JP2019159001A - 静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像用トナーの製造方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像用トナーの製造方法 Download PDF

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【課題】本発明の課題は、低温定着性に優れ、画像白抜けとトナー飛散の少ない静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像用トナーの製造方法を提供することである。【解決手段】本発明は、トナー粒子を含有する静電荷像現像用トナーであって、前記トナー粒子の破壊及び変形強度試験による、温度25℃・湿度50%における圧壊強度Aと変形強度Bとが、下記式1の関係を満たすことを特徴とする。式1:B≦A【選択図】図1

Description

本発明は、静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像用トナーの製造方法に関する。より詳細には、本発明は、低温定着性に優れ、画像白抜けとトナー飛散の少ない静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像用トナーの製造方法に関する。
電子写真方式の画像形成装置においては、画像形成の高速化や環境負荷の低減等を目的として省エネルギー化を図るため、より低い温度で熱定着できる静電荷像現像用トナー(以下、単にトナーともいう。)が求められている。
一方で、トナーを低温定着化させるとトナー粒子の強度が低下し、現像器内の撹拌によるストレスでトナー粒子が破壊され、帯電できなくなったトナー粒子が現像器から飛散することで、画質が悪化することが問題となっている。また、トナー粒子が変形する前に破壊されやすくなることで、クリーニング部材の摩擦によるストレスでトナー粒子が破壊され、トナー粒子の構成成分の一部が感光体表面上に付着し、画像白抜けが発生することが問題となっている。特に、トナー粒子の結着樹脂に結晶性樹脂を含有するトナーでは、外部ストレスを受けた際に、非晶部と結晶部の界面で引きはがされ、トナー粒子が割れやすくなることが問題となっている。
そこで、常温での圧壊強度と圧壊時変形量を規定したトナーが提案されている(例えば、下記特許文献1参照)。このトナーは、現像スリーブや感光体へトナーの付着を抑制させるために圧壊強度を高め、かつ、圧壊時変形量を大きくすることで、トナー粒子が圧壊する際にトナー粒子が薄く広がり、低温定着性を向上させている。しかしながら、圧壊時変形量を大きくすると、トナー粒子が破壊された状態で変形するため、トナー粒子の破砕物や内包物が感光体上に付着し、クリーニング不良の原因となるため、画像白抜けが発生しやすくなるという問題がある。
また、トナー粒子を1mNで加圧した時の変形量を規定したトナーが提案されている(例えば、下記特許文献2参照)。このトナーは、トナー粒子表面の硬度を制御することで流動化剤の埋没度合いを調整し、現像安定性を向上させている。しかしながら、粒子の圧壊強度に関する記載はなく、加圧時の変形量を大きくするとトナー粒子が破壊されやすくなってしまうため、現像器内の撹拌ストレスで破壊されたトナー粒子が現像器から飛散し、画質が悪化するという問題がある。
特開2014−59450号公報 特開2010−113017号公報
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、低温定着性に優れ、画像白抜けとトナー飛散の少ない静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像用トナーの製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討した結果、トナー粒子の破壊及び変形強度試験による、温度25℃・湿度50%における圧壊強度Aと変形強度Bとを、「変形強度B≦圧壊強度A」となるように調整することで、低温定着性に優れ、画像白抜けとトナー飛散の少ないトナーを提供できることを見いだし、本発明に至った。
すなわち、本発明に係る課題は、以下の手段により解決される。
1.トナー粒子を含有する静電荷像現像用トナーであって、
前記トナー粒子の破壊及び変形強度試験による、温度25℃・湿度50%における圧壊強度Aと変形強度Bとが、下記式1の関係を満たすことを特徴とする静電荷像現像用トナー。
式1:B≦A
2.前記トナー粒子の前記圧壊強度A及び前記変形強度Bが、下記式2及び式3の関係を満たすことを特徴とする第1項に記載の静電荷像現像用トナー。
式2:10MPa≦A≦25MPa
式3:5MPa≦B≦20MPa
3.前記トナー粒子に、外添剤として酸化アルミニウム粒子が付着されていることを特徴とする第1項又は第2項に記載の静電荷像現像用トナー。
4.前記トナー粒子に、外添剤としてシリカ粒子が付着されており、
前記シリカ粒子の付着強度Cに対する前記酸化アルミニウム粒子の付着強度Dの比の値(D/C)が、下記式4の関係を満たすことを特徴とする第3項に記載の静電荷像現像用トナー。
式4:0.8≦D/C≦1.5
5.前記酸化アルミニウム粒子の一次粒径が、10〜80nmの範囲内であることを特徴とする第3項又は第4項に記載の静電荷像現像用トナー。
6.前記トナー粒子が、結着樹脂を含有し、
前記結着樹脂が、結晶性樹脂を含有することを特徴とする第1項から第5項までのいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
7.前記トナー粒子中の前記結晶性樹脂の含有量が、1〜20質量%の範囲内であることを特徴とする第6項に記載の静電荷像現像用トナー。
8.前記結晶性樹脂に、結晶性ポリエステル樹脂を含有することを特徴とする第6項又は第7項に記載の静電荷像現像用トナー。
9.前記結晶性樹脂中の前記結晶性ポリエステル樹脂の含有量が、1〜10質量%の範囲内であることを特徴とする第8項に記載の静電荷像現像用トナー。
10.前記結晶性ポリエステル樹脂を構成する多価アルコール成分の炭素数と多価カルボン酸成分の炭素数との差の絶対値が、3以上であることを特徴とする第8項又は第9項に記載の静電荷像現像用トナー。
11.前記結晶性樹脂が、ブロックポリマーを含有することを特徴とする第6項から第10項までのいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
12.前記結晶性樹脂中の前記ブロックポリマーの含有量が、1〜10質量%の範囲内であることを特徴とする第11項に記載の静電荷像現像用トナー。
13.前記トナー粒子中に、ワックス分散剤を含有することを特徴とする第1項から第12項までのいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
14.第1項に記載の静電荷像現像用トナーを製造する、静電荷像現像用トナーの製造方法であって、
前記トナー粒子中に、ワックス分散剤を添加することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
本発明によれば、低温定着性に優れ、画像白抜けとトナー飛散の少ない静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像用トナーの製造方法を提供することができる。
本発明の効果の発現機構又は作用機構は以下のとおりであると推察している。
本発明に係るトナー粒子は、破壊及び変形強度試験による、温度25℃・湿度50%における圧壊強度Aと変形強度Bとが、変形強度B≦圧壊強度Aの関係を満たしている。この関係を満たすトナー粒子は、変形しても割れにくいため、現像器内でのストレスでトナー粒子が破壊されにくくなり、トナー飛散が改善すると推察される。
また、トナー粒子が感光体表面をクリーニングするブレードによって外力を受けた際に破壊されにくくなるので、トナー粒子の構成成分が撒き散らされることを抑制できると推察される。
また、本発明のトナーを用いて電子写真画像を形成する際に、感光体とクリーニングブレードとの当接部近傍でトナー粒子から遊離した外添剤等による静止層を形成されるとともに、当該静止層の近傍に、変形しても割れにくいトナー粒子が密に詰まってトナー層が形成されると推察される。そして、当該トナー層の存在により、小径トナー、外添剤、トナー破砕物等がクリーニングブレード付近で効果的にせき止められ、クリーニング性能が向上し、画像白抜けが発生しにくくなると推察される。
トナー粒子の破壊及び変形強度試験をした際の、荷重と変位量の関係を表すグラフの一例
本発明の静電荷像現像用トナーは、トナー粒子を含有する静電荷像現像用トナーであって、前記トナー粒子の破壊及び変形強度試験による、温度25℃・湿度50%における圧壊強度Aと変形強度Bとが、前記式1の関係を満たすことを特徴とする。この特徴は、下記実施態様に共通する又は対応する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、変形してもより割れにくいトナー粒子とすることで、本発明の効果をより有効に得る観点からは、前記トナー粒子の前記圧壊強度A及び前記変形強度Bが、前記式2及び式3の関係を満たすことが好ましい。
本発明の実施態様としては、本発明の効果をより有効に得る観点から、前記トナー粒子に、外添剤として酸化アルミニウム粒子が付着されていることが好ましい。酸化アルミニウム粒子を含むことで、酸化アルミニウムの硬度が高いことにより、クリーニングブレードと感光体間の摩擦でトナー中に酸化アルミニウム粒子が埋まりやすくなり、トナー粒子の流動性が低下する。このため、クリーニングブレードと感光体間にトナー粒子が滞留しやすく、当該トナー粒子が密に詰まったトナー層により、小径トナーや外添剤のせき止め効果が高まり、画像白抜けを抑制できる。
本発明の実施態様としては、本発明の効果をより有効に得る観点から、前記トナー粒子に、外添剤としてシリカ粒子が付着されており、前記シリカ粒子の付着強度Cに対する前記酸化アルミニウム粒子の付着強度Dの比の値(D/C)が、前記式4の関係を満たすことが好ましい。
上記比の値(D/C)が、0.8以上である場合、遊離した酸化アルミニウム粒子が少なく、クリーニングブレードと感光体間の摩擦でトナー中に酸化アルミニウム粒子が埋まりやすくなるので、上述したような、小径トナーや外添剤のせき止める効果により、画像白抜けが発生しにくくなる。また、トナー粒子間に遊離した酸化アルミニウム粒子が減ることで、加熱定着時にトナー同士が融着されやすく、定着性が向上する。また、付着強度比を、1.5よりも小さくすることで、トナー粒子の流動性が低下しすぎて感光体上にトナー粒子が固着することを防ぎ、画像白抜けの発生を抑制することができる。
本発明の実施態様としては、上述した画像白抜けの効果を発現するために、トナー粒子に適度に埋没しやすい大きさとする観点から、前記酸化アルミニウム粒子の一次粒径が、10〜80nmの範囲内であることが好ましい。
本発明の実施態様としては、より優れた低温定着性を得る観点から、前記トナー粒子が、結着樹脂を含有し、前記結着樹脂が、結晶性樹脂を含有することが好ましい。
本発明の実施態様としては、より優れた低温定着性を得る観点から、前記トナー粒子中の前記結晶性樹脂の含有量が、1〜20質量%の範囲内であることが好ましい。
本発明の実施態様としては、より優れた低温定着性を得る観点から、前記結晶性樹脂に、結晶性ポリエステル樹脂を含有することが好ましい。
本発明の実施態様としては、トナー粒子の圧壊強度Aを本発明の効果が有効に得られる範囲内に調整する観点から、前記結晶性樹脂中の前記結晶性ポリエステル樹脂の含有量が、1〜10質量%の範囲内であることが好ましい。
本発明の実施態様としては、結晶構造を形成しにくくすることで、トナー粒子の圧壊強度Aを本発明の効果が有効に得られる範囲内に調整する観点から、前記結晶性ポリエステル樹脂を構成する多価アルコール成分の炭素数と多価カルボン酸成分の炭素数との差の絶対値が、3以上であることが好ましい。
本発明の実施態様としては、トナー粒子の変形強度Bを本発明の効果が有効に得られる範囲内に調整する観点から、前記結晶性樹脂が、ブロックポリマーを含有することが好ましい。
本発明の実施態様としては、トナー粒子の変形強度Bを本発明の効果が有効に得られる範囲内に調整する観点から、前記結晶性樹脂中の前記ブロックポリマーの含有量が、1〜10質量%の範囲内であることが好ましい。
本発明の実施態様としては、トナー粒子の圧壊強度A及び変形強度Bを本発明の効果が有効に得られる範囲内に調整する観点から、前記トナー粒子中に、ワックス分散剤を含有することが好ましい。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、数値範囲を表す「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用している。
[静電荷像現像用トナー(トナー)]
本発明において「トナー」とは、「トナー粒子」の集合体のことをいう。
本発明に係るトナー粒子は、結着樹脂中に、必要に応じて、着色剤、離型剤、ワックス分散剤、荷電制御剤などの構成成分を含有するものであることが好ましい。また、本発明に係るトナー粒子表面には、外添剤が付着されていることが好ましい。
本発明のトナーは、トナー粒子を含有するトナーであって、前記トナー粒子の破壊及び変形強度試験による、温度25℃・湿度50%における圧壊強度Aと変形強度Bとが、下記式1の関係を満たすことを特徴とする。
式1:B≦A
上記式1の関係を満たすトナー粒子は、変形しても割れにくいため、現像器内でのストレスでトナー粒子が破壊されにくくなり、トナー飛散が抑制されると推察される。また、本発明のトナーを用いて電子写真画像を形成する際に、感光体とクリーニングブレードとの当接部近傍でトナー粒子から遊離した外添剤等による静止層を形成されるとともに、当該静止層の近傍に、変形しても割れにくいトナー粒子が密に詰まってトナー層が形成されると推察される。そして、当該トナー層の存在により、小径トナー、外添剤、トナー破砕物等がクリーニングブレード付近で効果的にせき止められ、クリーニング性能が向上し、画像白抜けが発生しにくくなる推察される。
本発明に係るトナー粒子を、変形してもより割れにくくすることで本発明の効果をより有効に得る観点からは、トナー粒子の上記圧壊強度A及び変形強度Bが、下記式2及び式3の関係を満たすことが好ましく、下記式2′及び式3′の関係を満たすことがより好ましい。
式2 :10MPa≦A≦25MPa
式2′:15MPa≦A≦20MPa
式3 : 5MPa≦B≦20MPa
式3′:10MPa≦B≦15MPa
トナー粒子の圧壊強度Aは、例えば、トナー粒子の結晶性樹脂中に含有する結晶性ポリエステルの含有量、当該結晶性ポリエステルを構成する多価アルコール成分と多価カルボン酸成分の炭素数差、又はトナー粒子中に含有するワックス分散剤の種類や含有量、を変えること等で調整できる。
トナー粒子の変形強度Bは、例えば、トナー粒子の結晶性樹脂中に含有するブロックポリマーの含有量、又はトナー粒子中に含有するワックス分散剤の種類や含有量、を変えること等で調整できる。
(トナー粒子の破壊及び変形強度試験)
トナー粒子の破壊及び変形強度試験による、温度25℃・湿度50%における圧壊強度Aと変形強度Bとは、トナー粒子の破壊及び変形強度試験機、具体的には「ENT−NEXUS」(エリオニクス社製)を用いて測定を行う。具体的には、常温常湿(温度25℃、湿度50%RH)環境下において、プローブの負荷荷重を0mNから1mNまで0.1mN/secの速さで変化させて、10msecごとの変位量(負荷荷重をかける方向への変位量)の測定データを収集する。
ここで、圧壊強度Aと変形強度Bの算出条件は下記のとおりである。
上記測定によって得られた荷重と変位量の関係を表す線図から、測定した各10msecでの変位量を、それぞれ、一つ前の10msecでの変位量と比較し、一つ前の変位量よりも2倍以上の変位量となっている荷重Fsを読み取る。その荷重Fsを下記式Aに代入して、圧壊強度Aを算出する。なお、2倍以上の変位量となった時点を、トナー粒子が破壊された時点であるとみなしている。
Figure 2019159001
上記式A中、Cs:圧壊強度(MPa)、Fs:試験力(N)、d:粒子径(mm)を示す。
また、図1に、上記荷重と変位量の関係を表す線図(横軸:変位量(nm)、縦軸:荷重(mN))の一例を示す。図1の線図は、10msecごとに測定した変位量の測定点をプロットして線状につなげたものである。
変形強度Bは、トナー粒子径の10%の圧縮変位(負荷荷重をかける方向において、初期のトナー粒子の高さから、10%圧縮された高さとなったときの変位)が認められた時点の荷重Fxを読み取り、下記式Bに代入して求める。また、圧壊強度Aと変形強度Bは、コンタクトエラー、目的外粒子との接触の疑い、又は粒子のすべりや転がりの疑いのあるデータを除外し、正常に測定できた100個のトナー粒子での平均値を用いている。
Figure 2019159001
上記式B中、Cx:変形強度(MPa)、Fx:試験力(N)、d:粒子径(mm)を示す。
また、測定圧子、測定環境及び測定試料は以下に示すものを用いている。
測定圧子:10μmφのフラット圧子
測定環境:温度20℃・湿度50%
測定試料:ステンレス製の試料ブロック上にトナーを散布させて不安定な付着粒子を振り落とし、光学顕微鏡にて1000倍の視野(対物レンズ50倍)でトナー粒子1個を特定し、当該トナー粒子の直径を測長する。ここで、トナー粒子は球であるとみなし、当該直径をトナー粒子の高さであるとする。この測定の後、上述した方法で、圧壊強度Aと変形強度Bの測定をする。
(トナー粒子の粒径)
本発明に係るトナー粒子の体積平均粒径は、4.5〜8μmの範囲であることが好ましい。画質を向上の観点ではより小径であることが好ましいが、粒径が小さいとトナー粒子の付着力が高まり、クリーニング性が悪化してしまう。トナー粒子の体積平均粒径が前記範囲内であれば、出力画像の画質とクリーニング性の両方の観点を満たし、かつ帯電、現像、転写などの機能も両立させることができる。なお、トナー粒子の体積平均粒径は、5〜6.2μmの範囲内であれば、上記観点においてより好ましく、ドット再現性も高まるためより高画質な画像が得られる。
トナー粒子の体積平均粒径は、体積基準メジアン径(D50)として、例えば、「マルチサイザー3(ベックマン・コールター社製)」に、データ処理用ソフト「Software V3.51」を搭載したコンピューターシステム(ベックマン・コールター社製)を接続した装置を用いて、前述と同様に測定、算出することができる。測定手順としては、トナー粒子0.02gを、界面活性剤溶液20mLに分散させ、馴染ませた後超音波分散を1分間行い、トナー粒子分散液を調製する。前記界面活性剤溶液としては、例えば、界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈したものを用いるとよい。このトナー粒子分散液を、ISOTONII(ベックマン・コールター社製)のビーカーに測定濃度5〜10%になるまで滴下していき、測定機カウントを25000個に設定して測定する。ここで、マルチサイザー3のアパチャー径は100μmのものを使用する。測定は、2〜60μmの範囲を256分割しての頻度数を算出し、体積積算分率が大きい方から50%の粒子径を体積基準メジアン径(D50)として得て、トナー粒子の体積平均粒径とする。
(トナー粒子の円形度)
本発明に用いるトナー粒子の円形度は、下記数式Cで示される平均円形度が0.920〜1.000であることが好ましい。トナー粒子の円形度が前記範囲内であれば、トナー粒子どうしの接触点が小さくなり、十分な転写効率を得ることができる。
式C:トナー粒子の平均円形度=(トナー粒子の粒子像と同じ投影面積をもつ円の周囲長)/(トナー粒子の粒子投影像の周囲長)
上記トナー粒子の平均円形度を求める測定例としては、平均円形度の測定装置「FPIA−2100」(Sysmex社製)を用いた測定が挙げられる。具体的な操作としては、トナー粒子を界面活性剤水溶液に湿潤させ、超音波分散を1分間行って分散した後、「FPIA−2100」を用い測定条件HPF(高倍率撮像)モードにて、HPF検出数3000〜10000個の適正濃度で測定を行う。
<結着樹脂>
本発明に係るトナー粒子は、結着樹脂として、非晶性樹脂と結晶性樹脂とを含有することが好ましい。また、当該結晶性樹脂が、ブロックポリマーを含有することが好ましい。
〔結着樹脂〕
結晶性樹脂とは、結晶性を示す樹脂であり、本発明でいう結晶性を示すとは、示差走査熱量測定(DSC:Differential Scanning Calorimetry)により得られる吸熱曲線において、融点すなわち昇温時に明確な吸熱ピークを有することをいう。明確な吸熱ピークとは、10℃/minの昇温速度で昇温したときの吸熱曲線において半値幅が15℃以内のピークをいう。また、非晶性樹脂は非晶性を示す樹脂であり、本発明でいう非晶性を示すとは、上述した吸熱曲線において融点すなわち昇温時に明確な吸熱ピークを有しないことをいう。
耐熱性及び低温定着性を両立する観点からは、トナー粒子は、耐熱性に優れた非晶性樹脂をマトリクスとして、マトリクス中に低温定着性を付与する結晶性樹脂をドメインとして分散させた、マトリクス・ドメイン構造を有することが好ましい。
〔結晶性樹脂〕
本発明に係る結着樹脂には、低温定着性を向上させる観点から、結晶性樹脂を含有することが好ましい。
トナー粒子中の結晶性樹脂の含有量が、1〜20質量%の範囲内であることが好ましく、5〜20質量%の範囲内であることがより好ましく、7〜15質量%の範囲内であることがさらに好ましい。1質量%以上とすることで、低温定着性の効果を有効に発現させることができる。また、トナー粒子中の結晶性樹脂の含有量を20質量%以下とすることで、結晶性樹脂と非晶性樹脂の界面を少なくできるので、トナー粒子の起点となりやすい当該界面部分の領域を減らし、トナー粒子が破壊されにくくできる。したがって、トナーが飛散しにくくなる。
〔結晶性ポリエステル樹脂〕
トナー粒子は、より優れた低温定着性を得る観点から、結晶性樹脂として結晶性ポリエステル樹脂を含有することが好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂は、2価以上のカルボン酸(多価カルボン酸)単量体と、2価以上のアルコール(多価アルコール)単量体との重縮合反応によって得られる公知のポリエステル樹脂のうち、結晶性を示すポリエステル樹脂である。
結晶性ポリエステル樹脂の合成方法は特に制限されず、エステル化触媒を利用して、上記多価カルボン酸単量体及び多価アルコール単量体を重合する(エステル化する)ことにより、結晶性ポリエステル樹脂を形成することができる。
多価カルボン酸単量体は、1分子中にカルボキシ基を2個以上含有する化合物である。
結晶性ポリエステル樹脂の合成に使用できる多価カルボン酸単量体としては、例えばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、n−ドデシルコハク酸、1,10−デカンジカルボン酸(ドデカン二酸)、1,12−ドデカンジカルボン酸(テトラデカン二酸)等の飽和脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸;トリメリット酸、ピロメリット酸等の3価以上の多価カルボン酸;これらカルボン酸化合物の無水物、炭素数1〜3のアルキルエステル等が挙げられる。
これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
多価アルコール単量体は、1分子中にヒドロキシ基を2個以上含有する化合物である。
結晶性ポリエステル樹脂の合成に使用できる多価アルコール単量体としては、例えば1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール等の脂肪族ジオール;グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ソルビトール等の3価以上の多価アルコール等が挙げられる。
これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
使用可能なエステル化触媒としては、ナトリウム、リチウム等のアルカリ金属化合物;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属化合物;アルミニウム、亜鉛、マンガン、アンチモン、チタン、スズ、ジルコニウム、ゲルマニウム等の金属化合物;亜リン酸化合物;リン酸化合物;アミン化合物等が挙げられる。
重合温度は特に限定されるものではないが、150〜250℃の範囲内であることが好ましい。また、重合時間は特に限定されるものではないが、0.5〜10時間の範囲内であることが好ましい。重合中には、必要に応じて反応系内を減圧にしてもよい。
上記結晶性ポリエステル樹脂等の結晶性樹脂の融点(Tm)は、優れた低温定着性、耐熱性及び耐ホットオフセット性を両立する観点から、65〜85℃の範囲内にあることが好ましく、70〜80℃の範囲内がより好ましい。
融点(Tm)は、吸熱ピークのピークトップの温度であり、DSCにより測定することができる。
具体的には、試料をアルミニウム製パンKITNO.B0143013に封入し、熱分析装置Diamond DSC(パーキンエルマー社製)のサンプルホルダーにセットして、加熱、冷却、加熱の順に温度を変動させる。1回目の加熱時には室温(25℃)から、2回目の加熱時には0℃から、10℃/minの昇温速度でそれぞれ150℃まで昇温して150℃を5分間保持し、冷却時には、10℃/minの降温速度で150℃から0℃まで降温して0℃の温度を5分間保持する。2回目の加熱時に得られる吸熱曲線における吸熱ピークのピークトップの温度を融点として測定する。
また、結晶構造を形成しにくくすることで、トナー粒子の圧壊強度Aを本発明の効果が有効に得られる範囲内に調整する観点から、結晶性ポリエステル樹脂を構成する多価アルコール成分の炭素数と多価カルボン酸成分の炭素数との差の絶対値は3以上であることが好ましい。
また、トナー粒子の圧壊強度Aを本発明の効果が有効に得られる範囲内に調整する観点から、結晶性樹脂中の前記結晶性ポリエステル樹脂の含有量が、1〜10質量%の範囲内であることが好ましい。
〔ブロックポリマー〕
本発明に係る結晶性樹脂中には、トナー粒子の変形強度Bを本発明の効果が有効に得られる範囲内に調整する観点から、ブロックポリマーを含有することが好ましい。ブロックポリマーは、2種以上の樹脂のブロック共重合体である。
また、トナー粒子の変形強度Bを本発明の効果が有効に得られる範囲内に調整する観点から、結晶性樹脂中のブロックポリマーの含有量が、1〜10質量%の範囲内であることが好ましい。さらに、ブロックポリマーの含有量が1質量%以上であれば、定着時に加熱だけでトナーが過剰に溶融することを抑え、10質量%以下であれば、定着時に大きな熱量と圧力を加えなくてもトナーが溶融するように、トナーの溶融性を調整することができる。このようなトナーの溶融性により、低温定着性に優れ、画像の濃度ムラが少ないトナーを得ることができる。
ブロックポリマーは、結晶部及び非晶部を有することが好ましい。
結晶部とは結晶性樹脂に由来の構造を有する樹脂部分をいい、非晶部とは、非晶性樹脂に由来の構造を有する樹脂部分をいう。
結晶部によりトナーの溶けにくさを、非晶部によりトナーの溶けやすさを調整することができ、トナーの溶融性の制御が容易になる。また、このようなブロックポリマーは、ミクロな相分離状態を形成することから、定着時の加圧によるトナーの融け広がりに圧力依存性を付与することができる。
ブロックポリマーの結晶部の形成には、上述した結晶性樹脂を使用することができる。中でも、結晶部が、トナー粒子の結着樹脂として使用される結晶性ポリエステル樹脂に由来の構造を有する樹脂部分であると、結着樹脂中の結晶性ポリエステル樹脂との相溶性が高まるため、ブロックポリマーによるトナーの溶融性の制御がより容易になり、好ましい。
結晶部の形成に使用する樹脂は、融点(Tm)が65〜85℃の範囲内にあることが好ましい。この範囲内にあれば、良好な結晶性が得られ、トナーの溶けにくさを調整しやすくなるとともに、トナーの低温定着性がより良好となる。
結晶部の重量平均分子量(Mw)は、1000〜3000の範囲内にあることが好ましい。
この範囲内にあれば、良好な結晶性が得られ、トナーの溶けにくさを調整しやすくなるとともに、トナーの低温定着性がより良化する。
樹脂の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、後述するゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC:Gel Permeation Chromatography、以下単にGPCともいう。)によって測定した樹脂の分子量分布から求めることができる。
樹脂の分子量分布は、以下のようにGPCによって測定することができる。
試料(トナー)を濃度1mg/mLとなるようにテトラヒドロフラン(THF)中に添加し、40℃において超音波分散機を用いて15分間分散処理した後、ポアサイズ0.2μmのメンブランフィルターで処理して、試料液を調製する。GPC装置HLC−8220GPC(東ソー社製)及びカラムTSKguardcolumn+TSKgel SuperHZM-M3連(東ソー社製)を用い、カラム温度を40℃に保持しながら、キャリア溶媒としてテトラヒドロフランを流速0.2mL/minで流す。キャリア溶媒とともに、調製した試料液10μLをGPC装置内に注入し、屈折率検出器(RI検出器)を用いて試料を検出し、単分散のポリスチレン標準粒子を用いて測定した検量線を用いて、試料の分子量分布を算出する。検量線は、分子量がそれぞれ6×10、2.1×10、4×10、1.75×10、5.1×10、1.1×10、3.9×10、8.6×10、2×10、4.48×10である10点のポリスチレン標準粒子(Pressure Chemical社製)を測定することにより、作成する。
ブロックポリマーの非晶部の形成には、ポリスチレン樹脂、スチレン・ブタジエン樹脂、スチレン・アクリル樹脂等のビニル樹脂、非晶性ポリエステル樹脂等の非晶性樹脂を使用することができる。これらの樹脂は、ウレタン、ウレア、エポキシ等により変性されていてもよい。
非晶部は、トナー粒子の結着樹脂として使用される非晶性樹脂に由来の構造を有する樹脂部分であると、結着樹脂との相溶性が高まり、ブロックポリマーの分散性を向上させることができ、好ましい。
また、非晶部の形成に使用する樹脂は、ガラス転移点(Tg)が40〜75℃の範囲内にあることが好ましい。
樹脂のガラス転移点(Tg)は、ASTM(米国材料試験協会規格)D3418−82に規定された方法(DSC法)に従って測定することができる。測定には、DSC−7示差走査カロリメーター(パーキンエルマー社製)、TAC7/DX熱分析装置コントローラー(パーキンエルマー社製)等を用いることができる。
非晶部の重量平均分子量(Mw)は、10000〜40000の範囲内にあることが好ましい。
この範囲内であれば、トナーの溶けやすさを調整しやすくなるとともに、トナーのロバストネスが良好になり、感光体へのフィルミングを抑えることができる。
〔非晶性樹脂〕
非晶性樹脂としては、例えば、ビニル樹脂、非晶性ポリエステル樹脂等を使用することができる。ビニル樹脂は、ビニル単量体の重合体である。具体的なビニル樹脂としては、スチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレン・アクリル樹脂等が挙げられる。
優れた耐熱保管性を得る観点から、トナー粒子は、結着樹脂としてスチレン・アクリル樹脂を含有し、トナー粒子中のスチレン・アクリル樹脂の含有量が5質量%以上であることが好ましい。
耐熱保管性と低温定着性を両立する観点からは、トナー粒子中のスチレン・アクリル樹脂の含有量は、80質量%以下であることが好ましい。
ビニル単量体とは、ビニル基を有する重合性単量体であり、1種を単独で又は複数種のビニル単量体を組み合わせて使用することができる。下記単量体は、ビニル単量体の例示である。中でも、多官能性ビニル類を使用することにより、架橋構造を有する重合体を得ることができる。スチレン・アクリル樹脂は、スチレン系単量体及び(メタ)アクリル酸系単量体に、さらに他のビニル単量体を組み合わせた共重合体であってもよい。
(1)スチレン系単量体
スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン及びこれらの誘導体等のスチレン構造を有する単量体
(2)(メタ)アクリル酸系単量体
(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル及びこれらの誘導体等の(メタ)アクリル基を有する単量体
(3)ビニルエステル類
プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等
(4)ビニルエーテル類
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等
(5)ビニルケトン類
ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン等
(6)N−ビニル化合物類
N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等
(7)その他
ビニルナフタレン、ビニルピリジン等のビニル化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸又はメタクリル酸誘導体等
(8)多官能性ビニル類
ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート等
中でも、酸基を有するビニル単量体は、ビニル樹脂同士がイオン架橋しやすくなり、ビニル樹脂中の酸基の含有量を調整することで、イオン架橋の度合いを制御しやすくなることから、好ましい。
酸基とは、カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基等のイオン性解離基をいう。
例えば、カルボキシ基を有するビニル単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマル酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル等が挙げられる。
スルホン酸基を有するビニル単量体としては、スチレンスルホン酸、アリルスルホコハク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等が挙げられる。
リン酸基を有するビニル単量体としては、アシドホスホオキシエチルメタクリレート等が挙げられる。
ビニル樹脂のガラス転移点(Tg)は、低温定着性と耐熱保管性の両立の観点から、20〜70℃の範囲内にあることが好ましい。
トナー粒子中のビニル樹脂の含有量は、優れた耐熱性を得る観点から、5質量%以上であることが好ましく、20〜60質量%の範囲内にあることがより好ましく、35〜60質量%の範囲内にあることがさらに好ましい。
〔非晶性ポリエステル樹脂〕
非晶性ポリエステル樹脂は、多価カルボン酸単量体と、多価アルコール単量体との重合反応によって得られるポリエステル樹脂のうち、非晶性を示す樹脂をいう。
非晶性ポリエステル樹脂は、上述した結晶性ポリエステル樹脂と同様に、エステル化触媒を使用し、多価カルボン酸単量体と多価アルコール単量体を重合することにより、合成することができる。
非晶性ポリエステル樹脂の合成に使用できる多価カルボン酸単量体としては、例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、マロン酸、メサコニン酸、イソフタル酸ジメチル、フマル酸、ドデセニルコハク酸、1,10−デカンジカルボン酸等を挙げることができる。これらのなかでは、イソフタル酸ジメチル、テレフタル酸、ドデセニルコハク酸又はトリメリット酸が好ましい。
非晶性ポリエステル樹脂の合成に使用できる多価アルコール単量体としては、例えば、2価又は3価のアルコールとして、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物(BPA−EO)、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物(BPA−PO)、グリセリン、ソルビトール、1,4−ソルビタン、トリメチロールプロパン等を挙げることができる。これらのなかではビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物が好ましい。
〔着色剤〕
着色剤の個数平均一次粒子径は種類により異なるが、おおむね10〜200nm程度であることが好ましい。
トナーにおける着色剤の含有比率は、トナー中の結着樹脂の総質量に対して1〜30質量%の範囲内であることが好ましく、より好ましくは2〜20質量%の範囲内である。
〔離型剤〕
離型剤としては、特に限定されるものではなく公知の種々のワックスを用いることができる。使用できる離型剤としては、例えばポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等のポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の分枝鎖状炭化水素ワックス、パラフィンワックス、サゾールワックス等の長鎖炭化水素系ワックス、ジステアリルケトン等のジアルキルケトン系ワックス、カルナバワックス、モンタンワックス、ベヘン酸ベヘニル、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエート等のエステル系ワックス、エチレンジアミンベヘニルアミド、トリメリット酸トリステアリルアミド等のアミド系ワックス等が挙げられる。
離型剤としては、炭化水素系ワックスを用いることが、結着樹脂中のワックスの分散性が良くなり、かつ外部ストレスにより樹脂とワックスの界面で破壊されることを防ぐことにより、トナー飛散と画像白抜けを抑制できる効果を得ることができるため好ましい。
トナー粒子中の離型剤の含有量は、十分な定着分離性を得る観点から、3〜15質量部の範囲内にあることが好ましい。
〔ワックス分散剤〕
本発明に係るトナー粒子は、ワックス分散剤を含有することが好ましい。
ワックス分散剤は、離型剤として含有するワックスを、トナー粒子中に分散する機能を有するものである。ワックス分散剤は、結着樹脂として含有する樹脂と、離型剤として含有するワックスとの両方に似た構造を有し、ワックスをトナー粒子中に分散させることができる。また、ワックス分散剤は、当該樹脂と当該ワックスとの界面で作用して、トナー粒子に外力が与えられても当該界面を起点として割れにくくなるので、トナー粒子が変形しても割れにくくなる。これにより、本発明に係るトナー粒子の前記圧壊強度Aと前記変形強度Bとを、本発明の効果を有効に得られる範囲内に調整することができる。
また、本発明の効果をより有効に得る観点から、ワックス分散剤として、エステル化合物を用いることが好ましい。
ワックス分散剤として用いることができるエステル化合物としては、エチレングリコール蟻酸ジエステル、グリセリン酢酸トリエステル、トリメチロールプロパン酪酸トリエステル、テトラメチレングリコールカプリン酸ジエステル、ポリエチレングリコールアクリル酸ジエステル、グリセリンのポリプロピレンオキシド付加体ラウリン酸ジエステル、エチレングリコールステアリン酸ジエステル、プリピレングリコールベヘン酸ジエステル、グリセリンクロトン酸トリエステル、トリメチロールプロパンオレイン酸トリエステル、テトラメチレングリコールリノール酸ジエステル、エチレングリコールアラギドン酸ジエステル、グリセリンエルカ酸トリエステル、モノヤシ油脂肪酸ソルビタンエステル、モノステアリン酸ソルビタンエステル、モノオレイン酸ソルビタンエステル、トリオレイン酸ソルビタンエステル及びポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ソルビタンエステル等が挙げられる。
エステル化合物のHLB値は、2〜7が好ましく、さらに好ましくは3〜7、特に好ましくは4〜7、最も好ましくは4〜6である。この範囲内であると、製品安定性、高温時の消泡性がさらに良好となる。
HLB値とは、分子中の親水基と疎水基とのバランスを表す概念である。HLB値は、「界面活性剤の性質と応用」(著者:刈米孝夫、発行所:株式会社幸書房、昭和55年9月1日発行)の第89頁〜第90頁に記載された「乳化試験によるHLBの測定法」により算出できる。例えば、エステル化合物のHLB値は、以下の測定方法により算出できる。
(エステル化合物の乳化試験によるHLB値の測定法)
HLB値が未知のエステル化合物(X)とHLB値が既知の乳化剤(A)を異なった比率で混合し、HLB値が既知の油剤の乳化を行う。乳化層の厚みが最大となったときの混合比率から下記式を用いてエステル化合物(X)のHLB値を算出する。
(油剤のHLB値)={(W×HLB)+(W×HLB)}÷(W+W
上記式中、Wはエステル化合物(X)と乳化剤(A)の合計質量に基づく乳化剤(A)の質量分率、Wはエステル化合物(X)と乳化剤(A)の合計質量に基づくエステル化合物(X)の質量分率、HLBは乳化剤(A)のHLB値、HLBはエステル化合物(X)のHLB値である。
エステル化合物は、市場から容易に入手でき、例えば、イオネットS−60C{三洋化成工業(株)製、ソルビタンモノステアレート、HLB値:4.7、「イオネット」は同社の登録商標である。以下同じ。}、イオネットS−80(ソルビタンモノオレエート、HLB値:4.3)、イオネットS−80C(ソルビタンモノオレエート、HLB値:4.3)、イオネットDO−20(ポリオキシエチレンジオレエート、HLB値:5.3)、レオドールSP−P10{花王(株)製、ソルビタンモノパルミテート、HLB値:6.7、「レオドール」は同社の登録商標である。以下同じ。}、レオドールSP−S10(ソルビタンモノステアレート、HLB値:4.7)、レオドールSP−S30(ソルビタントリステアレート、HLB値:2.1)、レオドールSP−O10(ソルビタンモノオレエート、HLB値:4.3)、レオドールMS−5O(グリセロールモノステアレート、HLB値:2.8)、レオドールMO−6O(グリセロールモノオレエート、HLB値:2.8)、エマゾールMO−50{花王(株)製、グリセロールモノオレエート、HLB値:2.8、「エマゾール」は同社の登録商標である。以下同じ。}、モノグリD{日油(株)製、グリセリン脂肪酸モノエステル、HLB値:3.8}、モノグリMB(グリセロールモノステアレート、HLB値:5.5)、ノニオンPP−40Rペレット{日油(株)製、ソルビタンモノパルミテート、HLB値:6.7}及びノニオンBP−70R(ソルビタンモノベヘネート、HLB値:3.9)、イオネットS−20(三洋化成工業(株)製、ソルビタンモノラウレート、HLB値:8.6)、イオネットS−85(ソルビタントリオレエート、HLB値:1.8)、イオネットMO−400(ポリオキシエチレンモノオレエート、HLB値:11.8、レオドールSP−L10(花王(株)製、ソルビタンモノラウレート、HLB値:8.6)、エマゾールL−10(F)(花王(株)製、ソルビタンモノラウレート、HLB値:8.6)、レオドールTW−L120(ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、HLB値:16.7)、ノニオンL−2(日油(株)製、ポリオキシエチレンモノラウレート、HLB値:9.9)、ノニオンCP−08R(ソルビタンモノカプリレート、HLB値:9.6)、ユニグリMK−207{日油(株)製、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸グリセリル、HLB値:13.0、「ユニグリ」は同社の登録商標である。以下同じ。}、ユニグリGO−102R(ポリグリセリンオレイン酸エステル、HLB値:8.8)等が挙げられる。
ワックス分散剤の含有量は、本発明の効果発現の観点から、離型剤の含有量に対して、0.1〜5.0質量%の範囲内とすることが好ましい。
〔荷電制御剤〕
荷電制御剤としては、ニグロシン系染料、ナフテン酸又は高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4級アンモニウム塩、アゾ系金属錯体、サリチル酸金属塩等の公知の化合物を用いることができる。荷電制御剤の添加により、帯電特性に優れたトナーを得ることができる。
荷電制御剤の含有量は、結着樹脂全量に対して、0.1〜5.0質量%の範囲内とすることが好ましい。
〔コア・シェル構造〕
上述したトナー粒子をそのままトナーとして用いることができるが、トナー粒子がコア粒子であり、当該コア粒子の表面を被覆するシェル層を備えて、コア・シェル構造を形成していてもよい。
シェル層は、コア粒子の少なくとも一部を被覆していればよく、部分的にコア粒子が露出していてもよい。コア・シェル構造の断面は、例えば透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)、走査型プローブ顕微鏡(SPM:Scanning Probe Microscope)等の公知の観察手段によって、確認することができる。
コア・シェル構造の場合は、コア粒子とシェル層でガラス転移点、融点、弾性率等の特性を異ならせることができ、目的に応じたトナー粒子の設計が可能である。例えば、結着樹脂、着色剤、離型剤等を含有し、ガラス転移点(Tg)が比較的低いコア粒子の表面に、ガラス転移点(Tg)が比較的高い樹脂を凝集、融着させて、シェル層を形成することができる。
トナーのガラス転移点(Tg)は40〜60℃の範囲内であることが好ましく、より好ましくは45〜55℃の範囲内である。
この範囲にあることにより、十分な低温定着性及び耐熱保管性が確実に両立して得られる。また、トナーのガラス転移点が上記の範囲にあることにより、トナーの耐熱性(熱的強度)が維持されて、その結果、十分な耐熱保管性及び耐ホットオフセット性が確実に得られる。
〔外添剤〕
トナー粒子は、そのままトナーとして用いることができるが、流動性、帯電性、クリーニング性等を改良するため、その表面に流動化剤、クリーニング助剤等の外添剤が添加されていてもよい。
本発明のトナー粒子には、外添剤として酸化アルミニウム粒子が付着されていることが好ましい。酸化アルミニウム粒子を含むことで、酸化アルミニウムの硬度が高いことにより、クリーニングブレードと感光体間の摩擦でトナー中に酸化アルミニウム粒子が埋まりやすくなり、トナー粒子の流動性が低下する。このため、クリーニングブレードと感光体間にトナー粒子が滞留しやすく、当該トナー粒子が密に詰まったトナー層により、小径トナーや外添剤のせき止める効果が高まり、画像白抜けの発生を抑制できる。
また、酸化アルミニウム粒子の一次粒径は、上述した画像白抜けの効果を発現するために、トナー粒子に適度に埋没しやすい大きさである、10〜80nmの範囲内とすることが好ましい。
また、本発明に係るトナー粒子には、外添剤としてシリカ粒子が付着されており、当該シリカ粒子の付着強度Cに対する前記酸化アルミニウム粒子の付着強度Dの比の値(D/C)が、下記式4の関係を満たすことが好ましい。
式4:0.8≦D/C≦1.5
上記比の値(D/C)が、0.8以上である場合、遊離した酸化アルミニウム粒子が少なく、クリーニングブレードと感光体間の摩擦でトナー中に酸化アルミニウム粒子が埋まりやすくなるので、上述したような、小径トナーや外添剤のせき止める効果により、画像白抜けが発生しにくくなる。また、トナー粒子間に遊離した酸化アルミニウム粒子が減ることで、加熱定着時にトナー同士が融着されやすく、定着性が向上する。また、付着強度比を、1.5よりも小さくすることで、トナー粒子の流動性が低下しすぎて感光体上にトナー粒子が固着することを防ぎ、画像白抜けの発生を抑制することができる。
〔シリカ粒子と酸化アルミニウム粒子の付着強度の測定方法〕
トナー3gをポリオキシエチルフェニルエーテルの0.2%水溶液35gに濡れさせ、超音波式ホモジナイザーUS−1200T(日本精機社製:仕様周波数15kHz)にて、本体装置に附属の振動指示値を示す電流計の値が60μA(50W)を指し示すように超音波エネルギーを調整し、2分間印加する。その後、吸引濾過によりトナーケーキ層を純水60gでかけ洗いし、トナーを純水60gにリスラリーして再度吸引濾過を行う。トナーを取り出し、50℃の恒温槽で一晩乾燥させたものを劣化トナーとする。蛍光X線分析装置「XRF−1700」(株式会社島津製作所製)を用いて、金属量のNet強度を測定する。Net強度の具体的な測定方法としては、トナー2gを荷重15tにて10秒間加圧してペレット化し、定性定量分析にて(下記測定条件参照)測定を行う。なお、測定には2θテーブルより、測定したいSi元素とAl元素のKαピーク角度を決定して用いている。トナーの劣化前後のSi元素とAl元素のNet強度から算出した残存率(%)を、当該試料トナーにおけるシリカ粒子と酸化アルミニウム粒子の付着強度とする。
測定条件は、以下のとおりである。
スリット:標準
アッテネータ:なし
分光結晶(Na=TAP)
検出器(Na=FPC)
本発明に係るトナー粒子には、その他の外添剤が付着されていてもよい。その他の外添剤としては、例えば、酸化チタン粒子等の無機酸化物粒子や、ステアリン酸アルミニウム粒子、ステアリン酸亜鉛粒子等の無機ステアリン酸化合物粒子、チタン酸ストロンチウム、チタン酸亜鉛等の無機チタン酸化合物粒子等が挙げられ、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
外添剤として用いる無機粒子は、耐熱保管性及び環境安定性の向上の観点から、シランカップリング剤やチタンカップリング剤、高級脂肪酸、シリコーンオイル等によって、光沢処理が行われていることが好ましい。
外添剤の添加量(複数の外添剤を用いる場合はその合計の添加量)は、トナー100質量部に対して0.05〜5質量部の範囲内であることが好ましく、0.1〜3質量部の範囲内であることがより好ましい。
〔現像剤〕
本発明の静電荷像現像用トナーは、磁性又は非磁性の一成分現像剤として使用することもできるが、キャリア粒子と混合して二成分現像剤として使用してもよい。
トナーを二成分現像剤として使用する場合において、キャリア粒子としては、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の従来公知の材料からなる磁性粒子を用いることができ、特にフェライト粒子が好ましい。
また、キャリア粒子としては、磁性粒子の表面を樹脂等の被覆剤で被覆したキャリア粒子や、バインダー樹脂中に磁性体微粉末を分散してなるキャリア粒子等を用いてもよい。
キャリア粒子の平均粒径は、体積基準のメジアン径で20〜100μmの範囲内であることが好ましく、25〜80μmの範囲内であることがより好ましい。
キャリア粒子の体積基準のメジアン径は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置ヘロス(HELOS、シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
〔静電荷像現像用トナーの製造方法〕
本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法では、前記圧壊強度Aと前記変形強度Bとを、本発明の効果が有効に得られる範囲内に調整するために、トナー粒子を作製する工程において、ワックス分散剤を添加する工程を有することが好ましい。
また、本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法としては、例えば懸濁重合法、乳化凝集法、その他の公知の方法等を挙げることができる。製造コスト及び製造安定性の観点から、トナー粒子の小粒径化が容易な乳化凝集法を用いることが好ましい。
乳化凝集法によるトナー粒子の製造方法は、結着樹脂粒子の水系分散液と、着色剤粒子の水系分散液と、を混合し、結着樹脂粒子及び着色剤粒子を凝集させることにより、トナー粒子を形成する方法である。
ここで、水系分散液は、水系媒体中に粒子が分散しているものをいい、水系媒体とは、水系媒体中の50質量%以上の主成分が水からなるものをいう。
水系媒体中の水以外の成分としては、水に溶解する有機溶媒を挙げることができ、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。中でも、樹脂を溶解しない有機溶媒であるメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールのようなアルコール系有機溶媒が好ましい。
以下、乳化凝集法によるトナーの製造方法の工程の一例を説明する。
(工程(1))
工程(1)では、結晶性樹脂、ブロックポリマー、非晶性樹脂等の結着樹脂粒子の分散液をそれぞれ調製する。
例えば、結晶性樹脂として結晶性ポリエステル樹脂を使用する場合、結晶性ポリエステル樹脂を合成し、有機溶媒中に溶解又は分散させて油相液を調製して、この油相液を転相乳化して水系媒体中にポリエステル樹脂粒子を分散させる。油滴の粒径を所望の粒径に制御した後、有機溶媒を除去することにより、ポリエステル樹脂の水系分散液を得ることができる。
油相液に使用する有機溶媒としては、油滴の形成後の除去処理が容易である観点から、沸点が低く、かつ水への溶解性が低いものが好ましい。具体的には、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレン等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
有機溶媒の使用量は、結晶性ポリエステル樹脂100質量部に対して、通常1〜300質量部の範囲内である。
油相液の乳化分散は、機械的エネルギーを利用して行うことができる。
水系媒体の使用量は、油相液100質量部に対して、50〜2000質量部の範囲内であることが好ましく、100〜1000質量部の範囲内であることがより好ましい。
水系媒体中には、油滴の分散安定性を向上させる目的で、界面活性剤等が添加されていてもよい。
結晶性ポリエステル樹脂粒子の平均粒径は、体積基準のメジアン径(D50)で100〜400nmの範囲内にあることが好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂粒子の体積基準のメジアン径(D50)は、マイクロトラックUPA−150(日機装社製)を用いて測定することができる。
ブロックポリマーは、結晶部及び非晶部として用いる複数種の樹脂の末端官能基を反応させるか、結合剤と反応させることにより得ることができる。結合剤としては、多価カルボン酸、多価アルコール、多価イソシアネート、多官能エポキシ、多酸無水物等を用いることができる。
結合剤を使用しない場合、例えばポリエステル樹脂同士の場合は、加熱減圧して縮合反応を進めることにより、重合させることができる。ポリエステル樹脂以外でも、各樹脂の末端が酸とアルコールの官能基を有する場合は同様の方法により合成できる。
また、結着樹脂としてビニル樹脂を使用する場合、ミニエマルション重合法によりビニル樹脂粒子の水系分散液を調製することができる。具体的には、界面活性剤を含有する水系媒体中にビニル単量体と水溶性のラジカル重合開始剤を添加し、機械的エネルギーを加えて液滴を形成する。ラジカル重合開始剤からのラジカルにより、液滴中において重合反応が進行する。なお、液滴中に油溶性の重合開始剤が含有されていてもよい。
ビニル樹脂粒子は、各層の組成が異なる2層以上の多層構造を有していてもよい。多層構造を有するビニル樹脂粒子の分散液は、多段階の重合反応によって得ることができる。例えば、2層構造を有するビニル樹脂の分散液は、ビニル単量体を重合(第1段重合)させてビニル樹脂粒子の分散液を調製した後、さらに重合開始剤とビニル単量体を添加し、重合(第2段重合)させることにより、得ることができる。
(界面活性剤)
界面活性剤としては、例えばドデシルアンモニウムブロマイド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド等のカチオン性界面活性剤、ドデシルポリオキシエチレンエーテル、ヘキサデシルポリオキシエチレンエーテル、ノリルフェニルポリキオシエチレンエーテル、ラウリルポリオキシエチレンエーテル、ソルビタンモノオレアートポリオキシエチレンエーテル等のアニオン性界面活性剤、ステアリン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム等のノニオン性界面活性剤等の公知の界面活性剤を使用できる。
(重合開始剤)
重合開始剤としては、従来公知の種々のものを用いることができる。重合開始剤としては、過硫酸塩(過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等)を好ましく使用できるが、4,4′−アゾビス(4−シアノ吉草酸)及びその塩、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩等のアゾ系化合物、パーオキシド化合物、アゾビスイソブチロニトリル等を用いてもよい。
(連鎖移動剤)
ビニル樹脂の分子量を調整することを目的として、一般的に用いられる連鎖移動剤を水系媒体中に添加することができる。連鎖移動剤としては特に限定されるものではなく、例えば2−クロロエタノール、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート等のメルカプタンや、スチレンダイマー等を挙げることができる。
離型剤、ワックス分散剤、荷電制御剤等の添加剤を含有するトナー粒子を製造する場合、当該添加剤をあらかじめビニル単量体の溶液に溶解又は分散させておくことによって、トナー粒子中に添加剤を導入することができる。
このように、添加剤をあらかじめビニル樹脂粒子と分散させておくことが好ましいが、ビニル樹脂とは別に添加剤粒子の分散液を調製し、ポリエステル樹脂粒子等の他の分散液とともに混合して、ポリエステル樹脂粒子等とともに当該添加剤粒子を凝集させることにより、トナー粒子中に導入することもできる。
分散液中のビニル樹脂粒子の平均粒径は、体積基準のメジアン径(D50)で100〜400nmの範囲内であることが好ましい。
上記ビニル樹脂粒子の体積基準のメジアン径(D50)は、マイクロトラックUPA−150(日機装社製)を用いて測定することができる。
(工程(2))
工程(2)では、着色剤を水系媒体中に粒子状に分散させて、着色剤粒子の水系分散液を調製する。
着色剤粒子の水系分散液は、界面活性剤を臨界ミセル濃度(CMC)以上に添加した水系媒体中に着色剤を分散させることにより得ることができる。
着色剤の分散は、機械的エネルギーを利用して行うことができ、使用する分散機としては、特に限定されないが、好ましくは超音波分散機、機械的ホモジナイザー、マントンゴーリンや圧力式ホモジナイザー等の加圧分散機、サンドグラインダー、ゲッツマンミルやダイヤモンドファインミル等の媒体型分散機が挙げられる。
水系分散液中の着色剤粒子は、体積基準のメジアン径(D50)が10〜300nmの範囲内であることが好ましく、100〜200nmの範囲内であることがより好ましく、100〜150nmの範囲内であることが特に好ましい。
着色剤粒子の体積基準のメジアン径(D50)は、電気泳動光散乱光度計ELS−800(大塚電子社製)を用いて測定することができる。
(工程(3))
工程(3)では、凝集剤の存在下で、ビニル樹脂粒子、ポリエステル樹脂粒子等の結着樹脂粒子、着色剤粒子及びその他のトナー構成成分の粒子を凝集させて、トナー粒子を形成する。
具体的には、水系媒体と各粒子の水系分散液を混合した系に、臨界凝集濃度以上の凝集剤を加え、ビニル樹脂のガラス転移点(Tg)以上の温度にすることによって、凝集させる。
(凝集剤)
凝集剤としては、特に限定されるものではないが、アルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩等の金属塩から選択されるものが好適に使用される。金属塩としては、例えばナトリウム、カリウム、リチウム等の1価の金属塩、カルシウム、マグネシウム、マンガン、銅等の2価の金属塩、鉄、アルミニウム等の3価の金属塩等が挙げられる。具体的な金属塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、硫酸銅、硫酸マグネシウム、硫酸マンガン等を挙げることができ、これらの中で、より少量で凝集を進めることができることから、2価の金属塩を用いることが特に好ましい。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(工程(4))
工程(4)では、工程(3)により形成したトナー粒子の熟成処理を行い、所望の形状に制御する。工程(4)は、必要に応じて行うことができる。
具体的には、工程(3)において得られたトナー粒子の分散液を加熱撹拌し、トナー粒子が所望の円形度になるように、加熱温度、撹拌速度、加熱時間等を調整する。
(工程(4B))
工程(4B)では、工程(3)又は(4)で得られたトナー粒子をコア粒子として、コア粒子の表面の少なくとも一部を被覆するシェル層を形成する。工程(4B)は、コア・シェル構造のトナー粒子を形成する場合に行えばよい。
コア・シェル構造のトナー粒子を形成する場合、シェル層を構成する樹脂を水系媒体中に分散させて、シェル層の樹脂粒子の分散液を調製し、上記工程(4)又は(5)により得られたトナー粒子の分散液に添加して、トナー粒子の表面にシェル層の樹脂粒子を凝集、融着させる。これにより、コア・シェル構造を有するトナー粒子の分散液を得ることができる。
コア粒子にシェル層の樹脂粒子をより強固に凝集、融着させるため、シェル化工程に続いて加熱処理を行うことができる。加熱処理は、目的の円形度のトナー粒子が得られるまで行えばよい。
(工程(5))
工程(5)では、トナー粒子の分散液を冷却し、トナー粒子の分散液から当該トナー粒子を固液分離する。固液分離によって得られたトナーケーキ(ケーキ状に成形されたウェット状態にあるトナー粒子)から界面活性剤や凝集剤等の付着物を除去して洗浄し、洗浄後のトナーケーキを乾燥する。
(工程(6))
工程(6)では、トナー粒子に対して外添剤を添加する。工程(6)は、必要に応じて行うことができる。
外添剤の添加には、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル等の機械式の混合装置を使用することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔スチレン・アクリル樹脂粒子の分散液〕
(第1段重合)
撹拌装置、温度センサー、温度制御装置、冷却管及び窒素導入装置を取り付けた反応容器に、あらかじめイオン交換水2900質量部にアニオン性界面活性剤であるラウリル硫酸ナトリウム2.0質量部を溶解させたアニオン性界面活性剤を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。
この界面活性剤溶液に重合開始剤である過硫酸カリウム(KPS)9.0質量部を添加し、内温を78℃にした。次に、下記組成の単量体溶液を3時間かけて滴下し、滴下終了後、78℃において1時間にわたって加熱、撹拌することで重合(第1段重合)を行い、スチレン・アクリル樹脂粒子の分散液(I)を調製した。
スチレン 540質量部
n−ブチルアクリレート 270質量部
メタクリル酸 65質量部
n−オクチルメルカプタン 17質量部
(第2段重合)
撹拌装置を取り付けたフラスコ内において、下記組成の単量体溶液に、離型剤として炭化水素系ワックス(融点:78℃)50質量部を添加し、さらに、ワックス分散剤としてノニオンBP−70R(日油(株)製、ソルビタンモノベヘネート、HLB値:3.9)1質量部を添加し、85℃に加温して溶解させてワックス溶解液を調製した。
スチレン 94質量部
n−ブチルアクリレート 30質量部
2−エチルヘキシルアクリレート 30質量部
メタクリル酸 11質量部
n−オクチルメルカプタン 5質量部
一方、アニオン性界面活性剤であるラウリル硫酸ナトリウム2質量部をイオン交換水1100質量部に溶解させた界面活性剤溶液を90℃に加温した。この界面活性剤溶液に、スチレン・アクリル樹脂粒子の分散液(I)を、スチレン・アクリル樹脂の固形分換算で28質量部添加した。その後、循環経路を有する機械式分散機クレアミックス(エム・テクニック社製)により、上記ワックス溶解液を1時間混合して分散させ、分散粒子径350nmの乳化粒子を含有する分散液を調製した。この分散液に、重合開始剤である過硫酸カリウム(KPS)2.5質量部をイオン交換水110質量部に溶解させた重合開始剤水溶液を添加し、90℃において2時間にわたって加熱及び撹拌することによって重合(第2段重合)を行って、スチレン・アクリル樹脂粒子の分散液(II)を調製した。
調製したスチレン・アクリル樹脂粒子の分散液(II)に、重合開始剤である過硫酸カリウム(KPS)2.5質量部をイオン交換水110質量部に溶解させた重合開始剤水溶液を添加し、80℃の温度条件下において、下記組成の単量体溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、3時間にわたって加熱及び撹拌することによって重合(第3段重合)を行った。
スチレン 230質量部
n−ブチルアクリレート 100質量部
メタクリル酸 19質量部
n−オクチルメルカプタン 5質量部
その後、28℃まで冷却し、スチレン・アクリル樹脂粒子の分散液を得た。この分散液中のスチレン・アクリル樹脂の重量平均分子量(Mw)は31200であり、数平均分子量(Mn)は10300であった。
〔結晶性ポリエステル樹脂粒子の分散液1の調製〕
撹拌装置、温度センサー、冷却管及び窒素導入装置を取り付けた5Lの反応容器に、多価カルボン酸である1,12−ドデカンジカルボン酸(テトラデカン二酸)383質量部及び多価アルコールである1,9−ノナンジオール237質量部を仕込み、撹拌しながら1時間かけて内温を190℃にまで昇温させた。均一に撹拌された状態であることを確認した後、触媒としてTi(OBu)を、多価カルボン酸の仕込み量に対して0.003質量%の量で投入した。生成する水を留去しながら、6時間かけて内温を190℃から240℃まで昇温させ、温度240℃の条件で6時間かけて脱水縮合反応を継続して重合を行うことにより、結晶性ポリエステル樹脂1を得た。この結晶性ポリエステル樹脂1の融点(Tm)は67.2℃、数平均分子量(Mn)は6400であった。
コンデンサー、温度計、水滴下装置、アンカー翼を備えたジャケット付き3リットル反応槽(東京理化器械株式会社製:BJ−30N)に、上記結晶性ポリエステル樹脂300質量部と、メチルエチルケトン(溶剤)160質量部と、イソプロピルアルコール(溶剤)100質量部とを入れ、水循環式恒温槽にて70℃に維持しながら、100rpmで撹拌混合しつつ樹脂を溶解させた。
その後、撹拌回転数を150rpmにし、水循環式恒温槽を66℃に設定し、10質量%アンモニア水(試薬)17質量部を10分間かけて投入した後、66℃に保温されたイオン交換水を7質量部/分の速度で、合計900質量部滴下し転相させて、乳化液を得た。
すぐに、得られた乳化液800質量部とイオン交換水700質量部とを2リットルのナスフラスコに入れ、トラップ球を介して真空制御ユニットを備えたエバポレーター(東京理化器械社製)にセットした。ナスフラスコを回転させながら、60℃の湯バスで加温し、突沸に注意しつつ7kPaまで減圧し溶剤を除去した。溶剤回収量が1100質量部になった時点で常圧に戻し、ナスフラスコを水冷して分散液を得た。得られた分散液に溶剤臭は無かった。この分散液中の樹脂粒子の体積基準のメジアン径(D50)は120nmであった。その後、イオン交換水を加えて固形分濃度が20質量%になるように調整し、これを結晶性ポリエステル樹脂粒子の分散液1とした。
〔結晶性ポリエステル樹脂粒子の分散液2〜4の調製〕
結晶性ポリエステル樹脂粒子の分散液2〜4は、上記結晶性ポリエステル樹脂粒子の分散液1の調製条件において、多価カルボン酸成分及び多価アルコール成分を、下記表Iに示すように変更して調製した。
Figure 2019159001
〔ブロックポリマー粒子の分散液〕
1,10−デカンジカルボン酸(ドデカン二酸)173質量部、1,10−デカンジオール174質量部、ジブチルスズオキシド0.08質量部を、窒素置換したフラスコに入れ、170℃で2時間、さらに減圧下200℃で0.5時間反応させ、重量平均分子量(Mw)が1500、数平均分子量(Mn)が700、融点(Tm)が74℃の結晶性樹脂を得た。
一方、テレフタル酸ジメチル97質量部、イソフタル酸ジメチル78質量部、無水ドデセニルコハク酸27質量部、ビスフェノールA−エチレンオキサイド付加物111質量部、ビスフェノールA−プロピレンオキサイド付加物249質量部、ジブチルスズオキシド0.08質量部を、窒素置換したフラスコに入れ、170℃で4時間、さらに減圧下220℃で2時間反応させ、重量平均分子量(Mw)が20000、数平均分子量(Mn)が9000、ガラス転移点(Tg)が59℃の非晶性樹脂を得た。
得られた結晶性樹脂100質量部と非晶性樹脂400質量部とを、フラスコ中窒素気流下、200℃で2時間反応させた後、減圧下でさらに2時間反応させ、重量平均分子量(Mw)が23100、数平均分子量(Mn)が11000、融点(Tm)が63℃のブロックポリマー490質量部を得た。
得られたブロックポリマー100質量部に界面活性剤としてソフト型ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5質量部を加え、さらにイオン交換水300質量部を加えて、80℃に加熱しながら丸型ガラス製フラスコ中で、ホモジナイザーウルトラタラックスT50(IKA社製)で十分に混合、分散した。0.5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを5.0に調整した後、ホモジナイザーによる撹拌を継続しながら90℃まで加熱して、固形分量が20%のブロックポリマーの分散液を得た。
分散液中のブロックポリマー粒子の体積基準のメジアン径(D50)は190nmであった。
〔非晶性ポリエステル樹脂粒子の分散液〕
窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した容量10リットルの四つ口フラスコに、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物500質量部、テレフタル酸108質量部、フマル酸80質量部、トリメリット酸12質量部、ドデセニルコハク酸無水物15質量部及びエステル化触媒(オクチル酸スズ)2質量部を入れ、230℃で8時間縮重合反応させ、さらに8kPaで1時間反応させることにより、非晶性ポリエステル樹脂を得た。この非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移点(Tg)は57℃、軟化点(Tsp)は101℃、重量平均分子量(Mw)は26000であった。
次に、コンデンサー、温度計、水滴下装置及びアンカー翼を備えたジャケット付き3リットル反応槽(東京理化器械株式会社製:BJ−30N)を水循環式恒温槽にて40℃に維持しながら、該反応槽に酢酸エチル160質量部とイソプロピルアルコール100質量部との混合溶剤を投入した。さらに、上記非晶性ポリエステル樹脂を300質量部投入して、スリーワンモーターにより150rpmで撹拌し、溶解させて油相を得た。この撹拌されている油相に10質量%アンモニア水溶液を、滴下時間5分間で14質量部滴下し、10分間混合した後、イオン交換水900質量部を毎分7質量部の速度で滴下して転相させて、乳化液を得た。
すぐに、得られた乳化液800質量部とイオン交換水700質量部とを2リットルのナスフラスコに入れ、トラップ球を介して真空制御ユニットを備えたエバポレーター(東京理化器械株式会社製)にセットした。ナスフラスコを回転させながら、60℃の湯バスで加温し、突沸に注意しつつ7kPaまで減圧し溶剤を除去した。溶剤回収量が1100質量部になった時点で常圧に戻し、ナスフラスコを水冷して分散液を得た。得られた分散液に溶剤臭は無かった。この分散液における樹脂粒子の体積基準のメジアン径(D50)は140nmであった。その後、固形分濃度が20質量%になるようにイオン交換水を加えて、非晶性ポリエステル樹脂粒子の分散液を得た。
〔着色剤粒子の分散液〕
ドデシル硫酸ナトリウム90質量部をイオン交換水1600質量部に撹拌溶解し、この溶液を撹拌しながら、銅フタロシアニン420質量部を徐々に添加した。
次いで、撹拌装置クレアミックス(エム・テクニック社製)を用いて分散処理することにより、着色剤粒子の分散液を調製した。分散液中の着色剤粒子の平均粒径は、体積基準のメジアン径で110nmであった。
〔トナー(1)〕
撹拌装置、温度センサー及び冷却管を取り付けた反応容器に、上記スチレン・アクリル樹脂粒子の分散液を固形分換算で280質量部、イオン交換水2000質量部を投入した。5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを10に調整した後、上記着色剤粒子の分散液を固形分換算で40質量部投入した。次に、塩化マグネシウム60質量部をイオン交換水60質量部に溶解した水溶液を、撹拌下、30℃において10分間かけて添加した。3分間放置した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて80℃まで昇温した。結晶性ポリエステル樹脂粒子の分散液1を固形分換算で20質量部と、ブロックポリマー粒子分散液を固形分換算で20質量部を混合させた分散液を30分間かけて投入し、80℃を保持したままコア粒子の成長反応を継続した。
この状態でコールターマルチサイザー3(ベックマン・コールター社製)にてコア粒子の粒径を測定し、体積基準のメジアン径(D50)が6.0μmになった時点で、非晶性ポリエステル樹脂粒子の分散液を固形分換算で40質量部を30分間かけて投入し、シェル層を形成した。反応液の上澄みが透明になった時点で、塩化ナトリウム190質量部をイオン交換水760質量部に溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させた。その後、昇温し、90℃の状態で加熱撹拌することにより、粒子の融着を進行させ、測定装置FPIA−2100(Sysmex社製)を用いてトナー粒子の平均円形度を測定(HPF検出数を4000個として測定)し、平均円形度が0.960になった時点で30℃に冷却し、コア・シェル構造のトナー粒子の水系分散液を得た。
得られたトナー粒子の水系分散液を遠心分離機で固液分離し、トナー粒子のウェットケーキを形成し、これを遠心分離機により濾液の電気伝導度が5μS/cmになるまで35℃のイオン交換水で洗浄した。洗浄後、フラッシュジェットドライヤー(セイシン企業社製)に移し、水分量が0.5質量%となるまで乾燥させたトナー粒子(1)を得た。
100質量部の上記トナー粒子(1)及び下記材料(疎水性シリカ粒子1、疎水性シリカ粒子2、疎水性酸化アルミニウム粒子及びチタン酸カルシウム粒子)をヘンシェルミキサー型式「FM20C/I」(日本コークス工業株式会社製)に添加し、羽根先端周速が40m/秒となるように回転数を設定して20分間撹拌した。撹拌時における粉体混合物の温度は、40℃±1℃となるように設定した。当該温度が41℃になった場合は、ヘンシェルミキサーの外浴に冷却水を5L/分の流量で流し、39℃になった場合は、1L/分の流量で冷却水を流すことにより、ヘンシェルミキサー内部の温度を制御した。こうして、トナー(1)を得た。
疎水性シリカ粒子1 1.0質量部
疎水性シリカ粒子2 0.5質量部
疎水性酸化アルミニウム粒子 0.5質量部
チタン酸カルシウム粒子 0.5質量部
なお、「疎水性シリカ粒子1」は、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)で表面修飾されたシリカ粒子であり、疎水化度は58%であり、個数平均一次粒子径は30nmである。また、「疎水性シリカ粒子2」は、オクチルトリメトキシシランで表面修飾されたシリカ粒子であり、疎水化度は72%であり、個数平均一次粒子径は12nmである。また、「疎水性酸化アルミニウム粒子」は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)で表面修飾された酸化アルミニウム粒子であり、疎水化度は61%であり、個数平均一次粒子径は17nmである。また、「チタン酸カルシウム粒子」は、シリコーンオイルで表面修飾されたチタン酸カルシウム粒子であり、個数平均一次粒子径は100nmである。
〔トナー(2)〜(19)、(21)、(22)〕
トナー(1)の製造において、分散液の添加量や酸化アルミニウム粒子種を調整して、表IIに示すように、:トナー粒子中の結晶性樹脂の含有量、結晶性樹脂中の結晶性ポリエステル樹脂の含有量、結晶性ポリエステル樹脂粒子の分散液の種類、結晶性樹脂中のブロックポリマー含有量、酸化アルミニウム粒子の一次粒径を変更したこと以外は同様にして、トナー(2)〜(19)、(21)、(22)を得た。
〔トナー(20)〕
トナー(1)において、酸化アルミニウム粒子を投入しなかったこと以外は同様にして、トナー(20)を得た。
[トナー粒子の破壊及び変形強度試験]
上記各トナーについて、トナー粒子の破壊及び変形強度試験による、温度25℃・湿度50%における圧壊強度Aと変形強度Bとを、トナー粒子の破壊及び変形強度試験機、具体的には「ENT−NEXUS」(エリオニクス社製)を用いて測定を行った。測定結果は、表IIに示す。具体的には、常温常湿(温度25℃、湿度50%RH)環境下において、プローブの負荷荷重を0mNから1mNまで0.1mN/secの速さで変化させて、10msecごとの変位量(負荷荷重をかける方向への変位量)の測定データを収集した。
ここで、圧壊強度Aと変形強度Bの算出条件は下記のとおりである。
上記測定によって得られた荷重と変位量の関係を表す線図から、測定した各10msecでの変位量を、それぞれ、一つ前の10msecでの変位量と比較し、一つ前の変位量よりも2倍以上の変位量となっている荷重Fsを読み取った。その荷重Fsを下記式Aに代入して、圧壊強度Aを算出した。なお、2倍以上の変位量となった時点を、トナー粒子が破壊された時点であるとみなした。
Figure 2019159001
上記式A中、Cs:圧壊強度(MPa)、Fs:試験力(N)、d:粒子径(mm)を示す。
変形強度Bは、トナー粒子径の10%の圧縮変位(負荷荷重をかける方向において、初期のトナー粒子の高さから、10%圧縮された高さとなったときの変位)が認められた時点の荷重Fxを読み取り、下記式Bに代入して求めた。また、圧壊強度Aと変形強度Bは、コンタクトエラー、目的外粒子との接触の疑い、又は粒子のすべりや転がりの疑いのあるデータを除外し、正常に測定できた100個のトナー粒子での平均値を用いた。
Figure 2019159001
上記式B中、Cx:変形強度(MPa)、Fx:試験力(N)、d:粒子径(mm)を示す。
また、測定圧子、測定環境及び測定試料は以下に示すものを用いた。
測定圧子:10μmφのフラット圧子
測定環境:温度20℃・湿度50%
測定試料:ステンレス製の試料ブロック上にトナーを散布させて不安定な付着粒子を振り落とし、光学顕微鏡にて1000倍の視野(対物レンズ50倍)でトナー粒子1個を特定し、当該トナー粒子の直径を測長した。ここで、トナー粒子は球であるとみなし、当該直径をトナー粒子の高さであるとした。この測定の後、上述した方法で、圧壊強度Aと変形強度Bを測定した。
〔シリカ粒子と酸化アルミニウム粒子の付着強度の測定方法〕
上記各トナー3gをポリオキシエチルフェニルエーテルの0.2%水溶液35gに濡れさせ、超音波式ホモジナイザーUS−1200T(日本精機社製:仕様周波数15kHz)にて、本体装置に付属の振動指示値を示す電流計の値が60μA(50W)を指し示すように超音波エネルギーを調整し、2分間印加した。その後、吸引濾過によりトナーケーキ層を純水60gでかけ洗いし、トナーを純水60gにリスラリーして再度吸引濾過を行った。トナーを取り出し、50℃の恒温槽で一晩乾燥させたものを劣化トナーとした。蛍光X線分析装置「XRF−1700」(株式会社島津製作所製)を用いて、金属量のNet強度を測定した。Net強度の具体的な測定方法としては、トナー2gを荷重15tにて10秒間加圧してペレット化し、定性定量分析にて(下記測定条件参照)測定を行った。なお、測定には2θテーブルより、測定したいSi元素とAl元素のKαピーク角度を決定して用いた。トナーの劣化前後のSi元素とAl元素のNet強度から算出した残存率(%)を、当該試料トナーにおけるシリカ粒子と酸化アルミニウム粒子の付着強度とした。そして、シリカ粒子の付着強度Cに対する酸化アルミニウム粒子の付着強度Dの比の値(D/C)を算出した。算出結果は、表IIに示す。
測定条件は、以下のとおりである。
スリット:標準
アッテネータ:なし
分光結晶(Na=TAP)
検出器(Na=FPC)。
Figure 2019159001
〔二成分現像剤の作製〕
(芯材被覆用樹脂(被覆材1)の作製)
0.3質量%のベンゼンスルホン酸ナトリウムの水溶液中に、メタクリル酸シクロヘキシル及びメタクリル酸メチルを1:1のモル比で添加し、単量体総量の0.5質量%にあたる量の過硫酸カリウムを添加して乳化重合を行い、得られた分散液中の樹脂粒子を当該分散液のスプレードライによって乾燥することで、芯材被覆用樹脂である被覆材1を作製した。
(キャリア粒子1の作製)
体積平均径(体積基準のメジアン径)が30μmであるMn−Mg系のフェライト粒子を芯材粒子として準備した。水平撹拌羽根付き高速撹拌混合機に、上記フェライト粒子(芯材粒子)の100質量部と、被覆材1の4.5質量部とを投入し、水平回転翼の周速が8m/secとなる条件で、22℃で15分間混合撹拌した。その後、120℃で50分間混合して、機械的衝撃力(メカノケミカル法)の作用で上記芯材粒子の表面に被覆材1を被覆させて、キャリア粒子1を作製した。キャリア粒子1の体積(分布)基準のメジアン径は30μmであった。
(二成分現像剤(1)〜(22)の作製)
上記トナー(1)〜(22)と、キャリア粒子1とを、それぞれ、二成分現像剤におけるトナー(粒子)の含有量(トナー濃度)が6.5質量%となるようにして、V型混合機にて30分混合して二成分現像剤(1)〜(22)を作製し、評価に使用した。
《評価方法》
〔低温定着性の評価〕
デジタルカラー複合機「bizhub C368」改造機(コニカミノルタ株式会社製)において、定着装置を、定着用ヒートローラの表面温度を100〜210℃の範囲で変更することができるように改造したものに、上記二成分現像剤を装填した。常温常湿(温度20℃、湿度50%)の環境下において、「A4サイズの普通紙(坪量80g/m)上に、トナー付着量8g/mのベタ画像を定着させる定着実験を、設定される定着温度を100℃から5℃刻みで増加させるよう変更しながら180℃まで繰り返し行った。
次いで、各定着温度の定着実験において得られたプリント物を、折り機で前記ベタ画像に荷重をかけるように折り、これに0.35MPaの圧縮空気を吹き付け、折り目を下記のランク基準に示す5段階にランク付けした。ランク3となる定着実験のうち最も定着温度の低い定着実験における定着温度を最低定着温度とし、当該最低定着温度が140℃以下を合格とした。評価結果は下記表IIIに示す。
(折り目のランク基準)
ランク5:全く折れ目に剥離なし
ランク4:折れ目に沿って、線幅0.2mm未満の非常に細かい線状の剥離あり
ランク3:折れ目に沿って、線幅0.2mm以上0.4mm未満の細かい線状の剥離あり
ランク2:折れ目に沿って、線幅0.4mm以上0.6mm未満の線状の剥離あり
ランク1:折れ目に沿って、線幅0.6mm以上の大きな剥離あり
〔白抜け評価〕
評価機として、デジタルカラー複合機「bizhub C368」改造機(コニカミノルタ株式会社製)を使用し、温度30℃・湿度80%の環境下において、A4用紙に5%カバレッジの文字チャートを25万枚印刷したブレードと感光体を用いて、A3用紙にベタ画像を1枚印刷した時の白抜けの個数をカウントした。白抜けの個数が10個以下を合格とした。評価結果は下記表IIIに示す。
〔飛散性能評価〕
評価機として、デジタルカラー複合機「bizhub C368」改造機(コニカミノルタ株式会社製)を使用し、温度30℃・湿度80%の環境下において、A4用紙に5%カバレッジの文字チャートを25万枚出力した後、現像器を取り出し、単体回転機にセットした。常温常湿(温度20℃、湿度50%)の環境下において、現像スリーブの真下を中心にA4の白紙を置き、60分間の単体回転を行い、紙上に落ちたトナーの質量(トナー飛散量)を測定して評価した。現像スリーブの回転周速は620mm/秒とした。トナー飛散量が9mg以下である場合を合格と判断した。評価結果は下記表IIIに示す。
Figure 2019159001
上記表IIIに示した結果より、本発明のトナーは、低温定着性に優れ、画像白抜けとトナー飛散の少ないことが分かった。一方で、比較例のトナーは、いずれかの項目について劣っていた。

Claims (14)

  1. トナー粒子を含有する静電荷像現像用トナーであって、
    前記トナー粒子の破壊及び変形強度試験による、温度25℃・湿度50%における圧壊強度Aと変形強度Bとが、下記式1の関係を満たすことを特徴とする静電荷像現像用トナー。
    式1:B≦A
  2. 前記トナー粒子の前記圧壊強度A及び前記変形強度Bが、下記式2及び式3の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
    式2:10MPa≦A≦25MPa
    式3:5MPa≦B≦20MPa
  3. 前記トナー粒子に、外添剤として酸化アルミニウム粒子が付着されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 前記トナー粒子に、外添剤としてシリカ粒子が付着されており、
    前記シリカ粒子の付着強度Cに対する前記酸化アルミニウム粒子の付着強度Dの比の値(D/C)が、下記式4の関係を満たすことを特徴とする請求項3に記載の静電荷像現像用トナー。
    式4:0.8≦D/C≦1.5
  5. 前記酸化アルミニウム粒子の一次粒径が、10〜80nmの範囲内であることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の静電荷像現像用トナー。
  6. 前記トナー粒子が、結着樹脂を含有し、
    前記結着樹脂が、結晶性樹脂を含有することを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
  7. 前記トナー粒子中の前記結晶性樹脂の含有量が、1〜20質量%の範囲内であることを特徴とする請求項6に記載の静電荷像現像用トナー。
  8. 前記結晶性樹脂に、結晶性ポリエステル樹脂を含有することを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の静電荷像現像用トナー。
  9. 前記結晶性樹脂中の前記結晶性ポリエステル樹脂の含有量が、1〜10質量%の範囲内であることを特徴とする請求項8に記載の静電荷像現像用トナー。
  10. 前記結晶性ポリエステル樹脂を構成する多価アルコール成分の炭素数と多価カルボン酸成分の炭素数との差の絶対値が、3以上であることを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の静電荷像現像用トナー。
  11. 前記結晶性樹脂が、ブロックポリマーを含有することを特徴とする請求項6から請求項10までのいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
  12. 前記結晶性樹脂中の前記ブロックポリマーの含有量が、1〜10質量%の範囲内であることを特徴とする請求項11に記載の静電荷像現像用トナー。
  13. 前記トナー粒子中に、ワックス分散剤を含有することを特徴とする請求項1から請求項12までのいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
  14. 請求項1に記載の静電荷像現像用トナーを製造する、静電荷像現像用トナーの製造方法であって、
    前記トナー粒子中に、ワックス分散剤を添加することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
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