JPH0830020A - トナー用樹脂組成物及びトナー - Google Patents

トナー用樹脂組成物及びトナー

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JPH0830020A
JPH0830020A JP6158630A JP15863094A JPH0830020A JP H0830020 A JPH0830020 A JP H0830020A JP 6158630 A JP6158630 A JP 6158630A JP 15863094 A JP15863094 A JP 15863094A JP H0830020 A JPH0830020 A JP H0830020A
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JP
Japan
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molecular weight
toner
component
resin
resin component
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Application number
JP6158630A
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English (en)
Inventor
Kazuhiro Noguchi
和裕 野口
Toru Takahashi
徹 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Filing date
Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐オフセット性、低温定着性、耐ブロッキン
グ性に優れ、しかも微粉砕性が良好で、充分に安定した
画像が得られるトナー用樹脂組成物及びトナーを提供す
る。 【構成】 低分子量の樹脂成分と高分子量の樹脂成分と
からなるトナー用樹脂組成物であって、上記低分子量の
樹脂成分が50〜90重量%含有され、その重量平均分
子量が4万以下、ガラス転移点が50℃以上であり、上
記高分子量の樹脂成分が50〜10重量%含有され、そ
の重量平均分子量が10万以上、ガラス転移点が−20
℃未満であり、上記トナー用樹脂組成物には、上記低分
子量の樹脂成分に由来するガラス転移点と上記高分子量
の樹脂成分に由来するガラス転移点とが存在し、両方の
ガラス転移点が50℃以上離れているトナー用樹脂組成
物を用いて、目的のトナー得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電子写真等に使用す
るトナー用樹脂組成物及びトナーに関し、さらに詳しく
いえば、静電荷像を現像する方法において、乾式現像方
式に使用するトナー用樹脂組成物及びトナーに関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真等において、静電荷像を現像す
る方法として、乾式現像方式が多用されている。この乾
式現像方式では、バインダーとなるトナー用樹脂にカー
ボンブラック等の着色剤、その他の添加剤を含有させた
微粉末に、鉄粉やガラスビーズ等のキャリアーを混合し
た摩擦帯電性のトナー(現像剤)が用いられる。
【0003】複写物を得るには、通常、感光体上に静電
潜像を形成し、この静電潜像に摩擦帯電性のトナーを電
気的に付着させて現像し、ここで得られたトナー像を用
紙等のシート上に転写し、その後トナーに対して離型性
を有する熱圧ローラーで定着させて永久可視像とする。
【0004】この種のトナーには、主に、耐オフセット
性(定着用の熱圧ローラーにトナーが付着し、これが用
紙を汚さないこと)、低温定着性(低温でトナーが用紙
に強固に付着すること)、耐ブロッキング性(トナー粒
子が凝集しないこと)、画像安定性(帯電量の変化がな
く、画像濃度が均一であること)の優れたものが要求さ
れ、さらに、トナー製造のために、微粉砕性の良好なト
ナー用樹脂組成物も要求される。
【0005】上記のような諸性能を改善したトナーとし
て、低分子量のビニル系重合体成分と高分子量のビニル
系重合体成分とからなり、例えば、スチレン系単量体及
び/又は(メタ)アクリル酸エステル系単量体を上記各
重合体成分の構成単位として含むトナー用樹脂組成物を
用いたトナーが広く知られている。
【0006】例えば、特開昭56−158340号公報
には、上記低分子量のビニル系重合体成分のガラス転移
点が50℃以上、重量平均分子量が5万以下であり、上
記高分子量のビニル系重合体成分のガラス転移点が65
℃以下、重量平均分子量が5万以上であり、樹脂組成物
のガラス転移点が50℃以上であるトナー用樹脂組成物
を用いたトナーが提案されている。
【0007】また、特開昭56−16144号公報に
は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって
測定されたクロマトグラムが分子量103 〜8×104
及び分子量105 〜2×106 のそれぞれの領域に少な
くとも一つの極大を持つビニル系重合体を含有するトナ
ー用樹脂組成物を用いたトナーが提案されている。
【0008】また、特開平4−204457号公報に
は、スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル系
単量体とを構成単位とする共重合体樹脂やポリエステル
樹脂などの樹脂組成物からなり、ゲルパーミエーション
クロマトグラフィにより分子量3万以上の樹脂と分子量
3万未満の樹脂とに分けた時に、分子量3万以上の樹脂
のガラス転移点が−20〜40℃、分子量3万未満の樹
脂のガラス転移点が50〜100℃であるトナー用樹脂
組成物を用いたトナーが提案されている。
【0009】さらに、特開平4−366176号公報に
は、低分子量のビニル系重合体成分(重量平均分子量3
千〜5万、ガラス転移点40〜90℃)のマトリックス
相(海)と、このマトリックス相の中に分散されたカル
ボン酸変性の高分子量(重量平均分子量6千〜100
万、ガラス転移点0〜60℃、酸価15以上)のビニル
系重合体成分のドメイン粒子(島)とで形成されたトナ
ー用樹脂組成物を用いたトナーが提案されている。
【0010】なお、上記のような従来のトナーには、摩
擦帯電性を制御するために、通常、帯電制御剤が含有さ
れている。帯電制御剤としては、ニグロシン、スピロン
ブラック(保土ケ谷化学社製)等の染料や、その他フタ
ロシアニン系の顔料が知られ、これ等が汎用されてい
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
トナーは、いずれも、耐オフセット性、低温定着性及び
耐ブロッキング性は良好で、しかも一定レベルの帯電制
御能力や画像安定性は良好に維持しているものの、近年
需要が伸びている高速型や小型の電子複写機を用いて複
写する場合には、必ずしも上記性能が充分に満足のいく
ものではなく、特に低温定着性をより一層改善したトナ
ーが要望されている。
【0012】この発明は、このような従来のトナーの有
する問題を解決するもので、その目的とするところは、
耐オフセット性、低温定着性、耐ブロッキング性に優
れ、しかも微粉砕性が良好で、その中でも特に低温定着
性がより一層優れ、高速型や小型の電子複写機を用いて
複写する場合でも、充分に安定した画像が得られるトナ
ー用樹脂組成物及びトナーを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
低分子量の樹脂成分と高分子量の樹脂成分とからなるト
ナー用樹脂組成物であって、上記低分子量の樹脂成分が
50〜90重量%含有され、その重量平均分子量が4万
以下、ガラス転移点が50℃以上であり、上記高分子量
の樹脂成分が50〜10重量%含有され、その重量平均
分子量が10万以上、ガラス転移点が−20℃未満であ
り、上記トナー用樹脂組成物には、上記低分子量の樹脂
成分に由来するガラス転移点と上記高分子量の樹脂成分
に由来するガラス転移点とが存在し、両方のガラス転移
点が50℃以上離れていることを特徴とするトナー用樹
脂組成物である。
【0014】請求項2記載の発明は、高分子量の樹脂成
分にゲル分が存在しないか或いは5重量%以下のゲル分
が存在する場合、高分子量の樹脂成分の重量平均分子量
が50万以上であることを特徴とする請求項1記載のト
ナー用樹脂組成物である。
【0015】請求項3記載の発明は、トナー用樹脂組成
物の80重量%以上がビニル系重合体からなり、低分子
量の樹脂成分は、60重量%以上のスチレン系単量体成
分を構成単位として含むスチレン系重合体からなり、高
分子量の樹脂成分は、60重量%以上の(メタ)アクリ
ル酸エステル系単量体成分を構成単位として含む(メ
タ)アクリル酸エステル系重合体からなることを特徴と
する請求項1又は2記載のトナー用樹脂組成物である。
【0016】請求項4記載の発明は、160℃、周波数
10rad/secにおける貯蔵弾性率(G’)が30
0Pa以上、100℃、周波数10rad/secにお
ける損失弾性率(G”)が100000Pa以下である
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のト
ナー用樹脂組成物である。
【0017】請求項5記載の発明は、低分子量の樹脂成
分のマトリックス相と、このマトリックス相の中に分散
された高分子量の樹脂成分のドメイン粒子とで形成され
ていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記
載のトナー用樹脂組成物である。
【0018】さらに、請求項6記載の発明は、請求項1
〜5のいずれか1項に記載のトナー用樹脂組成物が用い
られていることを特徴とするトナーである。以上のトナ
ー用樹脂組成物及びトナーにより、この発明の目的が達
成される。
【0019】この発明において、トナー用樹脂組成物を
構成する低分子量の樹脂成分及び高分子量の樹脂成分と
しては、いずれも、例えば、ビニル系樹脂、ポリエステ
ル樹脂、ポリエーテル樹脂、エポキシ樹脂、クマロン−
インデン樹脂、スチレン−ブタジエン−スチレン樹脂、
ブチラール樹脂、テルペン樹脂、ロジン類、炭素数5或
いは炭素数9の石油樹脂等の炭化水素樹脂が用いられ
る。
【0020】これ等の樹脂成分のうち、物性調整の容易
さ及び経済性を考慮すると、低分子量の樹脂成分及び高
分子量の樹脂成分のいずれも、80重量%以上がビニル
系重合体からなる樹脂が好ましい。その中でも、特に、
低分子量の樹脂成分が、60重量%以上のスチレン系単
量体成分を構成単位として含むスチレン系重合体からな
り、高分子量の樹脂成分が、60重量%以上の(メタ)
アクリル酸エステル系単量体成分を構成単位として含む
(メタ)アクリル酸エステル系重合体からなる樹脂が好
適である。
【0021】この場合、スチレン系単量体としては、ス
チレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p
−メチルスチレン、α−メチルスチレン、n−ブチルス
チレン、p−t−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルス
チレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ドデシル
スチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレ
ン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、
ビニルトルエン等が挙げられ、これ等の中から樹脂組成
物のガラス転移点等を考慮して適当なものが選定され
る。
【0022】また、(メタ)アクリル酸エステル系単量
体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア
クリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸
イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデ
シル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステ
アリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メ
タクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタク
リル酸イソブチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタク
リル酸ラウリル等が挙げられ、これ等の中から樹脂組成
物のガラス転移点等を考慮して適当なものが選定され
る。
【0023】なお、上記スチレン系単量体及び(メタ)
アクリル酸エステル系単量体以外に、その他のビニル系
単量体を各ビニル系重合体成分の構成単位として含んで
いてもよい。
【0024】このようなその他のビニル系単量体として
は、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、(無水)マ
レイン酸、シトラコン酸、イタコン酸等のカルボキシル
基を有するビニル系単量体、メタクリル酸ヒドロキシプ
ロピル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸
ヒドロキシプロピル等のヒドロキシル基を有するビニル
系単量体、メタクリル酸グリシジル等のエポキシ基を有
するビニル系単量体、アクリルアミド、N−メチロール
アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等の酸アミ
ド基を有するビニル系単量体、ジビニルベンゼン、トリ
メチロールプロパントリアクリレート等の多官能ビニル
系単量体、酢酸ビニル等が挙げられ、これ等の中から樹
脂組成物のガラス転移点や各ビニル系重合体成分の酸価
等を考慮して適当なものが選定される。
【0025】この発明においては、上記低分子量の樹脂
成分が50〜90重量%含有され、その重量平均分子量
が4万以下、ガラス転移点が50℃以上でなければなら
ない。このような低分子量の樹脂成分は、硬質で脆い性
質を有し、微粉砕性や耐ブロッキング性に大きく影響
し、この樹脂成分が上記範囲にあることにより、微粉砕
性及び耐ブロッキング性が改善される。
【0026】また、上記高分子量の樹脂成分が50〜1
0重量%含有され、その重量平均分子量が10万以上、
ガラス転移点が−20℃未満でなければならない。この
ような高分子量の樹脂成分は、軟質で粘り強い性質を有
し、低温定着性や耐オフセット性に大きく影響し、この
樹脂成分が上記範囲にあることにより、低温定着性や耐
オフセット性が改善される。
【0027】ここで、低分子量の樹脂成分と高分子量の
樹脂成分とは、その含有量の合計が100重量%となる
ように含有される。また、各樹脂成分の重量平均分子量
は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)
によって測定される値である。また、各樹脂成分のガラ
ス転移点は、示差走査熱量計(DSC)で測定される値
である。
【0028】なお、ゲルパーミエーションクロマトグラ
フィによって各樹脂成分の重量平均分子量を測定する際
には、各樹脂成分を適当な有機溶剤に溶解して試料溶液
が調製される。この場合、試料溶液にゲル分(溶剤不溶
分)が存在する場合は、従来の測定方法と同様に、フィ
ルターでそのゲル分を分離除去して試料溶液が調製され
る。
【0029】この発明では、上記高分子量の樹脂成分に
ゲル分が存在しないか或いは5重量%以下のゲル分が存
在する場合、重量平均分子量が50万以上の高分子量の
樹脂成分を用いるのが、充分な耐オフセット性を得る上
で好ましい。
【0030】この発明のトナー用樹脂組成物を製造する
には、先ず、上記低分子量の樹脂成分(例えば、低分子
量のビニル系重合体成分)と、上記高分子量の樹脂成分
(例えば、高分子量のビニル系重合体成分)とを調製す
る。これ等の両樹脂成分は、懸濁重合、乳化重合、溶液
重合、塊状重合などの公知の重合方法で調製することが
できる。
【0031】次ぎに、上記低分子量の樹脂成分と高分子
量の樹脂成分との所定量を適当な条件で混合する。低分
子量の樹脂成分と高分子量の樹脂成分とを混合するに
は、例えば、次の(1)〜(8)の方法が採用される。
ここでは、代表的な樹脂成分として、低分子量のビニル
系重合体成分と高分子量のビニル系重合体成分とを例に
とり説明する。
【0032】(1)低分子量のビニル系重合体成分と高
分子量のビニル系重合体成分とを溶融混練する(溶融混
練法)。
【0033】(2)低分子量のビニル系重合体成分と高
分子量のビニル系重合体成分とを有機溶剤を用いて溶解
混合する(溶液ブレンド法)。
【0034】(3)高分子量のビニル系重合体成分の存
在下で低分子量のビニル系重合体成分を重合させる(共
存重合法)。
【0035】(4)高分子量のビニル系重合体成分及び
低分子量のビニル系重合体成分の一部の存在下で、残り
の低分子量のビニル系重合体成分を構成するモノマーを
重合させる(一部共存重合法)。
【0036】(5)低分子量のビニル系重合体成分と高
分子量のビニル系重合体成分とを溶融混練するに際し、
一方の重合体成分と相溶性のあるポリマーブロックと他
方の重合体成分と相溶性のあるポリマーブロックとで構
成されたブロック共重合体或いはグラフト共重合体から
なる相溶化剤を使用する。
【0037】(6)低分子量のビニル系重合体成分と高
分子量のビニル系重合体成分の両方の共通溶剤に溶解
し、次いで高分子量のビニル系重合体成分が低分子量の
ビニル系重合体成分より先に析出するように貧溶剤を加
え、低分子量のビニル系重合体成分を後で析出させる、
所謂コアセルベーション法を用いる。
【0038】(7)高分子量のビニル系重合体成分を重
合により調製する際に、前述したその他のビニル系単量
体の中から、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコ
ン酸、フマル酸、(無水)マレイン酸等のカルボキシル
基を有するビニル系単量体を選定し、これを共重合させ
てカルボキシル基を有する高分子量のビニル系重合体成
分を調製し、これを低分子量のビニル系重合体成分と混
合する。
【0039】(8)高分子量のビニル系重合体成分を重
合により調製しておき、これに上記カルボキシル基を有
するビニル系単量体を溶媒中で加熱処理等により付加し
てカルボキシル基を有する高分子量のビニル系重合体成
分を調製し、これを低分子量のビニル系重合体成分と混
合する。
【0040】(9)低分子量のビニル系重合体成分及び
高分子量のビニル系重合体成分にヒドロキシル基やカル
ボキシル基を導入しておき、これを直接結合させるか、
或いはポリイソシアネート等のカップリング剤を介して
結合させる。
【0041】この場合、低分子量の樹脂成分(低分子量
のビニル系重合体成分)及び高分子量の樹脂成分(高分
子量のビニル系重合体成分)の組成、重量平均分子量、
ガラス転移温度、重合体成分存在下での重合条件、溶融
混練の条件、溶解混合に用いる有機溶剤、相溶化剤の種
類等を適当に設定することによって、トナー用樹脂組成
物中の両樹脂成分の分散状態を制御することができる。
【0042】上記両方の樹脂成分が、分子レベルで均一
に相溶化した均一系の相溶構造(単相構造)となると、
樹脂組成物中の両方の樹脂成分に由来するガラス転移点
は互いに接近していき、得られるトナー用樹脂組成物は
透明な外観を呈し、単一のガラス転移点或いは互いに接
近した複数のガラス転移点を有するものとなる。これに
対し、上記両方の樹脂成分が、分子レベルで不均一に相
溶化した不均一系のミクロ相分離構造(複相構造)とな
ると、得られるトナー用樹脂組成物は、相当に離れた複
数のガラス転移点を有するものとなる。
【0043】この発明のトナー用樹脂組成物は、後者の
ような不均一系のミクロ相分離構造(複相構造)のもの
で、上記低分子量の樹脂成分に由来するガラス転移点と
上記高分子量の樹脂成分に由来するガラス転移点とが存
在し、両方のガラス転移点が50℃以上離れることによ
り、分子レベルで不均一に相溶化した不均一系の良好な
ミクロ相分離構造(複相構造)が得られる。ここで、ト
ナー用樹脂組成物のガラス転移点は、示差走査熱量計
(DSC)で測定される値である。
【0044】上記両方の樹脂成分のガラス転移点の差が
50℃未満で接近するしたがい、両方の樹脂成分の特性
が平均化されていき、トナーとして充分な低温定着性、
耐オフセット性、耐ブロッキング性及び微粉砕性が得ら
れない。
【0045】この発明のトナー用樹脂組成物のミクロ相
分離構造(複相構造)は、一般に、低分子量の樹脂成分
のマトリックス相(海)と、このマトリックス相の中に
分散された高分子量の樹脂成分のドメイン粒子(島)と
で形成されている。しかし、このようなドメイン構造
(海島構造)が明確に形成されずに、樹脂組成物が透明
な外観を呈し、上記低分子量の樹脂成分に由来するガラ
ス転移点と上記高分子量の樹脂成分に由来するガラス転
移点とが存在し、両方のガラス転移点が50℃以上離れ
ることもあり、このようなトナー用樹脂組成物もミクロ
相分離構造(複相構造)に含まれる。
【0046】このような特殊なミクロ相分離構造には、
具体的には、シリンダ状、ラメラ状及び相互貫入網目状
(IPN)のものが存在する。これ等のミクロ相分離構
造((複相構造)は、例えば、ウルトラマイクロトーム
切片の透過電子顕微鏡や位相差電子顕微鏡等により確認
することができる。
【0047】この発明のトナー用樹脂組成物において
は、特に、ドメイン粒子の大きさが0.015〜5μm
程度のドメイン構造のものが好ましい。ドメイン粒子が
大きいものほどトナーの低温定着性に優れ、ドメイン粒
子が小さいものほど耐ブロッキング性に優れる。
【0048】さらに、得られるトナー用樹脂組成物は、
その動的粘弾性試験において、160℃、周波数10r
ad/secにおける貯蔵弾性率(G’)が300Pa
以上、100℃、周波数10rad/secにおける損
失弾性率(G”)が100000Pa以下であるものが
好ましい。ここで、貯蔵弾性率(G’)及び損失弾性率
(G”)は、粘弾性スペクトロメーターにより測定され
る。
【0049】160℃、10rad/secにおける貯
蔵弾性率(G’)が300Pa未満では、充分な耐オフ
セット性が得られないことがある。また、100℃、1
0rad/secにおける損失弾性率(G”)が100
000Paを超えると、充分な低温定着性が得られない
ことがある。
【0050】こうして、この発明のトナー用樹脂組成物
が得られ、この樹脂組成物がトナーのバインダー樹脂と
して使用される。なお、この発明のトナー用樹脂組成物
には、予め、着色剤、帯電制御剤、その他の従来慣用の
トナー用添加剤を配合しておいてもよい。
【0051】また、上記トナー用樹脂組成物を用いて、
この発明のトナーを製造するには、例えば、上記方法で
得られたトナー用樹脂組成物に、着色剤、帯電制御剤、
その他の従来慣用のトナー用添加剤を配合し、これをロ
ールミル、ニーダー、押出機などを用いて混練した後、
冷却して微粉砕する方法が採用される。上記トナー用樹
脂組成物に、予め、着色剤、帯電制御剤等のトナー用添
加剤が配合されている場合は、これ等のトナー用添加剤
は不要である。
【0052】上記着色剤としては、カーボンブラック、
クロームイエロー、アニリンブルー等のこの種のトナー
に慣用されている顔料或いは染料が使用される。また、
帯電制御剤としては、ニグロシン、スピロンブラック
(保土ケ谷化学社製)等の染料、その他フタロシアニン
系の顔料からなる帯電制御剤が使用される。また、複写
機の定着ローラーに対して剥離作用のあるポリプロピレ
ンワックス、低分子ポリエチレン、その他脂肪族アミ
ド、ビス脂肪族アミド、金属石鹸、パラフィン等が配合
されてもよい。
【0053】また、トナー粒子の流動性を上げるため
に、疎水性シリカ等を後添加してもよい。また、磁性ト
ナーとするために、マグネタイト、フェライト、ヘマタ
イト等の鉄、亜鉛、コバルト、ニッケル、マンガンなど
の強磁性を示す合金又は化合物からなる磁性粉が配合さ
れてもよい。
【0054】
【作用】低分子量の樹脂成分と高分子量の樹脂成分とか
らなるトナー用樹脂組成物であって、上記低分子量の樹
脂成分が50〜90重量%含有され、その重量平均分子
量が4万以下、ガラス転移点が50℃以上であり、上記
高分子量の樹脂成分が50〜10重量%含有され、その
重量平均分子量が10万以上、ガラス転移点が−20℃
未満であると、これ等の両方の樹脂成分の作用により、
微粉砕性が良好で、主に、耐オフセット性、低温定着性
及び耐ブロッキング性の優れたトナー用樹脂組成物が得
られる。
【0055】しかも、上記トナー用樹脂組成物に、上記
低分子量の樹脂成分に由来するガラス転移点と上記高分
子量の樹脂成分に由来するガラス転移点とが存在し、両
方のガラス転移点が50℃以上離れていると、このトナ
ー用樹脂組成物は、均一系の相溶構造(単相構造)とな
らずに、不均一系のミクロ相分離構造(複相構造)、例
えば高分子量の樹脂成分をドメイン粒子(島)とし、こ
れが低分子量の樹脂成分のマトリックス相(海)に埋封
されたドメイン構造(海島構造)が形成される。
【0056】それゆえ、上記両方の樹脂成分が相溶して
それぞれの特性が平均化されることがなく、両方の樹脂
成分の特性が発揮され、微粉砕性が良好で、耐ブロッキ
ング性及び耐オフセット性に優れ、しかも定着時の熱圧
ローラーの圧力により、特にドメイン粒子がマトリック
ス相とともに容易に溶融し、低温定着性がより一層優れ
たものとなる。また、帯電性も安定化される。
【0057】なお、前述の従来技術(特開昭56−15
8340号公報、特開昭56−16144号公報及び特
開平4−204457号公報)においては、得られるト
ナー用樹脂組成物は均一系の相溶構造(単相構造)を形
成しており、上記のようなこの発明の作用はない。上記
特開平4−204457号公報には、得られるトナー用
樹脂組成物が複数のガラス転移点を有することもある旨
の記載があるが、この場合、両重合体成分は相溶化が進
んだ状態であり、複数のガラス転移点はかなり接近した
ものとなる。
【0058】また、前述の従来技術(特開昭平4−36
6176号公報)においては、トナー用樹脂組成物がマ
トリックス相とドメイン粒子とで形成されているが、両
重合体成分のガラス転移点が0℃以上と高いため、充分
な低温定着性が得られず、しかもカルボン酸変性により
酸価が15以上と高く吸湿しやすいため、充分な帯電安
定性が得られない。
【0059】
【実施例】以下、本発明の実施例及び比較例を示す。高分子量の樹脂成分(ビニル系重合体成分)の調製 1リットルの円筒型反応器に高トルク型スパイラル攪拌
装置、還流冷却器、窒素導入管、温度測定用熱電対を取
り付け、これに酢酸エチル100重量部、表1に示すモ
ノマー組成物、所定量のN,N' −アゾビスイソブチロ
ニトリル(重合開始剤)を入れ、窒素パージを行い、5
0〜70℃で24時間攪拌しながらモノマー組成物の溶
液重合を行った。なお、重合体の重量平均分子量は、重
合開始剤の添加量を加減すること及び上記重合温度を変
更することにより調節した。
【0060】反応終了後、この重合体溶液をフィルム状
に流延して真空槽中で酢酸エチルを除去し、軟質で粘り
強い高分子量のビニル系重合体(H−1〜H−7)を得
た。この重合体の重量平均分子量、ゲル分及びガラス転
移点を測定し、表1に併記した。
【0061】
【表1】
【0062】低分子量の樹脂成分(ビニル系重合体成
分)の調製 1リットルの丸底型反応器に攪拌装置、還流冷却器、窒
素導入管、温度計及び原料滴下装置を取り付け、これに
トルエン150重量部を入れ、窒素パージしながらトル
エンの沸点まで加温した。トルエンの沸騰が始まってか
ら、表2に示すモノマー組成物を所定量の過酸化ベンゾ
イル(重合開始剤)と共に5時間かけてゆっくりと滴下
し、モノマー組成物の溶液重合を行った。なお、重合体
の重量平均分子量は、重合開始剤の添加量を加減するこ
とにより調節した。
【0063】反応終了後、還流冷却器を外して減圧装置
を取り付け、140〜170℃に加熱してトルエンを留
去し、硬質で脆い低分子量のビニル系重合体(L−1〜
L−4)を得た。この重合体の重量平均分子量、ゲル分
及びガラス転移点を測定し、表2に併記した。
【0064】
【表2】
【0065】相溶化剤の調製 「高分子論文集」44巻、469頁(1987年)及び
「科学と工業」64巻、446頁(1990年)に記載
された方法により調製した。すなわち、先ず、高分子ラ
ジカル重合開始剤として、ポリ(アゾビスシアノペンタ
ン酸ヘキサメチレンエステル)を合成し、このアゾ基の
一部を用いてスチレン重合して、主鎖にアゾ基を有する
ポリスチレン(前駆物質)を得た。
【0066】次いで、このポリスチレン(前駆物質)の
アゾ基でアクリル酸n−ブチルを重合して、表3に示す
2種類のポリスチレン−ポリアクリル酸n−ブチルブロ
ック共重合体からなる相溶化剤(S−1及びS−2)を
得た。このブロック共重合体(相溶化剤)について、重
量平均分子量を測定し表3に示した。なお、上記アゾ基
を有するポリスチレン(前駆物質)の重量平均分子量も
併記した。
【0067】
【表3】
【0068】実施例1〜5 トナー用樹脂組成物の作製(溶融混練法) 上記高分子量の樹脂成分(ビニル系重合体成分)と低分
子量の樹脂成分(ビニル系重合体成分)と相溶化剤とを
用い、表4に示すように配合し、これを溶融混練して、
5種類のトナー用樹脂組成物を得た。
【0069】このトナー用樹脂組成物について、ガラス
転移点、160℃、周波数10rad/secにおける
貯蔵弾性率(G’)、100℃、周波数10rad/s
ecにおける損失弾性率(G”)及びゲル分(テトラヒ
ドロフラン不溶解分)を測定した。その結果を併せて表
4に示す。
【0070】なお、得られたトナー用樹脂組成物を顕微
鏡で観察したところ、いずれの実施例においても、低分
子量の樹脂成分のマトリックス相と、このマトリックス
相の中に分散された高分子量の樹脂成分のドメイン粒子
とで形成された不均一系のミクロ相分離構造(複相構
造)であることが確認された。
【0071】トナーの作製 このトナー用樹脂組成物100重量部と、カーボンブラ
ック(MA−100:三菱化成社製)6重量部と、スピ
ロンブラックTRH(保土ケ谷化学社製)1重量部と、
ポリプロピレンワックス(ビスコール660P:三洋化
成社製)3重量部とを、ロールミルで溶融混練し、冷却
後粗粉砕し、さらにジェットミルで微粉砕し分級して、
平均粒度約10〜13μm のトナー粉末を得た。
【0072】このトナー粉末に、疎水性シリカ粉末(R
−972:日本アエロジル社製)0.3重量部を添加し
てトナーを作製した。このトナー10gを100mlの
サンプル瓶に採り、40℃の恒温槽中に48時間放置し
た後、パウダーテスター(ホソカワミクロン社製)で凝
集度を測定し表4に示した。
【0073】また、このトナー4重量部と平均粒径約5
0〜80μm の鉄粉キャリアー96重量部とを均一に混
合して現像剤を作り、この現像剤を用い、次のようにし
て、定着温度及びオフセット発生温度を測定し表4に示
した。
【0074】使用した電子写真複写機は、富士ゼロック
ス社製のVivace310を定着用の熱圧ローラーの
温度が変えられるように改造したものである。定着温度
は、電子写真複写機の定着用の熱圧ローラーの設定温度
を段階的に変えて複写を行い、この複写画像をタイプラ
イター用砂消しゴムで摩擦したとき、複写画像の濃度が
変化する時のロール温度とした。
【0075】オフセット発生温度は、電子写真複写機の
定着用の熱圧ローラーの設定温度を段階的に変えてオフ
セット(2重画像)の発生する時のロール温度とした。
なお、上記電子写真複写機のロール温度は、120〜2
00℃の範囲で設定可能であった。
【0076】
【表4】
【0077】実施例6、7 トナー用樹脂組成物の作製(一部共存重合法) 1リットルの円筒型反応器に高トルク型スパイラル攪拌
装置、還流冷却器、窒素導入管、温度測定用熱電対を取
り付け、これに表5に示す前記高分子量の樹脂成分(H
−2又はH−3)20重量部及び低分子量の樹脂成分
(L−1)70重量部、トルエン50重量部を入れ、窒
素パージしながらトルエンの沸点まで加温して溶解し
た。その後、トルエンの沸騰が始まってから表6に示す
モノマー組成物10重量部を所定量の過酸化ベンゾイル
(重合開始剤)と共に4時間かけてゆっくりと滴下し、
モノマー組成物の溶液重合を行った。
【0078】反応終了後、還流冷却器を外して減圧装置
を取り付け、140〜170℃に加熱してトルエンを留
去し、2種類のトナー用樹脂組成物を得た。なお、参考
のために、前記高分子量の樹脂成分(H−2又はH−
3)20重量部及び低分子量の樹脂成分(L−1)70
重量部を使用せずに、それ以外は上記と同様にしてモノ
マー組成物の単独溶液重合を行い、低分子量のビニル系
重合体(L−4)を得た。この重合体の重量平均分子
量、ゲル分、ガラス転移点を測定し、これを表6に併記
した。
【0079】上記2種類のトナー用樹脂組成物につい
て、ガラス転移点、160℃、周波数10rad/se
cにおける貯蔵弾性率(G’)、100℃、周波数10
rad/secにおける損失弾性率(G”)及びゲル分
(テトラヒドロフラン不溶解分)を測定した。その結果
を併せて表5に示した。この表5には、便宜上、表6に
示したモノマー組成物の単独溶液重合によって得られた
低分子量の樹脂成分(L−4)を記載した。
【0080】なお、トナー用樹脂組成物を顕微鏡で観察
したところ、いずれの実施例においても、低分子量の樹
脂成分のマトリックス相と、このマトリックス相の中に
分散された高分子量の樹脂成分のドメイン粒子とで形成
された不均一系のミクロ相分離構造(複相構造)である
ことが確認された。
【0081】トナーの作製 前記実施例1と同様にしてトナーを作製し、その低温定
着性、耐オフセット性及び耐ブロッキッグ性(凝集率)
を測定した。その結果を表5に示す。
【0082】
【表5】
【0083】
【表6】
【0084】比較例1 前記高分子量の樹脂成分(ビニル系重合体成分)(H−
6)と低分子量の樹脂成分(ビニル系重合体成分)(L
−2)とを用い、これを表5に示すように配合し、それ
以外は実施例1〜5と同様に行った。その結果を表5に
示す。
【0085】比較例2 前記高分子量の樹脂成分(ビニル系重合体成分)(H−
7)と低分子量の樹脂成分(ビニル系重合体成分)(L
−1)とを用い、これを表5に示すように配合し、それ
以外は実施例1〜5と同様に行った。その結果を表5に
示す。
【0086】なお、上記実施例及び比較例において、重
量平均分子量、ゲル分、ガラス転移点、貯蔵弾性率
(G’)及び損失弾性率(G”)は、次の方法で測定し
た。
【0087】重量平均分子量 ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)法 装置 :Waters社製 510型高圧ポンプ :Waters社製 410型示差屈折計(RI型検出器) カラム :昭和電工社製 Shodex KF−80M 2本 昭和電工社製 Shodex KF−802.5 1本 測定温度 :40℃ 試料溶液 :0.5重量%テトラヒドロフラン溶液を0.45μm のフィルタ ーで濾過したもの。 溶液注入量:300ml 較正試料 :標準ポリスチレン
【0088】ゲル分の測定 試料をテトラヒドロフランに溶解(0.5重量%テトラ
ヒドロフラン溶液)し、これを0.45μm のフィルタ
ーで濾過し、フィルター上に残ったゲル分(溶剤不溶
分)を真空乾燥し、このゲル分をゲル分/試料の比(百
分率)で算出する。
【0089】ガラス転移点の測定 示差走査熱量計(DSC)法 装置 :セイコー電子工業社製 DSC−220 測定条件:ASTM D3418−2法
【0090】貯蔵弾性率(G’)及び損失弾性率
(G”)の測定 動的粘弾性試験法 装置 :Reometrcs社製 RDA テストフィクスチュアー:25mmΦパラレルプレート 測定温度 :100°、160℃ 測定周波数 :10rad/sec 歪率 :0.5〜5%(オートストレイン使用)
【0091】
【発明の効果】この発明のトナー用樹脂組成物及びトナ
ーは、上述のように構成されており、それにより、耐オ
フセット性、低温定着性、耐ブロッキング性に優れ、し
かも微粉砕性が良好で、その中でも特に低温定着性がよ
り一層優れ、高速型や小型の電子複写機を用いて複写す
る場合でも、充分に安定した画像が得られるという顕著
な効果を奏する。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低分子量の樹脂成分と高分子量の樹脂成
    分とからなるトナー用樹脂組成物であって、上記低分子
    量の樹脂成分が50〜90重量%含有され、その重量平
    均分子量が4万以下、ガラス転移点が50℃以上であ
    り、上記高分子量の樹脂成分が50〜10重量%含有さ
    れ、その重量平均分子量が10万以上、ガラス転移点が
    −20℃未満であり、上記トナー用樹脂組成物には、上
    記低分子量の樹脂成分に由来するガラス転移点と上記高
    分子量の樹脂成分に由来するガラス転移点とが存在し、
    両方のガラス転移点が50℃以上離れていることを特徴
    とするトナー用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 高分子量の樹脂成分にゲル分が存在しな
    いか或いは5重量%以下のゲル分が存在する場合、高分
    子量の樹脂成分の重量平均分子量が50万以上であるこ
    とを特徴とする請求項1記載のトナー用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 トナー用樹脂組成物の80重量%以上が
    ビニル系重合体からなり、低分子量の樹脂成分は、60
    重量%以上のスチレン系単量体成分を構成単位として含
    むスチレン系重合体からなり、高分子量の樹脂成分は、
    60重量%以上の(メタ)アクリル酸エステル系単量体
    成分を構成単位として含む(メタ)アクリル酸エステル
    系重合体からなることを特徴とする請求項1又は2記載
    のトナー用樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 160℃、周波数10rad/secに
    おける貯蔵弾性率(G’)が300Pa以上で、且つ、
    100℃、周波数10rad/secにおける損失弾性
    率(G”)が100000Pa以下であることを特徴と
    する請求項1〜3のいずれか1項記載のトナー用樹脂組
    成物。
  5. 【請求項5】 低分子量の樹脂成分のマトリックス相
    と、このマトリックス相の中に分散された高分子量の樹
    脂成分のドメイン粒子とで形成されていることを特徴と
    する請求項1〜4のいずれか1項記載のトナー用樹脂組
    成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項記載のトナ
    ー用樹脂組成物が用いられていることを特徴とするトナ
    ー。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017102382A (ja) * 2015-12-04 2017-06-08 三菱ケミカル株式会社 トナー用相溶化剤、トナー用相溶化剤を含む静電荷像現像用トナー、及びトナーの製造方法

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