JP3685905B2 - 静電荷像現像用トナーの製造方法、静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤及び画像形成方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナーの製造方法、静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤及び画像形成方法 Download PDF

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    • G03G9/0804Preparation methods whereby the components are brought together in a liquid dispersing medium

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法または静電記録法等により形成される静電荷像を現像剤により現像する際に用いられる静電荷現像用トナーとそのトナーの製造方法、並び該トナーを用いる静電荷像現像剤とこの静電荷像現像剤を用いる画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真法など静電荷像を経て画像情報を可視化する方法は、現在様々の分野で利用されている。電子写真法においては、帯電、露光工程により感光体上に、静電荷像を形成し、トナーを含む現像剤で静電荷像を現像し、転写、定着工程を経て可視化される。
【0003】
ここで、用いられる現像剤には、トナーとキャリアとからなる2成分現像剤と、磁性トナーまたは非磁性トナーを単独で用いる1成分現像剤があり、これらの現像剤におけるトナー粒子の製造方法は、通常、熱可塑性樹脂を顔料、帯電制御剤、ワックス等の離型剤と共に溶融混練し、冷却後、微粉砕し、さらに分級する混練粉砕法がある。この混練粉砕法により製造されたトナー粒子には、必要に応じて流動性やクリーニング性を改善するための無機の微粒子あるいは有機の微粒子がトナー粒子表面に添加される。
【0004】
通常の混練粉砕法で製造されるトナー粒子の場合、トナー形状は不定型であり、トナー粒子の表面組成は、均一ではない。使用材料の粉砕性や粉砕工程の条件によりトナー粒子の形状及び表面組成は微妙に変化するが、意図的なトナー粒子の形状及びトナー粒子の表面組成の制御が困難である。また、特に粉砕性の高い材料を用いてトナー粒子が製造された場合、しばしば現像機内における剪断力による機械力等によりさらに微粉の発生を招いたり、トナー粒子の形状の変化を招いたりする。
【0005】
これらの影響より2成分現像剤においては、微粉されたトナー粒子がキャリア表面に固着して現像剤の帯電劣化が加速されたり、1成分現像剤においては、トナー粒子の粒度分布の拡大によりトナー飛散が生じたり、トナー粒子の形状の変化による現像性の低下により画質の劣化が生じやすくなる。
【0006】
また、トナー粒子形状が不定型であると、流動性助剤を添加しても流動性が充分でなく、使用中に剪断力等の機械力により流動性助剤の微粒子がトナー粒子の凹部に埋没し、経時的にトナーの流動性が低下したり、現像性、転写性、クリーニング性が悪化するという問題があった。また、このようなトナーをクリーニングにより回収し再び現像機に戻して使用すると、さらに画質の低下を生じやすい。これらの現象を防止するためにさらに流動性助剤を増加することも考えられるが、この場合、感光体の黒点の発生や流動性助剤の飛散が生じるという状態に陥る問題がある。
【0007】
一方、ワックス等の離型剤を内添したトナーの場合、熱可塑性樹脂との組み合わせによりトナー粒子表面への離型剤の露出が生じることが多い。特に高分子量成分により弾性が付与されたやや粉砕されにくい樹脂と、ポリエチレンのような脆いワックスとを組み合わせたトナーの場合、トナー粒子表面にポリエチレンの露出が多く見られる。このようなトナーは、定着時の離型性や感光体からの未転写トナーのクリーニングには有利ではあるが、トナー粒子表層のポリエチレンが現像機内での剪断力等によりトナー粒子表面から離脱し、容易に現像ロールや感光体、キャリア等に移行するため、これらの汚染が生じやすくなり、現像剤としての信頼性が低下するという問題がある。
【0008】
このような情勢の下、近年、トナー粒子の形状及び表面組成を意図的に制御したトナーを製造する手段として、特に湿式製法によるトナーの作製が盛んに行われている。このような湿式製法には、大きく分けて、トナー粒子の形状制御が可能な湿式球形化法、トナー粒子の表面組成制御が可能な懸濁造粒法、トナー粒子の内部組成まで制御可能な懸濁重合法、乳化重合凝集法等が検討されている。
【0009】
近年、このように盛んになっている湿式製法トナーの持つ大きな問題点は、トナー粒子径を制御あるいは維持するために、多少の程度差はあれ、界面活性剤あるいは分散剤(以下安定剤とも称す)と呼ばれるものを添加していることである。トナー粒子の製造時に、前記の安定剤を添加すると、反応終了時にはこれらの安定剤はトナー液中に残存し、また、トナー粒子表面にも大量の安定剤が残存する。
【0010】
トナー中に安定剤が残存すると、トナーの低帯電、低抵抗への影響があり、特に高温高湿下での悪影響が大きく、安定したトナーの現像性、転写性が達成されない。従って、トナー中に安定剤が残存すると、湿式製法トナーの大きな狙いのひとつであるトナー粒子の構造粒度分布をシャープ化でき、かつトナー粒子の小粒径化による高精細な画像を実現できるという利点を損なう。またトナー粒子表面の汚染により流動性、保存性等が低下し信頼性の低下にもつながる。そのため、特に湿式製法によるトナー粒子を形成した後は安定剤をトナー粒子から除去するための洗浄工程が実施されている。
【0011】
従来実施されているトナー粒子から安定剤を除去するための方法は、多くがトナー粒子を水で洗浄する方法であるが、トナー粒子表面に付着する安定剤を完全に除去することは不可能である。また、溶液中に浮遊している大量の安定剤についても分離しがたいという問題点があり、なるべく安定剤を減少させようとすると必要な洗浄水量が莫大なものとなってしまう。さらに、乳化重合凝集法トナーなどでは、トナー内部に残存している安定剤に関しては、理論的に除去できない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来のトナーにおける上記問題点を解消し、以下の特徴を有する静電荷像現像用トナー及びその製造方法ならびにこの静電荷像現像用トナーを用いる静電荷像現像剤及びこの静電荷像現像剤を用いる画像形成方法を提供するものである。
【0013】
すなわち、本発明の目的は、
1)トナー粒子の粒度分布をシャープ化でき、かつ小粒径なトナー粒子の洗浄方法を改善し、いかなる環境下でも安定した帯電性、現像性、転写性を達成し、高精細な画像を得ることができる静電荷像現像用トナー及びその製造方法を提供することにある。
2)上記特性を維持する長寿命な静電荷像現像剤を提供することにある。
3)高い転写効率により、トナー消費量の少ない画像形成方法を提供することにある。
4)高画質で信頼性の高いフルカラー画像を得ることができる画像形成方法を提供することにある。
5)クリーナーから回収されたトナーを再使用するシステム(トナーリサイクルシステム)において高い信頼性を有する画像形成方法を提供することにある。
6)クリーニング機構を有さないシステム(クリーナーレスシステム)において、高画質を得ることができる画像形成方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は以下の手段によって達成される。
本発明者等は、鋭意検討の結果、詳細な理由は必ずしも明らかではないが、トナー中の残留安定剤をある一定範囲内に低減させ、かつトナー粒子の誘電特性を一定値以下に保持した静電荷像現像用トナーとすることにより良好な帯電特性、転写特性、高画質が得られることを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、少なくとも樹脂粒子を分散させた分散液中で撹拌しながら凝集粒子を形成し、凝集粒子分散液を調整する工程と、この凝集粒子を加熱して融合する造粒工程と、造粒後のトナー粒子を水洗浄した後、トナー粒子を水中で分散した状態でそのトナー粒子を構成する結着樹脂のガラス転移点(Tg)以上に加熱する加熱工程と、有することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法と、この方法で得られる静電荷像現像用トナー、このトナーを用いる静電荷像現像剤、この静電荷像現像剤を用いる画像形成方法である。
【0015】
トナー中の残留安定剤を除去した程度は、湿式製法で得られるトナー粒子を有機溶媒中に溶解後、脱イオン水と混合した際の、溶液の電気伝導度と表面張力によって測定することができる。本発明において、このような電気伝導度と表面張力は、それぞれ100μS以下、20mN以上が目安となる。造粒後のトナー粒子をトナー粒子を構成する樹脂のガラス転移低温度(Tg)以上の温度に加熱することによってトナー中に残存する安定剤を効果的に除去することができる。
【0016】
湿式製法トナーにはトナー粒子の粒子径制御、形状制御、安定性確保のため安定剤の添加が必要不可欠である。従って反応終了後トナー液中には大量の安定剤が残存し、特にトナー表面に残存する。これら界面活性剤等の安定剤は、トナー粒子化後のトナー粒子の洗浄工程によりある程度除去することが可能である。水洗浄については特開平7−319205号公報に見られるように脱イオン水中に10重量部添加して撹拌して得た溶液の電気伝導度1〜100μS/cmであるトナーと記載されているが、トナー特性に影響する表面近傍及び内部に残存する安定剤に関して規定できているとはいえない。このトナー粒子では、具体的には初期的にはトナー表面の外添剤の効果により優れた帯電特性、誘電特性、流動性が得られるが、実機走行中のトナー粒子からの外添剤の剥離、トナー表面の凹部における外添剤の埋没によってトナー粒子が劣化してきた際の上記特性が低下することは避けられない。
【0017】
また、これらの問題に対しては更に洗浄水量を増加する等が方法が有効と考えられるが、この方法によってもトナー構造によっては必ずしもごく表面に残存する安定剤を除去する効果しかもたないため、長期にわたって良好なトナー特性、例えば帯電特性、現像特性、転写特性を維持するには不十分である。このため、湿式製法で得られるトナー粒子の小粒径、狭粒度分布、形状等によって達成される初期の高画質、高細線再現性は長期的に問題が生じてくる場合が多い。また洗浄水量の増加はコストへの影響も大きく問題である。
【0018】
湿式製法トナー洗浄方法としては、主に上記の水洗浄以外には特開平5−142847号公報に見られるようにアルカリ洗浄を行うことがある。確かにアルカリにより安定剤の洗浄水への溶解度は高まり、洗浄性は高まると予想されるが、これも上記の様にトナー表面近傍及び内部に残存する安定剤を除去する効果は小さい。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明ではかかる問題を解決するため、鋭意検討したところ上記のような水洗浄を実施した後、トナー粒子を再度洗浄水に分散し、トナー粒子をトナー粒子を構成する樹脂のガラス転移点温度(Tg)以上に加熱して撹拌する洗浄方法が用いられる。これによって洗浄後のトナー粒子を有機溶媒中に溶解した後、脱イオン水と混合した際の溶液の電気伝導度、表面張力をある一定の範囲にまで制御できる。
【0020】
電気伝導度は100μS/cm以下、更に好ましくは50μS/cm以下にすることが好ましい。また溶液の表面張力も20mN以上、更に好ましくは30mN以上にすることが好ましい。この電気伝導度が規定範囲(100μS/cm)よりも高い場合、また、表面張力が規定範囲(20mN)より低い場合、トナーの抵抗が低下し、特に高温高湿下での帯電不良によりかぶり、飛び散りなどを生じ、画質低下をもたらす。また、トナーの誘電特性についても、交流電界印加時の電流損失を表す誘電損率値を100以下の範囲に抑える事が必要である。誘電損率が100を越えると、トナー抵抗が低下し、特に転写特性に影響がでることがわかっており、特にクリーニングにて回収されたトナーを再利用するシステム、及びクリーナーレスを達成するシステムにおいても長期に渡る信頼性では劣る。
【0021】
前記静電荷像現像用トナー粒子は、樹脂粒子と着色剤とを分散させた分散液中で攪拌しなから、凝集/会合させて造粒して形成される。また、樹脂粒子と着色剤の他に必要に応じて、無機微粒子、離型剤微粒子、帯電制御剤微粒子等を添加することができる。これらの微粒子分散液を複数回に分けて添加混合することが望ましい。
【0022】
本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法においては、少なくとも樹脂粒子を分散させた分散液中で凝集粒子を形成し凝集粒子分散液を調整する第1の工程と、前記凝集粒子分散液中に、微粒子を分散させた微粒子分散液を添加混合して前記凝集粒子に微粒子を付着させて付着粒子を形成する第2の工程と、この付着粒子を加熱して融合する第3の工程を有することが望ましい。
【0023】
前記第2の工程は複数回行われるのが望ましい。この第2の工程においては、凝集粒子分散液中に、離型剤微粒子を分散させてなる離型剤微粒子分散液を添加混合して凝集粒子に離型剤微粒子を付着させて付着粒子を形成した後、樹脂粒子を分散させてなる樹脂粒子分散液を添加混合して前記付着粒子に樹脂粒子をさらに付着させて付着粒子を形成する工程であるのが好ましい。
【0024】
また、前記第2の工程は、樹脂粒子の凝集粒子分散液中に、着色剤微粒子を分散させてなる着色剤微粒子分散液を添加混合して凝集粒子に着色剤微粒子を付着させて付着粒子を形成した後、樹脂粒子を分散させてなる樹脂粒子分散液を添加混合して前記付着粒子に樹脂粒子をさらに付着させて付着粒子を形成する工程であるのが好ましい。
【0025】
さらにこの2工程は、凝集粒子分散液中に、樹脂粒子を分散させてなる樹脂粒子分散液を添加混合して凝集粒子に樹脂粒子を付着させて付着粒子を形成した後、無機微粒子を分散させてなる無機微粒子分散液を添加混合して前記付着粒子に無機微粒子をさらに付着させて付着粒子を形成する工程であるのが好ましい。
【0026】
前記第2の工程においては、第1の工程において調製された凝集粒子分散液中に、前記微粒子分散液を添加混合して、前記凝集粒子に前記微粒子を付着させて付着粒子を形成する。前記微粒子は、前記凝集粒子から見て新たに追加される粒子に該当するので、「追加粒子」と称されることがある。
【0027】
前記微粒子分散液の添加混合の方法としては、特に制限はなく、例えば、徐々に連続的に行ってもよいし、複数回に分割して段階的に行ってもよい。このようにして、前記微粒子(追加粒子)を添加混合することにより、微小な粒子の発生を抑制し、得られる静電荷像現像用トナーの粒度分布をシャープにすることができる。なお、複数回に分割して段階的に添加混合を行うと、前記凝集粒子の表面に段階的に前記微粒子による層が積層され、静電荷像現像用トナーの粒子の内部から外部にかけて構造変化や組成勾配をもたせることができ、粒子の表面硬度を向上させることができ、しかも、第3工程における融合時において、粒度分布を維持し、その変動を抑制することができると共に、融合時の安定性を高めるための界面活性剤や塩基又は酸等の安定剤の添加を不要にしたり、それらの添加量を最少限度に抑制することができ、コストの削減や品質の改善が可能となる点で有利である。
【0028】
上記の樹脂粒子に使用される樹脂は、熱可塑性結着樹脂となる重合体の例としては、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のビニル基を有するエステル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類、ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類、エチレン、プロピレン、ブタジエンなどのポリオレフィン類などの単量体などの重合体またはこれらを2種以上組み合せて得られる共重合体またはこれらの混合物、さらにはエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等、非ビニル縮合系樹脂、あるいはこれらと前記ビニル系樹脂との混合物やこれらの共存下でビニル系単量体を重合する際に得られるグラフト重合体等を挙げることができる。
【0029】
樹脂粒子分散液は、上記の樹脂を水中に2〜40重量%の濃度になるように分散させて形成されるが、分散する樹脂粒子の平均粒径は1μm以下が望ましく、より望ましくは0.01〜1μmである。樹脂粒子の平均粒径が1μmを越えると、最終的に得られる静電荷像現像用トナーの粒径分布が広くなったり、遊離粒子の発生が生じ、性能や信頼性の低下につながる。一方、樹脂粒子の平均粒径が前記範囲内にあると、前記欠点がない上、トナー間の偏在が減少し、トナー中での分散が良好となり、性能や信頼性のバラツキが小さくなる点が有利である。なお、樹脂粒子の平均粒径は、例えば、コールターカウンター等を用いて測定することができる。
【0030】
なお、ビニル系単量体の場合は、イオン性界面活性剤などを用いて乳化重合やシード重合を実施して樹脂粒子分散液を作成することができ、その他の樹脂の場合は油性で水への溶解度の比較的低い溶剤に溶解するものであれば樹脂をそれらの溶剤に解かして水中にイオン性の界面活性剤や高分子電解質とともにホモジナイザーなどの分散機により水中に微粒子分散し、その後加熱または減圧して溶剤を蒸散することにより、樹脂分散液を作成することができる。
【0031】
着色剤の例としては、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアントカーミン3B、ブリリアントカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレート、などの種々の顔料、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジゴ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアジン系、チアゾール系、キサンテン系などの各種染料、など着色剤は1種または複数種類を併せて使用することができる。
【0032】
着色剤分散液は、上記の着色剤を水中に2〜40重量%の濃度になるように添加し、使用する樹脂とは逆極性のイオン性界面活性剤を用い、回転剪断型ホモジナイザーやボールミル、サンドミル、ダイノミル等の公知の分散装置によって作製することができる。着色剤の平均粒径は、散乱式の測定機(HORIBA製LA700)等の測定機によって、0.05〜0.50μmの範囲にあることが好ましい。
【0033】
本発明において、上記樹脂粒子と上記着色剤分散液とを混合する際に、内添剤を添加しても良い。内添剤としてフェライト、マグネタイト、還元鉄、コバルト、ニッケル、マンガン等の金属、合金、又はこれら金属を含む化合物などの磁性体を使用使用することができる。
【0034】
帯電制御剤として4級アンモニウム塩化合物、ニグロシン系化合物、アルミ、鉄、クロムなどの錯体からなる染料やトリフェニルメタン系顔料など通常使用される種々の帯電制御剤を使用することが出来るが、凝集や会合時の安定性に影響するイオン強度の制御と廃水汚染減少の点から水に溶解しにくい材料が好適に使用される。
【0035】
また、上記樹脂粒子分散液と上記着色剤分散液とを混合する際に、離型剤微粒子分散液を添加するのが好ましい。離型剤の例としてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類、加熱により軟化点を有するシリコーン類、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等のような脂肪酸アミド類やカルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等のような植物系ワックス、ミツロウのような動物系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のような鉱物、石油系ワックス、及びそれらの変性物が使用できる。
【0036】
これらのワックス類は、水中にイオン性界面活性剤や高分子酸や高分子塩基などの高分子電解質とともに分散し、融点以上に加熱するとともに強い剪断をかけられるホモジナイザーや圧力吐出型分散機により微粒子化し、1μm以下の粒子の分散液として添加することができる。
【0037】
上記樹脂粒子と上記着色剤分散液とを所定の割合で混合し、室温〜樹脂のガラス転移温度の範囲おいて加熱することにより樹脂粒子と着色剤を凝集させ、凝集体粒子を形成する。凝集体微粒子の平均粒径は、2〜9μmの範囲にあることが好ましい。次いで、凝集体微粒子を含む混合液を樹脂の軟化点以上の温度、一般には70〜120℃で加熱処理して凝集体微粒子を融合させてトナー粒子を含有するトナー粒子含有液(トナー粒子分散液)を得ることができる。
【0038】
なお、乳化重合、シード重合、顔料分散、樹脂粒子、離型剤分散、凝集、またはその安定化などに用いる界面活性剤の例としては、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤、アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン系界面活性剤、またポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン性界面活性剤を併用することも効果的であり、分散のため手段としては、回転せん断型ホモジナイザーやメデイアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミルなどの一般的なものが使用可能である。
【0039】
次いで、得られたトナー粒子含有液は、遠心分離または吸引濾過によりトナー粒子を分離して、イオン交換水にて1〜3回洗浄する。その後トナー粒子を濾別し、イオン交換水中に再度分散したのち、トナー粒子をトナー粒子を構成する樹脂のガラス転移温度(Tg)以上に加熱し、30分〜2時間程度撹拌する。室温まで冷却後再度トナー粒子を濾別し、イオン交換水にて1〜3回洗浄し、乾燥することによって、本発明の静電荷像現像用トナーを得ることができる。
【0040】
トナー粒子をトナー粒子を構成する樹脂のガラス転移温度(Tg)以上に加熱するに際しては、余り高い温度であると、トナー粒子中の着色剤、離型剤の遊離が発生しやすく、帯電性、誘電特性を悪化させやすく、また、Tg未満では、内部に残存する安定剤を抽出する効果が小さく、良好な帯電性、誘電特性を得ることが困難となるので特にTgよりも10〜35℃程度高い温度に加熱することが望ましい。
【0041】
また、この加熱工程の前のトナー粒子含有液(トナー粒子分散液)のpHを7〜12の範囲に調整して攪拌することが望ましい。トナー粒子含有液(トナー粒子分散液)のpHが7よりも低いと、安定剤の抽出が不十分となりやすく、低帯電トナーの発生や、高温での安定性が低下しやすく、特に解離基を有するトナーにおいては著しい。また、12よりも高いと、アルカリが残存しやすく、帯電特性が不十分となりやすい。
【0042】
なお、上記のようにして最終的に加熱して得られた静電荷像現像用トナーには、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウムなどの無機粒子やビニル系樹脂、ポリエステル、シリコーンなどの樹脂微粒子を乾燥状態で剪断力をかけて表面へ添加して流動性助剤やクリーニング助剤として用いることもできる。
【0043】
本発明の静電荷現像用トナーは、その画像解析によるトナー形状係数平均値(周囲長の二乗/投影面積)が、105〜150であるのが好ましい。特に形状が球形(真球)に近い形状である程、通常の水あるいはアルカリによる表面の洗浄だけでは、安定剤の除去が困難になり、帯電性への悪影響があり、画像濃度の低下など実使用上好ましくないことがある。本発明の静電荷像現像用トナーは形状が球形〜不定形まで安定した帯電特性を達成することが可能である。
【0044】
なお、前記トナー形状平均値は、例えば、以下のようにして算出することができる。即ち、スライドガラス上に散布したトナーの光学顕微鏡をビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、100個以上のトナーの、周囲長の二乗/投影面積(ML2/A)を計算し、平均値を求めることにより得られる。
【0045】
前記本発明の静電荷現像用トナーは、誘電特性のなかで特に誘電損率(比誘電損率ともいう)が100以下であり、特に50以下のものが好ましく用いられる。誘電損率は、交流電場下に置かれた誘電体の抵抗を表し、値が大きいほど抵抗は低下することが知られている。測定は例えばトナー粉体を錠剤成型し、誘電体測定用電極に設置し、〜100KHzまでの交流電場をかけて測定される。
【0046】
本発明の静電荷現像用トナーの残留安定剤量は以下の様に測定することができる。トナーを有機溶媒1〜10重量部に溶解させた後、この溶液に脱イオン水を10〜100重量部程度添加する。残留安定剤は水層あるいは油層に抽出できるので、抽出液の電気伝導度および表面張力を測定することで残留安定剤量を測定できる。有機溶媒としては極性の大小問わず、一般公知のものを用いることができる。
【0047】
次に静電荷像現像用トナー粒子の電気伝導度、表面張力と帯電特性との関係を図1および図2に示し、静電荷像現像用トナー粒子における誘電損率と転写効率との関係を図3に示す。
図1〜図3中、●はトナー粒子を湿式製法で製造する際に従来洗浄方法によって得られたトナー粒子であり、■はトナー粒子を湿式製法で製造する際に本発明の洗浄方法によって得られたトナー粒子である。
【0048】
ここで、従来の洗浄方法とは、トナー粒子分散液を水洗浄よりトナー粒子を得た場合であり、本発明の洗浄方法とは、トナー粒子分散液を水洗浄した後、トナー粒子を再度洗浄水に分散し、その後、トナー粒子をTg以上に加熱した場合であり、その他の条件実質的に両者同じである。
【0049】
従来の洗浄方法によって得られるトナー粒子では、トナーの誘電損率が100以上と高い。しかし、本発明の洗浄方法によって得られるトナー粒子では、電気伝導度が約25〜30μS/cm程度の範囲内にあり、従来の洗浄方法で得られたトナー粒子に比べて電気伝導度が低く、トナー粒子の誘電損率は約25以下であり、従来の洗浄方法で得られたトナー粒子に比べて低くなっている。したがって、本発明の洗浄方法で得られたトナー粒子では、界面活性剤等の安定剤が充分に除去され、誘電特性が優れていることを示している。
【0050】
本発明の洗浄方法で得られたトナー粒子では、表面張力が約32〜44mN程度と比較的高く、界面活性剤等の安定剤が充分に除去されており、誘電損率は40以下と低くなっており、誘電特性に優れていることを示している。
【0051】
次に図1に示されるように、本発明の洗浄方法で得られたトナー粒子は、従来の洗浄方法で得られたトナー粒子に比べて電気伝導度が低く、帯電レベルが高い。また、図2に示されるように、本発明の洗浄方法で得られたトナー粒子は、従来の洗浄方法で得られたトナー粒子に比べて表面張力が高く、帯電レベルが高くなっている。したがって、本発明の洗浄方法で得られたトナー粒子は、従来の洗浄方法で得られたトナー粒子に比べて帯電特性が高いことを示している。
【0052】
次に図3において、転写効率を富士ゼロックス社製 Able1302改造機にて測定したものであり、図3に示されるように、静電荷像現像用トナーにおける誘電損率と転写効率をみると、誘電損率が低いと転写効率が高いことを示している。ここで、転写効率とは、感光体上の現像像と、未転写残像の反射濃度の比率を表したものであり、現像像濃度が0.7のときの転写効率を示している。
したがって、図1〜図3からも明らかなように、本発明の洗浄方法で得られたトナー粒子は、誘電特性、帯電特性に優れ、転写効率が優れている。
【0053】
本発明の静電荷現像用トナーを、キャリアと組み合せることにより、静電荷現像剤を得ることができる。前記キャリアとしては、特に制限はなく、それ自体公知のキャリアが挙げられる。前記静電荷現像剤における、前記本発明の静電荷現像用トナーと、キャリアとの混合比としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0054】
本発明の画像形成方法は、静電潜像担持体に潜像を形成する工程、現像剤担持体上の静電荷像現像剤層を用いて静電潜像担持体の静電潜像を現像する工程、潜像担持体上のトナー画像を転写体上に転写する工程、潜像担持体上の残留トナーを除去するクリーニング工程を有し、前記静電荷像現像剤層が、本発明の静電荷像現像用トナーを含んでおれば、特に制限はない。
前記各工程は、静電荷像現像剤層以外は各々それ自体一般的な工程であり公知のコピー機、ファクシミリ機等の画像形成装置を用いて実施することができる。
【0055】
本発明の画像形成方法においては、更にはリサイクル工程をも含む態様が好ましい。前記クリーニング工程は、トナー画像を形成する際の余分な静電荷現像用トナーを回収する工程である。前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程において回収した静電荷現像用トナーを現像剤層に移す工程である。
【0056】
クリーニング工程とリサイクル工程とを含む態様の画像形成方法は、トナーリサイクルタイプのコピー機、ファクシミリ機等の画像形成装置を用いて実施することができる。また、クリーニング工程を省略し、現像と同時にトナーを回収する態様のリサイクルシステムにも適用することができる。
【0057】
【実施例】
次に具体的な実施例に基づいて本発明を説明するが、これによって何ら本発明が限定されるものではない。
実施例1
Figure 0003685905
【0058】
以上の成分を丸型ステンレス製フラスコ中でウルトラタラックスT50(IKA社製)で混合分散した後、加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら50℃まで加熱した。50℃で60分保持した後、コールターカウンター(コールター社製マルチサイザー2)で粒子サイズを測定すると約4.5ミクロンの凝集粒子が生成していることが確認された。さらに加熱用オイルバスの温度を上げて52℃で1時間保持した。粒子サイズを測定すると約5.0ミクロンの凝集粒子が生成していることが確認された。その後、この凝集体粒子を含む分散液に、アニオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬)3gを追加した後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて撹拌を継続しながら97℃まで加熱し、4時間保持した。冷却後、コールターカウンターで粒径を測定すると5.1ミクロンであった。
【0059】
作製したトナー粒子含有液よりトナー粒子を濾別しイオン交換水洗浄を3回実施した。その後トナー粒子をイオン交換水3リットルに分散し1N水酸化ナトリウム加えてpHを9.5に調節した後、再び丸型ステンレス製フラスコ中に移し、加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら80℃まで加熱2時間保持した。その後トナー粒子を濾別しイオン交換水洗浄を3回実施し、真空乾燥を10時間実施し、篩分して平均粒径5.2ミクロンのトナーを得た。
【0060】
電気伝導度、表面張力の測定
乾燥後のトナー中の残存安定剤の量は以下のように電気伝導度、表面張力により測定した。ここでは、アセトン1〜10gを用いトナー1〜10gを溶解した後、イオン交換水10〜100mlを添加したのち、析出物を濾別して溶液の電気伝導度、表面張力を測定した。例えば、トナー10重量部に対し、アセトン10重量部を用いて溶解し、イオン交換水100重量部を添加して測定した。
実施例1において、電気伝導度は15μS/cm、表面張力は50mNであった。
【0061】
誘電損率の測定
また乾燥後のトナーの誘電損率は以下のように測定した。
トナー5gをペレット成型し、電極〔SE−71型固体用電極、安藤電気(株)製〕間にセットし、LCRメーター(4274A型、横川ヒューレットパッカード製)にて5Vで測定した。なお、誘電損率は下記の式(1)によって求められる。
〔14.39/(W×D2 )〕×GX ×TX ×1012 ・・・式(1)
ここで、W=2πf(f:測定周波数100KHz)、D:電極直径(cm)
X :電導度(S)、TX :試料厚み(cm)を表す。
測定の結果、実施例1において、誘電損率は15であった。
【0062】
実施例2
実施例1と同様にしてトナー粒子含有液を作製した。
作製したトナー粒子含有液よりトナー粒子を濾別しイオン交換水洗浄を3回実施した。その後トナー粒子をイオン交換水3リットルに分散し1N水酸化ナトリウム加えてpHを9.5に調節したのち再び丸型ステンレス製フラスコ中に移し、加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら70°Cまで加熱2時間保持した。その後トナー粒子を濾別しイオン交換水洗浄を3回実施し、真空乾燥を10時間実施し、篩分してトナーを得た。
【0063】
電気伝導度、表面張力の測定
実施例1と同様にしてして電気伝導度及び表面張力を測定した。その結果、電気伝導度は20μS/cm、表面張力は40mNであった。
誘電損率の測定
実施例と同様にして誘電損率を測定した結果、実施例2の誘電損率は20であった。
【0064】
実施例3
Figure 0003685905
【0065】
以上の成分を丸型ステンレス製フラスコ中でウルトラタラックスT50(IKA社製)で混合分散した後、加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら50℃まで加熱した。48℃で60分保持した後、コールターカウンターで粒子サイズを測定すると約4.0ミクロンの凝集粒子が生成していることが確認された。ここで樹脂分散液を50g追加添加した後更に加熱用オイルバスの温度を上げて51℃で1時間保持した。粒子サイズを測定すると約5.2ミクロンの凝集粒子が生成していることが確認された。
【0066】
その後、この凝集体粒子を含む分散液に、アニオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬)3gを追加した後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて撹拌を継続しながら97Cまで加熱し、4時間保持した。
冷却後、コールターカウンターで粒径を測定すると5.1ミクロンであった。
トナー粒子を濾別した後、イオン交換水にて3回洗浄した。更にイオン交換水に分散して1N水酸化ナトリウムにてpHを10.0に調節して丸型ステンレス製フラスコ中で80°C時間保持した。その後イオン交換水にて3回洗浄し、真空乾燥10時間を実施した後篩分して、トナーを得た。
このトナーの電気伝導度は17μS/cm、表面張力は48mNであった。また、誘電損率は16であった。
【0067】
比較例
実施例1と同様にしてトナー液を作製した。
作製したトナー粒子含有液よりトナー粒子を濾別しイオン交換水洗浄を3回実施した。
その後トナー粒子を濾別しイオン交換水洗浄を3回実施し、真空乾燥を10時間実施し、篩分して平均粒径5.0ミクロンのトナーを得た。
このトナーの電気伝導度は115μS/cm、表面張力は18mN、誘電損率は120であった。
【0068】
前記のようにして得られた実施例1〜3のトナー、及び比較例のトナーで用いて静電荷像現像剤を作製し、各特性の評価を行った。
まず、V型ブレンダーによりそれぞれのトナーとキャリアとを混合して静電荷像現像剤とした。このキャリアとしては、アクリルコートキャリア(平均粒径80ミクロン、富士ゼロックス社製)を用いトナー濃度が5%になるように混合した。この静電荷像現像剤について、複写機(Able1302α改造MC富士ゼロックス社製)に入れ、Azone(28°C、90RH%)の環境下で初期帯電性、現像性、転写性を評価した後、5万枚のランニングテストを行い、同様の評価をした。
【0069】
<帯電性>
帯電性はブローオフトライボ測定装置(東芝ケミカル社製)により、磁気ロール上の現像剤の帯電量を測定し、その低下度合いにより判定した。
○・・・変化が5μc/g以下
△・・・5〜10μc/g
×・・・10μc/g以上
【0070】
<転写性>
転写性の評価は感光体上のソリッド像(反射濃度ID=0.7)をテープ転写し官能評価を実施した。
○・・・ムラなく良好
△・・・実使用上問題とはならないがややムラ有り
×...ムラ多く問題あり
【0071】
<現像性>
現像性はチャート上のソリッドサンプルの反射濃度測定により行った。その低下度合いにより判定した。
○・・・変化が0.15以下
△・・・.15〜0.3
×・・・0.3以上
以上の結果を表1に示す。
【0072】
【表1】
Figure 0003685905
【0073】
表1から明らかなように、本発明の静電荷像現像剤は、帯電性、現像性、転写性に優れ、特に長期の使用(50000枚)後においてこれらの特性が維持されており、転写効率も高いことを示している。
【0074】
【発明の効果】
以上のように本発明の静電荷像現像用トナーによれば、誘電損率が100以下と低く誘電特性に優れており、転写効率が高い。また、この静電荷像現像用トナーを用いた静電荷像現像剤はいかなる環境下でも極めて良好な帯電性を維持することができるため、湿式製法トナーの長所である高転写効率、良好な転写性、画質欠陥のない細線再現性に優れた高品位な画質を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】静電荷像現像用トナー粒子の電気伝導度と帯電特性との関係を示すグラフである。
【図2】静電荷像現像用トナー粒子の表面張力と帯電特性との関係を示すグラフである。
【図3】静電荷像現像用トナー粒子による誘電損率と転写効率との関係を示すグラフである。

Claims (7)

  1. 少なくとも樹脂粒子を分散させた分散液中で撹拌しながら凝集粒子を形成し、凝集粒子分散液を調整する工程と、この凝集粒子を加熱して融合する造粒工程と、造粒後のトナー粒子を水洗浄した後、トナー粒子を水中で分散した状態でそのトナー粒子を構成する結着樹脂のガラス転移点(Tg)以上に加熱する加熱工程と、有することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
  2. 造粒後のトナー粒子分散液をpH7〜12に調節して撹拌することを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の製造方法で製造された静電荷像現像用トナー。
  4. 電子写真用キャリアと静電荷像現像用トナーとからなる静電荷像現像剤において、該静電荷像現像用トナーが請求項3に記載のトナーであることを特徴とする静電荷像現像剤。
  5. 電子写真用キャリアが樹脂被覆層を有することを特徴とする請求項4の記載の静電荷像現像剤。
  6. 静電潜像担持体に潜像を形成する工程、現像剤担持体上の静電荷像現像剤層を用いて静電潜像担持体の静電潜像を現像する工程、潜像担持体上のトナー画像を転写体上に転写する工程、潜像担持体上の残留トナーを除去するクリーニング工程を有する画像形成方法において、前記静電荷像現像剤層が、請求項4または請求項5に記載の静電荷像現像剤からなることを特徴とする画像形成方法。
  7. クリーニング工程で回収した静電荷像現像用トナーを現像剤層に移す工程を有することを特徴とする請求項6に記載の画像形成方法。
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