JP4993476B2 - トナー用ポリエステル樹脂の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、トナー用ポリエステル樹脂の製造方法に関するものである。
電子写真印刷法及び静電荷現像法により画像を得る方法においては、感光体上に形成された静電荷像をあらかじめ摩擦により帯電させたトナーによって現像したのち、定着を行う。定着方式については、現像によって得られたトナー像を加圧及び加熱されたローラーを用いて定着するヒートローラー方式と、電気オーブン或いはフラッシュビーム光を用いて定着する非接触定着方式とがある。
これらのプロセスを問題なく通過するためには、トナーは、まず安定した帯電量を保持することが必要であり、次に紙への定着性が良好であることが必要とされる。また、装置は定着部に加熱体を有するため、装置内で温度が上昇することから、トナーは、装置内でブロッキングしないことが要求される。
最近では、省エネ化が特に要求されるようになってきており、その結果、ヒートローラー方式において、定着部の低温化が進んできた。そのため、トナーにはより低い温度で紙に定着する性能、つまり低温定着性が強く求められるようになってきている。また、ヒートローラー方式においては、いわゆるオフセット現象が発生するため、耐オフセット性が要求されるのが前提である。従って、耐オフセット性を維持しつつ、例えば定着温度140℃以下の条件でも紙への定着を示すといった低温定着性を発現させる必要があり、より広いワーキングレンジ、例えば定着温度幅が50℃以上を有するトナーが要求されるようになってきている。
トナー用結着樹脂は、上述のようなトナー特性に大きな影響を与えるものであり、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂等が知られているが、最近では、透明性と定着性のバランスを取りやすいことから、ポリエステル樹脂が特に注目されている。
従来、ポリエステル樹脂の定着温度幅を拡大させる方法として、三官能以上のモノマーを使用した三次元架橋構造を有する非線状ポリエステル樹脂を用いる方法が検討されてきた(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、特許文献1に記載された非線状ポリエステル樹脂は、耐高温オフセット性に優れ、高い最高定着温度を発現することができるものの、低温定着性のレベルがまだ十分ではなかった。
そこで、低温定着性を改良する手段として、2価のカルボン酸化合物と、2価のアルコール化合物からなる線状ポリエステル樹脂を使用することが検討されている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、三次元構造を有しない線状ポリエステル樹脂は、低温定着性に優れるという反面、耐高温オフセット性に劣るため広い定着温度幅が得られないという問題があった。
そこで、線状ポリエステル樹脂に不飽和基を導入し、重合開始剤などにより反応、架橋させる検討が行われている(例えば、特許文献3〜6参照)。
特許文献3では、イソフタル酸と無水マレイン酸等の2価のカルボン酸およびビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物等の2価のアルコールからなる不飽和ポリエステル樹脂を、重合開始剤としてジクミルパーオキサイドを用いることで架橋反応する技術が記載されている。重合開始剤として、高温では自己促進分解する有機過酸化物を用いているが、有機過酸化物の安定な供給方法については述べられていない。
また、特許文献4では、フマル酸とビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物等からなる不飽和ポリエステル樹脂を架橋反応させることによって、架橋された部分と架橋されていない部分を含むトナー用ポリエステル樹脂を得ることが記載されている。重合開始剤として、高温では自己促進分解する有機過酸化物を用いているが、有機過酸化物の安定な供給方法については述べられていない。
特許文献5には、数平均分子量が1,000〜4,000であって不飽和二重結合を有する不飽和ポリエステル樹脂を加熱または重合開始剤の存在下においてさらに硬化させてなるトナー用ポリエステル樹脂が記載されている。しかし、有機過酸化物を自己促進分解温度よりはるかに高い温度で、添加するため、工業的には製造できない問題があった。
また、特許文献6には、溶融開始温度が50℃以上100℃未満の飽和ポリエステル樹脂と、不飽和ポリエステル樹脂の架橋体とからなるトナーが記載されている。有機過酸化物を予めスーパーミキサーで混合する工程を経るため、生産性が低いという問題があった。
高温で有機過酸化物を供給できれば、工業的に生産性高く製造することが可能であるが、熱に対して不安定な有機過酸化物を工業的に安定に供給する方法は未だ開示されていない。
特開昭57−109825号公報 特開平4−12367号公報 特開平3−135578号公報 特開平5−249739号公報 特開昭59−49551号公報 特開平8−152743号広報
本発明の目的は、低温定着性を有し、耐高温オフセット性に優れたポリエステル樹脂を工業的に安定的にかつ生産性良く製造する方法を提供することにある。
本発明の要旨は、離型剤に分散または溶解した有機過酸化物を、溶融した不飽和二重結合を有するポリエステル樹脂中へ供給し、架橋反応を行うトナー用ポリエステル樹脂の製造方法にある。
本発明は、低温定着性を有し、耐高温オフセット性に優れたポリエステル樹脂を、工業的に安定にかつ生産性高く製造することができる。
本発明では、離型剤に分散または溶解した有機過酸化物を、溶融した不飽和二重結合を有するポリエステル樹脂中へ供給し、架橋反応を行うことが必要である。
架橋反応開始剤である有機過酸化物は自己促進分解性の化合物であるため、初期にわずかな分解が起こると、分解熱が発生し、その熱により分解が促進される。すなわち、一旦分解が始まると短時間に急激な分解に達する性質がある。
従って、高温部と接触した配管に有機過酸化物を流す場合、配管中で有機過酸化物が加熱され分解反応が起こり、溶融したポリエステル樹脂中へ安定に供給することが困難となる。
本発明では、有機過酸化物が離型剤に分散または溶解(有機過酸化物が離型剤で希釈されている)しているため、供給配管中で自己促進分解することなく、溶融した不飽和二重結合を有するポリエステル樹脂中へ安定に供給可能となり、供給後速やかに架橋反応が進行するため、生産性を高めることができる。
なおこのような、有機過酸化物の明らかな分解が予想される自己促進分解温度の目安として、SADT(Self Accelerating Decomposition Temperature)が使用されている。SADTとは、有機過酸化物の商品形態を50リットル程度としたとき、分解熱と放熱の関係から7日以内に6℃以上の発熱又は分解に至る最低温度である。
また有機過酸化物の希釈に用いる離型剤としては、不飽和二重結合の架橋反応を阻害しないものを用いることが好ましく、炭化水素系の離型剤、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス等の脂肪族炭化水素系ワックス、酸化ポリエチレンワックス等の脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物、またはこれらのブロック化合物などが挙げられる。
これらの中では、架橋反応開始剤との混合が容易であり、トナーの低温定着性をさらに高めることができる傾向にあることから、離型剤の融点は120℃以下であることが好ましい。融点が120℃以下の離型剤としては、パラフィンワックスが最も好ましく、日本精鑞社製HNPシリーズ:例えばHNP−3(融点64℃)、HNP−5(融点62℃)、HNP−9、10(融点75℃)、HNP−11(融点68℃)、HNP−12(融点67℃)、HNP−51(融点77℃)、SPシリーズ:例えば、SP−0165(融点74℃)、SP−0160(融点71℃)、SP−0145(融点62℃)、HNP−3(融点64℃)、FTシリーズ:FT−0070(融点72℃)、FT−0165(融点73℃)等が挙げられる。
また、有機過酸化物としては、特に制限されないが、例えば、ベンゾイルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、t−ブチルクミルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、α、α−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)へキサン、ジ−t−へキシルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシへキシン−3、アセチルパーオキシド、イソブチリルパーオキシド、オクタニノルパーオキシド、デカノリルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、3,3,5−トリメチルヘキサノイルパーオキシド、m−トルイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、クミルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンソエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシアセテート等が挙げられる。
また本発明で、不飽和二重結合とは、炭素間二重結合であり、これをポリエステル樹脂の主鎖および/または側鎖に有するものである。不飽和二重結合をポリエステル樹脂の主鎖および/または側鎖に有するためには、不飽和二重結合を有するカルボン酸化合物および/または不飽和二重結合を有するアルコール化合物を用いて重縮合反応をさせ、これらの化合物をポリエステル樹脂の構成成分として取り込めばよい。
不飽和二重結合を有するカルボン酸化合物の例としては、特に制限されないが、例えば、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、テトラヒドロフタル酸およびこれらのエステル誘導体、アクリル酸、クロトン酸、メタクリル酸およびこれらのエステル誘導体等が挙げられる。また、不飽和二重結合を有するアルコール化合物としては、特に制限されないが、例えば、1,4−ジヒドロキシ−2−ブテン等が挙げられる。
これらの中では、反応性の観点から、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸から選ばれる少なくとも1種が特に好ましい。
さらに本発明では、溶融した不飽和二重結合を有するポリエステル樹脂中へ直接、架橋反応開始剤である有機過酸化物を供給するので、
供給後速やかに架橋反応が進行するため、生産性を高めることができる
なお、溶融装置としては、特に制限されないが、例えば、単軸押出機、二軸押出機、連続密閉式混合機、ギア押出機、ディスク押出機およびロールミル押出機、スタティックミキサー等の連続溶融装置;バンバリーミキサー、ブラベンダーミキサー及びハーケミキサー等のバッチ密閉式溶融装置が挙げられる。
これらの中でも、短時間で効率よくポリエステル樹脂中に有機過酸化物を分散させることが可能なことから、連続溶融装置が好ましい。
連続溶融装置としては、公知のものを使用することができ、例えば、以下のものがあげられる。
(1) 緑機械工業(株)製 スルザーミキサーSMX型(SMX−15A:6エレメント、12エレメント) 配管25A (内径:27.2mm)のもの。
(2) 東京日進ジャバラ(株)製 NSミキサー(WB−15A:24エレメント) 配管 15A(内径16.1mm)のもの。
ノリタケカンパニー(株)製スタティックミキサー(15A:24エレメント)内径5mmのもの。
(株)池貝製二軸押出機(PCM−29:L/D=30)
(株)池貝製二軸押出機(PCM−30:L/D=40)
東芝機械(株)製二軸押出機(TEM−37−SS−16/7V:L/D=64)
(株)日本製鋼所製二軸押出機(TEX30α−63BV−14V:L/D=64)
(株)プラスチック工学研究所製二軸押出機(BTN−32:L/D=64)
なお、Lは押出機の長さ、Dは押出機の直径をあらわす。
また、離型剤に分散または溶解した有機過酸化物の調製方法については特に限定されないが、加熱して液化した離型剤に有機過酸化物を混合する方法が好ましい。有機過酸化物は、離型剤にて分散または溶解されるため、このような加熱した状態でも自己促進分解を抑制することが可能となる。
有機過酸化物と離型剤の質量比率(有機過酸化物の希釈率X)は0.1/99.9〜50/50が好ましい。有機過酸化物と離型剤の質量比率が0.1/99.9以上である場合に架橋反応を効率よく起こさせることができる傾向にあり、また50/50以下である場合に自己促進分解を抑制できる傾向にある。
さらに、離型剤で希釈された有機過酸化物の希釈率が上記範囲にある場合、架橋反応装置内における離型剤の離型作用により、架橋反応装置内での樹脂の滞留が抑制されるため、不飽和ポリエステル樹脂の架橋反応が過度に進むことが抑制され、トナーの材料分散性がより良好になりやすい。なお、有機過酸化物の希釈率は30/70以下がさらに好ましい。
ここで、不飽和ポリエステル樹脂の架橋反応とは、ポリエステル樹脂の分子間に化学結合を形成させる反応である。
不飽和ポリエステル樹脂を架橋反応させると、その一部は、THFに溶解しない架橋密度の高い架橋成分(THF不溶分)に変化し、またその一部は、THFに溶解する架橋密度の低い架橋成分に変化し、残りは未反応のまま残存する。その結果、架橋反応させて得られた樹脂は、THF不溶分(THFに溶解しない架橋成分)とTHF可溶分(THFに溶解する架橋成分および未反応のポリエステル樹脂)を含有することとなる。そして、THF不溶分は、高密度に架橋しているため、トナーにさらに高い弾性を付与する作用を奏し、トナーの耐高温オフセット性が更に良好になる傾向にある。
ただし、THF不溶分は、高密度に架橋しているためトナー材料の分散が難しく、材料分散性が良好になるよう架橋反応が過度に進みすぎないよう制御することが必要である。
以下に本発明の実施例を示すが、本発明の実施の態様はこれに限定されるものではない。また、本実施例で示される樹脂やトナーの評価方法は以下の通りである。
・トナー評価方法
(1)定着特性:耐高温オフセット性
複写機「PAGEPREST N4−612 II」(カシオ電子工業社製)を改造した装置を用い、未定着画像を画出し、定着温度領域のテストを行った。ここで用いた定着ローラーは、シリコーンオイルが塗布されていない定着ローラーであり、ニップ幅3mm、線速30mm/分に設定したものである。熱ローラー設定温度を5℃ずつ上昇させ、A4普通紙(大昭和製紙製:BM64T)の上部に印刷した1%の印字比率のベタ画像がローラーに付着し、紙の下余白部分を汚すかどうかを目視にて確認し、汚れの生じない最高の設定温度を最高定着温度とし、以下の基準で判定した。
◎+(極めて良好):最高定着温度が200℃以上
◎(非常に良好) :最高定着温度が190℃以上200℃未満
○+(良好) :最高定着温度が180℃以上190℃未満
○(使用可能) :最高定着温度が170℃以上180℃未満
×(劣る) :最高定着温度が170℃未満
(2)定着特性:最低定着温度
上記の測定に準じて、複写・定着処理を前記熱ローラーの設定温度を5℃ずつ低下させながら100℃まで繰り返し、この定着画像について擦り試験を行い、定着率が90%を超える温度を最低定着温度とした。
定着率は、上記定着温度幅評価に使用した印刷用紙を用い、印刷部分を折り曲げて加重5kg/cm2をかけた後、セロハンテープ(日東電工包装システム社製、品番:N.29)を貼って剥がし、この操作の前後における印刷部分の光量をマクベス光量計にて測定し、その測定値から定着率を算出した。
定着率(%)=(セロハンテープ剥離試験後の光量)/(試験前の光量)×100(%)
◎+(極めて良好):最低定着温度が120℃以下
◎(非常に良好):最低定着温度が120℃を超えて130℃以下
○+(良好) :最低定着温度が130℃を超えて140℃以下
○(使用可能) :最低定着温度が140℃を超えて150℃以下
×(劣る) :最低定着温度が150℃を超える
(3)定着特性:定着温度幅
最高定着温度と最低定着温度の差を定着温度幅とし、以下の基準で判定した。
◎(非常に良好):定着温度幅が70℃以上
○+(良好) :定着温度幅が60℃以上70℃未満
○(使用可能) :定着温度幅が50℃以上60℃未満
×(劣る) :定着温度幅が50℃未満
合成例1
酸成分としてテレフタル酸95モル部およびフマル酸5モル部、アルコール成分としてエチレングリコールを65モル部およびネオペンチルグリコールを40モル部、また全酸成分に対して1000ppmのトリブチルスズオキシドを蒸留塔備え付けの反応容器に投入した。次いで昇温を開始し、反応系内の温度が260℃になるように加熱し、この温度を保持し、反応系からの水の留出がなくなるまでエステル化反応を行い、反応物を取り出し冷却して、ポリエステル樹脂(a)を得た。ポリエステル樹脂(a)の仕込組成を表1に示す。
合成例2
酸成分としてテレフタル酸80モル部およびフマル酸20モル部、アルコール成分としてエチレングリコールを80モル部および1,4−シクロヘキサンジメタノールを40モル部、また全酸成分に対して1500ppmの三酸化アンチモンと、全酸成分に対して2000ppmのヒンダードフェノール化合物(旭電化工業(株)製AO−60)とを合成例1と同様の反応容器に投入した。
次いで昇温を開始し、反応系内の温度が260℃になるように加熱し、この温度を保持し、反応系からの水の留出がなくなるまでエステル化反応を継続した。次いで、反応系内の温度を225℃とし、反応容器内を減圧し、反応系からジオール成分を留出させながら縮合反応を実施した。反応とともに反応系の粘度が上昇し、攪拌翼のトルクが所望の軟化温度を示す値となるまで反応を行った。そして、所定のトルクを示した時点で反応物を取り出し冷却して、ポリエステル樹脂(b)を得た。ポリエステル樹脂(b)の仕込組成を表1に示す。
実施例1
離型剤(日本精鑞(株)製SP−0160)90質量部を80℃に加熱し、溶融させ、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)へキサン10質量部を添加し、離型剤で希釈された有機過酸化物(I−1)を得た。
離型剤で希釈された有機過酸化物(I−1)を古江サイエンス株式会社製のマイクロフィーダーに仕込んだ。マイクロフィーダーのシリンジ部は、ジャケットにより温調することが可能であり、温度を80℃に保持した。
二軸押出機((株)池貝製PCM−30:L/D=40)のL/D=20の位置までを設定温度150℃、約2分間の滞在時間とし、ポリエステル樹脂(a)85質量部とポリエステル樹脂(b)15質量部を供給して溶融した。中央部から、マイクロフィーダーにより離型剤で希釈された有機過酸化物(I−1)を1質量部添加した。L/D=21の位置からを外温設定180℃、約2分間の滞在時間で、ポリエステル樹脂(a)、ポリエステル樹脂(b)、離型剤で希釈された有機過酸化物(I−1)を混合しながら架橋反応を行い、ポリエステル樹脂(C−1)を得た。
離型剤で希釈された有機過酸化物(I)のマイクロフィーダーでの供給圧力は、0.2MPaで、安定していた。2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)へキサンのSADTは80℃である。ポリエステル樹脂(a)、ポリエステル樹脂(b)、有機過酸化物、希釈剤の配合量、有機過酸化物のSADT、有機過酸化物の希釈率X、有機過酸化物の供給温度等を表2に示す。
ポリエステル樹脂(C−1)94質量部、キナクリドン顔料(クラリアント社製E02)3質量部、カルナバワックス2質量部および負帯電性の荷電制御剤LR−147(日本カートリット社製)1質量部を混合し、二軸押出機を用いて外温設定160℃、滞在時間1分として溶融混練し、粗粉砕後、ジェットミル型粉砕機で微粉砕し、分級機で平均粒径5μmの微粉末を得た。
得られた微粉末に対して、0.2質量部となるようにシリカ(日本エアロジル社製R−972)を加え、ヘンシェルミキサーで混合し付着させ、トナー1を得た。このトナーを非磁性1成分乾式複写機に実装し、その性能を評価した。トナーの評価結果を表3に示す。
実施例2
離型剤(日本精鑞(株)製SP−0160)75質量部を80℃に加熱し、溶融させ、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)へキサン25質量部を添加し、離型剤で希釈された有機過酸化物(I−2)を得て、マイクロフィーダーにより離型剤で希釈された有機過酸化物(I−2)を0.4質量部添加した以外は、実施例1と同様の方法で行い、ポリエステル樹脂(C−2)を得た。
離型剤で希釈された有機過酸化物(I−2)のマイクロフィーダーでの供給圧力は、0.2MPaで、安定していた。
さらにポリエステル樹脂(C−2)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、トナー2を得た。トナーの評価結果を表3に示す。
実施例3
離型剤(日本精鑞(株)製SP−0160)95質量部を80℃に加熱し、溶融させ、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート5質量部を添加し、離型剤で希釈された有機過酸化物(I−3)を得て、マイクロフィーダーにより離型剤で希釈された有機過酸化物(I−3)を2質量部添加した以外は、実施例1と同様の方法で行い、ポリエステル樹脂(C−3)を得た。
離型剤で希釈された有機過酸化物(I−3)のマイクロフィーダーでの供給圧力は、0.2MPaで、安定していた。
ポリエステル樹脂(C−3)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で行い、トナー3を得た。トナーの評価結果を表3に示す。
比較例1
t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエートをマイクロフィーダーに仕込み、マイクロフィーダーによりt−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート0.1質量部添加した以外は、実施例1と同様の方法で行った。
製造開始後しばらくすると、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエートがマイクロフィーダー内で自己促進分解し、供給圧力が上昇してきたため製造を継続することが困難となり製造を中止したため、ポリエステル樹脂を得ることができなかった。
Figure 0004993476
Figure 0004993476
Figure 0004993476

Claims (3)

  1. 離型剤に分散または溶解した有機過酸化物を、溶融した不飽和二重結合を有するポリエステル樹脂中へ供給し、架橋反応を行うトナー用ポリエステル樹脂の製造方法。
  2. 離型剤の融点が120℃以下である請求項1に記載のトナー用ポリエステル樹脂の製造方法。
  3. 有機過酸化物と離型剤の質量比率が0.1/99.9〜50/50である請求項1または請求項2に記載のトナー用ポリエステル樹脂の製造方法。
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