JP2007114665A - 静電荷像現像用トナーの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】小粒径で粒度分布がシャープな、現像耐久性の優れたケミカルトナーを製造する新規な製造方法を提供する。
【解決手段】カルボキシル基を有するポリエステル樹脂と着色剤とを、疎水性有機溶剤中に溶解あるいは分散させて、固形分含有量が60〜65質量%の着色樹脂溶液を製造する工程A、次いで、塩基性化合物の存在下で該着色樹脂溶液と水性媒体とを混合することにより、該着色樹脂溶液が乳化又は懸濁した乳化懸濁液を製造する工程B、分散安定剤の存在下、及び固形分含有量が27.0〜31.0質量%の条件下で電解質を添加することで該着色樹脂溶液の微粒子を形成し、更に該微粒子を合一させることにより合一粒子を製造する工程C、該疎水性有機溶剤を除去する工程D、該合一粒子を該水性媒体中から分離し、洗浄する工程E、乾燥工程Fを行う静電荷像現像用トナーの製造方法。
【選択図】図1
【解決手段】カルボキシル基を有するポリエステル樹脂と着色剤とを、疎水性有機溶剤中に溶解あるいは分散させて、固形分含有量が60〜65質量%の着色樹脂溶液を製造する工程A、次いで、塩基性化合物の存在下で該着色樹脂溶液と水性媒体とを混合することにより、該着色樹脂溶液が乳化又は懸濁した乳化懸濁液を製造する工程B、分散安定剤の存在下、及び固形分含有量が27.0〜31.0質量%の条件下で電解質を添加することで該着色樹脂溶液の微粒子を形成し、更に該微粒子を合一させることにより合一粒子を製造する工程C、該疎水性有機溶剤を除去する工程D、該合一粒子を該水性媒体中から分離し、洗浄する工程E、乾燥工程Fを行う静電荷像現像用トナーの製造方法。
【選択図】図1
Description
本発明は複写機、プリンター、ファックス等に好適に用いられる静電荷像現像用トナーの製造方法に関する。
近年、電子写真方式を用いた複写機、ファックス、プリンター等の印刷画像品質のさらなる向上、あるいはマシンコストダウン・小型化・省電力化などのために、トナーに対して次のような要望が高まっている。例えば、トナー小粒径化による印刷画像の解像性や階調性の向上、定着温度の低温度化による消費電力の削減、オイルレス定着化によるマシンコストダウン等である。このような状況下トナーの製造方法においても、従来の粉砕法から、重合法や乳化分散法によるトナー(以下、ケミカルトナーという)の開発が活発に行われてきている。特に、乳化分散法は、トナーの小粒径化や球形化に容易に対応できることに加え、重合法と比較して、(1)バインダー樹脂の種類の選択幅が広くなる、(2)残留モノマー低減が容易である、(3)有機顔料等の着色剤濃度を低濃度から高濃度まで任意に変化させることができる、などの利点を有しており、カラートナーの製造においても有利である。乳化分散法を用いたトナーの製造方法に関する従来技術としては、例えば、着色剤とアニオン型自己水分散性樹脂となるポリエステル樹脂を有機溶剤中に分散させ、その後、転相乳化することによりトナー粒子を製造する方法が開示されている(例えば特許文献1参照)。さらに、着色剤とポリエステル樹脂を有機溶剤中に分散させ、その後、転相乳化を行い、次いで合一工程を行うことにより粒度分布がシャープなトナーを高収率で製造する方法(以下合一法という)が開示されている(例えば、特許文献2、3)。
一方、トナーに重要な特性として摩擦帯電性があり、各種現像方法により摩擦帯電される。現像方法として、例えば、鉄粉、フェライト、ガラスの微粒子(20〜500μm)からなるキャリアとトナーとの混合物を現像剤として用いる二成分系現像法と、トナーのみを現像剤として用いる非磁性一成分現像方式がある。二成分現像法では、トナーとキャリアとの混合によって摩擦帯電され、トナーに電荷が付与されるが、トナー粒子に比べキャリア粒子は比重が高いため、混合時にキャリアとの摩擦により大きな機械的歪力を受け、トナーが破砕され、その微粉成分がキャリアに付着しキャリア汚染が発生する問題を有している。また、非磁性一成分現像方式では、種々の方式が考案されているが、その多くは、現像スリーブに対して静電気力でトナーを付着させ、潜像面へトナーを搬送させ現像せしめる方法が用いられており、トナーへの電荷付与は、現像スリーブとそれに圧接された耐電部材との間にトナーを通過せしめ、摩擦帯電させる方法がとられている。その場合、現像スリーブ、帯電部材の材料選択を十分考慮し、トナーに高い帯電が与えられるようにする必要があり、その際には、ある程度強い圧力でスリーブに帯電部材が押しつけられることが要求される。そのような条件下では、トナーが摩擦により発熱して帯電部材に融着する、あるいは破砕され微粒子化される状態を生み出す。これらの現象が発生した場合、画像濃度低下、現像スリーブ上へのトナー搬送阻害を誘発し、画像上にスジ・白抜け等種々の画像トラブルを引き起こすことになる。そのため、トナーには、小粒径化・低温定着等以外にも現像時に破壊されない現像耐久性(強度)を持たせることが需要である。
しかしながら、合一法においては、小粒径化・粒度分布のシャープ化・低温定着化については実現可能であるが、現像耐久性については十分満足のできるものではなかった。
本発明は上記事情を鑑みてなされたもので、その目的とするところは、小粒径で粒度分布がシャープであり、且つ現像耐久性の優れたケミカルトナーを製造する新規な製造方法を提供することにある。
本発明者等は、鋭意研究を重ねた結果、上記課題を解決しうる静電荷像現像用トナーの製造方法を見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明は、カルボキシル基を有するポリエステル樹脂と着色剤とを、疎水性有機溶剤中に溶解あるいは分散させて、固形分含有量が60〜65質量%の着色樹脂溶液を製造する工程A、
次いで、塩基性化合物の存在下で該着色樹脂溶液と水性媒体とを混合することにより、該水性媒体中に該着色樹脂溶液が乳化又は懸濁した乳化懸濁液を製造する工程B、
該乳化縣濁液中に、分散安定剤の存在下、及び固形分含有量が27.0〜31.0質量%の条件下で電解質を添加することで該着色樹脂溶液の微粒子を形成し、更に該微粒子を合一させることにより合一粒子を製造する工程C、
該疎水性有機溶剤を除去する工程D、
該合一粒子を該水性媒体中から分離し、洗浄する工程E、
次いで該合一粒子を乾燥する工程F
を行うことを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法を提供するものである。
次いで、塩基性化合物の存在下で該着色樹脂溶液と水性媒体とを混合することにより、該水性媒体中に該着色樹脂溶液が乳化又は懸濁した乳化懸濁液を製造する工程B、
該乳化縣濁液中に、分散安定剤の存在下、及び固形分含有量が27.0〜31.0質量%の条件下で電解質を添加することで該着色樹脂溶液の微粒子を形成し、更に該微粒子を合一させることにより合一粒子を製造する工程C、
該疎水性有機溶剤を除去する工程D、
該合一粒子を該水性媒体中から分離し、洗浄する工程E、
次いで該合一粒子を乾燥する工程F
を行うことを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法を提供するものである。
また、本発明は、カルボキシル基を有するポリエステル樹脂と着色剤とを、疎水性有機溶剤中に溶解あるいは分散させて、固形分含有量が60〜65質量%の着色樹脂溶液を製造する工程A、
次いで、塩基性化合物の存在下で該着色樹脂溶液と水性媒体とを混合することにより、該水性媒体中に該着色樹脂溶液が乳化又は懸濁した乳化懸濁液を製造する工程B、
該乳化縣濁液中に、分散安定剤の存在下、及び固形分含有量が27.0〜31.0質量%の条件下で電解質を添加することで該着色樹脂溶液の微粒子を形成し、更に該微粒子を合一させることにより合一粒子を製造する工程C、
該疎水性有機溶剤を除去する工程D、
該合一粒子を該水性媒体中から分離し、洗浄する工程E、
次いで該合一粒子を乾燥する工程F
を行うことにより製造されるトナーであることを特徴とする静電荷像現像用トナーを提供するものである。
次いで、塩基性化合物の存在下で該着色樹脂溶液と水性媒体とを混合することにより、該水性媒体中に該着色樹脂溶液が乳化又は懸濁した乳化懸濁液を製造する工程B、
該乳化縣濁液中に、分散安定剤の存在下、及び固形分含有量が27.0〜31.0質量%の条件下で電解質を添加することで該着色樹脂溶液の微粒子を形成し、更に該微粒子を合一させることにより合一粒子を製造する工程C、
該疎水性有機溶剤を除去する工程D、
該合一粒子を該水性媒体中から分離し、洗浄する工程E、
次いで該合一粒子を乾燥する工程F
を行うことにより製造されるトナーであることを特徴とする静電荷像現像用トナーを提供するものである。
前記特許文献2、特許文献3に記載されたケミカルトナー製造方法においては、非常にシャープな粒度分布と樹脂の選択により低温定着性の優れたトナーを得ることが可能であるが、本発明者らが検討したところによると、上記製法で製造したトナーは、現像時の耐久性が不十分であることが判明した。この原因を鋭意検討した結果、ポリエステル樹脂と着色剤を有機溶剤中に溶解あるいは分散させる工程での有機溶剤に対する固形分比率が少なくポリエステル樹脂と着色剤の溶解あるいは分散における撹拌シェアが均一分散するには不十分であった。さらに、合一工程での全溶液中の有機溶剤量が少なく、微粒子の合一が不十分であった。そのため、トナー現像時の耐久性を満足できなかった。これを改良するため、ポリエステル樹脂と着色剤を有機溶剤中に溶解あるいは分散させる工程において、有機溶剤に対する固形分比率を増量することでポリエステル樹脂と着色剤を均一に分散し、転相乳化にて作製された微粒子を合一する前工程にて全溶液中の有機溶剤量を増量すると前記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明により、小粒径で粒度分布がシャープであり、且つ現像耐久性の優れたケミカルトナーを製造することができる。本発明の製造方法で製造されたトナーは、特に、非磁性一成分現像用トナーとして優れた現像耐久性を示す。
以下、本発明に係る静電荷像現像用トナーの製造方法について説明する。本発明の製造方法は、大別すると以下の3工程を備えている。
第1工程:ポリエステル樹脂を主成分とする結着樹脂と着色剤とを、疎水性有機溶剤中に溶解、あるいは分散させて固形分含有量が60〜65質量%の着色樹脂溶液を製造する工程A、次いで、塩基性化合物を添加した後、該着色樹脂溶液に水を添加することで、水性媒体中に乳化又は懸濁させて該着色樹脂溶液が乳化又は懸濁した乳化懸濁液を製造する工程Bを行う。
第2工程:該乳化懸濁液に、分散安定剤の存在下、及び固形分含有量が27.0〜31.0質量%の条件下で電解質を添加することで、該着色樹脂溶液の微粒子を形成し、更に該微粒子を合一させることにより合一粒子を生成させる工程Cを行い、次いで減圧下で有機溶剤を除去する工程Dを行う。
第3工程:脱溶剤後の前記合一粒子を水性媒体中から分離・洗浄し(工程E)、乾燥させ(工程F)、トナーを製造する。
第1工程:ポリエステル樹脂を主成分とする結着樹脂と着色剤とを、疎水性有機溶剤中に溶解、あるいは分散させて固形分含有量が60〜65質量%の着色樹脂溶液を製造する工程A、次いで、塩基性化合物を添加した後、該着色樹脂溶液に水を添加することで、水性媒体中に乳化又は懸濁させて該着色樹脂溶液が乳化又は懸濁した乳化懸濁液を製造する工程Bを行う。
第2工程:該乳化懸濁液に、分散安定剤の存在下、及び固形分含有量が27.0〜31.0質量%の条件下で電解質を添加することで、該着色樹脂溶液の微粒子を形成し、更に該微粒子を合一させることにより合一粒子を生成させる工程Cを行い、次いで減圧下で有機溶剤を除去する工程Dを行う。
第3工程:脱溶剤後の前記合一粒子を水性媒体中から分離・洗浄し(工程E)、乾燥させ(工程F)、トナーを製造する。
なお、着色樹脂溶液の微粒子は、
(1)着色剤とポリエステル樹脂が溶解または分散した疎水性有機溶剤の微粒子、
(2)着色剤の微粒子に水性媒体中に溶解したポリエステル樹脂が付着した状態の乳化型の微粒子、
または、
(3)着色剤の微粒子に疎水性有機溶剤により膨潤したポリエステル樹脂のミクロエマルジョンが付着した乳化型の微粒子
の形態のいずれかの微粒子、またはそれらの形態の混合微粒子であっても良い。
合一法によりトナーを製造する場合は、上記(2)または(3)の状態である着色剤含有樹脂粒子の懸濁液を製造することが好ましい。
(1)着色剤とポリエステル樹脂が溶解または分散した疎水性有機溶剤の微粒子、
(2)着色剤の微粒子に水性媒体中に溶解したポリエステル樹脂が付着した状態の乳化型の微粒子、
または、
(3)着色剤の微粒子に疎水性有機溶剤により膨潤したポリエステル樹脂のミクロエマルジョンが付着した乳化型の微粒子
の形態のいずれかの微粒子、またはそれらの形態の混合微粒子であっても良い。
合一法によりトナーを製造する場合は、上記(2)または(3)の状態である着色剤含有樹脂粒子の懸濁液を製造することが好ましい。
まず、第1工程について詳しく説明する。第1工程では、まず疎水性有機溶剤中にポリエステル樹脂を主成分とする結着樹脂と、着色剤とを投入して、溶解または分散させることで、着色樹脂溶液を調整する(工程A)。必要に応じて、離型剤や他の添加剤を混合物と共に用いることができるが、いずれにおいてもトナー粒径以下に微分散または溶解される必要がある。工程Aで調整する着色樹脂溶液の固形分含有量は、60%〜65質量%の範囲である。60質量%より少ないと、粘度が低く、撹拌時のシェアが弱くポリエステル樹脂と着色剤の分散が不十分であり、65質量%より多いとポリエステル樹脂の溶解が不十分または未溶解物が発生して好ましくない。
結着樹脂と着色剤は、高速攪拌機により疎水性有機溶剤中に溶解または分散することが好ましい。この場合、着色剤は、あらかじめ予備分散を行ってマスター混練チップを調整し、トナー粒径以下に微分散したものを用いても良い。離型剤のような添加剤などもあらかじめマスター混練チップを調整した後に混合しても良い。あるいは、メディアを用いて湿式分散によりトナー粒径以下に微分散したマスター溶液を用いても良い。第1工程においては、DESPA(アサダ鉄工株式会社)、ホモミクサ(特殊機化工業株式会社)などの高速攪拌機が使用できる。この時の翼先端速度は4〜30m/sであることが好ましく、10〜25m/sであることが特に好ましい。上記高速攪拌機を用いることで、結着樹脂の疎水性有機溶剤への溶解を効率よく行えると共に、着色剤の結着樹脂溶液中での均一微分散を達成できる。すなわち、あらかじめ微分散された着色剤の状態を高速攪拌することで、結着樹脂溶液中においても保持することができる。翼先端速度が4m/sより低いと、結着樹脂溶液中での着色剤の微分散が不十分となり好ましくない。一方、30m/sより高いと、専断による発熱が大きくなり、溶剤の揮発と相まって均一攪拌が困難となるため好ましくない。また、溶解、または分散する場合の温度は、20〜60℃の範囲が好ましく、30〜50℃の範囲が特に好ましい。
疎水性有機溶剤としては、25℃における水に対する溶解度が、0.1〜30質量%であることが好ましく、0.1〜25質量%であることが特に好ましい。また、常圧における沸点は、水の沸点よりも低いことが好ましい。このような疎水性有機溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトンのようなケトン類や、酢酸エチル、酢酸イソプロピルのようなエステル類、などが用いられる。これらの疎水性有機溶剤は、2種以上を混合して用いることもできるが、溶剤回収の点から、同一種類の溶剤を単独で使用することが好ましい。また、疎水性有機溶剤は、ポリエステル樹脂を溶解または分散するものであり、毒性が比較的低く、かつ後の工程で脱溶剤しやすいために低沸点のものが好ましい。ここで、ポリエステル樹脂を溶解する有機溶剤としては、溶解、分散性に優れている、メチルエチルケトン、酢酸エチルを用いている。特にメチルエチルケトンを用いることがもっとも好ましい。
次いで、塩基性化合物を添加した後で、該着色樹脂溶液に水を添加することで水性媒体中に乳化又は懸濁させて乳化懸濁液とする(工程B)。ここで、塩基性化合物の塩基によってポリエステル樹脂のカルボキシル基を中和した着色剤含有樹脂液に水を徐々に添加することが好ましい。水を滴下終了した後の水と有機溶剤の比率は、50:50〜80:20が好ましく50:50〜75:25がより好ましい。
カルボキシル基が中和されることで、該官能基部分の親水性が向上し、水との親和性が向上する。滴下した水は該官能基部分に水和され、攪拌効果と合わさって溶解あるいは微細に分散される。一方、結着樹脂は水性媒体を介在して酸―塩基相互作用が強まり、水の添加に伴って粘度が上昇する。一定量の水を添加すると粘度が低下していく点があり、いわゆる転相点と称する。この直前まで、粘度が上昇し、粘度のピークとなる。粘度上昇は、塩基性化合物の添加量と相関があり、添加量が増加するほど、粘度上昇も大きくなる。また、固形分含有量が高いほど、顕著な増加が見られる。場合によってはワイゼンベルク現象が生じ、攪拌翼に巻き付くことで、均一な攪拌に問題を生じる。一方、塩基性化合物の量は、本製法においては、工程Bの乳化あるいは縣濁工程のみならず、後述する第二工程の工程Cにおける合一粒子生成時の均一性、速度にも影響を及ぼし、ポリエステル樹脂のカルボキシル基に対して、塩基性化合物の全量として1〜3当量の範囲が好ましい。また、1〜2当量の範囲が更に好ましい。このようにポリエステル樹脂のカルボキシル基を100%中和するために要する量よりも過剰に添加することにより、工程Cにおいて異形の粒子が生成するのを防止することができ、また、粒度分布をシャープにすることができる。しかしながら、塩基性化合物の全量を工程Bの乳化又は縣濁前で添加するよりも乳化又は縣濁前と後に分けて添加するのが好ましい。そうすることにより乳化又は懸濁時の過度の粘度上昇を防止することができ、また、攪拌の不均一化による未乳化の異物の発生を防止し、最終的に得られるトナーの現像特性に対する悪影響を防止することができる。工程Bにおける乳化又は縣濁前に添加する塩基性化合物の量は、0.6〜0.8当量が好ましい。そして、乳化又は縣濁後に0.2〜2.4当量を添加するのが好ましい。
本発明で用いるポリエステル樹脂は、カルボキシル基を有することが好ましい。カルボキシル基を有するポリエステル樹脂であれば、カルボキシル基を中和することにより水中で容易に分散するか(以下、自己水分散性という)、または水溶性となる。又、自己水分散性または水溶性のポリエステル樹脂の酸価は、1〜30KOHmg/gが好ましく、3〜20KOHmg/gであることがより好ましい。
これは、ポリエステル樹脂の酸価が1未満であると、ポリエステル樹脂と疎水性有機溶剤とが水中に乳化又は懸濁した乳化懸濁液の製造がスムーズに行われず、粗大粒子が発生するので好ましくない。
一方、ポリエステル樹脂の酸価が30より大きいと、各種環境下における帯電量が安定しないため好ましくない。酸価が1〜30KOHmg/gであるポリエステル樹脂は、カルボキシル基が塩基性化合物により中和されることによりアニオン型となる。その結果、樹脂の親水性が増加し、分散安定剤や界面活性剤を使用しなくとも安定に分散または溶解することができる。
これは、ポリエステル樹脂の酸価が1未満であると、ポリエステル樹脂と疎水性有機溶剤とが水中に乳化又は懸濁した乳化懸濁液の製造がスムーズに行われず、粗大粒子が発生するので好ましくない。
一方、ポリエステル樹脂の酸価が30より大きいと、各種環境下における帯電量が安定しないため好ましくない。酸価が1〜30KOHmg/gであるポリエステル樹脂は、カルボキシル基が塩基性化合物により中和されることによりアニオン型となる。その結果、樹脂の親水性が増加し、分散安定剤や界面活性剤を使用しなくとも安定に分散または溶解することができる。
中和用の塩基性化合物としては、特に制限はなく、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアなどの無機塩基や、ジエチルアミン、トリエチルアミン、イソプロピルアミンなどの有機塩基が用いられる。特に、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの無機塩基が好ましい。ポリエステル樹脂を水中または水が主成分で有機溶剤を含む媒体(水性媒体)中に分散するためには、懸濁安定剤や、界面活性剤などの分散安定剤を添加する方法があるが、懸濁安定剤や、界面活性剤を添加して乳化させる方法では高剪断力が必要となってしまう。これにより、粗大粒子の発生、粒度分布がブロードになることから好ましくない。また、ゲル分を含有するような架橋型ポリエステル樹脂の場合には、さらに不均一な粒度分布となり、実用上限界がある。したがって、本発明では、自己水分散性または水溶性であるポリエステル樹脂を用い、ポリエステル樹脂が有するカルボキシル基を、塩基性化合物により中和する。
上記の方法で製造した乳化懸濁液では、着色樹脂溶液は水性媒体中に乳化又は懸濁した状態で存在する。その状態は、有機溶剤の種類と使用量、ポリエステル樹脂の酸価、塩基性化合物の使用量、撹拌条件等で異なるが、着色樹脂溶液の粒子が光学顕微鏡を使用しても確認できない程度に微小な油滴として乳化又は懸濁していることが好ましい。このような状態であれば、乳化懸濁液の安定性、後の工程における合一の安定性、合一粒子の粒度分布等が良好になり、好ましい。
次に、第2工程について説明する。分散安定剤の存在下、電解質を添加することにより、合一体である合一粒子を製造する(工程C)。合一法では、着色樹脂溶液の乳化懸濁液に分散安定剤を添加する。そして、分散安定剤の存在下で電解質の水溶液を滴下することで着色樹脂溶液の微粒子を形成し、更に該微粒子を合一させることにより合一粒子を製造する。乳化懸濁液に電解質を添加することで、乳化又は懸濁している着色樹脂溶液の微小な油滴が塩析または不安定化され、着色樹脂溶液の微粒子として析出する。そして、複数の着色樹脂溶液の微粒子が一体化することによって合一が進行し、合一粒子を得ることができる。なお、電解質を添加することにより、着色樹脂溶液の微粒子同士が合一するばかりでなく、水性媒体中に溶解しているポリエステル樹脂が塩析または不安定化することによりポリエステル樹脂の微粒子が析出し、着色樹脂溶液の微粒子の表面または既に合一した合一粒子に付着して、或いは、水性媒体中に溶解しているポリエステル樹脂が塩析または不安定化することにより、直接、着色樹脂溶液の微粒子の表面または既に合一した合一粒子に付着することにより、合一が進行し、合一粒子を得る。
工程Bで得られた光学顕微鏡を使用しても確認できない程度に微小な油滴として乳化懸濁液中に乳化又は懸濁している微小な油滴は、ポリエステル樹脂のカルボン酸塩等による水和作用により水性媒体中で安定して分散している。工程Cでは、微小な油滴が分散している水性媒体中にその水和状態を破壊あるいは減少させる電解質を添加することで、光学顕微鏡により確認できる程度の微粒子として析出させる。そして、更に、ここで用いられる電解質としては、例えば、塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、シュウ酸などの酸性物質がある。また、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、硫酸カリウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸水素アンモニウム、硫酸マグネシウム、リン酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、塩化カルシュウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、酢酸ナトリウムなどの有機、無機の水溶性の塩なども電解質として有効に用いることができる。これらの電解質は、単独でも、2種類以上の物質を混合してもよい。中でも、硫酸ナトリウムや硫酸アンモニウムのような1価のカチオンの硫酸塩、炭酸塩が均一な合一を進める上で好ましい。ここで得られる合一粒子は溶剤によって膨潤しており、かつ電解質を添加することによって粒子の水和状態が不安定な状態となっているため、低シェア(低剪断力)の攪拌により粒子同士を衝突させて合一を進行させることが好ましい。高剪断条件下で合一工程を行うと、合一が行われた粒子の分裂と合一が同時に行われるため好ましくない。分裂が起きずに合一のみが進行するような低シェア条件下で合一工程をコントロールすることが好ましい。
ところで、電解質などの添加だけでは、系内の合一粒子の分散が不安定になっているため、合一が不均一となり、粗大粒子や凝集物が発生することがある。このように電解質の添加により生成した合一粒子が不均一な合一を繰り返すことによって目的とする粒子径以上の凝集体を形成するのを防止するためには、電解質を添加する前に、ヒドロキシアパタイトなどの無機分散安定剤やイオン性あるいはノニオン性の界面活性剤を分散安定剤として添加する必要がある。添加時期は、電解質を添加する前であれば、第1工程の工程Aあるいは工程Bであってもかまわない。工程Cにおいて分散安定剤が機能するためには、後から添加する電解質の存在下においても分散安定性を保持できる特性が必要である。そのような特性を有する分散安定剤としては、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなど、あるいは各種プルロニック系などのノニオン型の乳化剤、あるいはアルキル硫酸エステル塩型、アルキルスルホン酸塩型のアニオン性乳化剤、また、第四級アンモニウム塩型のカチオン型の分散安定剤などがある。中でも、アニオン型、ノニオン型の分散安定剤が少量の添加量であっても系の分散安定性に効果があるので好ましい。ノニオン型の界面活性剤の曇点は40℃以上であることが好ましい。上述した界面活性剤は単独で用いても、2種類以上を混合して用いてもよい。すなわち、本発明の製造方法では、分散安定剤(乳化剤)の存在下に電解質を添加することで、不均一な合一を防止することが可能となる。これにより、シャープな粒度分布が得られると共に、収率の向上が達成される。
また、均一な合一を進める上では、合一時の攪拌条件が重要であり、例えば、アンカー翼、タービン翼、ファウドラー翼、フルゾーン翼、マックスブレンド翼、半月翼などが用いられている。中でも、マックスブレンド翼やフルゾーン翼のような低回転であっても均一混合性に優れた大型翼を用いることが好ましい。均一な合一体を生成させるための攪拌翼の周速は、0.2〜10m/sが好ましく、0.2〜8m/s未満の低シェアでの攪拌がより好ましい。特に、0.2〜6m/sとすることが好ましい。攪拌翼の周速が10m/sよりも早いと、微粒子が残存するため好ましくない。一方、周速が0.2m/sよりも遅いと、攪拌が不均一となり粗大粒子が発生する傾向となるので好ましくない。上述した条件であれば、微粒子同士の衝突のみにより合一が進行し、合一体が再び解離、分散することがない。特に、合一法では微小粒子から優先的に合一が進行するため、超微粒子の発生が少なく、かつシャープな粒度分布となるため収率の向上が達成できる。すなわち、第1工程ではデスパー等の高速攪拌機により工程A及び工程Bを行うことが好ましく、第二工程ではマックスブレンド翼等の低速で均一混合可能な大型翼が好適となるため、第1工程で得られた着色剤含有樹脂粒子の縣濁液を、大型翼付属の別の容器に移送して第二工程を実施することが好ましい。
工程Cにおいて、合一体を形成する場合には、乳化縣濁液中の有機溶剤量は、27.0〜31.0質量%に調整する。したがって、必要に応じて乳化縣濁液を水でさらに希釈することが好ましい。その後、分散安定剤、及び電解質を順次添加して合一を行う。有機溶剤量が27.0質量%より少ないと、合一に要する電解質量が多くなるので好ましくなく、さらに、合一後の粒子の一体化の状態が不十分であるため、実機での現像耐久性が不十分であるため好ましくない。また、溶剤量が31.0質量%よりも多いと合一後の粒子の一体化の状態は十分であるが、不均一な合一による凝集物発生が多くなり、また、分散安定剤の添加量が多くなるので好ましくない。
また、使用する分散安定剤の量は、例えば固形分含有量に対し、0.1〜3.0質量%が好ましく、0.3〜2.0質量%であることがより好ましく、0.3〜1.5質量%であることが特に好ましい。これは、0.1質量%よりも少ないと、目的とする粗大粒子発生に対する防止効果が得られないためである。また、3.0質量%よりも多いと、電解質の量を増加しても合一が十分に進行せず、所定粒径の粒子が得られなくなり、結果として、微粒子が残存してしまい収率を低下させるためである。
また、使用する電解質の量は、固形分含有量に対し、0.5〜15質量%が好ましく、1〜12質量%であることがより好ましく、1〜6質量%であることが特に好ましい。これは、電解質の量が0.5質量%よりも少ないと、合一が十分に進行しないためである。また、電解質の量が15質量%よりも多いと、合一が不均一となり、凝集物の発生や、粗大粒子が発生し収率を低下させるためである。また、電解質濃度が高いと、特に合一初期の塩析による溶解したポリエステル樹脂の析出時に凝集物が発生しやすいため好ましくない。一方、電解質濃度が低いと、塩析や合一させるために多量の電解質が必要となるため好ましくない。1バッチあたりの収量を改善するためには、電解質濃度を2段に分割することが好ましい。この場合、乳化縣濁液中の全粒子の体積平均粒子径が、最終目標とするトナーの平均粒子径の40%〜60%となった時点で電解質を追加添加することが好ましい。トナーの体積平均粒子径は1〜13μmであることが好ましいが、例えば、体積平均粒子径が5〜7.5μmのトナーを製造する場合、合一初期における微粒子の粒径が3μmまで成長する段階では、電解質濃度として2〜4%の範囲が好ましい。また、粒径が3μmを超えてさらに成長させる場合には4%を越えて6%の範囲の濃度が好ましい。粒径が3μm以下と小さい場合には、系中の粒子濃度が高い(比表面積が大きいため)ため、滴下した電解質近傍での凝集が発生しやすいためと考えられる。成長段階に応じて、電解質濃度を変更し分割添加することで、凝集物の発生を防止でき、かつ、固形分含有量に対する電解質水溶液の添加量を削減することができる。
また、電解質を添加する際は、電解質を均一にすばやく系内に混合するため、攪拌速度を上げることが好ましい。電解質水溶液の滴下による凝集物の発生を抑えることができるため、好ましい。また、合一時の温度は、10〜50℃が好ましく、20〜40℃であることがより好ましく、20〜35℃であることが特に好ましい。これは、温度が10℃よりも低いと、合一が進行しにくくなるためである。また、温度が50℃よりも高いと、合一速度が速くなり、凝集物や、粗大粒子が発生しやすくなるためである。本発明の製造方法では、例えば、20〜40℃といった低温の条件で、合一による合一粒子の生成が可能である。
ところで、摩擦帯電性能を良好に保持するためには、着色剤などがトナー粒子表面に露出しないようにすること、すなわち着色剤などがトナー粒子に内包されたトナー構造とすることが有効である。トナーの小粒径化に伴う帯電性の悪化は、含有する着色剤やその他の添加物(通常離型剤など)の一部がトナー粒子表面に露出することも原因になっている。すなわち、着色剤などの含有率(質量%)が同じであっても、小粒径化によりトナー粒子の表面積が増大し、トナー粒子表面に露出する着色剤や離型剤などの比率が増大し、その結果トナー粒子表面の組成が大きく変化し、トナー粒子の摩擦帯電性能が大きく変わり適正な帯電性が得られにくくなる。
上記の製造方法により製造されるトナー粒子は、着色剤や離型剤などがポリエステル樹脂に内包されていることが特徴である。トナー粒子表面に着色剤や離型剤などが露出していないことは、例えば、粒子の断面をTEM(透過型電子顕微鏡)で観察することにより容易に判定できる。より具体的には、トナー粒子を樹脂包埋してミクロトームで切断した断面を、必要ならば酸化ルテニウムなどで染色し、TEMで観察することで、着色剤や離型剤などが粒子内に内包されてほぼ均一に分散していることが確認できる。
工程Cで得られる合一粒子の形状は、合一の程度により不定形から球形まで変化させることができる。例えば、平均円形度で表現すれば、0.94〜0.99まで変化させることが可能である。なお、この平均円形度は、最終的に得られたトナー粒子のSEM(走査型電子顕微鏡)写真を撮影し、画像解析装置(ルーゼックスAP 株式会社ニレコ製)などで計算することで求められるが、シスメックス(株)製フロー式粒子像分析装置FPIP−1000を使用すると容易に得られるため、本明細書ではこの装置で測定した値を平均円形度としている。
フロー式粒子像分析装置FPIP−1000とは、トナー粒子等の微粒子の大きさや形状を撮像する装置であり、粒子の撮像は以下の通りに行われる。
まず、微量の界面活性剤を含む水の中にトナー粒子を懸濁させることにより試料を作製する。次いで、この試料をフロー式粒子像分析装置FPIP−1000中に設けられた、透明且つ扁平なセル中に流下させる。このセルの片側にはパルス光を発する光源が設置されており、更に、セルを挟んで反対側にはその光源に正対するように撮像用カメラが設けられている。FPIP−1000のセル中を流下する試料中のトナー粒子は、パルス光が照射されることにより、セルを夾んで光源と正対するカメラにより静止画像として捉えられる。
このようにして撮像されたトナー粒子の像を基にして、画像解析装置により各トナー粒子の輪郭が抽出され、トナー粒子像の投影面積や周囲長(トナー粒子投影像の周長)が算出される。更に、算出されたトナー粒子像の投影面積から、それと同等の面積を有する円の円周の長さ(トナー粒子投影面積と同じ面積の円の周長)が算出される。上記の平均円形度は、このように算出されたトナー粒子投影面積と同じ面積の円の周長をトナー粒子投影像の周長で除したものである。
上記装置で測定する際の条件は以下の通り。
(1)トナー粒子の懸濁液の作製
水20gに対し界面活性剤(エルクリヤー(中外写真薬品(株)製))0.1gを添加し、更に試料であるトナー0.04gを添加し、超音波分散機でトナー粒子を水中に懸濁させる。
(2)測定条件
測定温度;25℃
測定湿度;60%
測定トナー粒子数;5000±2000個
(1)トナー粒子の懸濁液の作製
水20gに対し界面活性剤(エルクリヤー(中外写真薬品(株)製))0.1gを添加し、更に試料であるトナー0.04gを添加し、超音波分散機でトナー粒子を水中に懸濁させる。
(2)測定条件
測定温度;25℃
測定湿度;60%
測定トナー粒子数;5000±2000個
トナー粒子の形状は、少なくとの1個以上の球面を有し、更には複数個の球面から構成されることが好ましく、平均円形度としては0.95以上であることが好まく、0.96以上であることがより好ましい。特に、0.97以上であることがもっとも好ましい。これは、平均円形度を0.97以上の略球形あるいは球形の形状とすることで粉体流動性の向上、転写効率の向上がみられ、トナーとして用いる場合には上記範囲とすることが好ましい。特に、粒径が小さくなるにつれ、球形と不定形では、粉体流動性、転写効率、トナー消費量の面での差は大きくなる。次に、目標粒径まで成長した合一粒子は、合一粒子を含む水性媒体中に、水を添加して合一を停止させた後、該合一粒子を含む水性媒体中から使用した疎水性有機溶剤を除去する(工程D)。
次に、第3工程について説明する。脱溶剤後の合一粒子を水性媒体から分離し、洗浄、脱水する(工程E)。水性媒体からの分離は、遠心分離機、あるいはフィルタープレス、ベルトフィルターなどの公知慣用の手段で行うことができる。ついで粒子を乾燥させることによりトナー粒子を得ることができる。ここで、工程Cにおいて分散安定剤を用いている場合、より十分に洗浄することが好ましい。
上記工程により得られた含水合一粒子は、引き続き乾燥して、粉体とする(工程F)。乾燥は、リボコーン型乾燥機(大河原製作所)、ナウターミキサ(ホソカワミクロン)等の混合真空乾燥機で乾燥される。工程Aにおいて疎水性有機溶剤量を減少させることで、粒子内に内包される疎水性有機溶剤量も減少するため、工程Eにおける乾燥工程で、残存する疎水性有機溶剤の除去も効率的に行うことができる。
トナーの粒度分布については、コールター社製マルチサイザーTM3型(アパーチャーチューブ径:100μm)による測定で、50%体積粒径/50%個数粒径が1.25以下であることが好ましく、1.20以下であることがより好ましい。これは、1.25以下であると良好な画像が得られやすくなるためである。また、GSD(幾何標準偏差)は1.30以下が好ましく、1.25以下がより好ましい。なお、GSDは、コールター社製マルチサイザーTAII型による測定で、(16%体積粒径/84%体積粒径)の平方根により求められる値である。GSDの値が小さいほど粒度分布がシャープになり、良好な画像が得られる。また、このようなシャープな粒度分布を有することで、工程Eにおける含水率が低減できると共に、乾燥効率を改善することができるため、好ましい。
トナーの体積平均粒径として、得られる画像品質などの点から1〜13μmの範囲にあるものが好ましく、3〜10μm程度が現行のマシンとのマッチングが得やすいことなどもあってより好ましい。カラートナーにあっては、体積平均粒径が3〜8μmとなる範囲が好適である。体積平均粒径が小さくなると解像性や階調性が向上するだけでなく、印刷画像を形成するトナー層の厚みが薄くなり、ページあたりのトナー消費量が減少するという効果も発現されるからである。
本発明で使用するポリエステル樹脂は、直鎖型ポリエステル樹脂と架橋型ポリエステル樹脂との混合部であることが好ましく、以下の原料の中から選択される化合物を反応させることによって得られる。
直鎖型ポリエステル樹脂は、2価の多塩基酸類と、2価のアルコールとを反応させることによって製造する。特に、2価の多塩基酸類と2価の脂肪族アルコールとを反応させることによって製造するのが好ましい。また、架橋型ポリエステルは、2価の多塩基酸またはその誘導体と、2価のアルコールと、架橋剤として多価化合物とを反応させることによって製造することが好ましい。特に、2価の多塩基酸またはその誘導体と、2価の脂肪族多価アルコールと、架橋剤として多価エポキシ化合物とを反応させることによって製造することが好ましい。
直鎖型ポリエステル樹脂と架橋型ポリエステル樹脂とを製造する際に使用する酸成分としては、以下の2価の塩基酸類を使用することができる。例えば、2価の塩基酸化合物としては、無水フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、アジピン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、アゼライン酸、セバシン酸などのジカルボン酸またはその誘導体またはそのエステル化合物が挙げられる。
また、2価の脂肪族アルコール成分としては、以下のアルコール類を使用することができる。2価の脂肪族アルコールとしては、例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイドランダム共重合体ジオール、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイドブロック共重合体ジオール、エチレンオキサイド−テトラハイドロフラン共重合体ジオール、ポリカプロカクトンジオールなどのジオールが挙げられる。
直鎖型ポリエステル樹脂と架橋型ポリエステル樹脂とにおいて、脂肪族アルコールを用いることにより、ワックス類との相溶性が良好となり、耐オフセット性が改良され、好ましい。また、ポリエステル主鎖を軟質化することにより低温での定着性が改善される。架橋型ポリエステル樹脂を製造する際には、さらに架橋剤として多価エポキシ化合物を使用する。そのような化合物としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ハイドロキノンジグリシジエーテル、N,N−ジグリシジルアニリン、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、テトラキス1,1,2,2(p−ヒドロキシフェニル)エタンテトラグリシジルエーテル、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ基を有するビニル化合物の重合体、あるいは共重合体、エポキシ化レゾルシノール−アセトン縮合物、部分エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ基を有するビニル化合物の重合体、あるいは共重合体、半乾性もしくは乾性脂肪酸エステルエポキシ化合物などが挙げられる。上記の化合物の中でもビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテルがより好適に用いられる。
具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の例としては大日本インキ化学工業(株)製エピクロン850、エピクロン1050,エピクロン2055、エピクロン3050などが、ビスフェノールF型エポキシ樹脂の例として大日本インキ化学工業(株)製エピクロン830、エピクロン520などが、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂の例として大日本インキ化学(株)製エピクロンN−660,N−665、N−667、N−670,N−673、N−680、N−690、N−695などが、フェノールノボラック型エポキシ樹脂の例としては大日本インキ化学工業(株)製エピクロンN−740,N−770、N−775、N865などが挙げられる。エポキシ基を有するビニル化合物の重合体、あるいは共重合体としてはグリシジル(メタ)アクリレートのホモポリマー、あるいはアクリル共重合体、スチレンとの共重合体が挙げられる。
また、上述したエポキシ化合物は2種以上併用して用いることもでき、更に、樹脂の変性剤として、以下に記載するモノエポキシ化合物を併せて用いることもできる。同時に使用することができるモノエポキシ化合物とは、例えば、フェニルグリシジルエーテル、アルキルフェニルグリシジルエーテル、アルキルグリシジルエステル、アルキルフェノールアルキレンオキサイド付加物のグリシジルエーテル、α−オレフィンオキサイド、モノエポキシ脂肪酸アルキルエステルなどが挙げられる。
これらのモノエポキシ化合物と併用することにより定着性、高温での耐オフセット性が向上する。これらの中でも、特にアルキルグリシジルエステルがより好適に用いられる。具体的な例としてはネオデカン酸グリシジルエステル(カージュラE:シェルジャパン製)が挙げられる。
架橋剤ポリエステル樹脂と直鎖型ポリエステル樹脂とは、上述した原材料成分を用いて、例えば触媒の存在下で脱水縮合反応あるいはエステル交換反応を行うことにより得ることができる。この際の反応温度及び反応時間は、特に制限されるものではないが、通常150〜300℃で2〜24時間である。
上記反応を行う際の触媒としては、例えばテトラブチルチタネート、酸化亜鉛、酸化第一錫、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジラウレート、パラトルエンスルホン酸などを適宜使用することができる。
本発明で使用する架橋型ポリエステル樹脂と直鎖型ポリエステル樹脂との使用比率は、(架橋型ポリエステル樹脂の質量)/(直鎖型ポリエステル樹脂の質量)=5/95〜60/40が好ましく、10/90〜40/60であることがより好ましく、20/80〜40/60であることが特に好ましい。架橋型ポリエステル樹脂の比率が5質量%よりも少ないと、耐ホットオフセット性が低下するので好ましくない。また、合一速度が低下し、ワックスや着色剤などの分散性が低下するので好ましくない。また、60質量%よりも多いと、溶融粘度(T1/2温度)が上昇し、低温定着性が低下するので好ましくない。
架橋型ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、60〜85℃であることが好ましく、60〜75℃であることが特に好ましい。ガラス転移温度(Tg)が55℃より低いと、トナーが保存、運搬、あるいはマシンの現像装置内部で高温下にさらされた場合にブロッキング現象(熱凝集)を生じやすい。また、ガラス転移温度(Tg)が85℃より高いと、低温定着性が低下するため好ましくない。
直鎖型ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、40〜70℃であることが好ましく、50〜65℃であることが特に好ましい。ガラス転移温度(Tg)が40℃より低いと、トナーが保存、運搬、あるいはマシンの現像装置内部で高温下にさらされた場合にブロッキング現象(熱凝集)を生じやすい。また、ガラス転移温度(Tg)が70℃より高いと、低温定着性が低下するため好ましくない。
直鎖型ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、40〜70℃であることが好ましく、50〜65℃であることが特に好ましい。ガラス転移温度(Tg)が40℃より低いと、トナーが保存、運搬、あるいはマシンの現像装置内部で高温下にさらされた場合にブロッキング現象(熱凝集)を生じやすい。また、ガラス転移温度(Tg)が70℃より高いと、低温定着性が低下するため好ましくない。
また、架橋型ポリエステル樹脂の軟化点としては、160℃以上となっていることが好ましく、中でも、160〜220℃であることが好ましい。ここで、架橋型ポリエステル樹脂の軟化点としては、170〜200℃であることがより好ましく、170〜190℃であることが特に好ましい。これは、軟化点が160℃未満の場合は、トナーが凝集現象を生じやすくなるので保存時や印字の際にトラブルになりやすく、220℃を越える場合は、定着性が悪化しやすくなるためである。また、直鎖型ポリエステル樹脂の軟化点としては、90℃以上となっていることが好ましく、中でも、90〜130℃であることが好ましい。ここで、直鎖型ポリエステル樹脂の軟化点としては、90〜120℃であることがより好ましく、90〜110℃であることが特に好ましい。これは、架橋型ポリエステル樹脂と同様に、軟化点が90℃未満の場合は、ガラス転移温度が低下してしまい、トナーが凝集現象を生じやすくなるので保存時や印字の際にトラブルになりやすく、130℃を越える場合には定着性が悪化しやすくなるためである。
また、架橋型ポリエステル樹脂と直鎖型ポリエステル樹脂との混合物の軟化点は、100〜150℃となっていることが好ましい。ここで、混合物の軟化点は、110〜150℃であることがより好ましく、120〜140℃であることが特に好ましい。これは、上述と同様に、軟化点が100℃未満の場合は、トナーが凝集現象を生じやすくなるので保存時や印字の際にトラブルになりやすく、150℃を越える場合には定着性が悪化しやすくなるためである。
ポリエステル樹脂の軟化点は定荷重押出し形細管式レオメータである島津製作所製フローテスタCFT−500を用いて測定されるT1/2温度で定義する。フローテスタでの測定条件は、ピストン断面積1cm2、シリンダ圧力0.98MPa、ダイ長さ1mm、ダイ穴径1mm、測定開始温度50℃、昇温速度6℃/min、試料質量1.5gの条件で行った。
T1/2温度は、図1(a)に示すようにノズル径Dが1.0mmΦでノズル長さ(深さ)Lが1.0mmのノズル1を有するシリンダ2に、トナー3(重量1.5g)を充填し、ノズル1と反対の側から単位面積(cm2)当たり10kgの荷重をかけ、その状態で毎分6℃の昇温速度で加熱したときの、荷重面4のストロークS(荷重面4の沈み値)を測定することによって得られる。すなわち、昇温した温度とストロークSとの関係を図1(b)に示すようにして求め、ノズル1からのトナー3の流出が始まって急激にストロークSが大きくなり、カーブが立ち上がったときの温度をTfbとし、また、ノズル1からのトナー3の流出がほぼ終了してカーブがねたときの温度をTendとする。そして、TfbのときのストロークSfbとTendのときのストロークSendとの中間値となるS1/2のときの温度を、T1/2温度としている。
本発明の製造方法では、離型剤を用いることができる。その場合に離型剤としては、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス、フィーシャートロプシュワックス等の炭化水素系ワックス類、合成エステルワックス類、カルナバワックス、ライスワックス等の天然エステル系ワックス類の群の中から選ばれた離型剤が用いられる。中でも、カルナバワックス、ライスワックス等の天然系エステルワックス、多価アルコールと長鎖モノカルボン酸から得られる合成エステルワックス類が好適に用いられる。合成エステルワックスとしては、例えば、WEP-5(日本油脂社製)が好適に用いられる。離型剤の含有量は、1質量%未満であると離型性が不十分となりやすく、40質量%を越えるとワックスがトナー粒子表面に露出しやすくなり、帯電性や保存安定性が低下しやすくなるため、1〜40質量%の範囲内が好ましい。
本発明の製造方法では、帯電制御剤を用いることができる。正帯電性帯電制御剤としては、特に限定はなく、トナー用として公知慣用のニグロシン染料、第4級アンモニウム化合物、オニウム化合物、トリフェニルメタン系化合物等が使用できる。また、アミノ基、イミノ基、N−ヘテロ環などの塩基性基含有化合物、例えば3級アミノ基含有スチレンアクリル樹脂なども正帯電性帯電制御剤としての効果があり、本発明の正帯電性帯電制御剤として、単独で、あるいは前記正帯電性帯電制御剤と併用して用いることができる。また、用途によっては、これら正帯電性帯電制御剤にアゾ染料金属錯体やサリチル酸誘導体金属錯塩などの負帯電制御剤を少量併用することも可能である。また、負帯電性帯電制御剤としては、トリメチルエタン系染料、サリチル酸の金属錯塩、ベンジル酸の金属錯塩、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、金属錯塩アゾ系染料、アゾクロムコンプレックス等の重金属含有酸性染料、カッリクスアレン型のフエノール系縮合物、環状ポリサッカライド、カルボキシル基および/またはスルホニル基を含有する樹脂、等が挙げられる。
帯電制御剤の含有量は0.01〜10質量%であることが好ましい。特に0.1〜6質量%であることが好ましい。
本発明の製造方法に使用される有機顔料については、特に制限はなく、公知慣用のものが用いられる。本発明のトナーに使用できる青系の着色剤としては、フタロシアニン系のC.I.Pigment Blue 1,2,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,15,16,17:1,27,28,29,56,60,63等が挙げられる。青系の着色剤として、好ましくは、C.I.Pigment Blue 15:3,15,16,60が挙げられ、最も好ましくは、C.I.Pigment Blue 15:3,60が挙げられる。
また、黄色系の着色剤としては、例えば、C.I.Pigment Yellow 1,3,4,5,6,12,13,14,15,16,17,18,24,55,65,73,74,81,83,87,93,94,95,97,98,100,101,104,108,109,110,113,116,117,120,123,128,129,133,138,139,147,151,153,154,155,156,168,169,170,171,172,173,180,185等が挙げられる。好ましくは、C.I.Pigment Yellow 17,74,93,97,110,155,および180が挙げられ、より好ましくはC.I.Pigment Yellow 74,93,97,180が挙げられ、特に、C.I.Pigment Yellow 93,97,180が好ましい。
さらに、赤色系着色剤としては、例えば、C.I.Pigment Red 1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,12,14,15,17,18,22,23,31,37,38,41,42,48:1,48:2,48:3,48:4,49:1,49:2,50:1,52:1,52:2,53:1,54,57:1,58:4,60:1,63:1,63:2,64:1,65,66,67,68,81,83,88,90,90:1,112,114,115,122,123,133,144,146,147,149,150,151,166,168,170,171,172,174,175,176,177,178,179,185,187,188,189,190,193,194,202,208,209,214,216,220,221,224,242,243,243:1,245,246,247等が挙げられる。好ましくは、C.I.Pigment Red 48:1,48:2,48:3,48:4,53:1,57:1,122および209が挙げられ、最も好ましくはC.I.Pigment Red 57:1,122および209が挙げられる。
上記、好ましい顔料として挙げた顔料を本発明の製造方法で使用すると、より球形度が高く、シャープな粒度分布を有するトナーを製造することができる。
これら着色剤の含有量は、トナー全体に対して、1〜20質量%であることが好ましい。中でも2〜15質量%であることが更に好ましく、2〜10質量%であることが特に好ましい。これらの着色剤は1種又は2種以上の組み合わせで使用することができる。
乾燥させたトナー粒子は、そのままでも現像剤として使用可能であるが、トナー用外添剤として公知慣用の無機酸化物微粒子や有機ポリマー微粒子などの外添剤をトナー粒子表面に添加するのが好ましい。疎水性シリカ、酸化チタン等の無機微粒子、あるいは有機微粒子などは、トナー粒子に外添され、静電印刷法による乾式現像剤として用いる場合に、流動性や帯電性等の物理的特性を改良する効果がある。外添剤の種類は、各種シリコーンオイルで処理された疎水性シリカ等が好適に用いられる。例えば、ジメチルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、α―メチルスチレン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッソ変性シリコーンオイル、及びオレフィン変性シリコーンオイル等で処理された疎水性シリカが挙げられる。外添方法は、公知慣用の機種を用いて処理される。
上記のトナー粒子にキャリアを混合することによって、静電荷像現像剤とすることができる。静電荷像現像剤は、本発明の製造方法により製造されたトナーと、磁性キャリア、好ましくは表面に樹脂被覆した磁性キャリアとからなる。
静電荷像現像剤に用いられるキャリアのコア剤(磁性キャリア)は通常の二成分現像方式に用いられる鉄粉、マグネタイト、フェライト等が使用できるが、中でも真比重が低く、高抵抗であり、環境安定性に優れ、球形にし易いため流動性が良好なフェライト、またはマグネタイトが好適に用いられる。コア剤の形状は球形、不定形等、特に差し支えなく使用できる。平均粒径は一般的には10〜200μmであるが、高解像度画像を印刷するためには30〜110μmが好ましい。
また、これらのコア剤を被覆するコーティング樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテルポリビニルケトン、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、スチレン/アクリル共重合体、オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコン樹脂あるいはその変性品、フッ素樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、フェノール樹脂、アミノ樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、アミド樹脂、エポキシ樹脂等が使用できる。
これらの中でも、特にシリコン樹脂、(メタ)アクリル樹脂が帯電安定性、被覆強度等に優れ、より好適に使用し得る。また、トナー粒子とキャリアからなる現像剤の帯電特性は、シリコン等のコート剤のコート量の調整、帯電制御剤の添加、カーボンに代表される導電物質の添加等により調整できる。つまり本発明で用いられる樹脂被覆キャリアは、コア剤としてフェライト、あるいはマグネタイトを用い、シリコン樹脂、(メタ)アクリル樹脂から選ばれる1種以上の樹脂で被覆された樹脂被覆磁性キャリアであり、場合により、コート在中に帯電制御剤、カーボン等を添加して帯電特性を調整することが好ましい。
また、本発明の製造方法により製造されたトナーは、通常の非磁性一成分現像方式の印刷装置、あるいは二成分現像方式の印刷装置、磁性一成分現像方式の印刷装置等に使用できる。また、現像剤担持ロールと層規制部材とを有する非磁性一成分現像装置等を用いて摩擦帯電された粉体トナーを、トナー通過量等を調節する機能の電極を周囲に有するフレキシブルプリント基板上の穴を通して、背面電極上の紙に直接吹き付けて画像を形成する方式の、いわゆるトナージェット方式のプリンター等にも好適に使用できる。本発明の製造方法により製造されたトナーは、潜像保持体上に静電荷像を形成させ、得られた静電荷像を、現像剤担持体上に担持された現像剤を用いて現像し、前記荷像保持体上に形成されたトナー像を紙やフィルム等の転写材上に転写し、該転写材上のトナー像をヒートロールにより熱定着する画像形成方法により印刷を行うことができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、本実施例・比較例では、特に表示がない限り部は質量部、水は脱イオン水の意である。
<架橋型ポリエステル樹脂の合成例(樹脂R1)>
(樹脂R1の合成例)
テレフタル酸 252質量部
イソフタル酸 63質量部
プロピレングリコール 122質量部
ネオペンチルグリコール 21質量部
エチレングリコール 12質量部
テトラブチルチタネート 2.5質量部
エピクロン830 9.4質量部
カージュラE 9.0質量部
(樹脂R1の合成例)
テレフタル酸 252質量部
イソフタル酸 63質量部
プロピレングリコール 122質量部
ネオペンチルグリコール 21質量部
エチレングリコール 12質量部
テトラブチルチタネート 2.5質量部
エピクロン830 9.4質量部
カージュラE 9.0質量部
以上の原料をガラス製2Lの四ッ口フラスコに入れて温度計、撹拌棒及び窒素導入管を取り付け、電熱マントルヒーター中で、常圧窒素気流下にて240℃で10時間反応を行った。その後、順次減圧し、10mmHgで反応を続行した。反応はASTM・E28−517に準じる軟化点により追跡し、該軟化点が160℃に達した時反応を終了した。
得られた重合体は、無色の固体であり、酸化10.5、DSC測定法によるガラス転移温度74℃、フローテスタによる軟化点(T1/2)が180℃であった。
*エピクロン830:大日本インキ化学工業(株)製ビスフェノールF型エポキシ樹脂
エポキシ当量170(g/eq)
*カージュラE:シェルジャパン製アルキルグリシジルエステル
エポキシ当量250(g/eq)
*エピクロン830:大日本インキ化学工業(株)製ビスフェノールF型エポキシ樹脂
エポキシ当量170(g/eq)
*カージュラE:シェルジャパン製アルキルグリシジルエステル
エポキシ当量250(g/eq)
<直鎖型ポリエステル樹脂の合成例(樹脂R2)>
(樹脂R2の合成例)
テレフタル酸 315質量部
ネオペンチルグリコール 21質量部
エチレングリコール 12質量部
プロピレングリコール 122質量部
テトラブチルチタネート 2.5質量部
以上の原料をガラス製2Lの四ッ口フラスコに入れて温度計、撹拌棒及び窒素導入管を取り付け、電熱マントルヒーター中で、常圧窒素気流下にて240℃で12時間反応を行った。その後、順次減圧し、10mmHgで反応を続行した。反応はASTM・E28−517に準じる軟化点により追跡し、該軟化点が100℃に達した時反応を終了した。
(樹脂R2の合成例)
テレフタル酸 315質量部
ネオペンチルグリコール 21質量部
エチレングリコール 12質量部
プロピレングリコール 122質量部
テトラブチルチタネート 2.5質量部
以上の原料をガラス製2Lの四ッ口フラスコに入れて温度計、撹拌棒及び窒素導入管を取り付け、電熱マントルヒーター中で、常圧窒素気流下にて240℃で12時間反応を行った。その後、順次減圧し、10mmHgで反応を続行した。反応はASTM・E28−517に準じる軟化点により追跡し、該軟化点が100℃に達した時反応を終了した。
得られた重合体は、無色の固体であり、酸化11.0、DSC測定法によるガラス転移温度57℃、フローテスタによる軟化点(T1/2)が103℃であった。
(離型剤微分散液の調製例)
カルナバワックス「カルナバワックス 1号」(加藤洋行輸入品)30部とポリエステル樹脂(樹脂R2)70部とメチルエチルケトン(MEK)150部とをデスパーで予備混合した後、スターミルLMZ−10(アシザワファインテック社製)で微細化を行い、固形分含有量40質量%の離型剤分散液(W1)を調整した。
カルナバワックス「カルナバワックス 1号」(加藤洋行輸入品)30部とポリエステル樹脂(樹脂R2)70部とメチルエチルケトン(MEK)150部とをデスパーで予備混合した後、スターミルLMZ−10(アシザワファインテック社製)で微細化を行い、固形分含有量40質量%の離型剤分散液(W1)を調整した。
(着色剤マスターチップの調製例)
シアン顔料Ket−111(大日本インキ化学工業(株)社製)を50質量部とポリエステル樹脂(樹脂R2)を50質量部とを予備混合した後、オープンロール型連続混練機ニーデックス(三井鉱山(株)社製)で混練し、冷却後、粉砕し着色剤マスターチップP1を得た。また、得られた着色剤マスターチップを樹脂R2及びメチルエチルケトンで希釈し、400倍の光学顕微鏡にて着色剤の微分散状態、粗大粒子の有無を観察したところ、粗大粒子がなく、均一に分散していた。
シアン顔料Ket−111(大日本インキ化学工業(株)社製)を50質量部とポリエステル樹脂(樹脂R2)を50質量部とを予備混合した後、オープンロール型連続混練機ニーデックス(三井鉱山(株)社製)で混練し、冷却後、粉砕し着色剤マスターチップP1を得た。また、得られた着色剤マスターチップを樹脂R2及びメチルエチルケトンで希釈し、400倍の光学顕微鏡にて着色剤の微分散状態、粗大粒子の有無を観察したところ、粗大粒子がなく、均一に分散していた。
(ミルベースの調整例)
前記記載の離型剤分散液、着色剤マスターチップ、希釈樹脂(追加樹脂)、メチルエチルケトンをデスパーで混合して、ミルベース(MB1〜2)を作製した。作製したミルベースの配合を表1に示す。
前記記載の離型剤分散液、着色剤マスターチップ、希釈樹脂(追加樹脂)、メチルエチルケトンをデスパーで混合して、ミルベース(MB1〜2)を作製した。作製したミルベースの配合を表1に示す。
(転相乳化の調製例1)
攪拌機としてデスパー翼を有する円筒形の2LセパラブルフラスコにミルベースMB1を461.5部(固形分300部)を仕込み、次いで1規定アンモニア水50部を加えて、T.K.ホモディスパー翼(T.K.ロボミックス:特殊機化工業株式会社)により3600rpmにて十分撹拌した後、温度を23℃に調整した。ついで、撹拌速度を7000rpmに変更して340部の脱イオン水を10g/minで滴下して乳化分散体を作製した。この時の撹拌翼の周速は14.7m/sであった。次いで、アニオン型乳化剤であるSC−F(第一工業製薬(株)社製)の2.2部を水32.5部に希釈して添加した。この時、系内の全溶液中のMEK比率は、27.7質量%であった。また、スラリーを光学顕微鏡にて観察すると、樹脂は溶解しており、顔料と離型剤微粒子が分散している状態が観察された。
攪拌機としてデスパー翼を有する円筒形の2LセパラブルフラスコにミルベースMB1を461.5部(固形分300部)を仕込み、次いで1規定アンモニア水50部を加えて、T.K.ホモディスパー翼(T.K.ロボミックス:特殊機化工業株式会社)により3600rpmにて十分撹拌した後、温度を23℃に調整した。ついで、撹拌速度を7000rpmに変更して340部の脱イオン水を10g/minで滴下して乳化分散体を作製した。この時の撹拌翼の周速は14.7m/sであった。次いで、アニオン型乳化剤であるSC−F(第一工業製薬(株)社製)の2.2部を水32.5部に希釈して添加した。この時、系内の全溶液中のMEK比率は、27.7質量%であった。また、スラリーを光学顕微鏡にて観察すると、樹脂は溶解しており、顔料と離型剤微粒子が分散している状態が観察された。
(転相乳化の調整例2)
攪拌機としてデスパー翼を有する円筒形の2LセパラブルフラスコにミルベースMB1を461.5部(固形分300部)を仕込み、次いで1規定アンモニア水50部を加えて、T.K.ホモディスパー翼(T.K.ロボミックス:特殊機化工業株式会社)により3600rpmにて十分撹拌した後、温度を23℃に調整した。ついで、撹拌速度を7000rpmに変更して328.7部の脱イオン水を10g/minで滴下して乳化分散体を作製した。この時の撹拌翼の周速は14.7m/sであった。次いで、アニオン型乳化剤であるSC−F(第一工業製薬(株)社製)の2.2部を水32.5部に希釈して添加した。この時、系内の全溶液中のMEK比率は、28.2質量%であった。また、スラリーを光学顕微鏡にて観察すると、樹脂は溶解しており、顔料と離型剤微粒子が分散している状態が観察された。
攪拌機としてデスパー翼を有する円筒形の2LセパラブルフラスコにミルベースMB1を461.5部(固形分300部)を仕込み、次いで1規定アンモニア水50部を加えて、T.K.ホモディスパー翼(T.K.ロボミックス:特殊機化工業株式会社)により3600rpmにて十分撹拌した後、温度を23℃に調整した。ついで、撹拌速度を7000rpmに変更して328.7部の脱イオン水を10g/minで滴下して乳化分散体を作製した。この時の撹拌翼の周速は14.7m/sであった。次いで、アニオン型乳化剤であるSC−F(第一工業製薬(株)社製)の2.2部を水32.5部に希釈して添加した。この時、系内の全溶液中のMEK比率は、28.2質量%であった。また、スラリーを光学顕微鏡にて観察すると、樹脂は溶解しており、顔料と離型剤微粒子が分散している状態が観察された。
(転相乳化の調整例3)
攪拌機としてデスパー翼を有する円筒形の2LセパラブルフラスコにミルベースMB1を461.5部(固形分300部)を仕込み、次いで1規定アンモニア水50部を加えて、T.K.ホモディスパー翼(T.K.ロボミックス:特殊機化工業株式会社)により3600rpmにて十分撹拌した後、温度を23℃に調整した。ついで、撹拌速度を7000rpmに変更して303.5部の脱イオン水を10g/minで滴下して乳化分散体を作製した。この時の撹拌翼の周速は14.7m/sであった。次いで、アニオン型乳化剤であるSC−F(第一工業製薬(株)社製)の2.2部を水32.5部に希釈して添加した。この時、系内の全溶液中のMEK比率は、29.5質量%であった。また、スラリーを光学顕微鏡にて観察すると、樹脂は溶解しており、顔料と離型剤微粒子が分散している状態が観察された。
攪拌機としてデスパー翼を有する円筒形の2LセパラブルフラスコにミルベースMB1を461.5部(固形分300部)を仕込み、次いで1規定アンモニア水50部を加えて、T.K.ホモディスパー翼(T.K.ロボミックス:特殊機化工業株式会社)により3600rpmにて十分撹拌した後、温度を23℃に調整した。ついで、撹拌速度を7000rpmに変更して303.5部の脱イオン水を10g/minで滴下して乳化分散体を作製した。この時の撹拌翼の周速は14.7m/sであった。次いで、アニオン型乳化剤であるSC−F(第一工業製薬(株)社製)の2.2部を水32.5部に希釈して添加した。この時、系内の全溶液中のMEK比率は、29.5質量%であった。また、スラリーを光学顕微鏡にて観察すると、樹脂は溶解しており、顔料と離型剤微粒子が分散している状態が観察された。
(転相乳化の調整例4)
攪拌機としてデスパー翼を有する円筒形の2LセパラブルフラスコにミルベースMB1を461.5部(固形分300部)を仕込み、次いで1規定アンモニア水50部を加えて、T.K.ホモディスパー翼(T.K.ロボミックス:特殊機化工業株式会社)により3600rpmにて十分撹拌した後、温度を23℃に調整した。ついで、撹拌速度を7000rpmに変更して285.5部の脱イオン水を10g/minで滴下して乳化分散体を作製した。この時の撹拌翼の周速は14.7m/sであった。次いで、アニオン型乳化剤であるSC−F(第一工業製薬(株)社製)の2.2部を水32.5部に希釈して添加した。この時、系内の全溶液中のMEK比率は、30.5質量%であった。また、スラリーを光学顕微鏡にて観察すると、樹脂は溶解しており、顔料と離型剤微粒子が分散している状態が観察された。
攪拌機としてデスパー翼を有する円筒形の2LセパラブルフラスコにミルベースMB1を461.5部(固形分300部)を仕込み、次いで1規定アンモニア水50部を加えて、T.K.ホモディスパー翼(T.K.ロボミックス:特殊機化工業株式会社)により3600rpmにて十分撹拌した後、温度を23℃に調整した。ついで、撹拌速度を7000rpmに変更して285.5部の脱イオン水を10g/minで滴下して乳化分散体を作製した。この時の撹拌翼の周速は14.7m/sであった。次いで、アニオン型乳化剤であるSC−F(第一工業製薬(株)社製)の2.2部を水32.5部に希釈して添加した。この時、系内の全溶液中のMEK比率は、30.5質量%であった。また、スラリーを光学顕微鏡にて観察すると、樹脂は溶解しており、顔料と離型剤微粒子が分散している状態が観察された。
(転相乳化の調整例5)
攪拌機としてデスパー翼を有する円筒形の2LセパラブルフラスコにミルベースMB1を461.5部(固形分300部)を仕込み、次いで1規定アンモニア水50部を加えて、T.K.ホモディスパー翼(T.K.ロボミックス:特殊機化工業株式会社)により3600rpmにて十分撹拌した後、温度を23℃に調整した。ついで、撹拌速度を7000rpmに変更して268.7部の脱イオン水を10g/minで滴下して乳化分散体を作製した。この時の撹拌翼の周速は14.7m/sであった。次いで、アニオン型乳化剤であるSC−F(第一工業製薬(株)社製)の2.2部を水32.5部に希釈して添加した。この時、系内の全溶液中のMEK比率は、31.5質量%であった。また、スラリーを光学顕微鏡にて観察すると、樹脂は溶解しており、顔料と離型剤微粒子が分散している状態が観察された。
攪拌機としてデスパー翼を有する円筒形の2LセパラブルフラスコにミルベースMB1を461.5部(固形分300部)を仕込み、次いで1規定アンモニア水50部を加えて、T.K.ホモディスパー翼(T.K.ロボミックス:特殊機化工業株式会社)により3600rpmにて十分撹拌した後、温度を23℃に調整した。ついで、撹拌速度を7000rpmに変更して268.7部の脱イオン水を10g/minで滴下して乳化分散体を作製した。この時の撹拌翼の周速は14.7m/sであった。次いで、アニオン型乳化剤であるSC−F(第一工業製薬(株)社製)の2.2部を水32.5部に希釈して添加した。この時、系内の全溶液中のMEK比率は、31.5質量%であった。また、スラリーを光学顕微鏡にて観察すると、樹脂は溶解しており、顔料と離型剤微粒子が分散している状態が観察された。
(転相乳化の調整例6)
攪拌機としてデスパー翼を有する円筒形の2LセパラブルフラスコにミルベースMB1を461.5部(固形分300部)を仕込み、次いで1規定アンモニア水50部を加えて、T.K.ホモディスパー翼(T.K.ロボミックス:特殊機化工業株式会社)により3600rpmにて十分撹拌した後、温度を23℃に調整した。ついで、撹拌速度を7000rpmに変更して365.4部の脱イオン水を10g/minで滴下して乳化分散体を作製した。この時の撹拌翼の周速は14.7m/sであった。次いで、アニオン型乳化剤であるSC−F(第一工業製薬(株)社製)の2.2部を水32.5部に希釈して添加した。この時、系内の全溶液中のMEK比率は、26.5質量%であった。また、スラリーを光学顕微鏡にて観察すると、樹脂は溶解しており、顔料と離型剤微粒子が分散している状態が観察された。
攪拌機としてデスパー翼を有する円筒形の2LセパラブルフラスコにミルベースMB1を461.5部(固形分300部)を仕込み、次いで1規定アンモニア水50部を加えて、T.K.ホモディスパー翼(T.K.ロボミックス:特殊機化工業株式会社)により3600rpmにて十分撹拌した後、温度を23℃に調整した。ついで、撹拌速度を7000rpmに変更して365.4部の脱イオン水を10g/minで滴下して乳化分散体を作製した。この時の撹拌翼の周速は14.7m/sであった。次いで、アニオン型乳化剤であるSC−F(第一工業製薬(株)社製)の2.2部を水32.5部に希釈して添加した。この時、系内の全溶液中のMEK比率は、26.5質量%であった。また、スラリーを光学顕微鏡にて観察すると、樹脂は溶解しており、顔料と離型剤微粒子が分散している状態が観察された。
(転相乳化の調整例7)
攪拌機としてデスパー翼を有する円筒形の2LセパラブルフラスコにミルベースMB2を500部(固形分300部)と、MEK45.5部を仕込み、固形分含有量を55%に調整した。次いで1規定アンモニア水41.7部を加えて、T.K.ホモディスパー翼(T.K.ロボミックス:特殊機化工業株式会社)により3600rpmにて十分撹拌した後、脱イオン水133部を加え、さらに撹拌を行い、温度を23℃に調整した。ついで、撹拌速度を7000rpmに変更して133部の脱イオン水を10g/minで滴下して乳化分散体を作製した。この時の撹拌翼の周速は14.7m/sであった。次いで、アニオン型乳化剤であるSC−F(第一工業製薬(株)社製)の2.2部を水32.5部に希釈して添加した。この時、系内の全溶液中のMEK比率は、28.2質量%であった。また、スラリーを光学顕微鏡にて観察すると、樹脂は溶解しており、顔料と離型剤微粒子が分散している状態が観察された。
攪拌機としてデスパー翼を有する円筒形の2LセパラブルフラスコにミルベースMB2を500部(固形分300部)と、MEK45.5部を仕込み、固形分含有量を55%に調整した。次いで1規定アンモニア水41.7部を加えて、T.K.ホモディスパー翼(T.K.ロボミックス:特殊機化工業株式会社)により3600rpmにて十分撹拌した後、脱イオン水133部を加え、さらに撹拌を行い、温度を23℃に調整した。ついで、撹拌速度を7000rpmに変更して133部の脱イオン水を10g/minで滴下して乳化分散体を作製した。この時の撹拌翼の周速は14.7m/sであった。次いで、アニオン型乳化剤であるSC−F(第一工業製薬(株)社製)の2.2部を水32.5部に希釈して添加した。この時、系内の全溶液中のMEK比率は、28.2質量%であった。また、スラリーを光学顕微鏡にて観察すると、樹脂は溶解しており、顔料と離型剤微粒子が分散している状態が観察された。
(実施例1)
転相乳化調整例1に次いで、撹拌翼をマックスブレンド翼に変更して、温度を25℃に、また回転数を400rpmに調整し、3.5%の硫酸アンモニウム水溶液(一段目の電解質)120部を、10g/minで滴下し、その後、回転数を158rpmに調整し、粒径が4μmになるまで撹拌を継続した。引き続き、回転数を400rpmに調整し、硫酸アンモニウムの濃度を4.5%に変更した硫酸アンモニウム水溶液(二段目の電解質)を10g/minで50部滴下し、その後、撹拌回転数を158rpmに変更し粒径が7.8μmに成長した段階で希釈水を添加して合一操作を終了した。この時の撹拌翼の周速は0.34m/sであった。また、電解質の固形分に対する添加量は2.2%であった。その後、減圧下、真空度が4kPaとなるまでMEKを留去した。脱溶剤後のスラリーは、固液分離と洗浄を繰り返した後、着色樹脂粒子のウエットケーキを得た。さらに、ナウタミキサ(ホソカワミクロン(株)社製)にて乾燥しトナー母粒子を得た。このトナー母粒子の体積平均粒径(d50)は、7.0μm、体積平均粒径/個数平均粒径=1.11、平均円形度は、0.970であった。このトナー母粒子に疎水性シリカH20TM(クラリアントジャパン(株)製)1.5部およびフッ素シラン処理した酸化チタン(基材MT−150A:テイカ(株)製)0.5部を添加処理してトナーとした。
転相乳化調整例1に次いで、撹拌翼をマックスブレンド翼に変更して、温度を25℃に、また回転数を400rpmに調整し、3.5%の硫酸アンモニウム水溶液(一段目の電解質)120部を、10g/minで滴下し、その後、回転数を158rpmに調整し、粒径が4μmになるまで撹拌を継続した。引き続き、回転数を400rpmに調整し、硫酸アンモニウムの濃度を4.5%に変更した硫酸アンモニウム水溶液(二段目の電解質)を10g/minで50部滴下し、その後、撹拌回転数を158rpmに変更し粒径が7.8μmに成長した段階で希釈水を添加して合一操作を終了した。この時の撹拌翼の周速は0.34m/sであった。また、電解質の固形分に対する添加量は2.2%であった。その後、減圧下、真空度が4kPaとなるまでMEKを留去した。脱溶剤後のスラリーは、固液分離と洗浄を繰り返した後、着色樹脂粒子のウエットケーキを得た。さらに、ナウタミキサ(ホソカワミクロン(株)社製)にて乾燥しトナー母粒子を得た。このトナー母粒子の体積平均粒径(d50)は、7.0μm、体積平均粒径/個数平均粒径=1.11、平均円形度は、0.970であった。このトナー母粒子に疎水性シリカH20TM(クラリアントジャパン(株)製)1.5部およびフッ素シラン処理した酸化チタン(基材MT−150A:テイカ(株)製)0.5部を添加処理してトナーとした。
(実施例2)
転相乳化例2に次いで、実施例1同様に合一操作を行いトナー母粒子を得た。このトナー母粒子の体積平均粒径(d50)は、7.0μm、体積平均粒径/個数平均粒径=1.11、平均円形度は、0.972であった。このトナー母粒子に疎水性シリカH20TM(クラリアントジャパン(株)製)1.5部およびフッ素シラン処理した酸化チタン(基材MT−150A:テイカ(株)製)0.5部を添加処理してトナーとした。
転相乳化例2に次いで、実施例1同様に合一操作を行いトナー母粒子を得た。このトナー母粒子の体積平均粒径(d50)は、7.0μm、体積平均粒径/個数平均粒径=1.11、平均円形度は、0.972であった。このトナー母粒子に疎水性シリカH20TM(クラリアントジャパン(株)製)1.5部およびフッ素シラン処理した酸化チタン(基材MT−150A:テイカ(株)製)0.5部を添加処理してトナーとした。
(実施例3)
転相乳化例3に次いで、実施例1同様に合一操作を行いトナー母粒子を得た。このトナー母粒子の体積平均粒径(d50)は、7.2μm、体積平均粒径/個数平均粒径=1.11、平均円形度は、0.971であった。このトナー母粒子に疎水性シリカH20TM(クラリアントジャパン(株)製)1.5部およびフッ素シラン処理した酸化チタン(基材MT−150A:テイカ(株)製)0.5部を添加処理してトナーとした。
転相乳化例3に次いで、実施例1同様に合一操作を行いトナー母粒子を得た。このトナー母粒子の体積平均粒径(d50)は、7.2μm、体積平均粒径/個数平均粒径=1.11、平均円形度は、0.971であった。このトナー母粒子に疎水性シリカH20TM(クラリアントジャパン(株)製)1.5部およびフッ素シラン処理した酸化チタン(基材MT−150A:テイカ(株)製)0.5部を添加処理してトナーとした。
(実施例4)
転相乳化例4に次いで、実施例1同様に合一操作を行いトナー母粒子を得た。このトナー母粒子の体積平均粒径(d50)は、7.0μm、体積平均粒径/個数平均粒径=1.12、平均円形度は、0.973であった。このトナー母粒子に疎水性シリカH20TM(クラリアントジャパン(株)製)1.5部およびフッ素シラン処理した酸化チタン(基材MT−150A:テイカ(株)製)0.5部を添加処理してトナーとした。
転相乳化例4に次いで、実施例1同様に合一操作を行いトナー母粒子を得た。このトナー母粒子の体積平均粒径(d50)は、7.0μm、体積平均粒径/個数平均粒径=1.12、平均円形度は、0.973であった。このトナー母粒子に疎水性シリカH20TM(クラリアントジャパン(株)製)1.5部およびフッ素シラン処理した酸化チタン(基材MT−150A:テイカ(株)製)0.5部を添加処理してトナーとした。
(比較例1)
転相乳化例5に次いで、実施例1同様に合一操作を行いトナー母粒子を得た。このトナー母粒子の体積平均粒径(d50)は、7.3μm、体積平均粒径/個数平均粒径=1.15、平均円形度は、0.974であった。このトナー母粒子に疎水性シリカH20TM(クラリアントジャパン(株)製)1.5部およびフッ素シラン処理した酸化チタン(基材MT−150A:テイカ(株)製)0.5部を添加処理してトナーとした。
転相乳化例5に次いで、実施例1同様に合一操作を行いトナー母粒子を得た。このトナー母粒子の体積平均粒径(d50)は、7.3μm、体積平均粒径/個数平均粒径=1.15、平均円形度は、0.974であった。このトナー母粒子に疎水性シリカH20TM(クラリアントジャパン(株)製)1.5部およびフッ素シラン処理した酸化チタン(基材MT−150A:テイカ(株)製)0.5部を添加処理してトナーとした。
(比較例2)
転相乳化例6に次いで、実施例1同様に合一操作を行いトナー母粒子を得た。このトナー母粒子の体積平均粒径(d50)は、7.1μm、体積平均粒径/個数平均粒径=1.11、平均円形度は、0.970であった。このトナー母粒子に疎水性シリカH20TM(クラリアントジャパン(株)製)1.5部およびフッ素シラン処理した酸化チタン(基材MT−150A:テイカ(株)製)0.5部を添加処理してトナーとした。
転相乳化例6に次いで、実施例1同様に合一操作を行いトナー母粒子を得た。このトナー母粒子の体積平均粒径(d50)は、7.1μm、体積平均粒径/個数平均粒径=1.11、平均円形度は、0.970であった。このトナー母粒子に疎水性シリカH20TM(クラリアントジャパン(株)製)1.5部およびフッ素シラン処理した酸化チタン(基材MT−150A:テイカ(株)製)0.5部を添加処理してトナーとした。
(比較例3)
転相乳化例7に次いで、実施例1同様に合一操作を行いトナー母粒子を得た。このトナー母粒子の体積平均粒径(d50)は、7.1μm、体積平均粒径/個数平均粒径=1.11、平均円形度は、0.970であった。このトナー母粒子に疎水性シリカH20TM(クラリアントジャパン(株)製)1.5部およびフッ素シラン処理した酸化チタン(基材MT−150A:テイカ(株)製)0.5部を添加処理してトナーとした。
転相乳化例7に次いで、実施例1同様に合一操作を行いトナー母粒子を得た。このトナー母粒子の体積平均粒径(d50)は、7.1μm、体積平均粒径/個数平均粒径=1.11、平均円形度は、0.970であった。このトナー母粒子に疎水性シリカH20TM(クラリアントジャパン(株)製)1.5部およびフッ素シラン処理した酸化チタン(基材MT−150A:テイカ(株)製)0.5部を添加処理してトナーとした。
(評価方法)
1)粗大粒子の測定
実施例、比較例で得られたトナーの粒度分布を測定し、体積粒径の16μm以上の頻度が0.5%以下の場合は○判定とし、0.5%以上の場合は×判定とした。トナー粒度分布については、コールター社製マルチサイザーTM3型(アパーチャーチューブ径:100μm)により測定を行った。
1)粗大粒子の測定
実施例、比較例で得られたトナーの粒度分布を測定し、体積粒径の16μm以上の頻度が0.5%以下の場合は○判定とし、0.5%以上の場合は×判定とした。トナー粒度分布については、コールター社製マルチサイザーTM3型(アパーチャーチューブ径:100μm)により測定を行った。
2)トナー強度代用評価試験
トナーの強度を評価する手段として、50mlポリビンに、直径1.25mmのジルコニアビーズ74.5部と実施例、比較例で得られたトナーを0.5部投入し、ボールミル撹拌機(回転数:157rpm)で撹拌した。撹拌時間0分、10分、30分、60分毎にトナーの破砕状態を確認するため、FPIA−1000にてトナー粒度分布を測定し、3.0μm以下の微粒子の頻度を比較した。この時の微粒子頻度が少ないとトナー強度があり、微粒子頻度が多いとトナー強度がないと判断した。また、微粒子頻度とトナーの破砕状態を光学顕微鏡にて観察したところ、微粒子頻度とトナーの破砕状態に相関があることが確認できた。
トナーの強度を評価する手段として、50mlポリビンに、直径1.25mmのジルコニアビーズ74.5部と実施例、比較例で得られたトナーを0.5部投入し、ボールミル撹拌機(回転数:157rpm)で撹拌した。撹拌時間0分、10分、30分、60分毎にトナーの破砕状態を確認するため、FPIA−1000にてトナー粒度分布を測定し、3.0μm以下の微粒子の頻度を比較した。この時の微粒子頻度が少ないとトナー強度があり、微粒子頻度が多いとトナー強度がないと判断した。また、微粒子頻度とトナーの破砕状態を光学顕微鏡にて観察したところ、微粒子頻度とトナーの破砕状態に相関があることが確認できた。
3)現像耐久性評価:
(2成分系現像剤使用複写機での耐久試験)
シリコンコートフェライトキャリア(パウダーテック社製)と実施例、比較例、参考例で得られたトナーの比率を97/3とした現像剤を調製し、複写機イマジオMF530((株)リコー社製)にて印字試験を行った。この時、印字画像にカブリ・スジ等の欠陥がない場合を○と判定とし、欠陥があった場合を×と判定し、○×判定の中間的な判定の場合を△判定とした。
(2成分系現像剤使用複写機での耐久試験)
シリコンコートフェライトキャリア(パウダーテック社製)と実施例、比較例、参考例で得られたトナーの比率を97/3とした現像剤を調製し、複写機イマジオMF530((株)リコー社製)にて印字試験を行った。この時、印字画像にカブリ・スジ等の欠陥がない場合を○と判定とし、欠陥があった場合を×と判定し、○×判定の中間的な判定の場合を△判定とした。
(非磁性1成分現像プリンターでの加速耐久性試験)
非磁性1成分現像耐久性については、現像スリーブがシリコン樹脂被覆ロールで、層厚規制部材がステンレス製ブレードである、市販プリンターMulti Writer2000X(日本電気(株)製)のカートリッジに、各実施例および比較例で得られたトナーを充填し、5時間の連続空転試験を行い現像スリーブ上のトナー層が均一であり、スジ・漏れ等の欠陥の発生がない状態を○と判定し、不均一部分が発生した場合を×判定とし、○×判定の中間的な判定の場合を△判定とした。
非磁性1成分現像耐久性については、現像スリーブがシリコン樹脂被覆ロールで、層厚規制部材がステンレス製ブレードである、市販プリンターMulti Writer2000X(日本電気(株)製)のカートリッジに、各実施例および比較例で得られたトナーを充填し、5時間の連続空転試験を行い現像スリーブ上のトナー層が均一であり、スジ・漏れ等の欠陥の発生がない状態を○と判定し、不均一部分が発生した場合を×判定とし、○×判定の中間的な判定の場合を△判定とした。
実施例2,3,4は、粗大粒子の発生もなく、2成分系現像剤を用いた複写機、非磁性1成分現像剤を用いたプリンターにおいても不具合の発生がなく良好な結果が得られた。さらに、ジルコニアビーズとの撹拌混合においても、60分撹拌時の微粉頻度が10%以下となっており、トナー粒子が破砕されにくくなっている。この微粒子頻度は、合一工程開始前における系内のMEK比率に依存しており、MEK比率が多くなると微粒子発生(トナー粒子の破砕)が少なくなっている。実施例1は、合一工程開始前の系内のMEK比率が少なく、微粒子頻度が多くなっており、複写機での耐久性では、○であるが、プリンターでの耐久性が△となっている。更にMEK比率を下げた比較例2では、複写機、プリンター共に耐久性が×判定であり、微粒子頻度も多くなっている。また、MEK比率を上げた比較例1では、微粒子頻度は、非常に少なくなり、トナー粒子が更に破砕され難くなっていることが分かるが、MEK比率を上げた影響で、粗大粒子が発生し非磁性1成分プリンターでの耐久性が×判定となった。ミルベースの固形分含有率が60%で処理した比較例3は、MEK比率としては実施例2と同一であるが、微粒子頻度、現像耐久性の面から劣っている。このように、合一工程開始前における系内のMEK比率が少ないとトナー粒子の強度が弱く、現像耐久性がない。また、MEK比率が多いとトナー粒子の強度は強いが、粗大粒子発生による現像耐久性への悪影響がある。このように、合一工程開始前のMEK比率を最適な範囲にすることが必要である。
1 ノズル
2 シリンダ
3 トナー
4 荷重面
D ノズル径
L ノズル長さ(深さ)
S ストローク
2 シリンダ
3 トナー
4 荷重面
D ノズル径
L ノズル長さ(深さ)
S ストローク
Claims (4)
- カルボキシル基を有するポリエステル樹脂と着色剤とを、疎水性有機溶剤中に溶解あるいは分散させて、固形分含有量が60〜65質量%の着色樹脂溶液を製造する工程A、
次いで、塩基性化合物の存在下で該着色樹脂溶液と水性媒体とを混合することにより、該水性媒体中に該着色樹脂溶液が乳化又は懸濁した乳化懸濁液を製造する工程B、
該乳化縣濁液中に、分散安定剤の存在下、及び固形分含有量が27.0〜31.0質量%の条件下で電解質を添加することで該着色樹脂溶液の微粒子を形成し、更に該微粒子を合一させることにより合一粒子を製造する工程C、
該疎水性有機溶剤を除去する工程D、
該合一粒子を該水性媒体中から分離し、洗浄する工程E、
次いで該合一粒子を乾燥する工程F
を行うことを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。 - 前記塩基性化合物の使用量が、前記ポリエステル樹脂中のカルボキシル基の全量に対して1〜3当量である請求項1記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- カルボキシル基を有するポリエステル樹脂と着色剤とを、疎水性有機溶剤中に溶解あるいは分散させて、固形分含有量が60〜65質量%の着色樹脂溶液を製造する工程A、
次いで、塩基性化合物の存在下で該着色樹脂溶液と水性媒体とを混合することにより、該水性媒体中に該着色樹脂溶液が乳化又は懸濁した乳化懸濁液を製造する工程B、
該乳化縣濁液中に、分散安定剤の存在下、及び固形分含有量が27.0〜31.0質量%の条件下で電解質を添加することで該着色樹脂溶液の微粒子を形成し、更に該微粒子を合一させることにより合一粒子を製造する工程C、
該疎水性有機溶剤を除去する工程D、
該合一粒子を該水性媒体中から分離し、洗浄する工程E、
次いで該合一粒子を乾燥する工程F
を行うことにより製造されるトナーであることを特徴とする静電荷像現像用トナー。 - 前記塩基性化合物の使用量が、前記ポリエステル樹脂中のカルボキシル基の全量に対して1〜3当量である請求項3記載の静電荷像現像用トナー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005308396A JP2007114665A (ja) | 2005-10-24 | 2005-10-24 | 静電荷像現像用トナーの製造方法 |
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005308396A Pending JP2007114665A (ja) | 2005-10-24 | 2005-10-24 | 静電荷像現像用トナーの製造方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7960086B2 (en) | 2007-11-15 | 2011-06-14 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Developing agent and method for manufacturing the same |
JP2011227161A (ja) * | 2010-04-16 | 2011-11-10 | Sanyo Chem Ind Ltd | トナーバインダーおよびトナー組成物 |
-
2005
- 2005-10-24 JP JP2005308396A patent/JP2007114665A/ja active Pending
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