JP6279996B2 - ポリエステル樹脂、トナーバインダーおよびトナー組成物 - Google Patents
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Description
トナーの低温定着性能を向上させる目的で、高酸価とし、更にガラス転移温度と軟化点の差を規定したポリエステル樹脂を含有させる方法が知られている(特許文献1参照)。しかしながら、特許文献1に記載のトナー組成物は、保存安定性が劣るという課題がある。また、トナーの生産性の面からは、トナーバインダーの粉砕性が要求されるが、低温定着性能を向上させるために、トナーバインダーの低分子量化やガラス転移温度の低下を行った場合、著しく粉砕性を損ない生産性が低下する。
これらのうち好ましいのは、3〜8価もしくはそれ以上の脂肪族多価アルコール、およびノボラック樹脂のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30)である。
これらのうち好ましいのは、トリメリット酸、ピロメリット酸、およびこれらのエステル形成性誘導体である。
これらのうち好ましいのは、炭素数9〜30のアルカノールであり、更に好ましいのは、炭素数10〜24のアルカノールであり、特に好ましいのはドデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールおよびこれらの併用である。
これらのうち好ましいのは、炭素数9〜30のアルカンモノカルボン酸であり、更に好ましいのは炭素数10〜24の直鎖アルカンモノカルボン酸であり、特に好ましいのは、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、およびこれらの併用である。
(x2)以外の1価アルコールとしては、炭素数1〜8のアルカノール(メタノール、エタノール、およびイソプロパノール等)、炭素数3〜8のアルケノール(アリルアルコール、およびプロペニルアルコール等)、および炭素数7〜36の芳香族アルコール(ベンジルアルコール等)等が挙げられる。
これらのうち、耐ブロッキング性の観点から好ましいのは、炭素数7〜36の芳香族アルコール(ベンジルアルコール等)である。
(y2)以外のモノカルボン酸としては、炭素数1〜8のアルカンモノカルボン酸(ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、およびイソブタン酸等)、炭素数3〜8のアルケンモノカルボン酸(アクリル酸、およびメタクリル酸等)、炭素数7〜36の芳香族モノカルボン酸(安息香酸、メチル安息香酸、フェニルプロピオン酸、およびナフトエ酸等)等が挙げられる。
これらのうち、耐ブロッキング性の観点から好ましいのは、炭素数7〜36の芳香族モノカルボン酸(安息香酸、メチル安息香酸、およびp−t−ブチル安息香酸)である。
ポリエステル樹脂(A)が、3価以上のポリカルボン酸(y12)と炭素数9〜30の脂肪族モノカルボン酸(y2)を構成単位とする場合の、(y12)と(y2)の合計モル数に対する(y12)の比率は、好ましくは25モル%以下であり、更に好ましくは20モル%以下、特に好ましくは18モル%以下である。
なお、上記および以下において、Tgは、セイコーインスツル(株)製「DSC20、SSC/580」を用いて、ASTM D3418−82に規定の方法(DSC法)で測定される。
<(A)の鉛筆硬度の測定方法>
JIS K5600−5−4に準じて、斜め45度に固定した鉛筆の真上から10gの荷重をかけて(A)の引っ掻き試験を行い、傷の付かない最も硬い鉛筆の硬度を、(A)の鉛筆硬度とする。
6.0〜7.0gのポリエステル樹脂(A)の樹脂片3個をミルミキサー(例えば、象印マホービン(株)製「品番BM−FS08」等)で5秒間連続して2回粉砕した後、14メッシュのふるいにかけ、ふるいを通過した(A)の重量(Z)(g)を精秤し、下記の式から(A)の粉砕率を算出する。なお、上記操作を3回行い、それぞれの(A)の粉砕率の平均を(A)の粉砕率とする。
(A)の粉砕率(重量%)=〔(Z)(g)/粉砕前の(A)の重量(g)〕×100
また、ポリエステル樹脂(A)の水酸基価は、好ましくは0〜100mgKOH/g、更に好ましくは0〜80mgKOH/g、特に好ましくは0〜50mgKOH/gである。水酸基価が100mgKOH/g以下であるとトナーとして用いた時の耐ホットオフセット性がより良好となる。
なお、試料に架橋にともなう溶剤不溶解分がある場合は、以下の方法で溶融混練後のものを試料として用いる。
混練装置 : 東洋精機(株)製 ラボプラストミル MODEL4M150
混練条件 : 130℃、70rpmにて30分
軟化点は以下の方法で測定することができる。
フローテスター{例えば「CFT−500D」[(株)島津製作所製]}を用いて、1gの測定試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出して、「プランジャー降下量(流れ値)」と「温度」とのグラフを描き、プランジャーの降下量の最大値の1/2に対応する温度をグラフから読み取り、この値(測定試料の半分が流出したときの温度)を軟化点とする。
装置(一例) : 東ソー(株)製 HLC−8120
カラム(一例): TSK GEL GMH6 2本 〔東ソー(株)製〕
測定温度 : 40℃
試料溶液 : 0.25重量%のTHF(テトラヒドロフラン)溶液
溶液注入量 : 100μl
検出装置 : 屈折率検出器
基準物質 : 東ソー(株)製 標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量 500 1050 2800 5970 9100 18100 37900 96400 190000 355000 1090000 2890000)
ポリエステル樹脂(B)は、線形ポリエステル樹脂又は非線形ポリエステル樹脂でもよく、線形ポリエステル樹脂と非線形ポリエステル樹脂を併用したものであってもよい。
溶融混合する場合の混合装置としては、反応槽等のバッチ式混合装置、及び連続式混合装置が挙げられる。適正な温度で短時間で均一に混合するためには、連続式混合装置が好ましい。連続混合装置としては、エクストルーダー、コンティニアスニーダー、3本ロール等が挙げられる。
さらに、離型剤、荷電制御剤、および流動化剤等を添加することもできる。
ポリオレフィンワックスとしては、オレフィン(例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ヘキセン、1−ドデセン、1−オクタデセンおよびこれらの混合物等)の(共)重合体[(共)重合により得られるものおよび熱減成型ポリオレフィンを含む]、オレフィンの(共)重合体の酸素および/またはオゾンによる酸化物、オレフィンの(共)重合体のマレイン酸変性物[例えばマレイン酸およびその誘導体(無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノブチルおよびマレイン酸ジメチル等)変性物]、オレフィンと不飽和カルボン酸[(メタ)アクリル酸、イタコン酸および無水マレイン酸等]および/または不飽和カルボン酸アルキルエステル[(メタ)アクリル酸アルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステルおよびマレイン酸アルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステル等]等との共重合体、およびサゾールワックス(登録商標)等が挙げられる。
なお、粒径(D50)はコールターカウンター[例えば、商品名:マルチサイザーIII(ベックマンコールター社製)]を用いて測定される。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽(以下の実施例、製造例に用いる反応槽も同様。)中に、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2モル付加物(x1−1a)683重量部、テレフタル酸(y1−1a)265重量部、ステアリン酸(y2−a)114重量部、重合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート2.5重量部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた後、0.5〜2.5kPaの減圧下に1時間反応させ、ポリエステル樹脂(A−1)を得た[(x1−1a)、(y1−1a)および(y2−a)の合計モル数に対する(y2−a)のモル数の比率:10モル%]。
(A−1)のMpは6,000、Tgは32℃、鉛筆硬度はHB、軟化点は81℃、酸価は1、水酸基価は20、酸価と水酸基価の和は21、粉砕率は90重量%であった。
反応槽中に、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2モル付加物(x1−1a)606重量部、テレフタル酸(y1−1a)230重量部、ベヘン酸(y2−b)202重量部、重合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート2.5重量部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた後、0.5〜2.5kPaの減圧下に1時間反応させた。次いで、常圧下180℃で無水トリメリット酸(y1−2a)20重量部を加え、常圧下で1時間反応させ、ポリエステル樹脂(A−2)を得た[(x1−1a)、(y1−1a)、(y2−b)および(y1−2a)の合計モル数に対する(y2−b)のモル数の比率:16モル%]。
(A−2)のMpは4,500、Tgは43℃、鉛筆硬度はH、軟化点は92℃、酸価は12、水酸基価は1、酸価と水酸基価の和は13、粉砕率は95重量%であった。
反応槽中に、ビスフェノールAのエチレンオキサイド2モル付加物(x1−1b)64重量部、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2モル付加物(x1−1a)504重量部、1,2−プロピレングリコール(x1−1c)98重量部、イソフタル酸(y1−1b)325重量部、ベヘン酸(y2−b)93重量部、重合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート3重量部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた後、0.5〜2.5kPaの減圧下に1時間反応させた。次いで、常圧下180℃で無水トリメリット酸(y1−2a)27重量部を加え、常圧下で1時間反応させ、ポリエステル樹脂(A−3)を得た[(x1−1a)、(x1−1b)、(x1−1c)、(y1−1b)、(y2−b)および(y1−2a)の合計モル数に対する(y2−b)の合計モル数の比率:6モル%]。回収された1,2−プロピレングリコールは39重量部であった。
(A−3)のMpは3,500、Tgは27℃、鉛筆硬度は2B、軟化点は69℃、酸価は15、水酸基価は31、酸価と水酸基価の和は46、粉砕率は75重量%であった。
反応槽中に、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2モル付加物(x1−1a)450重量部、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド3モル付加物(x1−1d)74重量部、ネオペンチルグリコール(x1−1e)42重量部、テレフタル酸(y1−1a)306重量部、ベヘニルアルコール(x2−a)182重量部、重合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート2重量部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた後、0.5〜2.5kPaの減圧下に1時間反応させた。次いで、常圧下180℃で無水トリメリット酸(y1−2a)9重量部を加え、常圧下で1時間反応させ、ポリエステル樹脂(A−4)を得た[(x1−1a)、(x1−1d)、(x1−1e)、(y1−1a)、(x2−a)および(y1−2a)の合計モル数に対する(x2−a)のモル数の比率:13モル%]。
(A−4)のMpは6,500、Tgは38℃、鉛筆硬度はB、軟化点は89℃、酸価は5、水酸基価は33、酸価と水酸基価の和は38、粉砕率は88重量%であった。
反応槽中に、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2モル付加物(x1−1a)552重量部、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド3モル付加物(x1−1d)43重量部、1,6−ヘキサンジオール(x1−1f)37重量部、テレフタル酸(y1−1a)281重量部、ベベン酸(y2−b)144重量部、重合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート2重量部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた後、0.5〜2.5kPaの減圧下に1時間反応させた。次いで、無水トリメリット酸(y1−2a)9重量部を加え、常圧下で1時間反応させた後、2.5〜5kPaの減圧下で反応させ軟化点107℃で取り出し、ポリエステル樹脂(A−5)を得た[(x1−1a)、(x1−1d)、(x1−1f)、(y1−1a)、(y2−b)および(y1−2a)の合計モル数に対する(y2−b)のモル数の比率:10モル%]。
(A−5)のMpは8,500、Tgは44℃、鉛筆硬度はF、軟化点は107℃、酸価は1、水酸基価は6、酸価と水酸基価の和は7、粉砕率は82%であった。
反応槽中に、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2モル付加物(x1−1a)358重量部、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド3モル付加物(x1−1d)413重量部、テレフタル酸(y1−1a)164重量部、アジピン酸(y1−1c)96重量部、重合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート2.5重量部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた後、0.5〜2.5kPaの減圧下に1時間反応させた。次いで、常圧下180℃で無水トリメリット酸(y1−2a)26重量部を加え、常圧下で1時間反応させ、ポリエステル樹脂(B−1)を得た。
(B−1)のMpは4,800、Tgは32℃、鉛筆硬度は4B、軟化点は76℃、酸価は15、水酸基価は40、酸価と水酸基価の和は55、粉砕率は33重量%であった。
反応槽中に、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2モル付加物(x1−1a)20重量部、1,2−プロピレングリコール(x1−1c)660重量部、テレフタル酸(y1−1a)776重量部、安息香酸50重量部、重合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート1.5重量部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた後、0.5〜2.5kPaの減圧下に1時間反応させた。次いで、常圧下180℃で無水トリメリット酸(y1−2a)17重量部を加え、常圧下で1時間反応させ、ポリエステル樹脂(B−2)を得た。回収された1,2−プロピレングリコールは330重量部であった。
(B−2)のMpは4,600、Tgは59℃、鉛筆硬度はHB、軟化点は108℃、酸価は11、水酸基価は18、酸価と水酸基価の和は29、粉砕率は86重量%であった。
反応槽中に、ビスフェノールAのエチレンオキサイド2モル付加物(x1−1b)41重量部、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド3モル付加物(x1−1d)457重量部、フェノールノボラック(平均官能基数:5.6)のプロピレンオキサイド6モル付加物(x1−1g)9重量部、テレフタル酸(y1−1a)166重量部、フマル酸(y1−1d)93重量部、重合触媒としてテトラブトキシチタネート3重量部を入れ、230℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた後、0.5〜2.5kPaの減圧下に酸価が2以下になるまで反応させた。180℃に冷却し、無水トリメリット酸(y1−2a)41重量部を加え、常圧下で2時間反応させた後、さらに230℃に加熱し、0.5〜2.5kPaの減圧下で反応させ軟化点135℃で取出し、ポリエステル樹脂(B−3)を得た。
(B−3)のMpは11,300、Tgは58℃、鉛筆硬度はH、軟化点は135℃、酸価は20、水酸基価は1、酸価と水酸基価の和は21、粉砕率は76重量%であった。
反応槽中に、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2モル付加物(x1−1a)812重量部、テレフタル酸(y1−1a)321重量部、重合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート2.5重量部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた後、0.5〜2.5kPaの減圧下に1時間反応させ、ポリエステル樹脂(B−4)を得た。
(B−4)のMpは6,000、Tgは65℃、鉛筆硬度はHB、軟化点は106℃、酸価は1、水酸基価は41、酸価と水酸基価の和は42、粉砕率は84重量%であった。
反応槽中に、ビスフェノールAのエチレンオキサイド2モル付加物(x1−1b)75重量部、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2モル付加物(x1−1a)589重量部、1,2−プロピレングリコール(x1−1c)105重量部、イソフタル酸(y1−1b)380重量部、重合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート3重量部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた後、0.5〜2.5kPaの減圧下に1時間反応させた。次いで、常圧下180℃で無水トリメリット酸(y1−2a)27重量部を加え、常圧下で1時間反応させ、ポリエステル樹脂(B−5)を得た。回収された1,2−プロピレングリコールは35重量部であった。
(B−5)のMpは3,500、Tgは33℃、鉛筆硬度は4B、軟化点は72℃、酸価は15、水酸基価は52、酸価と水酸基価の和は67、粉砕率は28重量%であった。
ポリエステル樹脂(A−1)〜(A−5)、(B−1)〜(B−5)を表1の配合比(重量部)に従い配合し、本発明のトナーバインダー、および比較のトナーバインダーを得て、下記の方法でトナー化した。
まず、カーボンブラックMA−100[三菱化学(株)製]8重量部、カルナバワックス5重量部、荷電制御剤T−77[保土谷化学工業(株)製]1重量部を加え、ヘンシェルミキサー[日本コークス工業(株)製 FM10B]を用いて予備混合した後、二軸混練機[(株)池貝製 PCM−30]で混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製 MDS−I]で分級し、粒径D50が8μmのトナー粒子を得た。ついで、トナー粒子100重量部にコロイダルシリカ(アエロジルR972:日本アエロジル(株)製)0.5重量部をサンプルミルにて混合して、本発明のトナー組成物(T−1)〜(T−9)、および比較用のトナー組成物(RT−1)〜(RT−5)を得た。
〔1〕低温定着性
市販複写機(AR5030;シャープ製)を用いて現像した未定着画像を、市販複写機(AR5030;シャープ製)の定着機を用いて評価した。定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる下限温度を最低定着温度(MFT)とした。最低定着温度が低いほど、低温定着性に優れることを意味する。
トナー組成物を、40℃、85%R.H.の高温高湿環境下で、24時間調湿した。同環境下において該現像剤のブロッキング状態を目視判定し、さらに市販複写機(AR5030:シャープ製)でコピーした時の画質を観察した。
[判定基準]
◎:トナーのブロッキングがなく、3000枚複写後の画質も良好。
○:トナーのブロッキングはないが、3000枚複写後の画質に僅かに乱れが観察され
る。
×:トナーのブロッキングが目視でき、3000枚までに画像が出なくなる。
二軸混練機[(株)池貝製 PCM−30]で混練、冷却したトナー粗粉砕物(8.6メッシュパス〜30メッシュオンのもの)を、超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]により下記条件で微粉砕した。
粉砕圧:0.5MPa
アジャスターリング:15mm
ルーバーの大きさ:中
粉砕時間:10分
これを分級せずに、体積平均粒径をコールターカウンター−TAII(ベックマンコールター社製)により測定し、トナー粉砕性の評価とした。
[判定基準]
◎ : 10μm未満
○ : 10μm以上11μm未満
△ : 11μm以上12μm未満
× : 12μm以上
Claims (7)
- 多価アルコール(x1)、ポリカルボン酸(y1)と、炭素数9〜30の脂肪族1価アルコール(x2)および/または炭素数9〜30の脂肪族モノカルボン酸(y2)とを構成単位として有するポリエステル樹脂であって、(x1)、(y1)、(x2)、(y2)の合計モル数に対する(x2)と(y2)の合計モル数の比率が2〜30モル%であり、ガラス転移温度が28〜45℃であり、かつ鉛筆硬度が2B〜6Hであるポリエステル樹脂(A)と、(x1)、(y1)、(x2)、(y2)の合計モル数に対する(x2)と(y2)の合計モル数の比率が0モル%であり、ガラス転移温度が58℃〜59℃であるポリエステル樹脂(B)とを含有し、トナーバインダー中のポリエステル樹脂(A)の含有率が、トナーバインダーの重量に基づいて70〜90重量%であるトナーバインダー。
- ポリエステル樹脂(A)が、酸価と水酸基価の和が3〜50mgKOH/gのポリエステル樹脂である請求項1に記載のトナーバインダー。
- ポリエステル樹脂(A)が、(x1)、(y1)、(x2)、(y2)の合計モル数に対する(y2)のモル数の比率が、3〜18モル%のポリエステル樹脂である請求項1または2に記載のトナーバインダー。
- ポリエステル樹脂(A)において、(y2)が炭素数10〜24の直鎖アルカンモノカルボン酸である請求項1〜3のいずれかに記載のトナーバインダー。
- ポリエステル樹脂(A)の軟化点が60〜150℃である請求項1〜4のいずれかに記載のトナーバインダー。
- ポリエステル樹脂(A)のピークトップ分子量が2,000〜10,000である請求項1〜5のいずれかに記載のトナーバインダー。
- 請求項1〜6のいずれかに記載のトナーバインダーと着色剤を含有するトナー組成物。
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