JP2008096539A - 電子写真用トナー - Google Patents
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Abstract
【課題】二成分現像方式による低印字率での長期耐刷においても画質を維持することができるとともに、定着性に優れた電子写真用トナー、該トナーを含有した二成分現像剤、該二成分現像剤を用いた画像形成方法を提供すること。
【解決手段】結着樹脂及び着色剤を含有してなるトナー母粒子に平均粒径が20〜80nmのシリカと平均粒径が50〜300nmのアルミナが同時に外添されてなり、前記シリカとアルミナを含む外添剤による総被覆率が100%以上である電子写真用トナー、該電子写真用トナーとキャリアとを含有してなる二成分現像剤、並びに該二成分現像剤を、非接触定着方式の画像形成装置に用いる画像形成方法。
【選択図】なし
【解決手段】結着樹脂及び着色剤を含有してなるトナー母粒子に平均粒径が20〜80nmのシリカと平均粒径が50〜300nmのアルミナが同時に外添されてなり、前記シリカとアルミナを含む外添剤による総被覆率が100%以上である電子写真用トナー、該電子写真用トナーとキャリアとを含有してなる二成分現像剤、並びに該二成分現像剤を、非接触定着方式の画像形成装置に用いる画像形成方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像に用いられる電子写真用トナー、該トナーを含有した二成分現像剤、該二成分現像剤を用いた画像形成方法に関する。
トナーに帯電性や流動性等を付与するために、シリカ等の外添剤が用いられている。しかしながら、電子写真装置やプリンターの長時間にわたる連続使用等によりトナーが現像機内で滞留する場合に、トナーを帯電させるための高いシェアや撹拌によって、外添剤の遊離やトナー中への埋め込みが生じる。その結果、トナーの帯電性や流動性等が変化し、印刷初期に比べて画像濃度の低下等を招くことがある。特に、トナーが連続的に撹拌される二成分現像方式ではその傾向が顕著である。
そこで、この問題を解決するために、各種外添剤について検討されている。外添剤としては、シリカのほか、アルミナや酸化チタンが用いられている(特許文献1、2参照)。
特開平2−108069号公報
特開平3−87755号公報
本発明の課題は、二成分現像方式による低印字率での長期耐刷においても画質を維持することができるとともに、定着性に優れた電子写真用トナー、該トナーを含有した二成分現像剤、該二成分現像剤を用いた画像形成方法を提供することにある。
本発明は、
〔1〕 結着樹脂及び着色剤を含有してなるトナー母粒子に平均粒径が20〜80nmのシリカと平均粒径が50〜300nmのアルミナが同時に外添されてなり、前記シリカとアルミナを含む外添剤による総被覆率が100%以上である電子写真用トナー、
〔2〕 前記電子写真用トナーとキャリアとを含有してなる二成分現像剤、並びに
〔3〕 前記二成分現像剤を、非接触定着方式の画像形成装置に用いる画像形成方法
に関する。
〔1〕 結着樹脂及び着色剤を含有してなるトナー母粒子に平均粒径が20〜80nmのシリカと平均粒径が50〜300nmのアルミナが同時に外添されてなり、前記シリカとアルミナを含む外添剤による総被覆率が100%以上である電子写真用トナー、
〔2〕 前記電子写真用トナーとキャリアとを含有してなる二成分現像剤、並びに
〔3〕 前記二成分現像剤を、非接触定着方式の画像形成装置に用いる画像形成方法
に関する。
本発明の電子写真用トナーは、二成分現像方式による低印字率での長期耐刷においても画質を維持するができるとともに、より高い定着性が求められる非接触定着方式においても、良好な定着性を有するという優れた効果を奏するものである。
本発明のトナーは、結着樹脂及び着色剤を含有したトナー母粒子が、多量の外添剤により被覆されたものである。長期耐刷にともなう外添剤の埋め込みにより、画像濃度が低下するのを防止するためには、トナー母粒子に過剰量の外添剤を添加することが有効である一方で、外添剤の過剰添加は定着性の低下を引き起こす原因となる。しかしながら、本発明のトナーは、特定の平均粒径を有するシリカとアルミナが同時に外添されているため、外添剤の過剰添加による定着性の低下が防止される。
アルミナは、熱伝導率が比較的大きく、他の外添剤の脱離防止に効果的であるため、トナー母粒子表面に直接接していることが好ましい。アルミナの平均粒径は、正帯電性を有するアルミナの影響により、負帯電性トナー中の逆帯電粒子が増加し、感光体カブリ等の原因となることを防止する観点から、50nm以上である。また、アルミナの遊離による流動性悪化や白抜けによる画質の劣化を防止する観点から、300nm以下である。以上の観点から、アルミナの平均粒径は50〜300nmであり、好ましくは100〜200nm、より好ましくは120〜180nmである。なお、本発明において、アルミナ、後述のシリカ等の外添剤の平均粒径は、後述の実施例に記載の方法により測定される。
アルミナの結晶形には、α-アルミナ、β-アルミナ、γ-アルミナ、θ-アルミナ等があるが、本発明におけるアルミナは、定着性の観点から、α-アルミナが好ましい。
アルミナの純度は、定着性の観点から、98%以上が好ましく、99%以上がより好ましい。
アルミナの含有量は、トナー母粒子100重量部に対して、0.1〜5.0重量部が好ましく、0.1〜2.0重量部がより好ましい。
アルミナによる被覆率は、1〜10%が好ましく、2〜8%がより好ましい。なお、本発明において、アルミナ、後述の外添剤等の外添剤による被覆率は、後述の実施例に記載の方法により測定される。
アルミナと同時に外添するシリカ(以下、大粒径シリカともいう)の平均粒径は、流動性と埋め込み防止の観点から、20〜80nmであり、より好ましくは30〜70nmである。
本発明において、シリカは、環境安定性の観点から、疎水化処理された疎水性シリカであるのが好ましい。疎水化の方法は特に限定されず、疎水化処理剤としては、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、ジメチルジクロロシラン(DMDS)、シリコーンオイル、メチルトリエトキシシラン等が挙げられるが、これらの中ではヘキサメチルジシラザンが好ましい。疎水化処理剤の処理量は、外添剤の表面積当たり1〜7mg/m2が好ましい。
大粒径シリカの含有量は、トナー母粒子100重量部に対して、3〜10重量部が好ましく、3〜7重量部がより好ましい。
大粒径シリカによる被覆率は、80〜120%が好ましく、90〜110%がより好ましい。
本発明のトナーには、トナー母粒子に前記のアルミナとシリカを同時に外添した後、さらなる外添剤が添加されていてもよい。さらに添加される外添剤としては、アルミナ及びシリカの他、チタニア、ジルコニア、酸化錫、酸化亜鉛等が挙げられ、これらの中では、埋め込み防止の観点から、比重の小さいシリカが好ましい。
前記のアルミナと大粒径シリカの後に、トナー母粒子に外添されるシリカ(以下、小粒径シリカともいう)の平均粒径は、定着性に対するアルミナの効果を損なわず流動性を確保する観点から、好ましくは10〜30nm、より好ましくは12〜20nmである。
小粒径シリカの含有量は、トナー母粒子100重量部に対して、0.5〜1.5重量部が好ましく、0.7〜1.0重量部がより好ましい。
小粒径シリカによる被覆率は、50〜90%が好ましく、60〜80%がより好ましい。
前記のアルミナと大粒径シリカを含む外添剤による総被覆率は、外添剤の埋め込みによる付着力の増大及び画像濃度の低下を防止する観点から、100%以上であり、好ましくは110〜300%、より好ましくは160〜200%である。
本発明における結着樹脂としては、ポリエステル、スチレン−アクリル樹脂等のビニル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン、2種以上の樹脂成分を有するハイブリッド樹脂等が挙げられ、特に限定されないが、本発明のトナーがカルボキシル基を有する荷電制御剤を含有している場合には、ポリエステルが好ましい。ポリエステルのカルボキシル基と荷電制御剤のカルボキシル基の相乗作用により、さらにトナー表面の電荷が均一になり、本発明の効果がより顕著に発揮されるものと考えられる。ポリエステルの含有量は、結着樹脂中50〜100重量%が好ましく、70〜100重量%がより好ましく、実質的に100重量%がさらに好ましい。
ポリエステルは、公知のアルコール成分と、カルボン酸、カルボン酸無水物、カルボン酸エステル等の公知のカルボン酸成分とを原料モノマーとして用い、これらを縮重合させて得られる。
アルコール成分としては、ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレン(炭素数2〜3)オキサイド(平均付加モル数1〜16)付加物、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、水素添加ビスフェノールA、ソルビトール、又はそれらのアルキレン(炭素数2〜4)オキサイド(平均付加モル数1〜16)付加物等が挙げられる。
また、カルボン酸成分としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フマル酸、マレイン酸、アジピン酸、コハク酸等のジカルボン酸、ドデセニルコハク酸、オクテニルコハク酸等の炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の3価以上の多価カルボン酸、それらの酸の無水物及びそれらの酸のアルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられる。上記のような酸、並びにこれらの酸の無水物及びアルキルエステルを、本明細書では総称してカルボン酸化合物と呼ぶ。
カルボン酸成分には、フマル酸及び/又はマレイン酸が含有されていることが好ましい。フマル酸もしくはマレイン酸の含有量、又は両者を含有する場合にはそれらの総含有量は、40〜100モル%が好ましく、50〜90モル%がより好ましく、60〜80モル%がさらに好ましい。フマル酸及び/又はマレイン酸を原料モノマーとして用いた樹脂は、特に、イソフタル酸やテレフタル酸等のベンゼン誘導体に比べて、電子的にリッチなベンゼン環が無いため、樹脂そのものの抵抗が低く、この樹脂を含有したトナーは、トナーの抵抗も低くなり、静電付着力が低減し、現像効率が高くなる。また、帯電立ち上がり性が早く、素早い帯電が求められる高速現像機においても安定した現像性が得られる。
なお、アルコール成分には1価のアルコールが、カルボン酸成分には1価のカルボン酸化合物が、分子量調整や耐オフセット性向上の観点から、適宜含有されていてもよい。
ポリエステルは、例えば、アルコール成分とカルボン酸成分とを不活性ガス雰囲気中にて、要すればエステル化触媒の存在下、180〜250℃の温度で縮重合させることにより得られる。
なお、本発明において、ポリエステルは、実質的にその特性を損なわない程度に変性されたポリエステルであってもよい。変性されたポリエステルとしては、例えば、特開平11−133668号公報、特開平10−239903号公報、特開平8−20636号公報等に記載の方法によりフェノール、ウレタン、エポキシ等によりグラフト化やブロック化したポリエステルをいう。
耐久性及び定着性の観点から、ポリエステルの軟化点は80〜165℃が好ましく、ガラス転移点は50〜85℃が好ましく、酸価は0.5〜60mgKOH/gが好ましい。ポリエステルは、加重平均値が上記軟化点の範囲内となるような、軟化点が異なる2種以上のポリエステルを含むものであってもよい。
着色剤としては、黒トナー用着色剤又はカラートナー用着色剤として用いられている染料、顔料等を使用することができ、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントブラウンFG、ブリリアントファーストスカーレット、ピグメントグリーンB、ローダミン−Bベース、ソルベントレッド49、ソルベントレッド146、ソルベントブルー35、キナクリドン、カーミン6B、ジスアゾエロー等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができ、トナーは、黒トナー、カラートナーのいずれであってもよい。着色剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、1〜40重量部が好ましく、3〜10重量部がより好ましい。
さらに、本発明のトナーには、荷電制御剤、離型剤、導電性調整剤、体質顔料、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、老化防止剤、磁性体等の添加剤が、適宜添加されていてもよい。
荷電制御剤としては、含金属アゾ染料、銅フタロシアニン染料、サリチル酸のアルキル誘導体の金属錯体、ニトロイミダゾール誘導体等の負帯電性荷電制御剤;ニグロシン染料、トリフェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩化合物、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体等の正帯電性荷電制御剤が挙げられる。また、荷電制御剤として、樹脂等の高分子タイプのものを使用することもできる。荷電制御剤は、トナーの帯電性を考慮して、負帯電性、正帯電性のいずれのものが用いられていてもよく、両者が併用されていてもよいが、本発明のトナーは、アルミナが正帯電性を示しその離脱防止の観点から、負帯電性トナーであることが好ましい。荷電制御剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、0.1〜8重量部が好ましく、0.2〜5重量部がより好ましい。
本発明のトナーは、結着樹脂及び着色剤、さらに必要に応じて各種添加剤を含有したトナー母粒子に外添剤を外添する工程を経て得られる。トナー母粒子は、粉砕トナーが好ましく、例えば、結着樹脂、着色剤等をヘンシェルミキサー、ボールミル等の混合機で混合した後、密閉式ニーダー又は1軸もしくは2軸の押出機等で溶融混練し、冷却後、ハンマーミル等を用いて粗粉砕し、さらにジェット気流を用いた微粉砕機や機械式粉砕機により微粉砕し、旋回気流を用いた分級機やコアンダ効果を用いた分級機により所定の粒度に分級して得られる。
トナー母粒子に外添剤を外添する工程は、外添剤とトナー母粒子とをヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の高速攪拌機、V型ブレンダー等を用いる乾式混合法が好ましい。外添剤は、あらかじめ混合して高速攪拌機やV型ブレンダーに添加してもよいが、少なくとも、前記の平均粒径が50〜300nmのアルミナと平均粒径が20〜80nmのシリカとを、トナー母粒子に同時に添加する。なお、アルミナは、熱伝導率が比較的大きく、他の外添剤の脱離防止に効果的であるため、トナー母粒子表面に直接接していることが好ましい。従って、前記「同時に添加する」とは、実質的に同時に添加することを指し、シリカやアルミナの一方を少量添加した後、大部分の混合物を同時に添加する態様や、シリカやアルミナの少量ずつを交互に添加して、実質的に同時に添加したのと同じ効果が得られるように添加する態様を含む。トナー母粒子には、アルミナとシリカの混合物を最初に外添することが好ましく、両者を同時に外添することにより、アルミナがトナー母粒子に十分に直接付着するとともに、同時に外添する負帯電性を有するシリカをトナー上に保持するため、現像槽内でもシリカの脱離を効果的に防止することができる。また、その後、さらに小粒径シリカ等の外添剤を添加する場合、アルミナは後から添加される外添剤の脱離防止にも効果的である。
本発明のトナーの体積中位粒径(D50)は、外添剤を添加する前の粒径で3〜15μmが好ましく、4〜9μmがより好ましい。なお、本明細書において、体積中位粒径(D50)とは、体積分率で計算した累積体積頻度が粒径の小さい方から計算して50%になる粒径を意味する。
本発明の電子写真用トナーは、二成分現像方式による低印字率での長期耐刷においても画質を維持するができるものであり、キャリアと混合して二成分現像剤として好適に用いられる。
本発明の二成分現像剤において、キャリアとしては、画像特性の観点から、磁気ブラシのあたりが弱くなる飽和磁化の低いキャリアが用いられるのが好ましい。キャリアの飽和磁化は、40〜100Am2/kgが好ましく、50〜90Am2/kgがより好ましい。飽和磁化は、磁気ブラシの固さを調節し、階調再現性を保持する観点から、100Am2/kg以下が好ましく、キャリア付着やトナー飛散を防止する観点から、40Am2/kg以上が好ましい。キャリアの飽和磁化は、後述の実施例に記載の方法に測定される。
キャリアのコア材としては、公知の材料からなるものを特に限定することなく用いることができ、例えば、鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性金属、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト、銅-亜鉛-マグネシウムフェライト、マンガンフェライト、マグネシウムフェライト等の合金や化合物、ガラスビーズ等が挙げられ、これらの中では、帯電性の観点から、鉄粉、マグネタイト、フェライト、銅-亜鉛-マグネシウムフェライト、マンガンフェライト及びマグネシウムフェライトが好ましく、画質の観点から、フェライト、銅-亜鉛-マグネシウムフェライト、マンガンフェライト及びマグネシウムフェライトがより好ましい。
キャリアの表面は、キャリア汚染低減の観点から、樹脂で被覆されているのが好ましい。キャリア表面を被覆する樹脂としては、トナー材料により異なるが、例えばポリテトラフルオロエチレン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂、ポリジメチルシロキサン等のシリコーン樹脂、ポリエステル、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド、ポリビニルブチラール、アミノアクリレート樹脂等が挙げられ、これらは単独であるいは2種以上を併用して用いることができるが、トナーが負帯電性である場合には、帯電性及び表面エネルギーの観点から、シリコーン樹脂が好ましい。樹脂によるコア材の被覆方法は、例えば、樹脂等の被覆材を溶剤中に溶解もしくは懸濁させて塗布し、コア材に付着させる方法、単に粉体で混合する方法等、特に限定されない。
トナーとキャリアとを混合して得られる本発明の二成分現像剤において、トナーとキャリアの重量比(トナー/キャリア)は、1/99〜10/90が好ましく、5/95〜7/93がより好ましい。
本発明の二成分現像剤は、接触定着方式、非接触定着方式のいずれの定着方式にも用いることができるが、より高い定着性が要求されるオーブン定着、フラッシュ定着、ベルトニップ方式の定着機等の非接触熱定着方式の画像形成装置に用いることにより、本発明の効果がより顕著に発揮される。従って、本発明においては、さらに、本発明の二成分現像剤を、非接触定着方式の画像形成装置に用いる画像形成方法を提供する。
本発明の画像形成方法は、転写したトナー像を定着させる定着工程に特徴を有する以外は、公知の工程を経て画像を形成することができる。画像形成方法における工程としては、定着工程以外に、例えば、感光体表面に静電潜像を形成させる工程(帯電・露光工程)、静電潜像を現像する現像工程、現像したトナー像を紙等の被転写材に転写する工程(転写工程)、感光体ドラム等の現像部材に残存したトナーを除去する工程(クリーニング工程)等がある。
〔樹脂の軟化点〕
フローテスター(島津製作所、CFT-500D)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押出した。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。
フローテスター(島津製作所、CFT-500D)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押出した。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。
〔樹脂のガラス転移点〕
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で昇温し、吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度とする。
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で昇温し、吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度とする。
〔樹脂の酸価〕
JIS K0070の方法に基づき測定する。但し、測定溶媒のみJIS K0070の規定のエタノールとエーテルの混合溶媒から、アセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に変更した。
JIS K0070の方法に基づき測定する。但し、測定溶媒のみJIS K0070の規定のエタノールとエーテルの混合溶媒から、アセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に変更した。
〔トナー母粒子及びトナーの体積中位粒径(D50)〕
測定機:コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)
アパチャー径:100μm
解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19(ベックマンコールター社製)
電解液:アイソトンII(ベックマンコールター社製)
分散液:エマルゲン109P(花王社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB:13.6)を5重量%の濃度となるよう前記電解液に溶解させて分散液を得る。
分散条件:前記分散液5mlに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、電解液25mlを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させて、試料分散液を調製する。
測定条件:前記試料分散液を前記電解液100mlに加えることにより、3万個の粒子の粒径を20秒で測定できる濃度に調整した後、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求める。
測定機:コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)
アパチャー径:100μm
解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19(ベックマンコールター社製)
電解液:アイソトンII(ベックマンコールター社製)
分散液:エマルゲン109P(花王社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB:13.6)を5重量%の濃度となるよう前記電解液に溶解させて分散液を得る。
分散条件:前記分散液5mlに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、電解液25mlを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させて、試料分散液を調製する。
測定条件:前記試料分散液を前記電解液100mlに加えることにより、3万個の粒子の粒径を20秒で測定できる濃度に調整した後、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求める。
〔外添剤の平均粒径〕
外添剤の平均粒径とは個数平均粒径を指し、走査電子顕微鏡(SEM)写真から500個の粒子の粒径(長径と短径の平均値)を測定し、それらの平均値を平均粒径とする。
外添剤の平均粒径とは個数平均粒径を指し、走査電子顕微鏡(SEM)写真から500個の粒子の粒径(長径と短径の平均値)を測定し、それらの平均値を平均粒径とする。
〔外添剤の被覆率〕
被覆率(%)=√3/2π×(D・ρt)/(d・ρs)×C×100
(式中、Dはトナー母粒子の体積中位粒径(D50)(μm)、dは外添剤の平均粒径(μm)、ρtはトナー母粒子の比重、ρsは外添剤の比重、Cはトナー母粒子と外添剤の重量比(外添剤/トナー母粒子)を示す)
により算出される。
外添剤の総被覆率は、各外添剤について算出した被覆率の総和とする。
被覆率(%)=√3/2π×(D・ρt)/(d・ρs)×C×100
(式中、Dはトナー母粒子の体積中位粒径(D50)(μm)、dは外添剤の平均粒径(μm)、ρtはトナー母粒子の比重、ρsは外添剤の比重、Cはトナー母粒子と外添剤の重量比(外添剤/トナー母粒子)を示す)
により算出される。
外添剤の総被覆率は、各外添剤について算出した被覆率の総和とする。
〔キャリアの飽和磁化〕
(1) 外径7mm(内径6mm)、高さ5mmの蓋付プラスティックケースにキャリアをタッピングしながら充填し、プラスティックケースの重量とキャリアを充填したプラスティックケースの重量の差から、キャリアの質量を求める。
(2) 理研電子(株)の磁気特性測定装置「BHV-50H」(V.S.MAGNETOMETER)のサンプルホルダーにキャリアを充填したプラスティックケースをセットし、バイブレーション機能を使用して、プラスティックケースを加振しながら、79.6kA/mの磁場を印加して飽和磁化を測定する。得られた値は充填されたキャリアの質量を考慮し、単位質量当たりの飽和磁化に換算する。
(1) 外径7mm(内径6mm)、高さ5mmの蓋付プラスティックケースにキャリアをタッピングしながら充填し、プラスティックケースの重量とキャリアを充填したプラスティックケースの重量の差から、キャリアの質量を求める。
(2) 理研電子(株)の磁気特性測定装置「BHV-50H」(V.S.MAGNETOMETER)のサンプルホルダーにキャリアを充填したプラスティックケースをセットし、バイブレーション機能を使用して、プラスティックケースを加振しながら、79.6kA/mの磁場を印加して飽和磁化を測定する。得られた値は充填されたキャリアの質量を考慮し、単位質量当たりの飽和磁化に換算する。
樹脂製造例1
ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン1,050g、フマル酸355g、ハイドロキノン(重合禁止剤)1g及びジブチルスズオキサイド(エステル化触媒)1.4gを窒素雰囲気下、常圧下、210℃で5時間反応させた後、減圧下210℃で反応させて樹脂Aを得た。樹脂Aの軟化点は102.0℃、酸価は19.8mgKOH/g、ガラス転移点は58.0℃であった。
ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン1,050g、フマル酸355g、ハイドロキノン(重合禁止剤)1g及びジブチルスズオキサイド(エステル化触媒)1.4gを窒素雰囲気下、常圧下、210℃で5時間反応させた後、減圧下210℃で反応させて樹脂Aを得た。樹脂Aの軟化点は102.0℃、酸価は19.8mgKOH/g、ガラス転移点は58.0℃であった。
樹脂製造例2
ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン830g、ポリオキシエチレン(2.0)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン320g、テレフタル酸233g、ドデセニル無水コハク酸245g、無水トリメリット酸140及び酸化ジブチル錫(エステル化触媒)4gを窒素雰囲気下、常圧下、230℃で8時間反応させた後、さらに減圧下で反応させて樹脂Bを得た。樹脂Bの軟化点は138.5℃、酸価は25.8mgKOH/g、ガラス転移点は65.8℃であった。
ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン830g、ポリオキシエチレン(2.0)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン320g、テレフタル酸233g、ドデセニル無水コハク酸245g、無水トリメリット酸140及び酸化ジブチル錫(エステル化触媒)4gを窒素雰囲気下、常圧下、230℃で8時間反応させた後、さらに減圧下で反応させて樹脂Bを得た。樹脂Bの軟化点は138.5℃、酸価は25.8mgKOH/g、ガラス転移点は65.8℃であった。
実施例1〜5及び比較例2
結着樹脂として樹脂A 80重量部、樹脂B 20重量部、着色剤としてカーボンブラック「モーガルL」(キャボット社製)6重量部、負帯電性荷電制御剤として「ボントロン S-34」(オリエント化学工業社製)1重量部及び離型剤としてポリプロピレンワックス「NP105」(三井化学株式会社製)をヘンシェルミキサーで混合後、二軸混練機「PCM-45」(池貝社製)を用いて、溶融混練し、ドラムフレーカーにより冷却した後、カッターミルで粗粉砕した。その後、ジェットミルで微粉砕し、気流分級機で分級を行い、体積中位粒径(D50)が8.5μmの負帯電性のトナー母粒子(比重:1.2)を得た。
結着樹脂として樹脂A 80重量部、樹脂B 20重量部、着色剤としてカーボンブラック「モーガルL」(キャボット社製)6重量部、負帯電性荷電制御剤として「ボントロン S-34」(オリエント化学工業社製)1重量部及び離型剤としてポリプロピレンワックス「NP105」(三井化学株式会社製)をヘンシェルミキサーで混合後、二軸混練機「PCM-45」(池貝社製)を用いて、溶融混練し、ドラムフレーカーにより冷却した後、カッターミルで粗粉砕した。その後、ジェットミルで微粉砕し、気流分級機で分級を行い、体積中位粒径(D50)が8.5μmの負帯電性のトナー母粒子(比重:1.2)を得た。
得られたトナー母粒子3.5kgを、トナー母粒子100重量部に対して表1に示す量(重量部)の外添剤A、Bを添加して5リットル容のヘンシェルキサーにて240秒間攪拌した後、さらに表1に示す量(重量部)の外添剤C、Dを添加してヘンシェルキサーにて2300r/minで240秒間攪拌後、目開き100μmの金網で篩ってトナーを得た。
トナー6重量部とフェライトキャリア(体積平均粒径:70μm、飽和磁化:68Am2/kg)94重量部とを混合し、二成分現像剤を得た。
比較例1、3
実施例1と同様にして得られたトナー母粒子100重量部に対し、表1に示す量(重量部)の外添剤A、Bを添加してヘンシェルキサーにて240秒間攪拌した後、目開き100μmの金網で篩ってトナーを得、さらにキャリアと混合して二成分現像剤を得た。
実施例1と同様にして得られたトナー母粒子100重量部に対し、表1に示す量(重量部)の外添剤A、Bを添加してヘンシェルキサーにて240秒間攪拌した後、目開き100μmの金網で篩ってトナーを得、さらにキャリアと混合して二成分現像剤を得た。
試験例
二成分現像剤を、二成分現像装置「Variostream 9000」(Oce Printing Systems GmbH社製)に実装し、印字率9%で50000枚印刷し、さらに、印字率1%で40000枚印刷した。50000枚目、90000枚目の画像の黒ベタ部分の光学反射密度(OD)を反射濃度計「RD-915」(マクベス社製)により画像濃度として測定し、以下の評価基準に従って画像濃度を評価した。結果を表1に示す。
二成分現像剤を、二成分現像装置「Variostream 9000」(Oce Printing Systems GmbH社製)に実装し、印字率9%で50000枚印刷し、さらに、印字率1%で40000枚印刷した。50000枚目、90000枚目の画像の黒ベタ部分の光学反射密度(OD)を反射濃度計「RD-915」(マクベス社製)により画像濃度として測定し、以下の評価基準に従って画像濃度を評価した。結果を表1に示す。
〔画像濃度の評価基準〕
◎:画像濃度が、1.8以上
○:画像濃度が、1.6以上、1.8未満
△:画像濃度が、1.5以上、1.6未満
×:画像濃度が、1.5未満
◎:画像濃度が、1.8以上
○:画像濃度が、1.6以上、1.8未満
△:画像濃度が、1.5以上、1.6未満
×:画像濃度が、1.5未満
5001枚目から5003枚目の画像の白抜けと黒点を目視にて数え、1枚あたりの白抜けと黒点の合計数を算出し、以下の評価基準に従って画質を評価した。白抜けは遊離した外添剤の凝集物に、黒点は外添剤のトナー中への埋め込みによる帯電不良や流動性悪化に、それぞれ起因しているものである。結果を表1に示す。
〔画質の評価基準〕
◎:1枚あたりの白抜けと黒点の合計数が10個/枚未満
○:1枚あたりの白抜けと黒点の合計数が10個/枚以上、20個/枚未満
△:1枚あたりの白抜けと黒点の合計数が20個/枚以上、30個/枚未満
×:1枚あたりの白抜けと黒点の合計数が30個/枚以上
◎:1枚あたりの白抜けと黒点の合計数が10個/枚未満
○:1枚あたりの白抜けと黒点の合計数が10個/枚以上、20個/枚未満
△:1枚あたりの白抜けと黒点の合計数が20個/枚以上、30個/枚未満
×:1枚あたりの白抜けと黒点の合計数が30個/枚以上
また、50000枚印刷後、90000枚印刷後のそれぞれで画像濃度が1.6〜1.8の黒ベタ画像を印刷し、定着テストとしてテープ剥離試験及び消しゴム擦り試験(消しゴムによる擦り回数:10回)を行った。テープ剥離前後、消しゴム擦り前後の光学反射密度(OD)を反射濃度計「RD-915」(マクベス社製)により画像濃度として測定し、それらの比(テープ剥離後/テープ貼付前×100及び消しゴム擦り後/消しゴム擦り前×100)を定着率(%)として算出した。結果を表1に示す。なお、テープ剥離試験では、主に紙に対して垂直方向に対する画像の定着性を、消しゴム擦り試験では、主に紙に対して水平方向に対する画像の定着性を、それぞれ確認することができる。
以上の結果より、実施例1〜5のトナーはいずれも、長期耐刷においても高品質な画像を維持することができ、定着性も良好であることが分かる。これに対し、比較例1〜3のトナーは、実施例のトナーに比べて画質や定着性が不十分であり、特に比較例2の結果より、実施例と同じ外添剤を使用していても、その添加方法が非常に重要であることが分かる。
本発明の電子写真用トナーは、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像等に用いられる。
Claims (5)
- 結着樹脂及び着色剤を含有してなるトナー母粒子に平均粒径が20〜80nmのシリカと平均粒径が50〜300nmのアルミナが同時に外添されてなり、前記シリカとアルミナを含む外添剤による総被覆率が100%以上である電子写真用トナー。
- アルミナが、α-アルミナである請求項1記載の電子写真用トナー。
- 平均粒径が20〜80nmのシリカと平均粒径が50〜300nmのアルミナが同時に外添された後に、平均粒径が10〜30nmのシリカが外添されてなる請求項1又は2記載の電子写真用トナー。
- 請求項1〜3のいずれか記載の電子写真用トナーとキャリアとを含有してなる二成分現像剤。
- 請求項3記載の二成分現像剤を、非接触定着方式の画像形成装置に用いる画像形成方法。
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JP2006275711A JP2008096539A (ja) | 2006-10-06 | 2006-10-06 | 電子写真用トナー |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012108181A (ja) * | 2010-11-15 | 2012-06-07 | Casio Electronics Co Ltd | バイオプラスチックを用いた電子写真用トナー |
US8652726B2 (en) | 2011-03-28 | 2014-02-18 | Fuji Xerox Co., Ltd. | Toner for developing electrostatic image, method of producing toner, cartridge, image forming method, and image forming apparatus |
US8728693B2 (en) | 2011-03-28 | 2014-05-20 | Fuji Xerox Co., Ltd. | Toner for developing electrostatic image, method of producing toner, cartridge, image forming method, and image forming apparatus |
JP2019159001A (ja) * | 2018-03-09 | 2019-09-19 | コニカミノルタ株式会社 | 静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像用トナーの製造方法 |
JP2020086275A (ja) * | 2018-11-29 | 2020-06-04 | コニカミノルタ株式会社 | 静電荷像現像用2成分現像剤 |
-
2006
- 2006-10-06 JP JP2006275711A patent/JP2008096539A/ja active Pending
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