JP4415833B2 - 静電荷像現像用カラートナーの製造方法 - Google Patents
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Description
ところが、上述した特許文献1及び特許文献2において提案されたトナーの製造方法では、着色剤と結着樹脂の一部とを湿式によるメディア分散により微分散した後、希釈樹脂、有機溶剤、その他の添加剤を混合し有機層を調整して水性溶媒中に粒子を形成させているが、着色剤の種類あるいは添加量により粒度分布が劣化してしまうという問題を有している。湿式によるメディア分散では、着色剤の微細化に関してはメディアによる着色剤が破砕されるため、例えば小粒径のメディアを使用することにより達成できるが、細かく破砕された着色剤は樹脂のぬれ性(樹脂の吸着量)が不足するため、凝集性が高く、水性媒体へ移行する際に凝集を生じやすく、粒子内の分散性あるいは水性媒体中での粒子形成性に悪影響を及ぼすと考えられている。
また、従来の着色剤分散に用いられる混練機として二本ロールや三本ロールを用いた混練方法があるが、これらの混練機は回分操作であり、種々の混練条件、すなわち混練温度やロール回転数、クリアランス、回転比、パス回数などの条件を微妙に変化させると共に、必要に応じて溶剤を使用することで混練物の粘度を調整する必要があり、作業員がつききりで制御する必要がある。すなわち、混練物中の着色剤の分散状態を均一に制御するためには非常に熟練を要する製造技術が要求され、生産性や品質面、さらには安全性の面においても好適な製造方法といえない。
本発明による静電荷像現像用カラートナーの製造方法は、以下の第1工程及び第二工程を備えている。
第一工程:原材料としてカルボキシル基を有するポリエステル樹脂を主成分とする結着樹脂と、着色剤を含む混合物とを、有機溶剤中に溶解または分散させて着色剤含有樹脂液を製造する。
第二工程:この着色剤含有樹脂液を、塩基性化合物の存在下で水と混合させることにより、着色剤含有微粒子(A)の懸濁液を製造する。なお、着色剤含有微粒子(A)は、
(1)着色剤とポリエステル樹脂が溶解または分散した有機溶剤の微粒子、
(2)着色剤の微粒子に水性媒体中に溶解したポリエステル樹脂が付着した状態の乳化型の微粒子、
または、
(3)着色剤の微粒子に有機溶剤により膨潤したポリエステル樹脂のミクロエマルジョンが付着した乳化型の微粒子
の形態のいずれかの微粒子、またはそれらの形態の混合微粒子であっても良い。
後記の合一法によりトナーを製造する場合は、上記(2)または(3)の状態である着色剤含有微粒子(A)の懸濁液を製造することが好ましい。
まず、ポリエステル樹脂と着色剤と必要に応じて添加された離型剤などを含む混練物を、図1に示すオープンロール型連続混練機1を用いて、使用する樹脂の軟化点以上かつ熱分解温度以下の温度に加熱して混練する。
ここで、オープンロール型連続混練機1は、円筒形状を有する一対のロール状回転軸であるフロントロール11及びリアロール12と、フロント及びリアロール11、12の一端に設けられて原料を供給する原料供給部13と、フロント及びリアロール11、12の他端に設けられて溶融分散混練物を排出する混練物排出部14とを備えている。
また、フロント及びリアロール11、12の内部は中空状となっており、この中空部に温水や蒸気などの熱媒体や、冷却水などの冷媒を供給することによってフロント及びリアロール11、12の表面温度を適宜に制御することができるように構成されている。なお、フロント及びリアロール11、12の内部に形成されている中空部は、フロント及びリアロール11、12それぞれのほぼ中央に設けられた図示しない仕切りによって、この仕切りを境界として原料供給部13側の一端側と混練物排出部14側の他端側とで異なる熱媒体または冷媒を供給することができるように構成されている。
そして、本発明において、フロントロール11の回転数は、リアロール12の回転数よりも多くなるように制御されており、また、フロントロール11の表面温度は、原料供給部13側の一端の温度で例えば110℃となっており、他端に向かうにしたがって漸次低下して混練物排出部14側の他端で例えば88℃となるように調整されている。これは、供給された原料が圧縮及び剪断されて発熱することによる粘度低下を抑制して効率的な圧縮及び剪断が行われるようにするためである。また、このようにすることで、供給された原料をフロントロール11に付着させた状態で混練物排出部14側の他端に移送することができる。
また、混練物排出部14は、フロントロール11に付着している溶融分散混練物を回収するペレタライザを備えており、フロントロール11に押しつけることによって混練チップを形成する。
なお、オープンロール型連続混練機1を用いて溶融分散混練物を製造する場合、トナーを製造するための結着樹脂の一部を用いて、製造後のトナー中に含有する着色剤の含有比率より高い濃度で溶融分散混練物を製造し、その後、着色剤を含有しない樹脂と該溶融分散混練物を混合してトナーを製造する、いわゆるマスターバッチ方式の製造方法を用いることが好ましい。さらに、結着樹脂として、架橋型ポリエステル樹脂と直鎖型ポリエステル樹脂を併用する場合においては、直鎖型ポリエステル樹脂の少なくとも一部に、製造後のトナー中に含有される着色剤の含有比率よりも高い含有比率で、着色剤をあらかじめ溶融混練分散処理することが好ましい。架橋型樹脂をマスターバッチ用の樹脂として用いると、オープンロール型連続混練機1において着色剤と混練する際に、架橋部分の切断などにより分子量の低下が起こり、目的とする熱特性が得られにくくなる。直鎖型樹脂をマスターバッチ用の樹脂として用いた場合には、そのようなことが起こりにくく、好ましい。
これは、ポリエステル樹脂の酸価が1未満であると、ポリエステル樹脂と有機溶剤とが水と均一に溶解もしくは混合した水溶液の製造、またはポリエステル樹脂と有機溶剤との微粒子が水中に懸濁した懸濁液の製造がスムーズに行われず、粗大粒子が発生するので好ましくない。
一方、ポリエステル樹脂の酸価が30より大きいと、各種環境下における帯電量が安定しないため好ましくない。酸価が1〜30KOHmg/gであるポリエステル樹脂は、カルボキシル基が塩基性化合物により中和されることによりアニオン型となる。その結果、樹脂の親水性が増加し、分散安定剤や界面活性剤を使用しなくとも安定に分散または溶解することができる。
架橋型ポリエステルは、2価の多塩基酸またはその誘導体と、2価の脂肪族多価アルコールと、架橋剤として多価化合物とを反応させることによって製造することが好ましい。特に、2価の多塩基酸またはその誘導体と、2価の脂肪族多価アルコールと、架橋剤として多価エポキシ化合物とを反応させることによって製造することが好ましい。
また、直鎖型ポリエステル樹脂は、2価の多塩基酸類と、2価のアルコールとを反応させることによって製造する。特に、2価の多塩基酸類と、2価の脂肪族アルコールとを反応させることによって製造することが好ましい。
架橋型のポリエステル樹脂を製造する際には、さらに架橋剤として多価エポキシ化合物を使用する。そのような化合物としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ハイドロキノンジグリシジルエーテル、N,N−ジグリシジルアニリン、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、テトラキス1,1,2,2(p−ヒドロキシフェニル)エタンテトラグリシジルエーテル、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ基を有するビニル化合物の重合体、あるいは共重合体、エポキシ化レゾルシノール−アセトン縮合物、部分エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ基を有するビニル化合物の重合体、あるいは共重合体、半乾性もしくは乾性脂肪酸エステルエポキシ化合物などが挙げられる。上記の化合物の中でもビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテルがより好適に用いられる。
直鎖型ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、50〜70℃であることが好ましく、55〜65℃であることが特に好ましい。ガラス転移温度(Tg)が50℃より低いと、トナーが保存、運搬、あるいはマシンの現像装置内部で高温下に晒された場合にブロッキング現象(熱凝集)を生じやすい。また、ガラス転移温度(Tg)が70℃より高いと、低温定着性が低下するため好ましくない。
また、直鎖型ポリエステル樹脂の軟化点としては、90℃以上となっていることが好ましく、中でも、90℃〜130℃であることが好ましい。ここで、直鎖型ポリエステル樹脂の軟化点としては、90℃〜120℃であることがより好ましく、95℃〜110℃であることが特に好ましい。これは、架橋型ポリエステル樹脂と同様に、軟化点が90℃未満の場合は、ガラス転移温度が低下してしまい、トナーが凝集現象を生じやすくなるので保存時や印字の際にトラブルになりやすく、130℃を越える場合には定着性が悪化しやすくなるためである。
(樹脂合成例1)
テレフタル酸 252質量部
イソフタル酸 63質量部
プロピレングリコール 122質量部
ネオペンチルグリコール 21質量部
エチレングリコール 12質量部
テトラブチルチタネート 2.5質量部
エピクロン830 9.4質量部
カージュラE 9.0質量部
以上の原料をガラス製2Lの四ツ口フラスコに入れ温度計、攪拌棒及び窒素導入管を取り付け、電熱マントルヒーター中で、常圧窒素気流下にて240℃で10時間反応を行った。その後、順次減圧し、10mmHgで反応を続行した。反応はASTM・E28−517に準じる軟化点により追跡し、軟化点が160℃に達した時に反応を終了した。
(樹脂合成例2)
テレフタル酸 189質量部
イソフタル酸 126質量部
ネオペンチルグリコール 104質量部
エチレングリコール 62質量部
テトラブチルチタネート 2.5質量部
カルナバワックス「カルナバワックス1号」(加藤洋行輸入品)50部と直鎖型ポリエステル樹脂(樹脂合成例2)50部とメチルエチルケトン150部とをデスパーで予備混合した後、スターミルLMZ−10(アシザワファインテック社製)で微細化を行い、固形分含有量40質量%の離型剤微分散液W―1を調製した。
着色顔料と直鎖型ポリエステル樹脂(樹脂合成例2)とを有機溶剤(メチルエチルケトン)中に添加し、デスパにてプレ分散を行った後、スターミルLMZ−10(アシザワファインテック社製)で湿式分散を行い、各着色剤のマスター溶液M−1/M−2/M−3を調製した。ここで、各着色剤マスター溶液の配合、分散条件、最終的に得られたマスター溶液の固形含有量を、表2に示す。
また、得られたマスター溶液を合成例2の樹脂及びメチルエチルケトンで希釈し、400倍の光学顕微鏡で着色剤の微分散状態、粗大粒子の有無の観察結果を、同様に表2に示す。なお、表2において、○は粗大粒子がなく、均一に微分散しているもの、△は1〜3μmの粗大粒子が若干残存しているもの、×は5μm以上の粗大粒子が多数残存しているものを示している。
顔料2000部、直鎖型ポリエステル樹脂(樹脂合成例2)3000部をST/A0羽根をセットした20Lヘンシェルミキサ(三井鉱山製)へ投入し、1700rpmで2分間撹拌し混練機投入原料を得た。
次に、表3に示す条件でPCM−30((株)池貝製)にて混練を行い、マスターチップP−1/P−2/P−3を得た。
顔料2000部、直鎖型ポリエステル樹脂(樹脂合成例2)3000部及び所定量の水をST/A0羽根をセットした20Lヘンシェルミキサ(三井鉱山製)へ投入し、698rpmで2分間撹拌し混練機投入原料を得た。
次に、表5に示す条件でオープンロール型連続混練機1にて混練を行い、マスターチップK−1/K−2/K−3を得た。なお、表5において、混練ゾーン温度設定とは、上段がリアロール12の中空部に流通する水、下段がフロントロール11の中空部に流通する水の温度(実測値)を示しており、矢印は水の流通方向を示している。また、混練ゾーン温度設定の欄において、左側が原料供給部13側、右側が混練物排出部14側となっている。つまり、リアロール12の中空部の水は、原料供給部13側から混練物排出部14側に向かって流通している。
シアン:大日本インキ化学工業社製シアン顔料「Ket−111」(Pigment Blue 15:3)
イエロー:チバスペシャリティケミカルズ社製イエロー顔料「Cromophtal Yellow 3G」(Pigment Yellow 93)
マゼンタ:クラリアントジャパン社製マゼンタ顔料「Permanent Rubin F6B」(Pigment Red 184)
上述した離型剤分散液、着色剤マスター溶液、あるいは着色剤マスターチップ、希釈樹脂(追加樹脂)、メチルエチルケトンを、固形分含有量が55%、温度条件が30〜40℃の範囲でデスパの3600rpmにより3時間の間混合し、溶解、分散を行った。得られた混合物は、固形分含有量を55%に再調整してミルベースとした。ここで、作製したミルベースの配合を表7に示す。なお、表7において、MEKはメチルエチルケトンを示している。
(実施例1)
攪拌翼としてデスパ翼を有する円筒型の2LセパラブルフラスコにミルベースMB−1を545.5部(固形分300部)仕込み、ついで1規定アンモニア水48部を加えて、デスパにより3600rpmにて十分に攪拌した後、温度を23℃に調製した。ついで、攪拌速度を7000rpmに変更して370部の脱イオン水を5g/minで滴下して乳化分散体を作製した。この時の攪拌翼の周速は14.7m/sであった。また、スラリーを光学顕微鏡で観察すると、樹脂は溶解しており、顔料と離型剤の微粒子が分散している状態が観察された。そして、脱イオン水200部を加えて溶剤量を調整した。
実施例1におけるミルベースMB−1をMB−4とする以外は実施例1と同様にして乳化分散体を作製した。スラリーを光学顕微鏡で観察すると、樹脂は溶解しており、顔料と離型剤の微粒子が分散している状態が観察された。乳化分散体を作製時の攪拌翼の周速は実施例1と同様に、14.7m/sであった。さらに、脱イオン水200部を加えて溶剤量を調整した。
その後、実施例1と同様の操作を行い、比較例1の母トナー粒子を得た。脱溶剤後のスラリーを635メッシュのふるいを通して、ふるい上に残存した凝集物を140℃―40分間乾燥して、ロス分を算出し、仕込んだミルベースの固形分に対する収率を算出したところ、94%であった。
攪拌翼としてデスパ翼を有する円筒型の2LセパラブルフラスコにミルベースMB−2を545.5部(固形分300部)仕込み、ついで1規定アンモニア水76.0部を加えて、デスパにより3600rpmにて十分に攪拌した後、温度を23℃に調製した。ついで、攪拌速度を7000rpmに変更して370部の脱イオン水を5g/minで滴下して乳化分散体を作製した。この時の攪拌翼の周速は14.7m/sであった。また、スラリーを光学顕微鏡で観察すると、樹脂は溶解しており、顔料と離型剤の微粒子が分散している状態が観察された。次に、脱イオン水200部を加えて溶剤量を調整した。
実施例2におけるミルベースMB−2をMB−5とする以外は実施例2と同様にして乳化分散体を作製した。スラリーを光学顕微鏡で観察すると、樹脂は溶解しており、顔料と離型剤の微粒子が分散している状態が観察された。乳化分散体を作製時の攪拌翼の周速は実施例1と同様に、14.7m/sであった。さらに、脱イオン水200部を加えて溶剤量を調整した。
攪拌翼としてデスパ翼を有する円筒型の2LセパラブルフラスコにミルベースMB−3を545.5部(固形分300部)仕込み、ついで1規定アンモニア水77.0部を加えて、デスパにより3600rpmにて十分に攪拌した後、温度を23℃に調製した。ついで、攪拌速度を7000rpmに変更して370部の脱イオン水を5g/minで滴下して乳化分散体を作製した。この時の攪拌翼の周速は14.7m/sであった。また、スラリーを光学顕微鏡で観察すると、樹脂は溶解しており、顔料と離型剤の微粒子が分散している状態が観察された。次に、脱イオン水200部を加えて溶剤量を調整した。
実施例3におけるミルベースMB−3をMB−6とする以外は実施例3と同様にして乳化分散体を作製した。スラリーを光学顕微鏡で観察すると、樹脂は溶解しており、顔料と離型剤の微粒子が分散している状態が観察された。乳化分散体を作製時の攪拌翼の周速は実施例1と同様に、14.7m/sであった。さらに、脱イオン水200部を加えて溶剤量を調整した。
実施例1におけるミルベースMB−1をMB−7とする以外は実施例1と同様にして乳化分散体を作製した。スラリーを光学顕微鏡で観察すると、樹脂は溶解しており、顔料と離型剤の微粒子が分散している状態が観察された。乳化分散体を作製時の攪拌翼の周速は実施例1と同様に、14.7m/sであった。さらに、脱イオン水200部を加えて溶剤量を調整した。
その後、実施例1と同様の操作を行い、比較例1の母トナー粒子を得た。脱溶剤後のスラリーを635メッシュのふるいを通して、ふるい上に残存した凝集物を140℃―40分間乾燥して、ロス分を算出し、仕込んだミルベースの固形分に対する収率を算出したところ、94%であった。
実施例2におけるミルベースMB−2をMB−8とする以外は実施例2と同様にして乳化分散体を作製した。スラリーを光学顕微鏡で観察すると、樹脂は溶解しており、顔料と離型剤の微粒子が分散している状態が観察された。乳化分散体を作製時の攪拌翼の周速は実施例1と同様に、14.7m/sであった。さらに、脱イオン水200部を加えて溶剤量を調整した。
実施例3におけるミルベースMB−3をMB−9とする以外は実施例3と同様にして乳化分散体を作製した。スラリーを光学顕微鏡で観察すると、樹脂は溶解しており、顔料と離型剤の微粒子が分散している状態が観察された。乳化分散体を作製時の攪拌翼の周速は実施例1と同様に、14.7m/sであった。さらに、脱イオン水200部を加えて溶剤量を調整した。
上述した離型剤分散液W−1、着色剤マスターチップK−3、希釈樹脂(追加樹脂)、メチルエチルケトンを、固形分含有量が55%、温度条件が30〜40℃の範囲でマックスブレンド翼の360rpmにより3時間の間混合し、溶解、分散を行った。得られた混合物は、固形分含有量を55%に再調整してミルベースとした(配合組成はMB−6と同じであり、攪拌条件のみデスパーの高速攪拌からマックスブレンド翼を用いた攪拌に変更した)。攪拌翼としてマックスブレンド翼を有する円筒型の2Lセパラブルフラスコに得られたミルベースを545.5部(固形分300部)仕込み、ついで1規定アンモニア水77.0部を加えて、マックスブレンド翼により250rpmにて十分に攪拌した後、温度を23℃に調製した。ついで、同攪拌条件下に370部の脱イオン水を5g/minで滴下して乳化分散体を作製した。また、スラリーを光学顕微鏡で観察すると、樹脂は溶解しており、顔料と離型剤の微粒子が分散している状態が観察された。次に、脱イオン水200部を加えて溶剤量を調整した。
また、脱溶剤後のスラリーを635メッシュのふるいを通して、ふるい上に残存した凝集物を140℃―40分間乾燥して、ロス分を算出し、仕込んだミルベースの固形分に対する収率を算出したところ、97%であった。
このようにして得られた実施例1〜4及び比較例1〜6の母トナー粒子に対して以下の特性評価を行った。
(1)粒径、粒度分布測定
乾燥後の母トナーを、界面活性剤を含む水の中に懸濁させることにより試料を作製する。ついでコールターカウンターマルチサイザーTAIIを用いて該母トナーの粒径、粒度分布を測定した。この測定結果を表8に示す。
平均円形度は、トナー粒子のSEM(走査型電子顕微鏡)写真を撮影し、それを測定し計算することによっても求めることができるが、本発明においては、フロー式粒子像分析装置FPIP−1000(東亜医用電子社製)により求める。フロー式粒子像分析装置FPIP−1000とは、トナー粒子等の微粒子の大きさや形状を撮像する装置であり、粒子の撮像は以下の通りに行われる。
(a)トナー粒子の懸濁液の作製
水20gに対し界面活性剤(エルクリヤー(中外写真薬品株式会社製)0.1gを添加し、さらに試料である母トナー0.04gを添加し、超音波分散機でトナー粒子を水中に懸濁させる。
(b)測定条件
測定温度 25℃
測定湿度 60%
測定トナー粒子数 5000±2000個
粗大粒子については、脱溶剤終了後のスラリーを透過型の光学顕微鏡の200倍で観察した。この観察結果を表8に示す。なお、表8において、×は30μm以上の粗大粒子が視野内に多数観察されるものを、△は30μm以上の粗大粒子が視野を変えることで1〜2個観察されるものを、○は視野を変えても30μm以上の粗大粒子が観察されないものを示している。
耐熱保存性は、実施例、比較例で得られた各母トナーに対し、疎水性シリカを、母トナー100質量部に対し、1.0質量部をヘンシェルミキサで外添した後、トナー粒子10質量部を100ccの硝子製容器に入れ、密閉した後、55℃の環境下に12時間静置した後、取り出して凝集性の有無を判断した。この判断結果を表9に示す。なお、表9において、×は堅い凝集体のある物を、△は指でほぐれる程度の凝集体がある物を、○は凝集体のない物を示している。
オフセット幅、及び定着開始温度については、あらかじめ実施例及び比較例のトナー母粒子100質量部に対し、疎水性シリカ1.0質量部をヘンシェルミキサで外添し、ついでシリコン樹脂被覆フェライトキャリアを混合することで現像剤を調整した。ついで市販複写機改造機にてA−4紙サイズの未定着画像サンプルを作製し、印刷紙を90mm/sのスピードで、リコーイマジオDA−250のヒートロールに通して定着を行った。
オフセット幅については、オフセットを発生しない上限値と下限値との温度範囲によって示している。また、定着開始温度は、定着後の画像に粘着テープを貼り、剥離後のID(画像濃度)が元のIDの90%以上であって、かつオフセットの発生が見られないときのヒートロールの表面温度を示している。この評価結果を表9に示す。
トナー溶融粘度「T1/2温度」は、乾燥後得られた母トナーを前述したように島津製作所製フローテスタ(CFT−500)を用いて、ノズル径1.0mmΦ×1.0mm、単位面積(cm2)当たりの荷重0.98MPa、毎分6℃の昇温速度で測定した。この測定結果を表9に示す。
ガラス転移温度である「Tg」(℃)は 、示差走査熱量計(DSC−50、島津製作所製)を用い、セカンドラン法により毎分10℃の昇温速度で測定した。この測定結果を表9に示す。
Claims (3)
- カルボキシル基を有するポリエステル樹脂を主成分とする結着樹脂と着色剤とを含有する混合物を、有機溶剤中に高速攪拌機を用いて溶解または分散させて着色剤含有樹脂液を製造する第一工程と、該着色剤含有樹脂液を水性媒体中に懸濁させて着色剤含有微粒子(A)の懸濁液を製造する第二工程と、を有する静電荷像現像用カラートナーの製造方法において、
前記混合物が、前記結着樹脂と前記着色剤とを、加熱及び冷却機能を有するオープンロール型連続混練機を用いて、溶融混練分散処理することにより得られる溶融混練分散物であり、
前記第二工程が、前記着色剤含有樹脂液を塩基性化合物の存在下で前記水性媒体中に懸濁させて、前記着色剤含有微粒子(A)の懸濁液を製造する工程であり、前記第二工程の後に、
前記着色剤含有微粒子(A)の懸濁液に分散安定剤を添加し、その後電解質を添加することにより、前記微粒子(A)の合一体(B)を製造し、次いで前記有機溶剤を除去する第三工程と、
前記合一体(B)を前記水性媒体から分離し、乾燥する第四工程と、
を順次行うものであり、
前記着色剤含有樹脂液を水性媒体中に懸濁させて前記着色剤含有微粒子(A)の懸濁液を製造する工程を、高速攪拌機又は高速分散機を用いて、翼先端速度を10〜25m/sとして行うことを特徴とする静電荷像現像用カラートナーの製造方法。 - 前記結着樹脂が架橋型ポリエステル樹脂と直鎖型ポリエステル樹脂とを含有する請求項1に記載の静電荷像現像用カラートナーの製造方法。
- 前記直鎖型ポリエステル樹脂の少なくとも一部に、製造後のトナー中に含有される着色剤の含有比率よりも高い含有比率で、前記着色剤をあらかじめ溶融混練分散処理する請求項2記載の静電荷像現像用カラートナーの製造方法。
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