JP4130172B2 - 静電荷像現像用トナーの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真法等による画像形成に用いられる静電荷像現像用トナーの製造方法に関する。詳しくは、少なくとも、結着樹脂、着色剤を必須成分とする混合物を溶融混練して得た、有機溶剤を含有しない樹脂溶融混合物を、水溶性高分子を含有する水分散液中に分散、樹脂微粒子を生成させ、該着色樹脂微粒子を分離、洗浄、乾燥する真球状トナーの製造方法に関する。
静電荷像現像剤は、トナー粒子及びキャリア粒子から成る二成分系現像剤と磁性トナー粒子または非磁性トナー粒子を含有する一成分系現像剤とが知られている。トナー粒子は、結着樹脂、着色剤を必須成分として、その他の成分として、帯電制御剤、ワックスなどから成っている。従来、電子写真画像の高濃度化に対して、着色剤濃度を上げると、着色剤が密になり、所望の分散状態が得られず、トナー組成物中に着色剤の凝集が多く電気的性能に劣ったり、光の乱反射等による彩度や色再現幅の低下などが生じる。
また、高画質化という観点では、トナー付着量を最適化することでも、高画質と現像性の両立を図る事で高濃度画像は得られるが、着色剤濃度を上げる事とトナー粒子径を小さくする事が必要不可欠である。トナー粒子の製造方法には粉砕法と湿式法があるが、トナー粒子の小粒径化においては、結着樹脂と着色剤等を混練、粉砕、分級する粉砕法よりも、湿式法が収率、すなわちコストの面で好ましい。
湿式法としては、結着樹脂の重合時に着色剤等を包含させてトナー粒子を得る懸濁重合法、乳化重合により調製した樹脂分散液と着色剤等を分散させた着色剤分散液を混合して凝集粒子を形成した後、加熱などにより融合したトナー粒子を得る乳化重合凝集法、自己水分散性樹脂と着色剤等を有機溶剤中に溶解または分散、樹脂のイオン性基を中和する中和剤と共に攪拌しながら水を加えて転相乳化させ、着色剤等が内包された樹脂溶剤滴を微粒子を生成、溶剤を除去、乾燥してトナーを得る転相乳化法、結着樹脂を溶解可能な有機溶剤中に溶解、又は分散させた樹脂溶液を、分散剤を含有する水媒体中で造粒、有機溶剤を除去、乾燥してトナーを得る溶解懸濁法、さらに、有機溶剤を用いず、結着樹脂と着色剤等との溶融混合物を、無機系分散剤を含有する加圧昇温した水性媒体中に分散し、着色樹脂微粒子を得る特許文献1などの方法、また、同様に有機溶剤を用いず、イオン性基を有する結着樹脂と着色剤等との溶融混合物をイオン性基を中和する中和剤と共に、加熱加圧した水性媒体中に分散し、着色樹脂微粒子を得る特許文献2などの方法がある。前述のトナー中の着色剤の分散性においては、懸濁重合法、乳化重合凝集法、転相乳化法、溶解懸濁法は低粘度の液体中で着色剤の分散を行なわなければならず、着色剤が均一微分散できる特許文献1や特許文献2などの製法が好ましい。
一方、湿式法トナーにおいては、造粒時に分散剤を使用するため、洗浄プロセスにより、それらを除去する必要があり、それが不充分だと高温高湿下での帯電量の低下を招く。これら環境帯電安定性は洗浄プロセスによる以外にも、結着樹脂の酸価に影響され、酸価が大きすぎると、樹脂の親水性が高過ぎて、高温高湿下での帯電安定性が損なわれるため、好ましくない。特許文献2などの製法では、樹脂中の酸価に関係する官能基を利用して、水中での造粒を行なっているが、高着色剤濃度では着色剤中の官能基が分散性に悪影響を及ぼしてしまう。また、特許文献1などの製法では、トナー粒子が真球状ではなく、表面性がよくないため、電子写真プロセスにおいて、転写性が劣化してしまい、高顔料濃度で小粒子径であっても、緻密な転写を行なう事ができず、高画質を得ることが難しい。
特公平2−4895号公報 特許第3351505号公報
本発明の目的は、上記の問題点を解決した静電荷像現像用トナーの製造方法を提供ことにあり、高顔料濃度で小粒子径のトナー組成物中における着色剤を高分散処理をすることによって、通常、着色剤濃度におけるトナーの隠蔽性の向上、あるいは高着色剤濃度のトナーによる高濃度画像の形成を図ることを可能にしたものである。
本発明によるトナーの製造方法は、加熱して溶融状態にした樹脂溶融混合物を、水溶性高分子を含有し、加熱、必要に応じて加圧下で加熱した水分散液中に分散してトナー粒子を得るので、脱溶剤工程などが必要なく、製造プロセスが簡略であり、有機溶剤やモノマーがトナー中に残存することがない。
結着樹脂は、加熱により溶融状態になる樹脂ならどのような樹脂でも使用することができ、溶剤に溶けにくい樹脂や異種樹脂の組合せでも使用でき、樹脂の選択によるトナーの低温定着性、耐久性の改善も容易である。
分散剤として、水溶性高分子を使用することにより、結着樹脂中に混合する着色剤などの種類や含有率などにより分散条件が著しく変わることがないため、造粒工程の製造条件の設定が容易であり、製造途中での樹脂粒子同士が付着して合一することもなく、得られるトナーは真球状で、電子写真プロセスにおける転写効率に優れる。そして、水溶性高分子を含有する水分散液中に分散助剤として界面活性剤を添加し、有機溶剤を使用しない。
本発明によれば、高精細画像に使用し得る小粒径で粒子径分布の狭い球形トナーの製造において、加熱により溶融状態になる樹脂ならどのような樹脂でも粒子を得ることができ、樹脂の選択による低温定着性、耐久性の改善が容易にできる。しかも、球形であるため、転写性に優れ、着色剤均一性により、高画像濃度、光透過性に優れ、製造プロセスにおいて、有機溶剤を使用しないため、環境性に優れた静電荷現像用トナーを簡便なるプロセスによって製造することができる。
また、本発明によれば、加熱して溶融状態になりうる樹脂であれば、樹脂微粒子を製造する事ができ、また、水中への分散能は分散剤によるため、樹脂中に極性基を持つ着色剤やその他の添加物を加えても、樹脂のみでの製造条件と同様の処方で微粒子の製造ができる。更に溶剤を使用する製造方法に比べて、樹脂に溶解しにくい樹脂が使用できる事や、溶剤を使用しないので、環境性に優れ、脱溶媒などのプロセスが必要ないため、製造プロセスが簡略である。得られる樹脂微粒子は、分散剤に水溶性ポリマーを使用する事で粒子表面が滑らかな球形の粒子を得る事ができる。
本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明は、有機溶剤を使わずに着色樹脂微粒子を、水溶性高分子の存在下で水性媒体中に分散させ、この水分散体から、着色微粒子を分離乾燥することにより、静電荷現像用トナーを製造する方法で、5つの工程からなるものである。
まず、本発明の第1工程について説明する。第1工程は、少なくとも結着樹脂と着色剤とを必須成分とする混合物を溶融混練する工程である。
本発明で用いる結着樹脂は、静電荷像現像用トナーに適していれば、どのような樹脂であってもかまわないが、結着樹脂のガラス転移温度は50〜75℃であるのが好ましく、より好ましくは55〜70℃である。ガラス転移温度が50℃未満であるとトナーとしての保存性が不良(凝集)となり、75℃を越えると定着性が不良となる。
結着樹脂の軟化温度は、特に限定されるものではないが、70℃〜150℃であることが好ましく、より好ましくは70℃〜130℃である。結着樹脂の軟化点が130℃を越えると定着不良がはじまり、150℃越えると定着不良が増加し、70℃未満では通常ガラス転移温度は50℃未満となって、保存性が不良となる。
結着樹脂の重量平均分子量は、特に限定されるものではないが、2,000〜200,000であることが好ましく、より好ましくは、5,000〜20,000であることがより好ましい。重量平均分子量が2,000未満であると、トナーとして脆くなりすぎ、定着性が悪化し、200,000を越えると定着性不良を起こす。
結着樹脂の酸価は、特に限定されるものではないが、樹脂100g当たり30mg当量以下であることが好ましい。30mg当量/100gより大きすぎると、樹脂の親水性が高過ぎて、高温高湿下での帯電安定性が損なわれるため、好ましくない。
本発明で使用できる結着樹脂は、必要に応じて、他の樹脂を添加することができるが、樹脂全体として、上記の物性を満たすことが好ましい。
結着樹脂の具体例としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂等が挙げられる。これらの中でも、トナーとしての粉体流動性、定着性等のバランスが比較的容易に得られ易いポリエステル系樹脂が好適である。またポリエステル系樹脂とスチレン−アクリル共重合体両者の利点を活かして両者をグラフト化した樹脂を用いてもよい。ポリエステル樹脂を使用する事で、シャープメルト性を生かした低温定着化が可能で、透明性、二次色再現性も優れるため、カラートナーにも適している。
次に、ポリエステル系樹脂について、詳細に説明する。本発明でのポリエステル系樹脂は、通常の重縮合反応により合成される。すなわち、溶剤の存在下、もしくは非存在下において、原料の多塩基酸と多価アルコールを触媒の存在下に脱水縮合する。多塩基酸の一部は、該メチルエステル化物を使用して、脱メタノール重縮合してもよい。
使用する多塩基酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族カルボン酸類、無水マレイン酸、フマル酸、琥珀酸、アルケニル無水琥珀酸、アジピン酸などの脂肪族カルボン酸類が挙げられる。
また、使用する多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリンなどの脂肪族多価アルコール類、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールAなどの脂環式多価アルコール類、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などの芳香族系ジオール類が挙げられる。
重縮合反応は、酸価と、軟化点が所望の値となったところで終了し、目的とするポリエステル系樹脂を得ることができる。
次に、ウレタン系樹脂について、詳細に説明する。本発明でのウレタン系樹脂は、例えば、ジメチロールプロピオン酸、N−メチルジエタノールアミン等の酸性基、または、塩基性基含有のジオールを、ポリエチレングリコール等のポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール等の各種のポリオール成分の一部として、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等のポリイソシアネートと付加重合させる等、公知の手法で得ることができる。
次に、エポキシ系樹脂について、詳細に説明する。本発明でのエポキシ系樹脂は、例えば、ベースとなるエポキシ樹脂にアジピン酸、無水トリメリット酸等の多価カルボン酸の付加、または、付加重合によって、或いはジブチルアミン、エチレンジアミン等の付加、または、付加重合によって、得ることができる。
次に、アクリル系樹脂について、詳細に説明する。本発明でのアクリル系樹脂は、例えば、アクリル系重合性単量体類や、この重合性単量体と共重合できる重合性単量体とを混合し、ラジカル開始剤存在下で、ラジカル重合させて得られるものが使用でき、それを得るための重合反応は、溶液重合でも、懸濁、乳化重合でも適宜利用できる。
以上、結着樹脂について説明したが、使用する結着樹脂は、単一の樹脂でも、分子量や単量体組成の異なる複数のものを混合したものでも使用することができる。
次に、本発明で用いるトナー粒子には、公知の着色剤を用いることができるが、これまでに、トナー用材料として用いられているような染料や顔料であれば、限定はなく、例えば、以下に示されるような有機、もしくは、無機の染料や顔料が使用可能である。
黒色の着色剤としては、例えば、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリン・ブラック、活性炭、非磁性フェライト、磁性フェライト、マグネタイト等が挙げられる。
青色の着色剤としては、例えば、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBC、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60等の化合物が挙げられる。
紫色の着色剤としては、例えば、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等の化合物が挙げられる。
緑色の着色剤としては、例えば、クロムグリーン、酸化クロム、ピクメントグリーンB、マイカライトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG、C.I.ピグメントグリーン7等の化合物が挙げられる。
赤色の着色剤としては、例えば、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドC、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等の化合物が挙げられる。
黄色の着色剤としては、例えば、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138等の化合物が挙げられる。
橙色の着色剤としては、例えば、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジGK、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43等の化合物が挙げられる。
白色の着色剤としては、例えば、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等の化合物が挙げられる。
本発明の着色剤濃度は特に限定されるものではないが、トナー中の着色剤を10重量%以上30重量%以下含有していることが好ましい。従来、このような高着色剤濃度では分散性が悪く、また、フィラー効果のため、低温定着性にも悪影響を及ぼしていたが、本発明によれば、高着色剤濃度のトナーを製造するのに好適で、高着色剤濃度でも分散性が高く、低温定着性にも良好なトナーを得ることができる。その結果、一定の画像濃度を得るために必要なトナー消費量を大幅に低減させることができる。10重量%より小さい場合、トナー消費量の低減という点において効果がなく、さらに、トナーとしての透明性は良好なものの、隠ぺい性が十分でなく、均一な高濃度画像が得られない。30重量%を超えると、フィラー効果による低温定着性への悪影響、樹脂成分の減少による定着強度の劣化などを及ぼすばかりでなく、明度、彩度の不足により、十分な色再現性域が確保することができない。前記ように本発明では、高い分散性が得られるため、高着色剤濃度であっても、高い透明性が得られ、低トナー消費量である。
また、本発明においては、分散剤として水溶性高分子を使用することにより、結着樹脂中に混合する着色剤などの種類や含有率などにより造粒時の分散条件が著しく変わることがなく、造粒が可能である。
トナー中での着色剤の分散平均粒子径は、0.3μm以下が好ましく、この分散平均粒子径が0.3μmを超えると、透明性、発色性が低下する。
本発明において使用し得る他の構成成分(添加剤成分)としては、帯電制御剤類や離形剤類等の各種の助剤類が挙げられ、その使用目的及び使用条件に応じて、適宜、選択して使用することができる。
第1工程において、本発明の少なくとも結着樹脂、着色剤とを必須成分とし、有機溶剤を含有しない樹脂溶融混合物を得るには、上記に挙げた結着樹脂と上記に挙げた着色剤とを少なくとも含む混合物を混合機で乾式混合した後、熱溶融混練して、成分を均一、かつ、微分散させる。
その混合機としては、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)、スーパーミキサー(川田社製)、メカノミル(岡田精工社製)などのヘンシェルタイプの混合装置、オングミル(ホソカワミクロン社製)、ハイブリダイゼーションシステム(奈良機械製作所製)、コスモシステム(川崎重工業社製)等の装置を挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。
更に、混練機としては、二軸押し出し機、三本ロール、ラボブラストミル等の一般的な混練機を用いることができ、TEM−100B(東芝機械製),PCM−65/87(池貝製)等の1軸、もしくは、2軸のエクストルーダー、あるいは、ニーディックス(三井鉱山社製)などのオープンロール方式のものを挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。これらの装置を用いて、結着樹脂の軟化点以上、熱分解温度以下の温度に加熱溶融し、混練する。
その中でも、特に、着色剤やその他の添加剤を効率よく分散させるために、溶融時の樹脂粘度が下がりすぎないよう低温度での高シェア混練が望ましく、特にオープンロール方式のものなどが望ましい。
またこの樹脂溶融混合物を作る際、帯電制御剤や離型剤などを混合することができる。
次に、本発明の第2工程について説明する。第2工程は、第1工程で得られた樹脂溶融混合物を加熱して溶融した溶融混合物と、水溶性高分子を含有する水性媒体を加熱、必要に応じて、さらに加圧下で加熱した水分散液中に分散して、着色樹脂微粒子の水分散液を得る工程である。
本発明で用いる水溶性高分子は、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、BASF社より入手できるプルロニック(Pluronic)E87のようなブロックコポリマー、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、ポリアクリル酸およびその塩、日本合成化学工業(株)社のゴーセノールのようなポリビニルアルコール、ゼラチン、スターチ、ガム、アルギン酸塩、ゼイン、カゼイン等の非イオン性、および、イオン性の水溶性高分子などが挙げられる。使用量は、結着樹脂100重量部に対して、1〜50重量部であることが好ましい。水溶性高分子の使用量が前記範囲以下であると、充分な分散を行なうことが難しく、前記範囲以上であれば、その後、多大な洗浄が必要となるばかりでなく、トナー粒子表面に残留して、トナー物性、詳しくは、環境帯電安定性に悪影響を与え、電子写真プロセスにおいては、非帯電トナーや逆帯電トナーが生じ、画像にかぶりを生じたり、あるいは、画像濃度が低くなるなどの問題が生じる。
前記のように、トナー粒子表面に残留する水溶性高分子は環境帯電安定性に悪影響を与えるため、これを免れるためには、トナー粒子表面から水溶性高分子を除去する必要がある。その方法としては、続く第4工程において、洗浄を充分に行なう方法が一般的であるが、水溶性高分子としてポリビニルアルコールを使用した場合、ポリビニルアルコールをアルカリケン化することによって、除去の効率を高めることが可能であり、本発明においては、水溶性高分子として、ポリビニルアルコールを使用することが好ましい。
水性媒体として使用する水は、原料熱可塑性樹脂100重量部に対して40〜3000重量部の範囲、好ましくは、100〜2000重量部の範囲である。水の使用量が前記範囲以下であると、充分な分散を行なうことが難しく、所望の着色樹脂微粒子を安定に得ることが難しく、前記範囲以上であれば、分散装置容積に対する着色微粒子の収率が悪くなり、工業的に不利である。
水性高分子を含有する水分散液には、分散助剤として、公知の界面活性剤等を添加しても良い。その添加量は、結着樹脂100重量部に対して、0.001〜0.1重量部であることが好ましい。分散助剤の添加量が前記範囲以下であると、添加することによる効果がほとんど得られない場合があり、前記範囲以上であれば、得られるトナー粒子の表面状態を悪化させる場合がある。分散助剤としては、例えば、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム等が挙げられる。
第2工程において、少なくとも、結着樹脂、着色剤とを必須成分とする樹脂溶融混合物を、水溶性高分子を含有する水性媒体中に分散する装置としては、特に限定されるものではない。その装置としては、例えば、乳化機、分散機として、一般に市販されているものを使用することもできる。例を挙げると、ウルトラタラックス(IKA社製)、ポリトロンホモジナイザー(キネマティカ社製)、TKオートホモミクサー(特殊機化工業(株)製)、等のバッチ式乳化機、エバラマイルダー(荏原製作所(株)製)、TKパイプラインホモミクサー、TKホモミックラインフロー、フィルミックス(特殊機化工業(株)製)、コロイドミル(神鋼パンテック社製)、スラッシャー、トリゴナル湿式微粉砕機(三井三池化工機(株)製)、キャビトロン(ユーロテック社製)、ファインフローミル(太平洋機工(株)製)等の連続式乳化機、クレアミックス(エムテクニック社製) 、フィルミックス(特殊機化工業(株)製)等のバッチ、または、連続両用乳化機等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。100℃以上で使用する場合は加圧下で使用するので、上記乳化機、分散機には、メカニカルシールを備えていること、撹拌する容器は密閉可能なものが望ましい。
本発明に用いる分散機は、結着樹脂、着色剤とを必須成分とする樹脂溶融混合物と水性高分子を含有する水性媒体とを、バッチ式、あるいは、連続式で添加して、結着樹脂の軟化点以上、分解温度以下の温度で均一混合して分散し、バッチ式、または、連続式で取り出すことのできる装置であることが必要である。また分散機は、回転手段を回転することで樹脂溶融混合物を水性媒体中に分散することができる。この分散機の温度は、樹脂溶融混合物を溶融させるため、結着樹脂の軟化点以上の温度に維持する必要があり、乳化分散機の撹拌容器には、加熱保温装置が設置され、分散機容器の温度を所望の一定温度に制御されることが好ましい。容器内の圧力は、所望の温度と水性媒体の蒸気圧との兼ね合いで一定圧力に制御される必要があり、高圧になりすぎないように、圧力制御弁で制御することも必要になる。
分散時の温度、圧力条件は使用する結着樹脂の分子量、軟化点、樹脂溶融混合物、所望のトナー粒子の粒子径などによって異なる。樹脂溶融混合物を製造して、その状態で水分散液と混ぜ合わせる、あるいは、あらかじめ製造しておいた樹脂溶融混合物を、そのまま、又は、加熱溶融した後、水性媒体と混ぜ合わせて、着色樹脂微粒子を製造しても良い。
分散時の装置条件の中でも、装置の回転数は、所望の粒子径を得るためには重要であるが、使用する乳化分散機の種類や結着樹脂の分子量、軟化点、樹脂溶融混合物などによって異なる。
次に、本発明の第3工程について説明する。第3工程は、第2工程で得られた着色樹脂微粒子の水分散液を、結着樹脂のガラス転移温度以下の温度まで冷却する工程である。第3工程でバッチ式乳化分散機を使用した場合には、ガラス転移温度以下の温度になるまで、緩やかに撹拌をしつつ、冷却することが好ましい。第3工程で連続式乳化分散機を使用した場合でも、同様である。撹拌の度合いは、粒子が沈降するか、粒子同士が衝突して凝集物が発生しない程度であればよい。あるいは、生成した粒子同士が凝集しないうちに急速冷却する装置を用いてもよい。急速冷却する装置としては、市販の熱交換器を用いることができ、冷却水と熱交換させながら冷却する。冷却速度は特に限定されないが、凝集物が発生しないようにするためには、10℃/秒以上であることが好ましい。結着樹脂のガラス転移温度以下まで急速に冷却した後は、圧力制御弁により圧力を大気圧にまで戻すことにより、着色樹脂微粒子の水分散液の冷却物を得ることができる。
次に、本発明の第4工程について説明する。第4工程は、第3工程で得られた着色樹脂微粒子の水分散液の冷却物を洗浄する工程である。着色樹脂微粒子の水分散液中の水溶性高分子を除去するためには、濾過、遠心分離などの方法により着色樹脂微粒子を水性媒体から分離した後、等容量の洗浄水を加えて、再分散する操作を3〜5回繰り返すことにより行なわれ、着色樹脂微粒子の洗浄上澄み液の導電率を測定するなどして、充分に洗浄を行なう。洗浄終点の目安としては、導電率が、50μS/cm以下になるまで行えば、高温高湿下などでのトナー帯電量の低下が少なく、好ましいが、これに限定されるものではない。洗浄液の温度は特に限定はされるものではないが、10℃〜80℃で、結着樹脂のガラス転移温度以下の温度で洗浄するのが好ましい。
本発明で用いる洗浄水は、例えば、活性炭法、イオン交換法、蒸留法、逆浸透法等の方法で精製された水が好ましく、洗浄水の導電率は、20μS/cm以下のものを用いると、洗浄効率が高くなり、好ましいが、これらに限定されるものではない。洗浄を行う装置はバッチ式であっても、連続式であっても構わない。
本発明において、水溶性高分子として、ポリビニルアルコールを使用する場合、前記の洗浄操作を行なう前にアルカリ、又は、酸を用いて、ポリビニルアルコールをケン化し、洗浄の効率を高めることができる。アルカリケン化する場合は、用いたポリビニルアルコールの当量から約1000倍当量、好ましくは、5〜50倍当量のアルカリ金属水酸化物、例えば、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムを加え、40〜70℃の温度で加熱する。また、酸によってケン化する場合には、例えば、硫酸等の無機酸を加えて、加熱する。この後、アルカリにて中和し、得られた重合体粒子を水にて洗浄する。
本発明において、洗浄が不充分であると、分散剤、および、用いたアルカリ、酸のイオン種などの不純物類によって、トナー粒子が空気中の水分の影響を受けやすくなり、トナーの帯電性安定性に欠陥が生じるため、洗浄水の導電率を測定して、トナーの帯電性に影響を及ぼさないように洗浄を行なう。
次に、本発明の第5工程について説明する。第5工程は、第4工程で得られた着色樹脂微粒子の水分散液の洗浄物を乾燥する工程である。乾燥方法は、既知の方法のいずれでもよく、例えば、凍結乾燥法、気流式乾燥法などが挙げられる。
乾燥装置についても、特に限定されるものではなく、通気乾燥装置、噴霧乾燥装置、回転乾燥装置、気流乾燥装置、流動層乾燥装置、伝熱加熱型乾燥装置、凍結乾燥装置など、公知の装置を使用することができる。
着色樹脂粒子を乾燥後、必要に応じて、分級することによりトナー粒子を得る。得られたトナー粒子には、シリカ、酸化チタン等の外添剤を加えたり、種々の表面改質を行うことも可能である。上述の処理は必ずしも全て行わなければならないものではなく、必要に応じて取捨選択することができる。
本発明の製造方法によるトナーは、一成分及び二成分系現像剤として、いずれの現像剤にも使用できる。例えば、一成分系現像剤として、非磁性トナーを用いる場合には、ブレード、及び、ファーブラシを用い、現像スリーブで摩擦帯電させて、スリーブ上にトナーを付着させることで搬送する方法がある。一方、二成分系現像剤として用いる場合には、本発明のトナーとキャリアを用いた現像剤として使用する。本発明に使用されるキャリアとしては特に限定されるものではないが、例えば、鉄、銅、亜鉛、ニッケル、コバルト、マンガン、クロム元素からなる単独、及び、複合フェライトや、キャリアコア粒子を樹脂でコートしたものが用いられる。キャリア表面への被覆物質としては、トナー材料により異なるが、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフッ化ビニリデン、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ジターシャーリーブチルサリチル酸の金属化合物、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアシド、ポリビニルブチラール、ニグロシン、アミノアクリレート樹脂、塩基性染料、及び、そのレーキ物、シリカ微粉末、アルミナ微粉末などを単独、又は複数で用いるのが適当であるが、これらに限定されるものではない。これらキャリアの平均粒径は10〜100μm、好ましくは、20〜50μmであることが好ましい。
以下、実施例により、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらにより、何ら限定されるものではない。実施例、又は比較例におけるトナー評価は、以下のように行った。
トナーの粒子径、及び、粒子径分布は、コールターマルチサイザーII(コールター社製)を用いて、アパーチャ径は100μmで測定を行なった。
トナーの平均円形度は、フロー式粒子像分析装置FPIA−2000(東亜医用電子社製)を用いて測定を行った。平均円形度は、該測定装置において検出される粒子像において、(粒子像と同じ投影面積をもつ円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)で定義される、1以下の数値であり、真球に近い程、1に近い値をとる。
トナー中の着色剤の分散平均粒子径は、トナー断面の透過型電子顕微鏡観察から、倍率10000倍に拡大した着色剤微粒子像を50個無作為にサンプリングし、50個の平均により算出した。トナー中での着色剤の分散平均粒子径は、0.3μm以下が好ましく、この分散平均粒子径が0.3μmを超えると、透明性、発色性が低下する。
下述の実施例及び比較例それぞれにつき、得られたトナーと、平均1次粒径20nmのシランカップリング剤で疎水化処理をしたシリカ粒子0.7重量部をトナー100重量部に混合し、トナー粒子を得た。
この現像剤を使用し、「AR−C150」(シャープ株式会社製)を用いて、該マシーンにおける現像装置を、非磁性一成分現像用に改造して用いた。「フルカラー専用紙」(シャープ社製、品番:PP106A4C)上にトナー付着量が0.6mg/cmになるように調整して印字させ、外部定着機を用いて、画像サンプルを作成した。それぞれの画像サンプルの評価の結果を図1に示す。
画像サンプルの顔料分散性の指標として、OHPシート上にトナー付着量1.7mg/cmになるように画像を作製し、HAZEメーターを用いて、HAZE値を測定し、顔料分散性の指標とした。HAZE値は小さい程、透過性がよいことを示しており、20以下が良好、15以下は極めて透明性が高く、顔料分散性も良好であると判断した。25以上になれば、カラートナーとしての実用性に欠ける。
画像サンプルの光学濃度は、X−Rite938分光測色濃度計(日本平版印刷機材社製)により測定し、光学濃度が1.4以上あれば、良好と判断した。
転写率は所定チャートにて複写したサンプルの紙面上のトナー重量Mpと感光体上に残存したトナー重量Mdから計算し、95%以上の場合、合格と判断した。なお、転写率は、次式により求めた。
転写率=(100 ×Mp)/(Md+Mp)
実施例1を説明する。
(樹脂溶融混合物の調製)
結着樹脂として、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物と、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物と、テレフタル酸誘導体とからなるポリエステル樹脂A(Tg55℃、軟化点100℃、酸価12mg当量/100g)を使用した。
ポリエステル樹脂A 100重量部
着色剤(カーボンブラック) 15重量部
ワックス(ポリプロピレン) 2重量部
帯電制御剤(サリチル酸の亜鉛化合物) 1重量部
上記の配合成分をヘンシェルミキサーにて、10分間混合分散した原材料を、三井鉱山(株)製ニーディクスMOS140−800を用いて溶融混練分散した樹脂溶融混合物を得た。
(着色樹脂微粒子の調製)
ポリビニルアルコール 2重量部
水 250重量部
上記の配合で、あらかじめ溶解しておいたポリビニルアルコール水溶液と樹脂溶融混合物50重量部を加熱手段、圧力調整弁、および、ロータステータ式撹拌機を備えた装置に投入し、撹拌機の回転数を200rpmで、圧力調整をしながら、内容物の温度が150℃になるように加熱し、回転数8000rpmで10分間撹拌を行った後、再び、回転数を200rpmに落として、20℃になるまで冷却し、上澄み液の導電率が10μS/cmになるまで、洗浄して、固形分を遠心分離機で回収、乾燥して、着色樹脂微粒子Aを得た。
洗浄に用いた水は、小型超純水装置ミニピュアTW−300RU(野村マイクロ・サイエンス社製)を用いて、水道水から調製した0.5μS/cmの水を利用した。水の導電率は、ラコムテスターEC−PHCON10(井内盛栄堂製)を用いて測定した。
洗浄は、コクサン製冷却多本架遠心分離機H−701FRを使用して、上澄み水と固形分に分けた後、固形分を水に再分散する操作を繰り返して行なった。
着色樹脂微粒子A100重量部に平均1次粒径20nmのシランカップリング剤で疎水化処理をしたシリカ粒子0.7重量部を混合し、トナー粒子Aを得た。このトナー粒子Aを用いて、画像サンプルを作成し、各評価を行なった結果を図1に示す。
実施例2を説明する。
実施例1の(着色樹脂微粒子の調整)において、ポリビニルアルコール水溶液に分散助剤として、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.05重量部を添加する以外は、実施例1と同様の操作を行ない、トナー粒子Bを得た。このトナー粒子Bを用いて、画像サンプルを作成し、各評価を行なった結果を図1に示す。
実施例3を説明する。
実施例1の(着色樹脂微粒子の調整)において、着色剤(カーボンブラック)の替わりに着色剤(C.I.ピグメントレッド122)を使用する以外は、実施例1と同様の操作を行ない、トナー粒子Cを得た。このトナー粒子Cを用いて、画像サンプルを作成し、各評価を行なった結果を図1に示す。
実施例4を説明する。
実施例3の(着色樹脂微粒子の調整)において、着色剤を15重量部添加する替わりに20重量部添加する以外は、実施例1と同様の操作を行ない、トナー粒子Dを得た。このトナー粒子Dを用いて、画像サンプルを作成し、各評価を行なった結果を図1に示す。
比較例1を説明する。
(溶解懸濁法によるトナー粒子の調製)
ポリエステル樹脂A 100重量部
着色剤(カーボンブラック) 15重量部
ワックス(ポリプロピレン) 2重量部
帯電制御剤(サリチル酸の亜鉛化合物) 1重量部
上記の配合成分をメチルエチルケトン185重量部に溶解分散して、フィルミックス56型(特殊機化工業製)に投入し、40m/sで5分間分散させた後、メチルエチルケトンを加えて、固形分を35%に調整した樹脂溶液混合物を得た。また、
ポリビニルアルコール 2重量部
水 250重量部
上記の配合で、あらかじめ溶解しておいたポリビニルアルコール水溶液と樹脂溶液混合物50重量部を加熱手段、ロータステータ式撹拌機を備えた装置に投入し、20℃、撹拌機の回転数を5000rpmで20分間撹拌を行った後、メチルエチルケトンを除去し、上澄み液の導電率が10μS/cmになるまで、洗浄して、固形分を遠心分離機で回収、乾燥して、着色樹脂微粒子Eを得た。着色樹脂微粒子E100重量部に平均1次粒径20nmのシランカップリング剤で疎水化処理をしたシリカ粒子0.7重量部を混合し、トナー粒子Eを得た。このトナー粒子Eを用いて、画像サンプルを作成し、各評価を行なった結果を図1に示す。
比較例2を説明する。
(無機系分散剤を使用した無溶剤乳化法によるトナー粒子の調製)
実施例1の(溶融樹脂混練物の調整)において、ポリビニルアルコール2重量部の替わりに、リン酸三カルシウム10重量部を使用する以外は、実施例1と同様の操作を行ない、トナー粒子Fを得た。このトナー粒子Fを用いて、画像サンプルを作成し、各評価を行なった結果を図1に示す。
比較例3を説明する。
(粉砕法によるトナー粒子の調製)
実施例1で調整した樹脂溶融混練物を粗粉砕し、ジェット式粉砕機で微粉砕した後、コールターマルチサイザーII(コールター社製)で粒子径、及び、粒度分布を確認しながら、風力分級を行ない、トナー粒子Gを得た。このトナー粒子Gを用いて、画像サンプルを作成し、各評価を行なった結果を図1に示す。
比較例4を説明する。
比較例1の(着色樹脂微粒子の調整)において、着色剤を15重量部添加する替わりに20重量部添加する以外は、実施例1と同様の操作を行なったが、乳化機の撹拌時に分散不良を起こし、粒子を得ることはできなかった。トナー粒子Hを得た。このトナー粒子Hを用いて、画像サンプルを作成し、各評価を行なった結果を図1に示す。
図1に示すように、実施例1〜4は、画像濃度、分散性、転写率のすべてで特性が良好であり、総合評価が○であった。比較例1〜4は、画像濃度、分散性、転写率のいずれかで特性が悪く、総合評価が×であった。
実施例及び比較例の評価結果を説明する図表。

Claims (7)

  1. 少なくとも結着樹脂と、着色剤とを必須成分とする混合物を溶融混練する工程と、分散剤として水溶性高分子を含有する水性媒体を調製し、加熱した水性媒体中に有機溶媒を含有しない樹脂溶融混合物を分散させて樹脂微粒子の水分散液を調製する工程と、樹脂微粒子の水分散液を前記結着樹脂のガラス転移温度以下の温度まで冷却する工程と、樹脂微粒子の水分散液の冷却物を洗浄する工程と、樹脂微粒子の水分散液の洗浄物を乾燥する工程とを含み、前記水溶性高分子を含有する水分散液中に分散助剤として界面活性剤を添加し、有機溶剤を使用しない静電荷像現像用トナーの製造方法。
  2. 上記水性媒体を加熱する際、加圧する請求項1に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  3. 上記水溶性高分子が、ポリビニルアルコールである請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  4. 上記分散助剤がドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムである請求項1〜3のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  5. 上記結着樹脂の酸価が、100g当たり30mg当量以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  6. 上記結着樹脂が、ポリエステル系から選ばれる少なくとも1種の樹脂である請求項1〜5のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  7. 上記樹脂溶融混練物中の着色剤の顔料濃度が、10〜30重量%である請求項1〜6のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
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