JP4864116B2 - 樹脂被覆キャリアおよびその製造方法、ならびに該樹脂被覆キャリアを含む2成分現像剤、現像装置および画像形成装置 - Google Patents

樹脂被覆キャリアおよびその製造方法、ならびに該樹脂被覆キャリアを含む2成分現像剤、現像装置および画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、像担持体上に形成された静電潜像を現像し可視像化する電子写真方式に用いられる樹脂被覆キャリアおよびその製造方法、ならびに該樹脂被覆キャリアを含む2成分現像剤、その2成分現像剤を用いる現像装置および画像形成装置に関する。
最近のOA(Office Automation)機器の目覚しい発展に伴って、電子写真方式を利用して画像形成処理を行う複写機、プリンタおよびファクシミリ装置などの画像形成装置が広く普及している。
このような電子写真方式を利用する画像形成装置では、画像を形成するために、たとえば、帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、定着工程およびクリーニング工程が行われる。帯電工程では、像担持体である感光体の表面を暗所で均一に帯電させる。露光工程では、帯電された感光体に原稿像の信号光を投射することで、露光部分の帯電を除去し、感光体の表面に静電荷像(静電潜像)を形成する。現像工程では、感光体表面の静電荷像に静電荷像現像用トナー(以後特に断らない限り単に「トナー」と称す)を供給してトナー像(可視像)を形成する。転写工程では、トナーとは逆極性の電荷を記録媒体に与えることによって、感光体表面のトナー像を記録媒体に転写させる。定着工程では、加熱および加圧などの手段により記録媒体上のトナー像を定着させる。クリーニング工程では、記録媒体に転写されずに感光体表面に残ったトナーを回収する。電子写真方式を利用する画像形成装置は、以上の工程を経て記録媒体上に所望の画像を形成する。
電子写真方式を利用する画像形成装置では、トナー像を現像するための現像剤として、トナーのみを含む1成分現像剤、またはトナーとキャリアとを含む2成分現像剤が用いられる。2成分現像剤は、キャリアによりトナーの撹拌、搬送および帯電という機能が付与される。したがって、2成分現像剤は、トナーがキャリアの機能を併せ持つ必要がないので、トナーを単独で含む1成分現像剤に比べると、機能が分離されて制御性が向上し、高画質画像を得やすいという特徴を有する。
キャリアは、トナーを所望の帯電量に安定して帯電させる機能、およびトナーを感光体に搬送する機能という2つの基本機能を有する。また、キャリアは、現像槽内で撹拌され、マグネットローラ上へ搬送され、磁気穂を形成し規制ブレードを通過して再び現像槽内に戻り、繰り返し使用される。キャリアには、このように継続して使用される中で、安定した基本機能を発現させること、特に安定的にトナーを帯電させることが求められる。しかしながら、一般的にキャリアは密度が大きく、撹拌トルクも大きいので、現像槽内で撹拌するためには多くの駆動電力を要する。
ここで近年では、画像形成装置の低消費電力化に関するキャリアの改良が進められており、現像槽の撹拌トルクを低減して低消費電力化するために、キャリアを低密度化する検討も多くなされている。さらにはキャリアの長寿命化といった観点でも低密度のキャリアが検討される傾向にある。キャリアの低密度化を実現するためにはキャリアの芯材そのものを低密度化することが重要である。
このような問題に対し、特許文献1,2には、空隙を設けたキャリア芯材の空隙に樹脂を充填して低密度化を図り、そのキャリア芯材の表面をシリコーン樹脂でコートしたキャリアが開示されている。
特開2006−337579号公報 特開2007−57943号公報
キャリア芯材の被覆に用いる樹脂量は、通常、キャリア芯材に対して2重量部程度であるが、特許文献1,2に開示のキャリアでは最低でも10重量部以上必要であり、製造する観点からすると現実的ではない。具体的には、使用する樹脂量が多くなることでキャリア製造にかかるコストが高くなる。また、使用する樹脂量が多いために、樹脂が充填されたキャリア芯材表面を被覆する樹脂被膜の厚みのコントロールが困難で、さらにキャリア芯材の空隙を充分に含浸できるほどの樹脂を添加するとキャリア粒子同士が付着しやすくなり、均一な樹脂被膜を形成できない。このように、キャリア芯材の表面に形成される樹脂被覆層の厚みが不均一な樹脂被覆キャリアは、現像槽内での撹拌による樹脂被覆層の磨耗割合が不均一になり、トナーを安定して帯電させることができない。
したがって本発明の目的は、多孔質材料で構成されたキャリア芯材の表面に形成される樹脂被覆層の厚みが不均一になるのを防止して、低消費電力で、印刷枚数が増加してもトナーを安定して帯電させることができる樹脂被覆キャリアおよびその製造方法を提供することである。また本発明の他の目的は、前記樹脂被覆キャリアを含む2成分現像剤、ならびに前記2成分現像剤を用いる現像装置および画像形成装置を提供することである。
本発明は、キャリア芯材と、キャリア芯材の表面に形成された樹脂被覆層とを有する樹脂被覆キャリアであって、
キャリア芯材は、表面に細孔が形成される多孔質材料で構成されて、見掛密度が1.6〜2.0g/cmであり、
樹脂被覆層は、架橋型樹脂微粒子を含有し、
前記樹脂被覆層に含有される前記架橋型樹脂微粒子は、前記架橋型樹脂微粒子の体積平均粒子径をDa(μm)とし、前記細孔の面積平均径をDb(μm)としたとき、下記式(1)
(Db+0.3μm)>Da>Db …(1)
を満たし、前記細孔を塞ぐように構成されることを特徴とする樹脂被覆キャリアである。
また本発明は、前記樹脂被覆層が、導電性粒子を含有することを特徴とする。
また本発明は、樹脂被覆キャリア自身の体積平均粒子径が25〜50μmであることを特徴とする。
また本発明は、架橋型樹脂微粒子として、シリコーン樹脂微粒子を用いることを特徴とする。
また本発明は、キャリア芯材の総表面積に対する架橋型樹脂微粒子の総投影面積の割合((架橋型樹脂微粒子の総投影面積/キャリア芯材の総表面積)×100)が10〜30%であることを特徴とする。
また本発明は、前記樹脂被覆キャリアの製造方法であって、
表面に細孔が形成される多孔質材料で構成されて、見掛密度が1.6〜2.0g/cmであるキャリア芯材の表面に、架橋型樹脂微粒子を付着させる架橋型樹脂微粒子添加工程と、
架橋型樹脂微粒子添加工程で得られる、架橋型樹脂微粒子が表面に付着したキャリア芯材に対して樹脂被覆層を形成する被覆工程とを含み、
前記架橋型樹脂微粒子添加工程において用いられるキャリア芯材と架橋型樹脂微粒子とは、架橋型樹脂微粒子の体積平均粒子径をDa(μm)とし、前記細孔の面積平均径をDb(μm)としたとき、式(1)
(Db+0.3μm)>Da>Db …(1)
を満たすことを特徴とする樹脂被覆キャリアの製造方法である。
また本発明は、前記樹脂被覆キャリアと、結着樹脂および着色剤を含むトナーとから構成されることを特徴とする2成分現像剤である。
また本発明は、前記2成分現像剤を用いて現像を行うことを特徴とする現像装置である。
また本発明は、前記現像装置を備えることを特徴とする画像形成装置である。
本発明によれば、樹脂被覆キャリアは、キャリア芯材と、キャリア芯材の表面に形成された樹脂被覆層とを有する。キャリア芯材は、表面に細孔が形成される多孔質材料で構成されて、見掛密度が1.6〜2.0g/cmである。樹脂被覆層は、架橋型樹脂微粒子を含有する。そして、樹脂被覆キャリアは、架橋型樹脂微粒子の体積平均粒子径と、キャリア芯材の表面に形成される細孔の面積平均径とが式(1)を満たすので、細孔が架橋型樹脂微粒子によって塞がれたものとなる。そのため、樹脂被覆層を構成する樹脂が、多孔質材料のキャリア芯材内部の空隙に移行して含浸されるのを防止することができる。したがって、表面に形成される細孔が架橋型樹脂微粒子によって塞がれたキャリア芯材の表面に厚みの均一な樹脂被覆層が形成されて、低消費電力で、印刷枚数が増加してもトナーを安定して帯電させることが可能な樹脂被覆キャリアを得ることができる。
また本発明によれば、樹脂被覆層が、導電性粒子を含有する。これによって、樹脂被覆キャリアは、トナーへの電荷付与性が向上されたものとなる。
また本発明によれば、樹脂被覆キャリアは、体積平均粒子径が25〜50μmである。体積平均粒子径が25μm以上である樹脂被覆キャリアは、静電潜像が形成される像担持体にキャリア自身が付着する現象であるキャリア付着が少なく、画像品質が低下するのを防止することができる。また、体積平均粒子径が50μm以下である樹脂被覆キャリアは、トナー保持能力が高く、トナーによる形成画像の粒状性の悪化を抑制することができる。したがって、体積平均粒子径が25〜50μmの樹脂被覆キャリアは、高精細な高画質画像を形成することができる。
また本発明によれば、架橋型樹脂微粒子としてシリコーン樹脂微粒子を用いることで、キャリア芯材表面に形成された樹脂被覆層に大きな帯電性能の変化を与えることなく、長期の使用に渡り、トナーに対する帯電付与能力を安定させることができる。
また本発明によれば、キャリア芯材の総表面積に対する架橋型樹脂微粒子の総投影面積の割合((架橋型樹脂微粒子の総投影面積/キャリア芯材の総表面積)×100)を10〜30%とすることにより、キャリア芯材の細孔を塞ぐことができ、かつ樹脂微粒子の凝集を抑えることができるため、キャリア芯材表面に均一に樹脂被覆層を形成することができる。
また本発明によれば、樹脂被覆キャリアの製造方法は、架橋型樹脂微粒子添加工程と、被覆工程とを含む。架橋型樹脂微粒子添加工程では、キャリア芯材の表面に架橋型樹脂微粒子を付着させる。そして、被覆工程では、架橋型樹脂微粒子が表面に付着したキャリア芯材に対して樹脂被覆層を形成する。ここで、前記架橋型樹脂微粒子添加工程では、式(1)を満たすような架橋型樹脂微粒子とキャリア芯材とが用いられるので、表面に形成される細孔が架橋型樹脂微粒子によって塞がれたキャリア芯材を得ることができる。そして、表面に形成される細孔が架橋型樹脂微粒子によって塞がれたキャリア芯材に対して樹脂被覆層を形成することで、キャリア芯材の表面に形成される樹脂被覆層の厚みが均一な樹脂被覆キャリアを得ることができる。これにより、低消費電力で、印刷枚数が増加してもトナーを安定して帯電させることが可能な樹脂被覆キャリアを得ることができる。
また本発明によれば、2成分現像剤は、本発明に係る樹脂被覆キャリアと、結着樹脂および着色剤を含むトナーとから構成される。本発明に係る樹脂被覆キャリアは、安定した帯電量をトナーに与えることができるので、印刷枚数が増加しても帯電量が安定した2成分現像剤とすることができる。このような2成分現像剤を用いると、画像を高精細に再現でき、色再現性が良好でかつ画像濃度が高く、かぶりなどの画像欠陥のない高画質画像を長期間に渡って安定して形成できる。
また本発明によれば、現像装置は、本発明に係る2成分現像剤を用いて現像を行うので、印刷枚数が増加しても帯電量の安定したトナーで現像を行うことができ、高精細で、かぶりのないトナー像を長期間に渡って安定して形成することができる。
また本発明によれば、画像形成装置は、本発明に係る現像装置を備える。本発明に係る現像装置は高精細で、かぶりのないトナー像を長期間に渡って安定して形成することができるので、画像形成装置においても、画像を高精細に再現し、色再現性が良好でかつ画像濃度が高く、かぶりなどの画像欠陥のない高画質画像を長期間に渡って安定して形成することができる。
本発明の実施の一形態である樹脂被覆キャリア50の構成を示す図である。 本発明の実施の一形態である現像装置20の構成を示す図である。
1、樹脂被覆キャリア
図1は、本発明の実施の一形態である樹脂被覆キャリア50の構成を示す図である。樹脂被覆キャリア50は、像担持体である感光体上に形成された静電潜像を現像して可視像化する電子写真方式の現像剤に用いられるものであり、トナーを所望の帯電量に安定して帯電させる機能、およびトナーを感光体に搬送する機能という2つの基本機能を有する。樹脂被覆キャリア50は、キャリア芯材51と、キャリア芯材51の表面に形成された樹脂被覆層52とを有する。
(1)キャリア芯材
本実施形態の樹脂被覆キャリア50を構成するキャリア芯材51は、内部に空隙51bが形成されるとともに、表面に細孔51aが形成される多孔質材料で構成されて、見掛密度が1.6〜2.0g/cmである。本実施形態の樹脂被覆キャリア50では、キャリア芯材51の表面に形成される細孔51a(以下、「表面細孔51a」と呼ぶ)は、後述する樹脂被覆層52に含有される架橋型樹脂微粒子53によって、その開口部が塞がれている。
見掛密度が2.0g/cm以下であるキャリア芯材51を含む樹脂被覆キャリア50は、その撹拌時において、現像槽内部にあるマグネットローラなどの駆動トルクを低減できるので省電力化が可能になる。さらに、現像時において現像槽内部ではトナーと樹脂被覆キャリア50とが常に撹拌されているが、見掛密度が充分に小さいと樹脂被覆キャリア50にかかる撹拌ストレス、および樹脂被覆層52の磨耗が低減されるので、印刷枚数が増加しても安定した帯電量をトナーに与えられる樹脂被覆キャリア50とすることができる。また、見掛密度が1.6g/cm以上であるキャリア芯材51は、表面細孔51aの面積平均径が大きくなり過ぎることがないので、樹脂被覆層52に含有される架橋型樹脂微粒子53によって充分に表面細孔51aが塞がれた樹脂被覆キャリア50とすることができる。
本実施形態の樹脂被覆キャリア50においてキャリア芯材51の表面細孔51aは、その合計面積が、キャリア芯材51の総表面積に対して5〜30%の割合となるように形成されている。また、表面細孔51aは、その面積平均径が0.3〜1.0μmとなるように形成されている。表面細孔51aの面積割合が5%未満である場合、見掛密度が充分に小さいキャリア芯材51とすることができない。また、表面細孔51aの面積割合が30%を超える、または面積平均径が1μmを超える場合、樹脂被覆層52に含有されるシリコーン樹脂微粒子53によって充分に表面細孔51aが塞がれた樹脂被覆キャリア50とすることができない。
ここで、表面細孔51aの面積平均径とは、キャリア芯材51の表面に形成される表面細孔51aを小径側から積算した累積面積分布において、全表面細孔に対する累積面積の面積百分率が50%になる円相当径である。キャリア芯材51としては、この分野で常用されるものを使用でき、たとえば、鉄、銅、ニッケルおよびコバルトなどの磁性金属、ならびにフェライトおよびマグネタイトなどの磁性酸化物などを使用できる。
磁性酸化物であるフェライトは、一般にMO・Feなる組成をもつ一群の鉄酸化物である。Mとしては、たとえば、Fe2+、Mn2+、Mg2+、Co2+、Ni2+、Cu2+、Zn2+などの2価の金属イオンが挙げられる。フェライトは、これらの2価の金属イオンを含む金属酸化物と酸化鉄との粉末を混合し、圧縮成形後、焼成することによって得られるが、前記金属酸化物は、1種類のみでもよく、2種類以上でもよい。金属酸化物が混合組成であることによって、キャリア芯材51における磁気的特性の制御可能範囲が広くなる。
Mの原材料としては、Fe2+を含む金属酸化物であればFeが好適である。Mn2+を含む金属酸化物であればMnCOが好適であるが、Mnなどでもよい。Mg2+を含む金属酸化物であればMgCOおよびMg(OH)などが好適である。
フェライトには、軟磁性を示すソフトフェライトと、硬磁性を示すハードフェライトとがあるが、本実施形態において磁性酸化物は、ソフトフェライトであることが好ましい。ハードフェライトは磁石であるため残留磁化が大きく、磁性酸化物がハードフェライトであると、樹脂被覆キャリア粒子同士が互いに付着して、現像剤としての流動性が低下したり、樹脂被覆キャリア50がマグネットローラから離れにくくなるおそれがあるが、磁性酸化物がソフトフェライトであることによって、10emu/g以下まで残留磁化を小さくでき、現像剤としての流動性が良好で、マグネットローラなどから離れやすい樹脂被覆キャリア50とすることができる。
(2)樹脂被覆層
樹脂被覆層52は、樹脂被覆組成物がキャリア芯材51の表面を被覆するように形成された層であり、架橋型樹脂微粒子53を含有する。架橋型樹脂微粒子53としては、シリコーン樹脂微粒子、メラミン樹脂微粒子、ベンゾグアナミン樹脂微粒子、アモルファスシリカ微粒子などを挙げることができるが、シリコーン樹脂微粒子であることが好ましい。架橋型樹脂微粒子53としてシリコーン樹脂微粒子を用いることによって、キャリア芯材51の表面に形成される樹脂被覆層52に大きな帯電性能の変化を与えることなく、長期の使用にわたってトナーに対する帯電付与能力が安定した樹脂被覆キャリア50とすることができる。樹脂被覆層52を構成する樹脂被覆組成物は、架橋型シリコーン樹脂、および必要に応じて導電性粒子、アミノ基含有シランカップリング剤、シリコーン樹脂以外の樹脂、二官能シリコーンオイルなどの添加剤から選ばれる1種または2種以上が混合された混合物である。
樹脂被覆層52に含有される架橋型樹脂微粒子53は、その体積平均粒子径Daが、キャリア芯材51の表面細孔51aの面積平均径をDbとしたとき、下記式(1)を満たし、キャリア芯材51の表面細孔51aを塞ぐように構成される。
(Db+0.3μm)>Da>Db …(1)
このとき、樹脂被覆キャリア50では、キャリア芯材51の総表面積に対する架橋型樹脂微粒子53添加後における開口した表面細孔51a(架橋型樹脂微粒子で塞がれていない表面細孔)の合計面積の割合P1((架橋型樹脂微粒子53添加後における開口した表面細孔51aの合計面積/キャリア芯材の総表面積)×100)が0〜5%となるように、架橋型樹脂微粒子53がキャリア芯材51の表面細孔51aを塞いでいる。
前記割合P1(以下、「開口表面細孔割合P1」と称す)が5%を超える場合、架橋型樹脂微粒子53によって充分に表面細孔51aが塞がれた樹脂被覆キャリア50とすることができない。
なお、開口表面細孔割合P1は、次のようにして算出する。まず、電子顕微鏡(商品名:VE−9500、株式会社キーエンス製)によって1000倍の倍率で架橋型樹脂微粒子53の添加前後のキャリア芯材51を写真撮影する。次いで、キャリア芯材51の中心からキャリア芯材51の半径の1/2の領域を撮影写真よりトリミングし、その領域から画像解析ソフト(商品名:A像くん、旭化成エンジニアリング株式会社製)によって、キャリア芯材51の表面細孔51aの輪郭を抽出して解析することにより、キャリア芯材51の表面細孔合計面積、面積平均径を算出する。このような解析を架橋型樹脂微粒子53の添加前後のキャリア芯材51に対して各50粒子について行い、平均値をそのキャリア芯材51の表面細孔合計面積、面積平均径とする。そして、トリミングした領域の面積をキャリア芯材51の総表面積とし、開口表面細孔割合P1を算出する。
また、樹脂被覆キャリア50では、キャリア芯材51の総表面積に対する架橋型樹脂微粒子53の総投影面積(全架橋型樹脂微粒子の投影面積の総和)の割合P2((架橋型樹脂微粒子の総投影面積/キャリア芯材の総表面積)×100)が10〜30%となるように、樹脂被覆層52中に架橋型樹脂微粒子53が添加されるのが好ましい。前記割合P2(以下、「樹脂微粒子添加割合P2」と称す)が10%未満である場合、架橋型樹脂微粒子53によって充分に表面細孔51aが塞がれた樹脂被覆キャリア50とすることができない。また、樹脂微粒子添加割合P2が30%を超える場合、架橋型樹脂微粒子53同士での凝集が多くなり、樹脂被覆層52の均一性が悪化する。
なお、樹脂微粒子添加割合P2は、次のようにして算出する。まず、架橋型樹脂微粒子53の半径(体積平均粒子径の1/2)から、1粒子あたりの表面積(または投影面積)を算出する。また、架橋型樹脂微粒子53の半径、キャリア芯材51の見掛密度および架橋型樹脂微粒子53の添加重量からキャリア芯材51に対する架橋型樹脂微粒子53の添加粒子数を算出する。そして、前述のようにして算出した架橋型樹脂微粒子53の1粒子あたりの表面積と、架橋型樹脂微粒子53の添加粒子数とを用いて、架橋型樹脂微粒子の総投影面積を算出し、さらに、この算出結果を用いて樹脂微粒子添加割合P2を算出する。
以上のように、樹脂被覆層52に含有される架橋型樹脂微粒子53が、式(1)を満たしてキャリア芯材51の表面細孔51aを塞ぐように構成されているので、樹脂被覆層52を構成する樹脂被覆組成物中の樹脂が、多孔質材料のキャリア芯材51内部の空隙51bに移行して含浸されるのを防止することができる。そのため、キャリア芯材51の表面に形成される樹脂被覆層52の厚みが不均一になるのが防止されて、現像槽内での撹拌による樹脂被覆層52の磨耗割合が均一となり、トナーを安定して帯電させることができる樹脂被覆キャリア50とすることができる。
架橋型樹脂微粒子53は、その体積平均粒子径Daが0.3〜1.0μm以下に設定される。架橋型樹脂微粒子53の体積平均粒子径Daが0.3μm未満である場合、架橋型樹脂微粒子53によって充分に表面細孔51aが塞がれた樹脂被覆キャリア50とすることができない。また、架橋型樹脂微粒子53の体積平均粒子径Daが1.0μmを超える場合、架橋型樹脂微粒子53同士での凝集が多くなり、樹脂被覆層52の均一性が悪化する。
また、樹脂被覆層52は、導電性材料として導電性粒子を含有してもよい。これによって、樹脂被覆キャリア50は、トナーへの電荷付与性が向上されたものとなる。導電性粒子としては、たとえば、導電性カーボンブラック、導電性酸化チタンおよび酸化錫などの酸化物が用いられる。少ない添加量で導電性を発現させるには、カーボンブラックが好適であるが、カラートナーに対しては樹脂被覆キャリア50の樹脂被覆層52からのカーボン脱離が懸念される場合がある。このような場合には、アンチモンをドープした導電性酸化チタンなどが好適である。
(3)樹脂被覆キャリア
キャリア芯材51の表面に樹脂被覆層52が形成されて成る樹脂被覆キャリア50は、その体積平均粒子径が25〜50μmであることが好ましい。体積平均粒子径が25μm以上である樹脂被覆キャリア50は、静電潜像が形成される像担持体にキャリア自身が付着する現象であるキャリア付着が少なく、画像品質が低下するのを防止することができる。また、体積平均粒子径が50μm以下である樹脂被覆キャリア50は、トナー保持能力が高く、トナーによる形成画像の粒状性の悪化を抑制することができる。したがって、体積平均粒子径が25〜50μmの樹脂被覆キャリア50は、高精細な高画質画像を形成することができる。
また、本実施形態の樹脂被覆キャリア50は、キャリア芯材51の内部に形成される空隙51bには、樹脂が充填されていない。そのため、空隙51bに樹脂が充填された樹脂被覆キャリア50よりも、製造の際に使用する樹脂量を少なくすることができ、製造時に使用する樹脂量が多いことによるキャリア粒子同士の付着を抑制することができる。また、製造コストを安くできる。
(4)樹脂被覆キャリアの製造方法
本実施形態の樹脂被覆キャリア50の製造方法は、秤量工程と、混合工程と、粉砕工程と、造粒工程と、仮焼工程と、焼成工程と、解砕工程と、分級工程と、シリコーン樹脂微粒子添加工程と、被覆工程とを含む。
[秤量工程、混合工程]
本工程では、磁性酸化物などのキャリア芯材51の原材料を秤量し、混合して金属原料混合物を得る。2種類以上の磁性酸化物を用いる場合には、2種類以上の磁性酸化物の配合比を、磁性酸化物の目的とする組成と一致させて秤量する。
次に、該金属原料混合物中に樹脂粒子を添加する。ここで添加する樹脂粒子としては、ポリエチレンおよびアクリルなどの炭素系の樹脂粒子と、シリコーン樹脂などのシリコーンを含有する樹脂粒子(以下、「シリコーン系樹脂粒子」と呼ぶ)とが挙げられる。炭素系樹脂粒子とシリコーン系樹脂粒子とは、後述する仮焼工程にて燃焼し、該燃焼時に発生するガスによって、仮焼粉中に中空構造を生成させる点では、同一である。しかしながら、該燃焼後に、炭素系樹脂粒子は仮焼粉中に中空構造を生成させるのみであるが、シリコーン系樹脂粒子は、燃焼後にSiOとなり生成した中空構造中に残留する。
該樹脂粒子の体積平均粒子径は、2〜8μmが好ましい。また、樹脂粒子の添加量は、キャリア芯材51の原材料の全量に対して0.1〜20wt%であることが好ましい。ここで、樹脂粒子の添加量を調整することによって、得られるキャリア芯材51に形成される表面細孔51aの面積平均径、およびキャリア芯材51の全表面積に対する面積割合を制御することができる。
[粉砕工程]
本工程では、金属原料混合物および樹脂粒子を、振動ミルなどの粉砕機中に導入し、体積平均粒子径0.5〜2.0μm、好ましくは1μmまで粉砕する。次いで、この粉砕物に水と、0.5〜2wt%のバインダと、0.5〜2wt%の分散剤とを加えることで、固形分濃度が50〜90wt%のスラリーとし、該スラリーをボールミルなどで湿式粉砕する。ここで、バインダとしては、ポリビニルアルコールなどが好ましく、分散剤としては、ポリカルボン酸アンモニウムなどが好ましい。
[造粒工程]
本工程では、該湿式粉砕されたスラリーを噴霧乾燥機に導入し、100〜300℃の熱風中に噴霧して乾燥させ、体積平均粒子径10〜200μmの造粒粉を得る。得られた造粒粉は、本製造方法で製造される樹脂被覆キャリア50の体積平均粒子径を考慮して、それを外れる粗粒および微粉を、振動ふるいで除外して粒度調整する。具体的には、樹脂被覆キャリア50の体積平均粒子径は25〜50μmが好ましいことから、当該造粒粉の体積平均粒子径を15〜100μmに調整しておくことが好ましい。
[仮焼工程]
本工程では、前記造粒粉を、800℃〜1000℃に加熱した炉に投入し、大気下で仮焼して仮焼品とする。このとき、樹脂粒子が燃焼し発生するガスにより造粒粉中に中空構造が形成される。樹脂粒子としてシリコーン系樹脂粒子を用いた場合には、該中空構造中に非磁性酸化物であるSiOが生成される。
[焼成工程]
本工程では、該中空構造が形成された仮焼品を、1100〜1250℃に加熱した炉に投入して焼成し、フェライト化して焼成物とする。焼成時の温度が高いと鉄の酸化が進行し、磁力が低下するため、キャリア芯材51の残留磁化はたとえば焼成温度で調整することができる。該焼成時の雰囲気は、キャリア芯材原材料のうち、磁性酸化物などの金属原料の種類によって適宜選択される。たとえば、金属原料がFeおよびMn(モル比100:0〜50:50)である場合は窒素雰囲気とする。金属原料がFe、MnおよびMgの場合は窒素雰囲気や酸素分圧調製雰囲気が好ましく、金属原料がFe、MnおよびMgの場合であってMgのモル比が30%を超える場合は大気雰囲気でもよい。
[解砕工程、分級工程]
本工程では、焼成工程で得られた焼成物をハンマーミル解粒等で粗粉砕し、次に気流分級機で1次分級する。さらに振動ふるいまたは超音波ふるいにて粒度をそろえた後、磁場選鉱機にかけて非磁性成分を除去することによって、内部に空隙51bを有し、表面に表面細孔51aが形成されたキャリア芯材51を得る。
[架橋型樹脂微粒子添加工程]
本工程では、分級工程で得られたキャリア芯材51を、架橋型樹脂微粒子53が有機溶媒中に分散されてなる架橋型樹脂微粒子分散液に浸漬し、撹拌しながら加熱(温度:80〜100℃)する。ここで、前記有機溶媒としては、架橋型樹脂微粒子53を溶解させない溶媒であれば特に限定されないが、たとえば、トルエンなどを挙げることができる。
また、有機溶媒中に添加する架橋型樹脂微粒子53は、その体積平均粒子径Daが上記式(1)を満たすものから選ばれる。
なお、有機溶媒中に添加する架橋型樹脂微粒子53の体積平均粒子径Daを予め測定しておいて、前記混合工程における樹脂粒子の添加量を調整することによってキャリア芯材51に形成される表面細孔51aの面積平均径Dbを制御して、上記式(1)を満たすようにしてもよい。
その後、有機溶媒を揮発除去することによってキャリア芯材51の表面に架橋型樹脂微粒子53を付着させ、表面細孔51aが架橋型樹脂微粒子53で塞がれたキャリア芯材51を得る。
このとき、開口表面細孔割合P1は、架橋型樹脂微粒子分散液中に添加する架橋型樹脂微粒子の添加量を調整することによって制御することができる。
[被覆工程]
本工程では、架橋型樹脂微粒子添加工程で得られたキャリア芯材51であり、表面細孔51aが架橋型樹脂微粒子53で塞がれたキャリア芯材51に対して、樹脂被覆組成物がトルエンなどの有機溶媒に溶解されてなるコート樹脂液をコーティングしてキャリア芯材51の表面に樹脂被覆層52を形成し、その後、有機溶媒を揮発除去することによって樹脂被覆キャリア50を得る。
このようにして得られる樹脂被覆キャリア50において、キャリア芯材51の空隙51bに樹脂は入り込んでいない。該空隙51bの大きさは0.7μm程度であり、この程度の大きさの空隙51bを有するキャリア芯材51に樹脂が入り込むためには、樹脂が毛管現象で浸透する必要があるが、本実施形態では、キャリア芯材51の表面細孔51aがシリコーン樹脂微粒子53によって塞がれているので、キャリア芯材51の内部に形成される空隙51bに樹脂は入り込まない。
2、2成分現像剤
2成分現像剤は、前述した樹脂被覆キャリア50と、結着樹脂および着色剤を含むトナーとで構成される。樹脂被覆キャリア50は、安定した帯電量をトナーに与えることができるので、印刷枚数が増加しても帯電量が安定した2成分現像剤とすることができる。このような2成分現像剤を用いると、画像を高精細に再現でき、色再現性が良好でかつ画像濃度が高く、かぶりなどの画像欠陥のない高画質画像を長期間に渡って安定して形成できる。
(1)トナー
トナーは、トナー母粒子を含み、トナー母粒子は結着樹脂および着色剤を必須成分とし、それ以外に、電荷制御剤、離型剤などを含む。また、トナーは、粒子径の異なる2種類以上の外添剤を含む。
(結着樹脂)
結着樹脂としては、特に限定されるものではなく、黒トナー用またはカラートナー用の公知の結着樹脂を使用することができる。たとえば、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸エステル共重合樹脂などのスチレン系樹脂、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂などが挙げられる。また、原料モノマー混合物に離型剤を混合し、重合反応を行って得られる樹脂を用いてもよい。結着樹脂は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
結着樹脂としてポリエステル樹脂を用いる場合、ポリエステル樹脂を得るための芳香系のアルコール成分としては、たとえばビスフェノールA、ポリオキシエチレン−(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.2)−ポリオキシエチレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンおよびこれらの誘導体等が挙げられる。
また上記ポリエステル樹脂の多塩基酸成分としては、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、オルソフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の二塩基酸類、トリメリット酸、トリメチン酸、ピロメリット酸等の三塩基以上の酸類およびこれらの無水物、低級アルキルエステル類が挙げられ、耐熱凝集性の点からテレフタル酸、もしくはその低級アルキルエステルが好ましい。
ここで、トナーを構成する上記ポリエステル樹脂の酸価は、5〜30mgKOH/gが好ましい。酸価が5mgKOH/g未満になると樹脂の帯電特性が低下し、帯電制御剤がポリエステル樹脂中に分散しにくくなる。これにより、帯電量の立ち上がりや連続使用による繰り返し現像の帯電量安定性に悪影響を及ぼす。よって、上記範囲が好ましい。
(着色剤)
着色剤としては、所望の色に応じて種々の着色剤を用いることができ、たとえば、イエロートナー用着色剤、マゼンタトナー用着色剤、シアントナー用着色剤、ブラックトナー用着色剤などが挙げられる。
イエロートナー用着色剤としては、たとえば、カラーインデックスによって分類されるC.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー5、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17などのアゾ系顔料、黄色酸化鉄、黄土などの無機系顔料、C.I.アシッドイエロー1などのニトロ系染料、C.I.ソルベントイエロー2、C.I.ソルベントイエロー6、C.I.ソルベントイエロー14、C.I.ソルベントイエロー15、C.I.ソルベントイエロー19、C.I.ソルベントイエロー21などの油溶性染料などが挙げられる。
マゼンタトナー用着色剤としては、たとえば、カラーインデックスによって分類されるC.I.ピグメントレッド49、C.I.ピグメントレッド57、C.I.ピグメントレッド81、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ソルベントレッド19、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド52、C.I.ベーシックレッド10、C.I.ディスパーズレッド15などが挙げられる。
シアントナー用着色剤としては、たとえば、カラーインデックスによって分類されるC.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ソルベントブルー55、C.I.ソルベントブルー70、C.I.ダイレクトブルー25、C.I.ダイレクトブルー86などが挙げられる。
ブラックトナー用着色剤としては、たとえば、チャンネルブラック、ローラーブラック、ディスクブラック、ガスファーネスブラック、オイルファーネスブラック、サーマルブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラックが挙げられる。これら各種カーボンブラックの中から、得ようとするトナーの設計特性に応じて、適切なカーボンブラックを適宜選択すればよい。
着色剤としては、これらの顔料以外にも、紅色顔料、緑色顔料などを使用してもよい。着色剤は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、同色系のものを2種以上用いることができ、異色系のものをそれぞれ1種または2種以上用いることもできる。
着色剤はマスターバッチの形態で使用されてもよい。着色剤のマスターバッチは、一般的なマスターバッチと同様にして製造できる。たとえば、合成樹脂の溶融物と着色剤とを混練して着色剤を合成樹脂中に均一に分散させた後、得られる溶融混練物を造粒することによって製造できる。合成樹脂には、トナーの結着樹脂と同種のものか、またはトナーの結着樹脂に対して良好な相溶性を有するものが使用される。このとき、合成樹脂と着色剤との使用割合は、特に制限されないが、好ましくは合成樹脂100重量部に対して、30〜100重量部である。また、マスターバッチは、粒径2〜3mm程度に造粒される。
また、着色剤の使用量は、特に制限されないが、好ましくは結着樹脂100重量部に対して5〜20重量部である。これはマスターバッチ量ではなく、マスターバッチに含まれる着色剤そのものの量である。着色剤をこの範囲で用いることによって、トナーの各種物性を損なうことなく、高い画像濃度を有し、画質品位の非常に良好な画像を形成することができる。
(電荷制御剤)
電荷制御剤は、トナーの摩擦帯電性を制御することを目的として添加される。電荷制御剤としては、この分野で常用される正電荷制御用または負電荷制御用の電荷制御剤を使用できる。正電荷制御用の電荷制御剤としては、たとえば、ニグロシン染料、塩基性染料、四級アンモニウム塩、四級ホスホニウム塩、アミノピリン、ピリミジン化合物、多核ポリアミノ化合物、アミノシラン、ニグロシン染料およびその誘導体、トリフェニルメタン誘導体、グアニジン塩、アミジン塩などが挙げられる。
負電荷制御用の電荷制御剤としては、たとえば、オイルブラック、スピロンブラックなどの油溶性染料、含金属アゾ化合物、アゾ錯体染料、ナフテン酸金属塩、サリチル酸およびその誘導体の金属錯体および金属塩(金属はクロム、亜鉛、ジルコニウムなど)、ホウ素化合物、脂肪酸石鹸、長鎖アルキルカルボン酸塩、樹脂酸石鹸などが挙げられる。この中でもホウ素化合物は重金属を含まないものとして特に好ましい。
正電荷制御用電荷制御剤と負電荷制御用電荷制御剤とは、それぞれの用途に応じて使い分ければよい。電荷制御剤は、1種を単独で使用してもよいし、必要に応じて2種以上を併用してもよい。電荷制御剤の使用量は、特に制限されず広い範囲から適宜選択できるが、好ましくは、結着樹脂100重量部に対して0.5〜3重量部である。
(離型剤)
離型剤としては、この分野で常用されるものが使用でき、たとえば、パラフィンワックスおよびその誘導体、マイクロクリスタリンワックスおよびその誘導体などの石油系ワックス、フィッシャートロプシュワックスおよびその誘導体、ポリオレフィンワックスおよびその誘導体、低分子量ポリプロピリンワックスおよびその誘導体、ポリオレフィン系重合体ワックス(低分子量ポリエチレンワックスなど)およびその誘導体などの炭化水素系合成ワックス、カルナバワックスおよびその誘導体、ライスワックスおよびその誘導体、キャンデリラワックスおよびその誘導体、木蝋などの植物系ワックス、蜜蝋、鯨蝋などの動物系ワックス、脂肪酸アミド、フェノール脂肪酸エステルなどの油脂系合成ワックス、長鎖カルボン酸およびその誘導体、長鎖アルコールおよびその誘導体、シリコーン系重合体、高級脂肪酸などが挙げられる。なお、誘導体には、酸化物、ビニル系モノマーとワックスとのブロック共重合物、ビニル系モノマーとワックスとのグラフト変性物などが含まれる。離型剤の使用量は特に制限されず広い範囲から適宜選択できるが、好ましくは、結着樹脂100重量部に対して0.2〜20重量部である。
(外添剤)
トナーの外添剤としては、この分野で常用されるものを使用でき、たとえば、酸化ケイ素、酸化チタン、炭化ケイ素、酸化アルミニウム、チタン酸バリウムなどが挙げられる。本実施形態では、粒子径の異なる2種類以上の外添剤を併用し、少なくとも1種類の1次粒子径の体積平均粒子径が0.1〜0.2μmである。外添剤として、少なくとも1種類の1次粒子径が0.1〜0.2μmであるものを用いると、特にカラートナーにおいて、転写性が向上するとともに、外添剤のキャリア表面への付着による帯電低下を引き起こすことなく、長期的かつ安定的にトナーを帯電させことができる。外添剤の使用量は、特に制限されないが、好ましくはトナーが100重量部に対して0.1〜3.0重量部である。
これらトナーの原料は、外添剤を除いて、ヘンシェルミキサ、スーパーミキサ、メカノミルおよびQ型ミキサなどの混合機により混合され、得られる原料混合物は2軸混練機、1軸混練機および連続式2本ロール型混練機などの混練機によって70〜180℃程度の温度にて溶融混練された後、冷却固化される。冷却固化後のトナーの原料の溶融混練物は、カッターミル、フェザーミルなどによって粗粉砕される。得られる粗粉砕物は、微粉砕される。微粉砕には、ジェットミル、流動層型ジェット粉砕機などが用いられる。これらの粉砕機は、複数の方向からトナー粒子を含む気流を衝突させることによってトナー粒子同士を衝突させてトナー粒子の粉砕を行うものである。これによって、特定の粒度分布を有する非磁性のトナー母粒子を製造できる。トナー母粒子の粒子径は、特に限定されるものではないが、体積平均粒子径が3〜10μmの範囲が好ましい。さらに必要に応じて分級などの粒度調整を行ってもよい。このように製造されたトナー母粒子に対して上記外添剤を公知の方法で添加する。なお、トナーの製造方法は上記に限定されるものではない。
(2)2成分現像剤
2成分現像剤は、上記トナーと上記樹脂被覆キャリア50とを混合することによって製造される。トナーと樹脂被覆キャリア50との混合割合は、特に制限はないが、高速画像形成装置(A4サイズの画像で40枚/分以上)に用いることを考慮すると、樹脂被覆キャリア50の体積平均粒子径/トナーの体積平均粒子径が5以上の状態で、樹脂被覆キャリア50の総表面積(全樹脂被覆キャリア粒子の表面積の総和)に対するトナーの総投影面積(全トナー粒子の投影面積の総和)の割合((トナーの総投影面積/樹脂被覆キャリア50の総表面積)×100)が30〜70%になればよい。これによって、トナーの帯電性が充分良好な状態で安定的に維持され、高速画像形成装置においても高画質画像を安定的に、かつ長期的に形成できる好適な2成分現像剤として使用できる。
たとえば、トナーの体積平均粒子径が6.5μm、樹脂被覆キャリア50の体積平均粒子径が50μm、樹脂被覆キャリア50の総表面積に対するトナーの総投影面積の割合を30〜70%にすると、2成分現像剤において樹脂被覆キャリア100重量部に対してトナー2.2〜5.3重量部程度を含むようになる。このような2成分現像剤で高速現像すると、トナー消費量とトナーの消費に応じて現像装置の現像槽に供給されるトナー供給量とがそれぞれ最大になり、それでも需給バランスが損なわれることがない。そして、2成分現像剤における樹脂被覆キャリア50の量が2.2〜5.3重量部程度よりも多くなると、帯電量がより低くなる傾向があり所望の現像特性が得られないばかりか、トナー供給量よりもトナー消費量の方が多くなり、トナーに充分な電荷を付与できなくなり、画質の劣化を招く。反対に、樹脂被覆キャリア50の量が少ない場合は帯電量が高くなる傾向があり、樹脂被覆キャリア50からトナーが電界によって分離しにくくなり、結果として画質の劣化を招く。
本実施形態において、トナーの総投影面積は、以下のように算出する。トナーの比重を1.0とし、コールターカウンタ(商品名:コールターカウンタ・マルチサイザーII、ベックマン・コールター社製)で得られた体積平均粒子径を基に算出する。すなわち、混合するトナー重量に対するトナー個数を算出し、トナー個数×トナー面積(円と仮定して算出)をトナー総投影面積とする。同様に、樹脂被覆キャリア50の表面積はマイクロトラック(商品名:マイクロトラックMT3000、日機装株式会社製)より得られた粒子径を基に混合する樹脂被覆キャリア重量から総表面積を算出する。このときの樹脂被覆キャリア50の比重は3.7とする。上記で得られた、(トナーの総投影総面積/樹脂被覆キャリア50の総表面積)×100で混合比を算出する。
3、現像装置
図2は、本発明の実施の一形態である現像装置20の構成を示す図である。現像装置20は、前述した2成分現像剤1を用いて現像を行う。図2に示すように、現像装置20は、2成分現像剤1を格納する現像ユニット10と、2成分現像剤1を像担持体(感光体)15に搬送する現像剤担持体(現像剤搬送担持体)13とを備える。
現像ユニット10の内部に予め投入された、樹脂被覆キャリア50とトナーとから成る2成分現像剤1が、撹拌スクリュー12により撹拌されることによって、2成分現像剤1が帯電する。そして、2成分現像剤1は、図示しない磁界発生手段を内部に配設した現像剤担持体13に搬送され、現像剤担持体13表面に保持される。現像剤担持体13表面に保持された2成分現像剤1は、現像剤規制部材14により一定層厚に調整され、現像剤担持体13と像担持体15との近接領域に形成される現像領域に搬送される。現像領域まで搬送された2成分現像剤1に交流バイアスが印加されることによって、像担持体15上の静電荷像が反転現像法で顕像化され、像担持体15上に可視像が形成される。
可視像形成によるトナー消費は、トナー濃度センサ16により、2成分現像剤重量に対するトナー重量比であるトナー濃度の変化として検知される。消費された分は、予め定められた規定トナー濃度に達したことをトナー濃度センサ16が検知するまでトナーホッパー17から補給されるので、現像ユニット10内部の2成分現像剤1におけるトナー濃度は略一定に保たれる。本実施形態において、現像剤担持体13と現像剤規制部材14とのギャップ、および現像領域における現像剤担持体13と像担持体15とのギャップは、たとえば、0.4mmに設定されるが、これは単なる例示でありこの数値に限定されることはない。このように、本実施形態の現像装置20は、本実施形態の2成分現像剤を用いて現像を行うので、印刷枚数が増加しても帯電量の安定したトナーで現像を行うことができ、高精細で、かぶりのないトナー像を長期間に渡って安定して形成することができる。
4、画像形成装置
本実施形態の画像形成装置は、前述した現像装置20を備える。他の構成は、公知の電子写真方式の画像形成装置と同様の構成を用いることができ、たとえば、像担持体と、帯電手段と、露光手段と、転写手段と、定着手段と、像担持体クリーニング手段と、中間転写体クリーニング手段とを含む。像担持体は、表面に静電荷像を形成し得る感光層を有する。帯電手段は、像担持体表面を所定電位に帯電させる。露光手段は、表面が帯電状態にある像担持体に画像情報に応じた信号光を照射して像担持体の表面に静電荷像(静電潜像)を形成する。転写手段は、現像装置20からトナーが供給されて現像された像担持体表面のトナー像を中間転写体に転写した後、記録媒体に転写する。定着手段は、記録媒体表面のトナー像を記録媒体に定着させる。像担持体クリーニング手段は、トナー像の記録媒体への転写後において、像担持体表面に残留するトナーおよび紙粉などを除去する。中間転写体クリーニング手段は、上記中間転写体に付着した余分なトナーなどを除去する。
本実施形態の画像形成装置は、前述した現像装置20を備える。現像装置20は、高精細で、かぶりのないトナー像を長期間に渡って安定して形成することができるので、本実施形態の画像形成装置においても、画像を高精細に再現し、色再現性が良好でかつ画像濃度が高く、かぶりなどの画像欠陥のない高画質画像を長期間に渡って安定して形成することができる。
(実施例)
以下に本発明に係る実施例および比較例を記載する。本発明はその要旨を超えない限り、本実施例に限定されるものではない。以下において、「部」は「重量部」を示す。また、特に断らない限り「%」は「重量%」を示す。
なお、実施例および比較例で用いた、キャリア芯材の見掛密度、キャリア芯材の表面細孔の面積平均径、キャリアの体積平均粒子径、トナーの体積平均粒子径は、以下のようにして測定した。
[キャリア芯材の見掛密度]
キャリア芯材の見掛密度は、JIS Z2504 2000に準拠して測定した。
[キャリア芯材の表面細孔の面積平均径]
電子顕微鏡(商品名:VE−9500、株式会社キーエンス製)によって1000倍の倍率で架橋型樹脂微粒子の添加前後のキャリア芯材を写真撮影する。次いで、キャリア芯材の中心からキャリア芯材の半径の1/2の領域を撮影写真よりトリミングし、その領域から画像解析ソフト(商品名:A像くん、旭化成エンジニアリング株式会社製)によって、キャリア芯材の表面細孔の輪郭を抽出して解析することにより、キャリア芯材の表面細孔合計面積、面積平均径を算出する。このような解析を架橋型樹脂微粒子の添加前後のキャリア芯材に対して各50粒子について行い、平均値をそのキャリア芯材の表面細孔合計面積、面積平均径とした。
[樹脂被覆キャリアの体積平均粒子径]
エマルゲン109P(花王社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテルHLB13.6)5% 10mLに測定試料約10〜15mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散した。このうち約1mLをマイクロトラックMT3000(日機装株式会社)の所定箇所に加えた後、1分間撹拌し散乱光強度が安定したのを確認して測定を行った。
[トナーの体積平均粒子径]
100mLビーカーに、塩化ナトリウム(1級)の1%水溶液(電解液)を20mL入れ、これにアルキルベンゼンスルホン酸塩(分散剤)0.5mLおよびトナー試料3mgを順次添加し、5分間超音波分散した。これに全量が100mLになるように塩化ナトリウム(1級)の1%水溶液を添加し、再度5分間超音波分散したものを測定用試料とした。この測定用試料について、コールターカウンタ TA−III(商品名、コールター社製)を用い、アパーチャー径100μm、測定対象粒径が個数基準で2〜40μmの条件下で測定を行い、体積平均粒子径を算出した。
実施例および比較例で用いた現像剤に含まれる樹脂被覆キャリアおよびトナーの作製方法について説明する。
<樹脂被覆キャリアの作製>
(実施例1)
[秤量工程、混合工程]
キャリア芯材の原材料として、微粉砕したFeとMgCOとを準備し、モル比でFe:MgCO=80:20となるように秤量し、混合して金属原料混合物を得た。水中へ、キャリア芯材の全原材料に対して5wt%に相当する体積平均粒子径5μmのポリエチレン樹脂粒子(商品名:LE−1080、住友精化株式会社製)と、1.5wt%に相当するポリカルボン酸アンモニウム系分散剤と、0.05wt%に相当するSNウェット980(湿潤剤、サンノプコ株式会社製)と、0.02wt%に相当するポリビニルアルコール(バインダ)とを添加した水溶液を調製した。
[粉砕工程]
前記水溶液に金属原料混合物を投入して撹拌し、濃度75wt%のスラリーを得た。このスラリーを湿式ボールミルにて湿式粉砕し、体積平均粒子径が1μmとなるまでしばらく撹拌した。
[造粒工程]
スプレードライヤーにて該スラリーを噴霧し、体積平均粒子径10〜200μmの乾燥した造粒品を得た。網目61μmの篩網を用いてこの造粒品から粗粒を分離した。
[仮焼工程]
大気下において乾燥造粒品を900℃で加熱することで仮焼し、樹脂粒子成分を分解させて仮焼品とした。
[焼成工程]
1160℃の窒素雰囲気下で仮焼品を5時間焼成してフェライト化させ、焼成品とした。
[解砕工程、分級工程]
焼成品をハンマーミルで解砕して、風力分級機を用いて微粉を除去し、網目54μmの振動ふるいで粒度調整することによってキャリア芯材C1を得た。得られたキャリア芯材C1は、見掛密度が1.80g/cmであり、表面細孔の面積平均径が0.60μmであった。
[架橋型樹脂微粒子添加工程]
架橋型樹脂微粒子として体積平均粒子径0.70μmのシリコーン樹脂微粒子S1(商品名:トスパール、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)を、キャリア芯材C1の総表面積に対するシリコーン樹脂微粒子S1の総投影面積の割合((シリコーン樹脂微粒子S1の総投影面積/キャリア芯材C1の総表面積)×100)である樹脂微粒子添加割合P2が20%となるように重量を調整し、トルエン15部に超音波分散させて、架橋型樹脂微粒子分散液を得た。
得られた架橋型樹脂微粒子分散液に、キャリア芯材C1の100部を浸し、加熱しながら撹拌した。その後、トルエンを揮発除去することによって、キャリア芯材C1の表面にシリコーン樹脂微粒子S1を付着させ、表面細孔がシリコーン樹脂微粒子S1で塞がれたキャリア芯材C1を得た。
このとき、開口表面細孔割合P1(キャリア芯材の総表面積に対する微粒子添加後における開口した表面細孔の合計面積の割合)が3%となった。
[被覆工程]
架橋型シリコーン樹脂A(商品名:KR240、信越化学工業株式会社製)2.0部および架橋型シリコーン樹脂B(商品名:KR251、信越化学工業株式会社製)2.0部をトルエン15部に溶解し、そこに導電性粒子(商品名:VULCAN XC−72、キャボット株式会社製)0.20部、およびカップリング剤(商品名:AY43−059、東レ・ダウコーニング株式会社製)0.20部を内添または分散させることでコート樹脂液を調製した。前記コート樹脂液19.4部を用いて、表面細孔がシリコーン樹脂微粒子S1で塞がれたキャリア芯材C1の表面を、浸漬法によって被覆した。その後、キュア温度200℃、キュア時間1時間の硬化過程を経て、目開き150μmのふるいにかけることで、実施例1の樹脂被覆キャリアを得た。得られた実施例1の樹脂被覆キャリアは、体積平均粒子径が45μmであった。
(実施例2)
混合工程において、キャリア芯材の全原材料に対するポリエチレン樹脂粒子の添加量を、5wt%から0.5wt%に変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施例2の樹脂被覆キャリアを得た。実施例2の樹脂被覆キャリアにおいて、キャリア芯材C2は、見掛密度が1.98g/cmであり、表面細孔の面積平均径が0.42μmであった。
このとき、開口表面細孔割合P1(キャリア芯材の総表面積に対する微粒子添加後における開口した表面細孔の合計面積の割合)が2%となった。そして、実施例2の樹脂被覆キャリアは、体積平均粒子径が45μmであった。
(実施例3)
混合工程において、キャリア芯材の全原材料に対するポリエチレン樹脂粒子の添加量を、5wt%から15wt%に変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施例3の樹脂被覆キャリアを得た。実施例3の樹脂被覆キャリアにおいて、キャリア芯材C3は、見掛密度が1.62g/cmであり、表面細孔の面積平均径が0.67μmであった。
このとき、開口表面細孔割合P1(キャリア芯材の総表面積に対する微粒子添加後における開口した表面細孔の合計面積の割合)が4%となった。そして、実施例3の樹脂被覆キャリアは、体積平均粒子径が45μmであった。
(実施例4)
被覆工程において、コート樹脂液中に導電性粒子を添加しないこと以外は実施例1と同様にして、実施例4の樹脂被覆キャリアを得た。実施例4の樹脂被覆キャリアにおいて、キャリア芯材C4は、見掛密度が1.80g/cmであり、表面細孔の面積平均径が0.60μmであった。
このとき、開口表面細孔割合P1(キャリア芯材の総表面積に対する微粒子添加後における開口した表面細孔の合計面積の割合)が4%となった。そして、実施例4の樹脂被覆キャリアは、体積平均粒子径が45μmであった。
(実施例5)
造粒工程の条件を変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施例5の樹脂被覆キャリアを得た。実施例5の樹脂被覆キャリアにおいて、キャリア芯材C5は、見掛密度が1.83g/cmであり、表面細孔の面積平均径が0.61μmであった。
このとき、開口表面細孔割合P1(キャリア芯材の総表面積に対する微粒子添加後における開口した表面細孔の合計面積の割合)が4%となった。そして、実施例5の樹脂被覆キャリアは、体積平均粒子径が25μmであった。
(実施例6)
造粒工程の条件を変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施例6の樹脂被覆キャリアを得た。実施例6の樹脂被覆キャリアにおいて、キャリア芯材C6は、見掛密度が1.79g/cmであり、表面細孔の面積平均径が0.59μmであった。
このとき、開口表面細孔割合P1(キャリア芯材の総表面積に対する微粒子添加後における開口した表面細孔の合計面積の割合)が3%となった。そして、実施例6の樹脂被覆キャリアは、体積平均粒子径が50μmであった。
(実施例7)
造粒工程の条件を変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施例7の樹脂被覆キャリアを得た。実施例7の樹脂被覆キャリアにおいて、キャリア芯材C7は、見掛密度が1.78g/cmであり、表面細孔の面積平均径が0.58μmであった。
このとき、開口表面細孔割合P1(キャリア芯材の総表面積に対する微粒子添加後における開口した表面細孔の合計面積の割合)が3%となった。そして、実施例7の樹脂被覆キャリアは、体積平均粒子径が55μmであった。
(実施例8)
造粒工程の条件を変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施例8の樹脂被覆キャリアを得た。実施例8の樹脂被覆キャリアにおいて、キャリア芯材C8は、見掛密度が1.75g/cmであり、表面細孔の面積平均径が0.62μmであった。
このとき、開口表面細孔割合P1(キャリア芯材の総表面積に対する微粒子添加後における開口した表面細孔の合計面積の割合)が3%となった。そして、実施例8の樹脂被覆キャリアは、体積平均粒子径が20μmであった。
(実施例9)
混合工程において、キャリア芯材の全原材料に対するポリエチレン樹脂粒子の添加量を、5wt%から0.5wt%に変更したこと、架橋型樹脂微粒子を体積平均粒子径0.50μmのメラミン樹脂微粒子(商品名:エポスター、日本触媒株式会社製)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施例9の樹脂被覆キャリアを得た。実施例9の樹脂被覆キャリアにおいて、キャリア芯材C9は、見掛密度が1.98g/cmであり、表面細孔の面積平均径が0.42μmであった。
このとき、開口表面細孔割合P1(キャリア芯材の総表面積に対する微粒子添加後における開口した表面細孔の合計面積の割合)が1%となった。そして、実施例9の樹脂被覆キャリアは、体積平均粒子径が45μmであった。
(実施例10)
混合工程において、キャリア芯材の全原材料に対するポリエチレン樹脂粒子の添加量を、5wt%から0.5wt%に変更したこと、キャリア芯材の総表面積に対するシリコーン樹脂微粒子の総投影面積の割合((シリコーン樹脂微粒子の総投影面積/キャリア芯材の総表面積)×100)である樹脂微粒子添加割合P2が10%となるように重量を調整したこと以外は実施例1と同様にして、実施例10の樹脂被覆キャリアを得た。実施例10の樹脂被覆キャリアにおいて、キャリア芯材C10は、見掛密度が1.98g/cmであり、表面細孔の面積平均径が0.42μmであった。
このとき、開口表面細孔割合P1(キャリア芯材の総表面積に対する微粒子添加後における開口した表面細孔の合計面積の割合)が3%となった。そして、実施例10の樹脂被覆キャリアは、体積平均粒子径が45μmであった。
(実施例11)
混合工程において、キャリア芯材の全原材料に対するポリエチレン樹脂粒子の添加量を、5wt%から0.5wt%に変更したこと、キャリア芯材の総表面積に対するシリコーン樹脂微粒子の総投影面積の割合((シリコーン樹脂微粒子の総投影面積/キャリア芯材の総表面積)×100)である樹脂微粒子添加割合P2が5%となるように重量を調整したこと以外は実施例1と同様にして、実施例11の樹脂被覆キャリアを得た。実施例11の樹脂被覆キャリアにおいて、キャリア芯材C11は、見掛密度が1.98g/cmであり、表面細孔の面積平均径が0.42μmであった。
このとき、開口表面細孔割合P1(キャリア芯材の総表面積に対する微粒子添加後における開口した表面細孔の合計面積の割合)が5%となった。そして、実施例11の樹脂被覆キャリアは、体積平均粒子径が45μmであった。
(実施例12)
混合工程において、キャリア芯材の全原材料に対するポリエチレン樹脂粒子の添加量を、5wt%から15wt%に変更したこと、キャリア芯材の総表面積に対するシリコーン樹脂微粒子の総投影面積の割合((シリコーン樹脂微粒子の総投影面積/キャリア芯材の総表面積)×100)である樹脂微粒子添加割合P2が30%となるように重量を調整したこと以外は実施例1と同様にして、実施例12の樹脂被覆キャリアを得た。実施例12の樹脂被覆キャリアにおいて、キャリア芯材C12は、見掛密度が1.62g/cmであり、表面細孔の面積平均径が0.67μmであった。
このとき、開口表面細孔割合P1(キャリア芯材の総表面積に対する微粒子添加後における開口した表面細孔の合計面積の割合)が2%となった。そして、実施例12の樹脂被覆キャリアは、体積平均粒子径が45μmであった。
(実施例13)
混合工程において、キャリア芯材の全原材料に対するポリエチレン樹脂粒子の添加量を、5wt%から15wt%に変更したこと、キャリア芯材の総表面積に対するシリコーン樹脂微粒子の総投影面積の割合((シリコーン樹脂微粒子の総投影面積/キャリア芯材の総表面積)×100)である樹脂微粒子添加割合P2が35%となるように重量を調整したこと以外は実施例1と同様にして、実施例13の樹脂被覆キャリアを得た。実施例13の樹脂被覆キャリアにおいて、キャリア芯材C13は、見掛密度が1.62g/cmであり、表面細孔の面積平均径が0.67μmであった。
このとき、開口表面細孔割合P1(キャリア芯材の総表面積に対する微粒子添加後における開口した表面細孔の合計面積の割合)が4%となった。そして、実施例13の樹脂被覆キャリアは、体積平均粒子径が45μmであった。
(比較例1)
混合工程において、ポリエチレン樹脂粒子を添加せず、また仮焼工程を行わなかったこと以外は実施例1と同様にして、比較例1の樹脂被覆キャリアを得た。比較例1の樹脂被覆キャリアにおいて、キャリア芯材C14は、見掛密度が2.15g/cmであり、表面細孔の面積平均径が0.35μmであった。
このとき、開口表面細孔割合P1(キャリア芯材の総表面積に対する微粒子添加後における開口した表面細孔の合計面積の割合)が4%となった。そして、比較例1の樹脂被覆キャリアは、体積平均粒子径が45μmであった。
(比較例2)
混合工程において、キャリア芯材の全原材料に対するポリエチレン樹脂粒子の添加量を、5wt%から25wt%に変更したこと以外は実施例1と同様にして、比較例2の樹脂被覆キャリアを得た。比較例2の樹脂被覆キャリアにおいて、キャリア芯材C15は、見掛密度が1.51g/cmであり、表面細孔の面積平均径が0.75μmであった。
このとき、開口表面細孔割合P1(キャリア芯材の総表面積に対する微粒子添加後における開口した表面細孔の合計面積の割合)が10%となった。そして、比較例2の樹脂被覆キャリアは、体積平均粒子径が45μmであった。
<トナーの作製>
結着樹脂としてポリエステル樹脂(商品名:FC1494、三菱レーヨン株式会社製)87.5重量部、着色剤としてC.I.Pigment Red 57:1を5重量部、離型剤(商品名:HNP11、日本精鑞株式会社製)6重量部、帯電制御剤(商品名:LR−147、日本カーリット株式会社製)1.5重量部を、ヘンシェルミキサにて前混合した後、二軸押出混練機にて溶融混練して混練物を得た。
この混練物をカッティングミルで粗粉砕した後、ジェットミルにて微粉砕し、風力分級機で分級することによって、体積平均粒子径が6.5μmのトナー母体粒子を作製した。次に分級したトナー母体粒子97.8重量%に、i‐ブチルトリメトキシシランで疎水化処理した1次粒子径が0.1μmのシリカ1.2重量%と、HMDSで疎水化処理した1次粒子径が12nmのシリカ微粒子1.0重量%とを加え、ヘンシェルミキサにて混合し、外添処理を行うことによって、負帯電性のマゼンタトナー(非磁性マゼンタトナー)を作製した。
<2成分現像剤の作製>
樹脂被覆キャリアの総表面積に対するトナーの総投影面積の割合が70%となるような重量比で、実施例および比較例の樹脂被覆キャリアと前記トナーとを、樹脂製円筒容器に投入した後、両軸駆動ポリ瓶回転架台にて、回転数200rpm、1時間の条件で混合撹拌することによって2成分現像剤を作製した。
<評価>
前記2成分現像剤を用いて以下の評価を行った。
[帯電立ち上がり特性]
前記2成分現像剤がそれぞれ入った5mlのガラス瓶を32rpmの回転培養機で1分間撹拌した後、2成分現像剤を採取し、吸引式帯電量測定装置(商品名:210H−2A Q/M Meter、TREK社製)で帯電量を測定した。また、3分間撹拌した後、同様に帯電量を測定した。帯電立ち上がり特性の評価基準は以下のとおりである。
○:良好。1分後の帯電量と3分後の帯電量との差が絶対値で5μC/g以下である。
△:可。1分後の帯電量と3分後の帯電量との差が絶対値で5μC/gを超えて7μC/g以下である。
×:不良。1分後の帯電量と3分後の帯電量との差が絶対値で7μC/gより大きい。
[ライフ特性]
前記2成分現像剤を複写機(商品名:MX−3600FN、カラープリント速度36ppm、モノクロプリント速度36ppm、シャープ株式会社製)にセットし、常温常湿下において印字率5%の画像を50000(50K)枚実写した後、画像部の画像濃度、非画像部の白色度、および2成分現像剤の帯電量を測定した。画像濃度は、X−Rite938分光測色濃度計により測定した。白色度は、日本電色工業株式会社製SZ90型分光式色差計を用いて三刺激値X、Y、Zを求めた。2成分現像剤の初期および50K後の帯電量は、吸引式帯電量測定装置を用いて測定した。
画像濃度の評価基準は以下のとおりである。
○:良好。画像濃度が1.4以上である。
△:可。画像濃度が1.3以上1.4未満である。
×:不良。画像濃度が1.3未満である。
白色度の評価基準は以下のとおりである。
○:良好。Zの値が0.5以下である。
△:可。Zの値が0.5を超えて0.7以下である。
×:不良。Zの値が0.7を超える。
2成分現像剤の帯電安定性の評価基準は以下のとおりである。
○:良好。初期の帯電量と50K後の帯電量との差が絶対値で3μC/g以下である。
△:可。初期の帯電量と50K後の帯電量との差が絶対値で3μC/gを超えて5μC/g以下である。
×:不良。初期の帯電量と50K後の帯電量との差が絶対値で5μC/gより大きい。
[トルク測定]
前記2成分現像剤を複写機(商品名:MX−3600FN、カラープリント速度36ppm、モノクロプリント速度36ppm、シャープ株式会社製)の現像槽を用いて、トルクの測定を行った。トルク測定の評価基準は以下のとおりである。
○:良好。トルクの値が11.5g・cm以下である。
△:可。トルクの値が11.5g・cmを超えて12.5g・cm以下である。
×:不良。トルクの値が12.5g・cmを超える。
[キャリア付着]
前記2成分現像剤を複写機(商品名:MX−3600FN、カラープリント速度36ppm、モノクロプリント速度36ppm、シャープ株式会社製)にセットし、像担持体上の非画像部における一定面積(297mm×24mm)中のキャリア付着個数を求めた。キャリアの付着個数を求める際、現像剤担持体に印加する直流バイアス電圧は200Vとし、交流バイアス電圧は400Vとし、周波数9kHzとし、像担持体の表面は帯電させなかった。キャリア付着の評価基準は以下のとおりである。
○:良好。キャリア付着の個数が15個より少ない。
△:可。キャリア付着の個数が15個以上20個以下である。
×:不良。キャリア付着の個数が20個より多い。
[粒状性]
前記2成分現像剤を複写機(商品名:MX−3600FN、カラープリント速度36ppm、モノクロプリント速度36ppm、シャープ株式会社製)にセットし、画像のテストチャートを印刷して、白色との色差が30,50,70における粒状性のスコア値を、自動プリンタ画質評価システム(商品名:APQS、王子計測機器株式会社製)を用いて測定した。この粒状性のスコア値が低いほど画像のざらつきが少なく、高画質であることを示す。粒状性の評価基準は以下のとおりである。
○:良好。各色差のスコア値の最大値が11500より小さい。
△:可。各色差のスコア値の最大値が11500以上12000以下である。
×:不良。各色差のスコア値の最大値が12000より大きい。
[総合評価]
上記評価結果を用いた総合評価の評価基準は以下のとおりである。
◎:上記評価の評価結果が全て「○」である。
○:上記評価の評価結果に「△」を含むが「×」は含まない。
×:上記評価の評価結果に「×」を含む。
評価結果を表1に示す。
Figure 0004864116
表1から、キャリア芯材の見掛密度が1.6〜2.0g/cmであり、樹脂被覆層に含有されるシリコーン樹脂微粒子の体積平均粒子径とキャリア芯材の表面細孔の面積平均径との間には上記式(1)を満たす関係があり、シリコーン樹脂微粒子がキャリア芯材の表面細孔を塞ぐように構成される実施例1〜13の樹脂被覆キャリアは、良好な評価結果であることがわかる。
1 2成分現像剤
20 現像装置
50 樹脂被覆キャリア
51 キャリア芯材
51a 表面細孔
51b 空隙
52 樹脂被覆層
53 架橋型樹脂微粒子

Claims (9)

  1. キャリア芯材と、キャリア芯材の表面に形成された樹脂被覆層とを有する樹脂被覆キャリアであって、
    キャリア芯材は、表面に細孔が形成される多孔質材料で構成されて、見掛密度が1.6〜2.0g/cmであり、
    樹脂被覆層は、架橋型樹脂微粒子を含有し、
    前記樹脂被覆層に含有される前記架橋型樹脂微粒子は、前記架橋型樹脂微粒子の体積平均粒子径をDa(μm)とし、前記細孔の面積平均径をDb(μm)としたとき、下記式(1)
    (Db+0.3μm)>Da>Db …(1)
    を満たし、前記細孔を塞ぐように構成されることを特徴とする樹脂被覆キャリア。
  2. 前記樹脂被覆層が、導電性粒子を含有することを特徴とする請求項1に記載の樹脂被覆キャリア。
  3. 体積平均粒子径が25〜50μmであることを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂被覆キャリア。
  4. 前記架橋型樹脂微粒子がシリコーン樹脂微粒子であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の樹脂被覆キャリア。
  5. キャリア芯材の総表面積に対する架橋型樹脂微粒子の総投影面積の割合((架橋型樹脂微粒子の総投影面積/キャリア芯材の総表面積)×100)が10〜30%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の樹脂被覆キャリア。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の樹脂被覆キャリアの製造方法であって、
    表面に細孔が形成される多孔質材料で構成されて、見掛密度が1.6〜2.0g/cmであるキャリア芯材の表面に、架橋型樹脂微粒子を付着させる架橋型樹脂微粒子添加工程と、
    架橋型樹脂微粒子添加工程で得られる、架橋型樹脂微粒子が表面に付着したキャリア芯材に対して樹脂被覆層を形成する被覆工程とを含み、
    前記架橋型樹脂微粒子添加工程において用いられるキャリア芯材と架橋型樹脂微粒子とは、架橋型樹脂微粒子の体積平均粒子径をDa(μm)とし、前記細孔の面積平均径をDb(μm)としたとき、式(1)
    (Db+0.3μm)>Da>Db …(1)
    を満たすことを特徴とする樹脂被覆キャリアの製造方法。
  7. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の樹脂被覆キャリアと、結着樹脂および着色剤を含むトナーとから構成されることを特徴とする2成分現像剤。
  8. 請求項7に記載の2成分現像剤を用いて現像を行うことを特徴とする現像装置。
  9. 請求項8に記載の現像装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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