JP4335748B2 - トナーの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、トナーの製造方法に関する。
OA機器が目覚ましく発達するにつれ、高速で画質に優れた電子写真方式を用いて画像形成を行うプリンタ、ファクシミリおよびコピー機などが広く普及している。電子写真方式においては、光導電性物質が使用された感光体の表面に種々の手段を用いて静電荷像を形成し、この静電荷像をトナーで現像し、このトナー像を紙などの転写材に定着させることによって画像形成を行う。
静電荷像を現像するためのトナー(以後「静電荷像現像トナー」という)の製造方法は、乾式法と湿式法に大別される。乾式法としては、たとえば、粉砕法などが挙げられる。粉砕法は、結着用樹脂および着色剤などを混練して粉砕・分級するものである。乾式法によって得られるトナーは比較的幅の広い粒度分布を持つので、帯電性能にばらつきを生じ易い。帯電性能がばらついたトナーを用いて画像を形成すると、たとえば、形成される画像に色むらなどが発生して好ましくない。
これに対して、湿式法では、粒度分布が小さくかつ帯電性能のばらつきが少ないトナーを比較的容易に製造できるので、トナーの製造には湿式法を採用することが多い。
湿式法としては、懸濁重合法、乳化重合凝集法、転相乳化法、溶解懸濁法および乳化分散法などが挙げられる。(1)懸濁重合法は、着色剤の存在下に、懸濁安定剤によって分散媒中に分散させた結着樹脂のモノマーを重合させ、生成する結着樹脂粒子中に着色剤を包含させてトナーを得る方法である。(2)乳化重合凝集法は、樹脂分散液と、着色剤を分散媒に分散させた着色剤分散液とを混合して凝集粒子を形成し、この凝集粒子を加熱融合してトナーを得る方法である。(3)転相乳化法は、水分散性樹脂および着色剤を有機溶媒に溶解または分散させ、これに撹拌下に該水分散性樹脂の解離基を中和する中和剤および水を加え、着色剤などを内包する樹脂滴を生成させ、これを転相乳化させてトナーを得る方法である。(4)溶解懸濁法は、結着樹脂および着色剤を結着樹脂が溶解可能な有機溶媒中に溶解または分散させ、これと、リン酸カルシウム、炭酸カルシウムなどの難水溶性アルカリ土類金属塩の水分散液とを混合して造粒を行い、有機溶媒を除去してトナーを得る方法である(たとえば、特許文献1〜7参照)。(5)乳化分散法は、結着樹脂および着色剤を非水溶性有機溶媒に溶解または分散させ、この溶液または分散液を水性分散液中に乳化分散させた後、有機溶媒を除去してトナーを得る方法である(たとえば、特許文献8〜13参照)。
しかしながら、湿式法にも解決すべき課題がある。たとえば、結着樹脂を溶解または分散させる有機溶媒を除去する際の圧力(減圧)、温度および時間などによって、トナー粒子の形状が不均一になり、その帯電性能にばらつきを生じる。また、得られるトナー粒子中に、結着樹脂を溶解または分散させるための有機溶媒、結着樹脂のモノマーなどが微量に残留し、該トナー粒子の帯電性能をばらつかせることがある。たとえば、上記の懸濁重合法では、得られるトナー粒子の表面に懸濁安定剤、モノマーが残留し、トナー粒子の帯電性能を悪化させる。この懸濁安定剤、モノマーの除去には繁雑な工程を要し、トナーの製造コストを上昇させる。さらに、湿式法で多用される有機溶媒、結着樹脂のモノマーなどは、環境に与える負荷が大きいので、処理設備などが必要になり、製造コストを増大させる。
この他、湿式法としては、有機溶媒を用いずに、イオン性基を有する樹脂および着色剤の溶融体と、イオン性基を中和する物質を含む水性媒体とを、加熱加圧下に混合してトナーを得る方法も知られている(たとえば、特許文献14参照)。この方法を用いると、有機溶媒、モノマーなどの帯電性能を悪化させる成分の残留は起こらないが、生成するトナー粒子が付着しあって粗大化するという問題がある。これを防止するためには、混合後の混合系内における液温などの諸条件を精密に制御する必要があるが、現実にはそのような制御は非常に困難である。
これらの方法によって得られるトナーは、それを用いて転写材上に形成される画像の画質(画像濃度、白地カブリの有無など)、転写材への転写率などの特性を、高い水準で併せ持つものではない。
特開平7−152202号公報 特開平7−168395号公報 特開平7−168396号公報 特開平7−219267号公報 特開平8−179555号公報 特開平8−179556号公報 特開平9−230624号公報 特開平7−325429号公報 特開平7−325430号公報 特開平7−333890号公報 特開平7−333899号公報 特開平7−333901号公報 特開平7−333902号公報 特許第3351505号明細書
本発明の目的は、生成するトナー粒子が付着しあうことによる粗大化を防止でき、トナーの帯電性能に悪影響を及ぼす成分がトナー粒子中へ残留されることなどがなく、粒子形状および大きさが均一で静電荷現像トナーとしての諸特性に優れるトナーの製造方法を提供することである。
本発明は、溶融状態で造粒可能な合成樹脂と着色剤とを含む樹脂混練物を、水中で加熱または加熱加圧して着色剤含有合成樹脂を含む水性スラリーを生成させる合成樹脂粒子生成工程と、
生成した該水性スラリーを冷却する冷却工程とを含むトナーの製造方法において、
合成樹脂粒子生成工程を水溶性高分子分散剤の存在下で実施し、かつ冷却工程を樹脂混練物100重量部に対して難水溶性アルカリ土類金属塩を10重量部以上250重量部以下となるよう添加して実施することを特徴とするトナーの製造方法である。
また本発明は、水溶性の高分子分散剤として、ポリカルボン酸化合物およびポリビニルアルコールのうち少なくとも1つを用いることを特徴とする。
また本発明は、難水溶性アルカリ土類金属塩は、炭酸カルシウム塩およびリン酸カルシウム塩のうち少なくとも1つであることを特徴とする。
また本発明は、水溶性の高分子分散剤が、ポリカルボン酸化合物およびポリビニルアルコールのうち少なくとも1つであり、難水溶性アルカリ土類金属塩が、炭酸カルシウム塩またはリン酸カルシウム塩のうち少なくとも1つであることを特徴とする。
また本発明は、ポリカルボン酸化合物がポリアクリル酸アンモニウムであり、炭酸カルシウム塩が炭酸カルシウムであり、リン酸カルシウムがハイドロキシアパタイトまたはリン酸三カルシウムである。
本発明において、着色剤とともに樹脂混練物を形成する合成樹脂としては、溶融状態で造粒可能な合成樹脂であれば特に制限されず、公知のものを使用でき、たとえば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂およびアクリル樹脂などが挙げられる。また、これらの樹脂は単独であるいは異なる合成樹脂を組み合わせて使用することもできる。
ポリエステル樹脂は、通常の重縮合反応により合成される。たとえば、有機溶媒の存在下または非存在下および触媒の存在下に、多塩基酸と多価アルコールとを脱水縮合反応させることによって、ポリエステルを得ることができる。このとき、多塩基酸の一部に、多塩基酸のメチルエステル化物を用い、脱メタノール重縮合反応を行ってもよい。ここで多塩基酸としては、ポリエステルのモノマーとして常用されるものを使用でき、たとえば、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸およびナフタレンジカルボン酸などの芳香族カルボン酸類、無水マレイン酸、フマル酸、琥珀酸、アルケニル無水琥珀酸およびアジピン酸などの脂肪族カルボン酸類などが挙げられる。多塩基酸は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。多価アルコールとしてもポリエステルのモノマーとして常用されるものを使用でき、たとえば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールおよびグリセリンなどの脂肪族多価アルコール類、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールおよび水添ビスフェノールAなどの脂環式多価アルコール類、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物並びにビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などの芳香族系ジオール類などが挙げられる。多価アルコールは1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。多塩基酸と多価アルコールとの重縮合反応は、生成する樹脂の酸価および軟化点が所定の値となったところで終了させればよい。このとき、多塩基酸と多価アルコールとの配合比、反応率などを適宜変更することによって、たとえば、ポリエステルの末端のカルボキシル基含有量を調整することができ、ひいては得られるポリエステルの特性を調整することができる。また、多塩基酸として無水トリメリット酸を用いると、ポリエステルの主鎖中にカルボキシル基を容易に導入することができ、それによっても得られるポリエステルを変性することができる。
ポリウレタン樹脂としては特に制限されないけれども、たとえば、酸性基または塩基性基含有ポリウレタンを好ましく使用できる。酸性基または塩基性基含有ポリウレタンは、公知の方法に従って製造できる。たとえば、酸性基または塩基性基含有ジオール、ポリオールおよびポリイソシアネートを付加重合させればよい。酸性基または塩基性基含有ジオールとしては、たとえば、ジメチロールプロピオン酸およびN−メチルジエタノールアミンなどが挙げられる。ポリオールとしては、たとえば、ポリエチレングリコールなどのポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオールおよびポリブタジエンポリオールなどが挙げられる。ポリイソシアネートとしては、たとえば、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートおよびイソホロンジイソシアネートなどが挙げられる。これら各成分はそれぞれ1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
エポキシ樹脂としては特に制限されないけれども、酸性基または塩基性基含有エポキシ系樹脂を好ましく使用できる。酸性基または塩基性基含有エポキシ樹脂は、たとえば、ベースになるエポキシ樹脂にアジピン酸および無水トリメリット酸などの多価カルボン酸またはジブチルアミン、エチレンジアミンなどのアミンを付加または付加重合させることによって製造することができる。
アクリル樹脂としても特に制限されないけれども、酸性基含有アクリル樹脂を好ましく使用できる。酸性基含有アクリル樹脂は、たとえば、アクリル樹脂モノマーまたはアクリル樹脂モノマーとビニル系モノマーとを重合させるに際し、酸性基もしくは親水性基を含有するアクリル樹脂モノマーおよび/または酸性基もしくは親水性基を有するビニル系モノマーを併用することによって製造できる。アクリル樹脂モノマーとしては公知のものを使用でき、たとえば、置換基を有することのあるアクリル酸、置換基を有することのあるメタアクリル酸、置換基を有することのあるアクリル酸エステルおよび置換基を有することのあるメタアクリル酸エステルなどが挙げられる。アクリル樹脂モノマーは1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。ビニル系モノマーとしても公知のものを使用でき、たとえば、スチレン、α−メチルスチレン、臭化ビニル、塩化ビニル、酢酸ビニル、アクリロニトリルおよびメタアクリロニトリルなどが挙げられる。ビニル系モノマーは1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。重合は、一般的なラジカル開始剤を用い、溶液重合、懸濁重合および乳化重合などにより行われる。
上記合成樹脂は、いずれも好適に使用することができるが、造粒操作を容易に実施すること、着色剤との混練性並びに得られるトナー粒子の形状および大きさを均一にすることなどを考慮すると、軟化点が150℃以下の合成樹脂がより好ましく、60〜150℃の合成樹脂が特に好ましい。その中でも、重量平均分子量が5000〜500000の合成樹脂が好ましい。
これらの合成樹脂の中でも、とりわけポリエステルは透明性に優れ、得られるトナー粒子に良好な粉体流動性、低温定着性および二次色再現性などを付与することができるので、カラートナーの結着樹脂に好適である。また、ポリエステルとアクリル樹脂とをグラフト化して用いてもよい。
合成樹脂と混合する着色剤としては、公知の有機系染料、有機系顔料、無機系染料および無機系顔料などを使用できる。着色剤の具体例を色ごとに示せば、次のとおりである。
黒色の着色剤としては、たとえば、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭、非磁性フェライト、磁性フェライトおよびマグネタイトなどが挙げられる。
黄色の着色剤としては、たとえば、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.、ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94およびC.I.ピグメントイエロー138などが挙げられる。
橙色の着色剤としては、たとえば、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジGK、C.I.ピグメントオレンジ31およびC.I.ピグメントオレンジ43などが挙げられる。
赤色の着色剤としては、たとえば、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドC、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178およびC.I.ピグメントレッド222などが挙げられる。
紫色の着色剤としては、たとえば、マンガン紫、ファストバイオレットBおよびメチルバイオレットレーキなどが挙げられる。
青色の着色剤としては、たとえば、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBC、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16およびC.I.ピグメントブルー60などが挙げられる。
緑色の着色剤としては、たとえば、クロムグリーン、酸化クロム、ピクメントグリーンB、マイカライトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンGおよびC.I.ピグメントグリーン7などが挙げられる。
白色の着色剤としては、たとえば、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白および硫化亜鉛などの化合物が挙げられる。
着色剤は1種を単独で使用でき、または2種以上の異なる色のものを併用できる。また、同色であっても、2種以上を併用できる。
溶融状態で造粒可能な合成樹脂と着色剤とを含む樹脂混練物(以下、単に樹脂混練物という)は、合成樹脂と着色剤を、混合機で乾式混合した後、合成樹脂の溶融温度以上の温度(通常は80〜200℃程度、好ましくは100〜150℃程度)に加熱しながら、溶融混練することにより製造できる。
かかる混合機としては公知のものを使用でき、たとえば、ヘンシェルミキサー(商品名、三井鉱山(株)製)、スーパーミキサー(商品名、(株)カワタ製)およびメカノミル(商品名、岡田精工(株)製)などのヘンシェルタイプの混合装置、オングミル(商品名、ホソカワミクロン(株)製)、ハイブリダイゼーションシステム(商品名、(株)奈良機械製作所製)およびコスモシステム(商品名、川崎重工業(株)製)などが挙げられる。溶融混練には、二軸押し出し機、三本ロール、または、ラボブラストミルなどの一般的な混練機を用いることができる。さらに具体的には、たとえば、TEM−100B(商品名、東芝機械(株)製)、PCM−65/87(商品名、(株)池貝製)などの1軸もしくは2軸のエクストルーダー、ニーディックス(商品名、三井鉱山(株)製)などのオープンロール方式のものが挙げられる。
合成樹脂と着色剤との使用割合は特に制限されないけれども、通常は合成樹脂100重量部に対して着色剤が0.1〜20重量部、好ましくは0.2〜10重量部である。
本発明においては、樹脂混練物を製造する際に、所望に応じてワックス、帯電制御剤などの一般的な各種トナー用添加剤を配合することができる。ワックスとしてはこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、カルナウバワックスおよびライスワックスなどの天然ワックス、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックスおよびフィッシャートロプッシュなどの合成ワックス、モンタンワックスなどの石炭系ワックス、アルコール系ワックス並びにエステル系ワックスなどが挙げられる。ワックスは1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
かくして得られた樹脂混練物は、溶融混練したものをそのまま次工程に用いてもよいし、溶融混練後の固化物または該固化物を加熱して溶融状態に戻したものを用いてもよい。
ついで、樹脂混練物を、水溶性の高分子分散剤が存在する水中において加熱または加熱加圧下に、攪拌することにより着色剤含有合成樹脂粒子が含まれる水性スラリーを生成させることができる。
水溶性の高分子分散剤としては、ポリカルボン酸化合物およびポリビニルアルコールのうち少なくとも1つを好ましく使用できる。たとえば、ポリアクリル酸およびポリスチレンアクリル酸などのポリカルボン酸、ポリカルボン酸のアンモニウム塩、ポリカルボン酸の金属塩、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、並びにセルロースガムなどの化合物が挙げられる。とりわけ、室温で10重量パーセント以上の濃度の水溶液が調製できる高分子分散剤が好ましく、ポリアクリル酸およびポリスチレンアクリル酸などのポリカルボン酸のアンモニウム塩および金属塩などのポリカルボン酸塩がより好ましい。これらの水溶性高分子分散剤は単独で使用しても、または2種以上を併用してもよい。
上記水溶性高分子分散剤のGPC(ゲル浸透クロマトグラフィ)による重量平均分子量は、通常は5000〜50000程度が好ましく、5000〜20000程度がさらに好ましい。
加熱温度は樹脂混練物に含まれる合成樹脂の種類およびその特性(たとえば分子量および軟化点など)、最終的に得ようとするトナー粒子の粒径などに応じて広い範囲から適宜選択できるけれども、樹脂混練物に含まれる合成樹脂の軟化温度から合成樹脂の分解温度までの間が好ましい。圧力も特に制限されず、樹脂混練物に含まれる合成樹脂の種類などに応じて、混合操作を容易に実施でき、所望の粒径および形状を有するトナー粒子が得られる圧力を適宜選択すればよいが、その際、剪断力をかけながら混合を行うのが好ましい。
樹脂混練物と水溶性の高分子分散剤の水溶液との混合は、たとえば、乳化機および分散機などを用いて行う。
乳化機および分散機としては、樹脂混練物と水溶性の高分子分散剤の水溶液とをバッチ式または連続式で受け入れることができ、加熱手段または加熱加圧手段を有し、該樹脂混練物と該水溶液とを加熱下または加熱加圧下に混合し、合成樹脂粒子を生成させ、該合成樹脂粒子をバッチ式または連続式で排出することのできる装置が好ましい。また乳化機および分散機は、撹拌手段を有し、樹脂混練物と水溶性の高分子分散剤の水溶液とを撹拌下に混合できるものであることが好ましい。また乳化機および分散機は、樹脂混練物と水溶性の高分子分散剤の水溶液とを混合するための撹拌容器が温度調整手段を有するものであることが好ましい。該撹拌容器は、好ましくは耐圧性を有し、さらに好ましくは耐圧性を有しかつ圧力制御弁などを備える。このような撹拌容器を用いれば、容器内の温度はほぼ一定に保持され、圧力も合成樹脂の溶融温度と水溶液の蒸気圧との兼ね合いで一定圧力に制御される。なお、100℃以上で使用する場合は、加圧状態での使用になるので、乳化機および分散機にはメカニカルシールが備えられ、撹拌容器は密閉可能なものであることが望ましい。
このような乳化機および分散機は市販されている。その具体例としては、たとえば、ウルトラタラックス(商品名、IKAジャパン(株)製)、ポリトロンホモジナイザー(商品名、キネマティカ社製)、TKオートホモミクサー(商品名、特殊機化工業(株)製)などのバッチ式乳化機、エバラマイルダー(商品名、(株)荏原製作所製)、TKパイプラインホモミクサー、TKホモミックラインフロー、フィルミックス(いずれも商品名、特殊機化工業(株)製)、コロイドミル(商品名、神鋼パンテック(株)製)、スラッシャー、トリゴナル湿式微粉砕機(いずれも商品名、三井三池化工機(株)製)、キャビトロン(商品名、(株)ユーロテック製)、ファインフローミル(太平洋機工(株)製)などの連続式乳化機、クレアミックス(商品名、エム・テクニック(株)製)およびフィルミックス(商品名、特殊機化工業(株)製)などが挙げられる。
上記水溶性高分子分散剤は、樹脂混練物100重量部に対して100〜500重量部の範囲で使用することが好ましい。該使用量が100重量部未満では、得られる合成樹脂粒子の形状・粒度分布幅が大きくなるおそれがある。一方、該使用量が500重量部を超えると、水系媒体の粘度が高くなりやすく、起泡も多くなり、得られる合成樹脂の分散懸濁粒子が逆に分散不安定になる場合があるため好ましくない。
ついで、生成した合成樹脂粒子を含む水性スラリーを冷却させるとともに、樹脂混練物100重量部に対して難水溶性アルカリ土類金属塩10重量部以上250重量部以下の水分散液を添加する。
難水溶性アルカリ土類金属塩としては、20℃の水1リットルに対する溶解度が50mg以下、とりわけ30mg以下のアルカリ土類金属を好適に使用することが出来る。 アルカリ土類金属塩としては、炭酸カルシウム塩およびリン酸カルシウム塩が挙げられ、炭酸カルシウム塩としては、カルサイト(水に対する溶解度14mg/リットル、20℃)、アラゴナイト(水に対する溶解度15mg/リットル、20℃)およびバテライト(水に対する溶解度24mg/リットル、20℃)の3種類の多形が存在し、いずれも使用することができる。また製法の相違によって、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウムおよびコロイド炭酸カルシウムがあるが、これらの中では水中での分散性に優れるコロイド炭酸カルシウムが好ましい。リン酸カルシウム塩としては、公知のものを使用でき、リン酸水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸三カルシウムおよびハイドロオキシアパタイトなどが挙げられ、ハイドロオキシアパタイトがより好ましい。これらは単独でまたは二種以上の混合物として用いることができる。
なお、難水溶性アルカリ土類金属塩の使用量が10重量部未満では、水溶性の高分子分散剤水溶液により得られた合成樹脂の分散懸濁粒子と比較して分散性とその安定性の改善が小さい。一方、該使用量が250重量部を超えると、水系媒体の粘度が高くなりやすく、水溶性の高分子分散剤水溶液により得られた合成樹脂の分散懸濁粒子が逆に不安定なる場合があるため好ましくない。
難水溶性アルカリ土類金属塩の水分散液には、安定剤として公知の界面活性剤などを含んでいても良く、たとえば、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウムおよびステアリン酸カリウムなどが挙げられる。界面活性剤は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
該水分散液の添加温度は、特に制限はないが、加熱を停止するのと同時に添加してもよく、加熱時の最高温度と合成樹脂粒子の軟化温度の間の任意の温度で添加してもよい。
ついで、得られた混合液の冷却は、自然冷却してもよく、また混合機を外部から冷却するなどの強制冷却により冷却してもよいが、自然冷却がより好ましい。
加圧をしていた場合には、100℃以上の温度では加圧をしていないと水性スラリーが沸騰して発泡するので、冷却過程でも加圧を継続し、大気圧に戻すのは、50℃以下であるときが好ましく、さらには、容器内の混合物が室温まで冷却した後に大気圧に戻すのがより好ましい。
ついで得られた合成樹脂粒子の混合液に、イオン性物質を加えて、粒子表面の難水溶性アルカリ土類金属塩の除去を行うことが好ましい。イオン性物質としては、難水溶性アルカリ土類金属塩の水への溶解性を増大させるものであれば、特に制限なく用いることができ、酸性物質またはアルカリ性物質のどちらでもあってもよい。イオン性物質は気体、液体または固体のいずれの状態であっても構わないが、速やかに溶解させることができ、かつ、添加量の調整がし易い水溶液の状態で添加するのが好ましい。
酸性物質を用いる際には、無機酸の水溶液または有機酸の水溶液を用いるのが好ましい。無機酸としては公知のものを使用でき、たとえば、塩酸、硫酸、硝酸および炭酸などの水溶性無機酸が挙げられる。有機酸としては公知のものを使用でき、たとえば、ギ酸および酢酸などの水溶性有機酸が挙げられる。またアルカリ性物質としては公知のものを使用でき、たとえば、アンモニア、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムなどの水溶性無機アルカリが挙げられる。
ついで、これを洗浄し、分離しおよび乾燥することによって、本発明のトナーを得ることができる。
洗浄は、得られるトナー粒子の帯電量に影響を及ぼす不純物類を除去するために行う工程であり、導電率計などを用い、合成樹脂粒子を洗浄した後の上澄み水の導電率が50μS/cm以下になるまで繰り返し水洗を行うのが好ましい。これによって、トナー粒子の帯電量をさらに均一にすることができる。水洗に用いる水は、導電率20μS/cm以下の水であることが好ましい。このような水を得るには、たとえば、活性炭法、イオン交換法、蒸留法および逆浸透法などを用いることができる。もちろん、これらの方法の2種以上を組み合わせて水を調製してもよい。合成樹脂粒子の水洗は、バッチ式および連続式のいずれで実施してもよい。また、洗浄水の温度は特に制限されないけれども、10〜80℃で洗浄するのが好ましい。本実施形態においては、トナー原体である合成樹脂粒子を分離する前に、水洗を行ってもよく、または、合成樹脂粒子を分離した後に水洗を行ってもよい。
粒子の分離は公知の方法に従って実施でき、たとえば、濾過、吸引濾過および遠心分離などが挙げられる。
次いで、合成樹脂粒子を必要に応じて分級を行った後、乾燥することによって、トナー粒子を得ることができる。合成樹脂粒子を乾燥させる際には、不純物類の有無を導電率計などでチェックした後に、乾燥させるのが好ましい。乾燥には公知の方法を採用でき、たとえば、凍結乾燥法、気流式乾燥法などが挙げられる。
かくして得られる本発明の製造方法により得られるトナー粒子は、3〜15μm程度の体積平均粒子径を有し、粒子形状および大きさが均一で、帯電性能にばらつきが無いので、たとえば、電子写真方式の画像形成装置用の静電荷現像トナーとして好ましく使用できる。そして、このトナー粒子を電子写真方式の画像形成装置で使用すると、転写材へ高率で転写され、画像濃度が高く、白地カブリのない高画質品位の画像を容易に形成できる。
図1は、本発明のトナーの製造方法を示すフローチャートである。ステップS0から製造を開始する。ステップS1では、溶融状態で造粒可能な合成樹脂と着色剤とを含む混合物を混合機で乾式混合した後、加熱しながら溶融混練することによって樹脂混練物を生成する。ステップS2では、水溶性の高分子分散剤を水に溶解させて、水溶性の高分子分散剤を含む水溶液を調製する。本実施の形態においては、ステップS1をステップS2の先に行ってもよく、ステップS2をステップS1の先に行ってもよい。ステップS3では、樹脂混練物を水溶性の高分子分散剤の存在する水中で、加熱または加熱加圧して混合することによって、着色剤含有合成樹脂粒子を含んだ水性スラリーを生成させる。ステップS4では、合成樹脂粒子を含む水性スラリーを冷却させるとともに難水溶性アルカリ土類金属塩の水分散液の添加が行われる。また、合成樹脂粒子表面に付着した難水溶性アルカリ土類金属を除去する。この除去は、たとえば、イオン性物質を添加することなどにより行う。ステップS5では、トナー粒子などを洗浄し、トナー粒子のみを分離して、乾燥した後、ステップS6で当該トナーの製造を終える。
本発明によれば、混練物の製造において有機溶媒を用いないので、帯電性能に悪影響を与える有機溶媒がトナー粒子中に残留しない。したがって従来の有機溶媒を使用するトナーの製造方法で、有機溶媒を除去した合成樹脂粒子に分級、乾燥などの処理を施す際に、トナー粒子の形状が不均一となる問題が生じることもない。
合成樹脂粒子生成工程において水溶性高分子分散剤を用いることによって着色剤含有合成樹脂粒子の均一な微細化を実現できる。さらに、冷却工程において難水溶性アルカリ土類金属塩の水分散液を用いることによって、着色剤含有合成樹脂粒子が付着しあうことによる粗大化を防止することができる。
さらに、冷却工程において難水溶性アルカリ土類金属塩の水分散液を用いるので、粒子表面は難水溶性アルカリ土類金属塩の付着による凹凸部が残らず表面平滑性に優れているうえ、着色剤含有合成樹脂粒子の表面の難水溶性アルカリ土類金属塩除去もイオン性物質の添加によって水中に溶解させるという簡易な操作で行われるので工業的に有利である。
本発明によれば、ポリカルボン酸化合物およびポリビニルアルコールのうち少なくとも1つを水溶性高分子分散剤として好ましく使用できる。これらの化合物を用いると、樹脂混練物の微粒化が進行しやすく、滑らかで、ひび割れ等がない均一な形状および大きさを有する着色剤含有合成樹脂粒子を特に効率よく得ることができる。
本発明によれば、炭酸カルシウム塩およびリン酸カルシウム塩は、たとえば、酸、アルカリのイオン性物質によって分解するので、着色剤含有合成樹脂粒子の表面から簡単に除去することが可能になる。
本発明によれば、難水溶性アルカリ土類金属塩として炭酸カルシウム塩またはリン酸カルシウム塩は、着色剤含有合成樹脂粒子の表面平滑性に特に優れ、粒子表面は難水溶性アルカリ土類金属塩の付着による凹凸部の残存、ひび割れなどの発生を効率良く抑えることができる。
水溶性高分子分散剤およびイオン性物質によって溶解された難水溶性アルカリ土類金属塩を水性スラリーから除去するには、たとえば、水で洗浄するという簡易な操作を行うのみでできるので工業的に有利である。
このようにして得られるトナー粒子は、そのまま静電荷現像用トナーとして用いることができる。また、このトナー粒子に、外添剤を加えることもできる。この外添剤としては、たとえば、シリカおよび酸化チタンなどが挙げられる。これらの外添剤は、たとえば、シランカップリング剤による表面改質などの種々の表面改質がなされていてもよい。トナー粒子と外添剤の使用割合は特に制限されないが、通常はトナー粒子100重量部に対して、外添剤0.1〜5重量部を用いればよい。
本発明の製造方法により得られるトナーは、一成分系現像剤および二成分系現像剤として使用できる。一成分系現像剤として用いる場合には、たとえば、非磁性トナーを用いる場合には、ブレードおよびファーブラシを用い、現像スリーブで摩擦帯電させてスリーブ上にトナーを付着させることで搬送する方法がある。
また、二成分系現像剤として用いる場合には、本発明の製造方法により得られるトナーと共に、キャリアを用い現像剤として使用する。本発明の製造方法により得られるトナーと共に使用されるキャリアとしては特に制限されないけれども、主として、鉄、銅、亜鉛、ニッケル、コバルト、マンガン、クロム元素などからなる単独および複合フェライト、キャリアコア粒子を被覆物質で表面被覆したものなどが用いられる。被覆物質としては、トナーに含まれる成分に応じて適宜選択されるけれども、たとえば、ポリテトラフルオロエチレン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフッ化ビニリデン、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ジターシャーリーブチルサリチル酸の金属化合物、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアシド、ポリビニルブチラール、ニグロシン、アミノアクリレート樹脂、塩基性染料およびそのレーキ物、シリカ微粉末並びにアルミナ微粉末などが挙げられる。被覆物質は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。キャリアの平均粒径は10〜100μm、好ましくは20〜50μmである。
以下に実施例および比較例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらにより、何ら限定されるものではない。以下において、「部」および「%」は特に断らない限り、それぞれ「重量部」および「重量%」を意味する。
[水]
以下の実施例および比較例において、水溶性の高分子分散剤の水溶液調製用、難水溶性アルカリ土類金属塩の水分散液調製用、トナー原体である合成樹脂粒子の洗浄用およびイオン性物質水溶液調製用には、導電率0.5μS/cmの水を用いた。この洗浄水は、超純水製造装置(商品名:Ultra Pure Water System CPW-1
02、アドバンテック(ADVANTEC)社製)を用いて水道水から調製した。水の導電率はラコムテスター EC−PHCON10(商品名、井内盛栄堂製)を用いて測定した。
[合成樹脂粒子の粒径および粒子径分布]
また、得られる合成樹脂粒子(トナー原体)の粒径(体積平均粒子径、個数平均粒子径)および粒子径分布は、コールターマルチサイザーII(商品名、コールター社製)を用いて測定した。測定粒子数は50000カウントとし、アパーチャ径は100μmとした。
[平均円形度]
さらに、得られる合成樹脂粒子(トナー原体)の平均円形度は、フロー式粒子像分析装置(商品名:FPIA−2000、東亜医用電子(株)製)を用いて測定した。平均円形度は該測定装置において検出される粒子像において、(粒子像と同じ投影面積をもつ円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)で定義され1以下の値をとる。1に近いほど、トナー粒子の形状が真球に近いことを意味する。
[イオン性物質を溶解した水の調製]
イオン性物質を溶解した水は前記水に所定量のイオン性物質を溶解させて調製した。なおイオン性物質を溶解した水の添加は、撹拌後、加熱を停止した後、容器内の混合物が室温まで冷却し圧力を大気圧に戻した後に行った。イオン性物質として実施例および比較例では希塩酸(濃度1mol/L)を用いた。
以下、実施例および比較例について説明する。
(実施例1)
[樹脂混練物の調製]
ポリエステル樹脂(ガラス転移点(Tg)62℃、軟化点110℃)100部、着色剤(カーボンブラック)5部、ワックス(ポリエチレン)2部および帯電制御剤(商品名:ボントロンE−84、オリエント化学(株)製)1部をヘンシェルミキサーにて30分間混合分散した後、押出機(商品名、ニーディクスMOS140−800、三井鉱山(株)製)を用いて溶融混練分散し、樹脂混練物を調製した。
[水溶性高分子分散剤水分散液の調製]
ポリアクリル酸(重量平均分子量10,000)アンモニウム塩20部および水480
部を混ぜ合わせて、水溶性高分子分散剤の4%水分散液を調製した。
[難水溶性アルカリ土類金属塩の水分散液の調製]
一方、一次粒子径0.1μmの炭酸カルシウム12部および水88部を分散機(商品名:フィルミックス56型、特殊機化工業(株)製)に投入し、8000rpmで60分間分散させて、難水溶性のアルカリ土類金属塩である炭酸カルシウムの12%水分散液を調製した。分散後の炭酸カルシウムの平均分散径を、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(商品名:LA−920、(株)堀場製作所製)により、体積基準で50%頻度粒子径(メジアン径)として測定したところ、0.70μmであった。以下の実施例および比較例においては、これを水で希釈して所定の濃度に調製したものを用いた。
[合成樹脂粒子造粒工程]
圧力調整弁、加熱手段およびロータステータ式撹拌手段(口径30mm)を備える金属製容器に、樹脂混練物20部とポリアクリル酸アンモニウム塩の4%水溶液500部とを投入し、150℃、5atomで加熱加圧しながら10分間撹拌混合した(8000rpm)。
[冷却工程]
その後加熱を止め、炭酸カルシウムの0.4%水分散液500部を投入し、その後、この混合物を撹拌しながら20℃まで自然冷却させたのち、イオン性物質として希塩酸(濃度1mol/L)の添加を行い、この混合物のpHを1に調整して合成樹脂粒子表面から炭酸カルシウムを完全に分解させて除去した。
[洗浄・分離・乾燥工程]
その後、導電率0.5μS/cmの水を混合物に加えて洗浄を行った。洗浄は、混合物と水(導電率0.5μS/cm)とを混合し、水の添加量によって固形分量が10%になるように調整した後、タービン型撹拌翼で30分間撹拌(300rpm)を行い、この混合物から遠心分離によって分離される上澄み液の導電率が10μS/cm以下になるまで、同じ洗浄操作を繰り返し行った。その後、遠心分離によって混合物中の合成樹脂粒子を分取し、乾燥し、合成樹脂粒子20部を得た。
[粗大化粒子の有無の観察および後処理]
得られた合成樹脂粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、複数の微粒子化された粒子が付着しあって粗大化した粒子は含まれておらず、表面が滑らかで球状の合成樹脂粒子が観察された。上記で得られた合成樹脂粒子を水に分散し、沈降法により水中にて分級を行い、2μm以下の微粉を除去した後、凍結乾燥し、体積平均粒径8.9μm、円形度0.97のトナー粒子を得た。このトナー粒子100部に、平均1次粒径20nmのシランカップリング剤で疎水化処理を施したシリカ粒子0.7部を混合して、トナーを得た。
(実施例2)
難水溶性のアルカリ土類金属塩の水分散液として、炭酸カルシウムの5%水分散液500部を使用した以外は、実施例1と同様に操作し、分級および乾燥を行い、体積平均粒径8.9μm、円形度0.97のトナー原体である合成樹脂粒子を得た。その一部を分取して乾燥し、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、粒子同士が付着しあって粗大化した粒子は含まれておらず、表面が滑らかで球状の合成樹脂粒子が観察された。引き続き、このトナー粒子100部に、平均1次粒径20nmのシランカップリング剤で疎水化処理をしたシリカ粒子0.7部を混合して、トナーを得た。
(実施例3)
難水溶性のアルカリ土類金属塩の水分散液として、炭酸カルシウムの10%水分散液500部を使用した以外は、実施例1と同様に操作し、分級および乾燥を行い、体積平均粒径8.9μm、円形度0.97のトナー原体である合成樹脂粒子を得た。その一部を分取して乾燥し、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、粒子同士が付着しあって粗大化した粒子は含まれておらず、表面が滑らかで球状の合成樹脂粒子が観察された。引き続き、このトナー粒子100部に、平均1次粒径20nmのシランカップリング剤で疎水化処理をしたシリカ粒子0.7部を混合して、トナーを得た。
(実施例4)
水溶性高分子分散剤の水分散液として、ポリアクリル酸アンモニウムの20%水分散液500部を使用した以外は、実施例1と同様に操作し、分級および乾燥を行い、体積平均粒径7.1μm、円形度0.97のトナー原体である合成樹脂粒子を得た。その一部を分取して乾燥し、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、粒子同士が付着しあって粗大化した粒子は含まれておらず、表面が滑らかで球状の合成樹脂粒子が観察された。引き続き、このトナー粒子100部に、平均1次粒径20nmのシランカップリング剤で疎水化処理をしたシリカ粒子0.7部を混合して、トナーを得た。
(実施例5)
難水溶性のアルカリ土類金属塩の水分散液として、炭酸カルシウムの5%水分散液500部を使用した以外は、実施例4と同様に操作し、分級および乾燥を行い、体積平均粒径7.1μm、円形度0.97のトナー原体である合成樹脂粒子を得た。その一部を分取して乾燥し、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、粒子同士が付着しあって粗大化した粒子は含まれておらず、表面が滑らかで球状の合成樹脂粒子が観察された。引き続き、このトナー粒子100部に、平均1次粒径20nmのシランカップリング剤で疎水化処理をしたシリカ粒子0.7部を混合して、トナーを得た。
(実施例6)
難水溶性のアルカリ土類金属塩の水分散液として、炭酸カルシウムの10%水分散液500部を使用した以外は、実施例4と同様に操作し、分級および乾燥を行い、体積平均粒径7.1μm、円形度0.97のトナー原体である合成樹脂粒子を得た。その一部を分取して乾燥し、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、粒子同士が付着しあって粗大化した粒子は含まれておらず、表面が滑らかで球状の合成樹脂粒子が観察された。引き続き、このトナー粒子100部に、平均1次粒径20nmのシランカップリング剤で疎水化処理をしたシリカ粒子0.7部を混合して、トナーを得た。
(実施例7)
難水溶性のアルカリ土類金属塩の水分散液として、炭酸カルシウム水分散液の替わりにハイドロオキシアパタイトの5%水分散液(一次粒子径0.1μm、体積基準で50%頻度粒子径1.0μm)500部を使用した以外は、実施例5と同様に操作し、分級および乾燥を行い、体積平均粒径7.1μm、円形度0.97のトナー原体である合成樹脂粒子を得た。その一部を分取して乾燥し、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、粒子同士が付着しあって粗大化した粒子は含まれておらず、表面が滑らかで球状の合成樹脂粒子が観察された。引き続き、このトナー粒子100部に、平均1次粒径20nmのシランカップリング剤で疎水化処理をしたシリカ粒子0.7部を混合し、本発明のトナーを製造した。
(実施例8)
難水溶性のアルカリ土類金属塩の水分散液として、炭酸カルシウム水分散液の替わりにリン酸三カルシウムの5%水分散液(一次粒子径0.1μm、体積基準で50%頻度粒子径2.0μm)500部を使用した以外は、実施例5と同様に操作し、分級および乾燥を行い、体積平均粒径7.1μm、円形度0.97のトナー原体である合成樹脂粒子を得た。その一部を分取して乾燥し、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、粒子同士が付着しあって粗大化した粒子は含まれておらず、表面が滑らかで球状の合成樹脂粒子が観察された。引き続き、このトナー粒子100部に、平均1次粒径20nmのシランカップリング剤で疎水化処理をしたシリカ粒子0.7部を混合して、トナーを得た。
(実施例9)
水溶性高分子分散剤の水分散液として、ポリスチレンアクリル酸(重量平均分子量10,000、酸価200)のアンモニウム塩の4%水溶液500部を使用した以外は、実施例1と同様に操作し、分級および乾燥を行い、体積平均粒径8.7μm、円形度0.97のトナー原体である合成樹脂粒子を得た。その一部を分取して乾燥し、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、粒子同士が付着しあって粗大化した粒子は含まれておらず、表面が滑らかで球状の合成樹脂粒子が観察された。引き続き、このトナー粒子100部に、平均1次粒径20nmのシランカップリング剤で疎水化処理をしたシリカ粒子0.7部を混合して、トナーを得た。
(実施例10)
難水溶性のアルカリ土類金属塩の水分散液として、炭酸カルシウムの5%水分散液500部を使用した以外は、実施例9と同様に操作し、分級および乾燥を行い、体積平均粒径8.7μm、円形度0.97のトナー原体である合成樹脂粒子を得た。その一部を分取して乾燥し、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、粒子同士が付着しあって粗大化した粒子は含まれておらず、表面が滑らかで球状の合成樹脂粒子が観察された。引き続き、このトナー粒子100部に、平均1次粒径20nmのシランカップリング剤で疎水化処理をしたシリカ粒子0.7部を混合して、トナーを得た。
(実施例11)
難水溶性のアルカリ土類金属塩の水分散液として、炭酸カルシウムの10%水分散液500部を使用した以外は、実施例9と同様に操作し、分級および乾燥を行い、体積平均粒径8.7μm、円形度0.97のトナー原体である合成樹脂粒子を得た。その一部を分取して乾燥し、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、粒子同士が付着しあって粗大化した粒子は含まれておらず、表面が滑らかで球状の合成樹脂粒子が観察された。引き続き、このトナー粒子100部に、平均1次粒径20nmのシランカップリング剤で疎水化処理をしたシリカ粒子0.7部を混合して、トナーを得た。
(実施例12)
水溶性高分子分散剤の水分散液として、ポリスチレンアクリル酸アンモニウムの20%水分散液500部を使用した以外は、実施例9と同様に操作し、分級および乾燥を行い、体積平均粒径6.7μm、円形度0.97のトナー原体である合成樹脂粒子を得た。その一部を分取して乾燥し、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、粒子同士が付着しあって粗大化した粒子は含まれておらず、表面が滑らかで球状の合成樹脂粒子が観察された。引き続き、このトナー粒子100部に、平均1次粒径20nmのシランカップリング剤で疎水化処理をしたシリカ粒子0.7部を混合して、トナーを得た。
(実施例13)
難水溶性のアルカリ土類金属塩の水分散液として、炭酸カルシウムの5%水分散液500部を使用した以外は、実施例12と同様に操作し、分級および乾燥を行い、体積平均粒径6.7μm、円形度0.97のトナー原体である合成樹脂粒子を得た。その一部を分取して乾燥し、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、粒子同士が付着しあって粗大化した粒子は含まれておらず、表面が滑らかで球状の合成樹脂粒子が観察された。引き続き、このトナー粒子100部に、平均1次粒径20nmのシランカップリング剤で疎水化処理をしたシリカ粒子0.7部を混合して、トナーを得た。
(実施例14)
難水溶性のアルカリ土類金属塩の水分散液として、炭酸カルシウムの10%水分散液500部を使用した以外は、実施例12と同様に操作し、分級および乾燥を行い、体積平均粒径6.7μm、円形度0.97のトナー原体である合成樹脂粒子を得た。その一部を分取して乾燥し、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、粒子同士が付着しあって粗大化した粒子は含まれておらず、表面が滑らかで球状の合成樹脂粒子が観察された。引き続き、このトナー粒子100部に、平均1次粒径20nmのシランカップリング剤で疎水化処理をしたシリカ粒子0.7部を混合して、トナーを得た。
(実施例15)
水溶性高分子分散剤の水分散液として、ポリビニルアルコール(ポリビニルアルコール重量平均分子量17000 ケン価度80)の10%水溶液500部を使用した以外は、実施例9と同様に操作し、分級および乾燥を行い、体積平均粒径7.8μm、円形度0.97のトナー原体である合成樹脂粒子を得た。その一部を分取して乾燥し、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、粒子同士が付着しあって粗大化した粒子は含まれておらず、表面が滑らかで球状の合成樹脂粒子が観察された。引き続き、このトナー粒子100部に、平均1次粒径20nmのシランカップリング剤で疎水化処理をしたシリカ粒子0.7部を混合して、トナーを得た。
(実施例16)
難水溶性のアルカリ土類金属塩の水分散液として、炭酸カルシウムの5%水分散液500部を使用した以外は、実施例15と同様に操作し、分級および乾燥を行い、体積平均粒径7.8μm、円形度0.97のトナー原体である合成樹脂粒子を得た。その一部を分取して乾燥し、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、粒子同士が付着しあって粗大化した粒子は含まれておらず、表面が滑らかで球状の合成樹脂粒子が観察された。引き続き、このトナー粒子100部に、平均1次粒径20nmのシランカップリング剤で疎水化処理をしたシリカ粒子0.7部を混合して、トナーを得た。
(実施例17)
難水溶性のアルカリ土類金属塩の水分散液として、炭酸カルシウムの10%水分散液500部を使用した以外は、実施例15と同様に操作し、分級および乾燥を行い、体積平均粒径7.8μm、円形度0.97のトナー原体である合成樹脂粒子を得た。その一部を分取して乾燥し、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、粒子同士が付着しあって粗大化した粒子は含まれておらず、表面が滑らかで球状の合成樹脂粒子が観察された。引き続き、このトナー粒子100部に、平均1次粒径20nmのシランカップリング剤で疎水化処理をしたシリカ粒子0.7部を混合して、トナーを得た。
(比較例1)
圧力調整弁、加熱手段およびロータステータ式撹拌手段(口径30mm)を備える金属製容器に、樹脂混練物20部とポリアクリル酸アンモニウム塩の20%水溶液500部とを投入し、150℃、5atomで加熱加圧しながら10分間撹拌した(8000rpm)。その後加熱を止め、炭酸カルシウム水分散液を添加せずに、混合物が20℃まで自然冷却したのち、導電率0.5μS/cmの水を混合物に加えて洗浄を行った。その後、遠心分離によって混合物中の合成樹脂粒子を分取して、乾燥し、合成樹脂粒子20部を得た。得られた合成樹脂粒子は、粒子同士が付着しあって粗大化した粒子が多く含まれておりトナー粒子として使用することができなかった。
(比較例2)
圧力調整弁、加熱手段およびロータステータ式撹拌手段(口径30mm)を備える金属製容器に、樹脂混練物20部とポリアクリル酸アンモニウム塩の20%水溶液500部とを投入し、150℃、5atomで加熱加圧しながら10分間撹拌した(8000rpm)。その後加熱を止め、炭酸カルシウムの12%水分散液500部を投入し、その後、混合物が20℃まで自然冷却したのち、イオン性物質として希塩酸の添加を行い、混合物のpHを1に調整して合成樹脂粒子表面の炭酸カルシウムを完全に分解除去した。得られた合成樹脂粒子は、粒子同士が付着しあって粗大化した粒子が多く含まれておりトナー粒子として使用することができなかった。
(比較例3)
難水溶性のアルカリ土類金属塩の水分散液として、炭酸カルシウム水分散液の替わりにハイドロオキシアパタイトの12%水分散液500部を使用した以外は、比較例1と同様に操作し、希塩酸によるハイドロオキシアパタイトの分解除去および合成樹脂粒子の水洗浄を行ったが、得られた合成樹脂粒子は、粒子同士が付着しあって粗大化した粒子が多く含まれておりトナー粒子として使用することができなかった。
(比較例4)
水溶性高分子分散剤の水分散液として、ポリアクリル酸アンモニウム水溶液の替わりにポリスチレンアクリル酸アンモニウム塩の20%水溶液500部を使用した以外は、比較例1と同様に操作したが、得られた合成樹脂粒子は、粒子同士が付着しあって粗大化した粒子が多く含まれておりトナー粒子として使用することができなかった。
(比較例5)
水溶性高分子分散剤の水分散液として、ポリアクリル酸アンモニウム水溶液の替わりにポリスチレンアクリル酸アンモニウム塩の20%水溶液500部を使用した以外は、比較例2と同様に操作したが、得られた合成樹脂粒子は、粒子同士が付着しあって粗大化した粒子が多く含まれておりトナー粒子として使用することができなかった。
(比較例6)
水溶性高分子分散剤の水分散液として、ポリアクリル酸アンモニウム水溶液の替わりにポリスチレンアクリル酸アンモニウム塩の20%水溶液500部を使用した以外は、比較例3と同様に操作したが、得られた合成樹脂粒子は、粒子同士が付着しあって粗大化した粒子が多く含まれておりトナー粒子として使用することができなかった。
(試験例)
実施例1〜17それぞれにつき得られたトナー粒子と、平均粒子径60μmのフェライトコアキャリアとをトナー濃度が5重量%になるように調整および混合して2成分の現像剤を作製した。
この現像剤を使用し、レーザプリンタ(商品名:AR−C150、シャープ(株)製)を用いて、「フルカラー専用紙」品番:PP106A4C、A4サイズ、シャープ(株)製)上にトナー付着量が0.8mg/cm2になるように調整して印字させ、外部定着機
を用いて、画像サンプルを作成した。
それぞれの画像サンプルを作成し、光学濃度、白地カブリおよび転写率を評価し、総合評価した。
〔光学濃度〕
分光測色濃度計(商品名:X−Rite938、日本平版印刷機材(株)製)により測定し、光学濃度が1.4以上あれば、良好と判断した。
〔白地カブリ〕 黒色トナーの場合、フルカラー専用紙(PP106A4C)の白度を予め白度計(日本電色工業(株)製)にて測定し、その値を第1測定値とする。次に、直径55mmの白円を含む原稿を3枚複写し、得られた複写物の白部を前記白度計にて測定し、この値を第2測定値とする。第1測定値から第2測定値を差し引いた値をカブリ濃度(%)とし、その値が2.0%以下であれば、良好と判断した。
〔転写率〕
所定チャートにて複写したサンプルの紙面上のトナー重量Mpと感光体上に残存したトナー重量Mdから計算し、85%以上の場合を合格と判断した。転写率(%)は、次式により求める。
転写率(%)=〔Mp/(Md+Mp)〕×100
〔総合評価〕
下記の基準に従って評価した。
○:樹脂粒子凝集無し、光学濃度が1.4以上、カブリ濃度2.0%以下、転写率85%以上
×:上記条件を満たさないもの
結果を表1に示す。
Figure 0004335748
表1から、本発明の製造方法によって得られるトナー粒子が、トナー粒子として好ましい粒径および形状を有し、転写紙上に画像濃度が高くかつ白地カブリのない画像を形成できることが明らかである。
本実施の形態のトナーの製造方法を示すフローチャートである。

Claims (5)

  1. 溶融状態で造粒可能な合成樹脂と着色剤とを含む樹脂混練物を、水中加熱または加熱加圧して着色剤含有合成樹脂を含む水性スラリーを生成させる合成樹脂粒子生成工程と、
    生成した該水性スラリーを冷却する冷却工程とを含むトナーの製造方法において、
    合成樹脂粒子生成工程を水溶性高分子分散剤の存在下で実施し、かつ冷却工程を樹脂混練物100重量部に対して難水溶性アルカリ土類金属塩を10重量部以上250重量部以下となるよう添加して実施することを特徴とするトナーの製造方法
  2. 水溶性の高分子分散剤として、ポリカルボン酸化合物およびポリビニルアルコールのうち少なくとも1つを用いることを特徴とする請求項1に記載のトナーの製造方法。
  3. 難水溶性アルカリ土類金属塩は、炭酸カルシウム塩およびリン酸カルシウム塩のうち少なくとも1つであることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  4. 水溶性の高分子分散剤が、ポリカルボン酸化合物およびポリビニルアルコールのうち少なくとも1つであり、難水溶性アルカリ土類金属塩が、炭酸カルシウム塩またはリン酸カルシウム塩のうち少なくとも1つであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  5. ポリカルボン酸化合物がポリアクリル酸アンモニウムであり、炭酸カルシウム塩が炭酸カルシウムであり、リン酸カルシウムがハイドロキシアパタイトまたはリン酸三カルシウムである請求項4に記載の製造方法
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