JP2011113040A - マゼンタトナー - Google Patents

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Abstract

【課題】高い彩度を有し、耐光性に優れたマゼンダトナーを提供すること。
【解決手段】結着樹脂、着色剤、荷電制御剤及びワックスを含有してなるマゼンタトナーであって、前記結着樹脂がポリエステルを50重量%以上含有し、該ポリエステルの少なくとも1種がイソフタル酸化合物を含有するカルボン酸成分とアルコール成分とを縮重合させて得られるポリエステルであり、前記着色剤がC.I.ピグメントレッド185を含有し、前記荷電制御剤がサリチル酸化合物の金属錯体を含有し、前記ワックスの融点が50〜120℃であるマゼンタトナー。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像に用いられるマゼンタトナーに関する。
近年、プリント・オン・デマンド市場が成長しているなか、電子写真技術に対する高画質化、高精細化への要求はますます高まりつつある。特に、電子写真方式の印刷でオフセット印刷に置き換わるには、印刷並みの色調や耐光性の向上が必須である。
そこで、マゼンタトナー用顔料としてはいくつか提案されているが、色の鮮明性と透明性に優れ、かつ耐光性にも優れるという点でキナクリドン系の顔料が広く用いられている。例えば、キナクリドン系の顔料を含有したトナーにおいて、顔料の分散性を向上させて発色濃度を向上させることが開示されている(特許文献1参照)。
また、紫外線吸収剤である銅化合物を含有するトナーにおいて、トナー中の銅含有量を制御することにより、紫外線照射等による変色又は褪色を抑制する技術が開示されている(特許文献2参照)。
一方、スチレン系モノマー:200部、C.I.ピグメントレッド185:16部、サリチル酸アルミニウム:2部、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAとイソフタル酸との重縮合物:7部等からなる重合性単量体組成物を重合して得られたトナーが、臭気がなく、光沢感があり均質な画像を形成できること(特許文献3参照)や、全面縁なし印刷における転写時・定着時の画像弊害を解決できること(特許文献4参照)を開示している。
特開平1−142559公報 特開2006−71958公報 特開2006−106198公報 特開2006−208758公報
しかしながら、ポリエステルを主成分としたマゼンタトナーの顔料としてキナクリドン系を使用すると耐光性は良好ではあるが、顔料の分散性が不十分であり、その結果、彩度が低くなる。また、紫外線吸収剤等を併用すると耐光性は向上するが、帯電性に大きな影響を及ぼすため均質な画像が得られないことが判明した。
本発明の課題は、高い彩度を有し、耐光性に優れたマゼンダトナーを提供することにある。
本発明は、結着樹脂、着色剤、荷電制御剤及びワックスを含有してなるマゼンタトナーであって、前記結着樹脂がポリエステルを50重量%以上含有し、該ポリエステルの少なくとも1種がイソフタル酸化合物を含有するカルボン酸成分とアルコール成分とを縮重合させて得られるポリエステルであり、前記着色剤がC.I.ピグメントレッド185を含有し、前記荷電制御剤がサリチル酸化合物の金属錯体を含有し、前記ワックスの融点が50〜120℃であるマゼンタトナーに関する。
本発明のマゼンダトナーは、高い彩度を有し、耐光性に優れた効果を奏するものである。
本発明のマゼンタトナーは、結着樹脂、着色剤、荷電制御剤及びワックスを含有してなるマゼンタトナーであって、結着樹脂がポリエステルを50重量%以上含有し、該ポリエステルの少なくとも1種がイソフタル酸化合物を含有するカルボン酸成分とアルコール成分とを縮重合させて得られるポリエステルであり、着色剤がC.I.ピグメントレッド185を含有し、荷電制御剤がサリチル酸化合物の金属錯体を含有し、前記ワックスの融点が50〜120℃である点に大きな特徴を有しており、高い彩度を持ち、耐光性に優れた効果を奏するものである。
本発明の効果が奏される理由の詳細は明らかではないが、イソフタル酸化合物を用いたポリエステルとサリチル酸化合物の金属錯体と特定の融点を持つワックスとの相互作用により、結着樹脂、着色剤、荷電制御剤、ワックス等を含有するトナー原料組成物の粘度が高くなり、溶融混練時における着色剤の分散が良好となるものと推定される。着色剤が結着樹脂中に良好に分散されることにより、彩度及び耐光性が向上する。さらに、本発明者らは、着色剤であるC.I.ピグメントレッド185自身の耐光性、及びイソフタル酸化合物を用いたポリエステル自身の耐光性が良好であることを見出し、これにより、さらにトナーの耐光性が向上するものと考えられる。
本発明のトナーの結着樹脂は、トナーの定着性を向上させる観点、着色剤の分散性を向上させ、それによりトナーの彩度、耐光性を向上させる観点から、ポリエステルを50重量%以上含有するものであり、ポリエステルの含有量は、結着樹脂中、70重量%以上が好ましく、90重量%以上がより好ましく、95重量%以上がさらに好ましい。
また、本発明において、ポリエステルの少なくとも1種は、トナー原料組成物の粘度を向上させ、着色剤の分散性を向上させる観点、ポリエステル自身の耐光性を向上させ、トナーの耐光性を向上させる観点から、少なくともイソフタル酸化合物を含有するカルボン酸成分とアルコール成分とを縮重合させて得られるポリエステルである。
本発明において、イソフタル酸化合物とは、イソフタル酸、イソフタル酸のエステル、イソフタル酸無水物を含む。イソフタル酸のエステルとしては、低級アルキル(炭素数1〜6)エステル等が挙げられる。
イソフタル酸化合物の含有量は、トナー原料組成物の粘度を向上させ、着色剤の分散性を向上させる観点、ポリエステルの耐光性を向上させ、トナーの耐光性を向上させる観点から、カルボン酸成分中、50モル%以上が好ましく、70モル%以上がより好ましく、90モル%以上がさらに好ましく、95モル%以上がよりさらに好ましい。
イソフタル酸化合物以外のカルボン酸成分としては、フタル酸、テレフタル酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、アジピン酸等のジカルボン酸;ドデセニルコハク酸、オクテニルコハク酸等の炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸;トリメリット酸、ピロメリット酸等の3価以上の多価カルボン酸、それらの酸の無水物及びそれらの酸のアルキル(炭素数1〜6)エステル等が挙げられる。ポリエステル自身の耐光性を向上させ、トナーの耐光性を向上させる観点からは、フマル酸等の脂肪族ジカルボン酸化合物が好ましい。トナー原料組成物の粘度を向上させ、着色剤の分散性を向上させる観点からは、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸化合物が好ましい。
ポリエステルのアルコール成分としては、式(I):
Figure 2011113040
(式中、R1O及びOR1はオキシアルキレン基であり、R1はエチレン及び/又はプロピレン基であり、x及びyはアルキレンオキサイドの付加モル数を示し、それぞれ正の数であり、xとyの和の平均値は1〜16が好ましく、1〜8がより好ましく、1.5〜4がさらに好ましい)
で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、水素添加ビスフェノールA、ソルビトール、又はそれらのアルキレン(炭素数2〜4)オキサイド(平均付加モル数1〜16)付加物等が挙げられる。
これらの中では、トナー原料組成物の粘度を向上させ、着色剤の分散性を向上させる観点、トナーの耐刷時の耐久性及び帯電安定性を向上させる観点から、式(I)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物が好ましい。
式(I)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物の含有量は、トナー原料組成物の粘度を向上させ、着色剤の分散性を向上させる観点、トナーの耐刷時の耐久性及び帯電安定性を向上させる観点から、アルコール成分中、50モル%以上が好ましく、80モル%以上がより好ましく、実質的に100モル%がさらに好ましい。
また、アルコール成分には1価のアルコールが、カルボン酸成分には1価のカルボン酸化合物が、分子量調整等の観点から、適宜含有されていてもよい。
本発明に用いるポリエステルは、イソフタル酸化合物を含有するカルボン酸成分とアルコール成分から得られるポリエステル以外のポリエステルを含有してもよい。イソフタル酸化合物を含有するカルボン酸成分とアルコール成分から得られるポリエステル以外のポリエステルは、上記イソフタル酸化合物以外のカルボン酸化合物と、上記アルコール成分とから得られるものである。ポリエステル自身の耐光性を向上させ、トナーの耐光性を向上させる観点から、フマル酸等の脂肪族ジカルボン酸化合物を含有するカルボン酸成分とアルコール成分から得られるポリエステルが好ましい。また、トナー原料組成物の粘度を向上させ、着色剤の分散性を向上させる観点から、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸化合物を含有するカルボン酸成分とアルコール成分から得られるポリエステルが好ましい。
結着樹脂として用いるポリエステルにおいて、イソフタル酸化合物を含有するカルボン酸成分とアルコール成分とを縮重合させて得られるポリエステルの含有量は、トナー原料組成物の粘度を向上させ、着色剤の分散性を向上させる観点、ポリエステルの耐光性を向上させて、トナーの耐光性を向上させる観点から、全てのポリエステル中の、20重量%以上が好ましく、40重量%以上がより好ましく、60重量%以上がさらに好ましく、90重量%以上がよりさらに好ましく、95重量%以上がよりさらに好ましい。
結着樹脂として用いるポリエステルにおいて、全てのポリエステルの原料モノマー総モル量、すなわち、カルボン酸成分モノマーとアルコール成分モノマーの総モル量中、イソフタル酸化合物の含有量は、トナー原料組成物の粘度を向上させ、着色剤の分散性を向上させる観点、ポリエステルの耐光性を向上させて、トナーの耐光性を向上させる観点から、10モル%以上が好ましく、20モル%以上がより好ましく、30モル%以上がさらに好ましく、40モル%以上がよりさらに好ましい。また、トナーの定着性、及び耐刷時の耐久性を向上させる観点から、50モル%以下が好ましい。すなわち、これらの観点を総合すると、10〜50モル%が好ましく、20〜50モル%がより好ましく、30〜50モル%がさらに好ましく、40〜50モル%がよりさらに好ましい。
また、結着樹脂中におけるポリエステルを構成するイソフタル酸化合物ユニットの総含有量は、トナー原料組成物の粘度を向上させ、着色剤の分散性を向上させる観点、ポリエステルの耐光性を向上させて、トナーの耐光性を向上させる観点から、10モル%以上が好ましく、20モル%以上がより好ましく、30モル%以上がさらに好ましく、40モル%以上がよりさらに好ましい。また、トナーの定着性、及び耐刷時の耐久性を向上させる観点から、50モル%以下が好ましい。すなわち、これらの観点を総合すると、10〜50モル%が好ましく、20〜50モル%がより好ましく、30〜50モル%がさらに好ましく、40〜50モル%がよりさらに好ましい。なお、結着樹脂が複数の樹脂からなる場合、結着樹脂中におけるポリエステルを構成するイソフタル酸化合物ユニットの総含有量は、各樹脂の[原料モノマーの総モル量中、イソフタル酸化合物の含有量(モル%)]と[結着樹脂中の当該樹脂の含有割合]の積の和で求められる。具体的には、結着樹脂が、イソフタル酸化合物の含有量が40モル%のポリエステル50重量%、イソフタル酸化合物の含有量が30モル%のポリエステル20重量%、ポリエステル以外の樹脂30重量%からなる場合、上記イソフタル酸化合物ユニットの総含有量は、40×0.5+30×0.2+0×0.3=26%と算出できる。
ポリエステルは、不活性ガス雰囲気中にて、必要に応じて、エステル化触媒、重合禁止剤等の存在下、180〜250℃程度の温度で縮重合させて製造することができる。エステル化触媒としては、酸化ジブチル錫、2-エチルヘキサン酸錫(II)等の錫化合物、チタンジイソプロピレートビストリエタノールアミネート等のチタン化合物等が挙げられ、エステル化助触媒としては、没食子酸等が挙げられる。エステル化触媒の使用量は、アルコール成分とカルボン酸成分の総量100重量部に対して、0.01〜1.5重量部が好ましく、0.1〜1.0重量部がより好ましい。エステル化助触媒の使用量は、アルコール成分とカルボン酸成分の総量100重量部に対して、0.001〜0.5重量部が好ましく、0.01〜0.1重量部がより好ましい。
イソフタル酸化合物を用いて得られるポリエステルの軟化点は、トナーの耐刷時の耐久性を向上させる観点から、90℃以上が好ましく、95℃以上がより好ましく、100℃以上がさらに好ましい。また、トナーの低温定着性を向上させる観点から、125℃以下が好ましく、120℃以下がより好ましく、115℃以下がさらに好ましい。すなわち、これらの観点を総合すると、90〜125℃が好ましく、95〜120℃がより好ましく、100〜115℃がさらに好ましい。
イソフタル酸化合物を用いて得られるポリエステルのガラス転移点は、トナーの耐刷時の耐久性を向上させる観点から、50℃以上が好ましく、55℃以上がより好ましい。また、トナーの低温定着性を向上させる観点から、85℃以下が好ましく、80℃以下がより好ましい。すなわち、これらの観点を総合すると、50〜85℃が好ましく、55〜80℃がより好ましい。なお、ガラス転移点は、非晶質樹脂に特有の物性であり、結晶性樹脂では観測されない場合があるが、本発明におけるポリエステルは、結晶性ポリエステルであってもよい。
イソフタル酸化合物を用いて得られるポリエステル以外のポリエステルの軟化点、ガラス転移点は、イソフタル酸化合物を用いて得られるポリエステルと同様であることが好ましい。
イソフタル酸化合物を含有するカルボン酸成分とアルコール成分から得られるポリエステル、及びそれ以外のポリエステルの酸価は、着色剤の分散性を向上させる観点から、50mgKOH/g以下が好ましく、30mgKOH/g以下がより好ましく、20mgKOH/g以下がさらに好ましい。
軟化点、ガラス転移点及び酸価のいずれにおいても、複数のポリエステルからなる場合は、それらの加重平均値が上記範囲内となることが好ましい。
なお、本発明において、ポリエステルは、実質的にその特性を損なわない程度に変性されたポリエステルであってもよい。変性されたポリエステルとしては、例えば、特開平11−133668号公報、特開平10−239903号公報、特開平8−20636号公報等に記載の方法によりフェノール、ウレタン、エポキシ等によりグラフト化やブロック化したポリエステルをいう。
ポリエステル以外の結着樹脂としては、ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン等が挙げられる。これらの樹脂の中では、樹脂自身の耐光性に優れ、トナーの耐光性を向上させる観点から、ビニル系樹脂が好ましい。
ビニル系樹脂の原料モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン化合物;エチレン、プロピレン等のエチレン性不飽和モノオレフィン類;ブタジエン等のジオレフィン類;塩化ビニル等のハロビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;(メタ)アクリル酸のアルキル(炭素数1〜18)エステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル等のエチレン性モノカルボン酸のエステル;ビニルメチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニリデンクロリド等のビニリデンハロゲン化物;N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物類等が挙げられる。
樹脂自身の耐光性に優れ、トナーの耐光性を向上させる観点から、スチレン及び/又は(メタ)アクリル酸のアルキルエステルを含有するビニル系樹脂が好ましく、スチレン及び/又は(メタ)アクリル酸のアルキルエステルの含有量は、50重量%以上が好ましく、80〜100重量%がより好ましい。
ビニル系樹脂の原料モノマーの重合反応は、例えば、ジクミルパーオキサイド等の重合開始剤、架橋剤等の存在下、有機溶媒存在下又は無溶媒下で、常法により行うことができる。温度条件としては、110〜200℃が好ましく、130〜170℃がより好ましい。
付加重合反応の際に有機溶媒を使用する場合、キシレン、トルエン、メチルエチルケトン、アセトン等を用いることができる。有機溶媒の使用量は、ビニル系樹脂の原料モノマー100重量部に対して、10〜50重量部程度が好ましい。
ビニル系樹脂の軟化点及びガラス転移点の好ましい範囲は、上記ポリエステルの場合と同様である。
また、結着樹脂全体としての軟化点及びガラス転移点も、上記範囲内であることが好ましい。
本発明では、結着樹脂において、ポリエステルとビニル系樹脂は、ポリエステルの原料モノマーと付加重合系樹脂の原料モノマーのいずれとも反応し得る両反応性化合物を用いて、ハイブリッド化されていてもよい。
本発明のトナーの着色剤は、彩度及び耐光性を向上させる観点から、少なくともC.I.ピグメントレッド185を含有する。
さらに、本発明の効果が損なわれない程度に適宜、他の着色剤を併用してもよい。
他の着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物等が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5〜7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、146、166、169、177、184、202、206、220、221、254、C.I.ピグメントバイオレッド19等の顔料が挙げられる。
着色剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、発色性を向上させる観点、彩度を向上させる観点から、1〜10重量部が好ましく、2〜8重量部がより好ましく、3〜6重量部がさらに好ましい。
C.I.ピグメントレッド185の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、発色性を向上させる観点、彩度を向上させる観点から、1〜10重量部が好ましく、2〜8重量部がより好ましく、3〜6重量部がさらに好ましい。
着色剤中、C.I.ピグメントレッド185の含有量は、彩度、耐光性を向上させる観点から、50重量%以上が好ましく、70重量%以上がより好ましく、90重量%以上がさらに好ましく、95重量%以上がよりさらに好ましい。
本発明のトナーの荷電制御剤は、トナー原料組成物の粘度を向上させ、着色剤の分散性を向上させる観点から、サリチル酸化合物の金属錯体を含有する。
サリチル酸化合物の金属錯体としては、亜鉛錯体、アルミニウム錯体、ジルコニウム錯体、クロム錯体等が挙げられる。トナー原料組成物の粘度を向上させ、着色剤の分散性を向上させる観点から、亜鉛錯体が好ましい。
サリチル酸化合物の金属錯体としては、例えば、式(II):
Figure 2011113040
(式中、R2、R3及びR4はそれぞれ独立して水素原子、直鎖又は分枝鎖状の炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数2〜10のアルケニル基、Mはクロム、亜鉛、カルシウム、ジルコニウム又はアルミニウム、mは2以上の整数、nは1以上の整数を示す)
で表される化合物が挙げられる。
式(II)において、R3は水素原子が好ましく、R2及びR4は分岐鎖状のアルキル基が好ましくは、tert-ブチル基がより好ましい。
式(II)で表される化合物の市販品としては、「ボントロンE-81」(R3:水素原子、R2及びR4:tert-ブチル基、Y:クロム、オリエント化学工業(株)製)、「ボントロンE-84」(R3:水素原子、R2及びR4:tert-ブチル基、Y:亜鉛、オリエント化学工業(株)製)、「ボントロンE-88」(R3:水素原子、R2及びR4:tert-ブチル基、Y:アルミニウム、オリエント化学工業(株)製)、「ボントロンE-304」(R3:水素原子、R2及びR4:tert-ブチル基、Y:亜鉛、オリエント化学工業(株)製)、「TN-105」(R3:水素原子、R2及びR4:tert-ブチル基、Y:ジルコニウム、保土谷化学工業(株)製)等が挙げられる。これらの中では、トナー原料組成物の粘度を向上させ、着色剤の分散性を向上させる観点から「ボントロンE-84」「ボントロンE-304」(オリヱント化学工業社製)が好ましい。
サリチル酸化合物の金属錯体の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、トナー原料組成物の粘度を向上させ、着色剤の分散性を向上させる観点から、0.3〜6重量部が好ましく、0.5〜5重量部がより好ましく、1〜4重量部がさらに好ましい。
さらに、本発明の効果が損なわれない程度に適宜、他の荷電制御剤を併用してもよい。
他の荷電制御剤としては、具体的には、含金属アゾ染料、例えば「バリファーストブラック3804」、「ボントロンS-31」(以上、オリエント化学工業社製)、「T-77」(保土谷化学工業社製)、「ボントロンS-32」、「ボントロンS-34」、「ボントロンS-36」(以上、オリエント化学工業社製)、「アイゼンスピロンブラックTRH」(保土谷化学工業社製)等;銅フタロシアニン染料;ニトロイミダゾール誘導体;ベンジル酸化合物のホウ素錯体、例えば、「LR-147」(日本カーリット社製)等が挙げられる。
荷電制御剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、トナーへの帯電安定性を向上させる観点から、0.3〜6重量部が好ましく、0.5〜5重量部がより好ましく、1〜4重量部がさらに好ましい。
荷電制御剤中、サリチル酸化合物の金属錯体の含有量は、トナー原料組成物の粘度を向上させ、着色剤の分散性を向上させる観点から、50重量%以上が好ましく、70重量%以上がより好ましく、90重量%以上がさらに好ましく、95重量%以上がよりさらに好ましい。
本発明のトナーのワックスの融点は、トナー原料組成物の粘度を向上させ、着色剤の分散性を向上させる観点、トナーの低温定着性を向上させる観点から、120℃以下であり、100℃以下が好ましく、90℃以下がより好ましい。また、トナーの保存安定性を向上させる観点、感光体へのフィルミングを抑制する観点、キャリアのトナースペントを抑制する観点から、50℃以上であり、60℃以上が好ましく、70℃以上がより好ましい。すなわち、これらの観点を総合すると、ワックスの融点は、50〜120℃であり、60〜100℃が好ましく、70〜90℃がより好ましい。
ワックスとしては、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレンポリエチレン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の脂肪族炭化水素系ワックス及びそれらの酸化物、カルナウバワックス、モンタンワックス、サゾールワックス及びそれらの脱酸ワックス、脂肪酸エステルワックス等のエステル系ワックス、脂肪酸アミド類、脂肪酸類、高級アルコール類、脂肪酸金属塩等が挙げられる。これらのなかでは、トナー原料組成物の粘度を向上させ、着色剤の分散性を向上させる観点からカルナウバワックスが好ましい。ワックスは単独で、又は2種以上を混合して含有されていてもよい。
ワックスの含有量は、トナー原料組成物の粘度を向上させ、着色剤の分散性を向上させる観点、トナーの低温定着性を向上させる観点から、結着樹脂100重量部に対して、0.3重量部以上が好ましく、0.5重量部以上がより好ましく、1.0重量部以上がさらに好ましい。トナーの保存安定性を向上させる観点、感光体へのフィルミングを抑制する観点、キャリアのトナースペントを抑制する観点から、結着樹脂100重量部に対して、4.0重量部以下が好ましく、3.5重量部以下がより好ましく、3.0重量部以下がさらに好ましい。すなわち、これらの観点を総合すると、ワックスの含有量は、結着樹脂100重量部に対して、0.3〜4.0重量部が好ましく、0.5〜3.5重量部がより好ましく、1.0〜3.0重量部がさらに好ましい。
本発明のトナーは、さらに、磁性粉、流動性向上剤、導電性調整剤、体質顔料、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、老化防止剤、クリーニング性向上剤等の添加剤を適宜含有していてもよい。
本発明のトナーは、溶融混練法、乳化転相法、重合法等の従来より公知のいずれの方法により得られたトナーであってもよいが、生産性や着色剤の分散性の観点から、溶融混練法による粉砕トナーが好ましい。溶融混練法による粉砕トナーの場合、例えば、結着樹脂、着色剤、荷電制御剤、ワックス等の原料をヘンシェルミキサー等の混合機で均一に混合した後、密閉式ニーダー、1軸もしくは2軸の押出機、オープンロール型混練機等で溶融混練し、冷却、粉砕、分級して製造することができる。一方、トナーの小粒径化の観点からは、重合法によるトナーが好ましい。
本発明のトナーの体積中位粒径(D50)は、彩度、現像性を向上させる観点から、3〜15μmが好ましく、4〜10μmがより好ましい。なお、本明細書において、体積中位粒径(D50)とは、体積分率で計算した累積体積頻度が粒径の小さい方から計算して50%になる粒径を意味する。
本発明のトナーには、帯電性や流動性、転写性を向上させるために、無機微粒子を外添剤として用いるのが好ましい。具体的には、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化錫、及び酸化亜鉛からなる群から選ばれる1種以上が好ましく挙げられ、これらの中では、シリカが好ましく、埋め込み防止の観点から、比重の小さいシリカが含有されているのがより好ましい。
シリカは、トナーの転写性の観点から、疎水化処理された疎水性シリカであるのが好ましい。
外添剤の平均粒径は、転写性向上及び脱離防止、トナー凝集防止の観点から、10〜100nmが好ましく、平均粒径の異なる2種以上の外添剤を併用して用いてもよい。
2種の外添剤を併用する場合、流動性付与と埋め込み防止の観点から、平均粒径10nm以上30nm未満の外添剤(小外添剤)と平均粒径30〜100nmの外添剤(大外添剤)を併用するのが好ましい。小外添剤と大外添剤の重量比(小外添剤/大外添剤)は、1/10〜10/1が好ましく、1/5〜5/1より好ましい。
外添剤の含有量は、外添剤で処理する前のトナー粒子100重量部に対して、好ましくは0.05〜5重量部であり、より好ましくは0.1〜3重量部であり、さらに好ましくは0.3〜3重量部である。
本発明のトナーの軟化点は、トナーの耐刷時の耐久性を向上させる観点から、90℃以上が好ましく、95℃以上がより好ましく、100℃以上がさらに好ましい。また、トナーの低温定着性を向上させる観点から、120℃以下が好ましく、115℃以下がより好ましく、110℃以下がさらに好ましい。すなわち、これらの観点を総合すると、90〜120℃が好ましく、より好ましくは95〜115℃、さらに好ましくは100〜110℃である。
本発明のトナーのガラス転移点は、トナーの耐刷時の耐久性を向上させる観点から、50℃以上が好ましく、55℃以上がより好ましい。また、トナーの低温定着性を向上させる観点から、85℃以下が好ましく、80℃以下がより好ましい。すなわち、これらの観点を総合すると、50〜85℃が好ましく、55〜80℃がより好ましい。
また、本発明のトナーの現像方式は特に限定されないが、彩度に優れることから、非接触定着方式の画像形成装置を用いた画像形成方法にも好適に用いることができ、線速が800mm/sec以上、好ましくは1000〜3000mm/secの高速の非接触定着方式の画像形成装置にも好適に用いることができる。
本発明のトナーは、そのまま一成分現像用トナーとして、又はキャリアと混合して二成分現像剤として用いることができるが、キャリアとの攪拌条件下で特に安定した帯電性が得られる観点から、非磁性現像方式、特に非磁性二成分現像方式の画像形成装置に好適に用いられる。
従って、本発明のトナーは、非磁性二成分現像方式、かつ非接触現像方式の高速の画像形成装置を用いた画像形成方法にも好適に用いることができる。
本発明において、キャリアとしては、画像特性の観点から、磁気ブラシのあたりが弱くなる飽和磁化の低いキャリアが好ましい。キャリアの飽和磁化は、40〜100Am2/kgが好ましく、50〜90Am2/kgがより好ましい。飽和磁化は、磁気ブラシの固さを調節し、階調再現性を保持する観点から、100Am2/kg以下が好ましく、キャリア付着やトナー飛散を防止する観点から、40Am2/kg以上が好ましい。
キャリアのコア材としては、公知の材料からなるものを特に限定することなく用いることができ、例えば、鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性金属、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト、銅-亜鉛-マグネシウムフェライト、マンガンフェライト、マグネシウムフェライト等の合金や化合物、ガラスビーズ等が挙げられ、これらの中では、帯電性の観点から、マグネタイト、フェライト、銅-亜鉛-マグネシウムフェライト及びマンガンフェライトが好ましい。
キャリアの表面は、スペント防止の観点から樹脂で被覆されていてもよい。キャリア表面を被覆する樹脂としては、トナー材料により異なるが、例えばポリテトラフルオロエチレン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂、ポリジメチルシロキサン等のシリコーン樹脂、ポリエステル、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド、ポリビニルブチラール、アミノアクリレート樹脂等が挙げられ、これらは単独であるいは2種以上を併用して用いることができるが、樹脂によるコア材の被覆方法は、例えば、樹脂等の被覆材を溶剤中に溶解もしくは懸濁させて塗布し、コア材に付着させる方法、単に粉体で混合する方法等、特に限定されない。
トナーとキャリアとを混合して得られる二成分現像剤において、トナーの含有量は、現像剤の流動性及びカブリやダスト低減の観点から、キャリア100重量部に対して、0.5〜10重量部が好ましく、2〜8重量部がより好ましい。
〔樹脂及びトナーの軟化点(Tm)〕
フローテスター(島津製作所、CFT-500D)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押出す。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。
〔樹脂及びトナーのガラス転移点(Tg)〕
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で昇温し、吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度とする。
〔樹脂の酸価〕
JIS K0070の方法により測定する。但し、測定溶媒のみJIS K0070の規定のエタノールとエーテルの混合溶媒から、アセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に変更する。
〔ワックスの融点〕
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で昇温し、融解熱の最大ピーク温度を融点とする。
〔トナーの体積中位粒径(D50)〕
測定機:コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)
アパチャー径:50μm
解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19(ベックマンコールター社製)
電解液:アイソトンII(ベックマンコールター社製)
分散液:エマルゲン109P(花王社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB:13.6)を5重量%の濃度となるよう前記電解液に溶解させて分散液を得る。
分散条件:前記分散液5mlに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、電解液25mlを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させて、試料分散液を調製する。
測定条件:前記試料分散液を前記電解液100mlに加えることにより、3万個の粒子の粒径を20秒で測定できる濃度に調整した後、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求める。
〔外添剤の平均粒子径〕
平均粒子径とは平均一次粒子径を指し、走査型電子顕微鏡(SEM)写真から500個の粒子の粒径(長径と短径の平均値)を測定し、それらの平均値を平均粒子径とする。
〔キャリアの飽和磁化〕
(1) 外径7mm(内径6mm)、高さ5mmの蓋付プラスティックケースにキャリアをタッピングしながら充填し、プラスティックケースの重量とキャリアを充填したプラスティックケースの重量の差から、キャリアの質量を求める。
(2) 理研電子(株)の磁気特性測定装置「BHV-50H」(V.S.MAGNETOMETER)のサンプルホルダーにキャリアを充填したプラスティックケースをセットし、バイブレーション機能を使用して、プラスティックケースを加振しながら、79.6kA/mの磁場を印加して飽和磁化を測定する。得られた値は充填されたキャリアの質量を考慮し、単位質量当たりの飽和磁化に換算する。
樹脂製造例1〔樹脂A、C〕
表1に示す原料モノマーと、エステル化触媒(酸化ジブチル錫)19.5gを、窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、230℃にて、反応率が90%に達するまで反応させた後、さらに8.3kPaにて1時間反応させて、樹脂A、Cを得た。得られた樹脂の樹脂物性を表1に示す。なお、本発明において反応率とは、反応水量(mol)/理論生成水量(mol)×100の値をいう。
樹脂製造例2〔樹脂B〕
表1に示す原料モノマーと、エステル化触媒(酸化ジブチル錫)19.5g、及び重合禁止剤(ハイドロキノン)2gを、窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、230℃にて、反応率が90%に達するまで反応させた後、さらに8.3kPaにて1時間反応させて、樹脂Bを得た。得られた樹脂Bの樹脂物性を表1に示す。
樹脂製造例3〔樹脂D〕
表1に示す原料モノマーと、エステル化触媒(酸化ジブチル錫)19.5gとエステル化助触媒(没食子酸)1.2gを、窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、230℃にて、反応率が90%に達するまで反応させた後、さらに8.3kPaにて1時間反応させて、樹脂Dを得た。得られた樹脂Dの樹脂物性を表1に示す。
樹脂製造例4〔樹脂E〕
キシレン2123gを窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した10リットル容の四つ口フラスコに入れ、135℃に昇温した。さらに表1に示す原料モノマーと、ラジカル開始剤パーブチルE(日油社製)15gを予め混合した溶液を、1.5時間かけてキシレン中に滴下した。滴下終了後、135℃にて、2時間、溶液重合を行った。その後、160℃まで昇温し、160℃にて1時間還流させた。さらに、200℃に昇温し、200℃にて、常圧下で1時間、さらに減圧下(8.3kPa) で2時間、キシレンを留去し、樹脂Eを得た。得られた樹脂Eの樹脂物性を表1に示す。
Figure 2011113040
実施例1〜10及び比較例1〜7
表2に示す結着樹脂100重量部、着色剤4重量部、荷電制御剤3重量部、ワックス2重量部を添加し、ヘンシェルミキサーにて180秒間混合した。得られた混合物を連続式二本オープンロール型混練機「ニーデックス」(三井鉱山(株)製)を用いて、以下の示す条件で溶融混練した。
使用した連続式二本オープンロール型混練機は、ロール外径が0.14m、有効ロール長が0.8mのものであり、運転条件は、高回転側ロール(前ロール)の回転数が75r/min(周速度:32.97m/min)、低回転側ロール(後ロール)の回転数が35r/min(周速度:15.38m/min)、混練物供給口側端部のロール間隙が0.1mmであった。ロール内の加熱媒体温度及び冷却媒体温度は、高回転ロールの原料投入側の温度を100℃、混練物排出側の温度を85℃、低回転ロールの原料投入側の温度を35℃及び混練物排出側の温度を35℃に設定した。また、原料混合物の供給速度は10kg/hrであった。
得られた溶融混練物を冷却後、ハンマーミルを用いて1mm程度に粗粉砕した。得られた粗粉砕物を流動層式ジェットミル「AFG-400」(アルピネ社製)で微粉砕し、ローター式分級機「TTSP」(アルピネ社製)で分級して、体積中位粒径(D50)が7.5μmの負帯電性のトナー母粒子を得た。
得られたトナー母粒子100重量部(10kg)と、疎水性シリカ「R-972」(日本アエロジル社製、平均粒子径:16nm)0.9重量部(90g)と疎水性シリカ「NAX-50」(日本アエロジル社製、平均粒子径:30nm)1.0重量部(100g)とを75Lヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で、1500r/minで3分間混合して、トナーを得た。なお、ヘンシェルミキサーの上羽根はST型で下羽根はA0型である。
表2に記載のトナー原料は下記の通り。
PR185:Novoperm Carmine HF4C-JP(クラリアント社製)
PR122:スーパーマゼンタR(DIC社製)
PR57:1 :ECR-101(DIC社製)
荷電制御剤a:サリチル酸化合物のアルミニウム錯体(ボントロン E-84;オリヱント化学工業社製)
荷電制御剤b:サリチル酸化合物のジルコニウム錯体(TN-105;保土ヶ谷化学社製)
荷電制御剤c:ベンジル酸化合物のホウ素錯体(LR147;日本カーリット社製)
ワックスα:カルナウバワックス(カルナバワックスC1、融点83℃;加藤洋行社製)
ワックスβ:エステルワックス(WEP-8、融点80℃;日油社製)
ワックスγ:フィッシャートロプシュワックス(SP-105、融点105℃;サゾール社製)
ワックスδ:ポリプロピレンーポリエチレンワックス(NP-105、融点151℃;日油社製)
試験例1〔着色剤の分散性〕
トナーを、ホットプレート上で、180℃で10秒間加熱して溶融させた後、デジタルマイクロスコープ(キーエンス社製)を用いトナーの溶融写真を撮影した。写真映像を2値化変換後、視野中にある着色剤の面積分率(%)の測定を行った。値が小さいほど分散性が優れる。結果を表2に示す。
試験例2〔彩度〕
得られたトナー6重量部と、フェライトキャリア「KK01-C35」(オセ・プリンティングシステムズ社製、体積平均粒子径:60μm、飽和磁化:68Am2/kg)94重量部とを混合し、二成分現像剤を得た。得られた二成分現像剤を非接触現像・非接触定着方式の画像形成装置「Vario stream 9000」(オセ・プリンティングシステムズ社製)に実装し、トナー濃度6%、印字率9%、線速1000mm/secで2時間耐刷した。色相を色彩計「GretagMacbeth Spectroeye」(グレタグ社製)で画像印字部を10点測定し、その平均値を彩度C*とし算出し、彩度を得た。値が大きいほど、彩度に優れる。結果を表2に示す。
試験例3〔耐光性〕
非磁性一成分現像方式の画像形成装置「MICROLINE 3050」(沖データ社製)にトナーを実装し、トナー付着量が6.0g/m2になるように現像ロールの印加バイアスを調整した後、4cm×5cmのベタ画像をシャープ社製の厚紙「CopyBond SF-70NA」に印字した。定着機を通過する前にベタ画像を取り出し、未定着画像を得た。得られた未定着画像を、非接触定着方式の画像形成装置「Vario stream 9000」(オセ・プリンティングシステムズ社製)用の定着機を改造した外部定着機を使用し、線速1000mm/secで紙上の温度を150℃にて定着画像を得た。
得られた定着画像を下記条件のキセノンウェザーメーターにより耐光試験を行った。
・照射試験機:スガ試験機社製、SX75
・光源:キセノンランプ
・フィルター:内側=石英フィルター、外側=#275
・パネル温度:50℃
・槽内湿度:35〜50%RH
・照射強度:50(W/m2)、300〜400(nm)での測定値
・積算照度:40000(kJ/m2)、300〜400(nm)での積算値
色彩計「GretagMacbeth Spectroeye」(グレタグ社製)を用い、下記式に基づいて色相変化量ΔEab*を算出した。結果を表2に示す。色相変化量ΔEab*が小さいほど、耐光性に優れる。
色相変化量ΔEab*=[(L* 1−L* 2)2+(a* 1−a* 22+(b* 1−b* 2)21/2
* 1、a* 1、b* 1:照射前L***
* 2、a* 2、b* 2:照射後L***
Figure 2011113040
以上の結果より、実施例1〜10のトナーは、比較例1〜7のトナーと比べて、着色剤の分散性に優れ、彩度も良好であり、さらに耐光性にも優れていることが分かる。
本発明のマゼンタトナーは、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像等に好適に用いられる。

Claims (4)

  1. 結着樹脂、着色剤、荷電制御剤及びワックスを含有してなるマゼンタトナーであって、前記結着樹脂がポリエステルを50重量%以上含有し、該ポリエステルの少なくとも1種がイソフタル酸化合物を含有するカルボン酸成分とアルコール成分とを縮重合させて得られるポリエステルであり、前記着色剤がC.I.ピグメントレッド185を含有し、前記荷電制御剤がサリチル酸化合物の金属錯体を含有し、前記ワックスの融点が50〜120℃であるマゼンタトナー。
  2. 結着樹脂中の全てのポリエステルの原料モノマー総量中、イソフタル酸化合物の含有量が、10〜50モル%である、請求項1記載のマゼンタトナー。
  3. 荷電制御剤がサリチル酸化合物の亜鉛錯体である、請求項1又は2記載のマゼンタトナー。
  4. ワックスがカルナウバワックスである請求項1〜3いずれか記載のマゼンタトナー。
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