JP5434059B2 - 静電荷電現像用トナー - Google Patents
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Description
そこで、三次転写の行われる三次転写部を通過した転写定着部材部分の温度と、その転写定着部材部分に付着する転写残トナーの温度を下げ、転写定着部材から中間転写体に伝わる熱量を減少させて、現像装置のトナー温度の上昇を抑えることが考えられる。このようにすれば、像担持体表面にトナーフィルミングが形成される不具合を抑えることができる。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 少なくとも、樹脂微粒子分散液及び着色剤分散液を混合して凝集粒子を形成し、該凝集粒子を含む凝集粒子分散液を調製する凝集工程と、前記凝集粒子分散液における凝集粒子を加熱融合してトナー粒子を形成し、該トナー粒子を含むトナー粒子分散液を調製する融合工程と、前記トナー粒子分散液におけるトナー粒子を洗浄する洗浄工程と含む製造方法により製造される静電荷像現像用トナーにおいて、前記製造方法が、電気伝導度が0.1μS/cm〜500μS/cmであるトナー粒子分散液を加熱する加熱工程をさらに含み、前記静電荷像現像用トナーのBET比表面積(Sbet)と体積平均粒径(Dv)との比(Sbet/Dv)が、2.0×105m/g以上4.0×105m/g未満であることを特徴とする静電荷像現像用トナーである。
<2> 加熱工程におけるトナー粒子分散液の加熱温度が、前記トナー粒子分散液におけるトナー粒子のガラス転移温度より10℃低い温度以上であって、前記トナー粒子分散液におけるトナー粒子のガラス転移温度より10℃高い温度以下である前記<1>に記載の静電荷像現像用トナーである。
<3> 平均円形度が、0.950以上0.975未満である前記<1>から<2>のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーである。
<4> 体積平均粒径が、1.0um以上7.0um未満である前記<1>から<3>のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーである。
<5> 離型剤としてワックスを含有する前記<1>から<4>のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーである。
<6> 帯電制御剤を含有する前記<1>から<5>のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーである。
<7> 少なくとも、樹脂微粒子分散液及び着色剤分散液を混合して凝集粒子を形成し、該凝集粒子を含む凝集粒子分散液を調製する凝集工程と、前記凝集粒子分散液における凝集粒子を加熱融合してトナー粒子を形成し、該トナー粒子を含むトナー粒子分散液を調製する融合工程と、前記トナー粒子分散液におけるトナー粒子を洗浄する洗浄工程と含む静電荷像現像用トナーの製造方法において、電気伝導度が0.1μS/cm〜500μS/cmであるトナー粒子分散液を加熱する加熱工程をさらに含み、前記静電荷像現像用トナーのBET比表面積(Sbet)と体積平均粒径(Dv)との比(Sbet/Dv)が、2.0×105m/g以上4.0×105m/g未満であることを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法である。
本発明の静電荷像現像用トナーは、少なくとも、樹脂微粒子、着色剤を含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記樹脂微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる、例えば、芳香族ビニル単量体とその他の単量体とを共重合させた樹脂微粒子が挙げられる。この中でも、少なくとも芳香環を一つ以上含有する芳香族ビニル単量体を1種類以上含有する単量体を重合させた樹脂微粒子が好ましい。また、前記樹脂微粒子として、ポリエステル樹脂、結晶性ポリエステル樹脂を乳化して用いることも低温定着性の観点から好ましい。また、前記樹脂微粒子は、必要に応じて架橋剤を添加して架橋してもよい。また、前記樹脂微粒子は、重合性単量体のラジカル重合により重合させることができる。前記樹脂微粒子は、例えば、単量体を含む油相を分散媒である水(水相)に、乳化剤を用いて分散させ、重合反応を経ることにより得られる。
また、これらの樹脂微粒子は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、前記樹脂微粒子の平均粒径は、10nm〜500nmであることが好ましく、20nm〜300nmであることがより好ましく、30nm〜200nmであることが特に好ましい。
前記芳香族ビニル単量体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、trans−β−メチルスチレン、パラメチルスチレン、パラ‐tert−ブチルスチレン等のスチレン及びアルキルスチレン類;4−メトキシスチレン、3、4−ジメトキシスチレン、パラ−tert−ブトキシスチレン等のブトキシスチレン類;β−クロロスチレン、β−ブロモスチレン、パラクロロスチレン、パラブロモスチレン、パラフルオロスチレン、4−フルオロ−α−メチルスチレン等のハロゲン置換スチレン類;パラニトロスチレン、2−ビニルピリジン等の含窒素芳香族化合物及びそのエステル化合物類;パラスチレンスルホン酸ナトリウム、パラスチレンスルホン酸カリウム等のスルホン酸基含有スチレンの金属塩化合物類;安息香酸ビニル、けい皮酸ビニル、ビニルナフタレン等が挙げられる。
前記芳香族ビニル単量体は、単量体総量に対して50質量%以上配合することが好ましい。
その他の単量体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のビニル基を有するエステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン類;エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン類等が挙げられる。
架橋剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等の芳香族の多ビニル化合物類;フタル酸ジビニル、イソフタル酸ジビニル、テレフタル酸ジビニル、ホモフタル酸ジビニル、トリメシン酸ジビニル、トリメシン酸トリビニル、ナフタレンジカルボン酸ジビニル、ビフェニルカルボン酸ジビニル等の芳香族多価カルボン酸の多ビニルエステル類;ピリジンジカルボン酸ジビニル等の含窒素芳香族化合物のジビニルエステル類;ピロール、チオフェン等の不飽和複素環化合物類;ピロムチン酸ビニル、フランカルボン酸ビニル、ピロール−2−カルボン酸ビニル、チオフェンカルボン酸ビニル等の不飽和複素環化合物カルボン酸のビニルエステル類;ブタンジオールメタクリレート、ヘキサンジオールアクリレート、オクタンジオールメタクリレート、デカンジオールアクリレート、ドデカンジオールメタクリレート等の直鎖多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル類;ネオペンチルグリコールジメタクリレート、2−ヒドロキシ−1、3−ジアクリロキシプロパン等の分枝、置換多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル類;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレンポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート類;コハク酸ジビニル、フマル酸ジビニル、マレイン酸ビニル/ジビニル、ジグリコール酸ジビニル、イタコン酸ビニル/ジビニル、アセトンジカルボン酸ジビニル、グルタル酸ジビニル、3,3’−チオジプロピオン酸ジビニル、trans−アコニット酸ジビニル/トリビニル、アジピン酸ジビニル、ピメリン酸ジビニル、スベリン酸ジビニル、アゼライン酸ジビニル、セバシン酸ジビニル、ドデカン二酸ジビニル、ブラシル酸ジビニル等の多価カルボン酸の多ビニルエステル類等である。これらの架橋剤は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用して用いてもよい。
前記ラジカル重合用開始剤としては、乳化重合可能なものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、過酸化水素、過酸化アセチル、過酸化クミル、過酸化tert−ブチル、過酸化プロピオニル、過酸化ベンゾイル、過酸化クロロベンゾイル、過酸化ジクロロベンゾイル、過酸化ブロモメチルベンゾイル、過酸化ラウロイル、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、ペルオキシ炭酸ジイソプロピル、テトラリンヒドロペルオキシド、1−フェニル−2−メチルプロピル−1−ヒドロペルオキシド、過トリフェニル酢酸−tert−ブチルヒドロペルオキシド、過蟻酸tert−ブチル、過酢酸tert−ブチル、過安息香酸tert−ブチル、過フェニル酢酸tert−ブチル、過メトキシ酢酸tert−ブチル、過N−(3−トルイル)バルバミン酸tert−ブチル等の過酸化物類;2,2’−アゾビスプロパン、2,2’−ジクロロ−2,2’−アゾビスプロパン、1,1’−アゾ(メチルエチル)ジアセテート、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)硝酸塩、2,2’−アゾビスイソブタン、2,2’−アゾビスイソブチルアミド、2,2’─アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルプロピオン酸メチル、2,2’−ジクロロ−2,2’−アゾビスブタン、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル、1,1’−アゾビス(1−メチルブチロニトリル−3−スルホン酸ナトリウム)、2−(4−メチルフェニルアゾ)−2−メチルマロノジニトリル、4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸、3,5−ジヒドロキシメチルフェニルアゾ−2−メチルマロノジニトリル、2−(4−ブロモフェニルアゾ)−2−アリルマロノジニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルバレロニトリル、4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸ジメチル、2,2’−アゾビス−2、4−ジメチルバレロニトリル、1,1’−アゾビスシクロヘキサンニトリル、2,2’−アゾビス−2−プロピルブチロニトリル、1,1’−アゾビス−1−クロロフェニルエタン、1,1’−アゾビス−1−シクロヘキサンカルボニトリル、1,1’−アゾビス−1−シクロへプタンニトリル、1,1’−アゾビス−1−フェニルエタン、1,1’−アゾビスクメン、4−ニトロフェニルアゾベンジルシアノ酢酸エチル、フェニルアゾジフェニルメタン、フェニルアゾトリフェニルメタン、4−ニトロフェニルアゾトリフェニルメタン、1,1’−アゾビス−1、2−ジフェニルエタン、ポリ(ビスフェノールA−4、4’−アゾビス−4−シアノペンタノエート)、ポリ(テトラエチレングリコール−2,2’−アゾビスイソブチレート)等のアゾ化合物類;1,4−ビス(ペンタエチレン)−2−テトラゼン、1,4−ジメトキシカルボニル−1,4−ジフェニル−2−テトラゼン等が挙げられる。
ポリエステル樹脂は通常の方法で製造される。例えば、酸成分とアルコール成分を所定の割合で反応容器に仕込み、窒素ガスなどの不活性ガスの存在下、150℃〜190℃の温度で反応を開始する。副生する低分子化合物は連続的に反応系外に除去される。その後、更に反応温度を200℃〜250℃に上げて反応を促進し、目的とするポリエステル樹脂を得る。ポリエステル樹脂を製造する際、使用するカルボン酸成分がエステル基を含まない遊離のカルボン酸である場合はエステル化触媒、例えばジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキサイドのような有機金属やテトラブチルチタネートに代表される金属アルコキシドなどを全原材料仕込み量に対して0.1質量%〜1質量%用いるのが好ましく、カルボン酸成分が低級アルキルエステルである場合はエステル交換触媒、例えば酢酸亜鉛、酢酸鉛、酢酸マグネシウムのような金属酢酸塩や酸化亜鉛、酸化アンチモンのような金属酸化物、テトラブチルチタネートのような金属アルコキシドなどを全原料仕込み量に対して0.005質量%〜0.05質量%用いるのが好ましい。
前記アルコール成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3,3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2,0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2,0)−ポリオキシエチレン(2,0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等の一般式(I)
前記酸成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、ダイマー酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸ジメチルエステル、テレフタル酸ジメチルエステル、テレフタル酸モノメチルエステル、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ジメチルテトラヒドロフタル酸、エンドメチレンヘキサヒドロフタル酸、ナフタレンテトラカルブン酸、ジフェノール酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、トリメシン酸、シクロペンタンジカルボン酸、3,3´,4,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、2,2−ビス−(4−カルボキシフェニル)プロパン、トリメリット酸無水物と4,4−ジアミノフェニルメタンから得られるジイミドカルボン酸、トリス−(β−カルボキシエチル)イソシアヌレート、イソシアヌレート環含有ポリイミドカルボン酸、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート又はイソホロンジイソシアネートの三量化反応物とトリメリット酸無水物から得られるイソシアネート環含有ポリイミドカルボン酸などが挙げられ、これらの1種又は2種以上が使用される。これらの中で、3価以上の多価カルボン酸、多価アルコールなどの架橋成分を用いると、定着強度、耐オフセット性などの安定性の点で好ましい場合がある。
前記結晶性を有するポリエステル樹脂は、炭素数2〜20のジオール化合物、およびこれらの誘導体を含有するアルコール成分と、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸など多価カルボン酸化合物、およびこれらの誘導体を含有する酸成分とを用いて合成される脂肪族系ポリエステルである。特に、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等の炭素数2〜6の直鎖のアルキレングリコールおよびこれらの誘導体を含有するアルコール成分と、マレイン酸、フマル酸、コハク酸などの脂肪族ジカルボン酸、およびこれらの誘導体を含有する酸成分とを用いて合成される、下記一般式(1)で表される脂肪族系ポリエステル樹脂が好ましい。
[−O−CO−CR1=CR2−CO−(CH2)n−]m 一般式(1)
(n、mは繰返し単位の数、R1、R2は炭化水素機)
前記着色剤としては、特に制限はなく、公知の染料及び顔料を全て使用することができ、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が挙げられる。前記着色剤の含有量はトナーに対して通常1質量%〜15質量%であり、3質量%〜10質量%であることが好ましい。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、離型剤、帯電制御剤、外添剤、内添剤、滑剤、研磨材などが挙げられる。
前記離型剤(ワックス)としては、特に制限はなく、公知のものが使用でき、例えば、ポリオレフィンワッックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなど);長鎖炭化水素(パラフィンワックス、サゾールワックスなど);カルボニル基含有ワックスなどが挙げられる。中でも、カルボニル基含有ワックスが好ましい。
静電荷像現像用トナーは、必要に応じて帯電制御剤を含有してもよいが、有色材料を用いると色の変化が起こるため、無色、白色に近い材料が好ましい。
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、公知のものが全て使用でき、例えば、トリフェニルメタン系染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩、ニグロシン系化合物、アルミニウム、鉄、クロムなどの錯体からなる染料等が挙げられる。
具体的には、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRAー901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
前記帯電制御剤の使用量は、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、バインダー樹脂100質量部に対して、0.1質量部〜10質量部の範囲で用いられることが好ましく、0.2質量部〜5質量部の範囲がさらに好ましい。前記帯電制御剤の使用量が、バインダー樹脂100質量部に対して、0.1質量部未満である場合には、十分な帯電特性が出ない。また、前記帯電制御剤の使用量が、バインダー樹脂100質量部に対して、10質量部を超える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
静電荷像現像用トナーの流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤としては、無機微粒子、を好ましく用いることができる。この無機微粒子の一次粒子径は、5nm〜2μmであることが好ましく、5nm〜500nmであることがより好ましい。また、BET法による比表面積は、20m2/g〜500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、静電荷像現像用トナーの0.01質量%〜5.0質量%であることが好ましく、0.01質量%〜2.0質量%であることがより好ましい。
前記内添剤としては、トナー特性としての帯電性を阻害しない程度に使用され、例えば、フェライト、マグネタイト、還元鉄、コバルト、マンガン、ニッケル等の金属、合金、又はこれら金属を含有する化合物などの磁性体などが使用される。
前記滑剤としては、例えば、エチレンビスステアリル酸アミド、オレイン酸アミド等の脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩等が挙げられる。
前記研磨剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化セリウムなどが挙げられる。
前記静電荷像現像用トナーの製造方法は、少なくとも、凝集工程と、融合工程と、洗浄工程と、加熱工程と含んでなり、さらに必要に応じて、その他の工程を含んでなる。即ち、静電荷像現像用トナーは、乳化重合凝集法により製造される。
前記凝集工程は、少なくとも、樹脂微粒子分散液及び着色剤分散液を混合して凝集粒子を形成し、該凝集粒子を含む凝集粒子分散液を調製する工程である。前記凝集工程では、乳化重合法で調製された樹脂粒子分散液と、着色剤分散液と、必要に応じ、離型剤分散液を混合し、少なくとも樹脂粒子と着色剤とが凝集した凝集粒子を形成し、該凝集粒子を含む凝集粒子分散液を調製する。
前記凝集工程においては、樹脂粒子分散液、着色剤分散液、必要に応じて離型剤分散液を互いに混合し、樹脂粒子などを凝集して凝集粒子を形成する。凝集粒子はヘテロ凝集等により形成され、その際に凝集粒子の安定化、粒径/粒度分布制御を目的として、凝集粒子とは極性が異なるイオン性界面活性剤や、金属塩等の一価以上の電荷を有する化合物を添加することができる。
<<<界面活性剤>>>
樹脂粒子分散液、着色剤分散液、離型剤分散液の分散性の安定化のために、乳化剤である有機酸金属塩の脂環式化合物をそのまま用いることができる。しかし、着色剤分散液、離型剤分散液のpHによる安定性等により、必ずしも塩基性条件下で安定でない場合、また樹脂粒子分散液の経時安定性の理由により、若干量の界面活性剤を用いることができる。
樹脂粒子分散液における含有量は、0.01質量%〜1質量%程度であり、0.02質量%〜0.5質量%であることが好ましく、0.1質量%〜0.2質量%であることがより好ましい。樹脂粒子分散液における含有量が0.01質量%未満の場合、特に、樹脂粒子分散液のpHが十分に塩基性でない状態で凝集を生じる場合がある。
着色剤分散液、離型剤分散液における含有量は、0.01質量%〜10質量%であり、0.1質量%〜5質量%であることが好ましく、0.5質量%〜0.2質量%であることがより好ましい。着色剤分散液、離型剤分散液における含有量が0.01質量%未満では、凝集時に各粒子間の安定性が異なるため、特定粒子の遊離が生じるなどの問題があり、また、10質量%を超えると粒子の粒度分布が広くなったり、粒子径の制御が困難になるなどの問題があり好ましくない。
樹脂粒子分散液、着色剤分散液、離型剤分散液及びその他の成分の分散液の分散媒として、例えば水系媒体などが使用される。水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
凝集粒子分散液を調製する凝集工程においては、乳化剤の乳化力をpHで調整して凝集を発生させ、凝集粒子を調整することができる。同時に粒子の凝集を安定に、また迅速に、より狭い粒度分布を持つ凝集粒子を得る方法ために、凝集剤を添加してもよい。
前記凝集剤としては、一価以上の電荷を有する化合物が好ましく、例えば、前記のイオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤等の水溶性界面活性剤類、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、シュウ酸等の酸類、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸アンモニウム、硝酸アルミニウム、硝酸銀、硫酸銅、炭酸ナトリウム等の無機酸の金属塩、酢酸ナトリウム、蟻酸カリウム、シュウ酸ナトリウム、フタル酸ナトリウム、サリチル酸カリウム等の脂肪族酸、芳香族酸の金属塩、ナトリウムフェノレート等のフェノール類の金属塩、アミノ酸の金属塩、トリエタノールアミン塩酸塩、アニリン塩酸塩等の脂肪族、芳香族アミン類の無機酸塩類等が挙げられる。凝集粒子の安定性、凝集剤の熱や経時に対する安定性、洗浄時の除去を考慮するときに、無機酸の金属塩が性能、使用の点で好ましい。
場合は3質量%以下、二価の場合は1質量%以下、三価の場合は0.5質量%以下程度で
ある。凝集剤の添加量は少ない方が好ましく、価数の多い化合物の方が添加量を少なくす
ることができるので好適である。
前記融合工程は、凝集粒子分散液における凝集粒子を加熱融合してトナー粒子を形成し、該トナー粒子を含むトナー粒子分散液を調製する工程である。前記融合工程においては、凝集粒子中の樹脂のガラス転移温度以上の温度に凝集粒子分散液を加熱して凝集粒子を溶融する。
前記洗浄工程は、トナー粒子分散液におけるトナー粒子を洗浄する工程である。
前記融合工程で融合されて得られた融合粒子(トナー粒子)は、水系媒体中に着色融合粒子分散液として存在しており、洗浄工程において、水系媒体から融合粒子(トナー粒子)を取り出すのと同時に、前記各工程において混入した不純物等を除去し、これを乾燥し、粉体としての静電荷像現像用トナーを得る。
前記洗浄工程においては、酸性又は塩基性の水を融合粒子(トナー粒子)に対して数倍の量で加えて攪拌した後、ろ過して固形分を得る。これに純水を固形分に対して数倍加えて攪拌した後、ろ過を行う。この操作をろ過後のろ液のpHが約7になるまで数回繰り返し、着色されたトナー粒子を得る。
前記加熱工程は、電気伝導度が0.1μS/cm〜500μS/cmであるトナー粒子分散液を加熱する工程である。
トナー粒子分散液を加熱する工程において、トナー粒子分散液は電気伝導度が0.1μS/cm〜500μS/cmであり、1μS/cm〜300μS/cmであることが好ましい。電気伝導度が0.1μS/cm未満である場合、トナー粒子分散液を作製することが困難であり、加熱時にトナー粒子の凝集が進み、所定粒径のトナーを得ることができない。また、電気伝導度が500μS/cmより大きい場合、トナー粒子分散液を加熱しても、トナーの融合を進めることができず、加熱時間が長くなってしまう。
トナー粒子分散液を加熱する工程において、トナー粒子分散液の電気伝導度を0.1μS/cm〜500μS/cmにすることで、トナーの凝集を防止し、更に加熱時間を短くすることができる。このことは、トナー材料を乳化するときに用いた乳化剤及び/又は湿潤剤によるものと考えられる。乳化剤及び/又は湿潤剤はトナー粒子界面の界面張力を下げる働きを持つことから、電気伝導度を0.1μS/cm〜500μS/cmにすることにより界面張力を上げ、樹脂微粒子分散液及び着色剤分散液を混合して作製された凝集粒子の融合を効率よく進めることができると推定される。
トナー粒子分散液の加熱温度は、加熱されるトナー粒子分散液におけるトナー粒子のガラス転移温度(Tg)より10℃低い温度以上であって、加熱されるトナー粒子分散液におけるトナー粒子のガラス転移温度(Tg)より10℃高い温度未満であることが好ましい。加熱されるトナー粒子分散液におけるトナー粒子のガラス転移温度(Tg)より10℃低い温度未満でトナー粒子分散液を加熱した場合、十分な加熱効果を得ることができず、トナーのBET比表面積(Sbet)と前記トナーの体積平均粒径(Dv)の比Sbet/Dvを2.0×105m/g以上4.0×105m/g未満にすることができない。また、トナーガラス転移温度(Tg)より10℃高い温度以上でトナー粒子分散液を加熱した場合、トナーの凝集が見られ、粒径分布の悪化が見られる。
前記ガラス転移温度(Tg)は、具体的に次のような手順で決定される。測定装置として島津製作所製TA−60WS、及びDSC−60を用い、次に示す測定条件で測定した。
サンプル容器:アルミニウム製サンプルパン(フタあり)
サンプル量:5mg
リファレンス:アルミニウム製サンプルパン(アルミナ10mg)
雰囲気:窒素(流量50mL/min)
温度条件
開始温度:20℃
昇温速度:10℃/min
終了温度:150℃
保持時間:なし
降温温度:10℃/min
終了温度:20℃
保持時間:なし
昇温速度:10℃/min
終了温度:150℃
前記その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、付着工程、乾燥工程などが挙げられる。
前記融合工程より前に、凝集粒子分散液にその他の微粒子分散液を添加混合して凝集粒子の表面に微粒子を均一に付着して付着粒子を形成する付着工程を設けることができる。
これらの付着粒子は、ヘテロ凝集等により形成される。この付着粒子分散液も上記と同様に樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)以上の温度に加熱して融合し、融合粒子を形成する。
前記乾燥工程においては、洗浄工程で得たトナー粒子をトナー粒子のガラス転移温度(Tg)未満の温度で乾燥する。この時必要に応じて、乾燥空気を循環させたり、真空条件下で加熱する等の方法がとられる。
トナーの製造方法として、少なくともトナー組成物又はトナー組成物前駆体を含む油相、又はモノマー相を、水系媒体に分散乃至乳化して造粒する乳化重合凝集法がある。前記乳化重合凝集法としては、例えば、乳化重合凝集融合法が挙げられる。前記乳化重合凝集融合法は、樹脂を乳化重合により作製し、乳化重合により作製された樹脂を、着色剤(顔料)、離型剤等の分散液とともにヘテロ凝集させ、その後、融合合一させるものであり、この乳化重合凝集融合法でトナーを製造すると、本発明の効果を奏するトナーを容易に得ることができる。
<<BET比表面積>>
トナー粒子のBET比表面積は、自動比表面積/細孔分布測定装置(TriStar3000:島津製作所製)を用いて計測した。サンプルセルに試料を約0.5g秤量し、これを前処理スマートプレップ(島津製作所製)にて24時間真空乾燥させ、試料表面の不純物、水分を取り除いた。前処理後のサンプルをTriStar3000にセットし、窒素ガス吸着量と相対圧の関係を求める。この関係からBET多点法によって試料のBET比表面積を求めることができる。
静電荷像現像用トナーの体積平均粒径は、1μm以上7μm未満であることが好ましい。
一般的には、トナーの粒子径は小さければ小さい程、高解像で高画質の画像を得るために有利であるが、逆に転写性やクリーニング性に対しては不利である。
体積平均粒径が1μm未満であると、二成分現像剤として用いた場合には、現像装置における長期の撹拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力を低下させることがあり、また、一成分現像剤として用いた場合には、現像ローラーへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するためのブレード等の部材へのトナーの融着を発生させやすくなることがある。
一方、体積平均粒径が7μm以上であると、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなると共に、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなることがある。
静電荷像現像用トナーのBET比表面積(Sbet)と体積平均粒径(Dv)との比(Sbet/Dv)は、2.0×105m/g以上4.0×105m/g未満であり、2.0×105m/g以上3.5×105m/g以下であることが好ましく、2.0×105m/g以上3.0×105m/g以下であることがより好ましい。Sbet/Dvが、2.0×105m/g未満であると、水中の加熱時のトナーの凝集が起こることがある。また、Sbet/Dvが4.0×105m/g以上であると、画像品質の低下が起こることがある。
静電荷像現像用トナーの体積平均粒径と個数平均粒径との比が1.00〜1.25であることが好ましく、1.00〜1.20であることがより好ましい。体積平均粒径と個数平均粒径との比が1.25よりも大きいと、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなると共に、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなることがある。
静電荷像現像用トナーは、特定の形状と形状の分布を有することが重要であり、平均円形度が、0.950以上0.975未満であることが好ましい。平均円形度が0.950未満で、球形からあまりに離れた不定形の形状のトナーでは、満足した転写性やチリのない高画質画像が得られないことがある。また、平均円形度が0.975以上であると、クリーニング不良を起こすことがある。
静電荷像現像用トナーを2成分系現像剤に用いる場合には、磁性キャリアと混合して用いればよく、現像剤中のキャリアとトナーの含有比は、キャリア100質量部に対してトナー1質量部〜10質量部が好ましい。
<樹脂エマルジョンの調整>
下記のモノマーを均一に混合し、モノマー混合液を作製する。
<<モノマー混合液>>
スチレンモノマー 68部
アクリル酸n−ブチル 28部
アクリル酸 4部
下記の水溶液混合物を反応機に入れ、攪拌下で70℃に加熱する。70℃に液の温度を保った攪拌状態で、上記モノマー混合液及び過硫酸カリウム1%水溶液5部をそれぞれ同時に4時間で滴下し、さらに70℃で2時間重合させて、固形分50%の樹脂エマルジョンを得た。
<<水溶液混合物>>
水 100部
ノニオン乳化剤(エマルゲン950) 1部
アニオン乳化剤(ネオゲンR) 1.5部
<樹脂微粒子の調整>
下記の分散液をディスパーを用いて25℃を保ち2時間攪拌した。
<<分散液>>
帯電制御剤(E−84、オリエント化学工業社製) 1部
アニオン乳化剤(ネオゲンR) 0.5部
水 310部
次いで、この分散液に前記樹脂エマルジョンを188部添加し、アンモニアによってpH7.0に調整し約2時間攪拌した後(凝集工程)60℃まで加熱し(融着工程)、分散スラリー1を得た。
分散スラリー1:100部を減圧濾過して、濾過ケーキを得た後、
(1)得られた濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過して、濾過ケーキを得た(洗浄工程)。
(2)(1)で得られた濾過ケーキに10%塩酸を加えPH2.8に調製し、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過して、濾過ケーキを得た(洗浄工程)。
(3)(2)で得られた濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過する操作を10回行い、濾過ケーキ1を得た(洗浄工程)。
(4)(3)で得られた濾過ケーキ1にイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)して、リスラリー液1を得た。リスラリー液1の電気伝導度の測定を行ったところ、0.15μS/cmであった。得られたリスラリー液1を濾過し、減圧乾燥機にて45℃で10時間乾燥してトナーを得た。得られたトナーのガラス転移温度(Tg)をDSCを用いて測定し、トナーの軟化点をフローテスター用いて測定した結果、Tgは53℃、軟化点は107℃であった。
(5)リスラリー液1を53℃に昇温し2時間加熱を行った(加熱工程)。
(6)(5)で加熱したリスラリー液1を濾過する操作を行い、濾過ケーキ2を得た。
(7)濾過ケーキ2を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、体積平均粒径が5.9μmのトナーを得た。更に、流動性付与剤としてR972(日本アエロジル社製のシリカ、平均一次粒子径:0.016μm)を得られたトナー100部に対し0.5部の割合で外添して[トナー1]を得た。
実施例1において、前記(3)の工程で、(2)で得られた濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過する操作を10回行う代わりに、1回行った以外は、実施例1と同様にして、[トナー2]を得た。
実施例1において、前記(3)の工程で、(2)で得られた濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過する操作を10回行う代わりに、8回行った以外は、実施例1と同様にして、[トナー3]を得た。
実施例1において、前記(3)の工程で、(2)で得られた濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過する操作を10回行う代わりに、3回行った以外は、実施例1と同様にして、[トナー4]を得た。
実施例1において、前記(3)の工程で、(2)で得られた濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過する操作を10回行う代わりに、2回行った以外は、実施例1と同様にして、[トナー5]を得た。
実施例1において、前記(3)の工程で、(2)で得られた濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過する操作を10回行う代わりに、5回行った以外は、実施例1と同様にして、[トナー6]を得た。
実施例6において、前記(5)の工程で、リスラリー液1を53℃に昇温する代わりに、60℃に昇温した以外は、実施例6と同様に[トナー7]を得た。
実施例1において、前記(3)の工程で、(2)で得られた濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過する操作を10回行うことを実施しなかった以外は、実施例1と同様にして、[トナー8]を得た。
実施例1〜7及び比較例1におけるリスラリー液1の電気伝導度は、電気伝導率計(「CM−30R」、東亜ディーケーケー社製)を用い測定を行った。
トナー1〜8の体積平均粒径(Dv)及び個数平均粒径(Dn)は、粒度測定器(「マルチサイザーIII」、ベックマンコールター社製)を用い、アパーチャー径100μmで測定し、解析ソフト(Beckman Coulter Multisizer 3 Version3.51)にて解析を行なった。具体的には、ガラス製100mLビーカーに10wt%界面活性剤(アルキルベンゼンスフォン酸塩ネオゲンSC−A;第一工業製薬性)を0.5mL添加し、各トナー0.5g添加しミクロスパーテルでかき混ぜ、次いでイオン交換水80mLを添加した。得られた分散液を超音波分散器(W−113MK−II本多電子社製)で10分間分散処理した。前記分散液を前記マルチサイザーIIIを用いて、測定用溶液としてアイソトンIII(ベックマンコールター製)を用いて測定を行なった。測定は装置が示す濃度が8±2%に成るように前記トナーサンプル分散液を滴下した。本測定法は粒径の測定再現性の点から前記濃度を8±2%にすることが重要である。この濃度範囲であれば粒径に誤差は生じない。
トナー1〜8のBET比表面積は、自動比表面積/細孔分布測定装置(TriStar3000:島津製作所製)を用いて計測した。サンプルセルに試料を約0.5g秤量し、これを前処理スマートプレップ(島津製作所製)にて24時間真空乾燥させ、試料表面の不純物、水分を取り除いた。前処理後のサンプルをTriStar3000にセットし、窒素ガス吸着量と相対圧の関係を求めた。この関係からBET多点法によって試料のBET比表面積を求めた。
トナー1〜8の平均円形度は、平均円形度SR=(粒子投影面積と同じ面積の円の周囲長/粒子投影像の周囲長)×100%で定義される。フロー式粒子像分析装置(「FPIA−2100」;シスメックス社製)を用いて計測し、解析ソフト(FPIA−2100 Data Processing Program for FPIA version00−10)を用いて解析を行なった。具体的には、ガラス製100mLビーカーに10wt%界面活性剤(アルキルベンゼンスフォン酸塩ネオゲンSC−A;第一工業製薬性)を0.1mL〜0.5mL添加し、各トナー0.1g〜0.5g添加しミクロスパーテルでかき混ぜ、次いでイオン交換水80mLを添加した。得られた分散液を超音波分散器(本多電子社製)で3分間分散処理した。前記分散液を前記FPIA−2100を用いて濃度を5,000個/μL〜15,000個/μLが得られるまでトナーの形状及び分布を測定した。本測定法は平均円形度の測定再現性の点から前記分散液濃度が5,000個/μL〜15,000個/μLにすることが重要である。前記分散液濃度を得るために前記分散液の条件、すなわち添加する界面活性剤量、トナー量を変更する必要がある。界面活性剤量は前述したトナー粒径の測定と同様にトナーの疎水性により必要量が異なり、多く添加すると泡によるノイズが発生し、少ないとトナーを十分にぬらすことができないため、分散が不十分となる。またトナー添加量は粒径により異なり、小粒径の場合は少なく、また大粒径の場合は多くする必要があり、トナー粒径が3μm〜7μmの場合、トナー量を0.1g〜0.5g添加することにより分散液濃度を5,000個/μL〜15,000個/μLにあわせることが可能となる。
リコー社製複写機IPSiO Color8000を使用し、各トナー1〜8についてスタート時と15万枚画像出し後の画像品質の変化、転写効率の平均のテストを行った。また、転写効率の測定に関しては、以下の式によりに行った。各付着トナー量は、剥離テープを用いて剥離テープ上にトナーを付着させ、その質量により評価した。
付着前のテープ質量をAとし、未転写像のトナーを付着させた後のテープ質量をBとし、転写後のトナーを付着させた後のテープ重量をCとすることで、
下記式で転写効率を計算した。
転写効率=(C−A)/(B−A)×100(%)
画像品質(ベタ均一性、細線再現性、ドット再現性、転写抜け)は変化の様子で次の5段階に判別した。
◎
:非常に良い ○:良い ●:普通 △:悪い ▽:非常に悪い
トナーの評価結果を表2に示す。
Claims (5)
- 少なくとも、樹脂微粒子分散液及び着色剤分散液を混合して凝集粒子を形成し、該凝集粒子を含む凝集粒子分散液を調製する凝集工程と、前記凝集粒子分散液における凝集粒子を加熱融合してトナー粒子を形成し、該トナー粒子を含むトナー粒子分散液を調製する融合工程と、前記トナー粒子分散液におけるトナー粒子を洗浄する洗浄工程と含む製造方法により製造される静電荷像現像用トナーにおいて、前記製造方法が、電気伝導度が0.1μS/cm〜500μS/cmであるトナー粒子分散液を加熱する加熱工程をさらに含み、前記加熱工程における前記トナー粒子分散液の加熱温度が、前記トナー粒子分散液におけるトナー粒子のガラス転移温度より10℃低い温度以上であって、前記トナー粒子分散液におけるトナー粒子のガラス転移温度より10℃高い温度以下であり、前記静電荷像現像用トナーのBET比表面積(Sbet)と体積平均粒径(Dv)との比(Sbet/Dv)が、2.0×105m/g以上4.0×105m/g未満であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
- 平均円形度が、0.950以上0.975未満である請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
- 体積平均粒径が、1.0μm以上7.0μm未満である請求項1から2のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
- 離型剤としてワックスを含有する請求項1から3のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
- 帯電制御剤を含有する請求項1から4のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
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