JP2008089670A - 静電荷像現像用トナーの製造方法 - Google Patents

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義浩 佐藤
Hitoshi Takayanagi
均 高柳
Takayuki Ito
孝之 伊東
Kenichi Hirabayashi
憲一 平林
Akira Yoshimuta
晃 吉牟田
Hiroyuki Mariko
浩之 鞠子
Hiroyuki Onishi
弘幸 大西
Toshiaki Yamagami
利昭 山上
Masaya Shibatani
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Abstract

【課題】 結着樹脂、ワックス、着色剤を含有する組成物の転相乳化によって製造した乳化懸濁液から粒子を合一させたトナー粒子の製造方法において、定着時の低温定着性に優れ、揮発性有機化合物の発生量が少ないトナーを提供する。
【解決手段】 結着樹脂、ワックス、着色剤および有機溶剤を含む混合物を溶解あるいは分散した着色剤樹脂溶液を転相乳化して乳化懸濁液を調製した後に、電解質水溶液を添加するとともに撹拌を行って該乳化懸濁液中の分散質を合一させて着色樹脂粒子を成長させた後に、該着色樹脂微粒子を含む分散液とシェル形成用樹脂の乳化懸濁液とを混合し、電解質水溶液を添加してシェル形成用樹脂によってコア/シェル構造を有する粒子を形成した後に、生成した粒子を水性媒体中から分離した後に水洗を行った後に、得られた粒子を水中に分散した分散液の導電率を20〜50μS/cmとした静電荷像現像用トナーの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、複写機、プリンター、あるいはファックス等の画像出力装置等において、潜像担持体上の静電潜像を現像するために用いられる静電荷像現像用トナーの製造方法に関する。
電子写真式の複写機、プリンター、ファックス等の画像出力装置においては、印刷画像品質の高解像度化、階調性の向上、廃トナー量の削減、定着温度の低温度化による消費エネルギーの低下、フルカラー画像における画像特性の向上等の要求から、画像形成に画像形成に用いるトナー粒子は小粒径化が進んでいる。
重合法によるトナーの製造方法では、いわゆる懸濁重合法や、乳化重合法で得られた微粒子を凝集させ、加温して融着させてトナー粒子を形成する乳化凝集法が提案されている。 しかし、結着樹脂がラジカル重合可能なビニル重合体に限られて、定着性、透明性に優れる縮重合系のポリエステル樹脂を原料としてトナーを製造することはできない。さらに、乳化凝集法では、凝集した後に融着させるため、高温で長時間撹拌する必要があるという問題点があった。
また、重合法では、未反応モノマーなどからなる揮発性有機化合物が残留するという問題があった。
これに対して、ポリエステル樹脂を結着樹脂とする方法として、結着樹脂と着色剤等の混合物を有機溶媒等に溶解・分散させ、その後水性媒体と混合して乳化させ、粒子を生成させる乳化分散法が提案されている。この乳化分散法は、水性媒体中の結着樹脂と着色剤等の乳化分散した有機溶媒油滴を、高速撹拌することにより剪断力でトナー寸法とし、その後、脱溶剤、洗浄、乾燥してトナー粒子を得る方法である。そのため微粒子が発生しやすく、トナーの粒度分布が悪いという問題点があった。
これらの方法に対して、自己分散型樹脂であるポリエステル樹脂等の結着樹脂と、ワックス、着色剤等を有機溶中に溶解または分散させ、得られた油相成分を水性媒体中に中和塩基と伴に、サブミクロンの寸法で乳化、析出させ、粒子成長をさせる乳化合一法によるトナー製造方法が提案されている。(例えば、特許文献1、2参照)
この方法では、油相成分を水性媒体中に乳化させて、水性媒体中に該混合物の微粒子を形成させる乳化工程、次いで乳化剤存在下で、電解質を順次添加することで該微粒子を合一させる合一工程を経てトナーを製造するものである。
また、この方法では、微細な粒子を常温で合一させることができるので、形状が球形であると共に、粒径分布も優れたトナーが得られるという特徴を有している。
これらの方法で得られるトナーは、ポリエステル樹脂を結着樹脂とすることができるので、定着温度を比較的低くすることが可能であるが、更に低温定着性を向上するために、は、ポリエステル樹脂中のガラス転移温度を低下させることが必要である。ところが、ガラス転移温度が低いポリエステル樹脂を製造しようとすると、モノマーが残留してトナーの定着時に揮発性成分として環境中に放出されるという問題があった。
また、ガラス転移温度が低くなると、トナーの保存中にいわゆるブロッキング現象を起こすという問題点があった。
特開2003−122051号公報 特開2004−198598号公報
本発明は、結着樹脂、着色剤、ワックスを有機溶剤中に溶解または分散させて得られた着色樹脂溶液を転相乳化によって水性媒体中に分散した乳化懸濁液を調製し、得られた乳化懸濁液に電解質水溶液を添加するとともに、撹拌速度の調整によって所定の大きさの粒子に成長をさせたトナー粒子において、低温定着性が良好であって、定着時に揮発性成分の発生量が少なく、しかも保存中において高温度に曝された場合にも、ブロッキング現象を起こさない定着特性が良好なトナーを提供することを課題とするものである。
本発明は、結着樹脂、ワックス、着色剤および有機溶剤を含む混合物を溶解あるいは分散した着色剤樹脂溶液を転相乳化してサブミクロンサイズの分散体の乳化懸濁液を調製した後に、電解質水溶液を添加するとともに撹拌を行って該乳化懸濁液中の分散質を合一させて着色樹脂粒子を成長させコア粒子とした後に、該着色樹脂微粒子を含む分散液とシェル形成用樹脂の乳化懸濁液とを混合し、電解質水溶液を添加してシェル形成用樹脂によってコア/シェル構造を有する粒子を形成した後に、生成した粒子を水性媒体中から分離、水洗を行った後に、得られた粒子を水中に分散した分散液の導電率を20〜50μS/cmとした静電荷像現像用トナーの製造方法である。
このように、乳化懸濁液を調製した後に、電解質水溶液を添加するとともに撹拌を行って分散質の合一によって粒子を成長させた後に、シェル形成用樹脂の乳化懸濁液とを混合し、電解質水溶液を添加してシェル形成用樹脂によってコア/シェル構造を有する粒子を形成した後に水洗し、トナーに付着した電解質及び残留モノマーを洗い流すことによってトナー粒子を水中に分散した分散液の導電率を20〜50μS/cmとしたので定着時に発生する揮発性成分を減少させ、低温定着性に優れた静電荷像現像用トナーを提供することができる。
また、シェル樹脂のガラス転移温度がコア樹脂のガラス転移温度よりも10℃以上高い前記の静電荷像現像用トナーの製造方法である。また、コア樹脂の重量平均分子量は50000以下、ガラス転移温度は、45℃以下である前記の静電荷像現像用トナーの製造方法である。
このように、重量平均分子量が低く、ガラス転移温度が低いコア樹脂の周囲をシェル樹脂で被覆してコア/シェル構造としたので、コア樹脂の低いガラス転移温度によって低温定着性が良好となり、またコア樹脂のガラス転移温度に比べて10℃以上高いシェル樹脂によって、トナーの保存中におけるブロッキング現象等を防止することができる。
また、洗浄液が導電率5μS/cm以下の水である静電荷像現像用トナーの製造方法である。
また、洗浄工程において、洗浄槽の内径の0.15〜0.4倍の翼径の撹拌翼を用いて撹拌翼先端速度を4m/s以上で撹拌しながら洗浄液を加えてリスラリー化を行う工程を設けた前記の静電荷像現像用トナーの製造方法である。
このように洗浄工程において、イオン交換等によって得られた導電率が小さな水を洗浄液とすることによって、トナー粒子から有機酸等を除去することができる。
また、洗浄槽内において一定の撹拌翼先端速度以上で撹拌しながらウェットケーキに洗浄水を加えてリスラリー化を行うことで、トナー粒子に付着した低分子成分等を確実に減少させることができる。
本発明者らは、結着樹脂、ワックス、着色剤および有機溶剤を含む混合物を溶解あるいは分散した着色樹脂溶液を転相乳化することによって生成した、樹脂油滴、ワックス分散質、着色剤分散質等の分散質を含んだ乳化懸濁液に、電解質水溶液の添加によって乳化状態を変化させるとともに、撹拌速度を変えて微粒子に与える剪断力を変化させることによって、所定の粒子径のトナー粒子に成長させる方法を提案している。
このような乳化合一方法によって製造したトナー粒子から洗浄水によってその表面に付着した低分子成分を除去し、トナー粒子を水中に分散した分散液の導電率を所定の範囲内とすることによって低温定着性が良好であると共に保存時にブロッキング現象等が生じないトナーを製造することが可能であることを見いだしたものである。
本発明のトナーは、コアの周囲をシェル樹脂によって被覆したコア/シェル構造を有しているので、コア樹脂として比較的ガラス転移温度が低い樹脂を使用することができるので、低温定着性を良好なものとすることができる。
更に、トナー粒子を洗浄工程において洗浄水によって、トナー粒子表面に存在する揮発性成分を除去することが可能であり、定着時にトナーから発生する揮発性成分を減少することができる。
また、本発明においては、揮発性有機化合物(VOC)の含有量の測定はガスクロマトグラフィー(島津製作所製 GC−17A)によっておこなった。測定は、試料500mgを容量27mlのバイアルに秤量し、栓をする。次いで、バイアルを200℃で5分間加熱する。加熱したバイアルを取り出し、ヘッドスペース部からマイクロシリンジにて0.8mlの気体を吸引しガスクロマトグラフィーに注入し測定を行い、検出された有機化合物のトルエンに換算した体積百万分率を表1において総揮発性有機化合物量(TVOC値)とした。
なお、ガスクロマトグラフィーの測定条件は、カラム:島津製作所製 CBP10-S50-050、カラム長50m、内径0.33mm、膜厚0.5μm、カラム入り口圧力:64kPa、スプリット比=1:40、気化室温度:250℃、検出器温度:270℃、検出器:FID、温度プログラム:測定温度:50〜240℃、50℃で7min保持、3℃/minで昇温、240℃で15min保持した。
以下、本発明のトナーの製造工程について説明する。
第一工程:着色樹脂溶液調製工程
ポリエステル樹脂を主成分とする結着樹脂、着色剤およびワックスとを、有機溶剤中に溶解、あるいは分散させ、次いで乳化剤を添加して着色樹脂溶液を製造する工程である。
第二工程:転相乳化工程
塩基性化合物を添加した後、該着色樹脂溶液に水を添加して、転相乳化して乳化懸濁液とする工程である。
第三工程:合一工程
調製した乳化懸濁液に、電解質水溶液を添加し、乳化懸濁液中の樹脂油滴、ワックス分散質、着色剤分散質等の分散質から微粒子を形成させ、更に生成した微粒子を合一させることにより合一粒子を生成させて粒子形成を行った後に合一を停止させる工程である。
電解質水溶液の添加を分割して行うことによって、複数回の合一を行ってもよい。
第四工程:シェル形成工程
シェル形成工程は、シェル形成用樹脂の乳化懸濁液と第三工程で得た着色樹脂微粒子を含む分散液を混合し、電解質水溶液を添加して、シェル形成用樹脂のガラス転移温度未満でコア/シェル構造を有する粒子を形成する工程である。
第五工程:分離洗浄工程
水性媒体中から着色樹脂粒子を分離し、分散剤の存在下において水中に分散した分散液の分散伝導度が20〜50μS/cmとなるように洗浄した後に、脱水して着色樹脂微粒子ケーキを得る工程である。
第六工程:乾燥工程
着色樹脂粒子ケーキを、遠心分離機、あるいはフィルタープレス、ベルトフィルターなどの分離した後に、乾燥させてトナー母粒子とする工程である。
第七工程:外添工程
トナー母粒子に外添剤を付与する工程である。
まず、第一工程である着色樹脂溶液調製工程について詳しく説明する。着色樹脂溶液調製工程では、まず有機溶剤中にポリエステル樹脂を含む結着樹脂と、着色剤、ワックスとを投入して、溶解または分散させてトナー粒径以下に微分散または溶解する。
結着樹脂と着色剤は、高速撹拌機により有機溶剤中に溶解または分散することが好ましい。この場合、着色剤は、あらかじめ予備分散を行ってマスター混練チップを調製し、作製するトナー粒径以下に微分散したものを用いても良い。ワックスのような添加剤などもあらかじめマスター混練チップを調整した後に混合しても良い。あるいは、メディアを用いて湿式分散によりトナー粒径以下に微分散したマスター溶液を用いても良い。
着色樹脂溶液調製工程においては、デスパー(アサダ鉄工製)、T.K.ホモミクサー(プライミクス製)などの高速撹拌機が使用できる。この時の翼先端速度は4〜30m/sであることが好ましく、8〜25m/sであることがより好ましい。上記高速撹拌機を用いることで、結着樹脂の有機溶剤への溶解を効率よく行えると共に、着色剤の結着樹脂溶液中での均一微分散を達成できる。すなわち、あらかじめ微分散された着色剤を高速撹拌することで、着色樹脂溶液中においても保持することができる。
翼先端速度が4m/sより低いと、着色樹脂溶液中での着色剤の微分散が不十分となり好ましくない。一方、30m/sより高いと剪断による発熱が大きくなり、溶剤の揮発と相まって均一撹拌が困難となるため好ましくない。また、溶解、または分散する場合の温度は、20〜60℃の範囲が好ましく、30〜50℃の範囲がより好ましい。
有機溶剤としては、25℃における水に対する溶解度が、0.1〜30質量%であるものが好ましく、0.1〜25質量%であるものがより好ましい。また、常圧における沸点は、水の沸点よりも低いものが好ましい。このような有機溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトンのようなケトン類、酢酸エチル、酢酸イソプロピルのようなエステル類等が用いられる。これらの有機溶剤は、2種以上を混合して用いることもできるが、溶剤回収の点から、同一種類の溶剤を単独で使用することが好ましい。また、有機溶剤は、ポリエステル樹脂を溶解または分散するものであり、後の工程で脱溶剤しやすいために低沸点のものが好ましい。ここで、ポリエステル樹脂を溶解する有機溶剤としては、溶解、分散性に優れている、メチルエチルケトン、酢酸エチルを用いることが好ましい。特にメチルエチルケトンを用いることが好ましい。
また、着色樹脂溶液の調製工程において、乳化剤を加えることが好ましい。
合一工程において乳化剤が機能するためには、後から添加する電解質の存在下においても分散安定性を保持できる特性が必要である。そのような特性を有する乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなど、あるいは各種プルロニック系などのノニオン型の乳化剤、あるいはアルキル硫酸エステル塩型、アルキルスルホン酸塩型のアニオン性乳化剤、また、第四級アンモニウム塩型のカチオン型の乳化剤などがある。また、アルキルベンゼンスルホン酸塩型の乳化剤、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸型の乳化剤を挙げることができる。上述した乳化剤は単独で用いても、2種類以上を混合して用いてもよい。なかでも、乳化剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩が好ましい。アルキルベンゼンスルホン酸塩が有するアルキル基としては、例えば、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノナニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基等が挙げられるが、ドデシル基が好ましい。
すなわち、本発明の製造方法では、乳化剤の存在下に電解質を添加することで、急激な不均一な合一を防止することが可能となり、粗大粒径の発生を抑制し、好ましい粒度分布が得られると共に、収率の向上が達成される。
また、使用する乳化剤の量は、固形分含有量に対し、0.1〜3.0質量%が好ましく、0.3〜2.0質量%であることがより好ましく、0.3〜1.5質量%であることが特に好ましい。これは、0.1質量%よりも少ないと、目的とする粗大粒子発生に対する防止効果が得られないためである。また、3.0質量%よりも多いと、電解質の量を増加しても合一が十分に進行せず、所定粒径の粒子が得られなくなり、結果として微粒子が残存してしまい収率を低下させるためである。
次いで、第二工程の転相乳化工程においては、塩基性化合物を添加した後で該着色樹脂溶液に水を添加することで懸濁または乳化させて乳化懸濁液とする。ここで、塩基性化合物によってポリエステル樹脂のカルボキシル基を中和した着色樹脂溶液に水を徐々に添加することが好ましい。カルボキシル基が中和されることで、該官能基部分の親水性が向上し、水との親和性が向上することで、転相乳化がしやすくなる。
滴下した水は該官能基部分に水和され、撹拌効果と合わさって溶解あるいは微細に分散される。一方、結着樹脂は水性媒体を介在して酸−塩基相互作用が強まり、水の添加に伴って粘度が上昇する。一定量の水を添加すると粘度が低下していく点があり、いわゆる転相点と称する。この直前まで、粘度が上昇し、粘度が最大値に達する。粘度上昇は、塩基性化合物の添加量と相関があり、添加量が増加するほど、粘度上昇も大きくなる。
一方、塩基性化合物の量は、本発明においては、第二工程の転相乳化工程のみならず、後述する第三工程の合一工程における合一粒子生成時の均一性、速度にも影響を及ぼし、ポリエステル樹脂のカルボキシル基に対して、塩基性化合物は1〜3当量の範囲が好ましい。また、1〜2当量の範囲が更に好ましい。このようにポリエステル樹脂のカルボキシル基の全部を中和するために要する量よりも過剰に添加することにより、合一工程において異形の粒子が生成するのを防止することができ、また、粒度分布を狭い範囲とすることができる。
しかしながら、塩基性化合物の全量を乳化前に添加すると、乳化時に粘度上昇が生じ、撹拌の不均一化により未乳化の異物が発生し、最終的に得られるトナー中に混在し、現像特性に悪影響を及ぼすことになる。したがって、乳化前に添加する塩基性化合物の量は、0.6〜1.2当量が好ましい。0.6当量よりも少ないと、乳化時に着色剤、あるいはワックス等の添加剤の分散が不均一になったり、未乳化物が発生するため好ましくない。一方、1.2当量よりも多いと粘度上昇による影響が見られるため好ましくない。
転相乳化工程の終了後の有機溶剤/有機溶剤+水の比率は20〜35質量%の範囲が好ましく23〜30質量%の範囲がより好ましい。転相点までの水の量は、着色樹脂溶液調製工程における有機溶剤量が少ないほど減少し、塩基性化合物の量が多いほど増加する。
転相点では乳化懸濁液の粘度が高いこともあり、着色樹脂溶液が完全に水性媒体中に微分散していない場合もあるため、更に水を添加することが好ましい。転相点までに添加した水の量は、乳化懸濁液調製までに使用した水の合計の50ないし80質量%の範囲が好ましい。
本発明で用いるポリエステル樹脂は、酸価が、3〜30KOHmg/gが好ましく、5〜20KOHmg/gであることがより好ましい。
これは、ポリエステル樹脂の酸価が3未満であると、ポリエステル樹脂と有機溶剤とが水中に乳化した乳化懸濁液の製造が円滑に行われず、粗大粒子が発生するので好ましくない。
一方、ポリエステル樹脂の酸価が30より大きいと、トナー使用環境下における帯電量が安定しないため好ましくない。酸価が3〜30KOHmg/gであるポリエステル樹脂は、カルボキシル基が塩基性化合物により中和されることによりアニオン型となる。その結果、樹脂の親水性が増加し、分散安定剤や乳化剤を使用しなくとも安定に分散または溶解することができる。
中和用の塩基性化合物としては、樹脂の酸性基を中和できれば、どのようなものでもよいが、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアなどの無機塩基や、ジエチルアミン、トリエチルアミン、イソプロピルアミンなどの有機塩基が用いられる。特に、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの無機塩基の水溶液が好ましい。
上記の方法で製造した乳化懸濁液では、着色樹脂溶液は水性媒体中に乳化した状態で存在する。その状態は、有機溶剤の種類と使用量、ポリエステル樹脂の酸価、塩基性化合物の使用量、撹拌条件等で異なるが、1μm以下の微小な油滴として乳化していることが好ましい。このような状態であれば、乳化懸濁液の安定性、後の工程における合一の安定性、合一粒子の粒度分布等が良好になり、好ましい。
次に、第三工程である合一工程について説明する。
合一工程は、乳化剤の存在下で乳化懸濁液中に電解質水溶液を滴下することで分散質の析出工程とその後の析出した粒子が成長する合一工程からなる。合一工程においては、以下の様に合一が進むものと考えられる。
まず、乳化懸濁液中の分散質として、結着樹脂油滴、着色剤分散質、あるいはワックス分散質のそれぞれの単独の微粒子が系内に均一に分散、存在しており、大きさは、0.01μmから1μm程度の大きさのものである。この乳化懸濁液中に電解質水溶液を滴下することで、油滴が塩析または不安定化され析出を始める。このとき液を撹拌することにより分散質同士が衝突を起こし一体化する。分散質である均一に分散された微細な、樹脂油滴、ワックス分散質、顔料分散質等が一体化し着色樹脂微粒子となる。
その後の合一工程では更に、この着色樹脂微粒子同士が衝突し、合一が進行し、より大きな着色樹脂微粒子が生成する。このとき残存した分散質も取り込まれる。これにより、着色微粒子はほぼ組成の揃った粒子となる。この合一の速度を制御することで、所望の大きさと粒度分布の着色樹脂粒子を得ることができる。
この着色樹脂微粒子は、有機溶媒を含み一種の膨潤した状態にあり、衝突とほぼ同時に融着が起こる、いわゆる合一が進行する。そのため、後工程の脱溶剤後の着色樹脂粒子は十分な強度をもち、別途加熱による融着工程を設ける必要がない。
ここで用いられる電解質としては、例えば、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、硫酸カリウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸水素アンモニウム、硫酸マグネシウム、リン酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、塩化カルシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、酢酸ナトリウムなどの水溶性の塩などを用いることができる。これらの電解質は、単独でも、2種類以上の物質を混合してもよい。なかでも、硫酸ナトリウムや硫酸アンモニウムのような1価のカチオンの硫酸塩、炭酸塩が均一な合一を進める上で好ましい。
また、得られる合一粒子は溶剤によって膨潤しており、電解質を添加することによって粒子の水和状態が不安定な状態となっているため、比較的低剪断力の撹拌により粒子同士を衝突させて合一を進行させることが好ましい。均一な合一を進める上では、合一時の撹拌条件が重要であり、例えば、アンカー翼、タービン翼、ファウドラー翼、フルゾーン翼、マックスブレンド翼(登録商標)、半月翼などが用いられる。なかでも、マックスブレンド翼やフルゾーン翼のような低回転であっても均一混合性に優れた大型翼を用いることが好ましい。均一な合一体を生成させるための撹拌翼の周速は、0.2〜10m/sが好ましく、0.2〜8m/s未満の低シェアでの撹拌がより好ましい。特に、0.2〜6m/sとすることが好ましい。撹拌翼の周速が10m/sよりも早いと、微粒子が残存するため好ましくない。一方、周速が0.2m/sよりも遅いと、撹拌が不均一となり粗大粒子が発生する傾向となるので好ましくない。上述した条件であれば、微粒子同士の衝突のみにより合一が進行し、合一体が再び解離、分散することがない。特に、合一工程では微小粒子から優先的に合一が進行するため、超微粒子の発生が少なく、かつ狭い粒度分布となるため収率の向上が達成できる。
すなわち、着色樹脂溶液調製工程、及び転相乳化工程ではデスパー(アサダ鉄工製)等の高速撹拌機により撹拌を行うことが好ましく、合一工程では低速で均一混合可能な大型翼が好適となるため、転相乳化工程で得られた乳化懸濁液を大型翼付属の別の容器に移送して合一工程を実施することが好ましい。
また、使用する電解質の量は、固形分含有量に対し、0.5〜15質量%が好ましく、1〜12質量%であることがより好ましく、1〜6質量%であることが特に好ましい。電解質の量が0.5質量%よりも少ないと、所望のサイズまで合一が十分に進行しない。
また、電解質の量が15質量%よりも多いと、合一が不均一となり、凝集物の発生や、粗大粒子が発生し収率を低下させる。
また、電解質濃度が高いと、特に合一初期の塩析による溶解したポリエステル樹脂の析出時に凝集物が発生しやすいため好ましくない。一方、電解質濃度が低いと、塩析や合一させるために多量の電解質が必要となるとともに、微粒子が残存し易く好ましくない。
すなわち、合一初期における析出時は、粒径が小さくて比表面積が大きいので、添加した電解質水溶液の近傍で濃度むらの影響を受け易く、その濃度むらにより凝集が発生することがある。このため、合一初期の微粒子の段階では、電解質の濃度むらが発生しないように濃度を低めに設定することが好ましい。
また、粒径3μmを超えて成長させる場合には、電解質濃度を高くし、それに応じて添加する電解質水溶液の添加量を調整することで粒子成長速度を制御することが好ましい。低濃度の電解質水溶液を大量に添加すると、添加液量が増え有機溶剤比率が下がり、合一が進まず微粒子が残存し易くなる。
粒子の成長は、乳化懸濁液に電解質を加えると共に撹拌することによって微粒子の析出合一の工程を含む少なくとも3回の工程を設けることが好ましい。
体積平均粒子径が5〜7μm程度のトナーを製造する場合、合一初期における微粒子の粒径が3μmまで成長する段階では、電解質濃度は、2〜4質量%の範囲が好ましい。また、粒径が3μmを超えてさらに成長させる場合には4質量%を超えて6質量%の範囲の濃度が好ましい。
体積平均粒子径が5〜7μm程度のトナーを製造する場合、合一初期における微粒子の粒径が3μmまで成長する段階では、電解質濃度は、2〜4質量%の範囲で、固形分に対し、電解質量を1〜3質量%を添加することが好ましい。また、粒径を3μmを超えてさらに成長させる場合には4質量%を超えて6質量%の範囲の濃度が好ましい。添加量は粒子成長速度を確認し、合一工程の後段ほど、溶液量を調整しつつ固形分含有量に対する電解質量を減少させて合一速度を遅くすることが好ましい。
特に、最後の合一工程での電解質水溶液の滴下後の粒子成長速度を体積平均粒径基準で0.1〜0.5μm/10minの範囲に設定することが好ましい。
また、本発明における粒径は、ベックマンコールター社製マルチサイザーII型(アパーチャーチューブ径:100μm)による測定で測定した体積50%径である。
各合一工程において電解質水溶液を添加する際には、電解質を均一にすばやく系内に混合するため撹拌速度を上げることが好ましい。電解質水溶液の滴下による凝集物の発生を抑えることができるので好ましい。また、合一時の温度は、10〜50℃が好ましく、20〜40℃であることがより好ましく、20〜35℃であることが特に好ましい。
これは、温度が10℃よりも低いと、合一が進行しにくくなるためである。また、温度が50℃よりも高いと、合一速度が速くなり、凝集物や、粗大粒子が発生しやすくなるためである。本発明の製造方法では、例えば、20〜40℃といった低温の条件で、合一による合一粒子の生成が可能である。
合一は有機溶剤により膨潤した着色樹脂微粒子が、着色樹脂微粒子分散液を所定の回転速度で撹拌することで、着色樹脂微粒子同士が衝突し、合一することで粒子が成長する。したがって、前段の合一工程と次段の合一工程との間、または、第四工程であるシェル形成工程の前には、合一が進行する撹拌速度よりも高速で一定時間撹拌して熟成期間を設けることによって合一した着色樹脂微粒子を熟成して、合一した粒子の円形度を高めることができる。
次に、第四工程であるシェル形成工程について説明する。
シェル形成工程は、シェル形成用樹脂の乳化懸濁液と第三工程で得た着色樹脂微粒子を含む分散液を混合し、電解質水溶液を添加して、シェル形成用樹脂のガラス転移温度未満でコア/シェル構造を有する粒子を形成する工程である。
シェル形成工程で使用するシェル形成用樹脂の乳化懸濁液は、着色剤やワックスを除去した樹脂だけでもよいし、電荷制御剤等を含んでもよい。作製方法は、第一工程及び第二工程においてワックス及び着色剤を使用しない以外は、第一工程及び第二工程と同様の操作により得ることができる。すなわち、シェル形成用樹脂を有機溶剤中に溶解あるいは分散させて得た樹脂溶液に、塩基性化合物、水を順次添加して、水性媒体中に樹脂溶液を乳化させることによりシェル形成用樹脂の乳化懸濁液を調製する。合一工程で得られた着色樹脂微粒子が含有される分散液にシェル形成用樹脂の乳化懸濁液を添加し、更に、電解質水溶液を添加して撹拌する。撹拌条件と使用される電解質は合一工程と同様である。電解質水溶液を添加することにより、シェル形成用樹脂の微粒子が塩析又は不安定化され、合一工程と同様に着色樹脂微粒子及びシェル形成用樹脂の微粒子同士が一体化され、着色樹脂微粒子表面にシェル形成用樹脂の微粒子同士が固着されていき、着色樹脂微粒子表面にシェルが形成される。
シェル形成工程では、有機溶剤により膨潤された着色樹脂微粒子及びシェル形成用樹脂微粒子が衝突して着色樹脂微粒子及びシェル形成用樹脂微粒子同士が固着することで粒子が成長していく。そのため、シェルはシェル形成用樹脂のガラス転移温度未満で形成される。したがって、シェル形成工程では加熱が必要とされず、当然、加熱後の冷却も必要ではないため、多大なエネルギーが消費されず、温度管理は簡単なものとなる。
粒子成長は、一定条件下ではほぼ一定の成長速度を保持するため、時間と粒径からブロットされた粒子成長曲線を作成することで表すことができる。その結果、その曲線より目標粒径の到達時間を推定することができる。その後、水を添加することでシェル形成を停止させることが好ましい。シェル形成を停止する際の水の量は、着色樹脂溶液作製及びシェル形成用樹脂の乳化液作製の際に添加した有機溶剤量と関連し、より高固形分の状態でコア/シェル構造を有する粒子を形成することで、本工程での停止水量を削減できる。これは、固形分に対する有機溶剤量が少ないほど、粒子内に取り込まれる有機溶剤量が少なくなるためで、より少量の水で膨潤を抑え、シェル形成を停止できるからと考えられる。
シェル化された着色樹脂微粒子分散液は脱溶剤され、次の工程へと進む。
脱溶剤は、低温条件下で、着色樹脂微粒子の凝集を抑制するため撹拌しつつ、速やかに行うためには減圧下で行うことが好ましい。脱溶剤に当たっては発泡を抑制するために消泡剤の添加が好ましい。消泡剤としてはシリコーン系のエマルジョン形態のものが好ましい。シリコーン系の消泡剤としては、BY22−517、SH5503、SM5572F、BY28−503(東レ・ダウコ一二ング・シリコーン社製)、KM75、KM89、KM98、KS604、KS538(信越化学工業製)等がある。なかでも、物性への影響が少なく、消泡効果の高いものとしてBY22−517が好ましい。消泡剤量は、固形分に対し30〜100ppmが好ましい。
本発明の製造方法により製造されるトナー粒子は、着色剤やワックスなどが結着樹脂に内包されていることが特徴であり、透過型電子顕微鏡等で観察することにより、着色剤やワックスなどが粒子内に内包されてほぼ均一に分散していることが確認できる。
また、合一工程で得られる合一粒子の形状は、粒子像分析装置(シスメックス製フロー式粒子像分析装置FPIA−1000)などによって求められ、円形度は、観察した粒子像の投影面積に相当する円の周囲の長さと、観察した粒子の投影像の周囲の長さとの比で表した数値の平均値を平均円形度としている。
本発明の方法により得られるトナー粒子の形状は、平均円形度が0.95以上ないし0.97以上の略球形あるいは球形の形状のものであって、粉体流動性、転写効率が向上する。
次に、第五工程である洗浄工程について説明する。
洗浄工程では、シェル化工程において生成した着色樹脂微粒子を分離し、洗浄、脱水を行う工程である。この工程では水性媒体中から、使用した副原料、すなわち有機溶剤、電解質、乳化剤を除去し、揮発性有機化合物除去を行うものである。
特に、ポリエステル樹脂を原料とする場合、反応モノマーは酸とアルコールであり、水溶性である。未反応のモノマーが、特に、コアで使用する低粘度、低Tgの樹脂では、樹脂中に残留しやすく、トナーの定着時等において臭気の原因となる揮発性有機化合物として発生し易くなる。本トナーの製造方法では、樹脂を溶解しサブミクロンサイズのサイズで転相乳化するので、製造工程中に未反応モノマーが樹脂中から水媒体中へ溶出しやすく、洗浄によってトナー中のモノマー残留濃度を低減させることが可能である。
着色樹脂微粒子の水性媒体からの分離は、遠心分離器、フィルタープレス、あるいはベルトフィルター等の分離手段で行うことができる。洗浄は、上記装置内の着色樹脂微粒子ケーキに対して水をノズルから噴射する等の方法によってリンスして行うことができるが、更に、取り出した着色樹脂微粒子ケーキを水中に撹拌しながら再分散、すなわちリスラリー化した後に、脱水を行う工程を繰り返し行うことで洗浄性を高めることができる。
リスラリーの条件は、洗浄槽の内径の0.15〜0.4倍の翼径の撹拌翼を用いて撹拌翼先端速度を4m/s以上で撹拌しながら行うことが望ましい。撹拌翼径が洗浄槽の内径の0.15より小さい場合、撹拌効率が悪く再分散されない固まりが残り、洗浄性が落ちる。また、0.4を超えると発泡が多くなり、容器等から液が飛散することがあり思わしくない。撹拌翼先端速度は、4m/s以上が好ましく、更には5m/s以上がより好ましい。4m/sより遅いと撹拌効率が悪く再分散されない固まりが残り、洗浄性が落ちる。
洗浄は、導電率が5μS/cm以下の水によって、行うことが好ましい。導電率が5μS/cmより高いと洗浄が十分に行われない。
洗浄温度は、コア樹脂のガラス転移温度以下の温度よって行うことが好ましい。また、使用する有機溶剤や電解質の水への溶解性の良い範囲にすることが好ましい。これらを考慮し、10〜45℃が好ましく、更に、15〜40℃がより好ましい。
リスラリー時の固形分の割合は、全体の5〜30質量%が好ましく、10〜25質量%がより好ましい。5質量%より少ないと水の使用量が多く廃水量が増え、また、生産性が落ちる。30質量%より多いと再分散性が悪く洗浄性が落ちる。また、リスラリーは、最低1回は行う必要があるが、2回以上繰り返して行うことが好ましい。
洗浄工程のリンス洗浄では、洗浄液を固形分質量の2〜10倍の量で噴射方法の方法で供給してリンスすることが好ましく、3〜6倍量がより好ましい。2倍量以下では洗浄が十分ではなく、10倍量を超えると廃液が増え、廃液処理の負荷、生産性に悪影響を及ぼす。
また、本発明のトナーの製造方法においては、製造した着色樹脂微粒子ケーキの含水率を測定し、固形分75gに対し、水を加えて合計750gになるように調製し、30℃でホモミクサー(プライミクス社製)にデスパ翼を装着して、30分間撹拌した分散液の導電率を導電率計(東亜ディーケーケー製HEC−100)によって測定して、その値が20〜50μS/cmとなるように洗浄を行うことが好ましい。
50μS/cmを超えるものでは、残留する揮発性有機化合物が多く、低温オフセット特性が良好なものを得ることができない。
次に、第六工程である乾燥工程について説明する。
着色樹脂微粒子ケーキを乾燥させることによりトナー母粒子を得ることができる。乾燥は、リボコーン型乾燥機(大川原製作所)、ナウターミキサー(ホソカワミクロン)等の混合真空乾燥機、流動層乾燥機(大川原製作所)、振動流動層乾燥機(中央化工機)等の流動層型乾燥機で乾燥される。
本発明においては、トナーの粒度分布は、ベックマンコールター社製マルチサイザーII型(アパーチャーチューブ径:100μm)による測定によるものであって、50%体積粒径/50%個数粒径が1.20以下のものを得ることができる。1.20以下であると階調性に優れた良好な画像を得ることができる。
トナーの体積平均粒径は、体積平均粒径が3〜8μmとすることが好ましく、粒径が小さなトナーを用いることによって解像性や階調性が向上するだけでなく、印刷画像を形成するトナー層の厚みが薄くなり、定着に必要な熱量を減少させることができ、同時にトナー消費量が減少するという効果も得られる。
次に、本発明で使用するポリエステル樹脂について説明する。ポリエステル樹脂は、架橋型ポリエステル樹脂と直鎖型ポリエステル樹脂との混合物であることが好ましく、以下の原料の中から選択される化合物を反応させることによって得られる。
架橋型ポリエステルは、二塩基酸またはその誘導体と、2価のアルコールと、架橋剤として多価化合物とを反応させることによって製造することが好ましい。特に、二塩基酸またはその誘導体と、2価の脂肪族多価アルコールと、架橋剤として多価エポキシ化合物とを反応させることによって製造することが好ましい。
また、直鎖型ポリエステル樹脂は、二塩基酸類と、2価のアルコールとを反応させることによって製造する。特に、二塩基酸類と、2価の脂肪族アルコールとを反応させることによって製造することが好ましい。
架橋型ポリエステル樹脂と直鎖型ポリエステル樹脂とを製造する際に使用する酸成分としては、無水フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、アジピン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、アゼライン酸、セバシン酸などのジカルボン酸またはその誘導体またはそのエステル化物が挙げられる。
また、2価の脂肪族アルコール成分としては、例えば1,4−シクロヘキサンジメタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイドランダム共重合体ジオール、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイドブロック共重合体ジオール、エチレンオキサイド−テトラハイドロフラン共重合体ジオール、ポリカプロカクトンジオールなどのジオールが挙げられる。
架橋型ポリエステル樹脂と直鎖型ポリエステル樹脂とにおいて、脂肪族アルコールを用いることにより、ワックス類との相溶性が良好となり、耐オフセット性が改良され、好ましい。また、ポリエステル主鎖を軟質化することにより低温での定着性が改善される。
架橋型のポリエステル樹脂を製造する際には、さらに架橋剤として多価エポキシ化合物を使用する。
多価エポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ハイドロキノンジグリシジルエーテル、N,N−ジグリシジルアニリン、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、テトラキス1,1,2,2(p−ヒドロキシフェニル)エタンテトラグリシジルエーテル、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ基を有するビニル化合物の重合体、あるいは共重合体、エポキシ化レゾルシノールーアセトン縮合物、部分エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ基を有するビニル化合物の重合体、あるいは共重合体、半乾性もしくは乾性脂肪酸エステルエポキシ化合物などが挙げられる。上記の化合物の中でもビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテルがより好適に用いられる。
具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の例として大日本インキ化学工業製エピクロン850、エピクロン1050、エピクロン2055、エピクロン3050などが、ビスフェノールF型エポキシ樹脂の例として大日本インキ化学工業製エピクロン830、エピクロン520などが、オルソクレゾールノボラツク型エポキシ樹脂の例として大日本インキ化学工業製エピクロンN−660,N−665,N−667,N−670,N−673,N−680,N−690,N−695などが、フェノールノボラック型エポキシ樹脂の例としては大日本インキ化学工業製エピクロンN−740,N−770,N−775,N−865などが挙げられる。エポキシ基を有するビニル化合物の重合体、あるいは共重合体としてはグリシジル(メタ)アクリレートのホモポリマー、あるいはアクリル共重合体、スチレンとの共重合体が挙げられる。
また、上述したエポキシ化合物は2種以上併用して用いることもでき、さらに、樹脂の変性剤として、以下に記載するモノエポキシ化合物を併せて用いることもできる。同時に使用することができるモノエポキシ化合物としては、例えばフェニルグリシジルエーテル、アルキルフェニルグリシジルエーテル、アルキルグリシジルエーテル、アルキルグリシジルエステル、アルキルフェノールアルキレンオキサイド付加物のグリシジルエーテル、α−オレフィンオキシド、モノエポキシ脂肪酸アルキルエステルなどが挙げられる。
これらのモノエポキシ化合物を併用することにより定着性、高温での耐オフセット性が向上する。これらの中でも、特にアルキルグリシジルエステルがより好適に用いられる。
具体例としてはネオデカン酸グリシジルエステル(シェルジャパン製カージュラE)が挙げられる。
架橋型ポリエステル樹脂と直鎖型ポリエステル樹脂とは、上述した原料成分を用いて、例えば触媒の存在下で脱水縮合反応あるいはエステル交換反応を行うことにより得ることができる。この際の反応温度及び反応時間は、150〜300℃で2〜24時間とすることができる。
上記反応を行う際の触媒としては、例えばテトラブチルチタネート、酸化亜鉛、酸化第一錫、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジラウレート、パラトルエンスルホン酸などを使用することができる。
本発明で使用する架橋型ポリエステル樹脂と直鎖型ポリエステル樹脂との使用比率は、(架橋型ポリエステル樹脂の質量)/(直鎖型ポリエステル樹脂の質量)=5/95〜60/40とすることができる。また、10/90〜40/60あるいは20/80〜40/60としても良い。架橋型ポリエステル樹脂の比率の調整によって、耐高温オフセット性、溶融粘度(T1/2温度)、低温定着性等を調整することができる。
架橋型ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、40〜85℃であることが好ましく、40〜75℃であることが特に好ましい。ガラス転移温度(Tg)が40℃より低いとトナーが保存、運搬、あるいは画像形成装置内部で高温下に曝された場合にブロッキング現象(熱凝集)を生じやすい。また、ガラス転移温度(Tg)が85℃より高いと、低温定着性が低下するため好ましくない。
直鎖型ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、35〜70℃であることが好ましく、35〜65℃であることが特に好ましい。ガラス転移温度(Tg)が35℃より低いと、トナーが保存、運搬、あるいは画像形成装置内部で高温下に曝された場合にブロッキング現象すなわち熱凝集を生じやすい。また、ガラス転移温度(Tg)が70℃より高いと、低温定着性が低下するため好ましくない。
また、架橋型ポリエステル樹脂の軟化点としては、150℃以上であることが好ましく、なかでも、150℃〜220℃であることが好ましい。ここで、架橋型ポリエステル樹脂の軟化点としては、150℃〜200℃であることがより好ましく、150℃〜190℃であることが特に好ましい。軟化点が150℃未満の場合は、トナーが凝集現象を生じやすくなり画像形成に支障をきたす可能性がある。また、220℃を超える場合は、定着性が悪化しやすくなる。また、直鎖型ポリエステル樹脂の軟化点は、85℃以上であることが好ましく、なかでも、85℃〜130℃であることが好ましい。ここで、直鎖型ポリエステル樹脂の軟化点としては、85℃〜120℃であることがより好ましく、85℃〜110℃であることが特に好ましい。架橋型ポリエステル樹脂と同様に、軟化点が85℃未満の場合は、ガラス転移温度が低下してしまい、トナーが凝集現象を生じやすくなり、130℃を超える場合には定着性が悪化しやすくなる。
また、架橋型ポリエステル樹脂と直鎖型ポリエステル樹脂との混合物の軟化点は、100℃〜150℃であることが好ましい。軟化点が100℃未満の場合は、トナーが凝集現象を生じやすくなり、150℃を超える場合には定着性が悪化しやすくなる。
本発明におけるポリエステル樹脂の軟化点は、定荷重押出し形細管式レオメータ(島津製作所製フローテスタCFT−500)を用いて測定されるT1/2温度である。測定条件は、ピストン断面積1cm2、シリンダ圧力0.98MPa、ダイ穴長さ1mm、ダイ穴径1mm、測定開始温度50℃、昇温速度6℃/min、試料質量1.5gの条件で行った。
また、ガラス転移温度(Tg)の測定は、示差走査熱量計(島津製作所製 DSC−60A)を用いて、アルミニウム製クリンプ容器に20mgの試料を入れて、昇温速度10℃/minで180℃まで昇温し、180℃から降温速度10℃/minで、25℃まで冷却し、再度、昇温速度10℃/minで180℃まで昇温して、第2回目の測定値のベースラインが変位する温度をガラス転移温度とした。
本発明の製造方法において、着色樹脂溶液調製工程で導入することができるワックスとしては、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス、フィーシャートロプシュワックスなどの炭化水素系ワックス類、合成エステルワックス類、カルナウバワックス、ライスワックスなどの天然エステル系ワックス類の中から選択されるワックスを挙げることができる。なかでも、カルナウバワックス、ライスワックスなどの天然系エステルワックス、多価アルコールと長鎖モノカルボン酸から得られる合成エステルワックス類、フィーシャートロプシュワックスなどの炭化水素系ワックス類が好適である。合成エステルワックスとしては、例えば、WEP−5、WEP−7(日本油脂製)が挙げられる。
本発明の方法では、トナーに要求される充分な量のワックスを含有させることができるが、トナー粒子中に1ないし40質量%を含有させることが好ましい。
また、着色樹脂溶液は帯電制御剤を混合して調製することができる。正帯電性帯電制御剤としては、ニグロシン化合物、第4級アンモニウム化合物、オニウム化合物、トリフェニルメタン系化合物などが使用できる。また、アミノ基、イミノ基、N−ヘテロ環などの塩基性基含有化合物、例えば3級アミノ基含有スチレンアクリル樹脂なども正帯電性帯電制御剤としてニグロシン化合物と併用できる。また、アゾ染料金属錯体やサリチル酸誘導体金属錯塩などの負帯電制御剤を少量併用することも可能である。負帯電性帯電制御剤としては、トリメチルエタン系染料、サリチル酸の金属錯塩、ベンジル酸の金属錯塩、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、金属錯塩アゾ系染料、アゾクロムコンプレックスなどの重金属含有酸性染料、カッリクスアレン型のフェノール系縮合物、環状ポリサッカライド、カルボキシル基及び/またはスルホニル基を含有する樹脂などが挙げられる。
帯電制御剤の含有量はトナー粒子中に0.01〜10質量%であることが好ましい。特に0.1〜6質量%であることが好ましい。
着色樹脂溶液調製工程において添加することができる着色剤の例を挙げると、黒色系着色剤としては、カーボンブラック、C.I.Pigment Black11などの鉄酸化物系顔料、C.I.Pigment Black12などの鉄−チタン複合酸化物系顔料、あるいは、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラックなどのカーボンブラックが挙げられる。
また、青系の着色剤としては、フタロシアニン系のC.I.Pigment Blue1,2,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,15,16,17:1,27,28,29,56,60,63などが挙げられる。これらのなかでも、C.I.Pigment Blue15:3,15,16,60が好ましく、C.I.Pigment Blue15:3,60がより好ましい。
また、黄色系の着色剤としては、例えば、C.I.Pigment Yellow1,3,4,5,6,12,13,14,15,16,17,18,24,55,65,73,74,81,83,87,93,9.4,95,97,98,100,101,104
,108,109,110,113,116,117,120,123,128,129,133,138,139,147,151,153,154,155,156,168
,169,170,171,172,173,180,185などが挙げられる。これらのなかでも、C.I.Pigment Yellow17,74,93,97,110,15.5,180が好ましく、C.I.Pigment Yellow74,93,97,180がより好ましく、C.I.PigmentYellow93,97,180が更に好ましい。
また、赤色系着色剤としては、C.I.Pigment Red1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,12,14,15,17,18,22,23,31,37,38,41,42,48:1,48:2,48:3,48:4,49:1,49:2,50:1,52:1,52:2,53:1,54,57:1,58:4,60:1,63:1,63:2,64:1,65,66,67,68,81,83,88,90,90:1,112311・4,115,122,123,133,144,146,147
149,150,151,166,168,170,171,172,174,175,176,177,178,179,184,185,187,188,189,190,193,194,202,208,209,214,216,220,221,224,242,243,243:1,245,246,247などが挙げられる。これらのなかでも、C.I.PigmentRed48:1,48:2,48:3,48:4,53:1,57:1,122,184及び209が好ましく、C.I.Pigment Red57:1,122,184及び209がより好ましい。
着色剤の含有量は、トナー粒子中に、1〜20質量%であることが好ましく、2〜18質量%であることがより好ましく、2〜15質量%であることが更に好ましい。これらの着色剤は1種または2種以上を組み合わせで使用することができる。
本発明の方法によって製造したトナー粒子は、シリカ、チタニア等の微粒子、あるいはそれらを疎水化処理等を行ったものを外添剤として添加して、流動性、帯電性などを調整することができる。
また、得られたトナー粒子は、一成分トナーとして用いることができるが、キャリアを混合することによって、二成分トナーとしても利用することができる。
樹脂、ワックスマスター、着色剤マスターの調製
トナーの製造に先立ち、架橋型ポリエステル樹脂(樹脂H1、H2)直鎖型ポリエステル樹脂(樹脂L1、樹脂L2)の合成を行い、さらに、合成された樹脂を用いて、ワックスマスター(WM−1)、着色剤マスター(着色剤マスターチップC、M、Y)の調製を行った。
樹脂H1(架橋型ポリエステル樹脂)の合成
50リットルの反応釜に、下記の組成の酸、アルコール成分、触媒等の原材料を入れて、常圧窒素気流下にて240℃で12時間反応を行った。その後、順次減圧し、10mmHgで反応を続行した。反応はASTM E28−517に基づいて軟化点により追跡し、該軟化点が160℃に達した時点で反応を終了した。
テレフタル酸 9.06質量部
イソフタル酸 3.9 質量部
エチレングリコール 2.54質量部
ネオペンチルグリコール 4.26質量部
テトラブチルチタネート 0.1 質量部
エピクロン830 0.3 質量部
(大日本インキ化学工業製ビスフェノールF型エポキシ樹脂エポキシ当量170(g/eq)
カージュラE 0.1 質量部
(シェルジャパン製アルキルグリシジルエステル)エポキシ当量250(g/eq)
得られた重合体は、無色の固体であり、酸価11.0、ガラス転移温度(Tg)65℃、軟化点(T1/2)が178℃であった。
また、重量平均分子量をGPC測定装置(東ソー製HLC−8120GPC)によって、分離カラムとして東ソー製TSK−GEL G5000HXL・G4000HXL・G3000HXL・G2000HXLを組み合わせて使用し、カラム温度:40℃、溶媒:テトラヒドロフラン、溶媒濃度0.5質量%、フィルター:0.2μm、流量:1ml/minにて測定し標準ポリスチレンを用いて換算して分子量を求めたところ、重量平均分子量は250000であった。
架橋型ポリエステル樹脂(樹脂H2)の合成
テレフタル酸 3.90質量部
イソフタル酸 9.06質量部
ネオペンチルグリコール 4.26質量部
エチレングリコール 2.54質量部
テトラブチルチタネート 0.10質量部
エピクロン830 0.30質量部
(大日本インキ化学工業(株)製ビスフェノールF型エポキシ樹脂 エポキシ当量170g/eq)
カージュラE 0.10質量部
(シェルジャパン製アルキルグリシジルエステル エポキシ当量250g/eq)
以上の原料をステンレス製50Lの反応釜に入れ、常圧窒素気流下にて240℃で12時間反応を行った。その後、順次減圧し、10mmHgで反応を続行した。反応は、ASTM・E28−517 に規定される軟化点により追跡し、該軟化点が160℃に達した時反応を修了した。得られた重合体は、無色の固体であり、DSC測定法によるガラス転移温度60℃、フローテスターによる軟化点(T1/2)が178℃であった。重量平均分子量は210000であった。
直鎖型ポリエステル樹脂(樹脂L1)の合成
テレフタル酸 5.31質量部
イソフタル酸 7.97質量部
ネオペンチルグリコール 4.37質量部
エチレングリコール 2.6 質量部
テトラブチルチタネート 0.1 質量部
以上の原料をステンレス製50Lの反応釜に入れ、常圧窒素気流下にて210℃で10時間反応後、順次減圧し、10mmHgで反応を続行した。反応は、ASTM・E28-517 に規定される軟化点により追跡し、該軟化点が82℃に達した時反応を修了した。得られた重合体は、無色の固体であり、DSC測定法によるガラス転移温度39℃、フローテスターによる軟化点(T1/2)が90℃であった。重量平均分子量は4000であった。
直鎖型ポリエステル樹脂(樹脂L2)の合成
テレフタル酸 7.97質量部
イソフタル酸 5.31質量部
エチレングリコール 2.86質量部
ネオペンチルグリコール 4.80質量部
テトラブチルチタネート 0.1 質量部
以上の原料をステンレス製50Lの反応釜に入れ、常圧窒素気流下にて200℃で透明な樹脂が得られるまで12時間反応を行った。その後、温度を210℃にして10mmHgで反応を続行した。反応は、ASTM・E28−517に規定される軟化点により追跡し、該軟化点が95℃に達した時反応を修了した。得られた重合体は、無色の固体であり、DSC測定法によるガラス転移温度55℃、フローテスターによる軟化点(T1/2)が107℃、重量平均分子量は7740であった。
ワックスマスター1(WM−1)の調製
高速乳化機T.K.ロボミックス(プライミクス社製、T.K.ホモミクサMARKII2.5型)付属の3リットル円筒容器に、水:1300重量部、乳化剤としてのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム:17.5重量部を添加して、温度を95℃に調整し、翼先端速度:16.7m/秒の撹拌下に、さらに、予め融解しておいたカルナウバワックス:700重量部を添加して、ワックスの乳化物を得た。冷却後、固形分の含有率が35wt%となるように、水を加え、第1のワックス分散液を得た。
次に、高速分散機(プライミクス社製 T.K.ロボミックスにT.K.ホモディスパー2.5型翼を装着)付属の3リットル円筒容器に、メチルエチルケトン:856重量部を仕込み、撹拌下に、直鎖状ポリエステル樹脂として樹脂L1:700重量部を徐々に添加して、樹脂L1が均一に溶解したことを確認した後、上記第1のワックス分散液:878.6重量部を添加して、予備混合液の調製を行った。次いで、該予備混合液をスターミル(アシザワファインテック社製、LMZ−10)で混合を行い、固形分含有量45wt%のワックスマスター1を得た。得られたワックスマスター1の組成は、重量比で、樹脂L1:ワックス:乳化剤:メチルエチルケトン:水=31.3:13.4:0.3:29.5:25.5であった。
着色剤マスターチップの調製
シアン顔料(大日本インキ化学工業製シアン顔料:Ket Blue111 C.I.Pigment B−15:3)を2000質量部と直鎖型ポリエステル樹脂2を2000質量部とを、ST/Ao撹拌羽根を取り付けた20リットル型ヘンシェルミキサー(三井鉱山製)へ投入し、698min-1で2分間撹拌し混合物を得た。該混合物を、オープンロール連続押し出し混練機(三井鉱山製ニーデックスMOS140−800)を用いて、溶融混練し着色剤マスターチップCを調製した。
また、シアン顔料を、マゼンタ顔料(クラリアントジャパン製マゼンタ顔料Permanent Rubine F6B:C.I.Pigment R−184)、イエロー顔料(クラリアントジャパン製イエロー顔料Toner Yellow HG:C.I.Pigment Y−180)に変えて、それぞれマゼンタマスターチップM、イエローマスターチップYを調製した。
また、得られた各色のマスターチップを樹脂L1及びメチルエチルケトンで希釈し、400倍の光学顕微鏡で着色剤の微分散状態、粗大粒子の有無を観察したところ、粗大粒子がなく、均一に微分散していた。各着色剤のマスターチップの組成は、それぞれ質量比でシアンマスターチップ:着色剤/樹脂L1=50/50、マゼンタ:着色剤/樹脂2=50/50、イエロー:着色剤/樹脂2=50/50であった。
実施例1
着色樹脂溶液MB−Cの調製
ステンレス容器にメチルエチルケトン8.6質量部を仕込み、撹拌機(アサダ鉄工所製 デスパー翼径230mm)の回転数500min-1で撹拌しながら樹脂H2の4.48質量部を加えた。その後、回転数を777min-1にし、着色剤マスターチップCを3.78質量部、樹脂L1を9.74質量部、ワックスマスター分散液WM−1を20.15質量部、及び、乳化剤としてのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム:0.1重量部を、この順序で、容器内に投入することにより、各成分の溶解・分散を行った。さらに、その後、固形分含有量が65質量%となるように、メチルエチルケトンを追加投入し、ミルベースMB−Cを得た。なお、撹拌時における材料温度は、30〜40℃に保持した。
転送乳化工程
翼径230mmの撹拌翼を有する撹拌機(アサダ鉄工所製 デスパー)を備えた円筒型の容器に着色樹脂溶液MB−Cの46.85質量部(固形分27質量部)を仕込み、次いで塩基性化合物として、1規定アンモニア水5質量部を加えて、777min-1にて充分に撹拌した後、温度を30℃に調整した。
次いで、撹拌速度を1100min-1に変更して35.77質量部の水を1.5質量部/minの速度で滴下した。この時の撹拌翼の周速は13.2m/sであった。水を添加して行くにつれ、系の粘度は上昇していったが、水は滴下と同時に系内に取り込まれ、撹拌混合を均一に行うことができた。
また、水26質量部を添加した段階で粘度が急激に低下する転相点が観察された。更に、水を添加した後、スラリーを光学顕微鏡で観察すると、樹脂は溶解しており、着色剤とワックスの微粒子が分散している状態が観察されたが、未乳化物は観察されなかった。着色剤、ワックスの微粒子は水性媒体中に安定に分散していることから、微粒子表面には樹脂が吸着しているものと考えられる。この時、系内の状態は均一であり、添加による粗大粒子の発生は見られなかった。
合一工程
翼径340mmのマックスブレンド翼(登録商標)付属の円筒容器に、上記乳化懸濁液を移送した後、撹拌速度を85min-1に保持したまま、温度を25℃に調整した。その後回転数を120min-1に調整し、3.5質量%の硫酸ナトリウム水溶液10.8質量部を、1質量部/minで滴下し、滴下終了5分後、回転数85min-1で5分間、65min-1で5分間撹拌し、47min-1で20分間撹拌を継続した。このときの撹拌翼の周速は0.47m/sであった。引き続き、回転数を120min-1に調整し、濃度5.0質量%の硫酸ナトリウム水溶液を1質量部/minで2.5質量部滴下し、滴下終了5分後、回転数85min-1で5分間、65min-1で5分間撹拌し、47min-1で撹拌を継続し、粒径4.5μmになったところで、85min-1にし30分間撹拌した。
シェル形成工程
シェル用乳化懸濁液調製
メチルエチルケトン7.33質量部、架橋型ポリエステル樹脂H1 6質量部を35〜40℃の範囲で翼径135mmのデスパー(アサダ鉄工所製)を使用して1200min-1で30分間混合、その後アニオン性乳化剤ネオゲンSC−F(第一工業製薬製)0.04質量部を添加し30分混合し溶解・分散液を得た。次いで1規定アンモニア水1.77質量部を加えて撹拌した後、温度を35℃に調整した。次いで、撹拌速度を1550min-1に変更して13.83質量部の水を0.6質量部/minで滴下して乳化液を作製した。この時の撹拌翼の周速は11m/sであった。水を添加していくにつれ、系の粘度は上昇していったが、水は滴下と同時に系内に取り込まれ撹拌混合は均一であった。水を10質量部添加した後、粘度の急激な低下する転相乳化が観測された。更に残りの水を所定量添加した後、乳化液を光学顕微鏡で観察すると、樹脂は溶解しており、未乳化物は観察されなかった。乳化懸濁液の水性媒体中のメチルエチルケトンの比率(以下、MEK比率とも称す)は31.95質量%であった。
シェル化工程
コア粒子調製工程より得られた着色樹脂微粒子分散液を翼径340mmのマックスブレンド翼(登録商標)付属の円筒容器にて、温度を25℃、回転数を120min-1に調整し、シェル粒子調製工程で得られたシェル用乳化懸濁液を5.2質量部を0.5質量部/minで滴下し、滴下終了2分後、回転数75min-1で10分間撹拌した。このシェル用乳化懸濁液滴下・撹拌を同様な方法で、さらに2回行い合計でシェル用乳化懸濁液を15.6質量部滴下した。その後、回転数を120min-1に調製し、5.0質量%の硫酸ナトリウム水溶液2質量部を、1質量部/minで滴下し、滴下終了5分後、回転数85min-1で5分間、65min-1で5分間撹拌し、47min-1で撹拌を継続し、粒径が5.8μmに成長した段階で希釈水を10質量部添加した。
得られたシェル化粒子の平均粒径Dvは、5.85μm、粒径分布Dv/Dnは1.12であった。
分離・洗浄工程
シェル化工程で生成した粒子の乳化懸濁液128.52質量部に、消泡剤(東レ・ダウコーニング・シリコーン製 BY22−517)を0.006質量部添加後、回収量が乳化懸濁液100質量部に対し19.5質量部となるまで減圧下、メチルエチルケトン及び水を留去した。
脱溶剤後のスラリーは、以下の方法によって洗浄を行った。
脱溶剤した着色樹脂微粒子をバスケット型遠心分離機ACE−100(タナベウェルテック製)を用い、遠心力600Gにて振り切った後に、固形分の6倍量の電導度1μS/cm、温度28℃の水をノズルから固形分に対して均一に噴射してリンス洗浄し、水が切れたら着色樹脂微粒子ケーキを掻き取った。なお、水が切れるまで30分を要した。
次いで、洗浄槽において、固形分の5倍の電導度1μS/cmの水に再分散し、撹拌翼径d=210mm、洗浄槽内径D=700mm、洗浄槽内径に対する撹拌翼径の比d/D=0.3、ディスパ翼先端速度8.2m/s、水温30℃で、分散後30分間撹拌した。その後、遠心分離機にて振り切り、更に、固形分の3倍量の水でリンス洗浄した。この操作を更に2回行い、最後のリスラリー後のリンス水は固形分の6倍でリンス洗浄した。再分散後の洗浄を合計3回行った。
洗浄後、バスケット型遠心分離器により着色剤樹脂粒子のウェットケーキを得た。このウェットケーキの含水率は35質量%であった。固形分75g、導電率1μS/cm水を入れ合計750gになるように1リットルのステンレス容器に仕込み、T.K.ホモミクサー(プライミクス製)にディスパ翼を装着して、液温30℃で30分間撹拌した分散液の導電率を導電率計(東亜ディーケーケー製HEC−100)にて測定した。導電率は38μS/cmであった。
その後、混合真空乾燥機により乾燥を行い、トナー母粒子とした。乾燥後の平均粒径Dv50は、4.9μm、粒径分布Dv/Dnは1.11であった。
また、この実施例で用いたコア粒子のガラス転移温度、重量平均分子量を測定したところ、43℃、45200であった。シェル用樹脂のガラス転移温度は65℃であった。
得られたトナー母粒子は、以下の評価方法によって評価し、評価結果を表1に示した。
表1において、d/Dは、洗浄槽の内径Dに対する撹拌翼径dの比である。
低温オフセット限界温度の測定
作製したトナー母粒子100質量部に対して、外添剤として、大粒径シリカ(日本アエロジル製RX50)1.0質量部、小粒径シリカ(日本アエロジル製RX200)1.0重量部、酸化チタン(チタン工業製 STT30S)0.5質量部を添加し、容量10リットルのヘンシェルミキサー(三井鉱山製)に投入し羽先端周速30m/sで2分間混合し、シアントナーとした。
作製したシアントナーをセイコーエプソン製LP9000Cのトナーカートリッジに充填し、印字を行った。記録媒体として、エプソン製カラーレーザープリンタ用コート紙A4にて、トナー付着量0.7mg/cm2 でベタ印字を行い、定着機の温度を変化させてオフセットの発生が始まる温度を測定し、オフセットが発生しない温度を低温オフセット限界温度として表1に示した。
揮発性有機化合物の含有量の測定
揮発性有機化合物(VOC)の含有量の測定はガスクロマトグラフィー(島津製作所製 GC−17A)によっておこなった。測定は、試料500mgを容量27mlのバイアルに秤量し、栓をする。次いで、バイアルを200℃で5分間加熱する。加熱したバイアルを取り出し、ヘッドスペース部からマイクロシリンジにて0.8mlの気体を吸引しガスクロマトグラフィーに注入し測定を行い、検出された有機化合物のトルエンに換算した体積百万分率を表1において総揮発性有機化合物量(TVOC値)とした。
ガスクロマトグラフィーの測定条件は、カラム:島津製作所製 CBP10-S50-050、カラム長50m、内径0.33mm、膜厚0.5μm、カラム入り口圧力:64kPa、スプリット比=1:40、気化室温度:250℃、検出器温度:270℃、検出器:FID、
温度プログラム:測定温度:50〜240℃、50℃で7min保持、3℃/minで昇温、240℃で15min保持した。
ガラス転移温度(Tg)の測定
ガラス転移温度(Tg)の測定は、示差走査熱量計(島津製作所製 DSC−60A)を用いて、アルミニウム製クリンプ容器に20mgの試料を入れて、昇温速度10℃/minで180℃まで昇温し、180℃から降温速度10℃/minで、25℃まで冷却し、再度、昇温速度10℃/minで180℃まで昇温して、第2回目の測定値のベースラインが変位する温度をガラス転移温度とした。
実施例2
コア用樹脂として樹脂L1と樹脂L2を70:30の質量比で配合したガラス転移温度Tg44℃、重量平均分子量5520の樹脂を用い、シェル用樹脂は樹脂H2(ガラス転移温度Tg60℃、重量平均分子量210000)を使用した以外は実施例1と同様にしてトナー母粒子を作製、評価を行い、その結果を表1に示す。
実施例3
コア用樹脂として樹脂L1(Tg39℃、重量平均分子量4000)を使用し、シェル用樹脂として樹脂H1(Tg65℃、重量平均分子量250000)を使用した以外は実施例1と同様にしてトナー母粒子を作製、評価を行い、その結果を表1に示す。
実施例4〜6
実施例1同様に着色樹脂微粒子を作製し、表1の条件にて洗浄を実施し、同様に評価を行った。その結果を表1に示す。
実施例7
着色剤として、着色剤マスターチップMを用いた点を除き、実施例1と同様に着色樹脂微粒子を作製し、表1の条件にて洗浄を行い、同様に評価を行った。その結果を表1に示す。
実施例8
着色剤として、着色剤マスターチップYを用いた点を除き、実施例1と同様に着色樹脂微粒子を作製し、表1の条件にて洗浄を行い、同様に評価を行った。その結果を表1に示す。
比較例1
実施例1において、コア用樹脂を樹脂L1に代えて、樹脂L1と樹脂L2を質量比で等量配合したガラス転移温度Tg47℃、重量平均分子量5870を使用した点を除き実施例1と同様にして樹脂粒子を形成した後に、洗浄工程において洗浄水として、導電率が2μS/cmである洗浄水を使用し、実施例1の第3回目の洗浄を行わずに合計2回の洗浄を行った点を除き、実施例1と同様にしてトナー母粒子を作製、評価を行い、その結果を表1に示す。
比較例2
コア用樹脂として樹脂L1と樹脂L2を、20:80の質量比で配合した、ガラス転移温度52℃、重量平均分子量6990の樹脂と、シェル用樹脂として樹脂H2:ガラス転移温度60℃、重量平均分子量210000を使用した以外は実施例1と同様にしてトナー母粒子を作製、評価を行い、その結果を表1に示す。
比較例3
実施例1と同様にして着色樹脂微粒子を作製し、表1に記載の様に導電率が大きな洗浄水を用いて洗浄を実施し、同様に評価を行った。その結果を表1に示す。
比較例4
実施例1と同様に着色樹脂微粒子を作製し、実施例1の第1回目の洗浄のみを行った点を除き、実施例1と同様にしてトナー母粒子を作製、評価を行い、その結果を表1に示す。
比較例5
実施例1と同様に着色樹脂微粒子を作製し、洗浄工程で使用した洗浄槽に設けた撹拌翼による翼先端速度を3.5m/sとした点を除き実施例1として点を除き同様に洗浄を行った点を除き、実施例1と同様にしてトナー母粒子を作製、評価を行い、その結果を表1に示す。
比較例6
実施例1と同様に着色樹脂微粒子を作製し、洗浄工程で使用した洗浄槽に設けた撹拌翼の径を実施例1の撹拌翼の径の1/3とすると共に、導電率が3μS/cmである洗浄水を使用して洗浄を行った点を除き、実施例1と同様にしてトナー母粒子を作製、評価を行い、その結果を表1に示す。
比較例7
実施例1において、コア用樹脂を樹脂L1に代えて、樹脂L1と樹脂L2を質量比で70:30の割合で配合したガラス転移温度45℃、重量平均分子量65800の樹脂を用い、シェル用樹脂は樹脂H1:ガラス転移温度65℃、重量平均分子量250000を使用した点を除き実施例1と同様にして着色樹脂微粒子を作製し、導電率が2μS/cmである洗浄水を使用して実施例1の第3回目の洗浄を行わずに合計2回の洗浄を行った点を除き、実施例1と同様にしてトナー母粒子を作製、評価を行い、その結果を表1に示す。
Figure 2008089670
以上の実施例、比較例から明らかなように、着色樹脂溶液の転相乳化によって生成した乳化懸濁液から得られたコア/シェル構造を有する粒子を、水性媒体中から分離した後に、洗浄水によって洗浄を行うことによって、洗浄後の粒子を水中に分散した分散液中の導電率を実施例1ないし8に記載のように20〜50μS/cmの範囲にした場合には、低温オフセット限界温度が127℃〜137℃となった。
これに対して、比較例1ないし7に記載のように、分散液の導電率が50μS/cmよりも大きな場合には、低温オフセット限界温度が高くなった。
このように、本発明の方法によって得られるトナーは、低温オフセット限界温度が低く、TVOCも小さいものであって、本発明のトナーは、低消費電力であると共に環境に対する負荷が小さな画像形成を実現できる。

Claims (6)

  1. 結着樹脂、ワックス、着色剤および有機溶剤を含む混合物を溶解あるいは分散した着色剤樹脂溶液を転相乳化して乳化懸濁液を調製した後に、コア/シェル構造を有する粒子を形成した後に、生成した粒子を水性媒体中から分離した後に洗浄を行った後に、粒子を水中に分散した分散液の導電率が20〜50μS/cmであることを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
  2. 結着樹脂、ワックス、着色剤および有機溶剤を含む混合物を溶解あるいは分散した着色剤樹脂溶液を転相乳化して乳化懸濁液を調製した後に、電解質水溶液を添加するとともに撹拌を行って該乳化懸濁液中の分散質を合一させて着色樹脂粒子を成長させた後に、該着色樹脂微粒子を含む分散液とシェル形成用樹脂の乳化懸濁液とを混合し、電解質水溶液を添加してシェル形成用樹脂によってコア/シェル構造を有する粒子を形成したことを特徴とする請求項1記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  3. シェル樹脂のガラス転移温度がコア樹脂のガラス転移温度よりも10℃以上高いことを特徴とする請求項1記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  4. 洗浄液が導電率5μS/cm以下の水であることを特徴とする請求項1または2記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  5. コア樹脂の重量平均分子量は50000以下、ガラス転移温度は、45℃以下であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  6. 洗浄工程において、洗浄槽の内径の0.15〜0.4倍の翼径の撹拌翼を用いて撹拌翼先端速度を4m/s以上で撹拌しながら洗浄液を加えてリスラリー化を行う工程を設けたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
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