JP2006065001A - カプセルトナー及びその製造方法、並びに現像剤、トナー入り容器、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 コア・シェル構造を有してなり、シェルがセルロース誘導体を含有し、該シェルのガラス転移温度(TgS)がコアのガラス転移温度(TgC)より50℃以上高いカプセルトナーである。該セルロース誘導体が、アセチルセルロース、アルキルセルロースエーテル及びセルロースナイトレートから選択される少なくとも1種である態様が好ましい。
【選択図】 なし
Description
前記粉砕型トナーでは、顔料や帯電制御剤が樹脂中に均質に分散しているため、トナー表面に顔料が露出しており、帯電性能や感光体へのダメージが大きくなってしまうという問題がある。また、低温度定着を図るため使用する樹脂のガラス転移温度(Tg)等の熱特性が低温度になりやすく、樹脂に粘着性がでてフィルミングやスペント、ブレード固着などの問題を起こしやすくなる。更に、使用する樹脂のガラス転移温度(Tg)などの熱特性が低温度であるため、保存性に重大な影響を与えてしまうという問題がある。
<1> コア・シェル構造を有してなり、シェルを形成するポリマーがセルロース誘導体を含有し、該シェルを形成するポリマーのガラス転移温度(TgS)がコアを形成するポリマーのガラス転移温度(TgC)より50℃以上高いことを特徴とするカプセルトナーである。
<2> セルロース誘導体が、アセチルセルロース、アルキルセルロースエーテル及びセルロースナイトレートから選択される少なくとも1種である前記<1>に記載のカプセルトナーである。
<3> アセチルセルロースの酢酸置換度が2.07〜2.95である前記<2>に記載のカプセルトナーである。
<4> アルキルセルロースのアルキル基置換度が2.3〜2.8である前記<2>に記載のカプセルトナーである。
<5> セルロースナイトレートの窒素置換度が1.9〜2.3である前記<2>に記載のカプセルトナーである。
<6> シェルが、ポリオキシエチレングリコール化合物を含有する前記<1>から<5>のいずれかに記載のカプセルトナーである。
<7> シェルが帯電制御剤を含有し、該帯電制御剤が、サリチル酸金属塩及びサリチル酸の誘導体金属塩のいずれかである前記<1>から<6>のいずれかに記載のカプセルトナーである。
<8> シェルの厚さが0.01〜3μmである前記<1>から<7>のいずれかに記載のカプセルトナーである。
<9> コアが、粉砕トナー及び重合トナーのいずれかである前記<1>から<8>のいずれかに記載のカプセルトナーである。
<10> 粉砕法及び重合法のいずれかによりコアを作製するコア形成工程、該コアが難溶乃至は不溶である溶媒にセルロース誘導体を溶解し、該溶液中にコアを投入し、コアの周囲にシェルを形成するシェル形成工程を含むことを特徴とするカプセルトナーの製造方法である。
<11> シェル形成工程において、コアの周囲に付着したシェルを乾燥時に該シェルから溶剤が抜けたミクロポーラス構造が形成される前記<10>に記載のカプセルトナーの製造方法である。
<12> 前記<1>から<9>のいずれかに記載のトナーを含むことを特徴とする現像剤である。
<13> 一成分現像剤及び二成分現像剤のいずれかである前記<12>に記載の現像剤である。
<14> 前記<1>から<9>のいずれかに記載のトナーを容器中に収容してなることを特徴とするトナー入り容器である。
<15> 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成した静電潜像を前記<1>から<9>のいずれかに記載のトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも有することを特徴とするプロセスカートリッジである。
<16> 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、該静電潜像を前記<1>から<9>のいずれかに記載のカプセルトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、該可視像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有することを特徴とする画像形成装置である。
<17> 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、該静電潜像を前記<1>から<9>のいずれかに記載のカプセルトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含むことを特徴とする画像形成方法である。
本発明のカプセルトナーは、コア・シェル構造を有してなり、前記シェルは、少なくともポリマーを含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。一方、前記コアは、少なくともポリマーを含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
ここで、前記ガラス転移温度の測定は、例えば、TMA法、DSC法、DMA法などにより行うことができ、本発明においてはDSC法により測定した。
前記コアは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、粉砕トナー及び重合トナーのいずれかが好ましい。
前記コアは、少なくともポリマーを含有してなり、更に必要に応じて着色剤、ワックス類等のその他の成分を含有してなる。
前記ポリマーの前記コアにおける含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、4〜90質量%が好ましく、55〜80質量%がより好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記カルボニル基含有ワックスとしては、例えば、ポリアルカン酸エステル、ポリアルカノールエステル、ポリアルカン酸アミド、ポリアルキルアミド、ジアルキルケトン、などが挙げられる。前記ポリアルカン酸エステルとしては、例えば、カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート等が挙げられる。前記ポリアルカノールエステルとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエート等が挙げられる。前記ポリアルカン酸アミドとしては、例えば、ジベヘニルアミド等が挙げられる。前記ポリアルキルアミドとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリルアミド等が挙げられる。前記ジアルキルケトンとしては、例えば、ジステアリルケトン等が挙げられる。これらカルボニル基含有ワックスの中でも、ポリアルカン酸エステルが特に好ましい。
前記ポリオレフィンワックスとしては、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等が挙げられる。
前記長鎖炭化水素としては、例えば、パラフィンワックス、サゾールワックス等が挙げられる。
前記クリーニング性向上剤は、感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するために前記トナーに添加され、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩、などが挙げられる。
前記コアの体積平均粒径としては、例えば、4〜8μmが好ましい。
前記コアにおける体積平均粒径と個数平均粒径との比(体積平均粒径/個数平均粒径)としては、例えば、1.10〜1.25がより好ましい。
前記シェルは、ポリマーを含有し、ワックス類、帯電防止剤、ポリオキシエチレングリコール化合物、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。前記シェルの機能としては、安定なトナーの帯電性能の維持、トナーの保存性の維持、トナーの流動性の維持、現像時トナーの機械的強度の維持、定着時におけるコア材の円滑な流出、定着時のトナー離型性のアップである。
前記セルロース誘導体としては、例えば、アセチルセルロース、アルキルセルロース、セルロースナイトレートなどが挙げられる。
前記アルキルセルロースとしては、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、ブチルセルロースなどが挙げられる。
前記アルキルセルロースのアルキル基置換度は2.3〜2.8が好ましく、2.4〜2.7がより好ましい。前記アルキル基置換度が低すぎると溶媒に対する溶解性が極端に落ちることがあり、高すぎるとシェルの皮膜強度が極端に低下することがある。
前記セルロースナイトレートの窒素置換度は1.9〜2.3が好ましく、2.0〜2.2がより好ましい。前記窒素置換度が低すぎると溶媒に対する溶解性が極端に落ちることがあり、高すぎると綿薬に近いものとなって分解性が高くなってしまうことがある。
前記ポリマーの前記シェルにおける含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、4〜90質量%が好ましく、55〜80質量%がより好ましい。
前記ポリエチレングリコール化合物としては、ポリオキシエチレングリコール及びポリオキシエチレングリコール誘導体のいずれかが挙げられる。該ポリエチレングリコール誘導体としては、例えば、ポリオキシエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリオキシエチレングリコールジエチルエーテルなどが挙げられる。
前記シェルの厚さは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、0.01〜3μmが好ましく、0.2〜2μmがより好ましく、0.5〜1μmが更に好ましい。前記シェルの厚さが、厚すぎると皮膜が割れにくくなり定着性が悪くなることがあり、薄すぎると皮膜の欠陥ができ易くコア材が露出している部分ができやすくなることがある。
本発明のカプセルトナーの製造方法は、コア形成工程、シェル形成工程を少なくとも含み、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
前記コア形成工程は、粉砕法及び重合法のいずれかによりコアを作製する工程である。
前記粉砕法は、例えば、コア材料を溶融・混練し、粉砕、分級等することにより、前記コアを得る方法である。なお、該粉砕法の場合、機械的衝撃力を与えて形状を制御してもよい。この場合、該機械的衝撃力は、例えば、ハイブリタイザー、メカノフュージョンなどの装置を用いて前記コアに付与することができる。
前記懸濁重合法は、例えば、油溶性重合開始剤、重合性単量体、着色剤、離型剤等を有機溶媒中に分散し、該有機溶媒相を界面活性剤、分散剤等が含まれる水系媒体中で乳化分散する。その後、重合反応を行って前記コアを得る方法である。
前記乳化重合凝集法は、例えば、水溶性重合開始剤、重合性単量体を水中で界面活性剤を用いて乳化してラテックスを調製し、別途、着色剤、離型剤等を水系媒体中に分散した分散体を用意し、該ラテックスと該分散体とを混合し、所定のサイズまで凝集させて、加熱融着させることによって前記コアを得る方法である。
前記その他の方法としては、例えば、コア材料を溶剤に溶解・分散後に、(1)スプレードライ装置を用いて脱溶剤して球形コアを得るスプレードライ法、(2)水系媒体中で加熱することにより球形化する方法、などが挙げられる。
前記シェル形成工程は、該コアが難溶乃至は不溶である溶媒にセルロース誘導体を溶解し、該溶液中にコアを投入し、コアの周囲にシェルを形成する工程である。
前記コアが難溶乃至は不溶である溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール等のアルコール類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)等のケトン類;セロソルブ、カルビトール等の極性溶媒などが挙げられる。
前記セルロース誘導体としては、アセチルセルロース、アルキルセルロースエーテル、セルロースナイトレート、などが挙げられる。
前記溶媒にセルロース誘導体を溶解し、その中に、ワックスや帯電制御剤を分散しておき、この溶液中にコアを投入し、ろ過した後、乾燥させる。コアをこの溶液中へ投入するとコア表面はこの溶液で濡れることになる。その後、ろ過することで、溶液は除去され表面が溶液で濡れたコアのみが残る。これを乾燥することでコアの表面を濡らしていた液は乾き、コア表面にセルロース誘導体の皮膜が形成される。
本発明の現像剤は、本発明のカプセルトナーを少なくとも含有してなり、キャリア等の適宜選択したその他の成分を含有してなる。該現像剤としては、一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよいが、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンタ等に使用する場合には、寿命向上等の点で前記二成分現像剤が好ましい。
本発明の前記カプセルトナーを用いた前記一成分現像剤の場合、トナーの収支が行われても、トナーの粒子径の変動が少なく、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化する為のブレード等の部材へのトナーの融着がなく、現像装置の長期の使用(撹拌)においても、良好で安定した現像性及び画像が得られる。また、本発明の前記カプセルトナーを用いた前記二成分現像剤の場合、長期にわたるトナーの収支が行われても、現像剤中のトナー粒子径の変動が少なく、現像装置における長期の撹拌においても、良好で安定した現像性が得られる。
前記平均粒径(体積平均粒径(D50))が、10μm未満であると、キャリア粒子の分布において、微粉系が多くなり、1粒子当たりの磁化が低くなってキャリア飛散を生じることがあり、150μmを超えると、比表面積が低下し、トナーの飛散が生じることがあり、ベタ部分の多いフルカラーでは、特にベタ部の再現が悪くなることがある。
前記溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、セルソルブチルアセテート、などが挙げられる。
前記焼付としては、特に制限はなく、外部加熱方式であってもよいし、内部加熱方式であってもよく、例えば、固定式電気炉、流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉等を用いる方法、マイクロウエーブを用いる方法、などが挙げられる。
前記量が、0.01質量%未満であると、前記芯材の表面に均一な前記樹脂層を形成することができないことがあり、5.0質量%を超えると、前記樹脂層が厚くなり過ぎてキャリア同士の造粒が発生し、均一なキャリア粒子が得られないことがある。
二成分系現像剤のトナーとキャリアの混合割合は、一般にキャリア100質量部に対しトナー0.5〜20.0質量部が好ましい。
本発明の現像剤は、磁性一成分現像方法、非磁性一成分現像方法、二成分現像方法等の公知の各種電子写真法による画像形成に好適に用いることができ、以下の本発明のトナー入り容器、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法に特に好適に用いることができる。
本発明のトナー入り容器は、本発明の前記カプセルトナー乃至前記現像剤を容器中に収容してなる。
前記容器としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、トナー容器本体とキャップとを有してなるもの、などが好適に挙げられる。
前記トナー容器本体としては、その大きさ、形状、構造、材質などについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記形状としては、円筒状などが好ましく、内周面にスパイラル状の凹凸が形成され、回転させることにより内容物であるトナーが排出口側に移行可能であり、かつ該スパイラル部の一部又は全部が蛇腹機能を有しているもの、などが特に好ましい。
前記トナー容器本体の材質としては、特に制限はなく、寸法精度が良いものが好ましく、例えば、樹脂が好適に挙げられ、その中でも、例えば、ポリエステル樹脂,ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリル酸、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂、などが好適に挙げられる。
本発明のトナー入り容器は、保存、搬送等が容易であり、取扱性に優れ、後述する本発明のプロセスカートリッジ、画像形成装置等に、着脱可能に取り付けてトナーの補給に好適に使用することができる。
本発明のプロセスカートリッジは、静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成した静電潜像を本発明の前記カプセルトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段を有してなる。
前記現像手段としては、本発明の前記カプセルトナー乃至前記現像剤を収容する現像剤収容器と、該現像剤収容器内に収容されたトナー乃至現像剤を担持しかつ搬送する静電潜像担持体とを、少なくとも有してなり、更に、担持させるトナー層厚を規制するための層厚規制部材等を有していてもよい。
本発明のプロセスカートリッジは、各種電子写真装置に着脱自在に備えさせることができ、後述する本発明の電子写真装置に着脱自在に備えさせるのが好ましい。
前記感光体101は、例えば、支持体と、該支持体上に電荷発生層、電荷輸送層、及び架橋型電荷輸送層を少なくともこの順に含む感光層を有するものなどが用いられる。
帯電手段102としては、公知の帯電部材が用いられる。
露光手段103としては、高解像度で書き込みが行うことのできる光源が用いられる。
本発明においては、感光体2、帯電装置手段3、現像手段4及びクリーニング手段5等の構成要素のうち、少なくとも現像手段4を含む複数のものをプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やプリンタ等の画像形成装置本体に対して着脱可能に構成することができる。
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
本発明の画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば除電工程、クリーニング工程、リサイクル工程、制御工程等を含む。
前記静電潜像形成工程は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程である。
前記静電潜像担持体(「光導電性絶縁体」、「感光体」と称することがある)としては、その材質、形状、構造、大きさ、等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、その形状としてはドラム状が好適に挙げられ、その材質としては、例えばアモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体、などが挙げられる。これらの中でも、長寿命性の点でアモルファスシリコン等が好ましい。
前記静電潜像形成手段は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させる帯電器と、前記静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備える。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、などが挙げられる。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、などの各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
前記現像工程は、前記静電潜像を、本発明の前記カプセルトナー乃至前記現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を本発明の前記カプセルトナー乃至前記現像剤を用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、例えば、本発明の前記カプセルトナー乃至前記現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、本発明の前記カプセルトナー乃至現像剤を収容し、前記静電潜像に該トナー乃至該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられ、本発明の前記トナー入り容器を備えた現像器などがより好ましい。
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記静電潜像担持体(感光体)を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、などが挙げられる。
なお、記録媒体としては、代表的には普通紙であるが、現像後の未定着像を転写可能なものなら、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、OHP用のPETベース等も用いることができる。
前記定着装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組み合わせ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組み合わせ、などが挙げられる。
前記加熱加圧手段における加熱は、通常、80〜200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着工程及び定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体上に残留する前記電子写真トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
複写装置本体150には、無端ベルト状の中間転写体50が中央部に設けられている。そして、中間転写体50は、支持ローラ14、15及び16に張架され、図5中、時計回りに回転可能とされている。支持ローラ15の近傍には、中間転写体50上の残留トナーを除去するための中間転写体クリーニング装置17が配置されている。支持ローラ14と支持ローラ15とにより張架された中間転写体50には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの画像形成手段18が対向して並置されたタンデム型現像器120が配置されている。タンデム型現像器120の近傍には、露光装置21が配置されている。中間転写体50における、タンデム型現像器120が配置された側とは反対側には、二次転写装置22が配置されている。二次転写装置22においては、無端ベルトである二次転写ベルト24が一対のローラ23に張架されており、二次転写ベルト24上を搬送される転写紙と中間転写体50とは互いに接触可能である。二次転写装置22の近傍には定着装置25が配置されている。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26と、これに押圧されて配置された加圧ローラ27とを備えている。
なお、前記タンデム画像形成装置においては、二次転写装置22及び定着装置25の近傍に、転写紙の両面に画像形成を行うために該転写紙を反転させるためのシート反転装置28が配置されている。
そして、中間転写体50上に合成された合成カラー画像(カラー転写像)にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転させ、中間転写体50と二次転写装置22との間にシート(記録紙)を送出させ、二次転写装置22により該合成カラー画像(カラー転写像)を該シート(記録紙)上に転写(二次転写)することにより、該シート(記録紙)上にカラー画像が転写され形成される。なお、画像転写後の中間転写体50上の残留トナーは、中間転写体クリーニング装置17によりクリーニングされる。
なお、以下の実施例において、コア及びシェルのガラス転移温度、シェルの厚みは以下のようにして測定した。
トナーのコア及びシェルのガラス転移温度は、DSC法により、以下のようにして行った。
まず、試験片を室温から20℃/分の割合で昇温させ、示差走査熱量計にて発熱量を測定し、図7に示すような吸熱曲線(発熱曲線)を作成した。作成した吸熱曲線(発熱曲線)に2本の延長線を引き、延長線間の1/2直線と吸熱曲線の交点からガラス転移温度(Tg)を求めた。
シェルの厚みは、マイクロトームで切断したトナーの断面TEM写真から測定した。
−カプセルトナーの作製−
結着樹脂(St−MA、ガラス転移温度=50℃)80質量部、シアン顔料5質量部、ワックス5質量部、及び帯電制御剤としてのサリチル酸亜鉛4質量部を熱混練により分散してなる原トナーをジェットミル(ホソカワミクロン株式会社製)を用いて粉砕することによって微粒子化したトナーを作製した。以下、この粉砕トナーをコア材と称する。このコア材のガラス転移温度は45℃であった。
得られたカプセルトナーについて、画像形成装置(株式会社リコー製、imagio color 3000)を用いて画像出しを30,000枚行ったところ、トナーの固着やスペントなどの問題は発生せず、初期画像と遜色ない画像が得られた。残トナーについても初期と殆ど変わらない流動性が得られた。
また、得られたカプセルトナーについて、50℃にて2週間保存した後、上記同様に画像出しを30,000枚行ったところ、トナーの固着やスペントなどの問題は発生せず、初期画像と遜色ない画像が得られた。
実施例1におけるコア材について、画像形成装置(株式会社リコー製、imagio color 3000)を用いて画像出しを30,000枚行ったところ、キャリアにスペントが発生し、画像のガサツキ(1ドットの再現性がわるい状態)や地肌汚れ、ベタの先端がカスレルという異常画像が見られた。
次に、コア材について、50℃にて2週間保存した後、上記同様に画像出しを30,000枚行ったところ、初期段階から画像のガサツキやベタ先端のカスレが観られた。
−カプセルトナーの作製−
結着樹脂(St−MA、ガラス転移温度=50℃)80質量部、カーボンブラック10質量部、及びワックス5質量部を熱混練により分散して、原トナーを作製した。該原トナーをジェットミル(ホソカワミクロン株式会社製)により粉砕して微粒子化したトナーを作製した。以下、この粉砕トナーをコア材と称する。このコア材のガラス転移温度は45℃であった。
得られたカプセルトナーを使用して画像形成装置(株式会社リコー製、imagio MF7070)を用いて画像出しを30000枚行ったところ、トナーの固着やスペント、オフセットなどの問題は発生せず、初期画像と遜色ない画像が得られた。
また、定着器を観察したところ、定着器のクリーニングローラの汚れは1/5程度に減っていた。残トナーについても初期と殆ど変わらない流動性が得られた。
また、得られたカプセルトナーについて、50℃にて2週間保存した後、上記同様に画像出しを30,000枚行ったところ、トナーの固着やスペントなどの問題は発生せず、初期画像と遜色ない画像が得られた。
−カプセルトナーの作製−
エチレンオキサイド80質量部、2,2’−ビス−(4,4’)−ハイドロキシルプロパン22質量部、テレフタル酸17質量部、トリメリト酸モノマー21質量部、シアン顔料6質量部、ワックス6質量部、及び帯電制御剤としてのサリチル酸亜鉛4質量部からなる組成を常法により微粒子の重合トナーを作製した。以下、この重合トナーをコア材と称する。このコア材のガラス転移温度は50℃であった。
得られたカプセルトナーを使用して画像形成装置(株式会社リコー製、imagio color 3000)にて画像出しを30,000枚行ったところ、トナーの固着やスペントなどの問題は発生せず、初期画像と遜色ない画像が得られた。残トナーについても初期と殆ど変わらない流動性が得られた。
また、得られたカプセルトナーについて、50℃にて2週間保存した後、上記同様に画像出しを30,000枚行ったところ、トナーの固着やスペントなどの問題は発生せず、初期画像と遜色ない画像が得られた。
−カプセルトナーの作製−
結着樹脂としての環状オレフィン樹脂(独国ティコナ社製、COC「TOPAS」、ガラス転移温度=65℃)80質量部、シアン顔料5質量部、帯電制御剤としてのサリチル酸亜鉛4質量部、及びワックス11質量部を熱混練により分散して原トナーを作製した。この原トナーをジェットミル(ホソカワミクロン株式会社製)を用いて粉砕することによって微粒子化したトナーを作製した。この粉砕トナーをトルエンに溶解した。以下、これをコア材溶液と称する。このコア材のガラス転移温度は55℃であった。
得られたカプセルトナーを使用して画像形成装置(株式会社リコー製、imagio color 3000)にて画像出しを30000枚行ったがトナーの固着やスペントなどの問題は発生せず、初期画像と遜色ない画像が得られた。残トナーについても初期と殆ど変わらない流動性が得られた。
また、得られたカプセルトナーについて、50℃にて2週間保存した後、上記同様に画像出しを30,000枚行ったところ、トナーの固着やスペントなどの問題は発生せず、初期画像と遜色ない画像が得られた。
−カプセルトナーの作製−
結着樹脂としての環状オレフィン樹脂(独国ティコナ社製、COC「TOPAS」、ガラス転移温度=65℃)80質量部、カーボンブラック10質量部、帯電制御剤としてのサリチル酸亜鉛4質量部、及びワックス11質量部を熱混練により分散して原トナーを作製した。この原トナーをジェットミル(ホソカワミクロン株式会社製)を用いて粉砕することによって微粒子化したトナーを作製した。この粉砕トナーをトルエンに溶解した。以下、これをコア材溶液と称する。このコア材のガラス転移温度は55℃であった。
得られたカプセルトナーを使用して画像形成装置(株式会社リコー製、imagio color 3000)にて画像出しを30000枚行ったがトナーの固着やスペント、オフセットなどの問題は発生せず、初期画像と遜色ない画像が得られた。
また、定着器を観察したところ、定着器のクリーニングローラの汚れは1/5程度に減っていた。残トナーについても初期と殆ど変わらない流動性が得られた。
また、得られたカプセルトナーについて、50℃にて2週間保存した後、上記同様に画像出しを30,000枚行ったところ、トナーの固着やスペントなどの問題は発生せず、初期画像と遜色ない画像が得られた。
−カプセルトナーの作製−
結着樹脂としての環状オレフィン樹脂(独国ティコナ社製、COC「TOPAS」、ガラス転移温度=65℃)80質量部、カーボンブラック10質量部、帯電制御剤としてのサリチル酸亜鉛4質量部、及びワックス11質量部を熱混練により分散して原トナーを作製した。この原トナーをジェットミル(ホソカワミクロン株式会社製)を用いて粉砕することによって微粒子化したトナーを作製した。この粉砕トナーをトルエンに溶解した。以下、これをコア材溶液と称する。このコア材のガラス転移温度は55℃であった。
得られたカプセルトナーを使用して画像形成装置(株式会社リコー製、imagio color 3000)にて画像出しを30000枚行ったところ、トナーの固着やスペント、オフセットなどの問題は発生せず、初期画像と遜色ない画像が得られた。
また、定着器を観察したところ、定着器のクリーニングローラの汚れは1/10程度に減っていた。残トナーについても初期と殆ど変わらない流動性が得られた。
また、得られたカプセルトナーについて、50℃にて2週間保存した後、上記同様に画像出しを30,000枚行ったところ、トナーの固着やスペントなどの問題は発生せず、初期画像と遜色ない画像が得られた。
2 感光体(感光体ドラム)
3 帯電手段
4 現像手段
5 クリーニング手段
10 感光体(感光体ドラム)
10K ブラック用感光体
10Y イエロー用感光体
10M マゼンタ用感光体
10C シアン用感光体
14 支持ローラ
15 支持ローラ
16 支持ローラ
17 中間転写クリーニング装置
18 画像形成手段
20 帯電ローラ
21 露光装置
22 二次転写装置
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ベルト
28 シート反転装置
30 露光装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
40 現像装置
41 現像ベルト
42K 現像剤収容部
42Y 現像剤収容部
42M 現像剤収容部
42C 現像剤収容部
43K 現像剤供給ローラ
43Y 現像剤供給ローラ
43M 現像剤供給ローラ
43C 現像剤供給ローラ
44K 現像ローラ
44Y 現像ローラ
44M 現像ローラ
44C 現像ローラ
45K ブラック用現像器
45Y イエロー用現像器
45M マゼンタ用現像器
45C シアン用現像器
49 レジストローラ
50 中間転写体
51 ローラ
52 分離ローラ
53 定電流源
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排出トレイ
58 コロナ帯電器
60 クリーニング装置
61 現像器
62 転写帯電器
63 感光体クリーニング装置
64 除電器
70 除電ランプ
71 クリーニングブレード
72 支持部材
80 転写ローラ
90 クリーニング装置
95 転写紙
100 画像形成装置
101 感光体
102 帯電手段
103 露光
104 現像手段
105 転写体
106 転写手段
107 クリーニング手段
120 タンデム型現像器
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 複写装置本体
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)
Claims (17)
- コア・シェル構造を有してなり、シェルがセルロース誘導体を含有し、該シェルのガラス転移温度(TgS)がコアのガラス転移温度(TgC)より50℃以上高いことを特徴とするカプセルトナー。
- セルロース誘導体が、アセチルセルロース、アルキルセルロースエーテル及びセルロースナイトレートから選択される少なくとも1種である請求項1に記載のカプセルトナー。
- アセチルセルロースの酢酸置換度が2.07〜2.95である請求項2に記載のカプセルトナー。
- アルキルセルロースのアルキル基置換度が2.3〜2.8である請求項2に記載のカプセルトナー。
- セルロースナイトレートの窒素置換度が1.9〜2.3である請求項2に記載のカプセルトナー。
- シェルが、ポリオキシエチレングリコール化合物を含有する請求項1から5のいずれかに記載のカプセルトナー。
- シェルが帯電制御剤を含有し、該帯電制御剤が、サリチル酸金属塩及びサリチル酸の誘導体金属塩のいずれかである請求項1から6のいずれかに記載のカプセルトナー。
- シェルの厚さが0.01〜3μmである請求項1から7のいずれかに記載のカプセルトナー。
- コアが、粉砕トナー及び重合トナーのいずれかである請求項1から8のいずれかに記載のカプセルトナー。
- 粉砕法及び重合法のいずれかによりコアを作製するコア形成工程、該コアが難溶乃至は不溶である溶媒にセルロース誘導体を溶解し、該溶液中にコアを投入し、コアの周囲にシェルを形成するシェル形成工程を含むことを特徴とするカプセルトナーの製造方法。
- シェル形成工程において、コアの周囲に付着したシェルを乾燥時に該シェルから溶剤が抜けたミクロポーラス構造が形成される請求項10に記載のカプセルトナーの製造方法。
- 請求項1から9のいずれかに記載のカプセルトナーを含むことを特徴とする現像剤。
- 一成分現像剤及び二成分現像剤のいずれかである請求項12に記載の現像剤。
- 請求項1から9のいずれかに記載のカプセルトナーを容器中に収容してなることを特徴とするトナー入り容器。
- 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成した静電潜像を請求項1から9のいずれかに記載のトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも有することを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、該静電潜像を請求項1から9のいずれかに記載のカプセルトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、該可視像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有することを特徴とする画像形成装置。
- 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、該静電潜像を請求項1から9のいずれかに記載のカプセルトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含むことを特徴とする画像形成方法。
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