JP2003173048A - トナーとその製造方法および画像形成装置 - Google Patents
トナーとその製造方法および画像形成装置Info
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Abstract
うにする。 【解決手段】 トナーに含まれる顔料の平均粒子径を、
可視光領域(380nm以上780nm以下の波長範
囲)において、その顔料の有する固有分光吸収波長領域
(固有吸収波長領域)の最小波長の1/2以上、最大波
長の1/2以下の範囲内の値にし、さらに、トナーにお
ける顔料の比率は4〜20重量%とする。
Description
れるトナーと、そのトナーの製造方法および画像形成装
置に関するものであり、特に、平版印刷、グラビア印刷
等と同程度に優れた画質を提供できるトナーと、そのト
ナーの製造方法および画像形成装置とに関するものであ
る。
写真方式による画像形成装置は、その高速記録性・高画
質・ノンインパクト性という利点を有しているために、
広く普及している。
では、感光体への均一帯電、画像情報の光による書き込
み(潜像形成)、現像剤によるトナー像の形成、シート
(普通紙、OHP(オーバーヘッドプロジェクター)
等)へのトナー像の転写、トナー像の定着、を基本プロ
セスとしている。
化に伴って進み、より高画質な出力画像が求められてい
る。上記の高画質な画像を得るためには、画像を構成す
る画素と呼ばれるドットの集合および配列を微細(微
小)にすることが挙げられる。
スポット(微小ドット)を形成できる、すなわち高分解
能を有する光学系、例えば、レーザー光、LEDアレイ
光を用いる方式が、白色光を用いる方式に代わりに普及
してきている。
等の光学系(記録光学系)では、高速性・高解像度を目
指した可変スポットレーザー記録方式、マルチレーザー
ビーム記録方式、あるいは、1200dpiLED記録
ヘッド、超精密・超高速ポリゴンミラー等が実現されて
いる。
て、高画質な画像を得るために(高画質設計のために)
必要な、トナー粒子径の小粒径化、現像・転写時のトナ
ー飛び散りの最小限化等の開発もなされている。すなわ
ち、画像データをいかに電子写真法の持つ画像再現特性
に見合うように加工するかの画像処理の技術開発が行わ
れている。
ナーの開発に着目してみる。トナーは、着色剤として顔
料を含んでいる。しかし、従来トナーは顔料の含有率が
低いため、画像形成を行った際、所定濃度を得るために
定着後のトナー層の厚さが高くなる。例えば、色の異な
るトナーを順次重ねて形成されるカラートナー像では、
10〜20μmの厚さとなり、平版印刷のインク層厚の
10倍〜20倍となっている。
物等と比較すると、画像部・非画像部の表面平滑性(レ
ベリング性)の点で劣ってしまい、著しい反射率の差異
が生じる。
低いために平版印刷ほどの高濃度も出せない。
方法の一つとして、カラー有機顔料を微細化・高分散化
して、トナーの着色力・彩度・透明性を改善することが
良く知られている。
は、着色力・彩度・透明性を考慮して、結着樹脂と着色
剤(色剤)との樹脂マトリックス中において、着色剤の
平均粒子径(分散粒子径)を、0.05〜0.11(μ
m)としている。また、特開平10−282719号公
報では、イエロートナー中での着色剤の1次粒径を特定
している。
は、高画質化と現像性を両立できる技術として、トナー
の体積平均粒子径と着色剤含有量との関係が開示されて
いる。
以外の方法として、特開平10−268564号公報で
は、OHP用シート上でのマゼンタトナー・イエロート
ナー・シアントナーからなる多色刷り画像の色が黒っぽ
くならないようにする、各色トナーの吸光度特性が示さ
れている。
た特開平6−250444号公報での、着色剤の分散粒
子サイズでは、平版印刷・グラビア印刷等と同程度の高
着色力・高品位画像(透明性と着色力とのバランスのと
れた画像)を得るには分散粒子径が小さすぎる(不適切
である)。また、特開平10−282719号公報で
の、イエロートナーの着色剤の1次粒径は、イエロート
ナーの明度を一定に保つことで色相の赤味移行を起こさ
せ、赤系統の再現性の向上を図るものである。しかし、
赤系統の再現性は向上しても、他の色系統の再現性を考
慮していないため、高画質を図る(高品位画像を得る)
には限界が生じ、印刷インク並の高品位画像を得ること
ができない。
は、トナー粒子径の変動により変化させたトナー単位重
量当たりの帯電量と、着色剤の含有量とのバランスをと
り、現像性を高めている(適性濃度の実現とカブリ防
止)。したがって、トナー画像の透明性・着色性を考慮
しておらず、高画質を図るには限界が生じる。
の、各色トナーの吸光度特性では、高品位画像を得るに
は、不適切な範囲にある。その上、着色剤の含有量を高
濃度化し、さらに、各色トナーの顔料の平均粒子径を異
なった値とした上、非固有吸収波長領域での最大透過率
と固有吸収波長領域での最小透過率との比を所定値以上
に設計したトナーを用いるという技術思想はない。
なされたものであり、着色剤と、着色力・透明性等の特
性との相関性を考慮した上で、顔料の平均粒径の最適設
計を行う、すなわち、可能な限り着色剤の濃度を高めつ
つ、マトリックス樹脂(バインダー樹脂)中で、顔料の
高分散状態を図れるような顔料の平均粒子径を有する、
透明性と着色力とのバランスの取れたトナーを提供する
ことである。
めに、本発明のトナーは、顔料とバインダー樹脂とを含
むトナーであって、上記顔料の平均粒子径は、可視光領
域における上記顔料の有する固有吸収波長領域の最小波
長の1/2の値以上、最大波長の1/2の値以下であ
り、かつトナー中の顔料濃度が、4重量%以上20重量
%以下であることを特徴としている。
で、分散安定性の高い状態(高分散状態)を実現できる
平均粒子径(分散粒子径)となる。また、このような高
分散状態では、トナーの着色力と透明性とのバランスが
最適化される(バランスがとれる)上、上記のように高
い顔料比率(4重量%以上20重量%以下)にしてい
る。そのため、本発明のトナーは、透明性と着色力との
バランスの取れたトナーになり、印刷に迫る高濃度・高
品質を達成できる。なお、上記の最適化とは、所望の着
色力と透明性とを両立させることである。
明のトナーは、顔料とバインダー樹脂とを含むトナーで
あって、上記顔料の平均粒子径は、可視光領域における
上記顔料の有する固有吸収波長領域で、最小透過率cを
示す波長をλmin nmとした場合、((λmin /2)−
50)nm以上((λmin /2)+50)nm以下であ
り、かつトナー中の顔料濃度が、4重量%以上20重量
%以下であることを特徴としている。
で、分散安定性の高い状態(高分散状態)を実現できる
平均粒子径(分散粒子径)となる。また、このような高
分散状態では、トナーの着色力と透明性とのバランスが
最適化される(バランスがとれる)上、上記のように高
い顔料比率(4重量%以上20重量%以下)にしてい
る。そのため、本発明のトナーは、透明性と着色力との
バランスの取れたトナーになり、印刷に迫る高濃度・高
品質を達成できる。
明のトナーは、顔料とバインダー樹脂とを含むトナーで
あって、トナー中の顔料濃度が4重量%以上12重量%
以下の場合、可視光領域における上記顔料の非固有吸収
波長領域の最大透過率aと、固有吸収波長領域での最小
透過率cとの比率a/cが30以上であることを特徴と
している。
ると、透過率は減少する。そのため、顔料の含有量に応
じて、上記のような特定関係を規定する。
4重量%以上12重量%以下の場合、顔料は、トナー中
で、分散安定性の高い状態(高分散状態)を実現できる
平均粒子径(分散粒子径)となる。また、このような高
分散状態では、トナーの着色力と透明性とのバランスが
最適化される。そのため、本発明のトナーは、透明性と
着色力とのバランスの取れたトナーになり、印刷に迫る
高濃度・高品質を達成できる。
明のトナーは、顔料とバインダー樹脂とを含むトナーで
あって、トナー中の顔料濃度が13重量%以上20重量
%以下の場合、可視光領域における上記顔料の非固有吸
収波長領域の最大透過率aと、固有吸収波長領域での最
小透過率cとの比率a/cが25以上であることを特徴
としている。
ると、透過率は減少する。そのため、顔料の含有量に応
じて、上記のような特定関係を規定する。
13重量%以上20重量%以下の場合、顔料は、トナー
中で、分散安定性の高い状態(高分散状態)を実現でき
る平均粒子径(分散粒子径)となる。また、このような
高分散状態では、トナーの着色力と透明性とのバランス
が最適化される。そのため、本発明のトナーは、透明性
と着色力とのバランスの取れたトナーになり、印刷に迫
る高濃度・高品質を達成できる。
明のトナーは、イエロー顔料とバインダー樹脂とを含む
イエロートナーであって、上記顔料の平均粒子径が、1
50nm以上250nm以下であることを特徴としてい
る。
では、上記イエロー顔料の顔料濃度が4重量%以上12
重量%以下の場合、可視光領域における上記イエロー顔
料の非固有吸収波長領域の最大透過率aと、固有吸収波
長領域での最小透過率cとの比率a/cが30以上であ
ることが好ましい。
では、上記イエロー顔料の顔料濃度が13重量%以上2
0重量%以下の場合、可視光領域における上記イエロー
顔料の非固有吸収波長領域の最大透過率aと、固有吸収
波長領域での最小透過率cとの比率a/cが25以上で
あることが好ましい。
では、上記顔料、または上記イエロー顔料は、C.I.
ピグメントイエロー74のモノアゾイエロー顔料、C.
I.ピグメントイエロー128の縮合アゾ顔料、または
C.I.ピグメントイエロー151、180、194の
ベンズイミダゾロン顔料よりなる群から選ばれる少なく
とも1つの顔料を用いてなることが好ましい。
ナー中で、分散安定性の高い状態(高分散状態)を実現
できる平均粒子径(分散粒子径)となる。また、このよ
うな高分散状態では、トナーの着色力と透明性とのバラ
ンスが最適化される(バランスがとれる)上、上記のよ
うに高い顔料比率にしている。そのため、本発明のトナ
ーは、透明性と着色力とのバランスの取れたトナーにな
り、印刷に迫る高濃度・高品質を達成できる。
明のトナーは、マゼンタ顔料とバインダー樹脂とを含む
マゼンタトナーであって、上記顔料の平均粒子径が、2
00nm以上320nm以下であることを特徴としてい
る。
では、上記マゼンタ顔料の顔料濃度が4重量%以上12
重量%以下の場合、可視光領域における上記マゼンタ顔
料の600nm以上780nm以下の波長領域の最大透
過率aと、固有吸収波長領域での最小透過率cとの比率
a/cが30以上であり、さらに、380nm以上50
0nm以下の波長領域の最大透過率bと、固有吸収波長
領域での最小透過率cとの比率b/cが23以上である
ことが好ましい。
では、上記マゼンタ顔料の顔料濃度が13重量%以上2
0重量%以下の場合、可視光領域における上記マゼンタ
顔料の600nm以上780nm以下の波長領域の最大
透過率aと、固有吸収波長領域での最小透過率cとの比
率a/cが28以上であり、さらに、380nm以上5
00nm以下の波長領域の最大透過率bと、固有吸収波
長領域での最小透過率cとの比率b/cが20以上であ
ることが好ましい。
では、上記顔料、または上記マゼンタ顔料は、C.I.
ピグメントレッド122、202のキナクリドン顔料、
C.I.ピグメントレッド149、190、224のペ
リレン顔料、またはC.I.ピグメントレッド175、
176、185のナフトールAS−ベンズイミダゾロン
顔料よりなる群から選ばれる少なくとも1つの顔料を用
いてなることが好ましい。
ナー中で、分散安定性の高い状態(高分散状態)を実現
できる平均粒子径(分散粒子径)となる。また、このよ
うな高分散状態では、トナーの着色力と透明性とのバラ
ンスが最適化される(バランスがとれる)上、上記のよ
うに高い顔料比率にしている。そのため、本発明のトナ
ーは、透明性と着色力とのバランスの取れたトナーにな
り、印刷に迫る高濃度・高品質を達成できる。
は、380〜400nmと600〜780nmとなって
おり、非固有吸収波長領域が分離している。そのため、
上記の構成では、この分離状態を考慮して、より一層高
分散状態を実現できるように、600nm以上780n
m以下の波長領域と、380nm以上500nm以下の
波長領域との2つ波長領域で比率(透過率比)を設定し
ている。
明のトナーは、シアン顔料とバインダー樹脂とを含むシ
アントナーであって、上記顔料の平均粒子径が、260
nm以上390nm以下であることを特徴としている。
では、上記シアン顔料の顔料濃度が4重量%以上12重
量%以下の場合、可視光領域における上記シアン顔料の
非固有吸収波長領域の最大透過率aと、固有吸収波長領
域での最小透過率cとの比率a/cが30以上であるこ
とが好ましい。
では、上記シアン顔料の顔料濃度が13重量%以上20
重量%以下の場合、可視光領域における上記シアン顔料
の非固有吸収波長領域の最大透過率aと、固有吸収波長
領域での最小透過率cとの比率a/cが25以上である
ことが好ましい。
では、上記顔料、またはシアン顔料は、C.I.ピグメ
ントブルー15:3、または15:4のフタロシアニン
顔料よりなる群から選ばれる少なくとも1つの顔料を用
いてなることが好ましい。
ー中で、分散安定性の高い状態(高分散状態)を実現で
きる平均粒子径(分散粒子径)となる。また、このよう
な高分散状態では、トナーの着色力と透明性とのバラン
スが最適化される(バランスがとれる)上、上記のよう
に高い顔料比率にしている。そのため、本発明のトナー
は、透明性と着色力とのバランスの取れたトナーにな
り、印刷に迫る高濃度・高品質を達成できる。
では、上記バインダー樹脂が、ポリエステル樹脂、また
はポリエーテルポリオール樹脂であることが好ましい。
は、優れた透過特性・溶融特性等を示すものであれば、
特に樹脂の種類は限定されるものではないが、例えば、
トナーの製造の際、バインダー樹脂が、充分な溶融状態
であると判定できるような光沢度15以上の値を有すも
のがよい。
リオール樹脂は、光沢度15以上の値を有している。そ
のため、バインダー樹脂が、充分な溶融状態であるか否
かを判定できる。
では、トナーの平均粒子径が3μm以上8μm以下であ
ることが好ましい。
大きい場合、転写時のトナー層厚を薄くすることはでき
るが、定着後のトナー層厚が厚くなり、透明性の低下を
もたらしてしまうという問題がある。一方、3μmより
小さい場合、トナーの流動性が著しく低下してしまうと
いう問題がある。しかし、上記の3μm以上8μm以下
の平均粒子径のトナーであれば、かかる問題は発生しな
い。
を製造する方法は、バインダー樹脂中に顔料を予備混練
分散させて組成物を生成した後に、少なくとも上記組成
物およびバインダー樹脂を加えて混合し、さらに、この
混合物を溶融混練して均一分散させる方法であって、上
記の溶融混練の際、上記バインダー樹脂のガラス転移温
度の2倍以下の温度にすることを特徴としている。
が、比較的に温度上昇が高いと、顔料の平均粒子径およ
び分光吸収波長領域(分光吸収特性)に影響を及ぼす。
の高い状態(高分散状態)を実現できる平均粒子径(分
散粒子径)となる顔料を含むトナーを製造することがで
きる。
を製造する方法では、上記顔料を乾燥させてから、上記
の予備混練分散を行うことが好ましい。
を製造する方法では、硫酸で上記顔料に酸化処理を施
し、水分を除去させてから、上記の予備混練分散を行う
ことが好ましい。
を製造する方法では、フラッシング法により上記顔料か
ら水分を除去させてから、上記の予備混練分散を行うこ
とが好ましい。
中の水分を除去する処理を行っている。このような顔料
中の水分が除去された組成物(予備混練物)を、用いて
製造されたトナーでは、分散安定性の高い状態(高分散
状態)を実現できる平均粒子径(分散粒子径)となる顔
料を含むトナーを製造することができる。なお、フラッ
シング法とは、合成した直後の顔料を水相から樹脂相に
転送する方法である。
成装置(本画像形成装置)は、感光体への均一帯電を行
い、さらに、その帯電を光で除去して潜像を形成し、そ
の潜像にトナーを含んだ現像剤でトナー像に現像した
後、シートへトナー像の転写・定着を行なう画像形成装
置であって、本発明のトナーを用いることを特徴として
いる。
態(分散安定性の高い状態)を実現できる平均粒子径
(分散粒子径)であるため、トナーの着色力と透明性と
のバランスが最適化されている。また、高濃度の顔料比
率でもある。したがって、上記の構成では、本画像形成
装置は、印刷に迫る高濃度・高品質の画像をシートに印
刷できる。
は、上記の転写の際、上記トナーで透明性の低いトナー
から順にシートに転写させるように制御する転写制御手
段を備えていることが好ましい。
性)に差が出る。そこで、本画像形成装置(例えば、多
色刷り方式のカラー画像形成装置)は、例えば、マゼン
タトナー・シアントナー・イエロートナーの順のよう
に、透明性の低いトナーから順に重ね合わせて画像を形
成するように制御できる転写制御手段を備えている。
ね合わせて画像を形成でき、その結果、印刷に迫る高濃
度・高品質の画像をシートに印刷できるという効果を奏
する。
明すれば、以下のとおりである。なお、本発明はこれに
限定されるものではない。
トナー)は、平版印刷・グラビア印刷等と同程度の高画
質を得ることができるトナーであり、少なくとも、カラ
ー有機顔料(着色剤)と、バインダー樹脂(結着樹脂)
とを含有している。そして、特に下記の特定関係を有す
るカラー有機顔料(顔料)を含んで構成されていること
を特徴としている。また、本発明の画像形成装置は、上
記顔料を含んだトナーを用いるようになっている。
は、その顔料の吸収波長の1/2以下になると透明にな
ることは良く知られている。また、中心粒径として、5
0〜300nmの粒子径(着色剤粒子径)が好ましいと
いわれている。
の平均粒子径が、可視光領域(380以上780nm以
下の波長範囲)で、その顔料の有する固有分光吸収波長
領域(固有吸収波長領域)の最小波長の1/2以上、最
大波長の1/2以下の範囲内の値であり、さらに、トナ
ーにおける顔料の比率は4重量%以上20重量%以下で
ある〔特定関係1〕。
ス樹脂(結着樹脂)中で、分散安定性の高い状態(高分
散状態)を実現できる平均粒子径(分散粒子径)になっ
ている。また、このような高分散状態では、トナーの着
色力と透明性とのバランスが最適化される(バランスが
とれる)上、上記のように高濃度の顔料比率にすること
で、印刷に迫る高濃度・高品質を達成できる。なお、上
記の最適化とは、所望の着色力と透明性とを両立させる
ことである。
っても、上記のような高分散状態(最適な分散状態)を
実現できる。
最小透過率を示す波長をλmin (nm)とした場合、そ
の顔料の平均粒子径(平均粒径)が、((λmin /2)
−50)nm以上((λmin /2)+50)nm以下で
あり、かつトナー中の顔料の比率は4重量%以上20重
量%以下である〔特定関係2〕。
ていても、上記のような高分散状態(最適な分散状態)
を実現できる。
の測定について説明するとともに、各色トナー(イエロ
ートナー・マゼンタトナー・シアントナー)の測定結果
を図1〜図3に示す。
過率の低い)波長領域を固有吸収波長領域とし、トナー
が光を透過する(トナーの透過率の高い)波長領域を非
固有分光吸収波長領域(非固有吸収波長領域)としてい
る。また、これらの図の詳細については〔実施例1〕に
て後述する。トナーの透過率に最も影響を及ぼすものは
顔料の粒子径と分散度である。
作製する。そして、そのサンプルについて、分光光度計
を用いて固有吸収波長領域での最小透過率を一定の値に
調整した後、非固有吸収波長領域での最大透過率を測定
する。このような測定だと、測定サンプル毎のトナー層
厚の要因をなくすことができる。
顔料の分散粒子径は、電子顕微鏡(TEM)によって撮
影した画像を画像処理することによって求められる。
波長領域、すなわち理想的な固有吸収波長領域は、イエ
ロートナーでは380nm以上500nm以下、マゼン
タトナーでは500nm以上600nm以下、シアント
ナーでは600nm以上780nm以下となる。
波長領域における最大波長・最小波長の1/2の値は、
イエロー顔料では190nm以上250nm以下、マゼ
ンタ顔料では250nm以上300nm以下、シアン顔
料では300nm以上390nm以下となる。
領域を有する顔料は存在しづらいので、図1〜図3に示
すように、固有吸収波長領域は、イエロートナーでは3
80nm以上500nm以下、マゼンタトナーでは40
0nm以上600nm以下、シアントナーでは520n
m以上720nm以下となる。そのため、特定関係1で
説明した、固有吸収波長領域における最大波長・最小波
長の1/2の値は、イエロー顔料では190nm以上2
50nm以下、マゼンタ顔料では200nm以上300
nm以下、シアン顔料では260nm以上390nm以
下となる。
(最小透過率を示す波長)は、イエロー顔料では400
nm、マゼンタ顔料では540nm、シアン顔料では6
20nmとなる。したがって、(λmin /2)±50n
mの範囲は、イエロー顔料では150nm以上250n
m以下、マゼンタ顔料では220nm以下320nm以
下、シアン顔料では260nm以上360nm以下とな
る。
顔料の分散粒子径(最適な分散を示す平均粒子径)は、
イエロー顔料では150nm以上250nm以下、マゼ
ンタ顔料では200nm以上320nm以下、シアン顔
料では260nm以上390nm以下となる。
粒子径を異なった値とした上に、本実施の形態における
トナーは、非固有吸収波長領域における最大透過率と、
固有吸収波長領域における最小透過率との比率が、所定
値以上となるようになっている。
と、特定関係1・2以上に、トナー中の顔料が高分散状
態となり、印刷並の高濃度・高画質できることが判っ
た。
えると、透過率は減少する。そのため、顔料の含有量に
応じて、以下のような特定関係を規定する。
上12重量%以下となる場合、非固有吸収波長領域(補
色波長領域)における最大透過率aと、固有吸収波長領
域での最小透過率cの比率が少なくとも30以上を示す
ような顔料〔特定関係3〕。
以上20重量%以下となる場合、非固有吸収波長領域
(補色波長領域)における最大透過率aと、固有吸収波
長領域での最小透過率cの比率(透過率比=a/c)が
少なくとも25以上を示すような顔料〔特定関係4〕。
ても、特定関係1・2同様、トナー中の顔料が高分散状
態となり、印刷並の高濃度・高画質できる ところで、色によっては、トナーの非固有吸収波長領域
は、可視光領域(380〜780nm)において、イエ
ロートナー(500〜780nm)のように連続した波
長領域とならない。例えば、マゼンタトナーでは380
〜400nmと600〜780nmとなり、シアントナ
ーでは380〜520nmと720〜780nmとな
る。
は、上記のように可視光領域における非固有吸収波長領
域が分離する状態を考慮して、より一層高分散状態を実
現できる透過率比を求めてみたところ、マゼンタ顔料の
場合、以下のような特定関係を規定するに至った。
重量%以上12重量%以下となる場合、600nm以上
780nm以下の波長領域における最大透過率aと、固
有吸収波長領域での最小透過率cの比率(透過率比=a
/c)が少なくとも30以上を示し、380nm以上5
00nm以下の波長領域における最大透過率bと、固有
吸収波長領域での最小透過率cとの比率(透過率比=b
/c)が少なくとも23以上を示すような顔料〔特定関
係5〕。
3重量%以上20重量%以下となる場合、600nm以
上780nm以下の波長領域(非固有吸収波長領域)に
おける最大透過率aと、固有吸収波長領域での最小透過
率cとの比率(透過率比=a/c)が少なくとも28以
上を示し、380nm以上500nm以下の波長領域に
おける最大透過率bと、固有吸収波長領域での最小透過
率cとの比率(透過率比=b/c)が少なくとも20以
上を示すような顔料〔特定関係6〕。
す顔料を含むトナーであれば、トナー中の顔料が高分散
状態となり、透明性・着色力のバランスが最適化され、
平版印刷に迫る高画質、高濃度画像が得られる。一方、
これらの関係を満たさない場合、透明性の低下および彩
度の低下をもたらす。
径は、特に限定するものではないが、特定関係1・2を
満たしている方が好ましい。
中においてどの程度、分散粒子径が実現されているかが
本発明の重要な要件となる。例えば、顔料の90%以上
が分散粒子径であれば(最適設計値を満たしていれ
ば)、ほぼ所定の比率以上のトナーとなる。
%以上になると、画像形成のプロセスにおいて、カラー
自体の透明性・着色力のバランスが悪くなる。その結
果、色度図でのカラー再現領域も小さくなり、平版印刷
インキ画像との差異が顕著となる。
料としては、公知のものを使用できる上、色純度・彩度
・耐光性等から、特に、以下に示すものが好ましい。
イエロー74のモノアゾイエロー顔料、または、C.
I.ピグメントイエロー128の縮合アゾ顔料、また
は、C.I.ピグメントイエロー151、180あるい
は194のベンズイミダゾロン顔料が挙げられる。
レッド122、あるいは202のキナクリドン顔料、ま
たは、C.I.ピグメントレッド149、190、ある
いは224のペリレン顔料、または、C.I.ピグメン
トレッド175、176あるいは185のナフトールA
S−ベンズイミダゾロン顔料が挙げられる。
ルー15:3あるいは15:4のフタロシアニン顔料が
挙げられる。なお、C.I.とはカラーインデックスを
示している。
る。
分散(加圧混練して分散)させて組成物を生成し〔前処
理行程〕、この組成物(予備混練物(マスターバッチ
品))の主成分に応じて帯電制御剤、定着離型剤類、分
散剤といった添加剤材料、およびバインダー樹脂を加え
て混合機で乾式混合する、すなわち、混合物を製造する
〔混合工程〕。その後、混練機で混合物を溶融混練して
均一分散させる、すなわち混練分散物を製造する〔溶融
混練分散工程〕。その後、混練分散物を冷却・粉砕し
て、分級する〔冷却・粉砕工程および分級工程〕。そし
て、最後に、流動性・摩擦帯電性・クリーニング性等を
向上させる目的で、分級された材料にシリカ微粉体、酸
化チタン、アルミナ等を付着させる〔表面処理行程〕。
前処理を行なわずに、直接顔料・バインダー樹脂・トナ
ー・帯電制御剤等を乾式混合して、トナーを製造しても
構わない。また、これらの製造法は、いわゆる乾式法で
ある。
は、溶融混練工程の際、温度上昇が起きてしまう。そし
て、この温度上昇が比較的大きい場合、顔料の平均粒子
径および分光吸収波長領域(分光吸収特性)に影響を及
ぼす。
工程においては、溶融混練分散工程での温度を、バイン
ダー樹脂のガラス転移温度(Tg)の2倍以下となるよ
うに制御するようにした。すると、上述の特定関係1〜
6の顔料を含むトナーを製造できることが判った。
練分散工程で使用する混練機としては、例えば、冷却部
を有する2本ロールで、強い剪断力を与えることのでき
るものがよい。逆に、例えば、通常のトナー製造で用い
られる閉鎖系二軸押出機の場合、バインダー樹脂のTg
よりも2倍以上の温度に到達するため、特定関係1〜6
の顔料を含むトナーを生成することが難しい。
の水分を除去する処理を行い、その処理された組成物
(予備混練物)を、所定の樹脂(バインダー樹脂)・添
加物とともに混合・混練(希釈混練)等してトナーを製
造すると、より高い顔料の分散状態を得ることができ、
かつ着色力・透明性に優れたトナーとなることが判っ
た。
燥)された20〜60重量%の顔料を、40〜80重量
%の無色樹脂に加えて、予備混練分散させること。
スラリー処理…硫酸等で酸化処理した顔料(水分を除去
する処理をした顔料)を、無色樹脂に加えて、予備混練
分散させること。
り得られる30〜80重量%の含水顔料ぺ一ストを、2
0〜70重量%の無色樹脂に加えて、予備混練分散させ
ること。なお、無色樹脂とは、バインダー樹脂(トナー
構成物)と同種あるいは別種の樹脂のことである。
の顔料を水相から樹脂相に転送する方法である。
製造された本実施の形態のトナーは、3μm以上8μm
以下の平均粒子径(重量平均粒子径)を有するようにし
ている。
大きい場合、転写時のトナー層厚を薄くすることはでき
るが、定着後のトナー層厚が厚くなり、透明性の低下を
もたらしてしまうという問題がある。一方、3μmより
小さい場合、トナーの流動性が著しく低下してしまうと
いう問題がある。しかし、上記の3μm以上8μm以下
の平均粒子径のトナーであれば、かかる問題は発生しな
い。
m以上にすると、顔料濃度(トナー中の顔料の濃度)を
高めたときにも、顔料は高分散状態となり、特定関係3
〜6の透過率比となりやすい。また、顔料が、所定の分
散粒子径となっていない場合、体積抵抗率が低下し、好
ましくない。なお、体積抵抗率が低下すると、転写効率
も低下する。
は、優れた透過特性・溶融特性を示すものであれば、特
に樹脂の種類は限定されるものではないが、充分な溶融
状態であると判定できる光沢度15以上の値が得られる
ものが好適であり、特に、ポリエステル樹脂・ポリエー
テルポリオール樹脂が好適に用いられている。
料濃度は、4重量%前後である。しかし、高濃度印刷に
よる高画質化を狙うには、4重量%以上20重量%以下
が好ましく、最も好ましくは8重量%以上16重量%以
下である。なお、トナー自体のほとんどがバインダー樹
脂で構成されているため、顔料濃度は、バインダー樹脂
中に含まれる濃度といってもよい。
がトナーとしての充分な帯電性を有する場合、混合工程
では、帯電制御剤を添加しなくてもよい。しかし、安定
した帯電性が得られない場合には、帯電性を補助するた
めに、バインダー樹脂100重量部に対して、例えば、
1〜2重量部程度の帯電制御剤の添加が好ましい。
樹脂100重量部に対して、1〜5重量部程度添加して
もよい。帯電制御剤・定着離型剤のどちらであっても、
光散乱による透過率の低下を引き起こさないような高分
散状態にする必要がある。
均粒径(サイズ)と分散状態とを制御すれば上記の乾式
法とは異なる湿式法でも製造できる。したがって、懸濁
法、乳化凝集法、液中乾燥法等のいわゆる湿式法を用い
てもよい。
混合機には、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)、ス
ーパーミキサー(川田社製)、メカノミル(岡田精工社
製)等のヘンシェルタイプを用いてもよいし、オングミ
ル(ホソカワミクロン社製)、ハイブリダイゼーション
システム(奈良機械製作所製)、コスモシステム(川崎
重工業社製)等を用いてもよい。また、混練機は、ニー
ディックス(三井鉱山社製)等のオープンロール方式を
用いてもよい。
脂に対して4重量%以上20重量%以下が好ましいが、
特に、高濃度印刷による高画質化を狙うには、実用的に
使用されている含有量の2倍〜5倍を用いるのが良く、
最も好ましくは8重量%以上16重量%以下であるとも
いえる。
%前後)の2倍〜5倍とし、シート(メディア)上での
定着トナー層厚を薄くして、単位体積当たりの顔料濃度
を高くするほど、平版印刷並の高濃度画像(光学濃度2
以上)と高品質画像とが得られるともいえる。なお顔料
の含有量は、4重量%未満の場合、高着色力化が難しく
なり、また、20重量%を越える場合、高分散化が困難
となり、所望の透明性の確保ができなくなるともいえ
る。
置)は、感光体への均一帯電を行い、さらに、その帯電
を光で除去して潜像を形成し、その潜像にトナーを含ん
だ現像剤でトナー像に現像した後、シートへトナー像の
転写・定着を行なう画像形成装置であって、本実施の形
態のトナーを用いるようになっている。
光体を直列に配置し、その各感光体に備えられている現
像器によって、各成分色の画像をほぼ同時に形成して、
カラー画像形成を行なうタンデム方式の画像形成装置
(タンデム機)を挙げることができる。
書き込み光学系11、感光体12(12a〜12d)、
帯電器13(13a〜13d)、現像器14(14a〜
14d)、クリーナー15(15a〜15d)、転写チ
ャージャー(不図示)、搬送ベルト16、および定着器
(不図示)の各部材から構成されている。そして、感光
体12は、シートの搬送方向(矢印R)に沿って、ブラ
ック(K)(感光体12a)、マゼンタ(M)(感光体
12b)、シアン(C)(感光体12C)、イエロー
(Y)(感光体12d)の順で配置されている。
ビーム(走査ビーム)を各感光体12(12a〜12
d)に向けて(矢印S参照)照射、すなわち、各感光体
12(12a〜12d)を走査(露光)する装置であ
る。
であり、帯電器13は、電圧を印加させて感光体12を
帯電させるものである。
体12にトナーを供給することにより、この静電潜像を
トナー像に現像するものである。
等)へのトーナー像の転写が終了した後、感光体12上
に残ったトナー(残留トナー)を回収するものである。
成(現像)されたトナー像を、シートに転写させるもの
であり、搬送ベルト16の環の内部に位置し、かつこの
搬送ベルト16を感光体12と挟持するようになってい
る。
12d)の下方に配置されており、感光体12の全長と
略同じ長さのベルト幅を有する環状ベルトである。そし
て、この搬送ベルト16は、シートを静電吸着させなが
ら搬送するものである。
てくるトナー像の転写されたシートを加熱して、このト
ナー像を定着させるものである。
記の各部材を制御する制御CPU21が備えられてい
る。
材を動作させて、画像形成を行うようにする。
ng Unit)は、感光体12を、帯電器13により帯電させ
る。そして、書き込み光学系11で、この帯電した感光
体12に対して光を照射させ、該感光体12上の帯電を
除去(除電)し、静電潜像を生成する。
この静電潜像にトナーを供給して、該静電潜像をトナー
像に現像する。
6で、シートを感光体12に向けて搬送させる。さら
に、この搬送、すなわちシートを感光体12a→12b
→12c→12dの順で搬送させる際、転写チャージャ
ーによって、上記の順で該感光体12からシートにトナ
ー像を転写させる。なお、上記の感光体の12b、12
c、12dの順に、透明性の低いトナー像(例えば、感
光体12bにマゼンタトナー像、感光体12cにシアン
トナー像、感光体12dにイエロートナー像)が転写さ
れるようになっている。
のトナー像が重ねて転写されたシートを定着部に搬送さ
せ、該シートにトナー像を定着させ、排紙させる。
のシートへの転写の際、転写しきれず感光体12上に残
ったトナーは、クリーナー15(15a〜15d)によ
って感光体12上から回収させる。
分散状態(分散安定性の高い状態)を実現できる平均粒
子径(分散粒子径)であるため、トナーの着色力と透明
性とのバランスが最適化されている。また、高濃度の顔
料比率でもある。したがって、上述した本画像形成装置
に、このトナーを用いると、印刷に迫る高濃度・高品質
の画像をシートに印刷できる。
性)に差が出る(後に表記する表4参照)。そこで、本
画像形成装置(多色刷り方式のカラー画像形成装置)
は、制御CPU21によって、透明性の低い順(例え
ば、マゼンタトナー・シアントナー・イエロートナーの
順)で重ね合わせて画像を形成させるようになってい
る。その結果、印刷に迫る高濃度・高品質の画像をシー
トに印刷できる。
定されるものではなく、各成分色に1つ感光体を順次動
作させ、カラー画像形成を行なう多回転方式の画像形成
装置であっても構わない。
るプロセスカラーを発色できるトナーとして使用しても
よい。このプロセスカラーとは、1次色のことである。
よび画像形成装置は、以下のように表現することもでき
る。
樹脂バインダーを少なくとも含有する電子写真用カラー
トナーであって、カラー有機顔料の平均粒子径が、その
カラー有機顔料が示す可視光領域(380nm以上78
0nm以下の波長範囲)における所望の吸収波長領域の
最大波長の1/2から最小波長の1/2の範囲内にある
構成である。
とし、樹脂バインダーを少なくとも含有する電子写真用
カラートナーであって、カラー有機顔料の平均粒子径
が、そのカラー有機顔料が示す可視光領域における最大
波長(最も透過率の低い波長)をλmax (nm)とした
とき、(λmax /2)±50nmの範囲内にある構成で
ある。
含有量が4重量%以上12重量%以下である構成であ
る。
とし、樹脂バインダーを少なくとも含有する電子写真用
カラートナーであって、カラー有機顔料の含有量が13
重量%以上20重量%以下であり、そのカラー有機顔料
が示す可視光領域での非固有吸収領域(補色波長領域)
における最大透過率と固有吸収波長領域での最小透過率
との比が、少なくとも25以上である構成である。
とし、樹脂バインダーを少なくとも含有する電子写真用
カラートナーにおいて、カラー有機顔料の含有量が4重
量%以上12重量%以下であり、そのカラー有機顔料が
示す可視光領域での非固有吸収領域(補色波長領域)に
おける最大透過率と固有吸収波長領域での最小透過率と
の比が、少なくとも30以上である構成である。
し、樹脂バインダーを少なくとも含有する電子写真用カ
ラートナーであって、イエロー顔料の平均粒子径が、1
50nm以上250nm以下の範囲にある構成である。
量が13重量%以上20重量%以下である場合、イエロ
ートナーが非固有吸収領域(補色波長領域)における最
大透過率と可視光領域での固有吸収波長領域での最小透
過率との比が、少なくとも25以上である構成である。
量が4重量%以上12重量%以下である場合、イエロー
トナーが非固有吸収領域(補色波長長領域)における最
大透過率と可視光領域での固有吸収波長領域での最小透
過率との比が、少なくとも30以上である構成である。
し、樹脂バインダーを少なくとも含有する電子写真用カ
ラートナーであって、マゼンタ顔料の平均粒子径が、2
00nm以上320nm以下の範囲にある構成である。
量が13重量%以上20重量%以下である場合、マゼン
タトナーが非固有吸収波長領域(補色波長領域)で38
0nm以上500nm以下の波長領域での最大透過率、
ならびに、600nm以上780nm以下の波長領域で
の最大透過率と、可視光領域での固有吸収波長領域での
最小透過率の比が、各々少なくとも20以上、28以上
である構成である。
量が4重量%以上12重量%以下である場合、マゼンタ
トナーが非固有吸収領域(補色波長領域)で380nm
以上500nm以下の波長領域での最大透過率、ならび
に、600nm以上780nm以下の波長領域での最大
透過率と、可視光領域での固有吸収波長領域での最小透
過率との比が、各々少なくとも23以上、30以上であ
る構成である。
し、樹脂バインダーを少なくとも含有する電子写真用カ
ラートナーであって、シアン顔料の平均粒子径が、26
0nm以上390nm以下の範囲にある構成である。
が13重量%以上20重量%以下である場合、非固有吸
収領域(補色波長領域)における最大透過率と可視光領
域での固有吸収波長領域での最小透過率との比が、少な
くとも25以上である構成である。
が4重量%以上12重量%以下である場合、非固有領域
(補色波長領域)における最大透過率と可視光領域での
固有吸収波長領域での最小透過率との比が、少なくとも
30以上である構成である。
エロー顔料である場合、C.I.ピグメントイエロー7
4のモノアゾイエロー顔料、または、C.I.ピグメン
トイエロー128の縮合アゾ顔料、または、C.I.ピ
グメントイエロー151、180あるいは194のベン
ズイミダゾロン顔料となる構成である。
ゼンタ顔料である場合、C.I.ピグメントレッド12
2、あるいは202のキナクリドン顔料、または、C.
Iピグメントレッド149、190あるいは224のペ
リレン顔料、または、C.I.ピグメントレッド17
5、176あるいは185のナフトールAS−ベンズイ
ミダゾロン顔料となる構成である。
アン顔料である場合、C.I.ピグメントブルー15:
3あるいは15:4のフタロシアニン顔料となる構成で
ある。
3μm以上8μm以下の重量平均粒子径を有する構成で
ある。
が、ポリエステル樹脂あるいはポリエーテルポリオール
樹脂である構成である。
アシッドペーストあるいはアシッドスラリーより得られ
る水性物であり、少なくとも樹脂相にカラー有機顔料を
相転換して水を除去したものであって、溶融混練工程、
粉砕工程により製造される構成である。
フラッシング法で樹脂相に相転換されるものであり、少
なくとも溶融混練分散、粉砕工程を経て製造される構成
である。
が、バインダー樹脂のガラス転移温度(Tg)の2倍以
下の温度範囲内で制御されて製造される構成である。
有機顔料が、少なくともイエロー顔料、マゼンタ顔料、
およびシアン顔料からなる3色の上記トナーをプロセス
カラートナーとして使用する構成である。
有機顔料が、少なくともイエロー顔料、マゼンタ顔料、
およびシアン顔料からなる3色のトナーをプロセスカラ
ートナーとして使用するものであり、マゼンタ、シア
ン、イエローの順に色を重ねて画像形成する構成であ
る。
発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれにより、
何ら限定されるものではない。
度、および透明性については、下記の方法により評価し
た。
シリコンコートされた平均粒径60μmフェライトコア
キャリアと、後述する実施例・比較例で得られたトナー
とを混合した2成分の現像剤を用いている。なお、トナ
ー濃度は、現像剤に対して5重量%となるように混合し
ている。
カラー専用紙(品番:PP106A4C)上に、シャー
プ社製AR−C150を用いて、所定のトナー付着量に
なるように調整して印字させた後、外部定着機を用いて
定着させている。なお、同一のトナー付着量で現像し、
同一の定着条件で定着していても、顔料濃度に応じて色
度の変化・彩度の劣化(プロセスカラーからの色度の変
化・彩度の劣化)を生じる場合がある。そのため、顔料
濃度に応じて、現像・定着条件を変更している(最適現
像・定着条件を設定している)。
てトナーを切断し、その薄片状のサンプルを透過型電子
顕微鏡(TEM)を用いて、10,000倍の写真を撮
り、画像解析機(オムニコン3500:島津製作所製)
で長さ(径)測定する。そして、なお、分散粒子径は、
顔料粒子の長径と短径とにより計算される平均値を採用
する。
ス上で均一化した後、もう1枚のスライドガラスで挟み
込み、最小透過率が3%[Peak =3%]に調整されたサンプ
ルを作製する。そして、この薄層サンプルを用い、38
0nm以上780nm以下の波長領域における分光透過
率を、自記分光光度計U−3300(日立製作所製)に
より測定する。また、非固有吸収波長領域における最大
透過率は、極大値を持たずに単調増加する場合、400
nmあるいは700nmでの透過率を最大透過率とし
て、透過率比=最大透過率/最小透過率とする。なお、
マゼンタトナーについては、長波長側(600nm以上
780nm以下)での最大透過率aと、短波長側(38
0nm以上500nm以下)における最大透過率bとの
最大透過率を用いて、2つの透過率比a/c・透過率比
b/cを求める。なお、最小透過率は、固有吸収波長領
域での最小の透過率(最小透過率c)のことである。ま
た、イエロートナー・シアントナーで求められた透過率
比は、便宜上、透過率比a/cと表記する。
ート)上のトナー付着量を0.80mg/cm2 とした
画像サンプルの濃度(画像濃度ID)を、濃度計RD−
918(マクベス社製)を用いて測定する。1.5以上
の値であれば、良好であり、2.0以上の値が得られれ
ば、高濃度印刷による高品質画像が得られると評価す
る。なお、画像濃度IDは、トナーが付着した面が光を
吸収する程度を示す値である。すなわち、IDは、反射
濃度または透過率濃度であって、入射光量をPi、反射
光量または透過光量をP0 とすると、IDは、反射光率
または透過光率の逆数の常用対数で表される。すなわ
ち、 ID=10log(Pi/P0 ) である。
基本色度に最も近く、かつ最大彩度を得られる「トナー
付着量」と「定着条件」とを採用して、画像サンプルを
作製する。分光測色計X−Rite(日本平版印刷機材
社製)を用いて、上記画像サンプルを測定して得られる
L* a* b* 表色系より彩度C* を求める。なお、彩度
は、以下の式から求められる。 C* =(a*2十b*2)1/2 そして、各色トナーの彩度では、イエロートナーの場合
では90以上、マゼンタトナーの場合では75以上、シ
アントナーの場合では60以上を、高彩度と評価する。
電色社製)を用いて、最適現像・定着条件で得られた画
像サンプルのHAZE値を測定する。HAZE値は小さ
い程透過性がよいことを示しており、20以下が良好で
あり、15以下は極めて透明性が高いと評価する。しか
し、25以上になればカラートナーとしての実用性に欠
ける。
℃、1/2フロー軟化温度Tm=110℃の特性を有す
るポリエステル樹脂(バインダー樹脂)に対して、40
重量%の顔料を加えて予備混練分散させた組成物(マス
ターバッチ処理された組成物)と、ポリエステル樹脂
と、帯電制御剤(アルキルサルチル酸金属塩)とをヘン
シェルミキサーに投入し、10分間混合して混合物(原
材料混合物)を生成する。なお、この混合物生成の際、
製造するカラートナーの所望の顔料濃度Pに応じ、下記
に示す条件を満たす各組成材料をそれぞれ投入した。
する場合の原材料投入量) ポリエステル樹脂:(98−Y)重量部 組成物:Y重量部 帯電制御剤:2重量部 但し、P/100=0.4×Y/100を満たす。
た。 イエロー顔料…C.I.ピグメントイエロー74〔FAST
YELLOW FGOK(山陽色素株式会社製)〕 マゼンタ顔料…C.I.ピグメントレッド122〔Tone
r Magennta E-02 (クラリアントジャパン株式会社
製)〕 シアン顔料…C.I.ピグメントブルー15:3〔Host
eaperm Blue B2G (クラリアントジャパン株式会社
製)〕
%、12重量%、16重量%、および20重量%の顔料
濃度にした混合物を、三井鉱山株式会社製ニーディック
スMOS140−800で溶融混練して均一分散させ混
練分散物にした。なお、溶融混練分散工程における混練
分散物の温度を、赤外線非接触温度計で測定したとこ
ろ、いずれの混練ポイントにおいても120℃以下であ
った。
混練分散物を、冷却するとともに、ジェット式粉砕機に
よって微粉砕した後、風力分級する。そして、分級した
材料は、顔料濃度に応じてトナー粒径設計し、未外添の
トナーにした。なお、全色トナーの平均粒子径(体積平
均粒子径)は以下の通りである。
粒径の大粒粒子側から計算した50%目の体積平均粒子
径を意味している。また、上記の表1、および後に示す
表2・3は、後述する表面処理後のトナーの体積平均粒
子径を表しているともいえる。
と、シランカップリング剤・ジメチルシリコーンオイル
で表面処理された疎水性シリカ微粉体(BET比表面積
120m2 /g)0.50重量部とを混合して、負摩擦
帯電性のイエロートナー〔YT−1〜YT−5〕、マゼ
ンタトナー〔MT−1〜MT−5〕、シアントナー〔C
T−1〜CT−5〕に調製した。なお、顔料濃度8重量
%の各色トナーの分光透過スペクトル(波長と透過率と
の関係)を図1〜図3に示す。
同様のトナー製造工程を行い、負摩擦帯電性のマゼンタ
トナー〔MT−6〜MT−10〕を調整した。実施例2
の前処理では、硫酸で酸化処理したマゼンタ顔料を、実
施例1と同条件のポリエステル樹脂に加えて、予備混練
分散させている。なお、使用したマゼンタ顔料は、C.
I.ピグメントレッド185〔Novoperm Carmine HF4C
(クラリアントジャパン株式会社製)〕である。また、
マゼンタトナー〔MT−6〜MT−10〕の体積平均粒
子径は以下の表の通りである。
同様のトナー製造工程を行い、負摩擦帯電性のイエロー
トナー〔YT−6〜YT−10〕を調整した。実施例3
の前処理では、フラッシング法により転相することで得
られる60重量%の含水顔料ぺーストと、40重量%の
ポリエーテルポリオール樹脂から成る組成物とを、予備
分散させている。なお、使用したイエロー顔料は、C.
I.ピグメントイエロー180〔Toner Yellow Hg VP21
55(クラリアントジャパン株式会社製)〕である。ま
た、イエロートナー〔YT−6〜YT−10〕の体積平
均粒子径は以下の表の通りである。
例1と同様のトナー製造工程を行い、負摩擦帯電性のマ
ゼンタトナー〔MT−11〕を調整した。比較例1の溶
融混練分散工程では、混合物を、二軸押出し機PCM−
35(池貝鉄工社製)で混練させている。なお、使用し
たマゼンタ顔料は、C.I.ピグメントレッド122
〔Toner Magennta E-02 (クラリアントジャパン株式会
社製)〕である。また、MT−11では、顔料濃度は1
2重量%、トナーの体積平均粒径は6.2μmとしてい
る。また、本工程では、混練分散物の温度が120℃を
越えた。
ス転移温度Tg=60℃、1/2フロー軟化温度Tm=
110℃のスチレン−ブチルメタアクリレート樹脂を用
いた以外は実施例1と同様のトナー製造工程を行い、負
摩擦帯電性のシアントナー〔CT−6〕を調整した。な
お、使用したシアン顔料は、C.I.ピグメントブルー
15:3〔HosteapermBlue B2G (クラリアントジャパ
ン株式会社製)〕である。また、CT−6では、顔料濃
度は12重量%、トナーの体積平均粒径は6.5μmと
している。
1と同様のトナー製造工程を経て、負摩擦帯電性のイエ
ロートナー〔YT−11〕を調整した。但し、顔料は、
C.I.ピグメントイエロー17〔Permanent Yellow G
C02 VP2209(クラリアントジャパン株式会社製)〕であ
る。また、YT−11では、顔料濃度は12重量%、ト
ナーの体積平均粒径は6.5μmとしている。
の評価結果を表4に示す。
わかる。
5〕、マゼンタトナー〔MT−1〜MT−5〕、シアン
トナー〔CT−1〜CT−5〕のトナーでは、顔料濃度
が高くなるにつれて、非固有吸収波長領域での最大透過
率は若干減少するものの、非常に透明性の高いトナーに
なった。また、いずれのトナーにおいても、マトリック
ス樹脂中での分散粒子径は、所望の粒子径となった。
われるとともに、Tgの2倍以下の温度で溶融混練分散
工程が行われ、さらに特定関係1〜4のいずれか1つの
特定関係を満たしたイエロー・マゼンタ・シアントナー
は、透明性と着色力とのバランスの取れたトナーとな
る。また、マゼンタトナーでは、さらに特定関係5、ま
たは6の特定関係を満たしても、透明性と着色力とのバ
ランスの取れたトナーとなる。
10〕、およびイエロートナー〔YT−6〜YT−1
0〕では、顔料濃度が高くなっても、非固有吸収波長領
域での最大透過率はほとんど変化せず、非常に透明性の
高いトナーが得られた。また、分散粒子径も、所望の粒
子径となった。
行われるとともに、Tgの2倍以下の温度で溶融混練分
散工程が行われ、さらに特定関係1〜6のいずれか1つ
の特定関係を満たしたマゼンタトナー、またはフラッシ
ング処理が行われるとともに、Tgの2倍以下の温度で
溶融混練分散工程が行われ、さらに特定関係1〜4のい
ずれか1つの特定関係を満たしたイエロートナーは透明
性と着色力とのバランスの取れたトナーとなる。
アントナー〔CT−6〕、およびイエロートナー〔YT
−11〕では、非固有吸収波長領域での最大透過率は悪
く、また、分散粒子径もほとんど所望の粒子径とならな
かった。
溶融混練分散工程が行われた場合(比較例1参照)、ポ
リエステル樹脂・ポリエーテルポリオール樹脂以外の、
例えば、スチレン−ブチルメタアクリレート樹脂をバイ
ンダー樹脂として用いた場合(比較例2参照)、およ
び、前処理工程において、例えば、マスターバッチ処
理、アシッドペースト処理、アシッドスラリー処理、ま
たはフラッシング処理を行わない場合(比較例3参
照)、透明性と着色力とのバランスが取れないトナーと
なる。
めに、本発明のトナーは、顔料とバインダー樹脂とを含
むトナーであって、上記顔料の平均粒子径は、可視光領
域における上記顔料の有する固有吸収波長領域の最小波
長の1/2の値以上、最大波長の1/2の値以下であ
り、かつトナー中の顔料濃度が、4重量%以上20重量
%以下となる構成である。
で、分散安定性の高い状態(高分散状態)を実現できる
平均粒子径(分散粒子径)となる。また、このような高
分散状態では、トナーの着色力と透明性とのバランスが
最適化される(バランスがとれる)上、上記のように高
い顔料比率(4重量%以上20重量%以下)にしてい
る。そのため、本発明のトナーは、透明性と着色力との
バランスの取れたトナーになり、印刷に迫る高濃度・高
品質を達成できるという効果を奏する。なお、上記の最
適化とは、所望の着色力と透明性とを両立させることで
ある。
明のトナーは、顔料とバインダー樹脂とを含むトナーで
あって、上記顔料の平均粒子径は、可視光領域における
上記顔料の有する固有吸収波長領域で、最小透過率cを
示す波長をλmin nmとした場合、((λmin /2)−
50)nm以上((λmin /2)+50)nm以下であ
り、かつトナー中の顔料濃度が、4重量%以上20重量
%以下となる構成である。
で、分散安定性の高い状態(高分散状態)を実現できる
平均粒子径(分散粒子径)となる。また、このような高
分散状態では、トナーの着色力と透明性とのバランスが
最適化される(バランスがとれる)上、上記のように高
い顔料比率(4重量%以上20重量%以下)にしてい
る。そのため、本発明のトナーは、透明性と着色力との
バランスの取れたトナーになり、印刷に迫る高濃度・高
品質を達成できるという効果を奏する。
明のトナーは、顔料とバインダー樹脂とを含むトナーで
あって、トナー中の顔料濃度が4重量%以上12重量%
以下の場合、可視光領域における上記顔料の非固有吸収
波長領域の最大透過率aと、固有吸収波長領域での最小
透過率cとの比率a/cが30以上となる構成である。
4重量%以上12重量%以下の場合、顔料は、トナー中
で、分散安定性の高い状態(高分散状態)を実現できる
平均粒子径(分散粒子径)となる。また、このような高
分散状態では、トナーの着色力と透明性とのバランスが
最適化される。そのため、本発明のトナーは、透明性と
着色力とのバランスの取れたトナーになり、印刷に迫る
高濃度・高品質を達成できるという効果を奏する。
明のトナーは、顔料とバインダー樹脂とを含むトナーで
あって、トナー中の顔料濃度が13重量%以上20重量
%以下の場合、可視光領域における上記顔料の非固有吸
収波長領域の最大透過率aと、固有吸収波長領域での最
小透過率cとの比率a/cが25以上となる構成であ
る。
13重量%以上20重量%以下の場合、顔料は、トナー
中で、分散安定性の高い状態(高分散状態)を実現でき
る平均粒子径(分散粒子径)となる。また、このような
高分散状態では、トナーの着色力と透明性とのバランス
が最適化される。そのため、本発明のトナーは、透明性
と着色力とのバランスの取れたトナーになり、印刷に迫
る高濃度・高品質を達成できるという効果を奏する。
明のトナーは、イエロー顔料とバインダー樹脂とを含む
イエロートナーであって、上記顔料の平均粒子径が、1
50nm以上250nm以下となる構成である。
では、上記イエロー顔料の顔料濃度が4重量%以上12
重量%以下の場合、可視光領域における上記イエロー顔
料の非固有吸収波長領域の最大透過率aと、固有吸収波
長領域での最小透過率cとの比率a/cが30以上であ
ることが好ましい。
では、上記イエロー顔料の顔料濃度が13重量%以上2
0重量%以下の場合、可視光領域における上記イエロー
顔料の非固有吸収波長領域の最大透過率aと、固有吸収
波長領域での最小透過率cとの比率a/cが25以上で
あることが好ましい。
では、上記顔料、または上記イエロー顔料は、C.I.
ピグメントイエロー74のモノアゾイエロー顔料、C.
I.ピグメントイエロー128の縮合アゾ顔料、または
C.I.ピグメントイエロー151、180、194の
ベンズイミダゾロン顔料よりなる群から選ばれる少なく
とも1つの顔料を用いてなることが好ましい。
ナー中で、分散安定性の高い状態(高分散状態)を実現
できる平均粒子径(分散粒子径)となる。また、このよ
うな高分散状態では、トナーの着色力と透明性とのバラ
ンスが最適化される(バランスがとれる)上、上記のよ
うに高い顔料比率にしている。そのため、本発明のトナ
ーは、透明性と着色力とのバランスの取れたトナーにな
り、印刷に迫る高濃度・高品質を達成できるという効果
を奏する。
明のトナーは、マゼンタ顔料とバインダー樹脂とを含む
マゼンタトナーであって、上記顔料の平均粒子径が、2
00nm以上320nm以下となる構成である。
では、上記マゼンタ顔料の顔料濃度が4重量%以上12
重量%以下の場合、可視光領域における上記マゼンタ顔
料の600nm以上780nm以下の波長領域の最大透
過率aと、固有吸収波長領域での最小透過率cとの比率
a/cが30以上であり、さらに、380nm以上50
0nm以下の波長領域の最大透過率bと、固有吸収波長
領域での最小透過率cとの比率b/cが23以上である
ことが好ましい。
では、上記マゼンタ顔料の顔料濃度が13重量%以上2
0重量%以下の場合、可視光領域における上記マゼンタ
顔料の600nm以上780nm以下の波長領域の最大
透過率aと、固有吸収波長領域での最小透過率cとの比
率a/cが28以上であり、さらに、380nm以上5
00nm以下の波長領域の最大透過率bと、固有吸収波
長領域での最小透過率cとの比率b/cが20以上であ
ることが好ましい。
では、上記顔料、または上記マゼンタ顔料は、C.I.
ピグメントレッド122、202のキナクリドン顔料、
C.I.ピグメントレッド149、190、224のペ
リレン顔料、またはC.I.ピグメントレッド175、
176、185のナフトールAS−ベンズイミダゾロン
顔料よりなる群から選ばれる少なくとも1つの顔料を用
いてなることが好ましい。
ナー中で、分散安定性の高い状態(高分散状態)を実現
できる平均粒子径(分散粒子径)となる。また、このよ
うな高分散状態では、トナーの着色力と透明性とのバラ
ンスが最適化される(バランスがとれる)上、上記のよ
うに高い顔料比率にしている。そのため、本発明のトナ
ーは、透明性と着色力とのバランスの取れたトナーにな
り、印刷に迫る高濃度・高品質を達成できるという効果
を奏する。
は、380〜400nmと600〜780nmと非固有
吸収波長領域が分離している。そのため、上記の構成で
は、この分離状態を考慮して、より一層高分散状態を実
現できるように、600nm以上780nm以下の波長
領域と、380nm以上500nm以下の波長領域との
2つ波長領域で比率(透過率比)を設定している。
明のトナーは、シアン顔料とバインダー樹脂とを含むシ
アントナーであって、上記顔料の平均粒子径が、260
nm以上390nm以下となる構成である。
では、上記シアン顔料の顔料濃度が4重量%以上12重
量%以下の場合、可視光領域における上記シアン顔料の
非固有吸収波長領域の最大透過率aと、固有吸収波長領
域での最小透過率cとの比率a/cが30以上であるこ
とが好ましい。
では、上記シアン顔料の顔料濃度が13重量%以上20
重量%以下の場合、可視光領域における上記シアン顔料
の非固有吸収波長領域の最大透過率aと、固有吸収波長
領域での最小透過率cとの比率a/cが25以上である
ことが好ましい。
では、上記顔料、または上記シアン顔料は、C.I.ピ
グメントブルー15:3、または15:4のフタロシア
ニン顔料よりなる群から選ばれる少なくとも1つの顔料
を用いてなることが好ましい。
ー中で、分散安定性の高い状態(高分散状態)を実現で
きる平均粒子径(分散粒子径)となる。また、このよう
な高分散状態では、トナーの着色力と透明性とのバラン
スが最適化される(バランスがとれる)上、上記のよう
に高い顔料比率にしている。そのため、本発明のトナー
は、透明性と着色力とのバランスの取れたトナーにな
り、印刷に迫る高濃度・高品質を達成できるという効果
を奏する。
では、上記バインダー樹脂が、ポリエステル樹脂、また
はポリエーテルポリオール樹脂であることが好ましい。
は、優れた透過特性・溶融特性等を示すものであれば、
特に樹脂の種類は限定されるものではないが、例えば、
トナーの製造の際、バインダー樹脂が、充分な溶融状態
であると判定できるような光沢度15以上の値を有すも
のがよい。
リオール樹脂は、光沢度15以上の値を有している。そ
のため、バインダー樹脂が、充分な溶融状態であるか否
かを判定できるという効果を奏する。
では、トナーの平均粒子径が3μm以上8μm以下であ
ることが好ましい。
大きい場合、転写時のトナー層厚を薄くすることはでき
るが、定着後のトナー層厚が厚くなり、透明性の低下を
もたしてしまうという問題がある。一方、3μmより小
さい場合、トナーの流動性が著しく低下してしまうとい
う問題がある。しかし、上記の3μm以上8μm以下の
平均粒子径のトナーであれば、かかる問題は発生しない
という効果を奏する。
を製造する方法は、バインダー樹脂中に顔料を予備混練
分散させて組成物を生成した後に、少なくとも上記組成
物およびバインダー樹脂を加えて混合し、さらに、この
混合物を溶融混練して均一分散させる方法であって、上
記の溶融混練の際、上記バインダー樹脂のガラス転移温
度の2倍以下の温度にする構成である。
が、比較的に温度上昇が高いと、顔料の平均粒子径およ
び分光吸収波長領域(分光吸収特性)に影響を及ぼす。
の高い状態(高分散状態)を実現できる平均粒子径(分
散粒子径)となる顔料を含むトナーを製造することがで
きるという効果を奏する。
を製造する方法では、上記顔料を乾燥させてから、上記
の予備混練分散を行うことが好ましい。
を製造する方法では、硫酸で上記顔料に酸化処理を施
し、水分を除去させてから、上記の予備混練分散を行う
ことが好ましい。
を製造する方法では、フラッシング法により上記顔料か
ら水分を除去させてから、上記の予備混練分散を行うこ
とが好ましい。
中の水分を除去する処理を行っている。このような顔料
中の水分が除去された組成物(予備混練物)を、用いて
製造されたトナーでは、分散安定性の高い状態(高分散
状態)を実現できる平均粒子径(分散粒子径)となる顔
料を含むトナーを製造することができるという効果を奏
する。
成装置(本画像形成装置)は、感光体への均一帯電を行
い、さらに、その帯電を光で除去して潜像を形成し、そ
の潜像にトナーを含んだ現像剤でトナー像に現像した
後、シートへトナー像の転写・定着を行なう画像形成装
置であって、本発明のトナーを用いる構成である。
態(分散安定性の高い状態)を実現できる平均粒子径
(分散粒子径)であるため、トナーの着色力と透明性と
のバランスが最適化されている。また、高濃度の顔料比
率でもある。したがって、上記の構成では、本画像形成
装置は、印刷に迫る高濃度・高品質の画像をシートに印
刷できるという効果を奏する。
は、上記の転写の際、上記トナーで透明性の低いトナー
から順にシートに転写させるように制御する転写制御手
段を備えていることが好ましい。
性)に差が出る。そこで、本画像形成装置(例えば、多
色刷り方式のカラー画像形成装置)は、例えば、マゼン
タトナー・シアントナー・イエロートナーの順のよう
に、透明性の低いトナーから順に重ね合わせて画像を形
成するように制御できる転写制御手段を備えている。
ね合わせて画像を形成でき、その結果、印刷に迫る高濃
度・高品質の画像をシートに印刷できるという効果を奏
する。
波長範囲)におけるイエロートナーの透過率曲線を示し
た図である。
線を示した図である。
を示した図である。
る。
Claims (24)
- 【請求項1】顔料とバインダー樹脂とを含むトナーにお
いて、 上記顔料の平均粒子径は、可視光領域における上記顔料
の有する固有吸収波長領域の最小波長の1/2の値以
上、最大波長の1/2の値以下であり、かつトナー中の
顔料濃度が、4重量%以上20重量%以下であることを
特徴とするトナー。 - 【請求項2】顔料とバインダー樹脂とを含むトナーにお
いて、 上記顔料の平均粒子径は、可視光領域における上記顔料
の有する固有吸収波長領域で、最小透過率cを示す波長
をλmin nmとした場合、((λmin /2)−50)n
m以上((λmin /2)+50)nm以下であり、かつ
トナー中の顔料濃度が、4重量%以上20重量%以下で
あることを特徴とするトナー。 - 【請求項3】顔料とバインダー樹脂とを含むトナーにお
いて、 トナー中の顔料濃度が4重量%以上12重量%以下の場
合、 可視光領域における上記顔料の非固有吸収波長領域の最
大透過率aと、固有吸収波長領域での最小透過率cとの
比率a/cが30以上であることを特徴とするトナー。 - 【請求項4】顔料とバインダー樹脂とを含むトナーにお
いて、 トナー中の顔料濃度が13重量%以上20重量%以下の
場合、 可視光領域における上記顔料の非固有吸収波長領域の最
大透過率aと、固有吸収波長領域での最小透過率cとの
比率a/cが25以上であることを特徴とするトナー。 - 【請求項5】イエロー顔料とバインダー樹脂とを含むイ
エロートナーにおいて、 上記顔料の平均粒子径が、150nm以上250nm以
下であることを特徴とするトナー。 - 【請求項6】上記イエロー顔料の顔料濃度が4重量%以
上12重量%以下の場合、 可視光領域における上記イエロー顔料の非固有吸収波長
領域の最大透過率aと、固有吸収波長領域での最小透過
率cとの比率a/cが30以上であることを特徴とする
請求項5に記載のトナー。 - 【請求項7】上記イエロー顔料の顔料濃度が13重量%
以上20重量%以下の場合、 可視光領域における上記イエロー顔料の非固有吸収波長
領域の最大透過率aと、固有吸収波長領域での最小透過
率cとの比率a/cが25以上であることを特徴とする
請求項5に記載のトナー。 - 【請求項8】上記顔料、または上記イエロー顔料は、
C.I.ピグメントイエロー74のモノアゾイエロー顔
料、C.I.ピグメントイエロー128の縮合アゾ顔
料、またはC.I.ピグメントイエロー151、18
0、194のベンズイミダゾロン顔料よりなる群から選
ばれる少なくとも1つの顔料を用いてなることを特徴と
する請求項1〜7のいずれか1項に記載のトナー。 - 【請求項9】マゼンタ顔料とバインダー樹脂とを含むマ
ゼンタトナーにおいて、 上記顔料の平均粒子径が、200nm以上320nm以
下であることを特徴とするトナー。 - 【請求項10】上記マゼンタ顔料の顔料濃度が4重量%
以上12重量%以下の場合、 可視光領域における上記マゼンタ顔料の600nm以上
780nm以下の波長領域の最大透過率aと、固有吸収
波長領域での最小透過率cとの比率a/cが30以上で
あり、 さらに、380nm以上500nm以下の波長領域の最
大透過率bと、固有吸収波長領域での最小透過率cとの
比率b/cが23以上であることを特徴とする請求項9
に記載のトナー。 - 【請求項11】上記マゼンタ顔料の顔料濃度が13重量
%以上20重量%以下の場合、 可視光領域における上記マゼンタ顔料の600nm以上
780nm以下の波長領域の最大透過率aと、固有吸収
波長領域での最小透過率cとの比率a/cが28以上で
あり、 さらに、380nm以上500nm以下の波長領域の最
大透過率bと、固有吸収波長領域での最小透過率cとの
比率b/cが20以上であることを特徴とする請求項9
に記載のトナー。 - 【請求項12】上記顔料、または上記マゼンタ顔料は、
C.I.ピグメントレッド122、202のキナクリド
ン顔料、C.I.ピグメントレッド149、190、2
24のペリレン顔料、またはC.I.ピグメントレッド
175、176、185のナフトールAS−ベンズイミ
ダゾロン顔料よりなる群から選ばれる少なくとも1つの
顔料を用いてなることを特徴とする請求項1、2、3、
4、9、10、または11のいずれか1項に記載のトナ
ー。 - 【請求項13】シアン顔料とバインダー樹脂とを含むシ
アントナーにおいて、 上記顔料の平均粒子径が、260nm以上390nm以
下であることを特徴とするトナー。 - 【請求項14】上記シアン顔料の顔料濃度が4重量%以
上12重量%以下の場合、 可視光領域における上記シアン顔料の非固有吸収波長領
域の最大透過率aと、固有吸収波長領域での最小透過率
cとの比率a/cが30以上であることを特徴とする請
求項13に記載のトナー。 - 【請求項15】上記シアン顔料の顔料濃度が13重量%
以上20重量%以下の場合、 可視光領域における上記シアン顔料の非固有吸収波長領
域の最大透過率aと、固有吸収波長領域での最小透過率
cとの比率a/cが25以上であることを特徴とする請
求項13に記載のトナー。 - 【請求項16】上記顔料、または上記シアン顔料は、
C.I.ピグメントブルー15:3、または15:4の
フタロシアニン顔料よりなる群から選ばれる少なくとも
1つの顔料を用いてなることを特徴とする請求項1、
2、3、4、13、14、または15のいずれか1項に
記載のトナー。 - 【請求項17】上記バインダー樹脂が、ポリエステル樹
脂、またはポリエーテルポリオール樹脂であることを特
徴とする請求項1から16のいずれか1項に記載のトナ
ー。 - 【請求項18】請求項1〜17のいずれか1項に記載の
トナーの重量平均粒子径が3μm以上8μm以下である
ことを特徴とするトナー。 - 【請求項19】バインダー樹脂中に顔料を予備混練分散
させて組成物を生成した後に、少なくとも、上記組成物
およびバインダー樹脂を加えて混合し、さらに、この混
合物を溶融混練して均一分散させて請求項1〜18のい
ずれか1項に記載のトナーを製造するトナー製造方法に
おいて、 上記の溶融混練の際、上記バインダー樹脂のガラス転移
温度の2倍以下の温度にすることを特徴とするトナー製
造方法。 - 【請求項20】上記顔料を乾燥させてから、上記の予備
混練分散を行うことを特徴とする請求項19に記載のト
ナー製造方法。 - 【請求項21】硫酸で上記顔料に酸化処理を施し、水分
を除去させてから、上記の予備混練分散を行うことを特
徴とする請求項19に記載のトナー製造方法。 - 【請求項22】フラッシング法により上記顔料から水分
を除去させてから、上記の予備混練分散を行うことを特
徴とする請求項19に記載のトナー製造方法。 - 【請求項23】感光体への均一帯電を行い、さらに、そ
の帯電を光で除去して潜像を形成し、その潜像にトナー
を含んだ現像剤でトナー像に現像した後、シートへトナ
ー像の転写・定着を行なう画像形成装置において、 請求項1〜18のいずれか1項に記載のトナーを用いる
ことを特徴とする画像形成装置。 - 【請求項24】上記の転写の際、上記トナーで透明性の
低いトナーから順にシートに転写させるように制御する
転写制御手段を備えていることを特徴とする請求項23
に記載の画像形成装置。
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