JP2003034533A - 強磁性材料粉及び該磁性材料粉を用いた電子写真現像剤用キャリア - Google Patents
強磁性材料粉及び該磁性材料粉を用いた電子写真現像剤用キャリアInfo
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Abstract
けるリーク現象の発生がなく、またトナーとの帯電にお
ける環境安定性に優れ、さらに粒子間の磁化のバラツキ
の低減した電子写真現像剤用キャリア及びその製造方
法、並びに該キャリアを用いた電子写真現像剤、及び該
キャリア芯材として用いられる強磁性材料粉を提供す
る。 【解決手段】 マグネタイト相とフェライト相が混在し
た磁性酸化物において、全鉄に対する2価の鉄の比率が
1.0〜32.0であり、かつ上記フェライト相中にマ
グネトプランバイト型フェライト相を含有することを特
徴とする強磁性材料粉。
Description
該磁性材料を用いた電子写真現像剤用キャリア及びその
製造方法、並びに該キャリアを用いた電子写真現像剤に
関する。
真法に使用される二成分現像剤は、トナーとキャリアよ
り構成されており、キャリアは現像機内でトナーと撹拌
混合され、トナーに所望の電荷を与え、電荷を帯びたト
ナーを感光体上の静電潜像に運び、トナー像を形成させ
る担体物質である。そして、キャリアはマグネット上に
残り、再び現像機内に戻り、新たなトナーと再び撹拌混
合され、繰り返し使用される。
定して維持するためには、キャリアの特性が使用期間
中、安定していることが要求される。
画像を得るために従来の酸化被覆鉄粉あるいは樹脂被覆
鉄粉の代わりに、マグネタイト系キャリアやフェライト
系キャリアが用いられてきた。
機やプリンター等が普及してきており、これらの現像方
式のほとんどが反転現像方式のため高いバイアス電圧が
かかることから、キャリア芯材としては、抵抗がある程
度高いものが要求されると共に、現像においては高画像
濃度でかつ階調性等のよい高画質像が望まれている。
合、その芯材が低抵抗のため、リーク現象が見られ、均
一に一様なベタ部の再現はできず、また画像上にハケス
ジが多数発生し、細線画像が乱れる等の画像欠陥があ
る。
うため、抵抗を高抵抗化するための改良が様々に試みら
れているが、いずれの方法でも、基本的にはマグネタイ
ト相中のヘマタイト相を増加させ高抵抗化させている。
しかしながら、非磁性成分であるヘマタイト相の増加
は、低磁化粒子の発生を引き起こし、現像においては、
キャリア付着が発生する。そのため、マグネタイト相中
のヘマタイト相の増加の割合は僅かにしかできず、大半
がマグネタイト相のため、低バイアス電圧においては高
抵抗化するものの、高バイアス電圧の印加時において
は、依然低抵抗であり、現像時におけるリーク現象が見
られ、画像欠陥が発生する。
く、現像の際に感光体上の静電潜像電位がキャリアへリ
ークすることなく、ハケスジ等の発生が認められない。
また、高次の酸化物で構成されているため、使用過程に
おいて劣化現象が認められず、従ってキャリア寿命が長
い利点がある。
の画像濃度を出す領域が狭く、初期で高濃度のベタ部を
出し難い欠点が見られる。
トを含有させた、複合体キャリアが提案されている。
は、軽金属フェライト中にマグネタイト相を0.1〜1
0重量%含有させることにより、帯電工程において過剰
帯電状態とならず、短時間のうちにトナーに安定した帯
電状態を実現させることが提案されている。
イト相とマグネタイト相の複合磁性粉は、磁性体粒子間
の磁化のバラツキによってキャリア付着が多発し、また
マグネタイト相の導電性によるリーク現象が発生する等
の画像欠陥を生じる。さらに、アルカリ金属フェライト
は環境安定性に欠け、帯電特性が大きく変動し、安定な
画像を得ることはできず、現状では満足を得られるもの
がなかった。
久性があり、特に現像時におけるリーク現象の発生がな
く、またトナーとの帯電における環境安定性に優れ、さ
らに粒子間の磁化のバラツキの低減した電子写真現像剤
用キャリア及びその製造方法、並びに該キャリアを用い
た電子写真現像剤、及び該キャリア芯材として用いられ
る強磁性材料粉を提供することにある。
これらの課題を解決すべく検討を進めた結果、マグネタ
イト相とフェライト相が混在した磁性酸化物において
は、全鉄に対する2価の鉄の比率を1.0〜32.0に
抑え、かつフェライト相中にマグネトプランバイト型フ
ェライトを含有させることにより、上記目的が達成でき
ることを見い出し、本発明を完成するに至った。
ェライト相が混在した磁性酸化物において、全鉄に対す
る2価の鉄の比率が1.0〜32.0であり、かつ上記
フェライト相中にマグネトプランバイト型フェライトを
含有することを特徴とする強磁性材料粉を提供するもの
である。
とし、その表面を樹脂被覆したことを特徴とする電子写
真現像剤用キャリアを提供するものである。
酸化物とを含有する原料混合物中に、炭素原子を含む物
質を炭素原子換算で0.1〜3重量%添加し、不活性雰
囲気下において、1100〜1400℃で焼成すること
により得られる上記強磁性材料粉、又は上記焼成後に、
大気中若しくは酸素濃度の制御された雰囲気下に表面酸
化処理をすることにより得られる上記強磁性材料粉のそ
れぞれの表面に、樹脂を被覆したことを特徴とする電子
写真現像剤用キャリアの製造方法を提供するものであ
る。
からなる電子写真現像剤を提供するものである。
いて詳細に説明する。
フェライト相とマグネタイト相が混在した磁性酸化物で
あり、全鉄に対する2価の鉄の比率が1.0〜32.
0、好ましくは10.0〜30.0であり、かつフェラ
イト相中にマグネトプランバイト型フェライトを含有す
る。また、本発明の強磁性材料粉の表面が酸化処理され
ている場合の全鉄に対する2価の鉄の比率は、好ましく
は1.0〜28.0であり、さらに好ましくは10.0
〜28.0である。なお、本発明でいうフェライトと
は、鉄フェライトであるマグネタイト以外のフェライト
をいう。
下、γという)は下記により算出される。 Fe(II):「鉄鉱石中の酸化第一鉄定量方法 JIS
M8213」に基づいて分析を行った2価の鉄の分析値
(重量%) T−Fe:「鉄鉱石中の全鉄定量方法 JISM821
2」に基づいて分析を行った全鉄の分析値(重量%) とした時、 γ=Fe(II)/T−Fe×100 で表される。
フェライトを含有したフェライト相とが混在した磁性酸
化物において、γの値が増加すると、強磁性材料粉の電
気抵抗は低抵抗化する。γの値が32.0を超えた強磁
性材料粉をキャリアとして使用した場合、現像において
リーク現象が発生し好ましくない。逆に、γの値が減少
すると、粒子間の磁化のバラツキが生じ易くなり、γの
値が1.0を下回った強磁性材料粉をキャリアとして使
用した場合、画像上に白斑が生じる、いわゆるキャリア
付着が発生しやはり好ましくない。また、表面酸化処理
を施した該強磁性材料粉においては、γの値が1.0を
下回った強磁性材料粉をキャリアとして使用した場合、
粒子間の磁化のバラツキが発生しやすくなるため、現像
においては、キャリア付着が発生しやはり好ましくな
い。
ことにより、粒子間の磁化のバラツキを減少させ、現像
においては、キャリア付着を大幅に減少させることがで
き、かつ、リーク現象の生じない強磁性材料粉を得るこ
とができる。
る飛散磁化の比率が、0.8以上であることが望まし
い。本体磁化に対する飛散磁化の比率が0.8を下回る
と、現像においてキャリア付着が増加し、好ましくな
い。
は下記により算出される。 X0 :飛散試験を行う前の本体の磁化(emu/g) X:飛散物の磁化(emu/g) X/X0 :飛散磁化に対する本体磁化の比率
東芝社製のレオドライ7610複写機用現像ボックスに
入れ、モーターにて回転数158rpmで10分間撹拌
した際、現像ボックスより飛散した試料を回収し、その
飛散物についての5kOe時の磁化を求めた。
構成としては、マグネトプランバイト型フェライトとス
ピネル型フェライトの複合体であることが好ましい。こ
のような複合体を採ることにより、全鉄に対する2価の
鉄の比率が1.0〜32.0であり、飛散磁化に対する
本体磁化の比率が0.8以上である特性を有する強磁性
材料粉を得ることができる。
構成する元素としては、周期律表の2族の元素から少な
くとも1種以上選択されることが好ましい。上記元素
は、比重が軽いため、キャリアとして使用した場合に、
キャリア同士のストレスが低く、大きな耐久性を有する
ことができる。特に、Mg、Caが好ましい。上記以外
の元素とて、Li、K、Rb等アルカリ金属元素も比重
が軽いが、フェライト相中に存在すると、帯電量の環境
依存性が著しく悪化するため好ましくない。
バイト型フェライトは、Sr及び/又はBaを含有して
いることが好ましい。マグネトプランバイト型フェライ
トの含有量としては、好ましくは0.05〜5.0mo
l%であり、特に好ましくは0.35〜3.0mol%
である。0.05mol%未満では、本体磁化に対する
飛散磁化の比率が増加し、現像の際にはキャリア付着が
増加する。5.0mol%超では、残留磁化、保磁力が
増加し、磁性粒子同士で凝集が生じるため好ましくな
い。
〜80emu/gが好ましく、特に30〜70emu/
gが好ましい。キャリアとして使用した場合、飽和磁化
が80emu/gを超えると、磁気ブラシが硬くなるた
めに、ハキ目やガサツキが生じ、高画質な現像画像を得
ることができない。20emu/g未満では、磁力が低
すぎるため、磁気ブラシより磁性粒子が離脱し、キャリ
ア付着が発生し好ましくない。尚、本発明における飽和
磁化の測定は、理研電子株式会社製B−Hトレーサー
(BHU−60型)を用いて行う。
100μmが好ましく、特に好ましくは30〜50μm
である。キャリアとして使用した場合、平均粒径が10
0μmを超えると、キャリアの比表面積が低下し、トナ
ー飛散やカブリが増加し、高画質な画像が得られない。
平均粒径が20μm未満では、キャリア1粒子当たりの
磁化が低下し、感光体上へのキャリア付着が発生し好ま
しくない。尚、本発明の平均粒径の測定は、日機装株式
会社製マイクロトラック粒度分析計(Model932
0−X100)を用いて行う。
107 〜1.0×1011Ωが好ましく、特に、表面酸化
処理を施した該強磁性材料粉の抵抗は、1.0×108
〜1.0×1011Ωであることが好ましい。高画質化を
図るため交番電界を印加する現像システムでは、高抵抗
な芯材が要求されため、表面酸化処理を施した該強磁性
材料粉が特に好ましい。キャリアとして使用した場合、
芯材抵抗が1.0×1011Ωを超えると、画像濃度が出
にくくなり、好ましくない。また、芯材抵抗が1.0×
107 未満では、リーク現象が発生し易くなり、高画質
画像が得られず、やはり好ましくない。
である。すなわち、磁極間間隔6.5mmにてN極及び
S極を対向させ、非磁性の平行平板電極(面積10×4
0mm)に、試料200mgを秤量して挿入する。磁極
(表面磁束密度:1500Gauss、対向電極面積:
10×30mm)を平行平板電極に付けることにより電
極間に試料を保持させ、印加電圧250Vの抵抗を絶縁
抵抗計にて測定した。
ついて述べる。まず、ヘマタイト、(Fe2 O3 )と、
マグネトプランバイト型フェライトが生成できる元素を
含む各酸化物を適量配合する。この際、焼成時において
マグネタイトを生成させるため、化学量論的配合よりは
ヘマタイトを多量にした配合が好ましい。ヘマタイト以
外の原料の種類としては、周期律表2族の元素を含むこ
とが好ましい。特に、Sr及び/又はBaを含む酸化物
が原料中に含まれていることが好ましい。
いは乾式で、ボールミル、サンドミル又は振動ミル等で
平均粒径を15μm以下、好ましくは5μm以下、さら
に好ましくは2μm以下まで粉砕した後、必要に応じ
て、分散剤、消泡剤、バインダー等を添加し、粘度調整
後、造粒乾燥する。さらに、焼成後の強磁性材料粉の表
面粒界の均一性を上げるため、焼結助剤として炭素原子
を含む物質を炭素原子換算で0.1〜3重量%添加す
る。これにより、焼結性が向上し、粒界の成長度合いが
増すことにより、均一な表面粒界が得ることができる。
添加量が0.1重量%未満では、焼結助剤としての作用
が得られず、3重量%超では、焼結性が進みすぎて、粒
子の球状性が維持できない。焼結助剤としては、ポリビ
ニルアルコール(PVA)、ポリアクリルアミド、ポリ
イソブチレン、ポリカルボン酸塩、アルキルナフタレン
スルホン酸塩等の液状物質やアセチセン、グラファイ
ト、カーボンブラック等の粉末物質が使用できる。また
液状物質の焼結助剤を使用する場合には、造粒時のバイ
ンダーとしても使用可能な物質が好ましい。焼結助剤の
添加は、湿式粉砕時に添加してもよいし、粉末状物質な
ら造粒乾燥して得られた造粒物に添加してもよい。ま
た、マグネタイト反応を促進させるために、還元剤を適
宜添加してもよい。
00℃の温度で1〜24時間保持し、本焼成を行う。こ
のときの焼成雰囲気は、酸素濃度が0.1容量%未満、
好ましくは0.05容量%以下の不活性ガス中の雰囲気
下で行うことが好ましい。この本焼成時に、過剰のヘマ
タイトがマグネタイト化し、1粒子中にマグネタイト相
とフェライト相が均一に混在するようになる。この焼成
雰囲気の酸素濃度が0.1容量%以上存在すると、ヘマ
タイト相が増加し、1粒子中でのマグネタイト相とフェ
ライト相の均一な混在ができなくなり、粒子間の磁化の
バラツキが発生し、好ましくない。
所望の粒径に調整する。さらに、該強磁性材料粉を、大
気中若しくは酸素濃度の制御された雰囲気下で、表面酸
化処理を行うことにより、磁化と抵抗が調整できる。表
面酸化処理方法としてはロータリーキルン方式が望まし
く、処理温度を上げることにより、抵抗は高抵抗化する
が、処理温度を上げすぎると、粒子間の磁化のバラツキ
が発生し、現像においては、キャリア付着が発生する。
しかしながら、本発明の強磁性材料粉は、全鉄に対する
2価の鉄の比率を1.0〜28.0に制御されているた
め、この範囲内において表面酸化処理による所望の抵抗
調整を行っても、粒子間の磁化のバラツキは発生しない
ため、キャリア付着がなく、リーク現象も発生しない高
画質な画像が得られる。
磁性材料粉は、それ自体で電子写真現像剤用キャリアと
して使用することができるが、好ましくはこの強磁性材
料粉を芯材として、その表面に樹脂被覆を行って、電子
写真現像剤用キャリアとして使用する。
としては、特に制限はなく、各種の樹脂を用いることが
可能である。正帯電性トナーに対しては、例えばフッ素
系樹脂、フッ素−アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、
変成シリコーン系樹脂等を用いることができる。また逆
に負帯電性トナーに対しては、例えばアクリル系樹脂、
アクリル−スチレン系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂
とメラミン系樹脂の混合樹脂及びその硬化樹脂、シリコ
ーン系樹脂、変性シリコーン系樹脂、ポリエステル系樹
脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエチレン系
樹脂等を用いることができる。
上剤、プライマー処理剤あるいは抵抗制御剤等を添加し
てもよい。帯電制御剤や抵抗制御剤の例としては、各種
シランカップリング剤、各種チタンカップリング剤、導
電性カーボン、ホウ化チタン等のホウ化物、酸化チタン
や酸化鉄、酸化アルミニウム、酸化クロム、酸化珪素等
の酸化物等が挙げられるが、特に限定されるものではな
い。
ア芯材に対して0.05〜10.0重量%が好ましく、
特に0.5〜7.0重量%が好ましい。0.05重量%
未満ではキャリア表面に均一な被覆層を形成することが
難しく、また10.0重量%を超えるとキャリア同士の
凝集が発生してしまう。
剤に希釈し、上記キャリア芯材の表面に被覆するのが一
般的である。ここに用いられる溶剤としては、有機溶剤
に可溶性のある樹脂である場合は、トルエン、キシレ
ン、セロソルブブチルアセテート、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、メタノール等が挙げら
れ、水溶性樹脂あるいはエマルジョン系樹脂であれば水
を用いればよい。また上記キャリア芯材に、上述のよう
な被覆樹脂を被覆する方法としては、公知の方法、例え
ば刷毛塗り法、乾式法、流動床によるスプレードライ方
式、ロータリドライ方式、万能撹拌機による液浸乾燥法
等により、被覆することができる。被覆率を向上させる
ためには、流動床による方法が好ましい。
る場合は、外部加熱方式又は内部加熱方式のいずれでも
よく、例えば固定式又は流動式電気炉、ロータリ式電気
炉、バーナー炉でもよく、もしくはマイクロウェーブに
よる焼き付けでもよい。焼き付けの温度は使用する樹脂
により異なるが、融点又はガラス転移点以上の温度は必
要であり、熱硬化性樹脂又は縮合架橋型樹脂等では、充
分硬化が進む温度まで上げる必要がある。
が被覆、焼き付けられた後、冷却され、解砕、粒度調整
を経て樹脂被覆キャリアが得られる。
アは、トナーと混合して二成分系現像剤として用いられ
る。
ーとの摩擦帯電により、互いに帯電するが、外部環境の
変動(例えば低温低湿下(10℃、20%RH)と高温
高湿下(35℃、80%RH))により、その帯電量は
変化する。帯電量の変化は、画像特性の変動を引き起こ
すため、外部環境の変動による帯電量の変化幅は、少な
い方が好ましい。
法、乳化重合法、粉砕法等の公知の方法で製造できる。
粉砕法の例としては、バインダ樹脂、着色剤、帯電制御
剤等を、例えばヘンシェルミキサー等の混合機で充分混
合し、次いで二軸押し出し機等で、溶融混練して均一分
散し、冷却後に、ジェットミル等により微粉砕化し、分
級後、例えば風力分級機等により分級して所望の粒径の
トナーを得ることができる。必要に応じて、ワックス、
磁性粉、粘性調整剤、その他の添加剤を含ませてもよ
い。さらに分級後に外添剤等を添加することもできる。
は、特に限定されるものではないが、ポリスチレン、ク
ロロポリスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合
体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン
−メタクリル酸共重合体、さらにはロジン変性マレイン
酸樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレ
ン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリウレタン樹脂、シリ
コーン樹脂等の樹脂を必要に応じて、単独又は混合して
使用することができる。
剤としては、ニグロシン系染料、4級アンモニウム塩、
有機金属錯体、キレート錯体、含金属モノアゾ染料等が
挙げあれる。
従来より知られている染料及び/又は顔料が使用可能で
ある。例えばカーボンブラック、フタロシアニンブル
ー、パーマネントレッド、クロムイエロー、フタロシア
ニングリーン等を使用することができる。
ン、チタン酸バリウム、フッ素微粒子、アクリル微粒子
等を単独又は併用して用いることもできる。
明する。
20.0mol%、SrOを0.5mol%、Fe2 O
3 を79.5mol%を湿式ボールミルで7時間粉砕
し、平均粒径を3μm以下とした。このスラリーに分散
剤、消泡剤を適量加え、さらにバインダー及び焼結助剤
としてPVAを炭素原子換算で1.1重量%添加し、次
いでスプレードライヤーにより造粒、乾燥し、電気炉に
て、不活性雰囲気条件下(酸素濃度0.05容量%以下)
で、温度1210℃で4時間保持し、本焼成を行った。
その後、解砕し、更に分級して平均粒径50μmの粉体
にした後、ローターリーキルンにて、大気中で温度65
0℃の表面酸化処理を行い、強磁性材料粉を得た。
析を行い、全鉄に対する二価の鉄の比率(γ)の値を得
た。さらに、この強磁性材料粉について飛散試験を行
い、本体磁化に対する飛散磁化の値(X/X0 )を得
た。
250V時の抵抗測定を行った。
リコーン系樹脂(商品名:SR−2411、固形分20
重量%、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)をト
ルエン溶剤に溶解させ、流動床を用いてキャリア芯材に
対して0.6重量%被覆し、さらに250℃で3時間焼
き付けを行い、上記樹脂によって被覆されたキャリアを
得た。
径、飽和磁化及び印加電圧250V時の抵抗測定を、上
述した測定器により測定を行った。
キャリアの各物性又は特性を表2に示す。
述したキャリアの、環境変動における帯電量変化を、下
記の方法により求めた。結果を表2に示す。次に、上述
したキャリアとトナー(東芝テック社製フルカラー複写
機:ファンタジア22用のマゼンタトナー:T−FC2
2M)を、それぞれL/L(10℃、20%RH)及び
H/H(35℃、80%RH)の環境条件下に24時間
曝露した後、100ccのポリビンにキャリアを93.
0gとトナーを7.0g入れ、ターブラミキサーにて3
0分間撹拌して現像剤を作成し、東芝ケミカル社製吸引
式ブローオフ装置(型番TB−203型)により帯電量
を測定した。ここで QLL:キャリアとトナーをそれぞれL/L環境下に曝露
して作成した現像剤の帯電量測定値 QHH:キャリアとトナーをそれぞれH/H環境下に曝露
して作成した現像剤の帯電量測定値としたとき、その差
ΔQを下記式により求め、帯電量の環境依存性を評価し
た。 ΔQ=QLL−QHH 帯電量測定条件:ブロ−圧3.0kPa、吸引圧4.0kPa ブロ−時間=10秒値、 網=500M
て、東芝テック社製フルカラー複写機:ファンタジア2
2用のマゼンタトナーにてT−FC22Mを使用し、ト
ナー濃度7.0重量%の現像剤を調製して、東芝テック
社製フルカラー複写機:ファンタジア22でマゼンタス
テーションのみを使用し、初期実写における、画像濃
度、白斑(キャリア付着量)及びハーフトーン白スジの
実機評価を行った。これらの現像剤特性を表2に示す。
なお、本実機評価は、N/N環境下(23℃、55%R
H)において行った。これらの結果を表2に示す。
(I.D.)を測定し、下記のランク付けを行った。 ◎:I.D.が1.80超、原稿濃度を非常によく再現
しており、濃度ムラがなく均一なベタである。 ○:I.D.が1.65超1.80以下、原稿濃度を再
現しており、濃度ムラがない。 △:I.D.が1.50超1.65以下、原稿濃度はの
っており、実用上可能なレベルである。 ×:I.D.が1.40超1.50以下、濃度は低く、
負均一な画像である。 ××:I.D.が1.40以下、全体的に濃度が低くエ
ッジ効果も大きく、原稿濃度に比べ、大きく濃度が低下
している。
ンク付けを行った。 ◎:A3用紙10枚中に無し。 ○:A3用紙10枚中に1〜5個。 △:A3用紙10枚中に5個超、A3用紙3枚中に3個
以下。 ×:A3用紙3枚中に5個超、10個以下。 ××:A3用紙3枚中に10個超。
ハーフトーン白スジが発生する。このハーフトーン白ス
ジのレベルを評価し、ランク付けを行った。 ◎:A3用紙中に無し。 ○:A3用紙中に細かな白スジが1〜3本確認される程
度。 △:A3用紙中に細かな白スジが3本超、10本以下確
認される程度。 ×:A3用紙中に白スジが10本超確認される程度。 ××:A3用紙中に白スジが多数発生し、かつ白く抜け
る箇所がある。
した。 ◎:実機評価において、非常に良好なレベル。 ○:実機評価において、問題の無いレベル。 △:実機評価において、実用上可能なレベル。 ×:実機評価において、問題がある項目があり使用でき
ないレベル。 ××:実機評価において、全ての項目に問題があり使用
できないレベル。
20.0mol%、SrOを0.5mol%、Fe2 O
3 を79.5mol%を湿式ボールミルで7時間粉砕
し、平均粒径を3μm以下とした。このスラリーに分散
剤、消泡剤を適量加え、さらにバインダー及び焼結助剤
としてPVAを炭素原子重量換算で1.1重量%添加
し、次いでスプレードライヤーにより造粒、乾燥し、電
気炉にて、不活性雰囲気条件下(酸素濃度0.05容量
%以下)で、温度1210℃で4時間保持し、本焼成を
行った。その後、解砕し、更に分級して平均粒径約50
μmの強磁性材料粉を得た。
にして電子写真現像剤用キャリア及び現像剤を調製し
た。この強磁性材料粉、電子写真現像剤用キャリア及び
現像剤の各物性及び画像特性を評価し、その結果を表2
に示した。
15.0mol%、CaOを1.0mol%、SrOを
0.5mol%、Fe2 O3 を83.5mol%を用い
た以外は、実施例1と同様にして強磁性材料粉を得た。
にして電子写真現像剤用キャリア及び現像剤を調製し
た。この強磁性材料粉、電子写真現像剤用キャリア及び
現像剤の各物性及び画像特性を評価し、その結果を表2
に示した。
5.0mol%、SrOを0.5mol%、Fe 2 O3
を94.5mol%を用いた以外は、実施例2と同様に
して強磁性材料粉を得た。
にして電子写真現像剤用キャリア及び現像剤を調製し
た。この強磁性材料粉、電子写真現像剤用キャリア及び
現像剤の各物性及び画像特性を評価し、その結果を表2
に示した。
49.5mol%、SrOを0.5mol%、Fe2 O
3 を50.0mol%を用いて、表面酸化処理温度を7
50℃に設定した以外は、実施例1と同様にして強磁性
材料粉を得た。
にして電子写真現像剤用キャリア及び現像剤を調製し
た。この強磁性材料粉、電子写真現像剤用キャリア及び
現像剤の各物性及び画像特性を評価し、その結果を表2
に示した。
20.0mol%、SrOを0.1mol%、Fe2 O
3 を79.9mol%を用いた以外は、実施例2と同様
にして強磁性材料粉を得た。
にして電子写真現像剤用キャリア及び現像剤を調製し
た。この強磁性材料粉、電子写真現像剤用キャリア及び
現像剤の各物性及び画像特性を評価し、その結果を表2
に示した。
2.5mol%、SrOを0.5mol%、Fe 2 O3
を97.0mol%を用いた以外は、実施例2と同様に
して強磁性材料粉を得た。
にして電子写真現像剤用キャリア及び現像剤を調製し
た。この強磁性材料粉、電子写真現像剤用キャリア及び
現像剤の各物性及び画像特性を評価し、その結果を表2
に示した。
処理温度を1000℃にした以外は、実施例5と同様に
して強磁性材料粉を得た。
にして電子写真現像剤用キャリア及び現像剤を調製し
た。この強磁性材料粉、電子写真現像剤用キャリア及び
現像剤の各物性及び画像特性を評価し、その結果を表2
に示した。
20.0mol%、Fe2 O3 を80.0mol%を用
いた以外は、実施例2と同様にして強磁性材料粉を得
た。
にして電子写真現像剤用キャリア及び現像剤を調製し
た。この強磁性材料粉、電子写真現像剤用キャリア及び
現像剤の各物性及び画像特性を評価し、その結果を表2
に示した。
を10.0mol%、Fe2 O3 を90.0mol%を
用い、焼成温度を1250℃とした以外は、実施例2と
同様にして強磁性材料粉を得た。
にして電子写真現像剤用キャリア及び現像剤を調製し
た。この強磁性材料粉、電子写真現像剤用キャリア及び
現像剤の各物性及び画像特性を評価し、その結果を表2
に示した。
3 のみを原料として、焼成温度を1300℃とした以外
は、実施例2と同様にして強磁性材料粉(マグネタイト
粉)を得た。
様にして電子写真現像剤用キャリア及び現像剤を調製し
た。この強磁性材料粉、電子写真現像剤用キャリア及び
現像剤の各物性及び画像特性を評価し、その結果を表2
に示した。
を16.7mol%、Fe2 O3 を83.3mol%の
化学量論的配合を用い、大気中で温度1250℃で焼成
を行った以外は、実施例2と同様にして強磁性材料粉を
得た。
に電子写真現像剤用キャリア及び現像剤を調製した。こ
の強磁性材料粉、電子写真現像剤用キャリア及び現像剤
の各物性及び画像特性を評価し、その結果を表2に示し
た。
芯材として用いた実施例1〜6のキャリアは、実機評価
において、画像濃度、キャリア付着量とリーク現象の画
像評価項目であるハーフトーン白スジの評価及び帯電量
の環境依存性は共に良好である。即ち、全鉄に対する2
価の鉄の比率が1.0〜32.0にある強磁性材料粉を
用いることによって、粒子間の磁化のバラツキを抑え、
かつ抵抗が所望の範囲とすることができる。
0〜32.0の範囲外にある比較例1〜2は、キャリア
付着とリーク現象が発生し、両方を満足することができ
ない。
イト型フェライトが含有していない比較例3では、粒子
間の磁化のバラツキが大きく、キャリア付着を満足でき
ない。
が多量の配合により、焼成後マグネタイト相が存在して
いるキャリアであるが、マグネトプランバイト型フェラ
イト型を含有していないため、キャリア付着が満足でき
ておらず、かつ芯材抵抗が比較的低抵抗のため、リーク
現象も見られる。さらにアルカリ金属であるリチウムを
含有しているため、帯電量の環境差が大きい。
グネタイトキャリアである。芯材抵抗が低抵抗のため、
リーク現象が発生し、また抵抗に起因したキャリア付着
も発生している。
学量論的配合のため、マグネタイト相は発生していない
フェライト単相である。キャリア付着、リーク現象は実
用上使用可能なレベルに近いが、画像濃度が出ておら
ず、総合評価としては満足できるレベルではない。ま
た、上記と同様にリチウムを含有しているため帯電量の
環境差も大きい。
5〜6の印加電圧と芯材抵抗値との関係を示す。
タイト相とマグネトプランバイト型フェライトを含有し
たフェライト相の複合体において、全鉄に対する2価の
鉄の比率が所望の範囲内に制御されているため、粒子間
の磁化のバラツキが少なく、かつ抵抗を所望の範囲内と
することが可能となる。従って、本発明の強磁性材料粉
を用いた電子写真用キャリア及び現像剤は、キャリア付
着が抑えられ、かつリーク現象の見られない、高画質画
像を得ることができ、また高耐久性及び周囲環境に対す
る安定性に優れたものとなる。
よれば、マグネタイト相とフェライト相が均一に混在
し、かつ全鉄に対する2価の鉄の比率が所定の範囲とす
ることができるため、目的とする強磁性材料粉を、安定
的、かつ安価に製造することができる。
グラフである。
Claims (14)
- 【請求項1】 マグネタイト相とフェライト相が混在し
た磁性酸化物において、全鉄に対する2価の鉄の比率が
1.0〜32.0であり、かつ上記フェライト相中にマ
グネトプランバイト型フェライトを含有することを特徴
とする強磁性材粉。 - 【請求項2】 本体磁化に対する飛散磁化の比率が0.
8以上である請求項1記載の強磁性材料粉。 - 【請求項3】 上記フェライト相が、マグネトプランバ
イト型フェライトとスピネル型フェライトの複合体であ
る請求項1又は2記載の強磁性材料粉。 - 【請求項4】 上記フェライト相中に、周期律表2族の
元素を含む請求項1、2又は3記載の強磁性材料粉。 - 【請求項5】 上記マグネトプランバイト型フェライト
がSr及び/又はBaを含有する請求項1〜4のいずれ
かに記載の強磁性材料粉。 - 【請求項6】 飽和磁化が20〜80emu/gである
請求項1〜5のいずれかに記載の強磁性材料粉。 - 【請求項7】 平均粒径が20〜100μmである請求
項1〜6のいずれかに記載の強磁性材料粉。 - 【請求項8】 抵抗が1.0×107 〜1.0×1011
Ωである請求項1〜7のいずれかに記載の強磁性材料
粉。 - 【請求項9】 表面酸化処理がなされており、上記全鉄
に対する2価の鉄の比率が1.0〜28.0であり、か
つ抵抗が1.0×108 〜1.0×1011Ωである請求
項1〜8のいずれか記載の強磁性材料粉。 - 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかに記載の強磁
性材料粉を芯材とし、その表面を樹脂被覆したことを特
徴とする電子写真現像剤用キャリア。 - 【請求項11】 上記樹脂被覆量が0.05〜10重量
%である請求項10記載の電子写真現像剤用キャリア。 - 【請求項12】 ヘマタイトと他の金属酸化物とを含有
する原料混合物中に、炭素原子を含む物質を炭素原子換
算で0.1〜3重量%添加し、不活性雰囲気下におい
て、1100〜1400℃で焼成することにより得られ
る請求項1〜9のいずれかに記載の強磁性材料粉の表面
に、樹脂を被覆したことを特徴とする電子写真現像剤用
キャリアの製造方法。 - 【請求項13】 ヘマタイトと他の金属酸化物とを含有
する原料混合物中に、炭素原子を含む物質を炭素原子換
算で0.1〜3重量%添加し、不活性雰囲気下におい
て、1100〜1400℃で焼成した後、大気中若しく
は酸素濃度の制御された雰囲気下で表面酸化処理をする
ことにより得られる請求項1〜9のいずれかに記載の強
磁性材料粉の表面に、樹脂を被覆したことを特徴とする
電子写真現像剤用キャリアの製造方法。 - 【請求項14】 請求項10又は11記載のキャリアと
トナーとからなる電子写真現像剤。
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