JP2011227161A - トナーバインダーおよびトナー組成物 - Google Patents
トナーバインダーおよびトナー組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2011227161A JP2011227161A JP2010094572A JP2010094572A JP2011227161A JP 2011227161 A JP2011227161 A JP 2011227161A JP 2010094572 A JP2010094572 A JP 2010094572A JP 2010094572 A JP2010094572 A JP 2010094572A JP 2011227161 A JP2011227161 A JP 2011227161A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polyester resin
- acid
- resin
- toner
- mol
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Developing Agents For Electrophotography (AREA)
Abstract
【解決手段】 ポリカルボン酸成分(a)とジオール成分(b)、ならびに3価以上のポリオール成分(c)および/またはエポキシ化合物(d)を構成単位として有し、(a)が芳香族ジカルボン酸およびそのエステル形成性誘導体から選ばれる2種以上のジカルボン酸(a1)を合計で80モル%以上、(b)が炭素数2〜10の脂肪族ジオール(b1)を80モル%以上、(c)がノボラック型樹脂のポリオキシアルキレンエーテル(c1)をそれぞれ含有し、(d)が特定組成のエポキシ化合物であるポリエステル樹脂(X)と、必要により線形ポリエステル樹脂(Y)とで構成されるポリエステル樹脂(P)を含有し、(X)の150℃における貯蔵弾性率〔G’150〕が20000(dyn/cm2)以上であるトナーバインダー。
【選択図】 なし
Description
低温定着性と耐ホットオフセット性のいずれにも優れた、ポリエステル系トナーバインダーからなるトナー組成物が知られている(特許文献1参照)。しかし、近年、保存安定性や、低温定着性と耐ホットオフセット性の両立(定着温度幅の拡大)の要望がますます高まっており、なお不十分であった。
すなわち本発明は、下記2発明である。
(I) ポリカルボン酸成分(a)とジオール成分(b)、ならびに3価以上のポリオール成分(c)および/またはエポキシ化合物(d)を構成単位として有し、(a)が芳香族ジカルボン酸およびそのエステル形成性誘導体から選ばれる2種以上のジカルボン酸(a1)を合計で80モル%以上含有し、(b)が炭素数2〜10の脂肪族ジオール(b1)を80モル%以上含有し、(c)がノボラック型樹脂のポリオキシアルキレンエーテル(c1)を含有し、(d)がノボラック型エポキシ樹脂、および、エピービス型エポキシ樹脂から選ばれる少なくとも1種のエポキシ化合物であるポリエステル樹脂(X)と、必要により線形ポリエステル樹脂(Y)とで構成されるポリエステル樹脂(P)を含有し、ポリエステル樹脂(X)の150℃における貯蔵弾性率〔G’150〕が20000(dyn/cm2)以上であるトナーバインダー。
(II) このトナーバインダー、着色剤、並びに必要により、離型剤、荷電制御剤、および流動化剤から選ばれる一種以上の添加剤を含有するトナー組成物。
本発明のトナーバインダーは、ポリエステル樹脂(X)と、必要により線形ポリエステル樹脂(Y)とで構成されるポリエステル樹脂(P)を含有する。
本発明におけるポリエステル樹脂(X)は、ポリカルボン酸成分(a)とジオール成分(b)、ならびに3価以上のポリオール成分(c)および/またはエポキシ化合物(d)を構成単位として有するポリエステル樹脂である。(X)は、低温定着性と耐ホットオフセット性を両立(定着温度幅を広く)させる観点から、芳香族ジカルボン酸およびそのエステル形成性誘導体から選ばれる2種以上のジカルボン酸(a1)が合計で80モル%以上含有されたポリカルボン酸成分(a)と、炭素数が2〜10の脂肪族ジオール(b1)が80モル%以上含有されたジオール成分(b)、ならびにノボラック型樹脂のポリオキシアルキレンエーテルを含有する3価以上のポリオール成分(c)および/またはノボラック型エポキシ樹脂、および、エピ−ビス型エポキシ樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種のエポキシ化合物(d)を構成単位とする。
上記エステル形成性誘導体としては、酸無水物、アルキル(炭素数1〜24、好ましくは1〜4:メチル、エチル、ブチル、ステアリル等)エステル、および部分アルキル(上記と同様)エステル等が挙げられる。以下のエステル形成性誘導体についても同様である。
なお、本発明においては、芳香族ジカルボン酸およびそのエステル形成性誘導体から選ばれる2種以上のジカルボン酸(a1)において、芳香族ジカルボン酸とその同一ジカルボン酸のエステル形成性誘導体とは、1種として数える。
これら(a1)のうち、低温定着性と耐ホットオフセット性の両立の観点から好ましくは、以下に挙げた(1)〜(3)から選ばれる2種以上である。
(1)テレフタル酸および/またはそのエステル形成性誘導体
(2)イソフタル酸および/またはそのエステル形成性誘導体
(3)フタル酸および/またはそのエステル形成性誘導体
好ましい組合せとしては(1)と(2)、および(1)と(3)であり、さらに好ましくは、(1)と(2)の重量比が(1)/(2)=3/7〜7/3であり、(1)と(3)の重量比が(1)/(3)=3/7〜7/3である。
ポリカルボン酸成分(a)のうち、(a1)以外のジカルボン酸としては、炭素数4〜36のアルカンジカルボン酸(例えばコハク、アジピン、およびセバシン酸);炭素数6〜40の脂環式ジカルボン酸〔例えばダイマー酸(2量化リノール酸)〕;炭素数4〜36のアルケンジカルボン酸(例えば、ドデセニルコハク酸等のアルケニルコハク酸、マレイン、フマル、シトラコン、およびメサコン酸)およびこれらのエステル形成性誘導体等が挙げられる。
これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルカンジカルボン酸;炭素数4〜36のアルケンジカルボン酸、およびこれらのエステル形成性誘導体であり、さらに好ましくは、コハク酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、および/またはそれらのエステル形成性誘導体である。
これらのうち好ましいものは、トリメリット酸、ピロメリット酸、およびこれらのエステル形成性誘導体である。
なお、ポリカルボン酸成分(a)中に、必要により、少量の炭素数7〜14の芳香族モノカルボン酸(安息香酸等)を用いてもよい。
また、(a)中の(a2)の量としては20モル%以下が好ましく、さらに好ましくは17モル%以下、とくに好ましくは2〜15モル%である。
これら(b1)のうち、低温定着性と耐ホットオフセット性の両立の観点から、分子末端に1級水酸基を有する分岐のない脂肪族ジオール(エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、および1,10−デカンジオール等)が好ましい。
保存安定性の観点から、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオールがさらに好ましく、エチレングリコールが特に好ましい。
これらのうち好ましいものは、ビスフェノール類のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30)である。
これらのうち好ましくは、3〜8価もしくはそれ以上の脂肪族多価アルコールである。
ジオール成分(b)および必要により用いる3価以上のポリオール成分(c)と、ポリカルボン酸成分(a)との反応比率は、水酸基とカルボキシル基の当量比[OH]/[COOH]として、好ましくは2/1〜1/2、さらに好ましくは1.5/1〜1/1.3、とくに好ましくは1.3/1〜1/1.2である。
このとき必要に応じてエステル化触媒を使用することができる。エステル化触媒の例には、スズ含有触媒(例えばジブチルスズオキシド)、三酸化アンチモン、チタン含有触媒[例えばチタンアルコキシド、シュウ酸チタン酸カリウム、テレフタル酸チタン、特開2006−243715号公報に記載の触媒〔チタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)、チタニウムモノヒドロキシトリス(トリエタノールアミネート)、およびそれらの分子内重縮合物等〕、および特開2007−11307号公報に記載の触媒(チタントリブトキシテレフタレート、チタントリイソプロポキシテレフタレート、およびチタンジイソプロポキシジテレフタレート等)]、ジルコニウム含有触媒(例えば酢酸ジルコニル)、および酢酸亜鉛等が挙げられる。これらの中で好ましくはチタン含有触媒である。
エポキシ化合物(d)を用いる場合、例えば、上記の製造方法で得られたポリエステル樹脂にエポキシ化合物(d)を加え、160〜260℃でポリエステルの分子伸長反応を行う方法が挙げられる。
本発明において、ポリエステル樹脂の酸価は、JIS K0070(1992年版)に規定の方法で測定される。
なお、試料中に架橋にともなう溶剤不溶解分がある場合は、以下の方法で溶融混練後のものを試料として用いる。
混練装置 : 東洋精機(株)製ラボプラストミルMODEL4M150
混練条件 : 130℃、70rpmにて30分
装置(一例) : 東ソー(株)製 HLC−8120
カラム(一例): TSK GEL GMH6 2本 〔東ソー(株)製〕
測定温度 : 40℃
試料溶液 : 0.25重量%のTHF(テトラヒドロフラン)溶液
溶液注入量 : 100μl
検出装置 : 屈折率検出器
基準物質 : 東ソー製 標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量 500 1050 2800 5970 9100 18100 37900 96400 190000 355000 1090000 2890000)
得られたクロマトグラム上最大のピーク高さを示す分子量をピークトップ分子量(Mp)と称する。また、分子量の測定は、ポリエステル樹脂をTHFに溶解し、不溶解分をグラスフィルターでろ別したものを試料溶液とする。
なお、上記および以下において、Tgはセイコー電子工業(株)製DSC20、SSC/580を用いて、ASTM D3418−82に規定の方法(DSC法)で測定される。
<フロー軟化点〔Tm〕>
降下式フローテスター{たとえば、(株)島津製作所製、CFT−500D}を用いて、1gの測定試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出して、「プランジャー降下量(流れ値)」と「温度」とのグラフを描き、プランジャーの降下量の最大値の1/2に対応する温度をグラフから読み取り、この値(測定試料の半分が流出したときの温度)をフロー軟化点〔Tm〕とする。
ポリエステル樹脂(X)の貯蔵弾性率〔G’150〕を調整するには、例えば、〔G’150〕を大きくする場合、ポリエステル樹脂(X)のTmを上げる、分子量を大きくする、またはTgを高くする等で達成できる。
装置 :ARES−24A(レオメトリック社製)
治具 :25mmパラレルプレート
周波数 :1Hz
歪み率 :5%
昇温速度:5℃/min
ジオール成分(b)とポリカルボン酸成分(a)との反応比率は、水酸基とカルボキシル基の当量比[OH]/[COOH]が、好ましくは3/1〜1/3、さらに好ましくは2.5/1〜1/2.5、とくに好ましくは2/1〜1/2である。
本発明におけるTHF不溶解分は、以下の方法で求めたものである。
試料0.5gに50mlのTHFを加え、3時間撹拌還流させる。冷却後、グラスフィルターにて不溶解分をろ別し、グラスフィルター上の樹脂分を80℃で3時間減圧乾燥する。グラスフィルター上の乾燥した樹脂分の重量と試料の重量比から、不溶解分を算出する。
溶融混合する場合の混合装置としては、反応槽等のバッチ式混合装置、および連続式混合装置が挙げられる。適正な温度で短時間で均一に混合するためには、連続式混合装置が好ましい。連続混合装置としては、エクストルーダー、コンティニアスニーダー、3本ロール等が挙げられる。
粉体混合する場合の混合装置としては、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、およびバンバリーミキサー等が挙げられる。好ましくはヘンシェルミキサーである。
着色剤の含有量は、本発明のトナーバインダー100部に対して、好ましくは1〜40部、さらに好ましくは3〜10部である。なお、磁性粉を用いる場合は、好ましくは20〜150部、さらに好ましくは40〜120部である。上記および以下において、部は重量部を意味する。
ポリオレフィンワックスとしては、オレフィン(例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ヘキセン、1−ドデセン、1−オクタデセンおよびこれらの混合物等)の(共)重合体[(共)重合により得られるものおよび熱減成型ポリオレフィンを含む]、オレフィンの(共)重合体の酸素および/またはオゾンによる酸化物、オレフィンの(共)重合体のマレイン酸変性物[例えばマレイン酸およびその誘導体(無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノブチルおよびマレイン酸ジメチル等)変性物]、オレフィンと不飽和カルボン酸[(メタ)アクリル酸、イタコン酸および無水マレイン酸等]および/または不飽和カルボン酸アルキルエステル[(メタ)アクリル酸アルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステルおよびマレイン酸アルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステル等]等との共重合体、およびサゾールワックス等が挙げられる。
また、乳化転相法によりトナーを得る場合、流動化剤を除くトナーを構成する成分を有機溶剤に溶解または分散後、水を添加する等によりエマルジョン化し、次いで分離、分級して製造することができる。トナーの体積平均粒径は、3〜15μmが好ましい。
[ポリエステル樹脂(X−1)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽(以下の製造例で用いる反応槽も同様)中に、テレフタル酸480部(2.9モル)、イソフタル酸320部(1.9モル)、エチレングリコール600部(9.7モル)、ネオペンチルグリコール1部(9.6ミリモル)、1,6−ヘキサンジオール1部(8.5ミリモル)、フェノールノボラック樹脂(核体数約5.5)のPO5.5モル付加物60部(74ミリモル)、および重合触媒としてテトラブトキシチタネート2.5部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水とエチレングリコールを留去しながら5時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下にて1時間反応させた。次いで、無水トリメリット酸53部(0.28モル)を加え、常圧下で1時間反応させた後、20〜40mmHgの減圧下で反応させ、さらにエピコート154(油化シェルエポキシ製)8部(2.3ミリモル)を加えた後、減圧下反応を進め、所定の軟化点に到達した時点で取り出した。回収されたエチレングリコールは283部(4.6モル)であった。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(X−1)とする。
ポリエステル樹脂(X−1)のTgは63℃、Tmは151℃、Mpは9400、酸価は14、〔G’150〕は82900(dyn/cm2)であった。
[ポリエステル樹脂(X−2)の合成]
反応槽中に、テレフタル酸410部(2.4モル)、イソフタル酸410部(2.4モル)、エチレングリコール610部(9.8モル)、ネオペンチルグリコール1部(9.6ミリモル)、1,6−ヘキサンジオール1部(8.5ミリモル)、フェノールノボラック樹脂(核体数約5.5)のPO5.5モル付加物60部(74ミリモル)、および重合触媒としてテトラブトキシチタネート2.5部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水とエチレングリコールを留去しながら5時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下に1時間反応させた。次いで、無水トリメリット酸36部(0.18モル)を加え、常圧下で1時間反応させた後、20〜40mmHgの減圧下で反応させ、さらにEOCN−1020(日本化薬社製)7部(7.2ミリモル)を加えた後、減圧下反応を進め、所定の軟化点に到達した時点で取り出した。回収されたエチレングリコールは330部(5.3モル)であった。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(X−2)とする。
ポリエステル樹脂(X−2)のTgは58℃、Tmは154℃、Mpは7100、酸価は6、〔G’150〕は32700(dyn/cm2)であった。
[ポリエステル樹脂(X−3)の合成]
反応槽中に、テレフタル酸400部(2.4モル)、イソフタル酸400部(2.4モル)、アジピン酸11部(75ミリモル)、エチレングリコール590部(9.5モル)、ネオペンチルグリコール75部(0.72モル)、および重合触媒としてテトラブトキシチタネート2.5部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水とエチレングリコールを留去しながら5時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下にて1時間反応させた。次いで、無水トリメリット酸48部(0.25モル)を加え、常圧下で1時間反応させた後、20〜40mmHgの減圧下で反応させ、さらにエピコート828(油化シェル社製)15部(39ミリモル)を加えた後、減圧下反応を進め、所定の軟化点に到達した時点で取り出した。回収されたエチレングリコールは318部(5.1モル)であった。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(X−3)とする。
ポリエステル樹脂(X−3)のTgは62℃、Tmは151℃、Mpは7700、酸価は9、〔G’150〕は72300(dyn/cm2)であった。
[ポリエステル樹脂(X−4)の合成]
反応槽中に、テレフタル酸370部(2.2モル)、イソフタル酸370部(2.2モル)、アジピン酸1部(6.8ミリモル)、エチレングリコール590部(9.5モル)、フェノールノボラック樹脂(核体数約5.5)のPO5.5モル付加物80部(99ミリモル)、および重合触媒としてテトラブトキシチタネート2.5部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水とエチレングリコールを留去しながら5時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下にて1時間反応させた。次いで、無水トリメリット酸34部(0.18モル)を加え、常圧下で1時間反応させた後、20〜40mmHgの減圧下で反応させ、所定の軟化点に到達した時点で取り出した。回収されたエチレングリコールは286部(4.6モル)であった。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(X−4)とする。
ポリエステル樹脂(X−4)のTgは63℃、Tmは141℃、Mpは12500、酸価は1、〔G’150〕は24700(dyn/cm2)であった。
反応槽中に、テレフタル酸407部(2.4モル)、イソフタル酸407部(2.4モル)、安息香酸15部(0.12モル)、エチレングリコール608部(9.8モル)、ネオペンチルグリコール1部(9.6ミリモル)、1,6−ヘキサンジオール1部(8.5ミリモル)、フェノールノボラック樹脂(核体数約5.5)のPO5.5モル付加物80部(99ミリモル)、および重合触媒としてテトラブトキシチタネート2.5部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水とエチレングリコールを留去しながら5時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下にて1時間反応させた。次いで、エピコート828(油化シェル社製)25部(66ミリモル)を加えた後、減圧下反応を進め、所定の軟化点に到達した時点で取り出した。回収されたエチレングリコールは290部(4.7モル)であった。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(X−5)とする。
ポリエステル樹脂(X−5)のTgは60℃、Tmは145℃、Mpは9000、酸価は3、〔G’150〕は41900(dyn/cm2)であった。
[線形ポリエステル樹脂(Y−1)の合成]
反応槽中に、テレフタル酸299部(1.8モル)、ビスフェノールAのEO2モル付加物766部(2.4モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート2.5部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下にて反応させ、所定の粘度になった時点で、取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを線形ポリエステル樹脂(Y−1)とする。
線形ポリエステル樹脂(Y−1)のTgは62℃、Tmは94℃、Mpは3500、酸価は2であった。
[線形ポリエステル樹脂(Y−2)の合成]
反応槽中に、テレフタル酸230部(1.4モル)、ビスフェノールAのPO2モル付加物820部(2.4モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート2.5部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下にて反応させ、酸価が2以下になった時点で、180℃まで冷却し、無水トリメリット酸128部(0.67モル)を仕込み、180℃で1時間保持し、取出した。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを線形ポリエステル樹脂(Y−2)とする。
線形ポリエステル樹脂(Y−2)のTgは61℃、Tmは93℃、Mpは2000、酸価は58であった。
[ポリエステル樹脂(RX−1)の合成]
反応槽中に、テレフタル酸210部(1.3モル)、ビスフェノールAのPO2モル付加物66部(1.3モル)、ビスフェノールAのPO3モル付加物340部(0.84モル)、ビスフェノールAのEO2モル付加物95部(0.30モル)、フェノールノボラック樹脂(核体数約4.4)のPO4.5モル付加物45部(56ミリモル)、およびジブチルチンオキサイド2部を入れて220℃でポリエステル化反応をさせた。さらにエピコート154(油化シェルエポキシ社製)8部(2.3ミリモル)を加えた後、さらに減圧下で反応を進め、所定の軟化点に到達した時点で取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(RX−1)とする。
ポリエステル樹脂(RX−1)のTgは56℃、Tmは138℃、Mpは5600、酸価は3、〔G’150〕は27300(dyn/cm2)であった。
[ポリエステル樹脂(RX−2)の合成]
反応槽中に、テレフタル酸205部(1.2モル)、ビスフェノールAのPO2モル付加物190部(0.54モル)、ビスフェノールAのPO3モル付加物60部(0.15モル)、ビスフェノールAのEO2モル付加物250部(0.79モル)、フェノールノボラック樹脂(核体数約5.5)のPO5.5モル付加物60部(74ミリモル)、およびジブチルチンオキサイド2部を入れて220℃でポリエステル化反応をさせた。さらにEOCN−1020(日本化薬社製)7部(7.2ミリモル)を加えた後、さらに減圧下で反応を進め、所定の軟化点に到達した時点で取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(RX−2)とする。
ポリエステル樹脂(RX−2)のTgは65℃、Tmは151℃、Mpは10400、酸価は4、〔G’150〕は41400(dyn/cm2)であった。
[ポリエステル樹脂(RX−3)の合成]
反応槽中に、テレフタル酸412部(2.5モル)、イソフタル酸412部(2.5モル)、エチレングリコール608部(9.8モル)、および重合触媒としてテトラブトキシチタネート2.5部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水とエチレングリコールを留去しながら5時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下にて1時間反応させた。次いで、無水トリメリット酸36部(0.19モル)を加え、常圧下で1時間反応させた後、20〜40mmHgの減圧下で反応させ、所定の軟化点に到達した時点で取り出した。回収されたエチレングリコールは302部(4.9モル)であった。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(RX−3)とする。
ポリエステル樹脂(RX−3)のTgは58℃、Tmは147℃、Mpは7800、酸価は5、〔G’150〕は27600(dyn/cm2)であった。
上記製造例で得られたポリエステル樹脂(X−1)〜(X−5)、(Y−1)〜(Y−2)、および比較製造例で得られたポリエステル樹脂(RX−1)〜(RX−3)を表1の配合比(部)に従い配合し、ポリエステル樹脂(P)からなる本発明のトナーバインダー、および比較のトナーバインダーを得て、下記の方法でトナー化した。(カーボンブラックMA−100[三菱化学(株)製]、カルナバワックス、荷電制御剤T−77[保土谷化学(製)])
まず、ヘンシェルミキサー[三井三池化工機(株)製 FM10B]を用いて予備混合した後、二軸混練機[(株)池貝製 PCM−30]で140℃で混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製 MDS−I]で分級し、粒径D50が8μmのトナー粒子を得た。ついで、トナー粒子100部にコロイダルシリカ(アエロジルR972:日本アエロジル製)0.5部をサンプルミルにて混合して、本発明のトナー組成物(T−1)〜(T−6)、および比較用のトナー組成物(RT−1)〜(RT−3)を得た。
これらのトナー組成物を下記評価方法で評価した結果を表1に示す。
〔1〕最低定着温度(MFT)
市販複写機(AR5030;シャープ製)を用いて現像した未定着画像を、市販複写機(AR5030;シャープ製)の定着機を用いて評価した。定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる下限温度を最低定着温度とした。
〔2〕ホットオフセット発生温度(HOT)
上記MFTと同様に定着評価し、定着画像へのホットオフセットの有無を目視評価した。定着ロール通過後ホットオフセットが発生しない上限温度をホットオフセット発生温度とした。
〔3〕トナーの耐ブロッキング性試験
上記トナー組成物を、50℃・85%R.H.の高温高湿環境下で、48時間調湿した。同環境下において該現像剤のブロッキング状態を目視判定し、さらに市販複写機(AR5030:シャープ製)でコピーした時の画質を観察した。
判定基準
◎:トナーのブロッキングがなく、3000枚複写後の画質も良好。
○:トナーのブロッキングはないが、3000枚複写後の画質に僅かに乱れが観察さ
れる。
×:トナーのブロッキングが目視でき、3000枚までに画像が出なくなる
Claims (7)
- ポリカルボン酸成分(a)とジオール成分(b)、ならびに3価以上のポリオール成分(c)および/またはエポキシ化合物(d)を構成単位として有し、(a)が芳香族ジカルボン酸およびそのエステル形成性誘導体から選ばれる2種以上のジカルボン酸(a1)を合計で80モル%以上含有し、(b)が炭素数2〜10の脂肪族ジオール(b1)を80モル%以上含有し、(c)がノボラック型樹脂のポリオキシアルキレンエーテル(c1)を含有し、(d)がノボラック型エポキシ樹脂、および、エピービス型エポキシ樹脂から選ばれる少なくとも1種のエポキシ化合物であるポリエステル樹脂(X)と、必要により線形ポリエステル樹脂(Y)とで構成されるポリエステル樹脂(P)を含有し、ポリエステル樹脂(X)の150℃における貯蔵弾性率〔G’150〕が20000(dyn/cm2)以上であるトナーバインダー。
- ポリエステル樹脂(X)を構成するジカルボン酸(a1)が、下記(1)〜(3)から選ばれる2種以上である請求項1記載のトナーバインダー。
(1)テレフタル酸および/またはそのエステル形成性誘導体
(2)イソフタル酸および/またはそのエステル形成性誘導体
(3)フタル酸および/またはそのエステル形成性誘導体 - ポリエステル樹脂(X)のTHF可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィーのピークトップ分子量が2000〜20000である請求項1または2記載のトナーバインダー。
- ポリエステル樹脂(X)のガラス転移温度(Tg)が30〜75℃であり、軟化点が120〜170℃である請求項1〜3のいずれか記載のトナーバインダー。
- 線形ポリエステル樹脂(Y)のTHF可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィーのピークトップ分子量が1000〜15000である請求項1〜4のいずれか記載のトナーバインダー。
- ポリエステル樹脂(X)と線形ポリエステル樹脂(Y)の合計を100とした時の(X)と(Y)の重量比[(X)/(Y)]が、(10〜100)/(90〜0)である請求項1〜5のいずれか記載のトナーバインダー。
- 請求項1〜6のいずれか記載のトナーバインダー、着色剤、並びに必要により、離型剤、荷電制御剤、および流動化剤から選ばれる1種類以上の添加剤を含有するトナー組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010094572A JP2011227161A (ja) | 2010-04-16 | 2010-04-16 | トナーバインダーおよびトナー組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010094572A JP2011227161A (ja) | 2010-04-16 | 2010-04-16 | トナーバインダーおよびトナー組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011227161A true JP2011227161A (ja) | 2011-11-10 |
Family
ID=45042596
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010094572A Pending JP2011227161A (ja) | 2010-04-16 | 2010-04-16 | トナーバインダーおよびトナー組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2011227161A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015143854A (ja) * | 2013-12-26 | 2015-08-06 | キヤノン株式会社 | トナーおよび二成分系現像剤 |
JP2018141966A (ja) * | 2017-02-28 | 2018-09-13 | 三洋化成工業株式会社 | トナーバインダー及びトナー |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007114665A (ja) * | 2005-10-24 | 2007-05-10 | Dainippon Ink & Chem Inc | 静電荷像現像用トナーの製造方法 |
JP2007199738A (ja) * | 2001-12-14 | 2007-08-09 | Sanyo Chem Ind Ltd | トナーバインダー用樹脂及びトナー組成物 |
JP2007279652A (ja) * | 2006-03-14 | 2007-10-25 | Ricoh Co Ltd | 静電荷像現像用トナーおよび該静電荷像現像用トナーを用いた画像形成装置 |
JP2009175755A (ja) * | 2003-12-10 | 2009-08-06 | Sanyo Chem Ind Ltd | トナー用ポリエステル樹脂及びトナー組成物 |
-
2010
- 2010-04-16 JP JP2010094572A patent/JP2011227161A/ja active Pending
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007199738A (ja) * | 2001-12-14 | 2007-08-09 | Sanyo Chem Ind Ltd | トナーバインダー用樹脂及びトナー組成物 |
JP2009175755A (ja) * | 2003-12-10 | 2009-08-06 | Sanyo Chem Ind Ltd | トナー用ポリエステル樹脂及びトナー組成物 |
JP2007114665A (ja) * | 2005-10-24 | 2007-05-10 | Dainippon Ink & Chem Inc | 静電荷像現像用トナーの製造方法 |
JP2007279652A (ja) * | 2006-03-14 | 2007-10-25 | Ricoh Co Ltd | 静電荷像現像用トナーおよび該静電荷像現像用トナーを用いた画像形成装置 |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015143854A (ja) * | 2013-12-26 | 2015-08-06 | キヤノン株式会社 | トナーおよび二成分系現像剤 |
JP2018141966A (ja) * | 2017-02-28 | 2018-09-13 | 三洋化成工業株式会社 | トナーバインダー及びトナー |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5247173B2 (ja) | トナー用樹脂およびトナー組成物 | |
JP5961553B2 (ja) | トナーバインダーおよびトナー | |
JP5553941B2 (ja) | トナーバインダーおよびトナー | |
JP5497511B2 (ja) | トナー用樹脂およびトナー組成物 | |
JP4964727B2 (ja) | トナー用樹脂およびトナー組成物 | |
JP2013178504A (ja) | 粉砕トナー用ポリエステル樹脂及びトナー組成物 | |
JP4672598B2 (ja) | トナー用樹脂およびトナー組成物 | |
WO2006126667A1 (ja) | トナー用樹脂およびトナー組成物 | |
JP5524719B2 (ja) | トナーバインダーおよびトナー組成物 | |
JP4878357B2 (ja) | トナー用結着樹脂およびトナー組成物 | |
JP2009251248A (ja) | トナー用ポリエステル樹脂およびトナー組成物 | |
JP5439038B2 (ja) | トナーバインダーおよびトナー組成物 | |
JP2007179033A (ja) | トナー用ポリエステル樹脂組成物及びトナー組成物 | |
JP5827350B2 (ja) | トナーバインダーの製造方法 | |
JP5490771B2 (ja) | トナーバインダーおよびトナー組成物 | |
WO2010143385A1 (ja) | トナーバインダーおよびトナー組成物 | |
JP2008158500A (ja) | トナー用樹脂組成物およびトナー組成物 | |
JP6435208B2 (ja) | トナーバインダー及びトナー組成物 | |
JP5616915B2 (ja) | トナーバインダーおよびトナー組成物 | |
JP2011227161A (ja) | トナーバインダーおよびトナー組成物 | |
JP2011175257A (ja) | トナーバインダーの製造方法 | |
JP6279996B2 (ja) | ポリエステル樹脂、トナーバインダーおよびトナー組成物 | |
JP6773728B2 (ja) | トナーバインダー及びトナー | |
JP2013054347A (ja) | 電子写真用トナーバインダー及びトナー組成物 | |
JP2007293323A (ja) | 電子写真用トナーバインダー及びトナー |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20130402 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20131218 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140107 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140303 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20140401 |