JP4055448B2 - 球状フェライト粒子、その製造方法及び該球状フェライト粒子からなる電子写真現像用キャリア - Google Patents

球状フェライト粒子、その製造方法及び該球状フェライト粒子からなる電子写真現像用キャリア Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、球状フェライト粒子、その製造方法及び該球状フェライト粒子からなる電子写真現像用キャリアに関し、更に詳しくは、粒子サイズが1〜45μmの範囲で自由に制御でき、且つ、細孔が極めて少ないことを特徴とする球状フェライト粒子、その製造方法及び該球状フェライト粒子からなる電子写真現像用キャリアに関するものである。
本発明に係る球状フェライト粒子は、磁性キャリア、電磁波吸収材および電磁波シールド材用材料粉末、導電性磁性粒子等の静電潜像現像剤用材料粉末、ゴム、プラスチック用充填材および補強材並びにペンキ、 絵具および接着剤用艶消材、 充填材および補強材等の分野で有用で、特に電子写真現像用キャリアとして有用である。
【0002】
【従来の技術】
最近の電子機器の小型化に伴い、種々の用途で使用されているフェライト粉末に対しての要求特性は一層厳しいものとなってきている。フェライト粒子の用途としては、特に、電子写真現像剤用キャリアのように挙動単位が粒子自体の大きさである場合と、磁気ヘッド、 通信用コイルやトランス等のように、成型体として使用される場合の2つのケースが存在する。前者の場合では、より高画質化、高寿命化を達成するために、また、後者の場合では、より小さい部品を製造するため微小な金型での成型を容易にするために、従来よりも小さなサイズで、且つ球状のフェライト粒子が強く求められている。
【0003】
周知のとおり、電子写真法においては、セレン、OPC、α−Si等の光導電性物質を感光体として用い、種々の手段により静電気的潜像を形成し、この潜像に磁気ブラシ現像法等を用いて、潜像の極性と逆に帯電させたトナーを静電気力により付着させ、顕像化する方式が一般的に採用されている。
【0004】
この現像工程において、磁性キャリアと呼ばれる担体粒子が使用され、摩擦帯電により適量の正または負の電気量をトナーに付与すると共に、 磁気力を利用することによって磁石を内蔵する現像スリーブを介して、潜像を感光体表面付近の現像領域にトナーを搬送する。
【0005】
近年、この電子写真法は複写機あるいはプリンターに広く多用化されており、細線や小文字、 写真あるいはカラー原稿等様々な文書に対応できることが要求されている。さらに高画質化や高品位化、 高速化および連続化等についても合わせて要求されており、今後もますますこれらの要求は大きくなるものと思われる。
【0006】
従来、磁性キャリアとしては、鉄粉、フェライト、マグネタイトキャリアあるいはバインダー型キャリア(磁性体微粒子を樹脂中に分散させた複合体粒子)等が開発され、実用化されている。
【0007】
鉄粉キャリアには、形状がフレーク状、スポンジ状、球状のものがあるが、真比重が7〜8であって、かさ密度も3〜4g/cm3 と大きいために、現像機中で攪拌するためには大きな駆動力を必要とし、機械的な損耗が多く、トナーのスペント化、キャリア自体の帯電性劣化や感光体の損傷を招きやすい。
【0008】
また、フェライトキャリアは、球状であって、真比重は4.5〜5.5程度、かさ密度は2〜3g/cm3 程度であるため、鉄粉キャリアの欠点である重さを解消することができ、現在もっとも多く使用されているキャリアである。
【0009】
さらに、バインダー型キャリアは、2.5g/cm3 程度以下とかさ密度が小さいものであると共に、粒子に形状的な歪みが少なく、粒子強度が高い傾向にある球状にすることが容易であるため、流動性に優れているという特徴を有し、その粒子サイズも広範囲に制御できることから、現像スリーブ又はスリーブ内の磁石の回転数が大きい高速複写機や汎用コンピュータの高速レーザービームプリンタ等に最適であり、広く使用されている。
【0010】
キャリアに求められる特性として、まず第一に、帯電量の安定性が挙げられる。すなわち、▲1▼トナーを速く帯電させることができ、且つ、▲2▼長期の使用によっても帯電量が安定であること、さらに、▲3▼環境を変えても帯電量が大きく変化しないこと等である。
【0011】
上記▲1▼、すなわち、トナーを速く帯電させること、言い換えると、帯電の立ち上がりを速くするためには、トナーとキャリアの混合性を良くすることが重要であり、そのためには適度な比重、殊に2.5〜5.2程度の比重を有すること等が要求される。トナーにダメージを与えない程度に大きな比重のほうが好ましい。この観点では、バインダー型キャリアよりもフェライトキャリアのほうが好ましい。
【0012】
上記▲2▼、すなわち、長期の使用によっても帯電量を安定化させるためには、トナーにダメージを与えないことが要求され、所謂スペント化を起こさないようにすることが求められる。このためには、粒子表面の凹凸をできるだけ少なくすることが必要である。
【0013】
上記▲3▼、すなわち、環境を変えた場合の帯電量差を少なくするためには、高温高湿(HH環境)及び低温低湿(LL環境)におけるキャリアの電気抵抗の変化が少ないことが求められる。また、水分量の変化が少ないことも重要である。この観点においては、水分量の大きな樹脂を含む構造であるバインダー型キャリアは好ましくない。
【0014】
上記の課題に対して、フェライトキャリア粒子の表面に種々の樹脂を被覆することが試みられている(特開昭47−13954号公報、特開昭54−660号公報等)。しかしながら、被覆する前のフェライトコア粒子の表面が凹凸であるために、これら樹脂被覆層の厚みも不均一であり、また、粒子内部に多数の細孔を有しているために、特に高湿下において水分が細孔に取り込まれ、電気抵抗の急激な低下および帯電量の環境間での変化が大きくなり、実用に耐えなくなる。
【0015】
また、特公平7−15598号公報には、空孔量、平均粒径およびグレインサイズを特定したフェライトキャリアに関して報告されている。特に、空孔量は2.0×10-2cm3 /g以下とかなり細孔の少ない構造であるが、平均粒径は50〜150μmで且つグレインサイズが10μm以上であり、粒子表面はかなり凹凸の大きなフェライト粒子であると言える。
【0016】
一方、フェライトキャリアの製造方法としては、特公平7−23975号公報に記載のように、フェライトを構成する各元素の供給原料粉、例えばFe2 3 、ZnO、MnO等をボールミルにて所定の配合比で混合し、乾燥した後、800−900℃で一旦仮焼きを行い、再びボールミルで粉砕する。これにポリビニルアルコールのようなバインダー、分散剤を加えスラリー化したものを、噴霧乾燥法により球状粒子に造粒し、得られた造粒物を還元性雰囲気中で加熱処理を行うことで粒子表面に低抵抗層を形成したフェライト粒子を得る。
【0017】
このように、非常に長い工程を必要とし、さらに45μm以下の小粒径のフェライト粒子を収率良く得ようとすると、一旦仮焼きを行ったフェライトの粉( 仮焼粉) をかなり小さく粉砕することが必要であり、さらに小粒径化するためには、上記スラリー濃度も低くする必要があり、噴霧乾燥する際に空気を多く含み、結果として得られるフェライト粒子には細孔が多数含まれるという問題が生じる。よって、45μm以下のような小粒径で、かつ球状のフェライト粒子を得ることは非常に困難である。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる実情に鑑み、粒子サイズが1〜45μmの範囲で自由に制御でき、且つ、細孔が極めて少ないことを特徴とする球状フェライト粒子、及びその製造方法、さらに電子写真の高画質化や高品位化、 高速化および連続化を達成するために必要な球状のフェライトキャリア粒子を提供することを課題とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の第1にかかる請求項1は、式(MO)100-X (Fe2 3 X (但し、MはLi、Mg、Ni、Cu、Zn、Mn、Ca、Feから選ばれる少なくとも1種の金属、Xは45〜95モル%)で示されるフェライトからなり、平均粒径が1〜45μm、 90 /D 50 が3 . 0以下、D 50 /D 10 が3 . 0以下、BET比表面積が0.2m2 /g以下、水銀圧入法による細孔容積が0.05ml/g以下、であることを特徴とする球状フェライト粒子を内容とする。
但し、
50 :レーザー回折式粒度分布計(SYMPATEC社製RODOS)により計測したフェライト粒子の平均粒子径(μm)、
90 :レーザー回折式粒度分布計(SYMPATEC社製RODOS)により計測した、フェライト粒子の全体積を100%として累積体積で表した粒子径を求めたときの累積割合が90%となる点の粒子径(μm)、
10 :レーザー回折式粒度分布計(SYMPATEC社製RODOS)により計測した、フェライト粒子の全体積を100%として累積体積で表した粒子径を求めたときの累積割合が10%となる点の粒子径(μm)
【0020】
本発明の第2に係る請求項2は、フェライト原料粒子の存在下で、フェノール類とアルデヒド類とを水性媒体中で反応・硬化させることによりフェライト原料粒子とフェノール樹脂とからなる複合体粒子を生成させ、次いで、400〜700℃で加熱処理することにより前記フェノール樹脂を除去し、さらに800〜1400℃で加熱処理することによりフェライト化させることを特徴とする球状フェライト粒子の製造方法を内容とする。
【0021】
好ましい態様としての請求項3は、フェライト原料粒子が、Li2 O、Li2 CO3 、MgO、NiO、CuO、ZnO、MnO、Mn3 4 、CaO、Fe2 3 から選ばれる請求項2記載の製造方法を内容とする。
【0022】
好ましい態様としての請求項4は、複合体粒子中のフェライト原料粒子の含有量が80〜98重量%である請求項2又は3記載の製造方法を内容とする。
【0023】
好ましい態様としての請求項5は、フェライト原料粒子があらかじめ親油化処理剤で処理されたものである請求項2〜4のいずれか1項に記載の製造方法を内容とする。
【0024】
好ましい態様としての請求項6は、親油化処理剤がシラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、界面活性剤から選ばれる請求項2〜5のいずれか1項に記載の製造方法を内容とする。
【0025】
好ましい態様としての請求項7は、親油化処理剤の量がフェライト原料粒子に対し0.1〜5.0重量%である請求項5又は6記載の製造方法を内容とする。
【0026】
好ましい態様としての請求項8は、複合体粒子生成の反応・硬化を70〜90℃で行う請求項2〜7のいずれか1項に記載の製造方法を内容とする。
【0027】
好ましい態様としての請求項9は、フェノール樹脂除去の加熱処理を500〜600℃で行う請求項2〜8のいずれか1項に記載の製造方法を内容とする。
【0028】
好ましい態様としての請求項10は、フェライト化の加熱処理を900〜1300℃で行う請求項2〜9のいずれか1項に記載の製造方法を内容とする。
【0029】
本発明の第3に係る請求項11は、請求項1記載の球状フェライト粒子からなることを特徴とする電子写真現像用キャリアを内容とする。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明に係る球状フェライト粒子は、式(MO)100-X (Fe2 3 X (但し、MはLi、Mg、Ni、Cu、Zn、Mn、Ca、Feから選ばれる少なくとも1種の金属、Xは45〜95モル%)で示されるフェライトからなり、平均粒径が1〜45μm、 90 /D 50 が3 . 0以下、D 50 /D 10 が3 . 0以下、BET比表面積が0.2m2 /g以下、水銀圧入法による細孔容積が0.05ml/g以下であることを特徴とするものである。
但し、
50 :レーザー回折式粒度分布計(SYMPATEC社製RODOS)により計測したフェライト粒子の平均粒子径(μm)、
90 :レーザー回折式粒度分布計(SYMPATEC社製RODOS)により計測した、フェライト粒子の全体積を100%として累積体積で表した粒子径を求めたときの累積割合が90%となる点の粒子径(μm)、
10 :レーザー回折式粒度分布計(SYMPATEC社製RODOS)により計測した、フェライト粒子の全体積を100%として累積体積で表した粒子径を求めたときの累積割合が10%となる点の粒子径(μm)である。
【0031】
式中のXは45〜95モル%であり、好ましくは48〜90モル%である。Xが45モル%未満では電気抵抗値が高くなり、得られる画像濃度が低くなる。一方、95モル%を越えると飽和磁化値が低くなり、キャリアが飛散したり、感光体に付着してしまう。
【0032】
本発明に係る球状フェライト粒子の平均粒子径は1〜45μmである。平均粒子径が1μm未満の粒子は、樹脂等で成型する際の充填量を高めることが難しくなる。一方、45μmを越えるものは半導体封止材用の充填材等として使用される場合、充填量を高めることが難しくなる。電子写真現像剤用キャリアとして使用する場合には、10〜45μmが好ましい。平均粒子径が10μm未満の粒子は、感光体への飛散が問題となり、一方、45μmを越えるものは高画質化を達成することが難しくなる。
【0033】
本発明に係る球状フェライト粒子の粒度分布は、D50で示した場合の平均粒子径に対するD90(フェライト粒子の全体積を100%として累積体積で表した粒子径を求めたときの累積割合が90%となる点)で示した場合の平均粒子径の比率(D90/D50)では、好ましくは3. 0以下、より好ましくは2. 8以下である。D10(フェライト粒子の全体積を100%として累積体積で表した粒子径を求めたときの累積割合が10%となる点)で示した場合の平均粒子径に対するD50で示した場合の平均粒子径の比率(D50/D10)では、好ましくは3. 0以下、より好ましくは2. 5以下である。
尚、D 10 、D 50 及びD 90 は、レーザー回折式粒度分布計(SYMPATEC社製RODOS)により計測した値である。
【0034】
本発明に係る球状フェライト粒子のBET比表面積は0.2m2 /g以下、好ましくは0.15m2 /g以下であり、また、水銀圧入法による細孔容積は0.05ml/g以下、好ましくは0.01ml/g以下である。BET比表面積が0.2m2 /gより大きくなると帯電の環境安定性が悪くなり、また細孔容積が0.05ml/gより大きくなると帯電の環境安定性が悪くなる。BET比表面積、細孔容積の下限は特に制限されないが、測定機の測定精度の点から、通常、BET比表面積は0.01m2 /g程度、細孔容積は0.001ml/g程度である。
【0035】
本発明に係る球状フェライト粒子は、フェライト原料粒子の存在下で、フェノール類とアルデヒド類とを水性媒体中で反応・硬化させることによりフェライト原料粒子とフェノール樹脂とからなる複合体粒子を生成させ、次いで、400〜700℃で加熱処理することにより前記フェノール樹脂を除去し、さらに800〜1400℃で加熱処理することにより製造することができる。
【0036】
本発明におけるフェライト原料粒子は、本発明のフェライト粒子を構成する元素の供給源であって、例えば、Li、Mg、Ni、Cu、Zn、Mn、Ca、Fe等の酸化物、水酸化物、シュウ酸塩、炭酸塩等を用いることができる。また、Fe元素の供給源としては、Fe2 3 を用いる。これらは水に溶解せず、又は水によって変質、変性しないものであればよく、各元素の酸化物が好ましい。具体的には、Li2 O、Li2 CO3 、MgO、NiO、CuO、ZnO、MnO、Mn3 4 、CaO等とFe2 3 等の各粒子を、目的とするフェライト粒子の組成比率になるように混合して使用する。
【0037】
フェライト原料粒子の粒子形態は、立方体状、多面体状、球状、針状、板状等のいずれの形態の粒子をも使用することができる。平均粒子径は、複合体粒子の平均粒子径よりも小さい粒子であればよく、0.01〜5.0μm、殊に、0.1〜2.0μmの範囲のものが好ましい。フェライト原料粒子の平均粒子径が0.01μm未満では複合体粒子中のフェライト原料粒子の含有量が低くなり、一方、5.0μmを越えると複合体粒子及びフェライト粒子の球形度が低くなる。
【0038】
フェライト原料粒子は、必要に応じ、仮焼成して組成の均一性を高めることができる。仮焼成は通常700〜1000℃で1〜4時間程度が適当である。
また、フェライト原料粒子は、あらかじめ親油化処理をしておくことが望ましく、親油化処理がされていないフェライト原料粒子を用いる場合には、球状複合体粒子を得ることが困難となる場合がある。
【0039】
親油化処理は、フェライト原料粒子をシラン系カップリング剤やチタネート系カップリング剤等のカップリング剤で処理する方法、又は界面活性剤を含む水性媒体中にフェライト原料粒子を分散させ、粒子表面に界面活性剤を吸着させる方法等がある。
【0040】
シラン系カップリング剤としては、疎水性基、エポキシ基、アミノ基を有するものがあり、これらは単独で又は必要に応じ2種以上組み合わせて用いられる。
疎水性基を有するシラン系カップリング剤としては、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシ)シラン等があり、チタネート系カップリング剤としては、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルピロホスフェート)チタネート等がある。
【0041】
エポキシ基を有するシラン系カップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)トリメトキシシラン等がある。
【0042】
アミノ基を有するシラン系カップリング剤としては、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等がある。
【0043】
界面活性剤としては特に制限はなく、公知の界面活性剤を使用することができるが、無機化合物粒子や該粒子表面に有する水酸基と結合可能な官能基を有するものが望ましく、イオン性で言えばカチオン性、あるいはアニオン性のものが好ましい。これらは単独で又は必要に応じ2種以上組み合わせて用いられる。
【0044】
上記いずれの処理方法によっても本発明の目的を達成できるが、フェノール樹脂との接着性を考慮するとアミノ基、あるいはエポキシ基を有するシラン系カップリング剤による処理が好ましい。
【0045】
本発明における親油化処理剤の量は、フェライト原料粒子に対し0.1〜5.0重量%が好ましい。
0.1重量%未満の場合には、親油化処理剤の被覆を複合体粒子表面に密着させることが困難となり、また、親油化処理が不十分なためにフェライト粒子の含有量の高い複合体粒子を得ることができない。一方、5.0重量%を越える場合には、親油化処理剤の被覆を複合体粒子表面に密着させることができるが、生成した複合体粒子同志の凝集が生じ、複合体粒子の粒子サイズの制御が困難になる。
【0046】
本発明に係る球状のフェライト粒子を製造するには、まず、フェライト原料粒子及び塩基性触媒の存在下でフェノール類とアルデヒド類とを水性媒体中で反応させることにより、フェライト原料粒子とフェノール樹脂とからなる球状の複合体粒子を調製する。
【0047】
該複合体粒子中のフェライト原料粒子の含有量は、80〜98重量%が好ましい。80重量%未満の場合には、フェノール樹脂が多くなり引き続いて行われる加熱処理時において、それだけフェライト樹脂を除去するためのエネルギーが多く必要となるので好ましくなく、一方、98重量%を越える場合には、加熱処理前の複合体粒子の強度が弱くなり、加熱処理時に粒子が破壊する場合がある。
【0048】
本発明における塩基性触媒としては、通常のフェノール樹脂製造に使用される塩基性触媒が使用される。例えば、アンモニア水、ヘキサメチレンテトラミン及びジメチルアミン、ジエチルトリアミン、ポリエチレンイミン等のアルキルアミンが挙げられる。これら塩基性触媒のフェノール類に対するモル比は、0.02〜0.7が好ましい。該モル比が0.02未満では反応が十分に進まず、一方、0.7を越えると過剰な塩基性触媒が反応溶液中に多く残り、排水処理の負荷を増大させるので好ましくない。
【0049】
本発明におけるフェノール類としては、フェノールの他、m−クレゾール、p−tert−ブチルフェノール、o−プロピルフェノール、レゾルシノール、ビスフェノールA等のアルキルフェノール類、及びベンゼン核又はアルキル基の一部又は全部が塩素原子、臭素原子で置換されたハロゲン化フェノール類等のフェノール性水酸基を有する化合物が挙げられ、これらは単独で又は必要に応じ2種以上組み合わせて用いられるが、この中でフェノールが最も好ましい。すなわち、フェノール類としてフェノール以外の化合物を用いた場合には、粒子が生成し難かったり、粒子が生成したとしても不定形状であったりすることがあるので、形状性を考慮すれば、フェノールが最も好ましい。場合によっては、市販のフェノール樹脂をアルコール等の溶剤に溶解させた形で使用することもできる。
【0050】
本発明におけるアルデヒド類としては、ホルマリン又はパラホルムアルデヒドのいずれかの形態のホルムアルデヒド及びフルフラール等が挙げられ、これらは単独で又は必要に応じ2種以上組み合わせて用いられるが、ホルムアルデヒドが経済面で特に好ましい。アルデヒド類のフェノール類に対するモル比は、1〜4が好ましく、特に好ましいのは1.2〜3である。アルデヒド類のフェノール類に対するモル比が1より小さいと、粒子が生成し難かったり、生成したとしても樹脂の硬化が進行し難いために生成する粒子の強度が弱かったりする傾向があり、一方、該モル比が4よりも大きいと、反応後に水性媒体中に残留する未反応のアルデヒド類が増加する傾向がある。
【0051】
本発明におけるフェライト原料粒子とフェノール樹脂からなる球状複合体粒子は、70〜90℃の温度範囲で反応と同時に硬化を進行させた後、40℃以下に冷却すると、球状複合体粒子を含む水分散液が得られる。
【0052】
次に、この水分散液を濾過、遠心分離等の定法に従って固液を分離した後、乾燥することにより、フェライト原料粒子とフェノール樹脂からなる球状複合体粒子が得られる。
【0053】
本発明における反応においては、必要により、懸濁安定剤を存在させてもよい。
懸濁安定剤としては、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコールのような親水性有機化合物及びフッ化カルシウムのようなフッ素化合物、硫酸カルシウム等の水に不溶性の無機塩類等が挙げられ、これらは単独で又は必要に応じ2種以上組み合わせて用いられる。
【0054】
次に、得られた球状複合体粒子を加熱処理することによりフェノール樹脂を除去する。加熱処理は、フェノール樹脂が分解する温度、すなわち400〜700℃の温度で行う。好ましくは500〜600℃である。700℃を越えると、粒子間の凝集が生じ、粒度分布が広くなり、一方、400℃未満ではフェノール樹脂が十分に分解除去されない。加熱処理時間は、加熱温度によっても変わるが、通常、2〜8時間程度である。2時間未満ではフェノール樹脂の分解が不十分で該樹脂の除去が不十分となる傾向があり、一方、8時間を越えると処理時間自体が長くなりすぎる。雰囲気はフェノール樹脂を分解し、炭素として残存させない点で酸化雰囲気が好ましい。
【0055】
加熱処理炉としては、固定式のものや、回転式もの等いずれの処理機でも構わないが、粒子同志の凝集を防ぐためには回転式のものが好ましい。
本発明における酸化雰囲気は、空気を加熱処理炉内に流せばよく、1L/min以上の流量で流せば十分である。1L/min未満では熱処理炉内に樹脂の分解ガスが充満するので、炭素として残存してしまい好ましくない。
【0056】
次に、引き続きフェライト化させるための加熱処理(焼成)を行う。この加熱処理はフェライト組成によっても異なるが、800〜1400℃の温度で行う。好ましくは900〜1300℃である。1400℃を越えると、粒子同士が焼結してしまい、粒度分布が広くなってしまう。一方、800℃未満では、フェライト化が不十分であり、磁束密度が不足してしまう。
加熱処理時間は、加熱温度によっても変わるが、1〜10時間程度である。1時間未満ではフェライト化が不十分となる傾向があり、一方、10時間を越えると生産性が低下する傾向がある。
【0057】
加熱処理の雰囲気は、組成によって飽和磁化や電気抵抗値を所望の値にするために変えればよく、空気を流した酸化雰囲気下で行う場合、窒素ガス等の不活性ガスを流しながら処理を行う非酸化雰囲気下で行う場合、空気及び窒素の混合ガスを流しながら行う場合等を適宜選択すればよい。ガスの流量は、1L/min以上であることが好ましい。1L/min未満では所望の飽和磁化や電気抵抗を得ることが難しくなる。
【0058】
上記の如くして得られる本発明に係る球状フェライト粒子は、磁性キャリア、電磁波吸収材および電磁波シールド材用材料粉末、導電性磁性粒子等の静電潜像現像剤用材料粉末、ゴム、プラスチック用充填材および補強材並びにペンキ、 絵具および接着剤用艶消材、 充填材および補強材等の分野で有用で、特に電子写真現像用キャリアとして有用である。
【0059】
【作用】
まず、本発明において重要な点は、まずフェライト原料粒子とフェノール樹脂とからなる複合体粒子を調製し、該複合体粒子を400〜700℃で加熱処理して前記フェノール樹脂を分解させた後、引き続き800〜1400℃で加熱処理(焼成)させることで、フェライト化を行うことにある。特に、一旦調製されるフェライト原料粒子とフェノール樹脂とからなる複合体粒子が、フェライト原料粒子の含有量が高く、水銀圧入法による細孔がほとんどなく、且つ、平均粒径が1〜45μmの球状の粒子であることが重要であり、その粒度分布を維持したまま加熱処理によりフェライト化されることである。
【0060】
本発明において、球状複合体粒子及び球状フェライト粒子が、水銀圧入法による細孔容積が0.05ml/g以下であり、BET比表面積が0.2m2 /g以下である理由について、本発明者は、一旦調製されるフェライト原料粒子とフェノール樹脂からなる球状複合体粒子中のフェライト原料粒子の充填量が極めて高く、且つ、該複合体粒子の水銀圧入法による細孔がほとんどないことに起因して、引き続き加熱処理によるフェライト化を行った後も、細孔容積が0.05ml/g以下であり、BET比表面積が0.2m2 /g以下となるものと考えている。
【0061】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例に基づいて、更に詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら制限されるものではない。
【0062】
尚、以下の施例及び比較例における平均粒子径(D10、D50及びD90)は、レーザー回折式粒度分布計(SYMPATEC社製RODOS)により計測した値で示した。
【0063】
また、粒子の粒子形態は、走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、S−800)で観察したものである。
【0064】
かさ密度はJISK5101に記載の方法に従って測定した。
【0065】
球形度の測定は、走査型電子顕微鏡(日立製作所製S−800)により球状複合体粒子をランダムに250個以上抽出し、平均長軸径l及び平均短軸径wを求め、下記式によって算出した。
【0066】
球形度=l/w
l:球形複合体粒子の平均長軸径
w:球形複合体粒子の平均短軸径
【0067】
BET比表面積は、窒素吸着法により測定した。
【0068】
細孔容積は、水銀圧入式オートポア9220(商品名、島津製作所製)で測定した値で示した。
【0069】
体積固有抵抗値は、ハイレジスタンスメーター4329A(商品名、横河ヒュ−レットパッカード社製)で測定した値を用いた。
【0070】
帯電量は、フェライト粒子95重量部と市販のトナーCLC−700シアン(商品名、キャノン(株)製)5重量部との混合物200mgをブローオフ帯電量測定装置TB−200(商品名、東芝ケミカル(株)製)を用いて測定した。
【0071】
帯電の環境安定性試験は次の方法によった。
帯電の環境安定性試験:
フェライト粒子7600mgおよび上記トナー400mgを20mlのガラス製サンプル瓶に計量し、蓋を開けた状態で、それぞれ20℃、30%(LL;低温低湿環境)、および25℃、65%(NN;常温常湿環境)、30℃、80%(HH;高温高湿環境)の各環境に設定した恒温恒湿器内に2日間以上放置し、その後、4rpmのミックスローターで10分間回転させることで、摩擦帯電させ、ブローオフ帯電量測定装置によりトナー帯電量を測定し、各測定値および、HH環境に放置した場合の帯電量に対するLL環境に放置した場合の帯電量の比率で表した。
(LL環境に放置した値)/(HH環境に放置した値)
この比率が1.3以下、好ましくは1.2以下であることが環境安定性において優れており望ましい。
【0072】
帯電の耐久性試験は次の方法によった。
帯電の耐久性試験:
フェライト粒子7600mgおよび上記トナー400mgを20mlのガラス製サンプル瓶に計量し、蓋を開けた状態で、25℃、65%(NN;常温常湿環境)に調整した恒温恒湿器内に48時間以上放置した後、次いで蓋をし、ペイントシェーカーで2時間振とうさせた後、ブローオフ帯電量測定装置により帯電量を測定した。別途、測定したNN環境で放置したときの値に対する、振とう後の値の比率を求めた。
(振とう試験後の値)/(NN環境での値)
【0073】
実施例1
ヘンシェルミキサー内にFe2 3 63mol%、MgO20mol%、CuO5mol%、ZnO12mol%になるように合計で1kg の原料粒子を仕込み十分に攪拌して、次にエポキシ基を有するシラン系カップリング剤KBM−403(商品名:信越化学工業製)10gを添加混合して上記原料粒子の粒子表面をエポキシ基を有するシラン系カップリング剤で処理した。
【0074】
別に、1Lのフラスコに、フェノール125g、37%ホルマリン187g、粒子表面がエポキシ基を有するシラン系カップリング剤で処理されている上記原料粒子1Kg、25%アンモニア水37g及び水125gを仕込み、攪拌しながら60分間で85℃に上昇させた後、同温度で120分間反応・硬化させることにより、フェノール樹脂とフェライト原料粒子からなる複合体粒子を得た。
【0075】
次に、フラスコ内の内容物を30℃に冷却し、上澄み液を除去し、さらに下層の沈殿物を濾過し、通風乾燥機で80℃で7時間乾燥し、複合体粒子(A)を得た。
【0076】
得られた複合体粒子(A)は、平均粒径28μm で、充填成分の含有量が88.6重量%、BET比表面積0.01m2 /g、細孔容積は0.001ml/gであった。
【0077】
次いで、これを内容量10Lの回転式加熱処理炉内に入れ、空気を3L/minの流量で流しながら、加熱処理炉内を2時間で600℃に上げ、同温度で4時間加熱処理(加熱処理I)してフェノール樹脂を除去した後、続いて2時間で1200℃まで温度を上げ、同温度で4時間加熱処理(加熱処理II)してフェライト化を行った。その後、室温まで冷却した後取り出し、球状のMgCuZnフェライト粒子(I)を得た。
【0078】
得られたフェライト粒子の平均粒径(D50)は28μm、10%粒径(D10)は12μm、90%粒径(D90)は70μm、よって、D50/D10比は2.3、D90/D50比は2.5であった。また、BET比表面積は0.02m2 /g、細孔容積は0.004ml/g、体積固有抵抗は3×1010Ωcmであった。
得られた球状フェライト粒子のSEM写真を図1に示す。また、複合体粒子の主要製造条件及び諸特性を表1に、及びフェライト粒子の製造条件を表2に、得られたフェライト粒子の諸特性を表3に示す。
【0079】
実施例2〜6
フェライト原料粒子の種類及び親油化処理剤の種類及び量、その他反応条件を変えた以外は、実施例1と同様にして複合体粒子B〜Fを得た。この時の主要製造条件及び諸特性を表1に示す。
次いで複合体粒子の種類及び加熱処理I、IIの条件を変えた以外は、実施例1と同様にしてフェライト粒子II〜VIを得た。この時の主要製造条件及び諸特性を表2に、得られたフェライト粒子の諸特性を表3に示す。
【0080】
実施例7
Fe2 3 60.0mol%、CuO20.0mol%、ZnO20.0mol%となるように各原料粒子をボールミルにて3時間混合した。次に、これを乾燥した後、900℃で1時間仮焼成を行い、再びボールミルで粉砕した。この仮焼成粒子1kgにシラン系カップリング剤KBM−403(商品名:信越化学工業製)10gを添加混合してシラン系カップリング剤で処理した。次に、実施例1と同様にして、フェノール樹脂により複合体粒子(G)を得、さらに、表2に示すように変更した他は実施例1と同様にして加熱処理I、IIを行い、フェライト粒子(VII)を得た。この時の主要製造条件及び諸特性を表2に、得られたフェライト粒子の諸特性を表3に示す。
【0081】
比較例1
実施例1と同じ組成、すなわちFe2 3 63mol%、MgO20mol%、CuO5mol%、ZnO12mol%となるように各原料粒子をボールミルにて3時間混合した。次にこれを乾燥した後、800℃で1時間仮焼成を行い、再びボールミルで粉砕した。この仮焼成粒子1kgにポリビニルアルコール20gと水200gを加え、スラリー化させた。このスラリーをスプレード ライヤ−で造粒および乾燥を行い、平均粒径35μmの複合体粒子(H)を調製した。次に、該粒子を回転式加熱処理炉内に入れ、空気を3L/minで流しながら、加熱処理炉内を2時間で600℃に上げ、同温度で2時間加熱処理Iを行いポリビニルアルコールを除去した後、続いて3時間で1200℃に昇温し、同温度で4時間加熱処理IIを行い、フェライト粒子(VIII) を得た。その特性を表3に示す。
【0082】
比較例2
実施例1で得られた平均粒径30μmの複合体粒子(A)を、加熱処理Iを省略して、実施例1と同様に、内容量10Lの回転式加熱処理炉内に入れ、窒素ガスを3L/minの流量で流しながら、加熱処理炉内を3時間で800℃に上げ、同温度で4時間加熱処理IIを行った。室温まで冷却した後取り出し、球状粒子(IX)を得た。得られた球状粒子の諸特性を表3に示す。
【0083】
【表1】
Figure 0004055448
【0084】
【表2】
Figure 0004055448
【0085】
【表3】
Figure 0004055448
【0086】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る球状のフェライト粒子は、真球に近い球形度を有し、特定の粒度分布を有し、さらに、BET比表面積が0.2m2 /g以下で、細孔容積が0.05ml/g以下であり、細孔をほとんど有しない構造をもつために、帯電の環境安定性及び耐久性に優れており、特に電子写真現像剤用磁性キャリアとして有用である。さらに、電磁波吸収材および電磁波シールド材用材料粉末、導電性磁性粒子等の静電潜像現像剤用材料粉末、ゴム、プラスチック用充填材および補強材並びにペンキ、 絵具および接着剤用艶消材、 充填材および補強材等のその他用途に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた球状フェライト粒子(I)の電子顕微鏡写真である(×2,500)。

Claims (11)

  1. 式(MO)100-X (Fe2 3 X (但し、MはLi、Mg、Ni、Cu、Zn、Mn、Ca、Feから選ばれる少なくとも1種の金属、Xは45〜95モル%)で示されるフェライトからなり、平均粒径が1〜45μm、 90 /D 50 が3 . 0以下、D 50 /D 10 が3 . 0以下、BET比表面積が0.2m2 /g以下、水銀圧入法による細孔容積が0.05ml/g以下、であることを特徴とする球状フェライト粒子。
    但し、
    50 :レーザー回折式粒度分布計(SYMPATEC社製RODOS)により計測したフェライト粒子の平均粒子径(μm)、
    90 :レーザー回折式粒度分布計(SYMPATEC社製RODOS)により計測した、フェライト粒子の全体積を100%として累積体積で表した粒子径を求めたときの累積割合が90%となる点の粒子径(μm)、
    10 :レーザー回折式粒度分布計(SYMPATEC社製RODOS)により計測した、フェライト粒子の全体積を100%として累積体積で表した粒子径を求めたときの累積割合が10%となる点の粒子径(μm)。
  2. フェライト原料粒子の存在下で、フェノール類とアルデヒド類とを水性媒体中で反応・硬化させることによりフェライト原料粒子とフェノール樹脂とからなる複合体粒子を生成させ、次いで、400〜700℃で加熱処理することにより前記フェノール樹脂を除去し、さらに800〜1400℃で加熱処理することによりフェライト化させることを特徴とする球状フェライト粒子の製造方法。
  3. フェライト原料粒子が、Li2 O、Li2 CO3 、MgO、NiO、CuO、ZnO、MnO、Mn3 4 、CaO、Fe2 3 から選ばれる請求項2記載の製造方法。
  4. 複合体粒子中のフェライト原料粒子の含有量が80〜98重量%である請求項2又は3記載の製造方法。
  5. フェライト原料粒子があらかじめ親油化処理剤で処理されたものである請求項2〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 親油化処理剤がシラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、界面活性剤から選ばれる請求項2〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 親油化処理剤の量がフェライト原料粒子に対し0.1〜5.0重量%である請求項5又は6記載の製造方法。
  8. 複合体粒子生成の反応・硬化を70〜90℃で行う請求項2〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
  9. フェノール樹脂除去の加熱処理を500〜600℃で行う請求項2〜8のいずれか1項に記載の製造方法。
  10. フェライト化の加熱処理を900〜1300℃で行う請求項2〜9のいずれか1項に記載の製造方法。
  11. 請求項1記載の球状フェライト粒子からなることを特徴とする電子写真現像用キャリア。
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