JPH08328303A - トナー用樹脂組成物及びトナー - Google Patents

トナー用樹脂組成物及びトナー

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JPH08328303A
JPH08328303A JP7133720A JP13372095A JPH08328303A JP H08328303 A JPH08328303 A JP H08328303A JP 7133720 A JP7133720 A JP 7133720A JP 13372095 A JP13372095 A JP 13372095A JP H08328303 A JPH08328303 A JP H08328303A
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JP
Japan
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toner
phase
domain
matrix phase
resin composition
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Application number
JP7133720A
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English (en)
Inventor
Hiroko Minamino
裕子 南野
Toru Takahashi
徹 高橋
Kazuhiro Noguchi
和裕 野口
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐オフセット性、低温定着性、及び耐ブロッ
キング性に優れ、定着温度域が広い、トナーを提供する
ことを可能とするトナー用樹脂組成物を得る。 【構成】 マトリックス相と、マトリックス相に分散さ
れたドメイン相とを有するトナー用樹脂において、ドメ
イン相及びマトリックス相の少なくとも一方に相溶化剤
を含有させてなるトナー用樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真等に使用する
トナー用樹脂組成物及びトナーに関し、さらに詳しく言
えば、静電荷像を現像する方法の内、乾式現像方式に使
用するトナー用樹脂組成物及びトナーに関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真等において、静電荷像を現像す
る方法として、乾式現像方式が多用されている。乾式現
像方式では、バインダーとなるトナー用樹脂に、カーボ
ンブラック等の着色剤、及びその他の添加剤を含有させ
た微粉末に、鉄粉やガラスビーズ等のキャリアを混合し
た摩擦帯電性のトナー(現像剤)が用いられている。
【0003】複写物を得るには、通常、感光体上に静電
潜像を形成し、この静電潜像に摩擦帯電性のトナーを電
気的に付着させて現像し、得られたトナー像を用紙等の
シートの上に転写し、その後、トナーに対して離型性を
有する熱圧ローラーで定着させて永久可視像とする。
【0004】この種のトナーでは、主に耐オフセット性
(定着用の熱圧ローラーにトナーが付着し、これが用紙
を汚さないこと)、低温定着性(低温でトナーが用紙に
強固に付着すること)、耐ブロッキング性(トナー粒子
が凝集しないこと)、画像安定性(帯電量の変化がな
く、画像濃度が均一であること)に優れていることが要
求され、さらに、トナー製造のために、粉砕性の良好な
トナー樹脂組成物も要求される。
【0005】低温定着性を改善するには、トナーに定着
助剤を混練分散させることにより、トナーの軟化点を下
げて、トナーの定着可能温度を低下させればよい。しか
しながら、この場合、耐オフセット性が悪くなる。ま
た、同じ観点からマトリックス相とドメイン相の組成を
大きく変えると、同様に耐オフセット性を悪化させるこ
とになる。
【0006】また、耐オフセット性という観点から、ト
ナーにシリカ等の無機微粒子を混練分散させることによ
り、トナーの接着性を下げ、それにより、トナーの耐オ
フセット性をある程度向上させることができるが、粉砕
性や定着性や帯電性に悪影響を与える。
【0007】一方、上記のような諸性能を改善したトナ
ーとして、マトリックス相と、このマトリックス相の中
に分散されたドメイン相とで形成されているトナー用樹
脂組成物及びこのトナー用樹脂組成物を用いたトナーが
知られている(例えば、特公昭57−6586号公報及
び特開平4−366176号公報)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このようなマトリック
ス相とドメイン相とからなる従来のトナーは、低温定着
性、耐オフセット性及び耐ブロッキング性が良好である
が、近年需要が伸びている高速型や小型の電子複写機を
用いて複写する場合には、必ずしも上記性能は十分に満
足のいくものではなく、特に定着温度域の広いトナーが
要望されている。
【0009】本発明は、上記従来のトナーの有する問題
点を解決するものであり、その目的とするところは、耐
オフセット性、低温定着性、耐ブロッキング性に優れ、
特に定着温度域が広く、高速型や小型の電子複写機を用
いて複写する場合でも、十分に安定した画像が得られる
トナー用樹脂組成物及びトナーを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を達
成するために成されたものであり、マトリックス相とド
メイン相とを有するトナー用樹脂組成物において、相溶
化剤を含有させ、上記相溶化剤の作用により耐オフセッ
ト性、低温定着性をより一層高め、さらに定着温度域が
広く、かつ安定な画像を得ることを可能としたことに特
徴を有する。
【0011】すなわち、請求項1に記載の発明は、マト
リックス相と前記マトリックス相中に分散されたドメイ
ン相とにより形成されているトナー用樹脂のための組成
物であって、前記ドメイン相中及び/またはマトリック
ス相中に相溶化剤が含有されていることを特徴とするト
ナー用樹脂組成物である。
【0012】また、上記相溶化剤は、請求項2に記載の
ように、マトリックス相及びドメイン相と同じ成分を含
有するブロック共重合体またはグラフト共重合体により
構成することができる。
【0013】さらに、請求項3に記載の発明では、上記
相溶化剤は、水素結合またはイオン結合を形成すること
が可能な官能基を有する高分子重合体から構成される。
また、請求項4に記載の発明では、マトリックス相の溶
解度パラメーター値(δ値)とドメイン相の溶解度パラ
メーター値(δ値)との間の溶解度パラメーター値(δ
値)を有する高分子重合体から構成される。この場合、
請求項5に記載のように、相溶化剤は、マトリックス相
の溶解度パラメーター値(δ値)よりも小さく、かつ該
マトリックス相の溶解度パラメーター値(δ値)との差
が2以内である溶解度パラメーター値(δ値)を有する
高分子重合体から構成されることが好ましい。また、請
求項6に記載のように、上記相溶化剤は、ドメイン相の
溶解度パラメーター値(δ値)よりも大きくかつドメイ
ン相の溶解度パラメーター値(δ値)との差が2以内で
ある溶解度パラメーター値(δ値)を有する高分子重合
体で構成することが好ましい。
【0014】また、本発明により得られるトナーは、上
記請求項1〜6に記載の発明に係るトナー用樹脂組成物
を主成分とすることを特徴とする。以下、本発明を詳細
に説明する。
【0015】ドメイン相及びマトリックス相を構成する
樹脂成分 本発明において、トナー用樹脂組成物を構成する樹脂成
分としては、バインダー樹脂として通常使用されている
樹脂の中から、マトリックス相とドメイン相とを形成し
得る樹脂が選定され、例えば、ビニル系樹脂、キシレン
樹脂、エポキシ樹脂、クマロン−インデン樹脂、スチレ
ン−ブタジエン−スチレン(SBS)樹脂、ブチラール
樹脂等の中から選定される。
【0016】特に、マトリックス相及びドメイン相を構
成するトナー用樹脂成分としては、製造(重合)及び物
性調整の容易さからビニル系樹脂が好ましい。その中で
もスチレン系重合体、(メタ)アクリル酸エステル系重
合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体がより好
適である。
【0017】マトリックス相を構成する樹脂は、トナー
の耐ブロッキング性や低温定着性などの性能を考慮する
と、軟化点が80〜150℃、分子量分布における分散
度(重量平均分子量/数平均分子量)が5以下のもので
あることが好ましい。
【0018】ここで、軟化点は、高化式フローテスター
により、試料1.0gを荷重20kg/cm2 、昇温速
度6℃/分の条件でダイ(1mmφ×1mm)の細孔に
より押し出し、プランジャー降下距離と温度との関係を
示す流れ曲線を作成し、プランジャー降下距離が全スト
ロークの50%となるときの温度である。また、分子量
分布における分散度は、ゲルパーミエーションクロマト
グラフィー(GPC)によって測定される重量平均分子
量と数平均分子量との比から求められた値である。
【0019】また、マトリックス相を構成する樹脂成分
は、低分子量のビニル系樹脂成分からなり、その重量平
均分子量が4万以下で、ガラス転移温度が50℃以上の
ものであり、全樹脂成分に対して60〜95重量%であ
ることが好ましい。このような低分子量のビニル系樹脂
成分は硬質で脆い性質を有し、粉砕性や耐ブロッキング
性に大きく影響し、この樹脂成分が上記範囲にあること
により、粉砕性及び耐ブロッキング性が一層改善され
る。
【0020】また、ドメイン相を構成する樹脂成分は、
高分子量のビニル系成分からなり、その重量平均分子量
は10万以上であり、全樹脂成分に対して5〜40重量
%のものが好ましい。このような高分子量のビニル系樹
脂成分は、軟質で粘り強い性質を有し低温定着性や耐オ
フセット性に大きく影響し、この樹脂成分が上記範囲に
あることにより低温定着性や耐オフセット性がより一層
改善される。
【0021】さらに、ドメイン相及び/またはマトリッ
クス相を構成する樹脂成分は、相溶化剤を安定して含有
させるために、これと相互作用し得る官能基を有する
か、あるいは立体障害性の側鎖を有するか、あるいは多
くの分岐構造を有するものか、あるいは多くの架橋構造
を有するものが好ましい。
【0022】なお、本明細書において、各樹脂成分の重
量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ー(GPC)によって測定された値である。また、各樹
脂成分のガラス転移点は示差走査型熱量計(DSC)で
測定された値である。
【0023】相溶化剤 本発明に用いる相溶化剤としては、マトリックス相とド
メイン相と同じ成分を含有するか、あるいはその両者ま
たはどちらかの相に相溶する成分を持つブロック共重合
体、グラフト共重合体、星形重合体等が用いられ、中で
も、請求項2に記載のように、ブロック共重合体または
グラフト共重合体が好ましく用いられる。
【0024】ブロック共重合体、グラフト共重合体、星
形重合体等を使用する理由としては、これらが界面に局
在化し自由エネルギーを低減し、さらにドメインサイズ
を小さく安定化させることによって各相界面の相互作用
を飛躍的に向上させる効果を有するからである。
【0025】例えば、ドメイン相成分及びマトリックス
相成分と同様の2成分で形成されるジブロック共重合体
の場合、各ホモポリマー成分が各マトリックス相とドメ
イン相に相溶し、両相間に強固な相互作用を生じさせる
ことが可能なためである。そして、このためにドメイン
相とマトリックス相に相互作用が付与されることにより
樹脂全体の粘性が高められることによって、耐オフセッ
ト性が飛躍的に改善される。
【0026】相溶化剤の各相への相溶化の程度は、ドメ
イン相及びマトリックス相の各独立した構造を壊さず界
面に局在化し両相間に強固な相互作用を生じさせるもの
が好ましい。このように各相に相溶しやすい樹脂の組成
は、マトリックス相及びドメイン相を形成し得る樹脂を
少なくとも1成分含有するものが選定され、例えば、ビ
ニル系樹脂、キシレン樹脂、エポキシ樹脂、クマロン−
インデン樹脂、SBS樹脂等の中から選定される。好適
には特に、ビニル系樹脂が使用される。その中でも、ス
チレン系共重合体、(メタ)アクリル酸エステル系共重
合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体がより好
適である。
【0027】請求項3の発明における相溶化剤 請求項3の発明に用いる相溶化剤としては、分子鎖中に
水素結合あるいはイオン結合可能な官能基を有する高分
子重合体が用いられる。このような官能基を有する相溶
化剤は、トナー用樹脂組成物(ドメイン相及びマトリッ
クス相)中に分散し、分子同士が強固な疑似架橋挙動を
示すことにより、ドメイン相とマトリックス相との相互
作用を強くさせることができる。これによって、ドメイ
ン相とマトリックス相は共同的な運動をすることがで
き、耐オフセット性が改善される。
【0028】相溶化剤の各相への相溶化の程度は、ドメ
イン及びマトリックスの各独立した構造を壊さず両相と
相互作用を生じるものが好ましい。ここで高分子重合体
中の官能基としては、水酸基、ケトン、エステル、エー
テル、ニトリル、ハロゲン、硫化物、チオール、有機リ
ン、硝酸、ニトロ化合物等が含有されていることが好ま
しい。
【0029】そして各相に相溶しやすい樹脂組成として
は、マトリックス相とドメイン相と相互作用し得る樹脂
が選定され、例えば、ビニル系樹脂、エポキシ樹脂等の
中から選定される。好適には特に、スチレン系共重合体
及びスルホン化ポリスチレン、ポリビニルブチラール、
酢酸ビニルの部分ケン化物、ポリエチレングリコール、
ポリビニルブロマイド、ポリウレタン等が使用される。
【0030】請求項4の発明における相溶化剤 請求項4の発明に用いる相溶化剤としては、マトリック
ス相とドメイン相の各溶解度パラメーター値(δ値)の
間に挟まれるδ値を持つ高分子重合体が用いられる。な
お、本明細書において用いているδ値は、高分子鎖を溶
媒分子とほぼ同体積のセグメントに分断したときのセグ
メント1モル当りの蒸発エネルギーと体積から算出さ
れ、一般に高分子の化学的な親和性を示す値である。
【0031】このような重合体を使用する理由は、これ
らが界面に局在化し自由エネルギーを低減し、さらにド
メインサイズを小さく安定化させることによって界面に
おける相互作用を飛躍的に向上させる効果を有するから
である。
【0032】そして、このような高分子重合体はマトリ
ックス相とドメイン相に部分相溶し、両相間に強固な相
互作用を生じさせることが可能なため、ドメイン相とマ
トリックス相の滑りを防止することができる。すなわ
ち、これによってドメイン相とマトリックス相との接着
力が高められ、耐オフセット性が飛躍的に改善される。
【0033】相溶化剤の各相への相溶化の程度は、ドメ
イン相及びマトリックス相の各独立した構造を壊さず界
面に局在化し両相間に強固な相互作用を生じさせるもの
が好ましい。このように各相に相溶しやすい樹脂の組成
は、例えば、ビニル系樹脂、キシレン樹脂、エポキシ樹
脂、クマロン−インデン樹脂、SBS樹脂、ジエン類等
の中から選定される。好適には特に、ビニル系樹脂が使
用される。その中でも、スチレン系共重合体、(メタ)
アクリル酸エステル系共重合体、スチレン−(メタ)ア
クリル酸共重合体がより好適である。
【0034】請求項5の発明における相溶化剤 請求項5の発明に用いる相溶化剤としては、溶解度パラ
メーター(δ値)がマトリックス相の溶解度パラメータ
ー値(δ値)より小さい値であり、マトリックス相との
δ値の差が2以内である高分子重合体が用いられる。ま
た、相溶化剤としては、好ましくは、その溶融粘度がマ
トリックス相のそれより大きいものが使用される。
【0035】上記高分子重合体を使用するのは、マトリ
ックス相に分散しているドメインサイズを小さくして機
械的なせん断力を両相間に効果的に働かせるように、マ
トリックス相の溶融粘度を高くするためである。
【0036】すなわち、マトリックス相のみに完全に相
溶し単一構造を形成し得る溶融粘度の高い高分子量体を
マトリックス相と相溶化させることにより、マトリック
ス相の粘弾性を上げ、ドメイン相の分散性を高めること
により、ドメイン相とマトリックス相の相互作用を飛躍
的に向上させることができる。
【0037】このような高分子重合体は、マトリックス
相に完全に溶解し、マトリックス相の粘弾性を高めるこ
とにより両相間に強固な相互作用を生じさせる。従っ
て、ドメイン相とマトリックス相との滑りを防止するこ
とができ、これによって耐オフセット性が飛躍的に改善
する。
【0038】このように各相に相溶しやすい樹脂として
は、ビニル系樹脂、ジエン系樹脂等が使用される。その
中でも、ブタジエン、イソプレン、イソブチレン、ポリ
エチレン等が用いられる。
【0039】請求項6の発明における相溶化剤 請求項6の発明に用いる相溶化剤としては、ドメイン相
の溶解度パラメーター値(δ値)より大きい値であり、
ドメイン相との溶解度パラメーター値(δ値)の差が2
以内である溶解度パラメーター値(δ値)を有する高分
子重合体が用いられる。またここで使用される相溶化剤
の溶融粘度はドメイン樹脂より小さいものが用いられ
る。
【0040】このような重合体を使用するのは、マトリ
ックス相に分散しているドメインサイズを小さくするた
めに、機械的なせん断力が両相間に効果的に働くよう
に、ドメイン相の溶融時の粘度を低下させるためであ
る。
【0041】すなわち、ドメイン相のみに相溶し単一構
造を形成し得る溶融粘度の小さい高分子量体をドメイン
相と相溶化させることにより、ドメイン相の粘弾性を低
下させ、マトリックス相への分散性を高めることによ
り、ドメイン相とマトリックス相の相互作用を飛躍的に
向上させることができる。
【0042】上記高分子重合体は、ドメイン相に完全に
溶解し、ドメイン相樹脂の粘弾性を低下させドメイン相
の分散性を高めることにより、両相間に強固な相互作用
を生じさせることができる。従って、ドメイン相とマト
リックス相との滑りを防止することができ、それによっ
て耐オフセット性を飛躍的に改善することができる。
【0043】このようにドメイン相に相溶しやすい樹脂
としては、例えば、ビニル系樹脂が使用される。その中
でも、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、酢酸ビニ
ル、ポリビニルブチラール、酢酸ビニル部分ケン化物等
が用いられる。
【0044】相溶化剤の添加量 相溶化剤の添加量は、全樹脂成分(ドメイン相及びマト
リックス相を構成している樹脂成分の合計)に対して一
般に0.01〜40重量%の範囲とすることが好まし
い。相溶化剤の含有量が上記より少なくなると樹脂の耐
オフセット性が低下し、多くなるとドメイン/マトリッ
クス構造が完全相溶化を示し良好な定着性が得られな
い。
【0045】トナー用樹脂組成物の調製 本発明のトナー用樹脂組成物は、例えば、前述の高分子
量のビニル系樹脂成分に、所定量の相溶化剤を混合し、
ロールミル、ニーダーまたは押出し機等で溶融混練して
ドメイン相を構成する樹脂成分を調製し、このドメイン
相を構成する樹脂成分と、マトリックス相を構成する高
分子量のビニル系樹脂成分とを所定量混合し、これをさ
らにロールミル、ニーダーまたは押出し機等で溶融混練
することにより製造することができる。
【0046】また、前述の低分子量ビニル系樹脂成分に
所定量の相溶化剤を混合し、これをロールミル、ニーダ
ーまたは押出し機等で溶融混練してマトリックス相を構
成する樹脂成分を調製し、このマトリックス相を構成す
る樹脂成分と、ドメイン相を構成する高分子量のビニル
系樹脂成分とを所定量混合し、これをさらにロールミ
ル、ニーダーまたは押出し機等で溶融混練することによ
り製造することもできる。
【0047】また、上記のようにして相溶化剤を含有す
るドメイン相を構成する樹脂成分と、相溶化剤を含有す
るマトリックス相を構成する樹脂成分とを、それぞれ調
製し、これらを、さらにロールミル、ニーダーまたは押
出し機等で混練溶融することにより本発明のトナー用樹
脂組成物を製造することもできる。
【0048】場合によっては、前述の低分子量のビニル
系樹脂成分と高分子量のビニル系樹脂成分とを相溶化剤
と一括して混合し、これをロールミル、ニーダーまたは
押出し機等で溶融混練することにより、本発明のトナー
用樹脂組成物を製造することもできる。
【0049】さらに、場合によっては、前述の低分子量
ビニル系樹脂成分と、高分子量ビニル系樹脂成分と、相
溶化剤とを適当な有機溶媒を用いて溶媒中でブレンドす
ることにより、本発明のトナー用樹脂組成物を製造する
ことができる。
【0050】また、前述の低分子量ビニル系樹脂成分及
び高分子量ビニル系樹脂成分の(共)重合過程で、その
一方の樹脂成分または両方の樹脂成分に相溶化剤を添加
し、混合することによっても、本発明のトナー用樹脂組
成物を製造することができる。この場合、特に一方の樹
脂成分の存在下で他方の樹脂成分を構成するモノマーを
(共)重合すると、より一層経済的にトナー用樹脂組成
物を製造することができ、しかも相溶化剤をより容易に
含有させることができる。
【0051】上記の何れの方法においても、低分子量ビ
ニル系重合体及び高分子量ビニル系重合体成分の組成、
重量平均分子量、ガラス転移温度、相溶化剤の種類、溶
液ブレンド条件、(共)重合条件、溶融混練条件を適当
に設定することにより、相溶化剤を、ドメイン相及び/
またはマトリックス相中に選択的に含有させた状態でト
ナー用樹脂組成物のドメイン相及びマトリックス相の双
方の樹脂成分の分散状態を制御することができる。
【0052】上記両方の樹脂成分が、分子レベルで均一
に相溶化すると、均一系の相溶構造(単相構造)とな
り、両方の樹脂成分の特性が平均化されていき、トナー
として十分な定着温度、耐オフセット性、耐ブロッキン
グ性及び微粉砕性が得られない。これに対し、上記両方
の樹脂成分が分子レベルで不均一に相溶化すると、不均
一系のミクロ相分離構造(複相構造)となる。
【0053】本発明のトナー用樹脂組成物は、後者のよ
うな不均一系のミクロ相分離構造(複相構造)を有する
ものであり、特にマトリックス相と(連続相)と、マト
リックス相の中に分散されたドメイン相(不連続相)と
で形成され、このドメイン相中及び/またはマトリック
ス相との界面に相溶化剤が含有されているものである。
ここで、最も重要な点は、マトリックス相とドメイン相
との間の相互作用がないか、あるいは小さい場合、ある
いはドメインサイズが非常に大きい場合、ドメイン相は
マトリックス相中で独立した挙動を示し、ドメイン相の
効果であるところの耐オフセット性に全く寄与しない。
このように、ドメイン相とマトリックス相は互いに独立
しているため、その相界面の接着性が小さい。このた
め、その相界面に強固な相互作用を生じさせる必要から
相溶化剤を用いている点である。
【0054】そして、このような特殊なミクロ相分離構
造には、具体的には、ドメイン相が粒子状、シリンダ
状、ラメラ状、相互貫入網目状(IPN)のものが存在
する。これらのミクロ相分離構造(複相構造)は、例え
ばウルトラミクロトーム切片の走査型もしくは透過型電
子顕微鏡観察等により確認することができる。
【0055】本発明のトナー用樹脂組成物においては、
特に、ドメイン相が粒子状のもので、このドメイン粒子
の大きさが5μm以下程度のドメイン構造のものが好ま
しい。ドメイン粒子が大きすぎると、当該樹脂をトナー
としたときに、トナー粒子に含まれるドメイン粒子の数
にばらつきが生じ、諸物性に重大な影響を及ぼす。
【0056】トナーの作製 本発明のトナー用樹脂組成物を用いて、本発明のトナー
を製造するには、例えば、上記方法で得られたトナー用
樹脂組成物に、必要に応じて着色剤、帯電制御剤、その
他の従来慣用のトナー用添加剤を配合し、これをロール
ミル、ニーダー、押出し機等で溶融混練した後、冷却し
て粉砕する方法が採用される。なお、粉砕されたトナー
には、トナー粒子の流動性を上げるために、疎水性シリ
カ等を後添加してもよい。
【0057】上記着色剤としては、カーボンブラック、
クロームイエロー、アニリンブルー等のこの種のトナー
に慣用されている着色剤が使用される。また、帯電制御
剤としては、ニグロシン、スピロンブラック(保土ヶ谷
化学社製)等の染料、その他フタロシアニン系の顔料か
らなる帯電制御剤が使用される。また、複写機の定着用
の熱圧ローラーに対して剥離作用のあるポリプロピレン
ワックス、低分子量のポリエチレン等が配合されてもよ
い。
【0058】
【作用】マトリックス相とドメイン相とで形成されてい
るトナー用樹脂組成物を用いたトナーは、先行技術とし
て記載した特公昭57−6586号公報や特開平4−3
66176号公報に説明されている通り、一定レベルの
良好な耐オフセット性、低温定着性及び耐ブロッキング
性を有する。
【0059】本発明では、このようなマトリックス相と
ドメイン相とで形成されているトナー用樹脂組成物にお
いて、ドメイン相中及び/またはマトリックス相中に上
記特定の相溶化剤が含有されている。従って、このよう
なトナー用樹脂組成物を用いたトナーでは、相溶化剤に
よりドメイン相とマトリックス相との間の相互作用が高
められるので、耐オフセット性が高められ、結果、トナ
ーの定着性が改善される。
【0060】
【実施例】以下、本発明の非限定的な実施例及び比較例
を挙げることにより、本発明を明らかにする。
【0061】(実施例1)ドメイン相を構成する樹脂成分の調製 容量5リットルの丸形反応容器中に、脱イオン水200
0重量部、アラビアゴム18重量部及びリグニンスルホ
ン酸18重量部を計り取り、ウォーターバスにセットし
た。次に、上記丸形反応容器に、板状の攪拌装置、ジム
ロート冷却管、滴下装置及び窒素導入管を取付け、窒素
バブリングを行いつつ80℃に反応容器内の液体を昇温
した。系内が均一な状態となるのを待ち、窒素バブリン
グを停止し、チッソ気流に切り替え、n−ブチルアクリ
レートモノマー116重量部、メチルメタクリレートモ
ノマー509重量部及び過酸化ベンゾイル2.75重量
部よりなるモノマー混合溶液をゆっくりと滴下し、懸濁
重合を行った。18時間反応させた後、反応生成物を取
り出し、水洗・濾過を繰り返した後風乾し、n−ブチル
アクリレート−メチルメタクリレート共重合体(BA−
MMA共重合体)を得た。この樹脂をD−1とする。得
られた樹脂D−1の重量平均分子量は100万、ガラス
転移温度は60℃、溶解度パラメータ値δは9.23で
あった。
【0062】マトリックス相を構成する樹脂成分の調製 市販の単分散ポリスチレンを用いた。上記単分散ポリス
チレンの重量平均分子量は1万、分子量分布における分
散度(重量平均分子量/数平均分子量)は、2.5であ
り、軟化点は127℃、ガラス転移点は68℃、溶解度
パラメータ値δは8.85であった。この樹脂をM−1
とする。
【0063】相溶化剤の調製 ポリマー開始剤の調製…200mlの丸底フラスコ
に、温度計攪拌機及び塩化カルシウム管を取付け、塩化
チオニル50mlを入れ、35〜40℃に保ち、4,4
´−アゾビス(4−シアノペンタン酸)18gを少量ず
つ添加し、10時間室温で攪拌した。次に、溶液を減圧
濃縮し、乾固させた4,4´−アゾビス(4−シアノペ
ンタン酸クロリド)〔以下、ACPCと略す。〕を得
た。100mlの丸底フラスコに、1,6−ヘキサンジ
オール1.9g、クロロホルム20g及びトリエチルア
ミン3gを入れ、溶解させた後、上記ACPC5gを滴
下し、5時間室温で攪拌反応し、ポリ(ヘキサメチレン
−アゾビスシアノペンタネート)〔以下、PHMACP
と略す。〕を得た。
【0064】PBAの調製…300mlの丸底フラス
コに温度計、攪拌機及び還流冷却管を取付け、PHMA
CP0.36g、ブチルアクリレート58g及びベンゼ
ン85gを入れた。フラスコ内を窒素ガスで置換した
後、60℃で30分間反応させ、次に真空乾燥機にて乾
燥させ、ポリブチルアクリレート(PVA)を得た。
【0065】PBA−PStブロック共重合体の調製
…300mlの丸底フラスコに、温度計、攪拌機及び還
流冷却管を取付け、ポリビニルアルコール(PBA)1
0g、スチレン110g及びベンゼン170gを投入し
た。フラスコ内を窒素ガスで置換した後、オイルバスで
60℃に昇温し、24時間反応させた。反応後メタノー
ルで再沈後、真空乾燥機で乾燥し、ポリブチルアクリレ
ート−スチレンブロック共重合体(PBA−PStブロ
ック共重合体)を得た。この共重合体樹脂をS−1と略
す。
【0066】トナー用樹脂組成物の作製 上記のようにして得た樹脂D−1を30重量部、相溶化
剤としての樹脂S−1を3重量部を計り取り、混合し、
ロールミルで溶融混練し、ドメイン相構成用樹脂成分を
得た。この樹脂成分を重合体1とする。
【0067】上記重合体1を42重量部と、上記単分散
ポリスチレン(M−1)70重量部と、カーボンブラッ
ク(MA−100…三菱化成社製)6重量部と、スピロ
ンブラックTRH(保土ヶ谷化学社製)1重量部と、ポ
リプロピレンワックス(ビスコール660P:三洋化学
社製)3重量部とをロールミルで溶融混練し、冷却し、
しかる後ジェットミルで粉砕・分級し、平均粒径12μ
mのトナー粉末(トナー用樹脂組成物)を得た。
【0068】上記のようにして得たトナー粉末の一部
を、エポキシ樹脂に包埋し、ウルトラミクロトームで面
出しし、透過型電子顕微鏡で観察した。その結果、重合
体1と、単分散ポリスチレンとにより形成された、不均
一系ミクロ相分離構造(複相構造)を有することが確認
された。
【0069】トナーの作製 上記トナー粉末に、疎水性シリカ粉末(R−972:日
本アエロジル社製)0.3重量部を外添し、トナーを作
製した。
【0070】評価 トナーの凝集性…上記トナー10gを100mlのサ
ンプル瓶に計り取り、40℃の恒温槽中に48時間放置
した。しかる後トナーの凝集性を観察したところ、トナ
ーに凝集は全く認められなかった。
【0071】定着温度域及び耐オフセット性…上記
トナー4重量部と、粒径50〜80μmの鉄粉キャリア
96重量部とを均一に混合し、現像剤を作製した。この
現像剤を用いて、以下の要領で定着温度域を測定した。
その結果、安定な複写画像を得ることができる定着温度
域は、138〜250℃であり、この温度範囲の全域に
渡り定着性の良好であることが確かめられた。
【0072】<定着温度域の測定及び耐オフセット性の
評価>電子写真複写機の定着用の熱圧ローラーの設定温
度を段階的に変えて複写を行い、オフセット(2重画
像)の発生がなく、得られた複写画像をタイプライター
用砂消しゴムで摩擦したときに、複写画像の濃度の低下
が10%未満である場合を定着性良好と判定し、そのよ
うな定着性良好となる温度範囲を求めた。なお、使用し
た電子写真複写機は、コニカ社製、U−BIX 416
0AFを、定着用熱圧ローラーの温度を120〜250
℃まで変化させ得るように改造したものである。なお、
耐オフセット性は、この定着温度域の測定に際して評価
した。
【0073】(実施例2)相溶化剤として、下記のよう
にして得られたスチレン−n−ブチルアクリレート−メ
チルメタクリレート共重合体(S−2)を用いた。
【0074】相溶化剤の調製 容量1リットルの丸形反応容器中に脱イオン水400重
量部、アラビアゴム3.6重量部、及びリグニンスルホ
ン酸3.6重量部を計り取り、ウォータバスにセットし
た。これに、板状の攪拌装置、ジムロート冷却管、滴下
装置及び窒素導入管を取り付け窒素バブリングを行いつ
つ80℃に昇温した。系内が均一な状態になるのを待っ
て窒素バブリングを窒素気流に切り替え、スチレンモノ
マー93.8重量部、n−ブチルアクリレートモノマー
25重量部、メチルメタクリレートモノマー6.2重量
部及び過酸化ベンゾイル0.6重量部よりなるモノマー
混合溶液をゆっくりと滴下し、懸濁重合を行った。18
時間後に反応生成物を取り出し、繰り返し水洗濾過した
後、風乾し、スチレン−n−ブチルアクリレート−メチ
ルメタクリレート共重合体(St−BA−MMA共重合
体)を得た(S−2)。このSt−BA−MMA共重合
体の溶解度パラメータ値δは8.89であった。
【0075】上記以外は、実施例1と同様にしてトナー
用樹脂成分及びトナーを作製した。トナーに凝集は全く
認められず、しかも定着温度域は135〜250℃であ
り、この温度範囲で定着性は良好であり、かつオフセッ
ト現象も生じなかった。
【0076】(実施例3)相溶化剤としてブタジエンゴ
ム(以下、S−3と略す。溶解度パラメータ値δは8.
35。)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして行
った。
【0077】また、トナーには凝集は全く認められず、
しかも定着温度域は138〜250℃であり、この温度
範囲で定着性は良好であり、かつオフセット現象も生じ
なかった。
【0078】(実施例4)相溶化剤として、以下のよう
にして得られたエチルアクリレート重合体(S−4)を
用いた以外は、実施例1と同様にして行った。
【0079】相溶化剤の調製 1リットルの丸形反応器中に攪拌装置、環流冷却管、及
び窒素導入管を取り付け、これにトルエン100重量
部、エチルアクリレートモノマー100重量部、N,N
´−アゾビスイソブチロニトリル0.2重量部を入れ、
窒素雰囲気中60℃で24時間反応しエチルアクリレー
ト重合体を合成した(S−4)。この重合体S−4の溶
解度パラメータ値δは9.35であった。
【0080】実施例4においても、トナーには凝集は全
く認められず、しかも定着温度域は135〜250℃で
あり、この温度範囲で定着性は良好であり、かつオフセ
ット現象も生じなかった。
【0081】(実施例5)相溶化剤として、ポリビニル
ブチラール(重合度1700、アセタール化度70モル
%)〔以下、S−4と略す。〕を用いたこと以外は、実
施例1と同様にしてトナー用樹脂組成物及びトナーを作
製し、評価した。
【0082】トナーの凝集は全く認められなかった。ま
た、定着温度域は140〜250℃であり、実施例1と
同様に良好な定着性を示し、かつオフセット現象も生じ
なかった。
【0083】(比較例1)相溶化剤を用いなかった以外
は、実施例1と同様にして行った。この場合、トナー
は、単分散ポリスチレンとこれに分散されたドメイン相
とにより形成された不均一系ミクロ相分離構造(複相構
造)であった。しかし、120〜250℃の全温度範囲
でオフセットが発生し、良好な定着温度域はなかった。
【0084】(比較例2)相溶化剤として、スチレン−
n−ブチルアクリレート−メチルアクリレート共重合体
(S−2)を用いなかったこと以外は、実施例2と同様
に行った。この場合、トナーは、単分散ポリスチレンの
中に分散されたドメイン相により形成された不均一系ミ
クロ相分離構造(複相構造)を有していたが、120〜
150℃の全温度範囲でオフセットが発生し、良好な定
着温度域はなかった。
【0085】(比較例3)トナー用樹脂組成物の作製に
おいて、実施例1で使用したn−ブチルアクリレート−
メチルアクリレート共重合体に代えて、スチレン−n−
ブチルアクリレート共重合体(重量平均分子量10万、
軟化点125℃、ガラス転移温度60℃)を使用した以
外は、実施例1と同様に行った。
【0086】この場合、得られたトナー粉末は、均一の
相溶構造(単相構造)であり、トナーに強度の凝集が認
められたため、複写テストを行えなかった。上述した実
施例1〜4及び比較例1〜3の構成及び評価結果を下記
の表1及び表2にまとめて示す。
【0087】
【表1】
【0088】
【表2】
【0089】
【発明の効果】本発明のトナー用樹脂組成物は、マトリ
ックス相と、マトリックス相に分散されたドメイン相
と、これらの2つの相間に強固な相互作用を生じさせる
相溶化剤とを含む。従って、本発明のトナー用樹脂組成
物を用いることにより、耐オフセット性、低温定着性、
耐ブロッキング性に優れており、しかも微粉砕性が良好
であり、かつ定着温度域の広い本発明に係るトナーを提
供することができる。よって、高速の電子複写機や小型
の電子複写機を用いて複写する用途に用いる場合におい
ても、十分に安定な画像を確実に得ることが可能とな
る。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マトリックス相と、該マトリックス相中
    に分散されたドメイン相とにより形成されているトナー
    用樹脂組成物であって、 上記ドメイン相中及び/またはマトリックス相中に相溶
    化剤が含有されていることを特徴とするトナー用樹脂組
    成物。
  2. 【請求項2】 相溶化剤が、マトリックス相及びドメイ
    ン相と同じ成分を含有するブロック共重合体またはグラ
    フト共重合体からなることを特徴とする請求項1に記載
    のトナー用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 相溶化剤が、水素結合もしくはイオン結
    合を形成し得る官能基を含有する高分子重合体であるこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載のトナー用樹脂
    組成物。
  4. 【請求項4】 相溶化剤が、マトリックス相の溶解度パ
    ラメーター値(δ値)とドメイン相の溶解度パラメータ
    ー値(δ値)との間の範囲の溶解度パラメーター値(δ
    値)を有する高分子重合体からなることを特徴とする請
    求項1〜3の何れかに記載のトナー用樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 相溶化剤が、マトリックス相の溶解度パ
    ラメーター値(δ値)よりも小さく、マトリックス相の
    溶解度パラメーター値(δ値)との差が2以内である溶
    解度パラメーター値(δ値)を有する高分子重合体から
    なることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のト
    ナー用樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 相溶化剤が、ドメイン相の溶解度パラメ
    ーター値(δ値)よりも大きくかつドメイン相の溶解度
    パラメーター値(δ値)との間の差が2以内である溶解
    度パラメーター値(δ値)を有する高分子重合体からな
    ることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のトナ
    ー用樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6の何れかに記載のトナー用
    樹脂組成物を主成分として含むことを特徴とするトナ
    ー。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6083315A (en) * 1996-12-20 2000-07-04 Seiko Epson Corporation Agglomerated pigment, process for producing the same, aqueous pigment dispersion, and water-based ink composition
JP2011242565A (ja) * 2010-05-18 2011-12-01 Sanyo Chem Ind Ltd トナーバインダーおよびトナー組成物
WO2012046445A1 (ja) 2010-10-06 2012-04-12 三洋化成工業株式会社 トナーバインダーおよびトナー
JP2017102382A (ja) * 2015-12-04 2017-06-08 三菱ケミカル株式会社 トナー用相溶化剤、トナー用相溶化剤を含む静電荷像現像用トナー、及びトナーの製造方法
US9701833B2 (en) 2012-02-29 2017-07-11 Sanyo Chemical Industries, Ltd. Toner binder and toner

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