JP2013178504A - 粉砕トナー用ポリエステル樹脂及びトナー組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 低温定着性、耐ホットオフセット性を両立し、トナー中の顔料分散が均一であり、耐久性、帯電の安定性、画質の安定性に優れたトナー用ポリエステル樹脂及びトナーを提供すること。
【解決手段】 ポリオール成分とポリカルボン酸成分が重縮合されてなり、未反応の、3官能以上の芳香族ポリカルボン酸、3官能以上の芳香族ポリカルボン酸無水物、及び3官能以上の芳香族ポリカルボン酸の低級アルキル(炭素数1〜4)エステルから選ばれる1種以上(b)を200〜10000ppm含有するポリエステル樹脂(A)を含有する粉砕トナー用ポリエステル樹脂、並びにそれを含有するトナー組成物。
【選択図】 なし
【解決手段】 ポリオール成分とポリカルボン酸成分が重縮合されてなり、未反応の、3官能以上の芳香族ポリカルボン酸、3官能以上の芳香族ポリカルボン酸無水物、及び3官能以上の芳香族ポリカルボン酸の低級アルキル(炭素数1〜4)エステルから選ばれる1種以上(b)を200〜10000ppm含有するポリエステル樹脂(A)を含有する粉砕トナー用ポリエステル樹脂、並びにそれを含有するトナー組成物。
【選択図】 なし
Description
本発明は粉砕トナー用ポリエステル樹脂及びトナー組成物に関する。
近年、電子写真システムの発展に伴い、さらなる高画質化及び高速化に対応したトナーの開発が要求されている。電子写真方式では、感光体上に静電荷像(潜像)を形成した後、トナーを用いて潜像を現像し、トナー画像を形成する。そのトナー画像を紙等の記録媒体上に転写した後、加熱等の方法で定着する。
前記加熱定着方式においては、トナーを熱溶融させて紙等の記録媒体上に定着させる過程で多くの電力が必要となる。近年の環境配慮の観点から、トナーの低温定着性が重要な特性の一つとなっている。トナーの低温定着性を向上させるには、結着樹脂の分子量や、ガラス転移温度(Tg)を低くする方法が挙げられる。しかしながら、分子量や、ガラス転移温度(Tg)を低くすると、ホットオフセットが発生しやすくなる。つまり、トナーの低温定着性と耐ホットオフセット性はトレードオフの関係にあり、これらの特性を両立させることがトナー開発における一つの大きな課題となっている。
特許文献1には、特定の構造を有する物質を改質剤として用いてポリエステル樹脂を変性することにより、低温定着性及び耐ホットオフセット性に優れ、かつ耐久性に優れるポリエステル系トナーバインダーからなるトナーが開示されている。また、特許文献2には、軟化点が異なる3種のポリエステルを配合し、それぞれのポリエステルのアルコール成分として使用するビスフェノールAのプロピレンオキサイド3モル以上付加物の含有量を規定することにより、定着性及び耐ホットオフセット性に優れ、かつ耐久性に優れるポリエステル系トナーバインダーからなるトナーが開示されている。しかしながら、低温定着性に優れるトナーは、一般的に高温高湿下での保存性が悪く、高温高湿下で保存するとブロッキングしてしまう問題がある。
また、溶融、混練工程を含む工程で製造される粉砕トナーにおいては、分子量又はレオロジーの異なる2種類以上の樹脂を加熱混練し、低温での定着性には低分子量又は低粘性の樹脂の溶融によって紙等の記録媒体への定着を持たせ、高温での定着性には高分子量又は高弾性の樹脂によって定着ローラー等への付着、オフセットを防ぐことで、低温定着性と耐ホットオフセット性を両立させる(定着可能な温度幅を広げる)方法が、広く一般的に行われている(特許文献3)。
しかしながら、定着可能な温度幅を広げようとして、分子量又はレオロジーが著しく異なった2種類以上の樹脂を溶融、混練させようとすると、両者の粘度の違いから、混練時にせん断力が樹脂に与えられず、均一分散されない現象が起こる。これにより、粘度の高い部分と低い部分に分離した状態となるだけでなく、顔料、離型剤、帯電制御剤等の添加剤の分散性も著しく低下し、定着不良、現像時の画像ムラやカブリ、特に連続印刷時の画質の低下といったマシン性能を低下させる要因となる。これは、定着時にトナーに与える単位時間あたりの熱エネルギーが小さくなる高速機で顕著に現れ、粉砕トナーを使用する場合には、早急に解決が必要な課題となっていた。
本発明の目的は、低温定着性と耐ホットオフセット性を両立し、トナー中の顔料分散が均一であり、耐久性、帯電の安定性に優れ、連続印刷時にも安定して高画質画像を提供する粉砕トナー用ポリエステル樹脂及びトナー組成物を提供することである。
本発明者らは、これらの課題を解決するべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち本発明は、ポリオール成分とポリカルボン酸成分が重縮合されてなり、未反応の、3官能以上の芳香族ポリカルボン酸、3官能以上の芳香族ポリカルボン酸無水物、及び3官能以上の芳香族ポリカルボン酸の低級アルキル(炭素数1〜4)エステルから選ばれる1種以上(b)を200〜10000ppm含有するポリエステル樹脂(A)を含有する粉砕トナー用ポリエステル樹脂;並びに、上記の粉砕トナー用ポリエステル樹脂と、着色剤、並びに、必要により離型剤、荷電制御剤、及び流動化剤から選ばれる1種以上の添加剤を含有するトナー組成物;である。
本発明により、低温定着性と耐ホットオフセット性を両立し、トナー中の顔料分散が均一であり、耐久性、帯電の安定性に優れ、連続印刷時にも安定して高画質画像を提供する粉砕トナー用ポリエステル樹脂及びトナー組成物を提供することが可能となった。
以下、本発明を詳述する。
本発明に用いる粉砕トナー用ポリエステル樹脂(A)は、1種以上のポリオール成分と、1種以上のポリカルボン酸成分を重縮合して得られる。
ポリオール成分としては、ジオール及び3〜8価又はそれ以上のポリオールが挙げられ、ポリカルボン酸成分としては、ジカルボン酸及び3〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸が挙げられる。
本発明に用いる粉砕トナー用ポリエステル樹脂(A)は、1種以上のポリオール成分と、1種以上のポリカルボン酸成分を重縮合して得られる。
ポリオール成分としては、ジオール及び3〜8価又はそれ以上のポリオールが挙げられ、ポリカルボン酸成分としては、ジカルボン酸及び3〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸が挙げられる。
本発明で用いるポリエステル樹脂(A)のポリオール成分として、ジオールとしては、炭素数2〜36のアルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、及び1,12−ドデカンジオール等);炭素数4〜36のアルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、及びポリテトラメチレンエーテルグリコール等);炭素数6〜36の脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール及び水素添加ビスフェノールA等);上記脂環式ジオールの(ポリ)オキシアルキレン〔アルキレン基の炭素数2〜4(オキシエチレン、オキシプロピレン等)以下のポリオキシアルキレン基も同じ〕エーテル〔オキシアルキレン単位(以下AO単位と略記)の数1〜30〕;2価フェノール〔単環2価フェノール(例えばハイドロキノン)、及びビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF及びビスフェノールS等)〕のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30);等が挙げられる。
3価〜8価もしくはそれ以上のポリオールとしては、炭素数3〜36の3価〜8価もしくはそれ以上の脂肪族多価アルコール(アルカンポリオール及びその分子内もしくは分子間脱水物、例えばグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、ポリグリセリン、及びジペンタエリスリトール);糖類及びその誘導体、例えばショ糖及びメチルグルコシド);上記脂肪族多価アルコールの(ポリ)オキシアルキレンエーテル(AO単位の数1〜30);トリスフェノール類(トリスフェノールPA等)のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30);ノボラック樹脂(フェノールノボラック及びクレゾールノボラック等、平均重合度3〜60)のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30)等が挙げられる。
これらのうち、低温定着性と耐ホットオフセット性の両立の観点から好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコール、ビスフェノール類のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30)、3〜8価もしくはそれ以上の脂肪族多価アルコール、及びノボラック樹脂のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30)であり、保存安定性の観点からとくに好ましいものは、炭素数2〜10のアルキレングリコール、ビスフェノール類のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜5)、ノボラック樹脂のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30)であり、最も好ましくは、炭素数2〜6のアルキレングリコール、ビスフェノールAのポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜5)である。
また、ポリオール成分中の炭素数2〜6のアルキレングリコール及び/又はビスフェノールAのポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜5)の含有量は、好ましくは70〜100%、さらに好ましくは80〜100%、より好ましくは85〜100%、とくに好ましくは90〜100%である。含有量が70%以上であると、樹脂強度が強くなり低温定着性が向上する。
上記及び以下において、%は特に断りのない限り重量%を意味する。
3価〜8価もしくはそれ以上のポリオールとしては、炭素数3〜36の3価〜8価もしくはそれ以上の脂肪族多価アルコール(アルカンポリオール及びその分子内もしくは分子間脱水物、例えばグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、ポリグリセリン、及びジペンタエリスリトール);糖類及びその誘導体、例えばショ糖及びメチルグルコシド);上記脂肪族多価アルコールの(ポリ)オキシアルキレンエーテル(AO単位の数1〜30);トリスフェノール類(トリスフェノールPA等)のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30);ノボラック樹脂(フェノールノボラック及びクレゾールノボラック等、平均重合度3〜60)のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30)等が挙げられる。
これらのうち、低温定着性と耐ホットオフセット性の両立の観点から好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコール、ビスフェノール類のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30)、3〜8価もしくはそれ以上の脂肪族多価アルコール、及びノボラック樹脂のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30)であり、保存安定性の観点からとくに好ましいものは、炭素数2〜10のアルキレングリコール、ビスフェノール類のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜5)、ノボラック樹脂のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30)であり、最も好ましくは、炭素数2〜6のアルキレングリコール、ビスフェノールAのポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜5)である。
また、ポリオール成分中の炭素数2〜6のアルキレングリコール及び/又はビスフェノールAのポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜5)の含有量は、好ましくは70〜100%、さらに好ましくは80〜100%、より好ましくは85〜100%、とくに好ましくは90〜100%である。含有量が70%以上であると、樹脂強度が強くなり低温定着性が向上する。
上記及び以下において、%は特に断りのない限り重量%を意味する。
本発明で用いるポリエステル樹脂(A)のポリカルボン酸成分として、ジカルボン酸としては、炭素数2〜50のアルカンジカルボン酸(シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、レパルギン酸、及びセバシン酸等)、炭素数4〜50のアルケンジカルボン酸(ドデセニルコハク酸等のアルケニルコハク酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、及びグルタコン酸等)、炭素数8〜36の芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、及びナフタレンジカルボン酸等)、不飽和カルボン酸のビニル重合体[数平均分子量(以下Mnと記載、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による):450〜10000](α−オレフィン/マレイン酸共重合体等)等が挙げられる。
3価〜6価もしくはそれ以上のポリカルボン酸としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、及びピロメリット酸等)、炭素数6〜36の脂肪族トリカルボン酸(ヘキサントリカルボン酸等)、不飽和カルボン酸のビニル重合体[Mn:450〜10000](スチレン/マレイン酸共重合体、スチレン/アクリル酸共重合体、及びスチレン/フマル酸共重合体等)等が挙げられる。
ポリカルボン酸成分として、これらのポリカルボン酸の、無水物、低級アルキル(炭素数1〜4)エステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル等)を用いてもよい。
3価〜6価もしくはそれ以上のポリカルボン酸としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、及びピロメリット酸等)、炭素数6〜36の脂肪族トリカルボン酸(ヘキサントリカルボン酸等)、不飽和カルボン酸のビニル重合体[Mn:450〜10000](スチレン/マレイン酸共重合体、スチレン/アクリル酸共重合体、及びスチレン/フマル酸共重合体等)等が挙げられる。
ポリカルボン酸成分として、これらのポリカルボン酸の、無水物、低級アルキル(炭素数1〜4)エステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル等)を用いてもよい。
これらのポリカルボン酸成分のうち、低温定着性と耐ホットオフセット性の両立の観点から好ましいものは、炭素数2〜50のアルカンジカルボン酸、炭素数4〜50のアルケンジカルボン酸、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸、及び炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸であり、保存安定性の観点からさらに好ましくは、アジピン酸、炭素数16〜50のアルケニルコハク酸、テレフタル酸、イソフタル酸、マレイン酸、フマル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、及びこれらの併用であり、とくに好ましくは、アジピン酸、テレフタル酸、トリメリット酸、及びこれらの併用である。これらの酸の無水物や低級アルキルエステルも、同様に好ましい。
また、本発明で用いるポリエステル樹脂(A)のポリカルボン酸成分としては、芳香族ポリカルボン酸と必要により脂肪族ポリカルボン酸とからなり、芳香族ポリカルボン酸を70%以上含有するものが好ましい。芳香族ポリカルボン酸の含有量の下限は、さらに好ましくは75%、とくに好ましくは80%である。芳香族ポリカルボン酸が70%以上含有されていることで、樹脂強度が上がり、低温定着性がさらに向上する。
本発明において、各々のポリエステル樹脂は、後述する方法等で、未反応の、3官能以上の芳香族ポリカルボン酸、3官能以上の芳香族ポリカルボン酸無水物、及び3官能以上の芳香族ポリカルボン酸の低級アルキル(炭素数1〜4)エステルから選ばれる1種以上(b)の含有量を調整する以外は、通常のポリエステル製造法と同様にして製造することができる。
例えば、不活性ガス(窒素ガス等)雰囲気中で、反応温度が好ましくは150〜280℃、さらに好ましくは160〜250℃、とくに好ましくは170〜235℃で反応させることにより行うことができる。また反応時間は、重縮合反応を確実に行う観点から、好ましくは30分以上、とくに好ましくは2〜40時間である。
このとき必要に応じてエステル化触媒を使用することができる。エステル化触媒の例には、スズ含有触媒(例えばジブチルスズオキシド)、三酸化アンチモン、チタン含有触媒〔例えばチタンアルコキシド、シュウ酸チタン酸カリウム、テレフタル酸チタン、テレフタル酸チタンアルコキシド、特開2006−243715号公報に記載の触媒〔チタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)、チタニウムモノヒドロキシトリス(トリエタノールアミネート)、及びそれらの分子内重縮合物等〕、及び特開2007−11307号公報に記載の触媒(チタントリブトキシテレフタレート、チタントリイソプロポキシテレフタレート、及びチタンジイソプロポキシジテレフタレート等)]、ジルコニウム含有触媒(例えば酢酸ジルコニル)、及び酢酸亜鉛等が挙げられる。これらの中で好ましくはチタン含有触媒である。反応末期の反応速度を向上させるために減圧することも有効である。
ポリオール成分とポリカルボン酸成分との反応比率は、水酸基とカルボキシル基の当量比[OH]/[COOH]として、好ましくは2/1〜1/2、さらに好ましくは1.5/1〜1/1.3、とくに好ましくは1.3/1〜1/1.2である。
例えば、不活性ガス(窒素ガス等)雰囲気中で、反応温度が好ましくは150〜280℃、さらに好ましくは160〜250℃、とくに好ましくは170〜235℃で反応させることにより行うことができる。また反応時間は、重縮合反応を確実に行う観点から、好ましくは30分以上、とくに好ましくは2〜40時間である。
このとき必要に応じてエステル化触媒を使用することができる。エステル化触媒の例には、スズ含有触媒(例えばジブチルスズオキシド)、三酸化アンチモン、チタン含有触媒〔例えばチタンアルコキシド、シュウ酸チタン酸カリウム、テレフタル酸チタン、テレフタル酸チタンアルコキシド、特開2006−243715号公報に記載の触媒〔チタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)、チタニウムモノヒドロキシトリス(トリエタノールアミネート)、及びそれらの分子内重縮合物等〕、及び特開2007−11307号公報に記載の触媒(チタントリブトキシテレフタレート、チタントリイソプロポキシテレフタレート、及びチタンジイソプロポキシジテレフタレート等)]、ジルコニウム含有触媒(例えば酢酸ジルコニル)、及び酢酸亜鉛等が挙げられる。これらの中で好ましくはチタン含有触媒である。反応末期の反応速度を向上させるために減圧することも有効である。
ポリオール成分とポリカルボン酸成分との反応比率は、水酸基とカルボキシル基の当量比[OH]/[COOH]として、好ましくは2/1〜1/2、さらに好ましくは1.5/1〜1/1.3、とくに好ましくは1.3/1〜1/1.2である。
ポリエステル樹脂(A)中の、未反応の、3官能以上(好ましくは3〜6官能)の芳香族ポリカルボン酸、3官能以上(好ましくは3〜6官能)の芳香族ポリカルボン酸無水物、及び3官能以上(好ましくは3〜6官能)の芳香族ポリカルボン酸の低級アルキル(炭素数1〜4)エステルから選ばれる1種以上(b)の含有量(重量)は、200〜10000ppmであり、好ましくは300〜9500ppmであり、さらに好ましくは400〜9000ppmである。
(b)の含有量を200〜10000ppmに制御することで、(A)を含有するポリエステル樹脂を用いたトナー製造工程において、適度な架橋反応が進行し、均一なトナーが得られる。これにより、トナーの耐久性、帯電の安定性、顔料の分散性が向上する。(b)の含有量が200ppm未満の場合、トナー製造工程での架橋反応が不十分となり、トナーの耐久性、帯電の安定性、顔料の分散性が悪化する。又、(b)の含有量が10000ppmを超える場合、トナー製造工程での架橋反応が過剰に進み、不均一なトナーとなり、トナーの耐久性、帯電の安定性、顔料の分散性が悪化する。
ポリエステル樹脂(A)中の、未反応の、3官能以上の芳香族ポリカルボン酸、3官能以上の芳香族ポリカルボン酸無水物、及び3官能以上の芳香族ポリカルボン酸の低級アルキル(炭素数1〜4)エステルから選ばれる1種以上(b)の含有量を調節する因子としては、原料の反応モル比、反応温度、反応時間、触媒活性、触媒量、反応スケール、反応時に使用する反応装置の撹拌翼の形状、撹拌翼の回転数等が挙げられる。
反応温度は、温度が低い方が(b)の含有量が高くなる傾向にあり、温度が高くなると(b)の含有量が低くなる傾向にある。反応時間は、反応時間が短い方が(b)の含有量が高くなる傾向にあり、反応時間が長くなると(b)の含有量が低くなる傾向にある。
反応スケール、反応時に使用する撹拌翼の形状、撹拌翼の回転数は、場合により使用する機器の組み合わせ等によっても条件が異なってくるため、2〜3回予備試験を行うことにより、最適条件を設定することができる。
なお、未反応の、3官能以上の芳香族ポリカルボン酸、3官能以上の芳香族ポリカルボン酸無水物、及び3官能以上の芳香族ポリカルボン酸の低級アルキル(炭素数1〜4)エステルから選ばれる1種以上(b)は、通常、ポリエステル樹脂(A)の製造時に反応系に存在させた原料の内の未反応物に由来するが、場合により、重縮合反応により(A)を得た後に、添加してもよい。
(b)の含有量を200〜10000ppmに制御することで、(A)を含有するポリエステル樹脂を用いたトナー製造工程において、適度な架橋反応が進行し、均一なトナーが得られる。これにより、トナーの耐久性、帯電の安定性、顔料の分散性が向上する。(b)の含有量が200ppm未満の場合、トナー製造工程での架橋反応が不十分となり、トナーの耐久性、帯電の安定性、顔料の分散性が悪化する。又、(b)の含有量が10000ppmを超える場合、トナー製造工程での架橋反応が過剰に進み、不均一なトナーとなり、トナーの耐久性、帯電の安定性、顔料の分散性が悪化する。
ポリエステル樹脂(A)中の、未反応の、3官能以上の芳香族ポリカルボン酸、3官能以上の芳香族ポリカルボン酸無水物、及び3官能以上の芳香族ポリカルボン酸の低級アルキル(炭素数1〜4)エステルから選ばれる1種以上(b)の含有量を調節する因子としては、原料の反応モル比、反応温度、反応時間、触媒活性、触媒量、反応スケール、反応時に使用する反応装置の撹拌翼の形状、撹拌翼の回転数等が挙げられる。
反応温度は、温度が低い方が(b)の含有量が高くなる傾向にあり、温度が高くなると(b)の含有量が低くなる傾向にある。反応時間は、反応時間が短い方が(b)の含有量が高くなる傾向にあり、反応時間が長くなると(b)の含有量が低くなる傾向にある。
反応スケール、反応時に使用する撹拌翼の形状、撹拌翼の回転数は、場合により使用する機器の組み合わせ等によっても条件が異なってくるため、2〜3回予備試験を行うことにより、最適条件を設定することができる。
なお、未反応の、3官能以上の芳香族ポリカルボン酸、3官能以上の芳香族ポリカルボン酸無水物、及び3官能以上の芳香族ポリカルボン酸の低級アルキル(炭素数1〜4)エステルから選ばれる1種以上(b)は、通常、ポリエステル樹脂(A)の製造時に反応系に存在させた原料の内の未反応物に由来するが、場合により、重縮合反応により(A)を得た後に、添加してもよい。
本発明において、ポリエステル樹脂(A)中の、未反応の、3官能以上の芳香族ポリカルボン酸、3官能以上の芳香族ポリカルボン酸無水物、及び3官能以上の芳香族ポリカルボン酸の低級アルキル(炭素数1〜4)エステルから選ばれる1種以上(b)の含有量(b/c)は、以下の方法で測定される。
<試料の調整>
1.ポリエステル樹脂2gをクロロホルム20gに完全に溶解させる。
2.そこへ、体積比20/80のアセトニトリル/0.05%リン酸水溶液混合溶液20gを加えて、分液ロートで1分間よく振とうさせた後、12時間静置する。
3.その後、上相(水相)を抽出し、0.5μmのフィルターで濾過し、高速液体クロ
マトグラフィー用試料溶液を調製する。
<含有量(b/c)測定>
予め対象となる、3官能以上の芳香族ポリカルボン酸、3官能以上の芳香族ポリカルボン酸無水物、及び3官能以上の芳香族ポリカルボン酸の低級アルキル(炭素数1〜4)エステルの濃度―面積の検量線を作成しておき、液体クロマトグラフィーでの面積を測定後、検量線を使い、3官能以上の芳香族ポリカルボン酸並びに/又は芳香族ポリカルボン酸無水物及び/若しくは低級アルキル(炭素数1〜4)エステル(b)の含有量(b/c)を求める。
本方法で得られる含有量(b/c)は、3官能以上の芳香族ポリカルボン酸の含有量と3官能以上の芳香族ポリカルボン酸無水物の含有量の総和である。
測定機器 : LC−6A(島津製作所製)
カラム : STR ODS−IIカラム(4.6mmφ × 150mm)
溶離液 : アセトニトリル/0.05%リン酸水溶液=20/80(体積比)
流速 : 1.0ml/min
検出器 : SPD−10AVvp(島津製作所製)
検出波長 : 230nm
注入量 : 20μl
<試料の調整>
1.ポリエステル樹脂2gをクロロホルム20gに完全に溶解させる。
2.そこへ、体積比20/80のアセトニトリル/0.05%リン酸水溶液混合溶液20gを加えて、分液ロートで1分間よく振とうさせた後、12時間静置する。
3.その後、上相(水相)を抽出し、0.5μmのフィルターで濾過し、高速液体クロ
マトグラフィー用試料溶液を調製する。
<含有量(b/c)測定>
予め対象となる、3官能以上の芳香族ポリカルボン酸、3官能以上の芳香族ポリカルボン酸無水物、及び3官能以上の芳香族ポリカルボン酸の低級アルキル(炭素数1〜4)エステルの濃度―面積の検量線を作成しておき、液体クロマトグラフィーでの面積を測定後、検量線を使い、3官能以上の芳香族ポリカルボン酸並びに/又は芳香族ポリカルボン酸無水物及び/若しくは低級アルキル(炭素数1〜4)エステル(b)の含有量(b/c)を求める。
本方法で得られる含有量(b/c)は、3官能以上の芳香族ポリカルボン酸の含有量と3官能以上の芳香族ポリカルボン酸無水物の含有量の総和である。
測定機器 : LC−6A(島津製作所製)
カラム : STR ODS−IIカラム(4.6mmφ × 150mm)
溶離液 : アセトニトリル/0.05%リン酸水溶液=20/80(体積比)
流速 : 1.0ml/min
検出器 : SPD−10AVvp(島津製作所製)
検出波長 : 230nm
注入量 : 20μl
3官能以上の芳香族ポリカルボン酸、3官能以上の芳香族ポリカルボン酸無水物、及び3官能以上の芳香族ポリカルボン酸の低級アルキル(炭素数1〜4)エステルから選ばれる1種以上(b)としては、前記の炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸、その無水物、及びその低級アルキル(炭素数1〜4)エステル等が挙げられる。
(b)としては、トリメリット酸及び/又はトリメリット酸無水物を70%以上含有するものが好ましい。トリメリット酸及び/又はトリメリット酸無水物の含有量の下限は、さらに好ましくは75%、とくに好ましくは80%である。トリメリット酸及び/又はトリメリット酸無水物が70%以上含有されていることで、樹脂強度が上がり、トナーの耐久性がさらに向上する。
(b)としては、トリメリット酸及び/又はトリメリット酸無水物を70%以上含有するものが好ましい。トリメリット酸及び/又はトリメリット酸無水物の含有量の下限は、さらに好ましくは75%、とくに好ましくは80%である。トリメリット酸及び/又はトリメリット酸無水物が70%以上含有されていることで、樹脂強度が上がり、トナーの耐久性がさらに向上する。
本発明に用いるポリエステル樹脂(A)の軟化点〔Tm〕は、耐ホットオフセット性と低温定着性の両立の観点から、好ましくは80〜155℃、さらに好ましくは90〜140℃である。
本発明において、軟化点〔Tm〕は以下の方法で測定される。
<軟化点〔Tm〕>
高化式フローテスター{たとえば、(株)島津製作所製、CFT−500D}を用いて、1gの測定試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出して、「プランジャー降下量(流れ値)」と「温度」とのグラフを描き、プランジャーの降下量の最大値の1/2に対応する温度をグラフから読み取り、この値(測定試料の半分が流出したときの温度)を軟化点〔Tm〕とする。
<軟化点〔Tm〕>
高化式フローテスター{たとえば、(株)島津製作所製、CFT−500D}を用いて、1gの測定試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出して、「プランジャー降下量(流れ値)」と「温度」とのグラフを描き、プランジャーの降下量の最大値の1/2に対応する温度をグラフから読み取り、この値(測定試料の半分が流出したときの温度)を軟化点〔Tm〕とする。
また、ポリエステル樹脂(A)のガラス転移温度〔Tg〕は、好ましくは45℃〜75℃、さらに好ましくは48〜72℃、とくに好ましくは50℃〜70℃である。
ガラス転移温度が75℃以下であると低温定着性がより向上する。ガラス転移温度が45℃以上であると耐ホットオフセット性がより向上する。
なお、上記及び以下において、ガラス転移温度〔Tg〕は、セイコーインスツル(株)製DSC20、SSC/580を用いて、ASTM D3418−82に規定の方法(DSC法)で測定される。
ガラス転移温度が75℃以下であると低温定着性がより向上する。ガラス転移温度が45℃以上であると耐ホットオフセット性がより向上する。
なお、上記及び以下において、ガラス転移温度〔Tg〕は、セイコーインスツル(株)製DSC20、SSC/580を用いて、ASTM D3418−82に規定の方法(DSC法)で測定される。
本発明に用いるポリエステル樹脂(A)は、耐ホットオフセット性と低温定着性の両立の点から、軟化点が10℃以上異なる、ポリエステル樹脂(AL)及びポリエステル樹脂(AH)を少なくとも含有し、(AL)の軟化点が70〜120℃であり、(AH)の軟化点が115〜165℃であることが好ましい。
ポリエステル樹脂(AL)とポリエステル樹脂(AH)の軟化点の差は、さらに好ましくは10〜80℃、とくに好ましくは15〜70℃、もっとも好ましくは20〜60℃である。
ポリエステル樹脂(AL)とポリエステル樹脂(AH)の軟化点の差は、さらに好ましくは10〜80℃、とくに好ましくは15〜70℃、もっとも好ましくは20〜60℃である。
ポリエステル樹脂(AL)の軟化点〔Tm〕は、さらに好ましくは75〜118℃、とくに好ましくは80〜115℃である。この範囲であると、トナーの耐久性と低温定着性の両立が良好となる。
ポリエステル樹脂(AH)の軟化点〔Tm〕は、さらに好ましくは118〜163℃、とくに好ましくは120〜160℃である。この範囲であると、耐ホットオフセット性と低温定着性の両立が良好となる。
ポリエステル樹脂(AH)の軟化点〔Tm〕は、さらに好ましくは118〜163℃、とくに好ましくは120〜160℃である。この範囲であると、耐ホットオフセット性と低温定着性の両立が良好となる。
ポリエステル樹脂(AL)、及びポリエステル樹脂(AH)のガラス転移温度〔Tg〕は、好ましくは45℃〜75℃である。下限は、さらに好ましくは48℃、とくに好ましくは50℃であり、上限は、さらに好ましくは72℃、とくに好ましくは70℃である。ガラス転移温度が75℃以下であると低温定着性がより向上する。ガラス転移温度が45℃以上であると耐ホットオフセット性がより向上する。
ポリエステル樹脂(AL)、及びポリエステル樹脂(AH)の酸価は、好ましくは0〜50(mgKOH/g、以下同じ)、さらに好ましくは3〜45、とくに好ましくは5〜40である。ポリエステル樹脂(A)の酸価についても、同様の範囲が好ましい。酸価が50以下であるとトナーとして用いた時の帯電特性が低下しない。
ポリエステル樹脂(AL)、及びポリエステル樹脂(AH)の水酸基価は、好ましくは0〜80(mgKOH/g、以下同じ)、さらに好ましくは0〜70、とくに好ましくは0〜65である。ポリエステル樹脂(A)の水酸基価についても、同様の範囲が好ましい。水酸基価が80以下であるとトナーとして用いた時の耐ホットオフセット性がより良好となる。
本発明において、ポリエステル樹脂の酸価及び水酸基価は、JIS K0070(1992年版)に規定の方法で測定される。
なお、試料に架橋にともなう溶剤不溶解分がある場合は、以下の方法で溶融混練後のものを試料として用いる。
混練装置 : 東洋精機(株)製 ラボプラストミル MODEL4M150
混練条件 : 130℃、70rpmにて30分
なお、試料に架橋にともなう溶剤不溶解分がある場合は、以下の方法で溶融混練後のものを試料として用いる。
混練装置 : 東洋精機(株)製 ラボプラストミル MODEL4M150
混練条件 : 130℃、70rpmにて30分
ポリエステル樹脂(AL)のテトラヒドロフラン(THF)可溶分のピークトップ分子量(以下Mpと記載)は、トナーの耐熱保存性と低温定着性の両立の観点から、2000〜8000が好ましく、さらに好ましくは2500〜7500、とくに好ましくは3000〜7000である。
ポリエステル樹脂(AH)のテトラヒドロフラン(THF)可溶分のMpは、トナーの耐久性と低温定着性の両立の観点から、4000〜20000が好ましく、さらに好ましくは4500〜18500、とくに好ましくは5000〜17000である。
本発明において、ポリエステル樹脂等の樹脂の分子量(Mp)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて以下の条件で測定される。
装置(一例) : 東ソー(株)製 HLC−8120
カラム(一例): TSK GEL GMH6 2本 〔東ソー(株)製〕
測定温度 : 40℃
試料溶液 : 0.25%のTHF(テトラヒドロフラン)溶液
溶液注入量 : 100μl
検出装置 : 屈折率検出器
基準物質 : 東ソー製 標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量 500 1050 2800 5970 9100 18100 37900 96400 190000 355000 1090000 2890000)
得られたクロマトグラム上最大のピーク高さを示す分子量をピークトップ分子量(Mp)と称する。また、分子量の測定は、ポリエステル樹脂をTHFに溶解し、不溶解分をグラスフィルターでろ別したものを試料溶液とする。
装置(一例) : 東ソー(株)製 HLC−8120
カラム(一例): TSK GEL GMH6 2本 〔東ソー(株)製〕
測定温度 : 40℃
試料溶液 : 0.25%のTHF(テトラヒドロフラン)溶液
溶液注入量 : 100μl
検出装置 : 屈折率検出器
基準物質 : 東ソー製 標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量 500 1050 2800 5970 9100 18100 37900 96400 190000 355000 1090000 2890000)
得られたクロマトグラム上最大のピーク高さを示す分子量をピークトップ分子量(Mp)と称する。また、分子量の測定は、ポリエステル樹脂をTHFに溶解し、不溶解分をグラスフィルターでろ別したものを試料溶液とする。
ポリエステル樹脂(AL)のTHF不溶解分は、低温定着性の点から、好ましくは0%〜10%、さらに好ましくは0%〜5%、とくに好ましくは0%〜3%である。THF不溶解分は、以下の方法で求めたものである。
試料0.5gに50mlのTHFを加え、3時間撹拌還流させる。冷却後、グラスフィルターにて不溶解分をろ別し、グラスフィルター上の樹脂分を80℃で3時間減圧乾燥する。グラスフィルター上の乾燥した樹脂分の重量と試料の重量比から、不溶解分を算出する。
試料0.5gに50mlのTHFを加え、3時間撹拌還流させる。冷却後、グラスフィルターにて不溶解分をろ別し、グラスフィルター上の樹脂分を80℃で3時間減圧乾燥する。グラスフィルター上の乾燥した樹脂分の重量と試料の重量比から、不溶解分を算出する。
ポリエステル樹脂(AH)のTHF不溶解分は、耐ホットオフセット性の点から、好ましくは3%〜50%、さらに好ましくは4%〜40%、とくに好ましくは5%〜35%である。
ポリエステル樹脂(AL)の分子量500以下の成分の含有量は、トナーの耐熱保存性と低温定着性の両立の観点から、2.0%〜10.0%が好ましく、さらに好ましくは2.5%〜9.5%、とくに好ましくは3.0%〜9.0%である。分子量500以下の成分の含有量は、前述のGPCによる樹脂の分子量の測定結果を解析することで得られる。すなわち、GPCの測定結果における分子量500以下の面積が、全ピーク面積に占める割合から算出できる。
本発明において、ポリエステル樹脂(A)がポリエステル樹脂(AL)とポリエステル樹脂(AH)を含有する場合の(AL)と(AH)の重量比〔(AL)/(AH)〕は、トナーとして用いた時の耐ホットオフセット性と低温定着性のバランスの点から、(AL)と(AH)の合計を100とした時、好ましくは20/80〜95/5であり、さらに好ましくは25/75〜90/10、とくに好ましくは30/70〜80/20である。
本発明のトナー組成物は、ポリエステル樹脂(A)以外に、その特性を損なわない範囲で、トナー用バインダー樹脂として通常用いられる他の樹脂を含有してもよい。他の樹脂としては、例えば、Mnが1000〜100万のビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂にビニル樹脂がグラフトした構造を有する樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂が挙げられる。他の樹脂は、必要により(A)とブレンドしても良いし、一部反応させてもよい。他の樹脂の含有量は、ポリエステル樹脂(A)に対して、好ましくは10%以下、さらに好ましくは5%以下である。
本発明において、ポリエステル樹脂(AL)とポリエステル樹脂(AH)を用いる場合の混合方法は特に限定されず、通常行われる公知の方法でよく、粉体混合、溶融混合のいずれでもよい。また、トナー化時に混合してもよい。
溶融混合する場合の混合装置としては、反応槽等のバッチ式混合装置、及び連続式混合装置が挙げられる。適正な温度で短時間で均一に混合するためには、連続式混合装置が好ましい。連続混合装置としては、エクストルーダー、コンティニアスニーダー、3本ロール等が挙げられる。
粉体混合する場合の混合装置としては、ヘンシェルミキサー(登録商標)、ナウターミキサー(登録商標)、及びバンバリーミキサー等が挙げられる。好ましくはヘンシェルミキサーである。
溶融混合する場合の混合装置としては、反応槽等のバッチ式混合装置、及び連続式混合装置が挙げられる。適正な温度で短時間で均一に混合するためには、連続式混合装置が好ましい。連続混合装置としては、エクストルーダー、コンティニアスニーダー、3本ロール等が挙げられる。
粉体混合する場合の混合装置としては、ヘンシェルミキサー(登録商標)、ナウターミキサー(登録商標)、及びバンバリーミキサー等が挙げられる。好ましくはヘンシェルミキサーである。
本発明のトナー組成物は、本発明のトナー用ポリエステル樹脂と、着色剤、及び必要により、離型剤、荷電制御剤、流動化剤等から選ばれる1種以上の添加剤を含有する。
着色剤としては、トナー用着色剤として使用されている染料、顔料等のすべてを使用することができる。具体的には、カーボンブラック、鉄黒、スーダンブラックSM、ファーストイエローG、ベンジジンイエロー、ピグメントイエロー、インドファーストオレンジ、イルガシンレッド、パラニトロアニリンレッド、トルイジンレッド、カーミンFB、ピグメントオレンジR、レーキレッド2G、ローダミンFB、ローダミンBレーキ、メチルバイオレットBレーキ、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、ブリリアントグリーン、フタロシアニングリーン、オイルイエローGG、カヤセットYG、オラゾールブラウンB及びオイルピンクOP等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。また、必要により磁性粉(鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性金属の粉末もしくはマグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の化合物)を着色剤としての機能を兼ねて含有させることができる。
着色剤の含有量は、本発明のトナー用ポリエステル樹脂100部に対して、好ましくは1〜40部、さらに好ましくは3〜10部である。なお、磁性粉を用いる場合は、好ましくは20〜150部、さらに好ましくは40〜120部である。上記及び以下において、部は重量部を意味する。
着色剤の含有量は、本発明のトナー用ポリエステル樹脂100部に対して、好ましくは1〜40部、さらに好ましくは3〜10部である。なお、磁性粉を用いる場合は、好ましくは20〜150部、さらに好ましくは40〜120部である。上記及び以下において、部は重量部を意味する。
離型剤としては、軟化点〔Tm〕が50〜170℃のものが好ましく、ポリオレフィンワックス、天然ワックス、炭素数30〜50の脂肪族アルコール、炭素数30〜50の脂肪酸及びこれらの混合物等が挙げられる。
ポリオレフィンワックスとしては、オレフィン(例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ヘキセン、1−ドデセン、1−オクタデセン及びこれらの混合物等)の(共)重合体[(共)重合により得られるもの及び熱減成型ポリオレフィンを含む]、オレフィンの(共)重合体の酸素及び/又はオゾンによる酸化物、オレフィンの(共)重合体のマレイン酸変性物[例えばマレイン酸及びその誘導体(無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノブチル及びマレイン酸ジメチル等)変性物]、オレフィンと不飽和カルボン酸[(メタ)アクリル酸、イタコン酸及び無水マレイン酸等]及び/又は不飽和カルボン酸アルキルエステル[(メタ)アクリル酸アルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステル及びマレイン酸アルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステル等]等との共重合体、及びサゾールワックス等が挙げられる。
ポリオレフィンワックスとしては、オレフィン(例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ヘキセン、1−ドデセン、1−オクタデセン及びこれらの混合物等)の(共)重合体[(共)重合により得られるもの及び熱減成型ポリオレフィンを含む]、オレフィンの(共)重合体の酸素及び/又はオゾンによる酸化物、オレフィンの(共)重合体のマレイン酸変性物[例えばマレイン酸及びその誘導体(無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノブチル及びマレイン酸ジメチル等)変性物]、オレフィンと不飽和カルボン酸[(メタ)アクリル酸、イタコン酸及び無水マレイン酸等]及び/又は不飽和カルボン酸アルキルエステル[(メタ)アクリル酸アルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステル及びマレイン酸アルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステル等]等との共重合体、及びサゾールワックス等が挙げられる。
天然ワックスとしては、例えばカルナウバワックス、モンタンワックス、パラフィンワックス及びライスワックスが挙げられる。炭素数30〜50の脂肪族アルコールとしては、例えばトリアコンタノールが挙げられる。炭素数30〜50の脂肪酸としては、例えばトリアコンタン酸が挙げられる。
荷電制御剤としては、ニグロシン染料、3級アミンを側鎖として含有するトリフェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体、4級アンモニウム塩基含有ポリマー、含金属アゾ染料、銅フタロシアニン染料、サリチル酸金属塩、ベンジル酸のホウ素錯体、スルホン酸基含有ポリマー、含フッ素系ポリマー、ハロゲン置換芳香環含有ポリマー等が挙げられる。
流動化剤としては、コロイダルシリカ、アルミナ粉末、酸化チタン粉末、炭酸カルシウム粉末等が挙げられる。
本発明のトナー組成物の組成比は、トナー重量に基づき、本発明のトナー用ポリエステル樹脂(他のトナー用バインダー樹脂を含む場合は、樹脂の合計量)が、好ましくは30〜97%、さらに好ましくは40〜95%、とくに好ましくは45〜92%;着色剤が、好ましくは0.05〜60%、さらに好ましくは0.1〜55%、とくに好ましくは0.5〜50%;添加剤のうち、離型剤が、好ましくは0〜30%、さらに好ましくは0.5〜20%、とくに好ましくは1〜10%;荷電制御剤が、好ましくは0〜20%、さらに好ましくは0.1〜10%、とくに好ましくは0.5〜7.5%;流動化剤が、好ましくは0〜10%、さらに好ましくは0〜5%、とくに好ましくは0.1〜4%である。また、添加剤の合計含有量は、好ましくは3〜70%、さらに好ましくは4〜58%、とくに好ましくは5〜50%である。トナーの組成比が上記の範囲であることで帯電性が良好なものを容易に得ることができる。
本発明のトナー組成物は、トナー化時に架橋反応を進行させる必要があり、従来より公知の混練粉砕法により得られたものである必要がある。混練粉砕法によりトナーを得る場合、流動化剤を除くトナーを構成する成分を乾式ブレンドした後、溶融混練し、その後粗粉砕し、最終的にジェットミル粉砕機等を用いて微粒化して、さらに分級することにより、体積平均粒径(D50)が好ましくは5〜20μmの微粒とした後、流動化剤を混合して製造することができる。なお、粒径(D50)はコールターカウンター[例えば、商品名:マルチサイザーIII(コールター社製)]を用いて測定される。
本発明のトナー組成物の軟化点〔Tm〕とガラス転移温度〔Tg〕の好ましい範囲は、前記のポリエステル樹脂(A)の好ましい範囲と同様であり、好ましい理由も同様である。
本発明のトナー組成物は、必要に応じて鉄粉、ガラスビーズ、ニッケル粉、フェライト、マグネタイト、及び樹脂(アクリル樹脂、シリコーン樹脂等)により表面をコーティングしたフェライト等のキャリアー粒子と混合されて電気的潜像の現像剤として用いられる。トナーとキャリアー粒子との重量比は、好ましくは1/99〜100/0である。また、キャリアー粒子の代わりに帯電ブレード等の部材と摩擦し、電気的潜像を形成することもできる。
本発明のトナー組成物は、複写機、プリンター等により支持体(紙、ポリエステルフィルム等、好ましくは紙)に定着して記録材料とされる。支持体に定着する方法としては、公知の熱ロール定着方法、フラッシュ定着方法等が適用できる。
以下実施例、比較例により本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
製造例1
[ポリエステル樹脂(A1)の合成]
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽(以下の全ての製造例で、同じ形状で同じ大きさの反応槽を用いた。)中に、ビスフェノールA・プロピレンオキサイド(以下、POと記載)2モル付加物350部(6.0モル)、ビスフェノールA・エチレンオキサイド(以下、EOと記載)2モル付加物356部(6.5モル)、テレフタル酸223部(8.0モル)、イソフタル酸56部(2.0モル)、及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら5時間反応させ、次いで0.5〜2.5kPaの減圧下で3時間反応させた。その後、210℃で無水トリメリット酸80部(2.5モル)を加え、常圧下で1時間反応させた後、0.5〜5kPaの減圧下で反応させ、軟化点125℃で取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(A1)とする。
ポリエステル樹脂(A1)のTgは60℃、Tmは125℃、Mpは10000、酸価は25、水酸基価は2、THF不溶解分は3%、b/cは3000ppm、b/c中のトリメリット酸及び/又はトリメリット酸無水物含量は100%であった。
[ポリエステル樹脂(A1)の合成]
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽(以下の全ての製造例で、同じ形状で同じ大きさの反応槽を用いた。)中に、ビスフェノールA・プロピレンオキサイド(以下、POと記載)2モル付加物350部(6.0モル)、ビスフェノールA・エチレンオキサイド(以下、EOと記載)2モル付加物356部(6.5モル)、テレフタル酸223部(8.0モル)、イソフタル酸56部(2.0モル)、及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら5時間反応させ、次いで0.5〜2.5kPaの減圧下で3時間反応させた。その後、210℃で無水トリメリット酸80部(2.5モル)を加え、常圧下で1時間反応させた後、0.5〜5kPaの減圧下で反応させ、軟化点125℃で取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(A1)とする。
ポリエステル樹脂(A1)のTgは60℃、Tmは125℃、Mpは10000、酸価は25、水酸基価は2、THF不溶解分は3%、b/cは3000ppm、b/c中のトリメリット酸及び/又はトリメリット酸無水物含量は100%であった。
製造例2
[ポリエステル樹脂(AL1)の合成]
反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物430部(8.0モル)、ビスフェノールA・PO3モル付加物342部(5.5モル)、テレフタル酸231部(9.0モル)、イソフタル酸13部(0.5モル)、アジピン酸11部(0.5モル)、及び縮合触媒としてチタン酸テトライソプロポキシド3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら5時間反応させ、次いで0.5〜2.5kPaの減圧下で反応させ、酸価が2以下になった時点で175℃まで冷却した。その後、無水トリメリット酸26部(0.9モル)を仕込み、175℃で1時間保持した後、取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(AL1)とする。
ポリエステル樹脂(AL1)のTgは55℃、Tmは90℃、Mpは4800、酸価は15、水酸基価は55、THF不溶解分は0%、b/cは1000ppm、b/c中のトリメリット酸及び/又はトリメリット酸無水物含量は100%、分子量500以下の成分の含有量は6%であった。
[ポリエステル樹脂(AL1)の合成]
反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物430部(8.0モル)、ビスフェノールA・PO3モル付加物342部(5.5モル)、テレフタル酸231部(9.0モル)、イソフタル酸13部(0.5モル)、アジピン酸11部(0.5モル)、及び縮合触媒としてチタン酸テトライソプロポキシド3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら5時間反応させ、次いで0.5〜2.5kPaの減圧下で反応させ、酸価が2以下になった時点で175℃まで冷却した。その後、無水トリメリット酸26部(0.9モル)を仕込み、175℃で1時間保持した後、取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(AL1)とする。
ポリエステル樹脂(AL1)のTgは55℃、Tmは90℃、Mpは4800、酸価は15、水酸基価は55、THF不溶解分は0%、b/cは1000ppm、b/c中のトリメリット酸及び/又はトリメリット酸無水物含量は100%、分子量500以下の成分の含有量は6%であった。
製造例3
[ポリエステル樹脂(AL2)の合成]
反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物618部(11.0モル)、ビスフェノールA・PO3モル付加物162部(2.5モル)、テレフタル酸241部(9.0モル)、イソフタル酸13部(0.5モル)、アジピン酸12部(0.5モル)、及び縮合触媒としてチタンジイソプロポキシビストリエタノールアミネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら5時間反応させ、次いで0.5〜2.5kPaの減圧下で反応させ、酸価が2以下になった時点で175℃まで冷却した。その後、無水トリメリット酸9部(0.3モル)を仕込み、175℃で1時間保持した後、取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(AL2)とする。
ポリエステル樹脂(AL2)のTgは58℃、Tmは95℃、Mpは4800、酸価は5、水酸基価は62、THF不溶解分は0%、b/cは300ppm、b/c中のトリメリット酸及び/又はトリメリット酸無水物含量は100%、分子量500以下の成分の含有量は6%であった。
[ポリエステル樹脂(AL2)の合成]
反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物618部(11.0モル)、ビスフェノールA・PO3モル付加物162部(2.5モル)、テレフタル酸241部(9.0モル)、イソフタル酸13部(0.5モル)、アジピン酸12部(0.5モル)、及び縮合触媒としてチタンジイソプロポキシビストリエタノールアミネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら5時間反応させ、次いで0.5〜2.5kPaの減圧下で反応させ、酸価が2以下になった時点で175℃まで冷却した。その後、無水トリメリット酸9部(0.3モル)を仕込み、175℃で1時間保持した後、取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(AL2)とする。
ポリエステル樹脂(AL2)のTgは58℃、Tmは95℃、Mpは4800、酸価は5、水酸基価は62、THF不溶解分は0%、b/cは300ppm、b/c中のトリメリット酸及び/又はトリメリット酸無水物含量は100%、分子量500以下の成分の含有量は6%であった。
製造例4
[ポリエステル樹脂(AL3)の合成]
反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物599部(11.5モル)、ビスフェノールA・PO3モル付加物150部(2.5モル)、テレフタル酸174部(7.0モル)、イソフタル酸25部(1.0モル)、アジピン酸44部(2.0モル)、及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら5時間反応させ、次いで0.5〜2.5kPaの減圧下で反応させ、酸価が2以下になった時点で170℃まで冷却した。その後、無水トリメリット酸60部(2.1モル)を仕込み、170℃で1時間保持した後、取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(AL3)とする。
ポリエステル樹脂(AL3)のTgは56℃、Tmは93℃、Mpは4300、酸価は35、水酸基価は54、THF不溶解分は0%、b/cは5000ppm、b/c中のトリメリット酸及び/又はトリメリット酸無水物含量は100%、分子量500以下の成分の含有量は9%であった。
[ポリエステル樹脂(AL3)の合成]
反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物599部(11.5モル)、ビスフェノールA・PO3モル付加物150部(2.5モル)、テレフタル酸174部(7.0モル)、イソフタル酸25部(1.0モル)、アジピン酸44部(2.0モル)、及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら5時間反応させ、次いで0.5〜2.5kPaの減圧下で反応させ、酸価が2以下になった時点で170℃まで冷却した。その後、無水トリメリット酸60部(2.1モル)を仕込み、170℃で1時間保持した後、取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(AL3)とする。
ポリエステル樹脂(AL3)のTgは56℃、Tmは93℃、Mpは4300、酸価は35、水酸基価は54、THF不溶解分は0%、b/cは5000ppm、b/c中のトリメリット酸及び/又はトリメリット酸無水物含量は100%、分子量500以下の成分の含有量は9%であった。
製造例5
[ポリエステル樹脂(AL4)の合成]
反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物430部(8.0モル)、ビスフェノールA・PO3モル付加物341部(5.5モル)、テレフタル酸231部(9.0モル)、イソフタル酸13部(0.5モル)、アジピン酸11部(0.5モル)、及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら5時間反応させ、次いで0.5〜2.5kPaの減圧下で反応させ、酸価が2以下になった時点で175℃まで冷却した。その後、無水トリメリット酸17部(0.6モル)、及び無水ピロメリット酸10部(0.3モル)を仕込み、175℃で1時間保持した後、取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(AL4)とする。
ポリエステル樹脂(AL4)のTgは56℃、Tmは91℃、Mpは4800、酸価は15、水酸基価は53、THF不溶解分は0%、b/cは1000ppm、b/c中のトリメリット酸及び/又はトリメリット酸無水物含量は70%、分子量500以下の成分の含有量は5%であった。
[ポリエステル樹脂(AL4)の合成]
反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物430部(8.0モル)、ビスフェノールA・PO3モル付加物341部(5.5モル)、テレフタル酸231部(9.0モル)、イソフタル酸13部(0.5モル)、アジピン酸11部(0.5モル)、及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら5時間反応させ、次いで0.5〜2.5kPaの減圧下で反応させ、酸価が2以下になった時点で175℃まで冷却した。その後、無水トリメリット酸17部(0.6モル)、及び無水ピロメリット酸10部(0.3モル)を仕込み、175℃で1時間保持した後、取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(AL4)とする。
ポリエステル樹脂(AL4)のTgは56℃、Tmは91℃、Mpは4800、酸価は15、水酸基価は53、THF不溶解分は0%、b/cは1000ppm、b/c中のトリメリット酸及び/又はトリメリット酸無水物含量は70%、分子量500以下の成分の含有量は5%であった。
製造例6
[ポリエステル樹脂(AL5)の合成]
反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物429部(8.0モル)、ビスフェノールA・PO3モル付加物341部(5.5モル)、テレフタル酸230部(9.0モル)、イソフタル酸13部(0.5モル)、アジピン酸11部(0.5モル)、及び縮合触媒としてチタンジイソプロポキシビストリエタノールアミネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら5時間反応させ、次いで0.5〜2.5kPaの減圧下で反応させ、酸価が2以下になった時点で175℃まで冷却した。その後、無水ピロメリット酸29部(0.9モル)を仕込み、175℃で1時間保持した後、取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(AL5)とする。
ポリエステル樹脂(AL5)のTgは56℃、Tmは92℃、Mpは4700、酸価は15、水酸基価は48、THF不溶解分は0%、b/cは1000ppm、b/c中のトリメリット酸及び/又はトリメリット酸無水物含量は0%、分子量500以下の成分の含有量は5%であった。
[ポリエステル樹脂(AL5)の合成]
反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物429部(8.0モル)、ビスフェノールA・PO3モル付加物341部(5.5モル)、テレフタル酸230部(9.0モル)、イソフタル酸13部(0.5モル)、アジピン酸11部(0.5モル)、及び縮合触媒としてチタンジイソプロポキシビストリエタノールアミネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら5時間反応させ、次いで0.5〜2.5kPaの減圧下で反応させ、酸価が2以下になった時点で175℃まで冷却した。その後、無水ピロメリット酸29部(0.9モル)を仕込み、175℃で1時間保持した後、取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(AL5)とする。
ポリエステル樹脂(AL5)のTgは56℃、Tmは92℃、Mpは4700、酸価は15、水酸基価は48、THF不溶解分は0%、b/cは1000ppm、b/c中のトリメリット酸及び/又はトリメリット酸無水物含量は0%、分子量500以下の成分の含有量は5%であった。
製造例7
[ポリエステル樹脂(AL6)の合成]
反応槽中に、1,2−プロピレングリコール(以下、単にプロピレングリコールと記載する)694部(20.0モル)、テレフタル酸ジメチルエステル753部(8.5モル)、イソフタル酸38部(0.5モル)、アジピン酸67部(1.0モル)、及び縮合触媒としてチタン酸テトライソプロポキシド3部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成するメタノールを留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに0.5〜2.5kPaの減圧下で2時間反応させた。回収されたプロピレングリコールは308部(8.9モル)であった。その後、175℃まで冷却し、無水トリメリット酸26部(0.3モル)を仕込み、175℃で1時間保持した後、取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(AL6)とする。
ポリエステル樹脂(AL6)のTgは60℃、Tmは100℃、Mpは5000、酸価は15、水酸基価は55、THF不溶解分は0%、b/cは1000ppm、b/c中のトリメリット酸及び/又はトリメリット酸無水物含量は100%、分子量500以下の成分の含有量は3%であった。
[ポリエステル樹脂(AL6)の合成]
反応槽中に、1,2−プロピレングリコール(以下、単にプロピレングリコールと記載する)694部(20.0モル)、テレフタル酸ジメチルエステル753部(8.5モル)、イソフタル酸38部(0.5モル)、アジピン酸67部(1.0モル)、及び縮合触媒としてチタン酸テトライソプロポキシド3部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成するメタノールを留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに0.5〜2.5kPaの減圧下で2時間反応させた。回収されたプロピレングリコールは308部(8.9モル)であった。その後、175℃まで冷却し、無水トリメリット酸26部(0.3モル)を仕込み、175℃で1時間保持した後、取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(AL6)とする。
ポリエステル樹脂(AL6)のTgは60℃、Tmは100℃、Mpは5000、酸価は15、水酸基価は55、THF不溶解分は0%、b/cは1000ppm、b/c中のトリメリット酸及び/又はトリメリット酸無水物含量は100%、分子量500以下の成分の含有量は3%であった。
製造例8
[ポリエステル樹脂(AL7)の合成]
反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物570部(9.3モル)、ビスフェノールA・PO3モル付加物177部(2.5モル)、テレフタル酸278部(9.5モル)、フマル酸10部(0.5モル)、及び縮合触媒としてチタンジイソプロポキシビストリエタノールアミネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら5時間反応させ、次いで0.5〜2.5kPaの減圧下で反応させ、酸価が2以下になった時点で175℃まで冷却した。その後、無水トリメリット酸26部(0.8モル)を仕込み、175℃で1時間保持した後、取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(AL7)とする。
ポリエステル樹脂(AL7)のTgは65℃、Tmは113℃、Mpは6800、酸価は15、水酸基価は30、THF不溶解分は0%、b/cは1200ppm、b/c中のトリメリット酸及び/又はトリメリット酸無水物含量は100%、分子量500以下の成分の含有量は3%であった。
[ポリエステル樹脂(AL7)の合成]
反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物570部(9.3モル)、ビスフェノールA・PO3モル付加物177部(2.5モル)、テレフタル酸278部(9.5モル)、フマル酸10部(0.5モル)、及び縮合触媒としてチタンジイソプロポキシビストリエタノールアミネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら5時間反応させ、次いで0.5〜2.5kPaの減圧下で反応させ、酸価が2以下になった時点で175℃まで冷却した。その後、無水トリメリット酸26部(0.8モル)を仕込み、175℃で1時間保持した後、取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(AL7)とする。
ポリエステル樹脂(AL7)のTgは65℃、Tmは113℃、Mpは6800、酸価は15、水酸基価は30、THF不溶解分は0%、b/cは1200ppm、b/c中のトリメリット酸及び/又はトリメリット酸無水物含量は100%、分子量500以下の成分の含有量は3%であった。
製造例9
[ポリエステル樹脂(AL8)の合成]
反応槽中に、エチレングリコール601部(20.0モル)、テレフタル酸ジメチルエステル470部(5.0モル)、イソフタル酸402部(5.0モル)、及び縮合触媒としてチタン酸テトライソプロポキシド3部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成するメタノールを留去しながら6時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するエチレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに0.5〜2.5kPaの減圧下で2時間反応させた。回収されたエチレングリコールは277部(9.2モル)であった。その後、175℃まで冷却し、無水トリメリット酸43部(0.5モル)を仕込み、175℃で1時間保持した後、取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(AL8)とする。
ポリエステル樹脂(AL8)のTgは57℃、Tmは104℃、Mpは5800、酸価は25、水酸基価は32、THF不溶解分は0%、b/cは2300ppm、b/c中のトリメリット酸及び/又はトリメリット酸無水物含量は100%、分子量500以下の成分の含有量は2%であった。
[ポリエステル樹脂(AL8)の合成]
反応槽中に、エチレングリコール601部(20.0モル)、テレフタル酸ジメチルエステル470部(5.0モル)、イソフタル酸402部(5.0モル)、及び縮合触媒としてチタン酸テトライソプロポキシド3部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成するメタノールを留去しながら6時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するエチレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに0.5〜2.5kPaの減圧下で2時間反応させた。回収されたエチレングリコールは277部(9.2モル)であった。その後、175℃まで冷却し、無水トリメリット酸43部(0.5モル)を仕込み、175℃で1時間保持した後、取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(AL8)とする。
ポリエステル樹脂(AL8)のTgは57℃、Tmは104℃、Mpは5800、酸価は25、水酸基価は32、THF不溶解分は0%、b/cは2300ppm、b/c中のトリメリット酸及び/又はトリメリット酸無水物含量は100%、分子量500以下の成分の含有量は2%であった。
製造例10
[ポリエステル樹脂(AL9)の合成]
反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物630部(11.0モル)、ビスフェノールA・PO3モル付加物66部(1.0モル)、ビスフェノールA・EO2モル付加物81部(1.5モル)、テレフタル酸246部(9.0モル)、イソフタル酸14部(0.5モル)、アジピン酸12部(0.5モル)、及び縮合触媒としてチタンジイソプロポキシビストリエタノールアミネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら5時間反応させ、次いで0.5〜2.5kPaの減圧下で反応させ、酸価が2以下になった時点で180℃まで冷却した。無水トリメリット酸9部(0.3モル)を仕込み、180℃で2時間保持し、次いで140℃まで冷却した。無水トリメリット酸6部(0.2モル)を仕込み、140℃で30分間保持した後、取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(AL9)とする。
ポリエステル樹脂(AL9)のTgは60℃、Tmは97℃、Mpは4800、酸価は5、水酸基価は62、THF不溶解分は0%、b/cは6000ppm、b/c中のトリメリット酸及び/又はトリメリット酸無水物含量は100%、分子量500以下の成分の含有量は7%であった。
[ポリエステル樹脂(AL9)の合成]
反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物630部(11.0モル)、ビスフェノールA・PO3モル付加物66部(1.0モル)、ビスフェノールA・EO2モル付加物81部(1.5モル)、テレフタル酸246部(9.0モル)、イソフタル酸14部(0.5モル)、アジピン酸12部(0.5モル)、及び縮合触媒としてチタンジイソプロポキシビストリエタノールアミネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら5時間反応させ、次いで0.5〜2.5kPaの減圧下で反応させ、酸価が2以下になった時点で180℃まで冷却した。無水トリメリット酸9部(0.3モル)を仕込み、180℃で2時間保持し、次いで140℃まで冷却した。無水トリメリット酸6部(0.2モル)を仕込み、140℃で30分間保持した後、取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(AL9)とする。
ポリエステル樹脂(AL9)のTgは60℃、Tmは97℃、Mpは4800、酸価は5、水酸基価は62、THF不溶解分は0%、b/cは6000ppm、b/c中のトリメリット酸及び/又はトリメリット酸無水物含量は100%、分子量500以下の成分の含有量は7%であった。
製造例11
[ポリエステル樹脂(AL10)の合成]
無水トリメリット酸26部(0.9モル)を仕込み後、175℃で1時間保持する代わりに165℃で20分間保持した以外は製造例2と同様にして、ポリエステル樹脂(AL10)を得た。
ポリエステル樹脂(AL10)のTgは55℃、Tmは90℃、Mpは4700、酸価は15、水酸基価は55、THF不溶解分は0%、b/cは4000ppm、b/c中のトリメリット酸及び/又はトリメリット酸無水物含量は100%、分子量500以下の成分の含有量は8%であった。
[ポリエステル樹脂(AL10)の合成]
無水トリメリット酸26部(0.9モル)を仕込み後、175℃で1時間保持する代わりに165℃で20分間保持した以外は製造例2と同様にして、ポリエステル樹脂(AL10)を得た。
ポリエステル樹脂(AL10)のTgは55℃、Tmは90℃、Mpは4700、酸価は15、水酸基価は55、THF不溶解分は0%、b/cは4000ppm、b/c中のトリメリット酸及び/又はトリメリット酸無水物含量は100%、分子量500以下の成分の含有量は8%であった。
製造例12
[ポリエステル樹脂(AH1)の合成]
反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物437部(8.0モル)、ビスフェノールA・PO3モル付加物284部(4.5モル)、テレフタル酸222部(8.5モル)、アジピン酸34部(1.5モル)、及び縮合触媒としてチタンジイソプロポキシビストリエタノールアミネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら5時間反応させ、次いで0.5〜2.5kPaの減圧下で3時間反応させた。その後、210℃で無水トリメリット酸84部(2.8モル)を加え、常圧下で1時間反応させた後、0.5〜5kPaの減圧下で反応させ、軟化点140℃で取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(AH1)とする。
ポリエステル樹脂(AH1)のTgは60℃、Tmは140℃、Mpは11500、酸価は25、水酸基価は2、THF不溶解分は8%、b/cは5000ppm、b/c中のトリメリット酸及び/又はトリメリット酸無水物含量は100%であった。
[ポリエステル樹脂(AH1)の合成]
反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物437部(8.0モル)、ビスフェノールA・PO3モル付加物284部(4.5モル)、テレフタル酸222部(8.5モル)、アジピン酸34部(1.5モル)、及び縮合触媒としてチタンジイソプロポキシビストリエタノールアミネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら5時間反応させ、次いで0.5〜2.5kPaの減圧下で3時間反応させた。その後、210℃で無水トリメリット酸84部(2.8モル)を加え、常圧下で1時間反応させた後、0.5〜5kPaの減圧下で反応させ、軟化点140℃で取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(AH1)とする。
ポリエステル樹脂(AH1)のTgは60℃、Tmは140℃、Mpは11500、酸価は25、水酸基価は2、THF不溶解分は8%、b/cは5000ppm、b/c中のトリメリット酸及び/又はトリメリット酸無水物含量は100%であった。
製造例13
[ポリエステル樹脂(AH2)の合成]
反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物384部(7.0モル)、ビスフェノールA・PO3モル付加物349部(5.5モル)、テレフタル酸236部(9.0モル)、アジピン酸23部(1.0モル)、及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら5時間反応させ、次いで0.5〜2.5kPaの減圧下で3時間反応させた。その後、215℃で無水トリメリット酸55部(1.8モル)、及び無水ピロメリット酸17部(0.5モル)を加え、常圧下で1時間反応させた後、0.5〜5kPaの減圧下で反応させ、軟化点130℃で取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(AH2)とする。
ポリエステル樹脂(AH2)のTgは62℃、Tmは130℃、Mpは16500、酸価は13、水酸基価は2、THF不溶解分は3%、b/cは500ppm、b/c中のトリメリット酸及び/又はトリメリット酸無水物含量は70%であった。
[ポリエステル樹脂(AH2)の合成]
反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物384部(7.0モル)、ビスフェノールA・PO3モル付加物349部(5.5モル)、テレフタル酸236部(9.0モル)、アジピン酸23部(1.0モル)、及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら5時間反応させ、次いで0.5〜2.5kPaの減圧下で3時間反応させた。その後、215℃で無水トリメリット酸55部(1.8モル)、及び無水ピロメリット酸17部(0.5モル)を加え、常圧下で1時間反応させた後、0.5〜5kPaの減圧下で反応させ、軟化点130℃で取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(AH2)とする。
ポリエステル樹脂(AH2)のTgは62℃、Tmは130℃、Mpは16500、酸価は13、水酸基価は2、THF不溶解分は3%、b/cは500ppm、b/c中のトリメリット酸及び/又はトリメリット酸無水物含量は70%であった。
製造例14
[ポリエステル樹脂(AH3)の合成]
反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物393部(7.2モル)、ビスフェノールA・EO2モル付加物308部(6.0モル)、テレフタル酸182部(7.0モル)、イソフタル酸52部(2.0モル)、アジピン酸23部(1.0モル)、及び縮合触媒としてチタン酸テトライソプロポキシド3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら5時間反応させ、次いで0.5〜2.5kPaの減圧下で3時間反応させた。その後、205℃で無水トリメリット酸105部(3.5モル)を加え、常圧下で1時間反応させた後、0.5〜5kPaの減圧下で反応させ、軟化点145℃で取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(AH3)とする。
ポリエステル樹脂(AH3)のTgは58℃、Tmは145℃、Mpは8000、酸価は30、水酸基価は2、THF不溶解分は12%、b/cは10500ppm、b/c中のトリメリット酸及び/又はトリメリット酸無水物含量は100%であった。
[ポリエステル樹脂(AH3)の合成]
反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物393部(7.2モル)、ビスフェノールA・EO2モル付加物308部(6.0モル)、テレフタル酸182部(7.0モル)、イソフタル酸52部(2.0モル)、アジピン酸23部(1.0モル)、及び縮合触媒としてチタン酸テトライソプロポキシド3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら5時間反応させ、次いで0.5〜2.5kPaの減圧下で3時間反応させた。その後、205℃で無水トリメリット酸105部(3.5モル)を加え、常圧下で1時間反応させた後、0.5〜5kPaの減圧下で反応させ、軟化点145℃で取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(AH3)とする。
ポリエステル樹脂(AH3)のTgは58℃、Tmは145℃、Mpは8000、酸価は30、水酸基価は2、THF不溶解分は12%、b/cは10500ppm、b/c中のトリメリット酸及び/又はトリメリット酸無水物含量は100%であった。
製造例15
[ポリエステル樹脂(AH4)の合成]
反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物436部(8.0モル)、ビスフェノールA・PO3モル付加物283部(4.5モル)、テレフタル酸221部(8.5モル)、アジピン酸34部(1.5モル)、及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら5時間反応させ、次いで0.5〜2.5kPaの減圧下で3時間反応させた。その後、210℃で無水トリメリット酸60部(2.0モル)、及び無水ピロメリット酸27部(0.8モル)を加え、常圧下で1時間反応させた後、0.5〜5kPaの減圧下で反応させ、軟化点140℃で取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(AH4)とする。
ポリエステル樹脂(AH4)のTgは61℃、Tmは140℃、Mpは10900、酸価は24、水酸基価は2、THF不溶解分は11%、b/cは4500ppm、b/c中のトリメリット酸及び/又はトリメリット酸無水物含量は70%であった。
[ポリエステル樹脂(AH4)の合成]
反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物436部(8.0モル)、ビスフェノールA・PO3モル付加物283部(4.5モル)、テレフタル酸221部(8.5モル)、アジピン酸34部(1.5モル)、及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら5時間反応させ、次いで0.5〜2.5kPaの減圧下で3時間反応させた。その後、210℃で無水トリメリット酸60部(2.0モル)、及び無水ピロメリット酸27部(0.8モル)を加え、常圧下で1時間反応させた後、0.5〜5kPaの減圧下で反応させ、軟化点140℃で取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(AH4)とする。
ポリエステル樹脂(AH4)のTgは61℃、Tmは140℃、Mpは10900、酸価は24、水酸基価は2、THF不溶解分は11%、b/cは4500ppm、b/c中のトリメリット酸及び/又はトリメリット酸無水物含量は70%であった。
製造例16
[ポリエステル樹脂(AH5)の合成]
反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物432部(8.0モル)、ビスフェノールA・PO3モル付加物281部(4.5モル)、テレフタル酸219部(8.5モル)、アジピン酸34部(1.5モル)、及び縮合触媒としてチタンジイソプロポキシビストリエタノールアミネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら5時間反応させ、次いで0.5〜2.5kPaの減圧下で3時間反応させた。その後、210℃で無水ピロメリット酸95部(2.8モル)を加え、常圧下で1時間反応させた後、0.5〜5kPaの減圧下で反応させ、軟化点143℃で取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(AH5)とする。
ポリエステル樹脂(AH5)のTgは61℃、Tmは143℃、Mpは7500、酸価は24、水酸基価は2、THF不溶解分は18%、b/cは4800ppm、b/c中のトリメリット酸及び/又はトリメリット酸無水物含量は0%であった。
[ポリエステル樹脂(AH5)の合成]
反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物432部(8.0モル)、ビスフェノールA・PO3モル付加物281部(4.5モル)、テレフタル酸219部(8.5モル)、アジピン酸34部(1.5モル)、及び縮合触媒としてチタンジイソプロポキシビストリエタノールアミネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら5時間反応させ、次いで0.5〜2.5kPaの減圧下で3時間反応させた。その後、210℃で無水ピロメリット酸95部(2.8モル)を加え、常圧下で1時間反応させた後、0.5〜5kPaの減圧下で反応させ、軟化点143℃で取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(AH5)とする。
ポリエステル樹脂(AH5)のTgは61℃、Tmは143℃、Mpは7500、酸価は24、水酸基価は2、THF不溶解分は18%、b/cは4800ppm、b/c中のトリメリット酸及び/又はトリメリット酸無水物含量は0%であった。
製造例17
[ポリエステル樹脂(AH6)の合成]
反応槽中に、プロピレングリコール681部(20.0モル)、テレフタル酸ジメチルエステル713部(8.2モル)、イソフタル酸37部(0.5モル)、アジピン酸85部(1.3モル)、及び縮合触媒としてチタン酸テトライソプロポキシド3部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成するメタノールを留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに0.5〜2.5kPaの減圧下に1時間反応させた。回収されたプロピレングリコールは318部(9.4モル)であった。次いで180℃まで冷却し、無水トリメリット酸69部(0.8モル)を加え、常圧密閉下1時間反応後、210℃、0.5〜2.5kPaの減圧下で反応させ、軟化点155℃で取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(AH6)とする。
ポリエステル樹脂(AH6)のTgは63℃、Tmは155℃、Mpは10500、酸価は23、水酸基価は2、THF不溶解分は5%、b/cは700ppm、b/c中のトリメリット酸及び/又はトリメリット酸無水物含量は100%であった。
[ポリエステル樹脂(AH6)の合成]
反応槽中に、プロピレングリコール681部(20.0モル)、テレフタル酸ジメチルエステル713部(8.2モル)、イソフタル酸37部(0.5モル)、アジピン酸85部(1.3モル)、及び縮合触媒としてチタン酸テトライソプロポキシド3部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成するメタノールを留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに0.5〜2.5kPaの減圧下に1時間反応させた。回収されたプロピレングリコールは318部(9.4モル)であった。次いで180℃まで冷却し、無水トリメリット酸69部(0.8モル)を加え、常圧密閉下1時間反応後、210℃、0.5〜2.5kPaの減圧下で反応させ、軟化点155℃で取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(AH6)とする。
ポリエステル樹脂(AH6)のTgは63℃、Tmは155℃、Mpは10500、酸価は23、水酸基価は2、THF不溶解分は5%、b/cは700ppm、b/c中のトリメリット酸及び/又はトリメリット酸無水物含量は100%であった。
製造例18
[ポリエステル樹脂(AH7)の合成]
反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物543部(9.0モル)、ビスフェノールA・PO3モル付加物70部(1.0モル)、ビスフェノールA・EO2モル付加物57部(1.0モル)、1,4−ブタンジオール23部(1.5モル)、テレフタル酸245部(8.5モル)、イソフタル酸29部(1.0モル)、アジピン酸13部(0.5モル)、及び縮合触媒としてチタンジイソプロポキシビストリエタノールアミネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら5時間反応させ、次いで0.5〜2.5kPaの減圧下で3時間反応させた。その後、210℃で無水トリメリット酸90部(2.7モル)を加え、常圧下で1時間反応させた後、0.5〜5kPaの減圧下で反応させ、軟化点142℃で取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(AH7)とする。
ポリエステル樹脂(AH7)のTgは61℃、Tmは142℃、Mpは12000、酸価は25、水酸基価は2、THF不溶解分は6%、b/cは4500ppm、b/c中のトリメリット酸及び/又はトリメリット酸無水物含量は100%であった。
[ポリエステル樹脂(AH7)の合成]
反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物543部(9.0モル)、ビスフェノールA・PO3モル付加物70部(1.0モル)、ビスフェノールA・EO2モル付加物57部(1.0モル)、1,4−ブタンジオール23部(1.5モル)、テレフタル酸245部(8.5モル)、イソフタル酸29部(1.0モル)、アジピン酸13部(0.5モル)、及び縮合触媒としてチタンジイソプロポキシビストリエタノールアミネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら5時間反応させ、次いで0.5〜2.5kPaの減圧下で3時間反応させた。その後、210℃で無水トリメリット酸90部(2.7モル)を加え、常圧下で1時間反応させた後、0.5〜5kPaの減圧下で反応させ、軟化点142℃で取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(AH7)とする。
ポリエステル樹脂(AH7)のTgは61℃、Tmは142℃、Mpは12000、酸価は25、水酸基価は2、THF不溶解分は6%、b/cは4500ppm、b/c中のトリメリット酸及び/又はトリメリット酸無水物含量は100%であった。
製造例19
[ポリエステル樹脂(AH8)の合成]
反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物373部(7.5モル)、ビスフェノールA・PO3モル付加物259部(4.5モル)、ビスフェノールA・EO2モル付加物94部(2.0モル)、テレフタル酸214部(9.0モル)、イソフタル酸12部(0.5モル)、フマル酸8部(0.5モル)、及び縮合触媒としてチタンジイソプロポキシビストリエタノールアミネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら5時間反応させ、次いで0.5〜2.5kPaの減圧下で3時間反応させた。その後、210℃で無水トリメリット酸96部(3.5モル)を加え、常圧下で1時間反応させた後、0.5〜5kPaの減圧下で反応させ、軟化点138℃で取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(AH8)とする。
ポリエステル樹脂(AH8)のTgは58℃、Tmは138℃、Mpは5500、酸価は35、水酸基価は22、THF不溶解分は25%、b/cは3000ppm、b/c中のトリメリット酸及び/又はトリメリット酸無水物含量は100%であった。
[ポリエステル樹脂(AH8)の合成]
反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物373部(7.5モル)、ビスフェノールA・PO3モル付加物259部(4.5モル)、ビスフェノールA・EO2モル付加物94部(2.0モル)、テレフタル酸214部(9.0モル)、イソフタル酸12部(0.5モル)、フマル酸8部(0.5モル)、及び縮合触媒としてチタンジイソプロポキシビストリエタノールアミネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら5時間反応させ、次いで0.5〜2.5kPaの減圧下で3時間反応させた。その後、210℃で無水トリメリット酸96部(3.5モル)を加え、常圧下で1時間反応させた後、0.5〜5kPaの減圧下で反応させ、軟化点138℃で取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(AH8)とする。
ポリエステル樹脂(AH8)のTgは58℃、Tmは138℃、Mpは5500、酸価は35、水酸基価は22、THF不溶解分は25%、b/cは3000ppm、b/c中のトリメリット酸及び/又はトリメリット酸無水物含量は100%であった。
製造例20
[ポリエステル樹脂(AH9)の合成]
反応槽中に、エチレングリコール707部(25.0モル)、テレフタル酸ジメチルエステル531部(6.0モル)、イソフタル酸265部(3.5モル)、アジピン酸33部(0.5モル)、無水トリメリット酸88部(1.0モル)、及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成するメタノールを留去しながら5時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するエチレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに0.5〜2.5kPaの減圧下で反応させ、軟化点158℃で取り出した。回収されたエチレングリコールは376部(13.3モル)であった。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(AH9)とする。
ポリエステル樹脂(AH9)のTgは59℃、Tmは158℃、Mpは8800、酸価は19、水酸基価は10、THF不溶解分は14%、b/cは300ppm、b/c中のトリメリット酸及び/又はトリメリット酸無水物含量は100%であった。
[ポリエステル樹脂(AH9)の合成]
反応槽中に、エチレングリコール707部(25.0モル)、テレフタル酸ジメチルエステル531部(6.0モル)、イソフタル酸265部(3.5モル)、アジピン酸33部(0.5モル)、無水トリメリット酸88部(1.0モル)、及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成するメタノールを留去しながら5時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するエチレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに0.5〜2.5kPaの減圧下で反応させ、軟化点158℃で取り出した。回収されたエチレングリコールは376部(13.3モル)であった。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(AH9)とする。
ポリエステル樹脂(AH9)のTgは59℃、Tmは158℃、Mpは8800、酸価は19、水酸基価は10、THF不溶解分は14%、b/cは300ppm、b/c中のトリメリット酸及び/又はトリメリット酸無水物含量は100%であった。
製造例21
[ポリエステル樹脂(AH10)の合成]
反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物496部(9.0モル)、ビスフェノールA・PO3モル付加物223部(3.5モル)、テレフタル酸223部(8.5モル)、アジピン酸35部(1.5モル)、及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら5時間反応させ、次いで0.5〜2.5kPaの減圧下で3時間反応させた。その後、225℃で無水トリメリット酸85部(2.8モル)を加え、常圧下で1時間反応させた後、0.5〜5kPaの減圧下で反応させ、軟化点が141℃になった時点で140℃まで冷却した。無水トリメリット酸6部(0.2モル)を仕込み、140℃で30分間保持した後、取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(AH10)とする。
ポリエステル樹脂(AH10)のTgは62℃、Tmは141℃、Mpは10800、酸価は24、水酸基価は2、THF不溶解分は10%、b/cは5500ppm、b/c中のトリメリット酸及び/又はトリメリット酸無水物含量は100%であった。
[ポリエステル樹脂(AH10)の合成]
反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物496部(9.0モル)、ビスフェノールA・PO3モル付加物223部(3.5モル)、テレフタル酸223部(8.5モル)、アジピン酸35部(1.5モル)、及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら5時間反応させ、次いで0.5〜2.5kPaの減圧下で3時間反応させた。その後、225℃で無水トリメリット酸85部(2.8モル)を加え、常圧下で1時間反応させた後、0.5〜5kPaの減圧下で反応させ、軟化点が141℃になった時点で140℃まで冷却した。無水トリメリット酸6部(0.2モル)を仕込み、140℃で30分間保持した後、取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(AH10)とする。
ポリエステル樹脂(AH10)のTgは62℃、Tmは141℃、Mpは10800、酸価は24、水酸基価は2、THF不溶解分は10%、b/cは5500ppm、b/c中のトリメリット酸及び/又はトリメリット酸無水物含量は100%であった。
比較製造例1
[ポリエステル樹脂(RAL1)の合成]
反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物630部(11.0モル)、ビスフェノールA・PO3モル付加物66部(1.0モル)、ビスフェノールA・EO2モル付加物81部(1.5モル)、テレフタル酸246部(9.0モル)、イソフタル酸14部(0.5モル)、アジピン酸12部(0.5モル)、及び縮合触媒としてチタンジイソプロポキシビストリエタノールアミネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら5時間反応させ、次いで0.5〜2.5kPaの減圧下で反応させ、酸価が2以下になった時点で180℃まで冷却した。その後、無水トリメリット酸9部(0.3モル)を仕込み、180℃で2時間保持した後、取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(RAL1)とする。
ポリエステル樹脂(RAL1)のTgは60℃、Tmは96℃、Mpは4800、酸価は5、水酸基価は63、THF不溶解分は0%、b/cは150ppm、b/c中のトリメリット酸及び/又はトリメリット酸無水物含量は100%、分子量500以下の成分の含有量は6%であった。
[ポリエステル樹脂(RAL1)の合成]
反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物630部(11.0モル)、ビスフェノールA・PO3モル付加物66部(1.0モル)、ビスフェノールA・EO2モル付加物81部(1.5モル)、テレフタル酸246部(9.0モル)、イソフタル酸14部(0.5モル)、アジピン酸12部(0.5モル)、及び縮合触媒としてチタンジイソプロポキシビストリエタノールアミネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら5時間反応させ、次いで0.5〜2.5kPaの減圧下で反応させ、酸価が2以下になった時点で180℃まで冷却した。その後、無水トリメリット酸9部(0.3モル)を仕込み、180℃で2時間保持した後、取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(RAL1)とする。
ポリエステル樹脂(RAL1)のTgは60℃、Tmは96℃、Mpは4800、酸価は5、水酸基価は63、THF不溶解分は0%、b/cは150ppm、b/c中のトリメリット酸及び/又はトリメリット酸無水物含量は100%、分子量500以下の成分の含有量は6%であった。
比較製造例2
[ポリエステル樹脂(RAL2)の合成]
反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物488部(9.0モル)、ビスフェノールA・PO3モル付加物282部(4.5モル)、テレフタル酸233部(9.0モル)、イソフタル酸13部(0.5モル)、アジピン酸11部(0.5モル)、及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら5時間反応させ、次いで0.5〜2.5kPaの減圧下で反応させ、酸価が2以下になった時点で165℃まで冷却した。その後、無水トリメリット酸26部(0.9モル)を仕込み、165℃で1時間保持した後、取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(RAL2)とする。
ポリエステル樹脂(RAL2)のTgは58℃、Tmは95℃、Mpは4800、酸価は15、水酸基価は54、THF不溶解分は0%、b/cは7000ppm、b/c中のトリメリット酸及び/又はトリメリット酸無水物含量は100%、分子量500以下の成分の含有量は7%であった。
[ポリエステル樹脂(RAL2)の合成]
反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物488部(9.0モル)、ビスフェノールA・PO3モル付加物282部(4.5モル)、テレフタル酸233部(9.0モル)、イソフタル酸13部(0.5モル)、アジピン酸11部(0.5モル)、及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら5時間反応させ、次いで0.5〜2.5kPaの減圧下で反応させ、酸価が2以下になった時点で165℃まで冷却した。その後、無水トリメリット酸26部(0.9モル)を仕込み、165℃で1時間保持した後、取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(RAL2)とする。
ポリエステル樹脂(RAL2)のTgは58℃、Tmは95℃、Mpは4800、酸価は15、水酸基価は54、THF不溶解分は0%、b/cは7000ppm、b/c中のトリメリット酸及び/又はトリメリット酸無水物含量は100%、分子量500以下の成分の含有量は7%であった。
比較製造例3
[ポリエステル樹脂(RAL3)の合成]
反応槽中に、ビスフェノールA・EO2モル付加物726部(13.0モル)、テレフタル酸285部(10.0モル)、及び縮合触媒としてジブチルスズオキシド3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら10時間反応させ、次いで0.5〜2.5kPaの減圧下で反応させ、酸価が2以下になった時点で180℃まで冷却した。その後、無水トリメリット酸48部(1.5モル)を仕込み、180℃で2時間保持した後、取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(RAL3)とする。
ポリエステル樹脂(RAL3)のTgは60℃、Tmは93℃、Mpは5800、酸価は26、水酸基価は42、THF不溶解分は0%、b/cは150ppm、b/c中のトリメリット酸及び/又はトリメリット酸無水物含量は100%、分子量500以下の成分の含有量は4%であった。
[ポリエステル樹脂(RAL3)の合成]
反応槽中に、ビスフェノールA・EO2モル付加物726部(13.0モル)、テレフタル酸285部(10.0モル)、及び縮合触媒としてジブチルスズオキシド3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら10時間反応させ、次いで0.5〜2.5kPaの減圧下で反応させ、酸価が2以下になった時点で180℃まで冷却した。その後、無水トリメリット酸48部(1.5モル)を仕込み、180℃で2時間保持した後、取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(RAL3)とする。
ポリエステル樹脂(RAL3)のTgは60℃、Tmは93℃、Mpは5800、酸価は26、水酸基価は42、THF不溶解分は0%、b/cは150ppm、b/c中のトリメリット酸及び/又はトリメリット酸無水物含量は100%、分子量500以下の成分の含有量は4%であった。
比較製造例4
[ポリエステル樹脂(RAH1)の合成]
反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物496部(9.0モル)、ビスフェノールA・PO3モル付加物223部(3.5モル)、テレフタル酸223部(8.5モル)、アジピン酸35部(1.5モル)、及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら5時間反応させ、次いで0.5〜2.5kPaの減圧下で3時間反応させた。その後、225℃で無水トリメリット酸85部(2.8モル)を加え、常圧下で1時間反応させた後、0.5〜5kPaの減圧下で反応させ、軟化点142℃で取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(RAH1)とする。
ポリエステル樹脂(RAH1)のTgは62℃、Tmは142℃、Mpは11000、酸価は24、水酸基価は1、THF不溶解分は10%、b/cは150ppm、b/c中のトリメリット酸及び/又はトリメリット酸無水物含量は100%であった。
[ポリエステル樹脂(RAH1)の合成]
反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物496部(9.0モル)、ビスフェノールA・PO3モル付加物223部(3.5モル)、テレフタル酸223部(8.5モル)、アジピン酸35部(1.5モル)、及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら5時間反応させ、次いで0.5〜2.5kPaの減圧下で3時間反応させた。その後、225℃で無水トリメリット酸85部(2.8モル)を加え、常圧下で1時間反応させた後、0.5〜5kPaの減圧下で反応させ、軟化点142℃で取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(RAH1)とする。
ポリエステル樹脂(RAH1)のTgは62℃、Tmは142℃、Mpは11000、酸価は24、水酸基価は1、THF不溶解分は10%、b/cは150ppm、b/c中のトリメリット酸及び/又はトリメリット酸無水物含量は100%であった。
比較製造例5
[ポリエステル樹脂(RAH2)の合成]
反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物439部(8.2モル)、ビスフェノールA・PO3モル付加物62部(1.0モル)、ビスフェノールA・EO2モル付加物201部(4.0モル)、テレフタル酸179部(7.0モル)、イソフタル酸51部(2.0モル)、アジピン酸23部(1.0モル)、及び縮合触媒としてチタンジイソプロポキシビストリエタノールアミネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら5時間反応させ、次いで0.5〜2.5kPaの減圧下で3時間反応させた。その後、200℃で無水トリメリット酸83部(2.8モル)、及び無水ピロメリット酸24部(0.7モル)を加え、常圧下で1時間反応させた後、0.5〜5kPaの減圧下で反応させ、軟化点143℃で取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(RAH2)とする。
ポリエステル樹脂(RAH2)のTgは59℃、Tmは143℃、Mpは7000、酸価は35、水酸基価は6、THF不溶解分は15%、b/cは15000ppm、b/c中のトリメリット酸及び/又はトリメリット酸無水物含量は85%であった。
[ポリエステル樹脂(RAH2)の合成]
反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物439部(8.2モル)、ビスフェノールA・PO3モル付加物62部(1.0モル)、ビスフェノールA・EO2モル付加物201部(4.0モル)、テレフタル酸179部(7.0モル)、イソフタル酸51部(2.0モル)、アジピン酸23部(1.0モル)、及び縮合触媒としてチタンジイソプロポキシビストリエタノールアミネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら5時間反応させ、次いで0.5〜2.5kPaの減圧下で3時間反応させた。その後、200℃で無水トリメリット酸83部(2.8モル)、及び無水ピロメリット酸24部(0.7モル)を加え、常圧下で1時間反応させた後、0.5〜5kPaの減圧下で反応させ、軟化点143℃で取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(RAH2)とする。
ポリエステル樹脂(RAH2)のTgは59℃、Tmは143℃、Mpは7000、酸価は35、水酸基価は6、THF不溶解分は15%、b/cは15000ppm、b/c中のトリメリット酸及び/又はトリメリット酸無水物含量は85%であった。
比較製造例6
[ポリエステル樹脂(RAH3)の合成]
反応槽中に、ビスフェノールA・EO2モル付加物721部(10.4モル)、テレフタル酸353部(10.0モル)、及び縮合触媒としてジブチルスズオキシド3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら10時間反応させ、次いで0.5〜2.5kPaの減圧下で反応させ、軟化点128℃で取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(RAH3)とする。
ポリエステル樹脂(RAH3)のTgは71℃、Tmは128℃、Mpは27000、酸価は1、水酸基価は6、THF不溶解分は0%、b/cは0ppmであった。
[ポリエステル樹脂(RAH3)の合成]
反応槽中に、ビスフェノールA・EO2モル付加物721部(10.4モル)、テレフタル酸353部(10.0モル)、及び縮合触媒としてジブチルスズオキシド3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら10時間反応させ、次いで0.5〜2.5kPaの減圧下で反応させ、軟化点128℃で取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(RAH3)とする。
ポリエステル樹脂(RAH3)のTgは71℃、Tmは128℃、Mpは27000、酸価は1、水酸基価は6、THF不溶解分は0%、b/cは0ppmであった。
<実施例1〜14>、<比較例1〜3>
製造例で得られたポリエステル樹脂(A1)、(AL1)〜(AL10)、(AH1)〜(AH10)、及び比較製造例で得られたポリエステル樹脂(RAL1)〜(RAL3)、(RAH1)〜(RAH3)を、表1の配合比(部)に従い、本発明のトナー用ポリエステル樹脂及び比較のトナー用ポリエステル樹脂を得て、下記の方法でトナー化した。(カーボンブラックMA−100[三菱化学(株)製]、カルナバワックス、荷電制御剤T−77[保土谷化学(製)])
まず、ヘンシェルミキサー[日本コークス工業(株)製 FM10B]を用いて予備混合した後、二軸混練機[(株)池貝製 PCM−30]にて、シリンダ設定温度120±5℃、軸回転数200rpm、供給量5kg/hrで溶融混練した後、室温まで冷却して混練物を得た。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製 MDS−I]で分級し、粒径D50が8μmのトナー粒子を得た。ついで、トナー粒子100部にコロイダルシリカ(アエロジルR972:日本アエロジル製)0.5部をサンプルミルにて混合して、本発明のトナー組成物(T−1)〜(T−14)、及び比較用のトナー組成物(RT−1)〜(RT−3)を得た。
なお、ポリエステル樹脂(A)中の、未反応の、3官能以上の芳香族ポリカルボン酸、3官能以上の芳香族ポリカルボン酸無水物、及び3官能以上の芳香族ポリカルボン酸の低級アルキル(炭素数1〜4)エステルから選ばれる1種以上(b)の含有量、並びに(b)中のトリメリット酸及び/又はトリメリット酸無水物の含有量[いずれも(AL)と(AH)の配合比からの計算値]も、表1に示した。
前記方法で測定した上記トナー組成物のTg、Tmと、下記評価方法で、最低定着温度(MFT)、ホットオフセット発生温度(HOT)、顔料分散性、耐久性、帯電安定性、及び連続複写時の画質安定性を評価した評価結果を表2に示す。表中の定着幅は、定着幅(℃)=HOT(℃)−MFT(℃)で算出され、値が大きければ大きいほど、低温定着性と耐ホットオフセット性のバランスが良いことを意味する。
製造例で得られたポリエステル樹脂(A1)、(AL1)〜(AL10)、(AH1)〜(AH10)、及び比較製造例で得られたポリエステル樹脂(RAL1)〜(RAL3)、(RAH1)〜(RAH3)を、表1の配合比(部)に従い、本発明のトナー用ポリエステル樹脂及び比較のトナー用ポリエステル樹脂を得て、下記の方法でトナー化した。(カーボンブラックMA−100[三菱化学(株)製]、カルナバワックス、荷電制御剤T−77[保土谷化学(製)])
まず、ヘンシェルミキサー[日本コークス工業(株)製 FM10B]を用いて予備混合した後、二軸混練機[(株)池貝製 PCM−30]にて、シリンダ設定温度120±5℃、軸回転数200rpm、供給量5kg/hrで溶融混練した後、室温まで冷却して混練物を得た。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製 MDS−I]で分級し、粒径D50が8μmのトナー粒子を得た。ついで、トナー粒子100部にコロイダルシリカ(アエロジルR972:日本アエロジル製)0.5部をサンプルミルにて混合して、本発明のトナー組成物(T−1)〜(T−14)、及び比較用のトナー組成物(RT−1)〜(RT−3)を得た。
なお、ポリエステル樹脂(A)中の、未反応の、3官能以上の芳香族ポリカルボン酸、3官能以上の芳香族ポリカルボン酸無水物、及び3官能以上の芳香族ポリカルボン酸の低級アルキル(炭素数1〜4)エステルから選ばれる1種以上(b)の含有量、並びに(b)中のトリメリット酸及び/又はトリメリット酸無水物の含有量[いずれも(AL)と(AH)の配合比からの計算値]も、表1に示した。
前記方法で測定した上記トナー組成物のTg、Tmと、下記評価方法で、最低定着温度(MFT)、ホットオフセット発生温度(HOT)、顔料分散性、耐久性、帯電安定性、及び連続複写時の画質安定性を評価した評価結果を表2に示す。表中の定着幅は、定着幅(℃)=HOT(℃)−MFT(℃)で算出され、値が大きければ大きいほど、低温定着性と耐ホットオフセット性のバランスが良いことを意味する。
[評価方法]
〔1〕最低定着温度(MFT)
上記のトナー組成物を用いて、市販複写機(AR5030;シャープ製)を用いて現像した未定着画像を、市販複写機(AR5030;シャープ製)の定着機を用いて評価した。定着画像をパットで擦った後の、マクベス反射濃度計RD−191(マクベス社製)を用いて測定した画像濃度の残存率が70%以上となる定着ロール温度をもって最低定着温度とした。
〔2〕ホットオフセット発生温度(HOT)
上記MFTと同様に定着評価し、定着画像へのホットオフセットの有無を目視評価した。ホットオフセットが発生した定着ロール温度をもってホットオフセット発生温度とした。
〔3〕顔料分散性
トナー組成物をスライドグラス上に溶融成形しフィルム状にした。光学顕微鏡にて、このフィルム状のトナーを倍率400倍で観察し、顔料凝集物の有無を目視判定した。
評価基準
○:凝集物なし
△:わずかに凝集物あり
×:凝集物が多数あり
〔4〕耐久性
トナー組成物を市販のプリンターLP−1400(エプソン製)用のカートリッジに充填し、同機を用いべた画像を1000枚連続印刷し、1000枚後の画像を目視で判定した。
評価基準
○:スジ・ムラなし
△:わずかにスジ・ムラがある
×:スジ・ムラがある
〔5〕帯電安定性
トナー組成物0.5gとフェライトキャリア(パウダーテック社製、F−150)20gとを50mlのガラス瓶に入れ、これを23℃、50%R.H.で8時間以上調湿した後、ターブラーシェーカーミキサーにて50rpm×10及び60分間摩擦攪拌し、それぞれの時間毎に帯電量を測定した。測定にはブローオフ帯電量測定装置[東芝ケミカル(株)製]を用いた。「摩擦時間60分の帯電量/摩擦時間10分の帯電量」を計算し、これを帯電安定性の指標とした。
評価基準
◎:0.8以上
○:0.7以上、0.8未満
△:0.6以上、0.7未満
×:0.6未満
〔6〕画質安定性
トナー組成物30gとフェライトキャリア(パウダーテック社製、f−150)800gを均一に混合し2成分現像剤とした。この現像剤を用いて、市販複写機[AR5030、シャープ(株)製]を用いて現像した未定着画像を、市販フルカラー複写機[LBP−2160、キヤノン(株)製]の定着ユニットを用いてプロセススピード80mm/secで定着した。
評価基準
◎:8000枚連続複写後も画像良好のもの
○:8000枚連続複写後、画質低下がややみられるもの
△:8000枚連続複写後、画質低下が明らかにみられるもの
×:複写初期から画像不良のもの
〔1〕最低定着温度(MFT)
上記のトナー組成物を用いて、市販複写機(AR5030;シャープ製)を用いて現像した未定着画像を、市販複写機(AR5030;シャープ製)の定着機を用いて評価した。定着画像をパットで擦った後の、マクベス反射濃度計RD−191(マクベス社製)を用いて測定した画像濃度の残存率が70%以上となる定着ロール温度をもって最低定着温度とした。
〔2〕ホットオフセット発生温度(HOT)
上記MFTと同様に定着評価し、定着画像へのホットオフセットの有無を目視評価した。ホットオフセットが発生した定着ロール温度をもってホットオフセット発生温度とした。
〔3〕顔料分散性
トナー組成物をスライドグラス上に溶融成形しフィルム状にした。光学顕微鏡にて、このフィルム状のトナーを倍率400倍で観察し、顔料凝集物の有無を目視判定した。
評価基準
○:凝集物なし
△:わずかに凝集物あり
×:凝集物が多数あり
〔4〕耐久性
トナー組成物を市販のプリンターLP−1400(エプソン製)用のカートリッジに充填し、同機を用いべた画像を1000枚連続印刷し、1000枚後の画像を目視で判定した。
評価基準
○:スジ・ムラなし
△:わずかにスジ・ムラがある
×:スジ・ムラがある
〔5〕帯電安定性
トナー組成物0.5gとフェライトキャリア(パウダーテック社製、F−150)20gとを50mlのガラス瓶に入れ、これを23℃、50%R.H.で8時間以上調湿した後、ターブラーシェーカーミキサーにて50rpm×10及び60分間摩擦攪拌し、それぞれの時間毎に帯電量を測定した。測定にはブローオフ帯電量測定装置[東芝ケミカル(株)製]を用いた。「摩擦時間60分の帯電量/摩擦時間10分の帯電量」を計算し、これを帯電安定性の指標とした。
評価基準
◎:0.8以上
○:0.7以上、0.8未満
△:0.6以上、0.7未満
×:0.6未満
〔6〕画質安定性
トナー組成物30gとフェライトキャリア(パウダーテック社製、f−150)800gを均一に混合し2成分現像剤とした。この現像剤を用いて、市販複写機[AR5030、シャープ(株)製]を用いて現像した未定着画像を、市販フルカラー複写機[LBP−2160、キヤノン(株)製]の定着ユニットを用いてプロセススピード80mm/secで定着した。
評価基準
◎:8000枚連続複写後も画像良好のもの
○:8000枚連続複写後、画質低下がややみられるもの
△:8000枚連続複写後、画質低下が明らかにみられるもの
×:複写初期から画像不良のもの
本発明の粉砕トナー用ポリエステル樹脂及びトナー組成物は、低温定着性、耐ホットオフセット性を両立し、トナー中の顔料分散が均一であり、耐久性、帯電の安定性、画質の安定性に優れるので、電子写真、静電記録、静電印刷等に用いる静電荷像現像用トナー及びトナー用ポリエステル樹脂、特にカラー用のトナー及びトナー用ポリエステル樹脂として有用である。
Claims (9)
- ポリオール成分とポリカルボン酸成分が重縮合されてなり、未反応の、3官能以上の芳香族ポリカルボン酸、3官能以上の芳香族ポリカルボン酸無水物、及び3官能以上の芳香族ポリカルボン酸の低級アルキル(炭素数1〜4)エステルから選ばれる1種以上(b)を200〜10000ppm含有するポリエステル樹脂(A)を含有する粉砕トナー用ポリエステル樹脂。
- (b)の70重量%以上がトリメリット酸及び/又はトリメリット酸無水物である請求項1記載の粉砕トナー用ポリエステル樹脂。
- (A)のポリオール成分の70重量%以上が、炭素数2〜6のアルキレングリコール及び/又はビスフェノールAのポリオキシアルキレンエーテル(アルキレン基の炭素数2〜4、オキシアルキレン単位の数2〜5)である請求項1又は2記載の粉砕トナー用ポリエステル樹脂。
- (A)のポリカルボン酸成分の70重量%以上が、芳香族ポリカルボン酸である請求項1〜3のいずれか記載の粉砕トナー用ポリエステル樹脂。
- (A)は、軟化点が10℃以上異なる、ポリエステル樹脂(AL)及びポリエステル樹脂(AH)を少なくとも含有し、(AL)の軟化点が70〜120℃であり、(AH)の軟化点が115〜165℃である請求項1〜4のいずれか記載の粉砕トナー用ポリエステル樹脂。
- (AL)の酸価が0〜50mgKOH/g、(AH)の酸価が0〜50mgKOH/gである請求項5記載の粉砕トナー用ポリエステル樹脂。
- (AL)のピークトップ分子量が2000〜8000、(AH)のピークトップ分子量が4000〜20000である請求項5又は6記載の粉砕トナー用ポリエステル樹脂。
- (AL)の分子量500以下の成分の含有量が2.0〜10.0重量%である請求項5〜7のいずれか記載の粉砕トナー用ポリエステル樹脂。
- 請求項1〜8のいずれか記載の粉砕トナー用ポリエステル樹脂と、着色剤、並びに、必要により離型剤、荷電制御剤、及び流動化剤から選ばれる1種以上の添加剤を含有するトナー組成物。
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