水酸基価は、JIS K0070(1992年版)に規定の方法で測定した値である。
ポリエステル樹脂(A)の酸価が上記範囲となるように、線形ポリエステル樹脂(A1)及び非線形ポリエステル樹脂(A2)の種類、これらの重量比を設定すればよい。
ポリエステル樹脂(A)のガラス転移点、THF不溶解分が上記範囲となるように、線形ポリエステル樹脂(A1)及び非線形ポリエステル樹脂(A2)の種類、これらの重量比を設定することが好ましい。
SP値が12.6を超えても、10.6未満でもポリエステル樹脂(A)とのSP値差が大きくなりすぎポリエステル樹脂(A)への分散が不良となる。
なお、本発明におけるSP値の計算方法は、Robert F Fedorsらの著による文献(Polymer Engineering and Science,Feburuary,1974,Vol.14,No.2 P.147〜154)に記載の方法による。
なお、本発明において「(メタ)アクリロ」は「アクリルロ」及び/又は「メタクリロ」を意味する。
α,β−不飽和カルボン酸(m2)としては、炭素数3〜20のものが含まれ、不飽和カルボン酸及びその無水物[(メタ)アクリル酸(アクリル酸のSP値:14.0、メタクリル酸のSP値:12.5)、マレイン酸(SP値:16.4)、フマル酸(SP値:16.4)及びイタコン酸(SP値:15.1)並びにこれらの無水物等]、並びに不飽和ジカルボン酸モノエステル[マレイン酸モノメチル(SP値:13.2)及びイタコン酸モノメチル(SP値:12.6)等]等が挙げられる。これらのうち好ましいものは、(メタ)アクリル酸及び不飽和ジカルボン酸モノエステルであり、より好ましいのは(メタ)アクリル酸及びマレイン酸モノメチルである。
なお、本発明において「(メタ)アクリル」は「アクリル」及び/又は「メタクリル」を意味する。
これのうち好ましいものはスチレン系モノマー、不飽和カルボン酸アルキルエステル及びハロゲン元素含有ビニルモノマーであり、より好ましくはスチレン系モノマー及び不飽和カルボン酸アルキルエステルであり、さらに好ましいのは、スチレン及びスチレンと(メタ)アクリル酸アルキルエステルとの併用である。
ビニル樹脂(B)が構成単量体に単量体(c)を含む場合、単量体(c)はビニル樹脂(B)中に含まれるポリオレフィン樹脂単位(C)を構成する場合がある。ポリオレフィン樹脂単位(C)は、ポリオレフィン樹脂から構成される重合体単位である。例えば、ビニル樹脂(B)は、ポリオレフィン樹脂単位(C)に単量体(m)と単量体(n)とを含む共重合体をグラフトした構造であってもよい。
ポリオレフィン樹脂単位(C)のポリオレフィン樹脂としては、オレフィン(c)の重合体(C−1)、オレフィン(c)の重合体の酸化物(C−2)、オレフィン(c)の重合体の変性物(C−3)などが挙げられる。
オレフィン(c)の重合体(C−1)としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/1−ブテン共重合体、プロピレン/1−ヘキセン共重合体などの炭素数2〜12のオレフィンからなる重合体が挙げられる。オレフィン(c)の重合体(C−1)の単位は、ポリオレフィン単位、ポリオレフィンブロックということもできる。例えば、ポリエチレン単位は、ポリエチレンブロック又はエチレン単独重合部ということもできる。ポリプロピレン単位は、ポリプロピレンブロック又はプロピレン単独重合部ということもできる。
オレフィン(c)の重合体の酸化物(C−2)としては、上記オレフィン(c)の重合体(C−1)の酸化物等が挙げられ、例えば、酸化型ポリエチレン、酸化型ポリプロピレンが挙げられる。
オレフィン(c)の重合体の変性物(C−3)としては、上記オレフィン(c)の重合体(C−1)のマレイン酸誘導体(無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸ジメチル等)付加物などが挙げられ、例えば、マレイン化ポリプロピレンなどが挙げられる。
ポリオレフィン樹脂単位(C)を含むビニル樹脂(B)は、例えば、単量体(m)、単量体(n)、及び、上記のポリオレフィン樹脂を反応させてなるビニル樹脂であってよい。
例えば、ビニル樹脂(B)の製造において、ポリオレフィン樹脂としてオレフィン(c)の重合体(C−1)を使用すると、ビニル樹脂(B)にはオレフィン(c)の重合体(C−1)の単位が含まれる。
本発明のトナーバインダーにおいて、70〜210の重合度を有するポリエチレン単位(C11)及び70〜210の重合度を有するポリプロピレン単位(C12)は任意成分であり、トナーバインダーの粉砕性の観点から、ビニル樹脂(B)が、70〜210の重合度を有するポリエチレン単位(C11)及び/又は70〜210の重合度を有するポリプロピレン単位(C12)を含む場合には、ビニル樹脂(B)中のポリエチレン単位(C11)及びポリプロピレン単位(C12)の合計の重量割合は、ビニル樹脂(B)の重量を基準として0〜9重量%である。
ビニル樹脂(B)中の70〜210の重合度を有するポリエチレン単位(C11)及び70〜210の重合度を有するポリプロピレン単位(C12)の合計の重量割合は、ビニル樹脂(B)の重量を基準として好ましくは9重量%未満であり、好ましくは1重量%以下、より好ましくは0.5重量%以下、さらに好ましくは0.3重量%以下、特に好ましくは0.1重量%以下である。一態様において、ビニル樹脂(B)は、70〜210の重合度を有するポリエチレン単位(C11)及び70〜210の重合度を有するポリプロピレン単位(C12)を含まないことが好ましい。
なお、ビニル樹脂(B)中のポリエチレン単位(C11)及びポリプロピレン単位(C12)の合計の重量割合は、ビニル樹脂(B)の製造において使用する単量体(m)、単量体(n)、オレフィン(c)及びポリオレフィン樹脂の合計重量を基準とした、ポリエチレン単位(C11)及びポリプロピレン単位(C12)の合計の重量割合とし、小数第1位を四捨五入して得られた値である。
オレフィン(c)を用いた場合はビニル樹脂(B)中の上記ポリエチレン単位(C11)及びポリプロピレン単位(C12)の合計の重量割合は、ビニル樹脂(B)を構成する単量体の合計重量を基準とした、ポリエチレン単位(C11)を構成するエチレン及びポリプロピレン単位(C12)を構成するプロピレンの合計の重量割合と捉えることもできる。
さらに、架橋反応が効率よく進行し、使用量が少なくて済むことから、有機過酸化物(d2)のうち水素引抜き能の高い反応開始剤がさらに好ましく、ベンゾイルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、t−ブチルクミルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、α,α−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)へキサン及びジ−t−へキシルパーオキシド等の水素引抜き能の高いラジカル反応開始剤が特に好ましい。
なお、ビニル樹脂(B)の重合率は、下記の方法により求めることができる。一例として、スチレンモノマーを用いた場合を示す。
装置 :(株)島津製作所製GC−14A
カラム :PEG20M20% クロモソルブW担持2mガラスカラム(phenomenex社製)
内部標準 :アミルアルコール
検出器 :FID検出器
カラム温度:100℃
試料濃度 :5%DMF溶液
スチレンとアミルアルコールの検量線を予め作成しておき、この検量線をもとに試料中のスチレンモノマーの含有量を求める。仕込量に対するスチレンモノマーの残存量から重合率を算出する。5重量%になるように試料をジメチルホルムアミド(DMF)に溶解し、10分間静置した上澄み液を試料溶液とする。
トナーバインダー中のビニル樹脂(B)の個数平均分散粒子径は、トナー及びトナーバインダーの保存安定性、帯電特性及び粉砕性の観点から、0.02〜2μmであり、好ましくは0.03〜1.7μm、より好ましくは0.05〜1.5μm、さらに好ましくは0.07〜1.3μm、特に好ましくは0.1〜1μmである。ビニル樹脂(B)の個数平均分散粒子径は、実施例に記載の方法で測定することができる。
トナーバインダー中のビニル樹脂(B)の個数平均分散粒子径を上記範囲とすることは、ポリエステル樹脂(A)とビニル樹脂(B)の重量比[(A)/(B)]を80/20〜99.5/0.5の範囲にすること、ポリエステル樹脂(A)のSP値、ビニル樹脂(B)のSP値、ポリエステル樹脂(A)の酸価及びビニル樹脂(B)の酸価を調整することで容易に行うことができる。
関係式(1):0.1≦|SP(a)−SP(b)|≦1.4
[関係式(1)において、SP(a)は、ポリエステル樹脂(A)の溶解度パラメータであり、SP(b)は、ビニル樹脂(B)の溶解度パラメータである。]
ポリエステル樹脂(A)の溶解度パラメータ{SP(a)}とビニル樹脂(B)の溶解度パラメータ{SP(b)}との差の絶対値(|SP(a)−SP(b)|)は、定着性、保存安定性及び粉砕性の観点から、好ましくは0.1〜1.4であり、より好ましくは0.1〜1.3であり、さらに好ましくは0.2〜1.1であり、特に好ましくは0.2〜1.0である。関係式(1)を満たすことで、ポリエステル樹脂(A)とビニル樹脂(B)の相溶性が向上し、充分な定着領域が確保される。関係式(1)を満たすためには、ポリエステル樹脂(A)とビニル樹脂(B)のSP値を近付ければよく、特にビニル樹脂(B)に用いられる単量体(m)及び(n)の重量比率を考慮する必要がある。具体的には、ポリエステル樹脂(A)よりSP値が高い単量体(m)(例えば、アクリロニトリル(SP値:14.4)及びアクリル酸(SP値:14.0))と、ポリエステル樹脂(A)よりSP値が低い単量体(n)(例えば、スチレン(SP値:10.6)、ブチルアクリレート(SP値:9.8)及びエチルアクリレート(SP値:10.2))の重量比率を考慮する。
<軟化点〔Tm〕の測定方法>
降下式フローテスター[例えば、(株)島津製作所製、CFT−500D]を用いて、1gの測定試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出して、「プランジャー降下量(流れ値)」と「温度」とのグラフを描き、プランジャーの降下量の最大値の1/2に対応する温度をグラフから読み取り、この値(測定試料の半分が流出したときの温度)を軟化点〔Tm〕とする。
例えば結晶性ポリエステル樹脂、結晶性ポリウレタン樹脂、結晶性ポリウレア樹脂、結晶性ポリアミド樹脂及び結晶性ポリビニル樹脂等の公知の樹脂(例えば、国際公開2015−170705号公報に記載の結晶性樹脂等)が挙げられる。この中でも相溶性の観点から結晶性ポリエステル樹脂及び結晶性ポリビニル樹脂が好ましい。結晶性の観点から、結晶性ポリエステル樹脂としてはジオール成分の直鎖型脂肪族ジオールの含有率が80モル%以上であるものが好ましく、結晶性ポリビニル樹脂としては長鎖脂肪族ビニルの含有率が50重量%以上であるものが好ましい。
トナーバインダー中の定着助剤の含有量は、トナーバインダーの重量を基準として、低温定着性、保存安定性及び帯電安定性の観点から、好ましくは20重量%以下、より好ましくは10重量%以下である。
結晶性樹脂の吸熱ピークのピークトップ温度の測定方法を記載する。
示差走査熱量計{例えばTA Instruments(株)製、DSC Q20}を用いて測定する。結晶性樹脂を20℃から10℃/分の条件で150℃まで第1回目の昇温を行い、続いて150℃から10℃/分の条件で0℃まで冷却し、続いて0℃から10℃/分の条件で150℃まで第2回目の昇温をした際の第2回目の昇温過程の吸熱ピークのトップを示す温度を結晶性樹脂の吸熱ピークのピークトップ温度とする。
また、本発明における「非晶性」とは、示差走査熱量計を用いて試料の転移温度測定を行った場合に、吸熱ピークのピークトップ温度が存在しないことを意味する。
トナー中の本発明のトナーバインダーの含有量は、着色剤として染料または顔料を使用する場合は、好ましくは60〜98重量%であり、磁性粉を使用する場合は、好ましくは25〜80重量%である。
着色剤としては、トナー用着色剤として使用されている染料、顔料等のすべてを使用することができる。具体的には、カーボンブラック、鉄黒、スーダンブラックSM、ファーストイエローG、ベンジジンイエロー、ピグメントイエロー、インドファーストオレンジ、イルガシンレッド、パラニトロアニリンレッド、トルイジンレッド、カーミンFB、ピグメントオレンジR、レーキレッド2G、ローダミンFB、ローダミンBレーキ、メチルバイオレットBレーキ、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、ブリリアントグリーン、フタロシアニングリーン、オイルイエローGG、カヤセットYG、オラゾールブラウンB及びオイルピンクOP等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。また、必要により磁性粉(鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性金属の粉末若しくはマグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の化合物)を着色剤としての機能を兼ねて含有させることができる。
着色剤の含有量は、本発明のトナーバインダー100重量部に対して、好ましくは1〜40重量部、より好ましくは2〜15重量部である。なお、磁性粉を用いる場合は、磁性粉の含有量は、トナーバインダー100重量部に対して、好ましくは20〜150重量部、より好ましくは30〜120重量部である。
例えば、混練粉砕法によりトナーを得る場合、流動化剤を除くトナーを構成する成分をヘンシェルミキサー、ナウターミキサー及びバンバリーミキサー等で乾式ブレンドした後、エクストルーダー、コンティニアスニーダー及び3本ロール等の連続式の混合装置で溶融混練し、その後ミル機等で粗粉砕し、最終的にジェットミル粉砕機等を用いて微粒化して、さらにエルボージェット等の分級機で粒度分布を調整することにより、体積平均粒径(D50)を4〜12μmの微粒子とした後、流動化剤をミル機等で混合して製造することができる。
なお、体積平均粒径(D50)はコールターカウンター[例えば、商品名:マルチサイザーIII(ベックマン・コールター(株)製)]を用いて測定される。
装置 : 東ソー(株)製 HLC−8120
カラム: TSK GEL GMH6 2本 〔東ソー(株)製〕
測定温度 : 40℃
試料溶液 : 0.25重量%のTHF溶液
溶液注入量 : 100μL
検出装置 : 屈折率検出器
基準物質 : 東ソー製 標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量 500 1050 2800 5970 9100 18100 37900 96400 190000 355000 1090000 2890000)
<ガラス転移温度の測定条件>
(1)30℃から20℃/分で150℃まで昇温
(2)150℃で10分間保持
(3)20℃/分で−35℃まで冷却
(5)−35℃で10分間保持
(6)20℃/分で150℃まで昇温
(7)(6)の過程にて測定される示差走査熱量曲線を解析しガラス転移温度を求めた。
SP値は、Robert F Fedorsらの著による文献(Polymer Engineering and Science,Feburuary,1974,Vol.14,No.2 P.147〜154)に記載の方法で計算した。
高化式フローテスター{(株)島津製作所製、CFT−500D}を用いて、1gの測定試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出して、「プランジャー降下量(流れ値)」と「温度」とのグラフを描き、プランジャーの降下量の最大値の1/2に対応する温度をグラフから読み取り、この値(測定試料の半分が流出したときの温度)を軟化点とした。
試料0.5gに50mLのTHFを加え、3時間撹拌還流させた。冷却後、グラスフィルターにて不溶解分をろ別し、グラスフィルター上の樹脂分を80℃で3時間減圧乾燥した。グラスフィルター上の乾燥した樹脂分の重量と試料の重量比から、不溶解分を算出した。
反応槽中に、ビスフェノールAのエチレンオキシド2モル付加物320重量部、ビスフェノールAのプロピレンオキシド2モル付加物421重量部、テレフタル酸272重量部、及び縮合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート2.5重量部を入れ、0.5〜2.5kPaの減圧下220℃で反応させ、生成する水を留去しながら10時間反応させ酸価が1mgKOH/g以下になった後、180℃に冷却した。無水トリメリット酸44重量部を加え、1時間反応させた。150℃に冷却し、スチールベルトクーラーを使用して線形ポリエステル樹脂(A1−1)を得た。
反応槽中に、ビスフェノールAのプロピレンオキシド2モル付加物616重量部、ビスフェノールAのプロピレンオキシド3モル付加物161重量部、テレフタル酸268重量部、フマル酸1重量部、及び縮合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート2.5重量部を入れ、0.5〜2.5kPaの減圧下220℃で反応させ、生成する水を留去しながら10時間反応させ、酸価が1mgKOH/g以下になった後、180℃に冷却した。無水トリメリット酸10重量部を加え、1時間反応させた。150℃に冷却し、スチールベルトクーラーを使用して線形ポリエステル樹脂(A1−2)を得た。
反応槽中に、ビスフェノールAのエチレンオキシド2モル付加物167重量部、ビスフェノールAのプロピレンオキシド2モル付加物128重量部、ビスフェノールAのプロピレンオキシド3モル付加物473重量部、テレフタル酸184重量部、フマル酸1重量部、及び縮合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート2.5重量部を入れ、0.5〜2.5kPaの減圧下220℃で反応させ、生成する水を留去しながら10時間反応させ、酸価が2mgKOH/g以下になった後、無水トリメリット酸53重量部を加え、1時間反応させた。0.5〜2.5kPaの減圧下さらに220℃で反応させ、酸価が3mgKOH/g以下になった後、無水トリメリット酸52重量部加え、1時間反応させた。さらに0.5〜2.5kPaの減圧下で反応を進め、軟化点(Tm)が135℃になったところでスチールベルトクーラーを使用して非線形ポリエステル樹脂(A2−1)を得た。
反応槽中に、ビスフェノールAのプロピレンオキシド2モル付加物193重量部、ビスフェノールAのプロピレンオキシド3モル付加物539重量部、テレフタル酸173重量部、アジピン酸67重量部、無水トリメリット酸6重量部、及び縮合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート2.5重量部を入れ、0.5〜2.5kPaの減圧下220℃で反応させ、生成する水を留去しながら10時間反応させ、酸価が1mgKOH/g以下になった後、180℃まで冷却した。無水トリメリット酸81重量部を加え、1時間反応させた。200℃まで昇温し、0.5〜2.5kPaの減圧下さらに反応を進め、軟化点(Tm)が130℃になったところでスチールベルトクーラーを使用して非線形ポリエステル樹脂(A2−2)を得た。
反応槽中に、1,2−プロピレングリコール581重量部、ビスフェノールAのプロピレンオキシド2モル付加物50重量部、テレフタル酸625重量部、アジピン酸8重量部、安息香酸49重量部、無水トリメリット酸58重量部、及び縮合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート2.5重量部を入れ、加圧下、220℃で反応させ、生成する水を留去しながら20時間反応させた。次いで徐々に圧抜きをしながら常圧にもどし、さらに0.5〜2.5kPaの減圧下で反応を進め、酸価が1mgKOH/g以下になった後、180℃に冷却した。無水トリメリット酸17重量部を加え、1時間反応させた。150℃に冷却し、スチールベルトクーラーを使用して非線形ポリエステル樹脂(A2−3)を得た。除去した1,2−プロピレングリコールは234重量部であった。
反応槽中に、1,2−プロピレングリコール649重量部、ビスフェノールAのエチレンオキシド2モル付加物1重量部、ビスフェノールAのプロピレンオキシド2モル付加物1重量部、テレフタル酸673重量部、アジピン酸32重量部、安息香酸34重量部、無水トリメリット酸52重量部、及び縮合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート2.5重量部を入れ、加圧下、220℃で反応させ、生成する水を留去しながら10時間反応させた。次いで徐々に圧抜きをしながら常圧にもどし、さらに0.5〜2.5kPaの減圧下で反応を進め、酸価が2mgKOH/g以下になったところでスチールベルトクーラーを使用して非線形ポリエステル樹脂(A2−4)を得た。除去したプロピレングリコールは275重量部であった。
反応槽中にキシレン480重量部を入れ、170℃まで昇温した。別の容器にスチレン(SP値:10.6)850重量部、ブチルアクリレート(SP値:9.8)50重量部、アクリロニトリル(SP値:14.4)100重量部、キシレン106重量部、ジ−t−ブチルパーオキシド40重量部を入れ、3時間かけて反応槽に滴下した。滴下ラインをキシレン14重量部で洗浄し、170℃のまま30分間熟成させた。重合率が99%以上となったことを確認し、減圧してキシレンをトッピングして反応槽から取出し、ビニル樹脂(B−1)を得た。
反応槽中にキシレン480重量部を入れ、170℃まで昇温した。別の容器にスチレン(SP値:10.6)841重量部、ブチルアクリレート(SP値:9.8)120重量部、アクリロニトリル(SP値:14.4)39重量部、キシレン106重量部、ジ−t−ブチルパーオキシド40重量部を入れ、3時間かけて反応槽に滴下した。滴下ラインをキシレン14重量部で洗浄し、170℃のまま30分間熟成させた。重合率が99%以上となったことを確認し、減圧してキシレンをトッピングして反応槽から取出し、ビニル樹脂(B−2)を得た。
反応槽中にキシレン500重量部を入れ、190℃まで昇温した。別の容器にスチレン(SP値:10.6)961重量部、ブチルアクリレート(SP値:9.8)20重量部、アクリロニトリル(SP値:14.4)19重量部、キシレン190重量部、ジ−t−ブチルパーオキシド30重量部を入れ、3時間かけて反応槽に滴下した。滴下ラインをキシレン14重量部で洗浄し、170℃のまま30分間熟成させた。重合率が99%以上となったことを確認し、減圧してキシレンをトッピングして反応槽から取出し、ビニル樹脂(B−3)を得た。
反応槽中にキシレン500重量部を入れ、190℃まで昇温した。別の容器にスチレン(SP値:10.6)1000重量部、キシレン180重量部、ジ−t−ブチルパーオキシド20重量部を入れ、3時間かけて反応槽に滴下した。滴下ラインをキシレン14重量部で洗浄し、190℃のまま30分間熟成させた。重合率が99%以上となったことを確認し、減圧してキシレンをトッピングして反応槽から取出し、ビニル樹脂(B−4)を得た。
反応槽中にキシレン480重量部を入れ、170℃まで昇温した。別の容器にスチレン(SP値:10.6)875重量部、ブチルアクリレート(SP値:9.8)25重量部、アクリロニトリル(SP値:14.4)95重量部、トリメチロールプロパントリアクリレート(SP値:11.9)5重量部、ジ−t−ブチルパーオキシド14重量部を入れ、3時間かけて反応槽に滴下した。滴下ラインをキシレン14重量部で洗浄し、170℃のまま30分間熟成させた。重合率が99%以上となったことを確認し、減圧してキシレンをトッピングして反応槽から取出し、ビニル樹脂(B−5)を得た。
反応槽中にキシレン480重量部を入れ、170℃まで昇温した。別の容器にスチレン(SP値:10.6)600重量部、塩化ビニル(SP値:11.0)100重量部、アクリロニトリル(SP値:14.4)298重量部、フマル酸(SP値:16.4)2部、ジ−t−ブチルパーオキシド10重量部を入れ、3時間かけて反応槽に滴下した。滴下ラインをキシレン14重量部で洗浄し、170℃のまま30分間熟成させた。重合率が99%以上となったことを確認し、減圧してキシレンをトッピングして反応槽から取出し、ビニル樹脂(B−6)を得た。
反応槽中に低分子量ポリエチレン[サンワックス151−P、三洋化成工業(株)製]を90重量部、キシレン480重量部を入れ、170℃まで昇温した。別の容器にスチレン(SP値:10.6)730重量部、ブチルアクリレート(SP値:9.8)100重量部、アクリロニトリル(SP値:14.4)80重量部、ジ−t−ブチルパーオキシド4重量部を入れ、3時間かけて反応槽に滴下した。滴下ラインをキシレン14重量部で洗浄し、170℃のまま30分間熟成させた。重合率が99%以上となったことを確認し、減圧してキシレンをトッピングして反応槽から取出し、ビニル樹脂(B−7)を得た。サンワックス151−Pは、重合度が71のポリエチレンである。
反応槽中にキシレン480重量部を入れ、170℃まで昇温した。別の容器にスチレン(SP値:10.6)740重量部、メチルメタクリレート(SP値:9.9)210重量部、アクリロニトリル(SP値:14.4)40重量部、アクリル酸(SP値:14.0)10重量部、ジ−t−ブチルパーオキシド7重量部を入れ、3時間かけて反応槽に滴下した。滴下ラインをキシレン14重量部で洗浄し、170℃のまま30分間熟成させた。重合率が99%以上となったことを確認し、減圧してキシレンをトッピングして反応槽から取出し、ビニル樹脂(B−8)を得た。
反応槽中にキシレン480重量部を入れ、170℃まで昇温した。別の容器にスチレン(SP値:10.6)450重量部、メチルメタクリレート(SP値:9.9)100重量部、2−エチルヘキシルアクリレート(SP値:9.2)300重量部、アクリロニトリル(SP値:14.4)145重量部、フマル酸(SP値:16.4)5部、ジ−t−ブチルパーオキシド6重量部を入れ、3時間かけて反応槽に滴下した。滴下ラインをキシレン14重量部で洗浄し、170℃のまま30分間熟成させた。重合率が99%以上となったことを確認し、減圧してキシレンをトッピングして反応槽から取出し、ビニル樹脂(B−9)を得た。
反応槽中に低分子量ポリエチレン[サンワックス151−P、三洋化成工業(株)製]を100重量部、キシレン480重量部を入れ、170℃まで昇温する。別の容器にスチレン(SP値:10.6)765重量部、ブチルアクリレート(SP値:9.8)45重量部、アクリロニトリル(SP値:14.4)90重量部、キシレン106重量部、ジ−t−ブチルパーオキシド37重量部入れ、3時間かけて反応槽に滴下した。滴下ラインをキシレン14重量部で洗浄し、170℃のまま1時間熟成させた。重合率が99%以上となったことを確認し、減圧してキシレンをトッピングして反応槽から取出し、ビニル樹脂(B’−1)を得た。
反応槽中にキシレン500重量部を入れ、190℃まで昇温した。別の容器にスチレン(SP値:10.6)850重量部、ブチルアクリレート(SP値:9.8)50重量部、アクリロニトリル(SP値:14.4)100重量部、キシレン106重量部、ジ−t−ブチルパーオキシド38重量部を入れ、3時間かけて反応槽に滴下した。滴下ラインをキシレン14重量部で洗浄し、190℃のまま30分間熟成させた。重合率が99%以上となったことを確認し、減圧してキシレンをトッピングして反応槽から取出し、ビニル樹脂(B’−2)を得た。
反応槽中にキシレン200重量部を入れ、150℃まで昇温した。別の容器にスチレン(SP値:10.6)850重量部、ブチルアクリレート(SP値:9.8)50重量部、アクリロニトリル(SP値:14.4)100重量部、キシレン106重量部、ジ−t−ブチルパーオキシド5重量部を入れ、3時間かけて反応槽に滴下した。滴下ラインをキシレン14重量部で洗浄し、150℃のまま60分間熟成させた。さらに170℃に昇温後60分間熟成し、重合率が99%以上となったことを確認し、減圧してキシレンをトッピングして反応槽から取出し、ビニル樹脂(B’−3)を得た。
反応槽中にキシレン480重量部を入れ、170℃まで昇温した。別の容器にスチレン(SP値:10.6)940重量部、ステアリルメタクリレート(SP値:8.9)60重量部、ジ−t−ブチルパーオキシド35重量部を入れ、3時間かけて反応槽に滴下した。滴下ラインをキシレン14重量部で洗浄し、170℃のまま30分間熟成させた。重合率が99%以上となったことを確認し、減圧してキシレンをトッピングして反応槽から取出し、ビニル樹脂(B’−4)を得た。
同様に、線形ポリエステル樹脂(A1−2)/非線形ポリエステル樹脂(A2−2)(重量比)が70/30になるようにしてポリエステル樹脂(A−2)を、非線形樹脂ポリエステル樹脂(A2−3)/(A2−4)(重量比)が50/50になるようにしてポリエステル樹脂(A−3)を得た。ポリエステル樹脂(A−2)の酸価は、10mgKOH/g、ポリエステル樹脂(A−3)の酸価は、6mgKOH/gであった。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ドデカン二酸714重量部と1,6−ヘキサンジオール373重量部、ベヘニルアルコール22重量部及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5重量部を入れ、170℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成する水を留去しながら4時間反応させ、さらに0.5〜2.5kPaの減圧下に反応させ、酸価が1mgKOH/g以下になった時点で取り出した。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕して粒子化し、結晶性樹脂(E−1)を得た。結晶性樹脂(E−1)の重量平均分子量は37,000、酸価は1、吸熱ピークのピークトップ温度は74℃であった。
結晶性ポリエステル樹脂(E−1)及び(E−2)の吸熱ピークのピークトップ温度は、TA Instruments(株)製、DSC Q20を用いて測定した。昇温・冷却条件としては、10℃/分の条件で180℃まで昇温し(第1回目の昇温過程)、次いで、180℃で10分間放置後、10℃/分の条件で0℃まで冷却した(第1回目の冷却過程)。次いで、0℃で10分間放置した後、10℃/分の条件で180℃まで昇温した(第2回目の昇温過程)。第2回目の昇温過程の吸熱ピークのトップを示す温度を吸熱ピークのピークトップ温度とした。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、セバシン酸677重量部と1,6−ヘキサンジオール422重量部、ベヘン酸22重量部及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5重量部を入れ、170℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成する水を留去しながら4時間反応させ、さらに0.5〜2.5kPaの減圧下に反応させ、酸価が1mgKOH/g以下になった時点で取り出した。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕して粒子化し、結晶性樹脂(E−2)を得た。結晶性樹脂(E−2)の重量平均分子量は19,000、酸価は1、吸熱ピークのピークトップ温度は68℃であった。
製造例及び比較製造例で得られたポリエステル樹脂(A)、ビニル樹脂(B)、結晶性樹脂(E)及びビニル樹脂(B’)を用いて、表4及び表5の配合比(重量部)に従い、トナーバインダーと添加剤とを含有するトナー原料を下記の方法でトナー化し、トナー(T−1)〜(T−16)、(T’−1)〜(T’−5)を得た。
なお、着色剤としてカーボンブラック[三菱化学(株)製のMA−100]、離型剤としてカルナバワックス[日本ワックス(株)製の精製カルナバワックス]、荷電制御剤としてアイゼンスピロンブラック[保土谷化学工業(株)製のT−77]、流動化剤としてコロイダルシリカ[日本アエロジル(株)製のアエロジルR972]を使用した。
まず、表4及び5に記載のポリエステル樹脂(A)、ビニル樹脂(B)及びビニル樹脂(B’)に着色剤、離型剤、荷電制御剤を加え、ヘンシェルミキサー[日本コークス工業(株)製 FM10B]を用いて予備混合した後、二軸混練機[(株)池貝製 PCM−30]で混練した。ついで気流式微粉砕機[(株)栗本鐵工所製 KJ−25]を用いて微粉砕した後、エルボージェット分級機[(株)マツボー製 EJ−L−3(LABO)型]で分級し、体積平均粒径D50が6.5μmのトナー粒子を得た。次いで、トナー粒子に流動化剤をサンプルミルにて混合して、トナーバインダー、着色剤、離型剤、荷電制御剤及び流動化剤を含有するトナーを得た。なお、トナーバインダー中のビニル樹脂(B)の個数平均分散粒子径は、得られたトナーを用いて下記測定方法により測定した。
実施例及び比較例で得られたトナーを約100μmに超薄切片化し、ポリエステル樹脂(A)中に分散したビニル樹脂(B)を四酸化ルテニウムにより真空電子染色装置(フィルジェン株式会社製 VSC1R1H)を使用し、濃度1で3分間染色した後、四酸化ルテニウム染色により灰色もしくは黒色に表示されたビニル樹脂(B)の分散状態を透過型電子顕微鏡(TEM)により倍率10,000倍でトナーの断面を観察し、トナー(トナーバインダー)中のビニル樹脂(B)の粒子径を画像処理装置(キーエンス社製のデジタルマイクロスコープVHX−700F)を用いて画像解析することにより、計算した。計測は2点間距離で行い、ビニル樹脂(B)が真円状の場合は直径を、楕円状の場合は長径で計測し、ランダムに30点計測した結果を個数平均で計算することにより、トナーバインダー中のビニル樹脂(B)の個数平均分散粒子径を算出した。
まず、電解水溶液であるISOTON−II(ベックマン・コールター社製)100〜150mL中に分散剤として界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1〜5mL加えた。さらに測定試料を2〜20mg加え、試料を懸濁した電解液を、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置により、アパーチャーとして50μmアパーチャーを用いて、トナー粒子の体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出した。得られた分布から、トナー粒子の体積平均粒径(D50)(μm)、個数平均粒径(μm)、粒度分布(体積平均粒径/個数平均粒径)を求めた。
以下に得られたトナーの低温定着性、耐ホットオフセット性、保存安定性、帯電安定性及び粉砕性の測定方法、評価方法及び判定基準を説明する。
トナーを紙面上に0.6mg/cm2となるよう均一に載せた。このとき粉体を紙面に載せる方法は、熱定着機を外したプリンターを用いた。上記の重量密度で粉体を均一に載せることができるのであれば他の方法を用いてもよい。
この紙を加圧ローラーに定着速度(加熱ローラ周速)213mm/sec、定着圧力(加圧ローラ圧)10kg/cm2の条件で通したときのコールドオフセットの発生温度である低温定着温度を測定した。
低温定着温度が低いほど、低温定着性に優れることを意味する。トナーの低温定着温度を低温定着性(℃)とした。
低温定着性と同様に定着評価し、定着画像へのホットオフセットの有無を目視評価した。
加圧ローラー通過後、ホットオフセットが発生した温度を耐ホットオフセット性(℃)とした。
トナーを50℃の雰囲気で24時間静置し、ブロッキングの程度を目視で判断し、下記判定基準で耐熱保存性を評価した。
[判定基準]
○:ブロッキングが発生していない。
×:ブロッキングが発生している。
(1)トナー0.5gとフェライトキャリア(パウダーテック社製、F−150)20gとを50mLのガラス瓶に入れ、これを23℃、相対湿度50%で8時間以上調湿した。
(2)ターブラーシェーカーミキサーにて50rpm×10分間と60分間摩擦撹拌し、それぞれの時間での帯電量を測定した。
測定にはブローオフ帯電量測定装置[東芝ケミカル(株)製]を用いた。
「摩擦時間60分の帯電量/摩擦時間10分の帯電量」を計算し、これを帯電安定性の指標とした。
[判定基準]
◎:0.8以上
○:0.7以上0.8未満
△:0.6以上0.7未満
×:0.6未満
トナー原料を二軸混練機で混練、冷却した粗粉砕物(8.6メッシュパス〜30メッシュオンの粒度)を、超音速ジェット粉砕機ラボジェット[(株)栗本鐵工所製、KJ−25]により下記の条件で微粉砕した。
粉砕圧:0.64MPa
粉砕時間:15分
セパレ−ター周波数:150Hz
アジャスターリング:15mm
ルーバーの大きさ:中
得られた微粉砕物を分級せずに、体積平均粒径(μm)をコールターカウンター−[商品名:マルチサイザーIII(ベックマン・コールター(株)製)]により測定し、下記の判定基準で粉砕性を評価した。
[判定基準]
○: 体積平均粒径8μm未満
△: 体積平均粒径8μm以上10μm未満
×: 体積平均粒径10μm以上
さらに、塗料用添加剤、接着剤用添加剤、電子ペーパー用粒子などの用途に好適である。
Claims (8)
- ポリエステル樹脂(A)とビニル樹脂(B)とを含有するトナーバインダーであって、ビニル樹脂(B)の重量平均分子量が4,000〜40,000であり、
ビニル樹脂(B)の溶解度パラメータが10.6〜12.6(cal/cm3)1/2であり、
ビニル樹脂(B)中のポリエチレン単位(C11)及びポリプロピレン単位(C12)の合計の重量割合が、ビニル樹脂(B)の重量を基準として0〜9重量%であり、前記ポリエチレン単位(C11)は70〜210の重合度を有するポリエチレン単位であり、前記ポリプロピレン単位(C12)は70〜210の重合度を有するポリプロピレン単位であり、トナーバインダー中のビニル樹脂(B)の個数平均分散粒子径が0.02〜2μmであるトナーバインダー。 - 前記ビニル樹脂(B)が、単独重合体の溶解度パラメータが11.5〜16.5(cal/cm3)1/2である単量体(m)を構成単量体とする重合物であり、(B)を構成する単量体中の(m)の重量割合が、(B)を構成する単量体の合計重量を基準として、1重量%以上である請求項1に記載のトナーバインダー。
- 前記ポリエステル樹脂(A)と前記ビニル樹脂(B)の重量比[(A)/(B)]が80/20〜99.5/0.5である請求項1又は2に記載のトナーバインダー。
- 下記関係式(1)を満たす請求項1〜3のいずれか1項に記載のトナーバインダー。
関係式(1):0.1≦|SP(a)−SP(b)|≦1.4
[関係式(1)において、SP(a)は、前記ポリエステル樹脂(A)の溶解度パラメータであり、SP(b)は、前記ビニル樹脂(B)の溶解度パラメータである。] - 前記ビニル樹脂(B)のガラス転移点が35℃〜75℃である請求項1〜4のいずれか1項に記載のトナーバインダー。
- 前記ビニル樹脂(B)の酸価が8mgKOH/g以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載のトナーバインダー。
- 前記ビニル樹脂(B)の軟化点が70〜130℃である請求項1〜6のいずれか1項に記載のトナーバインダー。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載のトナーバインダー及び着色剤を含有するトナー。
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