JP2013054347A - 電子写真用トナーバインダー及びトナー組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 3価以上の芳香族ポリカルボン酸(x1)を含有するカルボン酸成分(x)、ポリオール成分(y)、およびポリイソシアネート(i)を構成単位として有するウレタン変性ポリエステル樹脂(P)、並びにウレタン変性されていない線形ポリエステル樹脂(B)を含有し、(P)が次の式(1)および(2)を満たす電子写真用トナーバインダー。
〔G’150〕≦30000 ・・・式(1)
〔G’200〕≧100 ・・・式(2)
[上記式中、〔G’150〕は(P)の150℃における貯蔵弾性率(Pa)、〔G’200〕は(P)の200℃における貯蔵弾性率(Pa)を意味する。]
【選択図】 なし
Description
すなわち本発明は、下記2発明である。
(I) 3価以上の芳香族ポリカルボン酸(x1)を含有するカルボン酸成分(x)、ポリオール成分(y)、およびポリイソシアネート(i)を構成単位として有するウレタン変性ポリエステル樹脂(P)、並びにウレタン変性されていない線形ポリエステル樹脂(B)を含有し、(P)が次の式(1)および(2)を満たす電子写真用トナーバインダー。
〔G’150〕≦30000 ・・・式(1)
〔G’200〕≧100 ・・・式(2)
[上記式中、〔G’150〕は(P)の150℃における貯蔵弾性率(Pa)、〔G’200〕は(P)の200℃における貯蔵弾性率(Pa)を意味する。]
(II) 上記の電子写真用トナーバインダーと着色剤、並びに必要により、離型剤、荷電制御剤、および流動化剤から選ばれる1種類以上の添加剤を含有するトナー組成物。
本発明の電子写真用トナーバインダーは、カルボン酸成分(x)、ポリオール成分(y)、およびポリイソシアネート(i)を構成単位として有するウレタン変性ポリエステル樹脂(P)を含有する。
ウレタン変性ポリエステル樹脂(P)は、合成が容易なことから、カルボン酸成分(x)とポリオール成分(y)とを構成単位として有するポリエステル樹脂(a)とポリイソシアネート(i)の反応物であることが好ましい。
カルボン酸成分(x)中には、定着性と粉砕性および耐久性の観点から、3価以上の芳香族ポリカルボン酸(x1)を必須構成単位として含有する。
これらのうち好ましいものは、トリメリット酸、およびそのエステル形成性誘導体である。
上記エステル形成性誘導体としては、酸無水物、アルキル(炭素数1〜24:メチル、エチル、ブチル、ステアリル等、好ましくは炭素数1〜4)エステル、および部分アルキル(上記と同様)エステル等が挙げられる。以下のエステル形成性誘導体についても同様である。
低温定着性と耐ホットオフセット性を両立させる(定着温度幅の拡大)観点から、カルボン酸成分(x)が、さらに芳香族ジカルボン酸(x2)を60〜99.5モル%含有し、ポリオール成分(y)が、炭素数が2〜10の脂肪族ジオール(y1)を60モル%以上含有するのが好ましい。
これらは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
これら(x2)のうち、低温定着性と耐ホットオフセット性の両立の観点から好ましくは、以下に挙げた(1)〜(3)から選ばれる1種以上であり、さらに好ましくはこれらの2種以上の併用である。
(1)テレフタル酸および/またはそのエステル形成性誘導体
(2)イソフタル酸および/またはそのエステル形成性誘導体
(3)フタル酸および/またはそのエステル形成性誘導体
なお、本発明においては、芳香族ジカルボン酸(x2)において、芳香族ジカルボン酸とその同一ジカルボン酸のエステル形成性誘導体とは、1種として数える。
カルボン酸成分(x)中の芳香族ジカルボン酸(x2)の量は、好ましくは60〜99.5モル%であり、さらに好ましくは65〜99モル%、とくに好ましくは80〜98モル%である。
カルボン酸成分(x)のうち、(x2)以外のジカルボン酸としては、炭素数4〜36のアルカンジカルボン酸(例えばコハク、アジピン、およびセバシン酸);炭素数6〜40の脂環式ジカルボン酸〔例えばダイマー酸(2量化リノール酸)〕;炭素数4〜36のアルケンジカルボン酸(例えば、ドデセニルコハク酸等のアルケニルコハク酸、マレイン、フマル、シトラコン、およびメサコン酸)およびこれらのエステル形成性誘導体;等が挙げられる。
これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルカンジカルボン酸;炭素数4〜36のアルケンジカルボン酸、およびこれらのエステル形成性誘導体であり、さらに好ましくは、コハク酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、および/またはそれらのエステル形成性誘導体である。
また、カルボン酸成分(x)中の3価以上の芳香族ポリカルボン酸(x1)のモル%〔A(x1)〕と(x)中の(x3)のモル%〔A(x3)〕との関係が、以下の式(3)を満たすことが好ましく、式(3’)を満たすことがさらに好ましい。
0.2≦〔A(x1)〕/〔A(x3)〕≦20 ・・・式(3)
0.5≦〔A(x1)〕/〔A(x3)〕≦15 ・・・式(3’)
〔A(x1)〕/〔A(x3)〕が20以下であると、より良好な定着性をもつトナーが得られ、0.2以上であると耐ブロッキング性がより良好なトナーが得られる。
(x)中の(x1)以外の3価以上のポリカルボン酸の量は、10モル%以下が好ましく、さらに好ましくは7モル%以下、とくに好ましくは5モル%以下である。
これらのうち、3価以上の芳香族ポリカルボン酸(x1)との反応性の観点から、分子末端に1級水酸基を有する脂肪族ジオール(エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオールおよび1,10−デカンジオール等)、および1,2−プロピレングリコールが好ましい。そのうち、定着性の観点からエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコールおよびネオペンチルグリコールがさらに好ましく、1,2−−プロピレングリコールがとくに好ましい。
また、トナーとして用いた際の耐ブロッキング性と定着性の観点から、ポリオール成分(y)が、(y1)の中でも1,2−プロピレングリコールを60モル%以上含有するのが好ましく、65モル%以上含有するのがさらに好ましい。
ポリオール成分(y)のうち、(y1)以外のジオールとしては、炭素数11〜36のアルキレングリコール(1,12−ドデカンジオール等);炭素数11〜36のアルキレンエーテルグリコール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、およびポリテトラメチレンエーテルグリコール等);炭素数6〜36の脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、および水素添加ビスフェノールA等);上記脂環式ジオールの(ポリ)オキシアルキレン〔アルキレン基の炭素数2〜4(オキシエチレン、オキシプロピレン等)。以下のポリオキシアルキレン基も同じ〕エーテル〔オキシアルキレン単位(以下AO単位と略記)の数1〜30〕;および2価フェノール〔単環2価フェノール(例えばハイドロキノン)、およびビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールFおよびビスフェノールS等)〕のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30);等が挙げられる。
これらのうち好ましいものは、ビスフェノール類のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30)である。
これらのうち好ましいものは、3〜8価もしくはそれ以上の脂肪族多価アルコール、およびノボラック樹脂のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30)であり、さらに好ましいものはノボラック樹脂のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30)である。
なお、カルボン酸成分(x)中の必須成分である3価以上の芳香族ポリカルボン酸(x1)は、(x1)以外のカルボン酸成分(x)とポリオール成分(y)とを先に反応させて得られる末端水酸基を有する反応生成物に、後添加して反応させてもよい。
このときのポリオール成分(y)とカルボン酸成分(x)との反応比率は、水酸基とカルボキシル基の当量比[OH]/[COOH]として、好ましくは2/1〜1.01/1、さらに好ましくは1.5/1〜1.02/1、とくに好ましくは1.3/1〜1.03/1である。
また、(a)の水酸基価〔OHV〕(mgKOH/g、以下同じ。)は、ウレタン基の導入率の観点から、0.1〜150が好ましく、より好ましくは0.2〜100、とくに好ましくは1〜70である。
なお、試料中に架橋にともなう溶剤不溶解分がある場合は、以下の方法で溶融混練後のものを試料として用いる。
混練装置 : 東洋精機(株)製ラボプラストミルMODEL4M150
混練条件 : 130℃、70rpmにて30分
装置(一例) : 東ソー(株)製 HLC−8120
カラム(一例): TSK GEL GMH6 2本 〔東ソー(株)製〕
測定温度 : 40℃
試料溶液 : 0.25重量%のTHF(テトラヒドロフラン)溶液
溶液注入量 : 100μl
検出装置 : 屈折率検出器
基準物質 : 東ソー製 標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量 500 1050 2800 5970 9100 18100 37900 96400 190000 355000 1090000 2890000)
得られたクロマトグラム上で最大のピーク高さを示す分子量をピークトップ分子量(Mp)と称する。また、分子量の測定は、ポリエステル樹脂をTHFに溶解し、不溶解分をグラスフィルターでろ別したものを試料溶液とする。
なお、上記および以下において、Tgはセイコー電子工業(株)製DSC20、SSC/580を用いて、ASTM D3418−82に規定の方法(DSC法)で測定される。
この範囲であると、ウレタン変性した時の耐ホットオフセット性と低温定着性の両立が良好となる。本発明において、T(1/2)は以下の方法で測定される。
<軟化点〔T(1/2)〕>
高化式フローテスター{たとえば、(株)島津製作所製、CFT−500D}を用いて、1gの測定試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出して、「プランジャー降下量(流れ値)」と「温度」とのグラフを描き、プランジャーの降下量の最大値の1/2に対応する温度をグラフから読み取り、この値(測定試料の半分が流出したときの温度)を軟化点〔T(1/2)〕とする。
本発明におけるTHF不溶解分は、以下の方法で求めたものである。
試料0.5gに50mlのTHFを加え、3時間撹拌還流させる。冷却後、グラスフィルターにて不溶解分をろ別し、グラスフィルター上の樹脂分を80℃で3時間減圧乾燥する。グラスフィルター上の乾燥した樹脂分の重量と試料の重量比から、不溶解分を算出する。
なお、トナーとして用いたときの低温定着性、耐熱保存性、および帯電性の点から、(P)はウレア基を実質的に含有しないものである。すなわち(P)中のウレア基の濃度としては、(P)の全重量に対する、ウレア基を形成する(P)の原料のポリアミンと水の合計量〔(P)中の構成単位としての含有量〕が、通常1.0重量%以下、好ましくは0.5重量%以下、さらに好ましくは0である。
また、液体状態のポリエステル樹脂(a)を用いる場合、反応温度はアロファネート化抑制の観点から150〜250℃で反応させることが好ましく、より好ましくは170〜230℃、最も好ましくは180〜220℃である。反応時間は1時間以下が好ましく、より好ましくは30分以下、最も好ましくは20分以下である。
ポリエステル樹脂(a)とポリイソシアネート(i)との反応比率は、水酸基とイソシアネート基の当量比[OH]/[NCO]として、好ましくは10/1〜1.1/1、さらに好ましくは5/1〜1.2/1、特に好ましくは3/1〜1.3/1である。
この範囲であると、耐ホットオフセット性と低温定着性の両立が良好となる。
[〔T(1/2)〕−〔Tf〕]は、より好ましくは46〜78℃、とくに好ましくは47〜75℃である。
[〔T(1/2)〕−〔Tf〕]の値を大きくする場合、架橋点の数を増やす、分子量分布を広くする、またはウレタン基濃度を上げる等で達成できる。
<流出開始温度〔Tf〕>
高化式フローテスター{たとえば、(株)島津製作所製、CFT−500D}を用いて、1gの測定試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出して、「プランジャー降下量(流れ値)」と「温度」とのグラフを描き、プランジャーの降下が始まり、樹脂の流出が始まる温度を流出開始温度〔Tf〕とする。
〔G’150〕≦30000 ・・・式(1)
〔G’150〕≦25000 ・・・式(1’)
2000≦〔G’150〕≦19500 ・・・式(1”)
〔G’200〕≧100 ・・・式(2)
1000≧〔G’200〕≧110 ・・・式(2’)
式(2)を満たすと、高温領域でも実用範囲において粘度が低くなりすぎないと考えられ、トナーとして使用したときの耐ホットオフセット性が良好となる。
ウレタン変性ポリエステル樹脂(P)の貯蔵弾性率(G’)を増加させるには、(P)のT(1/2)を上げる、3価以上の構成成分の比率を上げ架橋点の数を増やす、ウレタン基の含有量を増やす、分子量を大きくする、および/またはTgを高くする、等で達成できる。
装置 :ARES(TAインスツルメント社製)
治具 :25mmパラレルプレート
周波数 :1Hz
歪み率 :5%
昇温速度:5℃/min
また、本発明の電子写真用トナーバインダーのフローテスターで測定した軟化点〔T(1/2)〕は、耐ホットオフセット性と低温定着性の両立の観点から、好ましくは110〜160℃、さらに好ましくは112〜150℃である。
溶融混合する場合の混合装置としては、反応槽等のバッチ式混合装置、および連続式混合装置が挙げられる。適正な温度で短時間で均一に混合するためには、連続式混合装置が好ましい。連続混合装置としては、エクストルーダー、コンティニアスニーダー、3本ロール等が挙げられる。
粉体混合する場合の混合装置としては、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、およびバンバリーミキサー等が挙げられる。好ましくはヘンシェルミキサーである。
着色剤の含有量は、本発明の電子写真用トナーバインダー100部に対して、好ましくは1〜40部、さらに好ましくは3〜10部である。なお、磁性粉を用いる場合は、好ましくは20〜150部、さらに好ましくは40〜120部である。上記および以下において、部は重量部を意味する。
ポリオレフィンワックスとしては、オレフィン(例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ヘキセン、1−ドデセン、1−オクタデセンおよびこれらの混合物等)の(共)重合体[(共)重合により得られるものおよび熱減成型ポリオレフィンを含む]、オレフィンの(共)重合体の酸素および/またはオゾンによる酸化物、オレフィンの(共)重合体のマレイン酸変性物[例えばマレイン酸およびその誘導体(無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノブチルおよびマレイン酸ジメチル等)変性物]、オレフィンと不飽和カルボン酸[(メタ)アクリル酸、イタコン酸および無水マレイン酸等]および/または不飽和カルボン酸アルキルエステル[(メタ)アクリル酸アルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステルおよびマレイン酸アルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステル等]等との共重合体、およびサゾールワックス等が挙げられる。
また、乳化転相法によりトナーを得る場合、流動化剤を除くトナーを構成する成分を有機溶剤に溶解または分散後、水を添加する等によりエマルジョン化し、次いで分離、分級して製造することができる。トナーの体積平均粒径は、3〜15μmが好ましい。
[ポリエステル樹脂(a−1)の合成]
反応槽中に、テレフタル酸484部(2.9モル)、イソフタル酸323部(1.9モル)、エチレングリコール553部(8.9モル)、ネオペンチルグリコール83部(0.8モル)、重合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた後、無水1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(以下無水トリメリット酸と記載)5部(0.02モル)を入れ、0.5〜2.5kPaの減圧下で5時間反応させて取り出した。回収されたエチレングリコールは274部(4.4モル)であった。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(a−1)とする。
ポリエステル樹脂(a−1)のTgは52℃、T(1/2)は106℃、Mpは5200、OHVは44、AVは1、THF不溶解分は1%であった。
[ポリエステル樹脂(a−2)の合成]
反応槽中に、テレフタル酸558部(3.4モル)、無水フタル酸218部(1.4モル)、エチレングリコール546部(8.8モル)、ネオペンチルグリコール82部(0.8モル)、重合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた後、無水トリメリット酸16部(0.1モル)を入れ、0.5〜2.5kPaの減圧下で5時間反応させて取り出した。回収されたエチレングリコールは268部(4.3モル)であった。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(a−2)とする。
ポリエステル樹脂(a−2)のTgは53℃、T(1/2)は112℃、Mpは5700、OHVは40、AVは1、THF不溶解分は2%であった。
[ポリエステル樹脂(a−3)の合成]
反応槽中に、テレフタル酸541部(3.3モル)、無水フタル酸207部(1.4モル)、エチレングリコール528部(8.5モル)、ネオペンチルグリコール83部(0.8モル)、重合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた後、無水トリメリット酸32部(0.2モル)を入れ、0.5〜2.5kPaの減圧下で5時間反応させて取り出した。回収されたエチレングリコールは246部(4.0モル)であった。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(a−3)とする。
ポリエステル樹脂(a−3)のTgは53℃、T(1/2)は111℃、Mpは4800、OHVは50、AVは1、THF不溶解分は3%であった。
[ポリエステル樹脂(a−4)の合成]
反応槽中に、テレフタル酸412部(2.5モル)、無水フタル酸367部(2.5モル)、エチレングリコール615部(9.9モル)、重合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた後、無水トリメリット酸22部(0.1モル)を入れ、0.5〜2.5kPaの減圧下で5時間反応させて取り出した。回収されたエチレングリコールは280部(4.5モル)であった。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(a−4)とする。
ポリエステル樹脂(a−4)のTgは56℃、T(1/2)は115℃、Mpは7800、OHVは29、AVは1、THF不溶解分は2%であった。
[ポリエステル樹脂(a−5)の合成]
反応槽中に、テレフタル酸412部(5.0モル)、1,2−プロピレングリコール(以下、プロピレングリコールと記載する。)753部(9.9モル)、安息香酸1部(0.01モル)重合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた後、無水トリメリット酸25部(0.13モル)を入れ、0.5〜2.5kPaの減圧下で5時間反応させて取り出した。回収されたプロピレングリコールは327部(4.3モル)であった。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(a−5)とする。
ポリエステル樹脂(a−5)のTgは58℃、T(1/2)は112℃、Mpは7000、OHVは37、AVは1、THF不溶解分は2%であった。
[ポリエステル樹脂(a−6)の合成]
反応槽中に、テレフタル酸830部(5.0モル)、プロピレングリコール134部(9.9モル)、安息香酸36部(0.30モル)重合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた後、無水トリメリット酸96部(0.50モル)を入れ、0.5〜2.5kPaの減圧下で5時間反応させて取り出した。回収されたプロピレングリコールは299部(3.9モル)であった。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(a−6)とする。
ポリエステル樹脂(a−6)のTgは54℃、T(1/2)は145℃、Mpは13000、OHVは7、AVは1、THF不溶解分は2%であった。
[ポリエステル樹脂(a−7)の合成]
反応槽中に、テレフタル酸415部(2.5モル)、無水フタル酸370部(2.5モル)、プロピレングリコール134部(9.9モル)、安息香酸73部(0.60モル)重合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた後、無水トリメリット酸57部(0.30モル)を入れ、0.5〜2.5kPaの減圧下で5時間反応させて取り出した。回収されたプロピレングリコールは312部(4.1モル)であった。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(a−7)とする。
ポリエステル樹脂(a−5)のTgは52℃、T(1/2)は130℃、Mpは10500、OHVは8、AVは1、THF不溶解分は2%であった。
[ポリエステル樹脂(a−8)の合成]
反応槽中に、テレフタル酸581部(3.5モル)、イソフタル酸249部(1.5モル)、プロピレングリコール134部(9.9モル)、安息香酸73部(0.60モル)重合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた後、無水トリメリット酸57部(0.30モル)を入れ、0.5〜2.5kPaの減圧下で5時間反応させて取り出した。回収されたプロピレングリコールは312部(4.1モル)であった。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(a−8)とする。
ポリエステル樹脂(a−8)のTgは53℃、T(1/2)は131℃、Mpは10600、OHVは8、AVは1、THF不溶解分は2%であった。
[ポリエステル樹脂(a−9)の合成]
反応槽中に、テレフタル酸830部(5.0モル)、ビスフェノールA・プロピレンオキサイド2モル付加物(三洋化成製ニューポールBP−2P)233部(0.67モル)、プロピレングリコール134部(9.9モル)、安息香酸9部(0.07モル)重合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた後、無水トリメリット酸163部(0.85モル)を入れ、0.5〜2.5kPaの減圧下で5時間反応させて取り出した。回収されたプロピレングリコールは299部(3.9モル)であった。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(a−9)とする。
ポリエステル樹脂(a−9)のTgは53℃、T(1/2)は121℃、Mpは8000、OHVは29、AVは1、THF不溶解分は3%であった。
[ウレタン変性ポリエステル樹脂(P−1)の合成]
反応槽中に、製造例1で得られたポリエステル樹脂(a−1)465部(0.19モル)を入れ、120℃まで加熱し熔融した。窒素気流下で4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MDIと記載)を35部(0.14モル)加え、3時間反応させ取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(P−1)とする。
ウレタン変性ポリエステル樹脂(P−1)のTgは61℃、T(1/2)は135℃、Mpは22000、Tfは88℃、AVは1、OHVは20、THF不溶解分は3%であった。
[ウレタン変性ポリエステル樹脂(P−2)の合成]
反応槽中に、製造例2で得られたポリエステル樹脂(a−2)472部(0.17モル)を入れ、120℃まで加熱し熔融した。窒素気流下でMDIを28部(0.11モル)加え、3時間反応させ取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(P−2)とする。
ウレタン変性ポリエステル樹脂(P−2)のTgは62℃、T(1/2)は138℃、Mpは18000、Tfは85℃、AVは1、OHVは19、THF不溶解分は5%であった。
[ウレタン変性ポリエステル樹脂(P−3)の合成]
反応槽中に、製造例3で得られたポリエステル樹脂(a−3)465部(0.21モル)を入れ、120℃まで加熱し熔融した。窒素気流下でMDIを35部(0.14モル)加え、3時間反応させ取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(P−3)とする。
ウレタン変性ポリエステル樹脂(P−3)のTgは63℃、T(1/2)は137℃、Mpは15000、Tfは90℃、AVは1、OHVは22、THF不溶解分は5%であった。
[ウレタン変性ポリエステル樹脂(P−4)の合成]
反応槽中に、製造例4で得られたポリエステル樹脂(a−4)482部(0.13モル)を入れ、120℃まで加熱し熔融した。窒素気流下でMDIを18部(0.07モル)加え、3時間反応させ取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(P−4)とする。
ウレタン変性ポリエステル樹脂(P−4)のTgは63℃、T(1/2)は141℃、Mpは19000、Tfは91℃、AVは1、OHVは16、THF不溶解分は4%であった。
[ウレタン変性ポリエステル樹脂(P−5)の合成]
反応槽中に、製造例1で得られたポリエステル樹脂(a−1)469部(0.19モル)、テトラヒドロフラン800部を入れ80℃まで加熱し、(a−1)を溶解した。窒素気流下でMDIを31部(0.13モル)加え、12時間反応させた後、200℃まで加熱しながら0.5〜2.5kPaの減圧下でテトラヒドロフランを10時間かけて留去し、取出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(P−5)とする。
ウレタン変性ポリエステル樹脂(P−5)のTgは59℃、T(1/2)は132℃、Mpは16000、Tfは84℃、AVは1、OHVは24、THF不溶解分は3%であった。
[ウレタン変性ポリエステル樹脂(P−6)の合成]
反応槽中に、製造例2で得られたポリエステル樹脂(a−2)475部(0.17モル)を入れ、120℃まで加熱し熔融した。窒素気流下でイソホロンジイソシアネート(IPDI)を25部(0.11モル)加え、3時間反応させ取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(P−6)とする。
ウレタン変性ポリエステル樹脂(P−6)のTgは62℃、T(1/2)は137℃、Mpは17500、Tfは86℃、AVは1、OHVは20、THF不溶解分は4%であった。
[ウレタン変性ポリエステル樹脂(P−7)の合成]
反応槽中に、製造例5で得られたポリエステル樹脂(a−5)475部(0.12モル)、テトラヒドロフラン800部を入れ80℃まで加熱し、(a−5)を溶解した。窒素気流下でMDIを25部(0.10モル)加え、12時間反応させた後、200℃まで加熱しながら0.5〜2.5kPaの減圧下でテトラヒドロフランを10時間かけて留去し、取出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(P−7)とする。
ウレタン変性ポリエステル樹脂(P−7)のTgは65℃、T(1/2)は165℃、Mpは40000、Tfは93℃、AVは1、OHVは12、THF不溶解分は10%であった。
[ウレタン変性ポリエステル樹脂(P−8)の合成]
反応槽中に、製造例6で得られたポリエステル樹脂(a−6)498部(0.13モル)、テトラヒドロフラン800部を入れ80℃まで加熱し、(a−6)を溶解した。窒素気流下でMDIを2.5部(0.01モル)加え、12時間反応させた後、200℃まで加熱しながら0.5〜2.5kPaの減圧下でテトラヒドロフランを10時間かけて留去し、取出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(P−8)とする。
ウレタン変性ポリエステル樹脂(P−8)のTgは56℃、T(1/2)は155℃、Mpは18000、Tfは88℃、AVは1、OHVは5、THF不溶解分は5%であった。
[ウレタン変性ポリエステル樹脂(P−9)の合成]
反応槽中に、製造例7で得られたポリエステル樹脂(a−7)496部(0.13モル)、テトラヒドロフラン800部を入れ80℃まで加熱し、(a−7)を溶解した。窒素気流下でMDIを4部(0.02モル)加え、12時間反応させた後、200℃まで加熱しながら0.5〜2.5kPaの減圧下でテトラヒドロフランを10時間かけて留去し、取出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(P−9)とする。
ウレタン変性ポリエステル樹脂(P−9)のTgは61℃、T(1/2)は158℃、Mpは31000、Tfは91℃、AVは1、OHVは4、THF不溶解分は4%であった。
[ウレタン変性ポリエステル樹脂(P−10)の合成]
反応槽中に、製造例8で得られたポリエステル樹脂(a−8)495部(0.13モル)、テトラヒドロフラン800部を入れ80℃まで加熱し、(a−8)を溶解した。窒素気流下でMDIを5部(0.02モル)加え、12時間反応させた後、200℃まで加熱しながら0.5〜2.5kPaの減圧下でテトラヒドロフランを10時間かけて留去し、取出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(P−10)とする。
ウレタン変性ポリエステル樹脂(P−10)のTgは59℃、T(1/2)は159℃、Mpは22000、Tfは90℃、AVは1、OHVは3、THF不溶解分は5%であった。
[ウレタン変性ポリエステル樹脂(P−11)の合成]
反応槽中に、製造例9で得られたポリエステル樹脂(a−9)470部(0.12モル)、テトラヒドロフラン800部を入れ80℃まで加熱し、(a−9)を溶解した。窒素気流下でMDIを30部(0.11モル)加え、12時間反応させた後、200℃まで加熱しながら0.5〜2.5kPaの減圧下でテトラヒドロフランを10時間かけて留去し、取出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(P−11)とする。
ウレタン変性ポリエステル樹脂(P−11)のTgは63℃、T(1/2)は155℃、Mpは23000、Tfは90℃、AVは1、OHVは1、THF不溶解分は20%であった。
[線形ポリエステル樹脂(B−1)の合成]
反応槽中に、テレフタル酸525部(3.2モル)、無水フタル酸201部(1.4モル)、エチレングリコール515部(8.3モル)、ネオペンチルグリコール76部(0.7モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水とエチレングリコールを留去しながら5時間反応させた後、0.5〜2.5kPaの減圧下に1時間反応させた。安息香酸を43部(0.3モル)入れ、さらに0.5〜2.5kPaの減圧下に反応させた。AVが2以下になった時点で、180℃まで冷却後無水トリメリット酸を43部(0.2モル)仕込み、180℃で1時間保持した後取出した。回収されたエチレングリコールは260部(4.2モル)であった。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(B−1)とする。
線形ポリエステル樹脂(B−1)のTgは61℃、T(1/2)は108℃、Mpは6500、OHVは5、AVは25であった。
[線形ポリエステル樹脂(B−2)の合成]
反応槽中に、テレフタル酸548部(3.3モル)、イソフタル酸235部(1.4モル)、エチレングリコール538部(8.7モル)、ネオペンチルグリコール78部(0.8モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水とエチレングリコールを留去しながら5時間反応させた後、0.5〜2.5kPaの減圧下に2時間反応させた。AVが2以下になった時点で、180℃まで冷却後無水トリメリット酸を43部(0.2モル)仕込み、180℃で1時間保持した後取出した。回収されたエチレングリコールは274部(4.4モル)であった。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(B−2)とする。
線形ポリエステル樹脂(B−2)のTgは62℃、T(1/2)は115℃、Mpは7100、OHVは22、AVは24であった。
[線形ポリエステル樹脂(B−3)の合成]
反応槽中に、テレフタル酸510部(3.1モル)、無水フタル酸245部(1.7モル)、エチレングリコール586部(9.5モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水とエチレングリコールを留去しながら5時間反応させた後、0.5〜2.5kPaの減圧下に1時間反応させた。安息香酸を45部(0.4モル)入れ、さらに0.5〜2.5kPaの減圧下に反応させた。AVが2以下になった時点で、180℃まで冷却後無水トリメリット酸を34部(0.2モル)仕込み、180℃で1時間保持した後取出した。回収されたエチレングリコールは275部(4.4モル)であった。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(B−3)とする。
線形ポリエステル樹脂(B−3)のTgは60℃、T(1/2)は112℃、Mpは6900、OHVは2、AVは20であった。
[線形ポリエステル樹脂(B−4)の合成]
反応槽中に、テレフタル酸245部(1.5モル)、ビスフェノールA・プロピレンオキサイド2モル付加物720部(2.1モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで0.5〜2.5kPaの減圧下に反応させ、AVが2以下になった時点で、180℃まで冷却後無水トリメリット酸を85部(0.4モル)仕込み、180℃で1時間保持した後取出した。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(B−4)とする。
線形ポリエステル樹脂(B−4)のTgは61℃、T(1/2)は92℃、Mpは3500、AVは50、OHVは48であった。
[線形ポリエステル樹脂(B−5)の合成]
反応槽中に、テレフタル酸510部(3.1モル)、プロピレングリコール467部(6.1モル)、安息香酸33部(0.3モル)および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水とエチレングリコールを留去しながら5時間反応させた後、0.5〜2.5kPaの減圧下に1時間反応させた。180℃まで冷却後無水トリメリット酸を12部(0.06モル)仕込み、180℃で1時間保持した後取出した。回収されたエチレングリコールは209部(2.7モル)であった。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(B−5)とする。
線形ポリエステル樹脂(B−5)のTgは61℃、T(1/2)は111℃、Mpは4700、OHVは12、AVは9であった。
[比較用ウレタン変性ポリエステル樹脂(RP−1)の合成]
反応槽中に、テレフタル酸574部(3.5モル)、無水フタル酸219部(1.5モル)、エチレングリコール564部(9.1モル)、ネオペンチルグリコール81部(0.8モル)、重合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた後、0.5〜2.5kPaの減圧下で反応させ樹脂を得た。回収されたエチレングリコールは290部(4.7モル)であった。得られた樹脂を別の反応槽に479部(0.13モル)入れ、120℃まで加熱し熔融した。窒素気流下でMDIを21部(0.09モル)加え、3時間反応させ取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをウレタン変性ポリエステル樹脂(RP−1)とする。
ウレタン変性ポリエステル樹脂(RP−1)のTgは62℃、T(1/2)は135℃、Mpは17000、Tfは91℃、AVは1、OHVは16、THF不溶解分は5%であった。
[比較用ウレタン変性ポリエステル樹脂(RP−2)の合成]
反応槽中に、製造例1で得られたポリエステル樹脂(a−1)460部(0.18モル)を入れ、120℃まで加熱し熔融した。窒素気流下でMDIを40部(0.16モル)加え、3時間反応させ取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをウレタン変性ポリエステル樹脂(RP−2)とする。
ウレタン変性ポリエステル樹脂(RP−2)のTgは65℃、T(1/2)は152℃、Mpは32000、Tfは101℃、AVは1、OHVは14、THF不溶解分は5%であった。
[比較用ウレタンウレア変性ポリエステル樹脂(RP−3)の合成]
反応槽中に、製造例1で得られたポリエステル樹脂(a−1)200部(0.08モル)、テトラヒドロフラン800部を入れ、80℃まで加熱し(a−1)を溶解した。窒素気流下でIPDIを31部(0.14モル)加え、24時間反応させた。さらにIPDAを12部(0.07モル)加え、3時間反応させた後、200℃まで加熱しながら0.5〜2.5kPaで10時間かけてテトラヒドロフランを減圧留去し取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをウレタンウレア変性ポリエステル樹脂(RP−3)とする。
ウレタンウレア変性ポリエステル樹脂(RP−3)のTgは55℃、T(1/2)は140℃、Mpは12000、Tfは98℃、AVは1、OHVは2、THF不溶解分は5%であった。
上記製造例で得られたポリエステル樹脂(P−1)〜(P−11)、(B−1)〜(B−5)、および比較製造例で得られた比較用ポリエステル樹脂(RP−1)〜(RP−3)を表1の配合比(部)に従い配合し、本発明の電子写真用トナーバインダー、および比較の電子写真用トナーバインダーを得て、下記の方法でトナー化した。(カーボンブラックMA−100[三菱化学(株)製]、カルナバワックス、荷電制御剤T−77[保土谷化学(製)])
まず、ヘンシェルミキサー[三井三池化工機(株)製 FM10B]を用いて予備混合した後、二軸混練機[(株)池貝製 PCM−30]で140℃で混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製 MDS−I]で分級し、粒径D50が8μmのトナー粒子を得た。ついで、トナー粒子100部にコロイダルシリカ(アエロジルR972:日本アエロジル製)0.5部をサンプルミルにて混合して、本発明のトナー組成物(T−1)〜(T−14)、および比較用のトナー組成物(RT−1)〜(RT−3)を得た。
前記の方法で測定した、ウレタン変性ポリエステル樹脂(P)、およびトナーバインダーの物性値、並びに下記評価方法で評価したトナー組成物の評価結果を表2に示す。
〔1〕最低定着温度(MFT)
上記トナー組成物を使用し、市販複写機(AR5030;シャープ製)を用いて現像した未定着画像を、市販複写機(AR5030;シャープ製)の定着機を用いて評価した。定着画像をパットで擦った後の、マクベス反射濃度計RD−191(マクベス社製)を用いて測定した画像濃度の残存率が70%以上となる下限温度を最低定着温度とした。
〔2〕ホットオフセット発生温度(HOT)
上記MFTと同様に定着評価し、定着画像へのホットオフセットの有無を目視評価した。定着ロール通過後ホットオフセットが発生しない上限温度をホットオフセット発生温度とした。
〔3〕粉砕性
二軸混練機で混練、冷却したトナー粗粉砕物(8.6メッシュパス〜30メッシュオンのもの)を、超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]により下記条件で微粉砕した。
粉砕圧:0.5MPa
アジャスターリング:15mm
ルーバーの大きさ:中
粉砕時間:10分
これを分級せずに、体積平均粒径をコールターカウンター−TAII(米国コールター・エレクトロニクス社製)により測定し、粉砕性のテストとした。評価基準を下記の通りとした。(単位:μm)
◎ : 10未満
○ : 10以上11未満
△ : 11以上12未満
× : 12以上
〔4〕耐久性
上記トナー組成物を市販のプリンタLP−1400(エプソン製)用のカートリッジに充填し、同機を用いてべた画像を3000枚連続印刷し、3000枚後の画像を目視で判定した。
判定基準
○ : スジ・ムラなし。
△ : わずかにスジ・ムラがある。
× : スジ・ムラがある。
〔5〕トナーの耐ブロッキング性試験
上記トナー組成物を、40℃・95%R.H.の高温高湿環境下で、48時間調湿した。同環境下において該トナー組成物のブロッキング状態を目視判定し、さらに市販複写機(AR5030:シャープ製)でコピーした時の画質を観察した。
判定基準
◎ : トナーのブロッキングがなく、5000枚複写後の画質も良好。
○ : トナーのブロッキングがなく、3000枚複写後の画質も良好であるが、5000枚複写後の画質に僅かに乱れが観察される。
△ : トナーのブロッキングはないが、3000枚複写後の画質に僅かに乱れが観察される。
× : トナーのブロッキングが目視でき、3000枚までに画像が出なくなる
〔6〕トナーの飽和帯電量の測定
上記トナー組成物1部と電子写真用キャリア鉄粉(パウダーテック社製、ASR−10)24部を、23℃、50%R.H.で8時間以上調湿した後、ターブラーシェーカーミキサーにて50rpm×1,3,7,20,60,および120分間摩擦攪拌し、それぞれの時間毎に帯電量を測定した。測定にはブローオフ帯電量測定装置[東芝ケミカル(株)製]を用いた。帯電量の増加がなくなった摩擦時間の帯電量をもって飽和帯電量とした。
Claims (11)
- 3価以上の芳香族ポリカルボン酸(x1)を含有するカルボン酸成分(x)、ポリオール成分(y)、およびポリイソシアネート(i)を構成単位として有するウレタン変性ポリエステル樹脂(P)、並びにウレタン変性されていない線形ポリエステル樹脂(B)を含有し、(P)が次の式(1)および(2)を満たす電子写真用トナーバインダー。
〔G’150〕≦30000 ・・・式(1)
〔G’200〕≧100 ・・・式(2)
[上記式中、〔G’150〕は(P)の150℃における貯蔵弾性率(Pa)、〔G’200〕は(P)の200℃における貯蔵弾性率(Pa)を意味する。] - ウレタン変性ポリエステル樹脂(P)中の、構成単位としてのポリイソシアネート(i)の含有量が0.01〜30重量%である請求項1記載の電子写真用トナーバインダー。
- カルボン酸成分(x)が、さらに芳香族ジカルボン酸(x2)を60〜99.5モル%含有し、ポリオール成分(y)が、炭素数が2〜10の脂肪族ジオール(y1)を60モル%以上含有する請求項1または2記載の電子写真用トナーバインダー。
- カルボン酸成分(x)が、さらに芳香族モノカルボン酸(x3)を0.1〜30モル%含有し、3価以上の芳香族ポリカルボン酸(x1)と(x3)のモル比が次の式(3)を満たす請求項1〜3いずれか記載の電子写真用トナーバインダー。
0.2≦〔A(x1)〕/〔A(x3)〕≦20 ・・・式(3)
[上記式中、〔A(x1)〕は(x)中の(x1)のモル%、〔A(x3)〕は(x)中の(x3)のモル%を意味する] - ポリオール成分(y)が、1,2−プロピレングリコールを60モル%以上含有する、請求項3または4記載の電子写真用トナーバインダー。
- ジカルボン酸(x2)が、下記(1)〜(3)から選ばれる1種以上である請求項1〜5いずれか記載の電子写真用トナーバインダー。
(1)テレフタル酸および/またはそのエステル形成性誘導体
(2)イソフタル酸および/またはそのエステル形成性誘導体
(3)フタル酸および/またはそのエステル形成性誘導体。 - 線形ポリエステル樹脂(B)のテトラヒドロフラン可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィーのピークトップ分子量が1000〜10000である請求項1〜6のいずれか記載の電子写真用トナーバインダー。
- 線形ポリエステル樹脂(B)の含有量が、ウレタン変性ポリエステル樹脂(P)と線形ポリエステル樹脂(B)の合計重量に対して10〜90重量%である請求項1〜7のいずれか記載の電子写真用トナーバインダー。
- テトラヒドロフラン可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィーのピークトップ分子量が2000〜50000である請求項1〜8のいずれか記載の電子写真用トナーバインダー。
- ウレタン変性ポリエステル(P)のフロー軟化点〔T(1/2)・P〕が100〜180℃、線形ポリエステル(B)のフロー軟化点〔T(1/2)・B〕が80〜120℃であり、〔T(1/2)・P〕と〔T(1/2)・B〕の差が10℃以上である請求項1〜9いずれか記載の電子写真用トナーバインダー。
- 請求項1〜10のいずれか記載の電子写真用トナーバインダーと着色剤、並びに必要により、離型剤、荷電制御剤、および流動化剤から選ばれる1種類以上の添加剤を含有するトナー組成物。
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