JP2006099148A - トナーの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】透明性と着色力とのバランスの取れたトナーを製造して、印刷に迫る高濃度・高品質を達成する。
【解決手段】顔料とバインダー樹脂とを含むトナーを製造するにあたり、顔料の平均粒子径が、可視光領域における当該顔料の有する固有吸収波長領域の最小波長の1/2の値以上、最大波長の1/2の値以下となるように調整するステップと、また、トナー中の顔料濃度が、4重量%以上20重量%以下となるように調整するステップとを含む。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真に用いられるトナーと、そのトナーの製造方法および画像形成装置に関するものであり、特に、平版印刷、グラビア印刷等と同程度に優れた画質を提供できるトナーと、そのトナーの製造方法および画像形成装置とに関するものである。
現在、カールソン方式に代表される電子写真方式による画像形成装置は、その高速記録性・高画質・ノンインパクト性という利点を有しているために、広く普及している。
そして、この電子写真方式の画像形成装置では、感光体への均一帯電、画像情報の光による書き込み(潜像形成)、現像剤によるトナー像の形成、シート(普通紙、OHP(オーバーヘッドプロジェクター)等)へのトナー像の転写、トナー像の定着、を基本プロセスとしている。
特に、近年では、画像出力情報のデジタル化に伴って進み、より高画質な出力画像が求められている。上記の高画質な画像を得るためには、画像を構成する画素と呼ばれるドットの集合および配列を微細(微小)にすることが挙げられる。
そのため、感光体への潜像形成には、微小スポット(微小ドット)を形成できる、すなわち高分解能を有する光学系、例えば、レーザー光、LEDアレイ光を用いる方式が、白色光を用いる方式に代わりに普及してきている。
そして、最近の開発により、光記録ヘッド等の光学系(記録光学系)では、高速性・高解像度を目指した可変スポットレーザー記録方式、マルチレーザービーム記録方式、あるいは、1200dpiLED記録ヘッド、超精密・超高速ポリゴンミラー等が実現されている。
そして、このような光学系の開発に伴って、高画質な画像を得るために(高画質設計のために)必要な、トナー粒子径の小粒径化、現像・転写時のトナー飛び散りの最小限化等の開発もなされている。すなわち、画像データをいかに電子写真法の持つ画像再現特性に見合うように加工するかの画像処理の技術開発が行われている。
ここで、画像処理の技術開発における、トナーの開発に着目してみる。
トナーは、着色剤として顔料を含んでいる。しかし、従来トナーは顔料の含有率が低いため、画像形成を行った際、所定濃度を得るために定着後のトナー層の厚さが高くなる。例えば、色の異なるトナーを順次重ねて形成されるカラートナー像では、10〜20μmの厚さとなり、平版印刷のインク層厚の10倍〜20倍となっている。
このため、トナー像の印刷物は、平版印刷物等と比較すると、画像部・非画像部の表面平滑性(レベリング性)の点で劣ってしまい、著しい反射率の差異が生じる。
また、印刷インクと比べて顔料の含有率が低いために平版印刷ほどの高濃度も出せない。
このような反射率・濃度の問題を解決する方法の一つとして、カラー有機顔料を微細化・高分散化して、トナーの着色力・彩度・透明性を改善することが良く知られている。
例えば、特許文献1では、着色力・彩度・透明性を考慮して、結着樹脂と着色剤(色剤)との樹脂マトリックス中において、着色剤の平均粒子径(分散粒子径)を、0.05〜0.11(μm)としている。また、特許文献2では、イエロートナー中での着色剤の1次粒径を特定している。
また、特許文献3では、高画質化と現像性を両立できる技術として、トナーの体積平均粒子径と着色剤含有量との関係が開示されている。
また、トナー・着色剤の粒子径を調整する以外の方法として、特許文献4では、OHP用シート上でのマゼンタトナー・イエロートナー・シアントナーからなる多色刷り画像の色が黒っぽくならないようにする、各色トナーの吸光度特性が示されている。
特開平6−250444号公報 特開平10−282719号公報 特開平9−114127号公報 特開平10−268564号公報
しかしながら、上記した特許文献1での、着色剤の分散粒子サイズでは、平版印刷・グラビア印刷等と同程度の高着色力・高品位画像(透明性と着色力とのバランスのとれた画像)を得るには分散粒子径が小さすぎる(不適切である)。
また、特許文献2での、イエロートナーの着色剤の1次粒径は、イエロートナーの明度を一定に保つことで色相の赤味移行を起こさせ、赤系統の再現性の向上を図るものである。しかし、赤系統の再現性は向上しても、他の色系統の再現性を考慮していないため、高画質を図る(高品位画像を得る)には限界が生じ、印刷インク並の高品位画像を得ることができない。
また、特許文献3では、トナー粒子径の変動により変化させたトナー単位重量当たりの帯電量と、着色剤の含有量とのバランスをとり、現像性を高めている(適性濃度の実現とカブリ防止)。したがって、トナー画像の透明性・着色性を考慮しておらず、高画質を図るには限界が生じる。
また、特許文献4での、各色トナーの吸光度特性では、高品位画像を得るには、不適切な範囲にある。その上、着色剤の含有量を高濃度化し、さらに、各色トナーの顔料の平均粒子径を異なった値とした上、非固有吸収波長領域での最大透過率と固有吸収波長領域での最小透過率との比を所定値以上に設計したトナーを用いるという技術思想はない。
本発明では上記問題点を解決しようとしてなされたものであり、着色剤と、着色力・透明性等の特性との相関性を考慮した上で、顔料の平均粒径の最適設計を行う、すなわち、可能な限り着色剤の濃度を高めつつ、マトリックス樹脂(バインダー樹脂)中で、顔料の高分散状態を図れるような顔料の平均粒子径を有する、透明性と着色力とのバランスの取れたトナーを提供することである。
本発明のトナーの製造方法は、上記の課題を解決するために、顔料とバインダー樹脂とを含むトナーの製造方法であって、上記顔料の平均粒子径が、可視光領域における当該顔料の有する固有吸収波長領域の最小波長の1/2の値以上、最大波長の1/2の値以下となるように調整するステップと、トナー中の顔料濃度が、4重量%以上20重量%以下となるように調整するステップとを含むことを特徴としている。
このような製造方法で作成することで、顔料は、トナー中で、分散安定性の高い状態(高分散状態)を実現でき、トナーの着色力と透明性とのバランスが最適化される(バランスがとれる)。その上、上記のように高い顔料比率(4重量%以上20重量%以下)にしている。そのため、透明性と着色力とのバランスの取れたトナーを製造することができ、印刷に迫る高濃度・高品質を達成できる。なお、上記の最適化とは、所望の着色力と透明性とを両立させることである。
また、上記本発明のトナーの製造方法においては、上記顔料がイエロー顔料である場合は、顔料の平均粒子径を調整する上記ステップにおいて、190nm以上250nm以下となるように調整することが好ましく、同様に、上記顔料がマゼンタ顔料である場合は、顔料の平均粒子径を調整する上記ステップにおいて、200nm以上300nm以下となるように調整すること、上記顔料がシアン顔料である場合は、顔料の平均粒子径を調整する上記ステップにおいて、260nm以上360nm以下となるように調整することがそれぞれ好ましい。
また、上記本発明のトナーの製造方法においては、顔料の平均粒子径を調整する上記ステップが、バインダー樹脂及び顔料を含む混合物を、当該バインダー樹脂のガラス転移温度の2倍以下の温度にて溶融混練するステップを含む、或いは、さらに、顔料中の水分を除去するステップを含むことを特徴することもできる。
また、本発明の別のトナーの製造方法は、上記課題を解決するために、バインダー樹脂中に顔料を予備混練分散させて組成物を生成した後に、少なくとも上記組成物およびバインダー樹脂を加えて混合し、さらに、この混合物を溶融混練して均一分散させる方法であって、上記の溶融混練の際、上記バインダー樹脂のガラス転移温度の2倍以下の温度にすることを特徴としている。この場合、顔料中の水分を除去してから、予備混練分散させることがさらに好ましい。
通常、溶融混練の際、温度上昇が起きるが、比較的に温度上昇が高いと、顔料の平均粒子径および分光吸収波長領域(分光吸収特性)に影響を及ぼす。
しかし、上記の構成によれば、分散安定性の高い状態(高分散状態)を実現できる平均粒子径(分散粒子径)となる顔料を含むトナーを製造することができる。
本発明のトナーの製造方法は、以上のように、顔料とバインダー樹脂とを含むトナーの製造方法であって、上記顔料の平均粒子径が、可視光領域における当該顔料の有する固有吸収波長領域の最小波長の1/2の値以上、最大波長の1/2の値以下となるように調整するステップと、トナー中の顔料濃度が、4重量%以上20重量%以下となるように調整するステップとを含むことを特徴としている。
このような製造方法で作成することで、透明性と着色力とのバランスの取れたトナーを製造することができ、印刷に迫る高濃度・高品質を達成できるという効果を奏する。
本発明の一実施の形態について説明すれば、以下のとおりである。なお、本発明はこれに限定されるものではない。
本実施の形態のトナー(電子写真用カラートナー)は、平版印刷・グラビア印刷等と同程度の高画質を得ることができるトナーであり、少なくとも、カラー有機顔料(着色剤)と、バインダー樹脂(結着樹脂)とを含有している。そして、特に下記の特定関係を有するカラー有機顔料(顔料)を含んで構成されていることを特徴としている。また、本発明の画像形成装置は、上記顔料を含んだトナーを用いるようになっている。
ところで、一般的に、顔料粒子の大きさは、その顔料の吸収波長の1/2以下になると透明になることは良く知られている。また、中心粒径として、50〜300nmの粒子径(着色剤粒子径)が好ましいといわれている。
そこで、本実施の形態のトナーでは、顔料の平均粒子径が、可視光領域(380以上780nm以下の波長範囲)で、その顔料の有する固有分光吸収波長領域(固有吸収波長領域)の最小波長の1/2以上、最大波長の1/2以下の範囲内の値であり、さらに、トナーにおける顔料の比率は4重量%以上20重量%以下である〔特定関係1〕。
上記の特定関係では、顔料は、マトリックス樹脂(結着樹脂)中で、分散安定性の高い状態(高分散状態)を実現できる平均粒子径(分散粒子径)になっている。また、このような高分散状態では、トナーの着色力と透明性とのバランスが最適化される(バランスがとれる)上、上記のように高濃度の顔料比率にすることで、印刷に迫る高濃度・高品質を達成できる。なお、上記の最適化とは、所望の着色力と透明性とを両立させることである。
また、以下のような、特定関係の顔料であっても、上記のような高分散状態(最適な分散状態)を実現できる。
その特定関係とは、可視光領域で、顔料の最小透過率を示す波長をλmin (nm)とした場合、その顔料の平均粒子径(平均粒径)が、((λmin/2)−50)nm以上((λmin /2)+50)nm以下であり、かつトナー中の顔料の比率は4重量%以上20重量%以下である〔特定関係2〕。
なお、この特定関係1・2をともに満たしていても、上記のような高分散状態(最適な分散状態)を実現できる。
ここで、可視光領域におけるトナー透過率の測定について説明するとともに、各色トナー(イエロートナー・マゼンタトナー・シアントナー)の測定結果を図1〜図3に示す。
なお、トナーが光を吸収する(トナーの透過率の低い)波長領域を固有吸収波長領域とし、トナーが光を透過する(トナーの透過率の高い)波長領域を非固有分光吸収波長領域(非固有吸収波長領域)としている。また、これらの図の詳細については〔実施例1〕にて後述する。トナーの透過率に最も影響を及ぼすものは顔料の粒子径と分散度である。
測定では、まず、トナーの薄層サンプルを作製する。そして、そのサンプルについて、分光光度計を用いて固有吸収波長領域での最小透過率を一定の値に調整した後、非固有吸収波長領域での最大透過率を測定する。このような測定だと、測定サンプル毎のトナー層厚の要因をなくすことができる。
また、トナー中(バインダー樹脂中)での顔料の分散粒子径は、電子顕微鏡(TEM)によって撮影した画像を画像処理することによって求められる。
通常、顔料に求められる理想的な分光吸収波長領域、すなわち理想的な固有吸収波長領域は、イエロートナーでは380nm以上500nm以下、マゼンタトナーでは500nm以上600nm以下、シアントナーでは600nm以上780nm以下となる。
そして、特定関係1で説明した、固有吸収波長領域における最大波長・最小波長の1/2の値は、イエロー顔料では190nm以上250nm以下、マゼンタ顔料では250nm以上300nm以下、シアン顔料では300nm以上390nm以下となる。
しかし、実際には、理想的な固有吸収波長領域を有する顔料は存在しづらいので、図1〜図3に示すように、固有吸収波長領域は、イエロートナーでは380nm以上500nm以下、マゼンタトナーでは400nm以上600nm以下、シアントナーでは520nm以上720nm以下となる。そのため、特定関係1で説明した、固有吸収波長領域における最大波長・最小波長の1/2の値は、イエロー顔料では190nm以上250nm以下、マゼンタ顔料では200nm以上300nm以下、シアン顔料では260nm以上390nm以下となる。
また、特定関係2で説明した、波長λmin (最小透過率を示す波長)は、イエロー顔料では400nm、マゼンタ顔料では540nm、シアン顔料では620nmとなる。したがって、(λmin /2)±50nmの範囲は、イエロー顔料では150nm以上250nm以下、マゼンタ顔料では220nm以下320nm以下、シアン顔料では260nm以上360nm以下となる。
以上より、特定関係1・2を満たす各色の顔料の分散粒子径(最適な分散を示す平均粒子径)は、イエロー顔料では150nm以上250nm以下、マゼンタ顔料では200nm以上320nm以下、シアン顔料では260nm以上390nm以下となる。
また、上記のように各色毎で、顔料の分散粒子径を異なった値とした上に、本実施の形態におけるトナーは、非固有吸収波長領域における最大透過率と、固有吸収波長領域における最小透過率との比率が、所定値以上となるようになっている。
このような吸収領域を持つトナーにすると、特定関係1・2以上に、トナー中の顔料が高分散状態となり、印刷並の高濃度・高画質できることが判った。
しかし、トナーにおける顔料の含有量が増えると、透過率は減少する。そのため、顔料の含有量に応じて、以下のような特定関係を規定する。
・トナーにおける顔料の比率が4重量%以上12重量%以下となる場合、非固有吸収波長領域(補色波長領域)における最大透過率aと、固有吸収波長領域での最小透過率cの比率が少なくとも30以上を示すような顔料〔特定関係3〕。
・トナーにおける顔料の比率が13重量%以上20重量%以下となる場合、非固有吸収波長領域(補色波長領域)における最大透過率aと、固有吸収波長領域での最小透過率cの比率(透過率比=a/c)が少なくとも25以上を示すような顔料〔特定関係4〕。
なお、特定関係3・4を満たすのみであっても、特定関係1・2同様、トナー中の顔料が高分散状態となり、印刷並の高濃度・高画質できる。
ところで、色によっては、トナーの非固有吸収波長領域は、可視光領域(380〜780nm)において、イエロートナー(500〜780nm)のように連続した波長領域とならない。例えば、マゼンタトナーでは380〜400nmと600〜780nmとなり、シアントナーでは380〜520nmと720〜780nmとなる。
そこで、本実施の形態のトナーの顔料では、上記のように可視光領域における非固有吸収波長領域が分離する状態を考慮して、より一層高分散状態を実現できる透過率比を求めてみたところ、マゼンタ顔料の場合、以下のような特定関係を規定するに至った。
・マゼンタトナーにおける顔料の比率が4重量%以上12重量%以下となる場合、600nm以上780nm以下の波長領域における最大透過率aと、固有吸収波長領域での最小透過率cの比率(透過率比=a/c)が少なくとも30以上を示し、380nm以上500nm以下の波長領域における最大透過率bと、固有吸収波長領域での最小透過率cとの比率(透過率比=b/c)が少なくとも23以上を示すような顔料〔特定関係5〕。
・マゼンタトナーにおける顔料の比率が13重量%以上20重量%以下となる場合、600nm以上780nm以下の波長領域(非固有吸収波長領域)における最大透過率aと、固有吸収波長領域での最小透過率cとの比率(透過率比=a/c)が少なくとも28以上を示し、380nm以上500nm以下の波長領域における最大透過率bと、固有吸収波長領域での最小透過率cとの比率(透過率比=b/c)が少なくとも20以上を示すような顔料〔特定関係6〕。
以上のような上記の特定関係3〜6を満たす顔料を含むトナーであれば、トナー中の顔料が高分散状態となり、透明性・着色力のバランスが最適化され、平版印刷に迫る高画質、高濃度画像が得られる。一方、これらの関係を満たさない場合、透明性の低下および彩度の低下をもたらす。
なお、特定関係3〜6における顔料の粒子径は、特に限定するものではないが、特定関係1・2を満たしている方が好ましい。
また、特定関係1〜6においては、全顔料中においてどの程度、分散粒子径が実現されているかが本発明の重要な要件となる。例えば、顔料の90%以上が分散粒子径であれば(最適設計値を満たしていれば)、ほぼ所定の比率以上のトナーとなる。
一方、最適設計値を満たさない顔料が10%以上になると、画像形成のプロセスにおいて、カラー自体の透明性・着色力のバランスが悪くなる。その結果、色度図でのカラー再現領域も小さくなり、平版印刷インキ画像との差異が顕著となる。
また、本実施の形態のトナーに含まれる顔料としては、公知のものを使用できる上、色純度・彩度・耐光性等から、特に、以下に示すものが好ましい。
イエロー顔料の場合、C.I.ピグメントイエロー74のモノアゾイエロー顔料、または、C.I.ピグメントイエロー128の縮合アゾ顔料、または、C.I.ピグメントイエロー151、180あるいは194のベンズイミダゾロン顔料が挙げられる。
マゼンタ顔料の場合、C.I.ピグメントレッド122、あるいは202のキナクリドン顔料、または、C.I.ピグメントレッド149、190、あるいは224のペリレン顔料、または、C.I.ピグメントレッド175、176あるいは185のナフトールAS−ベンズイミダゾロン顔料が挙げられる。
シアン顔料の場合、C.I.ピグメントブルー15:3あるいは15:4のフタロシアニン顔料が挙げられる。なお、C.I.とはカラーインデックスを示している。
次に、トナーの製造工程について説明する。
まず、バインダー樹脂中に顔料を予備混練分散(加圧混練して分散)させて組成物を生成し〔前処理行程〕、この組成物(予備混練物(マスターバッチ品))の主成分に応じて帯電制御剤、定着離型剤類、分散剤といった添加剤材料、およびバインダー樹脂を加えて混合機で乾式混合する、すなわち、混合物を製造する〔混合工程〕。その後、混練機で混合物を溶融混練して均一分散させる、すなわち混練分散物を製造する〔溶融混練分散工程〕。その後、混練分散物を冷却・粉砕して、分級する〔冷却・粉砕工程および分級工程〕。そして、最後に、流動性・摩擦帯電性・クリーニング性等を向上させる目的で、分級された材料にシリカ微粉体、酸化チタン、アルミナ等を付着させる〔表面処理行程〕。
なお、上記のトナー製造工程においては、前処理を行なわずに、直接顔料・バインダー樹脂・トナー・帯電制御剤等を乾式混合して、トナーを製造しても構わない。また、これらの製造法は、いわゆる乾式法である。
ところで、上記のトナー製造工程においては、溶融混練工程の際、温度上昇が起きてしまう。そして、この温度上昇が比較的大きい場合、顔料の平均粒子径および分光吸収波長領域(分光吸収特性)に影響を及ぼす。
そこで、本実施の形態では、トナーの製造工程においては、溶融混練分散工程での温度を、バインダー樹脂のガラス転移温度(Tg)の2倍以下となるように制御するようにした。すると、上述の特定関係1〜6の顔料を含むトナーを製造できることが判った。
なお、上記の温度維持を図るため、溶融混練分散工程で使用する混練機としては、例えば、冷却部を有する2本ロールで、強い剪断力を与えることのできるものがよい。逆に、例えば、通常のトナー製造で用いられる閉鎖系二軸押出機の場合、バインダー樹脂のTgよりも2倍以上の温度に到達するため、特定関係1〜6の顔料を含むトナーを生成することが難しい。
また、前処理工程で、以下のような顔料中の水分を除去する処理を行い、その処理された組成物(予備混練物)を、所定の樹脂(バインダー樹脂)・添加物とともに混合・混練(希釈混練)等してトナーを製造すると、より高い顔料の分散状態を得ることができ、かつ着色力・透明性に優れたトナーとなることが判った。
・マスターバッチ処理…ドライアップ(乾燥)された20〜60重量%の顔料を、40〜80重量%の無色樹脂に加えて、予備混練分散させること。
・アシッドペースト処理、またはアシッドスラリー処理…硫酸等で酸化処理した顔料(水分を除去する処理をした顔料)を、無色樹脂に加えて、予備混練分散させること。
・フラッシング処理…フラッシング法により得られる30〜80重量%の含水顔料ぺ一ストを、20〜70重量%の無色樹脂に加えて、予備混練分散させること。なお、無色樹脂とは、バインダー樹脂(トナー構成物)と同種あるいは別種の樹脂のことである。
また、フラッシング法とは、合成した直後の顔料を水相から樹脂相に転送する方法である。
さらに、上記のトナー製造工程によって、製造された本実施の形態のトナーは、3μm以上8μm以下の平均粒子径(重量平均粒子径)を有するようにしている。
例えば、トナーの平均粒子径が8μmより大きい場合、転写時のトナー層厚を薄くすることはできるが、定着後のトナー層厚が厚くなり、透明性の低下をもたらしてしまうという問題がある。一方、3μmより小さい場合、トナーの流動性が著しく低下してしまうという問題がある。しかし、上記の3μm以上8μm以下の平均粒子径のトナーであれば、かかる問題は発生しない。
また、トナーの体積抵抗率を1011Ω・cm以上にすると、顔料濃度(トナー中の顔料の濃度)を高めたときにも、顔料は高分散状態となり、特定関係3〜6の透過率比となりやすい。また、顔料が、所定の分散粒子径となっていない場合、体積抵抗率が低下し、好ましくない。なお、体積抵抗率が低下すると、転写効率も低下する。
また、トナーを構成するバインダー樹脂は、優れた透過特性・溶融特性を示すものであれば、特に樹脂の種類は限定されるものではないが、充分な溶融状態であると判定できる光沢度15以上の値が得られるものが好適であり、特に、ポリエステル樹脂・ポリエーテルポリオール樹脂が好適に用いられている。
また、実際に製品化されているトナーの顔料濃度は、4重量%前後である。しかし、高濃度印刷による高画質化を狙うには、4重量%以上20重量%以下が好ましく、最も好ましくは8重量%以上16重量%以下である。なお、トナー自体のほとんどがバインダー樹脂で構成されているため、顔料濃度は、バインダー樹脂中に含まれる濃度といってもよい。
また、例えば、キャリアによって着色粒子がトナーとしての充分な帯電性を有する場合、混合工程では、帯電制御剤を添加しなくてもよい。しかし、安定した帯電性が得られない場合には、帯電性を補助するために、バインダー樹脂100重量部に対して、例えば、1〜2重量部程度の帯電制御剤の添加が好ましい。
また、定着離型剤は、例えば、バインダー樹脂100重量部に対して、1〜5重量部程度添加してもよい。帯電制御剤・定着離型剤のどちらであっても、光散乱による透過率の低下を引き起こさないような高分散状態にする必要がある。
また、本実施の形態のトナーは、顔料の平均粒径(サイズ)と分散状態とを制御すれば上記の乾式法とは異なる湿式法でも製造できる。したがって、懸濁法、乳化凝集法、液中乾燥法等のいわゆる湿式法を用いてもよい。
また、上述のトナーの製造工程で使用する混合機には、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)、スーパーミキサー(川田社製)、メカノミル(岡田精工社製)等のヘンシェルタイプを用いてもよいし、オングミル(ホソカワミクロン社製)、ハイブリダイゼーションシステム(奈良機械製作所製)、コスモシステム(川崎重工業社製)等を用いてもよい。また、混練機は、ニーディックス(三井鉱山社製)等のオープンロール方式を用いてもよい。
また、トナーの顔料濃度は、バインダー樹脂に対して4重量%以上20重量%以下が好ましいが、特に、高濃度印刷による高画質化を狙うには、実用的に使用されている含有量の2倍〜5倍を用いるのが良く、最も好ましくは8重量%以上16重量%以下であるともいえる。
また、顔料の含有量を通常使用量(4重量%前後)の2倍〜5倍とし、シート(メディア)上での定着トナー層厚を薄くして、単位体積当たりの顔料濃度を高くするほど、平版印刷並の高濃度画像(光学濃度2以上)と高品質画像とが得られるともいえる。なお顔料の含有量は、4重量%未満の場合、高着色力化が難しくなり、また、20重量%を越える場合、高分散化が困難となり、所望の透明性の確保ができなくなるともいえる。
また本発明の画像形成装置(本画像形成装置)は、感光体への均一帯電を行い、さらに、その帯電を光で除去して潜像を形成し、その潜像にトナーを含んだ現像剤でトナー像に現像した後、シートへトナー像の転写・定着を行なう画像形成装置であって、本実施の形態のトナーを用いるようになっている。
本画像形成装置の一例としては、複数の感光体を直列に配置し、その各感光体に備えられている現像器によって、各成分色の画像をほぼ同時に形成して、カラー画像形成を行なうタンデム方式の画像形成装置(タンデム機)を挙げることができる。
この画像形成装置は、図4に示すように、書き込み光学系11、感光体12(12a〜12d)、帯電器13(13a〜13d)、現像器14(14a〜14d)、クリーナー15(15a〜15d)、転写チャージャー(不図示)、搬送ベルト16、および定着器(不図示)の各部材から構成されている。そして、感光体12は、シートの搬送方向(矢印R)に沿って、ブラック(K)(感光体12a)、マゼンタ(M)(感光体12b)、シアン(C)(感光体12C)、イエロー(Y)(感光体12d)の順で配置されている。
書き込み光学系11は、例えば、レーザービーム(走査ビーム)を各感光体12(12a〜12d)に向けて(矢印S参照)照射、すなわち、各感光体12(12a〜12d)を走査(露光)する装置である。
感光体12は、感光層が形成されたドラムであり、帯電器13は、電圧を印加させて感光体12を帯電させるものである。
現像器14は、静電潜像の形成された感光体12にトナーを供給することにより、この静電潜像をトナー像に現像するものである。
クリーナー15は、シート(紙やOHP等)へのトーナー像の転写が終了した後、感光体12上に残ったトナー(残留トナー)を回収するものである。
転写チャージャーは、現像器14により生成(現像)されたトナー像を、シートに転写させるものであり、搬送ベルト16の環の内部に位置し、かつこの搬送ベルト16を感光体12と挟持するようになっている。
搬送ベルト16は、感光体12(12a〜12d)の下方に配置されており、感光体12の全長と略同じ長さのベルト幅を有する環状ベルトである。そして、この搬送ベルト16は、シートを静電吸着させながら搬送するものである。
定着部は、上記搬送ベルト16より送られてくるトナー像の転写されたシートを加熱して、このトナー像を定着させるものである。
そして、本画像形成装置には、さらに、上記の各部材を制御する制御CPU21が備えられている。
この制御CPU21は、以下のように各部材を動作させて、画像形成を行うようにする。
まず、制御CPU21(Central Processing Unit)は、感光体12を、帯電器13により帯電させる。そして、書き込み光学系11で、この帯電した感光体12に対して光を照射させ、該感光体12上の帯電を除去(除電)し、静電潜像を生成する。
次に、制御CPU21は、現像器14で、この静電潜像にトナーを供給して、該静電潜像をトナー像に現像する。
そして、制御CPU21は、搬送ベルト16で、シートを感光体12に向けて搬送させる。さらに、この搬送、すなわちシートを感光体12a→12b→12c→12dの順で搬送させる際、転写チャージャーによって、上記の順で該感光体12からシートにトナー像を転写させる。なお、上記の感光体の12b、12c、12dの順に、透明性の低いトナー像(例えば、感光体12bにマゼンタトナー像、感光体12cにシアントナー像、感光体12dにイエロートナー像)が転写されるようになっている。
そして、上記の転写終了後、つまり、全色のトナー像が重ねて転写されたシートを定着部に搬送させ、該シートにトナー像を定着させ、排紙させる。
なお、制御CPU21は、上記のトナー像のシートへの転写の際、転写しきれず感光体12上に残ったトナーは、クリーナー15(15a〜15d)によって感光体12上から回収させる。
本実施の形態のトナーでは、顔料は最適な分散状態(分散安定性の高い状態)を実現できる平均粒子径(分散粒子径)であるため、トナーの着色力と透明性とのバランスが最適化されている。また、高濃度の顔料比率でもある。したがって、上述した本画像形成装置に、このトナーを用いると、印刷に迫る高濃度・高品質の画像をシートに印刷できる。
また、トナーには、色毎に透過特性(透明性)に差が出る(後に表記する表4参照)。そこで、本画像形成装置(多色刷り方式のカラー画像形成装置)は、制御CPU21によって、透明性の低い順(例えば、マゼンタトナー・シアントナー・イエロートナーの順)で重ね合わせて画像を形成させるようになっている。その結果、印刷に迫る高濃度・高品質の画像をシートに印刷できる。
なお、本画像形成装置は、タンデム機に限定されるものではなく、各成分色に1つ感光体を順次動作させ、カラー画像形成を行なう多回転方式の画像形成装置であっても構わない。
また、本実施の形態のトナーは、基本となるプロセスカラーを発色できるトナーとして使用してもよい。このプロセスカラーとは、1次色のことである。
また、本発明のトナー、トナー製造方法および画像形成装置は、以下のように表現することもできる。
トナーは、カラー有機顔料を着色剤とし、樹脂バインダーを少なくとも含有する電子写真用カラートナーであって、カラー有機顔料の平均粒子径が、そのカラー有機顔料が示す可視光領域(380nm以上780nm以下の波長範囲)における所望の吸収波長領域の最大波長の1/2から最小波長の1/2の範囲内にある構成である。
また、トナーは、カラー有機顔料を着色剤とし、樹脂バインダーを少なくとも含有する電子写真用カラートナーであって、カラー有機顔料の平均粒子径が、そのカラー有機顔料が示す可視光領域における最大波長(最も透過率の低い波長)をλmax (nm)としたとき、(λmax /2)±50nmの範囲内にある構成である。
また、上記のトナーは、カラー有機顔料の含有量が4重量%以上12重量%以下である構成である。
また、トナーは、カラー有機顔料を着色剤とし、樹脂バインダーを少なくとも含有する電子写真用カラートナーであって、カラー有機顔料の含有量が13重量%以上20重量%以下であり、そのカラー有機顔料が示す可視光領域での非固有吸収領域(補色波長領域)における最大透過率と固有吸収波長領域での最小透過率との比が、少なくとも25以上である構成である。
また、トナーは、カラー有機顔料を着色剤とし、樹脂バインダーを少なくとも含有する電子写真用カラートナーにおいて、カラー有機顔料の含有量が4重量%以上12重量%以下であり、そのカラー有機顔料が示す可視光領域での非固有吸収領域(補色波長領域)における最大透過率と固有吸収波長領域での最小透過率との比が、少なくとも30以上である構成である。
また、トナーは、イエロー顔料を着色剤とし、樹脂バインダーを少なくとも含有する電子写真用カラートナーであって、イエロー顔料の平均粒子径が、150nm以上250nm以下の範囲にある構成である。
また、上記トナーは、イエロー顔料の含有量が13重量%以上20重量%以下である場合、イエロートナーが非固有吸収領域(補色波長領域)における最大透過率と可視光領域での固有吸収波長領域での最小透過率との比が、少なくとも25以上である構成である。
また、上記トナーは、イエロー顔料の含有量が4重量%以上12重量%以下である場合、イエロートナーが非固有吸収領域(補色波長長領域)における最大透過率と可視光領域での固有吸収波長領域での最小透過率との比が、少なくとも30以上である構成である。
また、トナーは、マゼンタ顔料を着色剤とし、樹脂バインダーを少なくとも含有する電子写真用カラートナーであって、マゼンタ顔料の平均粒子径が、200nm以上320nm以下の範囲にある構成である。
また、上記トナーは、マゼンタ顔料の含有量が13重量%以上20重量%以下である場合、マゼンタトナーが非固有吸収波長領域(補色波長領域)で380nm以上500nm以下の波長領域での最大透過率、ならびに、600nm以上780nm以下の波長領域での最大透過率と、可視光領域での固有吸収波長領域での最小透過率の比が、各々少なくとも20以上、28以上である構成である。
また、上記トナーは、マゼンタ顔料の含有量が4重量%以上12重量%以下である場合、マゼンタトナーが非固有吸収領域(補色波長領域)で380nm以上500nm以下の波長領域での最大透過率、ならびに、600nm以上780nm以下の波長領域での最大透過率と、可視光領域での固有吸収波長領域での最小透過率との比が、各々少なくとも23以上、30以上である構成である。
また、トナーは、シアン顔料を着色剤とし、樹脂バインダーを少なくとも含有する電子写真用カラートナーであって、シアン顔料の平均粒子径が、260nm以上390nm以下の範囲にある構成である。
また、上記トナーは、シアン顔料の含有量が13重量%以上20重量%以下である場合、非固有吸収領域(補色波長領域)における最大透過率と可視光領域での固有吸収波長領域での最小透過率との比が、少なくとも25以上である構成である。
また、上記トナーは、シアン顔料の含有量が4重量%以上12重量%以下である場合、非固有領域(補色波長領域)における最大透過率と可視光領域での固有吸収波長領域での最小透過率との比が、少なくとも30以上である構成である。
また、上記トナーは、カラー有機顔料がイエロー顔料である場合、C.I.ピグメントイエロー74のモノアゾイエロー顔料、または、C.I.ピグメントイエロー128の縮合アゾ顔料、または、C.I.ピグメントイエロー151、180あるいは194のベンズイミダゾロン顔料となる構成である。
また、上記トナーは、カラー有機顔料がマゼンタ顔料である場合、C.I.ピグメントレッド122、あるいは202のキナクリドン顔料、または、C.Iピグメントレッド149、190あるいは224のペリレン顔料、または、C.I.ピグメントレッド175、176あるいは185のナフトールAS−ベンズイミダゾロン顔料となる構成である。
また、上記トナーは、カラー有機顔料がシアン顔料である場合、C.I.ピグメントブルー15:3あるいは15:4のフタロシアニン顔料となる構成である。
また、上記トナーでは、トナー粒子径が、3μm以上8μm以下の重量平均粒子径を有する構成である。
また、上記トナーでは、樹脂バインダーが、ポリエステル樹脂あるいはポリエーテルポリオール樹脂である構成である。
また、上記トナーでは、カラー有機顔料がアシッドペーストあるいはアシッドスラリーより得られる水性物であり、少なくとも樹脂相にカラー有機顔料を相転換して水を除去したものであって、溶融混練工程、粉砕工程により製造される構成である。
また、上記トナーでは、カラー有機顔料がフラッシング法で樹脂相に相転換されるものであり、少なくとも溶融混練分散、粉砕工程を経て製造される構成である。
また、上記トナーでは、溶融混練分散工程が、バインダー樹脂のガラス転移温度(Tg)の2倍以下の温度範囲内で制御されて製造される構成である。
また、本発明の画像形成装置では、カラー有機顔料が、少なくともイエロー顔料、マゼンタ顔料、およびシアン顔料からなる3色の上記トナーをプロセスカラートナーとして使用する構成である。
また、本発明の画像形成装置では、カラー有機顔料が、少なくともイエロー顔料、マゼンタ顔料、およびシアン顔料からなる3色のトナーをプロセスカラートナーとして使用するものであり、マゼンタ、シアン、イエローの順に色を重ねて画像形成する構成である。
上記の課題を解決するために、本発明のトナーは、顔料とバインダー樹脂とを含むトナーであって、上記顔料の平均粒子径は、可視光領域における上記顔料の有する固有吸収波長領域の最小波長の1/2の値以上、最大波長の1/2の値以下であり、かつトナー中の顔料濃度が、4重量%以上20重量%以下であることを特徴としている。
上記の構成によれば、顔料は、トナー中で、分散安定性の高い状態(高分散状態)を実現できる平均粒子径(分散粒子径)となる。また、このような高分散状態では、トナーの着色力と透明性とのバランスが最適化される(バランスがとれる)上、上記のように高い顔料比率(4重量%以上20重量%以下)にしている。そのため、本発明のトナーは、透明性と着色力とのバランスの取れたトナーになり、印刷に迫る高濃度・高品質を達成できる。なお、上記の最適化とは、所望の着色力と透明性とを両立させることである。
また、上記の課題を解決するために、本発明のトナーは、顔料とバインダー樹脂とを含むトナーであって、上記顔料の平均粒子径は、可視光領域における上記顔料の有する固有吸収波長領域で、最小透過率cを示す波長をλmin nmとした場合、((λmin /2)−50)nm以上((λmin/2)+50)nm以下であり、かつトナー中の顔料濃度が、4重量%以上20重量%以下であることを特徴としている。
上記の構成によれば、顔料は、トナー中で、分散安定性の高い状態(高分散状態)を実現できる平均粒子径(分散粒子径)となる。また、このような高分散状態では、トナーの着色力と透明性とのバランスが最適化される(バランスがとれる)上、上記のように高い顔料比率(4重量%以上20重量%以下)にしている。そのため、本発明のトナーは、透明性と着色力とのバランスの取れたトナーになり、印刷に迫る高濃度・高品質を達成できる。
また、上記の課題を解決するために、本発明のトナーは、顔料とバインダー樹脂とを含むトナーであって、トナー中の顔料濃度が4重量%以上12重量%以下の場合、可視光領域における上記顔料の非固有吸収波長領域の最大透過率aと、固有吸収波長領域での最小透過率cとの比率a/cが30以上であることを特徴としている。
通常、トナーにおける顔料の含有量が増えると、透過率は減少する。そのため、顔料の含有量に応じて、上記のような特定関係を規定する。
この構成によれば、トナー中の顔料濃度が4重量%以上12重量%以下の場合、顔料は、トナー中で、分散安定性の高い状態(高分散状態)を実現できる平均粒子径(分散粒子径)となる。また、このような高分散状態では、トナーの着色力と透明性とのバランスが最適化される。そのため、本発明のトナーは、透明性と着色力とのバランスの取れたトナーになり、印刷に迫る高濃度・高品質を達成できる。
また、上記の課題を解決するために、本発明のトナーは、顔料とバインダー樹脂とを含むトナーであって、トナー中の顔料濃度が13重量%以上20重量%以下の場合、可視光領域における上記顔料の非固有吸収波長領域の最大透過率aと、固有吸収波長領域での最小透過率cとの比率a/cが25以上であることを特徴としている。
通常、トナーにおける顔料の含有量が増えると、透過率は減少する。そのため、顔料の含有量に応じて、上記のような特定関係を規定する。
この構成によれば、トナー中の顔料濃度が13重量%以上20重量%以下の場合、顔料は、トナー中で、分散安定性の高い状態(高分散状態)を実現できる平均粒子径(分散粒子径)となる。また、このような高分散状態では、トナーの着色力と透明性とのバランスが最適化される。そのため、本発明のトナーは、透明性と着色力とのバランスの取れたトナーになり、印刷に迫る高濃度・高品質を達成できる。
また、上記の課題を解決するために、本発明のトナーは、イエロー顔料とバインダー樹脂とを含むイエロートナーであって、上記顔料の平均粒子径が、150nm以上250nm以下であることを特徴としている。
また、上記構成に加えて、本発明のトナーでは、上記イエロー顔料の顔料濃度が4重量%以上12重量%以下の場合、可視光領域における上記イエロー顔料の非固有吸収波長領域の最大透過率aと、固有吸収波長領域での最小透過率cとの比率a/cが30以上であることが好ましい。
また、上記構成に加えて、本発明のトナーでは、上記イエロー顔料の顔料濃度が13重量%以上20重量%以下の場合、可視光領域における上記イエロー顔料の非固有吸収波長領域の最大透過率aと、固有吸収波長領域での最小透過率cとの比率a/cが25以上であることが好ましい。
また、上記構成に加えて、本発明のトナーでは、上記顔料、または上記イエロー顔料は、C.I.ピグメントイエロー74のモノアゾイエロー顔料、C.I.ピグメントイエロー128の縮合アゾ顔料、またはC.I.ピグメントイエロー151、180、194のベンズイミダゾロン顔料よりなる群から選ばれる少なくとも1つの顔料を用いてなることが好ましい。
上記の構成によれば、イエロー顔料は、トナー中で、分散安定性の高い状態(高分散状態)を実現できる平均粒子径(分散粒子径)となる。また、このような高分散状態では、トナーの着色力と透明性とのバランスが最適化される(バランスがとれる)上、上記のように高い顔料比率にしている。そのため、本発明のトナーは、透明性と着色力とのバランスの取れたトナーになり、印刷に迫る高濃度・高品質を達成できる。
また、上記の課題を解決するために、本発明のトナーは、マゼンタ顔料とバインダー樹脂とを含むマゼンタトナーであって、上記顔料の平均粒子径が、200nm以上320nm以下であることを特徴としている。
また、上記構成に加えて、本発明のトナーでは、上記マゼンタ顔料の顔料濃度が4重量%以上12重量%以下の場合、可視光領域における上記マゼンタ顔料の600nm以上780nm以下の波長領域の最大透過率aと、固有吸収波長領域での最小透過率cとの比率a/cが30以上であり、さらに、380nm以上500nm以下の波長領域の最大透過率bと、固有吸収波長領域での最小透過率cとの比率b/cが23以上であることが好ましい。
また、上記構成に加えて、本発明のトナーでは、上記マゼンタ顔料の顔料濃度が13重量%以上20重量%以下の場合、可視光領域における上記マゼンタ顔料の600nm以上780nm以下の波長領域の最大透過率aと、固有吸収波長領域での最小透過率cとの比率a/cが28以上であり、さらに、380nm以上500nm以下の波長領域の最大透過率bと、固有吸収波長領域での最小透過率cとの比率b/cが20以上であることが好ましい。
また、上記構成に加えて、本発明のトナーでは、上記顔料、または上記マゼンタ顔料は、C.I.ピグメントレッド122、202のキナクリドン顔料、C.I.ピグメントレッド149、190、224のペリレン顔料、またはC.I.ピグメントレッド175、176、185のナフトールAS−ベンズイミダゾロン顔料よりなる群から選ばれる少なくとも1つの顔料を用いてなることが好ましい。
上記の構成によれば、マゼンタ顔料は、トナー中で、分散安定性の高い状態(高分散状態)を実現できる平均粒子径(分散粒子径)となる。また、このような高分散状態では、トナーの着色力と透明性とのバランスが最適化される(バランスがとれる)上、上記のように高い顔料比率にしている。そのため、本発明のトナーは、透明性と着色力とのバランスの取れたトナーになり、印刷に迫る高濃度・高品質を達成できる。
なお、マゼンタ顔料の非固有吸収波長領域は、380〜400nmと600〜780nmとなっており、非固有吸収波長領域が分離している。そのため、上記の構成では、この分離状態を考慮して、より一層高分散状態を実現できるように、600nm以上780nm以下の波長領域と、380nm以上500nm以下の波長領域との2つ波長領域で比率(透過率比)を設定している。
また、上記の課題を解決するために、本発明のトナーは、シアン顔料とバインダー樹脂とを含むシアントナーであって、上記顔料の平均粒子径が、260nm以上390nm以下であることを特徴としている。
また、上記構成に加えて、本発明のトナーでは、上記シアン顔料の顔料濃度が4重量%以上12重量%以下の場合、可視光領域における上記シアン顔料の非固有吸収波長領域の最大透過率aと、固有吸収波長領域での最小透過率cとの比率a/cが30以上であることが好ましい。
また、上記構成に加えて、本発明のトナーでは、上記シアン顔料の顔料濃度が13重量%以上20重量%以下の場合、可視光領域における上記シアン顔料の非固有吸収波長領域の最大透過率aと、固有吸収波長領域での最小透過率cとの比率a/cが25以上であることが好ましい。
また、上記構成に加えて、本発明のトナーでは、上記顔料、またはシアン顔料は、C.I.ピグメントブルー15:3、または15:4のフタロシアニン顔料よりなる群から選ばれる少なくとも1つの顔料を用いてなることが好ましい。
上記の構成によれば、シアン顔料は、トナー中で、分散安定性の高い状態(高分散状態)を実現できる平均粒子径(分散粒子径)となる。また、このような高分散状態では、トナーの着色力と透明性とのバランスが最適化される(バランスがとれる)上、上記のように高い顔料比率にしている。そのため、本発明のトナーは、透明性と着色力とのバランスの取れたトナーになり、印刷に迫る高濃度・高品質を達成できる。
また、上記構成に加えて、本発明のトナーでは、上記バインダー樹脂が、ポリエステル樹脂、またはポリエーテルポリオール樹脂であることが好ましい。
本発明のトナーを構成するバインダー樹脂は、優れた透過特性・溶融特性等を示すものであれば、特に樹脂の種類は限定されるものではないが、例えば、トナーの製造の際、バインダー樹脂が、充分な溶融状態であると判定できるような光沢度15以上の値を有すものがよい。
上記のポリエステル樹脂・ポリエーテルポリオール樹脂は、光沢度15以上の値を有している。そのため、バインダー樹脂が、充分な溶融状態であるか否かを判定できる。
また、上記構成に加えて、本発明のトナーでは、トナーの平均粒子径が3μm以上8μm以下であることが好ましい。
例えば、トナーの平均粒子径が8μmより大きい場合、転写時のトナー層厚を薄くすることはできるが、定着後のトナー層厚が厚くなり、透明性の低下をもたらしてしまうという問題がある。一方、3μmより小さい場合、トナーの流動性が著しく低下してしまうという問題がある。しかし、上記の3μm以上8μm以下の平均粒子径のトナーであれば、かかる問題は発生しない。
また、上記構成に加えて、本発明のトナーを製造する方法は、バインダー樹脂中に顔料を予備混練分散させて組成物を生成した後に、少なくとも上記組成物およびバインダー樹脂を加えて混合し、さらに、この混合物を溶融混練して均一分散させる方法であって、上記の溶融混練の際、上記バインダー樹脂のガラス転移温度の2倍以下の温度にすることを特徴としている。
通常、溶融混練の際、温度上昇が起きるが、比較的に温度上昇が高いと、顔料の平均粒子径および分光吸収波長領域(分光吸収特性)に影響を及ぼす。
しかし、上記の構成によれば、分散安定性の高い状態(高分散状態)を実現できる平均粒子径(分散粒子径)となる顔料を含むトナーを製造することができる。
また、上記構成に加えて、本発明のトナーを製造する方法では、上記顔料を乾燥させてから、上記の予備混練分散を行うことが好ましい。
また、上記構成に加えて、本発明のトナーを製造する方法では、硫酸で上記顔料に酸化処理を施し、水分を除去させてから、上記の予備混練分散を行うことが好ましい。
また、上記構成に加えて、本発明のトナーを製造する方法では、フラッシング法により上記顔料から水分を除去させてから、上記の予備混練分散を行うことが好ましい。
上記の構成によると、前処理工程で、顔料中の水分を除去する処理を行っている。このような顔料中の水分が除去された組成物(予備混練物)を、用いて製造されたトナーでは、分散安定性の高い状態(高分散状態)を実現できる平均粒子径(分散粒子径)となる顔料を含むトナーを製造することができる。なお、フラッシング法とは、合成した直後の顔料を水相から樹脂相に転送する方法である。
また、上記構成に加えて、本発明の画像形成装置(本画像形成装置)は、感光体への均一帯電を行い、さらに、その帯電を光で除去して潜像を形成し、その潜像にトナーを含んだ現像剤でトナー像に現像した後、シートへトナー像の転写・定着を行なう画像形成装置であって、本発明のトナーを用いることを特徴としている。
本発明のトナーでは、顔料は最適な分散状態(分散安定性の高い状態)を実現できる平均粒子径(分散粒子径)であるため、トナーの着色力と透明性とのバランスが最適化されている。また、高濃度の顔料比率でもある。したがって、上記の構成では、本画像形成装置は、印刷に迫る高濃度・高品質の画像をシートに印刷できる。
また、上記構成に加えて、本画像形成装置は、上記の転写の際、上記トナーで透明性の低いトナーから順にシートに転写させるように制御する転写制御手段を備えていることが好ましい。
通常、トナーには、色毎に透過特性(透明性)に差が出る。そこで、本画像形成装置(例えば、多色刷り方式のカラー画像形成装置)は、例えば、マゼンタトナー・シアントナー・イエロートナーの順のように、透明性の低いトナーから順に重ね合わせて画像を形成するように制御できる転写制御手段を備えている。
そのため、透明性の低いトナーから順に重ね合わせて画像を形成でき、その結果、印刷に迫る高濃度・高品質の画像をシートに印刷できるという効果を奏する。
以下、実施例、および比較例に基づいて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれにより、何ら限定されるものではない。
なお、分散粒子径、透過率比、着色力、彩度、および透明性については、下記の方法により評価した。
また、着色力・彩度・透明性の評価では、シリコンコートされた平均粒径60μmフェライトコアキャリアと、後述する実施例・比較例で得られたトナーとを混合した2成分の現像剤を用いている。なお、トナー濃度は、現像剤に対して5重量%となるように混合している。
また、画像サンプルは、シャープ社製フルカラー専用紙(品番:PP106A4C)上に、シャープ社製AR−C150を用いて、所定のトナー付着量になるように調整して印字させた後、外部定着機を用いて定着させている。なお、同一のトナー付着量で現像し、同一の定着条件で定着していても、顔料濃度に応じて色度の変化・彩度の劣化(プロセスカラーからの色度の変化・彩度の劣化)を生じる場合がある。そのため、顔料濃度に応じて、現像・定着条件を変更している(最適現像・定着条件を設定している)。
〔分散粒子径の評価〕
ミクロトームを用いてトナーを切断し、その薄片状のサンプルを透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、10,000倍の写真を撮り、画像解析機(オムニコン3500:島津製作所製)で長さ(径)測定する。そして、なお、分散粒子径は、顔料粒子の長径と短径とにより計算される平均値を採用する。
〔透過率比の評価〕
トナーをスライドガラス上で均一化した後、もう1枚のスライドガラスで挟み込み、最小透過率が3%[Peak =3%]に調整されたサンプルを作製する。そして、この薄層サンプルを用い、380nm以上780nm以下の波長領域における分光透過率を、自記分光光度計U−3300(日立製作所製)により測定する。また、非固有吸収波長領域における最大透過率は、極大値を持たずに単調増加する場合、400nmあるいは700nmでの透過率を最大透過率として、透過率比=最大透過率/最小透過率とする。
なお、マゼンタトナーについては、長波長側(600nm以上780nm以下)での最大透過率aと、短波長側(380nm以上500nm以下)における最大透過率bとの最大透過率を用いて、2つの透過率比a/c・透過率比b/cを求める。
なお、最小透過率は、固有吸収波長領域での最小の透過率(最小透過率c)のことである。
また、イエロートナー・シアントナーで求められた透過率比は、便宜上、透過率比a/cと表記する。
〔着色力の評価〕
フルカラー専用用紙(シート)上のトナー付着量を0.80mg/cm2 とした画像サンプルの濃度(画像濃度ID)を、濃度計RD−918(マクベス社製)を用いて測定する。1.5以上の値であれば、良好であり、2.0以上の値が得られれば、高濃度印刷による高品質画像が得られると評価する。
なお、画像濃度IDは、トナーが付着した面が光を吸収する程度を示す値である。すなわち、IDは、反射濃度または透過率濃度であって、入射光量をPi、反射光量または透過光量をP0 とすると、IDは、反射光率または透過光率の逆数の常用対数で表される。すなわち、
ID=10log(Pi/P0
である。
〔彩度の評価〕
トナーがプロセスカラーの基本色度に最も近く、かつ最大彩度を得られる「トナー付着量」と「定着条件」とを採用して、画像サンプルを作製する。
分光測色計X−Rite(日本平版印刷機材社製)を用いて、上記画像サンプルを測定して得られるL*** 表色系より彩度C* を求める。なお、彩度は、以下の式から求められる。
* =(a*2十b*21/2
そして、各色トナーの彩度では、イエロートナーの場合では90以上、マゼンタトナーの場合では75以上、シアントナーの場合では60以上を、高彩度と評価する。
〔透明性の評価〕
HAZEメーター(東京電色社製)を用いて、最適現像・定着条件で得られた画像サンプルのHAZE値を測定する。
HAZE値は小さい程透過性がよいことを示しており、20以下が良好であり、15以下は極めて透明性が高いと評価する。しかし、25以上になればカラートナーとしての実用性に欠ける。
〔実施例1〕
「前処理工程・混合行程」
ガラス転移温度Tg=60℃、1/2フロー軟化温度Tm=110℃の特性を有するポリエステル樹脂(バインダー樹脂)に対して、40重量%の顔料を加えて予備混練分散させた組成物(マスターバッチ処理された組成物)と、ポリエステル樹脂と、帯電制御剤(アルキルサルチル酸金属塩)とをヘンシェルミキサーに投入し、10分間混合して混合物(原材料混合物)を生成する。
なお、この混合物生成の際、製造するカラートナーの所望の顔料濃度Pに応じ、下記に示す条件を満たす各組成材料をそれぞれ投入した。
(顔料濃度P重量%のカラートナーを製造する場合の原材料投入量)
ポリエステル樹脂:(98−Y)重量部
組成物:Y重量部
帯電制御剤:2重量部
但し、P/100=0.4×Y/100を満たす。
また、上記顔料は、以下の製品を使用した。
イエロー顔料…C.I.ピグメントイエロー74〔FAST YELLOW FGOK(山陽色素株式会社製)〕。
マゼンタ顔料…C.I.ピグメントレッド122〔Toner Magennta E-02 (クラリアントジャパン株式会社製)〕。
シアン顔料…C.I.ピグメントブルー15:3〔Hosteaperm Blue B2G (クラリアントジャパン株式会社製)〕。
「溶融混練分散工程」
4重量%、8重量%、12重量%、16重量%、および20重量%の顔料濃度にした混合物を、三井鉱山株式会社製ニーディックスMOS140−800で溶融混練して均一分散させ混練分散物にした。
なお、溶融混練分散工程における混練分散物の温度を、赤外線非接触温度計で測定したところ、いずれの混練ポイントにおいても120℃以下であった。
「冷却・粉砕工程および分級工程」
上記の混練分散物を、冷却するとともに、ジェット式粉砕機によって微粉砕した後、風力分級する。そして、分級した材料は、顔料濃度に応じてトナー粒径設計し、未外添のトナーにした。
なお、全色トナーの平均粒子径(体積平均粒子径)は以下の通りである。
Figure 2006099148
なお、体積平均粒径D50とは、体積平均粒径の大粒粒子側から計算した50%目の体積平均粒子径を意味している。また、上記の表1、および後に示す表2・3は、後述する表面処理後のトナーの体積平均粒子径を表しているともいえる。
「表面処理」
上記トナーの100重量部と、シランカップリング剤・ジメチルシリコーンオイルで表面処理された疎水性シリカ微粉体(BET比表面積120m2 /g)0.50重量部とを混合して、負摩擦帯電性のイエロートナー〔YT−1〜YT−5〕、マゼンタトナー〔MT−1〜MT−5〕、シアントナー〔CT−1〜CT−5〕に調製した。
なお、顔料濃度8重量%の各色トナーの分光透過スペクトル(波長と透過率との関係)を図1〜図3に示す。
〔実施例2〕
前処理工程以外は実施例1と同様のトナー製造工程を行い、負摩擦帯電性のマゼンタトナー〔MT−6〜MT−10〕を調整した。
実施例2の前処理では、硫酸で酸化処理したマゼンタ顔料を、実施例1と同条件のポリエステル樹脂に加えて、予備混練分散させている。
なお、使用したマゼンタ顔料は、C.I.ピグメントレッド185〔Novoperm Carmine HF4C (クラリアントジャパン株式会社製)〕である。また、マゼンタトナー〔MT−6〜MT−10〕の体積平均粒子径は以下の表の通りである。
Figure 2006099148
〔実施例3〕
前処理工程以外は実施例1と同様のトナー製造工程を行い、負摩擦帯電性のイエロートナー〔YT−6〜YT−10〕を調整した。
実施例3の前処理では、フラッシング法により転相することで得られる60重量%の含水顔料ぺーストと、40重量%のポリエーテルポリオール樹脂から成る組成物とを、予備分散させている。
なお、使用したイエロー顔料は、C.I.ピグメントイエロー180〔Toner Yellow Hg VP2155(クラリアントジャパン株式会社製)〕である。また、イエロートナー〔YT−6〜YT−10〕の体積平均粒子径は以下の表の通りである。
Figure 2006099148
〔比較例1〕
溶融混練分散工程以外は実施例1と同様のトナー製造工程を行い、負摩擦帯電性のマゼンタトナー〔MT−11〕を調整した。
比較例1の溶融混練分散工程では、混合物を、二軸押出し機PCM−35(池貝鉄工社製)で混練させている。
なお、使用したマゼンタ顔料は、C.I.ピグメントレッド122〔Toner Magennta E-02 (クラリアントジャパン株式会社製)〕である。
また、MT−11では、顔料濃度は12重量%、トナーの体積平均粒径は6.2μmとしている。また、本工程では、混練分散物の温度が120℃を越えた。
〔比較例2〕
バインダー樹脂として、ガラス転移温度Tg=60℃、1/2フロー軟化温度Tm=110℃のスチレン−ブチルメタアクリレート樹脂を用いた以外は実施例1と同様のトナー製造工程を行い、負摩擦帯電性のシアントナー〔CT−6〕を調整した。
なお、使用したシアン顔料は、C.I.ピグメントブルー15:3〔Hosteaperm Blue B2G (クラリアントジャパン株式会社製)〕である。
また、CT−6では、顔料濃度は12重量%、トナーの体積平均粒径は6.5μmとしている。
〔比較例3〕
前処理を行わない他は実施例1と同様のトナー製造工程を経て、負摩擦帯電性のイエロートナー〔YT−11〕を調整した。
但し、顔料は、C.I.ピグメントイエロー17〔Permanent Yellow GC02 VP2209(クラリアントジャパン株式会社製)〕である。
また、YT−11では、顔料濃度は12重量%、トナーの体積平均粒径は6.5μmとしている。
以下、実施例1〜3、および比較例1〜3の評価結果を表4に示す。
Figure 2006099148
上記の表4の評価結果より、以下のことがわかる。
(1)イエロートナー〔YT−1〜YT−5〕、マゼンタトナー〔MT−1〜MT−5〕、シアントナー〔CT−1〜CT−5〕のトナーでは、顔料濃度が高くなるにつれて、非固有吸収波長領域での最大透過率は若干減少するものの、非常に透明性の高いトナーになった。また、いずれのトナーにおいても、マトリックス樹脂中での分散粒子径は、所望の粒子径となった。
以上の結果より、マスターバッチ処理が行われるとともに、Tgの2倍以下の温度で溶融混練分散工程が行われ、さらに特定関係1〜4のいずれか1つの特定関係を満たしたイエロー・マゼンタ・シアントナーは、透明性と着色力とのバランスの取れたトナーとなる。また、マゼンタトナーでは、さらに特定関係5、または6の特定関係を満たしても、透明性と着色力とのバランスの取れたトナーとなる。
(2)マゼンタトナー〔MT−6〜MT−10〕、およびイエロートナー〔YT−6〜YT−10〕では、顔料濃度が高くなっても、非固有吸収波長領域での最大透過率はほとんど変化せず、非常に透明性の高いトナーが得られた。また、分散粒子径も、所望の粒子径となった。
以上の結果より、アシッドペースト処理が行われるとともに、Tgの2倍以下の温度で溶融混練分散工程が行われ、さらに特定関係1〜6のいずれか1つの特定関係を満たしたマゼンタトナー、またはフラッシング処理が行われるとともに、Tgの2倍以下の温度で溶融混練分散工程が行われ、さらに特定関係1〜4のいずれか1つの特定関係を満たしたイエロートナーは透明性と着色力とのバランスの取れたトナーとなる。
(3)マゼンタトナー〔MT−11〕、シアントナー〔CT−6〕、およびイエロートナー〔YT−11〕では、非固有吸収波長領域での最大透過率は悪く、また、分散粒子径もほとんど所望の粒子径とならなかった。
以上の結果より、Tgの2倍以上の温度で溶融混練分散工程が行われた場合(比較例1参照)、ポリエステル樹脂・ポリエーテルポリオール樹脂以外の、例えば、スチレン−ブチルメタアクリレート樹脂をバインダー樹脂として用いた場合(比較例2参照)、および、前処理工程において、例えば、マスターバッチ処理、アシッドペースト処理、アシッドスラリー処理、またはフラッシング処理を行わない場合(比較例3参照)、透明性と着色力とのバランスが取れないトナーとなる。
可視光領域(380nm以上780nm以下の波長範囲)におけるイエロートナーの透過率曲線を示した図である。 可視光領域におけるマゼンタトナーの透過率曲線を示した図である。 可視光領域におけるシアントナーの透過率曲線を示した図である。 本発明の画像形成装置の構成を示す概略図である。
符号の説明
a 最大透過率
b 最大透過率
c 最小透過率
a/c 比率
b/c 比率
21 制御CPU(転写制御手段)

Claims (8)

  1. 顔料とバインダー樹脂とを含むトナーの製造方法であって、
    上記顔料の平均粒子径が、可視光領域における当該顔料の有する固有吸収波長領域の最小波長の1/2の値以上、最大波長の1/2の値以下となるように調整するステップと、
    トナー中の顔料濃度が、4重量%以上20重量%以下となるように調整するステップとを含むことを特徴とするトナーの製造方法。
  2. 上記顔料がイエロー顔料である場合、
    顔料の平均粒子径を調整する上記ステップでは、190nm以上250nm以下となるように調整する請求項1に記載のトナーの製造方法。
  3. 上記顔料がマゼンタ顔料である場合、
    顔料の平均粒子径を調整する上記ステップでは、200nm以上300nm以下となるように調整する請求項1に記載のトナーの製造方法。
  4. 上記顔料がシアン顔料である場合、
    顔料の平均粒子径を調整する上記ステップでは、260nm以上360nm以下となるように調整する請求項1に記載のトナーの製造方法。
  5. 顔料の平均粒子径を調整する上記ステップが、
    バインダー樹脂及び顔料を含む混合物を、当該バインダー樹脂のガラス転移温度の2倍以下の温度にて溶融混練するステップを含むことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のトナー製造方法。
  6. 顔料の平均粒子径を調整する上記ステップが、
    顔料中の水分を除去するステップをさらに含むことを特徴とする請求項5に記載のトナー製造方法。
  7. バインダー樹脂中に顔料を予備混練分散させて組成物を生成した後に、少なくとも、上記組成物およびバインダー樹脂を加えて混合し、さらに、この混合物を溶融混練して均一分散させてトナーを製造するトナー製造方法において、
    上記の溶融混練の際、上記バインダー樹脂のガラス転移温度の2倍以下の温度にすることを特徴とするトナー製造方法。
  8. 顔料中の水分を除去してから、予備混練分散を行うことを特徴とする請求項7に記載のトナー製造方法。
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