JP2010191115A - トナーおよびトナーの製造方法、現像剤、現像装置ならびに画像形成装置 - Google Patents

トナーおよびトナーの製造方法、現像剤、現像装置ならびに画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】保存安定性の向上を目的としてコアよりもフローテスター軟化温度やガラス転移温度の高いシェルでコア表面を被覆したカプセル型のトナーであっても、定着時のコアの滲出が均一であるために良好な定着性を有するトナーおよびトナーの製造方法、現像剤、現像装置ならびに画像形成装置を提供する。
【解決手段】トナーは、少なくとも樹脂を含むコア部分と、コア部分に含まれる樹脂のガラス転移温度よりも高いガラス転移温度を有する樹脂を少なくとも含むシェル部分とを有する。トナーはコア部分の表面まで貫通した孔がシェル部分に複数形成されたカプセル型である。トナーはコア部分の露出率が10〜30%の範囲である。トナーは、コア部分の露出面の正射影円相当径がトナー粒径の5〜20%の範囲内にある。トナーは、コア部分の露出面の正射影円相当径の分布の変動係数CVが40%未満である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、トナーおよびトナーの製造方法、現像剤、現像装置ならびに画像形成装置に関する。
近年、環境保全の観点などから省エネやCO2削減への関心が高まっている。電子写真方式の画像形成装置においても例外ではなく、トナーの記録媒体への定着温度を従来よりも低温化することにより、画像形成装置の消費電力を削減することが望まれている。また、高速印刷に対応するために、定着時間の短縮と低温定着化が必要とされている。
トナーの低温定着化を実現するために、トナー構成成分の主成分である結着樹脂のフローテスター軟化温度やガラス転移温度を下げるなどの方法が提案されている。しかし前記方法では、結着樹脂の低温化を図ると同時にトナーの保存安定性が低下するため、高温下での静置状態や、カートリッジ内での高ストレス状態でトナー同士の融着が発生しやすくなる。
この問題を解決するためには、フローテスター軟化温度やガラス転移温度の低い結着樹脂を含むコアの保存安定性を維持する必要がある。そこで、フローテスター軟化温度やガラス転移温度の高いシェルでコアを被覆した、カプセル型のトナーが提案されている。カプセル型のトナーとすることによりトナーの保存安定性は向上するが、定着時にシェル部分が機械的にも熱的にも壊れにくいため、定着性は低下する。たとえば熱圧定着法を用いて定着する場合、シェル部分が溶融されにくく、熱的に壊れにくいので、低温定着化のためにフローテスター軟化温度やガラス転移温度の低い結着樹脂をコア部分に含有させているにも関わらず、カプセル化する前に比べて逆に定着温度が高くなるという問題が生じる。
特許文献1には、電子写真装置において、カプセル樹脂壁に複数の貫通孔が形成されているマイクロカプセルトナーを用いることにより、短時間の加熱および加圧で現像剤を十分に定着させ、電子写真装置の複写速度を印刷機の印刷速度なみに向上させる技術が開示されている。
特開2004−29522号公報
特許文献1に開示の技術によれば、マイクロカプセルトナーのカプセル樹脂壁に複数の貫通孔が存在するため、現像剤を定着する際の加熱および加圧により、カプセル樹脂壁が容易に破砕され、色材を含む内包物が放出され、支持体に素早く定着される。また、カプセル樹脂壁が破砕に至らない場合でも、加熱および加圧により貫通孔を通じて内包物が洩出される。この結果、短時間の加熱および加圧により、現像剤を良好に定着できるため、定着時間を短縮できる。しかしこの技術では、貫通孔の平均密度は規定されているものの、貫通孔径の均一性については考慮されていない。そのため、定着時の内包物の滲出が不均一になり、定着性が低下するおそれがある。
本発明の目的は、コアよりもフローテスター軟化温度やガラス転移温度の高いシェルでコア表面を被覆したカプセル型のトナーであって、定着時のコアの滲出が均一であり、かつ良好な定着性を有するトナーおよびトナーの製造方法、現像剤、現像装置ならびに画像形成装置を提供することである。
本発明は、少なくとも樹脂を含むコア部分と、コア部分に含まれる樹脂のガラス転移温度よりも高いガラス転移温度を有する樹脂を少なくとも含むシェル部分とを有し、コア部分の表面まで貫通した孔がシェル部分に複数形成されたカプセル型のトナーであって、コア部分の露出率が10〜30%の範囲であり、コア部分の露出面の正射影円相当径がトナー粒径の5〜20%の範囲内にあり、正射影円相当径の分布の変動係数CVが40%未満であることを特徴とするトナーである。
また本発明は、コア部分に含まれる樹脂のガラス転移温度と、シェル部分に含まれる樹脂のガラス転移温度との差が10℃以上20℃以下であることを特徴とする。
また本発明は、電子顕微鏡で観察したときのコア部分の露出面の形状係数SF1が130未満であることを特徴とする。
また本発明は、電子顕微鏡で観察したときのトナーの形状係数SF1が120より大きく140未満であることを特徴とする。
また本発明は、前記トナーの製造方法であって、パラフィン樹脂粒子を混合したシェル材料を用いてコア部分の表面にシェル部分を形成した後に、パラフィン樹脂粒子のみが可溶な疎水性溶媒にてパラフィン樹脂粒子を溶出除去し、コア部分の表面まで貫通した孔をシェル部分に複数形成する工程を含むことを特徴とするトナーの製造方法である。
また本発明は、前記トナーを含むことを特徴とする現像剤である。
また本発明は、前記トナーとキャリアとから成る2成分現像剤であることを特徴とする。
また本発明は、前記現像剤を用いて、像担持体に形成される潜像を現像してトナー像を形成することを特徴とする現像装置である。
また本発明は、潜像が形成される像担持体と、像担持体に潜像を形成する潜像形成手段と、前記現像装置とを備えることを特徴とする画像形成装置である。
本発明によれば、トナーは少なくとも樹脂を含むコア部分と、コア部分に含まれる樹脂のガラス転移温度よりも高いガラス転移温度を有する樹脂を少なくとも含むシェル部分とを有する。トナーはコア部分の表面まで貫通した孔がシェル部分に複数形成されたカプセル型であり、コア部分の露出率が10〜30%の範囲である。
コア部分の露出率が10%未満だと、コア部分よりも軟化温度が高いシェル部分が充分に軟化してからでないとコア部分が外側に滲出しにくい。そのためトナーの記録媒体への定着時に必要な温度が高くなり、低温定着化に不利となる。また露出率が30%を超えると、露出面同士が接触してブロッキングを起こしやすくなる。
またトナーは、コア部分の露出面の正射影円相当径がトナー粒径の5〜20%の範囲内にある。コア部分の露出面は適度な大きさを有することが望ましい。露出面の正射影円相当径がトナー粒径の5%未満だと、相当径が小さいためコアの粘度が充分に低下するまで加熱しないとコアが滲出しない。そのためコア部分の露出面がない状態と同じになる。また20%を超えると、相当径が大きいためコア部分の露出面が大きくなり、保存安定性に悪影響を及ぼす。
トナーは、コア部分の露出面の正射影円相当径の分布の変動係数CVが40%未満である。コア部分の露出面の相当径は均一であることが望ましく、露出面の正射影円相当径の分布が40%以上だと、前述のような、トナーの定着性や保存安定性への悪影響が大きくなる。
また本発明によれば、トナーは、コア部分に含まれる樹脂のガラス転移温度と、シェル部分に含まれる樹脂のガラス転移温度との差が10℃以上20℃以下である。コア部分とシェル部分とのガラス転移温度差が10℃未満だと、カプセルトナーに期待される保存安定性を確保できない。また、差が20℃を超えると、低温定着性に不利となる。
また本発明によれば、トナーは、電子顕微鏡で観察したときのコア部分の露出面の形状係数SF1が130未満である。コア部分の露出面の形状係数SF1が130以上だと、露出面の形状が歪なため、同面積の孔に比べ、粘度の高い溶け始めのコア部分が染み出しにくく、低温定着化が実現できない。
また本発明によれば、トナーは、電子顕微鏡で観察したときのトナーの形状係数SF1が120より大きく140未満である。トナーの形状係数SF1が140以上だと粒子形状が歪なため、トナー粒子同士が接触するときの接触面積が狭く、局所的に力が加わる。そのため、多孔性のトナーは強度的に不利となる。またトナーの転写効率も低下する。一方、形状係数SF1が120以下だと、トナーの形状が丸くなるためクリーニング不良を引き起こす。
また本発明によれば、トナーの製造方法は、パラフィン樹脂粒子を混合したシェル材料を用いてコア部分の表面にシェル部分を形成した後に、パラフィン樹脂粒子のみが可溶な疎水性溶媒にてパラフィン樹脂粒子を溶出除去し、コア部分の表面まで貫通した孔をシェル部分に複数形成する工程を含む。この方法は、シェル部分に貫通孔を形成する際、貫通孔の孔径、深度、ばらつきの程度などを制御しやすい。
また本発明によれば、現像剤は前記トナーを含むので、トナーのシェル層に適度な貫通孔が形成されているため、保存安定性が良く、低温定着性にも優れている。その結果、安定した画像を得ることができる。
また本発明によれば、2成分現像剤は前記トナーとキャリアとから成るので、低温定着性と保存安定性が両立できる。また、高画質の画像が得られ、かつ、省エネ・高速型の画像形成装置に対応できる現像剤を得ることができる。
また本発明によれば、現像装置は前記の現像剤を用いて像担持体に形成される潜像を現像してトナー像を形成する。低温定着性と保存安定性が両立する現像剤を用いた現像装置は、画像形成装置の省エネ化・高速化に大きく貢献することができる。
また本発明によれば、画像形成装置は潜像が形成される像担持体と、像担持体に潜像を形成する潜像形成手段と、前記の現像装置とを備える。低温定着性と保存安定性が両立する現像剤を用いた潜像形成手段と現像装置を備える画像形成装置は、省エネ・高速印刷に対応できる。
本発明の実施形態のトナーの製造方法の手順の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施形態であるトナーの製造に用いるトナーの製造装置201の構成を示す正面図である。 図2に示すトナーの製造装置201を切断面線A200−A200からみた概略断面図である。 粉体投入部206および粉体回収部207まわりの構成を示す正面図である。 本発明の実施形態である画像形成装置100の構成を示す図である。 図5に示す画像形成装置100に備わる現像部14を模式的に示す概略図である。
1、トナーの製造方法
図1は、本発明の実施形態に係るトナーの製造方法の手順の一例を示すフローチャートである。本発明のトナーの製造方法は、トナー母粒子を作製するトナー母粒子作製工程S1と、樹脂微粒子を調製する樹脂微粒子調製工程S2と、トナー母粒子に樹脂微粒子を被覆する被覆工程S3とを含む。
(1)トナー母粒子作製工程S1
トナー母粒子作製工程S1では、樹脂層によって被覆されるべきコア部分となるトナー母粒子を作製する。トナー母粒子は、結着樹脂および着色剤を含む粒子であり、その作製方法は特に限定されることなく、公知の方法によって行うことができる。トナー母粒子の作製方法としては、たとえば、粉砕法などの乾式法、懸濁重合法、乳化凝集法、分散重合法、溶解懸濁法、溶融乳化法などの湿式法が挙げられる。以下、粉砕法によってトナー母粒子を作製する方法を説明する。
(粉砕法によるトナー母粒子作製)
粉砕法によるトナー母粒子の作製では、結着樹脂、着色剤およびその他の添加剤を含むトナー組成物を、混合機で乾式混合した後、混練機によって溶融混練する。溶融混練によって得られる混練物を冷却固化し、固化物を粉砕機によって粉砕する。その後必要に応じて分級などの粒度調整を行い、トナー母粒子を得る。
混合機としては公知のものを使用でき、たとえば、ヘンシェルミキサ(商品名、三井鉱山株式会社製)、スーパーミキサ(商品名、株式会社カワタ製)、メカノミル(商品名、岡田精工株式会社製)などのヘンシェルタイプの混合装置、オングミル(商品名、ホソカワミクロン株式会社製)、ハイブリダイゼーションシステム(商品名、株式会社奈良機械製作所製)、コスモシステム(商品名、川崎重工業株式会社製)などが挙げられる。
混練機としても公知のものを使用でき、たとえば、二軸押出し機、三本ロール、ラボブラストミルなどの一般的な混練機を使用できる。さらに具体的には、たとえば、TEM−100B(商品名、東芝機械株式会社製)、PCM−65/87、PCM−30(以上いずれも商品名、株式会社池貝製)などの1軸または2軸のエクストルーダ、ニーデックス(商品名、三井鉱山株式会社製)などのオープンロール方式の混練機が挙げられる。これらの中でも、オープンロール方式の混練機が好ましい。
粉砕機としては、たとえば、超音速ジェット気流を利用して粉砕するジェット式粉砕機、および高速で回転する回転子(ロータ)と固定子(ライナ)との間に形成される空間に固化物を導入して粉砕する衝撃式粉砕機が挙げられる。
分級には、遠心力および風力による分級により過粉砕トナー母粒子を除去できる公知の分級機を使用でき、たとえば、旋回式風力分級機(ロータリー式風力分級機)などを使用できる。
(トナー母粒子原料)
前述のように、トナー母粒子は、結着樹脂と着色剤とを含む。結着樹脂としては、特に限定されることなく、黒トナーまたはカラートナー用の公知の結着樹脂を使用でき、たとえば、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸エステル共重合樹脂などのスチレン系樹脂、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂などが挙げられる。また原料モノマー混合物に離型剤を混合し、重合反応により得られる樹脂を用いてもよい。結着樹脂は1種を単独で使用でき、または2種以上を併用できる。
上述の結着樹脂の中でも、ポリエステルは、透明性に優れ、トナー粒子に良好な粉体流動性、低温定着性および二次色再現性などを付与できるため、カラートナー用の結着樹脂に好適である。ポリエステルとしては公知のものを使用でき、たとえば多塩基酸と多価アルコールとの重縮合物などが挙げられる。
多塩基酸としては、ポリエステル用モノマーとして知られるものを使用でき、たとえば、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、無水トリメリト酸、ピロメリト酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族カルボン酸類、無水マレイン酸、フマル酸、琥珀酸、アルケニル無水琥珀酸、アジピン酸などの脂肪族カルボン酸類、これら多塩基酸のメチルエステル化物などが挙げられる。多塩基酸は1種を単独で使用でき、または2種以上を併用できる。
多価アルコールとしても、ポリエステル用モノマーとして知られるものを使用でき、たとえば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリンなどの脂肪族多価アルコール類、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールAなどの脂環式多価アルコール類、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などの芳香族系ジオール類などが挙げられる。多価アルコールは1種を単独で使用でき、または2種以上を併用できる。
多塩基酸と多価アルコールとの重縮合反応は常法に従って実施でき、たとえば、有機溶媒の存在下または非存在下および重縮合触媒の存在下で、多塩基酸と多価アルコールとを接触させて行い、生成するポリエステルの酸価、軟化温度などが所定の値になったところで終了する。これによりポリエステルが得られる。
多塩基酸の一部に、多塩基酸のメチルエステル化物を用いると、脱メタノール重縮合反応が起こる。この重縮合反応において、多塩基酸と多価アルコールとの配合比、反応率などを適宜変更することで、たとえば、ポリエステルの末端のカルボキシル基含有量を調整でき、ひいては得られるポリエステルの特性を変えることができる。また多塩基酸として無水トリメリト酸を用いると、ポリエステルの主鎖中にカルボキシル基を容易に導入でき、変性ポリエステルが得られる。ポリエステルの主鎖および/または側鎖にカルボキシル基、スルホン酸基などの親水性基を結合させ、水中で自己分散性ポリエステルを得ることもできる。またポリエステルとアクリル樹脂とをグラフト化して用いてもよい。
結着樹脂は、ガラス転移点が30℃以上80℃以下であることが好ましい。結着樹脂のガラス転移点が30℃未満であると、画像形成装置内部においてトナーが熱凝集するブロッキングを発生しやすくなり、保存安定性が低下するおそれがある。結着樹脂のガラス転移点が80℃を超えると、記録媒体へのトナーの定着性が低下し、定着不良が発生するおそれがある。
着色剤としては、電子写真分野で常用される有機系染料、有機系顔料、無機系染料、無機系顔料などを使用できる。
黒色の着色剤としては、たとえば、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭、非磁性フェライト、磁性フェライトおよびマグネタイトなどが挙げられる。
黄色の着色剤としては、たとえば、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185などが挙げられる。
橙色の着色剤としては、たとえば、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジGK、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43などが挙げられる。
赤色の着色剤としては、たとえば、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドC、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222などが挙げられる。
紫色の着色剤としては、たとえば、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキなどが挙げられる。
青色の着色剤としては、たとえば、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBC、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60などが挙げられる。
緑色の着色剤としては、たとえば、クロムグリーン、酸化クロム、ピクメントグリーンB、マイカライトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG、C.I.ピグメントグリーン7などが挙げられる。
白色の着色剤としては、たとえば、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛などの化合物が挙げられる。
着色剤は1種を単独で使用でき、または2種以上の異なる色を併用できる。また同色であっても、2種以上を併用できる。着色剤の使用量は特に制限されないが、好ましくは結着樹脂100重量部に対して5重量部以上20重量部以下、さらに好ましくは5重量部以上10重量部以下である。
着色剤は、結着樹脂中に均一に分散させるために、マスターバッチ化して用いてもよい。また2種以上の着色剤を複合粒子化して用いてもよい。複合粒子は、たとえば、2種以上の着色剤に適量の水、低級アルコールなどを添加し、ハイスピードミルなどの一般的な造粒機で造粒し、乾燥させることで製造できる。マスターバッチおよび複合粒子は、乾式混合の際にトナー組成物に混入される。
トナー母粒子には、結着樹脂および着色剤の他に電荷制御剤が含まれてもよい。電荷制御剤としては、この分野で常用される正電荷制御用および負電荷制御用の電荷制御剤を使用できる。
正電荷制御用の電荷制御剤としては、たとえば、ニグロシン染料、塩基性染料、四級アンモニウム塩、四級ホスホニウム塩、アミノピリン、ピリミジン化合物、多核ポリアミノ化合物、アミノシラン、ニグロシン染料およびその誘導体、トリフェニルメタン誘導体、グアニジン塩、アミジン塩などが挙げられる。
負電荷制御用の電荷制御剤としては、オイルブラック、スピロンブラックなどの油溶性染料、含金属アゾ化合物、アゾ錯体染料、ナフテン酸金属塩、サリチル酸およびその誘導体の金属錯体および金属塩(金属はクロム、亜鉛、ジルコニウムなど)、ホウ素化合物、脂肪酸石鹸、長鎖アルキルカルボン酸塩、樹脂酸石鹸などが挙げられる。
電荷制御剤は1種を単独で使用でき、または必要に応じて2種以上を併用できる。電荷制御剤の使用量は特に制限されず広い範囲から適宜選択できるが、好ましくは、結着樹脂100重量部に対して0.5重量部以上3重量部以下である。
また、トナー母粒子には、結着樹脂および着色剤の他に離型剤が含まれてもよい。離型剤としてはこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、パラフィンワックスおよびその誘導体、マイクロクリスタリンワックスおよびその誘導体などの石油系ワックス、フィッシャートロプシュワックスおよびその誘導体、ポリオレフィンワックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなど)およびその誘導体、低分子量ポリプロピリンワックスおよびその誘導体、ポリオレフィン系重合体ワックス(低分子量ポリエチレンワックスなど)およびその誘導体などの炭化水素系合成ワックス、カルナバワックスおよびその誘導体、ライスワックスおよびその誘導体、キャンデリラワックスおよびその誘導体、木蝋などの植物系ワックス、蜜蝋、鯨蝋などの動物系ワックス、脂肪酸アミド、フェノール脂肪酸エステルなどの油脂系合成ワックス、長鎖カルボン酸およびその誘導体、長鎖アルコールおよびその誘導体、シリコン系重合体、高級脂肪酸などが挙げられる。誘導体には、酸化物、ビニル系モノマーとワックスとのブロック共重合物、ビニル系モノマーとワックスとのグラフト変性物などが含まれる。ワックスの使用量は特に制限されず広い範囲から適宜選択できるが、好ましくは結着樹脂100重量部に対して0.2重量部〜20重量部、さらに好ましくは0.5重量部〜10重量部、特に好ましくは1.0重量部〜8.0重量部である。
トナー母粒子作製工程S1において得られるトナー母粒子は、体積平均粒径が4μm以上8μm以下であることが好ましい。体積平均粒径が4μm以上8μm以下だと、長期にわたり高精細な画像を安定して形成できる。また粒子をこの範囲内に小粒径化することにより、付着量が少なくても高い画像濃度が得られ、トナー消費量を削減できる効果も生じる。トナー母粒子の体積平均粒径が4μm未満であると、トナー母粒子の粒径が小さいため、高帯電化および低流動化するおそれがある。トナーが高帯電化、低流動化すると、感光体にトナーを安定して供給できなくなり、地肌かぶりおよび画像濃度の低下などが発生するおそれがある。トナー母粒子の体積平均粒径が8μmを超えると、トナー母粒子の粒径が大きいため形成画像の層厚が大きくなり、粒状性の著しい画像となり、高精細な画像を得られない。またトナー母粒子の粒径が大きくなることにより比表面積が減少し、トナーの帯電量が小さくなる。トナーの帯電量が小さくなると、トナーが感光体に安定して供給されず、トナー飛散による機内汚染が発生するおそれがある。
(2)樹脂微粒子調製工程S2
樹脂微粒子調製工程S2では、乾燥した樹脂微粒子を調製する。乾燥にはどのような方法を用いてもよく、たとえば熱風受熱式乾燥、伝導伝熱式乾燥、遠赤外線乾燥、マイクロ波乾燥などの方法で乾燥樹脂微粒子を得られる。樹脂微粒子は、後の被覆工程S3において、トナー母粒子を膜化するシェル剤として用いられる。トナー母粒子表面を膜化することにより、たとえばトナー母粒子に含まれる離型剤などの低融点成分の溶融による、保存中のトナー凝集の発生を防止できる。また、たとえば樹脂微粒子を分散させた液体を噴霧してトナー母粒子を被覆した場合、樹脂微粒子の形状がトナー母粒子表面に残るので、表面が平滑なトナーに比べクリーニング性に優れるトナーを得られる。
樹脂微粒子は、たとえば、樹脂微粒子原料である樹脂をホモジナイザーなどで乳化分散させ細粒化することにより得られる。また樹脂のモノマー成分の重合によっても得られる。
樹脂微粒子原料としては、たとえば、トナー材料に用いられる樹脂を用いることができ、ポリエステル、アクリル樹脂、スチレン樹脂、スチレン−アクリル共重合体などが挙げられる。樹脂微粒子としては、上記例示した樹脂の中でも、アクリル樹脂、スチレン−アクリル共重合体を含むことが好ましい。アクリル樹脂、スチレン−アクリル共重合体は、軽量で高い強度を有し、さらに透明性も高く、安価で、粒子径の揃った材料を得やすいなど多くの利点を有する。
樹脂微粒子原料としては、トナー母粒子に含まれる結着樹脂と同じ種類の樹脂であってもよく、異なる種類の樹脂であってもよいが、トナーの表面改質を行う点において、異なる種類の樹脂が用いられることが好ましい。樹脂微粒子原料として異なる種類の樹脂が用いられる場合、樹脂微粒子原料の樹脂のガラス転移温度が、トナー母粒子に含まれる結着樹脂のガラス転移温度よりも高いことが好ましい。これによって、本発明の方法で製造されたトナーは、保存中にトナー同士が融着することを防止でき、保存安定性が向上する。また樹脂微粒子原料として用いられる樹脂のガラス転移温度は、トナーが使用される画像形成装置にもよるが、80℃以上140℃以下であることが好ましい。このような温度範囲の樹脂を用いることにより、保存安定性と定着性とを兼ね備えたトナーが得られる。
樹脂微粒子の体積平均粒径は、トナー母粒子の平均粒径よりも充分に小さい必要があり、0.05μm以上1μm以下であることが好ましい。また、0.1μm以上0.5μm以下であることがさらに好ましい。樹脂微粒子の体積平均粒径が0.05μm以上1μm以下であることにより、トナー母粒子表面に好適な大きさの突起部が形成される。このことにより本発明の方法で製造されるトナーは、クリーニング時にクリーニングブレードに引っ掛かり易くなり、クリーニング性が向上する。
(2)−1 孔あけ用ワックス微粒子の調製工程
まず、粒度分布の揃ったワックス微粒子を調製する。
ワックス微粒子は、公知の調製方法により調製することができ、たとえば、ポリエチレンワックスなどの離型剤と界面活性剤とイオン交換水とを混合、攪拌し、ワックス分散液を得て、次にワックス分散液を洗浄・乾燥してワックス微粒子を得る。
前述のシェル剤用樹脂微粒子と、調製したワックス微粒子とを混合し、後述の被覆工程において、コア粒子の表面を被覆した後、溶媒によりワックスを取り除くことで、シェル部分に所望の大きさの貫通孔を設けることができる。
ワックス微粒子の粒径は、トナー粒径の5〜20%の範囲となるように調製し、樹脂微粒子との混合比としては、重量比で1:9〜3:7の範囲内が望ましい。樹脂微粒子との混合時に、ワックス微粒子添加量を調節することにより、コア粒子の被覆率を変えることができる。また、ワックス微粒子調製時の攪拌速度を変えることで、ワックス微粒子の粒径を変えて、コア部分の露出面の孔径を調節でき、あるいはワックス微粒子の分散状態を変えて、孔径の分布を調節できる。また、ワックス微粒子調製時に界面活性剤の添加量を調節することによっても、ワックス微粒子の粒径を変えることができる。
上記の比率で樹脂微粒子とワックス微粒子とをビーチブレンダーなどで混合し、微粒子混合物を調製しておく。
(3)被覆工程S3
<トナーの製造装置>
被覆工程S3では、たとえば図2に示すトナーの製造装置201を用い、トナー母粒子作製工程S1で作製したトナー母粒子に樹脂微粒子調製工程S2で調製した微粒子混合物を付着させ、前記装置内での循環と撹拌の相乗効果による衝撃力でトナー母粒子に樹脂膜を形成する。図2は、本発明の実施形態であるトナーの製造に用いるトナーの製造装置201の構成を示す正面図である。トナーの製造装置201は回転撹拌装置であり、粉体流路202と、噴霧手段203と、回転撹拌手段204と、図示しない温度調整用ジャケットと、粉体投入部206と、粉体回収部207とを含んで構成される。回転撹拌手段204と、粉体流路202とは循環手段を構成する。図3は、図2に示すトナーの製造装置201を切断面線A200−A200からみた概略断面図である。
(粉体流路)
粉体流路202は、撹拌部208と、粉体流過部209とから構成される。撹拌部208は、内部空間を有する円筒形状の容器状部材である。回転撹拌室である撹拌部208には、開口部210、211が形成される。開口部210は、撹拌部208の回転軸方向片側の面208aにおける略中央部において、撹拌部208の面208aを含む側壁を厚み方向に貫通するよう形成される。また、開口部211は、撹拌部208の前記軸方向片側の面208aに垂直な側面208bにおいて、撹拌部208の側面208bを含む側壁を厚み方向に貫通するよう形成される。循環管である粉体流過部209は、一端が開口部210と接続され、他端が開口部211と接続される。これによって撹拌部208の内部空間と粉体流過部209の内部空間とが連通され、粉体流路202が形成される。この粉体流路202を、トナー母粒子、樹脂微粒子および気体が流過する。粉体流路202は、トナー母粒子および樹脂微粒子が流動する方向である粉体流動方向が一定となるよう設けられる。
粉体流路202内の温度は、トナー母粒子のガラス転移温度以下に設定され、30℃以上であることがさらに好ましい。粉体流路202内の温度は、トナー母粒子の流動により、どの部分においてもほぼ均一となる。流路内の温度がトナー母粒子のガラス転移温度を超えると、トナー母粒子が軟化し過ぎ、トナー母粒子の凝集が発生するおそれがある。また温度が30℃未満であると、分散液の乾燥速度が遅くなり生産性が低下する。したがってトナー母粒子の凝集を防止するために、粉体流路202および後述の回転撹拌手段204の温度をトナー母粒子のガラス転移温度以下に維持する必要がある。そのため、内径が粉体流路管の外径よりも大きい、後述の温度調整用ジャケットを粉体流路202および回転撹拌手段204の外側の少なくとも一部に配設する。
(回転撹拌手段)
回転撹拌手段204は、回転軸部材218と、円盤状の回転盤219と、複数の撹拌羽根220とを含む。回転軸部材218は、撹拌部208の軸線に一致する軸線を有しかつ撹拌部208の軸線方向片側の面208cに、面208cを含む側壁を厚み方向に貫通するよう形成される貫通孔221に挿通されるよう設けられ、図示しないモータによって軸線回りに回転する円柱棒状部材である。回転盤219は、その軸線が回転軸部材218の軸線に一致するように回転軸部材218に支持され、回転軸部材218の回転に伴い回転する円盤状部材である。複数の撹拌羽根220は、回転盤219の周縁部分によって支持され、回転盤219の回転に伴って回転する。
後述の被覆工程S3において、回転撹拌手段204の最外周の周速度は、30m/sec以上に設定するのが好ましく、50m/sec以上に設定するのがさらに好ましい。回転撹拌手段204の最外周とは、回転撹拌手段204の回転軸部材218が延びる方向に垂直な方向において、回転軸部材218の軸線との距離がもっとも長い回転撹拌手段204の部分4aである。回転時の回転撹拌手段204の最外周における周速が30m/sec以上に設定することにより、トナー母粒子を孤立流動させることができる。最外周における周速度が30m/sec未満であると、トナー母粒子および樹脂微粒子を孤立流動させることができないため、トナー母粒子を樹脂膜で均一に被覆できなくなる。
トナー母粒子および樹脂微粒子は、回転盤219に対して垂直に回転盤219と衝突することが好ましい。これにより、トナー母粒子および樹脂微粒子を充分に撹拌し、トナー母粒子を樹脂微粒子でより均一に被覆でき、被覆層の均一なトナーの収率をより向上させることができる。
(噴霧手段)
噴霧手段203は、粉体流路202の外壁に形成される開口に挿通されて設けられ、粉体流過部209において、トナー母粒子および樹脂微粒子の流動方向における開口部211に最も近い側の粉体流過部に設けられる。噴霧手段203は、液体を貯留する液体貯留部と、キャリアガスを供給するキャリアガス供給部と、液体とキャリアガスとを混合し得られる混合物を粉体流路202内に存在するトナー母粒子に向けて噴射し、液体の液滴をトナー母粒子に噴霧する二流体ノズルとを備える。キャリアガスとしては、圧縮エアなどを用いることができる。二流体ノズルは、液管と空気管の一部が連結し中心がずれない構造を持ち、前記液体を一定速度で噴霧し粉体流路内で一定濃度に保つ。前記循環手段と温度調整手段との相乗効果で樹脂微粒子を可塑化し均質な膜質と粒度のトナーを得ることが出来る。さらに、ノズルの液および圧縮エアの噴出域にトナー母粒子および樹脂微粒子の付着防止用の凸型キャップを配置することにより、この効果が向上して高い収率で製造することが出来る。
(温度調整用ジャケット)
温度調整手段である図示しない温度調整用ジャケットは、粉体流路202の外側の少なくとも一部に設けられ、ジャケット内部の空間に冷却媒または加温媒を通して粉体流路202内と回転撹拌手段204を所定の温度に調整する。これにより後述の噴霧工程S3cおよび膜化工程S3dにおいては、トナー母粒子、樹脂微粒子および液体にかかる温度のばらつきが少なくなり、トナー母粒子および樹脂微粒子の安定な流動状態を保つことが可能となる。本実施形態において、温度調整用ジャケットは、粉体流路202の外側全体に設けられることが好ましい。
トナー母粒子および樹脂微粒子は通常粉体流路内の内壁に何度も衝突するが、衝突の際衝突エネルギーの一部が熱エネルギーに変換され、トナー母粒子および樹脂微粒子に蓄積される。衝突回数の増加とともに、それらの粒子に蓄積される熱エネルギーが増加し、やがてトナー母粒子および樹脂微粒子は軟化して粉体流路の内壁に付着する。温度調整用ジャケットを粉体流路202の外側全体に設けることにより、トナー母粒子および樹脂微粒子の粉体流路内壁への付着力が低下し、装置内温度の急上昇による粉体流路202内壁に対するトナー母粒子の付着を確実に防止でき、トナー母粒子および樹脂微粒子によって粉体流路内が狭くなることを回避できる。したがって、トナー母粒子が樹脂微粒子で均一に被覆され、クリーニング性に優れるトナーを高い収率で製造できる。
また、噴霧手段203より下流の粉体流過部209内部では、噴霧された液体が乾燥せず残存状態にあり、温度が適正でないと乾燥速度が遅くなり液体が滞留しやすい。これにトナー母粒子が接触すると、粉体流路202内壁にトナー母粒子が付着しやすくなり、トナーの凝集発生源となる。開口部210付近の内壁では、撹拌部208に流入するトナー母粒子と、回転撹拌手段204による撹拌で撹拌部208内を流動するトナー母粒子とが衝突し、衝突したトナー母粒子が開口部210付近に付着しやすい。したがってこのようなトナー母粒子が付着しやすい部分に温度調整用ジャケットを設けることにより、粉体流路202内壁に対するトナー母粒子の付着をより確実に防止できる。
(粉体投入部および粉体回収部)
粉体流路202の粉体流過部209には、粉体投入部206と、粉体回収部207とが接続される。図4は、粉体投入部206および粉体回収部207まわりの構成を示す正面図である。
粉体投入部206は、トナー母粒子および樹脂微粒子を供給する図示しないホッパと、ホッパと粉体流路202とを連通する供給管212と、供給管212に設けられる電磁弁213とを備える。ホッパから供給されるトナー母粒子および樹脂微粒子は、電磁弁213によって供給管212内の流路が開放されている状態において、供給管212を介して粉体流路202に供給される。粉体流路202に供給されるトナー母粒子および樹脂微粒子は、回転撹拌手段204による撹拌によって、一定の粉体流動方向に流過する。また電磁弁213によって供給管212内の流路が閉鎖されている状態においては、トナー母粒子および樹脂微粒子が粉体流路202に供給されない。
粉体回収部207は、回収タンク215と、回収タンク215と粉体流路202とを連通する回収管216と、回収管216に設けられる電磁弁217とを備える。電磁弁217によって回収管216内の流路が開放されている状態において、粉体流路202を流過するトナー粒子は回収管216を介して回収タンク215に回収される。また電磁弁217によって回収管216内の流路が閉鎖されている状態においては、粉体流路202を流過するトナー粒子は回収されない。
上述のようなトナーの製造装置201を用いる被覆工程S3は、温度調整工程S3aと、樹脂微粒子付着工程S3bと、噴霧工程S3cと、膜化工程S3dと、回収工程S3eと、孔あけ工程S3fとを含む。
(3)−1 温度調整工程S3a
温度調整工程S3aでは、回転撹拌手段204を回転させながら、粉体流路202内および回転撹拌手段204をこれらの外側に配設した温度調整用ジャケットに媒体を通じて所定の温度に調整する。これにより粉体流路202内の温度を、後述する樹脂微粒子付着工程で投入されるトナー母粒子および樹脂微粒子が軟化変形しない温度以下に制御できる。
(3)−2 樹脂微粒子付着工程S3b
樹脂微粒子付着工程S3bでは、回転撹拌手段204の回転軸部材218が回転している状態で、粉体投入部206からトナー母粒子および樹脂微粒子とワックス微粒子を含む前述の微粒子混合物とを粉体流路202に供給する。粉体流路202に供給されたトナー母粒子および微粒子混合物は、回転撹拌手段204によって撹拌され、粉体流路202の粉体流過部209を矢符214方向に流動する。これにより、微粒子混合物がトナー母粒子表面に付着する。
(3)−3 噴霧工程S3c
噴霧工程S3cでは、流動状態にあるトナー母粒子および樹脂微粒子に、それらの粒子を溶解せずに可塑化する効果のある液体を、前述の噴霧手段203からキャリアガスによって噴霧する。
噴霧された液体は、粉体流路202内が一定のガス濃度になるようにガス化され、ガス化した液体は貫通孔221を通って粉体流路外へ排出されることが好ましい。これにより、粉体流路202内のガス化した液体の濃度を一定に保ち、濃度が一定に保たれていない場合より液体の乾燥速度を上げることができる。よって未乾燥の液体が残存するトナー粒子が他のトナー粒子に付着することを防止し、トナー粒子の凝集をさらに抑制できる。したがって、被覆層が均一なトナーの収率をより向上できる。
ガス排出部222において濃度センサにより測定されるガス化された液体の濃度は、3%以下程度であることが好ましい。濃度が3%以下程度であると、液体の乾燥速度を充分に大きくでき、液体が残存する未乾燥のトナー母粒子が他のトナー母粒子に付着することを防止し、トナー母粒子の凝集を防止できる。またガス化された液体の濃度は、0.1%以上3.0%以下であることがさらに好ましい。噴霧速度がこのような範囲内であると、生産性を低下させることなく、トナー母粒子の凝集を防止できる。
液体は、送液ポンプによって一定流量で噴霧手段203に送られ、噴霧手段203により噴霧された液体はガス化し、トナー母粒子および樹脂微粒子表面にガス化した液体が展延する。これによりトナー母粒子および樹脂微粒子が可塑化する。
本実施形態では、粉体流路202においてトナー母粒子表面および微粒子混合物の流動速度が安定してから、噴霧を開始することが好ましい。これにより、トナー母粒子および微粒子混合物に液体を均一に噴霧でき、被覆層が均一なトナーの収率を向上させることができる。
トナー母粒子および樹脂微粒子を溶解せずに可塑化させる効果のある液体としては、特に限定されないが、液体の噴霧後にトナー母粒子および樹脂微粒子から除去される必要があるので、蒸発し易い液体であることが好ましい。このような液体としては、低級アルコールを含む液体が挙げられる。低級アルコールとしては、たとえば、メタノール、エタノール、プロパノールなどが挙げられる。液体がこのような低級アルコールを含むと、被覆材料である樹脂微粒子のトナー母粒子に対する濡れ性を高めることができ、トナー母粒子の表面全面または大部分に樹脂微粒子を付着させ、さらに変形および膜化させることが容易となる。また低級アルコールは蒸気圧が大きいので、液体を除去する際の乾燥時間をより短縮でき、トナー母粒子同士の凝集を抑制できる。
また噴霧される液体の粘度は、5cP以下であることが好ましい。液体の粘度は、25℃において測定され、たとえば、コーンプレート型回転式粘度計により測定できる。粘度が5cP以下の液体で好ましいものとしてアルコールが挙げられる。アルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコールなどが挙げられる。これらのアルコールは粘度が小さく、また蒸発しやすいので、液体がアルコールを含むことにより、噴霧手段203から噴霧される液体の噴霧液滴径が粗大化することなく、微細な液滴径の液体の噴霧が可能となる。また均一な液滴径の液体の噴霧が可能となる。トナー母粒子と液滴との衝突時には、さらに液滴の微細化を促進できる。これにより、トナー母粒子および樹脂微粒子表面を均一に濡らし、馴染ませて、衝突エネルギーとの相乗効果で樹脂微粒子を軟化し、均一性に優れた被覆トナーを得られる。
噴霧手段203の二流体ノズルの軸線方向である液体噴霧方向と、粉体流路202においてトナー母粒子および樹脂微粒子の流動方向である粉体流動方向との成す角度θは、0°以上45°以下であることが好ましい。θがこのような範囲内であると、液体の液滴が粉体流路202内壁で反跳することが防止され、樹脂膜で被覆されたトナー母粒子の収率をさらに向上させることができる。角度θが45°を超えると、液体の液滴が粉体流路202内壁で反跳し、液体が滞留しやすくなり、トナー粒子の凝集が発生して収率が悪化する。
また噴霧手段203によって噴霧した液体の拡がり角度φは、20°以上90°以下であることが好ましい。拡がり角度φがこの範囲から外れると、トナー母粒子に対する液体の均一な噴霧が困難となるおそれがある。
(3)−4 膜化工程
ステップS3dの膜化工程では、トナー母粒子に付着した微粒子混合物が軟化し膜化するまで、所定の温度で回転撹拌手段204の撹拌を続けトナー母粒子および微粒子混合物を流動させ、シェル部分となる被覆層を形成する。
(3)−5 回収工程S3e
回収工程S3eでは、噴霧手段203からの液体の噴霧と回転撹拌手段204の回転を停止し、粉体回収部207から樹脂層被覆トナーを装置外に排出し回収する。
(3)−6 孔あけ工程S3f
孔あけ工程S3fでは、被覆層中の孔あけ用ワックス微粒子を取り除きトナーを完成させる。コアやシェル剤を溶解しない疎水性の強い溶剤でカプセル化トナーを洗浄し、表層ワックス成分のみを溶かし出す。トナー粒子から溶媒を取り除くことで、シェル層からコア層を貫通する複数の均一な孔を形成できる。
たとえば、カプセル化トナーを、溶剤であるn−ヘキサン中に投入し、マグネチックスターラーで攪拌後、ろ紙でトナーを濾し取り乾燥させる。
このようなトナーの製造装置201としては、上記の構成に限定されることなく、種々の変更が可能である。
たとえば、温度調整用ジャケットは粉体流過部209と撹拌部208との外側の全面に設けられてもよく、粉体流過部209または撹拌部208の外側の一部に設けられてもよい。粉体流過部209と撹拌部208との外側の全面に温度調整用ジャケットが設けた場合、トナー母粒子の粉体流路202内壁への付着を一層確実に防止することができる。
上述のようなトナーの製造装置は、市販の撹拌装置と噴霧手段とを組合せて構成することもできる。粉体流路および回転撹拌手段を備える市販の撹拌装置としては、たとえば、ハイブリダイゼーションシステム(商品名、株式会社奈良機械製作所製)などが挙げられる。このような撹拌装置内に液体噴霧ユニットを取付けることによって、この撹拌装置を本発明のトナーの製造方法に用いるトナーの製造装置として用いることができる。
2、トナー
本発明の実施形態であるトナーは、上記の実施形態であるトナーの製造方法で製造される。実施形態のトナーの製造方法によって得られるトナーは、樹脂微粒子の被覆量が均一であるため、個々のトナー粒子間における帯電特性などのトナー特性が均一となる。したがってこのようなトナーを画像形成に用いると、高精細で、濃度むらのない、画質の良好な画像が得られる。
本発明のトナーには、外添剤が添加されてもよい。外添剤としては公知のものを使用でき、たとえば、シリカ、酸化チタンなどが挙げられる。またこれらは、シリコン樹脂、シランカップリング剤などによって表面処理されていることが好ましい。外添剤の使用量は、トナー100重量部に対して1〜10重量部であることが好ましい。
3、現像剤
本発明の実施形態である現像剤は、上記の実施形態であるトナーを含む。これにより、トナー特性が均一である現像剤とすることができるので、良好な現像性を維持可能な現像剤が得られる。本実施形態の現像剤は、1成分現像剤としても2成分現像剤としても使用できる。
1成分現像剤として使用する場合、キャリアを用いることなくトナー単体で使用する。また、ブレードおよびファーブラシを用い、現像スリーブで摩擦帯電させスリーブ上にトナーを付着させることでトナーを搬送し、画像形成を行う。
2成分現像剤として使用する場合、上記の実施形態のトナーをキャリアとともに用いる。
キャリアとしては、公知のものを使用でき、たとえば、鉄、銅、亜鉛、ニッケル、コバルト、マンガン、クロムなどからなる単独または複合フェライトおよびキャリアコア粒子を被覆物質で表面被覆した樹脂被覆キャリア、または樹脂に磁性を有する粒子を分散させた樹脂分散型キャリアなどが挙げられる。
被覆物質としては公知のものを使用でき、たとえば、ポリテトラフルオロエチレン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフッ化ビニリデン、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂、ジターシャーリーブチルサリチル酸の金属化合物、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ニグロシン、アミノアクリレート樹脂、塩基性染料、塩基性染料のレーキ物、シリカ微粉末、アルミナ微粉末などが挙げられる。また樹脂分散型キャリアに用いられる樹脂としては特に制限されないが、たとえば、スチレンアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、およびフェノール樹脂などが挙げられる。いずれも、トナー成分に応じて選択するのが好ましく、1種を単独で使用でき、または2種以上を併用できる。
キャリアの形状は、球形または扁平形状が好ましい。またキャリアの粒径は特に制限されないが、高画質化を考慮すると、好ましくは10〜100μm、さらに好ましくは20〜50μmである。さらにキャリアの抵抗率は、好ましくは10Ω・cm以上、さらに好ましくは1012Ω・cm以上である。
キャリアの体積抵抗率は、キャリア粒子を断面積0.50cmの容器に入れてタッピングした後、容器内に詰められた粒子に1kg/cmの荷重を掛け、荷重と底面電極との間に1000V/cmの電界が生ずる電圧を印加したときの電流値から得られる値である。抵抗率が低いと、現像スリーブにバイアス電圧を印加した場合にキャリアが帯電し、感光体にキャリア粒子が付着し易くなる。またバイアス電圧のブレークダウンが起こり易くなる。
キャリアの磁化強さ(最大磁化)は、好ましくは10〜60emu/g、さらに好ましくは15〜40emu/gである。一般的な現像ローラの磁束密度条件下では、10emu/g未満であると磁気的な束縛力が働かず、キャリア飛散の原因となるおそれがある。また磁化強さが60emu/gを超えると、非接触現像ではキャリアの穂立ちが高くなり過ぎ、像担持体とトナーの非接触状態を保つことが困難になる。また接触現像ではトナー像に掃き目が現れ易くなるおそれがある。
2成分現像剤におけるトナーとキャリアとの混合割合は特に制限されず、トナーおよびキャリアの種類に応じて適宜選択できる。たとえば、樹脂被覆キャリア(密度5〜8g/cm2)と混合する場合、トナーが全現像剤量の2〜30重量%、好ましくは2〜20重量%含まれるようにすればよい。また、トナーによるキャリアの被覆率は、40〜80%であることが好ましい。
4、画像形成装置
図5は、本発明の実施形態である画像形成装置100の構成を示す。画像形成装置100は、複写機能、プリンタ機能およびファクシミリ機能を併せ持つ複合機であり、伝達される画像情報に応じて、記録媒体にフルカラーまたはモノクロの画像を形成する。すなわち、画像形成装置100は、コピアモード(複写モード)、プリンタモードおよびFAXモードという3種の印刷モードを有しており、図示しない操作部からの操作入力、パーソナルコンピュータ、携帯端末装置、情報記録記憶媒体またはメモリ装置を用いた外部機器からの印刷ジョブの受信などに応じ、図示しない制御部により、印刷モードが選択される。
画像形成装置100は、像担持体である感光体ドラム11と、画像形成部2と、転写手段3と、定着手段4と、記録媒体供給手段5と、排出手段6とを含む。画像形成部2を構成する各部材および転写手段3に含まれる一部の部材は、カラー画像情報に含まれるブラック(b)、シアン(c)、マゼンタ(m)およびイエロー(y)の各色の画像情報に対応するために、それぞれ4つずつ設けられる。ここでは、各色に応じて4つずつ設けられる各部材は、各色を表すアルファベットを参照符号の末尾に付して区別し、総称する場合は参照符号のみで表す。
感光体ドラム11は、図示しない回転駆動手段によって、軸線回りに回転可能となるよう設けられ、その表面に静電潜像が形成されるローラ状部材である。感光体ドラム11の回転駆動手段は、中央処理装置(Central Processing Unit;CPU)による制御手段で制御される。感光体ドラム11は、図示しない導電性基体と、導電性基体の表面に形成される図示しない感光層とを含む。
導電性基体は種々の形状をとることができ、たとえば、円筒状、円柱状、薄膜シート状などが挙げられる。これらの中でも円筒状が好ましい。導電性基体は導電性材料によって形成される。
導電性材料としては、この分野で常用されるものを使用でき、たとえば、アルミニウム、銅、真鍮、亜鉛、ニッケル、ステンレス鋼、クロム、モリブデン、バナジウム、インジウム、チタン、金、白金などの金属、これらの2種以上の合金、合成樹脂フィルム、金属フィルムまたは紙などのフィルム状基体にアルミニウム、アルミニウム合金、酸化錫、金および酸化インジウムなどの1種または2種以上から成る導電性層を形成させた導電性フィルム、導電性粒子および/または導電性ポリマーを含有する樹脂組成物などが挙げられる。導電性フィルムに用いられるフィルム状基体としては、合成樹脂フィルムが好ましく、ポリエステルフィルムが特に好ましい。また、導電性フィルムにおける導電性層の形成方法としては、蒸着、塗布などが好ましい。
感光層は、たとえば、導電性基体の表面に電荷発生層に電荷輸送層を積層して形成する。その際、導電性基体と電荷発生層または電荷輸送層との間に下引き層を設けるのが好ましい。下引き層は導電性基体の表面に存在する傷および凹凸を被覆し、感光層表面を平滑化する。これにより、反復使用時における感光層の帯電性の劣化が防止でき、低温および/または低湿環境下における感光層の帯電特性が向上する。 また感光層は、最上層に感光体表面保護層を設け、耐久性の大きい三層構造をとっても良い。
電荷発生層は、光照射により電荷を発生する電荷発生物質を主成分とし、公知の結着樹脂、可塑剤、増感剤などを含有する。電荷発生物質としては、この分野で常用されるものを使用でき、たとえば、ペリレンイミド、ペリレン酸無水物などのペリレン系顔料、キナクリドン、アントラキノンなどの多環キノン系顔料、金属および無金属フタロシアニン、ハロゲン化無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、スクエアリウム色素、アズレニウム色素、チアピリリウム色素、カルバゾール骨格、スチリルスチルベン骨格、トリフェニルアミン骨格、ジベンゾチオフェン骨格、オキサジアゾール骨格、フルオレノン骨格、ビススチルベン骨格、ジスチリルオキサジアゾール骨格またはジスチリルカルバゾール骨格などを有するアゾ顔料などが挙げられる。これらの中でもフタロシアニン系顔料、アゾ顔料が好ましく、フタロシアニン系顔料の中でも無金属フタロシアニン顔料、オキソチタニルフタロシアニン顔料が好ましく、アゾ顔料の中でもフローレン環および/またはフルオレノン環を含有するビスアゾ顔料、芳香族アミンからなるビスアゾ顔料、トリスアゾ顔料などが好ましい。これらは高い電荷発生能を有し、高感度の感光層を得るのに適する。電荷発生物質は1種を単独で使用でき、または2種以上を併用できる。
電荷発生物質の含有量は特に制限はないが、電荷発生層中の結着樹脂100重量部に対し、好ましくは5重量部以上500重量部以下、さらに好ましくは10重量部以上200重量部以下である。電荷発生層用の結着樹脂としては、この分野で常用されるものを使用でき、たとえば、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリウレタン、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリカーボネート、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアリレート、ポリアミド、ポリエステルなどが挙げられる。結着樹脂は1種を単独で使用でき、または2種以上を併用できる。
電荷発生層は、前述した成分(電荷発生物質、結着樹脂、必要に応じて可塑剤、増感剤など)を含む電荷発生層塗液を調製し、これを導電性基体表面に塗布し、乾燥させることで形成できる。電荷発生層塗液を調製する際、各成分は適切な有機溶媒に溶解または分散する。
このようにして形成される電荷発生層の膜厚は特に制限されないが、好ましくは0.05μm以上5μm以下、さらに好ましくは0.1μm以上2.5μm以下である。
電荷発生層の上に積層される電荷輸送層は、電荷輸送物質および結着樹脂を主成分とし、必要に応じて公知の酸化防止剤、可塑剤、増感剤、潤滑剤などを含有する。電荷輸送物質は、電荷発生物質から発生する電荷を受け入れて輸送する能力を有するもので、この分野で常用されるものを使用できる。たとえば、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメートおよびその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒ縮合物およびその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリル)アントラセン、1,1−ビス(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、ピラゾリン誘導体、フェニルヒドラゾン類、ヒドラゾン誘導体、トリフェニルアミン系化合物、テトラフェニルジアミン系化合物、トリフェニルメタン系化合物、スチルベン系化合物、3−メチル−2−ベンゾチアゾリン環を有するアジン化合物などの電子供与性物質、フルオレノン誘導体、ジベンゾチオフェン誘導体、インデノチオフェン誘導体、フェナンスレンキノン誘導体、インデノピリジン誘導体、チオキサントン誘導体、ベンゾ[c]シンノリン誘導体、フェナジンオキサイド誘導体、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、プロマニル、クロラニル、ベンゾキノンなどの電子受容性物質などが挙げられる。
電荷輸送物質は1種を単独で使用でき、または2種以上を併用できる。電荷輸送物質の含有量は特に制限されないが、好ましくは電荷輸送層中の結着樹脂100重量部に対して10重量部以上300重量部以下、さらに好ましくは30重量部以上150重量部以下である。
電荷輸送層用の結着樹脂としては、この分野で常用されかつ電荷輸送物質を均一に分散できるものを使用でき、たとえば、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリビニルブチラール、ポリアミド、ポリエステル、ポリケトン、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリスルホン樹脂、これらの共重合樹脂などが挙げられる。これらの中でも、成膜性、形成される電荷輸送層の耐摩耗性、電気特性などを考慮すると、ビスフェノールZをモノマー成分として含有するポリカーボネート(以後「ビスフェノールZ型ポリカーボネート」と称す)、ビスフェノールZ型ポリカーボネートと他のポリカーボネートとの混合物などが好ましい。結着樹脂は1種を単独で使用でき、または2種以上を併用できる。
電荷輸送層には、電荷輸送物質、結着樹脂と共に、酸化防止剤が含まれるのが好ましい。酸化防止剤としては、この分野で常用されるものを使用でき、たとえば、ビタミンE、ハイドロキノン、ヒンダードアミン、ヒンダードフェノール、パラフェニレンジアミン、アリールアルカンおよびそれらの誘導体、有機硫黄化合物、有機燐化合物などが挙げられる。酸化防止剤は1種を単独で使用でき、または2種以上を併用できる。酸化防止剤の含有量は特に制限されないが、電荷輸送層全成分の0.01重量%以上10重量%以下、好ましくは0.05重量%以上5重量%以下である。
電荷輸送層は、前述した成分(電荷輸送物質、結着樹脂、必要に応じて酸化剤、可塑剤、増感剤など)を含む電荷輸送層塗液を調製し、これを電荷発生層表面に塗布し、乾燥させることで形成できる。電荷輸送層塗液を調製する際、各成分は適切な有機溶媒に溶解または分散する。
このようにして形成される電荷輸送層の膜厚は特に制限されないが、好ましくは10μm以上50μm以下、さらに好ましくは15μm以上40μm以下である。
また、1つの層に電荷発生物質と電荷輸送物質とが共存する感光層を形成することもできる。その場合、電荷発生物質および電荷輸送物質の種類、含有量、結着樹脂の種類、その他の添加剤などは、電荷発生層および電荷輸送層を別々に形成する場合と同様でよい。
本実施の形態では、前述したような、電荷発生物質および電荷輸送物質を成分とする有機感光層から成る感光体ドラムを用いるが、シリコンなどを成分とする無機感光層から成る感光体ドラムも使用できる。
画像形成部2は、帯電装置12と、露光ユニット13と、現像部14と、クリーニングユニット15とを含む。帯電装置12および露光ユニット13は、潜像形成手段として機能する。帯電装置12、現像部14およびクリーニングユニット15は、感光体ドラム11まわりに、この順序で配置される。帯電装置12は、現像部14およびクリーニングユニット15よりも鉛直方向下方に配置される。
画像形成部2によって、帯電装置12により均一な帯電状態にある感光体ドラム11の表面に、露光ユニット13から画像情報に応じた光を照射して静電潜像を形成し、これに現像部14からトナーを供給することでトナー像を形成させる。このトナー像を中間転写ベルト25に転写後、感光体ドラム11表面に残留するトナーをクリーニングユニット15で除去する。この一連のトナー像形成動作が繰り返し実行される。
帯電装置12は、感光体ドラム11表面を所定の極性および電位に帯電させる装置である。帯電装置12には、帯電ブラシ型帯電器、チャージャー型帯電器、鋸歯型帯電器、イオン発生装置などを使用できる。本実施の形態では、帯電装置12は感光体ドラム11を臨み、ドラムの長手方向に沿ってドラム表面から間隙を有して配置されるが、それに限定されない。たとえば、帯電装置12として帯電ローラを用い、帯電ローラと感光体ドラムとが圧接するように帯電ローラを配置しても良く、帯電ブラシ、磁気ブラシなどの接触帯電方式の帯電器を用いてもよい。
露光ユニット13は、出射される各色の光が、帯電装置12と現像部14との間を通過して感光体ドラム11の表面に照射されるように配置される。露光ユニット13には、たとえば、レーザ照射部および複数の反射ミラーを備えるレーザスキャニングユニットを使用できる。他にもLEDアレイ、または液晶シャッタと光源とを適宜組み合わせたユニットを用いてもよい。
図6は、図5に示す画像形成装置100に備わる現像部14を模式的に示す概略図である。現像部14は、現像槽20とトナーホッパ21とを含む。
現像槽20は感光体ドラム11表面を臨むように配置され、ドラム表面に形成される静電潜像にトナーを供給する容器状部材である。現像槽20は、その内部空間にトナーを収容し、かつ現像ローラ50、供給ローラ51、撹拌ローラ52などのローラ部材を収容し回転自在に支持する。また、ローラ状部材の代わりにスクリュー部材を収容してもよい。本実施形態の現像部14は、トナーとして、前述の実施の一形態のトナーを現像槽20に収容する。
現像槽20の感光体ドラム11を臨む側面には開口部53が形成され、この開口部53を介して感光体ドラム11に対向する位置に現像ローラ50が設けられる。現像ローラ50は、感光体ドラム11との圧接部または最近接部において感光体表面の静電潜像にトナーを供給するローラ状部材である。トナー供給の際、現像ローラ50表面にトナーの帯電電位とは逆極性の電位が現像バイアス電圧(以下、単に「現像バイアス」とする)として印加される。これによって、ローラ表面のトナーが静電潜像に円滑に供給される。さらに、現像バイアス値を変更することにより、静電潜像に供給されるトナー量、すなわち静電潜像のトナー付着量を制御できる。
供給ローラ51は現像ローラ50を臨んで回転駆動可能に設けられるローラ状部材であり、現像ローラ50周辺にトナーを供給する。撹拌ローラ52は供給ローラ51を臨んで回転可能となるよう設けられるローラ状部材であり、トナーホッパ21から現像槽20内に新たに供給されるトナーを供給ローラ51周辺に送給する。トナーホッパ21は、その鉛直方向下部に設けられるトナー補給口54と、現像槽20の鉛直方向上部に設けられるトナー受入口55とが連通するよう設けられ、現像槽20のトナー消費状況に応じトナーを補給する。また現像部14は、トナーホッパ21を用いず、各色トナーカートリッジから直接トナーを補給するよう構成してもよい。
以上のように、現像部14では、本発明の現像剤を用いて潜像を現像するので、感光体ドラム11上に高精細なトナー像を安定して形成でき、これにより高画質の画像を安定して形成できる。
クリーニングユニット15は、現像部14により感光体ドラム11表面に形成されたトナー像を記録媒体に転写後に、ドラム表面に残留するトナーを除去し、感光体ドラム11の表面を清浄化する。クリーニングユニット15には、たとえば、クリーニングブレードなどの板状部材が用いられる。本実施形態の画像形成装置においては、感光体ドラム11として、有機感光体が用いられる。有機感光体ドラムの表面は樹脂成分が主体であるため、帯電装置のコロナ放電によって発生するオゾンが化学的に作用し、表面の劣化が進行しやすい。しかし、劣化した表面部分はクリーニングユニット15による擦過作用のため摩耗し、徐々にではあるが確実に除去される。したがって、オゾンなどによる表面劣化の問題が解消され、長期間にわたって、帯電電位を安定に維持できる。本実施の形態ではクリーニングユニット15を設けるが、クリーニングユニット15は特に設けなくてもよい。
転写手段3は、感光体ドラム11の上方に配置され、中間転写ベルト25と、駆動ローラ26と、従動ローラ27と、ブラック、シアン、マゼンタおよびイエローの各色の画像情報にそれぞれ対応する4つの中間転写ローラ28(b,c,m,y)と、転写ベルトクリーニングユニット29、転写ローラ30とを含む。
転写手段3によって、感光体ドラム11と中間転写ローラ28との圧接部において感光体ドラム11から中間転写ベルト25に転写されるトナー像が、転写ニップ部に搬送され、記録媒体に転写される。
中間転写ベルト25は、駆動ローラ26と従動ローラ27とに張架され、ループ状の移動経路を形成する無端ベルト状部材であり、矢符Bの方向に回転する。駆動ローラ26は図示しない駆動手段により、その軸線回りに回転可能となるよう設けられ、その回転によって、中間転写ベルト25を矢符B方向へ回転させる。従動ローラ27は駆動ローラ26の回転に従動回転可能となるよう設けられ、中間転写ベルト25が弛まないように一定の張力を付与する。中間転写ローラ28は、中間転写ベルト25を介して感光体ドラム11に圧接し、かつ図示しない駆動手段によってその軸線回りに回転可能となるよう設けられる。また、中間転写ローラ28には、前述のように転写バイアスを印加する図示しない電源が接続され、感光体ドラム11表面のトナー像を中間転写ベルト25に転写する。
中間転写ベルト25が、接触しながら感光体ドラム11を通過する際、中間転写ローラ28から、ドラム表面のトナーの帯電極性とは逆極性の電位が転写バイアスとして印加され、トナー像が感光体ドラム11表面から中間転写ベルト25上へ転写される。転写されたトナー像は、中間転写ベルト25の矢符B方向への回転によって転写ニップ部に搬送され、そこで記録媒体に転写される。フルカラー画像の場合、各感光体ドラム11で形成される各色のトナー画像が、中間転写ベルト25に順次重ねて転写されることによって、フルカラートナー像が形成される。
転写ベルトクリーニングユニット29は、中間転写ベルト25を介して従動ローラ27に対向し、中間転写ベルト25の外周面に接触するように設けられる。感光体ドラム11との接触によって中間転写ベルト25に付着するトナーは、記録媒体を汚染する原因となるので、転写ベルトクリーニングユニット29が中間転写ベルト25表面のトナーを除去し回収する。
転写ローラ30は、中間転写ベルト25を介して駆動ローラ26に圧接し、図示しない駆動手段によって軸線回りに回転駆動可能に設けられる。転写ローラ30と駆動ローラ26との圧接部、すなわち転写ニップ部において、中間転写ベルト25に担持され、搬送されるトナー像が、後述する記録媒体供給手段5から送給される記録媒体に転写される。トナー像を転写された記録媒体は、定着手段4に送給される。
定着手段4は、転写手段3よりも記録媒体の搬送方向下流側に設けられ、定着ローラ31と加圧ローラ32とを含む。
定着手段4によって、転写手段3においてトナー像の転写された記録媒体が、定着ローラ31と加圧ローラ32とに挟持され定着ニップ部を通過する際、トナー像が加熱、押圧されることにより記録媒体に定着され、画像が形成される。
定着ローラ31は図示しない駆動手段によって回転可能となるよう設けられ、トナーを加熱し溶融することにより、記録媒体に担持される未定着トナー像を定着させる。
定着ローラ31の内部には図示しない加熱手段が設けられており、ローラ表面が所定の温度(以後「加熱温度」ともいう)となるよう定着ローラ31を加熱する。加熱手段には、たとえば、ヒータ、ハロゲンランプなどを使用できる。加熱手段は、後述する定着条件制御手段によって制御される。
定着ローラ31表面近傍には図示しない温度検知センサが設けられ、ローラの表面温度を検知する。温度検知センサによる検知結果は、後述する制御手段の記憶部に書き込まれる。
加圧ローラ32は定着ローラ31に圧接するように設けられ、定着ローラ31の回転に従動回転可能となるよう支持される。定着ローラ31からの熱によってトナーが溶融しトナー像が記録媒体に定着する際、加圧ローラ32はトナーと記録媒体とを押圧し、トナー像の記録媒体への定着を補助する。定着ローラ31と加圧ローラ32との圧接部が定着ニップ部である。
記録媒体供給手段5は、自動給紙トレイ35と、ピックアップローラ36と、搬送ローラ37と、レジストローラ38、手差給紙トレイ39を含む。記録媒体供給手段5によって、自動給紙トレイ35または手差給紙トレイ39から1枚ずつ供給される記録媒体を、中間転写ベルト25に担持されるトナー像が転写ニップ部に搬送されるのに同期して、転写ニップ部に送給する。
自動給紙トレイ35は画像形成装置100の鉛直方向下部に設けられ、記録媒体を貯留する容器状部材である。記録媒体には、たとえば普通紙、カラーコピー用紙、オーバーヘッドプロジェクタ用シート、葉書などがある。ピックアップローラ36は、自動給紙トレイ35に貯留される記録媒体を1枚ずつ取り出し、用紙搬送路に送給する。搬送ローラ37は互いに圧接するように設けられる一対のローラ部材であり、記録媒体をレジストローラ38に向けて搬送する。レジストローラ38は互いに圧接するように設けられる一対のローラ部材であり、中間転写ベルト25に担持されるトナー像が転写ニップ部に搬送されるのに同期して、搬送ローラ37から送給される記録媒体を、転写ニップ部に送給する。手差給紙トレイ39は、手動動作によって記録媒体を画像形成装置100内に取り込む装置であり、手差給紙トレイ39から取り込まれる記録媒体は、搬送ローラ37によって用紙搬送路S2内を通過しレジストローラ38に送給される。
排出手段6は、搬送ローラ37と、排出ローラ40と、排出トレイ41とを含む。搬送ローラ37は、用紙搬送方向において定着ニップ部よりも下流側に設けられ、定着手段4によって画像が定着された記録媒体を排出ローラ40に向けて搬送する。排出ローラ40は、画像が定着された記録媒体を、画像形成装置100の鉛直方向上面に設けられる排出トレイ41に排出する。排出トレイ41は、画像が定着された記録媒体を貯留する。
画像形成装置100は、図示しない制御手段を含む。制御手段は、たとえば、画像形成装置100の内部空間における上部に設けられ、記憶部と演算部と制御部とを含む。
記憶部には、画像形成装置100の上面に配置される図示しない操作パネルを介する各種設定値、画像形成装置100内部の各所に配置される図示しないセンサなどからの検知結果、および外部機器からの画像情報などが入力される。また、各種手段を実行するプログラムが書き込まれる。各種手段とは、たとえば、記録媒体判定手段、付着量制御手段、定着条件制御手段などである。記憶部には、この分野で常用されるものを使用でき、たとえば、リードオンリィメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)およびハードディスクドライブ(HDD)などが挙げられる。外部機器には、画像情報の形成または取得が可能で、かつ画像形成装置100に電気的に接続可能な電気・電子機器を使用でき、たとえば、コンピュータ、デジタルカメラ、テレビ、ビデオレコーダ、DVDレコーダ、HD DVD、ブルーレイディスクレコーダ、ファクシミリ装置、携帯端末装置などが挙げられる。
演算部は、記憶部に書き込まれる各種データ(画像形成命令、検知結果、画像情報など)および各種手段のプログラムを取り出し、各種判定を行う。
制御部は、演算部の判定結果に応じて該当装置に制御信号を送付し、動作制御を行う。制御部および演算部は中央処理装置(CPU、Central Processing Unit)を備えるマイクロコンピュータ、マイクロプロセッサなどによって実現される処理回路を含む。制御手段は、前述の処理回路とともに主電源を含み、電源は制御手段だけでなく、画像形成装置100内部における各装置にも電力を供給する。
以下に実施例および比較例を挙げ、本発明を具体的に説明する。以下において、「部」および「%」は特に断らない限りそれぞれ「重量部」および「重量%」を意味する。実施例および比較例における結着樹脂およびトナー母粒子のガラス転移温度、結着樹脂の軟化温度、離型剤の融点、トナー母粒子の体積平均粒径は、以下のようにして測定した。
[結着樹脂およびトナー母粒子のガラス転移温度]
示差走査熱量計(商品名:DSC220、セイコー電子工業株式会社製)を用い、日本工業規格(JIS)K7121−1987に準じ、試料1gを昇温速度毎分10℃で加熱してDSC曲線を測定した。得られたDSC曲線において、ガラス転移に相当する吸熱ピークより高温側のベースラインを低温側に延長した直線と、ピークの立ち上がり部分から頂点までの曲線に対して勾配が最大になるような点で引いた接線との交点の温度をガラス転移温度(Tg)とした。
[結着樹脂の軟化温度]
流動特性評価装置(商品名:フローテスターCFT−100C、株式会社島津製作所製)を用い試料1gを昇温速度毎分6℃で加熱し、荷重20kgf/cm2(9.8×105Pa)を与えてダイ(ノズル口径1mm、長さ1mm)から試料の半分量が流出したときの温度を求め、軟化温度(Tm)とした。
[離型剤の融点]
示差走査熱量計(商品名:DSC220、セイコー電子工業株式会社製)を用い、試料1gを温度20℃から昇温速度毎分10℃で200℃まで加熱し、次いで200℃から20℃に急冷する操作を2回繰返し、DSC曲線を測定した。2回目の操作で測定したDSC曲線の融解に相当する吸熱ピークの温度を離型剤の融点とした。
[体積平均粒径]
電解液(商品名:ISOTON−II、ベックマン・コールター社製)50mlに、試料20mgおよびアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム1mlを加え、超音波分散器(商品名:卓上型2周波超音波洗浄器VS−D100、アズワン株式会社製)を用い周波数20kHzで3分間分散処理し、測定用試料とした。この測定用試料について、粒度分布測定装置(商品名:Multisizer3、ベックマン・コールター社製)を用い、アパーチャ径:100μm、測定粒子数:50000カウントの条件下で測定を行い、試料粒子の体積粒度分布から体積平均粒径を求めた。
また、シェル剤として使用する樹脂微粒子、および、孔あけ用のワックス微粒子の粒度分布については、日機装社製のマルチサイザーを用いて測定し、体積粒度分布から体積平均粒径と粒度分布を求めた。
シェルによるコア表面被覆率、孔の粒度分布、トナーおよび孔の形状は、以下のようにして測定した。
[シェルによるコア表面被覆率]
カプセルトナーのSEM写真を5000倍にて撮影し、映像解析ソフト「A像くん」で、トナー1粒子の正射影における全面積と孔あき面積を求めた。色々な視野から撮影した20検体の平均値を求め、シェルのコア表面被覆率とした。
[孔の粒度分布]
上記のSEM写真で孔を粒子として扱い、映像解析ソフト「A像くん」を用いて粒度分布を算出した。
[トナーおよび孔の形状]
上記のSEM写真より映像解析ソフト「A像くん」を用いて算出したSF1値でトナーおよび孔の形状を評価した。
トナー粒子のSEM写真を倍率1000倍で撮影して,映像解析ソフト「A像くん」にて粒子正射影の中心を通る最も長い直径「最大長」と「面積」とを測定し平均値を算出する。算出した平均値を以下の式(1)に代入し,トナー形状のSF1とする。
SF1={(最大長)×π}/{(面積)×4}×100 …(1)
[孔のSF1算出方法]
トナー粒子のSEM写真を倍率5000倍で撮影して,トナー粒子表面の孔を映像解析ソフト「A像くん」にてトナー粒子同様に解析し,孔の「最大長」と「面積」とを測定し平均値を算出する。算出した平均値を上記の式(1)に代入し,孔形状のSF1とする。
(実施例1)
〔トナー母粒子の作製〕
ポリエステル樹脂(商品名:ダイヤクロン、三菱レイヨン株式会社製、ガラス転移温度55℃、軟化温度130℃) 87.5%(100部)
C.I.Pigment Blue 15:3 5.0%(5.7部)
離型剤(カルナウバワックス、融点82℃) 6.0%(6.9部)
帯電制御剤(商品名:ボントロンE84、オリエント化学工業株式会社)
1.5%(1.7部)
上記の原料を、ヘンシェルミキサ(商品名:FM20C、三井鉱山株式会社製)にて前混合した後、二軸押出混練機(商品名:PCM65、株式会社池貝製)にて溶融混練した。この溶融混練物をカッティングミル(商品名:VM−16、オリエント株式会社製)で粗粉砕した後、ジェットミル(ホソカワミクロン株式会社製)にて微粉砕し、さらに風力分級機(ホソカワミクロン株式会社製)で分級し、体積平均粒径6.5μm、ガラス転移温度56℃のトナー母粒子を作製した。
〔樹脂微粒子の調製〕
スチレンとアクリル酸ブチルとを重合したものを凍結乾燥し、体積平均粒径0.15μmのスチレン−ブチルアクリレート共重合体微粒子(ガラス転移温度72℃、軟化温度120℃)を樹脂微粒子として得た。
〔孔あけワックス微粒子の調製〕
ポリエチレンワックス(離型剤、商品名:HNP−10、日本精鑞株式会社製)、融点85℃) 180部
エアロール(界面活性剤、商品名:エアロールCT−1p、東邦化学工業株式会社製) 2.4部
イオン交換水 360部
上記の原料をクレアミックス(商品名、エム・テクニック株式会社製)に投入し、80℃、8000rpmで10分間攪拌し、ワックス分散液を得た。これを洗浄・乾燥して粒度分布 0.63μm、CV 35%のワックス微粒子を得た。
〔シェル混合物微粒子の調製〕
上記の樹脂微粒子とワックス微粒子を8:2の比率でヘンシェルミキサ(商品名:FM20C、三井鉱山株式会社製)に投入し、2000rpmで3分間混合してシェル混合物微粒子とした。
〔トナーのカプセル化〕
図2に示す装置に準ずるハイブリダイゼーションシステム(商品名:NHS−1型、株式会社奈良機械製作所製)に二流体ノズルを取付けた装置によって、トナー母粒子およびシェル混合物微粒子を撹拌、流動させ、そこへエタノールを噴霧した。液体噴霧ユニットとしては、定量送液が可能となるよう、送液ポンプ(商品名:SP11−12、株式会社フロム製)と二流体ノズルを接続したものを使用できる。液体の噴霧速度および液体ガス排出速度は、市販のガス検知器(商品名:XP−3110、新コスモス電機株式会社製)を用いて観察できる。
温度調整用ジャケットは、粉体流過部および撹拌部壁面の全面に設けた。粉体流路には温度センサを取り付け、粉体流過部および撹拌部の温度が55℃となるよう調整した。前記装置において、トナー母粒子表面への樹脂微粒子付着工程で、回転撹拌手段の最外周における周速度を100m/secとした。噴霧工程および膜化工程でも周速度100m/secとした。また液体噴霧方向と、粉体流動方向とのなす角度(以下「噴霧角度」という)が平行(0°)になるよう二流体ノズルの取付け角度を設定した。
このような装置により、トナー母粒子100重量部とシェル混合物微粒子10重量部とを5分間撹拌混合後、エタノールを噴霧速度1.0g/min、エア流量5L/minで30分間噴霧し、樹脂微粒子をトナー母粒子表面に膜化させた。エタノール噴霧を停止した後10分間撹拌し、カプセルトナーを得た。このとき貫通孔およびガス排出部を通じて排出された液体の排出濃度は約2.8Vol%で安定していた。また装置内へ送るエア流量は、回転軸部から装置内に送るエア流量を5L/minに調節し、二流体ノズルからのエア流量と合計して10L/minとした。
〔孔あけ工程〕
回収したカプセル化トナー100重量部と600重量部のn-ヘキサンとを1Lビーカーに投入し、マグネチックスターラーで5分間攪拌後、ろ紙でトナーを濾し取り乾燥させ実施例1のトナーを得た。
(実施例2)
シェル剤用樹脂微粒子をガラス転移点67℃のものを用いた以外は実施例1と同様にして実施例2のトナーを得た。
(実施例3)
シェル剤用樹脂微粒子をガラス転移点76℃のものを用いた以外は実施例1と同様にして実施例3のトナーを得た。
(実施例4)
シェル混合物微粒子の調製でシェル剤とワックス微粒子の比率を7:3に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例4のトナーを得た。
(実施例5)
シェル混合物微粒子の調製でシェル剤とワックス微粒子の比率を9:1に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例4のトナーを得た。
(実施例6)
孔あけワックス微粒子の調製で分散剤のエアロールを3.0部に変更して、粒度分布0.32μm、CV値31%のワックス微粒子を得た。このワックス微粒子を用いた以外は実施例1と同様にして実施例6のトナーを得た。
(実施例7)
孔あけワックス微粒子の調製で分散剤のエアロールを1.2部に変更して、粒度分布1.43μm、CV値37%のワックス微粒子を得た。このワックス微粒子を用いた以外は実施例1と同様にして実施例7のトナーを得た。
(実施例8)
シェル混合物微粒子の調製でヘンシェルミキサを用いず、樹脂微粒子とワックス微粒子をビニール袋に入れて手で攪拌しただけのものを用いた以外は実施例1と同様にして実施例8のトナーを得た。
(実施例9)
溶融混練物の粉砕物を衝撃式球形化装置(商品名:ファカルティF−400型、ホソカワミクロン株式会社製)用いて球形化処理した以外は実施例1と同様にして実施例9のトナーを得た。
(実施例10)
トナーのカプセル化で粉体流過部および撹拌部の温度を50℃に設定した以外は実施例1と同様にして、実施例10のトナーを得た。
(実施例11)
実施例9と同様にして衝撃式球形化装置によりトナーを球形化処理した後、トナーのカプセル化で粉体流過部および撹拌部の温度を58℃に設定した以外は実施例1と同様にして、実施例11のトナーを得た。
(実施例12)
シェル剤用樹脂微粒子をガラス転移点65℃のものを用いた以外は実施例1と同様にして比較例1のトナーを得た。
(実施例13)
シェル剤用樹脂微粒子をガラス転移点78℃のものを用いた以外は実施例1と同様にして比較例2のトナーを得た。
(実施例14)
トナーのカプセル化でシェル混合物微粒子を8重量部に変更した以外は,実施例8と同様にして実施例14のトナーを得た。
(実施例15)
トナーのカプセル化でシェル混合物微粒子を8重量部に変更した以外は,実施例10と同様にして実施例15のトナーを得た。
(比較例1)
トナーのカプセル化でシェル混合物微粒子を8重量部に変更した以外は実施例4と同様にして比較例1のトナーを得た。
(比較例2)
トナーのカプセル化でシェル混合物微粒子を12重量部に変更した以外は実施例5と同様にして比較例2のトナーを得た。
(比較例3)
シェル混合微粒子の調製で、ヘンシェルミキサによる混合時間を1分間に変更した以外は実施例7と同様にして比較例3のトナーを得た。
(比較例4)
トナーのカプセル化でエタノール噴霧停止後の攪拌時間を5分間に変更した以外は実施例10と同様にして比較例4のトナーを得た。
(比較例5)
シェル混合物微粒子の調製でシェル剤用樹脂微粒子とワックス微粒子の比率を75:25に変更した以外は、実施例1と同様にして比較例5のトナーを得た。
(比較例6)
シェル混合物微粒子の調製でシェル剤用樹脂微粒子とワックス微粒子の比率を95:5に変更した以外は、実施例1と同様にして比較例6のトナーを得た。
(比較例7)
シェル剤用樹脂微粒子を用いなかった以外は実施例1と同様にして比較例7のトナーを得た。
(比較例8)
孔あけワックス微粒子を用いず、孔あけ工程を行わなかった以外は実施例1と同様にして比較例8のトナーを得た。
(比較例9)
孔あけワックス微粒子の調製でクレアミックスの回転速度を10000rpmに変更した以外は、実施例6と同様にして比較例9のトナーを得た。
(比較例10)
孔あけワックス微粒子の調製で界面活性剤のエアロールを1.0部に変更してクレアミックスの回転速度を10000rpmに変更した以外は、実施例7と同様にして比較例10のトナーを得た。
(比較例11)
孔あけワックス微粒子の調製でクレアミックスの回転速度を6000rpmに変更した以外は、実施例6と同様にして比較例11のトナーを得た。
得られた実施例1〜15および比較例1〜11のトナーについて、以下のようにして種々の物性評価を行った。
〈定着性〉
市販複写機(商品名:MX−2300G、シャープ株式会社製)を改造したものを用いて定着画像を作製した。まず、記録媒体である記録用紙(商品名:PPC用紙SF−4AM3、シャープ株式会社製)に、べた画像部(縦20mm、横50mmの長方形)を含むサンプル画像を未定着画像として形成した。この際、べた画像部のトナーの記録用紙への付着量が0.5mg/cm2となるよう調整した。次に、カラー複合機の定着部を利用した外部定着器を用いて定着画像を作製した。定着プロセス速度は220mm/秒とし、定着ローラの温度を110℃から5℃刻みで上げ、低温オフセットも高温オフセットも起こらない温度域を測定し、その温度幅を定着非オフセット域とした。評価基準は次の通りである。
(評価1)
○:定着非オフセット域が60℃以上
△:定着非オフセット域が50℃以上60℃未満
×:定着非オフセット域が50℃未満
さらに、本発明では定着温度の低温化も目指しているので、定着非オフセット域の下限についても以下のように評価した。
(評価2)
○:定着非オフセット域の下限が130℃未満
△:定着非オフセット域の下限が130℃以上145℃未満
×:定着非オフセット域の下限が145℃以上
以上の2つの評価を総合して、定着性を判定した。
(判定)
◎:いずれの評価も○
○:片方の評価が○だが、もう一方は△
△:いずれの評価も△
×:どちらか一方が×
〈保存安定性〉
実施例および比較例のトナーを用い、高温保存後の凝集物の有無により保存安定性を評価した。トナー20gをポリ容器に密閉し、50℃で48時間放置した後、トナーを取り出し230メッシュのふるいに掛けた。ふるい上に残存するトナーの重量を測定し、この重量のトナー全重量に対する割合を残存量とし、下記の基準で評価した。数値が低いほど、トナーがブロッキングを起こさず、保存性が良好であることを示す。
○:トナー残存量が1.5%未満
△:トナー残存量が1.5%以上3%未満
×:トナー残存量が3%以上
〈総合評価〉
上記の定着性の判定と保存安定性の評価に基づき、本発明のトナーおよび製造方法の総合評価を行った。総合評価基準は以下のとおりである。
◎(最良):定着性が◎であり、保存安定性が○である
○(良):定着性も保存安定性も×以外であり、かつ、少なくともどちらかが◎または○である
△(可):いずれも△である
×(不良):どちらかが×である
実施例1〜15および比較例1〜4で得られたトナーの評価結果および総合評価結果を表1に示す。
Figure 2010191115
実施例11は、定着性と保存安定性の両方を満たすが、実機投入した場合、トナーの形状が球に近いためクリーニング不良を起こすことが懸念される。
実施例12は、定着性と保存安定性の両方を満たすが、コアに含まれる樹脂のガラス転移温度とシェルに含まれる樹脂のガラス転移温度との温度差が小さいためカプセル化の効果が小さく、定着領域の温度幅が狭く、保存安定性も低くなっている。
実施例13は、定着性と保存安定性の両方を満たすが、コアに含まれる樹脂のガラス転移温度とシェルに含まれる樹脂のガラス転移温度との温度差が大きいため保存安定性は良いものの、ガラス転移点の高いシェル剤により定着域下限温度が高くなり、さらに、コア剤との混ざりが悪くなり、定着領域の温度幅が狭くなったと考えられる。
実施例14は、定着性と保存安定性の両方を満たすが、孔の形状が歪なためコアが滲出しにくく、定着領域の温度幅が狭くなっていると考えられる。また,孔径が大きいため保存安定性も低下している。
実施例15は、定着性と保存安定性の両方を満たすが、トナー形状が歪なため、転写効率の低下が懸念される。また,尖った箇所はカートリッジ内で折れやすく,微粉発生の原因となる。
比較例1は、シェル剤で充分にコアを被覆できていないため保存安定性が悪く、また、シェル層の孔が不均一なため定着領域の温度幅が狭くなったと考えられる。
比較例2は、コアの被覆率が高いため孔からコア剤が滲出しにくく、定着領域の温度幅が狭くなっていると考えられる。そのため保存安定性は良いものの、低温定着化は実現できていない。
比較例3は、孔の径が大きいため保存安定性が悪く、形状が不均一なため定着領域の温度幅が狭いと考えられる。
比較例4は、トナー形状が歪なためカプセル化が均一に行われておらず、また、尖った箇所に偏って負荷がかかりやすいため保存安定性が悪いと考えられる。
比較例5は、コアの被覆率が規定値を下回っており、コアの露出度が大きいため保存安定性が悪化したと考えられる。
比較例6は、コアの被覆率が規定値を上回っており、コア剤が滲出しにくいため低温定着性が悪化したと考えられる。
比較例7は、トナーがカプセル化されておらずコアが全面に露出しているため、低温定着性は高いが、保存安定性が大きく損なわれたと考えられる。
比較例8は、シェル層にほとんど孔がないため、保存安定性は良いものの、内部のコアが十分に滲出しないため低温定着性が悪いと考えられる。
比較例9は、コアの被覆率が適正であっても、孔が小さいためコアが十分に滲出せず、低温定着化が不十分であると考えられる。
比較例10は、コアの被覆率が適正であっても、孔が大きいため局所的にコアが露出しており、保存安定性が悪いと考えられる。
比較例11は、孔の大きさが不均一なため、大きな孔により保存安定性が低下する、あるいは小さな孔により低温定着化が不十分になるという問題が局所的に起こっており、トナーとしての挙動が安定していないと考えられる。
201 トナーの製造装置
202 粉体流路
203 噴霧手段
204 回転撹拌手段
206 粉体投入部
207 粉体回収部
218 回転軸部材
220 撹拌羽根

Claims (9)

  1. 少なくとも樹脂を含むコア部分と、コア部分に含まれる樹脂のガラス転移温度よりも高いガラス転移温度を有する樹脂を少なくとも含むシェル部分とを有し、コア部分の表面まで貫通した孔がシェル部分に複数形成されたカプセル型のトナーであって、
    コア部分の露出率が10〜30%の範囲であり、
    コア部分の露出面の正射影円相当径がトナー粒径の5〜20%の範囲内にあり、正射影円相当径の分布の変動係数CVが40%未満であることを特徴とするトナー。
  2. コア部分に含まれる樹脂のガラス転移温度と、シェル部分に含まれる樹脂のガラス転移温度との差が10℃以上20℃以下であることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
  3. 電子顕微鏡で観察したときのコア部分の露出面の形状係数SF1が130未満であることを特徴とする請求項1または2に記載のトナー。
  4. 電子顕微鏡で観察したときのトナーの形状係数SF1が120より大きく140未満であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のトナー。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載のトナーの製造方法であって、
    パラフィン樹脂粒子を混合したシェル材料を用いてコア部分の表面にシェル部分を形成した後に、パラフィン樹脂粒子のみが可溶な疎水性溶媒にてパラフィン樹脂粒子を溶出除去し、コア部分の表面まで貫通した孔をシェル部分に複数形成する工程を含むことを特徴とするトナーの製造方法。
  6. 請求項1〜4のいずれか1つに記載のトナーを含むことを特徴とする現像剤。
  7. 請求項1〜4のいずれか1つに記載のトナーとキャリアとから成る2成分現像剤であることを特徴とする請求項6に記載の現像剤。
  8. 請求項6または7に記載の現像剤を用いて、像担持体に形成される潜像を現像してトナー像を形成することを特徴とする現像装置。
  9. 潜像が形成される像担持体と、像担持体に潜像を形成する潜像形成手段と、請求項8に記載の現像装置とを備えることを特徴とする画像形成装置。
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