JP2008158500A - トナー用樹脂組成物およびトナー組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 低温定着性と耐ブロッキング性に優れたトナー用樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 非線形ポリエステル(A1)と必要により線形ポリエステル(A2)を含有するポリエステル樹脂(A)とエステル基含有添加剤(B)を含有し、(B)の数平均分子量が1000以下であり、(B)のガラス転移温度〔Tg〕(℃)とフロー軟化点〔Tm〕(℃)が〔Tm〕−〔Tg〕≦38(℃)の関係を満たすことを特徴とするトナー用樹脂組成物を用いる。
【選択図】 なし
【解決手段】 非線形ポリエステル(A1)と必要により線形ポリエステル(A2)を含有するポリエステル樹脂(A)とエステル基含有添加剤(B)を含有し、(B)の数平均分子量が1000以下であり、(B)のガラス転移温度〔Tg〕(℃)とフロー軟化点〔Tm〕(℃)が〔Tm〕−〔Tg〕≦38(℃)の関係を満たすことを特徴とするトナー用樹脂組成物を用いる。
【選択図】 なし
Description
本発明は電子写真、静電記録、静電印刷等に用いられるトナー用樹脂組成物およびトナー組成物に関する。
トナーの低温定着性能を向上させる目的で、バインダーとしてポリエステル樹脂を用いることが従来より知られている。また、定着性改良の目的で、高酸価なポリエステル樹脂を含有させる方法が提案されている(特許文献1等)。
特開2004−294735号公報
しかし、近年、複写機・プリンターのカラー化・高速・高信頼性・コンパクト・低コスト・省エネがますます求められている。特に、環境負荷低減(省エネ)の要求から、トナーのさらなる低温定着性と耐ブロッキング性の両立に対する対応が急務である。
本発明の目的は、低温定着性と耐ブロッキング性にさらに優れたトナー用樹脂組成物を提供することにある。
本発明の目的は、低温定着性と耐ブロッキング性にさらに優れたトナー用樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、本発明に至った。すなわち、本発明は、非線形ポリエステル(A1)と必要により線形ポリエステル(A2)を含有するポリエステル樹脂(A)とエステル基含有添加剤(B)を含有し、(B)のテトラヒドロフラン(THF)可溶分の数平均分子量が1000以下であり、(B)のガラス転移温度〔Tg〕(℃)とフロー軟化点〔Tm〕(℃)が〔Tm〕−〔Tg〕≦38(℃)の関係を満たすことを特徴とするトナー用樹脂組成物;並びにこのトナー用樹脂組成物と、着色剤、並びに必要により離型剤、荷電制御剤、および流動剤から選ばれる1種以上のトナー用添加剤からなるトナー組成物;である。
本発明のトナー用樹脂組成物を用いることにより、低温定着性および耐ホットオフセット性が格段に優れたトナーとすることが可能となり、トナーの耐ブロッキング性も良好である。
以下、本発明を詳述する。
本発明におけるポリエステル樹脂(A)は、例えば、1種類以上のポリオール成分(x)と、1種類以上のポリカルボン酸成分(y)を重縮合して得られ、ポリオール成分(x)としては、ジオール(x1)および/または3〜8価もしくはそれ以上のポリオール(x2)が挙げられる。ポリカルボン酸成分(y)としては、ジカルボン酸(y1)および/または3〜6価もしくはそれ以上のポリカルボン酸(y2)が挙げられる。
本発明におけるポリエステル樹脂(A)は、例えば、1種類以上のポリオール成分(x)と、1種類以上のポリカルボン酸成分(y)を重縮合して得られ、ポリオール成分(x)としては、ジオール(x1)および/または3〜8価もしくはそれ以上のポリオール(x2)が挙げられる。ポリカルボン酸成分(y)としては、ジカルボン酸(y1)および/または3〜6価もしくはそれ以上のポリカルボン酸(y2)が挙げられる。
ジオール(x1)としては、炭素数2〜36のアルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、および1,6−ヘキサンジオール等);炭素数4〜36のアルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、およびポリテトラメチレンエーテルグリコール等);炭素数6〜36の脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノールおよび水素添加ビスフェノールA等);上記脂環式ジオールの(ポリ)オキシアルキレン(アルキレン基の炭素数2〜4、以下のポリオキシアルキレン基も同じ)エーテル〔オキシアルキレン単位(以下AO単位と略記)の数1〜30〕;および2価フェノール〔単環2価フェノール(例えばハイドロキノン)、およびビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールFおよびビスフェノールS等)〕のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30)等が挙げられる。
これら(X1)のうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコール、ビスフェノール類のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30)およびこれらの併用である。さらに好ましいものは、ビスフェノール類(とくにビスフェノールA)のポリオキシアルキレンエーテル(アルキレン基の炭素数2および/または3、AO単位の数2〜8)、炭素数2〜12のアルキレングリコール(とくにエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール)、およびこれらの併用(重量比100:0〜20:80)である。
3価〜8価もしくはそれ以上のポリオール(x2)としては、炭素数3〜36の3価〜8価もしくはそれ以上の脂肪族多価アルコール(アルカンポリオールおよびその分子内もしくは分子間脱水物、例えばグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、ポリグリセリン、およびジペンタエリスリトール;糖類およびその誘導体、例えばショ糖およびメチルグルコシド);上記脂肪族多価アルコールの(ポリ)オキシアルキレンエーテル(AO単位の数1〜30);トリスフェノール類(トリスフェノールPA等)のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30);ノボラック樹脂(フェノールノボラックおよびクレゾールノボラック等、平均重合度3〜60)のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30)等が挙げられる。
これら(X2)のうち好ましいものは、3〜8価もしくはそれ以上の脂肪族多価アルコールおよびノボラック樹脂のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30)であり、とくに好ましいものはノボラック樹脂のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30)である。
ジカルボン酸(y1)としては、炭素数4〜36のアルカンジカルボン酸(例えばコハク酸、アジピン酸、およびセバシン酸);炭素数6〜40の脂環式ジカルボン酸〔例えばダイマー酸(2量化リノール酸)〕;炭素数4〜36のアルケンジカルボン酸(例えばドデセニルコハク酸等のアルケニルコハク酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、およびメサコン酸);炭素数8〜36の芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、およびナフタレンジカルボン酸等);およびこれらのエステル形成性誘導体〔例えば、無水物、低級アルキル(炭素数1〜4)エステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル等)、以下のエステル形成性誘導体も同様〕;等が挙げられる。これら(y1)のうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸、並びにこれらのエステル形成性誘導体である。
3〜6価もしくはそれ以上のポリカルボン酸(y2)としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット、およびピロメリット酸等)、炭素数6〜36の脂肪族(脂環式を含む)ポリカルボン酸(ヘキサントリカルボン酸、およびデカントリカルボン酸等)、およびこれらのエステル形成性誘導体等が挙げられる。
これら(y2)のうち好ましいものはトリメリット酸およびピロメリット酸、並びにこれらのエステル形成性誘導体である。
これら(y2)のうち好ましいものはトリメリット酸およびピロメリット酸、並びにこれらのエステル形成性誘導体である。
本発明におけるポリエステル樹脂(A)は、通常のポリエステル製造法と同様にして製造することができる。例えば、不活性ガス(窒素ガス等)雰囲気中で、反応温度が好ましくは150〜280℃、さらに好ましくは160〜250℃、とくに好ましくは170〜235℃で反応させることにより行うことができる。また反応時間は、重縮合反応を確実に行う観点から、好ましくは30分以上、とくに2〜40時間である。反応末期の反応速度を向上させるために減圧することも有効である。
このとき必要に応じてエステル化触媒を使用することができる。エステル化触媒の例には、スズ含有触媒(例えばジブチルスズオキシド)、三酸化アンチモン、チタン含有触媒[例えばチタンアルコキシド、シュウ酸チタン酸カリウム、テレフタル酸チタン、特開2006−243715号公報に記載の触媒〔チタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)、チタニウムモノヒドロキシトリス(トリエタノールアミネート)、およびそれらの分子内重縮合物等〕、および特開2007−11307号公報に記載の触媒(チタントリブトキシテレフタレート、チタントリイソプロポキシテレフタレート、およびチタンジイソプロポキシジテレフタレート等)]、ジルコニウム含有触媒(例えば酢酸ジルコニル)、および酢酸亜鉛等が挙げられる。これらの中で好ましくはチタン含有触媒である。
このとき必要に応じてエステル化触媒を使用することができる。エステル化触媒の例には、スズ含有触媒(例えばジブチルスズオキシド)、三酸化アンチモン、チタン含有触媒[例えばチタンアルコキシド、シュウ酸チタン酸カリウム、テレフタル酸チタン、特開2006−243715号公報に記載の触媒〔チタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)、チタニウムモノヒドロキシトリス(トリエタノールアミネート)、およびそれらの分子内重縮合物等〕、および特開2007−11307号公報に記載の触媒(チタントリブトキシテレフタレート、チタントリイソプロポキシテレフタレート、およびチタンジイソプロポキシジテレフタレート等)]、ジルコニウム含有触媒(例えば酢酸ジルコニル)、および酢酸亜鉛等が挙げられる。これらの中で好ましくはチタン含有触媒である。
本発明に用いるポリエステル樹脂(A)は、低温定着性と耐オフセット性を両立させる点から、非線形ポリエステル(A1)と必要により線形ポリエステル(A2)からなる。
本発明に用いる非線形ポリエステル(A1)は、通常前記のジカルボン酸(y1)およびジオール(x1)と共に、前記の3〜6価もしくはそれ以上のポリカルボン酸(y2)および/または3価〜8価もしくはそれ以上のポリオール(x2)を反応させて得られる。ポリオール成分とポリカルボン酸成分との反応比率は、水酸基とカルボキシル基の当量比[OH]/[COOH]として、好ましくは2/1〜1/2、さらに好ましくは1.5/1〜1/1.3、とくに好ましくは1.3/1〜1/1.2である。
(A1)を得る場合の(y2)と(x2)の比率は、これらのモル数の和が、全ポリオール成分(x)とポリカルボン酸成分(y)のモル数の合計に対して、好ましくは0.1〜40モル%、さらに好ましくは1〜25モル%、とくに好ましくは3〜20モル%である。
(A1)のガラス転移温度〔Tg〕は、好ましくは45℃〜75℃であり、さらに好ましくは50℃〜70℃である。〔Tg〕が75℃以下であると低温定着性が向上する。また〔Tg〕が45℃以上であると耐ブロッキング性が良好である。
また、上記および以下において、ガラス転移温度〔Tg〕はセイコー電子工業(株)製DSC20、SSC/580を用いて、ASTM D3418−82に規定の方法(DSC法)で測定される。
(A1)のフロー軟化点〔Tm〕は、とくに制限されないが、好ましくは100℃〜180℃であり、さらに好ましくは120℃〜170℃である。〔Tm〕が、100℃以上であると耐ホットオフセット性が良好であり、また、180℃以下であると定着性が良好である。
なお、上記および以下において、フロー軟化点〔Tm〕は、フローテスターを用いて、下記条件で等速昇温し、その流出量が1/2になる温度のことである。
装置 : 島津(株)製 フローテスター CFT−500D
荷重 : 20kg
ダイ : 1mmΦ−1mm
昇温速度 : 6℃/min.
装置 : 島津(株)製 フローテスター CFT−500D
荷重 : 20kg
ダイ : 1mmΦ−1mm
昇温速度 : 6℃/min.
非線形ポリエステル(A1)のテトラヒドロフラン(THF)可溶分の数平均分子量(以下Mnと記載)は、好ましくは2000〜9500であり、さらに好ましくは2500〜9000である。Mnが2000以上であると定着に必要な樹脂強度が発現し、9500以下であると低温定着性、および樹脂の粉砕性が良好である。
また、(A1)のTHF可溶分のピークトップ分子量(以下Mpと記載)は、樹脂強度と、低温定着性、および樹脂の粉砕性のバランスの観点から、好ましくは2000〜50000、さらに好ましくは2500〜30000である。
また、(A1)のTHF可溶分のピークトップ分子量(以下Mpと記載)は、樹脂強度と、低温定着性、および樹脂の粉砕性のバランスの観点から、好ましくは2000〜50000、さらに好ましくは2500〜30000である。
なお、上記および以下においてトナー用樹脂のTHF可溶分のMn、Mpは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて以下の条件で測定される。
装置(一例) : 東ソー(株)製 HLC−8120
カラム(一例): TSK GEL GMH6 2本 〔東ソー(株)製〕
測定温度 : 40℃
試料溶液 : 0.25重量%のTHF溶液
溶液注入量 : 100μl
検出装置 : 屈折率検出器
基準物質 : 東ソー製 標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量 500 1050 2800 5970 9100 18100 37900 96400 190000 355000 1090000 2890000)
得られたクロマトグラム上最大のピーク高さを示す分子量をピークトップ分子量(Mp)と称する。
装置(一例) : 東ソー(株)製 HLC−8120
カラム(一例): TSK GEL GMH6 2本 〔東ソー(株)製〕
測定温度 : 40℃
試料溶液 : 0.25重量%のTHF溶液
溶液注入量 : 100μl
検出装置 : 屈折率検出器
基準物質 : 東ソー製 標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量 500 1050 2800 5970 9100 18100 37900 96400 190000 355000 1090000 2890000)
得られたクロマトグラム上最大のピーク高さを示す分子量をピークトップ分子量(Mp)と称する。
非線形ポリエステル(A1)中のTHF不溶解分は、低温定着性の点から、3〜50%が好ましい。さらに好ましくは5〜40%、とくに好ましくは10〜35%である。THF不溶解分が50%以下であると、画像の光沢度(グロス)が良好である。上記および以下において、%はとくに断りの無い限り重量%を意味する。
本発明におけるTHF不溶解分は、以下の方法で求めたものである。
試料0.5gに50mlのTHFを加え、3時間撹拌還流させる。冷却後、グラスフィルターにて不溶解分をろ別し、グラスフィルター上の樹脂分を80℃で3時間減圧乾燥する。グラスフィルター上の乾燥した樹脂分の重量と試料の重量比から、不溶解分を算出する。なお、このろ液をTHF可溶分としてGPC測定に使用する。
本発明におけるTHF不溶解分は、以下の方法で求めたものである。
試料0.5gに50mlのTHFを加え、3時間撹拌還流させる。冷却後、グラスフィルターにて不溶解分をろ別し、グラスフィルター上の樹脂分を80℃で3時間減圧乾燥する。グラスフィルター上の乾燥した樹脂分の重量と試料の重量比から、不溶解分を算出する。なお、このろ液をTHF可溶分としてGPC測定に使用する。
非線形ポリエステル(A1)の酸価は、好ましくは10〜70(mgKOH/g、以下同じ)、さらに好ましくは13〜60、とくに好ましくは15〜50である。酸価が70以下であると帯電特性が良好である。
また、(A1)の水酸基価(mgKOH/g、以下同じ)は、好ましくは0〜50、さらに好ましくは0〜45、とくに好ましくは、0〜40である。水酸基価が50以下であると耐ホットオフセット性がより良好となる。
本発明における酸価および水酸基価は、JIS K0070に規定の方法で測定される。
また、(A1)の水酸基価(mgKOH/g、以下同じ)は、好ましくは0〜50、さらに好ましくは0〜45、とくに好ましくは、0〜40である。水酸基価が50以下であると耐ホットオフセット性がより良好となる。
本発明における酸価および水酸基価は、JIS K0070に規定の方法で測定される。
本発明のトナー用樹脂組成物中のポリエステル樹脂(A)は、非線形ポリエステル(A1)に加えて、線形ポリエステル(A2)を含有してもよい。(A2)を含有すると、低温定着性がより良好となる。
本発明に用いる線形ポリエステル(A2)は、例えば、前記ジオール(x1)とジカルボン酸(y1)を重縮合させることにより得られるが、さらに、分子末端を前記ポリカルボン酸成分(y)(3価以上のものでもよい)の無水物等で変性してもよい。これらの中では、分子末端を(y)の無水物で変性したものが好ましい。ポリオール成分とポリカルボン酸成分との反応比率は、水酸基とカルボキシル基の当量比[OH]/[COOH]として、好ましくは3/1〜1/3、さらに好ましくは2.5/1〜1/2.5、とくに好ましくは2/1〜1/2である。
本発明に用いる線形ポリエステル(A2)は、例えば、前記ジオール(x1)とジカルボン酸(y1)を重縮合させることにより得られるが、さらに、分子末端を前記ポリカルボン酸成分(y)(3価以上のものでもよい)の無水物等で変性してもよい。これらの中では、分子末端を(y)の無水物で変性したものが好ましい。ポリオール成分とポリカルボン酸成分との反応比率は、水酸基とカルボキシル基の当量比[OH]/[COOH]として、好ましくは3/1〜1/3、さらに好ましくは2.5/1〜1/2.5、とくに好ましくは2/1〜1/2である。
本発明に用いる線形ポリエステル(A2)の酸価は、2〜200であるのが好ましい。酸価は、さらに好ましくは50〜180、とくに好ましくは58〜160である。酸価が2以上であると低温定着性がより良好であり、200以下であると帯電特性が良好である。
(A2)は、フロー軟化点〔Tm〕(℃)とガラス転移温度〔Tg〕(℃)の差(〔Tm〕−〔Tg〕)が38℃以下であるのが好ましい。(〔Tm〕−〔Tg〕)は、さらに好ましくは35℃以下、とくに好ましくは34℃以下である。(〔Tm〕−〔Tg〕)が38℃以下であると、低温定着性がより良好である。
(A2)のガラス転移温度〔Tg〕は、好ましくは40℃〜75℃であり、さらに好ましくは45℃〜70℃である。〔Tg〕が75℃以下であると低温定着性が向上する。また〔Tg〕が40℃以上であると耐ブロッキング性が良好である。
(A2)のフロー軟化点〔Tm〕は、とくに制限されないが、好ましくは70℃〜120℃であり、さらに好ましくは75℃〜100℃である。〔Tm〕が、70℃以上であると耐ホットオフセット性が良好であり、また、120℃以下であると定着性が良好である。
また、(A2)の水酸基価は、好ましくは25〜125、さらに好ましくは30〜100である。水酸基価が25以上であると(A1)との相溶性が良好であり、定着後の光沢度(グロス)が良好である。また、水酸基価が125以下であると耐ホットオフセット性がより良好となる。
本発明に用いる線形ポリエステル(A2)のTHF可溶分のMnは、好ましくは1050〜4000であり、さらに好ましくは1100〜3000である。Mnが1050以上であると定着に必要な樹脂強度が発現し、4000以下であると低温定着性が良好である。
また、(A2)のTHF可溶分のMpは、樹脂強度と、低温定着性、および樹脂の粉砕性のバランスの観点から、好ましくは1600〜7000、さらに好ましくは1700〜5000である。
また、(A2)のTHF可溶分のMpは、樹脂強度と、低温定着性、および樹脂の粉砕性のバランスの観点から、好ましくは1600〜7000、さらに好ましくは1700〜5000である。
線形ポリエステル(A2)中のTHF不溶解分は、低温定着性の点から、5%以下が好ましい。さらに好ましくは4%以下、とくに好ましくは3%以下である。
ポリエステル樹脂(A)中の非線形ポリエステル(A1)と線形ポリエステル(A2)の重量比〔(A1)/(A2)〕は、低温定着性と耐ホットオフセット性および粉砕性との両立の点で、好ましくは100/0〜20/80、さらに好ましくは90/10〜25/75、とくに好ましくは85/15〜30/70である。
本発明のトナー用樹脂組成物は、ポリエステル樹脂(A)に加えて、エステル基含有添加剤(B)を含有する。
本発明に用いるエステル基含有添加剤(B)は、THF可溶分の数平均分子量が1000以下であり、且つフロー軟化点〔Tm〕とガラス転移温度〔Tg〕が前記の関係を満たすものであればとくに限定されないが、ポリオールとポリカルボン酸との反応物、またはエポキシ基含有化合物とポリカルボン酸との反応物であるのが好ましく、ポリオールと酸無水物との反応物であるのがさらに好ましい。
本発明に用いるエステル基含有添加剤(B)は、THF可溶分の数平均分子量が1000以下であり、且つフロー軟化点〔Tm〕とガラス転移温度〔Tg〕が前記の関係を満たすものであればとくに限定されないが、ポリオールとポリカルボン酸との反応物、またはエポキシ基含有化合物とポリカルボン酸との反応物であるのが好ましく、ポリオールと酸無水物との反応物であるのがさらに好ましい。
上記ポリオールとしては、前記のポリオール成分(x)と同様のものが挙げられる。
ポリオールとして好ましいものは、前記ジオール(x1)であり、さらに好ましくは、炭素数2〜9のアルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、および1,6−ヘキサンジオール等)、およびビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールFおよびビスフェノールS等)〕のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜5)であり、とくに好ましくは、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド(以下EOと記載)2〜5モル付加物、およびビスフェノールAのプロピレンオキサイド(以下POと記載)2〜5モル付加物等である。
上記ポリカルボン酸としては、前記ポリカルボン酸成分(y)と同様のものが挙げられる。但し、ポリオールとの反応物の場合、反応性の観点から、好ましいものは、酸無水物であり、さらに好ましくは、無水トリメリット酸、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水コハク酸、および無水ピロメリット酸である。
上記エポキシ基含有化合物としては、1分子中にエポキシ基を1個以上含む化合物であれば、特に限定されないが、例えば、ポリグリシジルエーテル〔エチレングリコールジグリシジルエーテル、テトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、フェノールノボラック(平均重合度3〜60)グリシジルエーテル化物など〕;ジエンオキサイド(ペンタジエンジオキサイド、ヘキサジエンジオキサイドなど)などが挙げられる。これらの中で好ましくは、ビスフェノールAジグリシジルエーテルである。1分子当たりのエポキシ基数は、好ましくは2〜8、さらに好ましくは2〜6である。
ポリオールとポリカルボン酸との反応モル比は、好ましくは2/1〜1/2、さらに好ましくは1/1〜1/2である。
エポキシ基含有化合物とポリカルボン酸との反応モル比は、好ましくは2/1〜1/2、さらに好ましくは1/1〜1/2である。
ポリオールとして好ましいものは、前記ジオール(x1)であり、さらに好ましくは、炭素数2〜9のアルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、および1,6−ヘキサンジオール等)、およびビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールFおよびビスフェノールS等)〕のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜5)であり、とくに好ましくは、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド(以下EOと記載)2〜5モル付加物、およびビスフェノールAのプロピレンオキサイド(以下POと記載)2〜5モル付加物等である。
上記ポリカルボン酸としては、前記ポリカルボン酸成分(y)と同様のものが挙げられる。但し、ポリオールとの反応物の場合、反応性の観点から、好ましいものは、酸無水物であり、さらに好ましくは、無水トリメリット酸、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水コハク酸、および無水ピロメリット酸である。
上記エポキシ基含有化合物としては、1分子中にエポキシ基を1個以上含む化合物であれば、特に限定されないが、例えば、ポリグリシジルエーテル〔エチレングリコールジグリシジルエーテル、テトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、フェノールノボラック(平均重合度3〜60)グリシジルエーテル化物など〕;ジエンオキサイド(ペンタジエンジオキサイド、ヘキサジエンジオキサイドなど)などが挙げられる。これらの中で好ましくは、ビスフェノールAジグリシジルエーテルである。1分子当たりのエポキシ基数は、好ましくは2〜8、さらに好ましくは2〜6である。
ポリオールとポリカルボン酸との反応モル比は、好ましくは2/1〜1/2、さらに好ましくは1/1〜1/2である。
エポキシ基含有化合物とポリカルボン酸との反応モル比は、好ましくは2/1〜1/2、さらに好ましくは1/1〜1/2である。
エステル基含有添加剤(B)の具体例としては、以下の(1)〜(6)などが挙げられる。
(1) エチレングリコールと(無水)トリメリット酸との反応物。
(2) 1,2−プロピレングリコールと(無水)トリメリット酸との反応物。
(3) 1,3−プロピレングリコールと(無水)トリメリット酸との反応物。
(4) ビスフェノールAのEO付加物(付加モル数:2〜5のいずれか1種)と(無水)トリメリット酸との反応物。
(5) ビスフェノールAのPO付加物(付加モル数:2〜5のいずれか1種)と(無水)トリメリット酸との反応物。
(6) ビスフェノールAジグリシジルエーテルとテレフタル酸との反応物。
上記において、(無水)トリメリット酸とは、トリメリット酸および/または無水トリメリット酸を意味する。
(1) エチレングリコールと(無水)トリメリット酸との反応物。
(2) 1,2−プロピレングリコールと(無水)トリメリット酸との反応物。
(3) 1,3−プロピレングリコールと(無水)トリメリット酸との反応物。
(4) ビスフェノールAのEO付加物(付加モル数:2〜5のいずれか1種)と(無水)トリメリット酸との反応物。
(5) ビスフェノールAのPO付加物(付加モル数:2〜5のいずれか1種)と(無水)トリメリット酸との反応物。
(6) ビスフェノールAジグリシジルエーテルとテレフタル酸との反応物。
上記において、(無水)トリメリット酸とは、トリメリット酸および/または無水トリメリット酸を意味する。
エステル基含有添加剤(B)の製造法の一例としては、例えば、不活性ガス(窒素ガス等)雰囲気中で、ポリオール成分(x)を予め、好ましくは100〜200℃、さらに好ましくは110〜190℃、とくに好ましくは120〜180℃で溶解させる。そこへ、ポリカルボン酸成分(y)の無水物を加え、反応温度は、好ましくは100〜200℃、さらに好ましくは110〜190℃、とくに好ましくは120〜180℃で反応させることにより行うことができる。また反応時間は、反応を確実に行う観点から、好ましくは30分以上、とくに1〜3時間である。
このとき必要に応じて前記エステル化触媒を使用することもできる。
このとき必要に応じて前記エステル化触媒を使用することもできる。
エステル基含有添加剤(B)のTHF可溶分のMnは、1000以下であり、好ましくは200〜950である。Mnが1000を超えると低温定着性、および樹脂の粉砕性が低下する。
また、(B)のTHF可溶分のMpは、樹脂強度と、低温定着性、および樹脂の粉砕性のバランスの観点から、好ましくは1500以下、さらに好ましくは300〜1400である。
また、(B)のTHF可溶分のMpは、樹脂強度と、低温定着性、および樹脂の粉砕性のバランスの観点から、好ましくは1500以下、さらに好ましくは300〜1400である。
エステル基含有添加剤(B)は、フロー軟化点〔Tm〕(℃)とガラス転移温度〔Tg〕(℃)の差(〔Tm〕−〔Tg〕)が38℃以下である。(〔Tm〕−〔Tg〕)は、好ましくは37℃以下、さらに好ましくは35℃以下、とくに好ましくは33℃以下である。(〔Tm〕−〔Tg〕)が38℃を超えると、低温定着性が悪くなる。
エステル基含有添加剤(B)のガラス転移温度〔Tg〕は、好ましくは40℃〜75℃であり、さらに好ましくは41℃〜70℃、とくに好ましくは45〜65℃である。〔Tg〕が75℃以下であると低温定着性が向上する。また〔Tg〕が40℃以上であると耐ブロッキング性が良好である。
(B)のフロー軟化点〔Tm〕は、とくに制限されないが、好ましくは60℃〜110℃であり、さらに好ましくは70℃〜100℃である。〔Tm〕が、60℃以上であると耐ホットオフセット性が良好であり、また、110℃以下であると定着性が良好である。
本発明に用いるエステル基含有添加剤(B)の酸価は、100〜1000であるのが好ましい。さらに好ましくは110〜950、とくに好ましくは170〜900である。酸価が100以上であると低温定着性がより良好となる。
(B)の水酸基価は、500以下であるのが好ましい。さらに好ましくは、450以下である。水酸基価が、500以下であると耐ホットオフセット性が良好となる。
(B)中のTHF不溶解分は、低温定着性の観点から、5%以下が好ましい。さらに好ましくは、4%以下、とくに好ましくは3%以下である。
(B)のエステル基の数は、1分子中に平均1〜3個であるのが好ましい。さらに好ましくは1〜2個である。エステル基の数が1以上であると耐ブロッキング性が良好であり、また、3以下であると定着性が良好である。エステル基の数(平均)は、(B)がポリオールと酸無水物の反応物の場合、反応モル比から求めた計算値を意味する。
本発明のトナー用樹脂組成物中のポリエステル樹脂(A)とエステル基含有添加剤(B)の重量比〔(A)/(B)〕は、低温定着性と耐ホットオフセット性および粉砕性の両立の点で、好ましくは50/50〜99/1、さらに好ましくは55/45〜95/5、とくに好ましくは60/40〜90/10である。
本発明のトナー用樹脂組成物は、ポリエステル樹脂(A)とエステル基含有添加剤(B)以外に、その特性を損なわない範囲で、トナー用樹脂として通常用いられる他の樹脂を含有してもよい。他の樹脂としては、例えば、Mnが1000〜100万の(A1)、(A2)以外のポリエステル樹脂、スチレン系樹脂、ポリオレフィン樹脂にビニル樹脂がグラフトした構造を有する樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂が挙げられる。他の樹脂は、(A1)、(B)、および必要により(A2)とブレンドしても良いし、一部反応させてもよい。他の樹脂の含有量は、好ましくは10%以下、さらに好ましくは5%以下である。
本発明のトナー組成物は、バインダー樹脂となる本発明のトナー用樹脂組成物と、着色剤、および必要により、離型剤、荷電制御剤、流動化剤等から選ばれる1種以上のトナー用添加剤を含有する。
着色剤としては、トナー用着色剤として使用されている染料、顔料等のすべてを使用することができる。具体的には、カーボンブラック、鉄黒、スーダンブラックSM、ファーストイエローG、ベンジジンイエロー、ピグメントイエロー、インドファーストオレンジ、イルガシンレッド、パラニトロアニリンレッド、トルイジンレッド、カーミンFB、ピグメントオレンジR、レーキレッド2G、ローダミンFB、ローダミンBレーキ、メチルバイオレットBレーキ、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、ブリリアントグリーン、フタロシアニングリーン、オイルイエローGG、カヤセットYG、オラゾールブラウンBおよびオイルピンクOP等が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。また、必要により磁性粉(鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性金属の粉末もしくはマグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の化合物)を着色剤としての機能を兼ねて含有させることができる。
離型剤としては、軟化点が50〜170℃のものが好ましく、ポリオレフィンワックス、天然ワックス、炭素数30〜50の脂肪族アルコール、炭素数30〜50の脂肪酸およびこれらの混合物等が挙げられる。
ポリオレフィンワックスとしては、オレフィン(例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ヘキセン、1−ドデセン、1−オクタデセンおよびこれらの混合物等)の(共)重合体[(共)重合により得られるものおよび熱減成型ポリオレフィンを含む]、オレフィンの(共)重合体の酸素および/またはオゾンによる酸化物、オレフィンの(共)重合体のマレイン酸変性物[例えばマレイン酸およびその誘導体(無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノブチルおよびマレイン酸ジメチル等)変性物]、オレフィンと不飽和カルボン酸[(メタ)アクリル酸、イタコン酸および無水マレイン酸等]および/または不飽和カルボン酸アルキルエステル[(メタ)アクリル酸アルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステルおよびマレイン酸アルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステル等]等との共重合体、およびサゾールワックス等が挙げられる。
天然ワックスとしては、例えばカルナウバワックス、モンタンワックス、パラフィンワックスおよびライスワックスが挙げられる。炭素数30〜50の脂肪族アルコールとしては、例えばトリアコンタノールが挙げられる。炭素数30〜50の脂肪酸としては、例えばトリアコンタンカルボン酸が挙げられる。
ポリオレフィンワックスとしては、オレフィン(例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ヘキセン、1−ドデセン、1−オクタデセンおよびこれらの混合物等)の(共)重合体[(共)重合により得られるものおよび熱減成型ポリオレフィンを含む]、オレフィンの(共)重合体の酸素および/またはオゾンによる酸化物、オレフィンの(共)重合体のマレイン酸変性物[例えばマレイン酸およびその誘導体(無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノブチルおよびマレイン酸ジメチル等)変性物]、オレフィンと不飽和カルボン酸[(メタ)アクリル酸、イタコン酸および無水マレイン酸等]および/または不飽和カルボン酸アルキルエステル[(メタ)アクリル酸アルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステルおよびマレイン酸アルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステル等]等との共重合体、およびサゾールワックス等が挙げられる。
天然ワックスとしては、例えばカルナウバワックス、モンタンワックス、パラフィンワックスおよびライスワックスが挙げられる。炭素数30〜50の脂肪族アルコールとしては、例えばトリアコンタノールが挙げられる。炭素数30〜50の脂肪酸としては、例えばトリアコンタンカルボン酸が挙げられる。
荷電制御剤としては、ニグロシン染料、3級アミンを側鎖として含有するトリフェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体、4級アンモニウム塩基含有ポリマー、含金属アゾ染料、銅フタロシアニン染料、サリチル酸金属塩、ベンジル酸のホウ素錯体、スルホン酸基含有ポリマー、含フッ素系ポリマー、ハロゲン置換芳香環含有ポリマー等が挙げられる。
流動化剤としては、コロイダルシリカ、アルミナ粉末、酸化チタン粉末、炭酸カルシウム粉末等が挙げられる。
本発明のトナー組成物の組成比は、トナー重量に基づき、本発明のトナー用樹脂組成物が、好ましくは30〜97%、さらに好ましくは40〜95%、とくに好ましくは45〜92%;着色剤が、好ましくは0.05〜60%、さらに好ましくは0.1〜55%、とくに好ましくは0.5〜50%;トナー用添加剤のうち、離型剤が、好ましくは0〜30%、さらに好ましくは0.5〜20%、とくに好ましくは1〜10%;荷電制御剤が、好ましくは0〜20%、さらに好ましくは0.1〜10%、とくに好ましくは0.5〜7.5%;流動化剤が、好ましくは0〜10%、さらに好ましくは0〜5%、とくに好ましくは0.1〜4%である。また、トナー用添加剤の合計含有量は、好ましくは3〜70%、さらに好ましくは4〜58%、とくに好ましくは5〜50%である。トナーの組成比が上記の範囲であることで帯電性が良好なものを容易に得ることができる。
本発明のトナー組成物は、混練粉砕法、乳化転相法、重合法等の従来より公知のいずれの方法により得られたものであってもよい。例えば、混練粉砕法によりトナーを得る場合、流動化剤を除くトナーを構成する成分を乾式ブレンドした後、溶融混練し、その後粗粉砕し、最終的にジェットミル粉砕機等を用いて微粒化して、さらに分級することにより、体積平均粒径(D50)が好ましくは5〜20μmの微粒とした後、流動化剤を混合して製造することができる。なお、粒径(D50)はコールターカウンター[例えば、商品名:マルチサイザーIII(コールター社製)]を用いて測定される。
また、乳化転相法によりトナーを得る場合、流動化剤を除くトナーを構成する成分を有機溶剤に溶解または分散後、水を添加する等によりエマルジョン化し、次いで分離、分級して製造することができる。トナーの体積平均粒径は、3〜15μmが好ましい。
また、乳化転相法によりトナーを得る場合、流動化剤を除くトナーを構成する成分を有機溶剤に溶解または分散後、水を添加する等によりエマルジョン化し、次いで分離、分級して製造することができる。トナーの体積平均粒径は、3〜15μmが好ましい。
本発明のトナー組成物は、必要に応じて鉄粉、ガラスビーズ、ニッケル粉、フェライト、マグネタイトおよび樹脂(アクリル樹脂、シリコーン樹脂等)により表面をコーティングしたフェライト等のキャリアー粒子と混合されて電気的潜像の現像剤として用いられる。トナーとキャリアー粒子との重量比は、通常1/99〜100/0である。また、キャリア粒子の代わりに帯電ブレード等の部材と摩擦し、電気的潜像を形成することもできる。
本発明のトナー組成物は、複写機、プリンター等により支持体(紙、ポリエステルフィルム等)に定着して記録材料とされる。支持体に定着する方法としては、公知の熱ロール定着方法、フラッシュ定着方法等が適用できる。
以下実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下、部は重量部を示す。
製造例で得られた樹脂の性質の測定法を次に示す。下記以外の測定法は前記方法による。
1.ガラス転移温度〔Tg〕
ASTM D3418−82に規定の方法(DSC法)。
装置:セイコー電子工業(株)製 DSC20,SSC/580
2.テトラヒドロフラン(THF)不溶解分
試料0.5gに50mlのTHFを加え、3時間撹拌還流させる。冷却後、グラスフィルターにて不溶分をろ別し、80℃で3時間減圧乾燥する。グラスフィルター上の樹脂分の重量と試料の重量比から、不溶解分を算出した。
3.フロー軟化点〔Tm〕
フローテスターを用いて、下記条件で等速昇温し、その流出量が1/2になる温度をもって軟化点とした。
装置 : 島津(株)製 フローテスター CFT−500D
荷重 : 20kg
ダイ : 1mmΦ−1mm
昇温速度 : 6℃/min.
1.ガラス転移温度〔Tg〕
ASTM D3418−82に規定の方法(DSC法)。
装置:セイコー電子工業(株)製 DSC20,SSC/580
2.テトラヒドロフラン(THF)不溶解分
試料0.5gに50mlのTHFを加え、3時間撹拌還流させる。冷却後、グラスフィルターにて不溶分をろ別し、80℃で3時間減圧乾燥する。グラスフィルター上の樹脂分の重量と試料の重量比から、不溶解分を算出した。
3.フロー軟化点〔Tm〕
フローテスターを用いて、下記条件で等速昇温し、その流出量が1/2になる温度をもって軟化点とした。
装置 : 島津(株)製 フローテスター CFT−500D
荷重 : 20kg
ダイ : 1mmΦ−1mm
昇温速度 : 6℃/min.
製造例1<エステル基含有添加剤の合成>
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物6445部(18.5モル)を入れ、130℃まで徐々に昇温し、130℃になった時点で、無水トリメリット酸3555部(18.5モル)を仕込み、130℃で1時間保持した後取り出した。取り出した化合物を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをエステル基含有添加剤(B−1)とする。
エステル基含有添加剤(B−1)のTgは62℃、Tmは94℃(Tm−Tg:32℃)、Mnは900、酸価は196、水酸基価は89、THF不溶解分は0%であった。
なお( )内のモル数は相対的なモル比を意味する。(以下同様)
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物6445部(18.5モル)を入れ、130℃まで徐々に昇温し、130℃になった時点で、無水トリメリット酸3555部(18.5モル)を仕込み、130℃で1時間保持した後取り出した。取り出した化合物を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをエステル基含有添加剤(B−1)とする。
エステル基含有添加剤(B−1)のTgは62℃、Tmは94℃(Tm−Tg:32℃)、Mnは900、酸価は196、水酸基価は89、THF不溶解分は0%であった。
なお( )内のモル数は相対的なモル比を意味する。(以下同様)
製造例2<エステル基含有添加剤の合成>
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、1,2−プロピレングリコール(以下、単にプロピレングリコールと記載する)1652部(21.7モル)を入れ、130℃まで徐々に昇温し、130℃になった時点で、無水トリメリット酸8348部(43.5モル)を仕込み、130℃で1時間保持した後取り出した。取り出した化合物を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをエステル基含有添加剤(B−2)とする。
エステル基含有添加剤(B−2)のTgは45℃、Tmは78℃(Tm−Tg:33℃)、Mnは440、酸価は897、水酸基価は392、THF不溶解分は0%であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、1,2−プロピレングリコール(以下、単にプロピレングリコールと記載する)1652部(21.7モル)を入れ、130℃まで徐々に昇温し、130℃になった時点で、無水トリメリット酸8348部(43.5モル)を仕込み、130℃で1時間保持した後取り出した。取り出した化合物を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをエステル基含有添加剤(B−2)とする。
エステル基含有添加剤(B−2)のTgは45℃、Tmは78℃(Tm−Tg:33℃)、Mnは440、酸価は897、水酸基価は392、THF不溶解分は0%であった。
製造例3<エステル基含有添加剤の合成>
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・PO5モル付加物5743部(11.1モル)を入れ、130℃まで徐々に昇温し、130℃になった時点で、無水トリメリット酸4257部(22.2モル)を仕込み、130℃で1時間保持した後取り出した。取り出した化合物を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをエステル基含有添加剤(B−3)とする。
エステル基含有添加剤(B−3)のTgは49℃、Tmは82℃(Tm−Tg:33℃)、Mnは800、酸価は260、水酸基価は8、THF不溶解分は0%であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・PO5モル付加物5743部(11.1モル)を入れ、130℃まで徐々に昇温し、130℃になった時点で、無水トリメリット酸4257部(22.2モル)を仕込み、130℃で1時間保持した後取り出した。取り出した化合物を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをエステル基含有添加剤(B−3)とする。
エステル基含有添加剤(B−3)のTgは49℃、Tmは82℃(Tm−Tg:33℃)、Mnは800、酸価は260、水酸基価は8、THF不溶解分は0%であった。
製造例4<エステル基含有添加剤の合成>
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、エチレングリコール2441部(39.4モル)を入れ、130℃まで徐々に昇温し、130℃になった時点で、無水トリメリット酸7559部(39.4モル)を仕込み、130℃で1時間保持した後取り出した。取り出した化合物を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをエステル基含有添加剤(B−4)とする。
エステル基含有添加剤(B−4)のTgは41℃、Tmは73℃(Tm−Tg:32℃)、Mnは220、酸価は450、水酸基価は200、THF不溶解分は0%であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、エチレングリコール2441部(39.4モル)を入れ、130℃まで徐々に昇温し、130℃になった時点で、無水トリメリット酸7559部(39.4モル)を仕込み、130℃で1時間保持した後取り出した。取り出した化合物を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをエステル基含有添加剤(B−4)とする。
エステル基含有添加剤(B−4)のTgは41℃、Tmは73℃(Tm−Tg:32℃)、Mnは220、酸価は450、水酸基価は200、THF不溶解分は0%であった。
製造例5<エステル基含有添加剤の合成>
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAジグリシジルエーテル5323部(15.7モル)を入れ、150℃まで徐々に昇温し、150℃になった時点で、テレフタル酸4678部(28.2モル)を仕込み、150℃で2時間保持した後取り出した。取り出した化合物を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをエステル基含有添加剤(B−4)とする。
エステル基含有添加剤(B−5)のTgは55℃、Tmは92℃(Tm−Tg:37℃)、Mnは930、酸価は110、水酸基価は100、THF不溶解分は0%であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAジグリシジルエーテル5323部(15.7モル)を入れ、150℃まで徐々に昇温し、150℃になった時点で、テレフタル酸4678部(28.2モル)を仕込み、150℃で2時間保持した後取り出した。取り出した化合物を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをエステル基含有添加剤(B−4)とする。
エステル基含有添加剤(B−5)のTgは55℃、Tmは92℃(Tm−Tg:37℃)、Mnは930、酸価は110、水酸基価は100、THF不溶解分は0%であった。
製造例6<非線形ポリエステルの合成>
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、プロピレングリコール2280部(30モル)、テレフタル酸ジメチルエステル1649部(8.5モル)、アジピン酸219部(1.5モル)および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、180℃で窒素気流下に生成するメタノールを留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が90℃になった時点で180℃まで冷却し、無水トリメリット酸115部(0.6モル)を加え、常圧密閉下2時間反応後、220℃、5〜20mmHgの減圧下で反応させ、軟化点が155℃になった時点で取り出した。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを非線形ポリエステル(A1−1)とする。
非線形ポリエステル(A1−1)のTgは60℃、Tmは155℃、Mpは9000、Mnは7000、酸価は23、水酸基価は2、THF不溶解分は20%であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、プロピレングリコール2280部(30モル)、テレフタル酸ジメチルエステル1649部(8.5モル)、アジピン酸219部(1.5モル)および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、180℃で窒素気流下に生成するメタノールを留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が90℃になった時点で180℃まで冷却し、無水トリメリット酸115部(0.6モル)を加え、常圧密閉下2時間反応後、220℃、5〜20mmHgの減圧下で反応させ、軟化点が155℃になった時点で取り出した。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを非線形ポリエステル(A1−1)とする。
非線形ポリエステル(A1−1)のTgは60℃、Tmは155℃、Mpは9000、Mnは7000、酸価は23、水酸基価は2、THF不溶解分は20%であった。
製造例7<非線形ポリエステルの合成>
ビスフェノールA・PO3モル付加物4543部(11.3モル)、テレフタル酸1527部(9.2モル)、フマル酸93部(0.8モル)および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸250部(1.3モル)を加え、常圧密閉下2時間反応後、230℃、5〜20mmHgの減圧下で反応させ、軟化点が140℃になった時点で取り出した。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを非線形ポリエステル(A1−2)とする。
非線形ポリエステル(A1−2)のTgは57℃、Tmは145℃、Mpは8300、Mnは6200、酸価は16、水酸基価は24、THF不溶解分は30%であった。
ビスフェノールA・PO3モル付加物4543部(11.3モル)、テレフタル酸1527部(9.2モル)、フマル酸93部(0.8モル)および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸250部(1.3モル)を加え、常圧密閉下2時間反応後、230℃、5〜20mmHgの減圧下で反応させ、軟化点が140℃になった時点で取り出した。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを非線形ポリエステル(A1−2)とする。
非線形ポリエステル(A1−2)のTgは57℃、Tmは145℃、Mpは8300、Mnは6200、酸価は16、水酸基価は24、THF不溶解分は30%であった。
製造例8<線形ポリエステルの合成>
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、プロピレングリコール2280部(30モル)、テレフタル酸ジメチルエステル1940部(10モル)および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、180℃で窒素気流下に生成するメタノールを留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に生成するプロピレングリコールを留去しながら反応させ、軟化点が45℃になった時点で冷却した。180℃になった時点で、無水トリメリット酸787部(4.1モル)を仕込み、180℃で1時間保持した後取り出した。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを線形ポリエステル(A2−1)とする。
線形ポリエステル(A2−1)のTgは54℃、Tmは85℃(Tm−Tg:31℃)、Mpは2000、Mnは1100、酸価は140、水酸基価は81、THF不溶解分は0%であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、プロピレングリコール2280部(30モル)、テレフタル酸ジメチルエステル1940部(10モル)および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、180℃で窒素気流下に生成するメタノールを留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に生成するプロピレングリコールを留去しながら反応させ、軟化点が45℃になった時点で冷却した。180℃になった時点で、無水トリメリット酸787部(4.1モル)を仕込み、180℃で1時間保持した後取り出した。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを線形ポリエステル(A2−1)とする。
線形ポリエステル(A2−1)のTgは54℃、Tmは85℃(Tm−Tg:31℃)、Mpは2000、Mnは1100、酸価は140、水酸基価は81、THF不溶解分は0%であった。
製造例9<線形ポリエステルの合成>
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、テレフタル酸2990部(18.0モル)、ビスフェノールA・EO2モル付加物7660部(23.4モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が94℃になった時点で、生成したポリマーを取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを線形ポリエステル(A2−2)とする。線形ポリエステル(A2−2)のTgは60℃、Tmは94℃(Tm−Tg:34℃)、Mpは3500、Mnは1800、酸価は2、水酸基価は55、THF不溶解分は0%であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、テレフタル酸2990部(18.0モル)、ビスフェノールA・EO2モル付加物7660部(23.4モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が94℃になった時点で、生成したポリマーを取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを線形ポリエステル(A2−2)とする。線形ポリエステル(A2−2)のTgは60℃、Tmは94℃(Tm−Tg:34℃)、Mpは3500、Mnは1800、酸価は2、水酸基価は55、THF不溶解分は0%であった。
製造例10<線形ポリエステルの合成>
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、テレフタル酸2300部(18.0モル)、ビスフェノールA・PO2モル付加物8198部(23.4モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で、180まで冷却後無水トリメリット酸を1283部を仕込み、180℃で1時間保持した後取出した。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを線形ポリエステル(A2−3)とする。線形ポリエステル(A2−3)のTgは61℃、Tmは93℃(Tm−Tg:32℃)、Mpは2000、Mnは1400、酸価は58、水酸基価は73、THF不溶解分は0%であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、テレフタル酸2300部(18.0モル)、ビスフェノールA・PO2モル付加物8198部(23.4モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で、180まで冷却後無水トリメリット酸を1283部を仕込み、180℃で1時間保持した後取出した。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを線形ポリエステル(A2−3)とする。線形ポリエステル(A2−3)のTgは61℃、Tmは93℃(Tm−Tg:32℃)、Mpは2000、Mnは1400、酸価は58、水酸基価は73、THF不溶解分は0%であった。
比較製造例1<比較用エステル基含有添加剤の合成>
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、プロピレングリコール2836部(37.3モル)を入れ、130℃まで徐々に昇温し、130℃になった時点で、無水トリメリット酸7164部(37.3モル)を仕込み、130℃で1時間保持した後取り出した。取り出した化合物を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをエステル基含有添加剤(B’−1)とする。
エステル基含有添加剤(B’−1)のTgは39℃、Tmは79℃(Tm−Tg:40℃)、Mnは350、酸価は444、水酸基価は206、THF不溶解分は0%であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、プロピレングリコール2836部(37.3モル)を入れ、130℃まで徐々に昇温し、130℃になった時点で、無水トリメリット酸7164部(37.3モル)を仕込み、130℃で1時間保持した後取り出した。取り出した化合物を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをエステル基含有添加剤(B’−1)とする。
エステル基含有添加剤(B’−1)のTgは39℃、Tmは79℃(Tm−Tg:40℃)、Mnは350、酸価は444、水酸基価は206、THF不溶解分は0%であった。
比較製造例2<比較用エステル基含有添加剤の合成>
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・EO2モル付加物6301部(19.3モル)を入れ、130℃まで徐々に昇温し、130℃になった時点で、無水トリメリット酸3699部(19.3モル)を仕込み、130℃で1時間保持した後取り出した。取り出した化合物を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをエステル基含有添加剤(B’−2)とする。
エステル基含有添加剤(B’−2)のTgは87℃、Tmは152℃(Tm−Tg:66℃)、Mnは1800、酸価は126、水酸基価は12、THF不溶解分は0%であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・EO2モル付加物6301部(19.3モル)を入れ、130℃まで徐々に昇温し、130℃になった時点で、無水トリメリット酸3699部(19.3モル)を仕込み、130℃で1時間保持した後取り出した。取り出した化合物を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをエステル基含有添加剤(B’−2)とする。
エステル基含有添加剤(B’−2)のTgは87℃、Tmは152℃(Tm−Tg:66℃)、Mnは1800、酸価は126、水酸基価は12、THF不溶解分は0%であった。
比較製造例3<比較用エステル基含有添加剤の合成>
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・EO4モル付加物5194部(12.5モル)を入れ、130℃まで徐々に昇温し、130℃になった時点で、無水トリメリット酸4806部(25.0モル)を仕込み、130℃で1時間保持した後取り出した。取り出した化合物を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをエステル基含有添加剤(B’−3)とする。
エステル基含有添加剤(B’−3)のTgは73℃、Tmは110℃(Tm−Tg:37℃)、Mnは2300、酸価は250、水酸基価は5、THF不溶解分は0%であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・EO4モル付加物5194部(12.5モル)を入れ、130℃まで徐々に昇温し、130℃になった時点で、無水トリメリット酸4806部(25.0モル)を仕込み、130℃で1時間保持した後取り出した。取り出した化合物を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをエステル基含有添加剤(B’−3)とする。
エステル基含有添加剤(B’−3)のTgは73℃、Tmは110℃(Tm−Tg:37℃)、Mnは2300、酸価は250、水酸基価は5、THF不溶解分は0%であった。
実施例〔1〕〜〔16〕<トナー用樹脂組成物の作成>
表1に示す配合比で非線形ポリエステル(A1)とエステル基含有添加剤(B)と必要により線形ポリエステル(A2)とをコンティニアスニーダーにて、ジャケット温度130℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂を室温まで冷却後、粉砕機にて粉砕し、粒子化して本発明のトナー用樹脂組成物(C−1)〜(C−16)を得た。
表1に示す配合比で非線形ポリエステル(A1)とエステル基含有添加剤(B)と必要により線形ポリエステル(A2)とをコンティニアスニーダーにて、ジャケット温度130℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂を室温まで冷却後、粉砕機にて粉砕し、粒子化して本発明のトナー用樹脂組成物(C−1)〜(C−16)を得た。
比較例〔1〕〜〔4〕<比較のトナー用樹脂組成物の作成>
表1に示す配合比で非線形ポリエステル(A1)とエステル基含有添加剤または線形ポリエステル(A2)をコンティニアスニーダーにて、ジャケット温度130℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂を室温まで冷却後、粉砕機にて粉砕し、粒子化して比較のトナー用樹脂組成物(C’−1)〜(C’−4)を得た。
表1に示す配合比で非線形ポリエステル(A1)とエステル基含有添加剤または線形ポリエステル(A2)をコンティニアスニーダーにて、ジャケット温度130℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂を室温まで冷却後、粉砕機にて粉砕し、粒子化して比較のトナー用樹脂組成物(C’−1)〜(C’−4)を得た。
実施例1〜16、および比較例1〜4
本発明のトナー用樹脂組成物(C−1)〜(C−16)、および比較のトナー用樹脂組成物(C’−1)〜(C’−4)のそれぞれ100部に対して、シアニンブルーKRO(山陽色素製)8部、カルナバワックス5部を加え下記の方法でトナー化した。
まず、ヘンシェルミキサ[三井三池化工機(株)製 FM10B]を用いて予備混合した後、二軸混練機[(株)池貝製 PCM−30]で混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製 MDS−I]で分級し、粒径D50が8μmのトナー粒子を得た。ついで、トナー粒子100部にコロイダルシリカ(アエロジルR972:日本アエロジル製)0.5部をサンプルミルにて混合して、本発明のトナー組成物(T−1)〜(T−16)、および比較のトナー組成物(T’−1)〜(T’−4)を得た。
下記評価方法で評価した評価結果を表1に示す。
本発明のトナー用樹脂組成物(C−1)〜(C−16)、および比較のトナー用樹脂組成物(C’−1)〜(C’−4)のそれぞれ100部に対して、シアニンブルーKRO(山陽色素製)8部、カルナバワックス5部を加え下記の方法でトナー化した。
まず、ヘンシェルミキサ[三井三池化工機(株)製 FM10B]を用いて予備混合した後、二軸混練機[(株)池貝製 PCM−30]で混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製 MDS−I]で分級し、粒径D50が8μmのトナー粒子を得た。ついで、トナー粒子100部にコロイダルシリカ(アエロジルR972:日本アエロジル製)0.5部をサンプルミルにて混合して、本発明のトナー組成物(T−1)〜(T−16)、および比較のトナー組成物(T’−1)〜(T’−4)を得た。
下記評価方法で評価した評価結果を表1に示す。
[評価方法]
〔1〕最低定着温度(MFT)
市販複写機(AR5030;シャープ製)を用いて現像した未定着画像を、市販複写機(AR5030;シャープ製)の定着機を用いて評価した。定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着ロール温度をもって最低定着温度とした。
〔2〕ホットオフセット発生温度(HOT)
上記MFTと同様に定着評価し、定着画像へのホットオフセットの有無を目視評価した。ホットオフセットが発生した定着ロール温度をもってホットオフセット発生温度とした。
〔3〕耐ブロッキング性
試料10.0gを200mlポリカップに入れ、40℃の循風乾燥機で静置した。5日後、乾燥機から取り出し、試料の流動性を確認した。
(判定)
◎:カップを傾けると流れる。
○:カップを傾け、スパチュラでつつくと流れる。
△:カップを傾け、スパチュラで強くつつくと流れる。
×:カップを傾け、スパチュラで強くつついても流れない。
判定が○以上のものが耐ブロッキング性良好と判断される。
〔1〕最低定着温度(MFT)
市販複写機(AR5030;シャープ製)を用いて現像した未定着画像を、市販複写機(AR5030;シャープ製)の定着機を用いて評価した。定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着ロール温度をもって最低定着温度とした。
〔2〕ホットオフセット発生温度(HOT)
上記MFTと同様に定着評価し、定着画像へのホットオフセットの有無を目視評価した。ホットオフセットが発生した定着ロール温度をもってホットオフセット発生温度とした。
〔3〕耐ブロッキング性
試料10.0gを200mlポリカップに入れ、40℃の循風乾燥機で静置した。5日後、乾燥機から取り出し、試料の流動性を確認した。
(判定)
◎:カップを傾けると流れる。
○:カップを傾け、スパチュラでつつくと流れる。
△:カップを傾け、スパチュラで強くつつくと流れる。
×:カップを傾け、スパチュラで強くつついても流れない。
判定が○以上のものが耐ブロッキング性良好と判断される。
以上の通り、本発明のトナー用樹脂組成物を用いた本発明のトナー組成物(実施例1〜16)は、比較のトナー用樹脂組成物を用いた比較のトナー組成物に比べて、いずれも著しく良好な結果が得られた。
本発明のトナー用樹脂組成物は、低温定着性、耐ホットオフセット性、および耐ブロッキング性に優れる静電荷像現像用トナー、とくにカラー用トナーとして有用である。
Claims (9)
- 非線形ポリエステル(A1)と必要により線形ポリエステル(A2)を含有するポリエステル樹脂(A)とエステル基含有添加剤(B)を含有し、(B)のテトラヒドロフラン(THF)可溶分の数平均分子量が1000以下であり、(B)のガラス転移温度〔Tg〕(℃)とフロー軟化点〔Tm〕(℃)が〔Tm〕−〔Tg〕≦38(℃)の関係を満たすことを特徴とするトナー用樹脂組成物。
- (B)のガラス転移温度〔Tg〕(℃)が40〜75(℃)であり、かつ酸価が100〜1000(mgKOH/g)である請求項1記載のトナー用樹脂組成物。
- (B)がポリオールとポリカルボン酸との反応物、またはエポキシ基含有化合物とポリカルボン酸との反応物である請求項1または2記載のトナー用樹脂組成物。
- (A1)のTHF不溶解分が3〜50重量%である請求項1〜3のいずれか記載のトナー用樹脂組成物。
- (A)が(A2)を含有し、(A2)の酸価が2〜200(mgKOH/g)であり、(A2)のガラス転移温度〔Tg〕(℃)とフロー軟化点〔Tm〕(℃)が〔Tm〕−〔Tg〕≦38(℃)の関係を満たす請求項1〜4のいずれか記載のトナー用樹脂組成物。
- (A2)のガラス転移温度〔Tg〕(℃)が40〜75(℃)であり、かつ水酸基価が25〜125(mgKOH/g)である請求項5記載のトナー用樹脂組成物。
- (A1)と(A2)の重量比が、100/0〜20/80である請求項1〜6のいずれか記載のトナー用樹脂組成物。
- (A)と(B)の重量比が、50/50〜99/1である請求項1〜7のいずれか記載のトナー用樹脂組成物。
- 請求項1〜8のいずれか記載のトナー用樹脂組成物と、着色剤、並びに、必要により離型剤、荷電制御剤、および流動化剤から選ばれる1種以上のトナー用添加剤からなるトナー組成物。
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- 2007-10-31 JP JP2007283267A patent/JP2008158500A/ja active Pending
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