JP4708172B2 - カラー画像形成装置、カラー画像形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、プリンター、ファクシミリ、複写機等の電子写真方式を用いたフルカラー画像形成装置並びにそれに適用されるカラー画像形成方法に関し、詳しくは、中間転写ベルト等の中間転写体を介在させて、像担持体から中間転写体へトナー像を転写する一次転写、中間転写体上の一次転写画像を転写材へ転写する二次転写の各転写工程を経て画像形成を行うカラー画像形成装置並びにこの装置を使用するカラー画像形成方法に関する。
従来、電子写真記録方式を用いてカラー画像を形成する、カラープリンタや複写機等のカラー画像形成装置においては、各色の画像データ基づいて、像担持体上に静電潜像を形成し、これを各色のカラートナーで現像し、該像担持体上のトナー像を転写体に静電転写することにより、フルカラーのトナー像を形成している。
例えば、近年急速に普及し始めたカラーレーザープリンタでは、一つの像坦持体、いわゆる感光体の近傍に複数の現像装置が接触可能に配置され、感光体が一回転する毎に各々の色のトナー像を作成し、このトナー像を感光体から中間転写体、若しくは転写ドラム等
に保持された被転写体(以下、単に紙ということがある。)に、順次転写してカラートナー画像を作成する、いわゆる1ドラム方式が主に使用されている。
ところで、1ドラム方式の画像形成装置の中でも、中間転写体上で複数色のトナー像を重ね、その後紙に一括転写する中間転写方式のものと、転写ドラム等に保持された紙に順次転写し、カラートナー像を作成する直接転写方式のものとがある。
直接転写方式による画像形成装置は、構造が簡易であり、低いコストで製造することが可能であるが、紙に対して複数回転写を行う場合に、紙の抵抗や含水分によって条件が異るため、安定した作像を行うことが難しい。
一方、中間転写方式による画像形成装置では、トナー画像の紙への転写を一回で済ませることができるため、得られる画像品質の安定性や、紙種への対応性がよく、また、色ずれを発生させないようにするための対応や制御が容易であり、更に、転写部材の搬送部分の短縮や搬送経路の簡易化などが容易である等の利点があることから、比較的多く採用されている。
しかし、例えば4色のカラートナーを使用してカラー画像を得る際に、1ドラム方式の画像形成装置を使用すると、直接転写方式あるいは中間転写方式のいずれを使用した場合であっても、感光体を4回回転させなければならず、その生産性を向上させるのが難しい。
このため、現在では、プリンター等における高速化の要求に対応するために、像担持体上に単色のトナー像を形成する画像形成ユニットを、複数個並列に配置して、単色のトナー像が複数重ね合わされたフルカラー画像を被転写体に形成するタンデム式の電子写真方式が多数採用されている。
この方式では、感光体の外周速度を、1ドラム方式を使用した時と等しい速度により稼働した場合、その4倍以上の速度で印刷することが可能である。
タンデム方式の画像形成装置では、直接転写方式あるいは中間転写方式のいずれを採用することも可能であるが、上述したように、直接転写方式の場合は、感光体等の像担持体から、紙に対して直接転写を行うため、紙転写の際の不安定性や、紙搬送の際の位置あわせの問題なども多く、近年では、例えば特許文献1に開示されているような、タンデム方式で且つ中間転写体を使用する、いわゆるタンデム中間転写方式が使用されている。
ところで、中間転写方式による画像形成装置では、一次転写の際に、中間転写体(例えば中間転写ベルト)が一時帯電した状態となるが、その後再び転写が行われるまでの間に、この電荷が緩和されて、安定した作像動作を繰り返し行うことが可能となる。
しかし、このように中間転写体上の電荷を緩和できる時間は、1ドラム方式とタンデム方式では、その構造上の違いから、それぞれに異なってくる。
即ち、1ドラム方式では、例えば中間転写体として中間転写ベルトを使用した場合、感光体から中間転写ベルトへの転写部は一カ所のみであるため、通常、中間転写ベルトの外周長は、最低でも印字したい紙の長さ分は最低でも必要であるため、一色目の画像を中間転写ベルトに転写してから二色目の画像を再び同じ転写部で転写するまでには、ある程度の時間を要し、転写の際に中間転写ベルトが帯電しても、再び転写が行われるまでの間に、帯電した電荷を緩和できる時間的余裕をとることができる。
一方、タンデム中間転写方式の場合は、中間転写ベルトの外周周りには複数の感光体が
配置されており、この中間転写ベルト上には、複数の感光体から画像が転写される転写部が備えられており、装置本体の設計の都合上、この隣接する転写部の間隔は、出来うる限り、狭めて設計されている。このため、感光体から中間転写ベルト上へ一次転写が行われてから、二次転写が行われるまでの時間が、1ドラム方式の場合と比較して短く、一次転写の際に生じた電荷を緩和する時間的余裕を十分にとることができない。
このように、タンデム方式の場合は、1ドラム方式の場合と比べ、一次転写の際に中間転写体上に生じた電荷を緩和する時間的余裕を十分にとることができないため、この電荷が中間転写体表面に残留したり、あるいは、一次転写の際に、中間転写体が感光体上の潜像の電位に影響され、その電位差を写し取ったりすることによる、電位ムラの現象が発生してくる。
中間転写ベルト上に電位ムラが発生すると、例えば、感光体から中間転写ベルト上にトナー像を一次転写する際に、像担持体上に形成されたトナー像が、本来転写されるべき位置に転写されず、その周辺に拡散して転写されてしまう転写チリの現象が発生する。転写チリが発生すると、紙面上で最終的に得られる画像がぼけてしまい、特に細線部分での画像のシャープ性が損なわれる。
転写チリを防止する技術としては、特許文献2において、トナー像を中間転写媒体に転写する毎に、用紙剥離チャージャーで転写されたトナー像の除電を行う技術、特許文献3において、最終転写段階の転写電位を直前の転写電位より大きくし、かつ、各転写段階へ移る間に中間転写媒体に所定電圧を印加する技術、特許文献4において、中間転写ベルトから用紙にトナー像を転写する前に中間転写ベルト上の電荷を除電する技術等が挙げられる。しかし、特許文献2ないし4に開示の技術では、除電や電圧印加の手段及びこれらの手段を制御する制御手段を設ける必要が生じ、制御機構が煩雑になると共に、装置の小型化の妨げともなるという問題があった。
また転写チリを低減させるための手段として、トナーの帯電量を低くする方法も挙げられるが、トナー帯電量を低くすることによって、逆極性のトナーの割合が多くなると、地肌部へのトナー付着が発生し、この地肌部に付着したトナーが、最終的に出力される画像上において、地肌部のかぶりとなって現れる場合がある。
特に、4色現像させるフルカラー現像方式では、地肌部のカブリが4倍となってしまう為、目立ち易い。また、トナー帯電の立ち上がりが悪くなると、画像濃度に紙の前後端で濃度差を生ずる、またはゴーストが現れる等の、画像濃度安定性が悪化する不具合が生じてくる。
このように、タンデム中間転写方式のカラー画像形成装置において、転写チリの発生を完全に防止する方法は得られていないのが実状であるが、紙面上におけるトナー層の重ね合わせの際、最も目立ちにくい色目のトナーを最後に重ね合わせることにより、転写チリをある程度目立ちにくい状態とすることができる。
ところで、カラー画像形成装置では、定着後に得られるカラー画像が、鮮やかな発色性を有すること、多色印刷を行った際の色重ねにおいて優れた透明性を発揮して色濁りの生じない鮮明な色再現性を有すること、あるいは、オーバーヘッドプロジェクター(以下、OHPという)シート上に転写・定着して得たカラー画像が、スクリーン上に投影された際に、濁りのない鮮明な色を写し出せるものであること、といった、優れた色再現特性を有するものであることが求められている。
一般に、カラー画像形成において用いられるトナーとしては、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーが挙げられ、このうち、イエローが最も目立ちにくい色であるため、上述の転写チリを目立ちにくくするためには、イエロートナーを最後に重ね合わせることが好ましい。一方、イエロートナーは、一般に着色度を得られにくいため、トナーへの着色剤の添加量を多くする場合が多く、その透明性が若干低くなることが多い。一般的に、イエロートナーは吸光度が低く、透明性はある程度高いものが多いが、透明性の低いトナーが最表面に重ね合わされると、得られるトナー画像全体の透明性が悪化すると共に下側のトナー層の色の発現が妨げられて、色再現性が悪化するという不具合が生じてくる。
トナーの透明性を悪化させる因子としては、様々なものが挙げられるが、その中でも、トナー粒子中における着色剤の分散粒径の影響が挙げられる。トナー粒子中における着色剤粒子の分散粒径を小さくするほど、トナーの透明性を向上させることができる。
イエロートナーに関しては、過去に行われた検討において、トナー粒子中における着色剤の分散粒径を小さくすることで、その透明性を改良する提案が種々なされている。
これらの検討により、着色剤として顔料系のものを使用した場合には、トナー粒子中における着色剤の分散粒径を小さくすることに限界があるのに対し、染料系の着色剤を使用した場合は、その分散性に優れていることが知られている。
例えば、特許文献5ないし特許文献7に開示のトナーでは、着色剤として、C.I.Solvent Yellow
162を用いることで、優れた透明性を達成することができ、さらに、現像キャリア汚染や、定着ローラーへのオフセット、定着ローラー塗布オイル汚染等もない、優れたトナーを得られることが記載されている。
しかし、染料系の着色剤を用いたトナーは、一般に、顔料系を用いたトナーと比べて、耐光性に劣るという欠点を有している。
先に示した、C.I.Solvent Yellow 162を用いたトナーは、他の染料系のイエロー着色剤を用いたトナーと比較した場合は、耐光性に優れるものの、顔料系の着色剤と比較すると耐光性は劣っており、実際の使用には問題を有している。
このため、転写チリの発生を抑え、且つ色再現性に優れた画像を得ることのできるカラー画像形成装置は得られていないのが現状である。
実開昭59-192159号公報 特開平1−282571号公報 特開平2−183276号公報 特開平4−147170号公報 特開昭61−112160号公報 特開平7−140716号公報 特開平8−36275号公報 特開平8−313487号公報
そこで本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その課題は、タンデム中間転写方式の画像形成装置において、転写チリ等による異常画像の発生が抑えられ、且つ透明性、色再現性に優れたカラー画像を得ることのできるカラー画像形成装置、及びカラー画像形成方法を提供することである。
上記課題を解決するための手段である本発明の特徴を以下に挙げる。
1.本発明は、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色トナーの現像器を有し、
各色について像担持体上に静電潜像を形成し、これを各色のトナーで現像し、前記像担持体上のトナー像を中間転写体に一次転写する工程を行った後、前記中間転写体上のトナー像を一括して被転写体に二次転写し、前記被転写体上のトナーを定着するタンデム型のカラー画像形成装置であって、前記トナーは、少なくとも結着樹脂と着色剤を含有するトナーであり、前記カラー画像形成装置は、前記複数の現像器のうち、イエロー現像器が、前記中間転写体上に最初に一次転写されるトナーを収容する現像器であり、前記シアン現像器とマゼンタ現像器に収容されるトナーのうち、前記中間転写体上に先に一次転写されるトナーをA、他方のトナーをBとしたとき、各トナー中の着色剤含有率Dが、下記式(1)の関係を満たし、各トナーの、フローテスター試験における1/2流出開始温度T1/2が、下記式(2)の関係を満たし、各色トナーにより形成される、0.8mg/cm のトナー薄層の画像のヘイズ度hzが、下記式(3)の関係を満たし、各色トナーの帯電量q/mが、下記式(4)の関係を満たすことを特徴とするカラー画像形成装置である。D<D・・・(1)(但し、D、Dは、それぞれ、トナーA、トナーBの着色剤含有率を表す。)、T1/2 <T1/2 ・・・(2)(但し、T1/2 、T1/2 は、それぞれ、トナーA、トナーBの1/2流出開始温度を表す。)hz <hz ・・・(3)(但し、hz 、hz は、それぞれ、トナーA、トナーBにより形成される0.8mg/cm のトナー薄層の画像のヘイズ度を表す。)q/m >q/m >q/m ・・・(4)(但し、q/m 、q/m 、q/m は、それぞれ、イエロートナー、トナーA、トナーBのトナー帯電量を表す。)
2.また、本発明のカラー画像形成装置は、1.に記載の発明において、前記イエロー現像器に隣接する位置に、前記シアン現像器が設置されることが好ましい。
3.また、本発明のカラー画像形成装置は、1.又は2に記載の発明において、前記ブラック現像器は、前記中間転写体上に最後に一次転写されるトナーを収容する現像器であることが好ましい。
4.また、本発明のカラー画像形成装置は、1.ないし3.のいずれかに記載の発明において、静電潜像を担持する像担持体と、少なくとも、前記像担持体に対向して配置される現像装置とを一体に支持し、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジを備えることが好ましい。
5.また、本発明のカラー画像形成方法は、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色トナーの現像器を有し、各色について像担持体上に静電潜像を形成し、これを各色のトナーで現像し、前記像担持体上のトナー像を中間転写体に一次転写する工程を行った後、前記中間転写体上のトナー像を一括して被転写体に2次転写し、前記被転写体上のトナーを定着するカラー画像形成方法であって、前記トナーは、少なくとも結着樹脂と着色剤を含有するトナーであり、前記カラー画像形成方法は、前記複数の現像器のうち、イエロー現像器が、前記中間転写体上に最初に一次転写されるトナーを収容する現像器であり、前記シアン現像器とマゼンタ現像器に収容されるトナーのうち、前記中間転写体上に先に一次転写されるトナーをA、他方のトナーをBとしたとき、各トナー中の着色剤含有率Dが、下記式(1)の関係を満たし、各トナーの、フローテスター試験における1/2流出開始温度T1/2が、下記式(2)の関係を満たし、各色トナーにより形成される、0.8mg/cm のトナー薄層の画像のヘイズ度hzが、下記式(3)の関係を満たし、各色トナーの帯電量q/mが、下記式(4)の関係を満たすことを特徴とするカラー画像形成方法である。D<D・・・(1)(但し、D、Dは、それぞれ、トナーA、トナーBの着色剤含有率を表す。)、T1/2 <T1/2 ・・・(2)(但し、T1/2 、T1/2 は、それぞれ、トナーA、トナーBの1/2流出開始温度を表す。)、hz <hz ・・・(3)(但し、hz 、hz は、それぞれ、トナーA、トナーBにより形成される0.8mg/cm のトナー薄層の画像のヘイズ度を表す。)、q/m >q/m >q/m ・・・(4)(但し、q/m 、q/m 、q/m は、それぞれ、イエロートナー、トナーA、トナーBのトナー帯電量を表す。)
6.また、本発明のカラー画像形成方法は、5.に記載の発明において、前記イエロー現像器により形成されたトナー画像が前記中間転写体上に一次転写された直後に、前記シアン現像器により形成されたトナー画像が、前記中間転写体上に一次転写されることが好ましい。
7.また、本発明のカラー画像形成方法は、5.又は6.に記載の発明において、前記複数の現像器のうち、ブラック現像器により形成されたトナー画像が、前記中間転写体上に最後に一次転写されることが好ましい。
上記解決するための手段により、本発明のカラー画像形成装置、及びこれを使用するカラー画像形成方法は、タンデム中間転写方式の画像形成装置において、転写チリ等の異常画像の発生を抑えつつ、色再現性・透明性に優れた、良好なカラー画像を提供することができる。
図1は、本実施形態に係るカラー画像形成装置の概略構成図である。図1において、複写装置本体100には、複写装置本体100を載せる給紙テーブル200、及び複写装置本体100上部に取り付けるスキャナ300、及びスキャナ300上部に取り付ける原稿自動搬送装置(ADF)400が付設されている。
複写装置本体100には、潜像担持体としての感光体40の周囲に帯電、現像、クリーニング等の電子写真プロセスを実行する各手段を備えた画像形成ユニット16を4つ並列に備えたタンデム型画像形成装置20が設置されている。タンデム型画像形成装置20の上部には、画像情報に基づいて感光体40をレーザー光により露光し潜像を形成する露光装置21が設けられている。また、タンデム型画像形成装置20の各感光体40と対向する位置には、無端状のベルト部材からなる中間転写ベルト10が設けられている。中間転写ベルト10を介して感光体40と相対する位置には、感光体40上に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト10に転写する一次転写手段62が配置されている。
また、中間転写ベルト10の下方には、中間転写ベルト10上に重ね合わされたトナー像を、給紙テーブル200より搬送されてくる転写紙に一括転写する二次転写装置12が配置されている。二次転写装置12は、2つのローラ22、23間に、無端ベルトである二次転写ベルト24を掛け渡して構成され、中間転写ベルト10を介して支持ローラ16に押し当てて配置し、中間転写ベルト10上のトナー像を転写紙に転写する。二次転写装置12の近傍には、転写紙上の画像を定着する定着装置25が設けられている。定着装置25の構成については、後に詳述する。
上述した二次転写装置12は、画像転写後の転写紙を定着装置25へと搬送するシート搬送機能も備えている。二次転写装置12として、転写ローラや非接触のチャージャを配置することもできる。この場合は、このシート搬送機能を併せて備えることは難しい。
なお、図示例では、二次転写装置12および定着装置25の下方に、上述したタンデム型画像形成装置20と平行に、転写紙の両面に画像を記録するための転写紙を反転する反転装置28を備える。
上記の画像形成装置の動作は以下の通りである。
初めに、原稿自動搬送装置400の原稿台30上に原稿をセットするか、または原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じて押さえる。
そして、不図示のスタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットしたときは、原稿を搬送してコンタクトガラス32上へと移動した後、他方コンタクトガラス32上に原稿をセットしたときは、直ちにスキャナ300を駆動し、第一走行体33および第二走行体34を走行する。そして、第一走行体33で光源から光を発射するとともに原稿面からの反射光をさらに反射して第二走行体34に向け、第二走行体34のミラーで反射して結像レンズ35を通して読み取りセンサ36に入れ、原稿内容を読み取る。
また、不図示のスタートスイッチを押すと、不図示の駆動モータで支持ローラ14、15、16の1つを回転駆動して他の2つの支持ローラを従動回転し、中間転写ベルト10を回転搬送する。同時に、個々の画像形成ユニット16で対応する感光体40を回転して各感光体40上にそれぞれ、ブラック・イエロー・マゼンタ・シアンの単色画像を形成する。そして、中間転写ベルト10の搬送とともに、それらの単色画像を順次転写して中間転写ベルト10上に合成カラー画像を形成する。
一方、不図示のスタートスイッチを押すと、給紙テーブル200の給紙ローラ42の1つを選択回転し、ペーパーバンク43に多段に備える給紙カセット44の1つからシートを繰り出し、分離ローラ45で1枚ずつ分離して給紙路46に入れ、搬送ローラ47で搬送して複写機本体100内の給紙路48に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。
この場合、給紙ローラ50を回転して手差しトレイ51上のシートを繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止めるようにしてもよい。
そして、中間転写ベルト10上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転し、中間転写ベルト10と二次転写装置12との間にシートを送り込み、二次転写装置12で転写してシート上にカラー画像を記録する。
画像転写後のシートは、二次転写装置12で搬送して定着装置25へと送り込み、定着装置25で熱と圧力とを加えて転写画像を定着して後、切換爪55で切り換えて排出ローラ56で排出し、排紙トレイ57上にスタックする。
この場合、切換爪55で切り換えてシート反転装置28に入れ、そこで反転して再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録して後、排出ローラ56で排紙トレイ57上に排出することもできる。
一方、画像転写後の中間転写ベルト10は、中間転写ベルトクリーニング装置17で、画像転写後に中間転写ベルト10上に残留する残留トナーを除去し、タンデム画像形成装置20による再度の画像形成に備える。
タンデム型画像形成装置20について、図2に基づいて更に詳しく説明する。図2は、本発明に係るカラー画像形成装置に備えられるタンデム型画像形成装置の概略構成を示す図である。
図2において、タンデム型画像形成装置20は、中間転写ベルト10上に、ベルト搬送方向に沿って、画像形成ユニット16a、画像形成ユニット16b、画像形成ユニット16c、画像形成ユニット16dが並列に備えられており、画像形成ユニット16a〜16dは、それぞれ同様の構成を備えている。
以下、画像形成ユニット16aを例に、その構成を説明すると、画像形成手段16aには、感光体40aがそのほぼ中心に備えられており、この感光体40aの周囲には帯電ローラ18aが設けられている。また、帯電ローラ18aの下流側には、現像器4a、ブレードクリーニング装置70a、除電ランプ(不図示)が設けられている。
また、各画像形成ユニット16に備えられている現像装置4a〜4dは、感光体40a〜40dと共に一体に支持され、画像形成装置100本体に対し着脱自在に形成されるプロセスカートリッジとすることができる。このプロセスカートリッジは、この他に帯電手段、クリーニング手段を含んで構成してもよい。
次に、タンデム型画像形成装置20に備えられる現像器4a〜4dの配置順序について説明する。
現像器4a〜4dには、それぞれ、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色トナーとキャリアからなる現像剤が収容されており(順不同)、それぞれが、イエロー現像器、シアン現像器、マゼンタ現像器、ブラック現像器として、各感光体40上に、各色に対応した単色画像を形成する。
本実施形態に係るカラー画像形成装置100では、図2中現像器4aで示される現像器が、イエロー現像器として設置されている。
また、本発明に係るカラー画像形成装置100では、イエロー現像器以外の現像器4b〜4dのうち、シアン現像器、マゼンタ現像器の配列順序が、現像器中に含まれるトナーの着色剤含有率により決定されており、シアン現像器、マゼンタ現像器に収容されているトナーのうち、先に中間転写ベルト10上に一次転写される方のトナーをA、他方のトナーをBとしたとき、トナーAの着色剤含有率Dと、トナーBの着色剤含有率Dとが、下記式(1)の関係を満たすように、シアン現像器とマゼンタ現像器の設置順序が決定されている。
<D ・・・ (1)
即ち、シアン現像器とマゼンタ現像器中に含まれる各トナーが、中間転写ベルト10上に転写される順に従って、その着色剤含有量が大きくなるように、各現像器の配列順序が決定されている。
タンデム型画像形成装置20による作像動作が開始されると、イエロー現像器4aにより感光体40a上に、イエロートナーによるトナー像Taが形成されると共に、残りの現像器4b〜4dにより、感光体40b、40c、40d上に、それぞれに対応するトナー像Tb、Tc、Tdが形成され、この、イエロートナーによるトナー像Ta、及びその他の色のトナーによるトナー像Tb〜Tdが、感光体40上から、中間転写ベルト10上に下側からTa、Tb、Tc、Tdの順に重ね合わされて、トナー層が形成される。
この中間転写ベルト10上のトナー層は、先に示したように、該中間転写ベルト10が支持ローラ14〜16により回転搬送されることで、2次転写装置12の位置に移動し、支持ローラ16と、二次転写ベルト24を張架する支持ローラ23により形成されたニップ部において、転写紙上に一括して2次転写される。このとき、紙上のトナー層の重ね合わせの順序は、中間転写ベルト10上の重ね合わせ順序と逆の順序になり、下側から、Td、Tc、Tb、Taの順序となり、イエロートナーによるトナー層Taが、紙上では最表面の層となる。
中間転写方式によるタンデム型の画像形成装置では、中間転写体としての中間転写ベルト10上の残留電荷を緩和できる時間が短いため、中間転写ベルト10上に電位ムラが発生しやすく、この電位ムラにより、感光体40から中間転写ベルト10上にトナー像が一次転写される際に、感光体40上に形成されたトナー像が、本来転写されるべき位置に転写されず、その周辺に拡散して転写されてしまう転写チリの現象が発生すしやすい傾向にある。
転写チリが発生すると、紙面上で最終的に得られる画像がぼけてしまい、特に細線部分での画像のシャープ性が損なわれ、画像品質が顕著に損なわれる。
しかし、本実施形態に係るカラー画像形成装置100では、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーと比較して、淡色であるイエロートナーが、紙面上において最表面に重ね合わされるようにしているため、比較的転写チリが目立ちにくくなり、その量が微量であれば、画像再現性に影響されにくくすることができ、良好な画像品質を保つことができる。
また、現像器4b〜4dのうち、シアン現像器とマゼンタ現像器に関しては、各現像器中に含まれるトナーのうち、着色剤含有率の低い方のトナーが、先に中間転写ベルト10上に一次転写されるように、その配列順序が決定される。即ち、紙面上では、シアントナーとマゼンタトナーのうち、着色剤含有率の低い方のトナーが、着色剤含有率の高い方のトナーの上側に転写される。
複数のトナーを重ね合わせてトナー層を形成し、このトナー層を溶融させて中間色を形成する場合、トナー層を形成している各色トナー単独で形成される単色画像が、紙面上におけるトナー付着量を同一としたときに、同程度の画像濃度を示す状態とされていないと、これら各色トナーを重ね合わせて中間色を形成した場合に、狙いの色調を達成することができず、色再現性が劣化する。このため、トナー製造の際には、各色トナー単独で形成される単色画像が、紙面上におけるトナー付着量を同一としたときに、同程度の画像濃度を示すように、各色トナー毎に着色剤の含有率を調整することが一般に行われている。
一方、トナーの透明性は、着色剤粒子の含有率や、その分散粒径等によって影響され、例えば、トナー粒子中の着色剤の含有率が多くなるほど、また、着色剤粒子の分散粒径が大きくなるほど、トナーの透明性は低下する傾向を示す。
紙面上において、着色剤含有率の高い方のトナーが、着色剤含有率の低い方のトナーの上側に重ね合わされると、トナー層全体の透明性が損なわれると共に、上層側のトナー層により、下層側にあるトナーの色の発現が妨げられて、色再現性が悪化し、良好なカラー画像を得ることができない傾向にある。
一般に、イエロートナーは、着色度を高めることが困難であるため、トナー粒子中に添加する顔料の量を、多色のトナーと比較して多くする傾向がある。このため、イエロートナーは、その透明性が若干低くなることがあり、イエロートナーの透明性が著しく低下した場合には、これが紙上で最表面の層として重ね合わされると、定着後のカラー画像の透明性が低下し、その色再現性が、若干損なわれるおそれがある。
しかし、実際には、イエロー顔料は一般的に光の吸光度が低く、他の顔料と比べて透明性が高い。そこで、更に、紙面上において、イエロートナー層の下側の層を形成する、シアントナーとマゼンタトナーに関し、透明性の高い方のトナーが、透明性の低い方のトナーの上側に重ね合わされるように、各現像器の配列順序を決定することにより、紙面上において、上層部(表層側)のトナー層が、下層部のトナー層の色を妨げることなく、色再現性に優れるとともに、彩度の高いカラー画像を得ることができる。
また、ブラックトナーが、紙面上において、最表層から2番目あるいは3番目の層を形成するように重ね合わされた場合には、定着後のトナー画像の透明性が大きく損なわれると共に、ブラックトナー層の下層を形成するトナーの色の発現が妨げられて、その色再現性や彩度が低下する。
このため、ブラックトナーは、紙面上において、最下層となるように重ね合わされて転写されることが好ましく、本実施形態に係る、タンデム中間転写方式のカラー画像形成装置100においては、ブラック現像器が、図2における現像器4dとして設置されている。
また、本発明に係るカラー画像形成装置100では、イエロー現像器以外の現像器4b〜4dのうち、シアン現像器、マゼンタ現像器の配列順序が、現像器中に含まれるトナーのヘイズ度により決定されており、シアン現像器、マゼンタ現像器に収容されているトナーのうち、先に中間転写ベルト10上に一次転写される方のトナーをA、他方のトナーをBとしたとき、紙面上におけるトナー付着量を0.8mg/cmとしたときの、トナーA単独で形成される薄層画像のヘイズ度hzと、トナーB単独で形成される薄層画像のヘイズ度hzとが、下記式(3)の関係を満たすように、シアン現像器とマゼンタ現像器の配列順序が決定されている。
hz<hz ・・・ (3)
ヘイズ度hzは、トナーの曇り度合いを表す指標であり、実際のトナーの透明性を示す指標として用いることができる。へイズ度の値が低い方が、透明性が優れたトナーであることを示している。
トナーAとトナーBが、上記式(3)の関係を満たすことにより、複数のトナーを重ね合わせて得られるカラー画像を、優れた透明性を有し、且つ色再現性に優れたものとすることができる。
具体的には、例えばイエロー、マゼンタ、シアンの3色のカラートナーを重ね合わせて、カラー画像を形成する場合には、紙面上において、最表層としてのイエロートナー層の、次層(第2層)を形成するトナーAの透明性を、第3層を形成するトナーBの透明性より高いものとすることができるので、定着後に得られるカラー画像の透明性が良好に保たれ、且つ上層側のトナー層が、下層側のトナー層の色の発現を妨げることなく、色再現性の良好なカラー画像を得ることができる。
また、本発明に係るカラー画像形成装置100は、上述のトナーAとトナーBが、(3)式の関係を満たすと共に、(1)式の関係を満たしていることが好ましい。トナーAとトナーBが、これら2つの関係を共に同時に満たしていることで、得られる定着画像が、より透明性に優れ、色再現性の良好な画像とすることができる。
ヘイズ度の評価は、以下のような方法により行うことができる。
図3に示す定着装置25を用いて、OHP用紙(3M製CG3700)に、ベタ画像で0.8±0.04mg/cmのトナーが現像されるように調整を行い、定着ベルト253の温度が160℃となるように調整して、画像の定着を行った。定着後の画像のヘイズ度を、ヘイズ試験機(スガ試験機社製HGM−2DP)を用いて測定した。
また、本発明に係るカラー画像形成装置100では、イエロー現像器以外の現像器4b〜4dのうち、シアン現像器、マゼンタ現像器の配列順序が、現像器中に含まれるトナーの1/2流出開始温度により決定されており、シアン現像器、マゼンタ現像器に収容されているトナーのうち、先に中間転写ベルト10上に一次転写される方のトナーをA、他方のトナーをBとしたとき、トナーAのフローテスター試験における1/2流出開始温度T1/2と、トナーBの1/2流出開始温度T1/2とが、下記式(2)の関係を満たすように、シアン現像器とマゼンタ現像器の配列順序が決定されている。
T1/2<T1/2・・・ (2)
フルカラー画像を形成する画像形成装置により得られる定着画像において、紙面上に複数に重ね合わされたカラートナーの層が、中間色を忠実に再現するためには、このトナー層を形成する各トナーが、転写紙面上で同時に均一に溶融することが重要である。
3色以上のトナーが、紙面上で重ね合わされたとき、最表層(第一層)及び最下層のトナーは、定着ローラ又は定着ベルト等の定着部材から、直接熱を得ることができるため、十分な溶融状態を得られやすいが、その間に位置する層(中間層)は、表層あるいは最下層のトナーから伝わる熱により溶融されるため、最表層あるいは最下層を形成するトナーと比較して、溶融状態が得られにくい。
このため、紙上で重ね合わされたトナー層が、同時に均一に溶融するためには、中間層のトナーが、最表層あるいは最下層を形成するトナーより、低い温度で軟化する性質を有していることが望まれる。
タンデム中間転写方式の画像形成装置において、上述のトナーAとトナーBとが、上記式(2)の関係を有していることで、紙面上に重ね合わされたトナー層を定着する際に、熱の伝わりにくい中間層のトナーも、最表層及び最下層のトナーと同時に溶融することができるため、定着後に得られるカラー画像が、中間色を忠実に再現することができると共に、粒状性が良く、均質で鮮鋭性に優れた画像品質を有するものとすることができる。
具体的には、イエロー、マゼンタ、シアンの3色のカラートナーを重ね合わせてカラー画像を形成する場合、紙面上におけるトナー層の最表層はイエロートナーの層、第2層(中間層)はトナーAの層、第3層(最下層)はトナーBの層であり、中間層のトナーAは、最下層のトナーBと比較して、溶融状態が得られにくいが、トナーAが、トナーBより流出開始温度が低く、軟化しやすい性質を有していることにより、これらトナー層が、定着ニップ部Nにおいて紙上に定着される際に、各トナーが同時に均一に溶融することができる。このようなトナー層を紙面上に定着させることで、色再現性に優れた鮮明なカラー画像を得られると共に、このカラー画像が、粒状性が良く、均質で鮮鋭性に優れた画像品質を有するものとなる。
また、カラー画像形成を、上述の3色のトナーに加え、ブラックトナーを含む4色のトナーを用いて行う場合には、トナーAは、最表層であるイエロートナーの層から伝わる熱により溶融し、また、トナーBは、最下層のトナーであるブラックトナーの層から伝わる熱により溶融する。しかし、カラー画像形成においてブラックトナーを使用する場合、ブラックトナーに関しては、他のイエロー、マゼンタ、シアンのトナーと比較して、紙面上への付着量が、通常、微量とされているため、トナーBの方が、定着部材表面から熱を受け取りやすい環境にある。
このため、イエロー、マゼンタ、シアンの3色で画像形成を行う場合と同様、4色でカラー画像形成を行う場合にも、トナーAとトナーBとが、上記式(2)の関係を満たしていることで、紙面上に重ね合わされた各色トナーの層が、同時に均一に溶融し、得られるトナー画像が、色再現性に優れると共に、彩度が高く、優れた画像特性を有するものとすることができる。
また、上述のトナーAとトナーBは、上記式(2)とともに、式(1)を共に満たした状態、又は式(2)と共に式(3)を共に満たしていることが好ましく、より好ましくは、式(1)、(2)、(3)の関係を全て同時に満たした状態であることが好ましい。
トナーAとトナーBとが、式(1)とともに、式(2)、(3)の関係を同時に満たしていることで、紙面上において、上側に重ね合わされるトナーAが、下側に重ね合わされるトナーBより、透明性が高い状態とすることができると共に、定着部材からの熱を得られにくい方のトナーAが、その下側に重ね合わされるトナーBより、より低温で溶融状態が得られるため、定着時において、トナー層全体が、同時に均一に溶融する状態を得ることができ、得られるカラー画像を、更に透明性、色再現性に優れた画像とすることができると共に、粒状性が良好で、鮮鋭性に優れたものとすることができる。
また、中間転写体上のトナーが紙面上に転写される際に発生する現象である転写チリは、紙面から離れた位置にある、表層側のトナーほど顕著に起こりやすく、この転写チリの発生を防止するためには、紙面から離れた位置に転写されるトナーの帯電量を高くしてこのトナーが紙面上に引き付けられるようにすることにより、この転写チリが発生するのを効果的に防ぐことができる。
上述のトナーA、トナーBは、イエロートナーの帯電量をq/m、トナーAの帯電量をq/m、トナーBの帯電量をq/mとしたとき、下記式(4)の関係を有していることが好ましい。
q/m>q/m>q/m・・・ (4)
本発明に係るカラー画像形成装置100より、紙面上に形成されるトナー層は、上側から、イエロートナー、トナーA、トナーBの順序で重ね合わされて形成されるが、このトナー層において、イエロートナーと、トナーAと、トナーBとが、上記式(4)の関係を満たすことにより、上側の層を形成しているトナーほど、その帯電量が高い状態とすることができ、紙面上での転写チリの発生が効果的に抑えられ、異常画像の発生のない良好なカラー画像を得ることができる。
本発明における帯電量分布の測定方法について説明する。
本発明では、帯電量の測定装置として、例えば特許文献8で開示されているブローオフ装置を使用することがでできる。該ブローオフ装置は、ブローオフセルの上方よりブローエアを吹き付け、下方にて吸引捕集したトナーの電荷量をエレクトロメータにて計測する構成となっている。ここで、ブローエアの吹き付け圧、およびブローオフセル下方の吸引圧を任意に変更することが可能である。所定の条件(吹き付け圧およびブローオフセル下方の吸引圧)で、ブローオフセルにブローエアを吹き付けたときのブローオフセルの重量減少量、および吸引捕集したトナーの電荷量から、ブローオフセルから吹き飛ばされたトナーの平均帯電量を算出することが出来る。
ブローエアの吹き付け圧の弱い時は、帯電量の小さいトナーのみがブローオフセルから吹き飛ばされる。吹き付け圧を上げるに従って、より高い帯電量のトナーを吹き飛ばすことができる。従って、ブローエア吹き付け圧および吸引圧を、段階的に上げることにより、現像剤の帯電量分布を測定することもことができる。
本発明における帯電量の測定は、次のように行うものとする。常温常湿下、トナー濃度7%の条件下で、トナーとキャリアを一定時間混合した後に、目開き635メッシュをセットした測定用ゲージに入れ、所定時間ブローオフし、飛散した粉体の電荷量Q(μC)と質量M(g)を測定し、該電荷量Q(μC)と質量M(g)から、帯電量Q/M(μC/g)を求める。
平均帯電量は、下記式(5)により算出することができる。
平均帯電量Q/M[μC/g]=電荷量Q[μC]/重量減少量M[g] ・・・(5)
式(5)において、
電荷量Q[μC];ブローエア吹きつけ後のエレクトロメータ計測値
重量減少量M[g];(ブローエア吹きつけ前のブローオフセルの重量)−(ブローエア吹きつけ後のブローオフセルの重量)
である。帯電量の測定条件は、下記実施例において詳述する。
本発明のカラー画像形成装置100に適用されるタンデム型画像形成装置20の各現像器の配列順序としては、上記の条件を満たすものであれば、特に限定されるものではないが、一般に、シアントナーは、マゼンタトナーとを比較すると、シアントナーの方が、着色剤含有率が低く、透明性が高いものである場合が多いため、現像器4aをイエロー現像器とし、現像器4bをシアン現像器とし、現像器4cをマゼンタ現像器とし、現像器4dをブラック現像器として各色現像器を配列し、これら各現像器により現像されるトナー画像を重ね合わせることにより、得られるカラー画像が、透明性、色再現性、粒状性共に優れ且つ、転写チリ等による異常画像の発生のない、良好なものとすることができる。
定着装置としては、公知のものを使用することができるが、例えば、交番磁界により磁性金属部材に発生した渦電流でジュール熱を生じさせ、金属部材を含む加熱体を電磁誘導発熱させる、電磁誘導加熱方式の定着装置を好適に使用することができる。
以下、定着装置25について詳細に説明する。図3は、本発明に係るカラー画像形成装置に備えられる定着装置を拡大して示す図である。
図3において、定着装置25は、誘導加熱手段256の電磁誘導により加熱される加熱ローラ251と、加熱ローラ251と平行に配置された定着ローラ252と、加熱ローラ251と定着ローラ252とに張り渡され、加熱ローラ251により加熱されるとともに少なくともこれらの何れかのローラの回転により矢印A方向に回転する無端帯状の耐熱性ベルト(トナー加熱媒体)253と、ベルト253を介して定着ローラ252に圧接されるとともにベルト253に対して順方向に回転する加圧ローラ254とから構成されている。
加熱ローラ251は、例えば、鉄、コバルト、ニッケル、またはこれら金属の合金等の中空円筒状の磁性金属部材からなり、外径を例えば20mm、肉厚を例えば0.1mmとして、低熱容量で昇温の速い構成となっている。
定着ローラ252は、例えばステンレススチール等の金属製の芯金252aと、耐熱性を有するシリコーンゴムをソリッド状または発泡状にして芯金252aを被覆した弾性部材252bとからなる。そして、加圧ローラ254からの押圧力でこの加圧ローラ254と定着ローラ252との間に所定幅の接触部を形成するために、外径を40mm程度として加熱ローラ251より大きくしている。弾性部材252bは、その肉厚を3〜6mm程度、硬度を40〜60°(Asker硬度)程度としている。
この構成により、加熱ローラ251の熱容量は定着ローラ252の熱容量より小さくなるので、加熱ローラ251が急速に加熱されてウォームアップ時間が短縮される。
加熱ローラ251と定着ローラ252とに張り渡されたベルト253は、誘導加熱手段256により加熱される加熱ローラ251との接触部位W1で加熱される。そして、加熱ローラ251、定着ローラ252の回転によってベルト253の内面が連続的に加熱され、結果としてベルト全体に渡って加熱される。
ベルト253は、金属からなる発熱層の上に離型層が設けられている。離型層の厚さとしては、50μmから500μm程度が望ましく、特に200μm程度が望ましい。このようにすれば、記録材P上に形成されたトナー像Tをベルト253の表層部が十分に包み込むため、トナー像Tを均一に加熱溶融することが可能になる。
離型層の厚さが50μmよりも小さい場合には、ベルト253の熱容量が小さくなってトナー定着工程においてベルト表面温度が急速に低下し、定着性能を十分に確保することができない。また、離型層の厚さが500μmよりも大きい場合には、ベルト253の熱容量が大きくなってウォームアップにかかる時間が長くなる。さらに加えて、トナー定着工程においてベルト表面温度が低下しにくくなって、定着部出口における融解したトナーの凝集効果が得られず、ベルトの離型性が低下してトナーがベルトに付着する、いわゆるホットオフセットが発生する。
なお、ベルト253の基材として、上記金属からなる発熱層の代わりに、フッ素系樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、PEEK樹脂、PES樹脂、PPS樹脂などの耐熱性を有する樹脂層を用いてもよい。
加圧ローラ254は、例えば銅またはアルミ等の熱伝導性の高い金属製の円筒部材からなる芯金254aと、この芯金254aの表面に設けられた耐熱性およびトナー離型性の高い弾性部材254bとから構成されている。芯金254aには上記金属以外にSUSを使用しても良い。
加圧ローラ254はベルト253を介して定着ローラ252を押圧して定着ニップ部Nを形成しているが、本実施の形態では、加圧ローラ254の硬度を定着ローラ252に比べて硬くすることによって、加圧ローラ254が定着ローラ252(及びベルト253)へ食い込む形となり、この食い込みにより、記録材Pは加圧ローラ254表面の円周形状に沿うため、記録材Pがベルト253表面から離れやすくなる効果を持たせている。この加圧ローラ254の外径は定着ローラ252と同じ40mm程度であるが、肉厚は1〜3mm程度で定着ローラ252より薄く、また硬度は50〜70°(Asker硬度)程度で前述したとおり定着ローラ252より硬く構成されている。
電磁誘導により加熱ローラ251を加熱する誘導加熱手段256は、図3、及び図4(a)、(b)に示すように、磁界発生手段である励磁コイル257と、この励磁コイル257が巻き回されたコイルガイド板258とを有している。コイルガイド板258は加熱ローラ251の外周面に近接配置された半円筒形状をしており、図4(b)に示すように、励磁コイル257は長い一本の励磁コイル線材をこのコイルガイド板268に沿って加熱ローラ251の軸方向に交互に巻き付けたものである。
なお、励磁コイル257は、発振回路が周波数可変の駆動電源(図示せず)に接続されている。
励磁コイル257の外側には、フェライト等の強磁性体よりなる半円筒形状の励磁コイルコア259が、励磁コイルコア支持部材260に固定されて励磁コイル257に近接配置されている。なお、本実施の形態において、励磁コイルコア259は比透磁率が2500のものを使用している。
励磁コイル257には駆動電源から10kHz〜1MHzの高周波交流電流、好ましくは20kHz〜800kHzの高周波交流電流が給電され、これにより交番磁界を発生する。そして、加熱ローラ251と耐熱性ベルト253との接触領域W1及びその近傍部において、この交番磁界が加熱ローラ251及びベルト253の発熱層に作用し、これらの内部では交番磁界の変化を妨げる方向に渦電流が流れる。
この渦電流が加熱ローラ251およびベルト253の発熱層の抵抗に応じたジュール熱を発生させ、主として加熱ローラ251とベルト253との接触領域及びその近傍部において、加熱ローラ251及び発熱層を有するベルト253が電磁誘導加熱される。
このようにして加熱されたベルト253は、定着ニップ部Nの入口側近傍において、ベルト253の内面側に当接して配置されたサーミスタなどの熱応答性の高い感温素子からなる温度検出手段255により、ベルト内面温度が検知される。
上記の定着装置25により、加熱ローラ251及びベルト253の瞬時の加熱が可能となり、装置のウォームアップ時間を短縮することができる。また、定着ニップ部Nの入口近傍に備えられた温度検出手段255により、定着ニップ部Nの温度変化を適時に検知し、温度低下が検出されたときには、瞬時に加熱ローラ251からベルト253への加熱が行われるために、記録材P上のトナー像Tを、コールドオフセットを発生させることなく良好に定着することができる。また、現像装置4に使用する現像剤が、後述する低温定着性に優れ、十分な定着温度幅を有する静電荷像現像用トナーを含んでなることにより、一層定着性の良い画像を出力することができる。
上記のような、電磁誘導加熱方式の定着装置としては、図3に示す構成に限られるものではなく、例えば、図5で示すような、フィルム加熱方式により行うことも可能である。
図5は、電磁誘導加熱方式による定着装置の、別の実施形態を示す模式図である。
図5に示す定着装置70は、励磁コイルユニット701aと加熱部である磁性金属部材701bとからなる加熱体701が装着されたフィルム内面ガイド702と、磁性金属部材701bを内壁に当接した状態でフィルム内面ガイド702を包む耐熱性を備えた円筒状のフィルム703と、磁性金属部材701bの位置でフィルム703に圧接してこのフィルム703との間に定着ニップ部Nを形成するとともに当該フィルム703を回転させる加圧ローラ704とから構成されている。
フィルム703は、膜厚が100μm以下、好ましくは50μm以下20μm以上の耐熱性を有するPTFE、PFA、FEPの等の単層フィルム、あるいはポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、PES、PPS等のフィルムの外周表面にPTFE、PFA、FEP等をコーティングした複合層フィルムが使用されている。
また、フィルム内面ガイド702はPEEK、PPS等の樹脂より形成された剛性・耐熱性を有する部材からなり、加熱体701はこのようなフィルム内面ガイド702の長手方向の略中央部に嵌め込まれている。
加圧ローラ704は、芯704aと、その周囲に設けられたシリコーンゴム等の離型性の良い耐熱ゴム層704bからなり、軸受や付勢手段(何れも図示せず)により所定の押圧力を持ってフィルム703を挟んで加熱体701の磁性金属部材701bに圧接するように配設されている。そして加圧ローラ704は駆動手段(図示せず)により反時計回りに回転駆動される。
加圧ローラ704の回転駆動により、加圧ローラ704とフィルム703との間に摩擦力が発生してフィルム703に回転力が作用し、フィルム703は加熱体701の磁性金属部材701bに密着しながら摺動回転する。
加熱体701が所定の温度に達した状態において、定着ニップ部Nのフィルム703と加圧ローラ704との間に、画像形成部(図示せず)で形成された未定着トナー画像Tを有する記録材Pを導入する。記録材Pは加圧ローラ704とフィルム703とに挟まれて定着ニップ部Nを搬送されることにより磁性金属部材701bの熱がフィルム703を介して記録材Pに付与され、未定着トナー像Tが記録材P上に溶融定着される。なお、定着ニップ部Nの出口においては、通過した記録材Pはフィルム703の表面から分離されて排紙トレイ(図示せず)に搬送される。
このように、電磁誘導加熱方式の定着装置では、渦電流の発生を利用することで、誘導加熱手段としての磁性金属部材701bをフィルム703を介して記録材Pのトナー像Tに近くに配置することができ、フィルム加熱方式の定着装置よりもさらに加熱効率がアップする。
また、本発明に係るカラー画像形成装置に備えられる定着装置としては、上述の電磁誘導加熱方式の定着装置の他に、例えば、熱ローラー方式の定着装置を使用することもできる。
図6は、本発明に係るカラー画像形成装置に備えられる定着装置の別の実施形態を示す図である。
図6に示す定着装置80は、熱ローラ方式の定着装置であり、基本構成としてはハロゲンランプ等の加熱装置824(以下「ヒータ」という。)を有する定着ローラ821と、芯金826上に発泡シリコーンゴム等の弾性層827を有し、定着ローラー821に圧接される加圧ローラ825とを備えている。加圧ローラ825の弾性層827上にはPFAチューブ等からなる離型層828が設けられている。定着ローラ821は、芯金830の上にシリコーンゴム等の弾性層822を設け、更にトナーの粘性による付着を防止する目的で、フッ素樹脂等の離型性のよい樹脂表層823が形成されている。弾性層822の層厚は画像品質と定着時の熱伝達効率を考慮して通常は100〜500μm程度の厚さが好ましい。また樹脂表層823は、加圧ローラ825と同様にPFAチューブ等で構成され、その厚みは機械的劣化を考慮して10〜50μm程度の厚みが好ましい。定着ローラ821の外周面には、温度検知手段829が設けられ、定着ローラ821の表面温度を検知することで、その温度をほぼ一定に保つようにヒータ824を制御している。
このような構成の定着装置において、定着ローラ821と加圧ローラ825とが、所定の加圧力で圧接されて定着ニップ部Nを構成し、駆動手段(図示せず)により駆動を受けてそれぞれ矢印R21方向、矢印R25方向に回転することによって、上述の定着ニップ部Nにて転写材Pを挟持搬送する。この際、定着ローラ821はヒータ824によって所定の温度に制御されており、転写紙P上のトナー像Tは、両ローラ間を通過するときに、圧力を受けながら熱溶融し、ローラ対を出て冷却されることによって永久像として転写紙Pに定着される。
加圧ローラ825の構成は外径30mm、肉厚6mmで表面に導電性のPFAチューブが被されており軸上のゴム硬度は42HS(アスカC)で構成されている。また、定着ローラ821はアルミの芯金から構成されており肉厚は0.4mmである。本構成に於いてニップNを得るためにローラの両端に圧力がかけられておりその時の面圧は8.3N/cmになっている。
なお、上述のような熱ローラ方式の定着装置では、経時での使用により定着ローラ821上のトナーが加圧ローラ825上に移行し、このトナーが転写することにより記録紙の裏面に汚れが発生する。
本発明の定着装置80は、このような加圧ローラ825上の残留トナーを除去するため、加圧ローラ825表面に当接するように、定着クリーニングローラ831を備えている。
これにより、加圧ローラ825上に微量に付着したトナーが除去され、転写紙裏面の汚れを防止することができる。
なお、定着ローラ821表面の温度は、温度検知手段829により、適切な定着温度の範囲に制御して使用することが好ましい。
上記のように、定着クリーニングローラ831を備えた定着装置80を高温で使用すると、定着クリーニングローラ831上に蓄積したトナーが熱により溶け出し、これが加圧ローラ825に逆転写する、いわゆる逆ホットオフセットが発生する。
本発明のトナーは、低温定着性が向上されているため、定着ローラ821の表面温度を上述の範囲で使用しても、定着不良を発生させる事無く、良好な画像を安定して提供することができる。
本発明に係るトナーは、その母体粒子が、例えば以下のような原料、並びに製造方法によって製造される。
(変性ポリエステル)
本発明に係るトナーは結着樹脂として変性ポリエステル(i)を含む。変性ポリエステル(i)としては、ポリエステル樹脂中にエステル結合以外の結合基が存在したり、またポリエステル樹脂中に構成の異なる樹脂成分が共有結合、イオン結合などで結合した状態をさす。具体的には、ポリエステル末端に、カルボン酸基、水酸基と反応するイソシアネート基などの官能基を導入し、さらに活性水素含有化合物と反応させ、ポリエステル末端を変性したものを指す。
変性ポリエステル(i)としては、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との反応により得られるウレア変性ポリエステルなどが挙げられる。イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)としては、多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の重縮合物で、かつ活性水素基を有するポリエステルを、さらに多価イソシアネート化合物(PIC)と反応させたものなどが挙げられる。上記ポリエステルの有する活性水素基としては、水酸基(アルコール性水酸基及びフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらのうち好ましいものはアルコール性水酸基である。
ウレア変性ポリエステルは、以下のようにして生成される。
多価アルコール化合物(PO)としては、2価アルコール(DIO)および3価以上の多価アルコール(TO)が挙げられ、2価アルコール(DIO)単独、または(DIO)と少量の(TO)との混合物が好ましい。2価アルコール(DIO)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上の多価アルコール(TO)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
多価カルボン酸(PC)としては、2価カルボン酸(DIC)および3価以上の多価カルボン酸(TC)が挙げられ、(DIC)単独、および(DIC)と少量の(TC)との混合物が好ましい。2価カルボン酸(DIC)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。3価以上の多価カルボン酸(TC)としては、炭素数9〜20の芳香族多価カルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、多価カルボン酸(PC)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いて多価アルコール(PO)と反応させてもよい。
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
多価イソシアネート化合物(PIC)としては、脂肪族多価イソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアネート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。
多価イソシアネート化合物(PIC)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、ウレア変性ポリエステルを用いる場合、そのエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の多価イソシアネート化合物(PIC)構成成分の含有量は、通常0.5〜40wt%、好ましくは1〜30wt%、さらに好ましくは2〜20wt%である。0.5wt%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、40wt%を超えると低温定着性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有されるイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
次に、ポリエステルプレポリマー(A)と反応させるアミン類(B)としては、2価アミン化合物(B1)、3価以上の多価アミン化合物(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、およびB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。
2価アミン化合物(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が2を超えたり1/2未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
また、ウレア変性ポリエステル中には、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
本発明で用いられる変性ポリエステル(i)は、ワンショット法、プレポリマー法により製造される。変性ポリエステル(i)の重量平均分子量は、通常1万以上、好ましくは2万〜1000万、さらに好ましくは3万〜100万である。この時のピーク分子量は1000〜10000が好ましく、1000未満では伸長反応しにくくトナーの弾性が少なくその結果耐ホットオフセット性が悪化する。また10000を超えると定着性の低下や粒子化や粉砕において製造上の課題が高くなる。変性ポリエステル(i)の数平均分子量は、後述の変性されていないポリエステル(ii)を用いる場合は特に限定されるものではなく、前記重量平均分子量とするのに得やすい数平均分子量でよい。(i)単独の場合は、数平均分子量は、通常20000以下、好ましくは1000〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。20000を超えると低温定着性及びフルカラー装置に用いた場合の光沢性が悪化する。
変性ポリエステル(i)を得るためのポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との架橋及び/又は伸長反応には、必要により反応停止剤を用い、得られるウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
(未変性ポリエステル)
本発明においては、前記変性されたポリエステル(i)単独使用だけでなく、この(i)と共に、未変性ポリエステル(ii)を結着樹脂成分として含有させることもできる。(ii)を併用することで、低温定着性及びフルカラー装置に用いた場合の光沢性が向上し、単独使用より好ましい。(ii)としては、前記(i)のポリエステル成分と同様な多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)との重縮合物などが挙げられ、好ましいものも(i)と同様である。また、(ii)は無変性のポリエステルだけでなく、ウレア結合以外の化学結合で変性されているものでもよく、例えばウレタン結合で変性されていてもよい。(i)と(ii)は少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、(i)のポリエステル成分と(ii)は類似の組成が好ましい。(ii)を含有させる場合の(i)と(ii)の重量比は、通常5/95〜80/20、好ましくは5/95〜30/70、さらに好ましくは5/95〜25/75、特に好ましくは7/93〜20/80である。(i)の重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
(ii)のピーク分子量は、通常1000〜10000、好ましくは2000〜8000、さらに好ましくは2000〜5000である。1000未満では耐熱保存性が悪化し、10000を超えると低温定着性が悪化する。(ii)の水酸基価は5以上であることが好ましく、さらに好ましくは10〜120、特に好ましくは20〜80である。5未満では耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。(ii)の酸価は1〜5が好ましく、より好ましくは2〜4である。ワックスに高酸価ワックスを使用するため、結着樹脂成分は低酸価の方が帯電性や高体積抵抗につながるので二成分系現像剤に用いるトナーにはマッチしやすい。
結着樹脂のガラス転移点(Tg)は通常35〜70℃、好ましくは55〜65℃である。35℃未満ではトナーの耐熱保存性が悪化し、70℃を超えると低温定着性が不十分となる。ウレア変性ポリエステルは、得られるトナー母体粒子の表面に存在しやすいため、本発明のトナーにおいては、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。
(着色剤)
着色剤としては、公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造、またはマスターバッチとともに混練されるバインダ樹脂としては、ポリスチレン、ポリ−p−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体、あるいはこれらとビニル化合物との共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
(離型剤)
離型剤としては、融点が50〜120℃の低融点のワックスが、結着樹脂との分散の中でより離型剤として効果的に定着ローラとトナー界面との間で働き、これにより定着ローラにオイルの如き離型剤を塗布することなく高温オフセットに対し効果を示す。このようなワックス成分としては、以下のものが挙げられる。ロウ類及びワックス類としては、カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス、オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス、及びおよびパラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス等が挙げられる。また、これら天然ワックスの外に、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス、エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス等が挙げられる。さらに、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド及び、低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等)等、側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子等も用いることができる。
離型剤はマスターバッチ、バインダ樹脂とともに溶融混練することもできるし、もちろん有機溶剤に溶解、分散する際に加えても良い。
次に、トナーの製造方法について説明する。ここでは、好ましい製造方法について示すが、これに限られるものではない。
(トナーの製造方法)
1)着色剤、未変性ポリエステル、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー、離型剤を有機溶媒中に分散させトナー材料液を作る。
有機溶媒は、沸点が100℃未満の揮発性であることが、トナー母体粒子形成後の除去が容易である点から好ましい。具体的には、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。有機溶媒の使用量は、ポリエステルプレポリマー100重量部に対し、通常0〜300重量部、好ましくは0〜100重量部、さらに好ましくは25〜70重量部である。
2)トナー材料液を界面活性剤、樹脂微粒子の存在下、水系媒体中で乳化させる。
水系媒体は、水単独でも良いし、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などの有機溶媒を含むものであってもよい。
トナー材料液100重量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー材料液の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。20000重量部を超えると経済的でない。
また、水系媒体中の分散を良好にするために、界面活性剤、樹脂微粒子等の分散剤を適宜加える。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
また、カチオン性界面活性剤としては、フルオロアルキル基を有する脂肪族1級、2級もしくは2級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−121(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキンエ業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−132(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
樹脂微粒子は、水性分散体を形成しうる樹脂であればいかなる樹脂も使用でき、熱可塑性樹脂でも熱硬化性樹脂でもよい。例えばビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。樹脂としては、上記の樹脂を2種以上併用しても差し支えない。
このうち好ましいのは、微細球状樹脂粒子の水性分散体が得られやすい点から、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びそれらの併用が好ましい。例えばビニル系樹脂としては、ビニル系モノマーを単独重合また共重合したポリマーで、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸−アクリル酸エステル重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体等の樹脂が挙げられる。樹脂微粒子の平均粒径は5〜200nm、好ましくは20〜300nmである。
また、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等の無機化合物分散剤も用いることができる。
上記の樹脂微粒子、無機化合物分散剤と併用して使用可能な分散剤として、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸−β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−β−ヒドロキシエチル、アクリル酸−β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの含窒素化合物、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。この中でも、分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは40〜98℃である。
3)乳化液の作製と同時に、アミン類(B)を添加し、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)との反応を行わせる。
この反応は、分子鎖の架橋及び/又は伸長を伴う。反応時間は、ポリエステルプレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)との反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
4)反応終了後、乳化分散体(反応物)から有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥してトナー母体粒子を得る。
有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に層流の攪拌状態で昇温し、一定の温度域で強い攪拌を与えた後、脱溶媒を行うことで紡錘形のトナー母体粒子が作製できる。また、有機溶媒を除去する工程で強い攪拌を与えることで、真球状からラクビーボール状の間の形状を制御することができ、さらに、表面のモルフォロジーも滑らかなものから梅干形状の間で制御することができる。
また、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、トナー母体粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
また、得られたトナー粒子は、必要に応じて分級操作を行い、所望の粒度分布に整えることができる。分級操作は液中でサイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことができる。もちろん乾燥後に粉体として取得した後に分級操作を行っても良いが、液体中で行うことが効率の面で好ましい。得られた不要の微粒子、または粗粒子は再び混練工程に戻して粒子の形成に用いることができる。その際微粒子、または粗粒子はウェットの状態でも構わない。
用いた分散剤は得られた乳化分散体からできるだけ取り除くことが好ましいが、上述の分級操作と同時に行うのが好ましい。
また、得られたトナーには、必要に応じて、帯電制御剤の打ち込み、外添剤の乾式処理を施してもよい。帯電制御剤の打ち込み、及び外添剤の乾式処理は、ミキサー等を用いた公知の方法によって行われる。
具体的手段としては、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し、加速させ、粒子同士または複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法などがある。装置としては、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して、粉砕エアー圧カを下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢などがあげられる。
(帯電制御剤)
帯電制御剤としては公知のものが使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、4級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、4級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。このうち、特にトナーを負極性に制御する物質が好ましく使用される。
帯電制御剤の使用量は、結着樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくは結着樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を超える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、帯電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電気的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
(外添剤)
トナーの流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤としては、無機微粒子を好ましく用いることができる。この無機微粒子の一次粒子径は、5nm〜2μmであることが好ましく、特に5nm〜500nmであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5重量%であることが好ましく、特に0.01〜2.0重量%であることが好ましい。
無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
この他 高分子系微粒子たとえばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。
このような流動化剤は表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止することができる。例えばシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが好ましい表面処理剤として挙げられる。
本発明の画像形成用トナーは、体積平均粒径(Dv)が3.0〜8.0μmであり、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40であることが好ましい。このような粒径及び粒径分布を有するトナーとすることにより、耐熱保存性、低温定着性、耐ホットオフセット性のいずれにも優れ、とりわけフルカラー複写機などに用いた場合に画像の優れた光沢性が得られる。
一般的には、トナーの粒径は小さければ小さい程、高解像で高画質の画像を得る為に有利であると言われているが、逆に転写性やクリーニング性に対しては不利である。また、本発明の範囲よりも体積平均粒径が小さい場合、二成分現像剤では現像装置における長期の攪拌において磁性キャリアの表面にトナーが融着し、磁性キャリアの帯電能力を低下させ、一成分現像剤として用いた場合には、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化する為のブレード等の部材へのトナーの融着を発生させやすくなる。
逆に、トナーの体積平均粒径が本発明の範囲よりも大きい場合には、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなると共に、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒径の変動が大きくなる場合が多い。
また、Dv/Dnが1.40を超えると、帯電量分布が広くなり、解像力も低下するため好ましくない。
トナーの平均粒径及び粒度分布は、測定装置として、コールターカウンターTA−II或いはコールターマルチサイザー(コールター社製)を用いて測定することができる。
測定方法は以下の通りである。先ず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩)を、0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは、1級塩化ナトリウムを用いて、約1%NaCl水溶液を調製したもので、ISOTON R−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)を使用した。これに更に測定試料を2〜20mg加え、電解液中に懸濁させて、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行った。前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、前記試料中のトナー粒子の体積及び個数をチャンネルごとに測定して、トナーの体積分布と個数分布とを算出した。
尚、チャンネルとしては、2.00〜2.52μm;2.52〜3.17μm;3.17〜4.00μm;4.00〜5.04μm;5.04〜6.35μm;6.35〜8.00μm;8.00〜10.08μm;10.08〜12.70μm;12.70〜16.00μm;16.00〜20.20μm;20.20〜25.40μm;25.40〜32.00μm;32.00〜40.30μmの13チャンネルを用いた。
また、本発明の画像形成用トナーは、形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、SF−2が100〜180の範囲にあるトナーであることが好ましい。図7は形状係数SF−1を、図8は形状係数SF−2を、それぞれ説明するためにトナーの形状を模式的に表した図である。
形状係数SF−1は、トナー形状の丸さの割合を示すものであり、下記式(6)で表される、トナーを2次元平面に投影してできる形状の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−1={(MXLNG)/AREA}×(100π/4) ・・・式(6)
SF−1の値が100の場合トナーの形状は真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。
また、形状係数SF−2は、トナーの形状の凹凸の割合を示すものであり、下記式(7)で表される、トナーを2次元平面に投影してできる図形の周長PERIの二乗を図形面積AREAで除して、100/4πを乗じた値である。
SF−2={(PERI)/AREA}×(100/4π) ・・・式(7)
SF−2の値が100の場合トナー表面に凹凸が存在しなくなり、SF−2の値が大きくなるほどトナー表面の凹凸が顕著になる。
形状係数SF−1、SF−2が共に100に近くトナーの形状が真球に近くなると、トナーとトナーあるいはトナーと像担持体との接触が点接触になるために、トナー同士の吸着力は弱くなり従って流動性が高くなり、また、トナーと像担持体との付着力も弱くなって、転写率は高くなる。ドットの再現性も良好になる。一方で、トナーの形状係数SF−1とSF−2はある程度大きい方がクリーニングの余裕度が増し、クリーニング不良等の不具合がない。そこで、両者の兼ね合いから、画像品位を低下させることのない範囲として、形状係数SF−1、SF−2が100〜180の範囲であることが好ましい。
形状係数SF−1は、電子顕微鏡(例えば、日立製作所製FE−SEM(S−800)等が挙げられ、以下同様である。)を用い倍率500倍に拡大したトナー粒子の像を100個無作為にサンプリングし、その画像情報はインターフェースを介して画像解析装置[例えば、nexus NEW CUBE ver.2.5(NEXUS社製)及びLuzexIII(ニコレ社製)等が挙げられ、以下同様である。]に導入し解析を行い、式(6)より算出し得られた値である。
形状係数SF−2は、電子顕微鏡を用い倍率3500倍に拡大したトナー粒子の像を50個無作為にサンプリングし、その画像情報はインターフェースを介して画像解析装置に導入し解析を行い、式(7)より算出し得られた値である。
形状係数SF−1、SF−2が共に100に近くトナーの形状が真球に近くなると、トナーとトナーあるいはトナーと像担持体との接触が点接触になるために、トナー同士の吸着力は弱くなり従って流動性が高くなり、また、トナーと像担持体との付着力も弱くなって、転写率は高くなる。ドットの再現性も良好になる。一方で、トナーの形状係数SF−1とSF−2はある程度大きい方がクリーニングの余裕度が増し、クリーニング不良等の不具合がない。そこで、両者の兼ね合いから、画像品位を低下させることのない範囲として、形状係数SF−1、SF−2が100〜180の範囲であることが好ましい。
また、本発明の画像形成用トナーは、以下の形状規定によって表すことができる。
図9は、本発明に係るトナーの形状を模式的に示す図である。図9において、略球形状のトナーを長軸r1、短軸r2、厚さr3(但し、r1≧r2≧r3とする。)で規定するとき、本発明のトナーは、長軸と短軸との比(r2/r1)(図9(b)参照)が0.5〜1.0で、厚さと短軸との比(r3/r2)(図9(c)参照)が0.7〜1.0の範囲にあることが好ましい。長軸と短軸との比(r2/r1)が0.5未満では、真球形状から離れるためにドット再現性及び転写効率が劣り、高品位な画質が得られなくなる。また、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7未満では、扁平形状に近くなり、球形トナーのような高転写率は得られなくなる。特に、厚さと短軸との比(r3/r2)が1.0では、長軸を回転軸とする回転体となり、トナーの流動性を向上させることができる。
なお、r1、r2、r3は、走査型電子顕微鏡(SEM)で、視野の角度を変えて写真を撮り、観察しながら測定した。
本発明の画像形成用トナーは磁性体を含有した磁性トナーとして用いることができ、トナー中に含まれる磁性材料としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄、鉄、コバルト、ニッケルのような金属あるいはこれら金属のアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金およびその混合物などが挙げられる。特にマグネタイトが磁気特性の点で好ましい。これらの強磁性体は平均粒径が0.1〜2μm程度のものが望ましく、トナー中に含有させる量としては樹脂成分100重量部に対し約15〜200重量部、特に好ましくは樹脂成分100重量部に対し20〜100重量部である。
また、本発明の画像形成用トナーは、一成分現像剤としても、磁性キャリアと組み合わせてなる二成分現像剤としても用いることができる。本発明のトナーを二成分現像剤として使用する場合の磁性キャリアとしては、公知のものがすべて使用可能であり、例えば鉄粉、フェライト粉、ニッケル粉のごとき磁性を有する粉体、ガラスビーズ等及びこれらの表面を樹脂などで処理したものなどが挙げられる。本発明における磁性キャリアにコーティングし得る樹脂粉末としては、スチレン−アクリル共重合体、シリコーン樹脂、マレイン酸樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等がある。スチレン−アクリル共重合体の場合は、30〜90重量%のスチレン分を有するものが好ましい。この場合スチレン分が30重量%未満だと現像特性が低く、90重量%を越えるとコーティング膜が硬くなって剥離しやすくなり、キャリアの寿命が短くなるからである。また、本発明におけるキャリアの樹脂コーティングは、上記樹脂の他に接着付与剤、硬化剤、潤滑剤、導電材、荷電制御剤等を含有してもよい。
以下実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
以下、「部」は重量部を、「%」は重量%を意味する。
(トナーの製造)
<製造例1>
〜無機微粒子の製造例〜
コア用原料の液状SiClを液体原料供給装置を用いてキャリアガスとしてArガスを流量300SCCM(毎分標準体積流量(CC))で吹き込み、流量250SCCMのSiCl蒸気を、Hガス20SLM(毎分標準体積流量(L))、Oガス20SLMと共にコア用バーナーに送り火炎加水分解、融合させてSiO微粒子を生成させた。この微粒子を所定の一次粒子径になるまで成長させ、得られた微粒子をヘキサメチルジシラザンにより疎水化処理を行ない、平均一次粒子径が5nmの[無機微粒子1]を得た。
<製造例2>
〜有機微粒子エマルションの合成〜
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業製)11部、スチレン80部、メタクリル酸83部、アクリル酸ブチル110部、チオグリコール酸ブチル12部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液を得た。これを、[微粒子分散液1]とする。該[微粒子分散液1]をレーザー回折式粒度分布測定器(LA−920 島津製)で測定した体積平均粒径は、120nmであった。[微粒子分散液1]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のTgは42℃であり、重量平均分子量は3万であった。
<製造例3>
〜水相の調製〜
水990部、[微粒子分散液1]65部、ドデシルジフェニルェーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(エレミノール MON−7 三洋化成工業製)37部、酢酸エチル90部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相1]とする。
<製造例4>
〜低分子ポリエステルの合成〜
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物529部、テレフタル酸208部、アジピン酸46部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応した後、反応容器に無水トリメリット酸44部を入れ、180℃、常圧で2時間反応し、[低分子ポリエステル1]を得た。[低分子ポリエステル1]は、数平均分子量2500、重量平均分子量6700、Tg43℃、酸価25であった。
<製造例5>
〜中間体ポリエステルの合成〜
冷却管、撹拌機および窒索導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応し[中間体ポリエステル1]を得た。[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2100、重量平均分子量9500、Tg55℃、酸価0.5、水酸基価51であった。
<製造例6>
〜少なくとも活性水素基を有する化合物と反応可能な変性されたポリエステル系樹脂(プレポリマー1という)の合成〜
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、前記[中間体ポリエステル1]410部、イソホロンジイソシアネート125部、酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応し、[プレポリマー1]を得た。[プレポリマー1]の1分子当たりに含有するイソシアネート基は、平均2.15個であった。
<製造例7>
〜ケチミンの合成〜
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、イソホロンジアミン170部とメチルエチルケトン75部を仕込み、50℃で5時間反応を行ない、[ケチミン化合物1]を得た。[ケチミン化合物1]のアミン価は418であった。
<製造例8>
〜マスターバッチの合成〜
(ブラック)
水1200部、カーボンブラック(キャボット社製、リーガル400R)60部、ポリエステル樹脂(三洋化成製、RS801)40部を、さらには水30部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合し、混合物を2本ロールを用いて150℃で30分混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、[マスターバッチ1]を得た。
(シアン)
水1200部、銅フタロシアニン顔料(PB15:3)50部、ポリエステル樹脂(三洋化成製、RS801)50部を、さらには水30部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合し、混合物を2本ロールを用いて150℃で30分混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、[マスターバッチ1]を得た。
(マゼンタ)
水1200部、ナフトール系顔料(PR269)50部、ポリエステル樹脂(三洋化成製、RS801)50部を、さらには水30部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合し、混合物を2本ロールを用いて150℃で30分混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、[マスターバッチ1]を得た。
(イエロー)
水1200部、ジスアゾ系顔料(PY155)50部、ポリエステル樹脂(三洋化成製、RS801)50部を、さらには水30部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合し、混合物を2本ロールを用いて150℃で30分混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、[マスターバッチ1]を得た。
<製造例9>
〜油相、すなわち無機微粒子を含有するトナー組成物の作製〜
撹拌棒および温度計をセットした容器に、前記[低分子ポリエステル1]400部、カルナバワックス110部、酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時問で30℃に冷却した。
次いで、容器に、いずれかの色の[マスターバッチ1]を加え、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液1]を得た。
なお、容器に加える[マスターバッチ1]量としては、ブラックのマスターバッチである場合は500部、シアンのマスターバッチである場合は400部、マゼンタのマスターバッチである場合は450部、イエローのマスターバッチである場合は550部とした。
[原料溶解液1]1324部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1Kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、ワックスの分散を行なった。次いで、[低分子ポリエステル1]の65%酢酸エチル溶液1324部、前記の[無機微粒子1]34部を加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[顔料・ワックス分散液1]を得た。[顔料・ワックス分散液1]の固形分濃度(130℃、30分)は50%であった。
<製造例10>
〜乳化〜
[顔料・ワックス分散液1]648部、[プレポリマー1]を154部、[ケチミン化合物1]8.5部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで1分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数10000rpmで20分間混合し[乳化スラリー1]を得た。
すなわち、樹脂微粒子を含む水系媒体中で分散させると共に伸長反応が行なわれる。
<製造例11>
〜脱溶剤〜
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー1]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で4時間熟成を行い、[分散スラリー1]を得た。
<製造例12>
〜洗浄・乾燥〜
[分散スラリー1]100部を減圧濾過した後、
(1):濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(2):(1)の濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液1OO部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。
(3):(2)の濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(4):(3)の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過する操作を2回行い、ケーキ状物を得た。これを、[濾過ケーキ1]とする。
[濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥した。その後目開き75μmメッシュで篩い、トナー母体粒子を得た。これを、[トナー母体粒子1]とする。
〜外添剤処理〜
上記で得られた[トナー母体粒子1]100部に対して、外添剤として疎水性シリカ2.0部と、疎水化酸化チタン0.75部をヘンシェルミキサーにて混合処理し、[トナー1]を得た。
〜キャリアの製造〜
・芯材
Mnフェライト粒子(重量平均径:35μm)
・・・ 5000部
・コート材
トルエン ・・・ 450部
シリコーン樹脂SR2400
(東レ・ダウコーニング・シリコーン製、不揮発分50%) ・・・ 450部
アミノシランSH6020
(東レ・ダウコーニング・シリコーン製) ・・・ 10部
カーボンブラック ・・・ 10部
上記コート材を10分間スターラーで分散してコート液を調製し、このコート液と芯材を流動床内に回転式底板ディスクと攪拌羽根を設けた旋回流を形成させながらコートを行うコーティング装置に投入して、当該コート液を芯材上に塗布した。得られた塗布物を電気炉で250℃、2時間焼成し上記[キャリア1]を得た。
〜現像剤の調製
[トナー1]7重量%、[キャリア1]93重量%を、容器が転動して攪拌される型式のターブラーミキサーを用いて均一混合し帯電させて、現像剤を作製した。
(実施例1)
イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色に対応する[トナー1]を、[キャリア1]と、上述の方法により混合し、現像剤を作製した。
これら各色の現像剤により、図1で示すカラー画像形成装置を用いて作像動作を行い、得られたカラー画像の画像評価を行った。
この時、タンデム型画像形成装置20における各色現像装置の配列順序としては、Y⇒C⇒Mの順序とし、この順序で各感光体40への現像、及び中間転写ベルト10上への一次転写を行った。
評価結果を表2に示す。
比較例1
製造例9において、[マスターバッチ1]の投入量を、シアン450部、マゼンタ350部とし、また、シアントナーを作製する場合のみ、製造例11における脱溶剤後の熟成時間を8時間とした以外は、実施例1と同様にして、各色の[トナー1]を得た。これら各色[トナー1]と[キャリア1]を混合して、各色の現像剤を作製し、その後は、実施例1と同様にして、図1で示すカラー画像形成装置を用いて作像動作を行い、得られたカラー画像の画像評価を行った。
この時、タンデム型画像形成装置20における各色現像装置の配列順序としては、Y⇒M⇒Cの順序とし、この順序で各感光体40への現像、及び中間転写ベルト10上への一次転写を行った。
評価結果を表2に示す。
(比較例
実施例1と同様にして、各色の[トナー1]を得、これら各色の[トナー1]と、[キャリア1]を混合して各色の現像剤を作製した。
その後は、実施例1と同様にして、図1で示すカラー画像形成装置を用いて作像動作を行い、得られたカラー画像の画像評価を行った。
この時、タンデム型画像形成装置20における各色現像装置の配列順序としては、Y⇒M⇒Cの順序とし、この順序で各感光体40への現像、及び中間転写ベルト10上への一次転写を行った。
評価結果を表2に示す。
(比較例
製造例9において、[マスターバッチ1]の投入量を、シアン450部、マゼンタ400部とし、更に、マゼンタトナーを作製する場合のみ、製造例11における脱溶剤後の熟成時間を8時間とした以外は、実施例1と同様にして、各色トナーを得た。
これら各色の[トナー1]と、[キャリア1]を混合して各色の現像剤を作製し、その後は、実施例1と同様にして、図1で示すカラー画像形成装置を用いて作像動作を行い、得られたカラー画像の画像評価を行った。
この時、タンデム型画像形成装置20における各色現像装置の配列順序としては、Y⇒C⇒Mの順序とし、この順序で各感光体40への現像、及び中間転写ベルト10上への一次転写を行った。
評価結果を表2に示す。
[評価方法]
(評価項目)
(1)帯電量
常温常湿下、トナー濃度7%の条件下で、トナーとキャリアを一定時間混合した後に、目開き635メッシュをセットした測定用ゲージに入れ、所定時間ブローオフし、飛散した粉体の電荷量Q(μC)と質量M(g)を測定し、該電荷量Q(μC)と質量M(g)から、帯電量Q/M(μC/g)を求める。
<測定条件>
測定には、特許文献8に記載されているブローオフ装置を用い、以下の条件下で行った。更にこの測定結果から、上述の式(5)により、平均帯電量を算出した。
サンプルの作製条件は、トナー及びキャリアを所定温度、湿度条件下で30分放置調湿した現像剤2gを、直径2.5cm、高さ3.0cmの円柱状のステンレス容器に入れ、ボールミルで250rpmの速度で30秒間攪拌した。この時の現像剤中のトナー濃度(TC)は7重量%とした。
ブローオフセルへのサンプル投入量は1gとし、ブローオフゲージには、SUS製円筒型ケージで、上面及び底面内径25mm×高さ5mm、上面及び底面にメッシュ目開き635メッシュを全面に張ったものを使用した。
また、ブローエアの吹き付け圧は、0.24Mpa、ブローエア流量は、330Nl/min、ブローエア噴出し口とブローオフゲージ上面間の距離は5mmとし、ブローエア吹き付け時間は、30秒で2回行った。また、ブローオフセル下方の吸引圧は、100mmHgとした。
(2)トナー飛散
Ricoh製IPSiO Color8100をオイルレス定着方式に改造してチューニングした評価機を用いて、各トナーを用いて画像面積率5%、チャート連続5万枚出力耐久試験を実施後トナーによる複写機内部の汚染が全くない場合は◎、わずかに存在するが実用上は全く問題ないレベルを○、飛散量がかなり多いが画像上は問題ないレベルを△、飛散量が多く画像上にまで問題が発生しているレベルを×とした。
(3)画像粒状性、鮮鋭性
Ricoh製IPSiO Color8100をオイルレス定着方式に改造してチューニングした評価機を用い、単色で写真画像の出力を行ない、粒状性、鮮鋭性の度合を目視にて評価した。良好なものから◎、○、△、×で評価した。◎はオフセット印刷並、○はオフセット印刷よりわずかに悪い程度、△はオフセット印刷よりかなり悪い程度、×は従来の電子写真画像程度で非常に悪い。
(4)ヘイズ度
図3(装置A)若しくは図5(装置B)に例示した定着機を用いて、OHP用紙(3M製CG3700)に、ベタ画像で0.8±0.04mg/cmのトナーが現像される様に調整を行い、定着ベルトの温度が160℃となるように調整して、画像の定着を行った。定着後の画像のヘイズ度を、ヘイズ試験機(HGM−2DP スガ試験機)を用いて測定した。
(5)流出開始温度T1/2
トナー1.0gを計量、成型し、シマヅ製フローテスター(CFT−100D)を使用して、荷重30kgf、昇温速度3.0℃/min、ダイ長さ1mm、ダイ径0.5mmの条件にて測定し、この時の1/2流出開始温度を測定値とした。
(6)シアン、マゼンタの2色重ねにおける色特性
図3(装置A)、若しくは図5(装置B)に例示した定着機を用いて、普通紙及び厚紙の転写紙(リコー製タイプ6200 及びNBS リコー製複写印刷用紙<135>)にベタ画像で、各々0.4±0.02mg/cmのトナーが重なって現像される様に調整を行ない、定着ベルトの温度が160℃となる様に調整を行なって画像の定着を行なう。定着後の画像を938スペクトロデンシトメーター(X−Rite社製)を用いてL*a*b*表色系を測定した。
得られたトナーの物性を表1に、評価結果を表2に示す。
Figure 0004708172
Figure 0004708172
表2を参照して分かる通り、本発明に係る実施例のカラー画像形成装置では、色重ね後におけるカラー画像が、明度、彩度に高く、優れた色特性を有すると共に、画像の粒状性が良好で、トナー飛散による異常画像が生じることもなく、良好なカラー画像を得ることができた。
一方、比較例2、3のカラー画像形成装置により得られるカラー画像では、色重ね後に得られるカラー画像の明度・彩度が共に劣下し、また、画像の粒状性が低下し、更にトナー飛散による画像汚れがみられる結果となった。
本発明に係るカラー画像形成装置の概略構成図である。 本発明に係るカラー画像形成装置に備えられるタンデム型画像形成装置の概略構成を示す図である。 本発明に係るカラー画像形成装置に備えられる定着装置を拡大して示す図である。 誘導加熱手段の構成を説明するための図である。 電磁誘導加熱方式による定着装置の、別の実施形態を示す模式図である。 本発明に係るカラー画像形成装置に備えられる定着装置の別の実施形態を示す図である。 形状係数SF−1を説明するためにトナーの形状を模式的に表した図である。 形状係数SF−2を説明するためにトナーの形状を模式的に表した図である。 本発明に係るトナーの形状を模式的に示す図である。
符号の説明
4 現像装置
10 中間転写ベルト(中間転写体)
18 画像形成手段
21 露光装置
25 定着装置
251 加熱ローラ
252 定着ローラ
253 ベルト(トナー加熱体)
254 加圧ローラ
40 感光体(潜像担持体)
22 二次転写装置
62 一次転写手段
100 複写装置本体
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置

70 定着装置
701 加熱体
701a 励磁コイルユニット
701b 磁性金属部材
702 フィルム内面ガイド
703 円筒状のフィルム
704 加圧ローラ
704a 芯
704b 耐熱ゴム層

Claims (7)

  1. イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色トナーの現像器を有し、
    各色について像担持体上に静電潜像を形成し、これを各色のトナーで現像し、前記像担持体上のトナー像を中間転写体に一次転写する工程を行った後、前記中間転写体上のトナー像を一括して被転写体に二次転写し、前記被転写体上のトナーを定着するタンデム型のカラー画像形成装置において、
    前記トナーは、少なくとも結着樹脂と着色剤を含有するトナーであり、
    前記カラー画像形成装置は、前記複数の現像器のうち、イエロー現像器が、前記中間転写体上に最初に一次転写されるトナーを収容する現像器であり、
    前記シアン現像器とマゼンタ現像器に収容されるトナーのうち、前記中間転写体上に先に一次転写されるトナーをA、他方のトナーをBとしたとき、
    各トナー中の着色剤含有率Dが、下記式(1)の関係を満たし、
    各トナーの、フローテスター試験における1/2流出開始温度T1/2が、下記式(2)の関係を満たし、
    各色トナーにより形成される、0.8mg/cm のトナー薄層の画像のヘイズ度hzが、下記式(3)の関係を満たし、
    各色トナーの帯電量q/mが、下記式(4)の関係を満たす
    ことを特徴とするカラー画像形成装置。
    <D ・・・(1)
    (但し、D、Dは、それぞれ、トナーA、トナーBの着色剤含有率を表す。)
    T1/2 <T1/2 ・・・(2)
    (但し、T1/2 、T1/2 は、それぞれ、トナーA、トナーBの1/2流出開始温度を表す。)
    hz <hz ・・・(3)
    (但し、hz 、hz は、それぞれ、トナーA、トナーBにより形成される0.8mg/cm のトナー薄層の画像のヘイズ度を表す。)
    q/m >q/m >q/m ・・・(4)
    (但し、q/m 、q/m 、q/m は、それぞれ、イエロートナー、トナーA、トナーBのトナー帯電量を表す。)
  2. 請求項1に記載のカラー画像形成装置において、
    前記イエロー現像器に隣接する位置に、前記シアン現像器が設置される
    ことを特徴とするカラー画像形成装置。
  3. 請求項1又は2に記載のカラー画像形成装置において
    前記ブラック現像器は、前記中間転写体上に最後に一次転写されるトナーを収容する現像器である
    ことを特徴とするカラー画像形成装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載のカラー画像形成装置において、
    静電潜像を担持する像担持体と、少なくとも、前記像担持体に対向して配置される現像装置とを一体に支持し、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジを備える
    ことを特徴とするカラー画像形成装置。
  5. イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色トナーの現像器を有し、
    各色について像担持体上に静電潜像を形成し、これを各色のトナーで現像し、前記像担持体上のトナー像を中間転写体に一次転写する工程を行った後、前記中間転写体上のトナー像を一括して被転写体に2次転写し、前記被転写体上のトナーを定着するカラー画像形成方法において、
    前記トナーは、少なくとも結着樹脂と着色剤を含有するトナーであり、
    前記カラー画像形成方法は、前記複数の現像器のうち、イエロー現像器が、前記中間転写体上に最初に一次転写されるトナーを収容する現像器であり、
    前記シアン現像器とマゼンタ現像器に収容されるトナーのうち、前記中間転写体上に先に一次転写されるトナーをA、他方のトナーをBとしたとき、
    各トナー中の着色剤含有率Dが、下記式(1)の関係を満たし、
    各トナーの、フローテスター試験における1/2流出開始温度T1/2が、下記式(2)の関係を満たし、
    各色トナーにより形成される、0.8mg/cm のトナー薄層の画像のヘイズ度hzが、下記式(3)の関係を満たし、
    各色トナーの帯電量q/mが、下記式(4)の関係を満たす
    ことを特徴とするカラー画像形成方法。
    <D ・・・(1)
    (但し、D 、D は、それぞれ、トナーA、トナーBの着色剤含有率を表す。)
    T1/2 <T1/2 ・・・(2)
    (但し、T1/2 、T1/2 は、それぞれ、トナーA、トナーBの1/2流出開始温度を表す。)
    hz <hz ・・・(3)
    (但し、hz 、hz は、それぞれ、トナーA、トナーBにより形成される0.8mg/cm のトナー薄層の画像のヘイズ度を表す。)
    q/m >q/m >q/m ・・・(4)
    (但し、q/m 、q/m 、q/m は、それぞれ、イエロートナー、トナーA、トナーBのトナー帯電量を表す。)
  6. 請求項5に記載のカラー画像形成方法において、
    前記イエロー現像器により形成されたトナー画像が前記中間転写体上に一次転写された直後に、前記シアン現像器により形成されたトナー画像が、前記中間転写体上に一次転写される
    ことを特徴とするカラー画像形成方法。
  7. 請求項5又は6に記載のカラー画像形成方法において、
    前記複数の現像器のうち、ブラック現像器により形成されたトナー画像が、前記中間転写体上に最後に一次転写される
    ことを特徴とするカラー画像形成方法。
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