JP2009282086A - 画像形成用トナー、現像剤、画像形成方法、画像形成装置、プロセスカートリッジ - Google Patents

画像形成用トナー、現像剤、画像形成方法、画像形成装置、プロセスカートリッジ Download PDF

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Abstract

【課題】トナー母体粒子表面に無機微粒子が固着し、均一な帯電性が得られると共に経時での帯電安定性が得られ、しかもクリーニング性が良好で、かつ、異常画像の発生がないトナーを提供すること。
【解決手段】有機溶媒中に、少なくとも、活性水素基を有する化合物、該活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体、着色剤、離型剤を含有する組成物を溶解又は分散させ、得られる溶液又は分散液を水系媒体中で分散させ、該水系媒体中で、該活性水素基を有する化合物と、該活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体とを、反応させた後、もしくは反応させながら、該有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥して得られるトナー母体粒子に無機微粒子を外添させてなる画像形成用トナーであって、
該トナー母体粒子中にアルコキシシリル基を有する化合物を含有すると共に該トナー母体粒子表面に該無機微粒子を湿式処理し付着させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、電子写真、静電記録、静電印刷等における静電荷像を現像するための画像形成用トナー並びにそのトナーを用いる現像剤、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジに関する。
電子写真、静電記録、静電印刷等の画像形成方法は、その現像工程において、例えば、静電荷像が形成されている感光体等の像担持体に、現像剤に含まれるトナーが一旦付着し、次に転写工程において感光体から転写紙等の転写媒体にトナーが転写された後、定着工程において転写媒体面に定着される。現像剤としては、磁性キャリアとトナーとから成る二成分系現像剤、及び、磁性キャリアを必要としない一成分系現像剤(磁性トナー、非磁性トナー)が知られている。
従来、電子写真、静電記録、静電印刷などに用いられる乾式トナーとしては、スチレン系樹脂、ポリエステル樹脂などのトナーバインダを着色剤などと共に溶融混練し、微粉砕して製造される、混練粉砕法のトナーが用いられている。
近年、高画質化への要求が高まっており、特に高精細なカラー画像形成を実現させるため、トナーの小粒径化、球形化が進められている。小粒径化により、ドットの再現性が良好になり、球形化により現像性、転写性の向上を図ることができる。従来の混練粉砕法により、このような小粒径化、球形化したトナーを製造するのは非常に困難であることから、懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法等により製造される重合法のトナーを始め、液中でトナー粒子を造粒して製造する方法が多数検討されている。
特許文献1には、ポリマー溶解懸濁法と呼ばれる体積収縮を伴う工法が検討されている。この方法はトナー材料を低沸点有機溶媒などの揮発性溶剤に分散、溶解させ、これを分散剤の存在する水系媒体中で、乳化、液滴化した後に揮発性溶剤を除去するものである。この方法は懸濁重合法、乳化重合凝集法と異なり、用いることのできる樹脂に汎用性が広く、特に透明性や定着後の画像部の平滑性が要求されるフルカラープロセスに有用なポリエステル樹脂を用いることができる点で優れている。しかし、得られるトナーは比較的球状の形のものが多く、ブレードによるクリーニング性能が著しく悪いものであった。また、流動化剤としてトナーに外添された無機微粒子は、使用中に接触する部材とのストレスによってすぐにトナー中に埋め込まれてしまい、流動性が損なわれ、トナー補給性、現像性、帯電性が劣化した。
また、特許文献2では、ポリマー溶解懸濁法で用いる樹脂を低分子量のものとして、分散相の粘度を下げ、乳化を容易にし、しかも粒子内で重合反応をさせて定着性を改善している。この方法は、比較的粒子表面で重合反応が進行し、トナー粒子表面を硬くすることができるため、流動化剤として添加される無機微粒子の埋め込みはある程度防止できたが、トナー粒子に付着していない過剰の無機微粒子が感光体その他の部材に付着、固着し、画像劣化の原因になっている現象は解決されていないものであった。
上記2つの文献にも示されているように、流動化剤としての無機微粒子のトナーへの添加方法としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン等の無機微粒子をトナーと共に乾式でミキサー等により混合・攪拌して付着させる方法が一般的である。
一方、このようにして添加された無機微粒子が経時でトナー中に埋め込まれることによるトナー流動性、現像性、帯電性等の悪化を防ぐために、無機微粒子をトナー粒子表面に湿式で付着させる方法が検討されている。
特許文献3には、乳化分散法によって得られた樹脂母粒子表面に無機微粒子を付着させた状態の粒子を湿式で形成した後、母粒子を構成する樹脂を膨潤させるような溶剤を含む溶液中で高剪断力をかけ、無機微粒子を母粒子表面に固着させる方法が開示されている。
特許文献4には、樹脂粒子と着色剤とを液中で凝集させて形成された凝集粒子を含む分散液に無機微粒子分散液を少なくとも1回追加混合し、凝集粒子表面に無機微粒子を付着させる方法が開示されている。
特許文献5には、水系分散液中で芯粒子表面に顔料を均一に付着させ、次いでこの混合液に剪断力をかけて顔料を芯粒子表面に固着させた後、無機微粒子分散液を加えて無機微粒子を付着させる方法が開示されている。この方法においては、芯粒子と顔料及び無機微粒子の電気的反発による、芯粒子への付着のしづらさ、あるいは付着力の弱さを改善するため、各工程で分散液中に添加する界面活性剤の極性を種々変えるという手法を用いている。
特許文献6には、球状トナーを用いて、ブレードクリーニング性を良好に維持しつつ、高精細、高品質な画像を形成するトナーとして、平均円形度が0.97〜1.00で、平均粒径が0.03〜1μmの微粒子をトナー母体粒子に湿式外添する、すなわち、トナー母体粒子の表面極性とは異なる極性の界面活性剤の存在下、該トナー母体粒子に微粒子を外添するトナーが提案されている。
特許文献7には、より均一な帯電性、現像性、経時での帯電安定性を示し、ブレードクリーニング性の良好な形状を有するトナーとして、トナー母体粒子に、粒度分布における体積分布の変動係数が50%以下の無機微粒子A(形状係数SF−1が100〜120、又は体積平均粒径が50〜500nm)を湿式処理により付着させる、すなわち、トナー母体粒子表面の極性とは異なる極性の界面活性剤の存在下、水系媒体中にトナー母体粒子及び無機微粒子Aを分散させて行うトナーが提案されている。
特開平7−152202号公報 特開平11−149179号公報 特開平7−333902号公報 特開平10−207125号公報 特開2001−159830号公報 特開2005−115029号公報 特開2005−266557号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、トナー母体粒子表面に無機微粒子が固着し、均一な帯電性が得られると共に経時での帯電安定性が得られ、しかもクリーニング性が良好で、かつ、異常画像の発生がないトナーを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、有機溶媒中に、少なくとも、活性水素基を有する化合物、該活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体、着色剤、離型剤、アルコキシシリル基を有する化合物を含有する組成物を溶解又は分散させ、得られる溶液又は分散液を水系媒体中で分散させ、該水系媒体中で、該活性水素基を有する化合物と、該活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体とを、反応させた後、もしくは反応させながら、該有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥して得られるトナー母体粒子に無機微粒子を外添させてなる画像形成用トナーであって、
該トナー母体粒子中にアルコキシシリル基を有する化合物を含有すると共に該トナー母体粒子表面に該無機微粒子を湿式処理し付着してなることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成用トナーにおいて、前記アルコキシシリル基を有する化合物が下記構造式(1)で表わされることを特徴とする。
Figure 2009282086
(式中、Xはエポキシ基、もしくはイソシアネート基、Rはメチル基、もしくはエチル基であり、n=1〜5、m=1〜3を表わす。)
を特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の画像形成用トナーにおいて、前記アルコキシシリル基を有する化合物がトナー母体に対して、5〜20重量%含有されていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成用トナーにおいて、前記無機微粒子は、形状係数SF−1の値が100〜120であることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成用トナーにおいて、前記無機微粒子は、体積平均粒径が50〜500nmである ことを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成用トナーにおいて、前記トナー母体粒子に無機微粒子を付着させる湿式処理は、前記トナー母体粒子表面の極性とは異なる極性の界面活性剤の存在下、水系媒体中にトナー母体粒子及び無機微粒子を分散させて行うことを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の画像形成用トナーにおいて、前記トナー母体粒子は、その表面がアニオン性を有することを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項6に記載の画像形成用トナーにおいて、前記トナー母体粒子表面の極性と異なる極性の界面活性剤は、カチオン性を有する含フッ素系界面活性剤であることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の画像形成用トナーにおいて、前記カチオン性を有する含フッ素系界面活性剤は、パーフルオロアルキル基を有する化合物からなることを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項1ないし9のいずれかに記載の画像形成用トナーにおいて、前記トナーは、体積平均粒径が3〜8μmで、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40の範囲にあることを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、請求項1ないし10のいずれかに記載の画像形成用トナーにおいて、前記トナーは、円形度が0.940〜0.975の範囲にあることを特徴とする。
請求項12に記載の発明は、請求項1ないし11のいずれかに記載のトナーと磁性粒子からなるキャリアを含む二成分現像剤であることを特徴とする。
請求項13に記載の発明は、像担持体上に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、該像担持体上に形成された静電荷像にトナーを供給して可視像を形成する現像工程と、該可視像を転写材上に転写する転写工程と、該転写材上に転写された可視像を転写材に定着する定着工程とを少なくとも有する画像形成方法であって、前記現像工程が請求項1ないし11のいずれかに記載のトナーを用いる画像形成方法であることを特徴とする。
請求項14に記載の発明は、像担持体と、該像担持体上に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、該像担持体上に形成された静電荷像にトナーを供給して可視像化する現像手段と、該可視像を転写材上に転写する転写手段と、該転写材上に転写された可視像を転写材に定着する定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、前記現像手段が、請求項1ないし11のいずれかに記載のトナーを用いる画像形成装置であることを特徴とする。
請求項15に記載の発明は、像担持体と、該像担持体上に形成された静電荷像にトナーを供給し可視像化する現像手段とを少なくとも一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジであって、前記現像手段が、請求項1ないし11のいずれかに記載のトナーを用いるプロセスカートリッジであることを特徴とする。
本発明によれば、トナー母体粒子表面に無機微粒子が固定化し、均一な帯電性が得られると共に経時での帯電安定性が得られ、しかもクリーニング性が良好で、かつ、異常画像の発生がないトナーを提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、有機溶媒中に、少なくとも、活性水素基を有する化合物、該活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体、着色剤、離型剤を含有する組成物を溶解又は分散させ、得られる溶液又は分散液を水系媒体中で分散させ、該水系媒体中で、該活性水素基を有する化合物と、該活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体とを、反応させた後、もしくは反応させながら、該有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥して得られるトナー母体粒子に無機微粒子を外添させてなる画像形成用トナーであって、
該トナー母体粒子中にアルコキシシリル基を有する化合物を含有すると共に、該トナー母体粒子表面に該無機微粒子を湿式処理して付着することにより、
トナー母体粒子表面に無機微粒子が固着し、均一な帯電性が得られると共に経時での帯電安定性が得られ、しかもクリーニング性が良好で、かつ、異常画像の発生がないトナーを得たものである。
本発明の画像形成用トナーは、高画質高精細の画像を出力させるべく、重合法により形成されるトナー母体粒子であることが好ましい。このトナー母体粒子については後で詳しく説明することにし、まず、このトナー母体粒子に無機微粒子を外添する方法としての湿式処理と本発明における湿式処理について説明する。
従来のトナーは、数nm〜100nm程度の一次粒子径を有する無機微粒子を、ミキサー等でトナー母体粒子と共に攪拌することにより、外添処理を行っていた。しかし、トナー母体粒子表面に機械的に無機微粒子を付着させる、この乾式外添処理では、トナー母体粒子表面に均一に無機微粒子を付着させるには限界があり、加えて、小粒径の無機微粒子は凝集しやすいことから、1つのトナー母体粒子表面において無機微粒子の付着の仕方に分布があり、また、トナー粒子間でもその付着の仕方に分布があった。このような無機微粒子の付着の分布がトナーの帯電特性にも影響を及ぼし、帯電量が十分でないトナーが非画像部に現像される地汚れ等の画像の不具合を生じていた。
本発明は、無機微粒子の外添を湿式処理により行うものであり、例えば、トナー母体粒子を分散させた液中に無機微粒子の分散液を添加して、液中でトナー母体粒子表面に無機微粒子を付着させるものである。本発明は、このような湿式処理を行うに当たって、トナー母体粒子中にアルコキシシリル基を有する化合物を含有させることにより、トナー母体粒子表面にアルコキシシリル基を存在させ、湿式処理中にアルコキシシリル基が加水分解(シラノール基となる)し、乾燥工程中に、トナー母体粒子表面のシラノール基と無機微粒子表面の官能基が脱水縮合することで、表面に均一に付着させた無機微粒子をトナー母体表面に固定化することができる。
本発明で使用されるアルコキシシリル基を有する化合物は、下記構造式(1)で表わされるものである。
Figure 2009282086
(式中、Xはエポキシ基、もしくはイソシアネート基、Rはメチル基、もしくはエチル基であり、n=1〜5、m=1〜3を表わす。)
具体的な化合物としては、γ−イソシアナトトリエトキシシラン(信越化学社製、KBE−9007)、3−グリシドキシプロピルジエトキシシラン(信越化学社製、KBE−402)、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学社製、KBE−403)、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製、KBM−403)などが挙げられる。
本発明において、無機微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等を挙げることができる。この中でも、色が白色でカラートナーの外添剤としても使用可能であること、安全性が高いこと等から、シリカが好ましい。
上記無機微粒子は、表面処理を行い、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止することができる。例えばシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが好ましい表面処理剤として挙げられる。
(無機微粒子の形状係数SF−1)
本発明で使用される無機微粒子としては、形状係数SF−1の値が100〜120であることが好ましい。
図1は、形状係数SF−1を説明するためにトナーの形状を模式的に表した図である。形状係数SF−1は、粒子形状の丸さの割合を示すものであり、下記式(1)で表される、無機微粒子Aを2次元平面に投影してできる形状の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。SF−1の値が小さく100に近い程、粒子が真球に近いことを示す。
SF−1={(MXLNG)/AREA}×(100π/4) ・・・式(1)
本発明で使用される無機微粒子は、SF−1の値が100〜120の範囲にあることにより、その形状が球形に近いため、トナー母体粒子に付着させた時のトナーの流動性を大きくすることができる。また、転写率も向上させることができる。一方、SF−1の値が120を超えると、無機微粒子は球形から遠ざかるため、所望の流動性が得られなくなる。
形状係数SF−1の測定は、具体的には、走査型電子顕微鏡(S−800:日立製作所社製)で無機微粒子の写真を撮り、これを画像解析装置(LUSEX3:ニレコ社製)に導入して解析して計算した。測定倍率は10万倍の倍率で行う。
(無機微粒子の体積平均粒径)
本発明で使用される無機微粒子の体積平均粒径は50〜500nmであることが好ましい。無機微粒子の体積平均粒径が50nm未満では、トナーが現像装置内での使用中に機械的なストレスを受けて、トナー内部に無機微粒子が埋没しやすくなる。また、無機微粒子の体積平均粒径が500nmを超えると、現像装置内での使用中にトナー表面から脱離しやすくなる。この様に、トナー母体粒子表面における無機微粒子の付着状態が変化することは、トナーの帯電特性の変化にもつながり、帯電量の低下や帯電量分布の広がり等を招いて地汚れ又は濃度低下等の異常画像を発生させる原因となる。従って、無機微粒子の体積平均粒径は、50〜500nmが好ましい。一層好ましくは、75〜200nmである。
また、上記のような大きさを有する無機微粒子が付着したトナー表面は、それによって凹凸が形成されるため、トナーのブレードクリーニング性も向上させることができる。
本発明で使用される無機微粒子の製造方法としては、気相中で粒子を形成させる乾式製造方法と、液中で粒子を形成させる湿式製造方法とがある。例えば、シリカの場合、乾式製造方法は、四塩化ケイ素を気相中で燃焼させシリカ粒子を形成させ、湿式製造方法では、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシランなどのアルコキシシランを、水溶液中で加水分解、縮合させて、ゾルゲル法によりシリカ粒子を形成させるものである。
本発明で使用される無機微粒子は上記のように形状係数SF−1の値が100〜120の範囲にあることが好ましいことから、湿式製造方法により製造されるものであることが好ましい。湿式製造方法において温度条件等を変更することにより、無機微粒子の粒径の制御も可能であり、上記の50〜500nmの範囲内の所望の体積平均粒径とすることができる。
(トナー母体粒子に無機微粒子を付着させる湿式処理)
本発明におけるトナー母体粒子は水中で形成されるので、使用された界面活性剤等を洗浄によって除去した後に、湿式で無機微粒子の付着処理を行うのが好ましい。水中に存在している余剰の界面活性剤をろ過、遠心分離などの固液分離操作をして除去し、得られたケーキ、スラリーを水系媒体中に再分散する。更にそのスラリーに無機微粒子を添加分散する。予め無機微粒子を水系分散体に分散させておくこともできる。その際、逆極性の界面活性剤(トナー母体粒子表面の極性とは異なる極性の界面活性剤)を用いて分散しておくとトナー粒子表面への付着はさらに効率的に行われる。
また、無機微粒子が疎水化処理されており水系分散体に分散させにくい場合は、少量のアルコール等との併用により界面張力を下げ濡れ易くしてから無機微粒子を分散させても良い。その後、逆極性の界面活性剤水溶液を攪拌下徐々に添加する。
逆極性の界面活性剤はトナー粒子固形分に対し0.01〜1重量%使用することが好ましい。逆極性の界面活性剤の添加によって無機微粒子分散体の水中での荷電が中和され、トナー母体粒子表面に無機微粒子を凝集付着させることができる。この無機微粒子はトナー粒子固形分に対し0.01〜5重量%使用することが好ましい。
なお、本発明のトナーは負帯電性トナー用現像システムでの使用が想定され、トナー母体粒子表面はアニオン性を有しているほうが現像特性が良好となる。
さらに帯電性を補強する目的で、再分散したスラリー中に帯電制御剤微粒子分散体を存在させておくこともできる。帯電制御剤は通常粉体の形態であるが、水系媒体中でトナー粒子を製造した時に用いた界面活性剤や、帯電付与の目的で添加する逆極性の界面活性剤を用いて、別途水系媒体中で分散することによって微粒子分散体を得ることができる。逆極性の界面活性剤の添加によって、帯電制御剤微粒子分散体の水中での荷電が中和され、トナー粒子表面に凝集付着させることができる。
帯電制御剤は0.01〜1μmの粒子径の分散体であることが好ましく、トナー粒子固形分に対し0.01〜5重量%使用することができる。
また、さらに帯電性を補強する目的で、再分散したスラリー中に樹脂微粒子分散体を存在させておくこともできる。樹脂微粒子分散体は乳化重合によって得られたものが好ましい。逆極性の界面活性剤の添加によって、樹脂微粒子分散体の水中での荷電が中和され、トナー粒子表面に凝集付着させることができる。この樹脂微粒子はトナー粒子固形分に対し0.01〜5重量%使用することができる。
(界面活性剤)
逆極性の界面活性剤として用いるアニオン性の界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどが挙げられる。
カチオン性界面活性剤としてはアルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの四級アンモニウム塩型などが挙げられる。
また脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤を使用しても良い。
これら界面活性剤の使用量は水相全体に対し0.1〜10重量%が好ましい。
(フッ素系界面活性剤)
本発明においては、逆極性の界面活性剤としてフッ素系界面活性剤を用いることにより更に帯電性能、特に帯電立ち上り性を改良することができる。
好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステル等が挙げられる。
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(以上、旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(以上、住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102(以上、タイキン工莱社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(以上、大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204(以上、トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F−150(以上、ネオス社製)等が挙げられる。
また、カチオン界面活性剤としては、フルオロアルキル基を有する脂肪族一級、二級もしくは三級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族四級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−121(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキン工業杜製)、メガファックF−150、F−824(以上、大日本インキ社製)、エクトップEF−132(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)等が挙げられる。
本発明におけるトナー母体粒子は、例えば以下の様な原料、並びに製造方法によって製造される。
(変性ポリエステル)
本発明に係るトナーは結着樹脂として変性ポリエステル(i)を含む。変性ポリエステル(i)とは、ポリエステル樹脂中にエステル結合以外の結合基が存在したり、またポリエステル樹脂中に構成の異なる樹脂成分が共有結合、イオン結合などで結合した状態をさす。具体的には、ポリエステル末端に、カルボン酸基、水酸基と反応するイソシアネート基などの官能基を導入し、さらに活性水素含有化合物と反応させ、ポリエステル末端を変性したものを指す。
変性ポリエステル(i)としては、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との反応により得られるウレア変性ポリエステルなどが挙げられる。イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)としては、多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の重縮合物で、かつ活性水素基を有するポリエステルを、さらに多価イソシアネート化合物(PIC)と反応させたものなどが挙げられる。上記ポリエステルの有する活性水素基としては、水酸基(アルコール性水酸基及びフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらのうち好ましいものはアルコール性水酸基である。
ウレア変性ポリエステルは、以下のようにして生成される。
多価アルコール化合物(PO)としては、2価アルコール(DIO)および3価以上の多価アルコール(TO)が挙げられ、(DIO)単独、または(DIO)と少量の(TO)との混合物が好ましい。2価アルコール(DIO)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上の多価アルコール(TO)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
多価カルボン酸(PC)としては、2価カルボン酸(DIC)および3価以上の多価カルボン酸(TC)が挙げられ、(DIC)単独、および(DIC)と少量の(TC)との混合物が好ましい。2価カルボン酸(DIC)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。3価以上の多価カルボン酸(TC)としては、炭素数9〜20の芳香族多価カルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、多価カルボン酸(PC)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いて多価アルコール(PO)と反応させてもよい。
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、更に好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
多価イソシアネート化合物(PIC)としては、脂肪族多価イソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアネート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。
多価イソシアネート化合物(PIC)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜2/1、好ましくは4/1〜2.5/1、さらに好ましくは2.5/1〜2.1/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、ウレア変性ポリエステルを用いる場合、そのエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の多価イソシアネート化合物(PIC)構成成分の含有量は、通常0.5〜40wt%、好ましくは1〜30wt%、さらに好ましくは2〜20wt%である。0.5wt%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、40wt%を超えると低温定着性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有されるイソシアネート基は、通常2個以上、好ましくは、平均2〜3個、さらに好ましくは、平均2〜2.5個である。1分子当たり2個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
次に、ポリエステルプレポリマー(A)と反応させるアミン類(B)としては、2価アミン化合物(B1)、3価以上の多価アミン化合物(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、およびB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。
2価アミン化合物(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。
3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。
アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。
B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。
これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が2を超えたり1/2未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
また、ウレア変性ポリエステル中には、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
本発明で用いられる変性ポリエステル(i)は、ワンショット法、プレポリマー法により製造される。変性ポリエステル(i)の重量平均分子量は、通常1万以上、好ましくは2万〜1000万、さらに好ましくは3万〜100万である。この時のピーク分子量は1000〜20000が好ましく、1000未満では伸長反応しにくくトナーの弾性が少なく、その結果耐ホットオフセット性が悪化する。また20000を超えると定着性の低下や粒子化や粉砕において製造上の課題が高くなる。
変性ポリエステル(i)を得るためのポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との架橋及び/又は伸長反応には、必要により反応停止剤を用い、得られるウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
(未変性ポリエステル)
本発明においては、前記変性されたポリエステル(i)単独使用だけでなく、この(i)と共に、未変性ポリエステル(ii)を結着樹脂成分として含有させることもできる。(ii)を併用することで、低温定着性及びフルカラー装置に用いた場合の光沢性が向上し、単独使用より好ましい。(ii)としては、前記(i)のポリエステル成分と同様な多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)との重縮合物などが挙げられ、好ましいものも(i)と同様である。また、(ii)は無変性のポリエステルだけでなく、ウレア結合以外の化学結合で変性されているものでもよく、例えばウレタン結合で変性されていてもよい。(i)と(ii)は少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。(ii)を含有させる場合の(i)と(ii)の重量比は、通常5/95〜80/20、好ましくは5/95〜30/70、さらに好ましくは5/95〜25/75、特に好ましくは7/93〜20/80である。(i)の重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
(ii)のピーク分子量は、通常1000〜10000、好ましくは2000〜8000、さらに好ましくは2000〜5000である。1000未満では耐熱保存性が悪化し、10000を超えると低温定着性が悪化する。(ii)の水酸基価は5以上であることが好ましく、さらに好ましくは10〜120、特に好ましくは20〜80である。5未満では耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。(ii)の酸価は1〜5が好ましく、より好ましくは2〜4である。ワックスに高酸価ワックスを使用するため、結着樹脂成分は低酸価の方が帯電性や高体積抵抗につながるので二成分系現像剤に用いるトナーにはマッチしやすい。
結着樹脂のガラス転移点(Tg)は通常35〜70℃、好ましくは40〜65℃である。35℃未満ではトナーの耐熱保存性が悪化し、70℃を超えると低温定着性が不十分となる。ウレア変性ポリエステルは、得られるトナー母体粒子の表面に存在しやすいため、本発明のトナーにおいては、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。
(着色剤)
着色剤としては、公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナー母体に対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造、またはマスターバッチとともに混練されるバインダ樹脂としては、ポリスチレン、ポリ−p−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体、あるいはこれらとビニル化合物との共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
(離型剤)
離型剤としては、融点が50〜120℃の低融点のワックスが、結着樹脂との分散の中でより離型剤として効果的に定着ローラとトナー界面との間で働き、これにより定着ローラにオイルの如き離型剤を塗布することなく高温オフセットに対し効果を示す。このようなワックス成分としては、以下のものが挙げられる。
ロウ類及びワックス類としては、カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス、オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス、及びおよびパラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス等が挙げられる。また、これら天然ワックスの外に、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス、エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス等が挙げられる。さらに、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド及び、低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等)等、側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子等も用いることができる。
離型剤はマスターバッチ、バインダ樹脂とともに溶融混練することもできるし、もちろん有機溶剤に溶解、分散する際に加えても良い。離型剤の含有量はトナー母体に対して通常1〜20重量%、好ましくは2〜10重量%である。
(アルコキシシリル基を有する化合物)
アルコキシシリル基を有する化合物の含有量は、トナー母体に対して5〜20重量%、好ましくは5〜15重量%である。5重量%未満であるとトナー粒子表面への無機微粒子の付着が少なく、20重量%を超えると無機微粒子同士の付着を招く。
(帯電制御剤)
本発明においては、必要に応じて帯電制御剤を用いることができる。
帯電制御剤としては公知のものが使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、4級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、4級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。このうち、特にトナーを負極性に制御する物質が好ましく使用される。
帯電制御剤の使用量は、結着樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくは結着樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を超える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、帯電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電気的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
次に、トナー母体粒子の製造方法について説明する。ここでは、好ましい製造方法について示すが、これに限られるものではない。
(トナーの製造方法)
(1)着色剤、未変性ポリエステル、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー、離型剤を有機溶媒中に分散させトナー材料液を作る。本発明は、ここで、アルコキシシリル基を有する化合物も該トナー材料液中に含有させる。
有機溶媒は沸点が100℃未満の揮発性であることが、トナー母体粒子形成後の除去が容易である点から好ましい。具体的には、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上の組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒及び塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。有機溶媒の使用量は、ポリエステルプレポリマー100重量部に対し、通常25〜300重量部、好ましくは25〜100重量部、更に好ましくは25〜70重量部である。
(2)トナー材料液を界面活性剤、樹脂微粒子の存在下、水系媒体中で乳化させる。
水系媒体は、水単独でも良いし、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などの有機溶媒を含むものであってもよい。
トナー材料液100重量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー材料液の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。20000重量部を超えると経済的でない。
また、水系媒体中の分散を良好にするために、界面活性剤、樹脂微粒子等の分散剤を適宜加える。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステル等のアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
また、カチオン性界面活性剤としては、フルオロアルキル基を有する脂肪族1級、2級もしくは2級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−121(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキンエ業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−132(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
樹脂微粒子は、水性分散体を形成しうる樹脂であればいかなる樹脂も使用でき、熱可塑性樹脂でも熱硬化性樹脂でもよい。例えばビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。樹脂としては上記樹脂を2種以上併用しても差し支えない。
このうち好ましいのは、微細球状樹脂粒子の水性分散体が得られやすい点から、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びそれらの併用が好ましい。例えばビニル系樹脂としては、ビニル系モノマーを単独重合または共重合したポリマーで、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸−アクリル酸エステル重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体等の樹脂が挙げられる。樹脂微粒子の平均粒径は5〜200nm、好ましくは20〜300nmである。また、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等の無機化合物分散剤も用いることができる。
上記の樹脂微粒子、無機化合物分散剤と併用して使用可能な分散剤として、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸−β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−β−ヒドロキシエチル、アクリル酸−β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの含窒素化合物、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。この中でも、分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは40〜98℃である。
(3)乳化液の作製と同時に、アミン類(B)を添加し、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)との反応を行わせる。
この反応は、分子鎖の架橋及び/又は伸長を伴う。反応時間は、ポリエステルプレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)との反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
(4)反応終了後、乳化分散体(反応物)から有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥してトナー母体粒子を得る。
有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に層流の攪拌状態で昇温し、一定の温度域で強い攪拌を与えた後、脱溶媒を行うことで紡錘形のトナー母体粒子が作製できる。また、有機溶媒を除去する工程で強い攪拌を与えることで、真球状からラクビーボール状の間の形状を制御することができ、さらに、表面のモルフォロジーも滑らかなものから梅干形状の間で制御することができる。
また、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、トナー母体粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
この様にして得られたトナー母体粒子に、先に示した無機微粒子の湿式処理を施してトナーを得る。又、得られたトナーには必要に応じて帯電制御剤の打ち込みや、無機微粒子の乾式処理を施してもよい。帯電制御剤の打ち込み、及び無機微粒子の乾式処理は、ミキサー等を用いた公知の方法によって行われる。
(トナーの体積平均粒径(Dv))
本発明の画像形成用トナーは、体積平均粒径(Dv)が3.0〜8.0μmであり、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40であることが好ましい。この様な粒径及び粒径分布を有するトナーとすることにより、耐熱保存性、低温定着性、耐ホットオフセット性の何れにも優れ、とりわけフルカラー複写機などに用いた場合に画像の優れた光沢性が得られる。
一般的には、トナーの粒径は小さければ小さい程、高解像で高画質の画像を得るために有利であると言われているが、逆に転写性やクリーニング性に対しては不利である。又、本発明の範囲よりも体積平均粒径が小さい場合、二成分現像剤では現像装置における長期の攪拌において磁性キャリアの表面にトナーが融着し、磁性キャリアの帯電能力を低下させ、一成分現像剤として用いた場合には、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化する為のブレード等の部材へのトナーの融着を発生させやすくなる。
逆に、トナーの体積平均粒径が本発明の範囲よりも大きい場合には、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなると共に、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒径の変動が大きくなる場合が多い。
また、Dv/Dnが1.40を超えると、帯電量分布が広くなり、解像力も低下するため好ましくない。
トナーの平均粒径及び粒度分布は、測定装置として、コールターカウンターTA−II或いはコールターマルチサイザー(コールター社製)を用いて測定することができる。
測定方法は以下の通りである。
先ず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩)を、0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは、1級塩化ナトリウムを用いて、約1%NaCl水溶液を調製したもので、ISOTON R−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)を使用した。これに更に測定試料を2〜20mg加え、電解液中に懸濁させて、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行った。前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、前記試料中のトナー粒子の体積及び個数をチャンネルごとに測定して、トナーの体積分布と個数分布とを算出した。
なお、チャンネルとしては、2.00〜2.52μm;2.52〜3.17μm;3.17〜4.00μm;4.00〜5.04μm;5.04〜6.35μm;6.35〜8.00μm;8.00〜10.08μm;10.08〜12.70μm;12.70〜16.00μm;16.00〜20.20μm;20.20〜25.40μm;25.40〜32.00μm;32.00〜40.30μmの13チャンネルを用いた。
本発明の画像形成用トナーは磁性体を含有した磁性トナーとして用いることができ、トナー中に含まれる磁性材料としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄、鉄、コバルト、ニッケルのような金属あるいはこれら金属のアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金およびその混合物などが挙げられる。特にマグネタイトが磁気特性の点で好ましい。これらの強磁性体は平均粒径が0.1〜2μm程度のものが望ましく、トナー中に含有させる量としては樹脂成分100重量部に対し約15〜200重量部、特に好ましくは樹脂成分100重量部に対し20〜100重量部である。
また、本発明の画像形成用トナーは一成分現像剤としても、磁性キャリアと組み合わせてなる二成分現像剤としても用いることができる。
本発明のトナーを二成分現像剤として使用する場合の磁性キャリアとしては、公知のものがすべて使用可能であり、例えば鉄粉、フェライト粉、ニッケル粉のごとき磁性を有する粉体、ガラスビーズ等及びこれらの表面を樹脂などで処理したもの等が挙げられる。
本発明における磁性キャリアにコーティングし得る樹脂粉末としては、スチレン−アクリル共重合体、シリコーン樹脂、マレイン酸樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等がある。スチレン−アクリル共重合体の場合は、30〜90重量%のスチレン分を有するものが好ましい。この場合スチレン分が30重量%未満だと現像特性が低く、90重量%を越えるとコーティング膜が硬くなって剥離しやすくなり、キャリアの寿命が短くなるからである。また、本発明におけるキャリアの樹脂コーティングは、上記樹脂の他に接着付与剤、硬化剤、潤滑剤、導電材、荷電制御剤等を含有してもよい。
(画像形成方法)
次に本発明のトナーを使用する画像形成方法について述べる。
本発明の画像形成方法は、静電荷像形成工程、現像工程、転写工程及び定着工程を少なくとも有し、必要に応じて、適宜選択したその他の工程、例えば、除電工程、クリーニング工程、リサイクル工程、制御工程等をさらに有してもよい。
静電荷像形成工程は、感光体上に静電荷像を形成する工程である。静電荷像は、例えば、帯電装置を用いて、感光体の表面に電圧を印加することにより、一様に帯電させた後、露光装置を用いて、像様に露光することにより形成することができる。
感光体は、その材質、形状、構造、大きさ等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、形状は、ドラム状であることが好ましい。なお、感光体としては、例えば、アモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体(OPC)等が挙げられるが、長寿命性の点で、アモルファスシリコン感光体が好ましい。
帯電装置は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器等が挙げられる。また、帯電装置は、感光体に対して、接触又は非接触の状態で配置され、直流電圧及び交流電圧を重畳印加することによって、感光体の表面を帯電するものが好ましい。
また、帯電装置は、感光体に対して、ギャップテープを介して非接触に近接配置された帯電ローラであり、帯電ローラに直流電圧及び交流電圧を重畳印加することによって、感光体の表面を帯電するものが好ましい。
露光装置は、帯電装置により帯電された感光体の表面に、像様に露光を行うことができる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系等が挙げられる。なお、感光体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
現像工程は、現像装置を用いて、本発明のトナーにより静電荷像を現像して可視像を形成する工程である。
現像装置は、本発明のトナーを用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば、本発明のトナーからなる現像剤を収容し、静電荷像に現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像剤担時体を少なくとも有するものが挙げられ、現像剤入り容器を着脱自在に備えていることが好ましい。現像装置は、単色用現像装置及び多色用現像装置のいずれであってもよく、例えば、現像剤を摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラを有するもの等が挙げられる。現像装置内では、例えば、トナーとキャリアが混合攪拌され、その際の摩擦によりトナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。マグネットローラは、感光体の近傍に配置されているため、マグネットローラの表面に形成された磁気ブラシを構成するトナーの一部は、電気的な吸引力によって、感光体の表面に移動する。その結果、静電荷像がトナーにより現像されて、感光体の表面に可視像が形成される。なお、トナーを感光体の表面に移動させる際には、交番電界を印加することが好ましい。
転写工程は、転写装置を用いて、可視像を被転写体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、中間転写体上に可視像を一次転写した後、可視像を被転写体上に二次転写する態様が好ましい。さらに、トナーとして、二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、複合転写像を被転写体上に転写する第二次転写工程を有する態様が好ましい。可視像は、例えば、転写帯電器を用いて、感光体を帯電することにより転写することができる。
転写装置は、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する一次転写装置と、複合転写像を被転写体上に転写する二次転写装置を有する態様が好ましい。転写装置(一次転写装置、二次転写装置)は、感光体上に形成された可視像を被転写体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有することが好ましい。転写装置は、1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器等が挙げられる。
中間転写体は、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が挙げられる。
被転写体は、特に制限はなく、公知の記録媒体(記録紙)の中から適宜選択することができる。
定着工程は、定着装置を用いて、被転写体に転写された可視像を定着させる工程であり、各色のトナーに対して、被転写体に転写する毎に定着させてもよいし、各色のトナーを積層した状態で一度に同時に定着させてもよい。
定着装置は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の定着部材を用いて加熱加圧定着させるものが好ましい。定着部材は、ローラ状又はベルト状であることが好ましく、例えば、加熱ローラ及び加圧ローラの組み合わせ、加熱ローラ、加圧ローラ及び無端ベルトの組み合わせ等が挙げられる。このとき、加熱温度は、通常、80〜200℃であることが好ましい。
本発明において、定着装置としては、発熱体を具備する加熱体、加熱体と接触するフィルム及びフィルムを介して加熱体と圧接する加圧部材を有し、フィルム及び加圧部材の間に、未定着画像が形成された被転写体を通過させて加熱加圧定着する手段を用いることができる。
なお、目的に応じて、定着装置と共に、又は定着装置に代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
除電工程は、除電装置を用いて、感光体に除電バイアスを印加して除電を行う工程である。
除電装置は、特に制限はなく、感光体に除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が挙げられる。
クリーニング工程は、クリーニング装置を用いて、感光体上に残留するトナーを除去する工程である。
クリーニング装置は、特に制限はなく、感光体上に残留するトナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が挙げられる。
リサイクル工程は、リサイクル装置を用いて、クリーニング工程で除去されたトナーを現像装置にリサイクルさせる工程である。
リサイクル装置は、特に制限はなく、例えば、公知の搬送手段等が挙げられる。
制御工程は、制御装置を用いて、各工程を制御する工程である。
制御装置としては、各工程の動きを制御することができる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
(画像形成装置)
次に、図2を参照しながら、本発明の画像形成装置について、説明する。図2に示す画像形成装置は、感光体10と、帯電装置20と、露光装置30と、現像装置40と、中間転写体50と、クリーニングブレードを有するクリーニング装置60と、除電装置70と、転写装置80を備える。なお、帯電装置20としては、帯電ローラ、除電装置70としては、除電ランプ、転写装置80としては、転写ローラが用いられている。
中間転写体50は、無端ベルトであり、その内側に配置された3個の支持ローラ51で張架され、矢印方向に移動可能に設計されている。3個の支持ローラ51の一部は、中間転写体50へ所定の転写バイアス(一次転写バイアス)を印加することが可能な転写バイアスローラとしても機能する。中間転写体50は、その近傍にクリーニングブレードを有するクリーニング装置90が配置されている。また、被転写体95に可視像を転写(二次転写)するための二次転写バイアスを印加することが可能な転写装置80が対向して配置されている。中間転写体50の周囲には、中間転写体50上の可視像に電荷を付与するためのコロナ帯電器58が、中間転写体50の回転方向において、感光体10及び中間転写体50の接触部並びに中間転写体50及び被転写体95の接触部の間に配置されている。
なお、被転写体95としては、転写紙が用いられている。
現像装置40は、現像剤担持体としての現像ベルト41と、現像ベルト41の周囲に併設したブラックの現像ユニット45K、イエローの現像ユニット45Y、マゼンタの現像ユニット45M及びシアンの現像ユニット45Cから構成されている。なお、現像ユニット45Kは、現像剤収容部42K、現像剤供給ローラ43K及び現像ローラ44Kを備えており、現像ユニット45Yは、現像剤収容部42Y、現像剤供給ローラ43Y及び現像ローラ44Yを備えており、現像ユニット45Mは、現像剤収容部42M、現像剤供給ローラ43M及び現像ローラ44Mを備えており、現像ユニット45Cは、現像剤収容部42C、現像剤供給ローラ43C及び現像ローラ44Cを備えている。また、現像ベルト41は、無端ベルトであり、複数のベルトローラに回転可能に張架され、一部が感光体10と接触している。
この画像形成装置においては、帯電装置20が感光体10を一様に帯電させた後、露光装置30が感光体10上に像様に露光を行い、静電荷像を形成する。次に、感光体10上に形成された静電荷像を、現像装置40が現像剤を供給して現像して可視像を形成する。
可視像は、支持ローラ51から印加された電圧により中間転写体50上に転写(一次転写)され、さらに被転写体95上に転写(二次転写)される。その結果、被転写体95上には、転写像が形成される。なお、感光体10上に残存したトナーは、クリーニング装置60により除去され、感光体10の帯電は、除電ランプ70により除去される。
次に、図3を参照しながら、本発明の画像形成方法の他の態様について、説明する。図3に示す画像形成装置は、図2に示す画像形成装置における現像装置40の代わりに、感光体10の周囲に、ブラックの現像ユニット45K、イエローの現像ユニット45Y、マゼンタの現像ユニット45M及びシアンの現像ユニット45Cが直接対向して配置されていること以外は、図2に示す画像形成装置と同様の構成を有し、同様の作用効果を示す。
なお、図3においては、図2に示す画像形成装置と同一の構成については、同一符号を付してその説明を省略する。また、後述する図4及び図5についても同様とする。
次に、図4を参照しながら、本発明の画像形成方法の他の態様について、説明する。図4に示す画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置である。この画像形成装置は、複写装置本体150、給紙テーブル200、スキャナ300及び原稿自動搬送装置(ADF)400を備えている。
複写装置本体150には、無端ベルト状の中間転写体50が中央部に設けられている。そして、中間転写体50は、支持ローラ14、15及び16に張架され、図4中、時計回りに回転することが可能とされている。支持ローラ15の近傍には、中間転写体50上の残留トナーを除去するためのクリーニング装置17が配置されている。支持ローラ14と支持ローラ15とにより張架された中間転写体50には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ及びブラックの4つの画像形成ユニット18が対向して並置された画像形成手段120が配置されている。画像形成手段120の近傍には、露光装置21が配置されている。中間転写体50における、画像形成手段120が配置された側とは反対側には、二次転写装置22が配置されている。二次転写装置22においては、無端ベルトである二次転写ベルト24が一対の支持ローラ23に張架されており、二次転写ベルト24上を搬送される記録紙と中間転写体50とは互いに接触することが可能である。二次転写装置22の近傍には、定着装置25が配置されている。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26及びこれに押圧されて配置された加圧ローラ27を備えている。なお、二次転写装置22及び定着装置25の近傍に、記録紙の両面に画像を形成するために、記録紙を反転させるための反転装置28が配置されている。
次に、画像形成手段120を用いたフルカラー画像の形成(カラーコピー)について説明する。先ず、原稿自動搬送装置(ADF)400の原稿台130上に原稿をセットするか、原稿自動搬送装置400を開いて、スキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットして、原稿自動搬送装置400を閉じる。
スタートスイッチ(不図示)を押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットした時は、原稿が搬送されてコンタクトガラス32上へと移動された後で、一方、コンタクトガラス32上に原稿をセットした時は、直ちに、スキャナ300が駆動し、第一走行体33及び第二走行体34が走行する。このとき、第一走行体33により、光源からの光が照射され、原稿面からの反射光を第二走行体34におけるミラーで反射する。さらに、結像レンズ35を通して、読み取りセンサ36で受光されて原稿が読み取られ、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの画像情報とされる。次に、各画像情報は、画像形成手段120における各画像形成ユニット18にそれぞれ伝達され、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各色の可視像が形成される。
図5に示すように、画像形成ユニット18は、それぞれ、感光体10、感光体10を一様に帯電させる帯電装置(符号なし)、露光装置21により、各画像情報に基づいて、各画像様に感光体10を露光することにより形成された静電荷像を、各トナー(ブラックトナー、イエロートナー、マゼンタトナー及びシアントナー)を用いて現像して、各トナーによる可視像を形成する現像装置(符号なし)、可視像を中間転写体50上に転写させるための転写帯電器(符号なし)、クリーニング装置(符号なし)及び除電装置(符号なし)を備えており、各画像情報に基づいて、各色の可視像を形成することが可能である。次に、各色の可視像は、支持ローラ14、15及び16により回転移動される中間転写体50上に、順次転写(一次転写)され、各色の可視像が重ね合わされて複合転写像が形成される。
一方、給紙テーブル200においては、給紙ローラ142の1つを選択的に回転させ、ペーパーバンク143に多段に備える給紙カセット144の1つから記録紙を繰り出し、分離ローラ145で1枚ずつ分離して給紙路146に送出し、搬送ローラ147で搬送して複写機本体150内の給紙路148に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。あるいは、給紙ローラ142を回転させ、手差しトレイ54上の記録紙を繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。なお、レジストローラ49は、一般には、接地されて使用されるが、記録紙の紙粉除去のためにバイアスが印加された状態で使用されてもよい。そして、中間転写体50上に形成された複合転写像にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転させ、中間転写体50及び二次転写装置22の間に、記録紙を送出させ、二次転写装置22により複合転写像を記録紙上に転写(二次転写)することにより、記録紙上にカラー画像が形成される。なお、中間転写体50上に残留したトナーは、クリーニング装置17により除去される。
カラー画像が形成された記録紙は、二次転写装置22により搬送されて、定着装置25へと送出され、定着装置25において、複合転写像が記録紙上に加熱加圧定着される。その後、記録紙は、切換爪55で切り換えて排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされる。あるいは、切換爪55で切り換えて反転装置28により反転されて再び転写位置へと導き、裏面にも画像を形成した後、排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされる。
(プロセスカートリッジ)
本発明のプロセスカートリッジは、静電荷像が形成される静電荷像担持体と、静電荷像担持体上に形成された静電荷像を、本発明のトナーを用いて現像する現像装置を、少なくとも一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在である。なお、本発明のプロセスカートリッジは、必要に応じて、適宜選択したその他の手段をさらに一体に支持してもよい。
図6に、本発明のプロセスカートリッジの一例を示す。このプロセスカートリッジは、感光体101を内蔵し、帯電装置102、露光装置103、現像装置104、転写装置106及びクリーニング装置107を有する。これらの各部材は、後述する画像形成装置と同様のものを用いることができる。
以下、実施例により、本発明をさらに説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。なお、部及び%はいずれも重量基準である。
(測定方法)
・イソシアネート基の含有量
イソシアネート基の含有量は、JIS K1603に規定の方法を用いて測定した。
・酸価
酸価は、JIS K0070に規定の方法を用いて測定した。但し、サンプルが溶解しない場合は、溶媒にジオキサン、THF等の溶媒を用いることができる。
・水酸基価
水酸基価の測定方法は、JIS K0070に規定の方法による。但し、サンプルが溶解しない場合は、溶媒にジオキサン又はTHF等の溶媒を用いる。
・分子量
樹脂の分子量は、GPC(gel permeation chromatography)を用いて、以下の条件で測定した。
装置:GPC−150C(ウォーターズ社製)
カラム:KF801〜807(ショウデックス社製)
温度:40℃
溶媒:THF(テトラヒドロフラン)
流速:1.0ml/分
試料:0.05〜0.6重量%の試料を0.1ml注入
以上の条件で測定した樹脂の分子量分布から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用してトナーの重量平均分子量を算出した。
なお、イソシアネート基を有するプレポリマーの分子量を測定する場合、イソシアネート基に対して、3倍等量のジブチルアミンを添加することにより、イソシアネート基を封止したサンプルを調製し、GPC測定に用いた。
・ガラス転移温度Tg
Tgは、TG−DSCシステムTAS−100(理学電機社製)を用いて、測定した。
まず、試料約10mgをアルミ製試料容器に入れ、それをホルダユニットに載せ、電気炉中にセットする。次に室温から昇温速度10℃/分で150℃まで加熱した後、150℃で10分間放置し室温まで試料を冷却して10分間放置し、窒素雰囲気下、再度150℃まで昇温速度10℃/分で加熱することによりDSC測定を行った。TgはTAS−100システム中の解析システムを用いてTg近傍の吸熱カーブの接線とベースラインとの接点から算出した。
製造例1
〜有機微粒子エマルションの合成〜
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業社製)11部、スチレン83部、メタクリル酸83部、アクリル酸ブチル110部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[微粒子分散液1]を得た。[微粒子分散液1]をLA−920で測定した体積平均粒径は、105nmであった。[微粒子分散液1]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のTgは59℃であり、重量平均分子量は15万であった。
製造例2
〜水相の調製〜
水990部、[微粒子分散液1] 83部、ドデシルジフェニルェーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(エレミノールMON−7:三洋化成工業社製)37部、酢酸エチル90部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相1]とする。
製造例3
〜低分子ポリエステルの合成〜
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物529部、テレフタル酸208部、アジピン酸46部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時聞反応した後、反応容器に無水トリメリット酸44部を入れ、180℃、常圧で2時間反応し、[低分子ポリエステル1]を得た。[低分子ポリエステル1]は、数平均分子量2500、重量平均分子量6700,Tg43℃、酸価25mgKOH/gであった。
製造例4
〜中間体ポリエステルとプレポリマーの合成〜
冷却管、撹拌機および窒索導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、更に10〜15mmHgの減圧で5時間反応した[中間体ポリエステル1]を得た。[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2100、重量平均分子量9500、Tg55℃、酸価0.5、水酸基価51であった。次に冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、[中間体ポリエステル1] 410部、イソホロンジイソシアネート89部、酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応、冷却後、更にイソホロンジイソシアネート15部を加え30分間攪拌し[プレポリマー1]を得た。[プレポリマー1]のイソシアネート重量%は、2.07%であった。
製造例5
〜MBの合成〜
水1200部、カーボンブラック(Printex35 デクサ社製)540部〔DBP吸油量=42ml/100mg、pH=9.5〕、 ポリエステル樹脂1200部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合し、混合物を2本ロールを用いて150℃で30分混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、[マスターバッチ1]を得た。
製造例6
〜油相の作製〜
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[低分子ポリエステル1] 378部、カルナバWAX 110部、酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時問で30℃に冷却した。次いで容器に[マスターバッチ1] 500部、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液1]を得た。
[原料溶解液1] 1324部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、カーボンブラック、WAXの分散を行った。次いで、[低分子ポリエステル1]の65%酢酸エチル溶液1324部加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[顔料・WAX分散液1]を得た。[顔料・WAX分散液1]の固形分濃度(130℃、30分)は50%であった。
〔実施例1〕
〜乳化⇒脱溶剤〜
[顔料・WAX分散液1] 690部、[プレポリマー1]を115部、γイソシアナトトリエトキシシラン(信越化学社製、KBE−9007)30部、イソホロンジアミン4.5部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化社製)で5,000rpmで1分間混合した後、容器に[水相1] 1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000rpmで20分間混合し[乳化スラリー1]を得た。撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー1]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で4時間熟成を行い、[分散スラリー1]を得た。[分散スラリー1]は、体積平均粒径5.13μm、個数平均粒径4.51μm(マルチサイザーIIで測定)であった。
[分散スラリー1] 100部を減圧濾過した後、
(1):濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(2):(1)の濾過ケーキに蒸留水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。
(3):(2)の濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数3000rpmで10分間)した後濾過した。
(4):(3)の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数3000rpmで10分間)した後濾過する操作を2回行い[濾過ケーキ1]を得た。得られたケーキをさらに蒸留水に固形分10%になる様に再分散し[トナー母体粒子分散液1]を得た。
(無機微粒子分散液の作製とトナー母体粒子への付着)
無機微粒子(疎水性シリカ H2000)3部をN,N,N,−トリメチル−[3−(4−ペルフルオロノネニルオキシベンズアミド)プロピル]アンモニウムヨージド(フタージェント310:ネオス社製)0.2部、イオン交換水70部、メタノール30部の溶液中に攪拌下徐々に添加し、無機微粒子の分散液を得た。得られた無機微粒子分散液を先の[トナー母体粒子分散液1]と混合し、その後1時間室温下攪拌をした後に、ろ過分離し、得られたケーキを40℃48時間減圧乾燥しトナー粒子を得た。SEM(走査型電子顕微鏡)によれば、得られたトナー母体粒子の表面には、それぞれの無機微粒子が均一に付着していた。
得られたトナー粒子100部に疎水性シリカR972(日本アエロジル社製)0.5部と、疎水化酸化チタンMT150AI(チタン工業社製)0.5部をヘンシェルミキサーにて混合して、トナー1を得た。
〔実施例2〕
実施例1のγイソシアナトトリエトキシシランを3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学社製、KBE−403)とした以外はすべて同様にしてトナー粒子Bを得、得られたトナー粒子B100部に、上記と同様に疎水性シリカおよび疎水化酸化チタンを混合しトナー2を得た。
〔実施例3〕
実施例1のγイソシアナトトリエトキシシランを3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン (信越化学社製、KBM−403)とした以外はすべて同様にしてトナー粒子Cを得、得られたトナー粒子C100部に、上記と同様に疎水性シリカおよび疎水化酸化チタンを混合しトナー3を得た。
〔実施例4〕
実施例1のγイソシアナトトリエトキシシランを3−グリシドキシプロピルジエトキシシラン (信越化学社製、KBE−402)とした以外はすべて同様にしてトナー粒子Dを得、得られたトナー粒子D100部に、上記と同様に疎水性シリカおよび疎水化酸化チタンを混合し
トナー4を得た。
〔実施例5〕
実施例1のγイソシアナトトリエトキシシラン30部を25部に、[顔料・WAX分散液1] 690部を700部に、[プレポリマー1] 85部を90部にとした以外はすべて同様にしてトナー粒子Eを得、得られたトナー粒子E100部に、上記と同様に疎水性シリカおよび疎水化酸化チタンを混合しトナー5を得た。
〔実施例6〕
実施例1のγイソシアナトトリエトキシシラン30部を55部に、[顔料・WAX分散液1]690部を640部とした以外はすべて同様にしてトナー粒子Fを得、得られたトナー粒子F100部に、上記と同様に疎水性シリカおよび疎水化酸化チタンを混合しトナー6を得た。
〔比較例1〕
実施例1のγイソシアナトトリエトキシシラン30部を2部に、[顔料・WAX分散液1]690部を746部とした以外はすべて同様にしてトナー粒子Gを得、得られたトナー粒子G100部に、上記と同様に疎水性シリカおよび疎水化酸化チタンを混合しトナー7を得た。
〔比較例2〕
実施例1のγイソシアナトトリエトキシシラン30部を100部に、[顔料・WAX分散液1] 690部を550部とした以外はすべて同様にしてトナー粒子Hを得、得られたトナー粒子H100部に、上記と同様に疎水性シリカおよび疎水化酸化チタンを混合しトナー8を得た。
〔比較例3〕
実施例1のγイソシアナトトリエトキシシラン30部を0部に、 [顔料・WAX分散液1]690部を750部とした以外はすべて同様にしてトナー粒子Iを得、得られたトナー粒子I100部に、上記と同様に疎水性シリカおよび疎水化酸化チタンを混合しトナー9を得た。
〔比較例4〕
実施例1のγイソシアナトトリエトキシシラン30部を20部に、[顔料・WAX分散液1]690部を670部とした以外はすべて同様にしてトナー粒子Jを得、得られたトナー粒子J100部に、上記と同様に疎水性シリカおよび疎水化酸化チタンを混合しトナー10を得た。
(得られたトナーの評価)
作製したカラートナー5部と、以下に記載のキャリア95部を、ブレンダーで10分間混合し、現像剤を作製した。
(キャリア)
芯材:平均粒径50μmの球形フェライト粒子
コート材構成材料:アミノシラン系カップリング剤を分散したシリコーン樹脂
上記アミノシラン系カップリング剤と上記シリコーン樹脂をトルエンに分散させ、分散液を調製後、加温状態にて上記芯材にスプレーコートし、焼成、冷却後、平均コート樹脂膜厚み0.2μmのキャリア粒子を作製した。
<評価項目>
(帯電立ち上り性)
温度20℃、湿度50%の試験室で上記キャリア100部とトナー1〜8を5部、ステンレスのポットに仕込み、ボールミル架台上で一定回転数で回転混合させた。回転スタートから15秒後に停止させ得られた現像剤の帯電量(μC/g)をブローオフ装置によって測定した。
(飽和帯電量)
帯電立ち上り性と同様の操作で10分攪拌後の現像剤の帯電量(μC/g)をブローオフ装置によって測定した。
(クリーニング性および異常画像)
クリーニング性はこの現像剤を市販カラー複写機(PRETER550;(株)リコー製)に入れ、画像占有率7%の印字率で(株)リコー製6000ペーパーを用いて3万枚ランニングした後に、全面4色重ねフルカラーベタ画像を10枚連続出力させ、10枚目に現像中に停止させ、感光体上のクリーニングブレード以降のトナーをテープ転写し、テープの汚れ度合いを4段階の段階見本と比較して評価した。
◎:すり抜けのトナーが無い、またはあっても下記「○レベル」のようにテープ転写し、白紙に貼ることにより、テープの汚れ度合いを肉眼で判別する方法では観測することができない。実使用可能。
○:スジの発生は無いが、すり抜けトナーの発生が感光体上に上記の方法で認められる。但し実使用は可能なレベル。
△:幅1mm以下のスジがA4横サイズの画像上に1〜10本発生。実使用不可。
×:全面スジ発生。実使用不可。
また異常画像はクリーニング性評価と同様に10万枚後のランニングの後に30℃、湿度90%の環境下で細線評価用画像を出力させ、細線の再現度合いをランクによって感光体上の無機微粒子によるフィルミングを判断した。4段階評価でランクの数字が多いほど優秀であり、
細線同士が重なっており、分離識別できず ・・・・ ランク1
細線同士が重なっているが、分離識別できる ・・・・ ランク2
細線同士が分離識別できるが、線のにじみ、ボケが見られる・・・・ ランク3
細線同士が分離識別でき、線のにじみ、ボケがまったく見られず・・ランク4
表1に、トナーの評価結果を示す。
Figure 2009282086

表から明らかなように、実施例1〜5に示す本発明のトナーは、帯電性に優れると共にクリーニング性も良好で、かつ、異常画像の発生もない結果が得られた。
形状係数SF−1を説明するためにトナーの形状を模式的に示した図である。 本発明のトナーが使用される画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本発明のトナーが使用される画像形成装置の他の例を示す概略構成図である。 本発明のトナーが使用されるタンデム型画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 図4のタンデム型画像形成装置の一部拡大図である。 本発明のトナーが使用されるプロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。
符号の説明
10 感光体(感光体ドラム)
10K ブラック用感光体
10Y イエロー用感光体
10M マゼンタ用感光体
10C シアン用感光体
14 支持ローラ
15 支持ローラ
16 支持ローラ
17 中間転写クリーニング装置
18 画像形成手段
20 帯電ローラ
21 露光装置
22 二次転写装置
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 シート反転装置
30 露光装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
40 現像装置
41 現像ベルト
42K 現像剤収容部
42Y 現像剤収容部
42M 現像剤収容部
42C 現像剤収容部
43K 現像剤供給ローラ
43Y 現像剤供給ローラ
43M 現像剤供給ローラ
43C 現像剤供給ローラ
44K 現像ローラ
44Y 現像ローラ
44M 現像ローラ
44C 現像ローラ
45K ブラック用現像器
45Y イエロー用現像器
45M マゼンタ用現像器
45C シアン用現像器
49 レジストローラ
50 中間転写体
51 ローラ
52 分離ローラ
53 手差し給紙路
54 手差しトレイ
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排出トレイ
58 コロナ帯電器
60 クリーニング装置
61 現像器
62 転写帯電器
63 感光体クリーニング装置
64 除電器
70 除電ランプ
80 転写ローラ
90 クリーニング装置
95 転写紙
100 画像形成装置
101 感光体
102 帯電手段(帯電装置)
103 露光(露光装置)
104 現像手段(現像装置)
105 記録媒体
106 転写手段(転写装置)
107 クリーニング手段
120 タンデム型現像器
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 複写装置本体
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)

Claims (15)

  1. 有機溶媒中に、少なくとも、活性水素基を有する化合物、該活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体、着色剤、離型剤を含有する組成物を溶解又は分散させ、得られる溶液又は分散液を水系媒体中で分散させ、該水系媒体中で、該活性水素基を有する化合物と、該活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体とを、反応させた後、もしくは反応させながら、該有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥して得られるトナー母体粒子に無機微粒子を外添させてなる画像形成用トナーであって、
    該トナー母体粒子中にアルコキシシリル基を有する化合物を含有すると共に、該トナー母体粒子表面に該無機微粒子を湿式処理し付着してなることを特徴とする画像形成用トナー。
  2. 前記アルコキシシリル基を有する化合物が下記構造式(1)で表わされることを特徴とする請求項1に記載の画像形成用トナー。
    Figure 2009282086

    (式中、Xはエポキシ基、もしくはイソシアネート基、Rはメチル基、エチル基のいずれかであり、n=1〜5、m=1〜3を表わす。)
  3. 前記アルコキシシリル基を有する化合物がトナー母体に対して、5〜20重量%含有されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成用トナー
  4. 前記無機微粒子は、形状係数SF−1の値が100〜120であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成用トナー。
  5. 前記無機微粒子は、体積平均粒径が50〜500nmである ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成用トナー。
  6. 前記トナー母体粒子に無機微粒子を付着させる湿式処理は、前記トナー母体粒子表面の極性とは異なる極性の界面活性剤の存在下、水系媒体中にトナー母体粒子及び無機微粒子を分散させて行うことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成用トナー。
  7. 前記トナー母体粒子は、その表面がアニオン性を有することを特徴とする請求項6に記載の画像形成用トナー。
  8. 前記トナー母体粒子表面の極性と異なる極性の界面活性剤は、カチオン性を有する含フッ素系界面活性剤であることを特徴とする請求項6に記載の画像形成用トナー。
  9. 前記カチオン性を有する含フッ素系界面活性剤は、パーフルオロアルキル基を有する化合物からなることを特徴とする請求項8に記載の画像形成用トナー。
  10. 前記トナーは、体積平均粒径が3〜8μmで、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40の範囲にあることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の画像形成用トナー。
  11. 前記トナーは、円形度が0.940〜0.975の範囲にあることを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の画像形成用トナー。
  12. 請求項1ないし11のいずれかに記載のトナーと磁性粒子からなるキャリアを含むことを特徴とする二成分現像剤。
  13. 像担持体上に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、該像担持体上に形成された静電荷像にトナーを供給して可視像を形成する現像工程と、該可視像を転写材上に転写する転写工程と、該転写材上に転写された可視像を転写材に定着する定着工程とを少なくとも有する画像形成方法であって、前記現像工程が請求項1ないし11のいずれかに記載のトナーを用いることを特徴とする画像形成方法。
  14. 像担持体と、該像担持体上に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、該像担持体上に形成された静電荷像にトナーを供給して可視像化する現像手段と、該可視像を転写材上に転写する転写手段と、該転写材上に転写された可視像を転写材に定着する定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、前記現像手段が、請求項1ないし11のいずれかに記載のトナーを用いることを特徴とする画像形成装置。
  15. 像担持体と、該像担持体上に形成された静電荷像にトナーを供給し可視像化する現像手段とを少なくとも一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジであって、前記現像手段が、請求項1ないし11のいずれかに記載のトナーを用いることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014178530A (ja) * 2013-03-15 2014-09-25 Ricoh Co Ltd トナー、画像形成装置、及びトナーの製造方法
JP2018025702A (ja) * 2016-08-11 2018-02-15 Dowaエレクトロニクス株式会社 キャリア芯材

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