JP4091904B2 - 画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents

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本発明は、感光体等の像担持体に帯電部材を接触又は近接させて像担持体表面を帯電させ、その後露光手段によって像担持体表面に形成された静電潜像をトナーを含む現像剤によって可視像化する画像形成方法に関する。また、該画像形成方法を実行するための画像形成装置に関する。
電子写真プロセスを用いる画像形成装置は、潜像担持体として感光体を備え、感光体の表面に放電によって電荷を与え帯電させ、帯電した感光体表面を露光して静電潜像を形成し、その静電潜像にトナーを供給して可視像化し、形成された感光体表面の可視像を転写紙表面に転写した後、定着して排出する。
感光体表面を帯電する手段としては、従来、コロナワイヤによるコロナ放電を利用した非接触方式が用いられてきたが、印加電圧が高く、オゾンや窒素酸化物(NOx)の発生量が多いため、感光体の劣化や環境への悪影響が問題となっている。
これに代わる手段として、中抵抗の材質からなる弾性ローラ等の帯電部材を感光体表面に接触、あるいは所定のギャップをもって近接させ、外部から電圧を印加して帯電を行う接触又は近接方式が多く用いられるようになっている。接触又は近接方式は、印加電圧が低くてすみ、オゾンやNOxの発生がほとんどない。
一方、近年高画質化への要求が高まっており、特に高精細なカラー画像形成を実現させるため、トナーの小粒径化、球形化が進められている。小粒径化により、ドットの再現性が良好になり、球形化により現像性、転写性の向上を図ることができる。従来の混練粉砕法により、このような小粒径化、球形化したトナーを製造するのは非常に困難であることから、懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法等により製造された重合トナーが採用されつつある。
小粒径、球形トナーを用いた場合の問題として、転写率が高いとはいえ転写されずに感光体上に残留するトナーは存在しており、このようなトナーをブレードクリーニングしようとすると、トナーが感光体とブレードの間をすり抜けてしまい、クリーニング不良を起こすということが挙げられる。クリーニングブレードでクリーニングされなかったトナーは、その後感光体と接触又は近接する帯電部材の表面に付着して汚染するという問題がある。
重合トナーはその製法上、転写紙への画像定着時に定着部材からの離型性を高めるため、トナー内部に離型剤としてのワックス等を内包させることが可能である。これにより、定着工程において発生するオフセット現象防止のための定着部材へのオイル塗布工程が不要となり、装置構成を簡略化できると共に、特にOHPシートのような樹脂フィルムに印字する場合、シートにオイルが付着して画像の色調が変化する等の不具合が解消される。しかしながら、先に示したようにクリーニングブレードをすり抜けたトナーが帯電部材表面に付着すると、経時でそのトナーに内包されているワックス等の低分子量成分が表出して、帯電部材表面に融着しやすくなる。帯電部材表面に融着したトナーは、クリーニングブラシやクリーニングパッド等の帯電部材表面をクリーニングする部材が設置されていたとしても、クリーニングされずに残存し、感光体表面に対する帯電ムラの原因となる。
小粒径、球形トナーを用いる場合の帯電部材表面汚染を防止するために、例えば、帯電部材の感光体に対する当接圧を規定した提案(例えば、特許文献1参照)がある。感光体と帯電部材としての帯電ローラが従動回転している場合、帯電ローラの当接圧が低いと感光体と帯電ローラとが接触面においてスリップしてしまい、クリーニング装置をすり抜けたトナーが帯電部材表面に擦りつけられるため、これを防止するために一定以上の当接圧がよいとしている。
また、円形度の高いトナーにより、トナーはクリーニング装置をすり抜けると共に、帯電部材表面にも付着しづらくなり、帯電部材の汚染を防止できるということが開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開平10−213950号公報 特開2002−278220号公報
しかしながら、上記のいずれの提案も、トナー融着を引き起こしやすいトナー成分であるワックス等の離型剤のトナー内部における存在状態については考慮されていない。
また、帯電部材表面汚染の問題は、接触方式、近接方式いずれの場合も見られることから、帯電方式を問うことなく、総じてこの問題を解決できる手段が必要である。
本発明は、上記問題点に鑑み、球形に近いトナーを用いることで、転写後のクリーニング工程においてクリーニングされずに感光体上に残留し、帯電工程に達するトナーが存在しても、帯電部材の汚れを防止することができる画像形成方法を提供することを課題とする。また、該画像形成方法を実行し、帯電ムラによる異常画像を発生させることのない画像形成装置、並びに、該画像形成方法に好適に用いられるトナーを提供することを課題とする。
上記課題を解決するための手段として、以下のような特徴を有している。
1.本発明は、ローラ状の帯電部材を像担持体に当接圧0.23N/cm以下で接触又は近接させて、帯電部材に電圧を印加して像担持体表面を帯電する帯電工程と、帯電した像担持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、像担持体表面に形成された静電潜像にトナーを供給して可視像化する現像工程と、像担持体表面に形成されたトナー像を被転写体に転写する転写工程と、転写工程後の像担持体表面をクリーニングするクリーニング工程を有する画像形成方法において、プロセススピードは240mm/sec以上であって、前記現像工程で使用されるトナーが、
(a)平均円形度が0.95〜1.00であり、
(b)重量平均粒径(D4)が2.5〜6.5μmであり、
(c)離型剤を含有し、離型剤のほぼ全量がトナー内部に存在し、トナー表面に存在する離型剤は前記クリーニング工程において像担持体表面に対して滑性を付与し、
(d)前記帯電部材と前記像担持体との間において、又は前記帯電部材と前記帯電部材をクリーニングする部材との間において加圧された状態でトナー内部の離型剤がトナー表面に染み出してこないことを特徴とする。
2.また、本発明は、ローラ状の帯電部材を像担持体に当接圧0.23N/cm以下で接触又は近接させて、帯電部材に電圧を印加して像担持体表面を帯電する帯電工程と、帯電した像担持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、像担持体表面に形成された静電潜像にトナーを供給して可視像化する現像工程と、像担持体表面に形成されたトナー像を被転写体に転写する転写工程と、転写工程後の像担持体表面をクリーニングするクリーニング工程を有する画像形成方法において、プロセススピードは240mm/sec以上であって、前記現像工程で使用されるトナーが、
(a)平均円形度が0.95〜1.00であり、
(b)重量平均粒径(D4)が2.5〜6.5μmであり、
(c)内部に離型剤を含有し、離型剤分散粒子のトナー表面までの距離が平均で0.01〜1.5μmであることを特徴とする。
3.また、本発明は、ローラ状の帯電部材を像担持体に当接圧0.23N/cm以下で接触又は近接させて、帯電部材に電圧を印加して像担持体表面を帯電する帯電工程と、帯電した像担持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、像担持体表面に形成された静電潜像にトナーを供給して可視像化する現像工程と、像担持体表面に形成されたトナー像を被転写体に転写する転写工程と、転写工程後の像担持体表面をクリーニングするクリーニング工程を有する画像形成方法において、プロセススピードは240mm/sec以上であって、前記現像工程で使用されるトナーが、
(a)平均円形度が0.95〜1.00であり、
(b)重量平均粒径(D4)が2.5〜6.5μmであり、
(c)内部に離型剤を含有し、動摩擦係数が0.18〜0.45であることを特徴とする。
4.前記現像工程で使用されるトナーの平均円形度は、0.98〜1.00であることを特徴とする。
5.前記帯電工程において、前記帯電部材を前記像担持体に近接させる場合は、帯電部材表面と像担持体表面との隙間を(2×D4)〜70μmとすることを特徴とする。
6.前記画像形成方法において、前記トナーに含有される離型剤は、ライスワックス及び/又はエステルワックスであることを特徴とする。
7.前記画像形成方法において、前記トナーに含有される離型剤は、0.3〜1.0μmの平均分散径でトナー内部に分散していることを特徴とする。
8.前記画像形成方法において、前記トナーは、疎水化処理された無機酸化物微粒子を外添してなることを特徴とする。
9.前記画像形成方法において、前記トナーは、潤滑剤を外添してなることを特徴とする。
10.前記画像形成方法において、前記トナーは、含フッ素化合物からなる帯電制御剤を含有することを特徴とする。
11.前記画像形成方法において、前記トナーは、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤とを有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系媒体中で架橋及び/又は伸長反応させて得られることを特徴とする。
12.また、本発明は、静電潜像を担持する像担持体と、像担持体表面に均一に帯電を施す帯電手段と、帯電した像担持体の表面に画像データに基づいて露光し、静電潜像を書き込む露光手段と、像担持体表面に形成された静電潜像にトナーを供給し、可視像化する現像手段と、像担持体表面のトナー像を被転写体に転写する転写手段と、転写後の像担持体表面をクリーニングするクリーニング手段とを備える画像形成装置において、前記いずれかの画像形成方法を実行する画像形成装置である。
本発明により、球形に近いトナーを用いることで、クリーニング工程においてクリーニングされずに像担持体表面に残存するトナーが帯電部材表面に付着、融着するのを防止し、安定した帯電工程を行うことができる画像形成方法を提供することができる。また、本画像形成方法に好適に使用されるトナーを提供することができ、これにより安定して高画質、高精細な画像を得ることができる。
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の画像形成方法を実行するための画像形成装置の概略構成を示す図である。図2は、図1に示す画像形成装置の感光体周囲の構成を示す図である。
像担持体である感光体1の周囲は、帯電装置2、露光装置3、現像装置4、転写装置6、定着装置7及びクリーニング装置8が配置されている。
感光体1は、光導電性を有するアモルファスシリコン、アモルファスセレン等の非晶質金属、ビスアゾ顔料、フタロシアニン顔料等の有機化合物等を用いて作製される。環境及び使用後の後処理を考慮すると、有機化合物を用いて作製された感光体を用いることが好ましい。
帯電装置2は、帯電ローラ2a、帯電ローラ2aを清掃するために当接されているクリーニングパッド2b、帯電ローラ2aに接続される図示しない電源を備える。帯電ローラ2aに高電圧を印加して、曲率を有する帯電ローラ2aと感光体1との間に所定の電圧を印加し、感光体1との間でコロナ放電を発生させて感光体1の表面を一様に帯電するものである。
この帯電ローラ2aは、ステンレスなどの金属からなる芯金の外周にゴム、スポンジ等からなる弾性層を形成し、更にその外周にフッ素系樹脂等の表面層を形成してなるものである。弾性層は、シリコーンゴム、EPDMなどにカーボンブラック等の導電性粉体を分散して形成することができ、体積抵抗が10〜10Ω・cmに調整されている。帯電ローラ2aの表面粗さは、好ましくはRzの値で1.5〜18.0μmである。
尚、帯電装置2の詳細な構成については後述する。
露光装置3は、読取装置20内のスキャナーで読み取ったデータ及び、図示しないPC等外部より送られた画像信号を変換し、ポリゴンモータでレーザー光3aをスキャンさせ、ミラーを通して読み取られた画像信号を基に感光体1上に静電潜像を形成する。
現像装置4は、現像剤を担持して感光体1に供給する現像剤担持体4aと、トナー供給室等を備える。感光体1と微小間隔をおいて配置された円筒状の現像剤担持体4aと、現像剤担持体4a上の現像剤量を規制する現像剤規制部材とを有している。現像剤担持体4aは、回転可能に支持された中空円筒状の現像剤担持体4aと、現像剤担持体4aの内部にこれと同軸に固設されたマグネットロールとを備えており、現像剤担持体4aの外周面に現像剤を磁気的に吸着して搬送するようになっている。現像剤担持体4aは導電性で、非磁性部材で構成されており、現像バイアスを印加するための電源が接続されている。現像剤担持体4aと感光体1との間には、電源から電圧が印加され、現像領域に電界が形成される。
尚、上記は、二成分現像剤を用いる現像装置について説明したが、本発明はこれに限らず、一成分現像剤を用いる現像装置であってもよい。
転写装置6は、転写ベルト6aと転写バイアスローラ6bとテンションローラ6cから構成されている。転写バイアスローラ6bは、鉄、アルミ、ステンレス等の芯金表面に弾性層を設けて構成する。転写バイアスローラ6bには、記録紙を感光体1に密着させるために、感光体1側に必要な圧力がかけられる。転写ベルト6aは、基材として耐熱性の材料を種々選択する事で効果が得られ、例えばシームレスのポリイミドフィルムで構成することができる。その外側には、フッ素樹脂層を設ける構成とすることができる。又、必要に応じてポリイミドフィルムの上にシリコーンゴム層を設け、その上にフッ素樹脂層を設けても良い。転写ベルト6aの内側には、転写ベルト6aを駆動及び張架するためにテンションローラ6cが設けられている。
定着装置7は、ハロゲンランプ等の加熱手段であるヒータを有する定着ローラと、圧接される加圧ローラとを備えている。定着ローラは、芯金表面にシリコーンゴム等の弾性層を100〜500μm、好ましくは400μmの厚みに設け、更にトナーの粘性による付着を防止する目的で、フッ素樹脂等の離型性の良い樹脂表層が形成されている。樹脂表層は、PFAチューブ等で構成され、その厚みは機械的劣化を考慮して10〜50μm程度の厚みが好ましい。定着ローラの外周面には、温度検知手段が設けられ、定着ローラの表面温度を約160〜200℃の範囲の中で、ほぼ一定に保つようにヒータが制御されている。加圧ローラは、芯金表面にテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のようなオフセット防止層が被覆されている。定着ローラと同様に、芯金表面にシリコーンゴム等の弾性層を設けても良い。
クリーニング装置8は、転写工程後の感光体1表面に残存するトナーのクリーニング手段としてクリーニングブレード8aを有する。また、クリーニングされたトナーを回収するトナー回収羽根8d、及びそのトナーを搬送する回収コイル8cを備えている。更に、図示されないトナー回収ボックスを備える。クリーニングブレード8aは、金属、樹脂、ゴム等の材質からなるが、フッ素ゴム、シリコーンゴム、ブチルゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ウレタンゴム等のゴムが好ましく用いられ、この中でも特にウレタンゴムが好ましい。
本発明の画像形成方法において、帯電方式は、帯電ローラ2aを感光体1表面に接触させる接触方式であっても、帯電ローラ2aと感光体1とを所定の隙間(以下、「ギャップ」という。)をもって配置する近接方式であってもよい。
図3は、接触方式の帯電装置2の構成を示す図である。帯電ローラ2aの芯金201を支持する軸受け210が、長手方向両端部に設けられており、この軸受け210に付設されたスプリング204により、帯電ローラ2aは感光体1側に一定の圧力で加圧され、感光体1表面に当接している。当接圧は、0.23N/cm以下とする。これにより、クリーニング装置8をすり抜けて感光体1表面に残存するトナーが帯電ローラ2aとのニップ部でつぶされにくくなる。当接圧が0.23N/cmを超えると、トナーはつぶされて、内部に含有される離型剤が染み出し、帯電ローラ2a表面に擦りつけられて付着しやすくなる。
上記当接圧の測定方法としては、図5に示すように、感光体1と帯電ローラ2aとのニップ部にSUSからなる折り返しのある薄板51aを図のように挿入し、その幅が1cmである薄板51bを薄板51aの間に挟んで、矢印方向に引く際に要する力をバネばかり52で計測するものである。
また、図3に示すように帯電ローラ2aの芯金201の一端には、駆動用ギヤ220を固定し、そこに図示しないモータからの駆動力を伝達し、帯電ローラ2aを感光体1と同一の線速で回転させるようにしている。帯電ローラ2aへの電圧の印加は、芯金201の部分に、例えばDC−700Vを定電圧制御で印加すると共に、AC電圧を定電流制御で印加する。
図4は、近接方式の帯電装置2の構成を示す図である。帯電ローラ2aの弾性層が設けられた弾性ローラ部202両端部であって、感光体1の画像形成領域に掛からない部分に、それぞれギャップ保持部材203が設けられている。このギャップ保持部材203は、例えばポリエステル又はポリエチレンテレフタレートからなる片面が粘着面に形成された粘着シートを、粘着面側を下にして周方向に巻き付けるなどして設けることができる。
帯電ローラ2aは、図3に示したものと同様、芯金201の軸受け210に付設されたスプリング204により感光体1側に一定の圧力で加圧されている。これにより、弾性ローラ部202の両端部に設けられたギャップ保持部材203がそれぞれ感光体1表面に接触し、ギャップ保持部材203が設けられていない弾性ローラ部202表面と感光体1表面との間にギャップGが形成されて、その部分が非接触となる。
尚、帯電ローラ2aの駆動方法、及び印加電圧は、接触方式と同様である。
上記近接方式の帯電装置2において、ギャップGは、画像形成に用いるトナーの重量平均粒径をD4とするとき、(2×D4)μm〜70μmの範囲であることが好ましい。ギャップGを(2×D4)μm以上とすることで、帯電ローラ2a表面が感光体1表面に付着したトナーに接触するのを防止し、トナーによる汚染を効果的に防ぐことができる。一方、ギャップGが70μmを超えると帯電ローラ2a表面と感光体表面との距離が大きくなるため、放電エネルギーが大きくなり、オゾンやNOxの発生量が増大するので好ましくない。
本発明の画像形成方法は、現像工程において、以下の(a)〜(c)を満たすトナーを用いることを特徴とする。
(a)トナーの平均円形度が0.95〜1.00である。
トナーの平均円形度は、光学的に粒子を検知して、投影面積の等しい相当円の周囲長で除した値である。具体的には、フロー式粒子像分析装置(FPIA−2000;シスメックス社製)を用いて測定を行う。所定の容器に、予め不純固形物を除去した水100〜150mLを入れ、分散剤として界面活性剤0.1〜0.5mLを加え、さらに、測定試料0.1〜9.5g程度を加える。試料を分散した懸濁液を超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、分散液濃度を3,000〜10,000個/μLにしてトナーの形状及び分布を測定する。
平均円形度が0.95〜1.00のトナーは、その投影形状が円に近く、ドット再現性に優れ、転写率が高く、高画質の画像を提供できる。また、転写率が高いことにより、転写工程後の感光体1表面に残存するトナー量を減らすことができる。一方で、トナーには帯電量分布があるため、十分な帯電量を有さず未転写で感光体1表面に残存するトナーがあり、上記のように平均円形度が高いトナーであることから、クリーニングブレード8aをすり抜けやすいという問題がある。
前述の通り、感光体1表面に残存するトナーが帯電ローラ2aとのニップ部においてつぶされにくいように、帯電ローラ2aの感光体1表面に対する当接圧は0.23N/cm以下としている。このような圧力の下、トナーは上記のように平均円形度が高いことから、あまりストレスを受けることなく帯電ローラ2aをすり抜けることができる。また、帯電ローラ2aの当接圧が低いほど、このようなすり抜けは起こりやすく、感光体1と帯電ローラ2aとの間に一定のギャップを有する近接方式であれば、一層帯電ローラ2a表面へのトナー付着を防止できる。
一方、平均円形度が0.95未満では、トナーが球形から離れた形状になり、ドット再現性が悪くなり、また、感光体1への接触点が多くなるため離型性が悪くなり、転写率が低下するため、画質の低下を招く。また、転写後の感光体1表面に残存し、クリーニングブレード8aをすり抜けたトナーが、帯電ローラ2a表面に付着しやすくなる。
(b)トナーの重量平均粒径(D4)が2.5〜6.5μmである。
重量平均粒径が小さいトナーを用いることにより、ドット再現性を良好にし、静電潜像に対し緻密な現像を行うことができる。一方で、小粒径トナーは、クリーニングブレード8aによるクリーニングがされにくいため、感光体1表面に残存することがある。本発明においては、トナーの重量平均粒径を6.5μm以下にすることで、あまりストレスを受けることなく帯電ローラ2aをすり抜けることができるようにしている。小粒径であるほど、このような傾向は強くなるが、2.5μm未満ではトナー粒子同士が凝集してしまい、かえってすり抜けにくくなる。また、重量平均粒径を2.5μm未満にすると、二成分現像剤では現像装置における長期の攪拌において磁性キャリアの表面にトナーが融着し、磁性キャリアの帯電能力を低下させ、一成分現像剤として用いた場合には、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化する為のブレード等の部材へのトナーの融着を発生させやすくなるという別の不具合も発生しやすくなる。
上記の重量平均粒径(D4)は、測定装置として、コールターカウンターTA−II或いはコールターマルチサイザー(コールター社製)を用いて測定することができる。
測定方法は以下の通りである。先ず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩)を、0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは、1級塩化ナトリウムを用いて、約1%NaCl水溶液を調製したもので、ISOTON R−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)を使用した。これに更に測定試料を2〜20mg加え、電解液中に懸濁させて、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行った。前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、前記試料中のトナー粒子の体積及び個数をチャンネルごとに測定して、トナーの体積分布と個数分布とを算出した。それから、トナー粒子の体積分布から求めた重量基準のトナーの重量平均粒径(D4)(各チャンネルの中央値をチャンネル毎の代表値とする)を求めた。
尚、チャンネルとしては、2.00〜2.52μm;2.52〜3.17μm;3.17〜4.00μm;4.00〜5.04μm;5.04〜6.35μm;6.35〜8.00μm;8.00〜10.08μm;10.08〜12.70μm;12.70〜16.00μm;16.00〜20.20μm;20.20〜25.40μm;25.40〜32.00μm;32.00〜40.30μmの13チャンネルを用いた。
(c)トナーは、離型剤を含有し、離型剤のほぼ全量がトナー内部に存在し、トナー表面に存在する離型剤はクリーニング工程において感光体1表面に対して滑性を付与し、
(d)帯電ローラ2aと感光体1との間において、又は帯電ローラ2aと帯電ローラ2aをクリーニングするクリーニングパッド2bとの間において加圧された状態でトナー内部の離型剤がトナー表面に染み出してこない。
添加する離型剤のほぼ全量がトナー内部に存在しており、帯電ローラ2aと感光体1とのニップ部で加圧されたとしても、離型剤がトナー表面に染み出してこない構成のトナーを用いることにより、帯電ローラ2a表面汚染を効果的に防止できる。また、帯電ローラ2aと帯電ローラ2aをクリーニングするクリーニングパッド2bとの間においても同様に、離型剤の染み出してこない構成のトナーを用いることで、帯電ローラ2a表面汚染を効果的に防止できる。
一方、トナー表面に存在する離型剤は、クリーニング工程において感光体1表面に滑性を付与するため、感光体1表面を摺擦するクリーニングブレード8aによって、トナーのクリーニング性を良好にすることができる。
現像工程に用いられるトナーは、上記(c)及び(d)に変えて、下記の(c’)を満たすものであっても良い。
(c’)トナー内部に離型剤を含有し、離型剤粒子のトナー表面までの距離が平均で0.01〜1.5μmである。
離型剤のトナー内部での存在状態は、以下のようにして確認できる。
トナーをエポキシ樹脂に包埋し、ミクロトームによって厚さ100nmに切片化した。次に四酸化ルテニウム0.5%水溶液によって切片を染色し、その切片を透過型電子顕微鏡(TEM)によって観察した。図6の模式図に示すように、離型剤以外の樹脂成分は染色されるが、離型剤は染色されない。そして、離型剤粒子のトナー内部における分散状態を表す1つの指標として、離型剤分散粒子の外周からトナー表面までの距離のうち最短の距離dを測定した。1つのトナー粒子中に複数の離型剤分散粒子が確認できる場合は、それぞれの離型剤分散粒子に対する距離dを測定した後に、距離dの平均値を求めた。
離型剤は、定着工程でトナーと接触する定着部材に対する離型性を高めるために含有されることから、トナー粒子の表面近くに存在することが好ましい。しかし、クリーニング工程をすり抜けて感光体1表面に残存するトナーにあっては、離型剤がトナー表面に露出していると、低分子量成分である離型剤の存在により、トナーが帯電ローラ2a表面に付着して、わずかな熱の影響でも融着しやすくなる。したがって、離型剤粒子はトナー表面からある距離をもって存在することが好ましく、その距離dは平均で0.01〜1.5μmの範囲がよい。距離dの平均が1.5μmを超えると、離型剤は、トナー内部に多く存在していることになり、定着時の離型性向上効果が十分に得られない。また、距離dの平均が0.01μm未満であると、トナー表面に露出している離型剤の量が多くなるため、クリーニングブレード8aをすり抜けたトナーがその表面に露出する離型剤によって帯電ローラ2a表面を激しく汚染し、それが一層帯電ローラ2a表面へのトナー付着を誘発する原因となる。また、トナー表面に離型剤が露出しているとトナー同士の凝集が起こりやすくなり、帯電ローラ2aをすり抜けにくくなる。
また、現像工程に用いられるトナーは、上記(c)及び(d)、(c’)に変えて下記の(c’’)を満たすものであっても良い。
(c’’)内部に離型剤を含有し、トナーの動摩擦係数が0.18〜0.45である。
トナーの動摩擦係数は、質量3gのトナーに6t/cmの荷重をかけ、直径40mmの円盤状のペレットにしたものを協和界面科学(株)社製全自動摩擦摩耗解析装置を用い、測定することができる。このとき、接触子として3mmステンレス球の点接触子を用いる。
一般的に、トナー成分の大部分を占めるバインダ樹脂の動摩擦係数は0.5程度であり、ワックス等の離型剤では0.1程度である。そこで、離型剤の含有量が同じ場合、トナーの動摩擦係数の差は、トナー表面に存在する離型剤の量の差に起因することになる。動摩擦係数が0.18を下回ると、トナー表面に存在する離型剤が多量であるために、クリーニングブレード8aをすり抜けたトナーがその表面に露出する離型剤によって帯電ローラ2a表面を激しく汚染し、それが一層帯電ローラ2a表面へのトナー付着を誘発する原因となる。また、トナー表面に離型剤が露出しているとトナー同士の凝集が起こりやすくなり、帯電ローラ2aをすり抜けにくくなる。一方、動摩擦係数が0.18〜0.45の範囲であれば、トナー表面付近に離型剤が存在し、しかもその存在量は、帯電ローラ2a表面へのトナー付着を誘発することのない適切な量である。また、動摩擦係数が0.45を超えると、トナー表面にはほとんど離型剤が存在しないことになり、定着時の離型性向上効果を得ることができない。
上記の構成を有するトナーを現像工程に用いる本発明の画像形成方法は、プロセススピードを240mm/sec以上とする。プロセススピードが240mm/sec以上の場合に、特に帯電ローラ2a表面の汚染が顕著な課題となる。現像工程、クリーニング工程等画像形成プロセスでトナーが摺擦されるとき、このような高速では摩擦熱が多量に発生するため、結果的に帯電ローラ2a表面へのトナー付着が加速されることになる。したがって、本発明の構成により、このような不具合を効果的に防止するものである。
離型剤としては、融点が50〜120℃の低融点のワックスが、バインダ樹脂との分散の中で離型剤としてより効果的に定着ローラ等の定着部材とトナー界面との間で働き、これにより定着ローラにオイルの如き離型剤を塗布することなく高温オフセットに対し効果を示す。このようなワックス成分としては、以下のものが挙げられる。ロウ類及びワックス類としては、カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス、オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス、及びおよびパラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス等が挙げられる。また、これら天然ワックスの外に、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス、エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス等が挙げられる。さらに、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド及び、低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等)等、側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子等も用いることができる。
これらは、1種のみの使用でもよいし、2種以上を混合して使用するものでもよい。この中でも、トナー粒子中での離型剤の分散性が良好であることから、ライスワックス及び/又はエステルワックスを用いることが好ましい。
離型剤の添加量は、トナーの樹脂成分100重量部に対して0.5〜10重量部が好ましい。
離型剤の平均分散径は、0.3〜1.0μmであることが好ましい。このように、離型剤が、トナー粒子内部で微分散した状態で内包されていることにより、カラートナーとした場合の光沢性、透明性にも優れ、鮮明で色再現に優れた画像を得ることができる。平均分散径が0.3μmより小さいと、定着工程において十分な離型性を発現できない。また、平均分散径が1.0μmより大きいと、トナーが凝集性を示して流動性が悪化したり、フィルミングを生じたりするばかりか、カラートナー においては色再現性や光沢性を著しく低下させてしまう。
尚、離型剤の平均分散径は、先に示したように透過型電子顕微鏡(TEM)を用いてトナー粒子中の離型剤粒子の写真画像を撮影し、画像解析装置ルーゼックスIIIU(ニレコ社製)を用い画像解析により求めた。
本発明に用いるトナーの他の構成材料について詳細に説明する。
(変性ポリエステル)
本発明に係るトナーはバインダ樹脂として変性ポリエステル(i)を含む。変性ポリエステル(i)としては、ポリエステル樹脂中にエステル結合以外の結合基が存在したり、またポリエステル樹脂中に構成の異なる樹脂成分が共有結合、イオン結合などで結合した状態をさす。具体的には、ポリエステル末端に、カルボン酸基、水酸基と反応するイソシアネート基などの官能基を導入し、さらに活性水素含有化合物と反応させ、ポリエステル末端を変性したものを指す。
変性ポリエステル(i)としては、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との反応により得られるウレア変性ポリエステルなどが挙げられる。イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)としては、多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の重縮合物で、かつ活性水素基を有するポリエステルを、さらに多価イソシアネート化合物(PIC)と反応させたものなどが挙げられる。上記ポリエステルの有する活性水素基としては、水酸基(アルコール性水酸基及びフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらのうち好ましいものはアルコール性水酸基である。
ウレア変性ポリエステルは、以下のようにして生成される。
多価アルコール化合物(PO)としては、2価アルコール(DIO)および3価以上の多価アルコール(TO)が挙げられ、(DIO)単独、または(DIO)と少量の(TO)との混合物が好ましい。2価アルコール(DIO)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上の多価アルコール(TO)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
多価カルボン酸(PC)としては、2価カルボン酸(DIC)および3価以上の多価カルボン酸(TC)が挙げられ、(DIC)単独、および(DIC)と少量の(TC)との混合物が好ましい。2価カルボン酸(DIC)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。3価以上の多価カルボン酸(TC)としては、炭素数9〜20の芳香族多価カルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、多価カルボン酸(PC)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いて多価アルコール(PO)と反応させてもよい。
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
多価イソシアネート化合物(PIC)としては、脂肪族多価イソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアネート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。
多価イソシアネート化合物(PIC)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、ウレア変性ポリエステルを用いる場合、そのエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の多価イソシアネート化合物(PIC)構成成分の含有量は、通常0.5〜40wt%、好ましくは1〜30wt%、さらに好ましくは2〜20wt%である。0.5wt%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、40wt%を超えると低温定着性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有されるイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
次に、ポリエステルプレポリマー(A)と反応させるアミン類(B)としては、2価アミン化合物(B1)、3価以上の多価アミン化合物(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、およびB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。
2価アミン化合物(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が2を超えたり1/2未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
また、ウレア変性ポリエステル中には、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
本発明で用いられる変性ポリエステル(i)は、ワンショット法、プレポリマー法により製造される。変性ポリエステル(i)の重量平均分子量は、通常1万以上、好ましくは2万〜1000万、さらに好ましくは3万〜100万である。この時のピーク分子量は1000〜10000が好ましく、1000未満では伸長反応しにくくトナーの弾性が少なくその結果耐ホットオフセット性が悪化する。また10000を超えると定着性の低下や粒子化や粉砕において製造上の課題が高くなる。変性ポリエステル(i)の数平均分子量は、後述の変性されていないポリエステル(ii)を用いる場合は特に限定されるものではなく、前記重量平均分子量とするのに得やすい数平均分子量でよい。(i)単独の場合は、数平均分子量は、通常20000以下、好ましくは1000〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。20000を超えると低温定着性及びフルカラー装置に用いた場合の光沢性が悪化する。
変性ポリエステル(i)を得るためのポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との架橋及び/又は伸長反応には、必要により反応停止剤を用い、得られるウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
尚、生成するポリマーの分子量は、THFを溶媒としゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定することができる。
(未変性ポリエステル)
本発明においては、前記変性されたポリエステル(i)単独使用だけでなく、この(i)と共に、未変性ポリエステル(ii)をバインダ樹脂成分として含有させることもできる。(ii)を併用することで、低温定着性及びフルカラー装置に用いた場合の光沢性が向上し、単独使用より好ましい。(ii)としては、前記(i)のポリエステル成分と同様な多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)との重縮合物などが挙げられ、好ましいものも(i)と同様である。また、(ii)は無変性のポリエステルだけでなく、ウレア結合以外の化学結合で変性されているものでもよく、例えばウレタン結合で変性されていてもよい。(i)と(ii)は少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、(i)のポリエステル成分と(ii)は類似の組成が好ましい。(ii)を含有させる場合の(i)と(ii)の重量比は、通常5/95〜80/20、好ましくは5/95〜30/70、さらに好ましくは5/95〜25/75、特に好ましくは7/93〜20/80である。(i)の重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
(ii)のピーク分子量は、通常1000〜10000、好ましくは2000〜8000、さらに好ましくは2000〜5000である。1000未満では耐熱保存性が悪化し、10000を超えると低温定着性が悪化する。(ii)の水酸基価は5以上であることが好ましく、さらに好ましくは10〜120、特に好ましくは20〜80である。5未満では耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。(ii)の酸価は1〜5が好ましく、より好ましくは2〜4である。ワックスに高酸価ワックスを使用するため、バインダは低酸価バインダが帯電や高体積抵抗につながるので二成分系現像剤に用いるトナーにはマッチしやすい。
バインダ樹脂のガラス転移点(Tg)は通常35〜70℃、好ましくは55〜65℃である。35℃未満ではトナーの耐熱保存性が悪化し、70℃を超えると低温定着性が不十分となる。ウレア変性ポリエステルは、得られるトナー母体粒子の表面に存在しやすいため、本発明のトナーにおいては、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。
尚、ガラス転移点(Tg)は、示差走査熱量計(DSC)によって測定することができる。
(着色剤)
着色剤としては、公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造、またはマスターバッチとともに混練されるバインダ樹脂としては、ポリスチレン、ポリ−p−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体、あるいはこれらとビニル化合物との共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
(帯電制御剤)
帯電制御剤としては公知のものが使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、4級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、4級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
この中でも、下記の化1、化2に示すようなフッ化アルキル基を有する含フッ素化合物を用いることが好ましい。このような帯電制御剤は負帯電性に優れるため、トナーがクリーニングブレード8aをすり抜けても、負の電圧が印加される帯電ローラ2a表面には付着しづらくなる。
Figure 0004091904
(式中、Mk+;Na,K,Li,Ca2+,Ba2+,Zn2+,Fe2+,Co2+,Cr2+、n;正の整数、k;1,2,3のいずれかの整数)
Figure 0004091904
(式中、X;−SO−,−CO−、R;H,炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基、n,m;正の整数)
上記帯電制御剤の使用量は、バインダ樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダ樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を超える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、帯電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電気的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
帯電制御剤、及び既に説明した離型剤はマスターバッチ、バインダ樹脂とともに溶融混練することもできるし、もちろん有機溶剤に溶解、分散する際に加えても良い。
(外添剤)
トナー粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤として、無機微粒子が好ましく用いられる。この無機微粒子の一次粒子径は、5×10−3〜2μmであることが好ましく、特に5×10−3〜0.5μmであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m/gであることが好ましい。この無機微粒子の添加量は、トナーの0.01〜5wt%であることが好ましく、特に0.01〜2.0wt%であることが好ましい。
無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
このような外添剤は表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止することができる。例えばシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが好ましい表面処理剤として挙げられる。
特に、上記疎水化処理されたシリカ、酸化チタン等の無機酸化物微粒子を用いることが好ましい。このような無機微粒子は、トナーの流動性向上効果に優れるため、感光体1表面に残存するトナーが帯電ローラ2aとの対向面においてもすり抜けやすくなり、帯電ローラ2a表面への付着を防止することができる。
また、帯電ローラ2a表面への付着防止効果を一層向上させるために、トナーに潤滑剤を外添してもよい。潤滑剤としては、例えば、オレイン酸鉛、オレイン酸亜鉛、オレイン酸銅、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸鉄、ステアリン酸銅、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸銅、リノレン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩類や、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリトリフルオロクロルエチレン、ジクロロジフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−オキサフルオロプロピレン共重合体等のフッ素系樹脂が挙げられる。
トナーに潤滑剤を外添することの効果は、この他に、クリーニング工程においてクリーニングブレード8aによるストレスを受けたトナー表面から潤滑剤が脱離して、感光体1表面に薄膜を形成し、感光体1表面の摩擦係数を低下させるということが挙げられる。これにより、転写性、クリーニング性の向上効果が得られるため、クリーニングブレード8aをすり抜けて帯電ローラ2aとの対向面に達する残存トナー量を低減させることもできる。
上記潤滑剤の添加量は、トナーの0.1〜2.0wt%の範囲にあることが好ましい。添加量が0.1%未満では潤滑剤としての効果を十分得られず、また、2.0%を越えると逆に帯電ローラ2a表面に付着して汚染物質となるため、好ましくない。
次に、トナーの製造方法について説明する。ここでは、好ましい製造方法について示すが、これに限られるものではない。
(トナーの製造方法)
本発明に係るトナーは、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤とを有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系媒体中で架橋及び/又は伸長反応させて製造することができる。
1)着色剤、未変性ポリエステル、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー、離型剤を有機溶媒中に分散させトナー材料液を作る。
有機溶媒は、沸点が100℃未満の揮発性であることが、トナー母体粒子形成後の除去が容易である点から好ましい。具体的には、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。有機溶媒の使用量は、ポリエステルプレポリマー100重量部に対し、通常0〜300重量部、好ましくは0〜100重量部、さらに好ましくは25〜70重量部である。
2)トナー材料液を界面活性剤、樹脂微粒子の存在下、水系媒体中で乳化させる。
水系媒体は、水単独でも良いし、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などの有機溶媒を含むものであってもよい。
トナー材料液100重量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー材料液の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。20000重量部を超えると経済的でない。
また、水系媒体中の分散を良好にするために、界面活性剤、樹脂微粒子等の分散剤を適宜加える。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
また、カチオン性界面活性剤としては、フルオロアルキル基を右する脂肪族1級、2級もしくは2級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6−C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−121(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキンエ業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−132(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
樹脂微粒子は、水系媒体中で形成されるトナー母体粒子を安定化させるために加えられる。このために、トナー母体粒子の表面上に存在する被覆率が10〜90%の範囲になるように加えられることが好ましい。例えば、ポリメタクリル酸メチル微粒子1μm、及び3μm、ポリスチレン微粒子0.5μm及び2μm、ポリ(スチレン―アクリロニトリル)微粒子1μm、商品名では、PB−200H(花王社製)、SGP(総研社製)、テクノポリマーSB(積水化成品工業社製)、SGP−3G(総研社製)、ミクロパール(積水ファインケミカル社製)等がある。
また、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等の無機化合物分散剤も用いることができる。
上記の樹脂微粒子、無機化合物分散剤と併用して使用可能な分散剤として、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸−β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−β−ヒドロキシエチル、アクリル酸−β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの含窒素化合物、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。この中でも、分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは40〜98℃である。
3)乳化液の作製と同時に、アミン類(B)を添加し、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)との反応を行わせる。
この反応は、分子鎖の架橋及び/又は伸長を伴う。反応時間は、ポリエステルプレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)との反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
4)反応終了後、乳化分散体(反応物)から有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥してトナー母体粒子を得る。
有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に層流の攪拌状態で昇温し、一定の温度域で強い攪拌を与えた後、脱溶媒を行うことで紡錘形のトナー母体粒子が作製できる。また、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、トナー母体粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
本発明において、有機溶媒の除去前の液攪拌の強さと有機溶媒の除去時間によりトナー平均円形度の制御が可能となる。ゆっくり脱溶媒することにより、形状は平均円形度で表わすと0.98以上で真円に近づき、攪拌を強く短時間に脱溶媒を行うことにより、凹凸状や不定形になり、平均円形度で表わすと0.90〜0.95になる。水系媒体中に乳化分散させさらに反応させた後の乳化液を脱液媒中に攪拌槽にて温度30〜50℃の強い攪拌力で攪拌しながら脱液媒を行うことにより、平均円形度の制御が可能で0.85〜0.99の範囲の形状制御が可能となる。これは造粒中に含有される酢酸エチル等の有機溶媒が急激に除去されることにより体積収縮が起ったものと考えられる。
前記液状媒体の除去は、乳化分散液を乾燥雰囲気中に噴霧して、有機溶媒を完全に除去してトナー微粒子を形成するとともに、水系分散剤を蒸発除去する方法を採用することも可能である。乳化分散液が噴霧される乾燥雰囲気としては、空気、窒素、炭酸ガス、燃焼ガス等を加熱した気体、好ましくは使用される最高沸点の液状媒体のその沸点以上の温度に加熱された各種気流が用いられる。スプレイドライアー、ベルトドライアー、ロータリーキルンなどの短時間の処理で高品質トナーが得られる。
反応後の分散液を、その反応後脱溶媒するまでの時間は、短時間であることが好ましいが、通常、25時間以内である。
5)上記で得られたトナー母体粒子に、荷電制御剤を打ち込み、ついで、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子等の無機微粒子を外添させ、トナーを得る。
荷電制御剤の打ち込み、及び無機微粒子の外添は、ミキサー等を用いた公知の方法によって行われる。
これにより、小粒径であって、粒径分布のシャープなトナーを容易に得ることができる。さらに、有機溶媒を除去する工程で強い攪拌を与えることで、真球状からラクビーボール状の間の形状を制御することができ、さらに、表面のモフォロジーも滑らかなものから梅干形状の間で制御することができる。
以上によって製造されたトナーは、磁性キャリアを使用しない1成分系の磁性トナー或いは、非磁性トナーとしても用いることができる。
また、2成分系現像剤に用いる場合には、磁性キャリアと混合して用いれば良く、磁性キャリアとしては、鉄、マグネタイト、Mn、Zn、Cu等の2価の金属を含むフェライトであって、体積平均粒径20〜100μmが好ましい。平均粒径が20μm未満では、現像時に感光体1にキャリア付着が生じやすく、100μmを越えると、トナーとの混合性が低く、トナーの帯電量が不十分で連続使用時の帯電不良等を生じやすい。また、Znを含むCuフェライトが飽和磁化が高いことから好ましいが、画像形成装置100のプロセスにあわせて適宜選択することができる。磁性キャリアを被覆する樹脂としては、特に限定されないが、例えばシリコーン樹脂、スチレン−アクリル樹脂、含フッ素樹脂、オレフィン樹脂等がある。その製造方法は、コーティング樹脂を溶媒中に溶解し、流動層中にスプレーしコア上にコーティングしても良く、また、樹脂粒子を静電気的に核粒子に付着させた後に熱溶融させて被覆するものであってもよい。被覆される樹脂の厚さは、0.05〜10μm、好ましくは0.3〜4μmがよい。
以下実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、部は重量部を示す。
〜有機微粒子エマルションの合成〜
製造例1
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業製)11部、スチレン83部、メタクリル酸83部、アクリル酸ブチル110部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部を加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[微粒子分散液1]を得た。[微粒子分散液1]をレーザー回折式粒度分布測定器(LA−920 島津製作所製)で測定した体積平均粒径は、105nmであった。[微粒子分散液1]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のTgは59℃であり、重量平均分子量は15万であった。
〜水相の調整〜
製造例2
水990部、[微粒子分散液1]99部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(エレミノールMON−7 三洋化成工業製)35部、酢酸エチル60部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相1]とする。
〜低分子ポリエステルの合成〜
製造例3
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物529部、テレフタル酸208部、アジピン酸46部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧下230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時聞反応した後、反応容器に無水トリメリット酸44部を入れ、180℃、常圧で1.8時間反応し、[低分子ポリエステル1]を得た。[低分子ポリエステル1]は、数平均分子量2500、重量平均分子量6700、ピーク分子量5000、Tg43℃、酸価25であった。
〜中間体ポリエステルの合成〜
製造例4
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧下230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応した[中間体ポリエステル1]を得た。[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2100、重量平均分子量9500、Tg55℃、酸価0.5、水酸基価51であった。
次に、冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、[中間体ポリエステル1]410部、イソホロンジイソシアネート89部、酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応し、[プレポリマー1]を得た。[プレポリマー1]の遊離イソシアネート重量%は、1.53%であった。
〜ケチミンの合成〜
製造例5
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、イソホロンジアミン170部とメチルエチルケトン75部を仕込み、50℃で5時間反応を行い、[ケチミン化合物1]を得た。[ケチミン化合物1]のアミン価は418であった。
〜マスターバッチの合成〜
製造例6
水1200部、カーボンブラック(Printex35 デクサ製)540部〔DBP吸油量=42ml/100mg、pH=9.5〕、 ポリエステル樹脂1200部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合し、混合物を2本ロールを用いて150℃で30分混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、[マスターバッチ1]を得た。
〜油相の作製〜
製造例7
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[低分子ポリエステル1]378部、カルナウバワックス110部、帯電制御剤(サリチル酸金属亜鉛塩E−84:オリエント化学工業製)32部、酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却した。次いで容器に[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液1]を得た。
[原料溶解液1]1324部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、カーボンブラック、ワックスの分散を行った。次いで、[低分子ポリエステル1]の65%酢酸エチル溶液1324部加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[顔料・WAX分散液1]を得た。[顔料・WAX分散液1]の固形分濃度(130℃、30分)は50%であった。
〜乳化、脱溶剤〜
(実施例1)
[顔料・WAX分散液1]749部、[プレポリマー1]を115部、[ケチミン化合物1]2.9部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで1分間混合した後、容器に[水相1]1250部を加え、TKホモミキサーで、回転数12,500rpmで30分間混合し[乳化スラリー1]を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー1]を投入し、40℃で5時間脱溶剤した後、45℃で4時間熟成を行い、[分散スラリー1]を得た。
〜洗浄、乾燥〜
[分散スラリー1]100部を減圧濾過した後、
(i) 濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(ii) (i)の濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。
(iii) (ii)の濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(iv) (iii)の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過する操作を2回行い[濾過ケーキ1]を得た。
[濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い[トナー1]を得た。本トナーの重量平均粒径は4.9μmで、平均円形度は0.96であった。
〜外添加剤添加〜
次いで、[トナー1]100部に疎水性シリカ0.7部をヘンシェルミキサーにて混合してトナーの作製を完了した。
(実施例2)
実施例1の[乳化スラリー1]の脱溶剤の条件を、35℃で7時間に変更し[分散スラリー2]を得た。それ以外は、すべて実施例1と同様にして[トナー2]を得た。
(比較例1)
実施例1の[乳化スラリー1]の脱溶剤の条件を、40℃で2時間に変更し[分散スラリー3]を得た。それ以外は、すべて実施例1と同様にして[比較トナー1]を得た。
(比較例2)
製造例2の水相の調整で、[微粒子分散液1]の添加量を99部から60部に変更した以外は同様にして[水相2]を作製し、それ以外は実施例1と同様にして[比較トナー2]を得た。
(比較例3)
製造例2の水相の調整で、[微粒子分散液1]の添加量を99部から155部に変更した以外は同様にして[水相3]を作製し、それ以外は実施例1と同様にして[比較トナー3]を得た。
(比較例4)
ポリエステル樹脂(ビスフェノールAのPO付加体、テレフタル酸、トリメリット酸から合成された、1/2流出温度が135℃のポリエステル樹脂) 87部
マスターバッチ1 16部
カルナウバワックス 5部
帯電制御剤(サリチル酸金属亜鉛塩E−84:オリエント化学工業) 2部
を一軸型連続混練装置(BUSSニーダー)にて溶融混練、粉砕、分級の順で処理してトナー母体粒子を得た後、図7に示す表面改質処理装置により、トナー母体粒子に300℃の熱風を供給量5kg/hで吹き付け、更に2℃の冷却空気で急速冷却した。その後、実施例1と同様の疎水性シリカを外添混合処理して[比較トナー4]を得た。
上記で得られたトナーの評価結果を表1に示す。
また、上記トナーを用い、リコー製imagio NEO 450改造機(帯電部材の当接圧可変、プロセススピード254mm/sec)により、1,000枚コピーするごとに、感光体を取り出して、クリーニング部位、帯電部位の観察を行った。その結果を表1に併せて示す。尚、評価項目及び評価基準は以下の通りである。
1)ブレードクリーニング性
○:クリーニングブレードを通過するトナーは極少量であった。
△:クリーニングブレードを通過するトナーは少量であった。
×:クリーニングブレードを通過するトナーは多量であった。
2)帯電ローラすり抜け性
○:クリーニングブレードを通過したトナーの略全量が帯電ローラを通過していた。
△:クリーニングブレードを通過したトナーが、ときどき帯電ローラを通過できないときがあった。
×:クリーニングブレードを通過したトナーが、帯電ローラと感光体との接触部位で微量ながらたまっていた。
3)帯電ローラへの付着性
○:1,000枚プリントした後の観察では、トナーが帯電ローラに付着しているが融着していなかった。
×:1,000枚プリントした後の観察では、帯電ローラに付着したトナーが融着していた。
4)帯電ローラ汚染ランク
1:全面的にトナーの融着がある。
3:帯電ローラ汚染はあるが、帯電不良等に基づく異常画像は発生していない。
5:帯電ローラはほとんど汚染していない。
上記を目安に、ランク1〜5の間で評価した。
Figure 0004091904
更に、各実施例及び比較例の感光体周りの評価結果を表2にまとめて示す。表2より、本発明に係るトナーを用いた実施例1及び2は、ブレードクリーニング性が良好であると共に、クリーニングブレードを通過する少量のトナーが帯電ローラ表面を汚染することもなく、良好に画像形成を継続できることが分かった。
Figure 0004091904
本発明の画像形成方法を実行するための画像形成装置の概略構成を示す図である。 図1に示す画像形成装置の感光体周囲の構成を示す図である。 接触方式の帯電装置の構成を示す図である。 近接方式の帯電装置の構成を示す図である。 帯電ローラの当接圧の測定方法を説明する図である。 本発明に係るトナーの断面を模式的に示す図である。 トナー粒子の表面改質処理装置の構成を示す図である。
符号の説明
1 感光体(像担持体)
2 帯電装置
2a 帯電ローラ
3 露光装置
4 現像装置
6 転写装置
7 定着装置
8 クリーニング装置
8a クリーニングブレード

Claims (12)

  1. ローラ状の帯電部材を像担持体に当接圧0.23N/cm以下で接触又は近接させて、帯電部材に電圧を印加して像担持体表面を帯電する帯電工程と、帯電した像担持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、像担持体表面に形成された静電潜像にトナーを供給して可視像化する現像工程と、像担持体表面に形成されたトナー像を被転写体に転写する転写工程と、転写工程後の像担持体表面をクリーニングするクリーニング工程を有する画像形成方法において、
    プロセススピードは240mm/sec以上であって、
    前記現像工程で使用されるトナーは、
    (a)平均円形度が0.95〜1.00であり、
    (b)重量平均粒径(D4)が2.5〜6.5μmであり、
    (c)離型剤を含有し、離型剤のほぼ全量がトナー内部に存在し、トナー表面に存在する離型剤は前記クリーニング工程において像担持体表面に対して滑性を付与し、
    (d)前記帯電部材と前記像担持体との間において、又は前記帯電部材と前記帯電部材をクリーニングする部材との間において加圧された状態でトナー内部の離型剤がトナー表面に染み出してこない
    ことを特徴とする画像形成方法。
  2. ローラ状の帯電部材を像担持体に当接圧0.23N/cm以下で接触又は近接させて、帯電部材に電圧を印加して像担持体表面を帯電する帯電工程と、帯電した像担持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、像担持体表面に形成された静電潜像にトナーを供給して可視像化する現像工程と、像担持体表面に形成されたトナー像を被転写体に転写する転写工程と、転写工程後の像担持体表面をクリーニングするクリーニング工程を有する画像形成方法において、
    プロセススピードは240mm/sec以上であって、
    前記現像工程で使用されるトナーは、
    (a)平均円形度が0.95〜1.00であり、
    (b)重量平均粒径(D4)が2.5〜6.5μmであり、
    (c)内部に離型剤を含有し、離型剤粒子のトナー表面までの距離が平均で0.01〜1.5μmである
    ことを特徴とする画像形成方法。
  3. ローラ状の帯電部材を像担持体に当接圧0.23N/cm以下で接触又は近接させて、帯電部材に電圧を印加して像担持体表面を帯電する帯電工程と、帯電した像担持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、像担持体表面に形成された静電潜像にトナーを供給して可視像化する現像工程と、像担持体表面に形成されたトナー像を被転写体に転写する転写工程と、転写工程後の像担持体表面をクリーニングするクリーニング工程を有する画像形成方法において、
    プロセススピードは240mm/sec以上であって、
    前記現像工程で使用されるトナーは、
    (a)平均円形度が0.95〜1.00であり、
    (b)重量平均粒径(D4)が2.5〜6.5μmであり、
    (c)内部に離型剤を含有し、動摩擦係数が0.18〜0.45である
    ことを特徴とする画像形成方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成方法において、 前記現像工程で使用されるトナーの平均円形度は、0.98〜1.00である ことを特徴とする画像形成方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成方法において、 前記帯電工程は、帯電部材表面と像担持体表面との隙間を(2×D4)〜70μmとして、帯電部材と像担持体とを近接させて行う ことを特徴とする画像形成方法。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成方法において、 前記トナーに含有される離型剤は、ライスワックス及び/又はエステルワックスである ことを特徴とする画像形成方法。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載の画像形成方法において、 前記トナーに含有される離型剤は、0.3〜1.0μmの平均分散径でトナー内部に分散している ことを特徴とする画像形成方法。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載の画像形成方法において、 前記トナーは、疎水化処理された無機酸化物微粒子を外添してなる ことを特徴とする画像形成方法。
  9. 請求項1ないし8のいずれかに記載の画像形成方法において、 前記トナーは、潤滑剤を外添してなる ことを特徴とする画像形成方法。
  10. 請求項1ないし9のいずれかに記載の画像形成方法において、 前記トナーは、含フッ素化合物からなる帯電制御剤を含有する ことを特徴とする画像形成方法。
  11. 請求項1ないし10のいずれかに記載の画像形成方法において、 前記トナーは、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤とを有機溶媒中に分散させたトナー材料液を、水系媒体中で架橋及び/又は伸長反応させて得られる ことを特徴とする画像形成方法。
  12. 静電潜像を担持する像担持体と、像担持体表面に均一に帯電を施す帯電手段と、帯電した像担持体の表面に画像データに基づいて露光し、静電潜像を書き込む露光手段と、像担持体表面に形成された静電潜像にトナーを供給し、可視像化する現像手段と、像担持体表面のトナー像を被転写体に転写する転写手段と、転写後の像担持体表面をクリーニングするクリーニング手段とを備える画像形成装置において、
    前記画像形成装置は、請求項1ないし11のいずれかに記載の画像形成方法を実行する ことを特徴とする画像形成装置。


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