JP2738734B2 - 電子写真用磁性キヤリア及びその製造方法 - Google Patents

電子写真用磁性キヤリア及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は,電子写真用磁性キヤリア及びその製造方法
に関するものであり,詳しくは強磁性体微粒子の含有量
を高めることができることに起因して可及的に高い飽和
磁化値を有する強磁性体微粒子と樹脂の複合体粒子から
なる電子写真用磁性キヤリア及びその製造方法に関す
る。
(従来の技術) 電子写真法においては,セレン,OPC(有機半導体),
α−Si等の光導電性物質を感光体として用い,種々の手
段により静電気的潜像を形成し,この潜像に磁気ブラシ
現像法等を用いて,潜像の極性と逆に帯電させたトナー
を静電気力により付着させ,顕像化する方式が一般に採
用されている。
この現像工程において,キヤリアと呼ばれる担体粒子
が使用され,摩擦帯電により適当量の正又は負の電気量
をトナーに付与し,かつ磁気力を利用することによって
磁石を内蔵する現像スリーブを介して,潜像を形成した
感光体表面付近の現像領域にトナーを搬送する。
従来,キヤリアとして,鉄粉キヤリア,フエライトキ
ヤリアあるいはバインダー型キヤリア(磁性体微粒子を
分散させた樹脂粒子)等が開発され,実用化されてい
る。
鉄粉キヤリアには,形状がフレーク状,スポンジ状,
球状のものがあるが,真比重が7から8であって,嵩密
度も3g/cm3から4g/cm3と大きいために,現像中で撹拌す
るためには大きな駆動力を必要とし,機械的な損耗が多
く,トナーのいわゆるスペント化,キヤリア自体の帯電
性劣化や感光体の損傷を招きやすい。
また,フエライトキヤリアは球状であって,真比重は
4.5から5.5ぐらいであり,嵩密度は2g/cm3から3g/cm3
らいであるため,鉄粉キヤリアの欠点である重さをある
程度解消し得るが,現像スリーブ又はスリーブ内の磁石
の回転数が大きい高速複写機や汎用コンピユータの高速
レーザビームプリンタ等に対応するためにはまだ十分で
はない。
さらに,バインダ型キヤリアは2g/cm3以下と嵩密度が
小さいものではあるが,特公昭59−24416号公報に記載
されているように,磁性体微粉末と絶縁性樹脂とを溶融
混合した後,溶融混合物を冷却して微粉砕することによ
り製造するものである。したがって,当然の結果として
磁性体の含有量が80重量%以下と少ないため,他の磁性
キヤリアに比べて磁化値が低いので,キヤリアの現像ス
リーブに対する磁気的な付着力が弱くなり,現像スリー
ブからの飛散,感光体への付着が起こりやすいという問
題がある。また,形状が不定形であるために,流動性が
悪いので,撹拌が難しく,しかも現像ムラが発生しやす
いため,特に現像剤に流動性が要求される高速現像に応
用するには不十分なものである。
さらにまた,表面が曲面形状を有する,殊に,球状の
バインダ型キヤリアを得ることも試みられている。例え
ば特開昭59−31967号公報に記載されているように,熱
可塑性樹脂と強磁性体微粉末とを混練,粉砕後,熱風処
理することによって球状化することができるが,この場
合にも強磁性体微粒子の含有量を80重量%以上にするこ
とは困難であって,現像装置の設計にもよるが,高速現
像時にキヤリアの飛散を防ぐのに必要な磁性を得ること
ができない場合がある。強磁性体微粉末としてサブミク
ロンの粒子径をもつ顔料用のマグネタイトのようなスピ
ネルフエライト粉末を混練によって熱可塑性樹脂中に分
散する場合,通常含有量が80重量%を超えると,熱溶融
混練物の粘度が上昇するために流動性が低下し,混練自
体が困難になる傾向がある。また,混練できたとして
も,溶融時の粘度が高いため,粉砕物の熱風処理による
球状化は困難である。
熱可塑性樹脂を用いるバインダ型キヤリアのもう一つ
の問題点として強度の問題がある。これを解決する手段
として,特開昭58−136052号公報に記載されているよう
に,熱可塑性樹脂の代わりに熱硬化性樹脂を用いるキヤ
リアが提案されているが,やはり磁性体の含有量を80重
量%以上にすることは困難とされている。同公報には,
熱硬化性樹脂を用いるバインダ型キヤリアの製造法の一
つとして,樹脂と磁性体微粉末を溶融混練後,硬化剤を
加えて熱硬化させ,その結果得られた硬化物を粉砕・分
級する方法が記載されている。この方法では,樹脂が熱
硬化しているため,熱風処理による球状化は不可能であ
り,分級した不用な粒子は熱可塑性樹脂を用いた場合の
ように,再度溶融混練することによって回収できず,工
業的な方法として採用することはコスト的に難しい。ま
た,同公報には,熱硬化性樹脂を用いるバインダ型キヤ
リアのもう一つの製造法として,熱硬化性樹脂をトルエ
ン等の溶剤に溶解し,さらに磁性体の微粉末を分散させ
た後,噴霧造粒乾燥して,溶剤を蒸発させる方法が記載
されている。その結果得られた造粒粒子はさらに加熱硬
化させた後,分級してキヤリアとする。この製造法を用
いれば,球状化は容易であるが,大量の溶剤の蒸発を伴
うため,造粒粒子中に空隙を生じやすく,強度を損なう
こともある。また,大量の溶剤の回収設備を必要とし,
粉砕法と同様に分級した不用な粒子径の粒子を回収でき
ないために,工業的な方法として適当でない。
以上のように,各種のキヤリアやその製造法が提案さ
れ,なかには実用化されているものもあるが,最近のデ
ジタル技術を電子写真法へ応用したデジタル複写機,レ
ーザビームプリンタ,普通紙フアクス等においては,よ
り高性能なキヤリアすなわち,より一層の高速化,高画
質化,高精細化,カラー化が可能なキヤリアであること
が必要であり,そのためには,嵩密度が小さく,粒子表
面が曲面形状を有し,しかも強磁性体微粒子の含有量が
高いキヤリアであることが要求されている。
本発明は,かかる要求に応えるものであって,その目
的は,嵩密度が小さく,粒子表面が曲面形状を有し,し
かも強磁性体微粒子の含有量が高い電子写真用磁性キヤ
リア及びその製造方法を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは,上記の課題を解決すべく鋭意研究した
結果,本発明に到達したものである。
すなわち,第1の発明は強磁性体微粒子と硬化したフ
エノール樹脂との複合体粒子からなり,数平均粒子径が
10μmから1000μm,嵩密度が2.0g/cm3以下であり,粒子
表面が曲面形状を呈しており,かつ強磁性体微粒子を80
〜99重量%を含有してなることを特徴とする電子写真用
磁性キヤリアを要旨とするものである。
また、第2の発明は強磁性体微粒子,懸濁安定剤及び
塩基性触媒の存在下に,フエノール類とアルデヒド類と
を水性媒体中で反応・硬化させることを特徴とする電子
写真用磁性キャリアの製造方法を要旨とするものであ
る。
以下,本発明を詳細に説明する。
本発明において最も重要な点は,本発明のキヤリアに
おいては,数平均粒子径が10μmから1000μmであり,
嵩密度が2.0g/cm3以下と小さく,かつ粒子表面が曲面形
状を呈しており,しかも強磁性体微粒子が80〜99重量%
と多量に含有していることである。そして,かかるキヤ
リアは,強磁性体微粒子,懸濁安定剤及び塩基性触媒の
存在下に,フエノール類とアルデヒド類とを水性媒体中
で反応・硬化させることによって,容易に得ることがで
きることである。
以下に,本発明にかかる磁性キヤリアについて説明す
る。
まず,本発明にかかる強磁性体微粒子と樹脂の複合体
粒子の数平均粒子径は10μmから1000μmのものであ
る。数平均粒子径が10μm未満の場合には,感光体への
キヤリアの付着を無くすことが困難であり,一方、1000
μmを超えると,鮮明な画像を得ることができなくな
る。特に,高画質を求める場合には30μmから200μm
の範囲が好ましく,さらに好ましくは30μmから100μ
mの範囲である。
次に,本発明にかかる複合体粒子の嵩密度は2.0g/cm3
以下である。嵩密度の下限は特に制限はないが,実用的
には1.0g/cmg3程度である。かかる嵩密度の小さいもの
は,より高画質を与えるキヤリアとして期待できるもの
である。キヤリアの嵩密度は,現像スリーブ上で磁力線
に沿ってキヤリアのいわゆる“穂”が形成された際の
“穂”の嵩密度に対応していると考えられ,その値が低
ければ“穂”が柔らかく自由に動くことが可能となり,
その結果として高画質が得られるものと考えられる。
さらに,本発明にかかる複合体粒子は,粒子表面が曲
面形状を有しており,球状を呈するものから楕円球状の
もの,偏平な円盤状のもの,複雑な曲面をもついびつな
もの等がある。いずれも粒子表面が曲面形状を有するた
めに,キヤリア粒子間の接触面積が少なく,優れた流動
性を示す。なかでも球状が最も流動性に優れ,粒子に形
状的な歪みが少なく,粒子強度も高い傾向にあるので,
好ましい。
さらにまた,本発明にかかる複合体粒子の強磁性体微
粒子の含有量は,80重量%〜99重量%である。強磁性体
微粒子の含有量が,80重量%未満の場合には,飽和磁化
値が小さくなり,99重量%を超える場合には,フエノー
ル樹脂による強磁性体微粒子間の結着が弱くなりやす
い。複合体粒子の強度を考慮すると,97重量%以下であ
ることが好ましい。本発明において,強磁性体微粒子の
含有量をこのように高めることができる理由は明らかで
はないが,反応と同時に硬化反応が進行するため少量の
フエノール樹脂で強磁性体微粒子同士を強固に結着する
ことができるためであろうと推定される。
このような本発明にかかる複合体粒子は,約40emu/g
から150emu/gの飽和磁化を有する。40emu/g未満ではキ
ヤリアの感光体への付着が起こりやすく,一方,150emu/
gを超える値は,強磁性体微粉末として実用的なものが
知られていないので,得ることが困難である。従来周知
のフエライトキヤリアの飽和磁化は高々70emu/gぐらい
とされている(コロナ社発行「電子写真技術の基礎と応
用」1988年 第481頁)が,本発明にかかる複合体粒子
の場合には,フエライト微粉末の含有量を高めることに
より,容易に飽和磁化70emu/g以上の大きな飽和磁化を
得ることができる。
強磁性体微粒子としては,マグネタイト,ガンマ酸化
鉄等のスピネルフエライト,鉄以外の金属(Mn,Ni,Zn,M
g,Cu等)を一種又は二種以上含有するスピネルフエライ
ト,バリウムフエライト等のマグネトプランバイト型フ
エライト,表面に酸化層を有する鉄や合金の微粒子粉末
を用いることができる。その形状は,粒状,球状,針状
のいずれであってもよい。特に,高磁化を要する場合に
は,鉄等の強磁性微粒子粉末を用いることができるが,
化学的な安定性を考慮すると,マグネタイト,ガンマ酸
化鉄を含むスピネルフエライトやバリウムフエライト等
のマグネトプランバイト型フエライトの強磁性微粒子粉
末を用いることが好ましい。強磁性体微粒子粉末の種類
及び含有量を適宜選択することにより,所望の飽和磁化
を有する複合粒子を得ることができる。例えば,40〜70e
mu/gの磁化を得ようとする場合には,バリウムフエライ
ト等のマグネトプランバイト型フエライトやスピネルフ
エライト等をもちいればよく,さらに70〜100emu/g程度
の高磁化を得ようとする場合には,マグネタイト又はZn
を含有するスピネルフエライト等を用いればよい。さら
に,100emu/g以上の高磁化を得ようとする場合には,表
面に酸化物層を有する鉄や合金の微粒子粉末を用いれば
よい。
本発明にかかる複合体粒子は,強磁性体微粒子が硬化
したフエノールをマトリツクスとして結着されていて,
強度的にも十分なものである。
以下に,本発明にかかるキヤリアの製造方法を説明す
る。
まず,本発明の製造方法においては,水性媒体中でフ
エノール類とアルデヒド類を塩基性触媒の存在下,強磁
性体粒子,懸濁安定剤を共存させて反応させる。
ここで使用されるフエノール類としては,フエノール
の他,m−クレゾール,p−tert−ブチルフエノール,o−プ
ロピルフエノール,レゾルシノール,ビスフエノールA
等のアルキルフエノール類,及びベンゼン核又はアルキ
ル基の一部又は全部が塩素原子又は臭素原子で置換され
たハロゲン化フエノール類等のフエノール性水酸基を有
する化合物が挙げられるが,この中でフエノールが最も
好ましい。フエノール類としてフエノール以外の化合物
を用いた場合には,粒子が生成し難かったり,粒子が生
成したとしても不定形状であったりすることがあるの
で,形状性を考慮すれば,フエノールが最も好ましい。
また,本発明の製造方法で用いられるアルデヒド類と
しては,ホルマリン又はパラホルムアルデヒドのいずれ
かの形態のホルムアルデヒド及びフルフラール等が挙げ
られるが,ホルムアルデヒドが特に好ましい。アルデヒ
ド類のフエノール類に対するモル比は,1〜2が好まし
く,特に好ましくは1.1〜1.6である。アルデヒド類のフ
エノール類に対するモル比が1より小さいと,粒子が生
成し難かったり,生成したとしても樹脂の硬化が進行し
難いために,生成する粒子の強度が弱かったりする傾向
があり,一方,アルデヒド類のフエノール類に対するモ
ル比が2よりも大きいと,反応後に水性媒体中に残留す
る未反応のアルデヒド類が増加する傾向がある。
次に,本発明の製造方法で使用される塩基性触媒とし
ては,通常のレゾール樹脂製造に使用される塩基性触媒
が使用される。例えば,アンモニア水,ヘキサメチレン
テトラミン及びジメチルアミン,ジエチルトリアミン,
ポリエチレンイミン等のアルキルアミンが挙げられる。
これら塩基性触媒のフエノール類に対するモル比は,0.0
2〜0.3が好ましい。
前記フエノール類とアルデヒド類を塩基性触媒の存在
下で反応させるに際し,共存させる強磁性体粒子として
は,上述のごとく,マグネタイト,ガンマ酸化鉄を含む
スピネルフエライト,バリウムフエライト等のマグネト
プランバイト型フエライトや表面に酸化物層を有する鉄
や合金の微粒子粉末が好ましい。その量は,フエノール
類に対して重量で0.5〜200倍が好ましい。さらに,前述
したごとく,生成する複合体粒子の飽和磁化値と粒子の
強度を考慮すると,4〜100倍であることがより好まし
い。
さらにまた,上記強磁性体微粒子の粒子径は,0.01〜1
0μmであることが望ましく,微粒子の水性媒体中にお
ける分散と生成する複合体粒子の強度を考慮すれば,0.0
5〜5μmであることが好ましい。
さらに,本発明方法で使用される懸濁安定剤として
は,カルボキシメチルセルロース,ポリビニルアルコー
ルのような親水性有機化合物及びフツ化カルシウムのよ
うなフツ素化合物,硫酸カルシウム等の実質的に水に不
溶性の無機塩類等が挙げられるが,フエノール樹脂マト
リツクス内部への強磁性体微粒子の分散を考慮すれば,
フツ化カルシウムが好ましい。フツ化カルシウム以外の
懸濁安定剤を使用した場合には,条件によっては前述し
た強磁性体粒子がフエノール樹脂マトリツクス内部へ分
散し難いこともあり,また,不定形状の粒子が生成する
傾向がある。
かかる懸濁安定剤の添加量は、フエノール類に対し
て,0.2〜10重量%であることが好ましく,より好ましく
は0.5〜3.5重量%である。懸濁安定剤のフエノール類に
対する添加量が0.2重量%より少ないと,不定形の粒子
が生成する傾向があり,一方,添加量が10重量%より多
いと,複合体粒子表面に残留するフツ化カルシウム等の
懸濁安定剤の量が増加する傾向がある。
なお,実質的に水に不溶性の無機塩類を添加するに
は,前記のごとき実質的に水に不溶性の無機塩類を直接
添加してもよく,また反応時にかかる実質的に水に不溶
性の無機塩類が生成されるような2種以上の水溶性無機
塩類を添加してもよい。例えばカルシウムのフツ素化合
物に代えて水溶性の無機塩類の一方にフツ化ナトリウ
ム,フツ化カルシウム,フツ化アンモニウム等からなる
群から選ばれる少なくとも1種と,他方にカルシウムの
塩化物,硫酸塩,硝酸塩からなる群より選ばれる少なく
とも1種とを添加して反応時にカルシウムのフツ素化合
物を生成させるようにすることもできる。
本発明の製造方法における反応は,水性媒体中で行わ
れるが,この場合の水仕込み量は,例えばキヤリアの固
形分濃度が30〜95重量%になるようにすることが好まし
く,特に,60〜90重量%となるようにすることが望まし
い。
反応は,撹拌下で昇温速度0.5〜1.5℃/min,好ましく
は0.8〜1.2℃/minで温度を徐々に上昇させ,反応温度70
〜90℃,好ましくは83〜87℃で60〜150分間,好ましく
は80〜110分間反応させる。かかる反応において,反応
と同時に硬化反応が進行し,硬化したフエノール樹脂の
マトリツクスが形成される。このようにして反応・硬化
させた後,反応物を40℃以下に冷却すると,硬化したフ
エノール樹脂マトリツクス中に,強磁性体微粒子が均一
に分散した球状粒子の水分散液が得られる。
次に,この水分散液を濾過,遠心分離等の常法に従っ
て固液を分離した後,洗浄して乾燥すると,フエノール
樹脂マトリツクス中に強磁性体微粒子が均一に分散し,
粒子表面が曲面形状を有する複合体粒子が得られる。
本発明方法は連続法又はバツチ法のいずれでも行うこ
とができるが,通常はバツチ法を採用する。
なお,本発明における数平均粒子径は,光学顕微鏡写
真から200個の粒子について計測した値の平均値であ
る。嵩密度は,JISK5101に記載の方法に従って測定し,
飽和磁化は,「振動試料型磁力計VSM−3S−15」(東英
工業(株)製)を用いて,外部磁場10kOeのもとで測定
した値である。複合体粒子の形状は,走査型電子顕微鏡
S−800((株)日立製作所製)で観察した結果であ
る。
(実施例) 次に,本発明を実施例並びに比較例によって具体的に
説明する。
実施例1 1の三ツ口フラスコに,フエノール50g,37%ホルマ
リン65g,平均粒子径0.24μmの球状マグネタイト400g,2
8%アンモニア水7.8g,フツ化カルシウム1g,水50gを撹拌
しながら投入し,40分間で85℃に上昇させ,同温度で180
分間反応,硬化させ,マグネタイトと硬化したフエノー
ル樹脂からなる複合体粒子を生成させた。
次に,フラスコ内の内容物を30℃に冷却し,0.5の水
を添加した後,上澄み液を除去し,さらに下層の球状粒
子を水洗し,風乾した。次いで,これを減圧下(5mmHg
以下)に50〜60℃で乾燥して球状の複合体粒子(以下,
複合体粒子Aという)を得た。
得られた複合体粒子Aの走査型電子顕微鏡写真(300
倍)を第1図に示す。
実施例2 塩基性触媒として28%アンモニア水7.8gの代わりに,
ヘキサメチレンテトラミン4.5gを用いる以外は,実施例
1と同様にして反応,硬化及び後処理を行い,球状の複
合体粒子(以下,複合体粒子Bという)を得た。
実施例3〜8,比較例1,2 強磁性体微粒子の種類,量及び懸濁安定剤の量を第1
表に示すように変化させた以外は,実施例1と同様にし
て反応,硬化及び後処理を行い,複合体粒子(以下,実
施例3〜比較例2の複合体粒子を順に複合体粒子C〜J
という)を得た。
実施例3において得られた複合体粒子Cの走査型電子
顕微鏡写真(300倍)を第2図に示す。
参考例1 上記実施例1〜8及び比較例1,2において得られた複
合体粒子A〜Jをキヤリアとして,それぞれ100重量部
を市販のトナー3重量部と混合して,磁性現像剤を調製
した。次いで,この現像剤を用いて,α−Siを感光体と
する電子写真複写機でA4サイズの紙20000枚の複写実験
を行った。しかる後に,感光体表面と複写機内の現像剤
の状態を観察したところ,本発明の複合体粒子A〜Hを
キヤリアとして含有する現像剤の場合には,感光体表面
への付着もなく,複合体粒子の破壊も認められなかっ
た。一方,比較の複合体粒子Iを含む現像剤では,粒子
が破壊されて微細化しており,さらに比較の複合体粒子
Jを含む現像剤では,感光体表面への付着が観察され
た。
(発明の効果) 本発明にかかる強磁性体微粒子とフエノール樹脂との
複合体粒子からなるキヤリアにおいては,前記のように
複合体粒子の嵩密度が小さく,粒子表面が曲面形状を有
しており,しかも,強磁性体微粒子の含有量が高いこと
に起因して,可及的に高い磁化値を示すので,電子写真
用磁性キヤリアとして好適である。
また,本発明の製造方法は,上記のような構成を有す
るので,上記強磁性体微粒子−フエノール樹脂の複合体
粒子を簡単に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は,それぞれ本発明の実施例1及び実
施例3において得られた複合体粒子の粒子構造を示す走
査型電子顕微鏡写真(300倍)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 戸田 哲郎 広島県広島市中区舟入南4丁目1番2号 戸田工業株式会社創造センター内 (72)発明者 藤岡 和夫 広島県広島市中区舟入南4丁目1番2号 戸田工業株式会社創造センター内 (72)発明者 栗田 栄一 広島県広島市中区舟入南4丁目1番2号 戸田工業株式会社創造センター内 審査官 井上 彌一 (56)参考文献 特開 昭58−136052(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】強磁性体微粒子と硬化したフエノール樹脂
    との複合体粒子からなり,数平均粒子径が10μmから10
    00μm,嵩密度が2.0g/cm3以下であり,粒子表面が曲面形
    状を呈しており,かつ強磁性体微粒子を80〜99重量%含
    有してなることを特徴とする電子写真用磁性キヤリア。
  2. 【請求項2】強磁性体微粒子,懸濁安定剤及び塩基性触
    媒の存在下に,フエノール類とアルデヒド類とを水性媒
    体中で反応・硬化させることを特徴とする請求項1記載
    の電子写真用磁性キヤリアの製造方法。
JP1042320A 1989-02-21 1989-02-21 電子写真用磁性キヤリア及びその製造方法 Expired - Fee Related JP2738734B2 (ja)

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