JPH086303A - 電子写真用磁性キャリア及びその製造法 - Google Patents
電子写真用磁性キャリア及びその製造法Info
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- JPH086303A JPH086303A JP6164526A JP16452694A JPH086303A JP H086303 A JPH086303 A JP H086303A JP 6164526 A JP6164526 A JP 6164526A JP 16452694 A JP16452694 A JP 16452694A JP H086303 A JPH086303 A JP H086303A
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Abstract
も50〜150emu/g程度の飽和磁化値を有すると
共に、2.5〜5.2程度の比重と1010〜1012Ωc
m程度の電気抵抗値とを有する球状複合体粒子粉末から
なる電子写真用磁性キャリアを提供する。 【構成】 強磁性鉄化合物粒子と非磁性鉄化合物粒子
(両者の合計が全体の80〜99重量%)とをフェノー
ル樹脂をバインダとして結合してなる平均粒子径1〜1
000μmの球状複合体粒子であり、且つ、強磁性鉄化
合物粒子粉末とフェノール類とアルデヒド類とを塩基性
触媒の存在下で水性媒体中で撹拌、混合して強磁性鉄化
合物粒子がフェノール樹脂中に分散しているゲル状の球
状複合体核粒子を生成させ、次いで、水性媒体中に非磁
性鉄化合物粒子粉末を添加し、撹拌、混合してゲル状の
球状複合体核粒子表面に非磁性鉄化合物粒子を含有する
表層部を形成したのち全体を硬化させる。
Description
性が優れており、しかも適当な飽和磁化値、殊に50〜
150emu/g程度を有すると共に、適度な比重、殊
に2.5〜5.2程度と比較的高い電気抵抗値、殊に1
010〜1012Ωcm程度とを有する球状複合体粒子粉末
からなる電子写真用磁性キャリア及びその製造法に関す
るものである。
レン、OPC(有機半導体)、α−Si等の光導電性物
質を感光体として用い、種々の手段により静電気的潜像
を形成し、この潜像に磁気ブラシ現像法等を用いて、潜
像の極性と逆に帯電させたトナーを静電気力により付着
させ、顕像化する方式が一般に採用されている。
れる担体粒子が使用され、摩擦帯電により適量の正又は
負の電気量をトナーに付与すると共に磁気力を利用する
ことによって磁石を内蔵する現像スリーブを介して、潜
像を形成した感光体表面付近の現像領域にトナーを搬送
する。
リンターに広く多用化されており、細線や小文字、写真
あるいはカラー原稿等様々な文書に対応できることが要
求されている。さらに高画質化や高品位化、高速化及び
連続化等についても、合わせて要求されており、今後も
益々これらの要求は大きくなるものと思われる。
フェライトキャリアあるいはバインダー型キャリア(磁
性体微粒子を樹脂中に分散させた複合体粒子)等が開発
され、実用化されている。
ポンジ状、球状のものがあるが、真比重が7〜8であっ
て、嵩密度も3g/cm3 〜4g/cm3 と大きいため
に、現像機中で攪拌するためには大きな駆動力を必要と
し、機械的な損耗が多く、トナーのスペント化、キャリ
ア自体の帯電性劣化や感光体の損傷を招きやすい。
真比重は4.5〜5.5ぐらいであり、嵩密度は2g/
cm3 〜3g/cm3 ぐらいであるため、鉄粉キャリア
の欠点である重さをある程度解消し得るが、まだ十分で
はない。
g/cm3 程度以下と嵩密度が小さいものであると共
に、粒子に形状的な歪みが少なく、粒子強度が高い傾向
にある球状にすることが容易であるため、流動性に優れ
ているという特徴を有し、その粒子サイズも広範囲に制
御できることから、現像スリーブ又はスリーブ内の磁石
の回転数が大きい高速複写機や汎用コンピュータの高速
レーザビームプリンタ等に最適であり、現在、最も広く
用いられているものである。
用される樹脂としては、大別して、ビニル系、スチレン
系、アクリル酸系樹脂などの熱可塑性樹脂とフェノール
系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂等の熱硬化性
樹脂とが知られているが、一般的には粒状化が容易な熱
可塑性樹脂が用いられており、熱硬化性樹脂は球状化が
困難である為実用上問題があるとされている。
べ、耐久性、耐衝撃性、耐熱性に優れているので、これ
らの利点を生かした無機物粒子と熱硬化性樹脂とからな
るバインダ型キャリア(複合体粒子粉末)が強く要求さ
れており、熱硬化性樹脂としてフェノール樹脂を、無機
物粒子として強磁性粉末を用いた複合体粒子が知られて
いる(特開平2−220068号公報、特開平4−10
0850号公報)が、バインダ型キャリアに対する高性
能化の要求はとどまるところがなく、上記諸特性に加え
て更に、磁化値、比重、電気抵抗値の各特性が適当に制
御されていることが要求される。
和磁化値、殊に50〜150emu/g程度を有するこ
とが求められる。すなわち、特開昭59−97155号
公報に「・・・キャリアの飽和磁化は50〜150em
u/gであり、・・・飽和磁化が50emu/g未満で
は、キャリア飛散やキャリア付着が発生し、一方、15
0emu/gを超えると掃き目、画像荒れがひどくな
り、文字つぶれがおこる。・・・」とあるようにキャリ
アの飽和磁化の値を50emu/g以上にすることで良
好な画像が得られることが提案されている。磁化値を適
度に高くすることでスリーブ上のマグネットブラシの所
謂『穂』を形成しているキャリアが磁気力の低いことに
起因して『穂』から離れて感光体に飛んでいき、感光体
上に付着するいわゆるキャリア付着が生じ難くなる。ま
た、あまりに磁化値が大きいと画像荒れなど、解像度の
低下が生じる。したがって、キャリアの飽和磁化は50
〜150emu/g程度であることが求められている。
速く帯電させることが要求される。すなわちトナーとの
混合性を良くすることが重要であり、そのためには適度
な比重、殊に2.5〜5.2程度を有すること等が要求
される。キャリアの比重を大きくしたほうがトナーとの
混合性そのものには有利ではあるが、一方、トナーにダ
メージを与えないことも要求され、所謂スペント化を起
こさないようにすることや、現像機を小さくかつ軽くす
るためには、キャリアの比重は小さいほうが望ましい。
したがって適度な比重、殊に2.5〜5.2程度である
ことが求められる。
ントは、比較的高い電気抵抗値、殊に1010〜1012Ω
cm程度を有することである。すなわち、鉄粉キャリア
のように体積固有抵抗値が106 Ωcm以下と低い場
合、スリーブからの電荷注入によりキャリアが感光体の
画像部へ付着したり、潜像電荷がキャリアを介して逃
げ、潜像の乱れや画像の欠損等を生じたりする等の問題
がある。
粒子表面に樹脂を被覆し、キャリアの電気抵抗を高くす
ることが提案(特開昭47−13954号公報、特開昭
54−660号公報)されている。
めに、キャリア自体の電気抵抗が1012Ωcmよりも高
くなりすぎて、キャリア電荷のリークが生じにくくな
り、さらにトナーの帯電量も高くなり、その結果得られ
る画像はエッジの効いた画になるが、一方、大面積の画
像面では中央部の画像濃度が非常に薄くなるといった問
題が生じる。
が要求され、具体的には体積固有抵抗値で1010〜10
12Ωcm程度が求められている。
しようとする試みがいくつかなされており、キャリアを
2層構造にすることが行われている。例えば、磁性体分
散型キャリアコア表面に樹脂と親水性無機微粒子とを含
有する被覆を行い、且つ、被覆層厚より該微粒子の粒径
のほうが大きい関係にあることを特徴とするキャリア
(特開平3−111859号公報)、磁性粉分散型キャ
リアの少なくとも一部が、予め無機酸化物微粉末を添加
してキャリア表面に付着させたものであることを特徴と
するキャリア(特開平4−124677号公報)、磁性
微粒子を分散させたキャリアの表面に体積抵抗が1012
Ωcm以下である導電性微粒子が添加されていることを
特徴とするキャリア(特開平5−273789号公報)
などがある。
性が優れており、しかも、適当な飽和磁化値、殊に50
〜150emu/g程度を有するとともに、適度な比
重、殊に2.5〜5.2程度と比較的高い電気抵抗値、
殊に1010〜1012Ωcm程度とを有する球状複合体粒
子粉末は、現在最も要求されているところであるが、こ
のような磁性キャリアは未だ提供されていない。
公報及び特開平4−100850号公報に記載の球形を
呈した強磁性粒子含有フェノール樹脂複合物粒子は、強
磁性粒子の含有量を80〜99重量%に高めたものであ
り、高い飽和磁化値を得ることができるが、一方、その
割合を増していくと、通常電気抵抗値は低くなってしま
い、1010Ωcm以上の高い電気抵抗値は得られない。
そこで1010Ωcm以上の電気抵抗値を得るために絶縁
性の樹脂等を添加することが考えられるが、添加される
樹脂等は通常強磁性粉末に比べて比重が小さく、全体と
して十分な比重が得られなくなるという問題が生じる。
報、特開平4−124677号公報、特開平5−273
789号公報に記載のキャリアも同様に前記課題を十分
満足するものとは言いがたいものである。
のキャリアは、強磁性粒子を含む複合体粒子表面に親水
性無機微粒子を含有する被覆材をコーティングしたもの
であるが、該微粒子が被覆層から露出するように調整さ
れており、キャリアの凝集を回避することを目的として
いる。
開平5−273789号公報に記載のキャリアは、強磁
性粒子を含む複合体粒子表面に無機酸化物微粉末を付着
させたものであって、該無機酸化物微粉末が樹脂マトリ
ックスに均一に分散した被覆層を有するものではない。
性が優れている球状複合体粒子粉末であって、適当な飽
和磁化値、殊に50〜150emu/g程度を有すると
共に、適当な比重、殊に2.5〜5.2程度であり、比
較的高い電気抵抗値、殊に1010〜1012Ωcm程度を
有することを特徴とする電子写真用磁性キャリアを提供
することを技術的課題とする。
とおりの本発明によって達成できる。すなわち、本発明
は、強磁性鉄化合物粒子と非磁性鉄化合物粒子とをフェ
ノール樹脂をバインダとして結合してなる平均粒子径1
〜1000μmの球状複合体粒子からなる電子写真用磁
性キャリアであって、当該複合体粒子に含まれる強磁性
鉄化合物粒子と非磁性鉄化合物粒子との総量が80〜9
9重量%であり、且つ、当該複合体粒子が該強磁性鉄化
合物粒子を主として含有する核部と該非磁性鉄化合物粒
子を主として含有する表層部とからなることを特徴とす
る電子写真用磁性キャリア及び強磁性鉄化合物粒子粉末
とフェノール類とアルデヒド類とを塩基性触媒の存在下
で水性媒体中で攪拌、混合しながら45〜60℃に昇温
することによって強磁性鉄化合物粒子がフェノール樹脂
中に分散しているゲル状の球状複合体核粒子を生成させ
たのち、当該水性媒体中に非磁性鉄化合物粒子粉末を添
加して攪拌、混合することによって前記ゲル状の球状複
合体核粒子表面に非磁性鉄化合物粒子を主として含有す
る表層部を形成してゲル状の球状複合体粒子を生成さ
せ、次いで、70〜90℃に昇温することによって前記
ゲル状の球状複合体粒子を硬化させて強磁性鉄化合物粒
子を主として含有する核部と非磁性鉄化合物粒子を主と
して含有する表層部とからなる球状複合体粒子を得るこ
とを特徴とする電子写真用磁性キャリアの製造法であ
る。
発明に係る球状複合体粒子粉末について述べる。
粒子径が1〜1000μmである。平均粒子径が1μm
未満の粒子は二次凝集しやすく、1000μmを越える
ものは機械的強度が弱く、さらに鮮明な画像を得ること
ができなくなる。特に、高画質を求める場合には20〜
200μmの範囲が好ましく、さらに好ましくは30〜
100μmの範囲である。
性鉄化合物粒子と非磁性鉄化合物粒子とを含み、強磁性
鉄化合物粒子と非磁性鉄化合物粒子の総量が80〜99
重量%である。80重量%未満では十分に高い飽和磁化
値が得られず、99重量%を越えるとバインダが不足し
て十分な強度を有する複合体粒子が得られない。さら
に、非磁性鉄化合物粒子の含有率は強磁性鉄化合物粒子
100重量部に対して1〜33重量部の範囲であること
が好ましい。1重量部未満の場合、表層部の非磁性鉄化
合物粒子が不足して適度に高い電気抵抗値が得られず、
33重量部を越える場合、十分に高い飽和磁化値が得ら
れない。なお、より好ましくは1〜25重量部の範囲で
ある。
式で表される球形度が1.0〜1.4の範囲にあること
が望ましい。
度が2.5g/cm3 程度以下の範囲にあることが好ま
しい。より好ましくは2.0g/cm3 程度以下であ
る。
性鉄化合物粒子を含有する核部の平均半径ra と非磁性
鉄化合物粒子を含有する表層部の平均厚みrb との比r
a /rb は、10〜300であることが好ましい。10
未満の場合、強磁性鉄化合物粒子の非磁性鉄化合物粒子
に対する比率が下がって十分に高い飽和磁化値が得られ
にくい。300を越える場合、表層部が極端に薄くな
り、適度に高い電気抵抗値が得られにくくなる。
磁化値が50〜150emu/gである。50emu/
g未満の場合、いわゆる『穂』を形成する磁気力が弱
く、キャリア飛散やキャリア付着が生じやすくなる。1
50emu/gを越える磁化値は通常の強磁性鉄化合物
粒子粉末を用いては得難く、また、画像が荒くなりやす
いので好ましくない。
が2.5〜5.2である。好ましくは2.5〜4.5で
ある。
固有抵抗値が1010〜1012Ωcmである。1010Ωc
m未満の場合、静電潜像上の電荷がキャリアを介して流
れてしまい、画像が乱れる、または欠けたりすることと
なり好ましくない。1012Ωcmを越える場合、キャリ
ア電荷のリークが生じにくくなり、トナーの帯電量も高
くなって、黒ベタ部の中央で画像濃度が非常に薄くなる
などの問題が生じる。
体粒子粉末の製造法について述べる。
しては、マグネタイト、マグヘマイト等の強磁性酸化鉄
粒子粉末、鉄以外の金属(Mn,Ni,Zn,Mg,C
u等)を一種又は二種以上含有するスピネルフェライト
粒子粉末、バリウムフェライト等のマグネトプランバイ
ト型フェライト粒子粉末、表面に酸化被膜を有する鉄や
鉄合金の微粒子粉末を用いることができる。好ましく
は、マグネタイト等の強磁性酸化鉄粒子粉末である。前
記強磁性鉄化合物粒子の粒径は、0.02〜10μmで
あることが望ましく、水性媒体中における分散と生成す
る球状複合体粒子の強度を考慮すれば、0.05〜5μ
mであることが好ましい。その形状は、粒状、球状、針
状のいずれであってもよい。
しては、ヘマタイト、ゲーサイト及びイルメナイト等の
微粒子粉末を用いることができる。好ましくはヘマタイ
トである。前記非磁性鉄化合物粒子の粒径は、0.02
〜10μmであることが望ましく、水性媒体中における
分散と生成する複合体粒子の強度を考慮すれば、0.0
5〜5μmであることが好ましい。その形状は、粒状、
球状、針状のいずれであってもよい。
ェノール自体の他、m−クレゾール、p−tert−ブチル
フェノール、o−プロピルフェノール、レゾルシノー
ル、ビスフェノールA等のアルキルフェノール類、及び
ベンゼン核又はアルキル基の一部又は全部が塩素原子臭
素原子で置換されたハロゲン化フェノール類等のフェノ
ール性水酸基を有する化合物が挙げられるが、この中で
フェノールが最も好ましい。フェノール類以外のものを
用いた場合には、粒子が生成し難かったり、粒子が生成
したとしても不定形状であったりすることがある。
ルマリン又はパラアルデヒドのいずれかの形態のホルム
アルデヒド及びフルフラール等が挙げられるが、ホルム
アルデヒドが特に好ましい。
比は、1〜2が好ましく、特に好ましくは1.1〜1.
6である。アルデヒド類のフェノール類に対するモル比
が1より小さいと、粒子が生成し難かったり、生成した
としても樹脂の硬化が進行し難いために、生成する粒子
の強度が弱かったりする傾向があり、一方、アルデヒド
類のフェノール類に対するモル比が2よりも大きいと、
反応後に水性媒体中に残留する未反応のアルデヒド類が
増加する傾向がある。
のレゾール樹脂製造に使用されているもの、例えば、ア
ンモニア水、ヘキサメチレンテトラミン及びジメチルア
ミン、ジエチルトリアミン、ポリエチレンイミン等のア
ルキルアミンが挙げられる。これら塩基性触媒のフェノ
ール類に対するモル比は、0.02〜0.3が好まし
い。
触媒の存在下で反応させるに際し、共存させる強磁性鉄
化合物粒子粉末の量は、フェノール類に対して重量で
0.5〜200倍が好ましい。さらに、生成する球状複
合体粒子の強度を考慮すると、4〜100倍であること
がより好ましい。
面処理することなくそのまま用いることができることは
もちろんであるが、あらかじめ親油化処理をしておいて
もよい。親油化処理がされていない強磁性鉄化合物粒子
を用いる場合には、懸濁安定剤として、カルボキシメチ
ルセルロース、ポリビニルアルコール等の親水性有機化
合物やフッ化カルシウム等のフッ素化合物などを添加し
ておくことにより球形粒子が生成しやすくなる。
ま用いることができることはもちろんあらかじめ親油化
処理をしておいてもよい。
にシラン系カップリング剤やチタネート系カップリング
剤等のカップリング剤を添加混合して被覆処理する方法
又は界面活性剤を含む水性溶媒中に強磁性鉄化合物粒子
等を分散させ、該粒子表面に界面活性剤を吸着させる方
法等がある。
基、アミノ基、エポキシ基を有するものがあり、疎水性
基を有するシラン系カップリング剤としては、ビニルト
リクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル・
トリス( β−メトキシ) シラン等がある。
としては、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N
−β−(アミノエチル)─γ−アミノプロピルトリメト
キシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプ
ロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン等がある。
剤としては、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)トリメト
キシシラン等がある。
ソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロ
ピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソ
プロピルトリス(ジオクチルピロホスフェート)チタネ
ート、等がある。
使用することができ、強磁性鉄化合物粒子、非磁性鉄化
合物粒子や該粒子表面に有する水酸基と結合が可能な官
能基を有するものが望ましく、イオン性で言えばカチオ
ン性、あるいはアニオン性のものが好ましい。
目的を達成することができるが、フェノール樹脂との接
着性を考慮するとアミノ基、あるいはエポキシ基を有す
るシラン系カップリング剤による処理が好ましい。
れるが、この場合の水仕込み量は、強磁性鉄化合物粒子
粉末及び非磁性鉄化合物粒子粉末の総量が原料全体に占
める割合である全固形分濃度が30〜95重量%になる
ようにすることが好ましく、特に、60〜90重量%と
なるようにすることが好ましい。
類、水及び強磁性鉄化合物粒子粉末を反応釜中に仕込
み、十分に攪拌した後、塩基性触媒を加えて攪拌しなが
ら昇温し、反応温度を45〜60℃に調整する。この時
点において、フェノール類及びホルマリン類の一部の反
応が進行し、ゲル状のフェノール樹脂マトリックス中に
強磁性鉄化合物粒子が分散したゲル状の球状複合体核粒
子が生成する。球形度の高い球状複合体粒子を得るため
にはゆるやかに昇温することが望ましいが、一方、フェ
ノール樹脂の硬化があまり進行しないことが望まれる。
昇温速度は、好ましくは0.5〜1.5℃/分、より好
ましくは0.8〜1.2℃/分である。
ル状球状複合体核粒子が生成した後に行う。添加時の液
温は45〜60℃の間である。強磁性鉄化合物粒子の大
部分がゲル状球状複合体粒子中に取り込まれて、単独で
存在する強磁性鉄化合物粒子がほとんどない状態であっ
て、しかもバインダであるフェノール樹脂が十分には硬
化していないゲル状である状態において、非磁性鉄化合
物粒子粉末を添加する。
が十分硬化してしまった後に非磁性鉄化合物を添加した
場合には、生成する球状複合体粒子中に非磁性鉄化合物
粒子が含有されないか、あるいは当該球状複合体粒子表
面に非磁性鉄化合物粒子が付着しただけのものが生成す
る。
子粉末の添加を早期に行った場合には、強磁性鉄化合物
粒子と非磁性鉄化合物粒子が均一に分散したような複合
体粒子が生成し、目的とする2層構造を有する複合体粒
子が得られない。
しばらく攪拌し、ゲル状の球状複合体核粒子表面に非磁
性鉄化合物粒子がフェノール樹脂マトリックス中に分散
した表層部を形成させ、ゲル状の球状複合体粒子を生成
する。その後、攪拌しながら昇温し、反応温度70〜9
0℃に調整し、フェノール樹脂を硬化させる。この時も
前記同様、球形度の高い球状複合体粒子を得るためにゆ
るやかに昇温させることが望ましい。昇温速度は、好ま
しくは0.5〜1.5℃/分、より好ましくは0.8〜
1.2℃/分である。
られた水分散液を濾過、遠心分離等の常法に従って固液
を分離した後、洗浄して乾燥することにより、フェノー
ル樹脂マトリックス中に強磁性鉄化合物粒子が主として
分散する核部とフェノール樹脂マトリックス中に非磁性
鉄化合物粒子が主として分散する表層部とからなる球状
複合体粒子粉末が得られる
特性としては、飽和磁化値、比重及び電気抵抗値の各特
性が適当に制御されていることである。例えば、高い磁
化値を得るために強磁性粒子粉末の割合を高めていく
と、通常、電気抵抗値が低くなってしまい、1010Ωc
m以上の高い電気抵抗値は得られない。そこで1010Ω
cm以上の電気抵抗値を得るために絶縁性の樹脂等を添
加することが考えられるが、添加される樹脂等は通常強
磁性粉末に比べて比重が小さく、全体として十分な比重
が得られなくなる。
面に無機微粒子を付着させるなどして電気抵抗値の制御
を行ってきたが、これらは付着させているので構造上不
安定なものであり、しかも複合体粒子同士の接触面積が
きわめて小さく、電気抵抗値の制御には好ましいものと
はいえない。そこで、本発明者は、球状複合体粒子にお
いて、高い磁化値を得るための強磁性鉄化合物粒子を主
として含有する核部の表面に、比較的高い電気抵抗値を
有する非磁性鉄化合物粒子を主として含有する表層部を
形成することにより、電気抵抗値及び比重の制御を行う
ことを検討した。
非磁性鉄化合物粒子を主として含有する表層部の形成に
あたって、強磁性鉄化合物粒子を含むゲル状の球状複合
体核粒子を造粒後、反応温度45〜60℃の温度範囲で
硬化させない状態で非磁性鉄化合物粒子粉末の添加を行
うことが重要である。
鉄化合物粒子粉末の添加を行った場合には、強磁性鉄化
合物粒子と非磁性鉄化合物粒子が均一に分散した球状複
合体粒子が生成し、目的とする2層構造を有する複合体
粒子が得られず、一方、反応温度が60℃を越えてバイ
ンダであるフェノール樹脂が十分に硬化してしまった後
に非磁性鉄化合物粒子粉末を添加した場合には、生成す
る球状複合体粒子中に非磁性鉄化合物粒子が含有されな
いか、あるいは当該球状複合体粒子表面に非磁性鉄化合
物粒子が付着しただけのものが生成する。
構造を有することにより、核部の強磁性鉄化合物粒子の
含有量を増加することにより高い磁化値を得ることがで
きると共に、表層部に高い電気抵抗値を有する非磁性鉄
化合物粒子がバインダであるフェノール樹脂中に分散し
ていることにより、比較的高い電気抵抗値に制御でき、
しかも核部の強磁性鉄化合物粒子と、表層部の非磁性鉄
化合物粒子との比重差がほとんどないことにより、磁化
値、電気抵抗値の制御を行っても一定の比重を維持でき
る。
明する。尚、以下の実施例並びに比較例における平均粒
子径は、走査型電子顕微鏡(日立製作所製S−800)
により球状複合体粒子をランダムに250個以上抽出
し、画像解析装置を用いて求めた値で示し、また、球状
複合体粒子の粒子形態は、走査型電子顕微鏡で観察した
ものである。
製作所製S−800)により球状複合体粒子をランダム
に250個以上抽出し、平均長軸径l及び平均短軸径w
を求め、下記式によって算出した。
法に従って測定した。
主として含有する核部の半径ra と、非磁性鉄化合物粒
子を含有する表層部の厚さrb の求め方は次のようにし
て行った。
の断面写真を観察し、非磁性鉄化合物粒子を主として含
有する表層部の厚みrb の平均値を計測し、あらかじめ
求めておいた複合体粒子の平均粒径とから強磁性鉄化合
物粒子を主として含有する核部の半径ra を算出する。
このようにして得られたra とrb とから比ra /rb
を求める。
S−15(東英工業製)を用いて外部磁場10kOeの
もとで測定した値で示した。
メリティクス製)で測定した値で示した。
329A(横河ヒューレットパッカード製)で測定した
値で示した。
ルマリン64g、球状マグネタイト(平均粒子径0.2
4μm)を392g、フッ化カルシウム1.0g、28
%アンモニア水13g、水40gを攪拌、混合した。
ながら時々反応液の様子を見ながら、マグネタイト粒子
を含有するゲル状の球状複合体核粒子が形成されそうに
なった時点(48℃)で、粒状ヘマタイト粒子(平均粒
子径0.16μm)を8g添加し、さらに水20gを入
れて、1.17℃/分の昇温速度で85℃まで昇温・保
持し、180分間反応・硬化させて、マグネタイト粒子
を核部に含有し、ヘマタイト粒子を表層部に含有する球
状複合体粒子の生成を行った。
を添加した後、上澄み液を除去し、複合体粒子を含む沈
殿物を水洗し、風乾した。次いで、これを減圧下(5m
mHg以下)に50〜60℃で乾燥して球状複合体粒子
粉末Aを得た。
が38μmである。その走査型電子写真顕微鏡写真(×
2000)を図1に示す。図1からわかるように球状複
合体粒子は、真球に近い球形を呈していた。
(×10000)を示す。図2からヘマタイト粒子を含
有する表層部の厚みrb は平均0.7μmであった。一
方、球状複合体粒子の平均粒径が38μmであることか
ら、マグネタイト粒子を含有する核部の平均半径ra は
18.3μmと計算された。
重は3.50であり、電気抵抗値は1.3×1010Ωc
mであった。
た黒色を呈しており、このことからも表層部にヘマタイ
ト粒子が主として含有されていることがわかる。
マグネタイト粒子360gを仕込み、良く攪拌した後、
シラン系カップリング剤(KBM−403:信越化学
製)2.7gを添加し、約100℃まで昇温し30分間
良く混合攪拌することによりカップリング剤で被覆され
ている球状マグネタイト粒子を得た。
ル40g、37%ホルマリン60g、親油化処理された
マグネタイト360g、28%アンモニア水12g、水
40gを攪拌、混合した。
ながら時々反応液の様子を見ながら、マグネタイト粒子
を含有するゲル状の球状複合体核粒子が形成されそうに
なった時点(50℃)で、粒状ヘマタイト粒子(平均粒
子径0.16μm)を40g添加し、さらに水20gを
入れて、1.17℃/分の昇温速度で85℃まで昇温・
保持し、180分間反応・硬化させて、マグネタイト粒
子を核部に含有し、ヘマタイト粒子を表層部に含有する
球状複合体粒子の生成を行った。
を添加した後、上澄み液を除去し、複合体粒子を含む沈
殿物を水洗し、風乾した。次いで、これを減圧下(5m
mHg以下)に50〜60℃で乾燥して球状複合体粒子
粉末Bを得た。
が34μmである。その走査型電子写真顕微鏡写真(×
2000)を図3に示す。図3からわかるように球状複
合体粒子は、真球に近い球形を呈していた。
(×15000)を示す。図4からヘマタイト粒子を含
有する表層部の厚みrb は平均1.2μmであった。一
方、球状複合体粒子の平均粒径が34μmであることか
ら、マグネタイト粒子を含有する核部の平均半径ra は
15.8μmと計算された。
重は3.55であり、体積固有抵抗は5.2×1011Ω
cmであった。
た黒色を呈しており、このことからも表層部にヘマタイ
ト粒子が主として含有されていることがわかる。
して行う親油化処理における親油化処理剤の種類及び
量、非磁性鉄化合物粒子の種類及び量、フェノールの
量、ホルマリンの量、塩基性触媒の量、水の量等を種々
変化させた以外は実施例1と同様にして球状複合体粒子
粉末C乃至Hを得た。
複合体粒子粉末の特性を表2に示す。
末C〜Fは走査型電子顕微鏡による観察の結果、いずれ
も球形を呈していた。
Gの走査型電子顕微鏡による写真(×2000)を図5
に示す。図5から、球状複合体粒子の表面にヘマタイト
粒子が単に付着しているのみであり、表面から脱離した
ヘマタイト粒子も観察された。
磁性鉄化合物粒子を含有する核部と非磁性鉄化合物粒子
を含有する表層部とからなることにより、適当な飽和磁
化値、殊に50〜150emu/g程度を有すると共
に、適当な比重、殊に2.5〜5.2程度と、比較的高
い電気抵抗値、殊に1010〜1012Ωcm程度とを有す
るものであり、高画質化や高品位化、高速化及び連続化
が実現できる電子写真用磁性キャリアとして好適であ
る。
諸特性を有することから、キャリアとして使用した場合
には、トナーとの混合性が良く、その結果、トナーの帯
電速度を速めることができ、また、トナーにダメージを
与えることなく、スペント化も抑制することができ、さ
らに、過度のトナー帯電量が抑制でき、長期間キャリア
を使用していても安定したトナー帯電量が保持できる。
造を示す走査型電子顕微鏡写真(×2000)である。
一部を示す走査型電子顕微鏡写真(×10000)であ
る。
造を示す走査型電子顕微鏡写真(×2000)である。
一部を示す走査型電子顕微鏡写真(×15000)であ
る。
造を示す走査型電子顕微鏡写真(×2000)である。
Claims (4)
- 【請求項1】 強磁性鉄化合物粒子と非磁性鉄化合物粒
子とをフェノール樹脂をバインダとして結合してなる平
均粒子径1〜1000μmの球状複合体粒子からなる電
子写真用磁性キャリアであって、当該複合体粒子に含ま
れる強磁性鉄化合物粒子と非磁性鉄化合物粒子との総量
が80〜99重量%であり、且つ、当該複合体粒子が該
強磁性鉄化合物粒子を主として含有する核部と該非磁性
鉄化合物粒子を主として含有する表層部とからなること
を特徴とする電子写真用磁性キャリア。 - 【請求項2】 非磁性鉄化合物粒子の含有率が強磁性鉄
化合物粒子100重量部に対して1〜33重量部の範囲
にある請求項1記載の電子写真用磁性キャリア。 - 【請求項3】 強磁性鉄化合物粒子を主として含有する
核部の平均半径raと非磁性鉄化合物粒子を主として含
有する表層部の厚みrb との比ra /rb が10〜30
0である請求項1または請求項2記載の電子写真用磁性
キャリア。 - 【請求項4】 強磁性鉄化合物粒子粉末とフェノール類
とアルデヒド類とを塩基性触媒の存在下で水性媒体中で
攪拌、混合しながら45〜60℃に昇温することによっ
て、強磁性鉄化合物粒子がフェノール樹脂中に分散して
いるゲル状の球状複合体核粒子を生成させたのち、当該
水性媒体中に非磁性鉄化合物粒子粉末を添加して攪拌、
混合することによって前記ゲル状の球状複合体核粒子表
面に非磁性鉄化合物粒子を主として含有する表層部を形
成してゲル状の球状複合体粒子を生成させ、次いで、7
0〜90℃に昇温することによって前記ゲル状の球状複
合体粒子を硬化させて強磁性鉄化合物粒子を主として含
有する核部と非磁性鉄化合物粒子を主として含有する表
層部とからなる球状複合体粒子を得ることを特徴とする
電子写真用磁性キャリアの製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6164526A JP3006657B2 (ja) | 1994-06-23 | 1994-06-23 | 電子写真用磁性キャリア及びその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6164526A JP3006657B2 (ja) | 1994-06-23 | 1994-06-23 | 電子写真用磁性キャリア及びその製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH086303A true JPH086303A (ja) | 1996-01-12 |
JP3006657B2 JP3006657B2 (ja) | 2000-02-07 |
Family
ID=15794849
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6164526A Expired - Lifetime JP3006657B2 (ja) | 1994-06-23 | 1994-06-23 | 電子写真用磁性キャリア及びその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3006657B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09325524A (ja) * | 1996-06-06 | 1997-12-16 | Toda Kogyo Corp | 電子写真現像剤用キャリア及びその製造法 |
WO2010147119A1 (ja) | 2009-06-16 | 2010-12-23 | 戸田工業株式会社 | 電子写真現像剤用磁性キャリア及びその製造方法、並びに二成分系現像剤 |
WO2013180212A1 (ja) | 2012-05-31 | 2013-12-05 | 戸田工業株式会社 | 電子写真現像剤用磁性キャリア及びその製造方法、並びに二成分系現像剤 |
JP2016191880A (ja) * | 2015-03-31 | 2016-11-10 | 戸田工業株式会社 | 電子写真用磁性キャリア及びその製造方法 |
-
1994
- 1994-06-23 JP JP6164526A patent/JP3006657B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (5)
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JPH09325524A (ja) * | 1996-06-06 | 1997-12-16 | Toda Kogyo Corp | 電子写真現像剤用キャリア及びその製造法 |
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US9952524B2 (en) | 2012-05-31 | 2018-04-24 | Toda Kogyo Corp. | Magnetic carrier for electrophotographic developer and process for producing the same, and two-component system developer |
JP2016191880A (ja) * | 2015-03-31 | 2016-11-10 | 戸田工業株式会社 | 電子写真用磁性キャリア及びその製造方法 |
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JP3006657B2 (ja) | 2000-02-07 |
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