JP2007178768A - キャリア、並びに現像剤、現像剤入り容器、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも芯材と、該芯材を被覆する被覆層とを有してなり、前記芯材の下記数式1で表される形状係数をFaとし、内部に固定磁石を有し、回転軸と直交する方向における表面磁束密度のピークが104mTの磁極領域を有する円筒スリーブを用い、該円筒スリーブ上に前記芯材を磁気的に保持して、247rpmで2分間回転させる脱離試験を行った際に、脱離した芯材の下記数式1で表される形状係数をFbとすると、次式、1.00≦Fba≦1.10を満たすキャリアである。
【選択図】図1
Description
近年、電子写真方式を用いたコピアやプリンターの技術は、モノクロからフルカラーへの展開が急速になりつつあり、フルカラーの市場は拡大する傾向にある。フルカラー電子写真法によるカラー画像形成は、一般に、イエロー、マゼンタ、及びシアンの3色のカラートナー、又はこれらに黒色を加えた4色のカラートナーを積層させて、全ての色を再現するものである。このため、色再現性に優れ、鮮明なフルカラー画像を得るには、定着されたトナー画像の表面をある程度平滑にして光散乱を減少させる必要がある。このような理由から従来のフルカラー複写機等の画像光沢は10〜50%の中光沢乃至高光沢のものが多かった。
このようなオフセット現象を防止することを目的として、離型性に優れたシリコーンゴムやフッ素樹脂で定着ローラ表面を形成し、更にその定着ローラ表面にシリコーンオイル等の離型オイルを塗布する方法が採用されている。この方法は、トナーのオフセットを防止する点では極めて有効である。しかし、前記方法では、離型オイルを供給するための装置が必要であり、定着装置が大型化し、画像形成装置の小型化には不向きである。このため、モノクロトナーにおいては、溶融したトナーが内部破断しないように結着樹脂の分子量分布を調整すること等でトナーの溶融時の粘弾性を高め、更に、トナー中にワックス等の離型剤を含有させることにより、定着ローラに離型オイルを塗布しない(オイルレス化)、或いは離型オイルの塗布量をごく微量とする方法が採用される傾向にある。
しかし、これら先行技術では、依然として初期のドット形成ハーフトーン画像部でのキャリア付着、ランニング経時でのベタ画像部でのキャリア付着、耐久性が不十分である。また、初期キャリア付着に関しては、現像剤使用の初期段階で、ドット形成ハーフトーン画像部に発生し易く問題である。また、ランニング経時でのベタ画像部でのキャリア付着に関しては、被覆樹脂の膜削れによる被覆層の減少に伴う抵抗低下が原因で発生し易く問題である。更に、耐久性に関しては、トナーのキャリア表面へのスペント、それに伴う帯電量の不安定化、並びに被覆樹脂の膜削れによる被覆層の減少、及びそれに伴う抵抗低下が発生し易く問題である。
このような課題を解決するため、例えば、キャリアを飛散試験にかけ、得られた飛散キャリアの一粒内のFeとMnの元素含有量の割合の平均を規定し、かつFeとMnとの組成比の変動係数を規定したものが提案されている(特許文献13参照)。また、芯材の本体と飛散物との磁化の差を規定したものが提案されている(特許文献14参照)。しかし、これらの提案では、近年の高画質化、高速化には対応できず、初期的なキャリア付着が問題となっている。
<1> 少なくとも芯材と、該芯材を被覆する被覆層とを有してなり、
前記芯材の下記数式1で表される形状係数をFaとし、
内部に固定磁石を有し、回転軸と直交する方向における表面磁束密度のピークが104mTの磁極領域を有する円筒スリーブ上に前記芯材を磁気的に保持して、247rpmで2分間回転させる脱離試験を行った際に、脱離した芯材の下記数式1で表される形状係数をFbとすると、次式、1.00≦Fb/Fa≦1.10を満たすことを特徴とするキャリアである。
<2> 芯材の形状係数Faが、100〜150である前記<1>に記載のキャリアである。
<3> 芯材の平均粒径をDaとし、
内部に固定磁石を有し、回転軸と直交する方向における表面磁束密度のピークが104mTの磁極領域を有する円筒スリーブ上に前記芯材を磁気的に保持して、247rpmで2分間回転させる脱離試験を行った際に、脱離した芯材の平均粒径をDbとすると、次式、0.95≦Db/Da≦1.07を満たす前記<1>から<2>のいずれかに記載のキャリアである。
<4> 芯材が、フェライト粒子である前記<1>から<3>のいずれかに記載のキャリアである。
<5> キャリアの体積平均粒径が、20〜65μmである前記<1>から<4>のいずれかに記載のキャリアである。
<6> 印加磁場79.6kA/mにおけるキャリアの磁化が、40〜90Am2/kgである前記<1>から<5>のいずれかに記載のキャリアである。
<7> 被覆層が少なくとも結着樹脂及び第1粒子を含有し、該第1粒子の平均粒径D1(μm)と、前記被覆層の厚みh(μm)とが、次式、1<(D1/h)<10を満たし、かつ前記被覆層全体の厚みTが0.1〜3.0μmである前記<1>から<6>のいずれかに記載のキャリアである。
<8> 第1粒子の体積固有抵抗が、1.0×1012Ω・cm以上である前記<7>に記載のキャリアである。
<9> 第1粒子が、アルミナ粒子である前記<7>から<8>のいずれかに記載のキャリアである。
<10> 第1粒子の被覆層における含有量が、10〜80wt%である前記<7>から<9>のいずれかに記載のキャリアである。
<11> 被覆層が更に第2粒子を含有し、該第2粒子の平均粒径D2(μm)と、前記被覆層の厚みh(μm)とが、次式、0.001<(D2/h)<1を満たし、かつ前記第2粒子の体積固有抵抗が1.0×1012Ω・cm以下である前記<7>から<10>のいずれかに記載のキャリアである。
<12> 第2粒子が、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、表面処理された酸化チタン、表面処理された酸化亜鉛、及び表面処理された酸化スズから選択される少なくとも1種の粒子である前記<11>に記載のキャリアである。
<13> 第2粒子の被覆層における含有量が、2〜50wt%である前記<11>から<12>のいずれかに記載のキャリアである。
<14> 被覆層における結着樹脂が、アクリル樹脂とアミノ樹脂との架橋反応物、及びシリコーン樹脂のいずれかである前記<7>から<13>のいずれかに記載のキャリアである。
<15> 前記<1>から<14>のいずれかに記載のキャリアと、トナーとを含むことを特徴とする現像剤である。
<16> トナーが、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有する前記<15>に記載の現像剤である。
<17> 前記<15>から<16>のいずれかに記載の現像剤が充填されてなることを特徴とする現像剤入り容器である。
<18> 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成した静電潜像を前記<15>から<16>のいずれかに記載の現像剤を用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも有することを特徴とするプロセスカートリッジである。
<19> 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像を前記<15>から<16>のいずれかに記載の現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有することを特徴とする画像形成装置である。
<20> 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像を前記<15>から<16>のいずれかに記載の現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含むことを特徴とする画像形成方法である。
前記芯材の上記数式1で表される形状係数をFaとし、
内部に固定磁石を有し、回転軸と直交する方向における表面磁束密度のピークが104mTの磁極領域を有する円筒スリーブ上に前記芯材を磁気的に保持して、247rpmで2分間回転させる脱離試験を行った際に、脱離した芯材の上記数式1で表される形状係数をFbとすると、次式、1.00≦Fb/Fa≦1.10を満たすことにより、芯材形状のバラツキが小さく、均一性の良好な芯材が得られ、ドット形成ハーフトーン画像にキャリア付着が発生し難く、ランニング経時でのベタ画像部でのキャリア付着が生じなく、耐久性に優れ、キメの細かい画像を長期間にわたって形成することができる。
本発明のキャリアは、芯材と、該芯材を被覆する被覆層とを有してなり、更に必要に応じてその他の層を有してなる。
一方、前記比(Fb/Fa)が1.00未満であると、形状の凹凸が激しいので、極端に抵抗が高い箇所と、極端に抵抗が低い箇所ができてしまうので、ドット形成ハーフトーン画像上のキャリア付着が悪くなり、更に、2つの芯材粒子が張り付いた粒子や、割れた粒子等も存在し、キャリアとして不適切な芯材粒子となるため、ドット形成ハーフトーン画像上のキャリア付着が悪いことがある。
これは、芯材と、脱離した芯材との平均粒径比(Db/Da)が、上記範囲内である場合、脱離した芯材と芯材との平均粒径差が小さく、均一性の良好な芯材であるので、ドット形成ハーフトーン画像にキャリア付着が発生し難い。
前記比(Db/Da)が1.07を超えると、脱離物の粒径が大きく、異常に粗大な粒子、2つの粒子が張り付いている粒子、等異常な粒子が含まれていることになり、ドット形成ハーフトーン画像にキャリア付着が発生し易く問題である。一方、前記比(Db/Da)が0.95未満であると、異常に小さな粒子、割れが生じた粒子、等異常な粒子が含まれていることになり、ドット形成ハーフトーン画像にキャリア付着が発生し易くなることがある。
この回収した芯材について、電子顕微鏡により倍率300倍にて撮影を行い、この画像を自動画像処理解析装置(株式会社ニレコ製、LUZEX AP)により形状分析して、脱離粒子50個について画像解析を行い、上記数式1により得た丸さの度合いを表す形状係数Faの平均値をもってその飛散物の形状係数とする。また、マイクロトラック粒度分析計(日機装株式会社製)を用いて、芯材の平均粒径、脱離した芯材の平均粒径を測定することができる。
前記芯材としては、特に制限はなく、電子写真用二成分キャリアとして公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、フェライト、マグネタイト、鉄、ニッケル、など挙げられる。これらの中でも、フライト粒子は、形状のバラツキが大きいので、形状のバラツキを抑えて上記範囲内に制御することで、高い効果が得られ易いために特に好ましい。
前記フェライト粒子としては、特に制限はなく、電子写真用二成分キャリアとして用いられるフェライトの中から目的に応じて適宜選択することができるが、近年著しく進む環境面への配慮から、従来の銅−亜鉛系フェライトではなく、例えば、Mn系フェライト、Mn−Mg系フェライト、Mn−Mg−Srフェライト、などが好適である。
この際、(1)飛翔Gapを広げる方向、(2)磁選部での磁場を下げる方向、(3)フィードを下げる方向、(4)パス回数を増やす方向、(5)スリーブ回転数を上げる方向などにより、選別能力を上げることができる。
前記被覆層は、少なくとも結着樹脂と第1粒子を含み、該第1粒子の平均粒径D1(μm)と被覆層の厚みh(μm)とが、次式、1<(D1/h)<10を満たし、かつ被覆層全体の厚みTが0.1〜3.0μmの範囲内であることが好ましい。これは、前記第1粒子が上記式の関係を満たすと、被覆層に比べて第1粒子の方が凸となるので、現像剤を摩擦帯電させるための攪拌により、トナーとの摩擦あるいはキャリア同士の摩擦で、結着樹脂への強い衝撃を伴う接触を緩和することができ、帯電発生箇所である結着樹脂の膜削れを抑制することが可能となる。更に、キャリア表面に被覆層に比べ凸となる粒子が多数存在するため、キャリア同士の摩擦接触によりキャリア表面に付着したトナーのスペント成分を効率良く掻き落とすクリーニング効果も発揮し、トナースペントを防止することができる。
前記(D/h)が1以下であると、第1粒子が結着樹脂中に埋もれてしまうため、効果が著しく低下してしまうことがあり、10以上であると、第1粒子と結着樹脂との接触面積が少ないため、充分な拘束力が得られず、該粒子が容易に脱離してしまうことがある。
前記第1粒子の平均粒径D1は、0.05〜3μmが好ましく、0.05〜1μmがより好ましい。
一方、被覆層全体の厚みT(μm)は、0.1〜3.0μmが好ましく、0.1〜2.0μmがより好ましい。前記厚みTが0.1μm未満であると、膜の総厚みが薄すぎるのでランニング経時で芯材が剥き出しになり易く、抵抗低下が起こりやすい。一方、3.0μm超えると、芯材上で形成する膜厚が厚くなりすぎ、キャリアとしての磁化が下がりキャリア付着が生じやすくなる。
ここで、前記被覆層全体の厚みTは、前記厚みhとは異なる膜の厚みを表しており、芯材表面から被覆層表面までの厚み(=被覆層全体の厚み)を指し(図7参照)、前記キャリア断面の任意の50点測定の平均を求めて厚みTとする。
ここで、前記第1粒子の体積固有抵抗は、例えば、以下のようにして測定することができる。内径1インチの円筒状の塩化ビニル管の中に試料を入れ、その上下を電極で挟む。これら電極をプレス機により、15kg/cm2の圧力を1分間加える。続いて、この加圧した状態で、LCRメータによる測定を行い、抵抗(r)を得る。得られた抵抗値を、下記数式1により計算して、体積固有抵抗を求めることができる。
<数式1>
体積固有抵抗(Ω・cm)=(2.54/2)2×(π/H×r)
ただし、前記数式1中、Hは試料の厚みを表し、rは抵抗値を表す。
前記アルミナ粒子としては、粒径5μm以下のアルミナ粒子が好ましく、表面処理していないもの、疎水化処理など表面処理したもの全てを用いることができる。
前記シリカとは、トナー用に用いられているもの、及びそれ以外のものも用いることができ、表面処理していないもの、疎水化処理など表面処理したもの全てを用いることができる。
<数式2>
第1粒子の含有量(wt%)=〔第1粒子の含有量÷被覆層の総量(第1粒子+第2粒子+結着樹脂)〕×100
前記第2粒子の平均粒径が、被覆層の厚みよりも小さく、体積固有抵抗が1.0×1012Ω・cm以下と低いことにより、抵抗の低い第2粒子が芯材表面と被覆層表面を1粒で結ぶ点が生じることなく被覆層中に存在することができるので、キャリア抵抗の大幅な低下を生じさせずに、被覆層の帯電特性を平均的に下げることができるとともに、局所的な低抵抗の個所のない被覆層を形成することができる。
前記(D2/h)が1以上であると、第2粒子が被覆層厚みよりも大きいため、芯材表面とキャリア表面を抵抗の低い1粒の粒子で結ぶことになり、被覆層中に局所的に抵抗の低い個所が生じ、ベタ画像部でのキャリア付着が生じることがある。前記(D2/h)が0.001以下であると、被覆層厚みに対する第2粒子の径が小さくなり過ぎるため、帯電制御機能の効果を発揮しにくく好ましくない。また、帯電制御効果を発揮させるために多量に投入した場合には、結着樹脂に対する粒子割合が多くなり過ぎ、粒子の保持能力が不十分となり好ましくない。
ここで、前記第1粒子及び第2粒子の平均粒径の測定方法は、以下のとおりである。
まず、ジューサーミキサーにアミノシランカップリング剤(SH6020、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)30mlにトルエン溶液300mlを入れる。次に、試料6.0gを加え、ミキサー回転速度をlowにセットし、3分間分散する。1,000mlのビーカーに予め用意されたトルエン溶液500mlの中に分散液を適量加えて希釈する。希釈液はホモジナイザーにて常に攪拌を続ける。超遠心式自動粒度分布測定装置(CAPA−700、堀場製作所製)にて体積平均粒径を測定する。
〔CAPA−700測定条件〕
・回転速度:2000rpm
・最小粒度:0.1μm
・分散媒粘度:0.59mPa・s
・最大粒度:2.0μm
・粒度間隔:0.1μm
・分散媒密度:0.87g/cm3
・粒子密度:無機微粒子の密度は乾式自動嵩密度計アキュピック1330(島津製作所製)を用いて測定した真比重値を入力する
<数式3>
第2粒子の含有量(wt%)=〔(第2粒子の含有量÷被覆層の総量(第1粒子+第2粒子+結着樹脂)〕×100
前記ガラス転移温度(Tg)が20℃未満であると、常温においても結着樹脂がブロッキングするため保存性が悪く、実使用できないことがある。一方、前記ガラス転移温度(Tg)が、100℃を超えると、結着樹脂が硬く、脆性が高くなり過ぎて衝撃を吸収することができず、その脆さから結着樹脂が削れると共に、該粒子を保持することができず、脱離しやすくなることがある。
前記シリコーン樹脂としては、市販品を用いることができ、ストレートシリコーン樹脂としては、信越化学工業株式会社製のKR271、KR255、KR152;東レ・ダウコーニング・シリコーン社製のSR2400、SR2406、SR2410、などが挙げられる。
前記変性シリコーン樹脂としては、例えば、信越化学工業株式会社製のKR206(アルキド変性)、KR5208(アクリル変性)、ES1001N(エポキシ変性)、KR305(ウレタン変性);東レ・ダウコーニング・シリコーン社製のSR2115(エポキシ変性)、SR2110(アルキド変性)、などが挙げられる。
なお、シリコーン樹脂単体で用いることも可能であるが、架橋反応する成分、帯電量調整成分等を同時に用いることも可能である。
ここで、前記結着樹脂の含有率は、下記数式4で表される。
<数式4>
結着樹脂の含有率(重量%)=[被覆樹脂固形分総量÷(被覆樹脂固形分総量+芯材量)]×100
ただし、前記数式4中、被覆樹脂固形分総量とは、被覆層中の樹脂(結着樹脂)のみの総量をいう。
前記被覆層は、前記第1粒子、第2粒子、結着樹脂等を溶剤に溶解させて塗布溶液を調製した後、該塗布溶液を前記芯材の表面に公知の塗布方法により均一に塗布し、乾燥した後、焼付を行うことにより形成することができる。前記塗布方法としては、例えば、浸漬法、スプレー法、などが挙げられる。
前記溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、セルソルブチルアセテート、などが挙げられる。
前記焼付としては、特に制限はなく、外部加熱方式であってもよいし、内部加熱方式であってもよく、例えば固定式電気炉、流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉等を用いる方法、マイクロウエーブを用いる方法、などが挙げられる。
ここで、前記キャリアの体積平均粒径は、例えば、マイクロトラック粒度分析計(日機装株式会社)のSRAタイプを使用し、0.7μm以上、125μm以下のレンジ設定を行って測定することができる。
ここで、前記キャリアの体積固有抵抗は、図9に示すように、電極間距離0.2cm、表面積2.5cm×4cmの電極208、電極209を収容したフッ素樹脂製容器からなるセル206に、キャリア207を充填し、落下高さ:1cm、タッピングスピード:30回/min、タッピング回数:10回のタッピングを行う。次に、両電極間に1000Vの直流電圧を印加し、30秒後の抵抗値を、ハイレジスタンスメーター4329A(横川ヒューレットパッカード株式会社製:High Resistance Meter)により測定し、得られた抵抗値rを、下記数式のとおり計算して体積固有抵抗Rとする。
<数式>
R=Log[r×(2.5cm×4cm)÷0.2cm] 〔Log(Ω・cm)〕
本発明の現像剤は、本発明の前記キャリアと、トナーとを含んでなる。
前記現像剤における前記トナーと前記キャリアの混合割合は、キャリア100質量部に対しトナー1〜10.0質量部が好ましい。
前記トナーは、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含んでなり、離型剤、帯電制御剤、更に必要に応じてその他の成分を含んでなる。
前記トナーの製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、粉砕法、水系媒体中で油相を乳化、懸濁又は凝集させトナー母体粒子を形成させる、懸濁重合法、乳化重合法、ポリマー懸濁法等が挙げられるが、これらの中でも、粉砕法が特に好ましい。
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えばポリスチレン、ポリp−スチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の単重合体、スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸共重合隊、スチレン−メタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプロピル共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体、ポリチメルメタクリレート樹脂、ポリブチルメタクリレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ロジン樹脂、変性ロジン樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は芳香族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂などが単独あるいは混合して使用できる。
前記着色剤としては、特に制限はなく、公知の染料及び顔料の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えばカーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記着色剤の前記トナーにおける含有量は1〜15質量%が好ましく、3〜10質量%がより好ましい。
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えばワックス類などが好適に挙げられる。
前記ワックス類としては、例えばカルボニル基含有ワックス、ポリオレフィンワックス、長鎖炭化水素などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、カルボニル基含有ワックスが好ましい。
前記カルボニル基含有ワックスとしては、例えば、ポリアルカン酸エステル、ポリアルカノールエステル、ポリアルカン酸アミド、ポリアルキルアミド、ジアルキルケトンなどが挙げられる。前記ポリアルカン酸エステルとしては、例えば、カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18-オクタデカンジオールジステアレートなどが挙げられる。前記ポリアルカノールエステルとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなどが挙げられる。前記ポリアルカン酸アミドとしては、例えば、ジベヘニルアミドなどが挙げられる。前記ポリアルキルアミドとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリルアミドなどが挙げられる。前記ジアルキルケトンとしては、例えば、ジステアリルケトンなどが挙げられる。これらカルボニル基含有ワックスの中でも、ポリアルカン酸エステルが特に好ましい。
前記ポリオレフィンワックスとしては、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどが挙げられる。
前記長鎖炭化水素としては、例えば、パラフィンワックス、サゾールワックスなどが挙げられる。
前記離型剤の融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、40〜160℃が好ましく、50〜120℃がより好ましく、60〜90℃が特に好ましい。
前記融点が、40℃未満であると、ワックスが耐熱保存性に悪影響を与えることがあり、160℃を超えると、低温での定着時にコールドオフセットを起こし易いことがある。
前記離型剤の溶融粘度としては、該ワックスの融点より20℃高い温度での測定値として、5〜1000cpsが好ましく、10〜100cpsがより好ましい。
前記溶融粘度が、5cps未満であると、離型性が低下することがあり、1000cpsを超えると、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果が得られなくなることがある。
前記離型剤の前記トナーにおける含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1〜40質量%が好ましく、3〜30質量%がより好ましい。
前記含有量が、40質量%を超えると、トナーの流動性が悪化することがある。
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、感光体に帯電される電荷の正負に応じて正又は負の荷電制御剤を適宜選択して用いることができる。
前記負の帯電制御剤としては、例えば、電子供与性の官能基を持つ樹脂又は化合物、アゾ染料、有機酸の金属錯体などが挙げられ、具体的には、ボントロン(品番:S−31、S−32、S−34、S−36、S−37、S−39、S−40、S−44、E−81、E−82、E−84、E−86、E−88、A、1−A、2−A、3−A)(以上、オリエント化学工業社製))、カヤチャージ(品番:N−1、N−2)、カヤセットブラック(品番:T−2、004)(以上、日本化薬社製))、アイゼンスピロンブラック(T−37、T−77、T−95、TRH、TNS−2)(以上、保土谷化学工業社製)、FCA−1001−N、FCA−1001−NB、FCA−1001−NZ、(以上、藤倉化成社製)などが挙げられる。
前記正の荷電制御剤としては、例えば、ニグロシン染料等の塩基性化合物、4級アンモニウム塩等のカチオン性化合物、高級脂肪酸の金属塩等が挙げられ、具体的には、ボントロン(品番:N−01、N−02、N−03、N−04、N−05、N−07、N−09、N−10、N−11、N−13、P−51、P−52、AFP−B)(以上、オリエント化学工業社製)、TP−302、TP−415、TP−4040(以上、保土谷化学工業社製)、コピーブルーPR、コピーチャージ(品番:PX−VP−435、NX−VP−434)(以上、ヘキスト社製)、FCA(品番:201、201−B−1、201−B−2、201−B−3、201−PB、201−PZ、301)(以上、藤倉化成社製)、PLZ(品番:1001、2001、6001、7001)(以上、四国化成工業社製)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記帯電制御剤の添加量は、結着樹脂の種類、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、前記結着樹脂100質量部に対し0.1〜10質量部が好ましく、0.2〜5質量部がより好ましい。前記添加量が10質量部を超えると、トナーの帯電性が大きすぎ、帯電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電気的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招くことがあり、0.1質量部未満であると、帯電立ち上り性や帯電量が十分でなく、トナー画像に影響を及ぼしやすいことがある。
前記無機微粒子としては、例えばシリカ、チタニア、アルミナ、酸化セリウム、チタン酸ストロンチウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウムなどが挙げられる。これらの中でも、シリコーンオイルやヘキサメチルジシラザンなどで疎水化処理されたシリカ微粒子、特定の表面処理を施した酸化チタンが特に好ましい。
前記シリカ微粒子としては、例えば、アエロジル(品番:130、200V、200CF、300、300CF、380、OX50、TT600、MOX80、MOX170、COK84、RX200、RY200、R972、R974、R976、R805、R811、R812、T805、R202、VT222、RX170、RXC、RA200、RA200H、RA200HS、RM50、RY200、REA200)(以上、日本アエロジル社製)、HDK(品番:H20、H2000、H3004、H2000/4、H2050EP、H2015EP、H3050EP、KHD50)、HVK2150(以上、ワッカーケミカル社製)、カボジル(品番:L−90、LM−130、LM−150、M−5、PTG、MS−55、H−5、HS−5、EH−5、LM−150D、M−7D、MS−75D、TS−720、TS−610、TS−530)(以上、キャボット社製)等を用いることができる。
前記無機微粒子の添加量としては、トナー母体粒子100質量部に対し0.1〜5.0質量部が好ましく、0.8〜3.2質量部がより好ましい。
前記粉砕では、前記混練で得られた混練物を粉砕する。この粉砕においては、まず、混練物を粗粉砕し、次いで微粉砕することが好ましい。この際ジェット気流中で衝突板に衝突させて粉砕したり、ジェット気流中で粒子同士を衝突させて粉砕したり、機械的に回転するローターとステーターの狭いギャップで粉砕する方式が好ましく用いられる。
前記分級は、前記粉砕で得られた粉砕物を分級して所定粒径の粒子に調整する。前記分級は、例えば、サイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことにより行うことができる。
前記粉砕及び分級が終了した後に、粉砕物を遠心力などで気流中に分級し、所定の粒径のトナーを製造する。
また、トナーの流動性や保存性、現像性、転写性を高めるために、以上のようにして製造されたトナー母体粒子に更に疎水性シリカ微粉末等の無機微粒子を添加混合してもよい。添加剤の混合は一般の粉体の混合機が用いられるがジャケット等装備して、内部の温度を調節できることが好ましい。なお、添加剤に与える負荷の履歴を変えるには、途中又は漸次添加剤を加えていけばよい。この場合、混合機の回転数、転動速度、時間、温度などを変化させてもよい。又はじめに強い負荷を、次に、比較的弱い負荷を与えても良いし、その逆でもよい。使用できる混合設備としては、例えば、V型混合機、ロッキングミキサー、レーディゲミキサー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサーなどが挙げられる。次いで、250メッシュ以上の篩を通過させ、粗大粒子、凝集粒子を除去し、トナーが得られる。
本発明の現像剤入り容器は、本発明の前記現像剤を容器中に収容してなる。
前記容器としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、現像剤容器本体とキャップとを有してなるもの、などが好適に挙げられる。
前記現像剤容器本体としては、その大きさ、形状、構造、材質などについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記形状としては、円筒状などが好ましく、内周面にスパイラル状の凹凸が形成され、回転させることにより内容物であるトナーが排出口側に移行可能であり、かつ該スパイラル部の一部又は全部が蛇腹機能を有しているもの、などが特に好ましい。
本発明の現像剤入り容器は、保存、搬送等が容易であり、取扱性に優れ、後述する本発明のプロセスカートリッジ、画像形成装置等に、着脱可能に取り付けてトナーの補給に好適に使用することができる。
ここで、図1は、本発明の現像剤を充填した本発明の前記現像剤入り容器を搭載した画像形成装置についての1例を示す概略図である。画像形成装置本体内に装着された現像部1と、この現像部1に補給される本発明の前記現像剤を充填した現像剤入り容器2とが現像剤送流手段3、接続部材24により接続されている。図1中、4は現像ハウジング、5は、攪拌スクリュー、6は、攪拌スクリュー、7は現像ローラ、8は感光体、9はドクターブレードをそれぞれ示す。
本発明のプロセスカートリッジは、静電潜像を担持する静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に担持された静電潜像を、現像剤を用いて現像し可視像を形成する現像手段とを、少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択した、帯電手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段などのその他の手段を有してなる。
前記現像手段としては、本発明の前記現像剤を収容する現像剤収容器と、該現像剤収容器内に収容された現像剤を担持しかつ搬送する現像剤担持体とを、少なくとも有してなり、更に、担持させるトナー層厚を規制するための層厚規制部材等を有していてもよい。
本発明のプロセスカートリッジは、各種電子写真装置、ファクシミリ、プリンターに着脱自在に備えさせることができ、後述する本発明の画像形成装置に着脱自在に備えさせるのが好ましい。
前記感光体101としては、後述する画像形成装置と同様なものを用いることができる。前記帯電手段102には、任意の帯電部材が用いられる。
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
本発明の画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば除電工程、クリーニング工程、リサイクル工程、制御工程等を含む。
本発明の画像形成方法は、本発明の画像形成装置により好適に実施することができ、前記静電潜像形成工程は前記静電潜像形成手段により行うことができ、前記現像工程は前記現像手段により行うことができ、前記転写工程は前記転写手段により行うことができ、前記定着工程は前記定着手段により行うことができ、前記その他の工程は前記その他の手段により行うことができる。
前記静電潜像形成工程は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程である。
前記静電潜像担持体(感光体)としては、その材質、形状、構造、大きさ、等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、その形状としてはドラム状が好適に挙げられ、その材質としては、例えばアモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体、などが挙げられる。これらの中でも、長寿命性の点でアモルファスシリコン等が好ましい。
前記静電潜像の形成は、例えば前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させた後、像様に露光することにより行うことができ、前記静電潜像形成手段により行うことができる。
前記静電潜像形成手段は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させる帯電器と、前記静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備える。
前記帯電は、例えば、前記帯電器を用いて前記静電潜像担持体の表面に電圧を印加することにより行うことができる。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、などが挙げられる。
前記露光は、例えば、前記露光器を用いて前記静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、などの各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
前記現像工程は、前記静電潜像を、本発明の前記現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を本発明の前記現像剤を用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、例えば、本発明の前記現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、本発明の前記現像剤を収容し、前記静電潜像に該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられ、本発明の前記現像剤入り容器を備えた現像器などがより好ましい。
前記現像器は、乾式現像方式のものであってもよいし、湿式現像方式のものであってもよく、また、単色用現像器であってもよいし、多色用現像器であってもよく、例えば、前記現像剤を摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有してなるもの、などが好適に挙げられる。
前記現像器内では、例えば、前記トナーと前記キャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記静電潜像担持体(感光体)近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって該静電潜像担持体(感光体)の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて該静電潜像担持体(感光体)の表面に該トナーによる可視像が形成される。
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記静電潜像担持体(感光体)を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
前記転写手段(前記第一次転写手段、前記第二次転写手段)は、前記静電潜像担持体(感光体)上に形成された前記可視像を前記記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。前記転写手段は、1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。
前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、などが挙げられる。
なお、記録媒体としては、代表的には普通紙であるが、現像後の未定着像を転写可能なものなら、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、OHP用のPETベース等も用いることができる。
前記定着装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組み合わせ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組み合わせ、などが挙げられる。前記加熱加圧手段における加熱は、通常、80〜200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着工程及び定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体上に残留する前記電子写真トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
前記制御工程は、前記各工程を制御する工程であり、制御手段により好適に行うことができる。
現像装置40は、前記現像剤担持体としての現像ベルト41と、現像ベルト41の周囲に併設したブラック現像ユニット45K、イエロー現像ユニット45Y、マゼンタ現像ユニット45M及びシアン現像ユニット45Cとから構成されている。なお、ブラック現像ユニット45Kは、現像剤収容部42Kと現像剤供給ローラ43Kと現像ローラ44Kとを備えており、イエロー現像ユニット45Yは、現像剤収容部42Yと現像剤供給ローラ43Yと現像ローラ44Yとを備えており、マゼンタ現像ユニット45Mは、現像剤収容部42Mと現像剤供給ローラ43Mと現像ローラ44Mとを備えており、シアン現像ユニット45Cは、現像剤収容部42Cと現像剤供給ローラ43Cと現像ローラ44Cとを備えている。また、現像ベルト41は、無端ベルトであり、複数のベルトローラに回転可能に張架され、一部が感光体10と接触している。
なお、前記タンデム画像形成装置においては、二次転写装置22及び定着装置25の近傍に、転写紙の両面に画像形成を行うために該転写紙を反転させるためのシート反転装置28が配置されている。
スタートスイッチ(不図示)を押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットした時は、原稿が搬送されてコンタクトガラス32上へと移動された後で、一方、コンタクトガラス32上に原稿をセットした時は直ちに、スキャナ300が駆動し、第1走行体33及び第2走行体34が走行する。このとき、第1走行体33により、光源からの光が照射されると共に原稿面からの反射光を第2走行体34におけるミラーで反射し、結像レンズ35を通して読取りセンサ36で受光されてカラー原稿(カラー画像)が読み取られ、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの画像情報とされる。
ものではない。
−キャリア1の作製−
下記組成を、ホモミキサーで10分間分散して、被覆層形成用溶液を調製した。
−被覆層形成用溶液の組成−
・アクリル樹脂溶液(固形分濃度:50質量%)・・・1,500質量部
・グアナミン溶液(固形分濃度:70質量%)・・・450質量部
・酸性触媒(固形分濃度:40質量%)・・・9質量部
・アルミナ粒子(平均粒径:0.35μm、体積固有抵抗:1.0×1014Ω・cm)・・・1,500質量部
・トルエン・・・6,000質量部
得られたキャリアを電気炉中で180℃にて1時間放置し、焼成した。冷却後、フェライト粉バルクを目開き63μmの篩を用いて解砕して、「キャリア1」を作製した。
キャリアの体積固有抵抗値は、図9に示すように、電極間距離0.2cm、表面積2.5cm×4cmの電極208、電極209を収容したフッ素樹脂製容器からなるセル206に、キャリア207を充填し、落下高さ:1cm、タッピングスピード:30回/min、タッピング回数:10回のタッピングを行う。次に、両電極間に1000Vの直流電圧を印加し、30秒後の抵抗値を、ハイレジスタンスメーター4329A(横川ヒューレットパッカード株式会社製:High Resistance Meter)により測定し、得られた抵抗値rを、下記数式のとおり計算して体積固有抵抗とした。
キャリアの体積平均粒径の測定は、マイクロトラック粒度分析計(日機装株式会社製)のSRAタイプを使用し、0.7μm以上、125μm以下のレンジ設定を行ったものを用いた。
被覆層の厚みhは、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、キャリア断面を観察し、図7に示すように、芯材表面と粒子との間に存在する樹脂部の厚みhaと、粒子間に存在する樹脂部の厚みhbと、芯材や粒子上の樹脂部の厚みhcとを、キャリア表面に沿って0.2μm間隔で50点測定して、得られた測定値を平均した値である。
被覆層全体の厚みTは、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、キャリア断面を観察し、図7に示すように、芯材表面から被覆層表面までの厚みを、キャリア断面の任意の50点測定の平均値である。
ジューサーミキサーにアミノシランカップリング剤(SH6020、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)30mlにトルエン溶液300mlを入れる。試料6.0gを加え、ミキサー回転速度をlowにセットし、3分間分散する。1,000mlのビーカーに予め用意されたトルエン溶液500mlの中に分散液を適量加えて希釈する。希釈液はホモジナイザーにて常に攪拌を続ける。超遠心式自動粒度分布測定装置(CAPA−700、堀場製作所製)にて体積平均粒径を測定する。
〔CAPA−700測定条件〕
・回転速度:2,000rpm
・最小粒度:0.1μm
・分散媒粘度:0.59mPa・s
・最大粒度:2.0μm
・粒度間隔:0.1μm
・分散媒密度:0.87g/cm3
・粒子密度:無機微粒子の密度は乾式自動嵩密度計アキュピック1330(島津製作所製)を用いて測定した真比重値を入力
第1粒子の含有量は、下記数式2で表される。
〔数式2〕
第1粒子の含有量(wt%)=〔第1粒子の含有量÷被覆層の総量(第1粒子+第2粒子+結着樹脂)〕×100
前記第2粒子の含有量は、下記数式3で表される。
〔数式3〕
第2粒子の含有量(wt%)=〔(第2粒子の含有量÷被覆層の総量(第1粒子+第2粒子+結着樹脂)〕×100
試験用現像スリーブとして、カラープリンタ(株式会社リコー製、imagio color 5100)用現像スリーブ(スリーブの直径:30mm)を改造し、現像極のピーク磁束密度が104mTとなるようにした。次に、この試験用現像スリーブを現像ユニットに取り付け、別途用意したモーターを用いて、芯材投入量を700g、スリーブ回転数を247rpm、運転時間2分間と設定し、ユニットの現像領域開口部から芯材を脱離させた。そして、この脱離し得た芯材を回収した。
回収した芯材について、電子顕微鏡により倍率300倍にて撮影を行い、この画像を自動画像処理解析装置(株式会社ニレコ製、LUZEX AP)により形状分析して、脱離粒子50個について画像解析を行った。下記数式1から丸さの度合いを表す形状係数Faをもとめ、芯材の形状係数をFa、脱離した芯材の形状係数をFbとした。また、形状係数解析時に得られる体積平均粒径を用いており、芯材の体積平均粒径をDa、脱離した芯材の体積平均粒径をDbとした。
<キャリア1の作製>
下記組成を、ホモミキサーで10分間分散して、被覆層形成用溶液を調製した。
−被覆層形成用溶液の組成−
・アクリル樹脂溶液(固形分濃度:50質量%)・・・1,500質量部
・グアナミン溶液(固形分濃度:70質量%)・・・450質量部
・酸性触媒(固形分濃度:40質量%)・・・9質量部
・アルミナ粒子(平均粒径:0.35μm、体積固有抵抗:1.0×1014Ω・cm)・・・1,500質量部
・酸化チタン粒子(平均粒径:0.015μm、体積固有抵抗:1.0×106Ω・cm)・・・500質量部
・トルエン・・・6,000質量部
得られたキャリアを電気炉中にて、180℃で1時間放置して焼成した。冷却後、フェライト粉バルクを目開き63μmの篩を用いて解砕して、「キャリア2」を作製した。
また、脱離試験の結果は、Fa=126、Fb=132、Fb/Fa=1.05、Da=35.0、Db=36.0、Db/Da=1.03であった。
<キャリア3の作製>
実施例2において、被覆層の組成を以下のように変えた以外は、実施例2と同様にして、「キャリア3」を作製した。
−被覆層形成用溶液の組成−
・アクリル樹脂溶液(固形分濃度50質量%)・・・1,500質量部
・グアナミン溶液(固形分濃度70質量%)・・・450質量部
・酸性触媒(固形分濃度40質量%)・・・9質量部
・アルミナ粒子(平均粒径:0.35μm、体積固有抵抗:1.0×1014Ω・cm)・・・1,500質量部
・酸化チタン粒子(平均粒径:0.015μm、体積固有抵抗:1.0×106Ω・cm)・・・500質量部
・トルエン・・・6000質量部
また、脱離試験の結果は、Fa=125、Fb=129、Fb/Fa=1.03、Da=35.2、Db=35.7、Db/Da=1.01であった。
−キャリア4の作製−
実施例3において、第2粒子を酸化亜鉛(平均粒径:0.02μm、体積固有抵抗:1.0×107Ω・cm)に変えた以外は、実施例3と同様にして、「キャリア4」を作製した。
得られた「キャリア4」について、実施例1と同様にして測定した体積固有抵抗は14.3〔Log(Ω・cm)〕、体積平均粒径は35.8μm、磁化は75Am2/kg、被覆層の厚みhは0.15μm、被覆層の全体厚みTは0.2μm、第1粒子(アルミナ)の含有量は48wt%、D1/hは2.3、第2粒子(酸化亜鉛)の含有量は16wt%、D2/hは0.13であった。
また脱離試験の結果は、Fa=125、Fb=130、Fb/Fa=1.04、Da=35.1、Db=35.9、Db/Da=1.02であった。
−キャリア5の作製−
実施例3において、第2粒子を酸化スズ(平均粒径:0.02μm、体積固有抵抗:1.0×105Ω・cm)に変えた以外は、実施例3と同様にして、「キャリア5」を作製した。
得られた「キャリア5」について、実施例1と同様にして測定した体積固有抵抗は13.9〔Log(Ω・cm)〕、体積平均粒径は35.6μm、磁化は75Am2/kg、被覆層の厚みhは0.15μm、被覆層の全体厚みTは0.2μm、第1粒子(アルミナ)の含有量は48wt%、D1/hは2.3、第2粒子(酸化スズ)の含有量は16wt%、D2/hは0.13であった。
また、脱離試験の結果は、Fa=124、Fb=131、Fb/Fa=1.06、Da=35.0、Db=35.8、Db/Da=1.02であった。
−キャリア6の作製−
実施例3において、第2粒子(酸化チタン)の含有量を54wt%(処方:3,000質量部)に変えた以外は、実施例3と同様にして、「キャリア6」を作製した。
得られた「キャリア6」について、実施例1と同様にして測定した体積固有抵抗は12.7〔Log(Ω・cm)〕、体積平均粒径は35.7μm、磁化は75Am2/kg、被覆層の厚みhは0.15μm、被覆層の全体厚みTは0.18μm、第1粒子(アルミナ)含有量は27wt%、D1/hは2.3、D2/hは0.10であった。
また、脱離試験の結果は、Fa=125、Fb=131、Fb/Fa=1.05、Da=35.0、Db=35.7、Db/Da=1.02であった。
−キャリア7の作製−
実施例3において、第1粒子(アルミナ)の含有量を86wt%(処方:10,000質量部)に変えた以外は、実施例3と同様にして、「キャリア7」を作製した。
得られた「キャリア7」について、実施例1と同様にして測定した体積固有抵抗は16.7〔Log(Ω・cm)〕、体積平均粒径は35.7μm、磁化は75Am2/kg、被覆層の厚みhは0.15μm、被覆層の全体厚みTは0.23μm、D1/hは2.3、第2粒子(酸化チタン)の含有量は4.3wt%、D2/hは0.10であった。
また、脱離試験の結果は、Fa=126、Fb=130、Fb/Fa=1.03、Da=35.2、Db=36.0、Db/Da=1.02であった。
−キャリア8の作製−
実施例3において、被覆層厚みが2倍になるようにコーティング量を2倍に増加した以外は、実施例3と同様にして、「キャリア8」を作製した。
得られた「キャリア8」について、実施例1と同様にして測定した体積固有抵抗は15.3〔Log(Ω・cm)〕、体積平均粒径は35.8μm、磁化は75Am2/kg、被覆層の厚みhは0.15μm、被覆層の全体厚みTは0.4μm、第1粒子(アルミナ)含有量は48wt%、D1/hは2.3、第2粒子(酸化チタン)の含有量は16wt%、D2/hは0.10であった。
また、脱離試験の結果は、Fa=125、Fb=130、Fb/Fa=1.04、Da=35.2、Db=35.9、Db/Da=1.02であった。
−キャリア9の作製−
実施例8において、芯材の体積平均粒径を18μmに変えた以外は、実施例8と同様にして、「キャリア9」を作製した。
得られた「キャリア9」について、実施例1と同様にして測定した体積固有抵抗は15.9〔Log(Ω・cm)〕、体積平均粒径は18.2μm、磁化は74Am2/kg、被覆層の厚みhは0.15μm、被覆層の全体厚みTは0.4μm、第1粒子(アルミナ)含有量は48wt%、D1/hは2.3、第2粒子(酸化チタン)の含有量は16wt%、D2/hは0.10であった。
また、脱離試験の結果は、Fa=126、Fb=131、Fb/Fa=1.04、Da=17.6、Db=18.5、Db/Da=1.05であった。
−キャリア10の作製−
実施例8において、芯材の体積平均粒径を80μmに変えた以外は、実施例8と同様にして、「キャリア10」を作製した。
得られた「キャリア10」について、実施例1と同様にして測定した体積固有抵抗は15.1〔Log(Ω・cm)〕、体積平均粒径は80.4μm、磁化は74Am2/kg、被覆層の厚みhは0.15μm、被覆層の全体厚みTは0.4μm、第1粒子(アルミナ)含有量は48wt%、D1/hは2.3、第2粒子(酸化チタン)の含有量は16wt%、D2/hは0.10であった。
また、脱離試験の結果は、Fa=124、Fb=132、Fb/Fa=1.06、Da=78.0、Db=81.2、Db/Da=1.04であった。
−キャリア11の作製−
実施例8において、芯材の磁化を49Am2/kgに変えた以外は、実施例8と同様にして、「キャリア11」を作製した。
得られた「キャリア11」において、実施例1と同様にして測定した体積固有抵抗は15.8〔Log(Ω・cm)〕、体積平均粒径は35.8μm、磁化は48Am2/kg、被覆層の厚みhは0.15μm、被覆層の全体厚みTは0.4μm、第1粒子(アルミナ)含有量は48wt%、D1/hは2.3、第2粒子(酸化チタン)の含有量は16wt%、D2/hは0.10であった。
また、脱離試験の結果は、Fa=127、Fb=133、Fb/Fa=1.05、Da=35.3、Db=36.5、Db/Da=1.03であった。
−キャリア12の作製−
実施例8において、芯材の磁化を83Am2/kgに変えた以外は、実施例8と同様にして、「キャリア12」を作製した。
得られた「キャリア12」について、実施例1と同様にして測定した体積固有抵抗は15.3〔Log(Ω・cm)〕、体積平均粒径は35.6μm、磁化は82Am2/kg、被覆層の厚みh0.15はμm、被覆層の全体厚みTは0.4μm、第1粒子(アルミナ)含有量は48wt%、D1/hは2.3、第2粒子(酸化チタン)の含有量は16wt%、D2/hは0.10であった。
また、脱離試験の結果は、Fa=125、Fb=131、Fb/Fa=1.05、Da=35.0、Db=35.8、Db/Da=1.02であった。
−キャリア13の作製−
実施例3において、被覆層厚が4割(6割減)になるようにコーティング量を減らした以外は、実施例3と同様にして、「キャリア13」を作製した。
得られた「キャリア13」について、実施例1と同様にして測定した体積固有抵抗は12.5〔Log(Ω・cm)〕、体積平均粒径は35.6μm、磁化は75Am2/kg、被覆層の厚みhは0.15μm、被覆層の全体厚みTは0.08μm、第1粒子(アルミナ)含有量は48wt%、D1/hは2.3、第2粒子(酸化チタン)の含有量は16wt%、D2/hは0.10であった。
また、脱離試験の結果は、Fa=126、Fb=131、Fb/Fa=1.04、Da=35.1、Db=35.9、Db/Da=1.02であった。
−キャリア14の作製−
実施例3において、被覆層厚みが16倍になるようにコーティング量を増加した以外は、実施例3と同様にして、「キャリア14」を作製した。
得られた「キャリア14」について、実施例1と同様にして測定した体積固有抵抗は16.6〔Log(Ω・cm)〕、体積平均粒径は35.7μm、磁化は75Am2/kg、被覆層の厚みhは0.15μm、被覆層の全体厚みTは3.2μm、第1粒子(アルミナ)含有量は48wt%、D1/hは2.3、第2粒子(酸化チタン)の含有量は16wt%、D2/hは0.10であった。
また、脱離試験の結果は、Fa=125、Fb=130、Fb/Fa=1.04、Da=35.0、Db=36.0、Db/Da=1.03であった。
−キャリア15の作製−
実施例8において、芯材の脱離試験による脱離物の形状及び粒径が悪い芯材に変えた以外は、実施例8と同様にして、「キャリア15」を作製した。
得られた「キャリア15」において、実施例1と同様にして測定した体積固有抵抗は15.1〔Log(Ω・cm)〕、体積平均粒径は35.6μm、磁化は75Am2/kg、被覆層の厚みhは0.15μm、被覆層の全体厚みTは0.4μm、第1粒子(アルミナ)含有量は48wt%、D1/hは2.3、第2粒子(酸化チタン)の含有量は16wt%、D2/hは0.10であった。
また、脱離試験の結果は、Fa=125、Fb=142、Fb/Fa=1.14、Da=35.3、Db=38.7、Db/Da=1.10であった。
下記材料を、ヘンシェルミキサーにより混合し、2本ロールを用いて、120℃で40分間溶融混練し、冷却した後、ハンマーミルで粗粉砕後、エアージェット粉砕機で微粉砕し、得られた微粉末を分級して、重量平均粒径が5μmのトナー母体粒子を作製した。
−トナー母体粒子の組成−
・結着樹脂(ポリエステル樹脂)・・・100質量部
・離型剤(カルナウバワックス)・・・6質量部
・帯電制御剤(E−84、オリエント化学工業社製)・・・1.5質量部
・着色剤(C.I.ピグメントレッド269)・・・6質量部
次に、得られた「トナー1」7質量部と、実施例1〜14及び比較例1〜2の各「キャリア」93質量部を混合攪拌し、トナー濃度が7質量%の各現像剤を作製した。
得られた各現像剤を用いて、以下のようにして、ドット形成ハーフトーン画像キャリア付着、画像の精細性、地肌部キャリア付着、耐久性(帯電低下量、抵抗変化量)、及びベタ画像キャリア付着を評価した。結果を表3に示す。
帯電量は、キャリア93質量%に対しトナー7質量%の割合で混合し、摩擦帯電させたサンプルを、一般的なブローオフ法[東芝ケミカル株式会社製、TB−200]にて測定した値である。
市販のデジタルフルカラープリンター(株式会社リコー製、imagio Neo C455)改造機に現像剤をセットし、地肌ポテンシャルを120Vに固定、転写電流を20μAに固定、ドット形成ハーフトーン画像をA4サイズ用紙に出力し、画像上のキャリア付着箇所(画像が白く抜ける場所)の個数をもって、ドット形成ハーフトーン画像上のキャリア付着個数とし、下記基準で評価した。なお、◎○△を合格とし、×を不合格とした。
〔評価基準〕
◎:0個
○:1〜2個
△:3〜5個
×:6個以上
画像の精細性については、文字画像部の再現性によって評価した。評価方法は、市販のデジタルフルカラープリンター(株式会社リコー製、IPSiO CX8200)改造機に現像剤をセットし、画像面積5%の文字チャート(1文字の大きさが2mm×2mm程度)を出力し、その文字再現性を画像により、下記基準で評価した。なお、◎○△を合格とし、×を不合格とした。
〔評価基準〕
◎:非常に良好
○:良好
△:許容
×:実用上使用できないレベル
地肌部キャリア付着については、市販のデジタルフルカラープリンター(株式会社リコー製、IPSiO CX8200)改造機に現像剤をセットし、地肌ポテンシャルを150Vに固定し、画像面積1%のA3サイズ文字チャート(1文字の大きさが2mm×2mm程度)を出力し、その地肌部のキャリア付着発生個数を求め、下記基準で評価した。なお、◎○△を合格とし、×を不合格とした。
〔評価基準〕
◎:0個
○:2個以上5個以下
△:6個以上10個以下
×:11個以上
市販のデジタルフルカラープリンター(株式会社リコー製、IPSiO CX8200)改造機に現像剤をセットし、単色による100,000枚のランニング評価を行った。そして、このランニングを終えたキャリアの帯電低下量、及び抵抗低下量をもって耐久性を判断した。
ここで、前記帯電量低下量とは、初期のキャリア95質量%に対しトナー5質量%の割合で混合し摩擦帯電させたサンプルを、一般的なブローオフ法(東芝ケミカル株式会社製、TB−200)にて測定した帯電量(Q1)から、ランニング後の現像剤中のトナーを前記ブローオフ装置にて除去し得たキャリアを、前記方法と同様の方法で測定した帯電量(Q2)を差し引いた量を意味する。目標値は10.0μc/g以内である。また、帯電量の低下の原因はキャリア表面へのトナースペントであるため、このトナースペントを減らすことで、帯電量低下を抑えることができる。
ここで、前記抵抗変化量とは、初期のキャリアを抵抗計測平行電極の電極間(ギャップ2mm)に投入し、DC1000Vを印加して30sec後の抵抗値をハイレジスト計で計測した。得られた値を体積抵抗率に変換した値(R1)から、ランニング後の現像剤中のトナーを前記ブローオフ装置にて除去し得たキャリアを、前記抵抗測定方法と同様の方法で測定した値(R2)を差し引いた量のことを意味する。目標値は絶対値で3.0〔Log(Ω・cm)〕以内である。また、抵抗変化の原因は、キャリアの被覆層の削れ、トナー成分のスペント、キャリア被覆層中の大粒子脱離などであるため、これらを減らすことで、抵抗変化量を抑えることができる。
上記耐久性評価の後、同デジタルフルカラープリンターを用いて地肌ポテンシャルを150Vに固定し、A3サイズ用紙に前面ベタ画像を現像し得た画像上の白抜け個所や実際に付着しているキャリア個数をルーペ観察によりカウントし、そのトータル個数をもってベタ画像キャリア付着量とし、下記基準で評価した。なお、◎○△を合格とし、×を不合格とした。
〔評価基準〕
◎:0個
○:2個以上5個以下
△:6個以上10個以下
×:11個以上
本発明の現像剤は、二成分現像方法等の公知の各種電子写真法による画像形成に好適に用いることができ、現像剤入り容器、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法に特に好適に用いることができる。
10K ブラック用感光体
10Y イエロー用感光体
10M マゼンタ用感光体
10C シアン用感光体
14 支持ローラ
15 支持ローラ
16 支持ローラ
17 中間転写クリーニング装置
18 画像形成手段
20 帯電ローラ
21 露光装置
22 二次転写装置
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ベルト
28 シート反転装置
30 露光装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
40 現像装置
41 現像ベルト
42K 現像剤収容部
42Y 現像剤収容部
42M 現像剤収容部
42C 現像剤収容部
43K 現像剤供給ローラ
43Y 現像剤供給ローラ
43M 現像剤供給ローラ
43C 現像剤供給ローラ
44K 現像ローラ
44Y 現像ローラ
44M 現像ローラ
44C 現像ローラ
45K ブラック用現像器
45Y イエロー用現像器
45M マゼンタ用現像器
45C シアン用現像器
49 レジストローラ
50 中間転写体
51 ローラ
52 分離ローラ
53 手差し給紙路
54 手差しトレイ
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排出トレイ
58 コロナ帯電器
60 クリーニング装置
61 現像器
62 転写帯電器
63 感光体クリーニング装置
64 除電器
70 除電ランプ
80 転写ローラ
90 クリーニング装置
95 転写紙
100 画像形成装置
101 感光体
102 帯電手段
103 露光
104 現像手段
105 記録媒体
107 クリーニング手段
108 転写手段
120 タンデム型現像器
121 加熱ローラ
122 定着ローラ
123 定着ベルト
124 加圧ローラ
125 加熱源
126 クリーニングローラ
127 温度センサ
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 複写装置本体
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)
ha〜hc 被覆層の樹脂部の厚み
T 芯材表面から被覆層表面までの厚み
Claims (20)
- 少なくとも芯材と、該芯材を被覆する被覆層とを有してなり、
前記芯材の下記数式1で表される形状係数をFaとし、
内部に固定磁石を有し、回転軸と直交する方向における表面磁束密度のピークが104mTの磁極領域を有する円筒スリーブ上に前記芯材を磁気的に保持して、247rpmで2分間回転させる脱離試験を行った際に、脱離した芯材の下記数式1で表される形状係数をFbとすると、次式、1.00≦Fb/Fa≦1.10を満たすことを特徴とするキャリア。
- 芯材の形状係数Faが、100〜150である請求項1に記載のキャリア。
- 芯材の平均粒径をDaとし、
内部に固定磁石を有し、回転軸と直交する方向における表面磁束密度のピークが104mTの磁極領域を有する円筒スリーブ上に前記芯材を磁気的に保持して247rpmで2分間回転させる脱離試験を行った際に、脱離した芯材の平均粒径をDbとすると、次式、0.95≦Db/Da≦1.07を満たす請求項1から2のいずれかに記載のキャリア。 - 芯材が、フェライト粒子である請求項1から3のいずれかに記載のキャリア。
- キャリアの体積平均粒径が、20〜65μmである請求項1から4のいずれかに記載のキャリア。
- 印加磁場79.6kA/mにおけるキャリアの磁化が、40〜90Am2/kgである請求項1から5のいずれかに記載のキャリア。
- 被覆層が少なくとも結着樹脂及び第1粒子を含有し、該第1粒子の平均粒径D1(μm)と、前記被覆層の厚みh(μm)とが、次式、1<(D1/h)<10を満たし、かつ前記被覆層全体の厚みTが0.1〜3.0μmである請求項1から6のいずれかに記載のキャリア。
- 第1粒子の体積固有抵抗が、1.0×1012Ω・cm以上である請求項7に記載のキャリア。
- 第1粒子が、アルミナ粒子である請求項7から8のいずれかに記載のキャリア。
- 第1粒子の被覆層における含有量が、10〜80wt%である請求項7から9のいずれかに記載のキャリア。
- 被覆層が更に第2粒子を含有し、該第2粒子の平均粒径D2(μm)と、前記被覆層の厚みh(μm)とが、次式、0.001<(D2/h)<1を満たし、かつ前記第2粒子の体積固有抵抗が1.0×1012Ω・cm以下である請求項7から10のいずれかに記載のキャリア。
- 第2粒子が、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、表面処理された酸化チタン、表面処理された酸化亜鉛、及び表面処理された酸化スズから選択される少なくとも1種の粒子である請求項11に記載のキャリア。
- 第2粒子の被覆層における含有量が、2〜50wt%である請求項11から12のいずれかに記載のキャリア。
- 被覆層における結着樹脂が、アクリル樹脂とアミノ樹脂との架橋反応物、及びシリコーン樹脂のいずれかである請求項7から13のいずれかに記載のキャリア。
- 請求項1から14のいずれかに記載のキャリアと、トナーとを含むことを特徴とする現像剤。
- トナーが、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有する請求項15に記載の現像剤。
- 請求項15から16のいずれかに記載の現像剤が充填されてなることを特徴とする現像剤入り容器。
- 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成した静電潜像を請求項15から16のいずれかに記載の現像剤を用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも有することを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像を請求項15から16のいずれかに記載の現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有することを特徴とする画像形成装置。
- 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像を請求項15から16のいずれかに記載の現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含むことを特徴とする画像形成方法。
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