JP4324750B2 - 電子写真現像剤用磁性キャリア - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、耐久性が優れているとともに、安定した帯電性を有する電子写真現像剤用磁性キャリアを工業的、経済的に有利に提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真現像法においては、セレン、OPC(有機半導体)、a−Si等の光導電性物質を感光体として用い、種々の手段により静電気的潜像を形成し、この潜像に磁気ブラシ現像法等を用いて、潜像の極性と逆に帯電させたトナーを静電気力により付着させ、顕像化する方式が採用されている。
【0003】
周知の通り、この現像方式においては、磁性キャリアと呼ばれる担体粒子が使用され、摩擦帯電により適量の正又は負の電気量をトナーに付与すると共に磁気力を利用することによって磁石を内蔵する現像スリーブを介して、潜像を形成した感光体表面付近の現像領域にトナーを搬送している。
【0004】
近年、この電子写真現像法は、複写機やプリンターなど広く用いられており、細線や小文字、写真あるいはカラー原稿等様々な対象に対応できることが要求されているとともに、高画質化、高品位化、高速化及び連続化等についても、合わせて要求されており、殊に、これらの諸特性に対する要求は今後益々高くなるものと予測される。
【0005】
様々な対象に対応できるとともに、高画質化、高品位化のためには、トナー粒子及び磁性キャリア粒子のそれぞれについて粒子サイズを小さくする検討が行われており、殊に、磁性キャリア粒子については、平均粒子径が10〜50μmの粒子サイズのものが強く要求されている。
【0006】
一方、高速化及び連続化のためには、現像剤としての耐久性を向上させることが強く要求されており、磁性キャリアの場合には、機械粉砕法、電解法、還元法、熱分解法及び焼結法等の各種方法により得られる鉄粉、各種フェライト微粒子粉末又はマグネタイト微粒子粉末を造粒、加熱焼成して得られる造粒焼成粒子及び磁性微粒子粉末や非磁性微粒子粉末をバインダー樹脂中に分散させた複合体粒子を磁性芯材粒子(以下、磁性芯材粒子という。)として用い、該磁性芯材粒子の粒子表面を各種樹脂で被覆することが行われており、既に実用化されている(特公平2−3181号公報、特開昭62−66269号公報、特開平3−242657号公報等)。
【0007】
近時における特性向上に対する要求はとどまるところがなく、鮮明な画像を得るためには、磁性キャリアの長時間の使用によっても帯電量が変化することなく安定であることが必要である。即ち、磁性キャリアの長時間の使用により磁性芯材粒子の粒子表面の被覆樹脂層が剥離してしまい、その結果、磁性キャリアの帯電性が変化してトナーを適切に帯電できなくなる現象が問題となっており、磁性芯材粒子の粒子表面からの被覆樹脂層の剥離を防止して耐久性を向上させることにより安定した帯電性を有することが強く要求されている。
【0008】
従来、磁性キャリアの耐久性を向上させるために、磁性芯材粒子の粒子表面に被覆されているシリコーン樹脂中にシランカップリング剤を含有させた磁性キャリア(特開平5−107819号公報等)などが知られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
耐久性に優れているとともに、安定した帯電性を有する磁性キャリアは、現在、最も要求されているところであるが、このような磁性キャリアは未だ得られていない。
【0010】
即ち、前出公知の磁性キャリアは、シリコーン樹脂中に含有されているシランカップリング剤が磁性芯材粒子の表面に存在する水酸基などの親水基と結合することにより、シリコーン樹脂のみを磁性芯材粒子の粒子表面に直接被覆する場合に比べ、シリコーン樹脂被覆層の剥離が生じ難いものであるが、後出比較例に示す通り、長時間繰り返して使用すると剥離が生じはじめ、未だ十分耐久性に優れているとは言い難いものであった。また帯電性も変化しやすいものであった。
【0011】
そこで、本発明の目的は、磁性芯材粒子にシリコーン樹脂被覆層を強固に結合することにより、耐久性が優れているとともに、安定した帯電性を有する磁性キャリアを提供することである。
【0012】
【課題を解決する為の手段】
前記技術的課題は、次の通りの本発明によって達成できる。
【0013】
即ち、本発明は、磁性芯材粒子の粒子表面が金属系硬化剤とアミノ基、エポキシ基及びメルカプト基の1種又は2種以上を含むシラン系カップリング剤モノマーから構成されたシラン系カップリング剤オリゴマーとシリコーン樹脂とからなる樹脂組成物によって被覆されている平均粒子径10〜200μmの磁性粒子粉末からなることを特徴とする電子写真現像剤用磁性キャリアである。
【0014】
次に、本発明の構成をより詳しく説明すれば、次の通りである。
【0015】
まず、本発明に係る磁性キャリアについて述べる。
【0016】
本発明に係る磁性キャリアの粒子サイズは、平均粒子径が10〜200μmである。平均粒子径が10μm未満の場合は、磁性キャリアの粒子表面にトナーが強固に付着して本来持っている磁性キャリアの帯電性が失われるという現象、所謂、トナーのスペント化を起こしやすい。200μmを越える場合は、鮮明な画像を得ることが出来ない。特に、高画質化、高品位化のためには10〜100μmの範囲が好ましく、さらに好ましくは10〜50μmの範囲である。
【0017】
本発明における磁性芯材粒子は、前述の磁性芯材粒子のいずれをも使用することができる。造粒焼成粒子としては、リチウム、マンガン、マグネシウム、銅、亜鉛等から選ばれた1種又は2種以上の元素のフェライト又はこれら元素を含有するマグネタイトを使用することができ、具体的には、リチウム−マンガンフェライト、リチウム−マグネシウムフェライト、マグネシウムフェライト、銅−亜鉛フェライトが好ましい。磁化値の高い磁性キャリアを得るためには、造粒焼成粒子が好ましい。
【0018】
複合体粒子としては、樹脂と上記フェライト微粒子粉末やマグネタイト微粒子粉末などの磁性微粒子粉末、必要により、ヘマタイト等の非磁性微粒子粉末とを混練・粉砕法や重合法により、造粒したものが使用できる。より耐久性の向上した磁性キャリアを得るためには、比重が軽い、殊に2〜4である複合体粒子が好ましい。
【0019】
複合体粒子を構成する樹脂と磁性微粒子粉末の割合は、樹脂1〜20重量%と磁性微粒子粉末80〜99重量%であることが好ましい。必要により、磁性微粒子粉末の70重量%以下をヘマタイト等の非磁性微粒子粉末でおきかえてもよい。
【0020】
尚、上記磁性芯材粒子である複合体粒子を製造するに際して使用される磁性微粒子粉末や非磁性微粒子粉末は、球状、偏平状、針状等のいずれの粒子形状のものも使用することができ、粒子サイズは平均粒子径0.05〜5.0μmが好ましい。これら粒子粉末は樹脂中における分散性等の特性を改良するために、必要により、カップリング剤等で表面処理をして親油化しておいてもよい。
【0021】
磁性芯材粒子の粒子形状は、球状、粒状、偏平状のいずれの形態のものであってもよい。
磁性芯材粒子粉末の粒子サイズは、平均粒子径が8〜195μm、好ましくは8〜97μmである。8μm未満の場合には、得られる磁性キャリアの粒子サイズが10μm未満になる。195μmを越える場合には、得られる磁性キャリアの粒子サイズが200μmを越える。
【0022】
本発明に係る磁性キャリアの被覆樹脂組成物におけるシリコーン樹脂は、磁性キャリアの耐久性を考慮すると、3官能のシリコーン(以下、Tとする。)と2官能のシリコーン(以下、Dとする。)との比が95:5乃至40:60の範囲が好ましく、より好ましくは95:5乃至50:50の範囲である。
【0023】
被覆樹脂組成物の量は、磁性芯材粒子に対して0.05〜10.0重量%であることが好ましい。0.05重量%未満の場合には、不十分かつ不均一な被膜となりやすく、磁性キャリアの耐久性を向上させることが困難となる。また、10.0重量%を超えて被覆量が多くなると磁性芯材粒子の粒子表面からの剥離が生じやすく、安定した帯電性を有する磁性キャリアを得ることが困難となる。好ましくは0.1〜10重量%、さらに好ましくは0.2〜5重量%である。
【0024】
本発明における金属系硬化剤は、アルミニウム トリ−sec−ブトキシド、チタニウム テトラ−n−ブトキシド、チタニウム−テトラ−iso−プロポキシド、ジ−n−ブチルチンジラウレート及び金属アルコキシドなどである。
【0025】
尚、金属アルコキシドは、(RO)M(但し、RはC1〜C16のアルキル基、MはAl、Ti、Na、K、Ca、Zn及びFeから選ばれた1種又は2種以上の金属、nは1〜4の整数)で示される。工業性、経済性等の実用性を考慮するとRがC〜C8のアルキル基が好ましく、より好ましくはC2〜C4のアルキル基であり、樹脂被覆の耐久性をより向上させるためには、MがAl、Tiの金属が好ましい。具体的には、アルミニウム−トリ−n−ブトキシド(n=4、M=Al)、アルミニウム−トリ−エトキシド(n=2、M=Al)、アルミニウム−トリ−sec−ブトキシド(n=4、M=Al)、アルミニウム−トリ−イソプロプキシド(n=3、M=Al)、チタニウム−テトラ−n−ブトキシド(n=4、M=Ti)、チタニウム−テトラエトキシド(n=2、M=Ti)及びチタニウム−テトラ−イソ−プロポキシド(n=3、M=Ti)等を使用することが出来る。
【0026】
金属系硬化剤の量は、シリコーン樹脂固形分に対し0.05〜1.0重量%が好ましく、より好ましくは0.05〜0.5重量%である。
0.05重量%未満の場合は、シリコーン樹脂の硬化速度が遅く、得られる磁性キャリア相互で擬集が生じやすくなり収率が低下する。
1.0重量%を越える場合は、樹脂被覆層が脆くなりやすく、耐久性が低下しやすくなる。
【0027】
金属系硬化剤として金属アルコキシドを使用した場合は、0.05〜0.5重量%、殊に0.05〜0.3重量%の少量でシリコーン樹脂を十分硬化させて均一且つ十分に樹脂組成物被覆層を形成することができることに起因して強固な樹脂組成物被覆層の形成が可能となることから、殊に好ましい。
【0028】
本発明におけるシラン系カップリング剤オリゴマーは、シラン系カップリング剤の構造単位であるモノマーの繰返しの数(重合度)が通常2〜10量体、好ましくは2〜8量体の低重合体化合物であればよく、その混合物であってもよい。シラン系カップリング剤オリゴマーのオリゴマー化の程度は、得られたオリゴマーの分子量をガスクロマトグラフィー質量分析計で測定し、使用したモノマーの分子量から何量体のオリゴマーかを求めた。上記シラン系カップリング剤オリゴマーを構成するモノマーは、アミノ基、エポキシ基、ビニール基、メルカプト基、ハロゲン基又はアルキル基の1種又は2種以上を含むシラン系カップリング剤である。
【0029】
具体的には、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ基を有するシランカップリング剤;γ−グリシドオキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−3,4−エポキシシクロヘキシルトリメトキシシラン、γ−グリシドオキシプロピルトリメトキシシランなどのエポキシ基を有するカップリング剤;ビニルトリクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル・トリス(β−メトキシ)シランなどのビニール基を有するカップリング剤;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト基を有するカップリング剤;ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシランなどのハロゲン基を有するカップリング剤;トリメチルシランなどのアルキル基を有するカップリング剤である。
【0030】
本発明における使用するシラン系カップリング剤オリゴマーは、市販のものであってもよく、また、製造したものであってもよい。市販のものとしては、例えば、アミノ系シランカップリング剤オリゴマーとしては、MS3201(商品名:チッソ株式会社製)、MS3301(商品名:チッソ株式会社製)、KBP−40(商品名:信越化学工業株式会社製)、KBP−41(商品名:信越化学工業株式会社製)及びKBP−43(商品名:信越化学工業株式会社製)、エポキシ系シランカップリング剤オリゴマーとしては、MS5101(商品名:チッソ株式会社製)及びMS5102(商品名:チッソ株式会社製)、メルカプト系シランカップリング剤オリゴマーとしては、X−12−414(商品名:信越化学工業株式会社製)等がある。
【0031】
シラン系カップリング剤オリゴマーの量は、磁性芯材粒子に対し0.01〜3重量%が好ましく、より好ましくは0.01〜2.5重量%である。
0.01重量%未満の場合には、シリコーン樹脂被覆層をより強固に結合することが困難となる。
3重量%を越える場合にも、樹脂組成物被覆層をより強固に結合することができるが、効果が飽和するので必要以上に含有させる意味がない。
【0032】
本発明に係る磁性キャリアは、(1)真比重が通常2〜7、好ましくは2.5〜5.5であり、(2)電気抵抗値が通常10Ω・cm以上、好ましくは10〜1016Ω・cmであり、(3)飽和磁化値が20〜90emu/g、好ましくは25〜90emu/gであり、(4)耐久性(帯電量の変化)が通常12%以下、好ましくは8%以下である。
【0033】
電子写真現像剤は、少なくとも磁性キャリアとトナーとからなり、混合割合は通常、磁性キャリアが80〜97重量部とトナー3〜20重量部である。
【0034】
次に、本発明に係る磁性キャリアの製造法について述べる。
【0035】
前記の通りの本発明に係る磁性キャリアは、シリコーン樹脂と金属系硬化剤とシラン系カップリング剤オリゴマーとを固形分量が5〜30重量%となるようにトルエンで希釈し、次いで、ゲル化時間が2乃至5時間になるようにそれぞれの量を調整して作製した塗工液を磁性芯材粒子粉末に添加・混合して、前記磁性芯材粒子粉末を構成する磁性芯材粒子の粒子表面を前記塗工液によって被覆することにより得ることができる。塗工液はほぼ全量が磁性芯材粒子の粒子表面に被覆されて樹脂組成物被覆層を形成する。
【0036】
固形分量が5重量%未満の場合には、トルエン等の溶剤を除去するために長時間を要し、工業的、経済的ではない。固形分濃度が30重量%を越える場合には、磁性芯材粒子の樹脂組成物による十分且つ均一な被覆層の形成が困難となる。ゲル化時間が2時間未満の場合には、塗工液自体が増粘することにより、磁性芯材粒子の樹脂組成物による十分且つ均一な被覆層の形成が困難となる。ゲル化時間が5時間を越える場合には、磁性芯材粒子相互の凝集が生じやすくなる。
【0037】
塗工液の添加量は、磁性芯材粒子粉末に対し、固形分として0.05〜10重量%の範囲が好ましい。0.05重量%未満の場合には、磁性芯材粒子の樹脂組成物による被覆が不十分且つ不均一となりやすい。10重量%を越える場合には、得られる磁性キャリアの電気抵抗値が高く、チャージアップ等の画像上の問題が発生する。
【0038】
尚、シラン系カップリング剤オリゴマーは、前述した通り、市販のものを用いてもよいが、酸又は塩基等の公知の触媒を用いて前述の構造モノマーであるシラン系カップリング剤を加水分解・縮合反応させてオリゴマー化して製造することができる。具体的には、シラン系カップリング剤を溶剤中に1〜20重量%の割合で溶かし30〜50℃の液温度で攪拌する。
攪拌時間は2〜3時間が好ましい。
シラン系カップリング剤の加水分解・縮合反応を溶剤中で行う場合には、そのままシリコーン樹脂と混合できるので好ましい。
溶剤としてはイソプロピルアルコールやエタノールが好ましい。
【0039】
【発明の実施の形態】
【0040】
本発明の代表的な実施の形態は次の通りである。
【0041】
尚、以下の実施の形態並びに後出実施例及び比較例における粒子の平均粒子径はレーザー回折式粒度分布計(株式会社堀場製作所製)により計測した値で示し、また、粒子の粒子形態は、走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、S−800)で観察したものである。
【0042】
飽和磁化は、振動試料型磁力計VSM−3S−15(東英工業株式会社製)を用いて外部磁場10kOeのもとで測定した値で示した。
【0043】
真比重は、マルチボリウム密度計(マイクロメリティクス社製)で測定した値で示した。
【0044】
体積固有抵抗は、ハイレジスタンスメーター4329A(横河ヒューレットパッカード社製)で測定した値で示した。
【0045】
耐久テストは、以下のように行った。
磁性キャリア粒子粉末50gを100ccのガラス製サンプル瓶の中に入れ、ふたをした後、ペイントコンディショナー(RED DEVIL社製)にて、10時間振とうさせる。振とう前後の各々のサンプルについて帯電量を測定した。
【0046】
帯電量は、磁性キャリア粒子粉末95重量部と下記の方法により製造したトナー5重量部を十分に混合し、ブローオフ帯電量測定装置TB−200(東芝ケミカル社(製))を用いて測定した。
〈トナーの製造〉
プロポキシ化ビスフェノールとフマル酸とを縮合して得られたポリエステル樹脂
100重量部
フタロシアニン顔料 4重量部
ジ−tert−ブチルサリチル酸クロム錯体 4重量部
をヘンシェルミキサーにより十分予備混合を行い、二軸押出し混練機により溶融混練し、冷却後ハンマーミルを用いて粗粉砕し、次いでエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕した。
この微粉砕物を分級して、重量平均粒径8μmの負帯電性シアン着色粉体を得た。
上記シアン着色粉体100重量部に対し、10重量部の酸化チタン微粉末をヘンシェルミキサーにより添加混合し、シアントナーを得た。
【0047】
磁性芯材粒子の粒子表面に樹脂組成物被覆が形成されている磁性キャリア粒子粉末の収率は、磁性芯材粒子A〜Eの各粒子に対応する篩の目開きが44μm、63μm、63μm、75μm及び75μmの各篩を用いて粒子表面に樹脂組成物被覆が形成されている磁性キャリア粒子粉末が篩の目を通過した量を篩にかける前の量で割った値を百分率で示した。
【0048】
<磁性芯材粒子の生成>
ヘンシェルミキサー内に平均粒子径が0.24μmの球状マグネタイト粒子粉末1kgを仕込み十分に良く攪拌しながら、シラン系カップリング剤KBM−602(商品名:信越化学工業株式会社製)(以下、カップリング剤aとする。)7.5gを添加、混合して、上記球状マグネタイト粒子の粒子表面を上記シラン系カップリング剤aで被覆した。
【0049】
別に、1lの四つ口フラスコに、フェノール50g、37%ホルマリン75g、親油化処理された上記球状マグネタイト粒子粉末400g、25%アンモニア水15g、水50gを仕込み、攪拌しながら60分間で85℃に上昇させ、同温度で120分間、反応・硬化させ、フェノール樹脂と球状マグネタイト粒子粉末からなる複合体粒子粉末の生成を行った。
次に、フラスコ内の内容物を30℃に冷却し、0.5lの水を添加した後、上澄み液を除去し、さらに下層の沈殿物を水洗し、風乾した。
【0050】
次に、これを減圧下(5mmHg以下)に、150〜180℃で乾燥して複合体粒子粉末(以下、複合体粒子粉末Aという。)を得た。収率は95%であった。
【0051】
この複合体粒子粉末Aは、マグネタイト粒子の含有量が88重量%の球状(球形度1.1)粒子であり、平均粒子径が18μm、比重が3.55であって、飽和磁化が75emu/g、体積固有抵抗が1×108Ωcmであった。
【0052】
<磁性芯材粒子の樹脂組成物被覆>
あらかじめ、シラン系カップリング剤としてγ−アミノプロピルトリメトキシシランKBM−903(商品名:信越化学工業株式会社製)(シランカップリング剤bとする)1.0gを予めイソプロピルアルコール50gを入れたフラスコ内に入れ、攪拌しながら酢酸/水混合液を少量添加した後、液温度を40℃に維持しながら3時間攪拌することによって加水分解・縮合反応させてカップリング剤bのオリゴマーを含むイソプロピルアルコール溶液を調製した。
次に、万能攪拌機(5XDML:株式会社ダルトン製)内に、磁性芯材粒子として複合体粒子粉末Aを1kg入れ、品温が50℃になるまで攪拌する。次に、シリコーン樹脂(T/D単位比=90/10)を固形分として30gと金属系硬化剤としてアルミニウム−トリ−sec−ブトキシド(n=4、M=Al)(以下、金属系硬化剤fとする。)0.03gとあらかじめ準備した上記カップリング剤bのオリゴマー0.7gとをシリコーン樹脂の固形分濃度が20%になるようにトルエンで希釈した塗工液を添加する。次いで、同温度で1時間攪拌した後、窒素ガス雰囲気下、200℃で2時間熱処理を行った。収率は98%であった。
【0053】
樹脂組成物による被覆は、電子顕微鏡観察の結果、十分かつ均一であり、被覆量は2.5重量%であった。得られた金属系硬化剤fとカップリング剤bのオリゴマーとシリコーン樹脂とからなる樹脂組成物によって被覆されている複合体粒子粉末は、平均粒子径19μm、カサ密度1.70g/ml、比重3.53、電気抵抗値2×1013Ωcm、飽和磁化値74emu/g、帯電量の変化率は5%(初期−42μC/g、振とう後−40μC/g)であった。
【0054】
【作用】
本発明において最も重要な点は、磁性芯材粒子の粒子表面が金属系硬化剤とシラン系カップリング剤オリゴマーとシリコーン樹脂とからなる樹脂組成物により被覆されている磁性キャリア粒子粉末は、耐久性に優れているとともに、安定した帯電性を有するという事実である。
【0055】
本発明に係る磁性キャリアの耐久性が優れている理由について、本発明者は、樹脂組成物被覆層中のシラン系カップリング剤オリゴマーがシリコーン樹脂に多点で結合していることにより、被覆層形成時における脱溶剤の際や被覆層の硬化処理の際に被覆層内における移動が生起せず、その結果、被覆層内でのシラン系カップリング剤オリゴマーの濃度分布が生じることがないためと考えている。
【0056】
本発明に係る磁性キャリアの帯電性が安定している理由について、本発明者は、磁性キャリアの耐久性が向上することにより樹脂組成物被覆の剥離が生じにくいことと帯電量に影響を及ぼすシラン系カップリング剤オリゴマーの移動を抑制できることによるものと考えている。即ち、本発明に係る磁性キャリアは、シラン系カップリング剤オリゴマーがシリコーン樹脂に多点で結合していることに起因して、樹脂組成物被覆層中におけるシラン系カップリング剤オリゴマーの移動が抑制される。
【0057】
【実施例】
次に、実施例並びに比較例を挙げる。
実施例1〜6、比較例1〜3
【0058】
先ず、磁性芯材粒子粉末A〜Eを準備した。
磁性芯材粒子粉末である複合体粒子B及びCの生成条件を表1に示すとともに、磁性芯材粒子粉末B〜Eの特性を表2に示す。
【0059】
【表1】
Figure 0004324750
【0060】
【表2】
Figure 0004324750
【0061】
次に、磁性芯材粒子粉末の種類、シリコーン樹脂の種類及び量、金属系硬化剤の有無、種類及び量並びにシラン系カップリング剤オリゴマーの有無、種類及び量を種々変化させた以外は、前記発明の実施の形態と同様にして樹脂組成物で被覆された磁性芯材粒子粉末を得た。
【0062】
この時の主要条件を表3に、諸特性を表4に示す。
【0063】
【表3】
Figure 0004324750
【0064】
【表4】
Figure 0004324750
【0065】
比較例3で得られた金属系硬化剤とシラン系カップリング剤モノマーとシリコーン樹脂とからなる樹脂組成物によって被覆されている複合体粒子粉末は、耐久テストにおいて帯電量が大きく変化してしまったことから、被覆樹脂組成物中においてカップリング剤の偏析がおき、耐久テストにおける機械的衝撃において被覆層が剥離したものと考えられる。
【0066】
尚、表3中におけるカップリング剤a〜e、金属系硬化剤f〜hは、それぞれ下記の通りである。
【0067】
〈カップリング剤〉
カップリング剤a:N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン(N−β−(aminoethyl)−γ−aminopropylmethyldimethoxysilane)(商品名:KBM−602,信越化学工業株式会社製)
カップリング剤b:γ−アミノプロピルトリメトキシシラン(γ−aminopropyltrimethoxysilane)(商品名:KBM−903,信越化学工業株式会社製)
カップリング剤c:N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン(N−phenyl−γ−aminopropyltrimethoxysilane)(商品名:KBM−573,信越化学工業株式会社製)
カップリング剤d:γ−グリシドキシプロビルトリメトキシシラン(γ−glycidoxypropyltrimethoxysilane)(商品名:KBM−403,信越化学工業株式会社製)
カップリング剤e:γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(γ−mercaptopropyltrimethoxysilane)(商品名:KBM−803,信越化学工業株式会社製)
【0068】
〈金属系硬化剤〉
金属系硬化剤f:アルミニウム トリ−sec−ブトキシド(Aluminium tri−sec−butoxide)
金属系硬化剤g:チタニウム テトラ−n−ブトキシド(Titanium tetra−n−butoxide)
金属系硬化剤h:ジ−n−ブチルチン ジラウレート(Di−n−butyltin dilaurate)
【0069】
【発明の効果】
本発明に係る電子写真現像剤用磁性キャリアは、耐久性が優れていることにより、長期間の繰り返し使用によっても樹脂組成物被覆の剥離が生じ難く、また、帯電量に影響を及ぼすシラン系カップリング剤オリゴマーの移動が抑制されたものであることに起因して安定した帯電性を有しているので、電子写真現像剤用磁性キャリアとして好適である。

Claims (1)

  1. 磁性芯材粒子の粒子表面が金属系硬化剤とアミノ基、エポキシ基及びメルカプト基の1種又は2種以上を含むシラン系カップリング剤モノマーから構成されたシラン系カップリング剤オリゴマーとシリコーン樹脂とからなる樹脂組成物によって被覆されている平均粒子径10〜200μmの磁性粒子粉末からなることを特徴とする電子写真現像剤用磁性キャリア。
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