JP2006220673A - トナー、現像剤、現像装置、プロセスカートリッジ、画像形成装置 - Google Patents

トナー、現像剤、現像装置、プロセスカートリッジ、画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】クリーニング性が良好であり、且つ帯電性の良好なトナーを提供する事を課題とする。
【解決手段】少なくとも樹脂と着色剤とからなり、無機微粒子と帯電制御剤とを有し、該無機微粒子が少なくとも内添されているトナーにおいて、トナー核の表面近傍領域における内添された無機微粒子の存在比率Xsurfと、トナー核全体での平均の内添された無機微粒子の存在比率XtotalとがXsurf>Xtotalの関係を有し、該帯電制御剤はトナー核に対して外添されていることを特徴とするトナー。
【選択図】図1

Description

本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の静電複写プロセスの画像形成に用いら
れる画像形成用トナー及び現像剤に関し、更には、当該トナー及び現像剤を使用するプロ
セスカートリッジ及び画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成方法は、潜像担持体である感光体の表面に放電によって電荷を与える帯電工程と、帯電した感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光工程と、感光体表面に形成された静電潜像にトナーを供給して現像する現像工程と、感光体表面のトナー像を被転写体表面に転写する転写工程と、被転写体表面のトナー像を定着する定着工程と、転写工程後に像担持体表面に残留するトナーを除去するクリーニング工程とからなる。
近年、高画質化への要求が高まっており、特に高精細なカラー画像形成を実現させるため、トナーの小粒径化、球形化が進められている。小粒径化により、ドットの再現性が良好になり、球形化により現像性、転写性の向上を図ることができる。
また近年は、トナーの球形化によって転写効率を高めた、クリーニングレス方式が盛んになってきている。
例えば特許文献1では、表面に荷電制御剤及び/又は有機微粒子を存在させた球形状のトナーを用い、転写効率を上げて転写残トナーを低減させたクリーニングレスの画像形成装置が開示されている。この画像形成装置ではさらに、転写残トナー のうち、逆帯電トナーのみをブラシローラで回収し、所定のタイミングで感光体ドラムへ放出し、中間転写ベルトに転写して、逆帯電トナー が帯電領域を通過する時、帯電バイアスを停止させるか若しくは帯電ローラを感光体ドラムから離間させることで、帯電部材への転写残トナー付着による潜像担持体の帯電不良を防止している。
しかしながら、トナーは小粒径化するほど、転写率が低下する。これはトナーと感光体との間に働くファンデルワールス力等の非静電的付着力が、トナーの自重に対して増し、感光体からの離型性が悪くなることに起因するものである。
特許文献1に記載の画像形成装置は、球形化されたトナーが転写性が高い事を利用し、クリーニング部材を用いずにトナーを回収する構成としたものであるが、トナーを小粒径化した場合には、上記クリーニングレス方式によってトナーを確実に除去することは難しい。
このため、クリーニング部材を使用したクリーニングに好適であり、且つ球形のトナーを得る事が必要である。
しかし、球形化、小粒径化されたトナーを像担持体上からクリーニングするクリーニング工程においては、以下のような問題を生じている。
転写後の像担持体上に残留するトナーの除去手段としては、構成が簡易で除去能力にも優れていることから、従来からブレードクリーニング方式が用いられている。クリーニングブレードは像担持体表面を摺擦しながらトナーを除去するが、像担持体との摩擦抵抗によりクリーニングブレードのエッジの部分が変形するため、像担持体とクリーニングブレードの間には微小な空間が生じる。この空間には小粒径のトナーであるほど侵入しやすい。そして、侵入したトナーが球形に近い形状であるほど転がり摩擦力が小さいため、像担持体とクリーニングブレードとの空間で転がり始め、クリーニングブレードをすり抜け、クリーニング不良につながるというものである。
このような問題を解決する手段として、例えば特許文献2では、少なくとも低軟化点物質及び着色剤を含有する重合性単量体系を媒体中で重合して得られる静電荷像現像用トナーの製造方法において、重合性単量体100重量部に対し、低軟化点物質を5〜30重量部含有し、且つ、正弦波振動法によって得られる動的粘弾性パラメータのうち、貯蔵弾性率G′が8.00×103<G′≦1.00×109dyne/cm2なる範囲下、これに外的な力を加えることで実質的に真球状の該粒子を異形化 せしめる事で、ブレードクリーニング性を向上させた静電荷像現像用トナーが開示されている。
しかしながら、特許文献2に記載の発明は、球形形状を維持した異形化処理とはなっていないため、トナーの転写性を維持することができない。
また特許文献3では、球形トナーを使用してもクリーニング不良を起こさない画像形成方法を提供することを目的として、帯電工程、潜像形成工程、現像工程、転写工程及びクリーニングブレードにより転写残トナーを回収するクリーニング工程を有する画像形成方法において、該現像剤として、i)球形キャリア、ii)球形トナー及びiii)体積平均粒径が1〜8μmであり、形状係数SF−1(A1)及びSF−2(A2)がA1>140 、 A2>130を満たし、画像形成の開始時にはキャリアの体積を基準として0.5〜15%含有されている添加剤を有する現像剤を用いることを特徴とする画像形成方法が提案されている。
しかしながら、トナーの小粒径化が進んだ場合、特許文献3に記載のような特定形状係数を有する添加剤の含有量を規定するものでは、ブレードクリーニング方式によるクリーニング性を向上させる手段としては不充分であり、クリーニング不良の発生を防止できない。
また、使用するトナー粒子の丸さの度合いを表わす指標である形状係数SF−1、トナー粒子の凹凸の度合いを表わす指標である形状係数SF−2を用いてトナーの形状を表わし、SF−1、SF−2の一方、あるいは双方を規定してトナーの形状を制御し、クリーニング性の改善を図る方法が提案されている。
特許文献4では、クリーニングブレードとクリーニングブラシが接触した状態で配置され、転写ベルトに接触するクリーニングブレードの接触エッジと、該接触エッジに対するクリーニングブラシ半径の最近接距離が、0.5〜3mmであり、転写ベルトの逆回転量が、クリーニングブレードの接触エッジと、転写ベルトとクリーニングブラシ接触点までの距離以上となるよう構成されたクリーニング装置が提案されており、さらにこのクリーニング装置は、平均粒径度0.90〜0.99、形状係数SF−1が120〜180、SF−2 が120〜190、Dv/Dn比が1.05〜1.30のトナーを使用することが提案されている。このようなトナーを使用することで、表面の凹凸形状により、ブレードクリーニングに有利な形状となっている。
しかし、トナーの表面形状を上記のような凹凸形状とした場合、トナー凹部とキャリアとの接触頻度が少なくなるため、初期の帯電立ち上がりが遅くなったり、あるいは帯電量が低くなったりするといった不具合が起こりやすくなる。
このようなトナーの帯電特性について、例えば特許文献5では、トナー母体粒子内部に、少なくとも一種以上の無機微粒子を含有してなる電子写真用トナーが開示されている。
特許文献5に開示の発明では、トナー粒子に内添された無機微粒子が、粒子内部に均一に存在している。このように無機微粒子が粒子内部に存在することで、帯電特性を安定化させることができ、また外添剤の埋没を防ぐことができるため流動性を向上させることができる。
特開2004−177555号公報 特開平8−044111号公報 特開2000−122347号公報 特開2004−053916号公報 WO 2004/086149号公報 特開平11−43319号公報
しかし、特許文献5に記載の発明では、トナー粒子表面が異形化されないため、クリーニング性を向上させる機能を有していない。
そこで本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、クリーニング性が良好であり、且つ帯電性の良好なトナーを提供する事を課題とする。
上記課題を解決するための手段である本発明の特徴を以下に挙げる。
1.本発明は、少なくとも樹脂と着色剤とからなり、無機微粒子と帯電制御剤とを有するトナーであって、前記無機微粒子が、少なくとも内添されているトナーにおいて、トナー核の表面近傍領域における、内添された無機微粒子の存在比率Xsurfと、トナー核全体での平均の内添された無機微粒子の存在比率Xtotalとが、Xsurf>Xtotalの関係であり、前記帯電制御剤は、前記トナー核に対し、外添されてなるトナーである。
2.また、本発明のトナーは、1.に記載の発明において、前記内添された無機微粒子の一部が、トナー表面から露出して存在することを特徴とする。
3.また、本発明のトナーは、1.又は2.に記載の発明において、前記帯電制御剤は、湿式外添されてなることを特徴とする。
4.また、本発明のトナーは、1.ないし3.のいずれかに記載の発明において、前記トナー核の表面近傍領域における、内添された無機微粒子の存在比率Xsurfは、該トナー核表面から200nmの領域における無機微粒子の存在比率とすることを特徴とする。
5.また、本発明のトナーは、1.ないし4.のいずれかに記載の発明において、水系媒体中に分散させ、該水系媒体中で、含フッ素4級アンモニウム塩化合物によりトナー表面を処理する表面処理工程を経て得られることを特徴とする。
6.また、本発明のトナーは、5.に記載の発明において、XPS法によって求められる、前記フッ素含有化合物に由来するフッ素原子の含有量が、2.0〜15atomic%(原子個数%)であることを特徴とする。
7.また、本発明のトナーは、1.ないし6.のいずれかに記載の発明において、前記無機微粒子は、シリカであることを特徴とする。
8.また、本発明のトナーは、7.に記載の発明において、XPS法によって求められる、粒子表面のケイ素濃度が、0.5〜10atomic%(元素個数%)であることを特徴とする。
9.また、本発明のトナーは、1.ないし8.のいずれかに記載の発明において、前記無機微粒子は、オルガノゾル体を用いて製造されたことを特徴とする。
10.また、本発明のトナーは、1.ないし9.のいずれかに記載の発明において、前記無機微粒子の平均粒径は、100nm以下であることを特徴とする。
11.また、本発明のトナーは、1.ないし10.のいずれかに記載の発明において、前記無機微粒子の疎水化度は、15〜55%であることを特徴とする。
12.また、本発明のトナーは、1.ないし11.のいずれかに記載の発明において、平均円形度は、0.94〜0.97であることを特徴とする。
13.また、本発明のトナーは、1.ないし12.のいずれかに記載の発明において、形状係数SF−1が110〜140であって、SF−2が、120〜160であることを特徴とする。
14.また、本発明のトナーは、1.ないし13.のいずれかに記載の発明において、体積平均粒径が3〜8μmであって、体積平均粒径と(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が、1.00〜4.00の範囲にあることを特徴とする。
15.また、本発明のトナーは、1.ないし14.のいずれかに記載の発明において、少なくとも、活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体、ポリエステル、着色剤、無機酸化物微粒子を有機媒体中にそれぞれ溶解又は分散させたトナー組成物を、樹脂微粒子を含有する水系媒体中で架橋及び/又は伸長反応させて得られることを特徴とする。
16.また、本発明の現像剤は、潜像担持体上に形成された静電潜像を現像する現像剤であって、該現像剤は、1.ないし15.のいずれかに記載のトナーと、磁性キャリアからなる二成分現像剤であることを特徴とする。
17.また、本発明の現像剤は、潜像担持体上に形成された静電潜像を現像する現像剤であって、該現像剤は、1.ないし15.のいずれかに記載のトナーを使用した一成分現像剤であることを特徴とする。
18.また、本発明の現像装置は、現像剤担持体によって現像剤を担持、搬送し、潜像担持体との対向位置において電界を形成し、潜像担持体上の静電潜像を現像する現像装置であって、16.又は17.に記載の現像剤を使用することを特徴とする。
19.また、本発明のプロセスカートリッジは、潜像を担持する像担持体と、像担持体表面に形成された静電潜像にトナーを供給し、可視像化する現像手段とを少なくとも含んで一体に支持され、画像形成装置本体に着脱自在に形成されるプロセスカートリッジであって、前記現像手段は、18.に記載の現像装置を用いることを特徴とする。
20.また、本発明の画像形成装置は、潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体表面に均一に帯電を施す帯電手段と、帯電した該潜像担持体の表面に画像データに基づいて露光し、静電潜像を書き込む露光手段と、該潜像担持体表面に形成された静電潜像にトナーを供給し、可視像化する現像手段と、該潜像担持体表面の可視像を記録部材に転写する転写手段と、記録部材上の可視像を定着させる定着手段とを備える画像形成装置であって、該現像手段は、18.に記載の現像装置であることを特徴とする。
上記課題を解決するための手段により、本発明のトナーは、小粒径でありながらもクリーニング性に優れており、また、外添剤の添加量を少量としても高い帯電性を有するトナーとすることができるため、外添剤の感光体及びキャリアへのフィルミングが抑制されるとともに、初期の帯電立ち上がりが早く、高い帯電量を保持でき、長期に渡って高い帯電特性を有するトナーとすることができる。このため、高画質画像を得られるとともに、地肌汚れやトナー飛散等の不具合の無い、良好な画像を得る事ができる。
以下に、本発明の実施の形態を説明する。
本発明のトナーは、少なくとも樹脂と着色剤とからなるトナー核に無機微粒子が内添されており、前記内添された無機微粒子の、表面近傍領域における存在比率Xsurfとトナー核全体での平均の無機微粒子の存在比率XtotalとがXsurf>Xtotal なる関係を有しており、さらにトナー核表面に帯電制御剤を外添してなるトナーである。
従来のトナーは、そのクリーニング性を高めるため、主にトナー粒子に剪断力を加えることにより異形化処理を施していた。しかし、トナーの転写性を高めるにはその形状を球形に保つことが好ましい。特に近年は、トナーは小粒径化される傾向にあるため、その転写性を維持するためにはトナーの球形形状を保つことがより重要である。
本発明は、脱溶剤前におけるトナーの表面近傍領域に、無機微粒子を高濃度で存在させることで、得られるトナーの表面凹凸形状が顕著とし、クリーニング性の良好なトナーとすることができる。
しかし、上記のように異形化処理を施したトナーは、表面凹部のキャリアとの接触頻度が少なくなるため、トナーが十分な帯電量を得られなくなる。これにより初期の帯電立ち上がりが遅くなったり、あるいは帯電量が低下したりするため、トナー飛散や画像の地肌汚れといった不具合が生じていた。
本発明は、上記不具合を解消するため、異形化処理を施したトナー粒子に、さらに帯電制御剤を外添処理する。本発明のトナー粒子表面には、前述の内添した無機微粒子の一部が露出した状態となっており、外添された帯電制御剤はこれと相互作用する。これにより、トナー粒子全体の帯電性能を補填する効果をより大きく得ることができる。
尚、本発明のトナーは、透過型電子顕微鏡(TEM)の観察によって得られる断面像より、無機微粒子がトナー中に内包され、更に該無機微粒子の一部がトナー表面に露出された状態となっている。ここで内包とは、トナー母体粒子の最表面より内部に無機微粒子が存在する状態である。
無機微粒子がトナー中に全く内包されず、トナー母体粒子外部に完全に露出していたり、あるいはこれらがトナー粒子表面に吸着して、粒子表面が該無機微粒子により覆い尽くされている状態だと、トナーの異形化が望めない上、トナーの表面及びバルク特性としては無機微粒子の特性が支配的となり、トナー用結着樹脂の特性が発現されにくくなる。
これに対し、無機微粒子が内包、または該無機微粒子の一部がトナー表面に露出されている状態であれば、結着樹脂の特性が発現されやすくなり、低温定着性が良好になる。また、ワックスを含有する場合、熱定着の際、ワックスが染み出やすくなるため、耐ホットオフセット性が良好になる。
(S>T)
また、トナー中に内包された無機微粒子は、表面近傍領域に高濃度で存在して、無機微粒子層を形成している。
表面近傍に無機微粒子層が形成されていることで、上記溶媒等を除去する工程で、トナー母体粒子の体積収縮の際に、表面積減少速度が体積収縮速度より著しく遅くなり、トナー母体粒子表面を適度に弾性化し、粒子内部より粒子表面の粘性が高くなるため、表面の凹凸形状が形成されると考えられる。
本発明は、後述の実施例において詳説するように、無機微粒子を油層へ分散させる際の、油層中へのシリカ分散強度を制御する事により、上記のように無機微粒子をトナー表面に偏在させる事を可能にしたものである。
本発明のトナーは、透過型電子顕微鏡(TEM)によって得られる断面像において、表面から200nm領域における無機微粒子陰影の面積比をS、トナー断面像の全領域における無機微粒子陰影の面積比をTとしたとき、S>Tを満たしている。
このような関係を満たすトナーは、表面の凹凸形状が顕著となり、優れたクリーニング性を発揮する。また、トナー表面近傍に存在する無機微粒子が、経時でも安定した帯電量を保持するように機能し、トナー劣化による帯電量低下を抑制する。
なお、表面から200nm領域における無機微粒子陰影の面積比Sは、50〜98%が好ましく、また、トナー断面像の全領域における無機微粒子陰影の面積比Tは、1〜50%であることが好ましい。
面積比Sが50%以下であると、トナー表面近傍と全体との濃度差が十分でなくなるため、トナー表面に十分な凹凸形状が形成されず、またトナー粒子表面に無機微粒子が露出できないため、帯電性が低下する。逆に、Sが98%以上であると、無機微粒子のトナー表面への露出量が多くなり、定着性が阻害され、また低温定着性が悪化する。
一方、面積比Tが50%以上であると、表面近傍領域と内部領域との無機微粒子濃度の差が小さくなるため、脱溶剤時における体積収縮に伴った凹凸形状の形成が見られなくなり、また低温定着性も悪化する。逆に1%以下であると、体積収縮に伴う表面凹凸形状の形成が、うまく進行しない。
なお、無機微粒子層は、表面形状(凹凸状態)に沿って形成されているのが好ましいが、トナーの表面近傍全部を、無機微粒子層とする必要はない。
(TEM観察)
また、本発明のトナー母体粒子の表面近傍に形成される無機微粒子層の厚みは、透過型電子顕微鏡(TEM)による樹脂粒子断面の像を、画像解析することにより測定することができる。
即ち、トナーをショ糖飽和溶液(67質量%溶液)(以下、%は特に記載のない限り質量%を意味する。)中に分散させ、−100℃で凍結させた後、クライオミクロトームにて肉厚約1000オングストロームにスライスし、四酸化ルテニウムにて無機微粒子を染色した後、透過型電子顕微鏡により倍率10000倍で樹脂粒子断面を撮影し、画像解析装置[例えば、nexus NEW CUBE ver.2.5(NEXUS社製)等]にて、断面積が最大となる断面において、トナー粒子の表面から粒子内部垂直方向に一定距離の厚みをとった部分の面積において、無機微粒子層の面積が50%以上を占める最大距離を無機微粒子層の厚みとする。尚、上記測定値は、無作為に選んだ樹脂粒子10個についてそれぞれの値を算出した平均値とする。
なお、TEM画像の観察上、無機微粒子層と樹脂の判別が困難な場合は、上記方法により得られた樹脂粒子断面を、組成マッピング可能な各種装置(例えばエネルギー分散型X線分光装置:EDX、電子エネルギー損失分光装置EELS等)によりマッピングを行い、解析により得られた組成分布画像から無機微粒子層を特定し、上記方法により無機微粒子層厚みを算出することができる。
(無機微粒子)
無機微粒子としては、例えば、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化亜鉛、チタニア、ジルコニア、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化銅、酸化スズ、酸化クロム、酸化アンチモン、酸化イットリウム、酸化セリウム、酸化サマリウム、酸化ランタン、酸化タンタル、酸化テルビウム、酸化ユーロピウム、酸化ネオジウム、フェライト類等の金属酸化物、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸マグネシウム等の金属水酸化物、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、ドーソナイト、ハイドロタルイサイト等の金属炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、石膏繊維等の金属硫酸塩、珪酸カルシウム(ウォラスナイト、ゾノトライト)、カオリン、クレー、タルク、マイカ、モンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、セピオライト、イモゴライト、セリサイト、ガラス繊維、ガラスビーズ、ガラスフレーク等の金属珪酸塩、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化珪素等の金属窒化物、チタン酸カリウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛アルミニウムボレード等の金属チタン酸塩、ホウ酸亜鉛、ホウ酸アルミニウム等の金属ホウ酸塩、リン酸三カルシウム等の金属燐酸塩、硫化モリブデン等の金属硫化物、炭化珪素等の金属炭化物、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維等の炭素類、その他の無機微粒子が挙げられる。
この中でも金属酸化物が好ましく、シリカ、アルミナ、チタニアがさらに好ましい。
(表面露出無機微粒子)
無機微粒子は、トナー中に内包されると共に、ある程度の量がトナー母体粒子の表面に露出して存在している方が好ましい。表面に露出した無機微粒子により、トナー流動性を向上させることができ、また高い帯電性を得る事ができる。
また、無機微粒子として、シリカ等の水酸基を有するものを使用し、帯電制御剤としてカチオン性の界面活性剤を使用する場合、トナー表面に露出した微粒子表面の水酸基と、帯電制御剤とがイオン結合又は物理吸着し、これらの相互作用によって、より高い帯電立ち上がり性及び帯電量を得ることができる。
このため、帯電付与剤として後に添加する外添剤の量を少量に抑えることができ、外添剤の遊離が抑えられ、さらにこれら遊離外添剤が感光体やキャリア表面にフィルミングするのを防止することができる。
(表面Si濃度)
トナー粒子中に内添する無機微粒子としては、シリカが特に好ましい。
また、内添無機微粒子をシリカとした場合、トナー表面に露出したシリカに起因する表面ケイ素濃度は、0.5〜10atomic%(元素個数%)であることが好ましい。
0.5atomic%以下であると、流動性が十分でなく、また十分な帯電効果が得られないため帯電性が安定しない。一方、10atomic%以上であると、トナーの表面及びバルク特性として、無機微粒子の特性が支配的となり、トナー用結着樹脂の特性が発現されにくくなる。
なお、トナー母体粒子の表面に存在しているシリカの量は、XPS (X線光電子分光法)法を用いて測定される。ここでは特にトナー 表面数nm程度の極表面の領域である。
測定には、PHI社製1600S型X線光電子分光装置を用い、X線源はMgKα(400W)、分析領域を0.8×2.0mmとした。なお、前処理は、試料はアルミ皿内に詰め込み、カーボンシートで試料ホルダに接着させて測定した。表面原子濃度算出は、PHI社提供の相対感度因子を用いた。
なお、測定の方法、装置の種類、条件等は同様な結果が得られるのであれば特に制限されないが、以下の条件が好ましい。
(帯電制御剤湿式付与)
一方、上記のようにトナー表面を凹凸形状とすると、凹部はキャリアと接触する事ができないため、トナーとキャリアとの接触面積が減少し、トナー自身の帯電能、特に初期の帯電立ち上がり速度は低下する。
本発明のトナーは、トナー表面近傍に無機微粒子が高濃度で存在するトナー母体粒子表面に、更に帯電制御剤を外添して、上記のような帯電能の低下を補填する。このように帯電制御剤を外添することによって、当該帯電制御剤は、上述の粒子表面に露出して存在する無機微粒子と相互作用することができる。帯電制御剤を内添した場合には、このような効果は得ることはできない。このため、本発明のトナーは、初期の帯電立ち上がり性に優れ、且つ、経時においても帯電量低下の無い、安定性に優れた帯電性能を維持しつつも、クリーニング性の良好なトナーとする事ができる。
また、帯電制御剤の外添は、湿式外添により行うのが好ましい。湿式外添は、トナー母体粒子を水系媒体中に再分散したスラリー中に、帯電制御剤微粒子分散体を存在させて行う。
湿式外添を行うことで、本発明のトナー表面には帯電制御剤が均一に付与され、表面凹部とキャリアとの接触頻度の減少に伴う、トナーの帯電量不足を確実に補うことができる。
帯電制御剤としては、例えば、アニオン性又はカチオン性の界面活性剤を用いることができる。
また、帯電制御剤は、トナー重量に対して0.05〜1%で使用することができ、好ましくは、0.1〜0.3%で使用することが好ましい。
(界面活性剤)
アニオン性の界面活性剤としてはアルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどが挙げられる。
カチオン性界面活性剤としてはアルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの四級アンモニウム塩型などが挙げられる。
また脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤を使用しても良い。
これら界面活性剤の使用量は水相全体に対し、0.1〜10重量%が好ましい。
(フッ素系界面活性剤)
本発明においては、界面活性剤としてフッ素系界面活性剤を用いることにより、帯電性能、特に帯電立ち上り性に対して好ましい効果を得ることができる。
好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−l29(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−l02、(タイキン工莱社製)、メガファックF−ll0、F−l20、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、l03、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F−150(ネオス社製)などが挙げられる。
また、カチオン界面活性剤としては、フルオロアルキル基を有する脂肪族一級、二級もしくは二級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族四級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−l21(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキン工業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−l32(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
本発明においては、特にカチオン性界面活性剤を用いることが好ましい。トナー粒子に内添する無機微粒子として、シリカ等の水酸基を有するものを使用した場合、トナー表面に露出した微粒子表面の水酸基と、帯電制御剤とがイオン結合又は物理吸着し、これらの相互作用によって、より高い帯電立ち上がり性及び帯電量を得ることができる。
また特に、一般式(1)にて示される含フッ素四級アンモニウム塩化合物を用いることにより、環境変動時における帯電量変化が少なく安定した現像剤を得ることができる。
Figure 2006220673
(式中、X、Y、R1〜R4、r及びsは、それぞれ以下のものを表す。X:−SO−又は−CO−、R1,R2,R3,R4:水素原子、炭素数1〜10の低級アルキル基又はアリール基、Y:I又はBr、r,s:1〜20の整数。)
(表面F濃度)
帯電制御剤としてフッ素含有化合物を使用した場合、XPS法によって検出される、フッ素含有化合物に由来するフッ素原子の含有量が、2.0〜15atomic%(原子個数%)となるように、トナーに表面処理を施すことが好ましい。
表面フッ素原子のXPS法による検出量が、2.0atomic%以下であると、十分な帯電効果が得られないため、初期の帯電性のみならず経時的にも帯電低下が起こりやすくなり、画像上の地肌汚れ、トナー飛散等の問題が生じてくる。一方、フッ素原子の検出量が15atomic%以上であると、高帯電による画像濃度不良、更には現像剤の定着不良を生じるため、好ましくない。
なお、XPS法による測定は、前述の、トナー粒子中に内添した無機微粒子の表面存在量の測定と同様の方法により行うことができる。
本発明において用いられるシリカは、オルガノゾルの形態で使用するのがよい。シリカのオルガノゾルを得るには、例えば、湿式法(水熱合成法、ゾル−ゲル法等)により合成されたシリカのハイドロゲルの分散液を、表面処理剤により疎水化処理し、水をメチルエチルケトン、酢酸エチル等の有機溶媒に置換する方法が挙げられる。
なお、オルガノゾルの具体的な製造方法は、例えば特許文献6に記載の方法を好適に使用することができる。
上記のようにして得られたオルガノシリカゾルを、トナー油相中に混合させることで、分散安定性の高い状態で、シリカをトナー油層中に分散させることができる。
なお、上述のシリカを含む、トナー中に内添する無機微粒子の分散方法は特に限定されず、公知の方法が適用でき、例えば以下のような分散方法を用いることができる。
(1)結着樹脂、無機微粒子を、必要に応じ溶剤及び/又は分散剤の存在下で混練機により溶融混練し、結着樹脂中に無機微粒子が分散したマスターバッチを得る方法。
(2)無機微粒子を、必要に応じ結着樹脂と共に溶剤中に溶解あるいは懸濁した後、分散機により機械的に湿式粉砕、あるいは解砕させる方法。
(3)溶剤中で合成した無機微粒子を添加・混合する方法。
(4)水中に分散している無機微粒子を、処理剤を添加して湿式処理を行なった後、溶剤置換したオルガノゾルを添加・混合する方法。
これらの中では分散安定性の観点から、水中に分散している無機微粒子を、処理剤を添加して湿式処理を行なった後、溶剤置換したオルガノゾルを添加・混合する方法が好ましい。
無機微粒子の体積平均粒径は、100nm以下であることが好ましい。無機微粒子の体積平均粒径が100nmを超えると、トナー粒子に対して無機微粒子の粒径が大きすぎるため、トナー粒子表面の凹凸形状が形成が進行されない。
無機微粒子の体積平均粒径は、0.1μm以上の場合はレーザー式粒度分布測定装置を用い測定することが好ましく、0.1μm以下の場合はBET比表面積と真比重から算出することが好ましい。BET比表面積は通常の窒素吸着法に基づく装置を用い測定でき、例えば、商品名:QUQNTASORB(QUANTACHROME製)を用いることが出来る。フィラーのBET比表面積の逆数をフィラーの真比重で除することにより、フィラーの一次粒子径を測定することができる。
(疎水化度)
また、本発明のトナーに使用する無機微粒子は、疎水化処理剤により表面処理されたものを使用する。疎水化処理剤としては、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤等が好ましい表面処理剤として挙げられる。また、シリコーンオイルを疎水化処理剤として使用し、表面処理を施したものでも十分な効果が得られる。
本発明のトナーに使用する無機微粒子は、上記のように疎水化処理を施し、メタノール滴定法による疎水化度が15〜55%とすることが好ましい。
疎水化度は、以下の方法により測定した。はじめに、イオン交換水50ml、試料0.2gをビーカーに入れ、攪拌しながらメタノールを滴下する。つぎに、ビーカー内のメタノール濃度が増加するにつれ外添剤は徐々に沈降させ、その全量が沈んだ終点におけるメタノールと水との混合溶液中のメタノールの質量分率を疎水化度(%)とした。
疎水化度が上述の範囲にある無機微粒子を使用する事で、トナーの異形化が好適に進行し、得られるトナーの表面に適切な凹凸形状を形成することができる。
(平均円形度)
また、本発明のトナーは、平均円形度が0.94〜0.97であることが好ましい。トナーの平均円形度は、光学的に粒子を検知して、投影面積の等しい相当円の周囲長で除した値である。具体的には、フロー式粒子像解析装置(FPIA−2000;シスメックス社製)を用いて測定を行う。所定の容器に、予め不純固形物を除去した水100〜150mLを入れ、分散剤として界面活性剤0.1〜0.5mLを加え、さらに、測定試料0.1〜9.5g程度を加える。試料を分散した懸濁液を超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、分散液濃度を3,000〜10,000個/μLにしてトナーの形状及び分布を測定する。
トナー粒子の平均円形度を0.97以下にすることにより、ドット再現性、現像性、転写性に優れたトナーであって、かつ、クリーニング性にも有利なトナー形状とすることができる。一方、平均円形度が0.94以上と、その投影形状が円に近いトナーであり、ドット再現性に優れ、高い転写率を得ることができる。平均円形度が0.94未満では、トナーが球形から離れた形状になり、ドット再現性が悪くなり、また、像担持体としての感光体への接触点が多くなるため離型性が悪くなり、転写率が低下する。
(形状係数SF−1,SF−2)
また、本発明のトナーは、形状係数SF−1が110〜140の範囲にあり、SF−2が120〜160の範囲にあるトナーであることが好ましい。
図1は、形状係数SF−1、SF−2を説明するために、トナーの形状を模式的に表した図である。図1(a)は形状係数SF−1を説明するための図であり、図1(b)は形状係数SF−2を説明するための図である。
形状係数SF−1、SF−2は、下記式(1)、(2)で表される。
SF−1={(MXLNG)/AREA}×(100π/4) ・・・式(1)
SF−2={(PERI)/AREA}×(100π/4) ・・・式(2)
SF−1の値が100の場合トナーの形状は真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。また、SF−2の値が100の場合トナー表面に凹凸が存在しなくなり、SF−2の値が大きくなるほどトナー表面の凹凸が顕著になる。
形状係数SF−1は、電子顕微鏡(例えば、日立製作所製FE−SEM(S−800)等が挙げられ、以下同様である。)を用い倍率500倍に拡大したトナー粒子の像を100個無作為にサンプリングし、その画像情報はインターフェースを介して画像解析装置[例えば、nexus NEW CUBE ver.2.5(NEXUS社製)及びLuzexIII(ニコレ社製)等が挙げられ、以下同様である。]に導入し解析を行い、式(1)より算出し得られた値である。
形状係数SF−2は、電子顕微鏡を用い倍率3500倍に拡大したトナー粒子の像を50個無作為にサンプリングし、その画像情報はインターフェースを介して画像解析装置に導入し解析を行い、式(2)より算出し得られた値である。
形状係数SF−1、SF−2が共に100に近くトナーの形状が真球に近くなると、トナーとトナーあるいはトナーと像担持体との接触が点接触になるために、トナー同士の吸着力は弱くなり従って流動性が高くなり、また、トナーと像担持体との付着力も弱くなって、転写率は高くなる。ドットの再現性も良好になる。一方で、トナーの形状係数SF−1とSF−2はある程度大きい方がクリーニングの余裕度が増し、クリーニング不良等の不具合がない。そこで、両者の兼ね合いから、画像品位を低下させることのない範囲として、形状係数SF−1、SF−2が100〜180の範囲であることが好ましい。
(Dv/Dn)
本発明の画像形成用トナーは、体積平均粒径(Dv)が3.0〜8.0μmであり、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40であることが好ましい。このような粒径及び粒径分布を有するトナーとすることにより、耐熱保存性、低温定着性、耐ホットオフセット性のいずれにも優れ、とりわけフルカラー複写機などに用いた場合に画像の優れた光沢性が得られる。
一般的には、トナーの粒径は小さければ小さい程、高解像で高画質の画像を得る為に有利であると言われているが、逆に転写性やクリーニング性に対しては不利である。また、本発明の範囲よりも体積平均粒径が小さい場合、二成分現像剤では現像装置における長期の攪拌において磁性キャリアの表面にトナーが融着し、磁性キャリアの帯電能力を低下させ、一成分現像剤として用いた場合には、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化する為のブレード等の部材へのトナーの融着を発生させやすくなる。
逆に、トナーの体積平均粒径が本発明の範囲よりも大きい場合には、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなると共に、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒径の変動が大きくなる場合が多い。
また、Dv/Dnが1.40を超えると、帯電量分布が広くなり、解像力も低下するため好ましくない。
トナーの平均粒径及び粒度分布は、測定装置として、コールターカウンターTA−II或いはコールターマルチサイザー(コールター社製)を用いて測定することができる。
測定方法は以下の通りである。先ず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩)を、0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは、1級塩化ナトリウムを用いて、約1%NaCl水溶液を調製したもので、ISOTON R−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)を使用した。これに更に測定試料を2〜20mg加え、電解液中に懸濁させて、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行った。前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、前記試料中のトナー粒子の体積及び個数をチャンネルごとに測定して、トナーの体積分布と個数分布とを算出した。
尚、チャンネルとしては、2.00〜2.52μm;2.52〜3.17μm;3.17〜4.00μm;4.00〜5.04μm;5.04〜6.35μm;6.35〜8.00μm;8.00〜10.08μm;10.08〜12.70μm;12.70〜16.00μm;16.00〜20.20μm;20.20〜25.40μm;25.40〜32.00μm;32.00〜40.30μmの13チャンネルを用いた。
本発明に係るトナーは、その母体粒子が、例えば以下のような原料、並びに製造方法によって製造される。
(変性ポリエステル)
本発明に係るトナーは結着樹脂として変性ポリエステル(i)を含む。変性ポリエステル(i)としては、ポリエステル樹脂中にエステル結合以外の結合基が存在したり、またポリエステル樹脂中に構成の異なる樹脂成分が共有結合、イオン結合などで結合した状態をさす。具体的には、ポリエステル末端に、カルボン酸基、水酸基と反応するイソシアネート基などの官能基を導入し、さらに活性水素含有化合物と反応させ、ポリエステル末端を変性したものを指す。
変性ポリエステル(i)としては、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との反応により得られるウレア変性ポリエステルなどが挙げられる。イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)としては、多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の重縮合物で、かつ活性水素基を有するポリエステルを、さらに多価イソシアネート化合物(PIC)と反応させたものなどが挙げられる。上記ポリエステルの有する活性水素基としては、水酸基(アルコール性水酸基及びフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらのうち好ましいものはアルコール性水酸基である。
ウレア変性ポリエステルは、以下のようにして生成される。
多価アルコール化合物(PO)としては、2価アルコール(DIO)および3価以上の多価アルコール(TO)が挙げられ、(DIO)単独、または(DIO)と少量の(TO)との混合物が好ましい。2価アルコール(DIO)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上の多価アルコール(TO)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
多価カルボン酸(PC)としては、2価カルボン酸(DIC)および3価以上の多価カルボン酸(TC)が挙げられ、(DIC)単独、および(DIC)と少量の(TC)との混合物が好ましい。2価カルボン酸(DIC)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。3価以上の多価カルボン酸(TC)としては、炭素数9〜20の芳香族多価カルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、多価カルボン酸(PC)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いて多価アルコール(PO)と反応させてもよい。
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
多価イソシアネート化合物(PIC)としては、脂肪族多価イソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアネート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。
多価イソシアネート化合物(PIC)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、ウレア変性ポリエステルを用いる場合、そのエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の多価イソシアネート化合物(PIC)構成成分の含有量は、通常0.5〜40wt%、好ましくは1〜30wt%、さらに好ましくは2〜20wt%である。0.5wt%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、40wt%を超えると低温定着性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有されるイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
次に、ポリエステルプレポリマー(A)と反応させるアミン類(B)としては、2価アミン化合物(B1)、3価以上の多価アミン化合物(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、およびB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。
2価アミン化合物(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が2を超えたり1/2未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
また、ウレア変性ポリエステル中には、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
本発明で用いられる変性ポリエステル(i)は、ワンショット法、プレポリマー法により製造される。変性ポリエステル(i)の重量平均分子量は、通常1万以上、好ましくは2万〜1000万、さらに好ましくは3万〜100万である。この時のピーク分子量は1000〜10000が好ましく、1000未満では伸長反応しにくくトナーの弾性が少なくその結果耐ホットオフセット性が悪化する。また10000を超えると定着性の低下や粒子化や粉砕において製造上の課題が高くなる。変性ポリエステル(i)の数平均分子量は、後述の変性されていないポリエステル(ii)を用いる場合は特に限定されるものではなく、前記重量平均分子量とするのに得やすい数平均分子量でよい。(i)単独の場合は、数平均分子量は、通常20000以下、好ましくは1000〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。20000を超えると低温定着性及びフルカラー装置に用いた場合の光沢性が悪化する。
変性ポリエステル(i)を得るためのポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との架橋及び/又は伸長反応には、必要により反応停止剤を用い、得られるウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
(未変性ポリエステル)
本発明においては、前記変性されたポリエステル(i)単独使用だけでなく、この(i)と共に、未変性ポリエステル(ii)を結着樹脂成分として含有させることもできる。(ii)を併用することで、低温定着性及びフルカラー装置に用いた場合の光沢性が向上し、単独使用より好ましい。(ii)としては、前記(i)のポリエステル成分と同様な多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)との重縮合物などが挙げられ、好ましいものも(i)と同様である。また、(ii)は無変性のポリエステルだけでなく、ウレア結合以外の化学結合で変性されているものでもよく、例えばウレタン結合で変性されていてもよい。(i)と(ii)は少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、(i)のポリエステル成分と(ii)は類似の組成が好ましい。(ii)を含有させる場合の(i)と(ii)の重量比は、通常5/95〜80/20、好ましくは5/95〜30/70、さらに好ましくは5/95〜25/75、特に好ましくは7/93〜20/80である。(i)の重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
(ii)のピーク分子量は、通常1000〜10000、好ましくは2000〜8000、さらに好ましくは2000〜5000である。1000未満では耐熱保存性が悪化し、10000を超えると低温定着性が悪化する。(ii)の水酸基価は5以上であることが好ましく、さらに好ましくは10〜120、特に好ましくは20〜80である。5未満では耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。(ii)の酸価は1〜5が好ましく、より好ましくは2〜4である。ワックスに高酸価ワックスを使用するため、結着樹脂成分は低酸価の方が帯電性や高体積抵抗につながるので二成分系現像剤に用いるトナーにはマッチしやすい。
結着樹脂のガラス転移点(Tg)は通常35〜70℃、好ましくは55〜65℃である。35℃未満ではトナーの耐熱保存性が悪化し、70℃を超えると低温定着性が不十分となる。ウレア変性ポリエステルは、得られるトナー母体粒子の表面に存在しやすいため、本発明のトナーにおいては、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。
(着色剤)
着色剤としては、公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造、またはマスターバッチとともに混練されるバインダ樹脂としては、ポリスチレン、ポリ−p−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体、あるいはこれらとビニル化合物との共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
(離型剤)
離型剤としては、融点が50〜120℃の低融点のワックスが、結着樹脂との分散の中でより離型剤として効果的に定着ローラとトナー界面との間で働き、これにより定着ローラにオイルの如き離型剤を塗布することなく高温オフセットに対し効果を示す。このようなワックス成分としては、以下のものが挙げられる。ロウ類及びワックス類としては、カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス、オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス、及びおよびパラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス等が挙げられる。また、これら天然ワックスの外に、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス、エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス等が挙げられる。さらに、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド及び、低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等)等、側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子等も用いることができる。
離型剤はマスターバッチ、バインダ樹脂とともに溶融混練することもできるし、もちろん有機溶剤に溶解、分散する際に加えても良い。
次に、トナーの製造方法について説明する。ここでは、好ましい製造方法について示すが、これに限られるものではない。
(トナーの製造方法)
1)着色剤、未変性ポリエステル、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー、離型剤を有機溶媒中に分散させ、さらに無機微粒子(オルガノシリカなど)を加えて混合し、トナー材料液を作る。
有機溶媒は、沸点が100℃未満の揮発性であることが、トナー母体粒子形成後の除去が容易である点から好ましい。具体的には、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。有機溶媒の使用量は、ポリエステルプレポリマー100重量部に対し、通常0〜300重量部、好ましくは0〜100重量部、さらに好ましくは25〜70重量部である。
2)トナー材料液を界面活性剤、樹脂微粒子の存在下、水系媒体中で乳化させる。
水系媒体は、水単独でも良いし、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などの有機溶媒を含むものであってもよい。
トナー材料液100重量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー材料液の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。20000重量部を超えると経済的でない。
また、水系媒体中の分散を良好にするために、界面活性剤、樹脂微粒子等の分散剤を適宜加える。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
また、カチオン性界面活性剤としては、フルオロアルキル基を有する脂肪族1級、2級もしくは2級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−121(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキンエ業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−132(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
樹脂微粒子は、水性分散体を形成しうる樹脂であればいかなる樹脂も使用でき、熱可塑性樹脂でも熱硬化性樹脂でもよい。例えばビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。樹脂としては、上記の樹脂を2種以上併用しても差し支えない。
このうち好ましいのは、微細球状樹脂粒子の水性分散体が得られやすい点から、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びそれらの併用が好ましい。例えばビニル系樹脂としては、ビニル系モノマーを単独重合また共重合したポリマーで、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸−アクリル酸エステル重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体等の樹脂が挙げられる。樹脂微粒子の平均粒径は5〜200nm、好ましくは20〜300nmである。
また、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等の無機化合物分散剤も用いることができる。
上記の樹脂微粒子、無機化合物分散剤と併用して使用可能な分散剤として、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸−β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−β−ヒドロキシエチル、アクリル酸−β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの含窒素化合物、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。この中でも、分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは40〜98℃である。
3)乳化液の作製と同時に、アミン類(B)を添加し、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)との反応を行わせる。
この反応は、分子鎖の架橋及び/又は伸長を伴う。反応時間は、ポリエステルプレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)との反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
4)反応終了後、乳化分散体(反応物)から有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥してトナー母体粒子を得る。
有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に層流の攪拌状態で昇温し、一定の温度域で強い攪拌を与えた後、脱溶媒を行うことで紡錘形のトナー母体粒子が作製できる。また、有機溶媒を除去する工程で強い攪拌を与えることで、真球状からラクビーボール状の間の形状を制御することができ、さらに、表面のモルフォロジーも滑らかなものから梅干形状の間で制御することができる。
また、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、トナー母体粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
このようにして得られたトナー母体粒子に、帯電制御剤の湿式処理を施してトナーを得る。また、得られたトナーには、必要に応じて、外添剤の乾式処理を施してもよい。外添剤の乾式処理は、ミキサー等を用いた公知の方法によって行われる。
(帯電制御剤)
帯電制御剤としては公知のものが使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、4級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、4級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。このうち、特にトナーを負極性に制御する物質が好ましく使用される。
帯電制御剤の使用量は、結着樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくは結着樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を超える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、帯電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電気的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
なお、帯電制御剤としては、特に構造式(1)で表される含フッ素四級アンモニウム塩化合物を使用することにより、帯電性を向上させ、地汚れ等の不具合のない良好な画質を得ることができる。
Figure 2006220673
(式中、X、Y、R1〜R4、r及びsは、それぞれ以下のものを表す。X:−SO−又は−CO−、R1,R2,R3,R4:水素原子、炭素数1〜10の低級アルキル基又はアリール基、Y:I又はBr、r,s:1〜20の整数。)
(外添剤)
トナー粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤として、無機微粒子を用いることができる。この無機微粒子の一次粒子径は、5×10−3〜2μmであることが好ましく、特に5×10−3〜0.5μmであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5wt%であることが好ましく、特に0.01〜2.0wt%であることが好ましい。
外添剤としての無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。中でも、流動性付与剤としては、疎水性シリカ微粒子と疎水性酸化チタン微粒子を併用するのが好ましい。特に両微粒子の平均粒径が5×10−2μm以下のものを使用して攪拌混合を行った場合、トナーとの静電力、ファンデルワールス力は格段に向上することより、所望の帯電レベルを得るために行われる現像装置内部の攪拌混合によっても、トナーから流動性付与剤が脱離することなく、ホタルなどが発生しない良好な画像品質が得られて、さらに転写残トナーの低減が図られる。
酸化チタン微粒子は、環境安定性、画像濃度安定性に優れている反面、帯電立ち上がり特性の悪化傾向にあることより、酸化チタン微粒子添加量がシリカ微粒子添加量よりも多くなると、この副作用の影響が大きくなることが考えられる。しかし、疎水性シリカ微粒子及び疎水性酸化チタン微粒子の添加量が0.3〜1.5wt%の範囲では、帯電立ち上がり特性が大きく損なわれず、所望の帯電立ち上がり特性が得られ、すなわち、コピーの繰り返しを行っても、安定した画像品質が得られる。
(現像剤)
本発明の画像形成用トナーは磁性体を含有した磁性トナーとして用いることができ、トナー中に含まれる磁性材料としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄、鉄、コバルト、ニッケルのような金属あるいはこれら金属のアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金およびその混合物などが挙げられる。特にマグネタイトが磁気特性の点で好ましい。これらの強磁性体は平均粒径が0.1〜2μm程度のものが望ましく、トナー中に含有させる量としては樹脂成分100重量部に対し約15〜200重量部、特に好ましくは樹脂成分100重量部に対し20〜100重量部である。
また、本発明の画像形成用トナーは、一成分現像剤としても、磁性キャリアと組み合わせてなる二成分現像剤としても用いることができる。本発明のトナーを二成分現像剤として使用する場合の磁性キャリアとしては、公知のものがすべて使用可能であり、例えば鉄粉、フェライト粉、ニッケル粉のごとき磁性を有する粉体、ガラスビーズ等及びこれらの表面を樹脂などで処理したものなどが挙げられる。本発明における磁性キャリアにコーティングし得る樹脂粉末としては、スチレン−アクリル共重合体、シリコーン樹脂、マレイン酸樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等がある。スチレン−アクリル共重合体の場合は、30〜90重量%のスチレン分を有するものが好ましい。この場合スチレン分が30重量%未満だと現像特性が低く、90重量%を越えるとコーティング膜が硬くなって剥離しやすくなり、キャリアの寿命が短くなるからである。また、本発明におけるキャリアの樹脂コーティングは、上記樹脂の他に接着付与剤、硬化剤、潤滑剤、導電材、荷電制御剤等を含有してもよい。
[画像形成装置]
本発明のトナーを現像剤として用いる画像形成装置について説明する。
図2は、本発明に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。図中符号100は複写装置本体、200はそれを載せる給紙テーブル、300は複写装置本体100上に取り付けるスキャナ、400はさらにその上に取り付ける原稿自動搬送装置(ADF)である。
複写装置本体100には、潜像担持体としての感光体40の周囲に帯電、現像、クリーニング等の電子写真プロセスを実行する各手段を備えた画像形成手段18を、4つ並列にしたタンデム型画像形成装置20が備えられている。タンデム型画像形成装置20の上部には、画像情報に基づいて感光体40をレーザー光により露光し潜像を形成する露光装置21が設けられている。また、タンデム型画像形成装置20の各感光体40と対向する位置には、無端状のベルト部材からなる中間転写ベルト10が設けられている。中間転写ベルト10を介して感光体40と相対する位置には、感光体40上に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト10に転写する一次転写手段62が配置されている。
また、中間転写ベルト10の下方には、中間転写ベルト10上に重ね合わされたトナー像を、給紙テーブル200より搬送されてくる転写紙に一括転写する二次転写装置22が配置されている。二次転写装置22は、2つのローラ23間に、無端ベルトである二次転写ベルト24を掛け渡して構成され、中間転写ベルト10を介して支持ローラ16に押し当てて配置し、中間転写ベルト10上のトナー像を転写紙に転写する。二次転写装置22の脇には、転写紙上の画像を定着する定着装置25が設けられている。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26に加圧ローラ27を押し当てて構成する。
上述した二次転写装置22は、画像転写後の転写紙をこの定着装置25へと搬送するシート搬送機能も備えている。もちろん、二次転写装置22として、転写ローラや非接触のチャージャを配置してもよく、そのような場合は、このシート搬送機能を併せて備えることは難しくなる。
なお、図示例では、二次転写装置22および定着装置25の下に、上述したタンデム画像形成装置20と平行に、転写紙の両面に画像を記録すべく転写紙を反転する反転装置28を備える。
画像形成手段18の現像装置4には、上記のトナーを含んだ現像剤を用いる。現像装置4は、現像剤担持体が現像剤を担持、搬送して、感光体40との対向位置において交互電界を印加して感光体40上の潜像を現像する。交互電界を印加することで現像剤を活性化させ、トナーの帯電量分布をより狭くすることができ、現像性を向上させることができる。
また、上記現像装置4は、感光体40と共に一体に支持され、画像形成装置本体に対し着脱自在に形成されるプロセスカートリッジとすることができる。このプロセスカートリッジは、この他に帯電手段、クリーニング手段を含んで構成してもよい。
上記の画像形成装置の動作は以下の通りである。
初めに、原稿自動搬送装置400の原稿台30上に原稿をセットする、または、原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じてそれで押さえる。
そして、不図示のスタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットしたときは、原稿を搬送してコンタクトガラス32上へと移動して後、他方コンタクトガラス32上に原稿をセットしたときは、直ちにスキャナ300を駆動し、第一走行体33および第二走行体34を走行する。そして、第一走行体33で光源から光を発射するとともに原稿面からの反射光をさらに反射して第二走行体34に向け、第二走行体34のミラーで反射して結像レンズ35を通して読み取りセンサ36に入れ、原稿内容を読み取る。
また、不図示のスタートスイッチを押すと、不図示の駆動モータで支持ローラ14、15、16の1つを回転駆動して他の2つの支持ローラを従動回転し、中間転写ベルト10を回転搬送する。同時に、個々の画像形成手段18でその感光体40を回転して各感光体40上にそれぞれ、ブラック・イエロー・マゼンタ・シアンの単色画像を形成する。そして、中間転写ベルト10の搬送とともに、それらの単色画像を順次転写して中間転写ベルト10上に合成カラー画像を形成する。
一方、不図示のスタートスイッチを押すと、給紙テーブル200の給紙ローラ42の1つを選択回転し、ペーパーバンク43に多段に備える給紙カセット44の1つからシートを繰り出し、分離ローラ45で1枚ずつ分離して給紙路46に入れ、搬送ローラ47で搬送して複写機本体100内の給紙路48に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。
または、給紙ローラ50を回転して手差しトレイ51上のシートを繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。
そして、中間転写ベルト10上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転し、中間転写ベルト10と二次転写装置22との間にシートを送り込み、二次転写装置22で転写してシート上にカラー画像を記録する。
画像転写後のシートは、二次転写装置22で搬送して定着装置25へと送り込み、定着装置25で熱と圧力とを加えて転写画像を定着して後、切換爪55で切り換えて排出ローラ56で排出し、排紙トレイ57上にスタックする。または、切換爪55で切り換えてシート反転装置28に入れ、そこで反転して再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録して後、排出ローラ56で排紙トレイ57上に排出する。
一方、画像転写後の中間転写ベルト10は、中間転写ベルトクリーニング装置17で、画像転写後に中間転写ベルト10上に残留する残留トナーを除去し、タンデム画像形成装置20による再度の画像形成に備える。
(実施例1)
〜有機微粒子エマルションの合成〜
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業製)11部、スチレン80部、メタクリル酸83部、アクリル酸ブチル110部、チオグリコール酸ブチル12部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液を得た。これを、[微粒子分散液1]とする。この[微粒子分散液1]をレーザー回折式粒度分布測定器(LA−920 島津製)で測定した体積平均粒径は、120nmであった。[微粒子分散液1]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のTgは72℃であり、重量平均分子量は3万であった。
〜水相の調整〜
水990部、[微粒子分散液1]83部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(エレミノールMON−7:三洋化成工業製)37部、酢酸エチル90部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相1]とする。
〜低分子ポリエステルの合成〜
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物529部、テレフタル酸208部、アジピン酸46部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧下230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応した後、反応容器に無水トリメリット酸44部を入れ、180℃、常圧で2時間反応し、ポリエステルを得た。これを[低分子ポリエステル1]とする。この[低分子ポリエステル1]は、数平均分子量2500、重量平均分子量6700、Tg43℃、酸価25であった。
〜中間体ポリエステルの合成〜
冷却管、撹拌機および窒索導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧下230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応させてポリエステルを得た。これを[中間体ポリエステル1]とする。この[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2100、重量平均分子量9500、Tg55℃、酸価0.5、水酸基価51であった。
次に、冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、[中間体ポリエステル1]410部、イソホロンジイソシアネート89部、酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応させて付加反応物を得た。これを、[プレポリマー1]とする。この[プレポリマー1]の遊離イソシアネート重量%は、1.53%であった。
〜ケチミンの合成〜
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、イソホロンジアミン170部とメチルエチルケトン150部を仕込み、50℃で5時間反応を行い、ケチミン化合物を得た。これを、[ケチミン化合物1] とする。[ケチミン化合物1]のアミン価は418であった。
〜マスターバッチの合成〜
水1200部、カーボンブラック(Printex35: デクサ製)540部(DBP吸油量=42ml/100mg、pH=9.5)、 ポリエステル樹脂(RS801:三洋化成製)1200部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合し、混合物を2本ロールを用いて150℃で30分混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕して、マスターバッチを得た。これを、[Bkマスターバッチ1]とする。
〜油相の調製〜
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[低分子ポリエステル1](ポリエステル樹脂(三洋化成製、RS801))500部、カルナバワックス30部、および酢酸エチル850部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間かけて30℃にまで冷却し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度:1Kg/hr、ディスク周速度:6m/秒、0.5mmジルコニアビーズ充填量:80体積%、パス数:3回の条件で、ワックスの分散を行った。次いで、容器に[Bkマスターバッチ1]110部、および酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合して溶解物を得た。これを[Bk原料溶解液]とする。
[Bk原料溶解液]900部を容器に移し、酢酸エチル50部と、MEK165部を加え、上記のビーズミルを用いて、送液速度:1Kg/hr、ディスク周速度:8m/秒、0.5mmジルコニアビーズ充填量:80体積%、パス数:3回の条件で、分散液を得た。これを[Bk顔料・ワックス分散液]とする。
上記の[Bk顔料・ワックス分散液]100部に無機微粒子(オルガノシリカゾルMEK−ST−UP(ER=20%)、日産化学社製)を25部加え、TKホモミキサーで混合して得られたものを[Bk油相]とする。ミキサーの回転数は5000〜12000rpmの範囲が好ましく、時間は5〜20分程度が好ましい。
本実施例では、混合時の温度25℃において、TKホモミキサー回転数を6500rpm、回転時間10分間とする。
〜乳化、脱溶剤、トナー粒子変形〜
[Bk油相]120部、[プレポリマー1]20部、[ケチミン化合物1]1.2部を混合して、固形分濃度50%の[樹脂と着色剤の調整液1]を得た。この[樹脂と着色剤の調整液1]150部を[水相1]200部に添加した後、TKホモミキサー(特殊機化製)を使用し、回転数12,000rpmで25℃で1分間混合し、乳化分散液(1)を得た。なお、[Bk油相]は、作成から12時間以内に乳化に用いることが望ましい。
この乳化分散液(1)100部をヘリカルリボン型3段攪拌翼付きのステンレス製コルベンに移し、回転数60rpmで攪拌しながら、減圧下(10kPa)で25℃、6時間の条件で乳化液中の濃度が5%となるまで酢酸エチルを脱溶剤して乳化分散液(Y−1)を得た。
この乳化分散液(Y−1)に、カルボキシメチルセルロース(セロゲンHH、第一工業製薬社製)3.1部を添加し増粘したのち、回転数300rpmで攪拌してシェアを与えながら、減圧下(10kPa)で乳化液中の酢酸エチル濃度が3%となるまで酢酸エチルを脱溶剤し、さらに回転数を60rpmに落として、引き続き酢酸エチル濃度が1%となるまで脱溶剤して[分散スラリー1]を得た。増粘後の乳化液の粘度は25,000mPa・sであった。
〜洗浄、CCA外添処理、乾燥〜
[分散スラリー1]100部を減圧濾過した後、
<1> 濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
<2> <1>の濾過ケーキに0.1%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後減圧濾過した。
<3> <2>の濾過ケーキに0.1%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
<4> <3>の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過する操作を2回行った。
<5> <4>の濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、回転数200rpmで攪拌しながら、1%フタージェントF−300(ネオス社製)水溶液20部をゆっくり滴下し、更に30分間攪拌した後減圧濾過した。
<6> <1>の操作を2回行い、[濾過ケーキ1]を得た。
[濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥した。その後目開き75μmメッシュで篩い、体積平均粒径5.0μm、3.17μm以下の微粉含有率14個数%のトナー母体粒子を得た。これを、[トナー母体粒子1]とする。
〜外添剤処理〜
上記で得られた[トナー母体粒子1]100部に対して、外添剤として疎水性シリカ0.7部と、疎水化酸化チタン0.3部をヘンシェルミキサーにて混合処理し、トナー(1)を得た後、キャリアC−1と組み合わせて現像剤(1)を作製した。
(比較例1)
実施例1の油相の調整を、以下のように変更して行ったこと以外は、実施例1と同様にしてトナー(2)、及び現像剤(2)を得た。
〜油相の調製〜
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[低分子ポリエステル1](ポリエステル樹脂(三洋化成製、RS801))500部、カルナバワックス30部、および酢酸エチル850部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間かけて30℃にまで冷却し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度:1Kg/hr、ディスク周速度:6m/秒、0.5mmジルコニアビーズ充填量:80体積%、パス数:3回の条件で、ワックスの分散を行った。次いで、容器に[Bkマスターバッチ1]110部、無機微粒子(オルガノシリカゾルMEK−ST−UP(ER=20%)、日産化学社製)を620部、および酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合して溶解物を得た。これを[Bk原料溶解液]とする。
[Bk原料溶解液]900部を容器に移し、酢酸エチル50部と、MEK165部を加え、上記のビーズミルを用いて、送液速度:0.8Kg/hr、ディスク周速度:12m/秒、0.5mmジルコニアビーズ充填量:80体積%、パス数:3回の条件で、分散液を得た。これを[Bk油相]とする。
このように比較例1では、製造工程の油相調整段階において、原料油相中への無機微粒子の投入を[マスターバッチ1]と同時に行っており、油相調整の最終段階、即ち[Bk顔料・ワックス分散液]の状態の原料溶解液に対して無機微粒子の投入を行うことしている実施例1の製造方法と、この点で構成を異にしている。
このようにして得られる比較例1のトナーは、粒子中にシリカが均一に存在した状態となって得られる。
本実施例と比較例では、無機微粒子の投入段階を上記条件のように変更することにより、トナー核内の無機微粒子の存在状態を変化させている。別途、無機微粒子のトナー核内の存在状態を変化させる方法としては、油相の調整条件や分散条件の変更、無機微粒子の表面の疎水化度の調整等があり、これらの条件を適宜変更することで、トナー核内の無機微粒子の存在状態を調整することができる。油相の分散条件の変更としては、攪拌速度が大きい場合にトナー核内の無機微粒子が微分散することで均一な存在状態に近くなる。
また、無機微粒子表面の疎水化度に関しては、例えばシリカに対するシランカップリング剤による表面修飾等の手法で変更することが可能であり、疎水化度が大きい場合に、トナー内部に集中する傾向にある。
これら条件を適宜組合せることで、本発明の無機微粒子の存在状態を達成することができる。
[評価方法]
(評価項目)
(1)帯電量
室温でトナー(母体)7部、磁性キャリア(粒子径35μm、リコー製)93部を専用ゲージに入れ、専用攪拌装置にて280rpmで攪拌し、ブローオフ装置(社製)を用いて帯電量を測定した。ゲージの攪拌時間は15、600、1800秒間行い、それぞれの帯電量をTA15、TA600、TA1800(−μC/g)とした。(後ろの数字はキャリアとトナーの攪拌時間(sec)を表す。)
(2)帯電立ち上がり性
(1)で得られた帯電量測定において、TA15の値が26以上の場合◎、22〜25の場合○、18〜21の場合△、17以下の場合は×として評価した。また、帯電経時安定性は、|TA1800−TA600|が2以下なら◎、3〜4なら○、5〜8なら△、9以上で×として評価した。
(3)クリーニング性
評価機(イプシオ8000、リコー社製)を用い、100枚出力後の清掃工程を通過した感光体状の転写残トナーをスコッチテープ(住友スリーエム(株)製)で白紙に移し、それをマクベス反射濃度計RD514型で測定し、ブランクとの差が0.005未満のものを◎、0.005〜0.010のものを○、0.011〜0.02のものを△、0.02を超えるものを×として評価した。
(4) LL地肌汚れ評価
評価機(イプシオ8000、リコー社製)を用い、常温常湿環境下にて、単色モードで50%画像面積の画像チャートを10,000枚ランニング出力し、次いでLL環境下(10℃、15%RH)にて、同様に20,000枚ランニングした後、白紙画像を現像中に停止させ、現像後の感光体上の現像剤をテープ転写し、未転写のテープの画像濃度との差を938スペクトロデンシトメーター(X−Rite社製)により測定を行った。画像濃度の差が少ないほど地肌汚れがよく、×、△、○、◎の順にランクが良くなる。
表1に、使用したトナーの特性を示し、表2にこれらのトナーの評価結果を示す。
Figure 2006220673
Figure 2006220673
本発明のトナーは、油相作成工程の最後の段階で無機微粒子を投入し、また、これらを混合する際のミキサーの回転数及び回転時間を上述の範囲とすることで分散状態を制御する。これにより、無機微粒子をトナー粒子表面近傍に均一に偏在させ、さらにトナー粒子間の微粒子含有量のバラツキの発生を抑制することができる。
無機微粒子を、樹脂原料及び着色剤等と同時に添加し、均一混合すると、顔料分散と無機微粒子分散とを個々に制御できず、異形化の制御が困難となる。また、分散条件が強すぎると、油相中に微粒子が微分散されてしまい、異形化が適切に進行しない。
また上述の様に、無機微粒子のトナー核内の存在状態を変化させる他の方法としては、油相の調整条件や分散条件の変更、無機微粒子表面の疎水化度の調整等があり、これらの条件を適宜変更することで、トナー核内の無機微粒子の存在状態を調整することができる。
表2を見て分かるとおり、実施例1で得られた本発明のトナーは、表面凹凸形状が良好に形成されているため、クリーニング性に優れている。また、実施例1のトナーは、帯電量が高く、帯電立ち上がり性(TA15で示す。)に優れており、また経時での帯電量が安定しているために地肌汚れのない良好な結果が得られた。
一方、比較例1のトナーは、異形化が十分でなく、クリーニング性に劣るものであった。また、比較例1のトナーは、実施例1のトナーと比べて帯電量が低く、帯電立ち上がり性及び帯電量の経時安定性に劣り、低温、低湿環境下において地肌汚れが見られた。
形状係数SF−1、SF−2を説明するために、トナーの形状を模式的に表した図である。 本発明に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
符号の説明
4 現像装置
10 中間転写ベルト(中間転写体)
18 画像形成手段
21 露光装置
25 定着装置
40 感光体(潜像担持体)
22 二次転写装置
62 一次転写手段
100 複写装置本体
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置

Claims (20)

  1. 少なくとも樹脂と着色剤とからなり、無機微粒子と帯電制御剤とを有するトナーであって、
    前記無機微粒子が、少なくとも内添されているトナーにおいて、
    トナー核の表面近傍領域における、内添された無機微粒子の存在比率Xsurfと、トナー核全体での平均の内添された無機微粒子の存在比率Xtotalとが、
    surf>Xtotal
    の関係であり、
    前記帯電制御剤は、前記トナー核に対し、外添されている
    ことを特徴とするトナー。
  2. 請求項1に記載のトナーにおいて、
    前記トナーは、前記内添された無機微粒子の一部が、トナー表面から露出して存在する
    ことを特徴とするトナー。
  3. 請求項1又は2に記載のトナーにおいて、
    前記帯電制御剤は、湿式外添されてなる
    ことを特徴とするトナー。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載のトナーにおいて、
    前記トナー核の表面近傍領域における、内添された無機微粒子の存在比率Xsurfは、該トナー核表面から200nmの領域における無機微粒子の存在比率とする
    ことを特徴とするトナー。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載のトナーにおいて、
    前記トナーは、水系媒体中に分散させ、該水系媒体中で、含フッ素4級アンモニウム塩化合物によりトナー表面を処理する表面処理工程を経て得られる
    ことを特徴とするトナー。
  6. 請求項5に記載のトナーにおいて、
    前記トナーは、XPS法によって求められる、前記フッ素含有化合物に由来するフッ素原子の含有量が、2.0〜15atomic%(原子個数%)である
    ことを特徴とするトナー。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載のトナーにおいて、
    前記無機微粒子は、シリカである
    ことを特徴とするトナー。
  8. 請求項7に記載のトナーにおいて、
    前記トナーは、XPS法によって求められる、粒子表面のケイ素濃度が、0.5〜10atomic%(元素個数%)である
    ことを特徴とするトナー。
  9. 請求項1ないし8のいずれかに記載のトナーにおいて、
    前記無機微粒子は、オルガノゾル体を用いて製造された
    ことを特徴とするトナー。
  10. 請求項1ないし9のいずれかに記載のトナーにおいて、
    前記無機微粒子の平均粒径は、100nm以下である
    ことを特徴とするトナー。
  11. 請求項1ないし10のいずれかに記載のトナーにおいて、
    前記無機微粒子の疎水化度は、15〜55%である
    ことを特徴とするトナー。
  12. 請求項1ないし11のいずれかに記載のトナーにおいて、
    前記トナーの平均円形度は、0.94〜0.97である
    ことを特徴とするトナー。
  13. 請求項1ないし12のいずれかに記載のトナーにおいて、
    前記トナーは、形状係数SF−1が110〜140であって、SF−2が、120〜160である
    ことを特徴とするトナー。
  14. 請求項1ないし13のいずれかに記載のトナーにおいて、
    前記トナーは、体積平均粒径が3〜8μmであって、体積平均粒径と(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が、1.00〜4.00の範囲にある
    ことを特徴とするトナー。
  15. 請求項1ないし14のいずれかに記載のトナーにおいて、
    前記トナーは、少なくとも、活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体、ポリエステル、着色剤、無機酸化物微粒子を有機媒体中にそれぞれ溶解又は分散させたトナー組成物を、樹脂微粒子を含有する水系媒体中で架橋及び/又は伸長反応させて得られる
    ことを特徴とするトナー。
  16. 潜像担持体上に形成された静電潜像を現像する現像剤であって、該現像剤は、請求項1ないし15のいずれかに記載のトナーと、磁性キャリアからなる二成分現像剤である
    ことを特徴とする現像剤。
  17. 潜像担持体上に形成された静電潜像を現像する現像剤であって、該現像剤は、請求項1ないし15のいずれかに記載のトナーを使用した一成分現像剤である
    ことを特徴とする現像剤。
  18. 現像剤担持体によって現像剤を担持、搬送し、潜像担持体との対向位置において電界を形成し、潜像担持体上の静電潜像を現像する現像装置において、
    前記現像装置は、請求項16又は17に記載の現像剤を使用する
    ことを特徴とする現像装置。
  19. 潜像を担持する像担持体と、像担持体表面に形成された静電潜像にトナーを供給し、可視像化する現像手段とを少なくとも含んで一体に支持され、画像形成装置本体に着脱自在に形成されるプロセスカートリッジにおいて、
    前記現像手段は、請求項18に記載の現像装置を用いる
    ことを特徴とするプロセスカートリッジ
  20. 潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体表面に均一に帯電を施す帯電手段と、帯電した該潜像担持体の表面に画像データに基づいて露光し、静電潜像を書き込む露光手段と、該潜像担持体表面に形成された静電潜像にトナーを供給し、可視像化する現像手段と、該潜像担持体表面の可視像を記録部材に転写する転写手段と、記録部材上の可視像を定着させる定着手段とを備える画像形成装置において、
    該現像手段は、請求項18に記載の現像装置である
    ことを特徴とする画像形成装置。
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