JP2005164946A - 静電潜像現像用トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】 明度が高く、鮮明性、透明性及び光沢度などに優れた画像が得られるような静電潜像現像用トナーを提供する。
【解決手段】 少なくともバインダー樹脂中に着色剤である顔料が分散され、体積平均粒子径が2〜8μmであって10.0μm以上の粒子の濃度が3体積%以下であり、トナー中の顔料濃度が1〜10重量%である静電潜像現像用トナーにおいて、分散された顔料の平均粒径が、可視光領域で前記顔料が有する最大吸収波長の1/4以下であり、かつ、顔料の97体積%以上が、可視光領域で顔料が有する最大吸収波長の1/2以下の範囲内に分布するようにした。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子写真、静電記録、静電印刷などにおける静電荷像を現像するための静電荷現像用トナーに係わり、特に、明度が高く、鮮明性、透明性及び光沢度などに優れた画像が得られるような静電潜像現像用トナーに関するものである。
電子写真法は、通常、光導電性感光体からなる静電潜像担持体に荷電や露光により静電潜像を形成し、この静電潜像を結着バインダー中に着色剤を含有するトナー組成物によって現像し、得られたトナー像を転写紙などの支持体に転写、定着して可視画像を形成する方法である。
近年の電子写真プロセスは、デジタル化技術等が組み込まれ、高画質化、コンパクト化、環境対応、省エネ化及び高信頼性などをキーワードとして検討が進み、既に商品化されている。また、高画質化についてはフルカラー化が進み、カラー画像の高画質化を得る為に近時はトナーの小粒径化が進んでいる。特に、有彩色トナーにより、デジタル潜像を現像、転写及び定着させるフルカラー複写機においては、6〜7μmの小粒子径トナーを採用した機種も市場に出てきている。
下記特許文献1には、トナーを構成する着色粒子の体積平均粒子径を2.0〜5.0μmとし体積平均粒子径が1.0μm以下の粒子及び5.0μmを超える粒子の数を制限することにより、感光体の傷の発生を防止し、かぶりのない画像形成を可能とし、細線再現性及び諧調性にして高解像度の画像を得ることを可能にした技術が開示されている。
カラートナーを用いた画像は、一般に自然色に近い画像が求められるため、それぞれの単色トナーにおける色の鮮明性、透明性、光沢度及び諧調性から検討されてきた経緯がある。色再現性は、黄色、マゼンタ色及びシアン色の3原色トナーによる滅法混色から成り立っており、光を透過する透明性トナーを用いることが必要である。透明性基材へ形成した画像の色再現性も光透過性が必要である。このような画像を得る為のトナー組成物として、一般的に、カラー画像では有機顔料を結着バインダー中に分散させたものが多く使用される。
また、近年の電子写真プロセスに対する要求として低コスト化が挙げられる。この課題に対して、トナーを低付着量で被記録材に定着させても着色力を満足させることができるトナーシステムが種々検討され、顔料濃度を増加させた小粒子径のトナーなどの作製も試みられている。しかし、顔料濃度が高いトナーを作製する場合は、光を透過する透明性の向上及び顔料の充填効果による粉砕性・定着特性の改善などが大きな課題となっている。また、カーボンブラックでは、高顔料濃度にすると導電剤としてのカーボンブラックを多量に含むことになるため、電気抵抗が低くなり帯電性が劣るようになるという問題があった。
従来、静電荷現像用トナーに用いられている着色剤には、銅フタロシニンブルーやジメチルキナクリドンなどの有機顔料を使用しており、トナー画像が有する光学特性は顔料粒子の光の選択吸収によって決まるようになっている。また、カラー有機顔料を微粒子化及び高分散化すると、トナー画像の着色力、彩度及び透明性を改善できることが良く知られている。
一方、特許文献2では、顔料の数平均粒子径を20〜300mμ、分散の標準偏差を50mμ以下とし、かつ、トナー粒子を球状とすることにより、充分な着色力とOHPフィルム上の画像の良好な透明性が得られる技術が開示されている。また、特許文献3では、結着バインダーと着色剤(色材)とのマトリックス中において、着色力、彩度及び透明性を考慮し、着色剤の平均粒子径(分散粒子径)をマゼンタ及びシアン顔料の平均粒径で0.05〜0.11μmとする技術が開示されている。
特許文献4では、帯電特性に優れた高精細画像に適したトナーとして次のようなものが開示されている。すなわち、着色剤の90個数%以上が、個々の粒子における最大粒子径で顔料系の時は0.03〜0.2μmの範囲にあり、かつ、荷電制御剤の90個数%以上が、個々の粒子における最大粒子径で0.01〜0.1μmの範囲内にあるようなトナーが開示されている。また、特許文献5では、紙上の画像とトランスペアレンシー上での透過画像との間で色相角が最も変化しない条件として、個数平均径0.01〜0.70μmの一次粒径を有するイエロー顔料を選択すると、上記色相角変化をある程度抑えられることが開示されている。
更に、特許文献6では、顔料の平均粒子径を可視光領域で上記顔料が有する固有吸収波長領域の最小波長の1/2の値以上、最大波長の1/2の値以下にすると、可能な限り顔料の濃度を高めながら、透明性と着色のバランスの取れたトナー画像を得ることができる技術が開示されている。
然しながら、特許文献2において平均粒子径が最大径300mμという大きな粒子が存在しても達成できるとされているにも拘わらず、重ねられたカラートナー像が充分な着色力、明るさと透明性を得るには粒子サイズが大きすぎるという問題があった。また、特許文献3では着色剤の分散粒子サイズに関する粒度分布が明記されていないうえ、着色力と透明性を両立させるには粗大粒子の存在が無視できない為、開示されている着色剤の分散粒子サイズでは高品位な画像を得ることができないという問題があった。
更に、特許文献4において、顔料の90個数%以上が0.03〜0.2μmであるが、この技術の主眼は小粒子径トナーにおける高精細画像の形成することである。このため、帯電制御剤の分散度も規定することによる帯電性の制御が主な特徴となっており、顔料の粒子径の制御によって生じる光学的特性については言及されていない。
特許文献5における各色トナーの吸光度特性は、高品位画像を得るには不適切な範囲にある。また、個数平均径が0.70μmまでをも対象とし非常に大きな粒子でも可能であるとしているが、このような大きな粒子径では彩度と透明性の高い画像を得ることはできないという問題があった。
更に、特許文献6は、顔料の平均粒子径を可視光領域において顔料が有する固有吸収波長領域の最小波長の1/2の値以上であって最大波長の1/2以下の範囲内の値にすると、この平均粒子径が光散乱の最大を示す波長の1/2近辺に存在することを示している。これは、顔料粒子による隠蔽性を最大限に考慮しながら文字の再現を目的とした技術である。
特開2001−5209号公報 特開平2−297562号公報 特開平6−250444号公報 特開平9−179351号公報 特開平10−282719号公報 特開2003−173048号公報
本発明は上述のような従来技術の問題点などに鑑みてなされたものであり、その目的は、明度が高く、鮮明性、透明性及び光沢度などに優れた画像が得られるような静電潜像現像用トナーを提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明は、第1に、少なくともバインダー樹脂中に、着色剤である顔料が分散されて成り、体積平均粒子径が2〜8μmであって10.0μm以上の粒子が3体積%以下であり、トナ−中の顔料濃度が1〜10重量%であるトナーにおいて、分散された顔料の平均粒径が、可視光領域で上記顔料が有する最大吸収波長の1/4以下であり、かつ、上記顔料の97体積%以上が、可視光領域で上記顔料の有する最大吸収波長の1/2以下の範囲内に分布するようにしたものである。このように特定の範囲に顔料粒子径を調整することにより、明度が高く、鮮明性、透明性及び光沢度などが良好なトナー画像を形成できる静電潜像現像用トナーが実現する。
第2に、本発明は、上記バインダー樹脂が屈折率1.58以下であるようにしたものである。これにより、本発明の静電潜像現像用トナーが顔料の屈折率に近い屈折率となって透明性が向上するため、形成された画像の透明性をより効果的に発現させることができる。
第3に、本発明は、上記バインダー樹脂の屈折率が1.58以下であり、かつ、上記バインダー樹脂がポリエステル樹脂であるようにしたものである。これにより、静電潜像現像用トナーの製造に際しバインダー樹脂が充分な溶融状態であるか否かが判定できる。
第4に、本発明は、重量平均分子量が1〜2万のポリエステル樹脂を上記バインダー樹脂が少なくとも含むようにしたものである。これにより、バインダー樹脂が熱エネルギーで溶融するため、静電潜像現像用トナーが重ね合わされても十分に発色することができる。
本発明によれば、高顔料濃度でなくても高着色力を有する薄膜のトナー画像が形成でき薄膜であることから厚み方向での光の減衰が抑制される為、明度が高く、鮮明性、透明性及び光沢度などに優れた画像が得られるような静電潜像現像用トナーが実現する。
以下、本発明の最良の実施形態について説明する。なお、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。
本実施形態は、体積平均粒子径が2〜8μmであり10.0μm以上の粒子が3体積%以下を有しトナー中の顔料濃度が1〜10重量%であって、分散された顔料の平均粒径が、可視光領域において上記顔料が有する最大吸収波長の1/4以下であり、かつ、顔料の97体積%以上が、可視光領域において上記顔料が有する最大吸収波長の1/2以下の範囲内に分布するものである。
このため、ほぼ全ての顔料粒子が最大吸収波長の1/2以下に存在し、平均粒子径が最大吸収波長の1/4以下である。従って、光散乱が最大で隠蔽性が最大となる顔料粒子をできるだけ含まないことになり、存在する粒子が均一な選択的光吸収性を示す。これにより、高顔料濃度でなくても高着色力を有する薄膜のトナー画像が形成できる。従って、薄膜であることから厚み方向での光の減衰が抑制され、明度が高く、鮮明性、透明性、及び光沢度が良好になる。
分散された顔料の平均粒径が、可視光領域において上記顔料が有する最大吸収波長の1/4以上、又は、顔料の97体積%以上が、可視光領域において上記顔料が有する最大吸収波長の1/2以上であると、顔料による隠蔽性が大きすぎて透明感がなく、明るさのない白ボケ感の画像となる。
ここで、可視光領域におけるトナーの顔料による吸収(トナーの透過率の低い)波長領域は、理想的には、イエロートナーで380nm以上500nm以下、マゼンタトナーでは500nm以上600nm以下、シアントナーでは600nm以上780nm以下となる。しかし、実際の吸収波長領域は、イエロートナーで380nm以上500nm以下、マゼンタトナーでは400nm以上600nm以下、シアントナーでは530nm以上720nm以下となる。また、最大吸収波長は、イエロートナーで400nm付近、マゼンタトナーでは540nm付近、シアントナーでは620nm付近となる。
平均粒子径が比較的小さい顔料を用いたとしても、トナー化する場合の混錬により凝集が起こり、発色性に劣る場合がある。このため、トナー中で分散された顔料の平均粒子径と最大粒子径を管理する必要があり、顔料の粒子径は、次のようにして測定した。すなわち、カラートナー中に分散された顔料粒子径は、カラートナーを用いて包埋法により試料を作製してミクロトームで切断し、その切断面を透過型電子顕微鏡(TEM)観察して画像解析装置で顔料粒子径を測定した。
本実施形態に用いることができる顔料は、水に不溶性の顔料であれば良く、例えば、アゾ系、フタロシニン系、アンスラキノン系、チオインジゴ系、ペリノン系、ペリレン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、キノフタロン系、イソインドリノン系、ベンズイミダゾロン系、ローダミン系などから選ばれる顔料が該当する。好ましくは、イエロー顔料として、ピグメントイエロー12、13、14、17のジスアゾイエロー、ピグメントイエロー74のモノアゾイエロー、ピグメントイエロー180のベンズイミダゾロン、ピグメントイエロー185のイソインドリノンが挙げられ、マゼンタ顔料として、ピグメントレッド57:1のカーミン系、ピグメントレッド122のキナクリドン系、ピグメントレッド175、176、185のナフトールAS−ベンズイミダゾロン系が挙げられ、シアン顔料として、ピグメントブルー15:1、15:2、15:3、15:4の銅フタロシアニンブルー、ピグメントブルー80のベンズイミダゾロンジオキサジンなどが挙げられる。
これらの顔料は単独で又は複数組合せて用いることができるが、トナー成分中に通常は1〜10重量%、より好ましくは2〜8重量%使用することが望ましい。すなわち、10重量%より多いと顔料コストによる高価なトナーとなるだけでなく、カラートナーの透明性及びハーフトーン部の粒状性が低下し、更に、粉砕性の低下及び定着性の低下等の問題も生じる。また、1重量%よりも少ないと、所望の画像濃度が得られないという問題が生じる。
フルカラー画像を形成するために、上記3色以外にブラックが用いることもできる。ブラックトナーには一般的にカーボンブラックが用いられるが、カーボンブラックと併用して、ソルベントブルー7、ピグメントブルー18、ピグメントブルー15、ピグメントグリーン37、ソルベントブルー3、ソルベントブラック6、ソルベントブラック15、ソルベントブラック19などの黒色度を高める補色剤の使用も可能である。
本実施形態に含有されるバインダー樹脂としては、透明性に優れ無色透明なものを用いる必要があるため、屈折率1.58以下の樹脂であることが望ましい。屈折率が低くて顔料の屈折率に近い屈折率を有することで透明性が向上するため、形成された画像の透明性をより効果的に発現させることができる。
屈折率が1.58より大きいと顔料と樹脂の屈折率に差が開き、屈折率の不均一構造が生じ、顔料と樹脂との界面で光の散乱が大きくなり透明性を低下させることになる。例えば、(メタ)アクリル系樹脂(n=1.49)、スチレン-(メタ)アクリル系樹脂(n=1.56)、ポリエステル系樹脂(n=1.57)、ポリカーボネート樹脂(n=1.58)などの各種の樹脂が挙げられるが、好ましくはポリエステル樹脂である。ポリエステル樹脂は光沢度15以上の値を有しているため、静電潜像現像用トナーの製造に際しバインダー樹脂が充分な溶融状態であるか否かを判定できる。
更に、カラートナー用のバインダー樹脂としては、熱エネルギーにより溶融し、トナーが重ねあわされても十分に発色することが要求されるため、重量平均分子量が10000〜20000のポリエステル樹脂を少なくとも含む必要がある。平均分子量が10000より小さいと、トナーの耐久性が不十分であったり、高温オフセットが発生しやすくなる。一方、20000を越えるとトナーの定着時の溶融性が低下することによる表面に凸凹が生じ、散乱光の寄与による色相に変化が見られるうえ低温オフセットが発生しやすくなる。また、バインダー樹脂としてスチレンーアクリル系樹脂なども挙げられるが、スチレンーアクリル系樹脂は黒トナーでよく使用されるものの、重量平均分子量を10000〜20000のように低分子量とした場合、機械的強度が低下し、トナー使用時に耐久性が不十分となる。
本実施形態には、上記の顔料及びバインダー樹脂以外にも、例えば、帯電制御剤、オフセット防止剤などの成分を必要に応じて配合することができる。静電潜像現像用トナーの帯電制御は、色材、バインダー樹脂自体で行っても良いが、必要に応じて、色再現性に問題がない帯電制御剤を併用するのが望ましい。正帯電では、トリフェニルアミン、第4級アンモニウム塩等、樹脂に酸アミド基を導入したものが挙げられる。負帯電では、バラチン染料、オラゾール染料等の金属錯塩染料、ホウ素錯体、ケイ素錯体、アルキルサリチル酸金属塩等が挙げられる。
本実施形態は、上記各材料が0.5〜10重量%の範囲で加えることにより、所望の帯電量にコントロールすることができる。帯電制御剤はバインダー樹脂中に添加混合しても良く、或いは、トナー粒子表面に付着させた形で用いても良い。また、オフセット防止剤としてはワックス類を内添して使用することもできる。例えば、低分子量ポリプロピレン、ポリエチレン、或いは酸化型のポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン系ワックスなどが挙げられる。キャンデリラワックス、カリナウバワックス、ライスワックス、ホホバ油ワックス、モンタンワックスなどが単独あるいは2種以上混合して使用することもできる。
本実施形態は、熱ロール、ニーダ、エクストルーダー等の熱溶融混錬機を用い、バインダー樹脂、顔料、更には電荷制御剤等を充分に溶融混錬した後、粉砕分級して製造することができる。本実施形態におけるトナー中の顔料の分散粒子径を上述した範囲とするには、あらかじめ微粒子の顔料結晶を作製し、使用する方法及び/又は樹脂に対して高濃度の顔料を高せん断力下に混合混練して顔料を均一に分散させたマスターバッチを使用して上記トナー成分に希釈混合して調整する方法が挙げられる。
マスターバッチを作製する方法には、紛体顔料を用い定法に従い、加圧ニーダー、バンバリミキサーにより高せん断力でプレミキシングして、2本ロール又は3本ロールで分散するする方法、更には顔料製造工程の顔料含水ケーキ(ウエット顔料)を用い、バインダー樹脂と混練し、水分を溶融樹脂で置換するフラッシング方式がある。なお、フラッシング方式で混練したのち3本ロールで更に分散してもよいものとする。
また、本実施形態に用いる顔料は、例えばシアン顔料に使用される銅フタロシニン顔料の場合、無水フタル酸と尿素と必要に応じて金属化合物とを反応させるワイラー法、或いはフタロジニトリルと金属化合物とを反応させるフタロジニトリル法によってフタロシアニンを製造し、得られたクルード(粗結晶)を湿式又は乾式で機械的に粉砕し、溶剤と熱で結晶を成長させていく方法で製造される。具体的には、酸処理、溶剤処理、ミリング処理、加熱処理方法及びこれらを組み合わせて用いる方法が知られている。
ここで、酸処理方法とは、硫酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸などの酸の中に0℃〜室温で顔料を溶解させた後、これを氷、水もしくは難溶な有機溶媒に滴下してフタロシアニン顔料の結晶を析出させた後、ろ過等の手段により結晶得る方法をいう。また、溶媒処理法とは、室温下または加熱下において、フタロシニン顔料を懸濁させた溶媒分散液を攪拌する方法をいう。更に、ミリング処理法とは、ニーダー等を使用したり、例えば、ガラスビーズ、スチールビーズ、アルミナボ−ル等を用いサンドミルやボールミル等のミリング装置を使用したりすることにより、室温又は加熱下で行なう機械的処理のことをいう。
具体的には、ミリング処理においては、クルードをニーダー等を用いて食塩やエチレングリコールと共に行なうソルトソルベントミリング処理する方法、或いは、クルードをアトライター、振動ボールミル等で乾式摩砕してセミクルードとして、上記と同様にソルトソルベントミリング処理する方法が挙げられる。また、加熱処理としては、クルードをアトライター、振動ミルや振動ボールミル等で乾式摩砕してセミクルードとした後、アルコール類、または芳香族系溶媒などの有機溶媒と共にソルベントボイリング処理する方法がある。
これらの処理で得られたものは、ウエット顔料として実用に供される、また、乾燥、必要に応じて更に粉砕、分級して顔料粉末として実用に供される。本実施形態中の顔料の分散粒子径を上述した範囲とするには、あらかじめ微粒子の顔料結晶を作製し、使用する方法において、例えばソルトソルベントミリング処理を行なう時間を長時間処理にするなどして、微粒子化された顔料を作製する。
本実施形態において、紛体流動性及び紛体付着性などの紛体特性を良好にし、転写性及び帯電性の低下を防止し環境依存性を緩和するために、外添剤が添加される。外添剤としては、30nm以上200nm以下の一次粒子径を有する微粒子と、5nm以上30nm未満の一次粒子径を有する超微粒子とを含有することが望ましい。該微粒子としては、疎水化された酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化タングステン、酸化鉄等の金属酸化物、窒化チタン等の窒化物、チタン化合物からなる微粒子が挙げられ、疎水化された酸化ケイ素からなる微粒子であることが望ましい。
また、超微粒子は、疎水化された疎水性のチタン化合物、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化スズ、酸化ジルコニウム、酸化タングステン、酸化鉄等の金属酸化物、窒化チタン等の窒化物からなる微粒子が挙げられ、チタン化合物微粒子であることが望ましい。
外添剤の添加量は、母トナー100重量部に対して、好ましくは0.05〜10重量部であり、より好ましくは0.1〜8重量部である。外添剤の添加量が全体として多すぎると、遊離の外添剤が発生し潜像担持体やキャリア表面が外添剤で汚染されやすくなる。また、微粒子と超微粒子が併用されなければ効果が得られない。更に、微粒子の量が多すぎると紛体流動性向上効果がえられず、超微粒子の量が多すぎると紛体付着性向上効果が得られない。また、トナーに上記無機微粒子を添加する方法としては、例えば、ヘンシェルミキサーに無機微粒子と母トナーとを入れ、混合するという従来公知の方法を採用することができる。
以下、本発明を実施例及び比較例に基いて更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。なお、着色力、彩度、透明性の評価は、以下の方法により評価した。また、画像サンプルは、シャープ社製フルカラー専用紙(PP106A4C)上に、シャープ社製AR−C250を用いて、所定のトナー付着量になるように調整して印字させた後、外部定着機を用いて定着させた。
同一トナー付着量で現像し、同一の定着条件で定着しても、顔料濃度に応じて色度の変化や彩度の変化(プロセスカラーからの色彩の変化や彩度の劣化など)が生じる場合がある。このため濃度に応じて現像条件や定着条件を変更し、最適な現像条件や定着条件になるように設定した。
[着色力の評価] フルカラー専用紙上のトナー付着量を0.60mg/cmとした画像サンプルの濃度(画像濃度ID)を、測色計X−rite938(X−rite社製)を用いて測定した。1.6以上の値であれば、良好とした。
[彩度の評価] トナーがプロセスカラーの基本色度に最も近く、かつ、最大彩度を得られるトナー付着量及び定着条件を採用して、画像サンプルを作製した。上記測色計X−rite938を用い、画像サンプルを測定して得られるa*の値とb*値の値を用いて、下式(1)により彩度C*を求めた。なお、a*,b*は色度図の座標である。
C*=(a*+b*1/2 …………………… (1)
各色トナーの彩度で、イエロートナーの場合では95以上、マゼンタトナーの場合80以上、シアントナーの場合65以上を良好とした。
[透明性の評価] HAZEメーター(東京電色社製)を用いて、最適現像や定着条件で得られた画像サンプルのHAZE値を測定した。HAZE値は小さいほど透明性が高いことを示しており、15以下であれば良好とした。
[光沢の評価] GlossMeterGM−26D(村上色彩技術研究所)を用い、入射角75度にて画像サンプルの光沢値を測定した。光沢値は大きいほど表面の平滑性が高いことを示しており、25以上を良好とした。
〔実施例1〕
「マスターバッチの作製例1」ガラス転移温度Tgが63℃、1/2フロー軟化温度Tmが109℃、屈折率が1.57のポリエステル樹脂に対して、40重量%のシアン顔料(ピグメントブルー15:3、ホスタパームブルーB2G、クラリアントジャパン社製)を加えて加圧ニーダー及び2本ロールにより溶融混練分散させ、マスターバッチAを作製した。
「トナーの作製」ポリエステル樹脂が83.5部、マスターバッチAが12.5部及び電荷制御剤が4部からなる成分を2本ロール(ニーデックスMOS140−800、三井鉱山株式会社製)により溶融混錬し、冷却したのちジェットミルによる微粉砕と風力分級機による分級を行った。分級したトナーの体積平均粒子径は、後述の表1に示した。なお、ポリエステル樹脂は、ガラス転移温度Tgが63℃、1/2フロー軟化温度Tmが109℃、屈折率が1.57、重量平均分子量11000である。また、マスターバッチAは顔料固形分が40重量%である。一方、上記トナーの100重量部と、疎水性シリカ微粒子(粒子径100nm)1.0重量部及びチタン化合物(粒子径10nm)1.5重量部とを混合して、負摩擦帯電性のトナーに調製した。なお、ここでの疎水性シリカ微粒子は、シランカップリング剤とジメチルシリコーンオイルで表面処理されたものである。
〔実施例2〕
シアン顔料をマゼンタ顔料(ピグメントレッド122、トナーマゼンタE02、クラリアントジャパン社製)に代えた他は、マスターバッチの作製例1と同様にしてマスターバッチBを作製した。
「トナーの作製」 実施例1と同様のトナー製造工程を行い、負摩擦帯電性のトナーを調製した。
「マスターバッチの作成例2」 シアン顔料をマゼンタ顔料(ピグメントレッド122、トナーマゼンタE02、クラリアントジャパン社製)に代えた他は、マスターバッチの作製例1と同様にしてマスターバッチBを作製した。
「トナーの作製」 実施例1と同様のトナー製造工程を行い、負摩擦帯電性のトナーを調製した。
〔実施例3〕
「マスターバッチの作製例3」 シアン顔料をイエロー顔料(ピグメントイエロー180、トナーイエローHG、クラリアントジャパン社製)に代えた他は、マスターバッチの作製例1と同様にしてマスターバッチCを作製した。
「トナーの作製」実施例1と同様のトナー製造工程を行い、負摩擦帯電性のトナーを調製した。
〔実施例4〕
「マスターバッチの作製例4」ガラス転移温度Tgが63℃、1/2フロー軟化温度Tmが109℃、屈折率が1.57のポリエステル樹脂及びピグメントブルー15:3の銅フタロシアニンブルーのウエット顔料(マスターバッチとしての顔料分として40重量%相当量)を室温にてニーダー中で混練し、そのまま徐々に加熱し、80℃にてフラッシング混錬を行い、水相と着色樹脂相とに分離した。次いでニーダー混練槽を傾斜させて水を除去し、更に混練を続けて蓋を開けたまま120℃まで昇温して残留水分を蒸発させた。完全に水が除去された後、冷却及び固化させ、更に2本ロールにより混練してマスターバッチDを得た。
「トナーの作製」実施例1と同様のトナー製造工程を行い、負摩擦帯電性のトナーを調製した。
〔比較例1〕
トナーを作製する方法において、顔料を予めマスターバッチ化せずに、実施例1で用いた成分を前記ポリエステル樹脂が91部、前記シアン顔料が5部及び前記電荷制御剤が4部となるように配分し、2軸押し出し機(PCM−35、池貝鉄工社製)により混錬分散させトナーを作製し、実施例1と同様に負摩擦帯電性トナーを調製した。
〔比較例2〕
バインダー樹脂として、ガラス転移温度Tgが60℃、1/2フロー軟化温度Tmが110℃、屈折率が1.56のスチレンーブチルメタクリレート樹脂を用い、実施例2と同様にマスターバッチ、トナー製造工程を行い、負摩擦帯電性のトナーを調製した。
〔比較例3〕
バインダー樹脂として、重量平均分子量が23000のポリエステル樹脂を用い、実施例1と同様にマスターバッチ、トナー製造工程を行い、負摩擦帯電性のトナーを調製した。
〔比較例4〕
バインダー樹脂として、ガラス転移温度Tgが62℃、1/2フロー軟化温度Tmが108℃、屈折率が1.59の、無定形ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂の混合物を用い、実施例1と同様にマスターバッチ、トナー製造工程を行い、負摩擦帯電性のトナーを調製した。
上述のような実施例1〜4及び比較例1〜4の評価結果を、表1に示す。
Figure 2005164946
表1の上記評価結果から、以下のことが分かる。
(1)着色力は上述のように1.6以上の値で良好と判断されるが、実施例1〜4でいずれも基準値1.6を超える値となっていて全て良好である。また、比較例1〜4ではいずれも基準値1.6以下の値となっていることからも、本発明により高着色が得られることが分かる。
(2)彩度は次の理由によって実施例1〜4でいずれも良好である。すなわち、シアントナーの場合は65以上で良好とされるが、実施例1では彩度69.1が得られ実施例4では彩度70.6が得られており、いずれも良好である。また、マゼンタトナーの場合は80以上で良好とされるが、実施例2では彩度82.2が得られており良好である。更に、イエロートナーの場合は95以上で良好とされるが、実施例3では彩度96.0が得られており良好である。なお、比較例1〜4ではいずれも基準値(シアントナーで65、マゼンタトナーで80、イエロートナーで95)以下の値となっていることからも、本発明により優れた彩度が得られることが分かる。
(3)透明性は上述のように15以下の値で良好と判断されるが、実施例1〜4でいずれも基準値15以下の値となっており全て良好である。また、比較例1〜4ではいずれも基準値15を超える値となっていることからも、本発明により優れた透明性が得られることが分かる。
(4)光沢は上述のように25以上の値で良好と判断されるが、実施例1〜4でいずれも基準値25を超える値となっており全て良好である。また、比較例1〜4ではいずれも基準値25以下の値となっていることからも、本発明により優れた光沢が得られることが分かる。
以上詳しく説明したことから、本発明実施例の静電潜像現像用トナーによれば、着色力、彩度、透明性及び光沢度など全てに優れた画像が得られることが分かる。

Claims (4)

  1. 少なくともバインダー樹脂中に着色剤である顔料が分散されて成り体積平均粒子径が2〜8μmであって体積平均粒子径10.0μm以上の粒子が3体積%以下であり、トナー中の顔料濃度が1〜10重量%であるトナーにおいて、
    前記分散された顔料の平均粒子径が、可視光領域で前記顔料が有する最大吸収波長の1/4以下であり、かつ、顔料の97体積%以上が、可視光領域で前記顔料が有する最大吸収波長の1/2以下の範囲内に分布することを特徴とする静電潜像現像用トナー。
  2. 前記バインダー樹脂は屈折率1.58以下であることを特徴とする請求項1記載の静電潜像現像用トナー。
  3. 前記バインダー樹脂がポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項2記載の静電潜像現像用トナー。
  4. 静電潜像現像用トナーにおいて、前記バインダー樹脂は、重量平均分子量が1万〜2万のポリエステル樹脂を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の静電潜像現像用トナー。
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