JPH08179553A - 静電荷現像用トナーおよびその製造方法 - Google Patents

静電荷現像用トナーおよびその製造方法

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JPH08179553A
JPH08179553A JP6335333A JP33533394A JPH08179553A JP H08179553 A JPH08179553 A JP H08179553A JP 6335333 A JP6335333 A JP 6335333A JP 33533394 A JP33533394 A JP 33533394A JP H08179553 A JPH08179553 A JP H08179553A
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修二 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、良好な現像性、転写性、定着性お
よびクリーニング性を有し、安定した高画質の画像を形
成する静電荷現像用トナー及びその製造方法を提供す
る。 【構成】 結着樹脂及び着色剤を含有する組成物の微粒
子を形成する工程、形成された微粒子を常温固体の分散
剤で水系媒体中に分散させて粒子分散液を調製する工
程、水系媒体中に疎水性溶剤を分散させて非水混和性溶
剤分散液を調製する工程、粒子分散液と非水混和性溶剤
分散液とを混合する工程、及び得られた混合液を加熱及
び/又は減圧することにより疎水性溶剤を除去して球形
化または変形化させる工程を順に経ることにより、静電
荷現像用トナーを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真法または静電
記録法等により形成される静電潜像を現像する際に用い
る静電荷現像用トナーおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法等のように静電荷像を経て画
像情報を可視化する方法は、現在広範囲の分野で利用さ
れている。電子写真法においては、帯電、露光工程によ
り感光体上に静電荷像を形成させて、トナーを含む現像
剤で静電潜像を現像し、転写、定着工程を経由すること
により可視化される。ここで用いられる現像剤には、ト
ナーとキャリアからなる2成分現像剤と、磁性トナーま
たは非磁性トナーを単独で用いる1成分現像剤とがあ
る。これらのトナーの製造方法は、通常、熱可塑性樹脂
を顔料、帯電制御剤、ワックス等の離型剤とともに溶融
混練し、冷却後、微粉砕し、さらに分級する混練粉砕法
が使用されている。これらのトナーには、必要に応じて
流動性やクリーニング性を改善するために無機材料や有
機材料の微粒子がトナー微粒子表面に添加される。
【0003】通常使用される混練粉砕法では、トナーの
形状およびトナーの表面構造は、不定型であり、使用材
料の粉砕性や粉砕工程の条件により微妙に変化するもの
であって、トナーの形状および表面構造を意図的に制御
することは困難である。また、特に粉砕性の高い材料を
用いる場合、現像機中の機械力等により、トナーがさら
に粉砕されて微粉の発生を招いたり、トナー形状の変化
を招いたりすることがしばしば生じる。これらの傾向は
ワックス等の離型剤を含む場合、特に顕著に現われてく
る。そのため、2成分現像剤においては、微粉のキャリ
ア表面への固着により現像剤の帯電性劣化が加速される
こととなり、また、1成分現像剤においては、粒度分布
の拡大によりトナー飛散が生じたり、トナー形状の変化
による現像性の低下により画質の劣化が生じやすくな
る。また、ワックス等の離型剤を内添してトナー化する
場合、熱可塑性樹脂との組合わせにより表面への離型剤
の露出が影響されることが多い。特に、高分子量成分に
より弾性が付与されたやや粉砕されにくい樹脂と、ポリ
エチレンワックスのような脆いワックスとの組合わせで
は、トナー表面にはポリエチレンの露出が多く見られ
る。これらは定着時の離型性や感光体上からの未転写ト
ナーのクリーニングには有利であるものの、表層のポリ
エチレンワックスが機械力により容易に移行するため
に、現像ローラー又は感光体、キャリア等の汚染を生じ
やすくなり、信頼性の低下につながる。また、トナーの
形状は不定形であることから、流動性助剤を添加しても
流動性の充分なものを得ることは困難であり、また、使
用中の機械力によってトナー表面に存在する微粒子がト
ナーの凹部に移動して、経時的に流動性が低下すること
になり、現像性、転写性及びクリーニング性等が悪化す
る。また、クリーニングにより回収されたトナーを再び
現像機に戻して使用すると、さらに画質の低下が生じや
すい。これらの問題を防止するために、さらに流動性助
剤の添加を増加させると、感光体上には黒点の発生や流
動性助剤粒子が飛散するという問題が発生する。
【0004】これらの問題を改善する方法として、トナ
ー粒子を球形化または変形化処理することは既に知られ
ている。トナーの球形化処理の例としては、ハイブリダ
イザー等の機械力によって処理する方法または熱風処理
等の乾式の処理方法が一般的に用いられている。しか
し、前者は、単位重量当たりの処理に要する時間が長い
ために、結着樹脂の種類によっては十分に球形化が進行
しない等の問題があるし、また後者は、処理に通常30
0℃以上の高温が必要であるから、樹脂の分解や酸化が
生起するために帯電性に異常が生じやすく、また、処理
効率を高めようとするとトナー粒子間の合一が進行し、
粒径分布が大粒径側に移動する等の問題がある。一方、
水中にトナー粒子を攪拌により分散させて加熱し、結着
樹脂のガラス転移点(Tg)以上に保持することにより
球形化させることも提案されている。例えば、特開昭5
2−9435号公報には、トナー粒子を疎水性シリカの
存在下に水またはアルコール等の水混和性溶剤中に分散
させて加熱し球形化する方法が記載されている。しかし
ながら、この方法は、アルコール等の水混和性溶剤を用
いる場合には、併用する疎水性シリカの分散等には有利
であるものの、加熱軟化したトナー粒子の凝集を防ぐこ
とは困難であり、トナー粒子の濃度を相当稀薄にしなけ
ればならないという問題があり、また、水系媒体を用い
る場合には、疎水性のトナー粒子の内部に疎水性シリカ
が完全に侵入し、多量の疎水性シリカを使用しなければ
流動性を有するものは得られず、そのため多量の疎水性
シリカを使用した場合は定着性に悪影響を及ぼすという
問題があった。
【0005】また、予め溶融混練したトナー成分を疎水
性溶剤中に分散させた調整液を水中に分散させ、加熱撹
拌して上記溶剤を揮発させて球形トナー粒子を得る方法
(特開平2−153361号公報)が提案されている。
しかし、このような懸濁造粒法では、トナー粒子はすべ
て真球に近い形状に作製されることになり、中間形状の
ものを採取することができない。このため、トナー粒子
は、良好な流動性を示すものの、一般に使用されている
ブレードクリーニング方式では、ブレードクリーナーを
通過してしまって感光体に残留するトナーが除去できな
くなったり、キャリアとの摩擦帯電性が悪化するという
欠点がある。そこで、これらを改善するものとして、最
近、クリーニング性や摩擦帯電性を向上させるために、
トナー粒子の表面に凹凸をつける方法が試みられている
(特開平1−302270号公報、特開平4−7880
2号公報等)が、これらの方法は、クリーニング性や摩
擦帯電性を向上させるための十分な凹凸を設けることは
困難であることから実用性に乏しいものである。
【0006】近年、電子写真法は省電力化、装置の小型
化および高速化が進展するとともに、低温において熱定
着させることが要求されている。この低温定着で十分な
定着性を得るためには、結着樹脂としてTgの低いポリ
マーを用いる必要がある。ところが、トナー粒子は、結
着樹脂にTgの低いポリマーを用いると、粉体特性が低
下し、保存時または現像機内において熱凝集を起こした
り、感光体表面に融着するという問題がある。そこで、
低Tgを有する芯材と高Tgを有する外殻からなるカプ
セル型トナーの開発研究が進められている。このカプセ
ル化は、外殻に安定した帯電性を示す物質を使用するこ
とにより芯材の種類にかかわらず、良好な帯電性を示す
トナー粒子を得ることができるという利点もある。この
トナー粒子のカプセル化には、種々の方法が知られてお
り、帯電制御剤を含有するポリマーをトナー粒子にスプ
レードライする方法、あるいは加熱または加圧によりコ
ーティングしてトナー粒子を得る方法(特開昭57−2
02547号公報、特開昭63−27853号公報、特
開昭63−27854号公報等)が提案されている。し
かし、スプレードライ法は、複数のトナー母体をコーテ
ィング層が包囲することから、トナーの粒径が大きくな
り、その後、篩分け作業を行っても所定粒径を有するト
ナー粒子の収率は低くなってしまう上に、多量の有機溶
剤を用いることから安全衛生上の問題も有している。ま
た、加熱融着によりトナー母体上にコーティングする方
法は、トナー同士の接着凝集が避けられず、そのためト
ナーの粒径が大きくなるという問題がある。また、混練
・粉砕法、重合法等で作製したトナー核体粒子に樹脂微
粒子を外添し、その後、無機微粒子を分散させた溶剤に
接触させて溶融被膜化する方法が提案されている(特開
平4−333056号公報)が、この方法は、芯材に微
粒子が付着して被覆層を形成しているために芯材との接
着性が悪く、また、芯材の被覆性も不十分である。さら
に、界面重合とグラフト重合を利用してマイクロカプセ
ルを作製する方法が開示されている(特開昭62−22
7161号公報、同62−227162号公報)が、帯
電制御機能を有する重合体をカプセル殻に形成させる場
合、工程数が増えてしまうという欠点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、ト
ナー粒子の混練粉砕法において、従来の技術における上
記した問題点に鑑みてなされたものである。すなわち、
本発明の目的は、トナー粒子の形状及びトナー粒子表面
の組成構造を制御することにより、良好な現像性、転写
性およびクリーニング性とキャリアおよび感光体の汚染
の低減を実現し、安定した帯電性により長期間使用でき
る2成分現像剤及びその製造方法を提供することにあ
る。また、本発明の他の目的は、トナー粒子の形状およ
びトナー粒子表面の組成構造を制御することにより、現
像ローラーおよび感光体の汚染を防止し、良好な現像
性、転写性およびクリーニング性により安定した画像維
持性を実現できる1成分現像剤およびその製造方法を提
供することにある。さらに、本発明の他の目的は、クリ
ーニングにより回収されたトナー粒子を現像機に戻し再
使用する場合にも安定した高画質が得られる現像剤及び
その製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の静電荷現像用ト
ナーは、下記する(1) 〜(5) のいずれかの方法によって
製造されるものであり、また、本発明の静電荷現像用ト
ナーの製造方法は、これら(1) 〜(5) の方法よりなる。 (1) 結着樹脂および着色剤からなる組成物の微粒子を形
成する工程、形成された微粒子を常温固体の分散剤で水
系媒体中に分散させて粒子分散液を調製する工程、水系
媒体中に疎水性溶剤を分散させて非水混和性溶剤分散液
を調製する工程、粒子分散液と非水混和性溶剤分散液と
を混合する工程、および得られた混合液を加熱および/
または減圧することにより疎水性溶剤を除去して球形化
または変形化させる工程を有することを特徴とする静電
荷現像用トナーの製造方法。 (2) 結着樹脂、着色剤および離型剤からなる組成物の微
粒子を形成する工程、形成された微粒子を常温固体の分
散剤で水系媒体中に分散させて粒子分散液を調製する工
程、水系媒体中に疎水性溶剤を分散させて非水混和性溶
剤分散液を調製する工程、粒子分散液と非水混和性溶剤
分散液を混合する工程、および得られた混合液を加熱お
よび/または減圧することにより疎水性溶剤を除去して
球形化または変形化させる工程を有することを特徴とす
る静電荷現像用トナーの製造方法。 (3) 結着樹脂および着色剤からなる組成物の微粒子を形
成する工程、形成された微粒子を水系媒体中で生成させ
た無機系微粒子の分散剤で水系媒体中に分散させて粒子
分散液を調整する工程、水系媒体中に疎水性溶剤を分散
させて非水混和性溶剤分散液を調整する工程、粒子分散
液と非水混和性溶剤分散液を混合する工程、および得ら
れた混合液を加熱および/または減圧することにより疎
水性溶剤を除去して球形化または変形化させる工程を有
することを特徴とする静電荷現像用トナーの製造方法。 (4) 結着樹脂および着色剤からなる組成物の微粒子を形
成する工程、形成された微粒子を水系媒体中で生成させ
た無機系微粒子の分散剤で水系媒体中に分散させて粒子
分散液を調製する工程、水系媒体中に疎水性溶剤を分散
させて非水混和性溶剤分散液を調製する工程、粒子分散
液と非水混和性溶剤分散液を混合する工程、得られた混
合液を加熱および/または減圧することにより疎水性溶
剤を除去して球形化または変形化させる工程、およびト
ナー粒子上の無機系微粒子を分解または溶解せしめる工
程を有することを特徴とする静電荷現像用トナーの製造
方法。 (5) 結着樹脂および着色剤からなる組成物の微粒子を形
成する工程、形成された粒子を常温固体の分散剤で水系
媒体中に分散させて粒子分散液を調製する工程、水系媒
体中に樹脂を溶解せしめた疎水性溶剤を分散し、非水混
和性溶剤分散液を調製する工程、粒子分散液と非水混和
性溶剤分散液を混合する工程、得られた混合液を加熱お
よび/または減圧することにより疎水性溶剤を除去して
カプセル化粒子を形成する工程を有することを特徴とす
る静電荷現像用トナーの製造方法。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
静電荷現像用トナーの製造に用いられる結着樹脂として
は、熱可塑性樹脂が使用される。例えば、スチレン、パ
ラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン
類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
n−プロピル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エ
チルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリ
ル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のビニル基を有
するエステル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル等のビニルニトリル類、ビニルメチルエーテル、ビニ
ルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメ
チルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニ
ルケトン等のビニルケトン類、エチレン、プロピレン、
ブタジエン等のポリオレフィン類等の単量体等の重合体
またはこれらを2種以上組合わせて得られる共重合体ま
たはこれらの混合物、さらにはエポキシ樹脂、ポリエス
テル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロ
ース樹脂、ポリエーテル樹脂等、非ビニル縮合系樹脂、
あるいはこれらと前記ビニル系樹脂との混合物やこれら
の共存下でビニル系単量体を重合する際に得られるグラ
フト重合体等を挙げることができる。
【0010】着色剤としては、例えば、カーボンブラッ
ク、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエ
ロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネン
トオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレ
ンジ、ウォッチャングレッド、パーマネントレッド、ブ
リリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デュ
ポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッ
ド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベン
ガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコ
オイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシア
ニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリ
ーンオキサレート等の種々の顔料、アクリジン系、キサ
ンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アント
ラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジ
ン系、アゾメチン系、インジコ系、フタロシアニン系、
アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタ
ン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系等の各種染料
が挙げられる。これらの着色剤は1種または複数種類を
併せて使用することができる。
【0011】また、上記した結着樹脂および着色剤の他
に、各種の物質を内部添加剤として添加することができ
る。例えば、磁性体として、フェライト、マグネタイ
ト、還元鉄、コバルト、ニッケル、マンガン等の金属お
よびそれらの合金、またはこれらの金属化合物等が使用
でき、また、帯電制御剤として、4級アンモニウム塩化
合物、ニグロシン系化合物、アルミニウム、鉄またはク
ロム等の錯体からなる染料やトリフェニルメタン系顔料
等が使用できる。
【0012】本発明の静電荷現像用トナーの製造におい
て、離型剤を含有させる場合には、内部添加剤として添
加し、上記結着樹脂および着色剤等とともに混練させ
る。使用する離型剤の具体例としては、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィ
ン類、加熱により軟化するシリコーン類、オレイン酸ア
ミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリ
ン酸アミド等の脂肪酸アミド類やカルナウバワックス、
ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホ
バ油等の植物系ワックス、ミツロウ等の動物系ワック
ス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラ
フィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィ
ッシャートロプシュワックス等の鉱物、石油系ワック
ス、およびそれらの変性物が挙げられる。これらの離型
剤を通常使用される熱可塑性結着樹脂と組合わせる場
合、カルナウバワックスやキャンデリラワックスのよう
な極性の大きいロウエステルを含有するワックスを使用
すると、球形化処理によりトナー表面にワックスの露出
が増加する傾向にあり、これとは逆に、ポリエチレンワ
ックスやパラフィンワックスのように極性の小さいワッ
クスを使用すると、トナー表面への露出は減少する傾向
にある。また、通常のポリプロピレンワックスのように
融点が100℃以上の離型剤を使用する場合には、水中
での加熱ではトナー表面における露出量は変らない。離
型剤の露出量は、結着樹脂との相溶性やワックスの融点
等によって変動するが、上記した離型剤の極性等を考慮
してトナー粒子表面の離型剤を調節することができる。
【0013】本発明においては、先ず、上記した結着樹
脂と着色剤、さらに必要に応じて離型剤等の各種添加剤
を含有する組成物を混練し、粉砕または粉砕分級する工
程によってトナー微粒子を形成させる。これらの工程
は、従来公知の方法によって行うことができる。例え
ば、バンバリーミキサーによって混練し、ジェットミル
によって微粉砕し、篩によって分級して、平均粒径4.
0〜15.0μmの範囲のトナー微粒子を得ることがで
きる。ただし、分級工程は省略することもできる。
【0014】次に、得られたトナー微粒子を、水系媒体
中に常温固体の分散剤で粒子分散液を調製する。常温固
体の分散剤としては、水溶性ポリマーおよび無機系微粒
子が使用される。 水溶性ポリマーとしては、カルボキ
シメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等
のセルロース系化合物、ポリビニルアルコール、ゼラチ
ン、デンプン、アラビアゴム、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール等が挙げられる。これら
の水溶性ポリマーの水系媒体中の含有量は、0.1〜
5.0重量%の範囲であることが好ましい。また、無機
系微粒子としては、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸
カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸三カルシウム、
クレイ、ケイソウ土、ベントナイト等の水難溶性微粒子
が挙げられる。この場合、球形化処理後に塩酸等の添加
で酸処理を行うことによりトナー粒子表面の微粉末を溶
解させた後、濾過してトナー粒子を取り出して、水中に
おける処理の帯電性への影響を可能な限り小さくするこ
とができる。本発明の分散剤は、水系媒体中で生成させ
た無機系微粒子であってもよい。例えば、上記した水難
溶性微粒子を生成するような2種の水溶性化合物を水系
媒体中に添加することにより、無機系微粒子を形成させ
るものであってもよい。この場合、撹拌条件、濃度、添
加法を工夫することにより、水中の無機微粒子の粒径を
制御することができる。具体的には、炭酸カルシウム、
リン酸三カルシウム、シリカ等は、トナー粒子の分散系
において微細粒子の生成および消滅が容易であるから、
この方法で形成させることができる。これらの無機系微
粒子の水系媒体中の含有量は、粒径にもよるが、0.0
1〜3.0重量%の範囲であることが好ましい。上記し
た分散剤を含有させる水系媒体としては、水または水と
相溶性のメタノール、エタノール、プロパノール、イソ
プロパノール、エチレングリコール、アセトニトリル、
アセトン、エーテルとを0.1〜5.0重量%混合した
混合溶剤を使用することが好ましい。
【0015】また、水系媒体中には、トナー粒子を水中
に分散させるために界面活性剤を使用することができ、
それによって分散処理の安定性を向上させることができ
る。る。この界面活性剤としては、硫酸エステル塩系、
スルホン酸塩系、リン酸エステル系等のアニオン界面活
性剤、アミン塩系、4級アンモニウム塩系等のカチオン
系界面活性剤およびポリエチレングリコール系、アルキ
ルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコ
ール系等の非イオン性界面活性剤が挙げられ、その使用
量は0.01〜2.0重量%の範囲が好適である。
【0016】次に、水系媒体中に疎水性溶剤を分散させ
て、非水混和性溶剤分散液を調製する。この疎水性溶剤
としては、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘ
キサン、ベンゼン、トルエン、ジクロロメタン、クロロ
ホルム、四塩化炭素、塩化エチル、塩化メチレン、1,
1−ジクロロエタン、メチルクロロホルム、ニトロメタ
ン、ニトロプロパン、ジエチルエーテル、アクリロニト
リル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソブチル、二硫
化炭素等が使用でき、これらを必要に応じて、1種又は
2種以上混合して用いることができる。疎水性溶剤と水
系媒体との配合割合は、2:98〜30:70の範囲で
あることが好ましい。
【0017】上記疎水性溶剤を水系媒体に分散させるに
は、界面活性剤を添加し、ホモディパーサー等の高速撹
拌機を用いて、疎水性溶剤を可能な限り微細に分散せし
めることが粗粉の発生を防止する上で重要である。使用
する界面活性剤としては、油溶性の界面活性剤であっ
て、例えば、カルボン酸塩系、高級アルコール(チオア
ルコール)の硫酸エステル塩系、アルキルスルホン酸塩
系、アルキルアリルスルホン酸塩系、アミドスルホン酸
塩系等のアニオン界面活性剤、高級アミン塩系、高級ア
ルキル第4アンモニウム塩系等のカチオン界面活性剤、
ポリエチレングリコール、多価アルコール脂肪酸エステ
ル等の非イオン性界面活性剤が挙げられる。
【0018】本発明においては、上記した粒子分散液と
非水混和性溶剤分散液とを混合し、得られた混合液を加
熱および/または減圧して溶剤を除去することにより、
球形化または変形化したトナーを得ることができる。ト
ナー用組成物を混練粉砕して得たトナーを球形化する
と、通常、機械力による形状の変化が生じにくくなる。
また、現像や転写工程におけるトナーの粒径選択性が緩
和されるために、現像剤の維持が容易になり、特に、感
光体上の残留トナーをクリーニングして回収し、再び画
像形成に用いるトナーリサイクル現像方式に使用する場
合には、現像剤の耐久性を大幅に改善することができ
る。球形化の程度は、完全に球形化しなくとも、粉砕ト
ナーの表面を滑らかにしたり、突起部を丸めるように変
形させることにより、耐久性、転写性、維持性、帯電性
およびクリーニング性が良好となる。本発明では、非水
混和性溶剤を用いるトナーの製造方法であるから、処理
温度、時間、分散安定剤の種類及び使用量、結着樹脂の
溶解性の相違に伴なう溶剤の種類及び使用量を適宜変更
させることにより、真球ないし丸みをおびた不定形まで
様々な形のものを任意に作製することが可能である。な
お、中間形状のトナーを作製するには、ブレードクリー
ニング方式を使用することが特に有効である。
【0019】また、トナーの球形化処理にあたって、ト
ナー粒子の合一を防ぐためには、分散安定剤としてポリ
ビニルアルコールやアラビアゴムのような水溶性ポリマ
ーを水中に溶解すると処理前の不定形の場合の粒径分布
とほぼ同一の状態で球形化処理を迅速に行うことができ
る。さらに、加熱処理により球形化させて後、冷却し、
濾過・洗浄の後、必要に応じて解砕・篩分け(分級)す
ることにより目的とするトナー粒子を得ることができ
る。また加熱温度、時間および撹拌速度等を最適化する
ことにより、合一を抑制しながら粒度分布を狭くするこ
とも可能である。この場合、そのトナーは必ずしも分級
されたものでなくともよい。
【0020】本発明の球形化または変形化において、非
水混和性溶剤中に結着樹脂よりもガラス転移点の高い樹
脂を溶解させ、加熱及び/又は減圧して溶剤を揮発させ
ることによりトナー粒子表面にコーティング層を形成さ
せるカプセル化トナーを得る場合には、工程の増加を伴
うことなく、かつ、トナーを大粒径化させることなく、
芯材の被膜性に優れたトナー粒子を得ることができる。
また、カプセル化により、上記した表面ワックス量の悪
影響を除去することができ、トナー粒子の粉体特性、帯
電性および使用寿命等を向上させることができる。
【0021】本発明のカプセル化に用いるコーティング
用樹脂としては、例えば、スチレン、パラクロロスチレ
ン、α−メチルスチレン等のスチレン類、アクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、ア
クリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メ
タクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸
n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2
−エチルヘキシル等のビニル基を有するエステル類、ア
クリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリ
ル類、ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテ
ル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニル
エチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニル
ケトン類、エチレン、プロピレン、ブタジエン等のポリ
オレフオィン類等の単量体等の重合体またはこれらを2
種以上組合わせて得られる共重合体またはこれらの混合
物、さらにはエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウ
レタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエ
ーテル樹脂等の非ビニル縮合系樹脂、あるいはこれらと
前記ビニル系樹脂との混合物やこれらの共存下でビニル
系単量体を重合する際に得られるグラフト重合体等を挙
げることができる。以上により得られる静電荷現像用ト
ナーは、1成分現像剤として用いてもよく、また、キャ
リアと混合して2成分現像剤として用いてもよい。
【0022】
【実施例】
実施例1 ポリエステル樹脂 90重量部 (ビスフェノール−プロピレンオキサイド付加物−フマール酸) (花王社製、Mn=5,000、Mw=30,000、Tg=57℃) カーボンブラック 10重量部 (キャボット社製、BP1300) 上記組成物をバンバリーミキサーで混練した後、ジェッ
トミルを用いて微粉砕して、平均粒径が7.6μmであ
り、粒径5μm以下の数平均分率が10.0%のトナー
微粒子を得た。得られたトナー微粒子の形状を走査型電
子顕微鏡で観察したところ、規則性のない不定形を示し
ていることが確認された。このトナー微粒子200重量
部を、非イオン界面活性剤のポリオキシエチレンノニル
フェニルエーテル0.05重量%およびアラビアゴム
2.0重量%を溶解した水1,500重量部中に分散さ
せ、スリーワンモーターにより30分間撹拌し、均一な
トナー分散液を調製した。別に、塩化メチレン320重
量部およびトルエン80重量部を、ポリオキシエチレン
ノニルフェニルエーテル0.05重量%を溶解させた水
1,500重量部中に分散させ、30分間高速で撹拌
し、非水混和性溶剤分散液を調製した。トナー分散液を
ウォーターバス中で撹拌しながら非水混和性溶剤分散液
を加え、15分間撹拌し、混合させた。得られた混合液
を1時間で60℃まで昇温し、撹拌しながら8時間で有
機溶剤を蒸発させ、その後35℃まで冷却した。次い
で、吸引濾過による純水洗浄を5回繰り返した後、真空
乾燥機で乾燥し、解砕後、53μm網で篩分けしてトナ
ー粒子を得た。得られたトナーの平均粒径は、7.9μ
mであり、粒径5μm以下の数平均分率は14.0%で
あった。これを走査型電子顕微鏡で観察したところ、ト
ナーは完全に球形化していることが観察された。もとの
トナー粒子と球形化トナー粒子に、それぞれルチル型微
粒子酸化チタン(比表面積換算径20mμm)を0.5
%づつ添加したところ、球形化トナーの流動性は、もと
のトナーに比較して格段に優れていた。また、これらの
トナー粒子を平均粒径100μmの鉄粉キャリアと混合
して現像剤を作製し、これらの現像剤について、FX5
039現像機(富士ゼロックス社製)を使って、現像機
内における撹拌試験を実施した。3時間の撹拌におい
て、もとの不定形トナーは、粒径5μm以下の数平均分
率が33%まで増加し、キャリアへのトナー固着が多く
発生し帯電性の低下がみられた。一方、球形化トナー
は、粒径5μm以下の数平均分率は14.5%と殆ど変
動が見られず、また、帯電性の低下もわずかであった。
【0023】実施例2 塩化メチレンおよびトルエンの使用量を1/3とした以
外は、実施例1とすべて同様の組成および条件で処理を
行なった。得られたトナーの平均粒径は、7.7μmで
あり、粒径5μm以下の数平均分率は13.5%であっ
た。これを走査型電子顕微鏡で観察したところ、トナー
はややポテト型に変形していることが観察された。この
状態では変形化トナーの流動性はもとのトナーに比較し
て特に変わるところはなかった。しかし、もとのトナー
と球形化トナーにそれぞれルチル型微粒子酸化チタン
(比表面積換算径20mμm)を0.5%づつ添加した
ところ、変形化トナーの流動性は、もとのトナーと比較
してかなり優れていた。この変形化トナーをFX503
9改造型現像機(富士ゼロックス社製)を使って、ブレ
ードクリーニング方式によるクリーニング性の試験を実
施したところ、変形化トナーは、もとのトナーと同様に
良好なクリーニング性を示した。
【0024】実施例3 スチレン−n−ブチルメタクリレート樹脂 85重量部 (Mn=9,000、Mw=12,000、Tg=62℃) カーボンブラック 10重量部 (キャボット社製、R330) パラフィンワックス(融点80℃) 5重量部 上記組成物をバンバリーミキサーで混練した後、ジェッ
トミルを用いて微粉砕し、分級し、平均粒径が8.7μ
mであり、粒径5μm以下の数平均分率12.0%のト
ナー微粒子を得た。得られたトナー微粒子の形状を走査
型電子顕微鏡で観察したところ、規則性のない不定形を
示していることが確認された。また、トナー表面へのワ
ツクスの露出は明瞭には観察できなかった。このトナー
200重量部を、イオン性界面活性剤のラウリル硫酸ナ
トリウム0.05重量%を溶解した水1,500重量部
中に分散させ、スリーワンモーターにて30分間撹拌し
て、均一分散液を得た。上記水中にリン酸ナトリウム
9.5gを溶解させた後、塩化カルシウム3.7gを添
加し、トナー分散水中にリン酸三カルシウムの沈殿を生
成させ、緩やかに5分間撹拌して水中のトナー粒子表面
に部分的に凝集するリン酸三カルシウムを付着させて、
トナー分散液を調製した。別に、クロロホルム150重
量部およびジエチルエーテル110重量部を、ラウリル
硫酸ナトリウム0.05重量%を溶解させた水1,50
0重量部中に分散させて30分間高速撹拌し、非水混和
性溶剤分散液を調製した。トナー分散液をウォーターバ
ス中で撹拌しながら非水混和性溶剤分散液を加え、15
分間撹拌し、混合させた。得られた混合液を70℃まで
昇温し、撹拌しながら8時間で有機溶剤を蒸発させた。
その後35℃まで冷却した後、1規定の塩酸200ml
を加えて酸性に保持し、リン酸三カルシウムの沈殿を溶
解させた。さらに吸引濾過により純水洗浄を5回繰り返
した後、真空乾燥機で乾燥し、解砕後、53μm網で篩
分けしてトナー粒子を得た。得られたトナーの平均粒径
は、9.0μmであり、粒径5μm以下の数平均分率は
10.4%であった。これを走査型電子顕微鏡で観察し
たところ、トナーは完全に球形化しているとともに、ト
ナー表面に微細な凹部の発生が観察された。また、トナ
ーの表面には、パラフィンワックスの露出は殆ど観察さ
れなかった。このトナーとポリメチルメタクリレート
0.8重量%をコートした80μm径の球形フェライト
とを、トナー濃度が5重量%となるように20分間混合
させた。 この球形化トナーは、帯電性について、もと
のトナーと比較して殆ど差異は見られず良好なものであ
った。もとのトナーと球形化トナーの両トナーに、それ
ぞれルチル型微粒子酸化チタン(比表面積換算径20m
μm)1.0%をそれぞれミキサーにより撹拌して添加
したところ、球形化トナーの流動性は、もとのトナーの
流動性に比べて格段に優れていた。また、チタンの付着
状態を電子顕微鏡で観察したところ、球形化トナーで
は、トナー表面の凹部にチタンが半ば埋没して付着して
いる形態のものが多く観察された。両トナーを上記FX
5039改造型現像機を用いて、定着工程における離型
性の試験を実施したところ、両トナーの離型性は殆んど
同等であった。また、両トナーを同じくFX5039改
造型現像機により、トナーを再循環させる状態にして5
万枚のコピー試験を実施したところ、もとのトナーの場
合には、帯電性が低下するとともに、画像濃度の低下が
発生した。一方、球形化トナーの場合には、帯電性の低
下は殆どなく、良好な画質が維持された。
【0025】実施例4 ポリスチレン−アクリル樹脂 85重量部 (Mn=9,000、Mw=12,000、Tg=62℃) カーボンブラック 10重量部 (キャボット社製、R330) パラフィンワックス(融点74℃) 5重量部 上記組成物をバンバリーミキサーで混練した後、ジェッ
トミルを用いて微粉砕し、分級して、平均粒径が9.3
μmであり、粒径5μm以下の数平均分率15.0%の
トナー微粒子を得た。得られたトナー微粒子の形状は、
走査型電子顕微鏡で観察したところ、規則性のない不定
形を示していることが確認された。また、トナー表面へ
のワックスの露出は明瞭には観察できなかった。このト
ナー200重量部を、非イオン性界面活性剤のポリオキ
シエチレンノニルフェニルエーテル0.05重量%、炭
酸カルシウム0.2重量%を溶解した水1,500重量
部中に分散させ、スリーワンモーターにて30分間撹拌
して、トナー分散液を得た。別に、クロロホルム310
重量部およびトルエン50重量部にポリスチレン(分子
量Mn=55,000、Mw=100,000、Tg=
100℃)20重量部を溶解させた後、これを水1,5
00重量部中に分散させ、30分間高速撹拌して、非水
混和性溶剤分散液を調製した。トナー分散液をウォータ
ーバス中で撹拌しながら非水混和性溶剤分散液を加え、
15分間撹拌し、混合させた。その後、70℃まで昇温
し、撹拌しながら8時間で有機溶剤を蒸発させた。その
後35℃まで冷却した後、1規定塩酸を1,000ml
加えて酸性に保持して、炭酸カルシウムの沈殿を溶解さ
せた。さらに吸引濾過による純水洗浄を5回繰り返した
後、真空乾燥機で乾燥し、解砕後、53μm網で篩分け
してトナー粒子を得た。得られたトナーの平均粒径は、
9.5μmであり、粒径5μm以下の数平均分率は1
1.0%である。これを走査型電子顕微鏡で観察したと
ころ、トナーは完全に球形化しているとともに、トナー
表面には微細な凹部の発生が観察されたが、パラフィン
ワックスの露出は殆ど観察されなかった。また、得られ
たトナーの断面を透過型電子顕微鏡で観察したところ、
ポリスチレン−アクリル樹脂の周りにポリスチレンの均
一な膜が形成され、完全なカプセル化粒子となっている
ことが観察された。このトナーとポリメチルメタクリレ
ート0.8重量%をコートした80μm径の球形フェラ
イトとをトナー濃度が5重量%となるように20分間混
合させた。この球形化トナーは、帯電性について、もと
のトナーと比較して殆ど差異は見られず良好なものであ
り、また、もとのトナーと比較してシリカ等の無機微粒
子をトナー表面に添加しなくても粉体流動性は良好であ
った。この球形化トナーを、上記FX5039改造型現
像機を使用して、定着性について試験を行ったところ、
低温で良好な定着性を示した。
【0026】
【発明の効果】本発明は、特定の粒子分散液および特定
の非水混和性溶剤分散液を用いる処理方法により、球形
化または変形化させるトナーの製造方法であって、水中
でトナーを溶剤で膨潤させるものであるから、真球から
丸みをおびた不定形のものまで種々の球形の静電荷現像
用トナーを製造することができる。また、得られた静電
荷現像用トナーは、粒子の粒度分布の狭い流動性に優れ
たものであって、良好な現像性、転写性、定着性および
クリーニング性を有し、2成分現像剤として使用する
と、キャリア及び感光体の汚染を低減し、安定した帯電
性を長期間保有し、また、1成分現像剤として使用する
と、現像ローラーおよび感光体の汚染を低減し、かつ安
定した高画質の画像を形成する。さらに、本発明のトナ
ーの製造方法は、球形化または変形化に用いる非水混和
性溶剤中にガラス転移点の高い樹脂を溶解させてコーテ
ィングする方法により、製造工程を増加させることな
く、またトナー粒径を大きくすることなく、カプセル化
トナーを簡便かつ収率良く得ることができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結着樹脂および着色剤からなる組成物の
    微粒子を形成する工程、形成された微粒子を常温固体の
    分散剤で水系媒体中に分散させて粒子分散液を調製する
    工程、水系媒体中に疎水性溶剤を分散させて非水混和性
    溶剤分散液を調製する工程、粒子分散液と非水混和性溶
    剤分散液とを混合する工程、および得られた混合液を加
    熱および/または減圧することにより疎水性溶剤を除去
    して球形化または変形化させる工程を有することを特徴
    とする静電荷現像用トナーの製造方法。
  2. 【請求項2】 結着樹脂、着色剤および離型剤からなる
    組成物の微粒子を形成する工程、形成された微粒子を常
    温固体の分散剤で水系媒体中に分散させて粒子分散液を
    調製する工程、水系媒体中に疎水性溶剤を分散させて非
    水混和性溶剤分散液を調製する工程、粒子分散液と非水
    混和性溶剤分散液を混合する工程、および得られた混合
    液を加熱および/または減圧することにより疎水性溶剤
    を除去して球形化または変形化させる工程を有すること
    を特徴とする静電荷現像用トナーの製造方法。
  3. 【請求項3】 結着樹脂および着色剤からなる組成物の
    微粒子を形成する工程、形成された微粒子を水系媒体中
    で生成させた無機系微粒子の分散剤で水系媒体中に分散
    させて粒子分散液を調整する工程、水系媒体中に疎水性
    溶剤を分散させて非水混和性溶剤分散液を調整する工
    程、粒子分散液と非水混和性溶剤分散液を混合する工
    程、および得られた混合液を加熱および/または減圧す
    ることにより疎水性溶剤を除去して球形化または変形化
    させる工程を有することを特徴とする静電荷現像用トナ
    ーの製造方法。
  4. 【請求項4】 結着樹脂および着色剤からなる組成物の
    微粒子を形成する工程、形成された微粒子を水系媒体中
    で生成させた無機系微粒子の分散剤で水系媒体中に分散
    させて粒子分散液を調製する工程、水系媒体中に疎水性
    溶剤を分散させて非水混和性溶剤分散液を調製する工
    程、粒子分散液と非水混和性溶剤分散液を混合する工
    程、得られた混合液を加熱および/または減圧すること
    により疎水性溶剤を除去して球形化または変形化させる
    工程、およびトナー粒子上の無機系微粒子を分解または
    溶解せしめる工程を有することを特徴とする静電荷現像
    用トナーの製造方法。
  5. 【請求項5】 結着樹脂および着色剤からなる組成物の
    微粒子を形成する工程、形成された粒子を常温固体の分
    散剤で水系媒体中に分散させて粒子分散液を調製する工
    程、水系媒体中に樹脂を溶解せしめた疎水性溶剤を分散
    し、非水混和性溶剤分散液を調製する工程、粒子分散液
    と非水混和性溶剤分散液を混合する工程、得られた混合
    液を加熱および/または減圧することにより疎水性溶剤
    を除去してカプセル化粒子を形成する工程を有すること
    を特徴とする静電荷現像用トナーの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか1項に記載
    の製造方法によって得られた静電荷現像用トナー。
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