JP5616915B2 - トナーバインダーおよびトナー組成物 - Google Patents

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本発明はトナーバインダーおよびトナー組成物に関する。
複写機、プリンター等における画像の定着方式として一般的に採用されている熱定着方式用の電子写真用トナーバインダーは、高い定着温度でもトナーが熱ロールに融着せず(耐ホットオフセット性)、定着温度が低くてもトナーが定着できること(低温定着性)や、保存安定性が要求されている。
低温定着性と耐ホットオフセット性のいずれにも優れた、ポリエステル系トナーバインダーからなるトナー組成物が知られている(特許文献1参照)。しかし、軟化温度が高いため、トナーの定着下限温度を下げることができず、低温定着性が充分ではないという課題がある。また、トナー化時の粘度低下も大きく、生産安定性も低いものであった。
特開平12−75549号公報
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであって、低温定着性と耐ホットオフセット性の両立(定着温度幅の広さ)、保存安定性、およびトナー化時の生産安定性のいずれにも優れたトナーバインダー、およびトナーを提供することである。
本発明者らは、定着温度幅、保存安定性、およびトナー化時の生産安定性のいずれにも優れたトナーバインダーを開発すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち本発明は、下記3発明である。
(I) ポリカルボン酸成分(x)とポリオール成分(y)を構成単位として有するポ
リエステル樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)を含有し、(A)の含有する水分量が7
000〜10000ppmであり、(B)の含有する水分量が10000ppm以下であ
るトナーバインダーであって、ポリエステル樹脂(A)のTHF不溶解分が10〜30重量%であり、ポリエステル樹脂(B)のTHF不溶解分が0〜5重量%であるトナーバインダー
(II) このトナーバインダー、着色剤、並びに必要により、離型剤、荷電制御剤、
および流動化剤から選ばれる一種以上の添加剤を含有するトナー組成物。
(III) ポリカルボン酸成分(x)とポリオール成分(y)を重縮合反応させるポ
リエステル樹脂の製造方法であり、(x)と(y)を150〜280℃で、常圧反応させ
た後に減圧反応させ、減圧反応時もしくは反応終了後に水を添加し、含有する水分量が7
000〜10000ppmのポリエステル樹脂(A)であって、THF不溶解分が10〜30重量%である(A)を製造する工程を含むトナーバインダー用ポリエステル樹脂の製造方法。

本発明により、低温定着性と耐ホットオフセット性の両立(定着温度幅の広さ)、保存安定性、およびトナー化時の生産安定性のいずれにも優れたトナーバインダー、およびトナーを提供することが可能となった。
以下、本発明を詳述する。
本発明のトナーバインダーは、ポリカルボン酸成分(x)とポリオール成分(y)を構成単位として有するポリエステル樹脂(A)およびポリエステル樹脂(B)を含有する。
ポリエステル樹脂(A)およびポリエステル樹脂(B)において、ポリカルボン酸成分(x)としては、ジカルボン酸、および3価以上のポリカルボン酸が挙げられる。ジカルボン酸としては、炭素数8〜36の芳香族ジカルボン酸(例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、およびナフタレンジカルボン酸)、炭素数4〜8のアルカンジカルボン酸(例えばコハク酸、およびアジピン酸)、炭素数9〜36のアルカンジカルボン酸(例えばセバシン酸、およびドデカンジカルボン酸)、炭素数6〜40の脂環式ジカルボン酸〔例えばダイマー酸(2量化リノール酸)〕、炭素数4〜8のアルケンジカルボン酸(例えば、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、およびメサコン酸)、炭素数9〜36のアルケンジカルボン酸(例えば、ドデセニルコハク酸等のアルケニルコハク酸)、およびこれらのエステル形成性誘導体等が挙げられる。
上記エステル形成性誘導体としては、酸無水物、アルキル(炭素数1〜24、好ましくは1〜4:メチル、エチル、ブチル、ステアリル等)エステル、および部分アルキル(上記と同様)エステル等が挙げられる。以下のエステル形成性誘導体についても同様である。
これらのうち好ましいものは、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、およびこれらのエステル形成性誘導体である。
3価以上(好ましくは3〜6価)のポリカルボン酸としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(例えばトリメリット酸、およびピロメリット酸)、炭素数6〜36の脂肪族(脂環式を含む)ポリカルボン酸(例えばヘキサントリカルボン酸、およびデカントリカルボン酸)、およびこれらのエステル形成性誘導体等が挙げられる。
これらのうち好ましいものは、トリメリット酸、ピロメリット酸、およびこれらのエステル形成性誘導体である。
なお、ポリカルボン酸成分(x)中に、必要により、少量の炭素数7〜14の芳香族モノカルボン酸(安息香酸等)を用いてもよい。
ポリエステル樹脂(A)およびポリエステル樹脂(B)は、保存安定性および定着性の観点から、ポリカルボン酸成分(x)中に、芳香族ポリカルボン酸を90モル%以上含有するのが好ましく、さらに好ましくは91〜99.9モル%、とくに好ましくは92〜99.8モル%である。
また、(A)と(B)が、ポリカルボン酸成分(x)中に、さらに炭素数4〜8のアルカンジカルボン酸および/またはアルケンジカルボン酸を0.1〜10モル%含有するのが好ましく、好ましくは0.2〜9モル%、さらに好ましくは0.2〜8モル%である。炭素数4〜8のアルケンジカルボン酸の含有量が0.1モル%以上であると、保存安定性がより良好となり、10モル%以下であると、カラートナーに使用した場合に透明性が良好になる。
ポリエステル樹脂(A)およびポリエステル樹脂(B)において、ポリオール成分(y)としては、ジオールおよび3価以上のポリオールが挙げられる。
ジオールとしては、芳香族ジオールおよび脂肪族ジオールが挙げられ、芳香族ジオールの具体例としては、2価フェノール〔単環2価フェノール(例えばハイドロキノン)、およびビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールFおよびビスフェノールS等)〕のポリオキシアルキレン〔アルキレン基の炭素数2〜4(オキシエチレン、オキシプロピレン等)、以下のポリオキシアルキレン基も同じ〕エーテル〔オキシアルキレン単位(以下AO単位と略記)の数2〜30〕;等が挙げられる。
これらのうち好ましいものは、ビスフェノールAのポリオキシアルキレンエーテルであり、さらに好ましくはビスフェノールAのポリオキシエチレンエーテル、ビスフェノールAのポリオキシプロピレンエーテルである。
脂肪族ジオールとしては、炭素数2〜36のアルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、および1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール等);炭素数4〜36のアルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、およびポリテトラメチレンエーテルグリコール等);炭素数6〜36の脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、および水素添加ビスフェノールA等);上記脂環式ジオールの(ポリ)オキシアルキレンエーテル(AO単位の数1〜30)等が挙げられる。
これらのうち、低温定着性と耐ホットオフセット性の両立の観点から、炭素数2〜6のアルキレングリコールが好ましい。
3価以上(好ましくは3〜8価)のポリオールとしては、炭素数3〜36の3〜8価もしくはそれ以上の脂肪族多価アルコール(アルカンポリオールおよびその分子内もしくは分子間脱水物、例えばグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、ポリグリセリン、およびジペンタエリスリトール;糖類およびその誘導体、例えばショ糖およびメチルグルコシド);上記脂肪族多価アルコールの(ポリ)オキシアルキレンエーテル(AO単位の数1〜30);ノボラック型樹脂(フェノールノボラックおよびクレゾールノボラック等、平均重合度3〜60)のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30);トリスフェノール類(トリスフェノールPA等)のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30)等が挙げられる。
これらのうち好ましくは、ノボラック型樹脂のポリオキシアルキレンエーテルである。
ポリエステル樹脂(A)およびポリエステル樹脂(B)は、ポリオール成分(y)中に、保存安定性の観点から、ジオールと必要により3価以上のポリオールを含有するのが好ましく、ビスフェノール類(特にビスフェノールA)のポリオキシアルキレンエーテルおよび/または炭素数2〜6のアルキレングリコールと、必要によりノボラック型樹脂のポリオキシアルキレンエーテルを含有するのがさらに好ましい。
本発明におけるポリエステル樹脂(A)およびポリエステル樹脂(B)は、通常のポリエステル製造法と同様にして製造することができる。例えば、ポリカルボン酸成分(x)とポリオール成分(y)とを、不活性ガス(窒素ガス等)雰囲気中で、反応温度が好ましくは150〜280℃、さらに好ましくは170〜260℃、とくに好ましくは180〜240℃で反応させることにより行うことができる。また反応時間は、重縮合反応を確実に行う観点から、好ましくは30分以上、とくに好ましくは2〜40時間である。反応末期の反応速度を向上させるために、常圧(大気圧)反応後に減圧(好ましくは0.1〜10kPa)反応させることも有効である。
ポリオール成分(y)とポリカルボン酸成分(x)との反応比率は、水酸基とカルボキシル基の当量比[OH]/[COOH]として、好ましくは2/1〜1/2、さらに好ましくは1.5/1〜1/1.3、とくに好ましくは1.4/1〜1/1.2である。
このとき必要に応じてエステル化触媒を使用することができる。エステル化触媒の例には、スズ含有触媒(例えばジブチルスズオキシド)、三酸化アンチモン、チタン含有触媒[例えばチタンアルコキシド、シュウ酸チタン酸カリウム、テレフタル酸チタン、特開2006−243715号公報に記載の触媒〔チタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)、チタニウムモノヒドロキシトリス(トリエタノールアミネート)、およびそれらの分子内重縮合物等〕、および特開2007−11307号公報に記載の触媒(チタントリブトキシテレフタレート、チタントリイソプロポキシテレフタレート、およびチタンジイソプロポキシジテレフタレート等)]、ジルコニウム含有触媒(例えば酢酸ジルコニル)、および酢酸亜鉛等が挙げられる。これらの中で好ましくはチタン含有触媒である。
本発明で用いるポリエステル樹脂(A)中のTHF不溶解分は、トナーとして用いた時の耐ホットオフセット性の点から、好ましくは10〜30重量%であり、さらに好ましくは12〜28重量%、とくに好ましくは15〜25重量%である。
本発明におけるTHF不溶解分は、以下の方法で求めたものである。
試料0.5gに50mlのTHFを加え、3時間撹拌還流させる。冷却後、グラスフィルターにて不溶解分をろ別し、グラスフィルター上の樹脂分を80℃で3時間減圧乾燥する。グラスフィルター上の乾燥した樹脂分の重量と試料の重量比から、不溶解分を算出する。
ポリエステル樹脂(A)の軟化点〔T(1/2)〕は、好ましくは120〜150℃であり、さらに好ましくは123〜147℃、とくに好ましくは125〜145℃である。この範囲内であると、耐ホットオフセット性と低温定着性の両立が良好となる。本発明において、T(1/2)は以下の方法で測定される。
<軟化点〔T(1/2)〕>
高化式フローテスター{たとえば、(株)島津製作所製、CFT−500D}を用いて、1gの測定試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出して、「プランジャー降下量(流れ値)」と「温度」とのグラフを描き、プランジャーの降下量の最大値の1/2に対応する温度をグラフから読み取り、この値(測定試料の半分が流出したときの温度)を軟化点〔T(1/2)〕とする。
ポリエステル樹脂(A)の酸価は、好ましくは10〜40(mgKOH/g、以下同じ)、さらに好ましくは15〜35である。酸価が40以下であると、トナーとして用いた時の帯電特性が低下しない。
また、(A)の水酸基価は、好ましくは0〜30(mgKOH/g、以下同じ)、さらに好ましくは0〜25である。水酸基価が30以下であると、環境安定性が低下しない。
本発明において、ポリエステル樹脂の酸価および水酸基価は、JIS K0070(1992年版)に規定の方法で測定される。
なお、試料中に架橋にともなう溶剤不溶解分がある場合は、以下の方法で溶融混練後のものを試料として用いる。
混練装置:東洋精機(株)製 ラボプラストミルMODEL4M150
混練条件:130℃、70rpmにて30分
ポリエステル樹脂(A)の含有する水分量は、7000〜10000ppmであり、好ましくは7200〜9800ppmである。水分量が10000ppmを超えると、トナー化時のトルク変化が大きく、生産安定性が不十分である。水分量が7000ppmより少ないと、トナー化時のトルクが大きくなり、生産性が低下し、生産安定性が不十分である。本発明において、ポリエステル樹脂の水分量は、カールフィッシャー水分測定装置[例えば、商品名:AQV−200(平沼産業製)]で測定される。
ポリエステル樹脂(A)の含有する水分量を上記範囲に調整する方法としては、水分量を大きくする場合、例えば、ポリエステル樹脂(A)の酸価および/または水酸基価を上げる、重縮合反応の末期(好ましくは常圧反応後の減圧反応時)もしくは反応終了後に水を添加する、重縮合反応末期の減圧反応時に反応槽内の減圧度を下げる等が挙げられる。水分量を小さくする場合、例えば、ポリエステル樹脂(A)の酸価および/または水酸基価を下げる、重縮合反応末期の減圧反応時に反応槽内の減圧度を上げる、重縮合反応終了後に脱水工程を加える等が挙げられる。
これらの方法の中では、水分調整が容易なことから、水分調整工程を設ける方法(常圧反応後の減圧反応時もしくは反応終了後に水を添加する方法、および重縮合反応終了後に脱水工程を加える方法)であり、さらに好ましくは、常圧反応後の減圧反応時もしくは反応終了後に水を添加する方法であり、とくに好ましくは、安定した物性の水分調整されたポリエステル樹脂(A)が得られることから、常圧反応後の減圧反応時(特に減圧反応末期)に水を添加する方法である。
ポリエステル樹脂(B)の酸価は、好ましくは5〜50、さらに好ましくは10〜45である。酸価がこの範囲内であると、トナーとして用いた時の帯電特性が低下しない。
また、(B)の水酸基価は、好ましくは10〜40、さらに好ましくは15〜35である。水酸基価がこの範囲内であると、環境安定性が低下しない。
本発明で用いるポリエステル樹脂(B)中のTHF不溶解分は、トナーとして用いた時の低温定着性の点から、好ましくは0〜5重量%であり、さらに好ましくは0〜4重量%、とくに好ましくは0〜3重量%である。
ポリエステル樹脂(B)の軟化点〔T(1/2)〕は、好ましくは90℃以上120℃未満であり、さらに好ましくは93〜117℃、とくに好ましくは95〜115℃である。この範囲内であると、耐ホットオフセット性と低温定着性の両立が良好となる。
ポリエステル樹脂(B)の水分量は、10000ppm以下であり、好ましくは1000〜9000ppmである。水分量が10000ppmを超えると、トナーとして用いたときの保存安定性が低下する。
本発明のトナーバインダー中のポリエステル樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)の、(A)と(B)の合計を100としたときの重量比〔(A)/(B)〕は、トナーとして用いた時の耐ホットオフセット性と低温定着性のバランスの点から、好ましくは10/90〜90/10であり、さらに好ましくは15/85〜85/15、とくに好ましくは20/80〜80/20である。
本発明のトナーバインダーは、ポリエステル樹脂(A)およびポリエステル樹脂(B)以外に、その特性を損なわない範囲で、トナーバインダーとして通常用いられる他の樹脂を含有してもよい。他の樹脂としては、例えば、重量平均分子量〔Mw〕が1000〜100万のスチレン系樹脂、ポリオレフィン樹脂にビニル樹脂がグラフトした構造を有する樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂が挙げられる。他の樹脂は、(A)および(B)とブレンドしてもよいし、一部反応させてもよい。他の樹脂の含有量は、好ましくは10重量%以下、さらに好ましくは5重量%以下である。
本発明のトナーバインダーにおいて、ポリエステル樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)等、2種以上の樹脂の混合方法は特に限定されず、通常行われる公知の方法でよく、粉体混合、溶融混合のいずれでもよい。また、トナー化時に混合してもよい。
溶融混合する場合の混合装置としては、反応槽等のバッチ式混合装置、および連続式混合装置が挙げられる。適正な温度で短時間で均一に混合するためには、連続式混合装置が好ましい。連続混合装置としては、エクストルーダー、コンティニアスニーダー、3本ロール等が挙げられる。
粉体混合する場合の混合装置としては、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、およびバンバリーミキサー等が挙げられる。好ましくはヘンシェルミキサーである。
本発明のトナー組成物は、本発明のトナーバインダーと、着色剤、および必要により、離型剤、荷電制御剤、流動化剤等から選ばれる1種以上の添加剤を含有する。
着色剤としては、トナー用着色剤として使用されている染料、顔料等のすべてを使用することができる。具体的には、カーボンブラック、鉄黒、スーダンブラックSM、ファーストイエローG、ベンジジンイエロー、ピグメントイエロー、インドファーストオレンジ、イルガシンレッド、パラニトロアニリンレッド、トルイジンレッド、カーミンFB、ピグメントオレンジR、レーキレッド2G、ローダミンFB、ローダミンBレーキ、メチルバイオレットBレーキ、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、ブリリアントグリーン、フタロシアニングリーン、オイルイエローGG、カヤセットYG、オラゾールブラウンBおよびオイルピンクOP等が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。また、必要により磁性粉(鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性金属の粉末もしくはマグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の化合物)を着色剤としての機能を兼ねて含有させることができる。
着色剤の含有量は、本発明のトナーバインダー100部に対して、好ましくは1〜40部、さらに好ましくは3〜10部である。なお、磁性粉を用いる場合は、好ましくは20〜150部、さらに好ましくは40〜120部である。上記および以下において、部は重量部を意味する。
離型剤としては、融点が50〜170℃のものが好ましく、ポリオレフィンワックス、天然ワックス、フィッシャートロプシュワックス、炭素数30〜50の脂肪族アルコール、炭素数30〜50の脂肪酸およびこれらの混合物等が挙げられる。
ポリオレフィンワックスとしては、オレフィン(例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ヘキセン、1−ドデセン、1−オクタデセンおよびこれらの混合物等)の(共)重合体[(共)重合により得られるものおよび熱減成型ポリオレフィンを含む]、オレフィンの(共)重合体の酸素および/またはオゾンによる酸化物、オレフィンの(共)重合体のマレイン酸変性物[例えばマレイン酸およびその誘導体(無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノブチルおよびマレイン酸ジメチル等)変性物]、オレフィンと不飽和カルボン酸[(メタ)アクリル酸、イタコン酸および無水マレイン酸等]および/または不飽和カルボン酸アルキルエステル[(メタ)アクリル酸アルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステルおよびマレイン酸アルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステル等]等との共重合体、およびサゾールワックス等が挙げられる。
天然ワックスとしては、例えばカルナウバワックス、モンタンワックス、パラフィンワックスおよびライスワックスが挙げられる。炭素数30〜50の脂肪族アルコールとしては、例えばトリアコンタノールが挙げられる。炭素数30〜50の脂肪酸としては、例えばトリアコンタン酸が挙げられる。
荷電制御剤としては、ニグロシン染料、3級アミンを側鎖として含有するトリフェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体、4級アンモニウム塩基含有ポリマー、含金属アゾ染料、銅フタロシアニン染料、サリチル酸金属塩、ベンジル酸のホウ素錯体、スルホン酸基含有ポリマー、含フッ素系ポリマー、ハロゲン置換芳香環含有ポリマー等が挙げられる。
流動化剤としては、コロイダルシリカ、アルミナ粉末、酸化チタン粉末、炭酸カルシウム粉末等が挙げられる。
本発明のトナー組成物の組成比は、トナー重量に基づき(本項の%は重量%である。)、本発明のトナーバインダーが、好ましくは30〜97%、さらに好ましくは40〜95%、とくに好ましくは45〜92%;着色剤が、好ましくは0.05〜60%、さらに好ましくは0.1〜55%、とくに好ましくは0.5〜50%;添加剤のうち、離型剤が、好ましくは0〜30%、さらに好ましくは0.5〜20%、とくに好ましくは1〜10%;荷電制御剤が、好ましくは0〜20%、さらに好ましくは0.1〜10%、とくに好ましくは0.5〜7.5%;流動化剤が、好ましくは0〜10%、さらに好ましくは0〜5%、とくに好ましくは0.1〜4%である。また、添加剤の合計含有量は、好ましくは3〜70%、さらに好ましくは4〜58%、とくに好ましくは5〜50%である。トナーの組成比が上記の範囲であることで帯電性が良好なものを容易に得ることができる。
本発明のトナー組成物は、混練粉砕法、乳化転相法、重合法等の従来より公知のいずれの方法により得られたものであってもよい。例えば、混練粉砕法によりトナーを得る場合、流動化剤を除くトナーを構成する成分を乾式ブレンドした後、溶融混練し、その後粗粉砕し、最終的にジェットミル粉砕機等を用いて微粒化して、さらに分級することにより、体積平均粒径(D50)が好ましくは5〜20μmの微粒とした後、流動化剤を混合して製造することができる。なお、粒径(D50)はコールターカウンター[例えば、商品名:マルチサイザーIII(コールター社製)]を用いて測定される。
また、乳化転相法によりトナーを得る場合、流動化剤を除くトナーを構成する成分を有機溶剤に溶解または分散後、水を添加する等によりエマルジョン化し、次いで分離、分級して製造することができる。トナーの体積平均粒径は、3〜15μmが好ましい。
本発明のトナー組成物は、必要に応じて鉄粉、ガラスビーズ、ニッケル粉、フェライト、マグネタイト、および樹脂(アクリル樹脂、シリコーン樹脂等)により表面をコーティングしたフェライト等のキャリア粒子と混合されて電気的潜像の現像剤として用いられる。トナーとキャリア粒子との重量比は、通常1/99〜100/0である。また、キャリア粒子の代わりに帯電ブレード等の部材と摩擦し、電気的潜像を形成することもできる。
本発明のトナー組成物は、複写機、プリンター等により支持体(紙、ポリエステルフィルム等)に定着して記録材料とされる。支持体に定着する方法としては、公知の熱ロール定着方法、フラッシュ定着方法等が適用できる。
以下実施例、比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下、特に断りの無い限り、%は重量%、( )内のモルはモル部を示す。
製造例1〔実施例(1)〕
[ポリエステル樹脂(A−1)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽(以下の製造例で用いる反応槽も同様)中に、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド(以下、POと記載)3モル付加物663部(1.6モル)、フェノールノボラック樹脂(核体数約5.6)の5.6モルエチレンオキサイド(以下、EOと記載)付加物32部(40ミリモル)、テレフタル酸211部(1.3モル)、無水フマル酸13部(0.11モル)および重合触媒としてテトラブトキシチタネート2部を入れた後、230℃でポリエステル化反応をさせた。次いで、無水トリメリット酸78部(0.41モル)を加え、常圧下で1時間反応させた後、0.5〜2.5kPaの減圧下で2時間反応させ、イオン交換水0.33部(18ミリモル)をさらに追加し、軟化点134℃に到達した時点で取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(A−1)とする。
ポリエステル樹脂(A−1)のT(1/2)は134℃、THF不溶解分は20%、酸価は32、水酸基価は12、水分量は7300ppmであった。
製造例2
[ポリエステル樹脂(A−2)の合成]
反応槽中に、1,2−プロピレングリコール813部(11モル)、ネオペンチルグリコール1部(9.6ミリモル)、テレフタル酸684部(4.1モル)、イソフタル酸1部(6.0ミリモル)、アジピン酸56部(0.38モル)、無水トリメリット酸18部(94ミリモル)および重合触媒としてテトラブトキシチタネート2部を入れた後、210℃で窒素気流下に生成する水と1,2−プロピレングリコールを留去しながら5時間反応させた後、0.5〜2.5kPaの減圧下にて1時間反応させた。次いで、無水トリメリット酸42部(0.22モル)を加え、常圧下で1時間反応させた後、0.5〜2.5kPaの減圧下で5時間反応させ、さらに2.5〜5kPaの減圧下で反応させ、軟化点137℃に到達した時点で取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(A−2)とする。
ポリエステル樹脂(A−2)のT(1/2)は137℃、THF不溶解分は16%、酸価は24、水酸基価は2、水分量は8700ppmであった。
製造例3
[ポリエステル樹脂(A−3)の合成]
反応槽中に、エチレングリコール349部(5.6モル)、ネオペンチルグリコール251部(2.4モル)、テレフタル酸398部(2.4モル)、イソフタル酸267部(1.6モル)、アジピン酸1部(9.6ミリモル)、安息香酸38部(0.31モル)および重合触媒としてテトラブトキシチタネート2部を入れた後、210℃で窒素気流下に生成する水とエチレングリコールを留去しながら5時間反応させた後、0.5〜2.5kPaの減圧下にて2時間反応させた。次いで、無水トリメリット酸60部(0.31モル)を加え、常圧下で1時間反応させた後、0.5〜2.5kPaの減圧下で5時間反応させ、さらに2.5〜5kPaの減圧下で反応させ、軟化点145℃に到達した時点で取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(A−3)とする。
ポリエステル樹脂(A−3)のT(1/2)は145℃、THF不溶解分は23%、酸価は15、水酸基価は15、水分量は8300ppmであった。
製造例4〔実施例(2)〕
[ポリエステル樹脂(A−4)の合成]
反応槽中に、エチレングリコール466部(7.5モル)、ネオペンチルグリコール230部(2.2モル)、テレフタル酸371部(2.2モル)、イソフタル酸247部(1.5モル)、アジピン酸1部(9.6ミリモル)、安息香酸40部(0.35モル)および重合触媒としてテトラブトキシチタネート2部を入れた後、210℃で窒素気流下に生成する水とエチレングリコールを留去しながら5時間反応させた後、0.5〜2.5kPaの減圧下にて2時間反応させた。次いで、無水トリメリット酸120部(0.62モル)を加え、常圧下で1時間反応させた後、0.5〜2.5kPaの減圧下で2時間反応させ、イオン交換水0.10部(5.6ミリモル)をさらに追加し、軟化点134℃に到達した時点で取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(A−4)とする。
ポリエステル樹脂(A−4)のT(1/2)は143℃、THF不溶解分は23%、酸価は33、水酸基価は2、水分量は7200ppmであった。
製造例5
[ポリエステル樹脂(B−1)の合成]
反応槽中に、ビスフェノールAのPO2モル付加物329部(0.95モル)、ビスフェノールAのPO3モル付加物429部(1.1モル)、テレフタル酸282部(1.7モル)、フマル酸2部(16ミリモル)および重合触媒としてテトラブトキシチタネート2部を入れた後、230℃でポリエステル化反応をさせ、酸価が2以下になった時点で、180℃まで冷却し、無水トリメリット酸20部(0.10モル)を仕込み、180℃で1時間保持し、取出した。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(B−1)とする。
ポリエステル樹脂(B−1)のT(1/2)は104℃、THF不溶解分は1%、酸価は12、水酸基価は28、水分量は6100ppmであった。
製造例6
[ポリエステル樹脂(B−2)の合成]
反応槽中に、ビスフェノールAのPO2モル付加物407部(1.2モル)、ビスフェノールAのEO2モル付加物313部(0.96モル)、テレフタル酸286部(1.7モル)、無水マレイン酸2部(19ミリモル)および重合触媒としてテトラブトキシチタネート2部を入れた後、230℃でポリエステル化反応をさせ、酸価が2以下になった時点で、180℃まで冷却し、無水トリメリット酸52部(0.27モル)を仕込み、180℃で1時間保持し、取出した。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(B−2)とする。
ポリエステル樹脂(B−2)のT(1/2)は111℃、THF不溶解分は0%、酸価は31、水酸基価は30、水分量は7400ppmであった。
製造例7
[ポリエステル樹脂(B−3)の合成]
反応槽中に、エチレングリコール473部(7.6モル)、ネオペンチルグリコール142部(1.4モル)、テレフタル酸377部(2.3モル)、イソフタル酸377部(2.3モル)、アジピン酸1部(9.7ミリモル)および重合触媒としてテトラブトキシチタネート2部を入れた後、210℃で窒素気流下に生成する水とエチレングリコールを留去しながら5時間反応させた後、0.5〜2.5kPaの減圧下にて2時間反応させた。次いで、無水トリメリット酸56部(0.29モル)を仕込み、180℃で1時間保持し、取出した。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(B−3)とする。
ポリエステル樹脂(B−3)のT(1/2)は110℃、THF不溶解分は0%、酸価は32、水酸基価は20、水分量は8900ppmであった。
比較製造例1
[ポリエステル樹脂(RA−1)の合成]
反応槽中に、ビスフェノールAのPO2モル付加物204部(0.59モル)、ビスフェノールAのPO3モル付加物523部(1.3モル)、フェノールノボラック(平均重合度約5.6)のEO5.6モル付加物1部(1.2ミリモル)、テレフタル酸227部(1.4モル)、フマル酸16部(0.14モル)および縮合触媒としてジブチルスズオキサイド2部を入れ、230℃でポリエステル化反応をさせた。次いで、無水トリメリット酸82部(0.43モル)を加え、常圧下で1時間反応させた後、0.5〜2.5kPaの減圧下で反応させ、軟化点147℃に到達した時点で取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(RA−1)とする。
ポリエステル樹脂(RA−1)のT(1/2)は142℃、THF不溶解分は15%、酸価は34、水酸基価は8、水分量は5200ppmであった。
比較製造例2
[ポリエステル樹脂(RA−2)の合成]
反応槽中に、ビスフェノールAのPO3モル付加物663部(1.6モル)、フェノールノボラック樹脂(核体数約5.6)の5.6モルEO付加物32部(40ミリモル)、テレフタル酸211部(1.3モル)、無水フマル酸13部(0.11モル)および重合触媒としてテトラブトキシチタネート2部を入れた後、230℃でポリエステル化反応をさせた。次いで、無水トリメリット酸78部(0.41モル)を加え、常圧下で1時間反応させた後、0.5〜2.5kPaの減圧下で2時間反応させ、イオン交換水3部(0.19モル)をさらに追加し、軟化点127℃に到達した時点で取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(RA−2)とする。
ポリエステル樹脂(RA−2)のT(1/2)は127℃、THF不溶解分は25%、酸価は35、水酸基価は20、水分量は10700ppmであった。
比較製造例3
[ポリエステル樹脂(RB−1)の合成]
反応槽中に、エチレングリコール600部(9.7モル)、ネオペンチルグリコール1部(9.6ミリモル)、テレフタル酸481部(2.9モル)、イソフタル酸321部(1.9モル)、アジピン酸1部(9.6ミリモル)および重合触媒としてテトラブトキシチタネート2部を入れた後、210℃で窒素気流下に生成する水とエチレングリコールを留去しながら5時間反応させた後、0.5〜2.5kPaの減圧下にて2時間反応させた。次いで、無水トリメリット酸57部(0.30モル)を仕込み、180℃で1時間保持し、取出した。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(RB−1)とする。
ポリエステル樹脂(RB−1)のT(1/2)は110℃、THF不溶解分0%、酸価は33、水酸基価は22、水分量は12000ppmであった。
<実施例1〜5>、<比較例1〜4>
上記製造例で得られたポリエステル樹脂(A−1)〜(A−4)、(B−1)〜(B−3)、および比較製造例で得られたポリエステル樹脂(RA−1)、(RA−2)および(RB−1)を、表1の配合比(部)に従い配合し、ポリエステル樹脂(A)およびポリエステル樹脂(B)からなる本発明のトナーバインダー、および比較のトナーバインダーを得て、下記の方法でトナー化した。(カーボンブラックMA−100[三菱化学(株)製]、ポリオレフィンワックス、荷電制御剤T−77[保土谷化学(製)])
まず、ヘンシェルミキサー[三井三池化工機(株)製 FM10B]を用いて予備混合した後、ラボプラストミルMODEL4M150[東洋精機(株)製]で150℃で混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製 MDS−I]で分級し、粒径D50が8μmのトナー粒子を得た。ついで、トナー粒子100部にコロイダルシリカ(アエロジルR972:日本アエロジル製)0.5部をサンプルミルにて混合して、本発明のトナー組成物(T−1)〜(T−5)、および比較用のトナー組成物(RT−1)〜(RT−4)を得た。
これらのトナー組成物を下記評価方法で評価した結果を表1に示す。
Figure 0005616915
[評価方法]
〔1〕最低定着温度(MFT)
上記トナー組成物を用い、市販複写機(AR5030;シャープ製)で現像した未定着画像を、市販フルカラー複写機(LBPー2160、キヤノン(株)製)の定着機を改造し熱ローラー温度を可変にした定着機を用いてプロセススピード110mm/秒で定着した。定着画像をパットで擦った後の、マクベス反射濃度計RD−191(マクベス社製)を用いて測定した画像濃度の残存率が70%以上となる定着ロール温度をもって最低定着温度(MFT)とした。
〔2〕ホットオフセット発生温度(HOT)
上記MFTと同様に定着評価し、定着画像へのホットオフセットの有無を目視評価した。ホットオフセットが発生した定着ロール温度をもってホットオフセット発生温度(HOT)とした。
〔3〕トナーの耐ブロッキング性試験
上記トナー組成物を、50℃・85%R.H.の高温高湿環境下で、48時間調湿した。同環境下において該トナー組成物のブロッキング状態を目視判定し、さらに市販複写機(AR5030:シャープ製)でコピーした時の画質を観察した。
判定基準
◎:トナーのブロッキングがなく、3000枚複写後の画質も良好。
○:トナーのブロッキングはないが、3000枚複写後の画質に僅かに乱れが観察される。
△:トナーのブロッキングが目視でき、3000枚複写後の画質に乱れが観察される。
×:トナーのブロッキングが目視でき、3000枚までに画像が出なくなる。
〔4〕トナー化時の生産安定性
上記トナー組成物を製造する際、式(1)で表されるトルク変化量から以下のように判断した。
トルク変化量=(混練開始10分後のトルク)/(混練開始直後のトルク)・・式(1)
判定基準
◎:0.90以上
○:0.80以上0.90未満
△:0.70以上0.80未満
×:0.70未満
本発明のトナー組成物およびトナーバインダーは、低温定着性と耐ホットオフセット性の両立(定着温度幅の広さ)、光沢性、および耐ブロッキング性(保存安定性)に優れる、電子写真、静電記録、静電印刷等に用いる静電荷像現像用トナーおよびトナーバインダーとして有用である。

Claims (9)

  1. ポリカルボン酸成分(x)とポリオール成分(y)を構成単位として有するポリエステル樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)を含有し、(A)の含有する水分量が7000〜10000ppmであり、(B)の含有する水分量が10000ppm以下であるトナーバインダーであって、ポリエステル樹脂(A)のTHF不溶解分が10〜30重量%であり、ポリエステル樹脂(B)のTHF不溶解分が0〜5重量%であるトナーバインダー
  2. ポリエステル樹脂(A)およびポリエステル樹脂(B)が、ポリカルボン酸成分(x)中に芳香族ポリカルボン酸を90モル%以上含有する請求項1記載のトナーバインダー。
  3. ポリエステル樹脂(A)およびポリエステル樹脂(B)が、ポリカルボン酸成分(x)中に炭素数4〜8のアルカンジカルボン酸および/またはアルケンジカルボン酸を0.1〜10モル%含有する請求項1または2記載のトナーバインダー。
  4. ポリエステル樹脂(A)の軟化点が120℃以上150℃以下、酸価が10〜40、水酸基価が0〜30である請求項1〜3のいずれか記載のトナーバインダー。
  5. ポリエステル樹脂(B)の軟化点が90℃以上120℃未満、酸価が5〜50、水酸基価が10〜40である請求項1〜4のいずれか記載のトナーバインダー。
  6. ポリエステル樹脂(A)が、重縮合ポリエステル樹脂が水分調整されて得られたものである請求項1〜5いずれか記載のトナーバインダー。
  7. ポリエステル樹脂(A)とポリエステル樹脂(B)の重量比[(A)/(B)]が、(10〜90)/(90〜10)である請求項1〜6のいずれか記載のトナーバインダー。
  8. 請求項1〜7のいずれか記載のトナーバインダー、着色剤、並びに必要により、離型剤、荷電制御剤、および流動化剤から選ばれる1種以上の添加剤を含有するトナー組成物。
  9. ポリカルボン酸成分(x)とポリオール成分(y)を重縮合反応させるポリエステル樹脂の製造方法であり、(x)と(y)を150〜280℃で、常圧反応させた後に減圧反応させ、減圧反応時もしくは反応終了後に水を添加し、含有する水分量が7000〜10000ppmのポリエステル樹脂(A)であって、THF不溶解分が10〜30重量%である(A)を製造する工程を含むトナーバインダー用ポリエステル樹脂の製造方法。
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