JP6826576B2 - トナーの製造方法 - Google Patents
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Description
電子写真用には従来、電子写真感光体等の潜像坦持体に画像情報に基づく潜像を形成し、該潜像を対応する色のトナーにより現像し、次いで該トナー像を転写材上に転写するといった画像形成工程を繰り返した後、転写材上のトナー像を加熱定着して画像を得る方法や装置が知られている。
更に、電子写真装置の小型化、高速化、高画質化の促進とともに、定着工程における消費エネルギーを低減するという省エネルギーの観点から、トナーの低温定着性の向上が強く求められている。
特許文献1及び2には、過酸化物によるラジカル重合反応を用いて不飽和二重結合を架橋させることで、上記混合性を改良し、低温定着性とホットオフセット性を改良する技術が開示されている。しかしながら、離型剤や顔料の分散は十分とは言えず、粒子間のばらつきや粒子表面への遊離の離型剤や顔料に起因するマイクロオフセットが発生する問題がある。さらに、特許文献3には、顔料と離型剤と樹脂と重合開始剤を同時に混合する方法が提案されているが、離型剤や顔料の分散は十分とは言えない。一方で、特許文献4には、分散剤を用いて離型剤の分散性を改善させることでホットオフセット性を改良させる方法が提案されているが、未だ不十分である。
すなわち、本発明は、炭素−炭素二重結合量がポリエステル樹脂(A1)の重量を基準として0.02〜2.00ミリモル/gであるポリエステル樹脂(A1)、炭素−炭素二重結合量がポリエステル樹脂(B)の重量を基準として0.02ミリモル/g未満であるポリエステル樹脂(B)、着色剤及び離型剤を事前に粉体混合する工程と、前記混合して得られたものと前記(A1)が有する炭素−炭素二重結合と反応し得る架橋剤(c)とを50℃〜200℃で溶融混合する工程とを含み、前記(A1)と前記(B)の120℃での粘度が以下の式(1)を満たすトナーの製造方法である。
0.1≦ηA1/ηB≦125 (1)
[ηA1は120℃でのポリエステル樹脂(A1)の粘度ηPa・s、ηBは120℃でのポリエステル樹脂(B)の粘度ηPa・sである。]
本発明のトナーの製造方法は、炭素−炭素二重結合量がポリエステル樹脂(A1)の重量を基準として0.02〜2.00ミリモル/gであるポリエステル樹脂(A1)、炭素−炭素二重結合量がポリエステル樹脂(B)の重量を基準として0.02ミリモル/g未満であるポリエステル樹脂(B)、着色剤及び離型剤を事前に粉体混合する工程と、前記混合して得られたものと前記(A1)が有する炭素−炭素二重結合と反応し得る架橋剤(c)とを50℃〜200℃で溶融混合する工程とを含み、前記(A1)と前記(B)の120℃での粘度が以下の式(1)を満たすトナーの製造方法であることを特徴とする。
0.1≦ηA1/ηB≦125 (1)
[ηA1は120℃でのポリエステル樹脂(A1)の粘度ηPa・s、ηBは120℃でのポリエステル樹脂(B)の粘度ηPa・sである。]
以下に、本発明のトナーの製造方法を順次、説明する。
ポリエステル樹脂(A1)は、アルコール成分とカルボン酸成分を重縮合して得られたポリエステル樹脂であり、炭素−炭素二重結合を0.02〜2.00ミリモル/g有していればどのようなアルコール成分とカルボン酸成分を用いてもよい。また、本発明の炭素−炭素二重結合には芳香環及び複素環の結合は含まれない。
ポリエステル樹脂(A1)が、炭素−炭素二重結合を有するものとするためには、炭素−炭素二重結合を有するアルコール成分及び/又はカルボン酸成分として、不飽和カルボン酸成分(z)及び/又は不飽和アルコール成分(w)を用いる方法等が挙げられる。また、上記方法において、上記必須成分以外に、炭素−炭素二重結合を有さない成分を用いることができ、炭素−炭素二重結合を有さない成分としては、飽和アルコール成分(x)及び飽和カルボン酸成分(y)等が挙げられる。
これらの成分のうち、ポリエステル樹脂(A1)の構成成分としては、(A1)が炭素−炭素二重結合を有する観点から、不飽和カルボン酸成分(z)及び/又は不飽和アルコール成分(w)を用いることが好ましい。
また、ポリエステル樹脂(A1)は炭素−炭素二重結合を0.02〜2.00ミリモル/g有していればよく、これらの各成分を、それぞれ1種類ずつ用いて重縮合したものでもよく、各成分として複数種類を併用して重縮合したものでもよい。
なお、本明細書において、不飽和カルボン酸成分(z)であるか、飽和カルボン酸成分(y)であるかの判断に、芳香環及び複素環の結合は考慮しない。すなわち、芳香環部分及び複素環部分以外が不飽和カルボン酸である化合物は、不飽和カルボン酸成分(z)と判断し、芳香環部分及び複素環部分以外が飽和カルボン酸である化合物は、飽和カルボン酸成分(y)と判断する。
同様に、不飽和アルコール成分(w)であるか、飽和アルコール成分(x)であるかの判断に芳香環及び複素環の結合は考慮しない。すなわち、芳香環部分及び複素環部分以外が不飽和アルコールである化合物は、不飽和アルコール成分(w)と判断し、芳香環部分及び複素環部分以外が飽和アルコールである化合物は、飽和アルコール成分(x)と判断する。
より好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸及びこれらの併用である。また、これらの酸の無水物や低級アルキルエステルも、同様に好ましい。
これら飽和モノオールのうち好ましくは炭素数8〜24の直鎖又は分岐アルキルアルコールであり、より好ましくはドデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール及びこれらの併用である。
これらのうち、低温定着性と耐熱保存性の観点から、芳香族ジオールのアルキレンオキサイド付加物が好ましく、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物がより好ましい。
アルキレンオキサイドにおいて、アルキレン基の炭素数は好ましくは2〜4(エチレンオキサイド、1,2−又は1,3−プロピレンオキサイド、1,2−、2,3−、1,3−又はiso−ブチレンオキサイド及びテトラヒドロフラン等)である。
[式中、Pは炭素数1〜3のアルキレン基、−SO2−、−O−、−S−、又は直接結合を表し、Arは、水素原子がハロゲン原子又は炭素数1〜30のアルキル基で置換されていてもよいフェニレン基を表す。]
耐熱保存性及び低温定着性の観点から、ビスフェノール類のAO付加物を構成するAOは好ましくはEO及びPOである。AOの平均付加モル数は、耐熱保存性及び低温定着性の観点から、好ましくは2〜30モル、より好ましくは2〜10モル、さらに好ましくは2〜5モルである。
ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物のうち、トナーの定着性の観点から好ましいものは、ビスフェノールAのEO付加物及びPO付加物(平均付加モル数は好ましくは2〜4、より好ましくは2〜3)である。
さらに好ましくは、炭素数2〜6のアルキレングリコール、炭素数3〜36の3価の脂肪族多価アルコール及びビスフェノールAのAO付加物(平均付加モル数は好ましくは2〜5)であり、特に好ましくは、エチレングリコール、プロピレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、トリメチロールプロパン及びビスフェノールAのAO付加物(AO単位の数として好ましくは2〜3)である。
飽和カルボン酸成分(y)は1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
脂肪族カルボン酸(y2)としては、炭素数2〜50の脂肪族モノカルボン酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸及びベヘン酸等)、炭素数2〜50の脂肪族ジカルボン酸(シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、レパルギン酸及びセバシン酸等)、炭素数6〜36の脂肪族トリカルボン酸(ヘキサントリカルボン酸等)等が挙げられる。
芳香族カルボン酸(y1)としては、炭素数7〜37の芳香族モノカルボン酸(安息香酸、トルイル酸、4−エチル安息香酸、4−プロピル安息香酸等)、炭素数8〜36の芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸及びナフタレンジカルボン酸等)、炭素数9〜20の3価以上の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸及びピロメリット酸等)等が挙げられる。
保存安定性、帯電性及び帯電安定性の観点からより好ましくは、安息香酸、アジピン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸及びこれらの併用である。
さらに好ましくは、アジピン酸、テレフタル酸、トリメリット酸及びこれらの併用である。これらの酸の無水物や低級アルキルエステルも、同様に好ましい。
また、本発明におけるポリエステル樹脂(A1)の製造法は特に限定はしないが、前述のようにアルコール成分とカルボン酸成分を重縮合して得られたポリエステル樹脂であることが好ましい。さらにポリエステル樹脂(A1)が非線形ポリエステル樹脂であることにより、耐熱保存性と耐ホットオフセット性が向上する。非線形ポリエステル樹脂は、例えば構成原料である飽和アルコール成分として3価以上の飽和ポリオール(x3)を用いる場合や、飽和カルボン酸成分として炭素数9〜20の3価以上の芳香族ポリカルボン酸またはこの酸無水物もしくは低級アルキルエステルを用いる場合などが挙げられる。非線形であることにより、耐熱保存性と耐ホットオフセット性が向上する。
例えばポリエステル樹脂の原料としてフマル酸(0.05g)及びビスフェノールAビスフェノールA・PO2モル付加物(0.95g)から構成されたポリエステル樹脂は、ポリエステル樹脂の合計1gに対して分子量が116のフマル酸を0.05g有しているため、
0.05/116×1000=0.43ミリモル/gとなる。
この場合のポリエステル樹脂はポリエステル樹脂(A1)に該当する。
例えばポリエステル樹脂の原料としてフマル酸(0.3g)及びビスフェノールAビスフェノールA・PO2モル付加物(0.7g)を使用した場合は、原料の合計1gに対して分子量が116のフマル酸を0.3g有しているため、
0.3/116×1000=2.59ミリモル/gとなる。
この場合のポリエステル樹脂はポリエステル樹脂(A1)に該当しない。
ポリエステル樹脂(A1)、ポリエステル樹脂(B)、着色剤、離型剤及び前記(A1)が有する炭素−炭素二重結合と反応し得る架橋剤(c)を50℃〜200℃で混合する工程の際に、ポリエステル樹脂(A1)の炭素−炭素二重結合量が上記範囲内であることでポリエステル樹脂(A1)の炭素−炭素二重結合同士が架橋された炭素−炭素結合を有する非線形ポリエステル樹脂がポリエステル樹脂(B)中に均一に形成されやすく、ポリエステル樹脂中に着色剤及び離型剤を均一に分散した状態で固定化されやすくなる。
例えば、不活性ガス(窒素ガス等)雰囲気中で、反応温度が好ましくは150〜280℃、より好ましくは160〜250℃、さらに好ましくは170〜235℃で構成成分を反応させることにより行うことができる。また反応時間は、重縮合反応を確実に行う観点から、好ましくは30分以上、より好ましくは2〜40時間である。
装置(一例) : HLC−8120[東ソー(株)製]
カラム(一例): TSK GEL GMH6 2本 [東ソー(株)製]
測定温度 : 40℃
試料溶液 : 0.25重量%のTHF溶液
溶液注入量 : 100μL
検出装置 : 屈折率検出器
基準物質 : 東ソー(株)製 標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量 500 1,050 2,800 5,970 9,100 18,100 37,900 96,400 190,000 355,000 1,090,000 2,890,000)
分子量の測定は、0.25重量%になるようにポリエステル樹脂等をTHFに溶解し、不溶解分をグラスフィルターでろ別したものを試料溶液とする。
なお、ガラス転移温度(Tg)は、例えば、TA Instruments(株)製、DSC Q20を用いて、ASTM D3418−82に規定の方法(DSC法)で測定することができる。
上記測定から吸発熱量と温度とのグラフを描き、そのグラフの低温側のベースラインを高温側に延長した直線と、ガラス転移の階段状変化部分の曲線の勾配が最大になるような点で引いた接線との交点の温度をガラス転移温度(Tg)とする。
高化式フローテスター{例えば、(株)島津製作所製、CFT−500D}を用いて、1gの測定試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出して、「プランジャー降下量(流れ値)」と「温度」とのグラフを描き、プランジャーの降下量の最大値の1/2に対応する温度をグラフから読み取り、この値(測定試料の半分が流出したときの温度)を軟化点(Tm)とする。
ポリエステル樹脂(A1)の酸価は、JIS K0070(1992年版)に規定の方法で測定することができる。
本発明において、水酸基価はJIS K0070に規定の方法で測定することができる。
装置 :ARES−24A(レオメトリック社製)
治具 :25mmパラレルプレート
周波数 :1Hz
歪み率 :5%
昇温速度:5℃/分
昇温開始:100℃
昇温終了:200℃
ポリエステル樹脂(B)は、アルコール成分とカルボン酸成分を重縮合して得られたポリエステル樹脂であり、炭素−炭素二重結合を0.02ミリモル/g未満であればどのようなアルコール成分とカルボン酸成分を用いてもよい。
炭素−炭素二重結合を有する成分としては、不飽和カルボン酸成分(z)及び不飽和アルコール成分(w)が挙げられる。また炭素−炭素二重結合を有さない成分としては、飽和アルコール成分(x)及び飽和カルボン酸成分(y)が挙げられる。
これらのアルコール成分のうち、低温定着性と耐熱保存性との両立の観点から好ましくは、炭素数2〜12のアルキレングリコール及びビスフェノール類のAO付加物(平均付加モル数は好ましくは2〜30)である。
耐熱保存性の観点からより好ましくは、炭素数2〜10のアルキレングリコール、ビスフェノール類のAO付加物(平均付加モル数は好ましくは2〜5)である。
さらに好ましくは、炭素数2〜6のアルキレングリコール及びビスフェノールAのAO付加物(平均付加モル数は好ましくは2〜5)であり、特に好ましくは、プロピレングリコール及びビスフェノールAのAO付加物(平均付加モル数は好ましくは2〜3)である。
これらのカルボン酸成分のうち、低温定着性と耐熱保存性との両立の観点から好ましいものは、炭素数7〜37の芳香族モノカルボン酸、炭素数2〜50の脂肪族ジカルボン酸、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸及び炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸である。
耐熱保存性、帯電性及び帯電安定性の観点からさらに好ましくは、安息香酸、アジピン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸及びこれらの併用である。
特に好ましくは、アジピン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸及びこれらの併用である。これらの酸の無水物や低級アルキルエステルも、同様に好ましい。
また、ポリエステル樹脂(B)としては、低温定着性の観点からテトラヒドロフラン不溶解分を実質的に含まないものが好ましい。テトラヒドロフラン不溶解分を含まなければ微量の架橋点を有していても好ましく、分子末端を飽和ポリカルボン酸(3価以上のものでもよい)の無水物の無水トリメリット酸、無水フタル酸及び無水マレイン酸等で変性したものも好ましい。
なお、ガラス転移温度(Tg)は、例えば、TA Instruments(株)製、DSC Q20を用いて、ASTM D3418−82に規定の方法(DSC法)で測定することができる。
ポリエステル樹脂(B)の酸価は、JIS K0070(1992年版)に規定の方法で測定することができる。
本発明において、水酸基価はJIS K0070に規定の方法で測定することができる。
装置 :ARES−24A(レオメトリック社製)
治具 :25mmパラレルプレート
周波数 :1Hz
歪み率 :5%
昇温速度:5℃/分
昇温開始:100℃
昇温終了:200℃
架橋剤(c)はポリエステル樹脂(A1)が有する炭素−炭素二重結合と反応すればどのようなものでもよいが、例えば、ラジカル反応開始剤(c1)及びリビングラジカル重合用添加剤(c2)が挙げられる。ラジカル反応開始剤(c1)から発生するラジカルを利用して、ポリエステル樹脂(A1)が有する炭素−炭素二重結合と反応させて、炭素−炭素二重結合同士で架橋反応が起って化学結合した変性樹脂を製造する方法は好ましい方法である。
ラジカル反応開始剤(c1)としては、特に制限されず、アゾ化合物及びジアゾ化合物(c11)や有機過酸化物(c12)が用いられる。(c)は1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
臭気の観点から好ましくはアゾ化合物又はジアゾ化合物(c11)であり具体的には2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)等が挙げられる。
架橋剤の使用量が、0.01重量部以上の場合に架橋反応が進行し易くなる傾向にあり、30重量部以下の場合に、臭気が良好となる傾向にある。この使用量は、15重量部以下であることがより好ましく、10重量部以下であることがさらに好ましく、5重量部以下であることが特に好ましい。
着色剤の含有量はトナーの画像濃度及び低温定着性の観点から、本発明の製造方法により得られるトナー100重量部に対して、好ましくは1〜40重量部、より好ましくは3〜10重量部である。なお、磁性粉を用いる場合は、好ましくは20〜70重量部、より好ましくは40〜60重量部である。
離型剤は1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
流動化剤はトナー100重量部に対して、0〜10重量%、好ましくは0〜5重量%、より好ましくは0.1〜4重量%である。
また、着色剤、離型剤及び添加剤の合計量はトナー重量に基づき、3〜70重量%、好ましくは4〜58重量%、より好ましくは5〜50重量%である。トナー中の着色剤、離型剤及び添加剤の合計量が上記の範囲であることで耐ホットオフセット性、帯電性、トナーの流動性、耐熱保存性及び帯電安定性が良好なものを容易に得ることができる。
好ましくは関係式(2)を満たすものであり、より好ましくは関係式(3)を満たすものであり、さらに好ましくは関係式(4)を満たすものである。
1≦ηA1/ηB≦110 (2)
5≦ηA1/ηB≦95 (3)
10≦ηA1/ηB≦70 (4)
また、本発明のフタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸の含有量の測定は以下の条件で実施した。
<LC/MSの測定条件>
LC/MS測定装置:「LCMS−8030」[(株)島津製作所製]
カラム:「InertSustain C18」(粒子径:2.0μm、内径:2.1mm、長さ:100mm)[ジーエルサイエンス(株)製]
移動相:10mM酢酸アンモニウム水溶液/メタノール=48/52(体積%)
注入量:0.4μl
流速:0.2ml/min
カラム温度:40℃
イオン化法:ESI(−)
測定モード:SIM 165
また、本発明のトリメリット酸の含有量の測定は以下の条件で実施した。
<LCの測定条件>
LC測定装置:「ACQUITY UPLC H−Class」[Waters製]
カラム:「CAPCEL PACK C18」(粒子径:5μm、I.D.:4.6mmφ、
長さ250mm)[SHISEIDO製]
移動相:0.05%リン酸水溶液/メタノール=80/20(体積%)
注入量:10μl
流速:0.6ml/min
カラム温度:40℃
検出器:「PDA検出器」[(株)島津製作所製]
検出波長:230nm
なおトナーのガラス転移温度(Tg)はポリエステル樹脂(A1)と同様の方法で測定することができる。
トナーの酸価は、JIS K0070(1992年版)に規定の方法で測定することができる。
本発明において、水酸基価はJIS K0070に規定の方法で測定することができる。
試料0.5gに50mlのTHFを加え、3時間撹拌還流させる。冷却後、グラスフィルターにて不溶解分をろ別し、グラスフィルター上の樹脂分を80℃で3時間減圧乾燥する。グラスフィルター上の乾燥した固形分の重量をTHF不溶解分の重量とする。
ポリエステル樹脂(A1)、ポリエステル樹脂(B)、着色剤及び離型剤を事前に粉体混合する工程と、前記混合して得られたものと前記(A1)が有する炭素−炭素二重結合と反応し得る架橋剤(c)とを50℃〜200℃で溶融混合する工程とを含むことが必須であり、上記原料の混合性や分散性、低温定着性、耐ホットオフセット性及び耐マイクロオフセット性の観点から混合する際の上記原料の温度は好ましくは90〜180℃であり、さらに好ましくは120〜160℃である。50℃未満であると、ポリエステル樹脂(A1)及びポリエステル樹脂(B)の粘度が高く樹脂が均一に混合しづらく、200℃を超えるとポリエステル樹脂(A1)及びポリエステル樹脂(B)の粘度が低く、樹脂と着色剤とが均一に混合しづらくなる。
また上記成分以外の荷電制御剤及び/又は流動化剤も同時に混合してもよい。
例えば、混練粉砕法によりトナーを得る場合、混合する工程の後、粗粉砕し、最終的にジェットミル粉砕機等を用いて微粒化して、さらに分級することにより、体積平均粒径(Dv50)が好ましくは5〜20μmの微粒とした後、流動化剤を混合して製造することができる。
なお、粒径(Dv50)はコールターカウンター[例えば、商品名:マルチサイザーIII(コールター社製)]を用いて測定される。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・EO2モル付加物733部、テレフタル酸132部、アジピン酸142部、トリメチロールプロパン21部、縮合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート2.5部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら2時間反応させた。次に、0.5〜2.5kPaの減圧下に5時間反応させた後、180℃まで降温した。重合禁止剤としてtert−ブチルカテコール1部を入れ、さらにフマル酸を48部入れ、0.5〜2.5kPaの減圧下に8時間反応させた後取り出し、ポリエステル(A1−1)を得た。
前記の方法でのポリエステル(A1−1)の炭素−炭素二重結合量は0.38ミリモル/g、THF溶解分の重量平均分子量(Mw)は21100、120℃における粘度ηA1は321Pa・sだった。また、ガラス転移温度、軟化点、酸価及び水酸基価は表1に記載した。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、表1に記載したアルコール成分とカルボン酸成分を仕込み、それ以外は製造例1と同様に反応を行い、ポリエステル(A1−2)〜(A1−9)を得た。表1に得られたポリエステル(A1−2)〜(A1−9)の炭素−炭素二重結合量、THF溶解分の重量平均分子量(Mw)、120℃における粘度ηA1等の物性を記載した。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、表1に記載したアルコール成分とカルボン酸成分を仕込み、それ以外は製造例1と同様に反応を行い、ポリエステル(A1’−1)を得た。表1に得られたポリエステル(A1’−1)の炭素−炭素二重結合量、THF溶解分の重量平均分子量(Mw)、120℃における粘度ηA1等の物性を記載した。
なお、ポリエステル(A1’−1)は炭素−炭素二重結合量が2.00ミリモル/gより大きく(A1)の基準を満たさないものである。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物428部、ビスフェノールA・PO3モル付加物319部、イソフタル酸316部、縮合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート2.5部を入れ、220℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら4時間反応させた。さらに、0.5〜2.5kPaの減圧下に反応させ酸価が15程度となったところで取り出し、ポリエステル樹脂(B−1)を得た。
前記の方法でのポリエステル樹脂(B−1)の炭素−炭素二重結合量は0ミリモル/g、120℃における粘度ηBは73Pa・sだった。また、THF溶解分の重量平均分子量、ガラス転移温度、軟化点、酸価及び水酸基価は表2に記載した。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物428部、ビスフェノールA・PO3モル付加物320部、イソフタル酸315部、縮合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート2.5部を入れ、220℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら4時間反応させた。さらに、0.5〜2.5kPaの減圧下に反応させ酸価が21程度となったところで取り出し、ポリエステル樹脂(B−2)を得た。
前記の方法でのポリエステル(B−2)の炭素−炭素二重結合量は0ミリモル/g、120℃における粘度ηBは23Pa・sだった。また、THF溶解分の重量平均分子量、ガラス転移温度、軟化点、酸価及び水酸基価は表2に記載した。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物742部、テレフタル酸282部、縮合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート2.5部を入れ、220℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら4時間反応させた。さらに、0.5〜2.5kPaの減圧下に10時間反応させた後、180℃まで降温し、無水トリメリット酸34部を加え、常圧密閉下1時間反応後取り出し、ポリエステル樹脂(B−3)を得た。
前記の方法でのポリエステル(B−3)の炭素−炭素二重結合量は0ミリモル/g、120℃における粘度ηBは298Pa・sだった。また、THF溶解分の重量平均分子量、ガラス転移温度、軟化点、酸価及び水酸基価は表2に記載した。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物742部、テレフタル酸282部、フマル酸1部、縮合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート2.5部を入れ、220℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら4時間反応させた。さらに、0.5〜2.5kPaの減圧下に10時間反応させた後、180℃まで降温し、無水トリメリット酸34部を加え、常圧密閉下1時間反応後取り出し、ポリエステル樹脂(B−4)を得た。
前記の方法でのポリエステル(B−4)の炭素−炭素二重結合量は0.01ミリモル/g、120℃における粘度ηBは320Pa・sだった。また、THF溶解分の重量平均分子量、ガラス転移温度、軟化点、酸価及び水酸基価は表2に記載した。
ポリエステル樹脂(A1−1)27部、ポリエステル樹脂(B−1)73部、着色剤のカーボンブラックMA−100[三菱化学(株)製]8部、離型剤のカルナバワックス3部、荷電制御剤T−77[保土谷化学製]2部をまず、ヘンシェルミキサー[三井三池化工機(株)製 FM10B]を用いて予備混合した後、二軸混練機[(株)池貝製 PCM−30]で上記予備混合物を30kg/時で供給し、同時に架橋剤であるt−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート(c1−1)2部を0.60kg/時で供給して150℃、20分間、250rpmで混練押出しして架橋反応を行った。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製 MDS−I]で分級し、体積平均粒径(Dv50)が8μmのトナー粒子を得た。
ついで、トナー粒子100部に流動化剤としてコロイダルシリカ[アエロジルR972:日本アエロジル製]1部をサンプルミルにて混合して、本発明のトナー(T−1)を得た。
表3に記載した重量部数のポリエステル(A1)、ポリエステル樹脂(B)、着色剤、離型剤、荷電制御剤をヘンシェルミキサー[三井三池化工機(株)製 FM10B]を用いて予備混合した後、二軸混練器に供給し、同時に架橋剤(c)を供給して、実施例1と同様に架橋反応を行い、その後も実施例1と同様にトナーを製造し、本発明のトナー(T−2)〜(T−12)、(T−15)、(T−17)を得た。
なお、表3及び4中の架橋剤(c)は以下のとおりである。
(c1−1):t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート
(c1−2):2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)
表3に記載した重量部数のポリエステル(A1)、ポリエステル樹脂(B)、着色剤、離型剤、荷電制御剤をヘンシェルミキサー[三井三池化工機(株)製 FM10B]を用いて予備混合した後、二軸混練器に供給し、同時に架橋剤(c)を供給して、温度を150℃から120℃に変更する以外は実施例1と同様に架橋反応を行い、その後も実施例1と同様にトナーを製造し、本発明のトナー(T−13)を得た。
表3に記載した重量部数のポリエステル(A1)、ポリエステル樹脂(B)、着色剤、離型剤、荷電制御剤をヘンシェルミキサー[三井三池化工機(株)製 FM10B]を用いて予備混合した後、二軸混練器に供給し、同時に表3に記載した架橋剤(c)を供給して、温度を150℃から90℃に変更する以外は実施例1と同様に架橋反応を行い、その後も実施例1と同様にトナーを製造し、本発明のトナー(T−14)を得た。
ポリエステル樹脂(A1−9)27部、ポリエステル樹脂(B−1)73部、着色剤のカーボンブラックとしてリーガル400R[キャボット社製]6部、離型剤のパラフィンワックスとしてHNP−9[日本精蝋社製]5部、荷電制御剤T−77[保土谷化学製]2部をまず、ヘンシェルミキサー[三井三池化工機(株)製 FM10B]を用いて予備混合した後、二軸混練機[(株)池貝製 PCM−30]で上記予備混合物を30kg/時で供給し、同時に架橋剤であるt−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート(c1−1)0.5部を0.15kg/時で供給して150℃、20分間、250rpmで混練押出しして架橋反応を行った。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製 MDS−I]で分級し、体積平均粒径(Dv50)が8μmのトナー粒子を得た。
ついで、トナー粒子100部に流動化剤としてコロイダルシリカ[アエロジルR972:日本アエロジル製]1部をサンプルミルにて混合して、本発明のトナー(T−16)を得た。
表4に記載した重量部数のポリエステル(A1)又は(A1’)、ポリエステル樹脂(B)、着色剤、離型剤、荷電制御剤をヘンシェルミキサー[三井三池化工機(株)製 FM10B]を用いて予備混合した後、二軸混練器に供給し、同時に架橋剤(c)を供給して、実施例1と同様に架橋反応を行い、その後も実施例1と同様にトナーを製造し、トナー(T’−1)〜(T’−4)を得た。なお(T’−1)及び(T’−2)は炭素−炭素二重結合量がポリエステル樹脂(A1)の重量を基準として0.02〜2.00ミリモル/gであるポリエステル樹脂(A1)を使用していない。また、(T’−3)及び(T’−4)はηA1/ηBの範囲が式(1)を満たしていない。
表4に記載した重量部数のポリエステル(A1)、ポリエステル樹脂(B)、着色剤、離型剤、荷電制御剤をヘンシェルミキサー[三井三池化工機(株)製 FM10B]を用いて予備混合した後、二軸混練器に供給し、同時に表3に記載した架橋剤(c)を供給して、温度を150℃から45℃に変更する以外は実施例1と同様に架橋反応を行い、その後も実施例1と同様にトナーを製造し、トナー(T’−5)を得た。なお(T’−5)はトナーを製造する際の混合時の温度が45℃であり、本発明のトナーの製造方法に該当しない。
ポリエステル樹脂(A1−3)27部及びポリエステル樹脂(B−1)73部を混合し、二軸混練器(栗本鉄工所製,S5KRCニーダー)に52kg/時で供給し、同時に架橋剤(c)としてt−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート(c−1)2.0部を1.04kg/時で供給して160℃、7分間、90rpmで混練押出して架橋反応を行い、混合で得られたものを冷却することにより、トナーバインダーを得た。
さらにトナーバインダー100部に対して、着色剤のカーボンブラックMA−100[三菱化学(株)製]8部、離型剤のカルナバワックス4部、荷電制御剤T−77[保土谷化学製]2部を加え、ヘンシェルミキサー[三井三池化工機(株)製 FM10B]を用いて予備混合した後、二軸混練機[(株)池貝製 PCM−30]で120℃で混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製 MDS−I]で分級し、体積平均粒径(Dv50)が8μmのトナー粒子を得た。
ついで、トナー粒子100部に流動化剤としてコロイダルシリカ[アエロジルR972:日本アエロジル製]1部をサンプルミルにて混合して、トナー(T’−6)を得た。なおトナー(T’−6)はトナーバインダーを製造する際にポリエステル樹脂(B)中でポリエステル樹脂(A1)と架橋剤(c)を反応させ架橋反応を行っているため、トナーを製造する際、実質的にポリエステル樹脂(A1)及び架橋剤(c)は存在しておらず、本発明のトナーの製造方法に該当しない。
以下に、得られたトナーの低温定着性、光沢性、耐ホットオフセット性、耐マイクロオフセット性、耐熱保存性及び帯電安定性の測定方法と評価方法を、判定基準を含めて説明する。
トナーを紙面上に0.85mg/cm2となるよう均一に載せた。このとき粉体を紙面に載せる方法は、熱定着機を外したプリンターを用いる。
この紙を加圧ローラーに定着速度(加熱ローラ周速)213mm/秒、定着圧力(加圧ローラ圧)10kg/cm2の条件で通した時の最低定着温度(MFT)を測定した。
最低定着温度が低いほど、低温定着性に優れることを意味する。
低温定着性と同様に定着評価を行う。画像の下に白色の厚紙を敷き、光沢度計(株式会社堀場製作所製、「IG−330」)を用いて、入射角度60度にて、印字画像の光沢度(%)を測定した。光沢度が高いほど、光沢性に優れることを意味する。
低温定着性と同様に定着評価し、定着画像へのホットオフセットの有無を目視評価した。加圧ローラー通過後、ホットオフセットが発生した温度を耐ホットオフセット性(℃)とした。この評価条件では、温度が高いほどオフセットが発生しにくいことを意味し、180℃以上であると実際の使用態様でオフセットの発生を抑制できる。
低温定着性と同様に定着評価する際、トナーを載せた紙を外圧ローラーに通した直後、トナーを載せていない新しい紙を通し、その紙に付着した着色剤由来の付着物の有無を目視評価し、下記の判定基準で判定した。
A:定着領域ではマイクロオフセット発生なし
B:MFT+50℃以上の温度からホットオフセット温度までマイクロオフセット発生
C:MFT+50℃未満の温度からホットオフセット温度までマイクロオフセット発生
トナー1gを密閉容器に入れ、温度50℃、湿度50%の雰囲気で24時間静置し、ブロッキングの程度を目視で判断し、下記判定基準で耐熱保存性を評価した。
[判定基準]
A:ブロッキングが全く発生していない。
B:一部にブロッキングが発生している。
C:全体にブロッキングが発生している。
(1)トナー0.5gとフェライトキャリア(パウダーテック社製、F−150)20gとを50mlのガラス瓶に入れ、これを23℃、相対湿度50%で8時間以上調湿した。
(2)ターブラーシェーカーミキサーにて50rpm×20分間と60分間摩擦攪拌し、それぞれの時間での帯電量を測定した。
測定にはブローオフ帯電量測定装置[東芝ケミカル(株)製]を用いた。
「摩擦時間60分の帯電量/摩擦時間10分の帯電量」を計算し、これを帯電安定性の指標とした。
○:0.7以上
△:0.6以上0.7未満
×:0.6未満
一方、炭素−炭素二重結合量がポリエステル樹脂(A1)の重量を基準として0.02〜2.00ミリモル/gであるポリエステル樹脂(A1)を使用していない比較例1と2のトナー、ηA1/ηBの範囲が式(1)を満たしていない比較例3と4のトナー、トナーを製造する際の混合時の温度が45℃と低い比較例5のトナー及びトナーを製造する際、実質的にポリエステル樹脂(A1)及びラジカル反応開始剤(c)は存在していない比較例6のトナーはいずれかの性能項目が不良であった。
更に、塗料用添加剤、接着剤用添加剤、電子ペーパー用粒子などの用途の感光性樹脂組成物として好適である。
Claims (4)
- 炭素−炭素二重結合量がポリエステル樹脂(A1)の重量を基準として0.02〜2.00ミリモル/gであるポリエステル樹脂(A1)、炭素−炭素二重結合量がポリエステル樹脂(B)の重量を基準として0.02ミリモル/g未満であるポリエステル樹脂(B)、着色剤及び離型剤を事前に粉体混合する工程と、前記混合して得られたものと前記(A1)が有する炭素−炭素二重結合と反応し得る架橋剤(c)とを50℃〜200℃で溶融混合する工程とを含み、前記(A1)と前記(B)の120℃での粘度が以下の式(1)を満たすトナーの製造方法。
0.1≦ηA1/ηB≦125 (1)
[ηA1は120℃でのポリエステル樹脂(A1)の粘度ηPa・s、ηBは120℃でのポリエステル樹脂(B)の粘度ηPa・sである。] - 使用した原料全体に対するポリエステル樹脂(A1)とポリエステル樹脂(B)との重量比〔(A1)/(B)〕が5/95〜50/50である請求項1に記載のトナーの製造方法。
- ポリエステル樹脂(A1)中のテトラヒドロフラン溶解分の重量平均分子量(Mw)が2,000〜40,000である請求項1又は2に記載のトナーの製造方法。
- ポリエステル樹脂(A1)及び/又はポリエステル樹脂(B)が芳香族カルボン酸(y1)を含有する成分を重縮合して得られたポリエステル樹脂であり、トナー中のモノマーとして残留する芳香族カルボン酸(y1)の含有量がトナーの重量に基づいて10ppm〜10000ppmである請求項1〜3のいずれかに記載のトナーの製造方法。
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