JP5491958B2 - トナーバインダーおよびトナー組成物 - Google Patents

トナーバインダーおよびトナー組成物 Download PDF

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Description

本発明は電子写真、静電記録、静電印刷等に用いられるトナーバインダーおよびトナー組成物に関する。
複写機、プリンター等における画像の定着方式として一般的に採用されている熱定着方式用の電子写真用トナーバインダーは、高い定着温度でもトナーが熱ロールに融着せず(耐ホットオフセット性)、定着温度が低くてもトナーが定着できること(低温定着性)や、高温・多湿という過酷な条件下においても吸湿しにくく、帯電安定性に優れることや、微粒子としての保存安定性(耐ブロッキング性)などが求められる。
近年、複写機・プリンターのカラー化・高速・高信頼性・コンパクト・低コスト・省エネがますます求められている。特に、環境負荷低減(省エネ)の要求から、トナーのさらなる低温定着性と耐ブロッキング性の両立に対する対応が急務である。
これらトナーの定着性能を向上させる目的で、低温度域、高温度域それぞれに特化した非相溶樹脂をマトリックス相とドメイン相として用いることが従来より知られている。また、その非相溶樹脂を相溶化させる相溶化剤を含有させる方法がスチレン系重合体のようなビニル系樹脂において数多く提案されている(特許文献1)。
特開平8−328303号公報
しかし、従来のマトリックス相とドメイン相とからなるトナーは、低温定着性、耐ホットオフセット性および耐ブロッキング性のすべてを十分に満たすものではなく、近年の高速機や小型の電子複写機を用いる場合には、特に広範囲な定着温度幅が要求されている。
本発明の目的は、海島構造{海相(マトリックス相)と島相(ドメイン相)}に、互いに非相溶である各々低温領域、高温領域に優れた定着性能を発揮するポリエステル樹脂を使用することで、定着温度幅の増大と耐ブロッキング性に優れたトナー組成物を提供することにある。
本発明者らは、これらの問題点を解決するべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。 すなわち本発明は、カルボン酸成分(x)とポリオール成分(y)とが重縮合されてなり、互いに非相溶である線形ポリエステル樹脂(A)および非線形ポリエステル樹脂(B)、並びに、カルボン酸成分(x’)と炭素数2〜20の単一の脂肪族ポリオールまたは脂環式ポリオールであるポリオール成分(y’)とが重縮合されてなるポリエステル樹脂であって、SP値[(cal/cm1/2]が(A)と(B)の間に位置する相溶化剤(C)を含有し、非線形ポリエステル樹脂(B)を構成するカルボン酸成分(x)が、モノカルボン酸(x1)およびポリカルボン酸(x2)であり、相溶化剤(C)のガラス転移温度が45〜70℃である電子写真用トナーバインダー;並びに該トナーバインダーと着色剤と、必要により離型剤、荷電制御剤、磁性粉および流動化剤から選ばれる一種以上の添加剤とを含有するトナー組成物である。
本発明のトナーバインダーおよびトナー組成物を用いることにより、定着性に優れたトナーとすることが可能となり、トナーの耐ブロッキング性のいずれにも優れたトナーバインダーを提供することが可能となる。
以下、本発明を詳述する。
本発明における線形ポリエステル樹脂(A)は、カルボン酸成分(x)とポリオール成分(y)とが重縮合されて得られる。カルボン酸成分(x)はポリカルボン酸(x2)および/必要によりモノカルボン酸(x1)から構成されるのが好ましい。
モノカルボン酸(x1)のうち、脂肪族(脂環式を含む)モノカルボン酸としては、炭素数1〜30のアルカンモノカルボン酸(ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、イソブタン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、セロチン酸、モニタン酸、メリシン酸等)、炭素数3〜24のアルケンモノカルボン酸(アクリル酸、メタクリル酸、オレイン酸、リノール酸等)などが挙げられる。(x1)のうち芳香族モノカルボン酸としては、炭素数7〜36の芳香族モノカルボン酸(安息香酸、メチル安息香酸、P−t−ブチル安息香酸、フェニルプロピオン酸、およびナフトエ酸等)などが挙げられる。
これら(x1)のうち好ましいものは、炭素数7〜36の芳香族モノカルボン酸であり、さらに好ましくは、安息香酸、メチル安息香酸、およびP−t−ブチル安息香酸である。
モノカルボン酸(x1)は、保存安定性の観点から、全体のカルボン酸成分(x)に対し、好ましくは0〜30モル%、さらに好ましくは1〜25モル%、とくに好ましくは2〜20モル%である。
ポリカルボン酸(x2)としては、ジカルボン酸(x21)および3〜6価もしくはそれ以上のポリカルボン酸(x22)が挙げられる。
ジカルボン酸(x21)としては、炭素数4〜36のアルカンジカルボン酸(例えばコハク、アジピン、およびセバシン酸);炭素数6〜40の脂環式ジカルボン酸〔例えばダイマー酸(2量化リノール酸)〕;炭素数4〜36のアルケンジカルボン酸(例えば、ドデセニルコハク酸等のアルケニルコハク酸、マレイン、フマル、シトラコン、およびメサコン酸);炭素数8〜36の芳香族ジカルボン酸(フタル、イソフタル、テレフタル、およびナフタレンジカルボン酸等);およびこれらのエステル形成性誘導体〔低級アルキル(アルキル基の炭素数1〜4:メチル、エチル、n−プロピル等)エステル、および酸無水物〕;等が挙げられ、2種以上を併用してもよい。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸、並びにこれらのエステル形成性誘導体であり、さらに好ましくは、テレフタル酸、イソフタル酸、および/またはそれらの低級アルキル(アルキル基の炭素数:1〜4)エステル(x211)である。
3〜6価もしくはそれ以上のポリカルボン酸(x22)としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット、およびピロメリット酸等)、炭素数6〜36の脂肪族ポリカルボン酸(ヘキサントリカルボン酸等)、およびこれらのエステル形成性誘導体等が挙げられ、2種以上を併用してもよい。
これらのうち好ましいものは、トリメリット酸およびピロメリット酸、並びにこれらのエステル形成性誘導体である。
ポリカルボン酸(x2)中のテレフタル酸、イソフタル酸、および/またはそれらの低級アルキル(アルキル基の炭素数:1〜4)エステル(x211)の含有量は、保存安定性の観点から、好ましくは85〜100モル%、さらに好ましくは90〜100モル%である。
また、(x211)中のテレフタル酸および/またはその低級アルキルエステルと、イソフタル酸および/またはその低級アルキルエステルのモル比は、樹脂の機械的強度の観点から、好ましくは20:80〜100:0、さらに好ましくは25:75〜80:20である。
線形ポリエステル樹脂(A)を構成するポリオール成分(y)としては、ジオール(y1)および3〜8価もしくはそれ以上のポリオール(y2)が挙げられる。
ジオール(y1)としては、炭素数2〜36のアルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、および1,6−ヘキサンジオール等);炭素数4〜36のアルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、およびポリテトラメチレンエーテルグリコール等);炭素数6〜36の脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノールおよび水素添加ビスフェノールA等);上記脂環式ジオールの(ポリ)オキシアルキレン(アルキレン基の炭素数2〜4、以下のポリオキシアルキレン基も同じ)エーテル〔オキシアルキレン単位(以下AO単位と略記)の数1〜30〕;および2価フェノール〔単環2価フェノール(例えばハイドロキノン)、およびビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールFおよびビスフェノールS等)〕のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30)等が挙げられ、2種以上を併用してもよい。
これらのうち好ましいものは、2価フェノールおよびビスフェノール類のポリオキシアルキレンエーテルである。
3〜8価もしくはそれ以上のポリオール(y2)としては、炭素数3〜36の3〜8価もしくはそれ以上の脂肪族多価アルコール(アルカンポリオールおよびその分子内もしくは分子間脱水物、例えばグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、ポリグリセリン、およびジペンタエリスリトール;糖類およびその誘導体、例えばショ糖およびメチルグルコシド);上記脂肪族多価アルコールの(ポリ)オキシアルキレンエーテル(AO単位の数1〜30);トリスフェノール類(トリスフェノールPA等)のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30);ノボラック樹脂(フェノールノボラックおよびクレゾールノボラック等、平均重合度3〜60)のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30)等が挙げられ、2種以上を併用してもよい。
これらのうち好ましいものは、ノボラック樹脂のポリオキシアルキレンエーテルである。
ポリオール成分(y)〔本項では、重縮合反応中に系外に除かれるものを除いた、線形ポリエステル樹脂(A)の構成単位となるポリオール成分を意味する。〕中の芳香族ポリオール(2価フェノール、ビスフェノール類およびノボラック樹脂のポリオキシアルキレンエーテル)の割合は、機械的強度の観点から、好ましくは85〜100モル%、さらに好ましくは90〜100モル%である。
特に、(y)中のビスフェノール類のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30)の含有量は、機械的強度の観点から、好ましくは90〜100モル%、さらに好ましくは95〜100モル%、とくに好ましくは100モル%である。
また、カルボン酸成分(x)とポリオール成分(y)との合計中の、3〜8価もしくはそれ以上のポリオール(y2)および3〜6価もしくはそれ以上のポリカルボン酸(x22)の合計の割合は0.1〜15モル%が好ましく、さらに好ましくは0.2〜12モル%である。0.1モル%以上ではトナーの保存性が良好となり、15モル%以下ではトナーの帯電特性が良好となる。
ポリカルボン酸(x2)および/必要によりモノカルボン酸(x1)から構成されるカルボン酸成分(x)と、ポリオール成分(y)とを重縮合させてポリエステル樹脂(A)を製造する方法としては、特に限定されず、例えば、(x1)と(x2)の混合物と(y)とを一括して重縮合させることもできるが、先に(x2)の少なくとも一部と(y)とを、(y)の水酸基が過剰となるような当量比で重縮合させた後、得られた重縮合物(A0)の水酸基と(x1)のカルボキシル基を反応させて、さらに重縮合させてもよい。必要により、(A0)と(x1)との重縮合後に、3〜6価もしくはそれ以上のポリカルボン酸(x22)を投入し、実質的に1官能または2官能として反応させ、残りの官能基は未反応として残す条件で、さらに重縮合させてもよい。
ポリオール成分(y)とポリカルボン酸成分(x)との反応比率は、水酸基とカルボキシル基の当量比[OH]/[COOH]として、好ましくは2/1〜1/2、さらに好ましくは1.5/1〜1/1.3、とくに好ましくは1.3/1〜1/1.2である。
本発明において、カルボン酸成分(x)とポリオール成分(y)との重縮合は、公知のエステル化反応を利用して行うことができる。一般的な方法として、例えば、不活性ガス(窒素ガス等)雰囲気中で、重合触媒の存在下、反応温度が好ましくは150〜280℃、さらに好ましくは180〜270℃、とくに好ましくは200〜260℃で反応させることにより行うことができる。また反応時間は、重縮合反応を確実に行う観点から、好ましくは30分以上、とくに2〜40時間である。
反応末期の反応速度を向上させるために減圧することも有効である。
ポリエステル樹脂(A)を得る際の重合触媒としては、反応性と環境保護の点から、チタン、アンチモン、ジルコニウム、ニッケル、およびアルミニウムから選ばれる一種以上の金属を含有する重合触媒を用いるのが好ましく、チタン含有触媒を用いるのがさらに好ましい。
チタン含有触媒としては、チタンアルコキシド、シュウ酸チタン酸カリウム、テレフタル酸チタン、特開2006−243715号公報に記載の触媒〔チタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)、チタニウムモノヒドロキシトリス(トリエタノールアミネート)、およびそれらの分子内重縮合物等〕、および特開2007−11307号公報に記載の触媒(チタントリブトキシテレフタレート、チタントリイソプロポキシテレフタレート、およびチタンジイソプロポキシジテレフタレート等)等が挙げられる。
アンチモン含有触媒としては、三酸化アンチモン等が挙げられる。
ジルコニウム含有触媒としては、酢酸ジルコニル等が挙げられる。
ニッケル含有触媒としては、ニッケルアセチルアセトナート等が挙げられる。
アルミニウム含有触媒としては、水酸化アルミニウム、アルミニウムトリイソプロポキシド等が挙げられる。
触媒の添加量は、反応速度が最大になるように適宜決定することが望ましい。添加量としては、全原料に対し、好ましくは10ppm〜1.9%、さらに好ましくは100ppm〜1.7%である。添加量を10ppm以上とすることで反応速度が大きくなる点で好ましい。
上記および以下において、%は、特に断りの無い場合は重量%を意味する。
線形ポリエステル樹脂(A)のSP値(ソルビリティー パラメーター)は、好ましくは10.0〜11.5、より好ましくは10.5〜11.0である。
SP値が10.0以上では、定着性(低温側)が良好となりとなり、11.5以下であると環境条件の影響を受けにくくなり、Tgが上昇し、耐ブロッキング性が良好となる。
なお、本発明におけるSP値は、Fedorsらが提案した下記の文献に記載の方法によって計算されるものである。
「POLYMER ENGINEERING AND SCIENCE,FEBRUARY,1974,Vol.14,No.2,ROBERT F.FEDORS.(147〜154頁)」
線形ポリエステル樹脂(A)の酸価(mgKOH/g、以下同じ)は、好ましくは2〜100、さらに好ましくは5〜80、とくに好ましくは、15〜60である。酸価が2以上であるとトナー化時の低温定着性が良好であり、100以下であるとトナー化時の帯電特性が低下しない。
線形ポリエステル樹脂(A)の水酸基価(mgKOH/g、以下同じ)は、好ましくは0〜125、さらに好ましくは1〜100である。水酸基価が125以下であるとトナー化時の耐ホットオフセット性がより良好となる。
本発明における酸価および水酸基価は、JIS K0070に規定の方法で測定される。
線形ポリエステル樹脂(A)の分子量は、ピークトップ分子量(以下Mpと記載)が、1000〜15000であることが好ましく、さらに好ましくは1500〜13000、とくに好ましくは2000〜12000である。Mpが1000以上であると定着に必要な樹脂強度が発現し、15000以下であるとトナー化時の低温定着性が良好である。
上記および以下においてポリエステル樹脂の分子量(Mp)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて以下の条件で測定される。
装置(一例) :東ソー製 HLC−8120
カラム(一例):TSKgelGMHXL(2本)
TSKgelMultiporeHXL−M(1本)
測定温度 :40℃
測定溶液 :0.25%のTHF溶液
溶液注入量 :100μl
検出装置 :屈折率検出器
基準物質 :TSK標準ポリスチレン(東ソー製)
分子量=4480000、2890000、1090000、355
000、190000、96400、37900、1810
0、9100、2800、1050、500の計12点
得られたクロマトグラム上最大のピーク高さを示す分子量をピークトップ分子量(Mp)と称する。また、トナー用ポリエステル樹脂の分子量の測定は、ポリエステル樹脂をTHF溶媒に溶解し、不溶解分をグラスフィルターでろ別したものを試料溶液とした。
また、線形ポリエステル樹脂(A)の軟化点〔Tm〕は70〜120℃が好ましく、さらに好ましくは75〜110℃、とくに好ましくは80〜100℃である。この範囲では耐ホットオフセット性と低温定着性のバランスが良好となる。
なお、軟化点は、次のように測定される値である。
降下式フローテスター{たとえば、(株)島津製作所製、CFT−500D}を用いて、1gの測定試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出して、「プランジャー降下量(流れ値)」と「温度」とのグラフを描き、プランジャーの降下量の最大値の1/2に対応する温度をグラフから読み取り、この値(測定試料の半分が流出したときの温度)を軟化点とする。
本発明に用いる線形ポリエステル樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)は、保存安定性の観点から45℃以上であることが好ましい。また、低温定着性の観点から、75℃以下であるとトナー化時の低温定着性が良好である。
なお、上記および以下において、Tgはセイコー電子工業(株)製DSC20、SSC/580を用いて、ASTM D3418−82に規定の方法(DSC法)で測定される。
線形ポリエステル樹脂(A)中のテトラヒドロフラン(THF)不溶解分は、トナー化時の低温定着性の観点から、5%以下が好ましい。さらに好ましくは4%以下、とくに好ましくは3%以下である。
本発明におけるTHF不溶解分は、以下の方法で求めたものである。
試料0.5gに50mlのTHFを加え、3時間撹拌還流させる。冷却後、グラスフィルターにて不溶解分をろ別し、グラスフィルター上の樹脂分を80℃で3時間減圧乾燥する。グラスフィルター上の乾燥した樹脂分の重量と試料の重量比から、不溶解分を算出する。
本発明における非線形ポリエステル樹脂(B)は、カルボン酸成分(x)とポリオール成分(y)とが重縮合されて得られる。カルボン酸成分(x)はモノカルボン酸(x1)およびポリカルボン酸(x2)から構成されるのが好ましい。
モノカルボン酸(x1)としては前記のものが挙げられる。
これら(x1)のうち好ましいものは、炭素数7〜36の芳香族モノカルボン酸であり、さらに好ましくは、安息香酸、メチル安息香酸、およびP−t−ブチル安息香酸である。
モノカルボン酸(x1)は、保存安定性の観点から、全体のカルボン酸成分(x)に対し、好ましくは1〜30モル%、さらに好ましくは1〜25モル%、とくに好ましくは2〜20モル%である。
ポリカルボン酸(x2)としては前記のものが挙げられる。
ジカルボン酸(x21)うち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸、並びにこれらのエステル形成性誘導体であり、さらに好ましくは、テレフタル酸、イソフタル酸、および/またはそれらの低級アルキル(アルキル基の炭素数:1〜4)エステル(x211)である。
3〜6価もしくはそれ以上のポリカルボン酸(x22)のうち好ましいものは、トリメリット酸およびピロメリット酸、並びにこれらのエステル形成性誘導体である。
ポリカルボン酸(x2)中のテレフタル酸、イソフタル酸、および/またはそれらの低級アルキル(アルキル基の炭素数:1〜4)エステル(x211)の含有量は、保存安定性の観点から、好ましくは85〜100モル%、さらに好ましくは90〜100モル%である。
また、(x211)中のテレフタル酸および/またはその低級アルキルエステルと、イソフタル酸および/またはその低級アルキルエステルのモル比は、樹脂の機械的強度の観点から、好ましくは20:80〜100:0、さらに好ましくは25:75〜80:20である。
非線形ポリエステル樹脂(B)を構成するポリオール成分(y)としては、ジオール(y1)および3〜8価もしくはそれ以上のポリオール(y2)が挙げられる。
ジオール(y1)としては、前記のものが挙げられる。
これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコール(y11)、ビスフェノール類のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30)およびこれらの併用であり。さらに好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコール(特にエチレングリコール)(y11)である。
3〜8価もしくはそれ以上のポリオール(y2)としては、前記のものが挙げられる。 これらのうち好ましいものは、3〜8価もしくはそれ以上の脂肪族多価アルコールおよびノボラック樹脂のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30)であり、さらに好ましいものはノボラック樹脂のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30)である。
ポリオール成分(y)〔本項では、重縮合反応中に系外に除かれるものを除いた、非線形ポリエステル樹脂(B)の構成単位となるポリオール成分を意味する。〕中の炭素数2〜12のアルキレングリコール(y11)の割合は、機械的強度の観点から、好ましくは85〜100モル%、さらに好ましくは90〜100モル%である。
特に、(y)中のエチレングリコールの含有量は、機械的強度の観点から、好ましくは90〜100モル%、さらに好ましくは95〜100モル%、とくに好ましくは100モル%である。
また、カルボン酸成分(x)とポリオール成分(y)との合計中の、3〜8価またはそれ以上のポリオール(y2)、および3〜6価またはそれ以上のポリカルボン酸(x22)の合計の割合は0.1〜15モル%が好ましく、さらに好ましくは0.2〜12モル%である。0.1モル%以上ではトナーの保存性が良好となり、15モル%以下ではトナーの帯電特性が良好となる。
モノカルボン酸(x1)およびポリカルボン酸(x2)から構成されるカルボン酸成分(x)と、ポリオール成分(y)とを重縮合させて非線形ポリエステル樹脂(B)を製造する場合の方法としては、特に限定されず、(x1)と(x2)の混合物と(y)とを一括して重縮合させることもできるが、先に(x2)の少なくとも一部と(y)とを、(y)の水酸基が過剰となるような当量比で重縮合させた後、得られた重縮合物(B0)の水酸基と(x1)のカルボキシル基を反応させて、さらに重縮合させるのが好ましい。必要により、(B0)と(x1)との重縮合後に、3〜6価またはそれ以上のポリカルボン酸(x22)を投入して、さらに重縮合させてもよい。
非線形ポリエステル樹脂(B)を製造する際の、カルボン酸成分(x)とポリオール成分(y)との重縮合は、公知のエステル化反応を利用して行うことができる。一般的な方法として、例えば、不活性ガス(窒素ガス等)雰囲気中で、重合触媒の存在下、反応温度が好ましくは150〜280℃、さらに好ましくは180〜270℃、とくに好ましくは200〜260℃で反応させることにより行うことができる。また反応時間は、重縮合反応を確実に行う観点から、好ましくは30分以上、とくに2〜40時間である。
反応末期の反応速度を向上させるために減圧することも有効である。
前記第一段階の、ポリオール成分(y)とポリカルボン酸(x2)の少なくとも一部との反応における反応比率は、水酸基とカルボキシル基の当量比[OH]/[COOH]として、好ましくは2/1〜1/1、さらに好ましくは1.5/1〜1.01/1、とくに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
また、(B)の製造に用いる全てのポリオール成分(y)と全てのカルボン酸成分(x)の比率は、水酸基とカルボキシル基の当量比[OH]/[COOH]として、好ましくは2/1〜1/2、さらに好ましくは1.5/1〜1/1.3、とくに好ましくは1.3/1〜1/1.2である。
ポリエステル樹脂(B)のSP値は、通常11.5〜13.0、好ましくは11.5〜12.5である。
SP値が11.5以上では、定着性(高温側)が良好となり、13.0以下であると耐ブロッキング性が良好となる。
非線形ポリエステル樹脂(B)のガラス転移温度〔Tg〕は、好ましくは45℃〜80℃であり、さらに好ましくは50℃〜70℃である。Tgが80℃以下であると低温定着性が向上する。またTgが45℃以上であると耐ブロッキング性が良好である。
非線形ポリエステル樹脂(B)の軟化点〔Tm〕は、とくに制限されないが、好ましくは90℃〜170℃であり、さらに好ましくは120℃〜160℃である。Tmが、90℃以上であると耐ホットオフセット性が良好であり、また、170℃以下であると定着性が良好である。
非線形ポリエステル樹脂(B)のテトラヒドロフラン(THF)可溶分のMpは、2000〜12000であることが好ましく、3000〜10000であることがさらに好ましい。
非線形ポリエステル樹脂(B)中のTHF不溶解分は、低温定着性の点から、3〜50%が好ましい。さらに好ましくは5〜40%、とくに好ましくは10〜35%である。THF不溶解分が50%以下であると、画像の光沢度(グロス)が良好である。
非線形ポリエステル樹脂(B)の酸価と水酸基価の和は、好ましくは3〜40、さらに好ましくは10〜40、とくに好ましくは20〜39である。酸価と水酸基価の和が3以上では保存安定性が良好で、40以下であると帯電安定性が向上する。
また、非線形ポリエステル樹脂(B)の酸価は、好ましくは3〜40、さらに好ましくは10〜38であり、水酸基価は、好ましくは0〜30、さらに好ましくは0〜10である。
線形ポリエステル樹脂(A)と非線形ポリエステル樹脂(B)の重量比〔(A)/(B)〕は、低温定着性と耐ホットオフセット性および粉砕性との両立の点で、好ましくは90/10〜20/80、さらに好ましくは80/20〜20/80である。
本発明のトナーバインダーは、本発明の効果を損なわない範囲で、(A)と(B)以外の他の樹脂を含有してもよい。他の樹脂としては、(A)と(B)以外のポリエステル樹脂、ビニル系樹脂[スチレンとアルキル(メタ)アクリレートの共重合体、スチレンとジエン系モノマーとの共重合体等]、エポキシ樹脂(ビスフェノールAジグリシジルエーテル開環重合物等)、ウレタン樹脂(前記ポリオール成分とジイソシアネートの重付加物等)などが挙げられる。
これらの中で好ましくは、(A)と(B)以外のポリエステル樹脂である。他の樹脂のMpは、300〜10万が好ましい。
本発明における相溶化剤(C)は、カルボン酸成分(x’)と炭素数2〜20の単一の脂肪族ポリオールまたは脂環式ポリオールであるポリオール成分(y’)とが重縮合されて得られる。カルボン酸成分(x’)はモノカルボン酸(x’1)および/またはポリカルボン酸(x’2)から構成されるのが好ましい。
モノカルボン酸(x’1)としては前記の(x1)と同じものが挙げられる。
これら(x’1)のうち好ましいものは、炭素数7〜36の芳香族モノカルボン酸であり、さらに好ましくは、安息香酸、メチル安息香酸、およびP−t−ブチル安息香酸である。
モノカルボン酸(x’1)は、保存安定性の観点から、全体のカルボン酸成分(x’)に対し、好ましくは1〜30モル%、さらに好ましくは1〜25モル%、とくに好ましくは2〜20モル%である。
ポリカルボン酸(x’2)としては、ジカルボン酸(x’21)および3〜6価もしくはそれ以上のポリカルボン酸(x’22)が挙げられる。(x’21)および(x’22)は前記の(x21)および(x22)と同じものが挙げられる。
ポリカルボン酸(x’2)としては前記の(x2)と同じものが挙げられ、
ジカルボン酸(x’21)うち好ましいものは、炭素数4〜20のアルカンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸、並びにこれらのエステル形成性誘導体であり、さらに好ましくは、テレフタル酸、イソフタル酸、および/またはそれらの低級アルキル(アルキル基の炭素数:1〜4)エステル(x’211)である。
3〜6価もしくはそれ以上のポリカルボン酸(x’22)のうち好ましいものは、トリメリット酸およびピロメリット酸、並びにこれらのエステル形成性誘導体である。
ポリカルボン酸(x’2)中のテレフタル酸、イソフタル酸、および/またはそれらの低級アルキル(アルキル基の炭素数:1〜4)エステル(x’211)の含有量は、保存安定性の観点から、好ましくは60〜100モル%、さらに好ましくは90〜100モル%である。
また、(x’211)中のテレフタル酸および/またはその低級アルキルエステルと、イソフタル酸および/またはその低級アルキルエステルのモル比は、樹脂の機械的強度の観点から、好ましくは20:80〜100:0、さらに好ましくは25:75〜80:20である。
相溶化剤(C)を構成するポリオール成分(y’)は、炭素数2〜20の単一の脂肪族ポリオールまたは脂環式ポリオールである。
炭素数2〜20の脂肪族ポリオールとしては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、および1,4−ブタンジオール等の炭素数2〜4の脂肪族ジオール;1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、および1,10−デカンジオール等の炭素数5〜20の直鎖型脂肪族ジオール;ネオペンチルグリコール、2,2−ジエチルー1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサングリコール、1,2−オクチルグリコール、および2−nーブチルー2−エチルー1,3−プロパンジオール等の炭素数5〜20の分岐のある脂肪族ジオール;グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、ポリグリセリン、およびジペンタエリスリトール等の炭素数3〜36の3〜8価もしくはそれ以上の脂肪族多価アルコール;ショ糖およびメチルグルコシド等の糖類およびその誘導体;上記脂肪族多価アルコールの(ポリ)オキシアルキレンエーテルが挙げられる。
炭素数2〜20の脂環式ポリオールとしては、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。
ポリオール成分(y’)は、炭素数2〜20の脂肪族ポリオールまたは脂環式ポリオールであり、これらのうち好ましくは耐ブロッキング性の観点から、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAであり、さらに好ましくは1,2−プロピレングリコール、ネオペンチルグリコールである。
(C)は、好ましくは、前記のモノカルボン酸(x’1)および/またはジカルボン酸(x’21)、および前記のジオールと共に、前記の3〜6価またはそれ以上のポリカルボン酸(x’22)を反応させて得られる。
ポリオール成分(y’)のうちで、重縮合反応中に系外に留出されるものが無い場合は、(C)を構成するポリオール成分中の各ポリオールの含有量(モル%)と(y’)中に含有するポリオール成分中の各ポリオールの含有量(モル%)は等しくなる。重縮合反応中に系外に留出されるものがある場合は、そのポリオールについては、(C)を構成するポリオールよりも、留出される分だけ過剰量用いる。留出されるポリオールがエチレングリコールおよび/または1,2−プロピレングリコールの場合は、(y’)中に(C)中の量に対して、例えば、120〜200モル%用いる。
また、ポリオール成分とポリカルボン酸成分との反応比率は、水酸基とカルボキシル基の当量比[OH]/[COOH]として、好ましくは2/1〜1/2、さらに好ましくは1.5/1〜1/1.3、とくに好ましくは1.3/1〜1/1.2である。
モノカルボン酸(x’1)およびポリカルボン酸(x’2)から構成されるカルボン酸成分(x’)と、ポリオール成分(y’)とを重縮合させてポリエステル樹脂(C)を製造する場合の方法としては、特に限定されず、(x’1)と(x’2)の混合物と(y’)とを一括して重縮合させることもできるが、先に(x’2)の少なくとも一部と(y’)とを、(y’)の水酸基が過剰となるような当量比で重縮合させた後、得られた重縮合物(C0)の水酸基と(x’1)のカルボキシル基を反応させて、さらに重縮合させるのが好ましい。必要により、(C0)と(x’1)との重縮合後に、3〜6価またはそれ以上のポリカルボン酸(x’22)を投入して、さらに重縮合させてもよい。
相溶化剤(C)としては、炭素数2〜20の単一の脂肪族ポリオールまたは脂環式ポリオールから構成されるポリオール成分(y’)からなり、かつSP値が非相溶樹脂の間に位置するポリエステル樹脂が用いられる。
上記ポリエステル樹脂を使用する理由は、海、島各相の間のSP値を示す樹脂を使用することで、相間の界面自由エネルギーを低減し、さらに海島構造の連続相の径を小さく安定化させることによって連続相界面における相互作用を飛躍的に向上させる効果を有するため、低温定着性、耐オフセット性等を飛躍的に改善することができる。
ポリエステル樹脂(C)のSP値は、通常10.5〜12.5、好ましくは10.6〜12.0である。
SP値が10.5以上、12.5以下であると(A)と(B)の相溶性が良好となり、耐ブロッキング性、定着性(低温側)がともに良好となる。
(C)のガラス転移温度〔Tg〕は、好ましくは45〜70℃であり、さらに好ましくは50〜65℃である。Tgが70℃以下であると低温定着性が向上する。またTgが45℃以上であると耐ブロッキング性が良好である。
(C)の分子量は、ピークトップ分子量(以下Mpと記載)が、2000〜15000であることが好ましく、さらに好ましくは2500〜12000、とくに好ましくは3000〜10000である。Mpが2000以上であると定着に必要な樹脂強度が発現し、15000以下であるとトナー化時の低温定着性が良好である。
(C)の酸価(mgKOH/g、以下同じ)は、好ましくは0〜60(mgKOH/g、以下同じ)、さらに好ましくは0〜50、とくに好ましくは0〜40である。酸価が60以下であるとトナー化時の帯電特性が低下しない。
(C)の水酸基価(mgKOH/g、以下同じ)は、好ましくは0〜100(mgKOH/g、以下同じ)、さらに好ましくは0〜70、とくに好ましくは0〜50である。水酸基価が100以下であるとトナー化時の耐ホットオフセット性がより良好となる。
(C)の軟化点〔Tm〕は70〜130℃が好ましく、さらに好ましくは75〜120℃、とくに好ましくは80〜115℃である。この範囲では耐ホットオフセット性と低温定着性のバランスが良好となる。
相溶化剤(C)は、海島構造を形成する線形ポリエステル(A)および非線形ポリエステル(B)または(A)と(B)を構成する組成を含む線形ポリエステルをロールミル、ニーダーまたは押出機、ラボプラストミル等で溶融混練することや、重合槽またはガラスチューブオーブンで公知のエステル化または交換反応を利用して製造することができる。
一般的な方法として、例えば、不活性ガス(窒素ガス等)雰囲気中で、重合触媒の存在下、反応温度が好ましくは150〜280℃、さらに好ましくは180〜270℃、とくに好ましくは200〜260℃で反応させることにより行うことができる。また反応時間は、反応を確実に行う観点から、好ましくは30分以上、とくに2〜40時間である。
反応速度を向上させるために減圧することも有効である。
線形ポリエステル樹脂(A)と非線形ポリエステル樹脂(B)と相溶化剤(C)の重量比〔(A):(B):(C)〕は、低温定着性と耐ホットオフセット性および粉砕性との両立の観点から、好ましくは(10〜85):(10〜80):(0.1〜15)、さらに好ましくは(20〜80):(15〜60):(0.5〜10)である。
混ざり性評価として、トナーバインダー中の線形ポリエステル(A)が海相、非線形ポリエステル(B)が島相からなる海島構造の島相の径が位相差顕微鏡およびデジタルマイクロスコープ(高解像度光学顕微鏡)の100〜5000倍率において、観察、評価できる。トナー粒径は通常約5〜10μmであるため、最大トナー粒径の5μm以下であると混ざり性が良好であり、さらに好ましくは3μm以下、とくに好ましくは0.1〜1.5μmである。分散粒径が5μm以下であると、低温定着性と耐ホットオフセット性が良好となる。
なお、上記および以下において、混ざり性評価はOLYMPUS製IX71位相差顕微鏡(倒立型リサーチ顕微鏡)または/およびキーエンス製デジタルマイクロスコープ(高解像度ズームレンズ
VH−Z500R/Z500W)を用いて測定される。
本発明のトナー組成物は、本発明のトナーバインダーと着色剤と、必要により離型剤、荷電制御剤、磁性粉および流動化剤から選ばれる一種以上の添加剤とを含有する。
着色剤としては、トナー用着色剤として使用されている染料、顔料等のすべてを使用することができる。具体的には、カーボンブラック、鉄黒、スーダンブラックSM、ファーストイエローG、ベンジジンイエロー、ピグメントイエロー、インドファーストオレンジ、イルガシンレッド、パラニトロアニリンレッド、トルイジンレッド、カーミンFB、ピグメントオレンジR、レーキレッド2G、ローダミンFB、ローダミンBレーキ、メチルバイオレットBレーキ、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、ブリリアントグリーン、フタロシアニングリーン、オイルイエローGG、カヤセットYG、オラゾールブラウンBおよびオイルピンクOP等が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
また、必要により磁性粉(鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性金属の粉末もしくはマグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の化合物)を着色剤としての機能を兼ねて含有させることができる。
着色剤の含有量は、本発明のトナーバインダー100部に対して、好ましくは1〜40部、さらに好ましくは3〜10部である。なお、磁性粉を用いる場合は、好ましくは20〜150部、さらに好ましくは40〜120部である。上記および以下において、部は重量部を意味する。
離型剤としては、軟化点が50〜170℃のものが好ましく、ポリオレフィンワックス、天然ワックス、炭素数30〜50の脂肪族アルコール、炭素数30〜50の脂肪酸およびこれらの混合物等が挙げられる。ポリオレフィンワックスとしては、オレフィン(例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ヘキセン、1−ドデセン、1−オクタデセンおよびこれらの混合物等)の(共)重合体[(共)重合により得られるものおよび熱減成型ポリオレフィンを含む]、オレフィンの(共)重合体の酸素および/またはオゾンによる酸化物、オレフィンの(共)重合体のマレイン酸変性物[例えばマレイン酸およびその誘導体(無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノブチルおよびマレイン酸ジメチル等)変性物]、オレフィンと不飽和カルボン酸[(メタ)アクリル酸、イタコン酸および無水マレイン酸等]および/または不飽和カルボン酸アルキルエステル[(メタ)アクリル酸アルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステルおよびマレイン酸アルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステル等]等との共重合体、およびサゾールワックス等が挙げられる。
天然ワックスとしては、例えばカルナウバワックス、モンタンワックス、パラフィンワックスおよびライスワックスが挙げられる。炭素数30〜50の脂肪族アルコールとしては、例えばトリアコンタノールが挙げられる。炭素数30〜50の脂肪酸としては、例えばトリアコンタンカルボン酸が挙げられる。
荷電制御剤としては、ニグロシン染料、3級アミンを側鎖として含有するトリフェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体、4級アンモニウム塩基含有ポリマー、含金属アゾ染料、銅フタロシアニン染料、サリチル酸金属塩、ベンジル酸のホウ素錯体、スルホン酸基含有ポリマー、含フッ素系ポリマー、ハロゲン置換芳香環含有ポリマー等が挙げられる。
流動化剤としては、コロイダルシリカ、アルミナ粉末、酸化チタン粉末、炭酸カルシウム粉末等が挙げられる。
本発明のトナー組成物の組成比は、トナー組成物重量に基づき、本発明のトナーバインダーが、好ましくは30〜97%、さらに好ましくは40〜95%、とくに好ましくは45〜92%;着色剤が、好ましくは0.05〜60%、さらに好ましくは0.1〜55%、とくに好ましくは0.5〜50%;添加剤のうち、離型剤が、好ましくは0〜30%、さらに好ましくは0.5〜20%、とくに好ましくは1〜10%;荷電制御剤が、好ましくは0〜20%、さらに好ましくは0.1〜10%、とくに好ましくは0.5〜7.5%;流動化剤が、好ましくは0〜10%、さらに好ましくは0〜5%、とくに好ましくは0.1〜4%である。また、添加剤の合計含有量は、好ましくは3〜70%、さらに好ましくは4〜58%、とくに好ましくは5〜50%である。トナーの組成比が上記の範囲であることで帯電性が良好なものを容易に得ることができる。
本発明のトナー組成物は、混練粉砕法、乳化転相法、重合法等の従来より公知のいずれの方法により得られたものであってもよい。例えば、混練粉砕法によりトナーを得る場合、流動化剤を除くトナーを構成する成分を乾式ブレンドした後、溶融混練し、その後粗粉砕し、最終的にジェットミル粉砕機等を用いて微粒化して、さらに分級することにより、粒径(D50)が好ましくは5〜20μmの微粒とした後、流動化剤を混合して製造することができる。なお、平均粒径(D50)(粉体の体積粒径分布において,ある粒子径より大きい個数が,全粉体の個数の50%をしめるときの粒子径をD50とする。)はコールターカウンター[例えば、商品名:マルチサイザーIII(コールター社製)]を用いて測定される。
また、乳化転相法によりトナーを得る場合、流動化剤を除くトナーを構成する成分を有機溶剤に溶解または分散後、水を添加する等によりエマルジョン化し、次いで分離、分級して製造することができる。トナーの体積平均粒径は、3〜15μmが好ましい。
本発明のトナー組成物は、必要に応じて鉄粉、ガラスビーズ、ニッケル粉、フェライト、マグネタイトおよび樹脂(アクリル樹脂、シリコーン樹脂等)により表面をコーティングしたフェライト等のキャリアー粒子と混合されて、電気的潜像の現像剤として用いられる。トナーとキャリアー粒子との重量比は、好ましくは1/99〜100/0である。また、キャリアー粒子の代わりに帯電ブレード等の部材と摩擦し、電気的潜像を形成することもできる。
本発明のトナー組成物は、複写機、プリンター等により支持体(紙、ポリエステル フィルム等)に定着して記録材料とされる。支持体に定着する方法としては、公知の熱ロール定着方法、フラッシュ定着方法等が適用できる。
以下実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下、部は重量部を示す。
製造例1
[線形ポリエステル樹脂(A−1)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、テレフタル酸230部、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド(以下POと記載)付加物:ニューポールBP−2P(三洋化成工業製:PO2モル付加物)690部、安息香酸120部、重合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート3部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になるまで反応させた。次いで、無水トリメリット酸20部を加え、常圧下で1時間反応させた後、取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを線形ポリエステル樹脂(A−1)とする。
(A−1)のMpは5000、Tgは62℃、Tmは98℃、酸価は15、水酸基価は1、SP値は10.9であった。
製造例2
[線形ポリエステル樹脂(A−2)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、テレフタル酸265部、ビスフェノールAのPO付加物:ニューポールBP−2P(三洋化成工業製:PO2モル付加物)765部、重合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート3部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になるまで反応させた。次いで、無水トリメリット酸25部を加え、常圧下で1時間反応させた後、取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを線形ポリエステル樹脂(A−2)とする。
(A−2)のMpは3500、Tgは58℃、Tmは95℃、酸価は15、水酸基価は65、SP値は10.9であった。
製造例3
[非線形ポリエステル樹脂(B−1)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、テレフタル酸388部、イソフタル酸388部、アジピン酸21部、エチレングリコール600部、重合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート0.5部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下に1時間反応させた。次いで、安息香酸17部を加え、常圧下で3時間反応させた(線形ポリエステル(B−1a))。さらに、無水トリメリット酸57部を加え、常圧下で1時間反応させた後、20〜40mmHgの減圧下で反応させ所定の軟化点で取り出した。回収されたエチレングリコールは280部であった。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(B−1)とする。
(B−1)のMpは8000、Tgは60℃、Tmは145℃、酸価は26、水酸基価は1、SP値は12.5であった。
製造例4
[非線形ポリエステル樹脂(B−2)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、テレフタル酸530部、イソフタル酸130部、アジピン酸5部、エチレングリコール650部、重合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート0.5部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下に1時間反応させた。次いで、安息香酸55部を加え、常圧下で3時間反応させた(線形ポリエステル(B−2a))。さらに、無水トリメリット酸85部を加え、常圧下で1時間反応させた後、20〜40mmHgの減圧下で反応させ所定の軟化点で取り出した。回収されたエチレングリコールは280部であった。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(B−2)とする。
(B−2)のMpは4500、Tgは60℃、Tmは145℃、酸価は25、水酸基価は10、SP値は12.3であった。
製造例5
[相溶化剤(C−1)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、1,2−プロピレングリコール715部、テレフタル酸740部、アジピン酸35部、重合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、180℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら12時間反応させた。次いで230℃まで除々に昇温しながら、窒素気流下に、生成する水を除去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が88℃になった時点で冷却した。回収された1,2−プロピレングリコールは325部であった。次いで、180℃まで冷却し、無水トリメリット酸50部を加え、密閉下2時間反応後、220℃、20〜40mmHgの減圧下で反応させ所定の軟化点で取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを相溶化剤であるポリエステル樹脂(C−1)とする。
(C−1)のTgは61℃、Tmは101℃、Mpは4500、酸価は29、水酸基価は30、SP値は11.8であった。
製造例6
[相溶化剤(C−2)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、1,2−プロピレンリコール700部、テレフタル酸685部、アジピン酸65部、重合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、180℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら12時間反応させた。次いで230℃まで除々に昇温しながら、窒素気流下に、生成する水を除去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が99℃になった時点で冷却した。回収された1,2−プロピレングリコールは315部であった。次いで、180℃まで冷却し、無水トリメリット酸35部を加え、密閉下2時間反応後、220℃、20〜40mmHgの減圧下で反応させ所定の軟化点で取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを相溶化剤であるポリエステル樹脂(C−2)とする。
(C−2)のTgは63℃、Tmは115℃、Mpは9500、酸価は15、水酸基価は40、SP値は11.7であった。
製造例7
[相溶化剤(C−3)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、水素添加ビスフェノールA710部、テレフタル酸235部、アジピン酸140部、重合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、180℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら12時間反応させた。次いで230℃まで除々に昇温しながら、窒素気流下に、生成する水を除去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になるまで反応させ、取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを相溶化剤であるポリエステル樹脂(C−3)とする。
(C−3)のTgは65℃、Tmは100℃、Mpは6500、酸価は1、水酸基価は35、SP値は11.0であった。
比較製造例1
[比較用相溶化剤(RC−1)]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、テレフタル酸585部、イソフタル酸250部、アジピン酸5部、エチレングリコール625部、重合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、180℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら12時間反応させた。次いで230℃まで除々に昇温しながら、窒素気流下に、生成する水を除去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が98℃になった時点で冷却した。回収されたエチレングリコールは300部であった。次いで、180℃まで冷却し、無水トリメリット酸17部を加え、密閉下2時間反応後、220℃、20〜40mmHgの減圧下で反応させ所定の軟化点で取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを相溶化剤であるポリエステル樹脂(RC−1)とする。
(RC−1)のTgは58℃、Tmは103℃、Mpは7700、酸価は12、水酸基価は26、SP値は12.4であった。
以下の表1に、製造例1〜7で得られたポリエステル樹脂(A1)、(A2)、(B1)、(B2)、相溶化剤(C−1)、(C−2)(C−3)および製造比較例1で得られた相溶化剤(RC−1)の分析値をまとめた。
Figure 0005491958
実施例1〜7、比較例1〜3
製造例1〜7、比較製造例1で得られた、線形ポリエステル樹脂(A−1、A−2)と非線形ポリエステル樹脂(B−1、B−2)、相溶化剤(C−1、C−2、C−3)、比較の相溶化剤(RC−1)を、表2の割合でプラストミルに入れ、140℃で10分間撹拌して溶融混合し、本発明のトナーバインダー(a−1)〜(a−12)、および比較のトナーバインダー(a’−1)〜(a’−3)を得た。各トナーバインダー100部に対して、シアニンブルーKRO(山陽色素製)8部、カルナバワックス5部を加え。下記の方法でトナー化した。
まず、ヘンシェルミキサー[三井三池化工機(株)製 FM10B]を用いて予備混合した後、二軸混練機[(株)池貝製 PCM−30]で混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製 MDS−I]で分級し、体積平均粒径(D50)が8μmのトナー粒子を得た。ついで、トナー粒子100部にコロイダルシリカ(アエロジルR972:日本アエロジル製)0.5部をサンプルミルにて混合して、本発明のトナー組成物(T−1)〜(T−12)、および比較のトナー組成物(T’−1)〜(T’−3)を得た。
下記評価方法で評価した評価結果を表2に示す。
Figure 0005491958
[評価方法]
〔1〕最低定着温度(MFT)
市販複写機(AR5030;シャープ製)を用いて現像した未定着画像を、市販複写機(AR5030;シャープ製)の定着機を用いて評価した。定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着ロール温度をもって最低定着温度とした。
〔2〕ホットオフセット発生温度(HOT)
上記MFTと同様に定着評価し、定着画像へのホットオフセットの有無を目視評価した。ホットオフセットが発生した定着ロール温度をもってホットオフセット発生温度とした。
なお、最低定着温度(MFT)とホットオフセット発生温度(HOT)に関しては、定着温度幅(HOTとMFTの差)が広いことが重要である。
〔3〕耐ブロッキング性
トナー組成物をそれぞれポリエチレン製の瓶に入れ、45℃の恒温水槽に8時間保持した後、42メッシュのふるいに移し、ホソカワミクロン(株)製パウダーテスターを用いて、振動強度5で10秒間振とうし、ふるいの上に残ったトナーの重量%を測定し、下記基準で判定し、保存安定性を評価した。
残存トナー重量%
◎ : 0%以上15%未満
○ : 15%以上25%未満
△ : 25%以上30%未満
× : 30%以上
〔4〕混ざり性評価
位相差顕微鏡あるいはデジタルマイクロスコープ(光学顕微鏡)を用いる。
400〜5000倍において、島相のドメイン径を測定する。
本発明のトナーバインダーを用いた本発明のトナー組成物は、帯電安定性、定着温度幅、保存安定性等に優れるので、電子写真、静電記録、静電印刷等に用いられるトナーとして有用である。

Claims (7)

  1. カルボン酸成分(x)とポリオール成分(y)とが重縮合されてなり、互いに非相溶である線形ポリエステル樹脂(A)および非線形ポリエステル樹脂(B)、並びに、カルボン酸成分(x’)と炭素数2〜20の単一の脂肪族ポリオールまたは脂環式ポリオールであるポリオール成分(y’)とが重縮合されてなるポリエステル樹脂であって、SP値[(cal/cm1/2]が(A)と(B)の間に位置する相溶化剤(C)を含有し、非線形ポリエステル樹脂(B)を構成するカルボン酸成分(x)が、モノカルボン酸(x1)およびポリカルボン酸(x2)であり、相溶化剤(C)のガラス転移温度が45〜70℃である電子写真用トナーバインダー。
  2. 線形ポリエステル樹脂(A)を構成するカルボン酸成分(x)が、ポリカルボン酸(x2)および/必要によりモノカルボン酸(x1)である請求項1記載のトナーバンダー。
  3. 線形ポリエステル樹脂(A)を構成するポリオール成分(y)の85〜100モル%が芳香族ポリオールであり、非線形ポリエステル樹脂(B)を構成するポリオール成分(y)の85〜100モル%が炭素数2〜12のアルキレングリコール(y11)である請求項1又は2記載のトナーバンダー。
  4. 相溶化剤(C)のSP値が10.5〜12.5(cal/cm1/2である請求項1〜のいずれか記載のトナーバンダー。
  5. 線形ポリエステル樹脂(A)と非線形ポリエステル樹脂(B)と相溶化剤(C)の重量比が、(10〜85):(10〜80):(0.1〜15)である請求項1〜のいずれか記載のトナーバンダー。
  6. 線形ポリエステル樹脂(A)が海相、非線形ポリエステル樹脂(B)が島相である海島構造を取り、島相の径が5μm以下である請求項1〜のいずれか記載のトナーバンダー。
  7. 請求項1〜のいずれか記載のトナーバインダーと着色剤と、必要により離型剤、荷電制御剤、磁性粉および流動化剤から選ばれる一種以上の添加剤とを含有するトナー組成物。
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