JP2007279652A - 静電荷像現像用トナーおよび該静電荷像現像用トナーを用いた画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】重縮合ポリエステル樹脂からなる静電荷像現像用トナーであって、該ポリエステル樹脂が、下記一般式(I)または(II)で表される少なくとも1種のチタン含有触媒(a)の存在下に形成されてなる樹脂であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
Ti(−X)m(−OH)n・・・(I)
O=Ti(−X)p(−OR)q・・・(II)
〔Xは炭素数2〜12の(ポリ)アルカノールアミンから1個のOH基のHを除いた残基、RはH、または1〜3個のエーテル結合を含んでいてもよい炭素数1〜8のアルキル基である。mは1〜4、nは0〜3、mとnの和は4、pは1〜2、qは0〜1、pとqの和は2(それぞれ整数)である。〕
【選択図】なし
Description
Ti(−X)m(−OH)n・・・(I)
O=Ti(−X)p(−OR)q・・・(II)
なお、前記式(I)および(II)中、Xは炭素数2〜12のモノもしくはポリアルカノールアミンから1個のOH基のHを除いた残基であり、ポリアルカノールアミンの他のOH基が同一のTi原子に直接結合したOH基と分子内で重縮合し環構造を形成していてもよく、他のTi原子に直接結合したOH基と分子間で重縮合し繰り返し構造を形成していてもよい。繰り返し構造を形成する場合の重合度は2〜5である。RはH、または1〜3個のエーテル結合を含んでいてもよい炭素数1〜8のアルキル基である。mは1〜4の整数、nは0〜3の整数、mとnの和は4である。pは1〜2の整数、qは0〜1の整数、pとqの和は2である。mまたはpが2以上の場合、それぞれのXは同一であっても異なっていてもよい。
された樹脂を含有するポリエステル樹脂粒子を含む粒子を、水系媒体中で乳化、分散、凝
集させて得られる静電荷像現像用トナーおよび該静電荷像現像用トナーを用いた画像形成
装置を提供することができる。
本実施形態に用いるチタン含有触媒(a)は、前記式(I)または(II)で表される化合物であり、2種以上を併用してもよい。
一般式(I)および(II)において、Xは炭素数2〜12のモノもしくはポリアルカノールアミンから1個のOH基のH原子を除いた残基であり、窒素原子の数、すなわち、1級、2級、および3級アミノ基の合計数は、通常1〜2個、好ましくは1個である。
また、式(II)中、pは1〜2の整数、qは0〜1の整数であり、pとqの和は2である。mまたはpが2以上の場合、複数存在するXは同一であっても異なっていてもよいが、すべて同一である方が好ましい。
これらのチタン含有触媒(a)は、例えば市販されているチタニウムジアルコキシビス(アルコールアミネート;DuPont製など)を、水存在下で70〜90℃にて反応させることで安定的に得ることができる。
ポリエステル樹脂(AX)および(AY)としては、以下のものなどが挙げられ、これらのものを併用することもできる。
(AX2):(g)および(i)とともに(h)および/または(j)を用いた非線状のポリエステル樹脂
(AY1):(AX2)に(c)を反応させた変性ポリエステル樹脂
なお、上記および以下において水酸基価および酸価は、JIS K 0070に規定の方法で測定される。
ヒドロキシカルボン酸(k)としては、ヒドロキシステアリン酸、硬化ヒマシ油脂肪酸などが挙げられる。ラクトン(l)としては、カプロラクトンなどが挙げられる。
(c)のエポキシ当量は、好ましくは50〜500である。下限では、さらに好ましくは70、とくに好ましくは80であり、また上限では、さらに好ましく300、とくに好ましくは200である。エポキシ基数とエポキシ当量が上記範囲内であると、現像性と定着性が共に良好である。上述の1分子当たりのエポキシ基数およびエポキシ当量の範囲を同時に満たせばさらに好ましい。
即ち、フルカラー用には高光沢画像が求められるため、低粘性のバインダとする必要があるが、モノクロ用には光沢は特に必要なく、ホットオフセット性が重視されるため高弾性のバインダとする必要がある。
200mlの共栓付きマイヤーフラスコに、試料約0.5gを精秤し、THF(テトラヒドロフラン)50mlを加え、3時間攪拌還流させて冷却後、グラスフィルターで不溶分をろ別する。THF不溶分の値(%)は、グラスフィルター上の樹脂分を80℃で3時間減圧乾燥した後の重量と試料の重量比から算出する。
なお、後述する分子量の測定には、このろ液をTHF可溶分として使用する。
トナーを直径20mm、厚さ2.00mmのペレットに成型しHAKE製RheostressRS50を用いて20mmΦのパラレルプレートに固定し測定する。測定する条件は温度挿引、周波数1Hz(6.28rad/s)、温度80〜210℃、歪み0.1(ひずみ制御)、昇温速度2.5℃/Minの条件で測定する。
フローテスターを用いて、下記条件で等速昇温し、その流出量が1/2になる温度をもって軟化点とする。
装置 :島津(株)製 フローテスター CTF−500D
荷重 :20kgf/cm2
ダイ :1mmΦ−1mm
昇温速度:6℃/min
試料量 :1.0g
また、ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は好ましくは1000〜10000であり、さらに好ましくは2000〜8000である。Mnが1000以上で耐熱保存安定性および耐オフセット性が良好となり、8000以下でトナーの低温定着性が良好となる。
また、重量平均分子量(Mw)との比(Mw/Mn)が2〜10であることが好ましく、3〜8であることがさらに好ましい。(Mw/Mn)は2以上でトナーの定着可能な温度領域が得られ、10未満でトナーの低温定着性が良好となる。
装置 : 東ソー製 HCL−8120
カラム : TSKgelGMHXL(2本)
TSKgelmultiporeHXL−M(1本)
測定温度 : 40℃
試料溶液 : 0.25%のTHF溶液
溶液注入量: 100μl
検出装置 : 屈折率検出器
基準物質 : ポリスチレン
JIS K0070−1992に記載の測定方法に準拠して以下の条件で測定を行う。
試料調整:トナー0.5g(酢酸エチル可溶成分では0.3g)をトルエン120mlに添加して室温(23℃)で約10時間撹拌して溶解する。更にエタノール30mlを添加して試料溶液とする。
あらかじめ標定されたN/10苛性カリ〜アルコール溶液で滴定し、アルコールカリ液の消費量から次の計算で酸価を求める。
酸価=KOH(ml数)×N×56.1/試料重量
(ただしNは(N/10)のKOHのファクター)
試料0.5gを100mlのメスフラスコに精秤し、これにアセチル化試薬5mlを正しく加える。その後100℃±5℃の浴中に浸して加熱する。1〜2時間後フラスコを浴から取り出し、放冷後水を加えて振り動かして無水酢酸を分解する。更に分解を完全にするため再びフラスコを浴中で10分間以上加熱し放冷後、有機溶剤でフラスコの壁を良く洗う。この液を、前記電極を用いてN/2水酸化カリウムエチルアルコール溶液で電位差滴定を行い、OH価を求める(JISK0070−1966に準ずる。)。
なお、上記および以下においてポリエステル樹脂のTgは、セイコー電子工業(株)製DSC20,SSC/580を用いてASTM D3418−82に規定の方法(DSC法)で測定される。
(c)と反応させる(AX2)の酸価は、好ましくは1〜60、さらに好ましくは5〜50である。酸価が1以上であると、(c)が未反応で残存して樹脂の性能に悪影響を及ぼす恐れがなく、60以下であると、樹脂の熱安定性が良好である。
また、(AY1)を得るのに用いる(c)の量は、低温定着性および耐ホットオフセット性の観点から、(AX2)に対して、好ましくは0.01〜10%、さらに好ましくは0.05〜5%である。
前記本実施形態の乳化液は、塩基性物質が存在する水系媒体中で本実施形態のポリエステルを乳化する乳化工程により得られる。本実施形態に係る乳化工程において、既述のポリエステル樹脂の乳化粒子(液滴)は、水系媒体と、ポリエステル樹脂を含む液(ポリマー液)とを混合した溶液に、剪断力を与えることにより形成される。
前記分散剤の使用量としては、前記ポリエステル樹脂(トナーバインダ)100重量部に対して、0.01〜20重量部が好ましい。
尚、着色剤を用いる場合は、この乳化粒子を形成する前に、予め着色剤を混入させておくこともできる。
前記結晶性ポリエステル樹脂の乳化粒子(液滴)の大きさとしては、その平均粒子径(体積平均粒径)で0.01〜1μmが好ましく、0.03〜0.8μmがより好ましく、0.03〜0.4μmがさらに好ましい。
前記凝集工程においては、得られた乳化粒子を、前記ポリエステル樹脂の融点付近の温度で、かつ融点以下の温度にて加熱して凝集し凝集体を形成する。
乳化粒子の凝集体の形成は、攪拌下、乳化液のpHを酸性にすることによってなされる。当該pHとしては、2〜6が好ましく、2.5〜5がより好ましく、2.5〜4がさらに好ましい。この際、凝集剤を使用するのも有効である。
合一工程においては、凝集工程と同様の攪拌下で、凝集体の懸濁液のpHを3〜10の範囲にすることにより、凝集の進行を止め、前記ポリエステル樹脂の融点以上の温度で加熱を行うことにより凝集体を合一させる。前記加熱の温度としては、前記ポリエステル樹脂の融点以上であれば問題無い。前記加熱の時間としては、合一が十分に為される程度行えばよく、0.5〜10時間程度行えばよい。
乾燥工程では、通常の振動型流動乾燥法、スプレードライ法、凍結乾燥法、フラッシュジェット法など、任意の方法を採用することができる。トナーの粒子は、乾燥後の含水分率を1.0%以下、好ましくは0.5%以下に調整することが望ましい。
コア用樹脂粒子Aは単一種の樹脂粒子から構成されるだけでなく、分子量の異なる複数の樹脂粒子、例えば、高分子量コア用樹脂粒子a1、中間分子量コア用樹脂粒子a2、低分子量コア用樹脂粒子a3から構成されていてもよいし、多段重合法により分子量の異なる樹脂、例えばコア用樹脂a1、a2、a3を多層化(複合化)させた樹脂粒子(複合樹脂粒子)から構成されていてもよい。すなわち、コア粒子は、分子量の異なる複数の樹脂粒子と所望により着色剤粒子等とを凝集/融着させることにより、また、複合樹脂粒子と所望により着色剤粒子等とを凝集/融着させることにより得ることができる。コア粒子全体の樹脂の数平均分子量(Mn)は好ましくは1,000〜10,000であり、さらに好ましくは2,000〜8,000の範囲である。Mnが1,000以上であれば耐熱保存安定性および耐オフセット性が良好となり、また8,000以下ではトナーの低温定着性が良好となる。
この範囲よりも高いと定着性が不十分となる場合があり、またこの範囲よりも低いとトナーのブロッキング性や保存性が悪化する。
シェル層を構成するシェル用樹脂粒子Bの重量平均分子量(MwB)は、コア用樹脂粒子Aの重量平均分子量(MwA)に対して、下記関係式(i);
MwA<MwB ・・・(i)
が成立する範囲にある。また、当該シェル用樹脂粒子Bの重量平均分子量(MwB)は10,000〜100,000であることが好ましい。MwBがMwA以下であると、耐ストレス性が低下する。
Mwb1<MwA<Mwb2 ・・・(ii)
を満たす樹脂であって、好ましくはそれぞれ上記ガラス転移温度を有する。なお、Mwb1およびMwb2はそれぞれ樹脂成分b1およびb2の重量平均分子量である。このような樹脂成分b1と樹脂成分b2を含有するシェル用樹脂粒子B全体のMwBが前記関係式(i)を満たせば良い。
樹脂成分b2の重量平均分子量(Mwb2)は、より強靭なシェル層を有効に形成する観点から、10,000〜100,000、特に30,000〜100,000の範囲であることが好ましい。
コア粒子を構成するコア用樹脂粒子Aとシェル層を構成するシェル用樹脂粒子Bとの配合重量比(コア:シェル)は、50:50〜90:10であることが好ましい。シェル層の樹脂粒子の比率が小さすぎるとシェル層によるトナーの機械的強度を改善する効果が得られなくなる。またシェル用樹脂粒子Bの比率が大きすぎると定着温度が高くなりすぎるため好ましくない。
まず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの重量平均粒径(D4)、個数平均粒径(Dn)を求めることができる。
本実施形態においては、超微粉トナーの計測にフロー式粒子像分析装置(「FPIA−2100」;シスメックス社製)を用いて計測し、解析ソフト(FPIA−2100 Data Processing Program for FPIA version00−10)を用いて解析を行った。具体的には、ガラス製100mlビーカーに10wt%界面活性剤(アルキルベンゼンスフォン酸塩ネオゲンSC−A;第一工業製薬製)を0.1〜0.5ml添加し、各トナー0.1〜0.5g添加しミクロスパーテルでかき混ぜ、次いでイオン交換水80mlを添加した。得られた分散液を超音波分散器(本多電子社製)で3分間分散処理した。前記分散液を、前記FPIA−2100を用いて濃度を5000〜15000個/μlが得られるまでトナーの形状及び分布を測定した。本測定法は平均円形度の測定再現性の点から前記分散液濃度が5000〜15000個/μlにすることが重要である。前記分散液濃度を得るために前記分散液の条件、すなわち添加する界面活性剤量、トナー量を変更する必要がある。界面活性剤量は前述したトナー粒径の測定と同様にトナーの疎水性により必要量が異なり、多く添加すると泡によるノイズが発生し、少ないとトナーを十分にぬらすことが出来ないため、分散が不十分となる。またトナー添加量は粒径のより異なり、小粒径の場合は少なく、また大粒径の場合は多くする必要があり、トナー粒径が3〜7μmの場合、トナー量を0.1〜0.5g添加することにより分散液濃度を5000〜15000個/μlにあわせる事が可能となる。
他の樹脂としては、スチレン系樹脂[スチレンとアルキル(メタ)アクリレートの共重合体、スチレンとジエン系モノマーとの共重合体等]、エポキシ樹脂(ビスフェノールAジグリシジルエーテル開環重合物等)、ウレタン樹脂(ジオールおよび/または3価以上のポリオールとジイソシアネートの重付加物等)などが挙げられる。
他の樹脂の重量平均分子量は、好ましくは1000〜200万である。
トナーバインダ(A)における他の樹脂の含有量は、好ましくは0〜40%、さらに好ましくは0〜30%、とくに好ましくは0〜20%である。
溶融混合する場合の温度は、好ましくは80〜180℃、さらに好ましくは100〜170℃、とくに好ましくは120〜160℃である。
混合温度が低すぎると充分に混合できず、不均一となることがある。2種以上のポリエステル樹脂を混合する場合、混合温度が高すぎると、エステル交換反応による平均化などが起こるため、トナーバインダとして必要な樹脂物性が維持できなくなる場合がある。
粉体混合する場合の混合条件としては、混合温度は、好ましくは0〜80℃、さらに好ましくは10〜60℃である。混合時間は、好ましくは3分以上、さらに好ましくは5〜60分である。混合装置としては、へンシェルミキサー、ナウターミキサー、およびバンバリーミキサー等が挙げられる。好ましくはヘンシェルミキサーである。
トナー中のトナーバインダの含有量は、着色剤として染料または顔料を使用する場合は、好ましくは70〜98%、さらに好ましくは74〜96%であり、磁性粉を使用する場合は、好ましくは20〜85%、さらに好ましくは35〜65%である。
トナー中の着色剤の含有量は、染料または顔料を使用する場合は、好ましくは2〜15%であり、磁性粉を使用する場合は、好ましくは15〜70%、さらに好ましくは30〜60%である。
(C1)としては、天然カルナウバワックス、および脱遊離脂肪酸型カルナウバワックスが挙げられる。
(C2)としては、石油系フィッシャートロプシュワックス(シューマン・サゾール社製パラフリントH1、パラフリントH1N4およびパラフリントC105など)、天然ガス系フィッシャートロプシュワックス(シェルMDS社製FT100など)、およびこれらフィッシャートロプシュワックスを分別結晶化などの方法で精製したもの[日本精蝋(株)製MDP−7000、MDP−7010など]などが挙げられる。
(C3)としては、石油ワックス系のパラフィンワックス[日本精蝋(株)製パラフィンワックスHNP−5、HNP−9、HNP−11など]などが挙げられる。
(C4)としては、ポリエチレンワックス[三洋化成工業(株)製サンワックス171P、サンワックスLEL400Pなど]、およびポリプロピレンワックス[三洋化成工業(株)製ビスコール550P、ビスコール660Pなど]などが挙げられる。
これらのワックスの内、カルナウバワックス、およびフィッシャートロプシュワックスが好ましく、カルナウバワックス、および石油系フィッシャートロプシュワックスがさらに好ましい。これらのワックスを離型剤として使用することで、トナーとした場合の低温定着性が優れる。
トナー中の離型剤の含有量は、好ましくは0〜10%であり、さらに好ましくは1〜7%である。
離型剤の平均分散粒径が、0.2以上で定着時にトナー表面に離型剤が染み出しやすくなり、定着オイルを塗布しない定着装置においても、十分な定着離型性が得られ、2.0μm以下で、トナーが現像装置内での撹拌によってトナーの表面に耐熱性の低い離型剤が染み出し、キャリアの表面や現像装置内の各種の部材にトナーが融着(フィルミング)するといった現象が発生しやすくなる。
トナー中の荷電制御剤の含有量は、好ましくは0〜5%、さらに好ましくは0.01〜4%である。帯電制御剤は必要に応じて、樹脂等と同時に凝集させてトナー中に分散させた状態とさせる、もしくはトナーの表面に付着させた状態にさせることが可能である。
このシリカとチタニアは、外添剤として併用してトナーに外添することで、トナーに必要な特性が効果的に付与される。すなわち、特にシリカはトナーの流動性を付与するメリットがあるが、トナーの帯電量を極端に上昇させたり、トナーの帯電量の環境依存性を拡大させるデメリットがある。また、チタニアはそれほどトナーの流動性を付与する効果は少ないが、トナーの帯電量の上昇や環境依存性が少ない。
また、シリカのBET比表面積100m2/g以上で、現像装置内での撹拌によってトナーの表面に付着したシリカがトナーの内部に埋め込まれることによる流動性の低下が抑制される。また、300m2/g以下でトナーに十分な流動性が付与される。
また、チタニアのBET比表面積20m2/g以上で、現像装置内での撹拌によってトナーの表面に付着したチタニアがトナーの内部に埋め込まれることによる帯電性の変化が抑制される。また、150m2/g以下でトナーに十分な流動性が付与される。
また、上記コロの役割の効果は、シリカ微粒子が特に球形に近い形状であるとより発揮される。本実施形態における球形に近い形状とは概略球形となる円形度のことであり、具体的には0.95以上のことを示す。
本実施形態のシリカ微粒子を、トナー表面に外添加し付着させる方法としては、トナー母体粒子とシリカ微粒子を各種の公知の混合装置を用いて、機械的に混合して付着させる方法や、液相中でトナー母体粒子とシリカ微粒子を界面活性剤などで均一に分散させ、付着処理後、乾燥させる方法などがある。
次いで、公知の定着方法等により転写紙(紙、フィルム等)に定着して記録材料とされる。
以下本実施形態のポリエステル樹脂の合成例を示す。以下、部は重量部を示す。
[チタン含有触媒(a)の合成]
冷却管、撹拝機及び液中バブリング可能な窒素導入管の付いた反応槽中に、チタニウムジイソプロポキシビス(トリエタノールアミネート)1617部とイオン交換水126部を入れ、窒素にて液中バブリング下、90℃まで徐々に昇温し、90℃で4時間反応(加水分解)させることで、チタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)を得た。
以降も同様の合成法にて、それぞれ本実施形態に用いるチタン含有触媒(a)を得ることができる。
冷却管、撹拝機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAのPO(プロピレンオキシド(POと略す)) 2モル付加物430部、ビスフェノールAのPO 3モル付加物300部、テレフタル酸257部、イソフタル酸65部、無水マレイン酸10部及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)2部を入れ、220℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら10時間反応させた。次いで、5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が5になった時点で取り出し、室温まで冷却後粉砕して線状ポリエステル樹脂(AX1−1)を得た。
(AX1−1)はTHF不溶分を含有しておらず、その酸価は7、水酸基価は12、Tgは60℃、Mnは6940、Mw/Mnは3.5、Mpは19100、貯蔵弾性率は100℃で1.1×103Pa、150℃で9.1×101Pa、軟化点温度は120℃であった。分子量1500以下の成分の比率は1.2%であった。
冷却管、撹拝機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAのEO(エチレンオキシド)2モル付加物350部、ビスフェノールAのPO 3モル付加物326部、テレフタル酸278部、無水フタル酸40部及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)2部を入れ、230℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら10時間反応させた。次いで、5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸62部を加え、常圧密閉下2時間反応後取り出し、室温まで冷却後、粉砕して非線状ポリエステル樹脂(AX2−1)を得た。
(AX2−1)はTHF不溶分を含有しておらず、その酸価は35、水酸基価は17、Tg(ガラス転移点)は69℃、Mnは3920、Mw/Mnは4.5、Mpは11200、貯蔵弾性率は100℃で7.8×104Pa、150℃で4.5×103Pa、軟化点温度は143℃であった。分子量1500以下の成分の比率は0.9%であった。
(AX1−1)400部と(AX2−1)600部を、コンテイニアスニーダーを用いて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂を、スチールベルト冷却機を使用して、4分間で30℃まで冷却後粉砕して本実施形態のトナーバインダ(TB1)を得た。
[線状ポリエステル樹脂の合成]
重縮合触媒をチタニルビス(トリエタノールアミネート)に代えた以外は合成例1の(AX1−1)と同様に反応させ、室温まで冷却後粉砕して線状ポリエステル樹脂(AX1−2)を得た。
(AX1−2)はTHF不溶分を含有しておらず、その酸価は8、水酸基価は10、Tgは60℃、Mnは6820、Mw/Mnは3.3、Mpは20180、貯蔵弾性率は100℃で1.5×103Pa、150℃で9.5×101Pa、軟化点温度は121℃であった。分子量1500以下の成分の比率は1.1%であった。
重縮合触媒をチタニルビス(トリエタノールアミネート)に代える以外は合成例1の(AX2−1)と同様に反応させ、室温まで冷却後粉砕して線状ポリエステル樹脂(AX2−2)を得た。
(AX2−2)はTHF不溶分を含有しておらず、その酸価は33、水酸基価は14、Tgは70℃、Mnは4200、Mw/Mnは4.6、Mpは11800、貯蔵弾性率は100℃で8.0×104Pa、150℃で4.7×103Pa、軟化点温度は146℃であった。分子量1500以下の成分の比率は0.8%であった。
ポリエステル(AX1−2)500部とポリエステル(AX2−2)500部をヘンシェルミキサーにて5分間粉体混合して本実施形態のトナーバインダ用樹脂(TB2)を得た。
[変性ポリエステル樹脂の合成]
冷却管、撹拝機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAプロピレンオキシド2モル付加物549部、ビスフェノールAプロピレンオキシド3モル付加物20部、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物133部、フェノールノボラック(平均重合度約5)のエチレンオキシド5モル付加物10部、テレフタル酸252部、イソフタル酸19部、無水トリメリット酸10部及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(ジエタノールアミネート)2部を入れ、230℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら10時間反応させた。次いで、5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になるまで反応させた。次いで、無水トリメリット酸50部を加え、常圧下で1時間反応させた後、20〜40mmHgの減圧化で反応させ軟化点が105℃になった時点で、ビスフェノールAジグリシジルエーテル20部を加え、軟化点150℃で取り出し、室温まで冷却後、粉砕して変性ポリエステル樹脂(AY1−1)を得た。
(AY1−1)の酸価は52、水酸基価は16、Tgは73℃、Mnは1860、Mw/Mnは4.0、Mpは6550、貯蔵弾性率は100℃1.3×104Paで、150℃で2.5×103Pa、軟化点温度は132℃、THF不溶分は32%、分子量1500以下の成分の比率は1.0%であり、これをトナーバインダ(TB3)として使用した。
[非線状ポリエステル樹脂の合成]
冷却管、撹拝機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAプロピレンオキシド2モル付加物132部、ビスフェノールAプロピレンオキシド3モル付加物371部、ビスフェノールAエチレンオキシド2モル付加物20部、フェノールノボラック(平均重合度約5)のプロピレンオキシド5モル付加物125部、テレフタル酸201部、無水マレイン酸25部、ジメチルテレフタル酸エステル35部及び縮合触媒としてチタニルビス(トリエタノールアミネート)2部を入れ、230℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら10時間反応させた。次いで、5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸65部を加え、常圧密閉下2時間反応後取り出し、室温まで冷却後、粉砕し非線状ポリエステル樹脂(AX2−3)を得た。
非線状ポリエステル樹脂(AX2−3)の軟化点温度は144℃、酸価は30、水酸基価は16、Tgは59℃、Mnは1410、Mw/Mnは4.2、Mpは4110、貯蔵弾性率は100℃で8.8×104Pa、150℃で1.1×104Pa、THF不溶分は27%、分子量1500以下の成分の比率は1.0%であり、これをトナーバインダ(TB4)として使用した。
[非線状ポリエステル樹脂の合成]
冷却管、撹拝機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAプロピレンオキシド2モル付加物410部、ビスフェノールAプロピレンオキシド3モル付加物270部、テレフタル酸110部、イソフタル酸125部、無水マレイン酸15部及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)2部を入れ、220℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら10時間反応させた。次いで、5〜20mmHg(5〜20トール(≒666〜2666Pa))の減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸25部を加え、常圧密閉下2時間反応後取り出し、室温まで冷却後粉砕し非線状ポリエステル樹脂(AX2−4)を得た。
(AX2−4)は、THF不溶分を含有しておらず、その酸価は18、水酸基価は37、Tgは62℃、Mnは2130、Mw/Mnは3.3、Mpは5350、貯蔵弾性率は100℃で9.0×102Pa、150℃で8.0×101Pa、軟化点温度は117℃であった。分子量1500以下の成分の比率は1.3%であった。
冷却管、撹拝機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキシド2モル付加物317部、ビスフェノールAプロピレンオキシド2モル付加物57部、ビスフェノールAプロピレンオキシド3モル付加物298部、フェノールノボラック(平均重合度約5)のプロピレンオキシド5モル付加物75部、イソフタル酸30部、テレフタル酸157部、無水マレイン酸27部及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)2部を入れ、230℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら10時間反応させた。次いで、5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で180℃に冷却し、次いで、無水トリメリット酸68部を加え、常圧下で1時間反応させた後、20〜40mmHgの減圧化で反応させ軟化点が120℃になった時点で、ビスフェノールAジグリシジルエーテル25部を加え、軟化点155℃で取り出し、室温まで冷却後、粉砕し変性ポリエステル樹脂(AY1−2)を得た。
(AY1−2)の酸価は11、水酸基価は27、Tgは60℃、Mnは3020、Mw/Mnは4.4、Mpは6030、貯蔵弾性率は100℃で7.6×104Pa、150℃で4.2×103Pa、軟化点温度は140℃、THF不溶分は35%であった。分子量1500以下の成分の比率は1.1%であった。
(AX2−4)500部と(AY1−2)500部を、コンテイニアスニーダーを用いて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂を、スチールベルト冷却機を使用して、4分間で30℃まで冷却後粉砕して本実施形態のトナーバインダ(TB5)を得た。
[比較用線状ポリエステル樹脂の合成]
重縮合触媒をチタンテトライソプロポキシドに代える以外は、実施例1の(AX1−1)と同様に反応させた。触媒失活のために反応が途中で停止してしまい、生成水が留出しなくなる問題が生じたため、反応途中でチタンテトライソプロポキシド2部を4回追加し、比較用線状ポリエステル樹脂(CAX1−1)を得た。
(CAX1−1)は、THF不溶分を含有しておらず、その酸価は7、水酸基価は12、Tgは58℃、Mnは6220、Mw/Mnは4.4、Mpは18900、貯蔵弾性率は100℃で9.0×103Pa、150℃で4.0×103、軟化点温度は138℃であった。分子量1500以下の成分の比率は2.2%であった。
重縮合触媒をチタンテトライソプロポキシドに代える以外は、実施例1の(AX2−1)と同様に反応させた。常圧下で16時間、減圧下で8時間反応させた。反応速度が遅かったため、反応途中でチタンテトラプロポキシド2部を3回追加し、比較用非線状ポリエステル樹脂(CAX2−1)を得た。
(CAX2−1)は、THF不溶分を含有しておらず、その酸価は34、水酸基価は16、Tgは68℃、Mnは3420、Mw/Mnは4.0、Mpは12100、貯蔵弾性率は100℃で3.9×103Pa、150℃で6.8×102Pa、軟化点温度は135℃であった。分子量1500以下の成分の比率は2.1%であった。
(CAX1−1)400部と(CAX2−1)600部を、コンテイニアスニーダーを用いて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂を、スチールベルト冷却機を使用して、4分間で30℃まで冷却後粉砕して比較トナーバインダ(CTB1)を得た。(CTB1)は強い紫褐色をした樹脂であった。
[比較用変性ポリエステル樹脂の合成]
重縮合触媒をチタンテトラブトキシドに代えた以外は、合成例3と同様に反応させて比較用変性ポリエステル樹脂(CAY1−2)を得た。
(CAY1−2)の軟化点は150℃、酸価は53、水酸基価は17、Tgは71℃、Mnは1660、Mw/Mnは4.2、Mpは6340、貯蔵弾性率は100℃で1.6×104Pa、150℃で2.7×103Pa、軟化点温度は135℃、THF不溶分は34%、分子量1500以下の成分の比率は3.1%であり、これをトナーバインダ(CATB2)として使用した。
[樹脂分散液(1)の調整]
合成例1で作成したトナーバインダ(TB1)をコンテイニアスニーダーにて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混練させ、更に別途準備した水性媒体タンクには試薬アンモニア水をイオン交換水で希釈した0.37重量%濃度の希アンモニア水を入れ、熱交換器で120℃に加熱しながら毎分0.05リットルの速度で、上記ポリエステル樹脂熔融体(毎分100g)と同時に湿式乳化装置(キャビトロン:株式会社ユーロテック製)に移送した。
回転子の回転速度が60Hz、圧力が5kg/cm2の条件で湿式乳化装置を運転し、体積平均粒径0.14μmのポリエステル樹脂からなる樹脂分散液(1)(樹脂粒子濃度:30重量%)を得た。
材料
・パラフィンワックス(日本精蝋(株)性:FNP0090,融点90℃)59.5重量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK):5重量部
・イオン交換水:200重量部
上記材料を110℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザ(ゴーリン社)で分散処理し、体積平均粒径が225nmである離型剤を分散させてなる離型剤分散液(離型剤濃度:22.5重量%)を調製した。
・シアン顔料(東洋インキ(株)社製、Pigment Blue 15:3(銅フタロシアニン)):2500重量部
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンR):150重量部
・イオン交換水:8500重量部
上記材料を混合し、溶解し、高圧衝撃式分散機アルティマイザー((株)スギノマシン製、HJP30006)を用いて約1時間分散して着色剤(シアン顔料)を分散させてなる着色剤分散液を調製した。着色剤分散液における着色剤(シアン顔料)の平均粒径は、0.13μm、着色剤粒子濃度は24重量%であった。
ポリエステル樹脂分散液(1):350重量部
・アニオン界面活性剤(テイカパワーBN2060):6.0重量部
・着色剤分散液:18.0重量部
・離型剤分散液(1):40.0重量部
・ノニオン性界面活性剤(IGEPAL CO897):1.3重量部
容量5Lの円筒ステンレス容器にポリエステル樹脂分散液(1)、離型剤分散液(1)と脱イオン水を285重量部加えて80℃に加熱し、アニオン界面活性剤を添加後、150rpmで攪拌しながら30分保持した後、室温まで放冷した。次いで、室温になった前述の混合物に上記原料の着色剤分散液およびノニオン性界面活性剤および凝集剤としてポリ塩化アルミニウムの10%硝酸水溶液2.74重量部を添加し、Ultraturraxにより6000rpmでせん断力を加えながら5分間ホモジナイズした。この時、硝酸を加え、原料のpHを3.0に制御しながら分散混合を行った。また、原料溶液が増粘した為、十分攪拌し、均一になったところで、攪拌装置、温度計を備えた重合釜にセットした。
本トナー1を7重量部とフェライト(F−300;パウダーテック社製)にアミノシランカップリング剤を分散したシリコーン樹脂をトルエンに分散させ、スプレーコートしたコート樹脂膜厚0.4μmのキャリア93部をターブラーミキサーにて3分間均一混合し、評価用の二成分現像剤とした。
<定着下限温度、定着上限温度、定着可能温度幅>
評価用の2成分現像剤をリコー製Imagio Neo C600にセットし、転写紙(リコー製タイプ6200)にベタ画像で、0.60±0.05(mg/cm2)のトナーが現像されるように調整を行い、未定着画像を作成し、定着ベルトの表面温度を変えて定着性の評価を実施した。
得られた定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる下限の定着温度を、定着下限温度とした。
また、同じ未定着画像を作成し、定着温度を上げていってオフセットの発生しない上限の温度を定着上限温度とした。
定着上限温度から定着下限温度を差し引いた値を、定着可能温度幅とした。
未定着画像を定着ベルトの表面温度を170℃に設定し、前記未定着画像を定着させて定着画像を作成した。定着画像の光沢度は、日本電色工業(株)社製デジタル変角光沢計VSG−1Dを用い入射角60°で測定する。上記ベタ画像を任意に5回測定し、平均の値を光沢度とする。
作成した二成分現像剤を、50℃・85%R.H.の高温高湿環境下で、48時間調湿した。同環境下において該現像剤のブロッキング状態を目視判定し、さらにリコー製カラー複写機Imagio Neo C600でコピーした時の画質を観察した。
判定基準
◎:トナーのブロッキングがなく、画質も良好。
○:トナーのブロッキングはないが、1000枚複写後の画質に僅かに乱れが観察される。
△:トナーのブロッキングが目視でき、1000枚複写後の画質に乱れが観察される。
×:トナーのブロッキングが目視でき、1000枚までに画像が出なくなる。
前記評価用の2成分現像剤をリコー製Imagio Neo C600にセットし、厚手の転写紙(リコー製90W紙)を通紙させ、2ドットの4色重ね横ラインを出力した時の画像を200倍レンズ(VH−200)を搭載したマイクロスコープVH−5910(キーエンス社製)により観察し、その視野中における1ラインの虫食いの程度を目視により4段階で評価した。
判定基準
◎:虫食い未発生。
○:虫食いによる転写ヌケが僅かに発生(1〜2箇所)。
△:部分的に虫食いによる転写ヌケが発生(数箇所)。
×:虫食いにより全面的に転写ヌケが発生。
前記評価用の2成分現像剤をリコー製Imagio Neo C600にセットし、各色5%の画像面積率の横帯画像を連続10000枚プリント後、クリーニング不良の発生を確認した。
判定基準
◎:クリーニング不良全く無し。
○:クリーニングが画像上では確認できないが、感光体上や中間転写体上で僅かに観察
される。
△:クリーニング不良による縦スジが画像上で1本確認される。
×:クリーニング不良が複数発生。
実施例1で使用したトナーバインダ(TB1)の代わりに、トナーバインダ(TB2)を用いた以外は、実施例1と同様にトナー母粒子2およびトナー2を作成し、同様の評価を実施した。
実施例1で使用したトナーバインダ(TB1)の代わりに、トナーバインダ(TB3)、さらにパラフィンワックスの代わりにカルナウバワックス(セラリカ野田製:WA−03)を用いた以外は、実施例1と同様にトナー母粒子3及びトナー3を作成し、同様の評価を実施した。
実施例1で使用したトナーバインダ(TB1)の代わりに、トナーバインダ(TB4)、さらにパラフィンワックスの代わりにカルナウバワックス(セラリカ野田製:WA−03)を用いた以外は、実施例1と同様にトナー母粒子4及びトナー4を作成し、同様の評価を実施した。
実施例1で使用したトナーバインダ(TB1)の代わりに、トナーバインダ(TB5)を用いた以外は、実施例1と同様にトナー母粒子5及びトナー5を作成し、同様の評価を実施した。
実施例5で使用したトナー母粒子5作成時の急冷後の分散液を固形分濃度20重量%になるように遠心分離器で濃縮した(これがコア粒子となる)。次いで、本分散液を50℃まで昇温し、粒子表面を被覆する目的で、実施例1で作成した樹脂分散液(1)と実施例3で作成した樹脂分散液(3)を15重量部ずつ添加し、pHを3.2まで下げた。続いて、被覆粒子のコア融合粒子表面への吸着及び被覆を促進させる為に、凝集剤(ポリ塩化アルミニウム10%硝酸水溶液)を0.14重量部加え、さらにコア融合粒子表面上の粒子の融着を促進させる為に、50℃のまま5時間保持した。電子顕微鏡で無定形高分子被覆層が融着したのを確認してから、粒子表面を洗浄する目的で、1Nの水酸化ナトリウム水溶液でpH9.5まで上げて、アルカリ洗浄を行った。次いで、一旦濾過後、脱イオン水で分散洗浄を3回繰り返し、さらに粒子スラリーを0.3Nの硝酸水溶液でpH4.1にしながら40℃で洗浄を行い、最終的に脱イオン温水(40℃)で洗浄を行った。これを乾燥しトナー母粒子(6)を得た。
実施例1と同様に外添剤を混合しトナー6を作成し、実施例1と同様の評価を実施した。
[結晶性ポリエステル樹脂分散液Aの作成]
加熱乾燥した三口フラスコに、イソフタル酸ジメチル−5−スルホン酸ナトリウム2mol%、5−t−ブチルイソフタル酸7.5mol%の酸成分、および、1,9ノナンジオール100mol%と、触媒として(n−Bu)2SnO(酸化ノルマルブチルスズ:酸成分に対し、0.05重量%)とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を減圧し、さらに窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌しながら185℃で加熱した。1時間30分経過したところで、フラスコ内容物が透明に溶融するので、一旦加熱用のマントルヒータを外し、フラスコの口の一ヶ所から1,10−ドデカン二酸90.5mol%を添加した。再び、窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、6時間還流を行った。その後、減圧蒸留で220℃まで徐々に昇温をつづけ4時間攪拌し、粘稠な状態となったところでGPCにより分子量を確認し、重量平均分子量19200になったところで、減圧蒸留を停止し、結晶性ポリエステル(1)を得た。
実施例1と同様に外添剤を混合しトナー7を作成し、実施例1と同様の評価を実施した。
実施例1で使用したトナーバインダ(TB1)の代わりに、トナーバインダ(CATB1)を用いた以外は、実施例1と同様に比較トナー母粒子1および比較トナー1を作成し、同様の評価を実施した。
実施例1で使用したトナーバインダ(TB1)の代わりに、トナーバインダ(CATB2)を用いた以外は、実施例1と同様に比較トナー母粒子2及び比較トナー2を作成し、同様の評価を実施した。
本実施形態のトナーバインダ(TB1)100部、カルナバワックス5部およびイエロー顔料[クラリアント(株)製toner yellow HG VP2155]4部をヘンシェルミキサー[三井三池化工機(株)製FM10B]を用いて予備混合した後、二軸混練機[(株)池貝製 PCM−30]で110℃の設定温度で混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製 MDS−I]で分級し重量平均粒径が7.2μmの比較トナー粒子3を得た。さらに、実施例1と同様に外添剤を混合して比較トナー3を作成し、同様にキャリアと混合し二成分現像剤を得た。
たとえば定着下限温度が130℃以下であり、定着温度幅が70度を越え、光沢度が15を越える3点を同時に満足している。
これら3点について、以下のようにして評価した。
120℃ 3点 125℃ 2点 130℃ 1点 以下、5℃上がるごとに−1ずつ付加して評価した。
・1−2:定着温度幅
105度 3点 100度 2点 95度 1点 以下、5度下がるごとに−1ずつ付加して評価した。
・1−3:光沢度
25を越すもの 3点 25 2.5点 24 2点 以下、1落ちるごとに−0.5ずつ付加して評価した。
これに対し比較例では、比較例1 −7,比較例2 −11.5,比較例3 0点となった。
このような本実施形態のトナーは、低温定着性に優れながら、定着温度に大きなアローワンス性(許容性)を有する。
個数平均粒径Dnが3.5を越え5.8未満(付加的条件D−5−1)、好ましくは4.4以上5.8未満(付加的条件D−5−2)、特に好ましくは4.4を越え5.8未満(付加的条件D−5−3)、さらに好ましくは4.8以上5.8未満(付加的条件D−5−4)
比D4/Dnが1.24以下(付加的条件D−6−1)、好ましくは1.20以下(付加的条件D−6−2)、さらに好ましくは1.20未満(付加的条件D−6−3)
なお上記付加的条件の好ましい組み合わせは、D4と、比D4/Dnとの組み合わせである、(付加的条件D−4−1)と(付加的条件D−6−1)、(付加的条件D−4−2)と(付加的条件D−6−1)、(付加的条件D−4−3)と(付加的条件D−6−1)、(付加的条件D−4−1)と(付加的条件D−6−2)、(付加的条件D−4−2)と(付加的条件D−6−2)、(付加的条件D−4−3)と(付加的条件D−6−2)、(付加的条件D−4−1)と(付加的条件D−6−3)、(付加的条件D−4−2)と(付加的条件D−6−3)、(付加的条件D−4−3)と(付加的条件D−6−3)、であり、
特に、(付加的条件D−4−3)と(付加的条件D−6−1)、(付加的条件D−4−3)と(付加的条件D−6−2)、(付加的条件D−4−3)と(付加的条件D−6−3)の条件の組み合わせが上記した好ましい条件の組み合わせである、条件A1〜A4と、条件B1〜B8と、条件C1〜C4のそれぞれ各1つずつの積集合の条件、あるいは前記特にはの条件A2〜A4と、条件B4〜B8と、条件C2〜C4のそれぞれの各1つの条件に付加されることが好ましい。
Claims (22)
- 少なくともポリエステル樹脂粒子を含む粒子を水系媒体中で乳化、分散、凝集させて得られる静電荷像現像用トナーであって、該ポリエステル樹脂粒子が、下記一般式(I)または(II)で表される少なくとも1種のチタン含有触媒(a)の存在下に形成された樹脂を含有し、
前記トナーはさらに着色剤と離型剤を含有することを特徴とする静電荷像現像用トナー。
Ti(−X)m(−OH)n・・・(I)
O=Ti(−X)p(−OR)q・・・(II)
〔前記式(I)および(II)中、Xは炭素数2〜12のモノもしくはポリアルカノールアミンから1個のOH基のHを除いた残基であり、ポリアルカノールアミンの他のOH基が同一のTi原子に直接結合したOH基と分子内で重縮合し環構造を形成していてもよく、他のTi原子に直接結合したOH基と分子間で重縮合し繰り返し構造を形成していてもよい。繰り返し構造を形成する場合の重合度は2〜5である。RはH、または1〜3個のエーテル結合を含んでいてもよい炭素数1〜8のアルキル基である。mは1〜4の整数、nは0〜3の整数、mとnの和は4である。pは1〜2の整数、qは0〜1の整数、pとqの和は2である。mまたはpが2以上の場合、それぞれのXは同一であっても異なっていてもよい。〕 - 前記式(I)または(II)中のXは、ジもしくはトリアルカノールアミンから1個のOH基のHを除いた残基である請求項1記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記式中のmまたはpが2以上であり、Xがすべて同一の基である請求項1または2記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記ポリエステル樹脂の少なくとも一部がポリエポキシド(c)で変性されたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記トナーの重量平均粒径(D4)が3.0〜7.0μmであり、個数平均粒径(Dn)との比(D4/Dn)が、1.05〜1.30であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記トナーの平均円形度が0.93〜0.99であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記トナーの円形度が0.95〜0.97の範囲に、50個数%以上の粒子が含まれることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記ポリエステル樹脂のガラス転移点が50〜80℃、軟化点が80〜130℃、酸価が0.2〜50であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)が1000〜10000であり、重量平均分子量(Mw)との比(Mw/Mn)が2〜10であることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記ポリエステル樹脂の100℃での貯蔵弾性率が103〜106Paの範囲であり、150℃での貯蔵弾性率が102〜104Paの範囲であることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記ポリエステル樹脂がスルホン酸基を有する2価のカルボン酸を共重合体成分として含有することを特徴とする請求項1から10のいずれか1項記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記トナーがコア用樹脂粒子Aを含むコア粒子から形成されるコア部分と、シェル用樹脂粒子Bを含むシェル微粒子から形成されるシェル部分とからなるコアシェル構造を有することを特徴とする請求項1から11のいずれか1項記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記トナーが、前記ポリエステル樹脂粒子を含むコア用樹脂粒子Aを凝集させながら加熱によって固定化させ、コア粒子を形成する工程と、コア粒子分散液に前記シェル用樹脂粒子Bを含むシェル微粒子を添加混合し、コア粒子表面にシェル用微粒子が付着してなるシェル化粒子を形成する工程と、シェル化粒子分散液を加熱する工程とを含む方法によって製造されることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項記載の静電潜像現像用トナー。
- 前記シェル用樹脂粒子Bに前記ポリエステル樹脂粒子を含むことを特徴とする請求項1から13のいずれか1項記載の静電潜像現像用トナー。
- 前記コアシェル構造からなるトナーにおいて、コア用樹脂粒子Aとシェル用樹脂粒子Bとの配合重量比(コア:シェル)が50:50〜90:10であることを特徴とする請求項1から14のいずれか1項記載の静電潜像現像用トナー。
- 前記トナーの内部における着色剤の平均分散粒径が、0.05〜0.50μmであることを特徴とする請求項1から15のいずれか1項記載の静電潜像現像用トナー。
- 前記トナーの内部における離型剤の平均分散粒径が、0.2〜2.0μmであることを特徴とする請求項1から16のいずれか1項記載の静電潜像現像用トナー。
- 前記トナーの表面近傍の離型剤の存在量(離型剤量/(離型剤量+樹脂量))が0.5〜10重量%であることを特徴とする請求項1から17のいずれか記載の静電潜像現像用トナー。
- 前記トナーはその表面に無機微粒子からなる外添剤が付着してなり、無機微粒子が疎水化度50%以上でBET比表面積100〜300m2/gシリカ微粒子と、疎水化度50以上でBET比表面積20〜150m2/gのチタニア微粒子とからなることを特徴とする請求項1から18のいずれか1項記載の静電潜像現像用トナー。
- 前記無機微粒子として平均粒径60〜150nmの概略球形のシリカ粒子を含むことを特徴とする請求項1から19のいずれか1項記載の静電潜像現像用トナー。
- 電子写真画像形成潜像を担持する像担持体と、像担持体上の潜像を現像装置内のトナーで現像する現像装置と、像担持体表面のトナー像を被転写体に転写する転写装置と、像担持体表面に残留したトナーをクリーニングするクリーニング装置と、被転写体に転写されたトナー像を定着部材により加熱、加圧して記録媒体に定着させる定着装置とを備える画像形成装置であって、前記クリーニング装置における前記トナーをクリーニングする部材が弾性ブレードからなり、前記トナーは、請求項1から20のいずれか1項記載の静電潜像現像用トナーであることを特徴とする画像形成装置。
- 前記定着装置における前記トナーを定着させる部材が、ベルト又はシート材質からなることを特徴とする請求項21記載の画像形成装置。
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