JP2001305779A - 電子写真用トナー、及びその製造方法、並びに二成分現像剤 - Google Patents

電子写真用トナー、及びその製造方法、並びに二成分現像剤

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和史 冨田
Hiroyuki Tanaka
浩之 田中
Hirotaka Matsuoka
弘高 松岡
Teigen Ri
廷原 李
Seiichi Takagi
高木  誠一
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発色性、定着性、OHP透過性、帯電性に優
れた電子写真用トナー、及びその製造方法、、並びに二
成分現像剤を提供すること。 【解決手段】 少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤、
及び無機微粒子を含有してなる電子写真用トナーであっ
て、該トナーの球形化度が100以上130以下であ
り、、該離型剤の平均粒径が0.1μm以上1μm以
下、且つ長径と短径との比が1.1以上10以下である
ことを特徴とする電子写真用トナー及びその製造方法、
並びに二成分現像剤である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法で用い
られる静電荷現像用のトナー、及びその製造方法、並び
に二成分現像剤に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法としては、米国特許第2,2
97,691号明細書、特公昭42−23910号公報
(米国特許第3,666,363号明細書)等に記載さ
れているように、多数の方法が知られているが、一般に
は光導電性物質を利用した感光体層に種々の手段を用い
電気的な潜像を形成する露光工程、トナーを用いて現像
する工程、トナーを紙等の記録材に転写する工程、該ト
ナー画像を加熱、圧力、熱圧あるいは溶剤蒸気などによ
り記録材に定着する工程、感光体層に残存したトナーを
除去する工程といった基本工程から成り立っている。
【0003】近年、電子写真を用いた複写機或いはプリ
ンターを、安価にかつ小型化にしたいと行った要求が高
まりつつあるが、このような複写機或いはプリンターを
設計する上で、定着方式を簡素化することが重要であ
る。トナーを紙に定着させる手段としては、現在熱ロー
ル定着法が最も一般的に用いられている。
【0004】モノクロの複写機或いはプリンターの機械
では、定着機(熱ロール)にオイル供給の必要の無いシ
ステム(以下、「オイルレス定着」ということある)が
一般的であるが、カラートナーにおいては、いまだロー
ルへのオフセットを防止する目的で、オイルを供給する
手段が必須であり、これが小型で安価なシステムを設計
する上での阻害因子になっている。この理由は、カラー
トナーの中で取り分けシアン、イエロー、マゼンタトナ
ーを用い、鮮明なカラーの多色像を得る必要があるフル
カラーのシステムでは、それぞれのトナー層を充分に熱
溶融させる必要が在り、このため熱ロールの定着温度
を、通常、紙に定着させる温度以上に充分に上昇させな
ければならないからである。このような複数回の現像を
行い、定着工程として同一支持体上に色の異なる数種類
のトナー層の重ねあわせを必要とするカラー電子写真画
像では、カラートナーが持つべき定着特性は極めて重要
である。すなわち、定着したカラートナーは、トナー粒
子による乱反射をできるだけ抑え、適度の光沢性が必要
である。トナーとしては、定着時に急激に溶融し、画像
表面が平滑になる樹脂として、低分子量化しても十分な
可とう性を有するポリエステルがよく用いられる。しか
しながらこうした内部凝集力が弱い、カラートナー用の
ポリエステル樹脂は、溶融時にロールから剥離しずらく
ポリエステルを用いたカラートナーで、高温度でのオフ
セットを解決するものやオイル塗布の必要無いトナーを
得ることは重要であり、カラートナーにワックスなどの
離型剤を含有させることが必要である。
【0005】しかし、ワックスを多用すると、ワックス
の溶融むらや経時でヒートロールに残留したワックスむ
らによりOHPでの透過性が低下したり、発色にむらが
生じるといった問題が起こったり、現像器内でトナーに
十分な帯電性を与えるために攪拌すると壊れやすいとい
う問題が生じる。一方低融点のワックスを少量用いるト
ナーが、トナー成分を溶解した油性成分液を水性媒体中
で粒子化し、溶媒除去後粉体化する、いわゆる液中乾燥
方法により作製可能であるが、トナー内部にさらに定着
器に巻きつきを起こさないように定着像支持体を強制的
に剥離させるためのフィンガーを設けることが必要で、
十分な発色性を得るために定着温度を上げると、定着像
が剥離フィンガーと接触し画質が低下しやすいという問
題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来に
おける諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課
題とする。即ち、本発明の目的は、発色性、定着性、O
HP透過性、帯電性に優れた電子写真用トナー、及びそ
の製造方法、並びに二成分現像剤を提供することであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題は、以下の手段
により解決される。即ち、本発明は、 <1>少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤、及び無機
微粒子を含有してなる電子写真用トナーであって、該ト
ナーの球形化度が100以上130以下であり、該離型
剤の平均粒径が0.1μm以上1μm以下、且つ長径と
短径との比が1.1以上10以下であることを特徴とす
る電子写真用トナーである。
【0008】<2>前記<1>に記載の電子写真用トナ
ーの製造方法であって、結着樹脂を可溶させる有機溶媒
中に、結着樹脂、着色剤、離型剤、及び無機微粒子を混
合して、油性成分を調整する工程と、該油性成分を水性
媒体中に懸濁させ、粒子化して懸濁液を調整する工程
と、該懸濁液から有機溶媒を除去する工程と、を有する
ことを特徴とする電子写真用トナーの製造方法である。
【0009】<3>キャリアとトナーとを含有してなる
二成分現像剤において、該トナーが前記<1>に記載の
電子写真用トナーであることを特徴とする二成分現像剤
である。
【0010】
【発明の実施の形態】(電子写真用トナー)本発明の電
子写真用トナーは、少なくとも結着樹脂、着色剤、離型
剤、及び無機微粒子を含有してなり、該トナーの球形化
度が100以上130以下であり、該離型剤の平均粒径
が0.1μm以上1μm以下、且つ長径と短径との比が
1.1以上10以下である。本発明の電子写真用トナー
は、上記球形化度を特定の範囲とし、さらに特定の平均
粒径及び特定の長径/短径比を有する離型剤を用いるこ
とで、発色性、定着性、OHP透過性、帯電性に優れ、
特に、定着ロール等の定着機から容易に剥離することが
でき、中間色の発色性(再現性)に優れる。以下、各材
料について詳しく説明する。
【0011】結着樹脂としては、公知の定着用樹脂を用
いることができ、具体的には、アルコール成分とカルボ
ン酸成分との縮合重合によって得られるポリエステル
(アルコール成分としては、例えばエチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタ
ンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、シ
クロヘキサンジメタノール、キシリレングリコール、ジ
プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ビ
スフェノールA、水添ビスフェノールA、ビスフェノー
ルAエチレンオキサイド、ビスフェノールAプロピレン
オキサイド、ソルビトール、グリセリンなどの2価以上
のアルコールおよびアルコール誘導体等:カルボン酸成
分としては、例えばマレイン酸、フマール酸、フタル
酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン
酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、シクロペンタン
ジカルボン酸、無水コハク酸、無水トリメリット酸、無
水マレイン、酸ドデセニル無水コハク酸などの2価以上
のカルボン酸、カルボン酸誘導体や無水カルボン酸な
ど:なお、アルコール成分およびカルボン酸成分はそれ
ぞれ2種類以上、組み合せてもかまわない)、メタクリ
ル酸エステル重合体(例えばポリアクリル酸メチル、ポ
リアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル、ポリアク
リル酸2−エチルヘキシル、ポリアクリル酸ラウリル等
のアクリル酸エステル重合体、ポリメタクリル酸メチ
ル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリメタクリル酸ヘキシ
ル、ポリメタクリル酸2−エチルヘキシル、ポリメタク
リル酸ラウリル等)、アクリル酸エステルとメタアクリ
ル酸エステルとの共重合体、スチレン系モノマーとアク
リル酸エステル若しくはメタクリル酸エステルとの共重
合体、エチレン系重合体(例えばポリ酢酸ビニル、ポリ
プロピオン酸ビニル、ポリ酪酸ビニル、ポリエチレン及
びポリプロピレン等)およびその共重合体、スチレン系
共重合体(例えばスチレン・ブタジエン共重合体、スチ
レン・イソプレン共重合体、スチレン・マレイン酸共重
合体など)、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、
ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ゴム類、エ
ポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ロジン、変成ロジ
ン、テルペン樹脂、フェノール樹脂などが挙げられる。
これらの中でも、特にポリエステルが好ましい。これら
は単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
【0012】結着樹脂は、その角速度100rad/s
ecでの、温度130℃における動的粘弾性の力学正接
損失(tanδ)が、1.8〜3.3であることが好ま
しく、より好ましくは2.5〜3.0であり、さらに好
ましくは2.7〜2.9である。この力学正接損失(t
anδ)が1.8未満のとき、定着画像の光沢が低くな
り、発色性が低下することがある。一方3.3を超える
と、定着機への転写媒体(例えば紙等)の巻き付きが発
生し易くなる。従って、力学正接損失(tanδ)を上
記範囲とすることで、発色性と定着性とを両立できるよ
うになる。
【0013】ここで、力学正接損失(tanδ)とは、
損失弾性率(G’’)を貯蔵弾性率(G’)で割った値
であり、例えば、レオメトリック社製レオメータRDA
2により測定することができる。
【0014】着色剤としては、公知の顔料等を用いるこ
とができる。顔料としては、公知の有機若しくは無機の
顔料が挙げられ、例えば、カーボンブラック(例えばフ
ァーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブ
ラック、サーマルブラック等)、無機顔料(例えばベン
ガラ、紺青、酸化チタン等)、アゾ顔料(例えばファス
トイエロー、ジスアゾイエロー、ピラゾロンレッド、キ
レートレッド、ブリリアントカーミン、パラブラウン、
ベンズイミダゾロン等)、フタロシアニン顔料(例えば
銅フタロシアニン、無金属フタロシアニン等)、縮合多
環系顔料(例えばフラバントロンイエロー、ジブロモア
ントロンオレンジ、ペリレンレッド、キナクリドンレッ
ド、ジオキサジンバイオレット等)、カーミンレーキ顔
料などが挙げられる。
【0015】顔料としては、特にC.I.ピグメントイ
エロー93、C.I.ピグメントイエロー180、C.
I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブ
ルー15:4、C.I.ピグメントレッド122、C.
I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレ
ッド185、カーボンブラックであることが、中間色の
再現性の観点から好適である。
【0016】顔料は、その分散状態を安定に保つ目的
で、顔料分散剤と併用することが好ましい。顔料分散剤
として具体的には、EFKA47、EFKA4009、
EFKA4010(変性ポリウレタン:EFKA CH
EMICALS社製)、アジスパーPB711、アジス
パーPB411、アジスパーPA111(味の素(株)
製)、ディスパロンDA−703−50、ディスパロン
DA−705、ディスパロンDA−725、ディスパロ
ンDA−400N(ポリエステル:楠本化成(株)製)
などが挙げられる。
【0017】顔料は、顔料分散剤とより強固な結合をさ
せて、顔料の分散をより安定化させる目的で、顔料誘導
体等を併用したり、表面処理を行った顔料を用いたりす
ることが好ましい。顔料誘導体として具体的には、ジメ
チルアミノエチルキナクリドン、ジヒドロキナクリド
ン、アントラキノンのスルホン酸誘導体、アントラキノ
ンのカルボン酸誘導体、ソルスパース5000,ソルス
パース12000,ソルスパース22000(ゼネカ社
製)、EFKA−745、LP6750(EFKA C
hemicals社製)などが挙げられる。また、顔料
の表面処理剤としては、天然ロジン(例えばガムロジ
ン、ウッドロジン、トールロジン等)、アビエチン酸誘
導体(例えばアビエチン酸、レボピマル酸、デキストロ
ピマル酸等)とそれらの金属塩(例えばカルシウム塩、
ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩等)、ロジ
ン・マレイン酸樹脂、ロジン・フェノール樹脂等が挙げ
られる。顔料誘導体量又は顔料表面処理剤量としては、
顔料に対して0.1〜100重量%が好ましく、より好
ましくは0.1〜10重量%である。
【0018】着色剤は、本発明の電子写真用トナーを磁
性一成分トナーとして用いる場合、黒色着色剤の全部又
は一部を磁性粉で置き換えることができる。磁性粉とし
ては、金属単体(例えばマグネタイト、フェライト、又
はコバルト、鉄、ニッケル等)、及びそれらの合金が挙
げられる。
【0019】着色剤の含有量は、結着樹脂100重量部
に対して1〜50重量部程度であることが好ましく、よ
り好ましくは2〜20重量部である。
【0020】離型剤は、その平均粒径(分散粒径)が
0.1μm以上1μm以下であり、好ましくは0.3μ
m以上0.8μm以下である。この平均粒径が0.1μ
m未満であると、定着時に離型剤が効果的に作用せず、
定着機への転写媒体の巻き付きが発生する。一方1μm
を超えると、OHP透過性、発色性が低下する。
【0021】離型剤の平均粒径は、トナー断面の透過型
電子顕微鏡観察から、倍率10000倍に拡大した離型
剤微粒子像を50個無作為にサンプリングし、各々、
(離型剤の長径+短径)/2を計測し、50個の平均に
より算出された値である。
【0022】離型剤は、その長径と短径との比が1.1
以上10以下であり、好ましくは1.2以上5以下であ
る。この長径/短径比が1.1未満であると、離型剤が
定着時に染み出し難く、定着機への定着媒体の巻き付き
が発生する。一方、10を超えると、OHP透過性、発
色性が低下する。
【0023】離型剤の長径/短径比は、トナー断面の透
過型電子顕微鏡観察から、倍率10000倍に拡大した
離型剤微粒子像を50個無作為にサンプリングし、各々
の長径/短径比を測定し、50個の平均により算出され
た値である。
【0024】離型剤の微粒子化の方法としては、メディ
ア式ミルで離型剤を有機溶媒中で湿式粉砕して微粒子化
する方法、離型剤を有機溶媒中に溶解させた後、冷却析
出させて微粒子化させる方法、あるいは離型剤を気相中
で蒸発させて、微粒子化させる方法が挙げられる。ここ
で用いられる有機溶媒は、後述する結着樹脂を溶解する
際に用いる有機溶媒と必ずしも同一である必要はない。
この有機溶媒の量は、離型剤1重量部に対して、0.1
〜20重量部が好ましい。離型剤の溶解方法としては、
加熱、加圧などして行うことができる。また、離型剤を
気相中で蒸発させて、微粒子化させる方法においては、
気相として、ヘリウム、アルゴン、窒素の不活性ガスを
用い、離型剤を100℃〜400℃の温度に加熱し、
1.333〜1333Pa(0.01〜10torr)
の減圧下で蒸発させて、蒸発した離型剤微粒子を冷却し
た基体に付着させた後、かきとる或いは溶剤に分散させ
るなどして、特定の形状を有する微粒子を得ることがで
きる。本方法では、温度および減圧度を調整すること
で、分子量分布の狭い留分を分離することも可能であ
る。
【0025】離型剤として具体的には、石油ワックス
(例えばパラフィンワックス、酸化パラフィンワック
ス、マイクロクリスタリンワックスなど)、鉱物ワック
ス(例えばモンタンワックスなど)、動植物ワックス
(例えばみつろう、カルナバワックスなど)、合成ワッ
クス(例えばポリオレフィンワックス、酸化ポリオレフ
ィンワックス、フィッシャートロプシュワックスなど)
等が挙げられる。これらの中でも、パラフィンワックス
が好ましい。これら離型剤は単独で用いてもよいし、2
種以上併用してもよい。
【0026】離型剤の融点は、50℃〜110℃である
ことが好ましく、より好ましくは60℃〜100℃であ
る。特に、離型剤としては、融点50〜110℃のパラ
フィンワックスが好ましい。
【0027】離型剤の含有量は、結着樹脂100重量部
に対して0.5〜10重量部程度であることが好まし
く、より好ましくは1〜7重量部である。
【0028】無機微粒子としては、例えば金属塩(例え
ば炭酸カルシウム、リン酸三カルシウム、硫酸バリウム
など)、金属酸化物(例えば酸化けい素、酸化チタン、
酸化アルミニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ストロ
ンチウム、チタン酸カルシウム、酸化セリウム、酸化ジ
ルコニウム、酸化マグネシウムなど)、セラミック等が
挙げられる。これらの中でも、発色性、OHP透過性が
良好な、酸化けい素などの結着樹脂との屈折率差が小さ
い無機微粒子が好ましい。これら無機微粒子は単独で用
いてもよいし、2種以上併用してもよい。なお、ここで
いう無機微粒子とは、トナー粒子中に含有させる、いわ
ゆる内添させるものを示す。
【0029】無機微粒子は、通常、親油性が弱いと、ト
ナー粒子中への取り込み率が小さくなる傾向にあるた
め、製造工程中でトナー粒子中からの脱離を防止する目
的で、疎水性に表面処理させたものを用いることが好ま
しい。このような疎水性に表面処理剤としては、カップ
リング剤等が挙げられる。カップリング剤として具体的
には、メチルトリクロロシラン、メチルジクロロシラ
ン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラ
ン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシ
ラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラ
ン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシ
シラン、ジフェニルジメトキシシラン、テトラエトキシ
シラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキ
シシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジ
エトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、デシ
ルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、N,
N−(ビストリメチルシリル)アセトアミド、N,N−
ビス(トリメチルシリル)ウレア、tert−ブチルジ
メチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニル
トリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γー
メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、βー
(3.4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシ
シラン、γーグリシドキシプリピルトリメトキシシラ
ン、γーグリシドキシプリピルメチルジエトキシシラ
ン、γーメルカプトプロピルトリメトキシシラン、γー
クロロプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリ
ング剤やチタンカップリング剤等が挙げられる。特に、
無機微粒子として、このような疎水化処理した酸化けい
素を用いることが好ましい。
【0030】無機微粒子の平均粒径は、4nm以上50
0nm以下であることが好ましく、特に好ましくは6n
m以上50nm以下である。この粒径が上記範囲外であ
ると、十分な定着性が得られない場合がある。
【0031】無機微粒子の含有量(内添量)は、トナー
100重量部に対し1重量部以上20重量部以下である
ことが好ましく、特に好ましくは2重量部以上10重量
部以下である。この含有量が上記範囲外であると、定着
性が不十分となる場合がある。
【0032】本発明の電子写真用トナーは、その球形化
度が100以上130以下であり、好ましくは100以
上120以下である。この球形化度が130を超える
と、感光体とトナーの接触面積が増えるため、転写性が
低下し、良好な発色性、特に中間色の再現性が低下す
る。また、トナー形状が不均となり、トナーの溶融温度
にバラツキが生じるためか、定着機への定着媒体の巻き
付きが発生する。
【0033】ここで、球形化度とは、例えば日立製作所
FE−SEM(S=800)を用い、倍率500倍に拡
大したトナー像を100個無作為にサンプリングし、そ
の画像情報をインターフェイスを介して、例えばニレコ
社製画像解析装置(Luzex III)に導入し解析
を行い、下記式(1)により、算出して得られた値(形
状係数値MSL2)の平均値である。なお、通常の混練
粉砕法で作製したトナーの形状は不定形であり、MLS
2は140〜160程度である。
【0034】式(1) MSL2=(トナー粒子の最大長)2/(トナー粒子の
投影面積)×π×1/4×100
【0035】本発明の電子写真用トナーは、その角速度
100rad/sec、温度130℃〜190℃におけ
る動的粘弾性の力学正接損失(tanδ)の最大値が、
2.1以下であることが好ましく、より好ましくは、
1.7以下である。この力学正接損失(tanδ)の最
大値が2.1を超えると、定着機への定着媒体の巻き付
きが発生し易くなり、剥離爪の跡による画像劣化が生じ
易くなる。なお、力学正接損失(tanδ)とは上述の
通りである。
【0036】本発明の電子写真用トナーは、その平均粒
径が、3μm〜10μmであることが好ましい。この平
均粒径は、コールターカウンター社製粒度測定機Mul
tisizer(アパーチャー径50μm、体積平均
径)を用いて測定した値である。
【0037】本発明の電子写真用トナーには、上記各材
料の他に帯電制御剤(内添剤)、無機微粒子(外添剤)
等を含有してもよい。
【0038】帯電制御剤としては、従来現像剤に用いら
れたものが使用できるが、具体的には。ゼログラフィー
用粉体トナーに於て使用されている安息香酸の金属塩、
サリチル酸の金属塩、アルキルサリチル酸の金属塩、カ
テコールの金属塩、含金属ビスアゾ染料、テトラフェニ
ルボレート誘導体、第四級アンモニウム塩、アルキルピ
リジニウム塩からなる群より選ばれる化合物、極性基を
含有したレジンタイプの帯電制御剤、さらにこれらの適
宣組合せたものが好適に挙げられる。これら帯電制御剤
の添加量(内添量)としては、一般にトナー固形分に対
して10重量%以下程度が好ましい。
【0039】無機微粒子(外添剤)は、トナーの流動性
などを与えるために、トナー表面に添加されるものであ
り、具体的には、金属塩、樹脂、酸化けい素、酸化チタ
ン、酸化アルミニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ス
トロンチウム、チタン酸カルシウム、酸化セリウム、酸
化ジルコニウム、酸化マグネシウム、などの金属酸化
物、セラミック、カーボンブラック等が挙げられる。
【0040】無機微粒子(外添剤)は、帯電性等を制御
する目的で、疎水性に表面処理させたものを用いること
が好ましい。このような疎水性に表面処理剤としては、
カップリング剤等が挙げられる。カップリング剤として
具体的には、上述と同様なものが挙げられる。
【0041】本発明の電子写真用トナーは、定着機(熱
ロール)にオイル供給の必要の無いシステム、いわゆる
オイルレス定着機構を備える画像形成装置、或いは画像
形成方法に好適に適応させることができる。
【0042】本発明の電子写真用トナーは、球形化度、
離型剤の粒径等が上記条件を満たす限り、特に制限なく
得ることができるが、下記本発明の電子写真用トナーの
製造方法により得ることが好ましい。
【0043】(電子写真用トナーの製造方法)本発明の
電子写真用トナーの製造方法は、結着樹脂を可溶させる
有機溶媒中に、結着樹脂、着色剤、離型剤、及び無機微
粒子を混合して、油性成分を調整する工程(以下、「混
合工程」という)と、該油性成分を水性媒体中に懸濁さ
せ、粒子化して懸濁液を調整する工程(以下、「懸濁工
程」という)と、該懸濁液から有機溶媒を除去する工程
(以下、「溶媒除去工程」という)と、を有する製造方
法である。ここで用いる各材料は、上記本発明の電子写
真用トナーで挙げたものと同様なものを用いる。また、
各工程間に、その他の工程を適宜行ってもよい。
【0044】混合工程は、結着樹脂を可溶させる有機溶
媒中に、結着樹脂、着色剤分散液、離型剤分散液、無機
微粒子、及び必要に応じてその他の添加剤を混合して、
油性成分を調整するが、この有機溶媒としては、一般の
有機溶媒が用いられ、具体的には、トルエン、キシレン
等の炭化水素、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロ
エタン等のハロゲン化炭化水素、テトラヒドロフラン等
のエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等
のエステル類、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン
等のケトン類等が挙げられる。これら有機溶媒は単独で
用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
【0045】混合工程において、着色剤はそのまま、他
の材料と共に有機溶媒中に混合してもよいが、予め着色
剤を分散させた着色剤分散液を用いることが好ましい。
この着色剤分散液は、例えば、サンドミル、ボールミ
ル、アトライター、コボールミル等のメディア式分散
機、三本ロールミル等のロールミル、ナノマイザー等の
キャビテーションミル、コロイドミルなどを用いて、上
記有機溶媒に着色剤を分散することで得ることができ
る。また、この際、必要に応じて、顔料分散剤、顔料誘
導体等のその他の添加物も分散される。着色剤分散液調
整時に適度なせん断力を加えるために、前記結着樹脂を
一部添加して粘度を調製してもよい。なお、ここで用い
る有機溶剤は、油性成分を調整する際に用いる有機溶媒
と必ずしも同一である必要はない。
【0046】混合工程において、離型剤は、上述のよう
に特定の平均粒径及び特定の長径/短径比を有する微粒
子化したものを用いることが好ましく、離型剤微粒子を
そのまま、他の材料と共に有機溶媒中に混合してもよい
が、予め離型剤を分散させた離型剤分散液を用いること
もできる。この離型剤分散液は、例えば、着色剤同様に
有機溶媒に微粒子化した離型剤を分散させることで得る
ことができる。なお、ここで用いる有機溶剤は、油性成
分を調整する際に用いる有機溶媒と必ずしも同一である
必要はない。
【0047】混合工程において、無機微粒子は、着色剤
及び離型剤同様に、そのまま、他の材料と共に有機溶媒
中に混合してもよいが、予め無機微粒子を分散させた無
機微粒子分散液を用いることもできる。この無機微粒子
分散液は、例えば、着色剤同様に有機溶媒に無機微粒子
を分散させることで得ることができる。なお、ここで用
いる有機溶剤は、油性成分を調整する際に用いる有機溶
媒と必ずしも同一である必要はない。
【0048】混合工程において、油性成分を調整する際
の混合(攪拌)には、ホモジナイザー、コロイドミル等
のローターステーター型攪拌機、ディゾルバー等のイン
ペラー型攪拌機、超音波攪拌機などが用いられる。
【0049】懸濁工程においては、上記混合工程により
得られた油性成分を、水性媒体中に懸濁させ、粒子化し
て懸濁液を調整するが、該水性媒体としては、主として
水が用いられ、また、水溶性溶媒を併用しても構わな
い。この水溶性溶媒としては、メチルアルコール、エチ
ルアルコール、アセトン、酢酸エチル等が挙げられ、こ
れらは、水に溶解する範囲内で用いることができる。
【0050】懸濁工程においては、油性成分を水性媒体
中に分散安定化させるために、分散安定剤を用いること
が好ましい。このような分散安定剤としては、無機微粒
子、水溶性高分子が挙げられる。この無機微粒子として
は、リン酸三カルシウム、ヒドロキシアパタイト、炭酸
カルシウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化
マグネシウム、硫酸バリウム、酸化珪素等が挙げられ
る。水溶性高分子としては、セルロース、ヒドロキシプ
ロピルメチルセルロース、メチルセルロース、カルボキ
シメチルセルロース、デンプン、ポリビニルアルコー
ル、ポリアクリル酸などが挙げられる。分散安定剤量
は、水性媒体100重量部に対して、1〜30重量部が
好ましい。また、分散安定剤として用いる無機微粒子の
平均粒径は1μm以下が好ましい。
【0051】溶媒除去工程においては、該懸濁液から有
機溶媒を除去することで、粒子化したトナーを得ること
ができる。また、該懸濁液に貧溶媒を添加して、トナー
(粒子)を析出させた後、有機溶媒の除去を行ってもよ
い。貧溶媒としては、メタノール、エタノール等が挙げ
られる。
【0052】以上の工程を経て得られたトナーは、ろ過
等により、取り出された後、通常、水洗、乾燥、分級さ
れる。ここで、乾燥には、通気乾燥装置、噴霧乾燥装
置、回転乾燥装置、気流乾燥装置、流動層乾燥装置、伝
熱加熱型乾燥装置、凍結乾燥装置など、公知の装置を用
いて行われる。
【0053】本発明の電子写真用トナーの製造方法にお
いては、必要に応じて、無機微粒子等の外添剤が添加さ
れるが、この外添剤の添加方法としては、トナーの乾燥
後、Vブレンダー、ヘンシエルミキサー等の混合機を用
いて、乾式でトナー表面に外添剤を付着させてもよい
し、水性媒体中に懸濁させ、粒子化した後、スラリー状
態のトナー(懸濁液)に添加し乾燥させトナー表面に外
添剤を付着させてもよいし、また、外添剤にスラリー状
のトナー(懸濁液)をスプレーしながら乾燥して、トナ
ー表面に外添剤を付着させてもよい。
【0054】本発明の電子写真用トナーの製造方法によ
り、前記本発明の電子写真用トナーを得ることができ
る。
【0055】(二成分現像剤)本発明の二成分現像剤
は、キャリアと前記本発明の電子写真用トナーとを含有
してなる。キャリアとしては、特に制限はなく、従来公
知のものを用いることができる。
【実施例】以下、本発明を、実施例を挙げてさらに具体
的に説明する。ただし、これら各実施例は、本発明を制
限するものではない。
【0056】(実施例1)C.I.ピグメントイエロー
180(75重量部)と、酢酸エチル412.4重量部
と、溶媒除去したディスパロンDA−703−50(ポ
リエステル酸アマイドアミン塩、楠本化成(株)社製)
12.6重量部とをDCPミルを用いて溶解/分散し、
顔料分散液を作製した。
【0057】パラフィンワックス(融点75℃)30重
量部と、酢酸エチル270重量部とを、DCPミルを用
い5℃に冷却した状態で、湿式粉砕し、ワックス(離型
剤)分散液を作製した。
【0058】ビスフェノールAプロピレンオキサイド付
加物と、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物
と、テレフタル酸誘導体からなるポリエステル樹脂(M
w50000:Mn3000:酸価15mgKOH/
g:水酸基価27mgKOH/g:Tg65℃:軟化点
112℃:130℃での力学正接損失2.8)300重
量部と、上記顔料分散液267重量部と、上記ワックス
分散液400重量部と、疎水性酸化けい素微粒子(アエ
ロジル社製R972、平均粒径約16nm)20重量部
とを、混合し均一になるまでよく撹拌した(この液をA
液とした)。一方、炭酸カルシウム40重量部と、水6
0重量部に分散した炭酸カルシウム分散液124重量部
と、セロゲンBS−H(第一工業製薬(株))の2%水
溶液99重量部と、水157重量部とをホモジナイザー
(ウルトラタラックス:IKA社製)を用いて3分間攪
拌した(この液をB液とした)。
【0059】さらにホモジナイザー(ウルトラタラック
ス:IKA社製)を用いて前記B液345重量部と前記
A液250重量部とを10000rpmで1分間攪拌し
混合液を懸濁した後、0.3%アンモニア水110重量
部を加え、室温、常圧で48時間プロペラ型攪拌機で攪
拌し溶媒を除去した。次に塩酸を加えて、炭酸カルシウ
ムを除去した後、水洗、乾燥、分級してトナーを得た。
【0060】次に、このトナー100重量部に平均粒径
40nmのシリコンオイル処理酸化珪素微粒子(RY5
0:日本エアロジル社製)1.3重量部、平均粒径10
0nmの爆燃法酸化珪素微粒子(KMP−105:信越
化学社製の分級物)2重量部、平均粒径20nmの酸化
チタン(MT150AW:テイカ(株)製)をデシルト
リメトキシシラン20%で処理した微粒子1.5重量部
をサンプルミルで混合しトナーを作製した。
【0061】(実施例2)カーボンブラック125重量
部と、酢酸エチル356.2重量部と、溶媒除去したデ
ィスパロンDA−703−50(ポリエステル酸アマイ
ドアミン塩、楠本化成(株)社製)18.8重量部とを
DCPミルを用いて溶解/分散し、顔料分散液を作製し
た。
【0062】パラフィンワックス(融点89℃)30重
量部と、酢酸エチル270重量部とをDCPミルを用い
5℃に冷却した状態で、湿式粉砕し、ワックス(離型
剤)分散液を作製した。
【0063】ビスフェノールAプロピレンオキサイド付
加物と、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物
と、テレフタル酸誘導体からなるポリエステル樹脂(M
w50000:Mn3000:酸価15mgKOH/
g:水酸基価27mgKOH/g:Tg65℃:軟化点
112℃:130℃での力学正接損失2.8)425重
量部と、顔料分散液100重量部と、ワックス分散液2
50重量部と、疎水性酸化けい素微粒子(アエロジル社
製R812、平均粒径約7nm)25重量部と、を混合
し均一になるまでよく撹拌した(この液をA液とし
た)。一方、炭酸カルシウム40重量部と、水60重量
部に分散した炭酸カルシウム分散液124重量部と、セ
ロゲンBS−H(第一工業製薬(株))の2%水溶液9
9重量部と、水157重量部と、をホモジナイザー(ウ
ルトラタラックス:IKA社製)を用いて3分間攪拌し
た(この液をB液とした)。
【0064】さらにホモジナイザー(ウルトラタラック
ス:IKA社製)を用いて前記B液345重量部と前記
A液250重量部と、を10000rpmで1分間攪拌
し混合液を懸濁した後、0.3%アンモニア水110重
量部を加え、室温、常圧で48時間プロペラ型攪拌機で
攪拌し溶媒を除去した。次に塩酸を加えて、炭酸カルシ
ウムを除去した後、水洗、乾燥、分級してトナーを得
た。
【0065】次に、このトナー100重量部に平均粒径
40nmのシリコンオイル処理酸化珪素微粒子(RY5
0:日本エアロジル社製)1.3重量部と、平均粒径1
00nmの爆燃法酸化珪素微粒子(KMP−105:信
越化学社製の分級物)2重量部と、平均粒径20nmの
酸化チタン(MT150AW:テイカ(株)製)をデシ
ルトリメトキシシラン20%で処理した微粒子1.5重
量部とをサンプルミルで混合しトナーを作製した。
【0066】(実施例3)C.I.ピグメントブルー1
5:4(100重量部)と、酢酸エチル380重量部
と、溶媒除去したディスパロンDA−703−50(ポ
リエステル酸アマイドアミン塩、楠本化成(株)社製)
20重量部とを、DCPミルを用いて溶解/分散し、顔
料分散液を作製した。
【0067】パラフィンワックス(融点89℃)30重
量部と酢酸エチル270重量部をDCPミルを用い5℃
に冷却した状態で、湿式粉砕し、ワックス(離型剤)分
散液を作製した。
【0068】ビスフェノールAプロピレンオキサイド付
加物と、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物
と、テレフタル酸誘導体からなるポリエステル樹脂(M
w50000:Mn3000:酸価15mgKOH/
g:水酸基価27mgKOH/g:Tg65℃:軟化点
112℃:130℃での力学正接損失最大値2.8)4
28重量部と、顔料分散液113重量部と、ワックス分
散液250重量部と、疎水性酸化けい素微粒子(アエロ
ジル社製R816、平均粒径約7nm)25重量部と、
酢酸エチル180重量部と、を混合し均一になるまでよ
く撹拌した(この液をA液とした)。一方、炭酸カルシ
ウム40重量部と、水60重量部に分散した炭酸カルシ
ウム分散液124重量部と、セロゲンBS−H(第一工
業製薬(株))の2%水溶液99重量部と、水157重
量部と、をホモジナイザー(ウルトラタラックス:IK
A社製)を用いて3分間攪拌した(この液をB液とし
た)。
【0069】さらにホモジナイザー(ウルトラタラック
ス:IKA社製)を用いて前記B液345重量部と前記
A液250重量部と、を10000rpmで1分間攪拌
し混合液を懸濁した後、0.3%アンモニア水110重
量部を加え、室温、常圧で48時間プロペラ型攪拌機で
攪拌し溶媒を除去した。次に塩酸を加えて、炭酸カルシ
ウムを除去した後、水洗、乾燥、分級してトナーを得
た。
【0070】次に、このトナー100重量部に平均粒径
40nmのシリコンオイル処理酸化珪素微粒子(RY5
0:日本エアロジル社製)1.3重量部と、平均粒径1
00nmの爆燃法酸化珪素微粒子(KMP−105:信
越化学社製の分級物)2重量部と、平均粒径20nmの
酸化チタン(MT150AW:テイカ(株)製)をデシ
ルトリメトキシシラン20%で処理した微粒子1.5重
量部と、をDCPミルで混合しトナーを作製した。
【0071】(実施例4)C.I.ピグメントレッド5
7:1(75重量部)と、酢酸エチル406.3重量部
と、溶媒除去したディスパロンDA−703−50(ポ
リエステル酸アマイドアミン塩、楠本化成(株)社製)
18.7重量部と、をDCPミルを用いて溶解/分散
し、顔料分散液を作製した。
【0072】パラフィンワックス(融点89℃)30重
量部と、酢酸エチル270重量部と、をDCPミルを用
い5℃に冷却した状態で、湿式粉砕し、ワックス(離型
剤)分散液を作製した。
【0073】ビスフェノールAプロピレンオキサイド付
加物と、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物
と、テレフタル酸誘導体からなるポリエステル樹脂Mw
50000:Mn3000:酸価15mgKOH/g:
水酸基価27mgKOH/g:Tg65℃:軟化点11
2℃:130℃での力学正接損失2.8)420重量部
と、顔料分散液200重量部と、ワックス分散液250
重量部と、酢酸エチル105重量部と、疎水性酸化けい
素微粒子(アエロジル社製R972、平均粒径約16n
m)20重量部と、を混合し均一になるまでよく撹拌し
た(この液をA液とした)。一方、炭酸カルシウム40
重量部と、水60重量部に分散した炭酸カルシウム分散
液124重量部と、セロゲンBS−H(第一工業製薬
(株))の2%水溶液99重量部と、水157重量部
と、をホモジナイザー(ウルトラタラックス:IKA社
製)を用いて3分間攪拌した(この液をB液とした)。
【0074】さらにホモジナイザー(ウルトラタラック
ス:IKA社製)を用いて前記B液345重量部と前記
A液250重量部と、を10000rpmで1分間攪拌
し混合液を懸濁した後、0.3%アンモニア水110重
量部を加え、室温、常圧で48時間プロペラ型攪拌機で
攪拌し溶媒を除去した。次に塩酸を加えて、炭酸カルシ
ウムを除去した後、水洗、乾燥、分級してトナーを得
た。
【0075】次に、このトナー100重量部に平均粒径
40nmのシリコンオイル処理酸化珪素微粒子(RY5
0:日本エアロジル社製)1.3重量部と、平均粒径1
00nmの爆燃法酸化珪素微粒子(KMP−105:信
越化学社製の分級物)2重量部と、平均粒径20nmの
酸化チタン(MT150AW:テイカ(株)製)をデシ
ルトリメトキシシラン20%で処理した微粒子1.5重
量部と、をサンプルミルで混合しトナーを作製した。
【0076】(実施例5)C.I.ピグメントイエロー
93(75重量部)と、酢酸エチル412.4重量部
と、溶媒除去したディスパロンDA−703−50(ポ
リエステル酸アマイドアミン塩、楠本化成(株)社製)
12.6重量部と、をDCPミルを用いて溶解/分散
し、顔料分散液を作製した。
【0077】パラフィンワックス(融点75℃)30重
量部と、酢酸エチル270重量部と、をDCPミルを用
い5℃に冷却した状態で、湿式粉砕し、ワックス(離型
剤)分散液を作製した。
【0078】ビスフェノールAプロピレンオキサイド付
加物と、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物
と、テレフタル酸誘導体からなるポリエステル樹脂(M
w50000:Mn3000:酸価15mgKOH/
g:水酸基価27mgKOH/g:Tg65℃:軟化点
112℃:130℃での力学正接損失2.8)367重
量部と、顔料分散液376重量部と、ワックス分散液2
35重量部と、疎水性酸化けい素微粒子(アエロジル社
製R972)24重量部と、を混合し均一になるまでよ
く撹拌した(この液をA液とした)。一方、炭酸カルシ
ウム40重量部と、水60重量部にダイノミルを用いて
分散した炭酸カルシウム分散液124重量部と、セロゲ
ンBS−H(第一工業製薬(株))の2%水溶液99重
量部と、水157重量部と、をホモジナイザー(ウルト
ラタラックス:IKA社製)を用いて3分間攪拌した
(この液をB液とした)。
【0079】さらに、ホモジナイザー(ウルトラタラッ
クス:IKA社製)を用いて前記B液345重量部と前
記A液250重量部と、を10000rpmで1分間攪
拌し混合液を懸濁した後、0.3%アンモニア水110
重量部を加え、室温、常圧で48時間プロペラ型攪拌機
で攪拌し溶媒を除去した。次に塩酸を加えて、炭酸カル
シウムを除去した後、水洗、乾燥、分級してトナーを得
た。
【0080】次に、このトナー100重量部に平均粒径
40nmのシリコンオイル処理酸化珪素微粒子(RY5
0:日本エアロジル社製)1.3重量部と、平均粒径1
00nmの爆燃法酸化珪素微粒子(KMP−105:信
越化学社製の分級物)2重量部と、平均粒径20nmの
酸化チタン(MT150AW:テイカ(株)製)をデシ
ルトリメトキシシラン16%で処理した微粒子1.5重
量部と、をサンプルミルで混合しトナーを作製した。
【0081】(実施例6)C.I.ピグメントレッド5
7:1を、C.I.ピグメントレッド122に変えた以
外は、実施例4と同様にしてトナーを作製した。
【0082】(実施例7)C.I.ピグメントレッド5
7:1を、C.I.ピグメントレッド185に変えた以
外は、実施例4と同様にしてトナーを作製した。 (実施例8)C.I.ピグメントブルー15:3(10
0重量部)と、ソルスパース5000(ゼネカ社製)4
重量部と、酢酸エチル380重量部と、溶媒除去したデ
ィスパロンDA−703−50(ポリエステル酸アマイ
ドアミン塩、楠本化成(株)社製)20重量部とをDC
Pミルを用いて溶解/分散して作製した顔料分散液を用
いた以外は、実施例3と同様にしてトナーを作製した。
【0083】(比較例1)疎水性酸化けい素微粒子を用
いなかった以外は、実施例1と同様にしてトナーを作製
した。
【0084】(比較例2)ワックス(離型剤)分散液
を、DCPミルを用い、10℃に冷却化状態で、湿式粉
砕して作製した以外は実施例1と同様にしてトナーを作
製した。
【0085】(比較例3)ホモジナイザーを用いて、B
液345重量部とA液250重量部とを10000rp
mで、5℃に冷却しながら1分間攪拌し、この混合液を
懸濁した以外は、実施例1と同様にしてトナーを作製し
た。
【0086】(比較例4)ホモジナイザーを用いて、B
液345重量部とA液250重量部とを10000rp
mで、40℃で1分間攪拌し、この混合液を懸濁した以
外は、実施例1と同様にしてトナーを作製した。
【0087】<評価>実施例1〜8、及び比較例1〜4
で得られたトナーについて、球形化度、平均粒径、13
0℃〜190℃での動的粘弾性の力学正接損失最大値、
OHP透過性、及び定着性について測定、評価した。ま
た、トナーにおけるパラフィンワックス(離型剤)の平
均粒径、長径/短径比についても測定した。なお、評価
方法は、以下の通りである。結果を表1に示す。
【0088】―パラフィンワックス(離型剤)の平均粒
径、長径/短径比― 離型剤の平均粒径、長径/短径比については、上述同様
に測定した。
【0089】―球形化度、平均粒径、130℃〜190
℃での動的粘弾性の力学正接損失最大値― 球形化度、平均粒径、130℃〜190℃での動的粘弾
性の力学正接損失最大値については、上述同様に測定し
た。
【0090】―OHP透過性― OHP透過性は、A−color935(富士ゼロック
ス社製)改造機を用い、OHPシートにトナー画像を作
製し、透過性を目視で観察して評価した。
【0091】―定着性― 定着性は、オイルを供給せず、強制はくりのための剥離
フィンガーを取り付けない状態にしたA−color9
35(富士ゼロックス社製)改造機を用い定着機への巻
き付きの有無を調べることで評価した。
【0092】
【表1】
【0093】表1から、実施例1〜8のトナーは、OH
P透過性に優れ、さらに発色性にも優れることがわか
る。また、定着機から容易に剥離することができること
から定着性も良好でることがわかる。
【0094】
【発明の効果】以上により、本発明によれば、発色性、
定着性、OHP透過性、帯電性に優れた電子写真用トナ
ー、及びその製造方法、並びに二成分現像剤を提供する
ことができる。
フロントページの続き (72)発明者 松岡 弘高 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 李 廷原 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 高木 誠一 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA06 AA15 AB03 CA14 DA04 DA10 EA05

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤、
    及び無機微粒子を含有してなる電子写真用トナーであっ
    て、 該トナーの球形化度が100以上130以下であり、 該離型剤の平均粒径が0.1μm以上1μm以下、且つ
    長径と短径との比が1.1以上10以下であることを特
    徴とする電子写真用トナー。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の電子写真用トナーの製
    造方法であって、 結着樹脂を可溶させる有機溶媒中に、結着樹脂、着色
    剤、離型剤、及び無機微粒子を混合して、油性成分を調
    整する工程と、 該油性成分を水性媒体中に懸濁させ、粒子化して懸濁液
    を調整する工程と、 該懸濁液から有機溶媒を除去する工程と、 を有することを特徴とする電子写真用トナーの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 キャリアとトナーとを含有してなる二成
    分現像剤において、該トナーが、請求項1に記載の電子
    写真用トナーであることを特徴とする二成分現像剤。
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