JP2005181849A - トナー粒子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 水分散液中に造粒した樹脂溶融混合物が粒子として安定に分散して粒子同士の融着および合一が生じないトナー粒子の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 溶融混練物調製工程S1で少なくとも樹脂と着色剤とを溶融混練して溶融混練物を調製するとともに、リン酸カルシウム塩水分散液調製工程S2でリン酸カルシウム塩を水に分散させてリン酸カルシウム塩含有水分散液を調製する。トナー粒子調製工程S3でリン酸カルシウム塩含有水分散液に、溶融混合物を分散させてトナー粒子を調製する。洗浄工程S4でリン酸カルシウム塩を溶解させトナー粒子を洗浄する。そうすることによって、トナー粒子調製工程S3において、トナー粒子を造粒する時にリン酸カルシウム塩が存在するため、表面にリン酸カルシウム塩が付着したトナー粒子が調製される。
【選択図】 図1
Description
本発明は、電子写真プロセスを利用した画像形成装置に使用される現像剤の成分であるトナー粒子の製造方法に関する。
電子写真プロセスを利用した画像形成装置に使用される現像剤には、磁性または非磁性のトナー粒子からなる一成分系現像剤およびトナー粒子とキャリア粒子とからなる二成分系現像剤がある。現像剤の成分であるトナー粒子の製造方法としては、乾式法および湿式法がある。
乾式法には、粉砕法などが挙げられる。粉砕法とは、樹脂と着色剤とを含む混練物を粉砕および分級することによって、トナー粒子を得る方法である。色調再現性の優れたトナー粒子を得るためには、定着時に容易に溶解する樹脂、たとえば低分子量のポリエステル樹脂などを用いる必要がある。そのような樹脂を用いると、溶融混練したときに、着色剤などの分散が不充分になり、定着した画像の色調が劣ってしまう。つまり、トナー粒子の組成が不均質になり、画像品質が低下してしまう。また、溶融混練物が過粉砕されやすく、歩留まりが悪くなり、微粉砕粒子が印刷時に飛散して画像品質が低下したり、環境を汚染したりする。
また、湿式法には、懸濁重合法、乳化重合凝集法および転相乳化法などが挙げられる。懸濁重合法とは、樹脂の原料に着色剤を含有させて懸濁重合することによって、トナー粒子を得る方法である。乳化重合凝集法とは、乳化重合することにより、樹脂の微粒子を調製し、着色剤が分散されている分散液中で微粒子を凝集させることによって、トナー粒子を得る方法がある。転相乳化法とは、自己水分散性の樹脂と着色剤などとを有機溶媒中に溶解または分散させて、樹脂の解離基を中和する中和剤を加えて攪拌しながら水を加えていき、着色剤などが内包された樹脂溶液滴を転相乳化させることによって、トナー粒子を得る方法である。これらの方法は、トナー粒子同士の接触を阻害する成分が存在しないので、トナー粒子間の凝集が生じやすく、所望の粒径を有するトナー粒子を得ることが困難である。樹脂を重合する際の残存モノマー、懸濁安定剤および乳化剤などがトナー粒子に存在することになり、流動性および帯電性が悪化し、それらを除去すると、トナー粒子の製造コストが上昇する。また、モノマー、懸濁安定剤および乳化剤などを使用することは、環境にも良くない。
そこで、他の湿式法として、樹脂が溶解可能な溶媒中に溶解または分散させた液を、無機分散剤を含有する水媒体中で造粒して溶媒を除去、乾燥することによってトナー粒子を得る方法があり、典型的な従来の技術は、特許文献1に記載されている。特許文献1の静電荷像現像用トナー(トナー粒子)の製造方法は、ポリエステル樹脂および着色剤を含む材料を、ポリエステル樹脂が溶解可能な溶媒中に溶解または分散させ、その液を無機分散剤を含有する水媒体中で造粒した後、溶媒を除去してトナーを製造する。
他の従来の技術として、特許文献1の技術に類似の技術が特許文献2および3に記載されている。特許文献2の静電荷像現像用負荷電性トナーの製造方法および特許文献3の静電荷像現像用正荷電性トナーの製造方法は、平均粒子径が0.7〜5μmの無機分散剤を用いること以外、特許文献1の静電荷像現像用トナーの製造方法と同様に製造する。なお、特許文献2の静電荷像現像用負荷電性トナーの製造方法は、負荷電性トナーについて、特許文献3の静電荷像現像用正荷電性トナーの製造方法は、正荷電性トナーについてである。
他の従来の技術として、特許文献1〜3の技術に類似の技術が特許文献4に記載されている。特許文献4の静電荷像現像用トナーの製造方法は、結着樹脂としてスチレン、スチレン誘導体、(メタ)アクリル酸アルキルエステルおよびそれらの混合物を主成分として含む重合性ビニル系単量体を重合して得られるビニル系重合体を用いる以外、特許文献1の静電荷像現像用トナーの製造方法と同様に製造する。
他の従来の技術として、特許文献1〜4の技術に類似の技術が特許文献5に記載されている。特許文献5の静電荷像現像用トナーの製造方法は、トナー粒子調製後、さらに、水で、洗浄前の水と洗浄後の水の電気伝導度の差が200μS/cm以下になるまで洗浄すること以外、特許文献1の静電荷像現像用トナーの製造方法と同様に製造する。
他の従来の技術として、特許文献1〜5の技術に類似の技術が特許文献6に記載されている。特許文献6の静電荷像現像用トナーの製造方法は、水媒体中にさらに界面活性剤を添加すること以外、特許文献1の静電荷像現像用トナーの製造方法と同様に製造する。
他の従来の技術として、特許文献1〜6の技術に類似の技術が特許文献7に記載されている。特許文献7のトナーの製造方法は、界面活性剤および平均粒子径が0.1〜2μmの無機分散剤を含有する水分散液を用いること以外、特許文献1の静電荷像現像用トナーの製造方法と同様に製造する。
さらに、同様の技術によりトナー粒子を得る方法があり、特許文献8に記載されている。特許文献8の静電潜像現像用トナーは、少なくとも、結着樹脂、着色剤および荷電制御剤を非水溶性有機溶媒に溶解ないし分散させて着色樹脂溶液とし、この着色樹脂溶液を水性分散液中で乳化分散させた後、非水溶性有機溶媒を除去することによって製造される。
他の従来の技術として、特許文献8の技術に類似の技術が特許文献9に記載されている。特許文献9の静電潜像現像用トナーの製造方法は、水性分散液にリン酸カルシウム塩を含み、トナー調製後、そのリン酸カルシウム塩を除去すること以外、特許文献8の静電荷像現像用トナーの製造方法と同様に製造する。
他の従来の技術として、特許文献8および9の技術に類似の技術が特許文献10に記載されている。特許文献10の静電潜像現像用トナーの製造方法は、結着樹脂以外のトナー組成物と、結着樹脂と相互に混和する樹脂とを高剪断力をかけて混合混練することによりマスターバッチを製造し、このマスターバッチおよび結着樹脂を非水溶性有機溶媒に溶解および/または分散させて着色樹脂溶液とし、この着色樹脂溶液を水性分散液中に乳化分散させた後、非水溶性有機溶媒を除去することによって製造する。
他の従来の技術として、特許文献8〜10の技術に類似の技術が特許文献11に記載されている。特許文献11の静電潜像現像用トナーの製造方法は、少なくとも結着樹脂と着色剤とを非水溶性の第1の有機溶媒に溶解および/または分散させた後、あらかじめ第2の有機溶媒に荷電制御剤を完全に溶解させておいたものを添加することにより着色樹脂溶液を得て、この着色樹脂溶液を水性分散液中に乳化分散させた後、上記各有機溶媒を除去することによって製造する。
他の従来の技術として、特許文献8〜11の技術に類似の技術が特許文献12に記載されている。特許文献12の静電潜像現像用トナーは、結着樹脂として、ガラス転移点Tgが50〜70℃、数平均分子量Mnが2500〜12000、Mnと重量平均分子量Mwとの比で表わされる分子量分布Mw/Mnが2〜6であるポリエステル系樹脂、着色剤として、C.I.Pigment Blue 15−3を用いる以外、特許文献8の静電荷像現像用トナーの製造方法と同様に製造する。
他の従来の技術として、特許文献8〜12の技術に類似の技術が特許文献13に記載されている。特許文献13の静電潜像現像用トナー粒子は、特許文献8の静電荷像現像用トナー粒子の製造方法と同様の方法で製造したトナー粒子に、湿式で製造された無機微粒子を湿式で付着させた後、無機微粒子の付着した樹脂母粒子を溶媒に分散させ、これに高剪断力をかけて樹脂母粒子表面上に無機微粒子を均一に固着させる。
さらに、他の従来の技術として、樹脂の溶融体を用いた方法があり、典型的な従来の技術としては、特許文献14に記載されている。特許文献14の静電潜像現像用トナーの製造方法は、イオン性基を有する静電荷像現像トナー粒子用合成樹脂と着色顔料との混練物を加熱熔融して成る着色樹脂熔融体と、イオン性基を中和する物質を含むとともに、加熱し、必要に応じてさらに加圧することにより合成樹脂の軟化点以上の温度に加熱した水性媒体とを混合し、混合物の温度を合成樹脂の軟化点以上の温度に維持しながら、着色樹脂熔融体を水性媒体中に機械的手段により微分散させ、その後直ちに急速冷却することにより着色樹脂微粒子(トナー粒子)の水分散液を製造し、分散液から着色樹脂微粒子を分離し、分離された着色樹脂微粒子を乾燥させて製造する。
トナー粒子の製造方法は、トナー粒子の合一を防ぎ、トナー粒子の形状の優れたトナー粒子を製造することができ、製造されたトナーが優れたトナー特性を有する必要がある。特許文献1〜13に開示されているトナー粒子の製造方法によると、無機分散剤が、トナー粒子表面を覆うことによって、トナー粒子同士の接触を防ぎ、トナー粒子の合一を防ぐことができる。しかしながら、トナー粒子の原料として着色剤を含有する樹脂溶液を用いるので、製造されたトナー粒子に溶媒を含んでしまう。そのため、トナー粒子から溶媒を完全に除去しなければ、所望のトナー特性を有するトナーを製造することができない。したがって、溶媒を除去する工程が必要となり、その工程において、圧力、温度および時間などを制御しなければ、トナー粒子が大きく窪んだ形状になるなどばらつきが生じ、所望のトナー粒子特性を得ることができない。
また、特許文献14に開示されているトナー粒子の製造方法によると、合成樹脂と着色顔料との混練物を加熱熔融して成る着色樹脂熔融体を用いてトナー粒子を製造することによって、溶媒除去によるトナー粒子の形状のばらつきを生じることなく着色樹脂微粒子(トナー粒子)を製造することができる。しかし、高温で調製したトナー粒子は、冷却させる際に、トナー粒子同士の接触を防ぐ成分がないので冷却条件を厳密に制御しなければ、トナー粒子の合一が生じてしまう。
本発明の目的は、水分散液中に造粒した樹脂溶融混合物が粒子として安定に分散して粒子同士の融着および合一が生じないトナー粒子の製造方法を提供することである。
本発明は、少なくとも樹脂と着色剤とを溶融混練して溶融混練物を調製する溶融混練物調製工程と、
リン酸カルシウム塩を水に分散させてリン酸カルシウム塩含有水分散液を調製するリン酸カルシウム塩水分散液調製工程と、
リン酸カルシウム塩含有水分散液と溶融混練物とを混合させてトナー粒子を調製するトナー粒子調製工程と、
リン酸カルシウム塩を溶解させてトナー粒子を洗浄する洗浄工程とを含むことを特徴とするトナー粒子の製造方法である。
リン酸カルシウム塩を水に分散させてリン酸カルシウム塩含有水分散液を調製するリン酸カルシウム塩水分散液調製工程と、
リン酸カルシウム塩含有水分散液と溶融混練物とを混合させてトナー粒子を調製するトナー粒子調製工程と、
リン酸カルシウム塩を溶解させてトナー粒子を洗浄する洗浄工程とを含むことを特徴とするトナー粒子の製造方法である。
また本発明は、トナー粒子調製工程は、機械的手段により分散させることを特徴とする。
また本発明は、トナー粒子調製工程は、樹脂の軟化点以上の温度で分散させることを特徴とする。
また本発明は、トナー粒子調製工程は、リン酸カルシウム塩含有水分散液と溶融混練物との混合が加熱下または加熱加圧下に行われることを特徴とする。
また本発明は、リン酸カルシウム塩含有水分散液の濃度は、1重量%以上15重量%以下であることを特徴とする。
また本発明は、洗浄工程は、リン酸カルシウム塩水分散液のpHを3以下にすることを特徴とする。
また本発明は、リン酸カルシウム塩が、ハイドロオキシアパタイトであることを特徴とする。
また本発明は、リン酸カルシウム塩水分散液に、界面活性剤を添加することを特徴とする。
また本発明は、溶融混練物に含まれる樹脂の軟化点が、150℃以下であることを特徴とする。
また本発明は、樹脂が、ポリエステル系樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂であることを特徴とする。
本発明によれば、溶融混練物調製工程で少なくとも樹脂と着色剤とを溶融混練して溶融混練物を調製するとともに、リン酸カルシウム塩水分散液調製工程でリン酸カルシウム塩を水に分散させてリン酸カルシウム塩含有水分散液を調製する。トナー粒子調製工程でリン酸カルシウム塩含有水分散液と溶融混合物とを混合させてトナー粒子を調製する。洗浄工程でリン酸カルシウム塩を溶解させトナー粒子を洗浄する。そうすることによって、トナー粒子調製工程において、トナー粒子を造粒する時にリン酸カルシウム塩が存在するため、表面にリン酸カルシウム塩が付着したトナー粒子が調製される。表面にリン酸カルシウム塩が付着しているので、トナー粒子の樹脂成分が、他のトナー粒子の樹脂成分と直接、接触することが少ない。つまり、トナー粒子同士の融着および合一が生じにくい。また、リン酸カルシウム塩は、溶解させやすく、除去しやすい。したがって、トナー特性を示すための構成以外の成分を含ませないで、トナー粒子同士の融着および合一を生じさせずにトナー粒子を製造することができる。
また本発明によれば、リン酸カルシウム塩含有水分散液に、溶融混合物を分散させる際に、機械的手段によって分散させることによって、粒径の小さいトナーを製造することができる。
また本発明によれば、リン酸カルシウム塩含有水分散液に、溶融混合物を分散させる際に、樹脂の軟化点以上の温度で分散させることによって、より分散させやすく、粒径の小さいトナーを製造することができる。
また本発明によれば、リン酸カルシウム塩含有水分散液に、溶融混合物を分散させる際に、加圧することによって、水の沸点である100℃より高温にしても水が沸騰することなく分散させることができる。したがって、軟化点が100℃以上の樹脂を用いて、トナーを製造することができる。
また本発明によれば、リン酸カルシウム塩含有水分散液に、溶融混合物を分散させる際に、リン酸カルシウム塩含有水分散液を1重量%以上15重量%以下とすることによって、形成されたトナー粒子の表面にリン酸カルシウム塩が被覆でき、トナー粒子同士の融着および合一を生じさせずにトナー粒子を製造することができる。
また本発明によれば、リン酸カルシウム塩を溶解させトナー粒子を洗浄する際に、リン酸カルシウム塩水分散液のpHを3以下にすることによって、容易にリン酸カルシウム塩を溶解させ、洗浄することができるので、トナー形状を保持したままでトナー粒子を製造することができる。
また本発明によれば、リン酸カルシウム塩としてハイドロオキシアパタイトを用いることによって、ハイドロオキシアパタイトは、水に対して安定であり、酸に溶解しやすく、結晶が比較的小さいので、トナー粒子表面に被覆しやすく、さらに、除去しやすい。
また本発明によれば、リン酸カルシウム塩含有水分散液に界面活性剤を添加することによって、リン酸カルシウム塩が水に分散しやすくなり、トナー粒子が、より分散しやすくなり、トナー粒子同士の融着および合一を生じさせずにトナー粒子を製造することができる。
また本発明によれば、溶融混練物に含まれる樹脂の軟化点が、150℃以下であることによって、色調再現性の優れたトナー粒子を製造することができる。
また本発明によれば、樹脂が、ポリエステル系樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂であることによって、流動性と定着性が優れたトナー粒子を製造することができる。
図1は、本発明であるトナーの製造方法を示す工程図である。溶融混練物調製工程S1で少なくとも樹脂と着色剤とを溶融混練して溶融混練物を調製するとともに、リン酸カルシウム塩水分散液調製工程S2でリン酸カルシウム塩を水に分散させてリン酸カルシウム塩含有水分散液を調製する。トナー粒子調製工程S3でリン酸カルシウム塩含有水分散液に、溶融混合物を分散させてトナー粒子を調製する。洗浄工程S4でリン酸カルシウム塩を溶解させトナー粒子を洗浄する。
本発明であるトナー粒子の製造方法は、トナー粒子調製工程S3において、トナー粒子の造粒する時に、リン酸カルシウム塩が存在することによって、表面にリン酸カルシウム塩が付着したトナー粒子になるので、トナー粒子の樹脂成分が、他のトナー粒子の樹脂成分と直接、接触することが少なく、融着および合一が生じにくいトナー粒子の製造方法である。
樹脂と着色剤とを含む溶融混練物を得るため、後述する樹脂および着色剤とを少なくとも含む混合物を混合機で乾式混合した後、混練機で加熱溶融混練して、成分を均一に微分散させる。また、溶融混練物を作る際、帯電制御剤や離型剤などを混合してもよい。
混合機としては、公知の混合機を用いることができ、ヘンシェルミキサ(三井鉱山社製)、スーパーミキサー(川田社製)、メカノミル(岡田精工社製)などのヘンシェルタイプの混合装置、オングミル(ホソカワミクロン社製)、ハイブリダイゼーションシステム(奈良機械製作所製)およびコスモシステム(川崎重工業社製)などの装置を挙げることができる。
混練機としては、公知の混練機を用いることができ、二軸押し出し機、三本ロールおよびラボブラストミルなどの一般的な混練機、TEM−100B(東芝機械製),PCM−65/87(池貝製)などの1軸もしくは2軸のエクストルーダー、ニーディックス(三井鉱山社製)などのオープンロール方式の混練機を挙げることができる。これらの装置を用いて合成樹脂の軟化点以上、熱分解温度以下の温度に加熱し混練する。
トナー粒子を得るため、溶融混練物をリン酸カルシウム塩含有水分散液に分散させる。
トナー粒子を得るため、溶融混練物をリン酸カルシウム塩含有水分散液に分散させる。
溶融混練物は、溶融混練物調製時の溶融状態のものをそのまま用いてもよいし、一旦、固化させた後、加熱溶融させたものを用いてもよい。
リン酸カルシウム塩含有水分散液に溶融混練物を分散させる装置としては、公知の乳化機および分散機などの装置を用いることができ、ウルトラタラックス(IKA社製)、ポリトロンホモジナイザー(キネマティカ社製)、TKオートホモミクサー(特殊機化工業(株)製)などのバッチ式乳化機、エバラマイルダー(荏原製作所(株)製)、TKパイプラインホモミクサー、TKホモミックラインフロー、フィルミックス(特殊機化工業(株)製)、コロイドミル(神鋼パンテック社製)、スラッシャー、トリゴナル湿式微粉砕機(三井三池化工機(株)製)、キャビトロン(ユーロテック社製)、ファインフローミル(太平洋機工(株)製)等の連続式乳化機、クレアミックス(エムテクニック社製)、フィルミックス(特殊機化工業(株)製)などのバッチ、または、連続両用乳化機などが挙げられる。剪断力を与える機械的手段により分散させる分散機がより好ましい。軟化点以上で分散させるのが好ましい。また、100℃以上で使用する場合は加圧状態で使用するので、乳化機および分散機などの装置には、メカニカルシールを備えていること、撹拌する容器は密閉可能なものを用いることが望ましい。
本発明に用いる分散機は、樹脂と着色剤とを含む溶融混練物とリン酸カルシウム塩含有水分散液とをバッチ式または連続式で添加して、樹脂の軟化点以上、樹脂の分解温度以下の高温高圧下で均一混合して分散し、バッチ式または連続式で取り出すことのできる装置であることが必要である。また、分散機は、回転手段で回転することによって、溶融混練物を水分散液中に分散することができる。この分散機の設定温度は、溶融混練物を溶融させるため、合成樹脂の軟化点以上の温度に維持する必要があり、このため乳化分散機の撹拌容器には加熱保温装置を設置することが好ましい。最適な設定温度は、合成樹脂の分子量および軟化点、得たいトナー粒子の粒子径などによって異なるので、その温度に設定して、分散を行うのが好ましい。
分散機容器の温度は、加熱・保温手段で一定温度に制御され、容器内の圧力は、樹脂の溶融温度と水分散液の蒸気圧との兼ね合いで一定圧力に制御される。高圧になりすぎないように圧力制御弁で制御することも必要になる。
トナー調製工程での加熱温度は用いる樹脂溶融混練物の軟化点温度以上に設定する必要がある。その際、容器内の圧力は設定した温度で水が沸騰しないような圧力を印加する必要がある。たとえば温度150℃に設定する場合は圧力約5気圧(約5atom)を印加することになる。
[リン酸カルシウム塩]
本発明の実施形態であるトナー粒子の製造方法では、分散剤としてリン酸カルシウム塩を用いることができる。リン酸カルシウム塩としては、公知のものを使用でき、リン酸水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸三カルシウムおよびハイドロオキシアパタイトなどが挙げられ、一種で用いてもよいが、二種以上の混合物として用いてもよい。
本発明の実施形態であるトナー粒子の製造方法では、分散剤としてリン酸カルシウム塩を用いることができる。リン酸カルシウム塩としては、公知のものを使用でき、リン酸水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸三カルシウムおよびハイドロオキシアパタイトなどが挙げられ、一種で用いてもよいが、二種以上の混合物として用いてもよい。
さらに、ハイドロオキシアパタイトがより好ましい。ハイドロオキシアパタイトは3Ca3(PO4)2・Ca(OH)2の構造式で表され、水に対する溶解度は、リン酸三カルシウムが、150〜300mg/Lであるのに対して、ハイドロオキシアパタイトは、5.8mg/Lであり、リン酸三カルシウムは水分の存在下でゆっくりとハイドロオキシアパタイトに変化する。つまり、ハイドロオキシアパタイトの方が水に溶解しにくく、さらに水に対して安定である。さらに、ハイドロオキシアパタイトは、酸性下では溶解し、その結晶は小さい。このような水に対する難溶性、酸に対する溶解度および結晶の大きさなどを考慮すると、ハイドロオキシアパタイトが分散剤として好ましい。さらに、本発明の実施形態であるトナー粒子の製造方法は、高温高圧条件下でトナー粒子を調製するため、より安定なハイドロオキシアパタイトを分散剤に使用するのが好ましく、酸性にすることで除去でき、塩の結晶が小さいので、トナー粒子の周りを緻密に覆い、かつ物質が化学的にも安定なので粒子同士の合一も無く、溶融樹脂の粒子への分散性が良くなる。
リン酸カルシウム塩は、水に分散してリン酸カルシウム塩含有水分散液として用い、その濃度は、1重量%以上15重量%以下が好ましい。1重量%より低いと、トナー粒子にリン酸カルシウム塩が付着せず、15重量%より高いと、水に分散しなくなる。
[樹脂]
本発明の実施形態であるトナー粒子の製造方法では、樹脂を用いる。樹脂としては、公知のものを使用でき、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ樹脂およびスチレン−アクリル系樹脂などが挙げられる。その中でも、流動性と定着性のバランスを調整しやすいポリエステル系樹脂が、さらに好ましい。ポリエステル樹脂は、耐オフセット性がよくない場合があるので、ポリエステル樹脂に耐オフセット性の優れたスチレン−アクリル系樹脂をグラフト化した樹脂を用いてもよい。そうすることで、両方の利点を活かすことができ、シャープメルト性を活かした低温定着化が可能で、透明性、二次色再現性も優れ、カラートナーにも適するものとなる。
本発明の実施形態であるトナー粒子の製造方法では、樹脂を用いる。樹脂としては、公知のものを使用でき、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ樹脂およびスチレン−アクリル系樹脂などが挙げられる。その中でも、流動性と定着性のバランスを調整しやすいポリエステル系樹脂が、さらに好ましい。ポリエステル樹脂は、耐オフセット性がよくない場合があるので、ポリエステル樹脂に耐オフセット性の優れたスチレン−アクリル系樹脂をグラフト化した樹脂を用いてもよい。そうすることで、両方の利点を活かすことができ、シャープメルト性を活かした低温定着化が可能で、透明性、二次色再現性も優れ、カラートナーにも適するものとなる。
ポリエステル系樹脂について説明する。ポリエステル系樹脂は、多塩基酸と多価アルコールとの重縮合反応によって合成される。多塩基酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族カルボン酸類、無水マレイン酸、フマル酸、琥珀酸、アルケニル無水琥珀酸、アジピン酸などの脂肪族カルボン酸類などが挙げられる。多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリンなどの脂肪族多価アルコール類、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなどの脂環式多価アルコール類、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などの芳香族系ジオール類などが挙げられる。
ポリエステル系樹脂の原料である多塩基酸と多価アルコールとの配合比と反応率によって、末端のカルボキシル基の含有量などを制御することができる。また、無水トリメリット酸の使用によっても、主鎖中にカルボキシル基を容易に導入できる。重縮合反応は、酸価と、軟化点が所定の値となったところで終了し、目的とするポリエステル樹脂を得ることができる。
ウレタン系樹脂について説明する。ウレタン系樹脂は、多価アルコールと多価イソシアネートとの重付加反応によって合成される。多価アルコールとしては、ジメチロールプロピオン酸およびN−メチルジエタノールアミンなどの酸性基または塩基性基含有のジオール、ポリエチレングリコールなどのポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオールなどが挙げられる。多価イソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどが挙げられる。また、酸性基含有のジオールなどを用いることで、酸性基含有ウレタン系樹脂が得られる。
エポキシ樹脂について説明する。公知のエポキシ樹脂に、アジピン酸、無水トリメリット酸などの多価カルボン酸を付加もしくは付加重合することにより、酸性基含有のエポキシ樹脂が得られ、ジブチルアミン、エチレンジアミンなどの多価アミンを付加もしくは付加重合することにより、塩基性基含有のエポキシ樹脂が得られる。
アクリル系樹脂について説明する。酸性基を含有したアクリル系重合性単量体類と親水基を含有した重合性単量体類以外の重合性単量体とをラジカル開始剤存在下でラジカル重合させて得られるものが使用できる。それを得るための重合反応は、溶液重合でも、懸濁、乳化重合でも利用できる。
また、使用する樹脂は、一種で用いてもよいが、分子量、異なる単量体組成から得られた樹脂、種類の異なる樹脂を複数混合した樹脂を用いてもよい。
樹脂の軟化点は、60℃以上150℃以下であることが好ましく、より好ましくは、70℃以上150℃以下である。樹脂の重量平均分子量は、5000以上500000以下が好ましい。軟化点が60℃より低くなると、トナー粒子が凝集しやすくなり、150℃より高いと、低温定着性が悪くなる。
[着色剤]
本発明の実施形態であるトナー粒子の製造方法では、顔料および染料などの着色剤を用いる。着色剤としては、公知のものを使用できる。
本発明の実施形態であるトナー粒子の製造方法では、顔料および染料などの着色剤を用いる。着色剤としては、公知のものを使用できる。
黒色の着色剤としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭、非磁性フェライト、磁性フェライトおよびマグネタイトなどが挙げられる。
黄色の着色剤としては、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94およびC.I.ピグメントイエロー138などが挙げられる。
橙色の着色剤としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジGK、C.I.ピグメントオレンジ31およびC.I.ピグメントオレンジ43などが挙げられる。
赤色の着色剤としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドC、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178およびC.I.ピグメントレッド222などが挙げられる。
紫色の着色剤としては、マンガン紫、ファストバイオレットBおよびメチルバイオレットレーキなどが挙げられる。
青色の着色剤としては、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBC、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16およびC.I.ピグメントブルー60などが挙げられる。
緑色の着色剤としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピクメントグリーンB、マイカライトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンGおよびC.I.ピグメントグリーン7などが挙げられる。
白色の着色剤としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白および硫化亜鉛などが挙げられる。
[酸]
本発明の実施形態であるトナー粒子の製造方法は、リン酸カルシウム塩を除去するため、無機酸または有機酸を用いて水分散液のpHを下げてリン酸カルシウム塩を溶解させる。無機酸としては、公知のものを使用でき、塩酸、リン酸、硫酸、硝酸などが、有機酸としては、公知のものを使用でき、酢酸、ギ酸、クエン酸、乳酸、蓚酸などが挙げられる。
本発明の実施形態であるトナー粒子の製造方法は、リン酸カルシウム塩を除去するため、無機酸または有機酸を用いて水分散液のpHを下げてリン酸カルシウム塩を溶解させる。無機酸としては、公知のものを使用でき、塩酸、リン酸、硫酸、硝酸などが、有機酸としては、公知のものを使用でき、酢酸、ギ酸、クエン酸、乳酸、蓚酸などが挙げられる。
[分散安定剤]
本発明の実施形態であるトナー粒子の製造方法は、リン酸カルシウム塩含有水分散液にさらに分散安定剤を添加してもよい。分散安定剤としては、公知のものを使用でき、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウムなどの界面活性剤、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、セルロースガム、ポリアクリル酸、ポリカルボン酸などの水溶性高分子化合物およびその金属塩またはアンモニウム塩などが挙げられる。
本発明の実施形態であるトナー粒子の製造方法は、リン酸カルシウム塩含有水分散液にさらに分散安定剤を添加してもよい。分散安定剤としては、公知のものを使用でき、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウムなどの界面活性剤、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、セルロースガム、ポリアクリル酸、ポリカルボン酸などの水溶性高分子化合物およびその金属塩またはアンモニウム塩などが挙げられる。
分散安定剤の添加量は、樹脂100重量部に対して0.001重量部以上0.1重量部以下であることが好ましい。添加量が0.001重量部よりも少ないと、添加することによる効果がほとんど得られない。0.1重量部よりも多いと、得られるトナー粒子の表面状態を悪化させる。
[外添剤]
本発明の実施形態であるトナー粒子の製造方法によって調製したトナー粒子に外添剤を添加してもよい。外添剤としては、公知のものを使用でき、シリカおよび酸化チタンなどが挙げられる。また、外添剤の添加以外の表面改質であってもよい。
本発明の実施形態であるトナー粒子の製造方法によって調製したトナー粒子に外添剤を添加してもよい。外添剤としては、公知のものを使用でき、シリカおよび酸化チタンなどが挙げられる。また、外添剤の添加以外の表面改質であってもよい。
[キャリア粒子]
本発明の実施形態であるトナー粒子の製造方法によって調製したトナー粒子をキャリア粒子とともに用いて二成分系現像剤として用いてもよい。キャリア粒子としては、公知のものを使用でき、鉄、銅、亜鉛、ニッケル、コバルト、マンガン、クロムなどの金属を主成分とする金属が挙げられ、一種のみで用いてもよいが、二種以上からなる金属を用いてもよい。さらに、表面を被覆したものであってもよい。被覆する化合物としては、公知のものを使用でき、ポリテトラフルオロエチレン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフッ化ビニリデン、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアシド、ポリビニルブチラール、アミノアクリレート樹脂などの樹脂が挙げられ、一種のみで用いてもよいが、二種以上から選ばれる樹脂を用いてもよい。また、樹脂以外でも、ジターシャリーブチルサリチル酸の金属化合物、ニグロシン、塩基性染料、塩基性染料のレーキ物、シリカ微粒子およびアルミナ微粒子などが挙げられる。
本発明の実施形態であるトナー粒子の製造方法によって調製したトナー粒子をキャリア粒子とともに用いて二成分系現像剤として用いてもよい。キャリア粒子としては、公知のものを使用でき、鉄、銅、亜鉛、ニッケル、コバルト、マンガン、クロムなどの金属を主成分とする金属が挙げられ、一種のみで用いてもよいが、二種以上からなる金属を用いてもよい。さらに、表面を被覆したものであってもよい。被覆する化合物としては、公知のものを使用でき、ポリテトラフルオロエチレン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフッ化ビニリデン、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアシド、ポリビニルブチラール、アミノアクリレート樹脂などの樹脂が挙げられ、一種のみで用いてもよいが、二種以上から選ばれる樹脂を用いてもよい。また、樹脂以外でも、ジターシャリーブチルサリチル酸の金属化合物、ニグロシン、塩基性染料、塩基性染料のレーキ物、シリカ微粒子およびアルミナ微粒子などが挙げられる。
キャリアの好ましい平均粒径は、10μm以上100μm以下であり、より好ましくは、20μm以上50μm以下である。
以下に本発明を実施例および比較例を用いて具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、本実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
(溶融混練物調製工程)
ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物およびテレフタル酸誘導体を原料モノマーとして縮重合して得られるポリエステル樹脂(ガラス転移温度Tg62℃、軟化点110℃)100重量部と、着色剤(カーボンブラック)5重量部と、ワックス(ポリプロピレン(三洋化成工業(株)製:Viscol550P))2重量部と、帯電制御剤(オリエント化学(株)製:ボントロンE−84)1重量部との比率になるように調製した混合物をヘンシェルミキサ(三井鉱山社製)によって30分間混合分散し、ニーデックス(三井鉱山社製:MOS140/800)を用いて溶融混練分散することによって溶融混練物を得た。
(溶融混練物調製工程)
ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物およびテレフタル酸誘導体を原料モノマーとして縮重合して得られるポリエステル樹脂(ガラス転移温度Tg62℃、軟化点110℃)100重量部と、着色剤(カーボンブラック)5重量部と、ワックス(ポリプロピレン(三洋化成工業(株)製:Viscol550P))2重量部と、帯電制御剤(オリエント化学(株)製:ボントロンE−84)1重量部との比率になるように調製した混合物をヘンシェルミキサ(三井鉱山社製)によって30分間混合分散し、ニーデックス(三井鉱山社製:MOS140/800)を用いて溶融混練分散することによって溶融混練物を得た。
(リン酸カルシウム塩水分散液調製工程)
一次粒子径約0.1μmのハイドロオキシアパタイトが5重量%となるように水に分散させ、フィルミックス56型(特殊機化工業製)に投入して、40m/secで60分間分散させてハイドロオキシアパタイト水分散液を得た。
一次粒子径約0.1μmのハイドロオキシアパタイトが5重量%となるように水に分散させ、フィルミックス56型(特殊機化工業製)に投入して、40m/secで60分間分散させてハイドロオキシアパタイト水分散液を得た。
分散後のハイドロオキシアパタイトの平均分散径は、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(株式会社堀場製作所製:LA−920)で測定したところ1.1μmであった(LA−920測定 体積基準で50%頻度粒子径(メジアン径)を示す)。
(トナー粒子調製工程)
得られた溶融混練物とハイドロオキシアパタイト5重量%水分散液400重量部とを金属製容器に圧力調整弁、加熱手段およびロータステータ式撹拌手段(口径30mm)が付いた装置に移して、150℃、5atomになるように加熱圧力調整して、8000rpmで10分間撹拌を行ったのち、容器の加熱を止め、20℃まで自然冷却することにより、スラリーが得られた。なお、得られたスラリーは、乾燥してSEM(Scanning
Electron Microscope)で観察したところトナー粒子を覆うようにハイドロオキシアパタイトが付着しているのが観察された。
得られた溶融混練物とハイドロオキシアパタイト5重量%水分散液400重量部とを金属製容器に圧力調整弁、加熱手段およびロータステータ式撹拌手段(口径30mm)が付いた装置に移して、150℃、5atomになるように加熱圧力調整して、8000rpmで10分間撹拌を行ったのち、容器の加熱を止め、20℃まで自然冷却することにより、スラリーが得られた。なお、得られたスラリーは、乾燥してSEM(Scanning
Electron Microscope)で観察したところトナー粒子を覆うようにハイドロオキシアパタイトが付着しているのが観察された。
(洗浄工程)
得られたスラリーに希塩酸を加え、水分散液のpHを1に調整してハイドロオキシアパタイトを完全に溶解させた後、後述の方法で洗浄することによって、トナー粒子が得られた。洗浄は、ポリ塩化ビニル製容器に、試料と純水とを固形分率が10重量%になるように入れて、タービン型の撹拌翼を用いて300rpm、30min撹拌し、遠心分離機によって上澄み水と固形分に分け、上澄み液の導電率を測定し、10μS/cmになるまで繰り返し、その後、固形分を純水に分散して凍結乾燥法で乾燥して行った。なお、洗浄に用いる純水は、超純水製造装置(ADVANTEC社製:Ultra Pure Water System CPW−102)を用いて水道水から調製した0.5μS/cmの水を利用し、水のpHと導電率はラコムテスター(井内盛栄堂製:EC−PHCON10)を用いて測定した。
得られたスラリーに希塩酸を加え、水分散液のpHを1に調整してハイドロオキシアパタイトを完全に溶解させた後、後述の方法で洗浄することによって、トナー粒子が得られた。洗浄は、ポリ塩化ビニル製容器に、試料と純水とを固形分率が10重量%になるように入れて、タービン型の撹拌翼を用いて300rpm、30min撹拌し、遠心分離機によって上澄み水と固形分に分け、上澄み液の導電率を測定し、10μS/cmになるまで繰り返し、その後、固形分を純水に分散して凍結乾燥法で乾燥して行った。なお、洗浄に用いる純水は、超純水製造装置(ADVANTEC社製:Ultra Pure Water System CPW−102)を用いて水道水から調製した0.5μS/cmの水を利用し、水のpHと導電率はラコムテスター(井内盛栄堂製:EC−PHCON10)を用いて測定した。
得られたトナー粒子は球状で粒子同士の合一が無いものであった。これを分級装置で粒径2μm以下の微粉を除去して、体積平均粒径7.0μm、平均円形度0.97の粒子を得た。
さらに、得られたトナー粒子100重量部に対して、シランカップリング剤で疎水化処理をした平均1次粒径20nmのシリカ粒子0.7重量部を添加した。
[実施例2]
水分散液としてハイドロオキシアパタイト5重量%水分散液の代わりに実施例1と同じ方法で分散させた一次粒子径0.1μm、平均分散径1.80μmのリン酸三カルシウム5重量%水分散液を使用する以外は、実施例1と同様にして、体積平均粒径8.3μm、平均円形度0.97のトナー粒子を得た。
水分散液としてハイドロオキシアパタイト5重量%水分散液の代わりに実施例1と同じ方法で分散させた一次粒子径0.1μm、平均分散径1.80μmのリン酸三カルシウム5重量%水分散液を使用する以外は、実施例1と同様にして、体積平均粒径8.3μm、平均円形度0.97のトナー粒子を得た。
[実施例3]
水分散液としてハイドロオキシアパタイト5重量%水分散液の代わりにドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2重量部含有するハイドロオキシアパタイト5重量%水分散液を使用する以外は、実施例1と同様にして、体積平均粒径8.0μm、平均円形度0.97のトナー粒子を得た。
水分散液としてハイドロオキシアパタイト5重量%水分散液の代わりにドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2重量部含有するハイドロオキシアパタイト5重量%水分散液を使用する以外は、実施例1と同様にして、体積平均粒径8.0μm、平均円形度0.97のトナー粒子を得た。
[実施例4]
ポリエステル樹脂(Tg62℃:軟化点110℃)の代わりにポリエステル樹脂(Tg64℃:軟化点145℃)を使用する以外は、実施例1と同様にして、体積平均粒径8.9μm、平均円形度0.97のトナー粒子を得た。
ポリエステル樹脂(Tg62℃:軟化点110℃)の代わりにポリエステル樹脂(Tg64℃:軟化点145℃)を使用する以外は、実施例1と同様にして、体積平均粒径8.9μm、平均円形度0.97のトナー粒子を得た。
[実施例5]
ポリエステル樹脂(Tg62℃:軟化点110℃)の代わりにポリエステル樹脂(Tg52℃:軟化点80℃)を使用する以外は、実施例1と同様にして、体積平均粒径5.4μm、平均円形度0.97のトナー粒子を得た。
ポリエステル樹脂(Tg62℃:軟化点110℃)の代わりにポリエステル樹脂(Tg52℃:軟化点80℃)を使用する以外は、実施例1と同様にして、体積平均粒径5.4μm、平均円形度0.97のトナー粒子を得た。
[比較例1]
メチルエチルケトン185重量部に、ポリエステル樹脂(ガラス転移温度Tg62℃、軟化点110℃)100重量部と、着色剤(カーボンブラック)5重量部と、ワックス(ポリプロピレン(三洋化成工業(株)製:Viscol550P))2重量部と、帯電制御剤(オリエント化学(株)製:ボントロンE−84)1重量部に調製した混合物を加え、溶解または分散させ、フィルミックス56型(特殊機化工業製)に投入し、40m/sで5分間分散させて、分散終了後、さらにメチルエチルケトンにより固形分を35%に調整し、樹脂溶液混合物を得た。
メチルエチルケトン185重量部に、ポリエステル樹脂(ガラス転移温度Tg62℃、軟化点110℃)100重量部と、着色剤(カーボンブラック)5重量部と、ワックス(ポリプロピレン(三洋化成工業(株)製:Viscol550P))2重量部と、帯電制御剤(オリエント化学(株)製:ボントロンE−84)1重量部に調製した混合物を加え、溶解または分散させ、フィルミックス56型(特殊機化工業製)に投入し、40m/sで5分間分散させて、分散終了後、さらにメチルエチルケトンにより固形分を35%に調整し、樹脂溶液混合物を得た。
得られた樹脂溶液混合物とハイドロオキシアパタイト5重量%水分散液400gとをロータステータ式撹拌手段が付いた装置に移して、20℃、常圧にて5000rpmで20分間撹拌を行ったのち、60℃に加温しながら10時間緩く撹拌してメチルエチルケトンを気化させて除去することにより、スラリーが得られた。
得られらスラリーに希塩酸を加え、水分散液のpHを1に調整してハイドロオキシアパタイトを完全に溶解させた後、上澄み液の導電率が10μS/cmになるまで純水で洗浄して、固形分を遠心分離機で回収し得られた樹脂粒子を乾燥して、トナー粒子を得た。これを分級装置で体積換算粒径2μm以下の微粉を除去して、体積平均粒径7.0μm、円形度0.97の粒子を得た。これに平均1次粒径20nmのシランカップリング剤で疎水化処理をしたシリカ粒子0.7重量部をトナー100重量部に混合しトナー粒子を得た。
これを分級装置で粒径2μm以下の微粉を除去して、体積平均粒径7.0μm、円形度0.97の粒子を得た。さらに、得られたトナー粒子100重量部に対して、シランカップリング剤で疎水化処理をした平均1次粒径20nmのシリカ粒子0.7重量部を添加した。
[比較例2]
分散液としてハイドロオキシアパタイト5重量%水分散液を使用しないこと以外は、実施例1と同様にしたが粒子化できなかった。
分散液としてハイドロオキシアパタイト5重量%水分散液を使用しないこと以外は、実施例1と同様にしたが粒子化できなかった。
[比較例3]
分散液としてハイドロオキシアパタイト5重量%水分散液の代わりに、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5重量%水分散液を使用する以外は、実施例1と同様にしたが、粒子化できなかった。
分散液としてハイドロオキシアパタイト5重量%水分散液の代わりに、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5重量%水分散液を使用する以外は、実施例1と同様にしたが、粒子化できなかった。
[比較例4]
ポリエステル樹脂(Tg62℃:軟化点110℃)の代わりにポリエステル樹脂(Tg62℃:軟化点158℃)を使用する以外は実施例1と同様にしたが粒子化できなかった。
ポリエステル樹脂(Tg62℃:軟化点110℃)の代わりにポリエステル樹脂(Tg62℃:軟化点158℃)を使用する以外は実施例1と同様にしたが粒子化できなかった。
[比較例5]
ポリエステル樹脂(Tg62℃:軟化点110℃)の代わりにスチレン・アクリル樹脂(Tg58℃:軟化点110℃)を使用する以外は実施例1と同様にしてトナー原体を得た。これを分級装置で体積換算粒径2μm以下の微粉を除去後、乾燥させて、体積平均粒径7.5μm、円形度0.97のトナー粒子を得た。
ポリエステル樹脂(Tg62℃:軟化点110℃)の代わりにスチレン・アクリル樹脂(Tg58℃:軟化点110℃)を使用する以外は実施例1と同様にしてトナー原体を得た。これを分級装置で体積換算粒径2μm以下の微粉を除去後、乾燥させて、体積平均粒径7.5μm、円形度0.97のトナー粒子を得た。
[評価方法]
実施例1〜5および比較例1〜5について、次のようにしてトナー粒子の粒径および粒径分布、平均円形度、画像濃度評価、カブリ評価、顔料分散性評価および転写率評価を行った。上記の方法により調製したトナー粒子の物性評価を下記に示す評価方法により行い、結果を表1に示す。
実施例1〜5および比較例1〜5について、次のようにしてトナー粒子の粒径および粒径分布、平均円形度、画像濃度評価、カブリ評価、顔料分散性評価および転写率評価を行った。上記の方法により調製したトナー粒子の物性評価を下記に示す評価方法により行い、結果を表1に示す。
(粒径および粒径分布)
トナー粒子の粒径および粒径分布は、コールターマルチサイザーII(コールター社製)を用いて測定した。測定粒子数は50000カウントとし、アパーチャ径は100μmとした。
トナー粒子の粒径および粒径分布は、コールターマルチサイザーII(コールター社製)を用いて測定した。測定粒子数は50000カウントとし、アパーチャ径は100μmとした。
(平均円形度)
トナー粒子の平均円形度は、フロー式粒子像分析装置(東亜医用電子社製:FPIA−2000)を用いて測定を行った。なお、平均円形度は、フロー式粒子像分析装置によって検出された粒子の投影像において、下記式によって定義され、1以下の値となる。
平均円形度=(投影像と同じ面積をもつ円の周囲長)/(投影像の周囲長)
トナー粒子の平均円形度は、フロー式粒子像分析装置(東亜医用電子社製:FPIA−2000)を用いて測定を行った。なお、平均円形度は、フロー式粒子像分析装置によって検出された粒子の投影像において、下記式によって定義され、1以下の値となる。
平均円形度=(投影像と同じ面積をもつ円の周囲長)/(投影像の周囲長)
以下の評価項目の説明に記載されている「○」、「△」、「×」などの記号は、表1で用いる評価結果を示す記号である。「○」は、非常に優れていることを示し、「△」は、実用可能であることを示し、「×」は、実用が困難であることを示す。
(画像濃度)
画像濃度は、分光測色濃度計(日本平版印刷機材社製:X−Rite938)を用いて評価画像の光学濃度を測定し、その光学濃度に基づいて下記の基準により評価した。なお、評価画像は、デジタルフルカラー複合機(シャープ社製:AR−C150)の現像装置を非磁性一成分現像用に改造した装置に現像剤であるトナー粒子を用いて、フルカラー専用紙(シャープ社製:PP106A4C)上にトナー粒子の付着量が0.6mg/cm2になるように調整して印字させ、外部定着機を用いて作成した。
○:光学濃度が1.4以上である。
×:光学濃度が1.4未満である。
画像濃度は、分光測色濃度計(日本平版印刷機材社製:X−Rite938)を用いて評価画像の光学濃度を測定し、その光学濃度に基づいて下記の基準により評価した。なお、評価画像は、デジタルフルカラー複合機(シャープ社製:AR−C150)の現像装置を非磁性一成分現像用に改造した装置に現像剤であるトナー粒子を用いて、フルカラー専用紙(シャープ社製:PP106A4C)上にトナー粒子の付着量が0.6mg/cm2になるように調整して印字させ、外部定着機を用いて作成した。
○:光学濃度が1.4以上である。
×:光学濃度が1.4未満である。
(カブリ)
カブリは、以下のようにして評価した。黒色トナーの場合、あらかじめ白度計(日本電色工業社製:Z−Σ90 COLOR MEASURING SYSTEM)を用いて、A4サイズのフルカラー専用紙(シャープ社製:PP106A4C)の白度を測定し、その値を第1測定値W1とする。次に、直径55mmの白円を含む原稿を3枚複写し、得られたの白部の白度を白度計にて測定し、この値を第2測定値W2とする。下記式からカブリ濃度W(%)を算出し、そのカブリ濃度に基づいて下記の基準により評価した。
W={100×(W1−W2)/W1}
○:カブリ濃度Wが2.0%以下である。
×:カブリ濃度Wが2.0%より高い。
カブリは、以下のようにして評価した。黒色トナーの場合、あらかじめ白度計(日本電色工業社製:Z−Σ90 COLOR MEASURING SYSTEM)を用いて、A4サイズのフルカラー専用紙(シャープ社製:PP106A4C)の白度を測定し、その値を第1測定値W1とする。次に、直径55mmの白円を含む原稿を3枚複写し、得られたの白部の白度を白度計にて測定し、この値を第2測定値W2とする。下記式からカブリ濃度W(%)を算出し、そのカブリ濃度に基づいて下記の基準により評価した。
W={100×(W1−W2)/W1}
○:カブリ濃度Wが2.0%以下である。
×:カブリ濃度Wが2.0%より高い。
(転写率)
転写率T(%)は、所定のチャートを複写した紙面上のトナー粒子重量Mpと感光体上に残存したトナー粒子重量Mdとを測定し、下記式より算出し、その算出した転写率T(%)に基づいて下記の基準により評価した。
T={Mp/(Md+Mp)×100}
○:転写率Tが85%以上である。
×:転写率Tが85%未満である。
転写率T(%)は、所定のチャートを複写した紙面上のトナー粒子重量Mpと感光体上に残存したトナー粒子重量Mdとを測定し、下記式より算出し、その算出した転写率T(%)に基づいて下記の基準により評価した。
T={Mp/(Md+Mp)×100}
○:転写率Tが85%以上である。
×:転写率Tが85%未満である。
実施例1〜5および比較例1〜3について、上記の方法にしたがって比較評価した。結果を表1に示す。
表1から明らかなように、溶融混練物の代わりに有機溶媒を用いた樹脂溶液にする(比較例1)と、画像濃度が低くなる。ハイドロオキシアパタイトを使用しない(比較例2)、ハイドロオキシアパタイトの代わりに界面活性剤を用いる(比較例3)、軟化点温度の高い樹脂(軟化点158℃)を用いる(比較例4)と、混練物が均一に分散せず、凝集体ができた。スチレン・アクリル樹脂を使用する(比較例5)と、画像濃度が低くなる。本発明により製造したトナー粒子を用いた実施例1〜5は、画像濃度、転写率が優れ、カブリの生じないトナー粒子を容易に製造することができる。
Claims (10)
- 少なくとも樹脂と着色剤とを溶融混練して溶融混練物を調製する溶融混練物調製工程と、
リン酸カルシウム塩を水に分散させてリン酸カルシウム塩含有水分散液を調製するリン酸カルシウム塩水分散液調製工程と、
リン酸カルシウム塩含有水分散液と溶融混練物とを混合させてトナー粒子を調製するトナー粒子調製工程と、
リン酸カルシウム塩を溶解させてトナー粒子を洗浄する洗浄工程とを含むことを特徴とするトナー粒子の製造方法。 - トナー粒子調製工程は、機械的手段により分散させることを特徴とする請求項1記載のトナー粒子の製造方法。
- トナー粒子調製工程は、樹脂の軟化点以上の温度で分散させることを特徴とする請求項1または2記載のトナー粒子の製造方法。
- トナー粒子調製工程は、リン酸カルシウム塩含有水分散液と溶融混練物との混合が加熱下または加熱加圧下に行われることを特徴とする請求項3記載のトナー粒子の製造方法。
- リン酸カルシウム塩含有水分散液の濃度は、1重量%以上15重量%以下であることを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか1つに記載のトナー粒子の製造方法。
- 洗浄工程は、リン酸カルシウム塩水分散液のpHを3以下にすることを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか1つに記載のトナー粒子の製造方法。
- リン酸カルシウム塩が、ハイドロオキシアパタイトであることを特徴とする請求項1〜6のうちいずれか1つに記載のトナー粒子の製造方法。
- リン酸カルシウム塩水分散液に、界面活性剤を添加することを特徴とする請求項1〜7のうちいずれか1つに記載のトナー粒子の製造方法。
- 溶融混練物に含まれる樹脂の軟化点が、150℃以下であることを特徴とする請求項1〜8のうちのいずれか1つに記載のトナー粒子の製造方法。
- 樹脂が、ポリエステル系樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂であることを特徴とする請求項1〜9のうちのいずれか1つに記載のトナー粒子の製造方法。
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-
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- 2003-12-22 JP JP2003425063A patent/JP2005181849A/ja active Pending
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